JP2008165017A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract


【課題】定着画像における表面の荒れが少なく、トナーの定着条件による光沢度差、光沢むらの少ない定着画像を形成できる静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有し、前記ポリエステル樹脂Aがテトラヒドロフラン不溶分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂Bが直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有し、前記ポリエステル樹脂Cが結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、これらが特定の条件を満たす静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置に関する。
電子写真法としては、多数の方法が知られている。一般的には、光導電性物質を利用した感光体(潜像保持体)表面に、種々の手段により電気的に潜像を形成し、形成された潜像をトナーを用いて現像しトナー像を形成した後、このトナー像を、構成により中間転写体を介して、紙等の被転写体表面に転写し、加熱、加圧、加熱加圧あるいは溶剤蒸気等により定着する、という複数の工程を経て、画像が形成される。また、感光体表面に残ったトナーは、必要に応じて種々の方法によりクリーニングされ、再びトナー像の現像に利用される。近年、電子写真分野の技術進化により、電子写真プロセスは複写機、プリンターのみならず、印刷用途にも使用されるようになり、装置の高速化、高信頼性はもとより、複写物が印刷物同等の高画質、色相を有することがますます厳しく要求されてきている。
従来、前記被転写体表面に転写されたトナー像を定着する定着技術としては、加熱ロールおよび加圧ロールから構成される一対のロール間に、トナー像が転写された被転写体を挿入し、定着する熱ロール定着法が一般的である。また、同種の技術として、ロールの一方または両方をベルトに代えた定着法も知られている。これらの技術は、他の定着法と比較して、熱効率が有効で迅速に定着を行うことができるという特徴を有しており、広く採用されている。
転写工程を経て、被転写体表面に転写されたトナー像は、定着工程において加熱された定着部材により加熱されることで溶融し、前記被転写体表面へ定着される。前記定着工程では前記定着部材により前記トナー像だけでなく前記被転写体をも加熱しないと、前記トナー像が定着されないことが知られている。被転写体への加熱が不十分であると、前記定着部材からの加熱によりトナーだけが溶融し、定着部材へ付着するいわゆるコールドオフセットが発生する。
また被転写体やトナー像が過度に加熱されるとトナーの粘度が減少してトナー像の一部または全部が定着部材側に付着するいわゆるホットオフセットが発生する。したがって、トナーの定着特性としては、コールドオフセットの発生温度が低く、ホットオフセットの発生温度が高く、定着可能領域の広いトナーが望ましい。特に近年の小型化、高速化に対してはこの傾向が顕著である。
近年の省電力化とプリント生産性の向上の要求の高まりに伴い、大きな使用電力を占める定着工程の省電力化のために、プリンターの待機状態では定着器の待機電力をゼロ、あるいは、ほとんど使用しない状態とし、待機状態からのウォームアップタイムを短縮するために、小熱容量の定着器を導入することが多い。小熱容量の定着器をもちいる場合、定着器の温度分布が大きくなりやすい傾向があることから、前述の定着可能領域はなおさら重要であり、また、連続プリントにより定着器の温度も降下しやすいことから、プリント生産性の観点でトナーの低温定着性もまた重要な特性である。
しかし、トナーの定着温度を低温化させるとともに、トナー粒子のガラス転移点を低下させることになり、トナーの保存性と両立させることが困難になる。低温定着化とトナーの保存性との両立を図るためには、トナーのガラス転移温度をより高温に保ったまま、高温領域でトナーの粘度を急速に低下させるいわゆるシャープメルト性を保持することが重要になるが、前記のように定着部材の表面温度は定着により絶えず変化するために、シャープメルトを生ずる温度の設定により定着性能に変動が生ずる。特にカラートナーを使用する場合、定着画像表面の画像光沢等が必要になる。その値は白黒画像に要求される画像グロスよりも高い値が要求される。
画像光沢度を高める為には、定着の際にはトナーを溶融した状態までに加熱溶融する必要があるが、定着部材の表面温度の変動は、トナー溶融状態に影響し画像光沢度に大きな影響を及ぼし、かつ連続定着時の初期と後期で定着画像の画像光沢度を著しく変化させ、画質の信頼性を著しく低下させることになる。さらに、定着基材に凹凸があると、定着部材から定着基材への熱供給に差が生じ、一般的には凹部の方が凸部よりも伝熱が速いために、凹部は凸部に比較して、より高温で定着されることになる。その結果、温度差による光沢度に変化が生じて画質の信頼性を低下させる。この問題を解決するためにはトナー結着樹脂の分子量を分子量を制御する方法等があり、種々の報告がなされている。
一般的に低分子量の樹脂は粘度が低くシャープメルト性であり、低温定着やフラットな定着画像形成には有利であり高い光沢画像を得る事が可能となるが、耐オフセット性に劣る。また、高分子量の樹脂は粘度が高く耐オフセット性には有利であるが、発色性、光沢度が低下する為、カラー画像に特に要求される高画質化に対応できない。また、定着部材と定着基材との接触時間を増加させることにより、定着温度差を減少させ、光沢度差を低下させる方法があるが、この方法は複写機の高速化に対応できないなどの問題がある。
そこで、低分子量の樹脂と高分子量の樹脂とを組み合わせるたり、分子量分布を規定することにより、低温定着性と耐オフセット性の両方を満足させようとする試みがいくつかある。たとえば、分子量分布を規定したものとして、重量平均分子量Mw/Mnの値を規定したもの、3つの極大値を持つもの、低分子量成分と高分子量成分との比率を細かく規定したもの、などがある(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、前記低温定着性とブロッキング(熱による固化)の発生防止とを両立させる手段として、結晶性樹脂を結着樹脂として用いる方法が古くから知られている(例えば、特許文献5、6参照)。また、結着樹脂として結晶性樹脂を単独で用いるのではなく、結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを併用する技術が提案されている。具体的にはガラス転移温度40℃以上の非結晶性ポリエステル樹脂と、溶融温度130〜200℃の結晶性ポリエステル樹脂とを混合して用いる方法である(例えば、特許文献7参照)。
一方、低溶融温度の結晶性樹脂と非結晶性樹脂とを混合し、相溶化度を制御することで低温定着を獲得する技術が提案されている(例えば、特許文献8、9参照)。更に、結晶性ポリエステルと非結晶質樹脂とを混合して用い、定着時の温度履歴により結晶性部分が相溶化することで透明性を損なうことなく、排出時の紙同士のブロッキングを防止する技術が紹介されている(例えば、特許文献10参照)。
特開平10−207126号公報 特開平10−63035号公報 特開平10−228131号公報 特開平3−278067号公報 特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特公昭63−25335号公報 特開2004−206081号公報 特開2004−50478号公報 特開2003−50478号公報
本発明の目的は、定着画像における表面の荒れが少なく、トナーの定着条件による光沢度差、光沢むらの少ない定着画像を形成できる静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
上記課題は、以下の本発明により達成される。
すなわち請求項1に係る発明は、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有し、
前記ポリエステル樹脂Aがテトラヒドロフラン不溶分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂Bが直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、
前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有し、
前記ポリエステル樹脂Cが結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、これらが下記(1)〜(3)を満たす静電荷像現像用トナーである。
(1)ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量が25000〜60000、数平均分子量が4000〜10000
(2)ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量が10000〜25000、数平均分子量が3000〜8000
(3)ポリエステル樹脂Cが炭素数6〜10のジカルボン酸及び炭素数6〜10のジアルコールを反応して得られる脂肪族結晶性ポリエステル樹脂
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーでのポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bにおける全モノマー由来構成成分中、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物から選択される少なくとも1種に由来する構成成分量P及びQが、各々5〜20モル%の範囲であり、
前記構成成分量Pが前記構成成分量Qよりも大きく、かつ、
前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物の炭素数のいずれもが、前記ポリエステル樹脂Cにおけるモノマー由来構成成分の各々の炭素数よりも多い静電荷像現像用トナーである。
請求項3に係る発明は、コア粒子と、該コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有し、
前記コア粒子の結着樹脂が前記ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含み、
前記シェル層が請求項1に記載の静電荷像現像用トナーにおけるポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bを含む静電荷像現像用トナーである。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーにおける結着樹脂中、前記ポリエステル樹脂Cの含有量が1〜20質量%の範囲である静電荷像現像用トナーである。
請求項5に係る発明は、トナーを含み、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである静電荷像現像剤である。
請求項6に係る発明は、トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであるトナーカートリッジである。
請求項7に係る発明は、現像剤保持体を少なくとも備え、請求項5に記載の静電荷像現像剤を収めるプロセスカートリッジである。
請求項8に係る発明は、潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項5に記載の静電荷像現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着画像における表面の荒れが少なく、トナーの定着条件による光沢度差、光沢むらの少ない定着画像を形成できる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、さらに低温から高温域の定着温度領域においても、光沢ムラの少なく光沢度が高い優れたフルカラー画像が確保できる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、さらにトナーの帯電量が高くカブリのない画像形成を行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、さらに光沢度とカブリ低減とのバランスのとれた画像形成を行うことができる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着画像における表面の荒れが少なく、トナーの定着条件による光沢度差、光沢むらの少ない定着画像を形成できる。
請求項6に係る発明によれば、定着条件による光沢度差が少なく、光沢むらのない画像形成が可能な静電荷像現像用トナーの供給を容易にし、上記特性の維持性を高めることができる。
請求項7に係る発明によれば、定着条件による光沢度差が少なく、光沢むらのない画像形成が可能な静電荷像現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項8に係る発明によれば、本構成を有していない場合に比較して、定着画像における表面の荒れが少なく、定着条件による光沢度差が少なく、光沢むらのない画像形成を維持することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称する場合がある)は、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有し、前記ポリエステル樹脂Aがテトラヒドロフラン不溶成分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂Bが直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有し、前記ポリエステル樹脂Cが結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、これらが下記(1)〜(3)を満たすことを特徴とする。
