JP2008116666A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】接触定着方式で画像を定着させる画像形成方法にあって、定着工程後に行うメール・シーラー、バースター、折り機、ブックレットフィニッシャー、ステープルフィニッシャー等の印刷物加工工程(後処理工程)で受ける強い機械的ストレスを受けても、定着性が良好で、高い品質を維持することのできる画像が得られる画像形成方法を提供すること。
【解決手段】結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを含有してなるトナー母粒子が、該トナー母粒子100重量部に対して0.2重量部以上のフッ素系樹脂微粉末で外添されてなる電子写真用トナーを、接触定着方式により画像を定着させる工程を含む画像形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーを用いた画像形成方法に関する。
近年のプリントオンデマンドの発達により、印刷後の後処理として製本化やカタログ化、郵便物の作成等が行われているが、後処理工程でかかるストレスが強く、特に紙同士の擦り合わせにより、定着後の画像品質が著しく低下する。
そこで、定着性の向上を目的として、例えば、特許文献1では、結晶性ポリエステルを結着樹脂として含有するトナーが検討されているが、後処理工程で定着画像にかかるストレスは非常に強く、かかるトナーのさらなる改良が求められている。また、特許文献2では、フッ素系樹脂微粉末で外添されたトナーが検討されているが、現像ブレードへの付着や現像ロールへのトナー融着が防止できることを開示しているにすぎない。
特開2006−113514号公報 特開2003−114548号公報
本発明の課題は、接触定着方式で画像を定着させる画像形成方法にあって、定着工程後に行うメール・シーラー、バースター、折り機、ブックレットフィニッシャー、ステープルフィニッシャー等の印刷物加工工程(後処理工程)で受ける強い機械的ストレスを受けても、定着性が良好で、高い品質を維持することのできる画像が得られる画像形成方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを含有してなるトナー母粒子が、該トナー母粒子100重量部に対して0.2重量部以上のフッ素系樹脂微粉末で外添されてなる電子写真用トナーを、接触定着方式により画像を定着させる工程を含む画像形成方法に関する。
本発明の方法により、定着工程後に行うメール・シーラー、バースター、折り機、ブックレットフィニッシャー、ステープルフィニッシャー等の印刷物加工工程(後処理工程)で受ける強い機械的ストレスを受けても、定着性が良好で、高い品質を維持することのできる画像を得ることができる。
本発明の画像形成方法に用いられるトナーは、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを含有したトナー母粒子が、特定量のフッ素系樹脂微粉末で外添されたものである。結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを用いたトナーは、定着工程での溶融時、紙の繊維によく浸透し、その後、再び冷え固まった時、繊維にしみ込んだトナーが紙繊維内でがっちりと固まり、強いアンカー効果を発揮する。そして、結晶性ポリエステルは、特にトナー間の凝集力の強化による定着性の向上に寄与しており、ライン部や文字部において、フッ素系樹脂微粉末との組合せにより、その効果がより顕著に発揮される。一方、フッ素系樹脂微粉末は、特にトナー表面の摩擦力の低減による定着性の向上に対して寄与しており、ベタ部において、結晶性ポリエステルとの組合せにより、その効果がより顕著に発揮される。
結晶性ポリエステルとしては、非晶質ポリエステルとの相溶性の観点から、ワックスの存在下で原料モノマーを重合させて得られる結晶性ポリエステルが好ましい。なお、本発明において、「結晶性」とは、軟化点と吸熱の最高ピーク温度の比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)が0.6〜1.3、好ましくは0.9〜1.2、より好ましくは1〜1.2以下であることをいい、また「非晶質」とは、軟化点と吸熱の最高の最大ピーク温度の比(軟化点/吸熱の最高ピーク温度)が1.3より大きく4.0以下、好ましくは1.5〜3.0であることをいう。結晶化の度合いは、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。
結晶性ポリエステルの吸熱の最高ピーク温度は、定着性、保存性及び耐久性の観点から、60〜150℃が好ましく、80〜140℃がより好ましく、100〜130℃がさらに好ましい。
さらに、結晶性ポリエステルの数平均分子量は、保存性及び生産性の観点から、3,000〜10,000が好ましく、5,000〜9,000がより好ましく、6,000〜8,000がさらに好ましい。
