JP2008165017A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着画像における表面の荒れが少なく、トナーの定着条件による光沢度差、光沢むらの少ない定着画像を形成できる静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有し、前記ポリエステル樹脂Aがテトラヒドロフラン不溶分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂Bが直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有し、前記ポリエステル樹脂Cが結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、これらが特定の条件を満たす静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし
Description
すなわち請求項1に係る発明は、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有し、
前記ポリエステル樹脂Aがテトラヒドロフラン不溶分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂Bが直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、
前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有し、
前記ポリエステル樹脂Cが結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、これらが下記(1)〜(3)を満たす静電荷像現像用トナーである。
(1)ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量が25000〜60000、数平均分子量が4000〜10000
(2)ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量が10000〜25000、数平均分子量が3000〜8000
(3)ポリエステル樹脂Cが炭素数6〜10のジカルボン酸及び炭素数6〜10のジアルコールを反応して得られる脂肪族結晶性ポリエステル樹脂
前記構成成分量Pが前記構成成分量Qよりも大きく、かつ、
前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物の炭素数のいずれもが、前記ポリエステル樹脂Cにおけるモノマー由来構成成分の各々の炭素数よりも多い静電荷像現像用トナーである。
前記コア粒子の結着樹脂が前記ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含み、
前記シェル層が請求項1に記載の静電荷像現像用トナーにおけるポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bを含む静電荷像現像用トナーである。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、さらに低温から高温域の定着温度領域においても、光沢ムラの少なく光沢度が高い優れたフルカラー画像が確保できる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、さらにトナーの帯電量が高くカブリのない画像形成を行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、さらに光沢度とカブリ低減とのバランスのとれた画像形成を行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着画像における表面の荒れが少なく、トナーの定着条件による光沢度差、光沢むらの少ない定着画像を形成できる。
請求項6に係る発明によれば、定着条件による光沢度差が少なく、光沢むらのない画像形成が可能な静電荷像現像用トナーの供給を容易にし、上記特性の維持性を高めることができる。
請求項7に係る発明によれば、定着条件による光沢度差が少なく、光沢むらのない画像形成が可能な静電荷像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着画像における表面の荒れが少なく、定着条件による光沢度差が少なく、光沢むらのない画像形成を維持することができる。
<静電荷像現像用トナー>
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)は、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有し、前記ポリエステル樹脂Aがテトラヒドロフラン不溶成分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂Bが直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有し、前記ポリエステル樹脂Cが結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、これらが下記(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量が25000〜60000、数平均分子量が4000〜10000
(2)ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量が10000〜25000、数平均分子量が3000〜8000
(3)ポリエステル樹脂Cが炭素数6〜10のジカルボン酸及び炭素数6〜10のジアルコールを反応して得られる脂肪族結晶性ポリエステル樹脂
したがって、一般的に樹脂の分子量を単純に移動するだけでは、定着温度領域(ホットオフセット発生温度とコールドオフセット消滅温度との差)が定着温度により上下するだけで、定着温度領域を拡大することができないだけでなく、定着部材表面の温度変化に伴うグロスむらも解決できない。
ここで、上記「分岐状」とは、分子中に化学結合による架橋構造を有することを意味し、前記「直鎖状」とは、分子中に当該架橋構造を有していないことを意味する。
なお、前記THF不溶分を含まないとは、樹脂をTHFに10質量%程度の濃度で加熱溶解させたとき、溶液が透明であり、メンブランフィルター等で濾過したときに、フィルターにTHFを追液したときの残留分がほとんどないことを意味する。
また、ポリエステル樹脂Bの示差熱分析(DSC)によるガラス転移点は、50〜80℃の範囲が好適であり、特に55〜65℃の範囲が好適である。
なお、前記「モノマー由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂における樹脂の合成前には酸成分、アルコール成分であった構成部位を意味する。
前記構成成分量Pが構成成分量Qよりも少ないと、逆に直鎖状の非晶性樹脂であるポリエステル樹脂Bとポリエステル樹脂Cとの相溶性が高くなってしまい、低温定着域で高い画像光沢度を得にくくなってしまう場合がある。
前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物の炭素数は10以上であることが望ましい。
すなわち、THFなどを移動相としたGPCにおいて、溶出液についてフラクションコレクターなどにより分取を行い、各ポリエステル樹脂に相等する所望の分子量部分に相当するフラクションをまとめる。該まとめた溶出液をエバポレーターなどにより濃縮・乾燥した後、固形分を重クロロホルムあるいは重THFなどの重溶媒に溶解させ、1H−NMR測定を行い、各元素の積分比率から、各樹脂の構成モノマー種や比率を算出することができる。
本発明のトナーは、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有している必要がある。
本発明に用いられるポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bは非晶性ポリエステル樹脂である。ここで、該非晶性ポリエステル樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、ガラス転移に対応した階段状の吸熱点の他に、結晶融点に対応した吸熱ピークを示さないポリエステル樹脂を意味する。
非晶性ポリエステル樹脂としては公知のポリエステル樹脂を使用することができる。非晶性ポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、前記非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。また非晶性ポリエステル樹脂は、1種の非晶性ポリエステル樹脂でも構わないが、2種以上のポリエステル樹脂の混合であっても構わない。
