JP5429963B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーの製造方法に関する。
従来より、トナーの定着性を向上させるために結着樹脂として結晶性ポリエステルの使用が検討されているが、保存性の低下及び現像ブレードへの固着に課題がある。そこで、これを解決するためにフッ素系樹脂粒子やシリカ粒子を外添処理することが提案されている(特許文献1、2参照)が、この効果は十分とは言えない。
一方、外添処理をトナー母粒子のガラス転移点(Tg)付近で行うことにより、外添剤の付着性を高めることが提案されている(特許文献3、4参照)。
特開2008−116666号公報 特開平5−281782号公報 特開平3−171142号公報 特開2008−20578号公報
本発明の課題は、結晶性ポリエステルを含むトナーの保存性及び現像ブレードへの固着を改良し、耐刷後も良好な帯電量を維持することができ、カブリの低減された高品質の画像が得られるトナーの製造方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを含有してなるトナー母粒子に、外添剤として無機粒子とフッ素系樹脂粒子を付着させる外添処理工程を含むトナーの製造方法であって、前記外添処理工程が、トナー母粒子のガラス転移点(Tg)±10℃の温度範囲において、無機粒子を付着させた後に、フッ素系樹脂粒子を付着させる工程である、トナーの製造方法に関する。
本発明の方法により、結晶性ポリエステルを用いても、保存性の低下及び現像ブレードへの固着が生じることなく、耐刷後も良好な帯電量を維持することができ、カブリの低減された高品質の画像が得られるトナーを得ることができる。
本発明は、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを含有したトナー母粒子に、無機粒子とフッ素系樹脂粒子を付着させる外添処理を、トナー母粒子のガラス転移点付近の温度で、かつ多段階で行う点に特徴を有する。トナー母粒子のガラス転移点付近の温度で外添処理を行うことにより、トナー母粒子表面に効率よく無機粒子とフッ素系樹脂粒子を付着させることができ、さらに熱の作用によって結晶性ポリエステルの再結晶化を促し、良好な保存性及び現像ブレードへの固着抑制、さらに帯電性を有するトナーを得ることができる。また、外添処理を、無機粒子を付着させた後にフッ素系樹脂粒子に付着させる、少なくとも2段階で行うことにより、無機粒子とフッ素系樹脂粒子が凝集せず、先に外添処理する無機粒子がトナー母粒子にしっかりと付着し、フッ素系樹脂粒子が最表面に存在することにより、フッ素系樹脂の特性を効果的に発揮でき、良好な帯電性能を有し、カブリ等を抑制するトナーを得ることができる。これに対し、フッ素系樹脂粒子を先に外添処理すると流動性が極端に低下し、外添機内でトナー粒子の凝集やブロッキングが生じる。
本発明において、結着樹脂として、低温定着性の観点から、結晶性ポリエステルを用いるが、耐高温オフセット性及び溶融混練時の溶解粘度保持の観点から、非晶質ポリエステルを結晶性ポリエステルとともに用い、結着樹脂は、ポリエステルを主成分とすることが好ましい。ここで、樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最高ピーク温度との比、即ち軟化点/吸熱の最高ピーク温度で定義される結晶性指数によって表わされる。結晶性ポリエステルは、結晶性指数が0.6〜1.4、好ましくは0.7〜1.2、より好ましくは0.9〜1.2であり、非晶質ポリエステルは1.4を超えるか、0.6未満である。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点に対して20℃以内の差であれば最高ピーク温度を融点とし、軟化点との差が20℃を超える場合はガラス転移点とする。
結晶性ポリエステルの原料モノマーとしては、結晶性を高める観点から、炭素数が2〜6、好ましくは4〜6の脂肪族ジオールを60モル%以上含有したアルコール成分と、炭素数が2〜8、好ましくは4〜6、より好ましくは4の脂肪族ジカルボン酸化合物、又は炭素数8の芳香族ジカルボン酸化合物を、60モル%以上含有したカルボン酸成分が好ましい。なお、ジカルボン酸化合物とは、ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜8)エステルを指す。ここで、好ましい炭素数とは、ジカルボン酸の炭素数を意味する。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール等が挙げられ、なかでも、結晶性を高める観点から、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールが好ましい。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールは、結晶性を高める観点から、アルコール成分中に、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。
アルコール成分には、炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分が含有されていてもよく、式(I):
Figure 0005429963
(式中、RO及びORはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、1,4-ソルビタン等の3価以上のアルコール等が挙げられる。
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられ、結晶性を高める観点から、フマル酸及びアジピン酸が好ましく、フマル酸がより好ましい。
