JP5388552B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents
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〔1〕 結着樹脂、荷電制御剤、離型剤及び着色剤を含むトナー材料を溶融混練し、得られた溶融混練物を粉砕する工程を含む電子写真用トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂が、軟化点が互いに5℃以上異なる3種のポリエステル1、ポリエステル2及びポリエステル3を含有してなり、
ポリエステル2の含有量が、結着樹脂中、25〜45重量%であり、
ポリエステル1の軟化点をTm1(℃)、ポリエステル2の軟化点をTm2(℃)、ポリエステル3の軟化点をTm3(℃)とするとき、式(A):
Tm1>Tm2>Tm3 (A)
を満足し、
ポリエステル1のガラス転移点をTg1(℃)、ポリエステル2のガラス転移点をTg2(℃)とするとき、式(B):
Tg2−Tg1≧5 (B)
を満足する、
電子写真用トナーの製造方法、並びに
〔2〕 結着樹脂、荷電制御剤、離型剤及び着色剤を含むトナー材料を溶融混練し、得られた溶融混練物を粉砕する工程を含む電子写真用トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂が、軟化点が互いに5℃以上異なる3種のポリエステル1、ポリエステル2及びポリエステル3を配合してなり、
ポリエステル2の配合量が、結着樹脂中、25〜45重量%であり、
ポリエステル1の軟化点をTm1(℃)、ポリエステル2の軟化点をTm2(℃)、ポリエステル3の軟化点をTm3(℃)とするとき、式(A):
Tm1>Tm2>Tm3 (A)
を満足し、
ポリエステル1のガラス転移点をTg1(℃)、ポリエステル2のガラス転移点をTg2(℃)とするとき、式(B):
Tg2−Tg1≧5 (B)
を満足する、
電子写真用トナーの製造方法
に関する。
Tm1>Tm2>Tm3 (A)
を満足する。Tm1はトナーの耐久性と耐オフセット性の観点から相対的に高いことが好ましく、Tm3はトナーの低温定着性の観点から相対的に低いことが好ましい。また、ポリエステル2はガラス転移点が高いが、Tm2が高すぎるとトナーの低温定着性が低下する傾向がある。これらの点から式(A)を満たすことが好ましい。さらに式(A1):
Tm1−Tm2≧20 (A1)
及び式(A2):
Tm2−Tm3≧10 (A2)
を満足することがより好ましい。
Tg2−Tg1≧5 (B)
を満足し、式(B1):
Tg2−Tg1≧10 (B1)
を満足することが好ましい。
で表されるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。炭素数2〜20の2価のアルコールとして、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,6-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
で表される化合物であるベンジル酸化合物の金属化合物が好ましい。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
一次粒子の平均粒径を下記式より求める。
平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρは外添剤の真比重であり、例えば、シリカの真比重は2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。疎水化処理された外添剤の場合は、疎水化処理前の原体の比表面積とする。なお、上記式は、粒子径Rの球と仮定して、
比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×真比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
表1に示す原料モノマー及びオクチル酸スズ(II)を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコ内で、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.0kPaにて1時間反応させた後、210℃に冷却し表1に示す無水トリメリット酸を添加し常圧で1時間反応させ、8.0kPaにて所望の軟化点に達するまでさらに反応させ、樹脂Aを得た。なお、本明細書において反応率とは、生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100の値で定義される値を意味する。
表1に示す原料モノマー及びオクチル酸スズ(II)を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコ内で、窒素雰囲気下、230℃で反応率が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて所望の軟化点を得るまでさらに反応させ、樹脂B、Cを得た。