上記アルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸、及びそれらの無水物としては、例えば、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、並びに、それらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
具体的には、重合温度140〜270℃で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助溶剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合、通常0.9/1から1/0.9である。エステル交換反応の場合は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマーを過剰に用いる場合が多い。
GPC装置として、東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液として和光純薬社製クロマトグラフ用THF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
また、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、40〜80℃の範囲であることが望ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50〜70℃の範囲であることがより望ましい。ガラス転移温度が40℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像器中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい場合がある。一方、ガラス転移温度が80℃を超えると、トナーの定着温度が高くなる場合がある。
結晶性樹脂であるポリエステル樹脂Cは、トナーの結着樹脂として画像光沢度の向上と安定化及び低温定着性向上のために使用される。本発明における結晶性ポリエステル樹脂は、前記のように非晶性ポリエステル樹脂との適度な相溶性が必要とされるが、中でも脂肪族結晶性ポリエステル樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂との相溶性が高く、これを可塑化する効果が有り、低温定着性及び高い画像光沢度を得られるため望ましい。
なお、前記「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、下記「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
炭素数11以上の場合、コスト上の問題及び融点が高くなりすぎて低温定着性または画像光沢が得られにくい。また炭素数が5以下の場合、樹脂のエステル基濃度が高くなってしまうため、体積抵抗が低下してしまい、結晶性樹脂が表面に露出した場合、電荷漏洩による帯電量の低下やトナー現像の際に感光体の電荷が注入してしまい非画像部へトナー汚染(カブリ)等が発生してしまい望ましくない。また結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95モル%以上用いることが望ましく、98モル%以上用いることがより好適である。
炭素数11以上の場合、融点が高くなりすぎて低温定着性または画像光沢が得られにくい。また炭素数が5以下の場合、樹脂のエステル基濃度が高くなってしまう為、樹脂の体積抵抗が低下してしまい、結晶性樹脂が表面に露出した場合、電荷漏洩による帯電量の低下やトナー現像の際に感光体の電荷が注入してしまい非画像部へトナー汚染(カブリ)等が発生してしまい望ましくない。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95モル%以上用いることが望ましく、98モル%以上用いることがより好適である。
ステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価のアルコールも使用することができる。
なお、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定は、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度測定に準じた方法で、JIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、最大のピークをもって融点とみなす。
ここで、上記損失弾性率は以下のようにして測定される。測定装置は、レオメトリックス社製のレオメーター、商品名「RDA II」(RHIOSシステムver.4.3)を用い、測定用プレートは直径8mmのパラレルプレートを用い、ゼロ点調整温度90℃、プレート間ギャップ3.5mm、昇温速度毎分1℃、初期測定歪み0.01、測定開始温度30℃で、温度上昇と共に検出トルクが10gcm程度になるように歪みを調節し、最大歪みを20%までとし、検出トルクが測定保証値の下限を下回った時点で測定終了とした。
なお、上記結着樹脂の軟化点は、フローテスター(島津社製:CFT−500C)を用いて、サンプル量:1.05g、予熱:65℃で300sec,プランジャー圧力:0.980665MPA,ダイサイズ:直径1mm,昇温速度:1.0℃/minの条件下で測定された、溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度を指す。
本発明のトナーに用いられる着色剤として、イエロー顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリン
イエロー、パーメネントイエローNCG 等を挙げることができ、特に、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が好適に用いられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等を挙げることができる。
本発明のトナーには、定着性や画像保存性を向上させる目的で離型剤を含有させる。用いられる離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定されたDSCにおける主体極大吸熱ピークが50〜140℃にあり、かつ140℃において1〜50mPAsの溶融粘度を有する物質であることが望ましい。融点が50℃未満では定着時にオフセットが生じやすくなる場合がある。140℃を超えると、定着温度が高くなり、定着画像の表面の荒れが増加し光沢性が損なわれる場合がある。
前記離型剤の溶融粘度は、E型粘度計によって測定される。測定に際しては、オイル循環型恒温槽の備えられたE型粘度計(東京計器製)を用いる。測定には、コーン角1.34度を有したコーンプレート/カップの組み合わせのプレートを用いる。カップ内に試料を投入し、循環装置の温度を140℃にセットし、空の測定カップとコーンを測定装置にセットし、オイルを循環させながら恒温に保つ。温度が安定したところで測定カップ内に資料を1g入れ、コーンを静止状態で10分間静置させる。安定後、コーンを回転させ測定を行う。コーンの回転速度は60rpmとする。測定は3回行い、その平均値を溶融粘度ηとする。
本発明のトナーには、必要に応じて無機もしくは有機の粒子を添加することができる。前記粒子の補強効果によりトナーの貯蔵弾性率が大きくなり、耐オフセット性や定着器からの剥離性を向上できる場合がある。また、前記粒子は着色剤や離型剤などの内添物の分散性を向上させる場合がある。
本発明のトナーを製造する方法としては、特に制限はないが、湿式造粒法によることが望ましい。前記湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が好適に挙げられる。以下、乳化凝集法を例に説明する。
上記乳化凝集法を用いる場合には、例えば、少なくとも粒子径が1μm以下の、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂C)から構成される粒子を分散した樹脂粒子分散液と、前記2種類の非晶性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂B)から構成される粒子を分散した樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合し、前記結晶性樹脂粒子と非晶性樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア粒子)を形成する第1の凝集工程、前記コア凝集粒子の表面にコア凝集に用いた2種類の非晶性ポリエステル樹脂を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程、及び、前記コア/シェル凝集粒子を前記非晶性樹脂粒子のガラス転移点または前記結晶性樹脂粒子の融点以上に加熱し融合・合一する融合工程と、を経て製造されることが望ましい。