(1)ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量が25000〜60000、数平均分子量が4000〜10000
(2)ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量が10000〜25000、数平均分子量が3000〜8000
(3)ポリエステル樹脂Cが炭素数6〜10のジカルボン酸及び炭素数6〜10のジアルコールを反応して得られる脂肪族結晶性ポリエステル樹脂
一般的に加熱定着用トナーの光沢度は樹脂の熱特性により決定される。被転写体上に転写されたトナーは、定着工程において被転写体とともに定着部材により加熱され溶融定着されるが、この時加熱温度が樹脂の溶融温度に比較して低いと、トナーは溶融不足となり、粉体の粒状性を維持したまま被転写体上に定着される。その結果、画像表面に荒れが生じ、光沢度も低い上、折り曲げ等に対して脆い定着画像となる。このため、前記加熱温度を高温にすると、トナーは溶融してトナー溶融粒子の一体化が進むため、画像表面の滑らかさが向上して光沢度が増加する。
一方、より低温領域で高光沢度のトナーを得るためには、より低温領域で溶融しやすい分子量の小さい樹脂を使用する方が有利である。しかし、より高温領域では溶融しすぎるため、いわゆるホットオフセットが発生する。このホットオフセットの発生を防止するために分子量の大きな樹脂を使用すると、ホットオフセットは防止されが低温領域で定着することができない。
したがって、一般的に樹脂の分子量を単純に移動するだけでは、定着温度領域(ホットオフセット発生温度とコールドオフセット消滅温度との差)が定着温度により上下するだけで、定着温度領域を拡大することができないだけでなく、定着部材表面の温度変化に伴うグロスむらも解決できない。
定着温度領域を拡大するために、例えば前記のように、低分子量の樹脂と高分子量の樹脂とを組み合わせたり、分子量分布を規定する等の方法があるが、定着領域は拡大するものの、透明性、光沢度が極端に低くなるため、カラートナー用としては不向きである。上記に対し、本発明者等は低温領域での定着のために結晶性ポリエステル樹脂を用いる結着樹脂について鋭意検討を行った。その結果、結晶性ポリエステル樹脂として脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を用い、これに長鎖アルキル基やアルケニル基を有する分子量の異なる非晶性ポリエステル樹脂を併用することで、トナー溶融時の微小溶融ムラの発生が抑制され、定着の際に熱量変動が生じても、高画像濃度領域でもオフセット等の定着不良や画像光沢度ムラを生じることがなく、高画質なカラー画像が得られることを見出した。
すなわち、結晶性ポリエステル樹脂(以下、単に「結晶性樹脂」と称する場合がある)は、その融点以上の温度領域ではシャープに溶融するため、トナーの結着樹脂として前記結晶性樹脂と相溶しうる分子量の異なる非晶性ポリエステル樹脂(以下、単に「非晶性樹脂」と称する場合がある)と併用すると結着樹脂の溶融が不足し、幅広い定着温度領域を確保しつつ、定着画像の表面は滑らかとなり、光沢のある画像が得られる。しかし、過度に相溶する樹脂の組み合わせの場合は、結着樹脂が可塑化(ガラス転移温度の低下)することにより、画像の保管性が悪化する。また相溶度が低い場合、結晶性樹脂と非晶性樹脂とが相分離を引き起こし、トナー中に結晶性樹脂のドメインが生成し、定着後においても溶融ムラが生成し、微小な画像光沢度ムラが生じてしまう。したがって、上記特性を両立させるためには、結晶性樹脂と非晶性樹脂との適度な相溶性が必要である。
ここで本発明者等は、ポリエステル間の樹脂構造と相溶性に関して検討した。相溶性に関わる因子として、従来から知られているSP値(溶解度パラメーター)があり、実際にSP値が近いほど相溶性が良い傾向があるものの、前記適度な相溶性が得られるものではなかった。さらに詳細に検討した結果、使用する脂肪族結晶性樹脂の原料成分である直鎖ジカルボン酸及び直鎖ジアルコールよりも、長い鎖長であるアルキル基またはアルケニル基を有するコハク酸及びその無水物から構成される少なくとも1種を原料成分とする非晶性ポリエステル樹脂を用いることで、定着温度領域で前記適度な相溶性が得られることを見出した。
非晶性樹脂に側鎖に長いC−C鎖長が存在すると、分子の直線性が低下し、分子間距離が増大するとともに、長鎖疎水基と脂肪族結晶性樹脂のC−C鎖との親和性から、相溶性が向上するものと考えられる。また、長い鎖長であるアルキル基またはアルケニル基を有するモノマー成分を有する非晶性ポリエステル樹脂を用いることで、離型剤などの内添物との相溶性が向上しトナー中の分散状態が向上し、離型剤がトナーの外部へ露出するのを防止する効果もある。なおここでの相溶性とは、ポリエステル樹脂と離型剤とが完全に混ざり合うというのではなく、基本的には非相溶であるが、材料間の界面で分子レベルで相溶している状態を指している。
具体的には、本発明においては、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂C)に対して、ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bの2つの非晶性ポリエステル樹脂を組み合わせるが、ポリエステル樹脂Aはテトラヒドロフラン(THF)不溶分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂であり、ポリエステル樹脂Bは直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂である。
ここで、上記「分岐状」とは、分子中に化学結合による架橋構造を有することを意味し、前記「直鎖状」とは、分子中に当該架橋構造を有していないことを意味する。
ポリエステル樹脂Aは、3官能以上のカルボン酸成分を含んだ酸成分を用いて得られる分岐状の非晶性樹脂であるが、THF不溶分を含まない。トナーがTHF不溶分を含有していると、透明フィルム上のトナー画像を定着した場合、画像を投影する際に、画像の低濃度部、中間調部において、不鮮明な黒ずんだ画像になりやすい。
なお、前記THF不溶分を含まないとは、樹脂をTHFに10質量%程度の濃度で加熱溶解させたとき、溶液が透明であり、メンブランフィルター等で濾過したときに、フィルターにTHFを追液したときの残留分がほとんどないことを意味する。
また、ポリエステル樹脂Aとしては、後述するゲルパーミュエーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量が25000〜60000の範囲、数平均分子量が4000〜10000の範囲のものを用いる。重量平均分子量及び数平均分子量の少なくとも一方が上記の範囲より大きいと、低温定着性が悪く定着温度が上昇し、消費電力も増加してしまう。また、重量平均分子量及び数平均分子量の少なくとも一方が上記の範囲よりも小さいと、トナーの定着時の離型性が低減し、高温域で定着した場合ホットオフセットが発生する。
上記ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量は35000〜55000の範囲が好適であり、40000〜50000の範囲がより好適である。また、数平均分子量は5000〜8000の範囲が好適であり、6000〜7000の範囲がより好適である。
また、ポリエステル樹脂Bは化学的な架橋部分を含まない直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、重量平均分子量が10000〜25000の範囲、数平均分子量が3000〜8000の範囲のものを用いる。重量平均分子量及び数平均分子量の少なくとも一方が上記の範囲よりも大きくなると、低温定着性並びに低温域での画像光沢度が低下し、優れたフルカラー画像を得ることができない。また、重量平均分子量及び数平均分子量の少なくとも一方が上記の範囲よりも小さくなると、樹脂成分のガラス転移点が低下するため、トナーのブロッキング性が悪化する。
上記ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量は12000〜20000の範囲が好適であり、14000〜18000の範囲がより好適である。また、数平均分子量は4000〜7500の範囲が好適であり、6000〜7000の範囲がより好適である。
また、ポリエステル樹脂Bの示差熱分析(DSC)によるガラス転移点は、50〜80℃の範囲が好適であり、特に55〜65℃の範囲が好適である。
なお、トナー中に含まれる結着樹脂について、前記各々のポリエステル樹脂の分子量を求める場合には、まずGPCにより各々分離された樹脂ごとの分子量を求め(この場合、必要により移動相の溶媒を選択する)、各樹脂の特定については、後述するようなGPCを用いて対応する分子量ごとに樹脂を分離し、それら各々を分析することにより行った。
カラートナーの高光沢度とオフセットを生じない幅広い定着温度領域とを得るため、ある程度、結着樹脂の分子量分布を拡大したものを使用する方策が必要であるが、まず、分岐状のポリエステル樹脂Aを用いれば比較的高分子量体が容易に合成でき、その立体構造から樹脂に弾性を付与し高温域でのオフセット発生を抑制しやすい。一方、直鎖状のポリエステル樹脂Bは、ポリエステル樹脂Aに比べ比較的低分子量でシャープな溶融特性を有する。したがって、ポリエステル樹脂Aにポリエステル樹脂Bを併用することにより、前記分子量分布を比較的容易に制御することが可能となる。
ポリエステル樹脂Aとポリエステル樹脂Bとの混合比(A/B)は、質量比で30/70〜70/30の範囲が望ましい。ポリエステル樹脂Aの比率が30/70よりも低いと高温領域でのオフセットを抑制することが困難となる場合があり、70/30よりも多いと低温定着性並びに全定着温度領域にて高い画像光沢度を得ることが困難となる場合がある。
ポリエステル樹脂Cとしては脂肪族結晶性ポリエステル樹脂を用いる。具体的には、炭素数6〜10のジカルボン酸及び炭素数6〜10のジアルコールを反応して得られる脂肪族結晶性ポリエステル樹脂である。炭素数が6に満たないと融点が低くトナーの保存性が悪化する。炭素数が10を超えると融点が高くなりすぎ良好な低温定着性を得ることができない。
上記炭素数は8〜10の範囲が好適である。なお、前記炭素数に関しては、ジカルボン酸の場合にはカルボキシル基を構成する炭素を含まない数である。
前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bは、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有する。アルキル基やアルケニル基は親油性であるため、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂との親和性がよく、結着樹脂中の脂肪族結晶性ポリエステル樹脂との相溶性が向上する。これにより、トナー中の脂肪族ポリエステル樹脂がばらつきなく分散し、トナー結着樹脂の溶融粘度ムラが少なくなり、ミクロな画像光沢ムラを抑制することが可能となる。
この場合、ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bにおける全モノマー由来構成成分中、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物から選択される少なくとも1種に由来する構成成分量P及びQは、各々5〜20モル%の範囲であることが望ましく、10〜20モル%の範囲であることがより望ましい。
構成成分量が5モル%に満たないと、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とのミクロな相溶性が低下し、ミクロな溶融ムラが生じ画像中に画像光沢度ムラが生じてしまう場合がある。20モル%を超えると、樹脂のガラス転移温度が低下してしまい、高温環境下にてトナーブロッキング等熱保管性の低下を引き起こす場合がある。
なお、前記「モノマー由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂における樹脂の合成前には酸成分、アルコール成分であった構成部位を意味する。
また、結着樹脂中に比較的分子量が高く、溶融粘度も高い分岐状のポリエステル樹脂Aを含有することは、高温定着領域でのオフセット抑制が可能となるものの、低温定着には不利となる方向である。したがって、本発明ではポリエステル樹脂Aに含まれるアルキル基及びアルケニル基を有するコハク酸、並びにそれらの無水物から選択される少なくとも1種に由来する構成成分量P(モル%)を、ポリエステル樹脂Bにおける当該構成成分量Q(モル%)よりも多く含有させることが望ましい。
これにより、分岐状の非晶性樹脂であるポリエステル樹脂Aと脂肪族結晶性樹脂であるポリエステル樹脂Cとがより選択的に相溶しやすくなる。その結果、高温域でのオフセットの発生を抑制しつつ低温領域においても、シャープな溶融状態を確保することが可能となり、低温から高温域の定着温度領域においても、光沢ムラの少なく光沢度が高い優れたフルカラー画像が確保できる。
前記構成成分量Pが構成成分量Qよりも少ないと、逆に直鎖状の非晶性樹脂であるポリエステル樹脂Bとポリエステル樹脂Cとの相溶性が高くなってしまい、低温定着域で高い画像光沢度を得にくくなってしまう場合がある。