炭素数8の芳香族ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸が挙げられ、結晶性を高める観点から、テレフタル酸が好ましい。なお、ジカルボン酸化合物の中では、ジカルボン酸が好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物又は炭素数8の芳香族カルボン酸化合物は、カルボン酸成分中に、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。結晶性を高める観点から、特に、その中の1種の脂肪族ジカルボン酸化合物が、カルボン酸成分中の好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%を占めているのが望ましい。なかでも、フマル酸が、カルボン酸成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%含有されているのが望ましい。
カルボン酸成分には、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物及び炭素数8の芳香族ジカルボン酸化合物以外の多価カルボン酸成分が含有されていてもよく、該多価カルボン酸成分としては、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜8)エステル等が挙げられる。
さらに、樹脂の分子量調整等の観点から、1価のアルコールや1価のカルボン酸化合物が、アルコール成分及び/又はカルボン酸成分に、本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有されていてもよい。
なお、結晶性ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、製造安定性の観点から、さらにアルコール成分が多い場合には、減圧反応時に蒸発により樹脂の分子量を容易に調整できる観点から、0.9以上1.0以下が好ましく、0.95以上1.0未満がより好ましい。
結晶性ポリエステルとしては、非晶質ポリエステルとの相溶性の観点から、ワックスの存在下で原料モノマーを重合させて得られる結晶性ポリエステルが好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマー重合時に使用されるワックスとしては、炭化水素系ワックス、エステル系ワックス、アミド系ワックス等のいずれでもよいが、結晶性ポリエステルとの相溶性及び離型性の観点から、炭化水素系ワックスが好ましい。炭化水素系ワックスは、一般に、−(CH2−CH(R))n−(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示す)で表される主骨格を有し、具体的には、フィッシャートロプシュワックス等のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン−ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスが挙げられ、これらの中では、結晶性ポリエステルの粉砕性向上の観点から、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスが好ましく、ポリプロピレンワックスがより好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマー重合時に使用されるワックスの含有量は、結晶性ポリエステルの原料モノマー100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜15重量部がより好ましく、1〜10重量部がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じてエステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で縮重合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.6重量部がより好ましい。
結晶性ポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、150℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。また、トナーの保存性を向上させ、現像ブレードへの固着を防止させる観点から、60℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、100℃以上がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、結晶性ポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、60〜150℃が好ましく、80〜140℃がより好ましく、100〜130℃がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、160℃以下が好ましく、140℃以下がより好ましく、130℃以下がさらに好ましい。また、トナーの保存性を向上させ、現像ブレードへの固着を防止させる観点から、50℃以上が好ましく、70℃以上がより好ましく、90℃以上がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、結晶性ポリエステルの軟化点は、50〜160℃が好ましく、70〜140℃がより好ましく、90〜130℃がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの数平均分子量は、トナーの保存性を向上させ、現像ブレードへの固着を防止させる観点から、2,000以上が好ましく、4,000以上がより好ましく、6,000以上がさらに好ましい。