前記乳化工程において、例えば前記非晶性ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、ポリエステル樹脂及び必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。その際、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱することで、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができる。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため分散剤を使用することもできる。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
前記乳化工程において、樹脂の粘度を下げて乳化性を向上させる目的で、あらかじめ樹脂に溶剤を添加しておく方法を用いても良い。使用される溶剤としては、ポリエステル樹脂を溶解させるものであれば特に限定はないが、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのベンゼン系溶剤などを用いることができるが、溶解性、脱溶剤性の観点から、酢酸エチルやメチルエチルケトンなどのエステル系及びケトン系溶剤を用いることが好ましい。
また、粒度分布制御の目的で、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩や、アンモニアなどを添加してもよい。この中ではアンモニアが好ましく用いられる。
前記乳化液から有機溶媒を除去する方法としては、乳化液を常温(15〜35℃)もしくは加熱下で有機溶剤を揮発させる方法、これに減圧を組み合わせる方法が好ましく用いられる。
前記外添剤は、サンプルミルやヘンシェルミキサーなどで機械的衝撃力を加えられてトナー表面に付着又は固着させられる。
本発明におけるトナーの体積平均粒径は4〜9μmの範囲であることが望ましく、より望ましくは4.5〜8.5μmの範囲であり、さらに望ましくは5〜8μmの範囲である。体積平均粒径が4μmより小さいと、トナー流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすく、また帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。また4μmより小さいと、格段にクリーニング性が困難となる場合がある。体積平均粒径が9μmより大きいと、解像度が低下するため、十分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
上記形状係数SF1は110〜130の範囲であることがより好ましい。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
本発明の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいはキャリアとから構成される二成分現像剤として用いられるが、帯電の維持性や安定性に優れる二成分現像剤が望ましい。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより望ましい。
次に、本発明の静電荷像現像用トナーを用いた本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いるものである。
以下、本発明の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
図2は、本発明の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
本実施例においては、トナーは以下の如き方法にて得られる。即ち、まず下記の樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤分散液をそれぞれ調製する。次いで、これらを所定量混合攪拌しながら、これに金属塩凝集剤を添加し、イオン的に中和させ上記各粒子の凝集粒子を形成せしめる。所望のトナー粒子径到達前に樹脂粒子を追添加し、トナー粒子径を得る。その後、無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性の範囲に調製後、当該樹脂粒子のガラス転移温度以上(または融点以上)に加熱し、合一融合せしめる。反応終了後、十分な洗浄・固液分離・乾燥の工程を経て所望のトナー粒子を得る。以下、上記に沿って説明する。
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
本発明において、結晶性ポリエステル樹脂等の分子量、分子量分布は、GPCにより「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、前述の条件により測定した。
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
結晶性樹脂の融点、非結晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、前述の条件により測定した。なお、融点は吸熱ピークのピーク温度とし、ガラス転移点は階段状の吸熱量変化における中間点の温度とした。
樹脂を2g秤量し、アセトン−トルエン160mlに溶解、または溶解性の不十分なものについては加熱溶解したのち、この試料を用いJIS K0070−1992の電位差滴定法により、酸価を測定した。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(1))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:60モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:40モル%
・テレフタル酸ジメチルエステル:65モル%
・ドデセニルコハク酸:30モル%
・トリメリット酸:5モル%
(上記において、アルコール成分及び酸成分を各々100モル%とした。以下もこれに準ずる。)
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が58℃、酸価が15.0mKOH/g、重量平均分子量40000、数平均分子量6500である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・テレフタル酸:75モル%
・ドデセニルコハク酸:20モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が54℃、酸価が14.5mgKOH/g、重量平均分子量が28000、数平均分子量が6000である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:70モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:30モル%
・テレフタル酸:95モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が60℃、酸価が20mgKOH/g、重量平均分子量が30000、数平均分子量が5500である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(3)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:30モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:70モル%
・テレフタル酸:55モル%
・ドデセニルコハク酸:40モル%
・トリメリット酸:5モル
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が48℃、酸価が12.0mgKOH/g、重量平均分子量が35000、数平均分子量が6200である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(4)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:70モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:30モル%
・テレフタル酸:75モル%