また、耐久性の観点から、結晶性ポリエステルは、高分子量成分をある程度含有しているのが好ましいことから、結晶性ポリエステルの重量平均分子量は、150,000〜8,000,000が好ましく、200,000〜3,000,000がより好ましく、300,000〜1,000,000がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマーとしては、炭素数が2〜6、好ましくは4〜6の脂肪族ジオールを60モル%以上含有したアルコール成分と、炭素数が2〜8、好ましくは4〜6、より好ましくは4の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上含有したカルボン酸成分が好ましい。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール等が挙げられ、中でもα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましい。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールは、アルコール成分中に、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。特に、その中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上、好ましくは80〜95モル%を占めているのが望ましい。なかでも、1,6-ヘキサンジオールが、アルコール成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%含有されているのが望ましい。
アルコール成分には、炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分が含有されていてもよく、該多価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物等の2価の芳香族アルコールやグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中ではフマル酸及びアジピン酸が好ましく、フマル酸がより好ましい。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物は、カルボン酸成分中に、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。特に、その中の1種の脂肪族ジカルボン酸化合物が、カルボン酸成分中の好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%を占めているのが望ましい。なかでも、フマル酸が、カルボン酸成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%含有されているのが望ましい。
カルボン酸成分には、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物以外の多価カルボン酸成分が含有されていてもよく、該多価カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
なお、結晶性ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、製造安定性の観点から、さらにアルコール成分が多い場合には、減圧反応時に蒸発により樹脂の分子量を容易に調整できる観点から、0.9以上1.0以下が好ましく、0.95以上1.0未満がより好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマー重合時に使用されるワックスとしては、炭化水素系ワックス、エステル系ワックス、アミド系ワックス等のいずれでもよいが、結晶性ポリエステルとの相溶性及び離型性の観点から、炭化水素系ワックスが好ましい。炭化水素系ワックスは、一般に-(CH2-CH(R))n-(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示す)で表される主骨格を有し、具体的には、フィッシャートロプシュワックス等のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン−ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスが挙げられ、これらの中では、結晶性ポリエステルの粉砕性向上の観点から、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスが好ましく、ポリプロピレンワックスがより好ましい。
結晶性ポリエステルの原料モノマー重合時に使用されるワックスの含有量は、得られる結晶性ポリエステル100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜15重量部がより好ましく、1〜10重量部がさらに好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分とは、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒、重合禁止剤等を用いて、120〜230℃の温度で反応させることにより縮重合させることができる。具体的には、樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させる等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。なお、前記の重量平均分子量を有する結晶性ポリエステルを得るには高分子量化することが好ましく、反応液粘度が高くなるまで反応させるのが好ましい。高分子量化した結晶性ポリエステルを得るためには、前記のようにカルボン酸成分とアルコール成分のモル比を調整したり、反応温度を上げる、触媒量を増やす、減圧下、長時間脱水反応を行う等の反応条件を選択すればよい。なお、高出力のモーターを用いて、高分子量化した結晶性ポリエステルを製造することもできるが、製造設備を特に選択せずに製造する際には、原料モノマーを非反応性低粘度樹脂や溶媒とともに反応させる方法も有効な手段である。