さらに、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂Cとの相溶性を制御するうえで、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bを構成する前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物の炭素数のいずれもが、ポリエステル樹脂Cにおけるモノマー由来構成成分の各々の炭素数よりも多いことが望ましい。
非晶性樹脂の分子鎖中に側鎖に長いC−C鎖が存在すると、分子の直線性が低下し、分子間距離が増大するとともに、アルキル基やアルケニル基が親油性であるため、脂肪族結晶性樹脂との親和性が大きく、結着樹脂中の脂肪族結晶性ポリエステル樹脂の相溶性が向上する。これにより、トナー中の結晶性ポリエステル樹脂がばらつきなく分散し、トナー結着樹脂の溶融粘度ムラが少なくなり、ミクロな画像光沢ムラを抑制することが可能となる。
前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物の炭素数は10以上であることが望ましい。
なお、トナー中に含まれる前記各ポリエステル樹脂中に含まれるモノマー由来構成成分の構造や量については、例えば各樹脂をGPCを用いて分離することにより分析することができる。
すなわち、THFなどを移動相としたGPCにおいて、溶出液についてフラクションコレクターなどにより分取を行い、各ポリエステル樹脂に相等する所望の分子量部分に相当するフラクションをまとめる。該まとめた溶出液をエバポレーターなどにより濃縮・乾燥した後、固形分を重クロロホルムあるいは重THFなどの重溶媒に溶解させ、H−NMR測定を行い、各元素の積分比率から、各樹脂の構成モノマー種や比率を算出することができる。
以下、本発明の静電荷像現像用トナーの構成を詳細に説明する。
本発明のトナーは、ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有している必要がある。
(ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B)
本発明に用いられるポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂Bは非晶性ポリエステル樹脂である。ここで、該非晶性ポリエステル樹脂とは、示差走査熱量測定(DSC)において、ガラス転移に対応した階段状の吸熱点の他に、結晶融点に対応した吸熱ピークを示さないポリエステル樹脂を意味する。
非晶性ポリエステル樹脂としては公知のポリエステル樹脂を使用することができる。非晶性ポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、前記非晶性ポリエステル樹脂としては、市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。また非晶性ポリエステル樹脂は、1種の非晶性ポリエステル樹脂でも構わないが、2種以上のポリエステル樹脂の混合であっても構わない。
非晶性ポリエステル樹脂に用いる多価カルボン酸及び多価アルコールは特に限定は無く、例えば、「高分子データハンドブック:基礎編」(高分子学会編、培風館)に記載されているモノマー成分であり、従来公知の2価又は3価以上のカルボン酸と、2価又は3価以上のアルコールとがある。なお、本発明におけるポリエステル樹脂Bは直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であるため、前記3価以上のカルボン酸、アルコールは用いられない。
これらのモノマー成分の具体例としては、2価のカルボン酸としては、例えば、コハク酸、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スべリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレン−2,7−ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステル、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の脂肪族不飽和ジカルボン酸などが挙げられる。3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これら多価カルボン酸の中でも、特にアルケニルコハク酸もしくはその無水物を用いると、他の官能基に比べ疎水性の高いアルケニル基が存在することにより、より容易に結晶性ポリエステル樹脂と相溶することができる。
上記アルキルコハク酸およびアルケニルコハク酸、及びそれらの無水物としては、例えば、n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、並びに、それらの無水物及び低級アルキルエステル等が挙げられる。
前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの無水物のアルキル基及びアルケニル基の炭素数は、前述の樹脂としての好適な特性を満たすため、後述する脂肪族結晶性ポリエステル樹脂に用いられる構成モノマーの炭素数より多いことが望ましい。また、前記の中でも、n−ドデセニルコハク酸及びその無水物が、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂との相溶性及び非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度の調整のしやすさから最も好適である。
前記多価アルコールとしては、2価のアルコールとして、例えば、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物などのビスフェノール誘導体;1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの環状脂肪族アルコール;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールなどの線状ジオール;1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオールなどの分岐型ジオール;などが挙げられ、帯電性や強度の観点からビスフェノールAのエチレンオキシドやプロピレンオキシド付加物が好適に用いられる。
また、3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられるが、低温定着性や画像光沢性の観点から、3価以上の架橋性単量体の使用量は全単量体量の10モル%以下であることが望ましい。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
非晶性ポリエステル樹脂は、前記のモノマー成分の中から任意の組合せで、例えば、重縮合(化学同人)、高分子実験学(重縮合と重付加:共立出版)やポリエステル樹脂ハンドブック(日刊工業新聞社編)等に記載の従来公知の方法を用いて合成することができ、エステル交換法や直接重縮合法等を単独で、又は組み合せて用いることができる。
具体的には、重合温度140〜270℃で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが、反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助溶剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、直接重縮合の場合、通常0.9/1から1/0.9である。エステル交換反応の場合は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノールなど真空下で脱留可能なモノマーを過剰に用いる場合が多い。
ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物;リン酸化合物;及び;アミン化合物等が挙げられ、具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。本発明においては、2種以上併用することもできるが、この中でもジブチルスズオキシドなどのスズ系触媒を用いることが、帯電性の観点から望ましい。
ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bの重量平均分子量、数平均分子量の設定範囲は前述通りである。この分子量及び分子量分布は、それ自体公知の方法で測定することができるが、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(以下、「GPC」と略記する)により測定するのが一般的である。本発明において分子量分布は以下の条件で測定した。
GPC装置として、東ソー(株)HLC−8120GPC、SC−8020装置を用い、カラムはTSK gei, SuperHM−H(6.0mmID×15cm×2)を用い、溶離液として和光純薬社製クロマトグラフ用THF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、検量線はA−500、F−1、F−10、F−80、F−380、A−2500、F−4、F−40、F−128、F−700の10サンプルから作製した。また試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
非晶性ポリエステル樹脂はその酸価が2〜25KOHmg/gの範囲、水酸基価が5〜40KOHmg/gの範囲であることが望ましい。
また、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、40〜80℃の範囲であることが望ましく、貯蔵安定性とトナーの定着性のバランスの点から、50〜70℃の範囲であることがより望ましい。ガラス転移温度が40℃未満であると、トナーが貯蔵中又は現像器中でブロッキング(トナーの粒子が凝集して塊になる現象)を起こしやすい場合がある。一方、ガラス転移温度が80℃を超えると、トナーの定着温度が高くなる場合がある。
上記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用いて測定した。具体的には、0から150℃まで10℃/分で昇温し、150℃で5分間ホールドし、150℃から0℃まで液体窒素を用いて−10℃/分で降温し、0℃で5分間ホールドし、再度0℃から150まで10℃/分で昇温して得られた、2度目の昇温時の吸熱曲線から解析したオンセット温度とした。
(ポリエステル樹脂C)
結晶性樹脂であるポリエステル樹脂Cは、トナーの結着樹脂として画像光沢度の向上と安定化及び低温定着性向上のために使用される。本発明における結晶性ポリエステル樹脂は、前記のように非晶性ポリエステル樹脂との適度な相溶性が必要とされるが、中でも脂肪族結晶性ポリエステル樹脂が、非晶性ポリエステル樹脂との相溶性が高く、これを可塑化する効果が有り、低温定着性及び高い画像光沢度を得られるため望ましい。
本発明で使用されるポリエステル樹脂Cを含む結晶性ポリエステル樹脂は、2価の酸(ジカルボン酸)成分と2価のアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本発明において、「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、結晶性ポリエステル樹脂の主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
前記結晶性ポリエステル樹脂において、酸由来構成成分となる為の酸としては、種々の脂肪族ジカルボン酸が挙げられるが、前記酸由来構成成分としてのジカルボン酸は、1種に限定されず、2種以上のジカルボン酸由来構成成分を含んでもよい。また、前記ジカルボン酸は、乳化凝集法における乳化性を良好にする為、スルホン酸基を含ませることがある。
なお、前記「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、下記「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
脂肪族ジカルボン酸としては、特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。直鎖型のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられる。
これらの中で、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂Cの合成に用いられるのは炭素数が6〜10の直鎖型のジカルボン酸である。なおここで、前記炭素数とは両末端のカルボキシル基の炭素を含まない数である。
炭素数11以上の場合、コスト上の問題及び融点が高くなりすぎて低温定着性または画像光沢が得られにくい。また炭素数が5以下の場合、樹脂のエステル基濃度が高くなってしまうため、体積抵抗が低下してしまい、結晶性樹脂が表面に露出した場合、電荷漏洩による帯電量の低下やトナー現像の際に感光体の電荷が注入してしまい非画像部へトナー汚染(カブリ)等が発生してしまい望ましくない。また結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジカルボン酸を、酸構成成分の95モル%以上用いることが望ましく、98モル%以上用いることがより好適である。
前記結晶性ポリエステル樹脂において、アルコール由来構成成分となる為のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9―ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ドデカンジオール、1,12−ウンデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール、などが挙げられる。