表2に示す結着樹脂100重量部及び離型剤、負帯電性荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット社製)1.5重量部、及び着色剤「Paliotol Yellow D1155」(BASF社製)5重量部を、予め500リットル容のヘンシェルミキサー(上羽根:ST、下羽根:Ao、攪拌羽根の周速:24.6m/s、攪拌羽根直径:870mm)を用いて30分(1800秒)間混合後、二軸押出機により溶融混練し、衝突板式粉砕機、ディスパージョンセパレーターを用いて、粉砕、分級を行い、体積中位粒径(D50)が8.5μmの未処理トナーを得た。混合工程において、Fr数(n2・d)は70、Fr・t(n2・d・t)は126,000であった。
樹脂A 50重量部と負帯電性荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット社製)1.5重量部とを、500リットル容のヘンシェルミキサー(上羽根:ST、下羽根:Ao、攪拌羽根の周速:24.6m/s、攪拌羽根直径:870mm、Fr数(n2・d):70)を用い、360秒間混合した(第1混合工程)。
第1混合工程及び第2混合工程で用いるトナー材料を表3に示す手順で用い、表3に示す条件下で混合した以外は、実施例4と同様にして、トナーを得た。使用したトナー材料とその使用量は、実施例4と同じである。
非磁性一成分現像装置「Microline5400」(沖データ(株)製)にトナーを実装し、2cm×3cmのベタ画像部(トナー付着量:1.1mg/cm2)を有する未定着の画像を得た。「Microline3050」(沖データ(株)製)の外部定着機(定着速度:300mm/sec)を用い、定着温度を180℃に設定し、未定着画像を定着させた。
A:定着強度95%以上
B:定着強度85%以上95%未満
C:定着強度75%以上85%未満
D:定着強度75%未満
非磁性一成分現像装置「Microline5400」(沖データ(株)製)のトナーカートリッジを外部モーターにより駆動できる空転機に装填し、A4用紙換算で40枚/分相当の印字速度に調整し、トナーを実装した。空転機を連続運転し1000枚印刷に相当する時間毎に、現像ローラー表面のスジの発生状況を目視で観察した。スジが発生した段階の枚数を表2、3に示す。
Claims (7)
- 結着樹脂、荷電制御剤、離型剤及び着色剤を含むトナー材料を溶融混練し、得られた溶融混練物を粉砕する工程を含む電子写真用トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂が、軟化点が互いに5℃以上異なる3種のポリエステル1、ポリエステル2及びポリエステル3を含有してなり、
ポリエステル2の含有量が、結着樹脂中、25〜45重量%であり、
ポリエステル1の軟化点をTm1(℃)、ポリエステル2の軟化点をTm2(℃)、ポリエステル3の軟化点をTm3(℃)とするとき、式(A):
Tm1>Tm2>Tm3 (A)
を満足し、
ポリエステル1のガラス転移点をTg1(℃)、ポリエステル2のガラス転移点をTg2(℃)とするとき、式(B):
Tg2−Tg1≧10 (B)
を満足する、
電子写真用トナーの製造方法。 - 結着樹脂、荷電制御剤、離型剤及び着色剤を含むトナー材料を溶融混練し、得られた溶融混練物を粉砕する工程を含む電子写真用トナーの製造方法であって、
前記結着樹脂が、軟化点が互いに5℃以上異なる3種のポリエステル1、ポリエステル2及びポリエステル3を配合してなり、
ポリエステル2の配合量が、結着樹脂中、25〜45重量%であり、
ポリエステル1の軟化点をTm1(℃)、ポリエステル2の軟化点をTm2(℃)、ポリエステル3の軟化点をTm3(℃)とするとき、式(A):
Tm1>Tm2>Tm3 (A)
を満足し、
ポリエステル1のガラス転移点をTg1(℃)、ポリエステル2のガラス転移点をTg2(℃)とするとき、式(B):
Tg2−Tg1≧10 (B)
を満足する、
電子写真用トナーの製造方法。 - 結着樹脂の一部と荷電制御剤を混合(第1混合工程)し、得られた混合物を残りのトナー材料と混合(第2混合工程)した後に、溶融混練を行う請求項1又は2記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 第1混合工程で混合する結着樹脂の一部が、ポリエステル2である請求項3記載の電子写真トナーの製造方法。
- 第1混合工程の混合時間と第2混合工程の混合時間の比(第1混合工程/第2混合工程)が、0.5〜2.0である請求項3又は4記載の電子写真用トナーの製造方法。
- 離型剤を第2混合工程で混合する請求項3〜5いずれか記載の電子写真用トナーの製造方法。
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