JP2006171214A - トナーの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】結晶性ポリエステルと非晶質樹脂を併用してトナーを製造する場合において、帯電性を損なうことなく定着性を改善することができ、高速機で連続印刷する際にも、画質劣化を生じることなく連続して優れた画像が得られるトナーを製造し得る方法を提供する。
【解決手段】溶融混練工程を、少なくとも、個々に温度設定が可能な、連結された複数のバレルと、該連結された複数のバレル内に挿通された、1以上の混練部と2以上の搬送部を有するスクリューを構成部材とし、スクリューが、原料供給側から0.5Lt(Ltは混練機の全長を示す)までの間に、少なくとも1の混練部を有し、最も原料供給口側に位置する混練部を包含するバレル(X)内の設定温度をT1、該混練部を包含するバレル(X)と原料供給口側で隣り合うバレルの設定温度をT2、及び記結晶性ポリエステルの融点をTcとするとき、式(a)が0℃≦T1−T2≦50℃ (b)が5℃≦Tc−T1≦35℃
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などにおいて形成される潜像の現像に用いられるトナーの製造方法に関する。
近年、オンデマンド印刷に対する要求が高まり、高画質化と高速化にも対応可能なトナーが要求されている。
定着性改良の観点から、特に低温定着の改良を目的として、結晶性ポリエステルを結着樹脂として含有したトナーが検討されているが(特許文献1、特許文献2参照)、高速化に伴う帯電特性には改良すべき点が多い。これは、結晶性ポリエステルを非晶質樹脂と併用とすると両者の粘度差が大きいために海島構造になりやすく、荷電制御剤等の内添剤の分散不良が原因となるためと考えられる。
そこで、トナーの製造方法から内添剤の分散性を改良した技術が提案されている。例えば、混練機の設定温度を原料投入口から温度を下げていく条件で製造する方法(特許文献3参照)や、混練機の温度設定ゾーンを分割し、設定温度と混練物の吐出温度、結着樹脂の熱特性の関係を規定した製造方法が報告されている(特許文献4参照)。
しかし、結晶性ポリエステルを使用したトナーにおいては、その樹脂物性の特殊性から、これら技術を使用しても十分なものではない。
特開2001−222138号公報(請求項1) 特開2004−61875号公報(請求項1) 特開2002−229262号公報(請求項1) 特開平9−146301号公報(請求項1)
本発明の課題は、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質樹脂を併用してトナーを製造する場合において、帯電性を損なうことなく定着性を改善することができ、高速機で連続印刷する際にも、画質劣化を生じることなく連続して優れた画像が得られるトナーを製造し得る方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂及び着色剤を含有してなる原料の溶融混練工程、冷却工程、粉砕工程、分級工程及び表面処理工程を有するトナーの製造方法であって、
前記結着樹脂が結晶性ポリエステルを1〜40重量%と非晶質樹脂とを含有してなり、
前記溶融混練工程を、少なくとも、個々に温度設定が可能な、連結された複数のバレルと、該連結された複数のバレル内に挿通された、1以上の混練部と2以上の搬送部を有するスクリューを構成部材とし、連結されたバレルの一方の端部に原料供給口を、もう一方の端部に混練物排出口を有する押出混練機を用いて行い、
前記スクリューが、原料供給側から0.5Lt(Ltは混練機の全長を示す)までの間に、少なくとも1の混練部を有し、最も原料供給口側に位置する混練部を包含するバレル(X)内の設定温度をT1、該混練部を包含するバレル(X)と原料供給口側で隣り合うバレルの設定温度をT2、及び前記結晶性ポリエステルの融点をTcとするとき、式(a)及び(b):
0℃≦T1−T2≦50℃ (a)
5℃≦Tc−T1≦35℃ (b)
を満足する、トナーの製造方法に関する。
本発明により、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質樹脂を併用しても、帯電性を損なうことなく定着性を改善することができ、高速機で連続印刷する際にも、画質劣化を生じることなく連続して優れた画像が得られるトナーを製造することができる。
結晶性ポリエステルと非晶質樹脂を結着樹脂として用いると、定着性が向上する一方で、内添剤の分散性低下による、帯電性の低下を招く原因となり得る。そこで、本発明者らは、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂を併用しても内添剤を均一に分散させることのできる方法について検討した。
例えば、原料をより均一に混合する手段としては、例えば、分散剤を使用する方法があるが、分散剤の使用は帯電性への悪影響や環境変化から受ける影響が懸念される。
また、原料をより均一に溶融混練する手段としては、例えば、溶融混練を2回行う方法があるが、過度の熱が加わることによる原料の熱分解や樹脂鎖の切断による性能劣化及び生産性の低下が懸念される。
そこで、本発明者らが検討した結果、溶融混練時の加熱温度を調整することにより、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質樹脂を使用していても、荷電制御剤等の内添剤を結着樹脂中に均一に分散させることができ、定着性及び帯電性に優れたトナーが得られることを見出した。