これらの中で、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂Cの合成に用いられるのは炭素数が6〜10の直鎖型のジアルコールである。
炭素数11以上の場合、融点が高くなりすぎて低温定着性または画像光沢が得られにくい。また炭素数が5以下の場合、樹脂のエステル基濃度が高くなってしまう為、樹脂の体積抵抗が低下してしまい、結晶性樹脂が表面に露出した場合、電荷漏洩による帯電量の低下やトナー現像の際に感光体の電荷が注入してしまい非画像部へトナー汚染(カブリ)等が発生してしまい望ましくない。結晶性を高めるためには、これら直鎖型のジアルコールを、アルコール構成成分の95モル%以上用いることが望ましく、98モル%以上用いることがより好適である。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の1価のアルコールや、ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエ
ステル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなど3価のアルコールも使用することができる。
前記結晶性ポリエステル樹脂は、前記非晶性ポリエステル樹脂に準じて合成することができる。また、製造の際に使用可能な触媒としても、前記非晶性ポリエステル樹脂に準じたものを用いることができる。
結晶性ポリエステル樹脂であるポリエステル樹脂Cの融点は、50〜120℃の範囲が望ましく、より好適には50〜80℃の範囲である。融点が50℃より低いとトナーの保存性や、定着後のトナー画像の保存性が問題となる場合がある。また、120℃より高いと、従来のトナーに比べて十分な低温定着が得られない場合がある。
なお、前記結晶性ポリエステル樹脂の融点の測定は、前記非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度測定に準じた方法で、JIS K−7121に示す入力補償示差走査熱量測定の融解ピーク温度として求めることができる。尚、結晶性の樹脂には、複数の融解ピークを示す場合があるが、最大のピークをもって融点とみなす。
また、ポリエステル樹脂Cの分子量は、前記テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC法による分子量測定で、重量平均分子量(Mw)が5000〜100000の範囲であることが望ましく、より好適には10000〜50000の範囲であり、数平均分子量(Mn)は2000〜10000の範囲であることが望ましく、分子量分布Mw/Mnは1.5〜100の範囲であることが望ましく、更に好適には2〜20の範囲である。重量平均分子量及び数平均分子量が上記範囲より小さいと、低温定着性には効果的である一方で、樹脂として低く柔らかく、トナーのブロッキング等の保存性にも悪影響を及ぼす場合がある。一方、上記範囲より分子量が大きいと、トナー中からの染み出しが不十分になる為、ドキュメント保存性に悪影響を及ぼす場合がある。
結着樹脂中のポリエステル樹脂Cの含有量は、1〜20質量%の範囲が望ましく、2〜14質量%の範囲がより望ましい。結晶性ポリエステル樹脂の添加量20質量%より多いと、結晶性ポリエステル樹脂のドメインサイズが大きくなりトナー表面に露出しやすくなるため、トナー粉体流動性の低下や帯電性の悪化を生じることがある。1質量%より少ないと、良好な低温定着性が得られない場合がある。
トナーにおける結着樹脂は、前記ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含んで構成されるが、該結着樹脂の損失弾性率G”(測定周波数1rAd/s、歪み量20%以下で測定)が10000PAとなる温度をTmとした場合、Tmが80〜150℃の範囲にあることが望ましい。
ここで、上記損失弾性率は以下のようにして測定される。測定装置は、レオメトリックス社製のレオメーター、商品名「RDA II」(RHIOSシステムver.4.3)を用い、測定用プレートは直径8mmのパラレルプレートを用い、ゼロ点調整温度90℃、プレート間ギャップ3.5mm、昇温速度毎分1℃、初期測定歪み0.01、測定開始温度30℃で、温度上昇と共に検出トルクが10gcm程度になるように歪みを調節し、最大歪みを20%までとし、検出トルクが測定保証値の下限を下回った時点で測定終了とした。
また、前記結着樹脂は、軟化点が80〜140℃の範囲であることが好ましく、より好適には95〜135℃の範囲である。結着樹脂の軟化点が80℃未満であると、定着後及び保管時のトナー及びトナーの画像安定性が悪化する場合がある。一方、軟化点が140℃を超えると、低温定着性が悪化してしまう場合がある。
なお、上記結着樹脂の軟化点は、フローテスター(島津社製:CFT−500C)を用いて、サンプル量:1.05g、予熱:65℃で300sec,プランジャー圧力:0.980665MPA,ダイサイズ:直径1mm,昇温速度:1.0℃/minの条件下で測定された、溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度を指す。
(着色剤)
本発明のトナーに用いられる着色剤として、イエロー顔料としては、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G 、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリン
イエロー、パーメネントイエローNCG 等を挙げることができ、特に、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が好適に用いられる。
マゼンタ顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンB レーキ、レーキレッドC 、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ、ナフトール系顔料としては、ピグメントレッド31、146、同147、同150、同176、同238、同269などが挙げられ、キナクリドン系顔料としては、ピグメントレッド122、同202、同209などが挙げられ、この中でも特に製造性、帯電性の観点からピグメントレッド185、同238、同269、同122が好適である。
シアン顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどを挙げることができ、特に、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等が好適に用いられる。
橙色顔料としては、赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等を挙げることができる。紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等を挙げることができる。緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG 等を挙げることができる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等を挙げることができる。
黒色トナーに用いられる黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭等を挙げることができ、特にカーボンブラックが好適に用いられる。カーボンブラックは比較的分散性が良いため、特に特別な分散を必要としないが、カラー着色剤に準じた製造方法で製造されることが望ましい。
前記着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、OHP透過性、トナー中での分散性の観点から選択される。そして、着色剤はトナー総質量に対して4〜15質量%の範囲で添加することが好適である。また、黒色着色剤として磁性体などを用いる場合は、他の着色剤とは異なり、12〜240質量%で添加することができる。具体的には、磁場中で磁化される物質を用いるが、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等の化合物が使用される。水相中でトナーを得るときには、磁性体の水相移行性に注意を払う必要があり、予め磁性体の表面を改質し、例えば疎水化処理等を施しておくことが望ましい。
(離型剤)
本発明のトナーには、定着性や画像保存性を向上させる目的で離型剤を含有させる。用いられる離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定されたDSCにおける主体極大吸熱ピークが50〜140℃にあり、かつ140℃において1〜50mPAsの溶融粘度を有する物質であることが望ましい。融点が50℃未満では定着時にオフセットが生じやすくなる場合がある。140℃を超えると、定着温度が高くなり、定着画像の表面の荒れが増加し光沢性が損なわれる場合がある。
また、前記離型剤は前記DSC曲線で吸熱開始温度が40℃以上であることが望ましく、より好適には50℃以上である。40℃より低いと複写機内やトナーボトル内でトナーの凝集が発生する場合がある。上記吸熱開始温度はワックスを構成する分子量分布のうち、低分子量のものやその構造のもつ極性基の種類、量で左右される。一般に高分子量化すれば融点とともに吸熱開始温度も上昇するが、このやり方ではワックス本来の低溶融温度と、低粘度をそこなってしまう。よってワックスの分子量分布のうち、これら低分子量のものだけを選別してのぞくことが有効であるが、この方法として、分子蒸留、溶剤分別、ガスクロマトグラフ分別等の方法がある。
また、溶融粘度が50mPAsより高いと、溶融粘度ではトナーからの溶出が弱く、定着剥離性が不十分となってしまう場合がある。
前記離型剤の溶融粘度は、E型粘度計によって測定される。測定に際しては、オイル循環型恒温槽の備えられたE型粘度計(東京計器製)を用いる。測定には、コーン角1.34度を有したコーンプレート/カップの組み合わせのプレートを用いる。カップ内に試料を投入し、循環装置の温度を140℃にセットし、空の測定カップとコーンを測定装置にセットし、オイルを循環させながら恒温に保つ。温度が安定したところで測定カップ内に資料を1g入れ、コーンを静止状態で10分間静置させる。安定後、コーンを回転させ測定を行う。コーンの回転速度は60rpmとする。測定は3回行い、その平均値を溶融粘度ηとする。
前記離型剤の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を示すシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類や、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等の植物系ワックス、ミツロウ等の動物系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステルなどのエステル系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物系・石油系ワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
(その他の添加剤)
本発明のトナーには、必要に応じて無機もしくは有機の粒子を添加することができる。前記粒子の補強効果によりトナーの貯蔵弾性率が大きくなり、耐オフセット性や定着器からの剥離性を向上できる場合がある。また、前記粒子は着色剤や離型剤などの内添物の分散性を向上させる場合がある。
前記無機粒子としては、シリカ、疎水化処理シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、コロイダルシリカ、アルミナ処理コロイダルシリカ、カチオン表面処理コロイダルシリカ、アニオン表面処理コロイダルシリカなどを単独もしくは併用して用いることができ、なかでもOHP透明性とトナー中の分散性の観点からコロイダルシリカを用いることが望ましい。その粒径は、5から50nmであることが好適である。また、粒径の異なる粒子を併用することも可能である。前記粒子はトナー製造の際直接添加することもできるが、分散性を高めるためにあらかじめ超音波分散機などを用いて水など水溶性媒体へ分散されたものを用いることが好ましい。分散においては、イオン性界面活性剤や高分子酸、高分子塩基などを用いて分散性を向上させることもできる。
その他、トナーには帯電制御剤などの公知の材料を添加してもよい。その際に添加される材料の平均粒径としては、1μm以下であることが望ましく、0.01〜1μmであるのがより好適である。前記平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる電子写真用トナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招く場合がある。一方、前記平均粒径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。なお、前記平均粒径は、例えばマイクロトラックなどを用いて測定することができる。
さらに、本発明の静電荷像現像用トナーについて、その製造方法とともにより詳細に述べる。
本発明のトナーを製造する方法としては、特に制限はないが、湿式造粒法によることが望ましい。前記湿式造粒法としては、公知の溶融懸濁法、乳化凝集法、溶解懸濁法等の方法が好適に挙げられる。以下、乳化凝集法を例に説明する。
乳化凝集法は、少なくとも樹脂粒子を分散させた分散液(以下、「乳化液」と称する場合がある)中で凝集粒子を形成し凝集粒子分散液を調製する工程(凝集工程)と、前記凝集粒子分散液を加熱して、凝集粒子を融合する工程(融合工程)を含む製造方法である。