・n−ブチルコハク酸:20モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が63℃、酸価が16mgKOH/g、重量平均分子量が25000、数平均分子量が4500である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(5)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・テレフタル酸:65モル%
・n−オクテニルコハク酸:20モル%
・フマル酸:10モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が62℃、酸価が15mgKOH/g、重量平均分子量が45000、数平均分子量が7000である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(6)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:60モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:40モル%
・ テレフタル酸:65モル%
・ドデセニルコハク酸:30モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が64℃、酸価が11mgKOH/g、重量平均分子量が80000、数平均分子量が10500である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(7)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・テレフタル酸:70モル%
・ドデセニルコハク酸:25モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が66℃、酸価が10mgKOH/g、重量平均分子量が20000、数平均分子量が5800である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(8)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:50モル%
・フマル酸:30モル%
・ドデセニルコハク酸:20モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が58℃、酸価が16mgKOH/g、重量平均分子量が15000、数平均分子量が5500である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(9)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:60モル%
・フマル酸:30モル%
・ドデセニルコハク酸:10モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が60℃、酸価が10mgKOH/g、重量平均分子量が14000、数平均分子量が5000である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(10)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:30モル%
・フマル酸:70モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が61℃、酸価が12mgKOH/g、重量平均分子量が12000、数平均分子量が4500である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(11)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:50モル%
・フマル酸:30モル%
・ドデセニルコハク酸:20モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに1.5時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が54℃、酸価が18.5mgKOH/g、重量平均分子量が8000、数平均分子量が3000である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(12)を得た。
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:50モル%
・フマル酸:30モル%
・ドデセニルコハク酸:20モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が64℃、酸価が15mgKOH/g、重量平均分子量が22000、数平均分子量が7000である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(13)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、モノマー組成比で1,10−デカンジカルボン酸100モル%と、1,9−ノナンジオール100モル%とを投入し、触媒としてジブチル錫オキサイドを0.3質量%となるように入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(I)を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(I)の重量平均分子量は25000、数平均分子量は5800であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(A)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は75℃であった。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):2.0質量部
・イオン交換水:210質量部
以上を混合して100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径が0.15μm、固形分量が30質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(I)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、モノマー組成比で1,8−セバシン酸ジメチル100モル%と、1,6−ヘキサンジオール100モル%とを投入し、触媒としてジブチル錫オキサイドを0.3質量%となるように入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(II)を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(II)の重量平均分子量は22000で数平均分子量は4400であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(II)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は72℃であった。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8質量部
・イオン交換水:210質量部
以上を混合して100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径が0.14μm、固形分量が30質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(II)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、モノマー組成比で1,8−セバシン酸ジメチル100モル%と、エチレングリコール100モル%とを投入し、触媒としてジブチル錫オキサイドを0.2質量%となるように入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(III)を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(III)の重量平均分子量は18000で数平均分子量は4000であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(III)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は70℃であった。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):2.0質量部
・イオン交換水:210質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径が0.15μm、固形分量が30質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(III)を得た。