なお、結晶性ポリエステルの原料モノマー重合時に使用されるワックスは、重合反応当初に原料モノマーに添加しても、重合反応開始後の反応途中で添加しても、重合反応当初から終了時まで連続的又は断続的に添加してもよい。
非晶質ポリエステルも、結晶性ポリエステルと同様にして製造することができる。ただし、非晶質ポリエステルとするためには、以下の(1)及び(2)の少なくとも1つを満たすことが好ましい。
(1) 炭素数2〜6の脂肪族ジオール、炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸化合物等の樹脂の結晶化を促進するモノマーを用いる場合は、これらのモノマーを2種以上併用して結晶化を抑制する、即ちアルコール成分及びカルボン酸成分のいずれにおいても、これらのモノマーの1種が各成分中10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%を占め、かつこれらのモノマーが2種以上、好ましくは2〜4種用いられていること
(2) 樹脂の非結晶化を促進するモノマー、好ましくはアルコール成分ではビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が、またはカルボン酸成分ではアルキル基もしくはアルケニル基で置換されたコハク酸が、それぞれアルコール成分中又はカルボン酸成分中、好ましくは両成分のそれぞれにおいて30〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%用いられていること
非晶質ポリエステルの軟化点は、好ましくは70〜180℃、より好ましくは100〜160℃、ガラス転移点は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃である。
非晶質ポリエステルとしては、耐高温オフセット性の観点からは、軟化点が125〜175℃、好ましくは135〜165℃、クロロホルム不溶分率が5〜50重量%、好ましくは10〜40重量%の非晶質ポリエステル(高軟化点ポリエステル)が望ましく、低温定着性の観点からは、軟化点が75℃以上、125℃未満、好ましくは80〜120℃、クロロホルム不溶分率が5重量%未満、好ましくは3重量%以下の非晶質ポリエステル(低軟化点ポリエステル)が望ましく、両者が併用されていることがより望ましい。
高軟化点ポリエステルと低軟化点ポリエステルの重量比(高軟化点ポリエステル/低軟化点ポリエステル)は、95/5〜45/55が好ましく、90/10〜50/50がより好ましい。
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの重量比(結晶性ポリエステル/非晶質ポリエステル)は、定着性、保存性の両立を確保する観点から、1/99〜50/50が好ましく、2/98〜45/55がより好まし、3/97〜40/60がさらに好ましい。
トナー母粒子には、結着樹脂として、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステル以外の樹脂、例えば、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、2種以上の樹脂成分を有する複合樹脂等が含有されていてもよいが、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの総量は、結着樹脂中、50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましい。なお、複合樹脂は、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等の縮重合系樹脂とビニル重合系樹脂等の付加重合系樹脂とが部分的に化学結合した樹脂が好ましく、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーから得られたものであっても、さらに2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よく複合樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
本発明では、フッ素系樹脂微粉末による効果がさらに高める観点から、トナー母粒子が、さらに、特定の溶融粘度を有するエステルワックスを含有していることが好ましい。
本発明において、前記エステルワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、カイガラ虫が分泌するワックス等が挙げられ、これらの中では、本発明の所望の効果を得るためにカルナウバワックスが好ましい。
前記エステルワックスの溶融粘度は、結晶性ポリエステルの結着樹脂中の分散を向上させる観点から、100℃において、20〜40mPa・sが好ましく、22〜35mPa・sがより好ましく、25〜30mPa/sがさらに好ましい。