上記乳化凝集法を用いる場合には、例えば、少なくとも粒子径が1μm以下の、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂C)から構成される粒子を分散した樹脂粒子分散液と、前記2種類の非晶性ポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂B)から構成される粒子を分散した樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、離型剤粒子分散液と、を混合し、前記結晶性樹脂粒子と非晶性樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア粒子)を形成する第1の凝集工程、前記コア凝集粒子の表面にコア凝集に用いた2種類の非晶性ポリエステル樹脂を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程、及び、前記コア/シェル凝集粒子を前記非晶性樹脂粒子のガラス転移点または前記結晶性樹脂粒子の融点以上に加熱し融合・合一する融合工程と、を経て製造されることが望ましい。
上記製造方法を用いてトナーを作製することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られるトナーの粒度分布をシャープにすることができ、高画質化に寄与する。また前記第2の凝集工程を設けることにより、擬似的なシェル構造を形成することができ、脂肪族結晶性ポリエステル樹脂、着色剤や離型剤などの内添物のトナー表面露出を低減でき、結果として帯電性や寿命を向上させることができ、また、融合工程における融合時において、粒度分布を維持し、その変動を抑制することができると共に、融合時の安定性を高めるための界面活性剤や塩基または酸等の安定剤の添加を不要、もしくは、それらの添加量を最少限度に抑制することができる。前記方法においては、追加粒子を添加する操作によって、コアシェル構造を形成するが、前記コア粒子の主成分となるポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、シェル層用樹脂であることが上記効果を得る上で好適である。また、この方法を用いれば、融合工程において、温度、攪拌数、pHなどの調整により、トナー形状制御を簡単に行うことができる。
前記乳化凝集法に非晶性ポリエステル樹脂や結晶性ポリエステル樹脂を用いる場合、例えば非晶性ポリエステル樹脂を乳化し乳化粒子(液滴)を形成する乳化工程が好適に用いられる。
前記乳化工程において、例えば前記非晶性ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、ポリエステル樹脂及び必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。その際、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱することで、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができる。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため分散剤を使用することもできる。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
前記乳化粒子を形成する際に用いる乳化機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。前記ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.005〜0.5μmが望ましく、0.01〜0.3μmがより望ましい。0.005μm以下では水中にほとんど溶解してしまうため、粒子作製が困難になり、また0.5μm以上では所望の粒径である3.0〜7.5μmの粒子を得ることが困難になる場合がある。なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
また、乳化時の樹脂の溶融粘度が高いと所望の粒径まで小さくならないため、大気圧以上に加圧可能な乳化装置を用いて温度を上げ、樹脂粘度を下げた状態で乳化することで、所望の粒径の樹脂粒子分散液を得ることができる。
前記乳化工程において、樹脂の粘度を下げて乳化性を向上させる目的で、あらかじめ樹脂に溶剤を添加しておく方法を用いても良い。使用される溶剤としては、ポリエステル樹脂を溶解させるものであれば特に限定はないが、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレンなどのベンゼン系溶剤などを用いることができるが、溶解性、脱溶剤性の観点から、酢酸エチルやメチルエチルケトンなどのエステル系及びケトン系溶剤を用いることが好ましい。
また、媒体である水との親和性向上、及び、粒度分布制御の目的で、エタノールやイソプロピルアルコールなどのアルコール系溶剤を、水もしくは樹脂に直接添加しても良い。
また、粒度分布制御の目的で、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどの塩や、アンモニアなどを添加してもよい。この中ではアンモニアが好ましく用いられる。
さらに、粒度分布制御の目的で、分散剤を添加してもよい。前記分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、の等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン性界面活性剤;ラウリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活性剤;ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。これらの中では、アニオン性界面活性剤が好適に用いられる。前記分散剤の使用量としては、前記ポリエステル樹脂(結着樹脂)100質量部に対して、0.01〜20質量部が好ましい。
なお、前記乳化工程において、前記ポリエステル樹脂に、スルホン酸基を有するジカルボン酸を共重合させておく(即ち、酸由来構成成分中に、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分が好適量含まれる)と、界面活性剤等の分散安定剤を減らすことができる、或いは使用しなくても乳化粒子を形成できるが、樹脂の吸湿性が高くなり、帯電性が悪化する場合がある。添加量は酸成分中10モル%以下であることが好ましいが、ポリエステル樹脂主鎖の親水性、末端の酸価、水酸基価の量などにより、乳化性が確保できるときには、できる限り添加しないほうがよい。
また、転相乳化法を用いても良い。転相乳化法は、少なくともポリエステル樹脂を有機溶媒に溶解させ、必要に応じて中和剤や分散安定剤を添加して、攪拌下にて、水系溶媒を滴下して、乳化粒子を得た後、樹脂分散液中の溶媒を除去して、乳化液を得る方法である。このとき、中和剤や分散安定剤の投入順は変更してもよい。
樹脂を溶解させる有機溶媒(樹脂溶解溶媒)としては、例えば、蟻酸エステル類、酢酸エステル類、酪酸エステル類、ケトン類、エーテル類、ベンゼン類、ハロゲン化炭素類が挙げられる。具体的には、蟻酸、酢酸、酪酸等のアルキル(メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル等)エステル類、アセトン、MEK、MPK、MIPK、MBK、MIBK等のメチルケトン類、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類、トルエン、キシレン、ベンゼン等の複素環置換体類、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン等のハロゲン化炭素類などを単独であるいは2種以上組合せて用いることが可能であるが、入手し易さや脱溶剤時の回収容易性、環境への配慮の点から、低沸点溶媒の酢酸エステル類やメチルケトン類、エーテル類が通常好ましく用いられ、特に、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。前記有機溶媒は、樹脂粒子中に残存すると、VOC原因物質となる場合があるため揮発性の比較的高いものを用いることが好ましい。
前記水系溶媒としては、基本的にはイオン交換水が用いられるが、油滴を破壊しない程度に水溶性有機溶媒を含んでも構わない。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、1−ペンタノール等の短炭素鎖アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類;エーテル類、ジオール類、THF、アセトン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶媒のイオン交換水との混合比は、質量比で1%〜50%の範囲、より好適には1%〜30%が選択され水性成分として用いられる。また、水溶性有機溶媒は添加されるイオン交換水に混合するだけでなく、樹脂溶解液中に添加して使用しても構わない。水溶性有機溶媒を添加する場合には、樹脂と樹脂溶解溶媒との濡れ性を調整することができ、また、樹脂溶解後の液粘度を低下させる機能が期待できる。
また、前記乳化液が安定的に分散状態を保つよう、必要に応じて樹脂溶液及び水性成分に分散剤を添加してもよい。前記分散剤としては、水性成分中で親水性コロイドを形成するもので、特にヒドロキシメチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルローズ、ヒドロキシプロピルセルローズ等のセルローズ誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸塩、ポリメタクリル酸塩等の合成高分子類、ゼラチン、アラビアゴム、寒天等の分散安定化剤が挙げられる。また、シリカ、酸化チタン、アルミナ、リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム等の固体微粉末も用いることができる。これらの分散安定化剤は通常、水性成分中の濃度が0〜20質量%、望ましくは0〜10質量%となるよう添加される。前記分散剤としては、界面活性剤も用いられる。前記界面活性剤の例としては、後述する着色剤分散液に用いられるものに準じたものを使用することができる。例えば、サポニンなどの天然界面活性成分の他に、アルキルアミン塩酸・酢酸塩類、4級アンモニウム塩類、グリセリン類等のカチオン系界面活性剤、脂肪酸石けん類、硫酸エステル類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、スルホン酸塩類、リン酸、リン酸エステル、スルホコハク酸塩類等のアニオン系界面活性剤などが挙げられ、アニオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤が好ましく用いられる。前記乳化液のpHを調整するために、中和剤を添加してもよい。前記中和剤としては、硝酸、塩酸、水酸化ナトリウム、アンモニアなど一般の酸、アルカリを用いることができる。
前記乳化液から有機溶媒を除去する方法としては、乳化液を常温(15〜35℃)もしくは加熱下で有機溶剤を揮発させる方法、これに減圧を組み合わせる方法が好ましく用いられる。
前記着色剤や離型剤の分散方法としては、例えば、回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用することができ、なんら制限されるものではない。
必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用してこれら着色剤の有機溶剤分散液を調製したりすることもできる。以下、かかる着色剤、離型剤の分散液のことを、「着色剤分散液」「離型剤分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、ポリエステル樹脂等を分散させる際に用い得る分散剤に準じたものを用いることができる。
前記凝集工程においては、凝集粒子を形成させるために、凝集剤を用いることが好ましい。用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤や、一般の無機金属化合物(無機金属塩)又はその重合体が挙げられる。無機金属塩を構成する金属元素は周期律表(長周期律表)における2A、3A、4A、5A、6A、7A、8、1B、2B、3B族に属する2価以上の電荷を有するものであり、樹脂粒子の凝集系においてイオンの形で溶解するものであればよい。
前記無機金属塩を具体的に挙げると、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などである。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。一般的に、よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価以上で、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方がより適している。
凝集剤の添加量は、凝集剤の種類や価数によって変動するが、おおむね、0.05〜0.1質量%の範囲である。前記凝集剤は、トナー化の工程中に、水系媒体中に流出したり、粗粉を形成するなどにより、添加量すべてがトナー中に残留するわけではない。特にトナー化の工程で、樹脂中の溶剤量が多い場合には、溶剤と凝集剤が相互作用して、水系媒体中に流出しやすいため、残溶剤量に合わせて調節する必要がある。