また、結晶性ポリエステルの生産性を向上させる観点から、12,000以下が好ましく、10,000以下がより好ましく、9,000以下がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、結晶性ポリエステルの数平均分子量は、2,000〜12,000が好ましく、4,000〜10,000がより好ましく、6,000〜9,000がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの重量平均分子量も数平均分子量と同様の観点から、8,000以上が好ましく、50,000以上がより好ましく、100,000以上がさらに好ましい。また、500,000以下が好ましく、300,000以下がより好ましく、200,000以下がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、結晶性ポリエステルの重量平均分子量は、8,000〜500,000が好ましく、50,000〜300,000がより好ましく、100,000〜200,000がさらに好ましい。なお、本発明において、結晶性ポリエステルの数平均分子量及び重量平均分子量は、いずれもクロロホルム可溶分を測定した値をいう。
結晶性ポリエステルの含有量は、トナーの低温定着性及び保存安定性を向上させ、現像ブレードへの固着を防止する観点から、結着樹脂中、5〜40重量%が好ましく、5〜20重量%がより好ましい。
非晶質ポリエステルも、結晶性ポリエステルと同様に、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で縮重合させて製造することができる。ただし、非晶質ポリエステルとするためには、
(1) 炭素数2〜6の脂肪族ジオール、炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸化合物等の樹脂の結晶化を促進するモノマーを用いる場合は、これらのモノマーをそれぞれ2種以上併用して結晶化を抑制すること、即ちアルコール成分及びカルボン酸成分のいずれにおいても、これらのモノマーの1種が各成分中10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%を占め、かつこれらのモノマーが2種以上、好ましくは2〜4種用いられていること、又は
(2) 樹脂の非晶質化を促進するモノマー、好ましくはアルコール成分ではビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が、またはカルボン酸成分ではアルキル基もしくはアルケニル基で置換されたコハク酸が、それぞれアルコール成分中又はカルボン酸成分中、少なくとも一方の成分において、好ましくは両成分のそれぞれにおいて、30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%用いられていることが好ましい。
非晶質ポリエステルの酸価は、帯電量の環境安定性を向上させる観点から、30mgKOH/g以下が好ましく、20mgKOH/g以下がより好ましく、10mgKOH/g以下がさらに好ましい。
本発明において、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル成分を有する非晶質ポリエステルには、ポリエステルのみならず、その変性樹脂も含まれる。
ポリエステルの変性樹脂としては、例えば、ポリエステルがウレタン結合で変性されたウレタン変性ポリエステル、ポリエステルがエポキシ結合で変性されたエポキシ変性ポリエステル、ポリエステル成分を含む2種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂等が挙げられる。
非晶質ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、180℃以下が好ましく、160℃以下がより好ましい。また、トナーの保存安定性を向上させ、現像ブレードへの固着を防止する観点からは、70℃以上が好ましく、100℃以上がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、非晶質ポリエステルの軟化点は、70〜180℃が好ましく、100〜160℃がより好ましい。ガラス転移点は、トナーの低温定着性の観点から、80℃以下が好ましく、75℃以下がさらに好ましい。また、トナーの保存安定性を向上させ、現像ブレードへの固着を防止する観点から、45℃以上が好ましく、55℃以上がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、非晶質ポリエステルのガラス転移点は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃である。なお、ガラス転移点は非晶質樹脂に特有の物性であり、吸熱の最高ピーク温度とは区別される。
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの重量比(結晶性ポリエステル/非晶質ポリエステル)は、帯電量の観点と遊離外添剤脱離による画像欠陥(白点)防止の観点から、5/95〜50/50が好ましく、7/93〜45/55がより好ましく、9/91〜40/60がさらに好ましい。
結着樹脂には、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル以外の結着樹脂が、本発明の効果を損なわない範囲で含まれていてもよい。結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステル以外の結着樹脂としては、ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの総量は、結着樹脂中、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、90重量%以上がさらに好ましい。
トナー母粒子は、結着樹脂以外に、着色剤、離型剤及び荷電制御剤を含有していることが好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができる。
