JP5095363B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる電子写真用トナーの製造方法、及び該方法により得られる電子写真用トナーに関する。
トナーの低温定着性の観点から、低温定着性に優れる結晶性ポリエステルを非晶質ポリエステルと併用したトナーが多数検討されており、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの相溶性を高めることで低温定着性が改良できることが知られている。
しかしながら、両者の相溶性が高すぎると、かえってトナーの耐熱保存性や結晶性が悪化するという課題が挙げられる。この課題に対し、トナーの製造工程に、特定の温度で加熱処理する工程を付加する技術が開示されている(特許文献1〜4参照)。
特開2005−308995号公報 特開2006−138919号公報 特開2007−72333号公報 特開2006−65015号公報
従来技術に拠ってトナーに加熱処理を行うことにより、耐熱保存性等を向上させることは可能となる。しかし、近年の高速高画質化にともない、より一層の低温定着性及び耐熱保存性の向上が求められている。また、従来の加熱処理の方法では、結晶を形成させるために、多くの時間を要しており、生産性も問題となっている。
本発明の課題は、低温定着性と耐熱保存性を両立することのできる、生産性に優れる電子写真用トナーの製造方法、及び該方法により得られる電子写真用トナーを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決する為に検討を重ねた結果、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルを含む結着樹脂を含有するトナー組成物を加熱保持する工程〔工程(1)〕を含むトナーの製造方法において、該工程(1)として、前記トナー組成物の示差走査熱量測定における吸熱の最高ピーク温度に基づいて決定される一定範囲内の温度において加熱保持工程と、前記温度より一定温度高い温度における加熱保持工程とを経ることにより、その結果、加熱処理時間を短くすることにより高い生産性で、低温定着性と耐熱保存性を両立することができるトナーが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、
〔1〕 結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルを含む結着樹脂を含有するトナー組成物を加熱保持する工程〔工程(1)〕を含む電子写真用トナーの製造方法であって、該工程(1)が、
工程(A):前記トナー組成物を式(i):
Trm-70 ≦ Tra < Trm-20 (i)
(式中、Trmはトナー組成物の示差走査熱量測定における吸熱の最高ピーク温度を示す)で表される加熱温度Tra(℃)で加熱保持する工程、及び
工程(B):工程(A)で得られた加熱保持物を、加熱温度Tra(℃)より10〜70℃高い加熱温度Trb(℃)で加熱保持する工程
を含む、電子写真用トナーの製造方法、ならびに
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られる電子写真用トナー
に関する。
本発明の製造方法により得られる電子写真用トナーは、加熱処理が短い時間であっても、低温定着性と耐熱保存性を両立することができるという優れた効果を奏するものである。
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルを含む結着樹脂を含有するトナー組成物を加熱保持する工程(以下、工程(1)という)を含む電子写真用トナーの製造方法であって、該工程(1)が、前記トナー組成物の示差走査熱量測定(以下、DSC測定という)における吸熱の最高ピーク温度に基づいて決定される一定範囲内の温度、即ち、該トナー組成物のDSC測定における吸熱の最高ピーク温度をTrm(℃)とすると、Trm-70(℃)以上、Trm-20(℃)未満の温度における加熱保持工程(以下、工程(A)という)と、前記温度より10〜70℃高い温度における加熱保持工程(以下、工程(B)という)とを含むことに大きな特徴を有する。なお、本明細書において、工程(A)及び工程(B)における加熱温度は時間平均加熱温度を意味するものであり、結晶成長を効率よく発現させる観点から、各工程は、時間平均加熱温度に対して、好ましくは+/−5℃の範囲、より好ましくは+/−3℃の範囲で加熱保持することが望ましい。なお、時間平均加熱温度は、平均化する前の加熱温度をTi、該温度で加熱保持した時間をtiとするとき、下記式により求められるものである。
時間平均加熱温度=ΣTi*ti/Σti
(Σtiは各工程の加熱保持に要した総時間を示す)
結晶の形成とは、まず結晶核が発生し、次に該結晶核がある程度の大きさに成長することにより成し遂げられると考えられ、一般に時間を要する。従って、かかる結晶形成を一定の温度での加熱処理により行うことにすると、長時間の加熱処理時間を要し、生産性が悪化するのみならず、過度の熱履歴を受けたトナーが得られるため、トナーの物性に悪影響を及ぼすことになる。一方、加熱処理時間が短いものであると、結晶形成が十分には行われず、トナーの耐熱保存性等を向上させることが困難となる。さらに、一定温度で加熱処理を行う場合には、加熱温度が低すぎると結晶成長が遅く生産効率が悪化し、加熱温度が高すぎると結晶核が形成されにくくなると考えられ、結晶を十分に析出させることが困難となる。