なお、上記凝集剤の添加に起因するが、本発明のトナーは、アルミ、亜鉛、カルシウムから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を、元素組成比換算で0.05〜0.30%含んでいることが好ましい。これら金属原子が上記範囲で含まれると、ポリエステル樹脂の極性成分とイオン架橋を形成し、定着画像の強度を向上させ、ホットオフセットを改善する。一方、含有量が多すぎると、熔融粘度も上昇し、定着画像グロスの低下や、低温定着性を損なう場合がある。ここで、金属元素の含有量は、蛍光X線装置による、全元素分析から求められる。試料は、トナー6gを、加圧成型器で荷重10t、加圧時間1分間で、加圧成型し、島津製作所の蛍光X線(XRF−1500)を使用して、測定条件は管電圧40kV、管電流90mA、測定時間30分で測定した、元素組成比から求められる。
前記融合工程においては、凝集工程に準じた攪拌下で、凝集体の懸濁液のpHを5〜10の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、樹脂のガラス転移温度(Tg)以上の温度(あるいは結晶性樹脂の融点以上の温度)で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させ合一させる。また、加熱の時間としては、所望の合一が為される程度行えばよく、0.2〜10時間程度行えばよい。その後、樹脂のTg以下まで降温して、粒子を固化する際、降温速度によって粒子形状及び表面性が変化する。例えば、早い速度で降温した場合には球形化及び表面が滑らかになりやすく、逆にゆっくり降温した場合は、粒子形状が不定形化し、粒子表面に凹凸が生じやすい。そのため、少なくとも0.5℃/分以上の速度で、より好適には1.0℃/分以上の速度で樹脂のTg以下まで降温するのが好ましい。
また、樹脂のTg以上の温度で熱しながら、凝集工程に準じてpHや凝集剤の添加により粒子を成長させ、所望の粒径になったところで融合工程の場合に準じて、少なくとも0.5℃/分の速度で樹脂のTg以下まで降温して、固化と同時に粒子成長を停止させれば、凝集工程と融合工程とを同時に行うことができるため、工程の簡略化の面では好ましいが、前述のコアシェル構造を作ることが難しくなる場合がある。
融合工程を終了した後は、粒子を洗浄し乾燥してトナー粒子を得る。トナーの帯電性を考慮すると、イオン交換水で置換洗浄を施すことが好ましく、洗浄度合いはろ液の伝導度でモニターするのが一般的で、最終的に、伝導度が25μS/cm以下となるようにすることが好ましい。洗浄時に酸やアルカリでイオンを中和する工程を含んでも良く、酸による処理はpHを4.0以下に、アルカリによる処理はpHを8.0以上にすることが好ましい。また、洗浄後の固液分離は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、フィルタープレスなどの加圧濾過等が好ましく用いられる。さらに、乾燥も、特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられ、最終的なトナーの水分率は1質量%以下、より好適には0.7質量%以下になるように乾燥する。
上記のようにして得られたトナー粒子には、流動性助剤、クリーニング助剤、研磨剤等として、無機粒子および有機粒子を外添混合することができる。無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、酸化セリウム等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子があげられる。これらの無機粒子は、その表面が疎水化されたものであることが好ましく、帯電性、粉体特性、保存性などのトナー諸特性や、現像性や転写性といったシステム適性を制御するために用いられる。有機粒子としては、例えば、スチレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、エチレン系重合体などのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂シリコーン樹脂、フッ素系樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される総ての粒子が挙げられる。
これらの粒子は転写性を向上させる目的で添加され、その1次粒径は0.05〜1.0μmであることが好ましい。さらに、滑剤を添加することもできる。滑剤として、例えばエチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩ユニリンなどの高級アルコールなどがあげられる。これらは一般にクリーニング性を向上させる目的で添加され、その1次粒径は、0.150μmのものが用いられる。
また、前記無機粒子のなかでも少なくとも2種以上を使用し、該無機粒子の少なくとも1種は30nm〜200nmの、さらに好適には30nm〜180nmの平均1次粒子径を有することが好ましい。トナーが小粒径化することによって、感光体との非静電的付着力が増大するため、転写不良やホローキャラクターと呼ばれる画像抜けが引き起こされ、重ね合わせ画像等の転写ムラを生じさせる原因となるため、平均1次粒子径が30nm〜200nmの大径の外添剤を添加し、転写性を改善させることが好ましい。平均1次粒子径が30nmより小さいと、初期的なトナーの流動性は良好であるが、トナーと感光体との非静電的付着力を低減できず転写効率が低下し画像のぬけや、画像の均一性を悪化させてしまい、また経時による現像機内でのストレスによって粒子がトナー表面に埋め込まれ、帯電性が変化し、濃度の低下や背景部へのカブリ等の問題を引き起こす場合がある。また、平均1次粒子径が200nmより大きいと、トナー表面から脱離しやすく、また流動性の悪化にもつながる場合がある。
具体的には、シリカ、アルミナ、酸化チタンが好ましく、特に、疎水化されたシリカを必須成分として添加することが好ましい。特にシリカと酸化チタンを併用することが好ましい。また、粒径80から500nmの有機粒子を併用することも転写性向上には好ましい。外添剤を疎水化処理する疎水化剤としては公知の材料が挙げられ、シラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤等のカップリング剤、シリコーンオイルやポリマーコーティング処理などが挙げられる。
前記外添剤は、サンプルミルやヘンシェルミキサーなどで機械的衝撃力を加えられてトナー表面に付着又は固着させられる。
(トナーの特性)
本発明におけるトナーの体積平均粒径は4〜9μmの範囲であることが望ましく、より望ましくは4.5〜8.5μmの範囲であり、さらに望ましくは5〜8μmの範囲である。体積平均粒径が4μmより小さいと、トナー流動性が低下し、各粒子の帯電性が低下しやすく、また帯電分布が広がるため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じやすくなる。また4μmより小さいと、格段にクリーニング性が困難となる場合がある。体積平均粒径が9μmより大きいと、解像度が低下するため、十分な画質が得られなくなり、近年の高画質要求を満たすことが困難となる場合がある。
また、本発明のトナーは、下記の方法により測定される粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を体積D16%、累積50%となる粒径を体積D50%累積84%となる粒径を体積D84%と定義したときに、(D84%/D16%)1/2より算出される体積平均粒度分布指標(GSDv)は、1.15〜1.30であることが好ましく、1.15〜1.25であることがより好ましい。
なお、上記体積平均粒子径等の測定は、マルチサイザーII(ベックマン−コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行うことができる。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行った。
また、本発明のトナーは、形状係数SF1が110〜140の範囲の球状形状であることが好ましい。形状がこの範囲の球状であることにより、転写効率、画像の緻密性が向上し、高画質な画像形成を行うことができる。
上記形状係数SF1は110〜130の範囲であることがより好ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出することができる。すなわち、スライドガラス表面に散布したトナー粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
また、本発明のトナーは、その帯電量が絶対値で10〜70μC/gの範囲にあるのが望ましく、15〜50μC/gの範囲がより好ましい。前記帯電量が、10μC/g未満であると、背景部汚れが発生し易くなり、70μC/gを越えると、画像濃度の低下が発生し易くなる場合がある。また、30℃、80RH%の高温高湿度下(HH)と10℃、20RH%の低温低湿度下(LL)での帯電量の比率(HH/LL)は0.5〜1.5の範囲が望ましく、0.7〜1.2の範囲がより好適である。前記比率が範囲内にあると環境に影響されることなく鮮明な画像を得ることができる。
<静電荷像現像剤>
本発明の静電荷像現像用トナーは、そのまま一成分現像剤として、あるいはキャリアとから構成される二成分現像剤として用いられるが、帯電の維持性や安定性に優れる二成分現像剤が望ましい。
キャリアとしては、樹脂で被膜されたキャリアであることが望ましく、窒素含有樹脂で被膜されたキャリアであることがさらに好適である。該窒素含有樹脂としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル等を含むアクリル系樹脂、ウレア、ウレタン、メラミン、グアナミン、アニリン等を含むアミノ樹脂、またアミド樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。またこれらの共重合樹脂でもかまわない。キャリアの被膜樹脂としては、前記窒素含有樹脂の中から2種以上を組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂と窒素を含有しない樹脂とを組み合わせて使用してもよい。また前記窒素含有樹脂を粒子状にし、窒素を含有しない樹脂中に分散して使用してもよい。特にウレア樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂は負帯電性が高く、また樹脂硬度が高いため、被膜樹脂の剥がれなどによる帯電量の低下を効果的に抑制することができる。
一般に、キャリアは適度な電気抵抗値を有することが必要であり、具体的には109〜1014Ωcm程度の電気抵抗値が求められている。例えば鉄粉キャリアのように電気抵抗値が106Ωcmと低い場合には、スリーブからの電荷注入によりキャリアが感光体の画像部へ付着したり、潜像電荷がキャリアを介して逃げ、潜像の乱れや画像の欠損等を生じたりする等の問題が生じる場合がある。一方、絶縁性(体積抵抗率が1014Ωcm以上)の樹脂を厚く被覆してしまうと電気抵抗値が高くなりすぎ、キャリア電荷がリークしにくくなり、その結果エッジの効いた画像にはなるが、反面大面積の画像面では中央部の画像濃度が非常に薄くなるというエッジ効果という問題が生じる場合がある。そのためキャリアの抵抗調整のために樹脂被覆層中に導電性粉末を分散させることが望ましい。
導電性粉末の具体例としては、金、銀、銅等の金属;カーボンブラック;酸化チタン、酸化亜鉛等の半導電性酸化物;酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム粉末等の表面を酸化スズやカーボンブラック、金属で覆ったもの;等が挙げられる。この中でも製造安定性、コスト、導電性の良さからカーボンブラックが好ましい。
上記樹脂被覆層を、キャリア芯材の表面に形成する方法としては、例えば、キャリア芯材の粉末を被膜層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被膜層形成用溶液をキャリア芯材の表面に噴霧するスプレー法、キャリア芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被膜層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリア芯材と被膜層形成用溶液を混合し溶剤を除去するニーダーコーター法、被膜樹脂を粒子化し被膜樹脂の融点以上でキャリア芯材とニーダーコーター中で混合し冷却して被膜させるパウダーコート法が挙げられるが、ニーダーコーター法及びパウダーコート法が特に好ましく用いられる。上記方法により形成される樹脂被膜層の平均膜厚は、通常0.1〜10μm、より好適には0.2〜5μmの範囲である。
キャリアに用いられる芯材(キャリア芯材)としては、特に制限はなく、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、又は、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、磁気ブラシ法を用いる観点からは、磁性キャリアであるのが望ましい。キャリア芯材の平均粒径としては、一般的には10〜100μmが好ましく、20〜80μmがより好ましい。
前記二成分現像剤におけるトナーと上記キャリアとの混合比(質量比)としては、トナー:キャリア=1:100〜30:100程度の範囲であり、3:100〜20:100程度の範囲がより望ましい。
<画像形成装置>
次に、本発明の静電荷像現像用トナーを用いた本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いるものである。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して脱着可能なカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよく、該プロセスカートリッジとしては、現像剤保持体を少なくとも備え、本発明の静電荷像現像剤を収容する本発明のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本発明の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主用部を説明し、その他はその説明を省略する。