なお、カルナウバワックスは、主に北ブラジルで産出される天然のワックスであるため、合成ワックスのようにある特定の物性値を有するもののみを任意に作り出すことは困難である。例えば、収穫時期、収穫場所等によってもその物性は異なる。しかし、実施例に記載の方法により溶融粘度を測定することにより、所望の溶融粘度を有するカルナウバワックスを選択することができる。
市販されているカルナウバワックスとしては、「ワックスNo.1」(加藤洋行社製)、「精製カルナウバワックスNo.1」(セラリカNODA社製)、「CARNAUBA WAX1号品」(東食社製)等があり、これらの中から前記範囲内の溶融粘度のものを適宜選べばよい。
前記エステルワックスの含有量は、帯電性、定着性及び耐久性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜8重量部、より好ましくは0.5〜5重量部、さらに好ましくは1〜3重量部である。
なお、前記エステルワックス以外の離型剤が含有されていてもよい。
トナーには、さらに、着色剤、荷電制御剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有されていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、トナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤及び含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ベンジル酸のホウ素錯体等の負帯電性荷電制御剤が挙げられる。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜5重量部が好ましく、0.5〜2重量部がより好ましい。
トナーは、混練粉砕法、スプレイドライ法、重合法等の公知の方法により製造することができるが、結着樹脂は粉砕性に優れるため、混練粉砕法により得られる粉砕トナーが好ましい。混練粉砕法の一般的な方法によれば、例えば、結着樹脂、着色剤、及び必要に応じて各種添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、さらにジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級して、トナー母粒子が得られる。
さらに、本発明に用いられるトナーは、上記で得られたトナー母粒子に、少なくともフッ素系樹脂微粉末を含む外添剤が添加されて得られる。
フッ素系樹脂微粉末は、その平均粒径が、定着性及び感光体等へのフィルミング防止及び遊離防止の観点から、1μm以下が好ましく、0.1〜1μmがより好ましく、200〜800nmがさらに好ましく、250〜600nmがさらに好ましい。本明細書において、フッ素系樹脂微粉末の平均粒径は、電子顕微鏡写真から測定した粒子径を数平均して算出したものである。
フッ素系樹脂微粉末としては、ポリテトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ビニリデンフルオロライド、フルオロエチレン等が挙げられるが、定着性の観点から、これらのなかでも、融点が高く、摩擦係数の低い、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
ポリテトラフルオロエチレンとしては、乳化重合により製造された球形に近い形状のものが好ましい。このような形状を有するポリテトラフルオロエチレンの市販品としては、「ルブロン L2」(ダイキン工業社製、平均粒径300nm)、「ルブロン L5」(ダイキン工業社製、平均粒径200nm)、「KTL-500F」(喜多村社製、平均粒径500nm)等が挙げられる。
フッ素系樹脂微粉末の含有量は、ベタ部の定着性を向上させる観点から、トナー母粒子100重量部に対して、0.2重量部以上であり、好ましくは0.3重量部以上、より好ましくは0.4〜1.0重量部である。
フッ素系樹脂微粉末以外の外添剤としては、二酸化ケイ素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化セリウム、酸化鉄、酸化銅、酸化錫等の無機微粒子等が挙げられ、これらの中では、帯電性付与の観点から、シリカ及び二酸化チタンが好ましく、シリカがより好ましい。また、無機微粒子は、単独で、又は2種以上を混合して用いることができるが、帯電安定性の観点から2種類以上のシリカを混合して使用してもよく、高速印字での耐久性の観点から正帯電性のシリカと負帯電性のシリカを併用してもよい。
本発明において、正帯電性シリカとしては、側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンにより疎水化処理されたシリカが好ましい。
側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノポリシロキサンが有する側鎖の1種以上をアミノ基を有する基に置換することにより得られる。アミノ基を有する基としては、−R1−NH−R2−N(R3)2、−R1−N(R3)2〔式中、R1及びR2はアルキレン基(好ましくは炭素数が1〜10、より好ましくは1〜5のアルキレン基)又はアリーレン基(好ましくは総炭素数6〜18のアリーレン基、より好ましくはフェニレン基)、R3は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基、好ましくは水素原子を示す〕等が挙げられる。