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3、7、10、12〜15、17、23、24、60、62、74、75、83、93〜95、99、100、101、104、108〜111、117、123、128、129、138、139、147、148、150、166、168〜177、179、180、181、183、185、191:1、191、192、193、199等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5〜7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254、C.I.ピグメントバイオレッド19等が挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
黒トナー用着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、マグネタイト、Ti/Fe系の複合酸化物等が挙げられる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、2〜10重量部が好ましく、3〜8重量部がより好ましい。
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらのなかでは、トナーの低温定着性及び保存安定性を向上させる観点から、脂肪族炭化水素系ワックス及びエステル系ワックスが好ましく、エステル系ワックスがより好ましく、カルナウバワックスがさらに好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して用いられていてもよい。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性を向上させる観点と、トナー中への着色剤の分散性を向上させ帯電性安定性を向上させる観点から、60〜100℃が好ましく、70〜95℃がより好ましく、80〜90℃がさらに好ましい。
離型剤の含有量は、トナーのオフセット防止の観点と、トナーの流動性低下の防止の観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜6.0重量部が好ましく、1.0〜5.0重量部がより好ましく、2.0〜4.0重量部がさらに好ましい。
荷電制御剤としては、特に限定されないが、負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「ボントロンS-28」(オリエント化学工業社製)、「T-77」(保土谷化学工業社製)、「ボントロンS-34」(オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等;銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、例えば「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-304」(以上、オリエント化学工業社製)等;ニトロイミダゾール誘導体;ベンジル酸ホウ素錯体、例えば、「LR-147」(日本カーリット社製)等;無金属系荷電調整剤、例えば「ボントロンF-21」、「ボントロンE-89」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-8」(保土ヶ谷化学工業社製)、「FCA-2521NJ」、「FCA-2508N」(以上、藤倉化成社製)等が挙げられる。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」(以上、オリエント化学工業社製)、「CHUO CCA-3」(中央合成社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料;4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、「TP-415」(保土谷化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPYCHARGEPXVP435」(ヘキスト社製)等が挙げられる。
荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電量を適性にして現像性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.3重量部以上が好ましく、より好ましくは0.5重量部以上である。また、カブリを抑制する観点から、結着樹脂100重量部に対して、5重量部以下が好ましく、より好ましくは3重量部以下である。すなわち、これらの観点を総合すると、荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.3〜5重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。
本発明により得られるトナーには、さらに、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が適宜含有されていてもよい。
本発明において、トナー母粒子は、混練粉砕法、スプレイドライ法、重合法等の公知の方法により製造することができるが、結着樹脂は粉砕性に優れるため、混練粉砕法により得られる粉砕トナーが好ましい。混練粉砕法の一般的な方法によれば、例えば、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて各種添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、さらにジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所望の粒度に分級して、トナー母粒子が得られる。