以下、本発明のトナーの製造方法における各工程を説明する。
本発明において、溶融混練に供される原料には、少なくとも、結晶性ポリエステルを含有した結着樹脂及び着色剤が用いられる。
本発明において、「結晶性」樹脂とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が0.6〜1.3、好ましくは0.9〜1.2、より好ましくは1.0より大きく1.2以下である樹脂をいい、また「非晶質」樹脂とは、軟化点と融解熱の最大ピーク温度の比(軟化点/ピーク温度)が1.3より大きく4.0以下、好ましくは1.5〜3.0である樹脂をいう。
本発明における結晶性ポリエステルの融解熱の最大ピーク温度は、定着性、保存性及び耐久性の観点から、60〜150℃が好ましく、80〜140℃がより好ましく、100〜130℃がさらに好ましい。
本発明における結晶性ポリエステルは、炭素数が2〜6、好ましくは4〜6の脂肪族ジオールを60モル%以上含有したアルコール成分と、炭素数が2〜8、好ましくは4〜6、より好ましくは4の脂肪族ジカルボン酸化合物を60モル%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られた樹脂が好ましい。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール等が挙げられ、特にα,ω-直鎖アルカンジオールが好ましい。
炭素数2〜6の脂肪族ジオールは、アルコール成分中に、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。特に、その中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上、好ましくは80〜95モル%を占めているのが望ましい。なかでも、1,4-ブタンジオールが、アルコール成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%含有されているのが望ましい。
アルコール成分には、炭素数2〜6の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分が含有されていてもよく、該多価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物等の2価の芳香族アルコールやグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、これらの中ではフマル酸及びアジピン酸が好ましく、フマル酸がより好ましい。なお、脂肪族ジカルボン化合物とは、前記の如く、脂肪族ジカルボン酸、その無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステルを指すが、これらの中では、脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物は、カルボン酸成分中に、好ましくは60モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含有されているのが望ましい。特に、その中の1種の脂肪族ジカルボン酸化合物が、カルボン酸成分中の好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%を占めているのが望ましい。なかでも、フマル酸が、カルボン酸成分中、好ましくは60モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%含有されているのが望ましい。
カルボン酸成分には、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物以外の多価カルボン酸成分が含有されていてもよく、該多価カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;セバシン酸、アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸の脂肪族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸;及びこれらの酸の無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
なお、結晶性ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、製造安定性の観点から、さらにアルコール成分が多い場合には、真空反応時に蒸発により樹脂の分子量を容易に調整できる観点から、0.9以上1.0未満が好ましく、0.95以上1.0未満がより好ましい。
結晶性ポリエステルの製造において、アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合は、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒、重合禁止剤等を用いて、120〜230℃の温度で反応させて行うことができる。具体的には、樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させる等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。