一方、溶融混練工程により得られた溶融混練物、該溶融混練物の粉砕物、該粉砕物の分級品、該分級品の表面処理物等、あるいは、湿式法により得られた合一粒子等のトナー組成物は、結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルとは相溶している。本発明は、結晶の形成が、まず結晶核が発生し、次に該結晶核がある程度の大きさに成長することにより成し遂げられるという概念の基に、工程(A)での加熱保持により、前記トナー組成物中に結晶性ポリエステルの結晶核を形成させ、続く工程(B)において、工程(A)で形成された結晶核を成長させるという技術思想に基づく。工程(A)は、トナー組成物の吸熱の最高ピーク温度をTrm(℃)とすると、Trm-70(℃)以上、Trm-20(℃)未満の温度において加熱保持を行う。これは、結晶核はトナー組成物の温度が低いほど形成しやすく、前記温度範囲において加熱保持することにより結晶核が十分形成されやすくなるためと考えられる。また、結晶成長は温度が高いほど促進されるために、本発明では、工程(B)の加熱温度を工程(A)の加熱温度より一定温度高めている。これにより、より効率的に結晶成長を行い、加熱保持に要する時間を短いものとすることができるため、本発明の方法によれば、低温定着性及び耐熱保存性を両立することができるトナーを生産性高く製造することができるものと推測される。
本発明の製造方法は、トナー組成物を加熱保持する工程〔工程(1)〕を含有する。
本発明におけるトナー組成物は、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルを含有する結着樹脂を用いて、溶融混練法や湿式法等の公知の方法を用いて得られる。具体的には、溶融混練法では、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルを含む結着樹脂、さらに必要に応じて着色剤等を含むトナー原料を混合して溶融混練し、適宜粉砕、分級、表面処理する。この際、溶融混練して得られた溶融混練物をトナー組成物として使用してもよいし、溶融混練物を粉砕した粉砕物を、その粉砕物を分級した分級物を、あるいは、その分級物を表面処理した表面処理物をトナー組成物としてもよい。また、湿式法では、前記トナー原料を水系媒体等の媒体中で粒子化、乾燥して得られる粒子をトナー組成物とすることができる。湿式法としては、粒度分布をシャープにし、形状を丸くすることにより高画質化を可能とする乳化凝集法が好ましい。乳化凝集法では、前記トナー原料を水系媒体等の媒体中で乳化して乳化粒子を作製し、乳化粒子を凝集・合一することにより粒子化する。従って、本発明において、トナー組成物とは、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルが、溶融せずに単に混合している状態とは区別される。
以下、溶融混練法でトナー組成物を得る方法について説明する。なお、溶融混練法は溶融混練する工程(溶融混練工程)、粉砕する工程(粉砕工程)、分級する工程(分級工程)及び外添剤等で表面処理する工程(表面処理工程)を含有することが好ましい。本発明においては、溶融混練工程で得られた溶融混練物をトナー組成物とする場合には、該溶融混練物を工程(1)に供した後に、粉砕工程、分級工程及び表面処理工程を行ってもよく、粉砕工程で得られた粉砕物をトナー組成物とする場合には、該粉砕物を工程(1)に供した後に分級工程及び表面処理工程を行ってもよい。分級工程で得られた分級物をトナー組成物とする場合には、該分級物を工程(1)に供した後に表面処理工程を行ってもよく、表面処理工程で得られた表面処理物をトナー組成物とする場合には、該表面処理物を工程(1)に供することができる。
溶融混練工程では、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルを含有する結着樹脂を含むトナー原料を溶融混練する。
樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量測定(DSC測定)で得られる吸熱の最高ピーク温度との比、即ち軟化点/吸熱の最高ピーク温度で定義される結晶性指数によって表わされ、一般にこの値が1.5を超えると樹脂は非晶質であり、0.6未満の時は結晶性が低く非晶部分が多い。樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。本発明において、「結晶性ポリエステル」とは、結晶性指数が0.6〜1.5、好ましくは0.8〜1.2であるポリエステルをいい、「非晶質ポリエステル」とは、結晶性指数が1.5より大きいか、0.6未満、好ましくは1.5より大きい樹脂をいう。なお、吸熱の最高ピーク温度とは、観測される吸熱ピーク温度のうち、最も高温側にあるピークの温度を指す。最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークは、ガラス転移に起因するピークとする。
結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルは、いずれも原料モノマーとしてアルコール成分とカルボン酸成分とを用い、それらを縮重合させて得られる。