側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンのアミノ当量は、正帯電性の付与効果を高めるために、好ましくは200以上であり、正帯電性シリカのキャリアへの転移付着を防止するために、好ましくは22500以下であり、より好ましくは300〜10000である。
側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンの25℃での粘度は、10〜10000mPa・sが好ましく、20〜3500mPa・sがより好ましい。
側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンによるシリカの疎水化処理の方法としては、オルガノポリシロキサンがシリカ表面に吸着する方法であれば特に限定されず、例えばシリカを混合槽で攪拌しつつ、オルガノポリシロキサンを溶媒にて希釈した溶液を噴霧し、攪拌を続けながら槽内で一定時間加熱乾燥する方法等挙げられる。
本発明では、シリカへのオルガノポリシロキサンの添加量は、該シリカの表面積当たり、1〜7mg/m2が好ましい。添加量は、カブリを低減させる効果を高めるために、1mg/m2以上が好ましく、シリカの凝集を防止して、シリカをトナー母粒子の表面に均一に付着させるために、7mg/m2以下が好ましい。このような添加量は、BET比表面積が50mm2/gのシリカの場合、シリカ100重量部当たり、5〜35重量部に相当する。
側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンにより疎水化処理された正帯電性シリカの市販品としては、「HVK 2150」(クラリアント社製、疎水性シリカ、平均粒径:16nm)、「HDK3050VP」(クラリアント社製、疎水性シリカ、平均粒径:10nm)等が挙げられる。
正帯電性シリカの平均粒径は、5〜100nmが好ましく、10〜70nmがより好ましい。
正帯電性シリカの含有量は、帯電性や流動性の観点から、外添剤により処理する前のトナー(トナー母粒子)100重量部に対して、0.05重量部以上が好ましく、シリカの過剰な遊離防止の観点から、3重量部以下が好ましい。従って、正帯電性シリカの含有量は、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部がより好ましく、0.2〜0.9重量部がさらに好ましい。
負帯電性シリカとしては、シリコーンオイル、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン等の処理剤等で疎水化処理されたシリカが挙げられ、側鎖に窒素原子を有するオルガノポリシロキサンにより疎水化処理された正帯電性シリカと併用する場合には、耐環境安定性の観点から、好ましくはシリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカが好ましい。
疎水化処理が施された負帯電性シリカの市販品としては、「R972」(日本アエロジル社製、平均粒径:16nm、疎水化処理剤:ジメチルジクロロシラン)、「TS720」(キャボット社製、平均粒径:8nm、疎水化処理剤:シリコーンオイル)、「NAX50」(日本アエロジル社製、平均粒径:30nm、疎水化処理剤:ヘキサメチルジシラザン)等が挙げられる。
負帯電性シリカの平均粒径は、5〜100nmが好ましく、5〜70nmがより好ましく、8〜30nmがさらに好ましい。
負帯電性シリカの含有量は、帯電性や流動性の観点から、外添剤により処理する前のトナー(トナー母粒子)100重量部に対して、0.05重量部以上が好ましく、シリカの過剰な遊離防止の観点から、3重量部以下が好ましい。従って、負帯電性シリカの含有量は、0.05〜3重量部が好ましく、0.1〜2重量部がより好ましく、0.1〜0.9重量部がさらに好ましい。
正帯電性シリカと負帯電性シリカの重量比(正帯電性シリカ/負帯電性シリカ)は、100/0〜60/40が好ましい。
トナー母粒子への外添剤の外添は、トナー母粒子と外添剤とを、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速攪拌機、V型ブレンダー等を用いる乾式混合法により行うことが好ましい。また、フッ素系樹脂微粉末とフッ素系樹脂微粉末以外の外添剤を併用する場合は、フッ素系樹脂微粉末とそれ以外の外添剤(以下、「他の外添剤」と称することもある)の添加は、同時であっても別々であってもよいが、ある程度他の外添剤が埋め込まれた場合においても、フッ素系樹脂微粉末がトナー母粒子から脱離しにくく、帯電性や流動性を損なうことがなく、フィルミングも防止されることから同時に添加されることが好ましい。
トナーの体積中位粒径(D50)は、粉体としての扱いやすさの観点から、4〜12.5μmが好ましく、5〜10μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して二成分現像剤として用いることができるが、帯電制御の観点から、二成分現像剤として用いることが好ましい。
二成分現像剤においては、特定のフッ素系樹脂微粉末、好ましくは、ポリテトラフルオロエチレンは、ポリフッ化ビニリデン等の他のフッ素樹脂と比べて融点が高く、キャリアに移行したものが融着せず、帯電量の低下が防止できるだけでなく、理由の詳細は不明なるも、ポリテトラフルオロエチレンがシリカの遊離やシリカのキャリアへの移行を緩和し、トナーの帯電性や現像剤の流動性の低下を防止するものと推定される。