なお、本発明における結晶性ポリエステルは高分子量化することが好ましく、反応液粘度が高くなるまで反応させるのが好ましい。高分子量化した結晶性ポリエステルを得るためには、前記のようにカルボン酸成分とアルコール成分のモル比を調整したり、反応温度を上げる、触媒量を増やす、減圧下、長時間脱水反応を行う等の反応条件を選択すればよい。なお、高出力のモーターを用いて、高分子量化した結晶性ポリエステルを製造することもできるが、製造設備を特に選択せずに製造する際には、原料モノマーを非反応性低粘度樹脂や溶媒とともに反応させる方法も有効な手段である。
さらに、本発明における結晶性ポリエステルは、ワックスの存在下、例えば、ワックスを結晶性ポリエステルの原料モノマーの反応系に添加して、原料モノマーであるアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させることにより、得られるものであることが好ましい。結晶性ポリエステルの原料にワックスを使用することで、その詳細なる理由は不明なるも、トナーに使用する原材料の分散性が高まることを見出した。これは、ワックスの存在により、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂の粘度差による海島構造が抑制されるためではないかと考えられる。
なお、ワックスは、重合反応当初に原料モノマーに添加しても、重合反応開始後の反応途中で添加しても、重合反応当初から終了時まで連続的又は断続的に添加してもよい。
ワックスとしては、炭化水素系ワックス、エステル系ワックス、アミド系ワックス等のいずれでもよいが、結晶性樹脂との相溶性及び離型性の観点から、炭化水素系ワックスが好ましい。炭化水素系ワックスは、一般に-(CH2-CH(R))n-(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜3の炭化水素基を示す)で表される主骨格を有し、具体的には、フィッシャートロプシュワックス等のポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレン-ポリプロピレンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスが挙げられ、これらの中では、結晶性樹脂の粉砕性向上の観点から、ポリエチレンワックス及びポリプロピレンワックスが好ましく、ポリプロピレンワックスがより好ましい。
ワックスの180℃における溶融粘度は、結晶性ポリエステルとの相溶性の観点から、0.03Pa・s以上が好ましく、また定着性の観点から、0.2Pa・s以下が好ましい。これらの観点から、ワックスの粘度は、0.03〜0.2Pa・sが好ましく、0.04〜0.19Pa・sがより好ましく、0.05〜0.18Pa・sがさらに好ましい。
ワックスの配合量は、得られる結晶性ポリエステル100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜15重量部がより好ましく、1〜10重量部がさらに好ましい。
また、結晶性ポリエステルにおけるワックスの分散径は、粉砕性の観点から、5μm以上が好ましく、また、トナー表面への露出を防止する観点から、200μm以下が好ましい。これらの観点から、ワックスの分散径は、5〜200μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。ワックスの分散径は、原料モノマー、ワックスの種類、原料モノマーを重合させる際の攪拌強度や重合後の冷却速度等により調整することができる。
結晶性ポリエステルの数平均分子量は、保存性及び生産性の観点から、3,000〜10,000が好ましく、5,000〜9,000がより好ましく、6,000〜8,000がさらに好ましい。
また、耐久性の観点から、結晶性ポリエステルは、高分子量成分をある程度含有しているのが好ましいことから、結晶性ポリエステルの重量平均分子量は、150,000〜8,000,000が好ましく、200,000〜3,000,000がより好ましく、300,000〜1,000,000がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂中、1〜40重量%であり、好ましくは3〜35重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
本発明においては、結着樹脂として、結晶性ポリエステルに加えて非晶質樹脂がさらに含有されているのが好ましい。
非晶質樹脂としては、非晶質ポリエステル、非晶質ポリエステルポリアミド、非晶質スチレン-アクリル樹脂等のビニル系樹脂、2種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂、これらの混合物等が挙げられ、これらの中では、定着性や結晶性ポリエステルとの相溶性の観点から、非晶質ポリエステル、非晶質ポリエステルポリアミド及び非晶質ポリエステル成分とビニル系樹脂成分とが部分的に化学結合したハイブリッド樹脂が好ましく、非晶質ポリエステルがより好ましい。
非晶質ポリエステルも、結晶性ポリエステルと同様にして製造することができる。ただし、非晶質ポリエステルとするためには、
(1) 炭素数2〜6の脂肪族ジオール、炭素数2〜8の脂肪族カルボン酸化合物等の樹脂の結晶化を促進するモノマーを用いる場合は、これらのモノマーを2種以上併用して結晶化を抑制する、即ちアルコール成分及びカルボン酸成分のいずれにおいても、これらのモノマーの1種が各成分中10〜70モル%、好ましくは20〜60モル%を占め、かつこれらのモノマーが2種以上、好ましくは2〜4種用いられていること、又は