結晶性ポリエステルにおけるアルコール成分には炭素数2〜8の脂肪族ジオール等の樹脂の結晶性を促進させるモノマーが含有されていることが好ましい。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられ、なかでも、α,ω−直鎖アルカンジオールが好ましい。これらは単独で又は2種以上を混合して含有されていても良い。
炭素数2〜8の脂肪族ジオールの含有量は、結晶性の高さの観点から、アルコール成分中、80モル%以上が好ましく、85モル%以上がより好ましく、90モル%以上がさらに好ましい。さらに、2種以上の炭素数2〜8の脂肪族ジオールを用いている場合にはその中の1種の脂肪族ジオールが、アルコール成分中の70モル%以上、好ましくは80〜95モル%を占めているのが望ましい。なかでも、1,4-ブタンジオール及び1,6-ヘキサンジオールが好ましく、1,6-ヘキサンジオールがより好ましく、これらはアルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含有されているのが望ましい。
非晶質ポリエステルにおけるアルコール成分としては、トナーの帯電性と耐久性の観点から、式(I):
Figure 0005095363
(式中、ROはオキシアルキレン基であり、Rはエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。かかるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
カルボン酸成分に含まれるカルボン酸化合物としては、フマル酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸等の炭素数2〜30、好ましくは2〜8の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族ジカルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。これらの中では、脂肪族ジカルボン酸化合物が好ましく、結晶性ポリエステルにおいては、結晶化度の観点から、炭素数2〜8の脂肪族ジカルボン酸化合物が、非晶質ポリエステルにおいては、結着樹脂中の結晶性ポリエステルの分散性の観点から、フマル酸がより好ましい。なお、上記のような酸、これらの酸の無水物、及び酸のアルキルエステルを、本明細書では総称してカルボン酸化合物と呼ぶ。
脂肪族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、70モル%以上が好ましく、80〜100モル%がより好ましく、90〜100モル%がさらに好ましい。
なお、結晶性ポリエステルにおけるカルボン酸成分とアルコール成分のモル比(カルボン酸成分/アルコール成分)は、結晶性ポリエステルの高分子量化を図る際には、カルボン酸成分よりもアルコール成分が多い方が好ましく、さらに減圧反応時、アルコール成分の留去によりポリエステルの分子量を容易に調整できる観点から、0.9以上1以下が好ましく、0.95以上1以下がより好ましい。
また、アルコール成分には1価のアルコールが、カルボン酸成分には1価のカルボン酸化合物が、分子量調整等の観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルは、アルコール成分とカルボン酸成分とを、例えば、不活性ガス雰囲気中、要すればエステル化触媒、例えば、オクチル酸錫(II)やターシャルブチルカテコールの存在下で縮重合させて得られる。反応温度は、結晶性ポリエステルの製造においては、120〜230℃が好ましく、非晶質ポリエステルの製造においては、180〜250℃が好ましい。
結晶性ポリエステルの製造においては、樹脂の強度を上げるために全単量体を一括仕込みしたり、低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。また、重合の後半に反応系を減圧することにより、反応を促進させてもよい。
また、さらに高分子量化した結晶性ポリエステルを得るためには、前記のようにカルボン酸成分とアルコール成分のモル比を調整したり、反応温度を上げる、触媒量を増やす、減圧下、長時間脱水反応を行う等の反応条件を選択したりすればよい。なお、高い攪拌所要動力下では、高分子量化した高粘度の結晶性ポリエステルを製造することもできるが、製造設備を特に選択せずに製造する際には、原料モノマーを非反応性低粘度樹脂や溶媒とともに反応させる方法も有効な手段である。
エステル化触媒の反応系における全存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.05〜1重量部が好ましく、0.1〜0.8重量部がより好ましい。
結晶性ポリエステルのDSC測定における吸熱の最高ピーク温度は、トナーの定着性、保存性及び耐久性の観点から、好ましくは80〜125℃、より好ましくは90〜120℃である。本明細書において、吸熱の最高ピーク温度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