本発明において、キャリアとしては、画像特性の観点から、磁気ブラシのあたりが弱くなる飽和磁化の低いキャリアが用いられるのが好ましい。キャリアの飽和磁化は、40〜100Am2/kgが好ましく、50〜90Am2/kgがより好ましい。飽和磁化は、磁気ブラシの固さを調節し、階調再現性を保持する観点から、100Am2/kg以下が好ましく、キャリア付着やトナー飛散を防止する観点から、40Am2/kg以上が好ましい。
キャリアのコア材としては、公知の材料からなるものを特に限定することなく用いることができ、例えば、鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト、マンガンフェライト、マグネシウムフェライト等の合金や化合物、ガラスビーズ等が挙げられ、これらの中では、マグネタイト、フェライト、銅-亜鉛-マグネシウムフェライト及びマンガンフェライトが好ましい。
キャリアの表面は、スペント防止の観点から樹脂で被覆されていてもよい。キャリア表面を被覆する樹脂としては、トナー材料により異なるが、例えばポリテトラフルオロエチレン、モノクロロトリフルオロエチレン重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、ポリエステル、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルブチラール、アミノアクリレート樹脂等が挙げられ、これらは単独であるいは2種以上を併用して用いることができるが、樹脂によるコア材の被覆方法は、例えば、樹脂等の被覆材を溶剤中に溶解もしくは懸濁させて塗布し、コア材に付着させる方法、単に粉体で混合する方法等、特に限定されない。
二成分現像剤において、トナーの含有量は、キャリア100重量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、2〜8重量部がより好ましい。
本発明の画像形成方法は、前記のトナーを接触定着方式により定着させる工程を含むものである。接触定着方式としては、特開平7−248699号公報や特開平10−63125号公報等がある。
本発明の画像形成方法は、転写したトナー像を定着させる定着工程に特徴を有する以外は、公知の工程を経て画像を形成することができるが、定着工程の前に、プレヒート工程を有することが好ましい。プレヒート工程とは、トナーを本定着する前にあらかじめ現像画像を印画紙ごと余熱し、本定着を補完するための工程である。プレヒート方式としては、特開平7−248699号公報や特開平10−63125号公報等である。
定着工程以外の工程としては、例えば、感光体表面に静電潜像を形成させる工程(帯電・露光工程)、静電潜像を現像する現像工程、現像したトナー像を紙等の被転写材に転写する工程(転写工程)、感光体ドラム等の現像部材に残存したトナーを除去する工程(クリーニング工程)等が挙げられる。
本発明の方法により得られた画像は、定着性に優れているため、メール・シーラー、バースター、折り機、ブックレットフィニッシャー、ステープルフィニッシャー、特開2005−263405号公報に記載の用紙後処理装置等の、定着画像にストレスのかかる加工機器に供しても、良好な画質を維持することができる。
本発明のトナーは、オンデマンド印刷を行う高速プリンタの後工程で問題となる紙擦れによる画像汚れを改善できるため、線速が好ましくは500mm/sec以上、より好ましくは700〜3000mm/secの高速の画像形成方法にも好適に用いることができる。ここで、線速とは画像形成装置のプロセススピードをいい、定着部の紙送り速度により決定される。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出する温度を軟化点とする。
〔吸熱の最高ピーク温度及び融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とする。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークはガラス転移に起因するピークとする。
〔ガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。結着樹脂が結晶性樹脂の他に非晶質樹脂を含むか、あるいは結晶性樹脂が非晶質部分を含む場合は、吸熱の最高ピーク温度より低い温度で観測されるピーク温度を、あるいは吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点として読み取る。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔樹脂の平均分子量〕
以下の方法により得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を示すチャートから、数平均分子量及び重量平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように樹脂をクロロホルム中に溶解する。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業(株)製、FP-200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量分布測定