(2) 樹脂の非結晶化を促進するモノマー、好ましくはアルコール成分ではビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が、またはカルボン酸成分ではアルキル基もしくはアルケニル基で置換されたコハク酸が、アルコール成分中又はカルボン酸成分中、好ましくは両成分のそれぞれにおいて30〜100モル%、好ましくは50〜100モル%用いられていることが好ましい。
また、非晶質ポリエステルポリアミドは、前記の多価アルコール成分及び多価カルボン酸成分に加えてさらに、アミド成分を形成するために、エチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミン、6-アミノカプロン酸、ε-カプロラクタム等のアミノカルボン酸類、プロパノールアミン等のアミノアルコール等が原料モノマーとして用いられ、これらの中ではヘキサメチレンジアミン及びε-カプロラクタムが好ましい。
非晶質ポリエステルポリアミドも、非晶質ポリエステルと同様にして製造することができる。
本発明において、ハイブリッド樹脂は、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーから得られたものであっても、さらに2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
従って、ハイブリッド樹脂としては、各々独立した反応経路を有する二つの重合系樹脂の原料モノマー、好ましくは縮重合系樹脂の原料モノマーと付加重合系樹脂の原料モノマーを混合し、該二つの重合反応を行わせることにより得られる樹脂が好ましく、具体的には、特開平10-087839号公報に記載のハイブリッド樹脂が好ましい。
縮重合系樹脂の代表例としては、ポリエステル、ポリエステルポリアミド、ポリアミド等が挙げられ、これらの中ではポリエステルが好ましく、前記付加重合系樹脂の代表例としては、ラジカル重合反応により得られるビニル系樹脂等が挙げられる。
非晶質樹脂の軟化点は、好ましくは70〜180℃、より好ましくは100〜160℃、ガラス転移点は、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃である。なお、ガラス転移点は非晶質樹脂に特有の物性であり、融解熱の最大ピーク温度とは区別される。
本発明では、非晶質樹脂として、低温定着性と耐高温オフセット性の観点から、軟化点が70℃以上、120℃未満の低軟化点樹脂と軟化点が120℃以上、160℃以下の高軟化点樹脂とが、好ましくは20/80〜80/20の重量比(低軟化点樹脂/高軟化点樹脂)で併用されているのが好ましい。
結晶性ポリエステルと非晶質樹脂の重量比(結晶性ポリエステル/非晶質樹脂)は、帯電性、保存性、低温定着性及び耐久性の観点から、1/99〜40/60が好ましく、3/97〜35/65がより好ましく、5/95〜30/70がさらに好ましい。
本発明で用いられる着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれにも使用することができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
本発明のトナーの原料には、荷電制御剤、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有されていてもよい。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤及び含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ベンジル酸のホウ素錯体等の負帯電性荷電制御剤が挙げられる。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜7重量部がより好ましい。
本発明により得られるトナーは、正帯電性トナーと負帯電性トナーのいずれにも使用できるが、低温定着性に優れ、優れた画質を安定して供給できることから、線速370mm/secを超えるアモルファスセレン感光体を有する高速機にも好適に用いることができ、正帯電性トナーとして使用することが好ましい。
本発明により得られるトナーを正帯電性トナーとして使用する場合には、帯電量レベルの観点から、正帯電性荷電制御剤としてニグロシン染料又は/及び4級アンモニウム塩化合物を使用することが好ましい。
ニグロシン染料は、一般に金属触媒存在下でのニトロベンゼンとアニリンとの縮重合により得られる多数の成分からなる黒色の混合物であり、その構造は十分に明らかにされていないが、樹脂酸等による変成品も含めて、市販のニグロシン染料としては、「ニグロシンベースEX」、「オイルブラックBS」、「オイルブラックSO」、「ボントロン N-01」、「ボントロン N-04」、「ボントロン N-07」、「ボントロン N-09」、「ボントロン N-11」、「ボントロン N-21」(以上、オリエント化学工業社製)、「ニグロシン」(池田化学社製)、「スピリットブラック No.850」、「スピリットブラック No.900」(以上、住友化学社製)等が挙げられる。
ニグロシン染料の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.2〜5重量部が好ましく、0.5〜4重量部がより好ましい。