結晶性ポリエステルの軟化点は、トナーの低温定着性の観点から、70〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましく、105〜130℃がさらに好ましい。本明細書において、軟化点は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
非晶質ポリエステルの軟化点は、80〜160℃が好ましく、85〜150℃がより好ましく、90〜145℃がさらに好ましい。
非晶質ポリエステルの酸価は、1〜50mgKOH/gが好ましく、10〜30mgKOH/gがより好ましい。また、ガラス転移点は、トナー生産性(即ち、粉砕性)及びトナーの保存性の観点から、40〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。本明細書において、酸価及びガラス転移点は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルは、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、少なくとも1種の共通の化合物を原料モノマーとして得られるものであることが好ましい。かかる共通の化合物は、カルボン酸成分であることが好ましく、結晶性ポリエステルの結晶化度を高める観点から、フマル酸及びフタル酸がより好ましく、フマル酸がさらに好ましい。
結晶性ポリエステルの含有量は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、結着樹脂中、5〜30重量%が好ましく、7〜25重量%がより好ましい。
非晶質ポリエステルの含有量は、トナーの低温定着性及び保存性の観点から、結着樹脂中、70〜95重量%が好ましく、75〜93重量%がより好ましい。
結晶性ポリエステルと非晶質ポリエステルの重量比(結晶性ポリエステル/非晶質ポリエステル)は、3/97〜40/60が好ましく、5/95〜30/70がより好ましい。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
本発明におけるトナーには、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステル以外に、他の結着樹脂が本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有されていてもよい。他の結着樹脂としては、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等のポリエステル以外の結着樹脂等が挙げられる。結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルの総含有量は、特に限定されないが、トナーの低温定着性の観点から、結着樹脂中、95重量%以上が好ましく、99重量%以上がより好ましい。
さらに、本発明におけるトナーの原料には、着色剤、離型剤、荷電制御剤、磁性粉、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜用いられていてもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾイエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、パラフィンワックス等の石油ワックス、アルコール系ワックス等のワックス、カルナバワックス、ライスワックスなどの天然エステル系ワックスが挙げられ、これらのワックスは単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。離型剤の含有量は、トナーの定着性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましい。
荷電制御剤としては、正帯電性荷電制御剤及び負帯電性荷電制御剤のいずれであってもよく、これらが併用されていてもよい。正帯電性荷電制御剤としては、二グロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ベンジル酸のホウ素錯体等が挙げられる。荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜5.0重量部が好ましく、0.2〜4.0重量部がより好ましい。
溶融混練する方法としては特に限定はなく、例えば、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルを含有する結着樹脂等のトナー原料をヘンシェルミキサー等の混合機で混合した後、密閉式ニーダー、1軸又は2軸の押出機、オープンロール型混練機等で溶融混練することができる。
溶融混練する際の温度は、結晶性ポリエステルの分散性を向上させる観点から、結晶性ポリエステルのDSC測定における吸熱の最高ピーク温度をTcm(℃)とすると、好ましくはTcm+5(℃)以上、より好ましくはTcm+10(℃)以上、さらに好ましくはTcm+20(℃)以上であって、Tcm+100(℃)以下の温度であることが望ましい。なお、前記温度は溶融混練物(トナー組成物ともいう)の温度が上記温度範囲内となる温度のことを言う。なお、TcmとTrmとは実質的に同じ温度である。