トナー母粒子の体積中位粒径(D50)は、外添処理中の流動性を維持する観点から、5.0μm以上が好ましく、6.0μm以上がより好ましく、7.0μm以上がさらに好ましい。また、外添処理時の摩擦力を維持する観点から、10.0μm以下が好ましく、9.0μm以下がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、トナー母粒子のD50は、5.0〜10.0μmが好ましく、6.0〜9.0μmがより好ましく、7.0〜9.0μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
また、トナー母粒子において、5μm以下の微粉は、外添処理時の凝集防止の観点から、30個数%以下が好ましく、20個数%以下がより好ましく、15個数%以下がさらに好ましい。また、トナー母粒子の12μm以上の粗粉は、外添剤の母粒子表面への付着が均一になる観点から、10体積%以下が好ましく、8体積%以下がより好ましく、6体積%以下がさらに好ましい。
トナー母粒子のガラス転移点は、外添剤の脱離防止の観点から、55℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。また、粉体のハンドリング性の観点から、35℃以上が好ましく、42℃以上がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、トナー母粒子のガラス転移点は、35〜55℃が好ましく、42〜50℃がより好ましい。
トナー母粒子に外添剤を付着させる外添処理を行うことにより、トナーが得られる。
本発明では、外添剤として、少なくとも、無機粒子とフッ素系樹脂粒子とを併用する。
無機粒子としては、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化錫等が挙げられ、帯電性付与の観点から、シリカ及び二酸化チタンが好ましく、シリカがより好ましい。また、無機粒子は、単独で、又は2種類以上を混合してもよく、トナーの現像ブレードへの固着、感光体へのフィルミングを防止する観点から、表面処理が異なる2種類以上のシリカを併用するのが好ましい。
シリカとしては、シリコーンオイル、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等の処理剤等で疎水化処理されたシリカや、側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンにより疎水化処理されたシリカが挙げられ、外添処理時に適切な流動性と摩擦性を与える観点から、シリコーンオイル、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)により疎水化処理されたシリカが好ましく、トナーの現像ブレードへの固着及び感光体へのフィルミングを防止する観点から、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカとヘキサメチルジシラザン(HMDS)により疎水化処理されたシリカの併用が好ましい。
無機粒子の平均粒径は、外添処理時の融着防止の観点から、5〜100nmが好ましく、8〜70nmがより好ましく、12〜50nmがさらに好ましい。
無機粒子の添加量は、遊離無機微粒子低減の観点から、トナー母粒子100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、より好ましくは8重量部以下、さらに好ましくは7重量部以下である。一方、外添処理時のトナーの融着防止の観点からは、トナー母粒子100重量部に対して、2重量部以上が好ましく、より好ましくは3重量部以上、さらに好ましくは4重量部以上である。すなわち、これらの観点を総合すると、無機粒子の添加量は、トナー母粒子100重量部に対して、2〜10重量部が好ましく、3〜8重量部がより好ましく、4〜7重量部がさらに好ましい。
フッ素系樹脂粒子としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオロライド、ポリフルオロエチレン等が挙げられるが、トナーのブレードへの固着を防止し、耐刷後の帯電量を安定させ、耐刷後のカブリを低減させる観点から、ポリトリフルオロエチレンが好ましい。
フッ素系樹脂粒子の平均一次粒子径は、トナー表面への付着性の観点から、300nm以下が好ましく、より好ましくは200nm以下、さらに好ましくは150nm以下である。一方、外添処理時の摩擦性付与の観点から、30nm以上が好ましく、より好ましくは50nm以上、さらに好ましくは90nm以上である。すなわち、これらの観点を総合すると、フッ素系樹脂粒子の平均一次粒子径は、30〜300nmが好ましく、50〜200nmがより好ましく、90〜150nmがさらに好ましい。
フッ素系樹脂粒子の添加量は、トナーの耐刷後のカブリを低減させる観点から、トナー母粒子100重量部に対して、15重量部以下が好ましく、より好ましくは10重量部以下、さらに好ましくは8重量部以下である。一方、トナーの耐刷後の帯電量を安定させる観点からは、トナー母粒子100重量部に対して、2重量部以上が好ましく、より好ましくは3重量部以上、さらに好ましくは4重量部以上である。すなわち、これらの観点を総合すると、フッ素系樹脂粒子の添加量は、トナー母粒子100重量部に対して、2〜15重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましく、4〜8重量部がさらに好ましい。
外添処理は、前記の如く、特定の温度条件下、少なくとも2段階で行う。即ち、トナー母粒子に、無機粒子を付着させた後に、フッ素系樹脂粒子を付着させる。本発明において、外添処理は、トナー母粒子と外添剤とを特定の温度条件下で、混合することにより、行うことができる。
外添処理工程時の温度は、外添剤をトナー表面に効果的に付着させる観点から、トナー母粒子のガラス転移点(Tg)-10℃以上であり、好ましくはTg-5℃以上、より好ましくはTg以上である。また、外添処理時のトナーの凝集防止の観点から、トナー母粒子のTg+10℃以下である。すなわち、これらの観点を総合すると、外添処理工程時の温度は、トナー母粒子のTg±10℃の温度範囲(Tg-10〜Tg+10℃)であり、好ましくはTg-5〜Tg+10℃、より好ましくはTg〜Tg+10℃である。
