JP5008542B2 - トナー用結着樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
〔1〕 ポリオレフィンワックス及びワックス助剤の存在下で結着樹脂の原料モノマーを重合させる工程を含むトナー用結着樹脂の製造方法であって、前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤が、式(A):
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量測定における前記ポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2は示差走査熱量測定における前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する、トナー用結着樹脂の製造方法、
〔2〕 前記〔1〕記載の製造方法により得られるトナー用結着樹脂、並びに
〔3〕 前記〔2〕記載のトナー用結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー
に関する。
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量測定における前記ポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2は示差走査熱量測定における前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する点に大きな特徴を有する。
で表されるビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール、グリセリン等の3価以上の多価アルコール等が挙げられる。これらの中では、トナーの耐久性及び帯電性の観点から、式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、60モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましい。
で表されるソルビトール系化合物が挙げられる。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出する。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ100)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ100)を用いて0℃から10℃/minで200℃まで昇温しながら、融解熱の最大ピーク温度を融点として測定する。
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSCQ100)を用いて0℃から10℃/minで200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却しながら、発熱ピークの最も高温側のピーク温度をTc1として測定する。
ポリオレフィンワックスとワックス助剤とを、99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で均一に混合し(合計10g)、ナショナルコーヒーミル(MK-61M)で1分間混合する。得られた混合物の発熱ピーク温度(Tc2)をワックスの発熱ピーク温度(Tc1)と同様の方法により測定する。
樹脂試料を微粉砕し、42メッシュ(目開き:355μm)の篩を通過した試料粉体より0.2g採取し50ml容の容器に入れ、テトラヒドロフラン(THF)20gを注入し、ボールミル架台に載せて1時間以上にわたって回転させ十分に試料を溶解させる。
島津レーザ回析式粒度分布測定装置「SALD-2000J」(島津製作所社製)にバッチセルを装備し、溶媒としてTHFを用いて上記試料を測定濃度になるまで添加して測定を行う。屈折率は1.60-0.10iに設定し、算出された体積平均での平均値を平均分散径とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:50μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
まず、表1に示すBPA-PO、BPA-EO、テレフタル酸、2-エチルヘキサン酸錫(II)及びポリエチレンワックスを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃にてテレフタル酸の粒が確認できなくなるまで反応を行った後、60トールにて1時間反応を行った。その後、160℃に降温し、表1に示すスチレン、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸及びジクミルパーオキサイドを滴下ロートに入れ、滴下ロートより1時間かけて滴下した。160℃に保持したまま1時間付加重合反応を熟成させた後、210℃に昇温し、60トールにて1時間、未反応のビニル系樹脂の原料モノマーの除去を行った。さらに、210℃のまま、表1に示すワックス助剤及び無水トリメリット酸を添加し、所定の軟化点になるまで反応を行い、攪拌停止後、15分かけて、得られたハイブリッド樹脂(樹脂A−1)を抜き出した。
ワックス助剤として、化合物Aの代わりに、化合物B123gを使用した以外は、実施例A−1と同様にして、ハイブリッド樹脂(樹脂A−2)を得た。
ワックス助剤を、無水トリメリット酸とともにではなく、エステル化触媒とともに添加した以外は、実施例A−1と同様にして、ハイブリッド樹脂(樹脂A−3)を得た。
ワックス助剤を使用しなかった以外は、実施例A−1と同様にして、ハイブリッド樹脂(樹脂a−1)を得た。
ワックス助剤として、化合物Aの代わりに、疎水性シリカ「R-972」(日本アエロジル社製)123gを使用した以外は、実施例A−1と同様にして、ハイブリッド樹脂(樹脂a−2)を得た。
ワックス及びワックス助剤を使用しなかった以外は、実施例A−1と同様にして、ハイブリッド樹脂(樹脂a−3)を得た。
粉砕した樹脂粉末から、篩い分けにより、2mm以上3.35mm以下の粉末を分取し、National コーヒーミル MK-61Mに20g入れ、60秒間粉砕した。粉砕後の粒径を測定し、以下の評価基準に従って、粉砕性を評価した。結果を表3に示す。
A:2mm以下の粒子が90重量%以上
B:2mm以下の粒子が90重量%未満50重量%以上であり、3.35mm以上の粒子が1重量%未満
C:2mm以下の粒子が90重量%未満50重量%以上であり、3.35mm以上の粒子が1重量%以上10重量%未満
D:2mm以下の粒子が90重量%未満50重量%以上であり、3.35mm以上の粒子が10重量%以上であるか、2mm以下の粒子が50重量%未満
表3に示す結着樹脂100重量部、着色剤「ECB-301」(大日精化社製)4重量部及び負帯電性荷電制御剤「LR-147」(日本カーリット社製)1重量部を、ヘンシェルミキサーで混合し、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機で溶融混練した。ロール回転速度は200r/minであった。ロール内の加熱温度は100℃であり、混合物の供給速度は4kg/hr、平均滞留時間は約18秒であった。
結着樹脂、着色剤等とともに、ワックスとして樹脂A−2作製時に使用したポリエチレンワックス「パラフリント C80」2重量部を使用した以外は、実施例B−1等と同様にして、トナーを得た。
トナー3重量部と平均粒子径90μmのシリコーンコートフェライトキャリア(関東電化工業社製)97重量部とを混合して、二成分現像剤を得た。
得られた二成分現像剤を「プリテール50」(リコー社製)に実装し、印字率5%の画像を1時間連続印刷した後、二成分現像剤を取り出した。
二成分現像剤から、目開き32μmの篩を用いてトナーを吸引し、キャリアだけを残した。
得られたキャリアの炭素量を炭素分析装置「EMIA-110」(堀場製作所)を用いて測定し、あらかじめトナーと混合する前に測定しておいたキャリアの炭素量との差を求め、以下の評価基準に従って、耐久性を評価した。即ち、炭素量の差が大きいほど、キャリアに多量のトナーが付着しており、トナーの耐久性が低いと判断できる。結果を表3に示す。
A:炭素量の差が0.1未満
B:炭素量の差が0.1以上、0.2未満
C:炭素量の差が0.2以上
Claims (5)
- ポリオレフィンワックス及びワックス助剤の存在下で結着樹脂の原料モノマーを重合させる工程を含むトナー用結着樹脂の製造方法であって、前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤が、式(A):
Tc2−Tc1>5.0 (A)
(式中、Tc1は示差走査熱量測定における前記ポリオレフィンワックスの発熱ピーク温度(℃)、Tc2は示差走査熱量測定における前記ポリオレフィンワックスと前記ワックス助剤とを99/1(ポリオレフィンワックス/ワックス助剤)の重量比で混合した混合物の発熱ピーク温度(℃)である)
を満足する、トナー用結着樹脂の製造方法。 - 原料モノマーが、少なくとも、アルコールとカルボン酸化合物を含有する、請求項1記載の製造方法。
- 重合反応工程が、重合反応温度の異なる2以上の重合反応工程よりなり、全重合反応工程中、重合反応温度が最も高い工程よりも後の重合反応工程で、ワックス助剤を添加する、請求項1又は2記載の製造方法。
- 請求項1〜3いずれか記載の製造方法により得られるトナー用結着樹脂。
- 請求項4記載のトナー用結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー。
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