得られる溶融混練物のDSC測定における吸熱の最高ピーク温度は、トナーの定着性、保存性及び耐久性の観点から、好ましくは80〜125℃、より好ましくは90〜120℃である。本明細書において、吸熱の最高ピーク温度は、後述の実施例に記載の方法により測定される。
粉砕工程では、生産効率の観点から、粉砕する前に、被粉砕物を粉砕可能な硬度に達するまで冷却してから粉砕することが好ましい。
被粉砕物の粉砕は、一度に行っても、複数回に分けて行ってもよいが、粉砕効率及び生産効率の観点から、粉砕工程は粗粉砕工程と微粉砕工程とを含むことが好ましく、予め粒径を最大径が好ましくは3mm以下、より好ましくは2mm以下となるまで粗粉砕した後、得られた粗粉砕物をさらに目的のトナー粒径を考慮して微粉砕することが好ましい。ここで、最大径が3mm以下とは、全てのトナー粒子が目開き3mmのふるいを通過することを意味する。同様に、最大径が2mm以下とは、全てのトナー粒子が目開き2mmのふるいを通過することを意味する。粉砕物をトナー組成物として使用する場合には、粗粉砕工程と微粉砕工程のいずれの工程により得られた粉砕物をトナー組成物としてもよいが、トナー生産性(即ち、粉砕性)の観点から、粗粉砕工程により得られた粉砕物をトナー組成物として工程(1)に供することが好ましく、その場合、工程(1)により得られた加熱保持物を微粉砕工程、分級工程に供してもよい。なお、得られる粉砕物には、前記粉砕工程により得られた粉砕物をさらに外添剤等で表面処理して得られる粉砕物も含まれる。
分級工程では、粉砕工程により得られた粉砕物を分級するが、分級する方法としては特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
表面処理工程では、分級工程により得られた分級物に外添剤等で表面処理を行うが、表面処理方法としては特に限定はなく、公知の方法を用いることができる。
外添剤の含有量は、外添剤添加前の被添加物100重量部に対して、0.01〜10重量部が好ましく、0.1〜5重量部がより好ましい。
粉砕物、分級物又は表面処理物をトナー組成物として使用する場合、トナー組成物のDSC測定における吸熱の最高ピーク温度としては、溶融混練工程により得られた溶融混練物の該温度と同一範囲の温度を有することが好ましく、好ましくは80〜125℃、より好ましくは90〜120℃である。
次に、上記トナー組成物を工程(1)に供するが、トナーの生産性、定着性等の観点から、トナー組成物として、溶融混練工程により得られた溶融混練物又は粉砕工程により得られた粉砕物を工程(1)に供することが好ましい。
工程(1)は、工程(A):前記トナー組成物を式(i):
Trm-70 ≦ Tra < Trm-20 (i)
(式中、Trmはトナー組成物の示差走査熱量測定における吸熱の最高ピーク温度を示す)
で表される関係を満足する加熱温度Tra(℃)で加熱保持する工程、及び
工程(B):工程(A)で得られた加熱保持物を、加熱温度Tra(℃)より10〜70℃高い加熱温度Trb(℃)で加熱保持する工程
を含有する。
工程(A)における加熱温度Tra(℃)は、トナーの低温定着性の観点から、式(i):
Trm-70 ≦ Tra < Trm-20 (i)
(式中、Trmはトナー組成物の示差走査熱量測定における吸熱の最高ピーク温度を示す)
で表される関係を満足するが、好ましくはTrm-65 ≦ Tra ≦ Trm-25、より好ましくはTrm-60 ≦ Tra ≦ Trm-30の関係を満足することが望ましい。なお、結晶核を形成させる観点から、工程(A)の開始から終了までに前記温度範囲の上限値を超えないことが好ましい。
工程(A)における加熱保持時間は、トナーの低温定着性の観点から、好ましくは1〜12時間、より好ましくは1〜10時間、さらに好ましくは2〜8時間である。
工程(B)における加熱温度Trb(℃)は、工程(A)で形成された結晶核を効率的に結晶成長させる観点から、工程(A)における加熱温度Tra(℃)より10〜70℃、好ましくは15〜65℃、より好ましくは20〜60℃高い。工程(A)と工程(B)の加熱温度の差が10℃以上であると、工程(B)では、新たな結晶核の形成よりも、工程(A)で形成された結晶核の結晶成長を促進させることができる。また、工程(A)と工程(B)の加熱温度の差が70℃以下であると、工程(A)で形成された結晶核が溶融することなく結晶成長を行えるため、短時間で結晶性成長を起こさせることができる。
また、工程(B)における加熱温度Trb(℃)は、工程(A)における加熱温度Tra(℃)が上記式(i)の関係を満足する場合に、効率的に結晶成長を促進させ、トナーの耐熱保存性を高める観点から、好ましくは式(ii):
Trm-30 ≦ Trb < Trm (ii)
(式中、Trmはトナー組成物の示差走査熱量測定における吸熱の最高ピーク温度を示す)
で表される関係を満足することが望ましく、より好ましくはTrm-25 ≦ Trb ≦ Trm-3、さらに好ましくはTrm-20 ≦ Trb ≦ Trm-5で表される関係を満足することが望ましい。
工程(B)における加熱処理時間は、トナーの耐熱保存性の観点から、好ましくは1〜48時間、より好ましくは2〜24時間、さらに好ましくは3〜12時間である。また、工程(B)における加熱保持時間は、工程(A)で形成された結晶核を成長させトナーの耐熱保存性を高める観点から、工程(A)における加熱保持時間と同じであるかそれよりも長いことが好ましい。