外添処理時の温度の制御は、例えば、ジャケットを具備した外添機を用いる場合は、ジャケットに所定の温度に調整した水を通水することにて行うことができる。
外添処理工程の時間は、無機粒子を付着させる1段目は、トナー母粒子に適切な流動性を与える観点から、1分以上が好ましく、2分以上がより好ましく、3分以上がさらに好ましい。また、生産性を向上させる観点から、10分以下が好ましく、8分以下がより好ましく、6分以下がさらに好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、1段目の外添処理工程の時間は、1〜10分が好ましく、2〜8分がより好ましく、3〜6分がさらに好ましい。フッ素系樹脂微粒子を付着させる2段目は、耐刷後のカブリを低減させる観点から、60分以上が好ましく、80分以上がより好ましく、100分以上がさらに好ましい。また、生産性を向上させる観点から、200分以下が好ましく、170分以下がより好ましく、140分以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、2段目の外添処理工程の時間は、60〜200分が好ましく、80〜170分がより好ましく、100〜140分がさらに好ましい。
外添処理時には圧力を加えることが好ましい。本発明において、圧力を加えるとは、外添機の駆動部と外添機の底部もしくは壁面との間でトナー母粒子が剪断力を加えられながら外添剤と混合される工程を指す。剪断力を加えるのは、粒子の攪拌効率や凝集防止の観点から、駆動部と外添機の壁面で剪断を与えることが好ましい。このような機構を持つ外添機としては、公知のものが使用でき、例えば、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製)等である。本発明では特に駆動部と外添機の壁面の間で粒子に適度な剪断を与えながら攪拌が可能な観点から、サイクロミックスを用いることが好ましい。
また、本発明により得られるトナーのガラス転移点は、トナーの低温定着性の観点から、70℃以下が好ましく、65℃以下がより好ましい。また、トナーの保存安定性を向上させ、耐刷時の現像ブレードへの固着を防止する観点から、35℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましい。すなわち、これらの観点を総合すると、トナーのガラス転移点は、好ましくは35〜70℃、より好ましくは45〜65℃である。
本発明により得られるトナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で磁性一成分現像用トナーとして、また、磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分現像用トナーとして、もしくはキャリアと混合される二成分現像用トナーとして、特に限定されることなく、いずれの現像方法にも用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出する温度を軟化点とする。
〔樹脂、トナー母粒子及びトナーのガラス転移点(Tg)〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて25℃から120℃まで昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔樹脂の吸熱の最高ピーク温度及び融点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料をそのまま1分間静止させ、その後昇温速度10℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔結晶性ポリエステルのクロロホルム可溶分の数平均分子量及び重量平均分子量〕
以下の方法により、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)法により分子量分布を測定し、数平均分子量及び重量平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、樹脂をクロロホルムに、25℃で溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業(株)製、FP-200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量測定
下記の測定装置と分析カラムを用い、溶離液としてクロロホルムを、毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー社製のA-500(5.0×102)、A-1000(1.01×103)、A-2500(2.63×103)、A-5000(5.97×103)、F-1(1.02×104)、F-2(1.81×104)、F-4(3.97×104)、F-10(9.64×104)、F-20(1.90×105)、F-40(4.27×105)、F-80(7.06×105)、F-128(1.09×106))を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:HLC-8220GPC(東ソー社製)
分析カラム:GMHXL+G3000HXL(東ソー社製)
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
〔トナー母粒子の体積中位粒径(D50)及び粒度分布〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)、5μm以下の粒子の割合(個数%)及び12μm以上の粒子の割合(体積%)を求める。
〔外添剤の平均粒径〕
平均粒子径とは、個数平均粒径のことである。