加熱乾燥した三口フラスコに、モノマー組成比でテレフタル酸ジメチルエステル100モル%と、1,6−ヘキサンジオール100モル%とを投入し、触媒としてジブチル錫オキサイドを0.2質量%となるように入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(IV)を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(IV)の重量平均分子量は20000で数平均分子量は8000であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(IV)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は135℃であった。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):2.0質量部
・イオン交換水:210質量部
以上を混合して100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径が0.23μm、固形分量が30質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(IV)を得た。
以上の非晶性ポリエステル樹脂分散液、結晶性ポリエステル樹脂分散液の概要を、まとめて表1〜表3に示す
シアン顔料(大日精化社製:ECB−301)20質量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC(有効成分として着色剤に対して10質量%))2質量部、及びイオン交換水78質量部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、6000rpmで5分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡し、続けて分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は25パス相当行った。その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を25質量%に調整した。得られた着色剤分散液の体積平均粒径を測定したところ、0.12μmであった。
カルナバワックス(融点:81℃)40質量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)2質量部、イオン交換水58質量部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、6000rpmで5分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡し、続けて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を25質量%に調整した。得られた離型剤分散液の粒度分布を測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
(トナーの製造)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂(1)分散液:150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂(9)分散液:150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂(I)分散液:67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
トルエン14質量部にカーボンブラック0.2質量部を混合し、サンドミルで20分攪拌分散したカーボン分散液に、スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比:15/85)2質量部を混合攪拌したコート剤樹脂溶液と、フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)をニーダーに投入し、攪拌しながら減圧し、乾燥させることによりキャリアを作製した。
このキャリア100質量部と、前記トナー8部とをVブレンダーにて混合し、現像剤を得た。
−トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散性−
トナー粒子の断面を透過型電子顕微鏡で観察し、評価した。評価基準は以下の通りである。
○:トナー粒子中に、長径がトナー粒子直径の1/2以下である結晶性ポリエステル樹脂のドメインが均一に分散している状態。
×:長径がトナー粒子直径の1/2以上の結晶性樹脂のドメインが存在している状態、あるいはトナー表面に結晶性ポリエステル樹脂成分がの粒子中で観察される状態。
・画像光沢度
富士ゼロックス(株)社製Docu Center Color 400改造機を用いて、富士ゼロックス社製J紙上にソリッド部を含む未定着画像を形成し、オフライン定着ベンチを用いて定着部材の表面温度が140℃から180℃まで20℃間隔で定着ロールの表面温度を調節し、前述の未定着画像を定着した。得られた画像について、ソリッド部の光沢度を村上色材社製グロスメーターを用いて測定した。測定は、画像表面に対し45度の角度で入射した入射光濃度と、135度における反射光濃度とを各温度について測定し、前記反射光濃度の前記入射光濃度に対する割合を光沢度とした。光沢度としては50%以上がカラー高画質画像適正を有するため、好ましい。
また、定着画像の光沢度ムラについては、ソリッド画像部の光沢度ムラを目視で評価した。
画像濃度は、X−rite404濃度測定器により、前記ソリッド部の濃度を測定して求めた。画像濃度は1.20以上あれば実使用上大きな問題はない。
32℃、相対湿度75%の環境室にて、得られた現像剤を富士ゼロックス(株)社製Docu Center Color 400改造機の現像器にセットし、連続50000枚のプリントアウトを行い、得られた画像の背景部のカブリ及び文字画像のシャープ度を評価した。カブリの評価は非画像部を目視観察を行い、G1(カブリ無し)からG5(カブリ有り)までのグレード付けを行った。通常G2以上であれば画質上の問題は無いと判断できる。また、文字画像のシャープ度は大きさの異なる和文文字の目視による判読性から評価を行っている。 評価基準は以下の通りである。
○:4ポイント和文文字が判読可能、カブリはG2以上
△:6ポイント和文文字が判読可能、カブリはG2以上
×:6ポイント和文文字の判読困難あるいは判読可能、あるいはカブリがG3以下
以上の評価結果をまとめて表4に示す
(トナーの製造)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(II):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表4にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):167質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):167質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):33質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表4にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(10):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表4にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(2):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表4にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):230質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):100質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表4にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(6):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表4にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):50質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