なお、前記工程(A)及び工程(B)を行う態様は特に限定されないが、例えば、
態様1:工程(A)後、得られた加熱保持物をそのまま工程(B)に供する態様
態様2:工程(A)後、得られた加熱保持物を一旦冷却した後、工程(B)に供する態様
がある。本発明ではいずれの態様で加熱保持工程を行ってもよいが、トナー中の添加剤の分散性の観点から、態様1が好ましい。
工程(1)は、前記工程(A)及び工程(B)以外に、さらに、他の加熱保持工程を含有してもよい。他の加熱保持工程としては、耐熱保存性の観点から、工程(B)における加熱温度Trb(℃)より高い温度で、かつトナー組成物のDSC測定における吸熱の最高ピーク温度以下の温度における加熱処理を行う工程であることが望ましい。
本発明の製造方法は、溶融混練法を用いる場合、前述した溶融混練工程、粉砕工程、分級工程又は表面処理工程を経てトナー組成物を得た後に、得られたトナー組成物を加熱保持する工程〔工程(1)〕を含有するものであれば特に限定はない。
本発明により得られるトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜15μmが好ましく、4〜10μmがより好ましく、4〜9μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
本発明により得られるトナーは、単独で一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出する温度を軟化点とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法に基づき測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
〔樹脂の融点(吸熱の最高ピーク温度)、及びトナー組成物の融点(吸熱の最高ピーク温度)〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料をそのまま1分間静止させ、その後昇温速度10℃/分で150℃まで測定する。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最高ピーク温度とし、最高ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば融点とする。なお、前記最高ピーク温度で表される融点より低い温度で、かつ、前記融点と50℃以内の差に観測されるピークも融点とみなす。
〔樹脂のガラス転移点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、室温から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料をそのまま1分間静止させ、その後昇温速度10℃/分で150℃まで測定する。観測される吸熱ピークのうち、吸熱の最高ピーク温度で表される融点より50℃を超えて低い温度で観測されるピークの温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移点として読み取る。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
本明細書において、トナーの体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になるトナーの粒径を意味する。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5重量%電解液
分散条件:分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:前記電解液100mLに、3万個のトナーの粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
結晶性ポリエステルの製造例1
表1に示す原料モノマー及びオクチル酸錫(II)8g(アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して0.5重量部)を、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、160℃で5時間かけて反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させた。さらに、8.3kPaにて所望の結晶性指数の樹脂が得られるまで反応させて、樹脂aを得た。
非晶質ポリエステルの製造例1
表1に示す無水トリメリット酸以外の原料モノマー、オクチル酸錫(II)11g(アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して0.5重量部)及びターシャルブチルカテコール(TBC)1g(アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して0.05重量部)を窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5リットル容の四つ口フラスコに入れ、200℃で8時間かけて反応させた後、8.3kPaにて1時間反応させた。さらに210℃にて表1に示す無水トリメリット酸を添加し、所望の軟化点に達するまで反応させて、樹脂Aを得た。