個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡にて撮影倍率5000〜50000倍の適切な倍率で、一次粒子の粒径(長径と短径の平均値)を100個の粒子について測定し、それらの平均値を平均粒子径とする。
非晶質ポリエステルの製造例
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン1286g、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン2218g、テレフタル酸1603g及び2-エチルヘキサン酸錫(II)10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、230℃で反応率(生成反応水量(mol)/理論生成水量(mol)×100)が90%に達するまで反応させた後、8.3kPaにて軟化点が111℃に達するまで反応させ、冷却後、粉砕して、非晶質ポリエステル(樹脂A)を得た。得られた樹脂Aの軟化点は111℃、吸熱の最高ピーク温度は72℃、軟化点/吸熱の最高ピーク温度は1.54、ガラス転移点は69℃、酸価は3.2mgKOH/gであった。
結晶性ポリエステルの製造例
1,6-ヘキサンジオール4074g、フマル酸3926g、ポリプロピレンワックス「ハイワックスNP-105」(三井化学社製)672g、ターシャルブチルカテコール4g及び2-エチルヘキサン酸錫(II)10gを窒素雰囲気下、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させた。さらに8.3kPaにて、軟化点が115℃になるまで反応させ、冷却後、粉砕して、結晶性ポリエステル(樹脂B)を得た。得られた樹脂Bの軟化点は115℃、吸熱の最高ピーク温度は111℃、軟化点/吸熱の最高ピーク温度は1.04、数平均分子量は8,900、重量平均分子量は112,000であった。
トナー母粒子の製造例1
樹脂A 90重量部、樹脂B 10重量部、負帯電性荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット社製)0.5重量部、着色剤「EBC-301」(大日精化社製、C.I.P.B.15:3)4.5重量部、及びカルナウバワックス「WAX-C1」(加藤洋行社製、融点:85℃)3.0重量部をヘンシェルミキサーにて1分間攪拌混合後、オープンロール型混練機を用いて溶融混練した。
オープンロール型混練機には、ロール外径0.12m、有効ロール長0.8mの連続式二本ロール型混練機を使用した。連続式二本ロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)の周速度が75r/min(28.3m/min)、低回転側ロール(バックロール)の周速度が50r/min(18.8m/min)、混練物供給口側端部のロール間隙は0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が145℃及び混練物排出側が100℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は10kg/hrであった。混練物は冷却ロールで圧延冷却した後、ロートプレックス(東亜機械社製)にて粗粉砕を行った。
得られた粗粉砕物を、IDS粉砕分級機(日本ニューマチック社製)にて粉砕・分級を行い、トナー母粒子1を得た。体積中位粒径(D50)は8.5μm、5μm以下の粒子の割合は9.8個数%、12μm以上の粒子の割合は4.5体積%であった。また、ガラス転移点は48℃であった。
トナー母粒子の製造例2
樹脂Aの使用量を70重量部、樹脂Bの使用量を30重量部に、それぞれ変更した以外は、トナー母粒子1と同様にして、トナー母粒子2を得た。体積中位粒径(D50)は8.6μm、5μm以下の粒子の割合は9.5個数%、12μm以上の粒子の割合は4.7体積%であった。また、ガラス転移点は40℃であった。
実施例1〜3及び比較例4、5、8(実施例2は参考例である)
表1に示すトナー母粒子2.0kgを、サイクロミックスCLX-15型機(ホソカワミクロン社製)に投入し、シリコーンオイル処理疎水性シリカ「RY-50」(日本アエロジル社製、平均粒径:40nm)50g及びHMDS処理疎水性シリカ「RX-50」(日本アエロジル社製、平均粒径:40nm)50gを投入し、ジャケットに、表1に示す設定温度の水を通水した。その後、ロータ回転数500r/min(周波数設定500Hz)で、5分間運転を行い、1段目の外添処理を行った。
その後、一旦ロータを停止し、フッ素樹脂粒子(ポリトリフルオロエチレン)「FS701」(日本ペイント社製、平均粒径:100nm)120gを投入し、ロータ回転数500r/min(周波数設定500Hz)で、1段目の処理と同じ温度にて、115分間運転を行い、2段目の外添処理を行った。電流値は19.2〜19.7Aであった。
ロータ停止後、トナーを排出し、目開きが105μmの篩で篩ってトナーを得た。
比較例1〜3
外添処理を2段ではなく、1段で行った。
即ち、トナー母粒子1 2.0kgを、サイクロミックスCLX-15型機(ホソカワミクロン社製)に投入し、シリコーンオイル処理疎水性シリカ「RY-50」(日本アエロジル社製、平均粒径:40nm)50g、HMDS処理疎水性シリカ「RX-50」(日本アエロジル社製、平均粒径:40nm)50g及びフッ素樹脂粒子(ポリトリフルオロエチレン)「FS701」(日本ペイント社製、平均粒径:100nm)120gを投入し、ジャケットに、表1に示す設定温度の水を通水した。その後、ロータ回転数500r/min(周波数設定500Hz)で、120分間運転を行い、外添処理を行った。
ロータ停止後、トナーを排出し、目開きが105μmの篩で篩ってトナーを得た。
比較例6
外添処理工程の時間を5分間に変更した以外は、比較例1と同様にしてトナーを得た後、さらに53℃の環境下に115分間放置して、トナーを得た。