溶解液としてクロロホルムを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO-8010(東ソー製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー製)
〔樹脂のクロロホルム不溶分率〕
100ml容のふた付きガラス瓶に樹脂粉体5g、ラジオライト「♯700」5g(昭和化学工業(株)製)及びクロロホルム100mlを入れ、ボールミルにて25℃で5時間攪拌した後、ラジオライト5gを均一に敷き詰めた濾紙(東洋濾紙(株)製、No.2)で加圧濾過する。濾紙上の固形物をクロロホルム100mlで2回洗浄し、乾燥させた後、以下の式に従い不溶分の比率を算出する。
不溶分率(重量%)=(濾紙上の固形物の重量−ラジオライトの重量(10g))/5g×100
〔ワックスの100℃での溶融粘度〕
B型粘度計を用い、100℃にて、ローターNo.1、60r/minにて測定する。
〔トナー母粒子及びトナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
〔シリカの平均粒径〕
平均粒径とは、個数平均粒径のことであり、下記式より求める。
個数平均粒径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρはシリカの比重であり、シリカの比重は2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。疎水化処理されたシリカの場合は、疎水化処理前の原体の比表面積とする。
なお、上記式は、粒径Rの球と仮定して、
BET比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
〔フッ素系樹脂微粉末の平均粒径〕
平均粒径とは、個数平均粒径のことである。
個数平均粒径は、走査型電子顕微鏡にて撮影倍率5000〜50000倍の適切な倍率で、粒径(長径と短径の平均値)を100個の粒子について測定し、それらの平均値を樹脂微粉末の平均粒径とする。
結晶性ポリエステルの製造例1
表1に示す原料を窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の4ツ口フラスコに入れ、140℃で4時間維持した。140℃から160℃まで10℃/時の速度で、160℃から200℃までを20℃/時の速度で昇温し、反応させた後、200℃、8.3kPaで4時間減圧反応を行った。得られた樹脂aの各種物性値を表1に示す。
非晶質ポリエステルの製造例1
表1に示す原料を窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の4ツ口フラスコに入れ、230℃にて8時間反応させた後、230℃、8.3kPaにて所定の軟化点に達するまで減圧反応を行った。得られた樹脂Aの各種物性値を表1に示す。
非晶質ポリエステルの製造例2
表1に示すフマル酸を除く原料を窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の4ツ口フラスコに入れ、230℃にて6時間反応させた後、180℃まで冷却し、フマル酸を投入した。180℃から210℃まで10℃/時の速度で昇温し、4時間かけて反応させた後、210℃、8.3kPaにて所定の軟化点に達するまで減圧反応を行った。得られた樹脂Bの各種物性値を表1に示す。
Figure 2008116666
実施例1〜6及び比較例3、4
結晶性ポリエステルとして表2に示す樹脂a、非晶質ポリエステルとして樹脂A 60重量部及び樹脂B 35重量部、荷電制御剤「ボントロン N-04」(オリエント化学工業社製)2重量部、着色剤(カーボンブラック)「R330R」(キャボット社製)6重量部、離型剤「ビスコール 660P」(三洋化成社製)1重量部及びカルナウバワックス「ワックスNo.1」(加藤洋行社製、100℃での溶融粘度:28mPa・s)1.5重量部をヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸押出機で溶融混練、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにより粉砕し分級して、体積中位粒径(D50)が10μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100重量部に、外添剤として、表2に示すフッ素系樹脂微粉末(比較例3を除く)、正帯電性疎水性シリカ「HDK3050VP」(クラリアント社製、平均粒径:10nm)0.4重量部及び負帯電性疎水性シリカ「TS720」(キャボット社製、平均粒径:8nm)0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
比較例1、2