Figure 0005095363
実施例1〜11及び比較例1〜6
結着樹脂として樹脂A 75重量部、樹脂a 25重量部、カーボンブラック「Mogul L」(キャボット社製)5重量部、荷電制御剤「T-77」(保土谷化学工業社製)1重量部、及び「カルナウバワックス 1号」(加藤洋行社製)2重量部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、以下の工程により実施例1〜11及び比較例1〜6のトナーを製造した。
[溶融混練工程]
混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を使用した。バレル設定温度は90℃(混練物温度:120〜140℃)、スクリュー回転速度は200回転/分、混合物の供給速度は10kg/時、平均滞留時間は約18秒であった。
[粗粉砕工程]
得られた溶融混練物を冷却ロールで圧延し、20℃以下に冷却した後、ロートプレックスに3mmメッシュ(目開き:3mm)のスクリーンを装着して溶融混練物を粗粉砕した。
[加熱保持工程]
粗粉砕後の溶融混練物をオーブンを用いて表2に示す温度、時間で加熱保持した。なお、工程(A)の加熱保持工程後、得られた加熱保持物は冷却せずに工程(B)に供した。
[微粉砕、分級工程]
得られた加熱保持物をI-2型粉砕機(日本ニューマチック社製)で粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)が7.5μmのトナー粒子(分級物)を得た。
[表面処理工程]
得られたトナー粒子(分級物)100重量部に対して、外添剤として疎水性シリカ「TS-530」(キャボット社製)0.65重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
試験例1〔低温定着性〕
各実施例及び比較例のトナーを、複写機「AR-505」(シャープ社製)に実装し、トナー量が0.6mg/cm2になるように調整した後、定着前の段階で画像を取り出し、未定着画像を得た。さらに、非接触定着方式の画像形成装置「Vario stream 9000」(オセプリンティングシステム社製)用の定着機を改造した外部定着機を使用し、線速1000mm/secで、紙上の温度を90℃から160℃へ順次上昇させて定着画像を得た。その際、低温側でオフセットによる紙面汚染が観察される最高温度を低温オフセット発生温度とし、以下の評価基準に従って低温定着性を評価した。結果を表2に示す。なお、定着試験に用いた紙はシャープ社製の厚紙「CopyBond SF-70NA」(75g/m2)であり、最低定着温度が低い方が、良好な低温定着性であることを示す。
〔低温定着性の評価基準〕
A:最低定着温度が140℃未満
B:最低定着温度が140℃以上、160℃未満
C:最低定着温度が160℃以上
試験例2〔耐熱保存性〕
20mL容のポリビンに各実施例及び比較例のトナー4gを入れ、開封状態で、50℃、60RH%の環境下に48時間保持した。保持後、トナーを入れた容器を軽く振り、以下の基準に従って保存性を評価した。結果を表2に示す。なお、凝集がないほど耐熱保存性に優れることを示す。
〔耐熱保存性の評価基準〕
A:凝集が全く認められない
B:凝集が殆ど認められない
C:塊になる
Figure 0005095363
以上の結果より、実施例1〜11のトナーは、比較例1〜6のトナーと対比して、低温定着性及び耐熱保存性に優れることが分かる。また、加熱処理時間が短いにも関わらず、定着性及び耐熱保存性に優れたトナーを得ており、生産性に優れることも分かる。
本発明により得られる電子写真用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (3)

  1. 結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルを含む結着樹脂を含有するトナー組成物を加熱保持する工程〔工程(1)〕を含み、ここで、前記トナー組成物は、結着樹脂を含むトナー原料を溶融混練して得られた溶融混練物、該溶融混練物を粉砕して得られた粉砕物、該粉砕物を分級して得られた分級物、及び該分級物を表面処理して得られた表面処理物のいずれかである電子写真用トナーの製造方法であって、該工程(1)が、
    工程(A):前記トナー組成物を式(i):
    Trm-70 ≦ Tra < Trm-20 (i)
    (式中、Trmはトナー組成物の示差走査熱量測定における吸熱の最高ピーク温度を示す)で表される加熱温度Tra(℃)で1〜12時間加熱保持する工程、及び
    工程(B):工程(A)で得られた加熱保持物を、加熱温度Tra(℃)より10〜70℃高い加熱温度Trb(℃)で1〜48時間加熱保持する工程
    を含む、電子写真用トナーの製造方法。
  2. 加熱温度Trb(℃)が式(ii):
    Trm-30 ≦ Trb < Trm (ii)
    (式中、Trmは前記と同じ)
    で表される関係を満足する、請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により得られる電子写真用トナー。
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