4級アンモニウム塩化合物としては、式(I):
Figure 2006171214
(式中、R1〜R4は、同一又は異なっていてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜8の低級アルキル基、炭素数8〜22のアルキル基もしくはアルケニル基又は炭素数6〜20のアリール基もしくはアラルキル基、X-は陰イオンを示す)で表される化合物が好ましい。
本発明では、帯電特性がより安定し定着性も向上させることができる点から、R1〜R4としては、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜4の低級アルキル基、炭素数12〜18のアルキル基、フェニル基又はベンジル基が好ましく、X-としては、トルエンスルホン酸イオン、ヒドロキシナフタレンスルホン酸イオン等の芳香族スルホン酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、モリブデン酸イオン、タングステン酸イオン、ハロゲンイオン又はヒドロキシイオンが好ましく、芳香族スルホン酸イオン、芳香族カルボン酸イオン、モリブデン酸イオンがより好ましい。
本発明では、特に、式(Ia):
Figure 2006171214
で表される化合物、式(Ib):
Figure 2006171214
で表される化合物及び式(Ic):
Figure 2006171214
で表される化合物からなる群より選ばれた少なくとも1種が好ましく、式(Ib)で表される化合物がより好ましい。
式(Ia)で表される化合物を含有した市販品としては「TP-415」(保土谷化学工業社製)等が、式(Ib)で表される化合物を含有した市販品としては「COPY CHARGE PSY」(クラリアントジャパン社製)等が、式(Ic)で表される化合物を含有した市販品としては「ボントロン P-51」(オリエント化学工業社製)等が、それぞれ挙げられる。
4級アンモニウム塩化合物の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.01〜5重量部が好ましく、0.05〜3重量部がより好ましく、0.1〜2重量部がさらに好ましい。
さらに、帯電安定性及び立ちあがりの観点から、ニグロシン染料と4級アンモニウム塩化合物を併用することが好ましく、4級アンモニム塩化合物/ニグロシン染料(重量比)は、1/100〜100/100が好ましく、10/100〜70/100がより好ましい。
離型剤としては、カルナウバワックス、ライスワックス等のエステルワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して含有されていてもよい。これらの中でも、低温定着性の観点から、融点が60〜90℃のエステルワックスが好ましく、カルナウバワックスがより好ましい。ワックスの含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、0.2〜9重量部がより好ましい。
本発明において、結着樹脂、着色剤等を含有した原料は、ナウターミキサー(ホソカワミクロン社製)、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ハイスピードミキサー(深江工業社製)、レーディゲミキサー(マツボー社製)等の攪拌型混合装置を用いて、材料を均一に混合した後に、溶融混練工程に供することが好ましい。
原料の溶融混練工程では、少なくとも、個々に温度設定が可能な、連結された複数のバレルと、該連結された複数のバレル内に挿通された、1以上の混練部と2以上の搬送部を有するスクリューを構成部材とし、連結されたバレルの一方の端部に原料供給口を、もう一方の端部に混練物排出口を有する押出混練機を用いる。
本発明においては、押出混練機として、例えば、1本のスクリューが挿通された一軸押出機や2本のスクリューが挿通された二軸押出機を使用することができるが、吐出が安定していること、滞留が少なく短時間での溶融混練が可能であること、樹脂温度の正確な制御が可能であること等の観点から、二軸押出機が好ましい。
本発明において用いられる押出混練機の市販品としては、KTK型2軸押出機(神戸製鋼所製)や、TEM型2軸押出機(東芝機械社製)やPCM型2軸押出機(池貝鉄工社製)等が挙げられるが、これらの中では、PCM型2軸押出機(池貝鉄工社製)が好ましい。
スクリューは、1本のシャフトに対し、目的に応じて形状の異なる複数のパーツが装備されたものであってもよく、複数のパーツが連結し、1本のスクリューとしての形を成しているものであってもよい。
スクリューは、パーツの形状により、主に原料の溶融混練を主な機能とする混練部と、原料又は溶融混練物の搬送を主な機能とする搬送部とを有する(例えば、「トナーの開発・実用化 総合技術資料集」(昭和60年9月30日,日本科学情報(株)出版部発行,242頁)、特開平10-133413号公報(図1〜10)等参照)。本発明で用いられる押出混練機のスクリューは、原料供給側から0.5Lt(Ltは混練機の全長を示す)までの間に、少なくとも1の混練部を有するものであるが、混練部はスクリュー全体において、2以上有していることが好ましく、原料供給側から0.5Ltまでと混練物排出口から0.5Ltまでの間に、それぞれ少なくとも1の混練部を有していることが好ましい。
なお、本発明においては、その少なくとも一部が0.5Ltの位置上にある混練部も、原料供給側から0.5Ltまでの間に位置する混練部に含まれるものとする。