図1は、4連タンデム方式のフルカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図1に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1〜第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」と称する)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに所定距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して脱着可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図面における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、図における左から右方向に互いに離間して配置された駆動ローラ22および中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。尚、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に所定の張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1〜第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。尚、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を所定の電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yよって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ5Y(1次転写手段)、および1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V〜−800V程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって、感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内には、例えば、少なくともイエロー着色剤と結晶性樹脂及び非結晶性樹脂とを含む体積平均粒径が7μmのイエロートナーが収容されている。イエロートナーは、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き所定速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が所定の1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに所定の1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向う静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性の(+)極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部に(図示せず)よって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
第1〜第4ユニットを通して4色のトナー像が多重転写された中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(被転写体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に所定のタイミングで給紙され、所定の2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性の(−)極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向う静電気力がトナー像に作用され、中間転写ベルト20上のトナー像が記録紙P上に転写される。尚、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬出され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図2は、本発明の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
図2で示すプロセスカートリッジでは、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせることが可能である。本発明のプロセスカートリッジでは、感光体107のほかには、帯電装置108、現像装置111、クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備える。
次に、本発明のトナーカートリッジについて説明する。本発明のトナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収めるトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本発明のトナーであることを特徴とする。なお、本発明のトナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
従って、トナーカートリッジの着脱が可能な構成を有する画像形成装置においては、本発明のトナーを収めたトナーカートリッジを利用することにより、特に容器が小型化されたトナーカートリッジにおいても保存性を保つことができ、高画質を維持しつつ低温定着化を図ることが可能となる。
なお、図1に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しないトナー供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されているトナーが少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
本実施例においては、トナーは以下の如き方法にて得られる。即ち、まず下記の樹脂分散液、着色剤分散液、離型剤分散液をそれぞれ調製する。次いで、これらを所定量混合攪拌しながら、これに金属塩凝集剤を添加し、イオン的に中和させ上記各粒子の凝集粒子を形成せしめる。所望のトナー粒子径到達前に樹脂粒子を追添加し、トナー粒子径を得る。その後、無機水酸化物で系内のpHを弱酸性から中性の範囲に調製後、当該樹脂粒子のガラス転移温度以上(または融点以上)に加熱し、合一融合せしめる。反応終了後、十分な洗浄・固液分離・乾燥の工程を経て所望のトナー粒子を得る。以下、上記に沿って説明する。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法について説明する。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
本発明において、結晶性ポリエステル樹脂等の分子量、分子量分布は、GPCにより「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、前述の条件により測定した。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂の融点、ガラス転移温度の測定方法)
結晶性樹脂の融点、非結晶性樹脂のガラス転移点(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(マックサイエンス社製:DSC3110、熱分析システム001)を用い、前述の条件により測定した。なお、融点は吸熱ピークのピーク温度とし、ガラス転移点は階段状の吸熱量変化における中間点の温度とした。
(樹脂の酸価)
樹脂を2g秤量し、アセトン−トルエン160mlに溶解、または溶解性の不十分なものについては加熱溶解したのち、この試料を用いJIS K0070−1992の電位差滴定法により、酸価を測定した。
<各分散液の調製>
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(1))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:60モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:40モル%
・テレフタル酸ジメチルエステル:65モル%
・ドデセニルコハク酸:30モル%
・トリメリット酸:5モル%
(上記において、アルコール成分及び酸成分を各々100モル%とした。以下もこれに準ずる。)
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が58℃、酸価が15.0mKOH/g、重量平均分子量40000、数平均分子量6500である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(1)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量の酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.15μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(2))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・テレフタル酸:75モル%
・ドデセニルコハク酸:20モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が54℃、酸価が14.5mgKOH/g、重量平均分子量が28000、数平均分子量が6000である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(2)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量の酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(2)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.16μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(3))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:70モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:30モル%
・テレフタル酸:95モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が60℃、酸価が20mgKOH/g、重量平均分子量が30000、数平均分子量が5500である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(3)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量の酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(3)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.14μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(4))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:30モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:70モル%
・テレフタル酸:55モル%
・ドデセニルコハク酸:40モル%
・トリメリット酸:5モル
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が48℃、酸価が12.0mgKOH/g、重量平均分子量が35000、数平均分子量が6200である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(4)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(4)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.17μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(5))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:70モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:30モル%
・テレフタル酸:75モル%