):50質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):267質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表5にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(5):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表5にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(4):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表5にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(3):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(11):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表6にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):333質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表6にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(3):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表6にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(III):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表6にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):280質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表6にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):183質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):183質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表7にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(IV):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表7にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(8):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(12):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表7にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(7):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(13):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表7にまとめて示す。
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(8):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
結果を表7にまとめて示す。
一方、表6、表7の比較例に示すように、例えば比較例1においては、非晶性樹脂中の構成成分にアルキルコハク酸またはアルケニルコハク酸、またはその酸無水物を有していないため、結晶性樹脂の分散状態が悪く、画像光沢度ムラが生じ且つ低い画像光沢度の画像となった。比較例2の非晶性樹脂は全て分子量の低い線型ポリエステル樹脂を用いている為、高い画像光沢度が得られるものの高温での定着においてオフセットが発生してしまう。また、比較例4においては、結晶性樹脂中に炭素数が少ないエチレングリコールを使用している為、樹脂体積抵抗が低くなってしまい、カブリが生じてしまう。比較例7においても、結晶性樹脂として芳香族系結晶性樹脂を使用している為、結晶性樹脂の融点が高く、また非晶性ポリエステル樹脂との相溶性が低く、画像光沢度ムラが悪く、高い画像光沢度が得られない。さらに、非晶性樹脂が必要とされる分子量の条件を満たさない比較例8〜10においては、カブリ、光沢度やオフセットにおいて何らかの問題が発生した。
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)
Claims (8)
- ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有し、
前記ポリエステル樹脂Aがテトラヒドロフラン不溶分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂Bが直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、
前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有し、
前記ポリエステル樹脂Cが結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、これらが下記(1)〜(3)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
(1)ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量が25000〜60000、数平均分子量が4000〜10000
(2)ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量が10000〜25000、数平均分子量が3000〜8000
(3)ポリエステル樹脂Cが炭素数6〜10のジカルボン酸及び炭素数6〜10のジアルコールを反応して得られる脂肪族結晶性ポリエステル樹脂 - 前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bにおける全モノマー由来構成成分中、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物から選択される少なくとも1種に由来する構成成分量P及びQが、各々5〜20モル%の範囲であり、
前記構成成分量Pが前記構成成分量Qよりも大きく、かつ、
前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物の炭素数のいずれもが、前記ポリエステル樹脂Cにおけるモノマー由来構成成分の各々の炭素数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。 - コア粒子と、該コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有し、
前記コア粒子の結着樹脂が前記ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含み、
前記シェル層が前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bを含むことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。 - 前記結着樹脂中、前記ポリエステル樹脂Cの含有量が1〜20質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- トナーを含み、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
- トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
- 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項5に記載の静電荷像現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項5に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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