スクリューは回転自在であり、その回転数も適宜調整することができるが、60〜300r/minが好ましく、70〜250r/minがより好ましい。
各混練部の長さは、0.02Lt〜0.125Ltが好ましく、0.04Lt〜0.125Ltがより好ましい。
連結されるバレルの数は特に限定されないが、少なくとも混練部及び搬送部ごとに連結されていることが好ましい。
本発明においては、個々に温度設定が可能なバレルが連結された、前記構造を有する押出混練機を用いる際の、バレル内の温度設定に大きな特徴を有する。即ち、本発明では、最も原料供給口側に位置する混練部を包含するバレル(X)内の設定温度をT1、該混練部を包含するバレル(X)と原料供給口側で隣り合うバレルの設定温度をT2、及び前記結晶性ポリエステルの融点をTcとするとき、式(a)及び(b):
0℃≦T1−T2≦50℃ (a)
5℃≦Tc−T1≦35℃ (b)
を満足する。なお、ここでいうTcとは結晶性ポリエステルの融解熱の最大ピーク温度をさす。
本発明では、式(a)、(b)に従って、バレル内の設定温度を調整することにより、結晶性ポリエステルを適度な分散径で均一に分散させることができ、それにより着色剤等の内添剤が均一に分散したトナーを得ることができる。主に、式(a)は結晶性ポリエステルの均一分散の制御に、式(b)は結晶性ポリエステルの分散径の制御に、それぞれ寄与しているものと推定される。
式(a)は原料の供給口から、混練部に向かってバレルの設定温度を高めていくことを意味する。即ち、このような温度勾配をつけることで、原料が混練部に搬送されたときに混練シェアを効果的に高めることができるため、分散性が良好になるものと推定される。式(a)は、5℃≦T1−T2≦45℃が好ましく、10℃≦T1−T2≦40℃がより好ましい。
式(b)は、混練部の直前のバレルの設定温度を、本発明で使用する結晶性ポリエステルの融点よりも低い温度で溶融混練することを意味する。溶融混練では非晶質樹脂の軟化点と結晶性ポリエステルの融点が混練状態に複雑に影響を及ぼすが、このような温度設定にすることにより、その詳細な理由は不明であるが、結晶性ポリエステルを、その結晶性を破壊せずに分散させることができるものと推定される。式(b)は、7℃≦Tc−T1≦30℃が好ましく、10℃≦Tc−T1≦25℃がより好ましい。
最も原料供給口側に位置する混練部を包含するバレル(X)より混練物排出口側のバレルの設定温度は、全てT1±5℃の範囲内であることが好ましく、全てバレル(X)の設定温度と同じ温度、即ちT1であることがより好ましい。
次いで、得られた溶融混練物を粉砕可能な硬度に達するまで冷却する冷却工程に供する。冷却手段としては、空冷方式、水冷方式、スチール製の冷却ベルト方式等が挙げられるが、これらの中でも冷却効率の観点から、水冷方式が好ましい。なお、冷却効率を高めるために、溶融混練物を圧延ロールや圧延ドラム等で圧延した後に冷却することが好ましい。
続く粉砕工程では、溶融混練物を所望のトナー粒径程度に達するまで粉砕する。かかる粉砕は一度に行ってもよいが、粉砕効率等の観点から、予め粗粉砕した後に、さらに所望のトナー粒径程度まで微粉砕することが好ましい。
本発明で用いられる粉砕機は特に限定されないが、粗粉砕に好適な粉砕機としては、カッターミル、ロートプレックス、アトマイザー等が、微粉砕に好適な粉砕機としては、ジェットミル、衝突板式ミル、回転型機械ミル等が、それぞれ挙げられる。
粗粉砕物の体積中位粒径(D50)は、放熱効果を高め、またワックスの脱離等を防止する観点から、1〜3mmが好ましく、1.2〜2.8mmがより好ましく、1.4〜2.6mmがさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
粉砕物を分級する分級工程に用いられる分級機としては、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよい。
分級工程により得られるトナーの体積中位粒径(D50)は、4〜16μmが好ましく、5〜14μmがさらに好ましい。
表面処理工程は、トナー表面に外添剤を添加する工程である。外添剤としては、シリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子等が挙げられるが、これらの中では、流動性及び耐久性の観点からシリカであることが好ましい。
シリカは、帯電性の観点から、疎水化処理された疎水性シリカであるのが好ましい。疎水化の方法は特に限定されず、疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルジクロロシラン、シリコーンオイル、メチルトリエトキシシラン等が挙げられるが、これらの中では、帯電量の安定性の観点から、シリコーンオイルが好ましい。疎水化処理剤の処理量は、シリカの表面積あたり1〜7mg/m2が好ましい。
外添剤の配合量は、帯電性及び流動性の観点から、処理対象となるトナー100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
処理対象となるトナーと外添剤との混合は、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の各種混合機を用いて行うことができる。なお、混合後、異物除去のためにジャイロシフター、超音波篩等、好ましくは超音波篩を用いた篩工程を行うことが望ましい。