非晶質ポリエステルとして樹脂A 60重量部及び樹脂B 40重量部、荷電制御剤「ボントロン N-04」(オリエント化学工業社製)2重量部、着色剤(カーボンブラック)「R330R」(キャボット社製)6重量部、離型剤「ビスコール 660P」(三洋化成社製)1重量部及びカルナウバワックス「ワックスNo.1」(加藤洋行社製、100℃での溶融粘度:28mPa・s)1.5重量部をヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、二軸押出機で溶融混練、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにより粉砕し分級して、体積中位粒径(D50)が10μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100重量部に、外添剤として、表2に示すフッ素系樹脂微粉末(比較例2のみ)、正帯電性疎水性シリカ「HDK3050VP」(クラリアント社製、平均粒径:10nm)0.4重量部及び負帯電性疎水性シリカ「TS720」(キャボット社製、平均粒径:8nm)0.1重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
実施例及び比較例で得られた各トナー39重量部と、フッ素・アクリル樹脂で被覆された、飽和磁化が60Am2/kgのフェライトキャリア(体積平均粒径:110μm)1261重量部とをナウターミキサーで混合し、二成分現像剤を得た。
試験例
接触定着方式の「Infoprint 4000ISl」(日本アイ・ビー・エム株式会社製、線速:1066mm/sec、解像度:240dpi、現像システム:3本マグネットロール、セレン感光体、反転現像)に現像剤を実装し、画像濃度が1.8になるようにコントラストで調整後、感光体回転方向に2.5cm四方の黒ベタ及び2cm四方に“E”の文字を45個含むプリントパターンを、日本アイ・ビー・エム株式会社製の高品質レーザー・プリンター専用連続用紙(HSP用紙 G 18×11インチ(連量55kg))に印刷した。なお、「Infoprint 4000ISl」は、トナーを転写した紙が、定着器に搬送される前に、ヒーターを内側にセットしたプラテンの上を通過することでプレヒートされる機構を備えており、プレヒートプラテンの温度調整ノブは、全テストを通して“最低位置”に設定した。
得られた印刷用紙を、金属ブレードを備えた擦り試験機にセットした。印刷用紙との接触面に日本アイ・ビー・エム株式会社製の高品質レーザー・プリンター専用連続用紙(HSP用紙 G 18×11インチ(連量55kg))の白紙を巻きつけ、3kgの荷重をかけた金属ブレードにより、黒ベタ部を20往復擦った。擦り前後の白紙の白色度を、「Gretag SPM50」(GretagMacbet社、絶対白キャリブレーション;Pol フィルタ、観察視野2℃、照明タイプ;+、Wbase;Abs、Dstd;DIN NB、Sampleモード)を用いて測定し、その差(擦り後の白紙の白色度−擦り前の白紙の白色度)を定着強度の指標として算出した。結果を表2に示す。
黒ベタ部と同様に、印刷用紙との接触面に日本アイ・ビー・エム株式会社製の高品質レーザー・プリンター専用連続用紙(HSP用紙 G 18×11インチ(連量55kg))の白紙を巻きつけ、3kgの荷重をかけた金属ブレードにより、“E”の文字部を20往復擦り、擦り前後の白紙の白色度の差を定着強度の指標として算出した。結果を表2に示す。
Figure 2008116666
以上の結果より、実施例1〜6では、黒ベタ部と文字部の両方において、擦り試験後も良好な定着性を維持していることが分かる。これに対し、比較例1〜4より、結晶性ポリエステルは、主に文字部の定着性の向上に、フッ素系樹脂微粉末は主に文字ベタ部の定着性の向上に、それぞれ寄与していることが明らかである。
本発明の画像形成方法は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーを用いた画像形成方法に関するものである。

Claims (8)

  1. 結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルを含有してなるトナー母粒子が、該トナー母粒子100重量部に対して0.2重量部以上のフッ素系樹脂微粉末で外添されてなる電子写真用トナーを、接触定着方式により画像を定着させる工程を含む画像形成方法。
  2. トナー母粒子が、さらに、100℃での溶融粘度が20〜40mPa・sのエステルワックスを含有してなる請求項1記載の画像形成方法。
  3. 結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの重量比(結晶性ポリエステル/非晶質ポリエステル)が、1/99〜50/50である請求項1又は2記載の画像形成方法。
  4. 結晶性ポリエステルが、ワックスの存在下でアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる、数平均分子量が3,000〜10,000、重量平均分子量が150,000〜8,000,000の結晶性ポリエステルである請求項1〜3いずれか記載の画像形成方法。
  5. 非晶質ポリエステルが、軟化点が125〜175℃、クロロホルム不溶分率が5〜50重量%の非晶質ポリエステルを含有してなる請求項1〜4いずれか記載の画像形成方法。
  6. 非晶質ポリエステルが、軟化点が75℃以上、125℃未満、クロロホルム不溶分率が5重量%未満の非晶質ポリエステルを含有してなる請求項1〜5いずれか記載の画像形成方法。
  7. 線速が500mm/sec以上の画像形成装置を使用する請求項1〜6いずれか記載の画像形成方法。
  8. 定着工程の前にプレヒート工程を有する請求項1〜7いずれか記載の画像形成方法。
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