比較例7
1段目と2段目で使用する外添剤とその処理条件を入れ換えた以外は、実施例1と同様にして、トナーを得た。
即ち、トナー母粒子1 2.0kgを、サイクロミックスCLX-15型機(ホソカワミクロン社製)に投入し、フッ素樹脂粒子(ポリトリフルオロエチレン)「FS701」(日本ペイント社製、平均粒径:100nm)120gを投入し、ジャケットに、53℃の水を通水した。その後、ロータ回転数500r/min(周波数設定500Hz)で、115分間運転を行い、1段目の外添処理を行った。
その後、一旦ロータを停止し、シリコーンオイル処理疎水性シリカ「RY-50」(日本アエロジル社製、平均粒径:40nm)50g及びHMDS処理疎水性シリカ「RX-50」(日本アエロジル社製、平均粒径:40nm)50gを投入し、ロータ回転数500r/min(周波数設定500Hz)で、5分間運転を行い、2段目の外添処理を行った。電流値は19.2〜19.7Aであった。
ロータ停止後、トナーを排出し、目開きが105μmの篩で篩ってトナーを得た。
Figure 0005429963
試験例1〔保存性〕
トナー4gを20ml容のポリビンに入れ、蓋を開けた状態で、45℃、湿度50%の環境に24時間放置し、放置前後で凝集度を測定して値を比較した。保存後の凝集度との比率により保存性を評価した。凝集度は、パウダーテスタ(ホソカワミクロン社製)を用いて測定した。150μm、75μm、45μmの目開きの篩を上から順に重ね、一番上の篩にトナーを4g載せ、1mmの振動幅で30秒間振動させた。各篩い上に残ったトナーの質量を測定した。下記式から凝集度を算出し、以下の評価基準に従って、保存性を評価した。結果を表2に示す。
Figure 0005429963
〔保存性の評価基準〕
A:保存性指数[(100−放置後の凝集度)/(100−放置前の凝集度)×100(%)]が90%以上
B:保存性指数が70%以上、90%未満
C:保存性指数が50%以上、70%未満
D:保存性指数が50%未満
試験例2〔現像ブレードへの固着〕
非磁性一成分現像方式のプリンター「MicroLine5400」(沖データ社製)用の、感光体を取り外したカートリッジに、トナー30gを実装し、外部モーターによって70r/minの回転数で、現像を行うことなく現像ロールを回転させた。現像ロール上に現像ブレードフィルミングに伴うスジが目視で観察されるまでの時間を計り、以下の評価基準に従って、現像ブレードへの固着を評価した。結果を表2に示す。
〔現像ブレードへの固着の評価基準〕
A:2時間後でもスジ発生が無い。
B:1時間以上、2時間までの間にスジが発生する。
C:30分以上、1時間までの間にスジが発生する。
D:30分未満でスジが発生する。
試験例3〔耐刷後の帯電量〕
試験例2において、スジが発生した時点、又は2時間でもスジが発生しないものについては2時間の時点でのカートリッジから、トナーを1g採取した。
トナー1.0gと日本画像学会標準キャリア「N-02」19.0gを50ml容のポリプロピレン容器に投入し、蓋をしてボールミルを用いて250r/minで10分間混合した後、Q/m-meter(Epping社製)を用いてトナーの帯電量を測定した。絶対値が45μC/g以上であれば、良好であることを示す。結果を表2に示す。
試験例4〔耐刷後のカブリ〕
試験例2において、スジが発生した時点、又は2時間でもスジが発生しないものについては2時間の時点でのカートリッジから、トナー10gをサンプリングし、感光体を具備したカートリッジに入れ替えて、白紙(0%)印字を行い、その後、感光体ドラム上に残存しているトナーをメンディングテープで写し取り、任意の白紙に貼り付けて画像濃度を色差計「X-Rite」(X-Rite社製)にて測定した。その画像濃度と、同じ紙にメンディングテープだけを貼り付けたリファレンスの画像濃度との差ΔEを算出し、耐刷後のカブリを評価した。なお、ΔEが1.0以下であれば、良好であることを示す。結果を表2に示す。
Figure 0005429963
以上の結果から、実施例1〜3のトナーは、保存性、現像ブレードへの固着防止、耐刷後の帯電量及びカブリ低減に優れていることがわかる。これに対し、外添処理を2段階で行わず、母粒子のガラス転移点±10℃の温度範囲で行わない比較例1では、保存性、現像ブレードへの固着、耐刷後の帯電量及びカブリが著しく劣っている。また、外添処理工程の温度を調整していても、2段処理を行わない比較例2、3は、耐刷後の帯電量及びカブリが劣る。一方、2段処理を行っても、ガラス転移点−10℃未満の温度で外添処理を行った比較例4、5では、保存性、現像ブレードへの固着、耐刷後の帯電量及びカブリが劣る。さらに、外添処理を2段階、ガラス転移点±10℃の温度範囲で行なわず、外添処理後、ガラス転移点±10℃の環境下で保存する工程を加えた比較例6は、現像ブレードへの固着、耐刷後の帯電量及びカブリが劣る。外添処理の順序を逆にした比較例7は、トナー粒子の凝集が激しく、現像可能なトナーを得ることができなかった。また、外添処理をTg+10℃を超える温度で行った比較例8においても、トナー粒子の凝集が激しく、現像可能なトナーを得ることができなかった。
本発明により得られるトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられる。

Claims (2)

  1. 結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを含有してなるトナー母粒子に、外添剤として無機粒子とフッ素系樹脂粒子を付着させる外添処理工程を含むトナーの製造方法であって、前記外添処理工程が、トナー母粒子のガラス転移点(Tg)〜Tg+10℃の温度範囲において、無機粒子を付着させた後に、フッ素系樹脂粒子を付着させる工程である、トナーの製造方法。
  2. トナー母粒子のガラス転移点が35〜55℃である、請求項1記載のトナーの製造方法。
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