本発明により得られるトナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分現像剤として使用することができるが、本発明では、耐久性に優れる点から、二成分現像剤として使用されることが好ましい。
本発明により得られるトナーは、線速が370mm/sec以上、好ましくは500mm/sec以上、より好ましくは1000mm/sec以上の高速の印刷機に用いても、良好な耐久性を維持することができる。ここで、線速とは印刷機のプロセススピードをいい、定着部の紙送り速度により決定される。
〔軟化点〕
高化式フローテスター((株)島津製作所製、CFT-500D)を用い、1gの試料を4時間減圧乾燥した後、昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりフローテスターのプランジャー降下量(流れ値)-温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするときh/2に対応する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
〔融解熱の最大ピーク温度及びガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で測定し、融解熱の最大ピーク温度を求める。また、ガラス転移点は、前記測定で最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分から、ピークの頂点まで、最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
〔酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔数平均分子量及び重量平均分子量〕
以下の方法により得られる、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量分布を示すチャートから、数平均分子量及び重量平均分子量を求める。
(1) 試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように樹脂をクロロホルム中に溶解する。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター(住友電気工業(株)製、FP-200)を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2) 分子量分布測定
溶解液としてクロロホルムを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作成した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレンを標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO-8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
〔溶融粘度〕
粘弾性測定装置「RDA II」(レオメトリックス社製)を用い、以下の測定条件にて測定
する。
(測定条件)
測定治具:キュレットを使用。上の筒(半径:15mm、長さ:32mm)、下の器(半径:25mm)、測定時の上の筒と器の底の距離0.5mm
測定試料:8g
測定周波数:2rad/sec
測定温度:180℃
測定歪:0.5%から10%まで0.5%刻みで20点を自動測定モードで測定。
測定値:20点の測定値から、最大値、最小値を除いた18点の平均値とする。
結晶性ポリエステルの製造例1
表1に示す原料を窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、140℃で4時間維持した。140℃から160℃まで10℃/時の速度で、160℃から200℃までを20℃/時の速度で昇温し、反応させた後、200℃、8.3kPaで4時間減圧反応を行った。得られた樹脂aの各種物性値を表1に示す。
非晶質ポリエステルの製造例1
表1に示す原料を窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃にて8時間反応させた後、230℃、8.3kPaにて所定の軟化点に達するまで減圧反応を行った。得られた樹脂Aの各種物性値を表1に示す。
非晶質ポリエステルの製造例2
表1に示すフマル酸を除く原料を窒素導入管、脱水管、攪拌機及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃にて6時間反応させた後、180℃まで冷却し、フマル酸を投入した。180℃から210℃まで10℃/時の速度で昇温し、4時間かけて反応させた後、210℃、8.3kPaにて所定の軟化点に達するまで減圧反応を行った。得られた樹脂Bの各種物性値を表1に示す。
Figure 2006171214
実施例1〜6、比較例1〜3
表2に示す結着樹脂、カーボンブラック「R330R」(キャボット社製)6重量部、荷電制御剤「ボントロン N-04」(オリエント化学工業社製)2重量部及び荷電制御剤「COPY CHARGE PSY」(クラリアント社製)0.2重量部、ポリプロピレンワックス「ビスコール 660P」(三洋化成社製)0.5重量部及びカルナバワックス「カルナバワックス C1」(加藤洋行社製)1.0重量部をヘンシェルミキサーを用いて予備混合した後、2軸押出機「PCM-87」(池貝鉄工社製)を用いて、原料のフィード量を2.5kg/min、スクリュー混練部の回転数を180r/min、最も原料供給口側に位置する混練部を包含するバレル内の設定温度〔T1〕と、該混練部を包含するバレルと原料供給口側で隣り合うバレルの設定温度〔T2〕は、表2に記載の設定温度に調整し、溶融混練した。得られた溶融混練物をドラムフレーカーにより冷却し、カッターミルで体積中位粒径(D50)1.5〜2.5mmに粗紛砕した後、ジェットミルで微粉砕し、気流分級機で分級を行い、体積中位粒径(D50)が10μmの未処理トナーを得た。
なお、溶融混練に使用した二軸混練機「PCM-87」(池貝鉄工社製)の構成は以下の通りである。
全長:2400mm
スクリュー:2本
バレル:原料供給口側よりC0〜C7〔各バレルとも長さ300mm(0.125Lt)〕
バレル設定温度:表2に記載の通り
混練部:原料供給側から0.375Lt〜0.5Lt(C3)及び0.625Lt〜0.75Lt(C5)の位置に2ヵ所
未処理トナー100重量部に対して、疎水性シリカ「HVK 2150」(クラリアント社製)0.3重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで200秒間攪拌後、目開き100μmの金網で篩ってトナーを得た。
〔トナーの誘電正接(tanδ)〕
トナー5gを内径59mmの打錠用プレス金型に表面が均一になるように投入し、かかる金型を電動式試料成形機(C/N:9302/30、前川試験器社製)にセットし、付属のブルドン管荷重計の目盛りで10トンの加圧を10秒間行うことにより、直径59mm、厚さ約1.7mmのトナーペレットを得た。得られたトナーペレットを、プレシジョン LCRメーター;HP4284及び誘電体測定用電極;HP16451B(使用電極:電極A)(ともに、横川ヒューレットパッカード社製)を用い、温度25℃、湿度50%の環境下で1kHzにおけるトナーペレットの誘電正接(tanδ)を測定し、測定値が0.00210〜0.00400を「○」、それ以外を「×」として評価した。結果を表2に示す。
〔トナーの軟化点〕
前記の方法に従ってトナーの軟化点を測定し、測定値が115〜125℃を「○」、それ以外を「×」として評価した。結果を表2に示す。
Figure 2006171214
以上の結果より、実施例1〜6のトナーは、内添剤の分散指標であるtanδとオフセットの指標である軟化点のいずれもが適正範囲であることがわかる。これに対し、比較例1、3ではtanδが高く、内添剤が分散不良であることが示されている。そのため、帯電不良が原因となり、画像品質を維持できるトナーとはなり得ない。比較例2ではtanδが低く、内添剤が過剰分散していることが示されている。そのため、帯電量が過剰に上昇し、低画像濃度やエッジ効果が顕著となる。また、軟化点が他のトナーよりも低いことから、溶融混練のシェアがきつくなり、高分散になる一方、シェアにより樹脂の分子鎖が切断されたものと推定される。
本発明により得られるトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (6)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有してなる原料の溶融混練工程、冷却工程、粉砕工程、分級工程及び表面処理工程を有するトナーの製造方法であって、
    前記結着樹脂が結晶性ポリエステルを1〜40重量%と非晶質樹脂とを含有してなり、
    前記溶融混練工程を、少なくとも、個々に温度設定が可能な、連結された複数のバレルと、該連結された複数のバレル内に挿通された、1以上の混練部と2以上の搬送部を有するスクリューを構成部材とし、連結されたバレルの一方の端部に原料供給口を、もう一方の端部に混練物排出口を有する押出混練機を用いて行い、
    前記スクリューが、原料供給側から0.5Lt(Ltは混練機の全長を示す)までの間に、少なくとも1の混練部を有し、最も原料供給口側に位置する混練部を包含するバレル(X)内の設定温度をT1、該混練部を包含するバレル(X)と原料供給口側で隣り合うバレルの設定温度をT2、及び前記結晶性ポリエステルの融点をTcとするとき、式(a)及び(b):
    0℃≦T1−T2≦50℃ (a)
    5℃≦Tc−T1≦35℃ (b)
    を満足する、トナーの製造方法。
  2. スクリューが、混練物排出口から0.5Ltまでの間に混練部を有し、該混練部を包含するバレルの設定温度がT1である請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. バレル(X)より混練物排出側のバレルの設定温度が全てT1±5℃の範囲内である請求項1又は2記載のトナーの製造方法。
  4. 結晶性ポリエステルがワックスの存在下で原料モノマーを縮重合させて得られるものである請求項1〜3いずれか記載のトナーの製造方法。
  5. 結晶性ポリエステルの数平均分子量が3,000〜10,000、重量平均分子量が150,000〜8,000,000である請求項1〜4いずれか記載のトナーの製造方法。
  6. 非晶質樹脂が非晶質ポリエステルを含有してなり、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの重量比(結晶性ポリエステル/非晶質ポリエステル)が1/99〜40/60である請求項1〜5いずれか記載トナーの製造方法。
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