・n−ブチルコハク酸:20モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が63℃、酸価が16mgKOH/g、重量平均分子量が25000、数平均分子量が4500である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(5)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコール混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(5)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.15μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(6))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・テレフタル酸:65モル%
・n−オクテニルコハク酸:20モル%
・フマル酸:10モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が62℃、酸価が15mgKOH/g、重量平均分子量が45000、数平均分子量が7000である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(6)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(6)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.18μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(7))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:60モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:40モル%
・ テレフタル酸:65モル%
・ドデセニルコハク酸:30モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が64℃、酸価が11mgKOH/g、重量平均分子量が80000、数平均分子量が10500である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(7)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(7)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.20μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(8))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:50モル%
・テレフタル酸:70モル%
・ドデセニルコハク酸:25モル%
・トリメリット酸:5モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が66℃、酸価が10mgKOH/g、重量平均分子量が20000、数平均分子量が5800である分岐状の非晶性ポリエステル樹脂(8)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(8)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.12μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(9))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:50モル%
・フマル酸:30モル%
・ドデセニルコハク酸:20モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が58℃、酸価が16mgKOH/g、重量平均分子量が15000、数平均分子量が5500である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(9)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコール混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.16μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量0%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(10))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:60モル%
・フマル酸:30モル%
・ドデセニルコハク酸:10モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が60℃、酸価が10mgKOH/g、重量平均分子量が14000、数平均分子量が5000である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(10)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(10)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.15μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(11))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:30モル%
・フマル酸:70モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに2時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が61℃、酸価が12mgKOH/g、重量平均分子量が12000、数平均分子量が4500である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(11)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(11)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.12μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(12))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:50モル%
・フマル酸:30モル%
・ドデセニルコハク酸:20モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに1.5時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が54℃、酸価が18.5mgKOH/g、重量平均分子量が8000、数平均分子量が3000である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(12)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(12)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.14μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(非晶性ポリエステル樹脂分散液(13))
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:15モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物:85モル%
・テレフタル酸:50モル%
・フマル酸:30モル%
・ドデセニルコハク酸:20モル%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに上記組成比のモノマーを仕込み、1時間を要して温度を190℃まで上げ、反応系内がばらつきなく攪拌されていることを確認した後、ジブチル錫オキサイドの1.0質量%を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、ガラス転移点が64℃、酸価が15mgKOH/g、重量平均分子量が22000、数平均分子量が7000である直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂(13)を得た。
5Lのセパラブルフラスコに、樹脂を溶解しうる相当量酢酸エチルとイソプロピルアルコールとの混合溶剤を投入し、これに上記樹脂を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に希アンモニア水溶液を適量滴下し、更にイオン交換水に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、非晶性ポリエステル樹脂分散液(13)を得た。この分散液における樹脂粒子の体積平均粒径は、0.15μmであった(樹脂粒子濃度はイオン交換水で調整して30質量%とした)。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(I))
加熱乾燥した三口フラスコに、モノマー組成比で1,10−デカンジカルボン酸100モル%と、1,9−ノナンジオール100モル%とを投入し、触媒としてジブチル錫オキサイドを0.3質量%となるように入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(I)を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(I)の重量平均分子量は25000、数平均分子量は5800であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(A)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は75℃であった。
・結晶性ポリエステル樹脂(I):90質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):2.0質量部
・イオン交換水:210質量部
以上を混合して100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径が0.15μm、固形分量が30質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(I)を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(II))
加熱乾燥した三口フラスコに、モノマー組成比で1,8−セバシン酸ジメチル100モル%と、1,6−ヘキサンジオール100モル%とを投入し、触媒としてジブチル錫オキサイドを0.3質量%となるように入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(II)を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(II)の重量平均分子量は22000で数平均分子量は4400であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(II)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は72℃であった。
・結晶性ポリエステル樹脂(II):90質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8質量部
・イオン交換水:210質量部
以上を混合して100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径が0.14μm、固形分量が30質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(II)を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(III))
加熱乾燥した三口フラスコに、モノマー組成比で1,8−セバシン酸ジメチル100モル%と、エチレングリコール100モル%とを投入し、触媒としてジブチル錫オキサイドを0.2質量%となるように入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(III)を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(III)の重量平均分子量は18000で数平均分子量は4000であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(III)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は70℃であった。
・結晶性ポリエステル樹脂(III):90質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):2.0質量部
・イオン交換水:210質量部
以上を100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径が0.15μm、固形分量が30質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(III)を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液(IV))
加熱乾燥した三口フラスコに、モノマー組成比でテレフタル酸ジメチルエステル100モル%と、1,6−ヘキサンジオール100モル%とを投入し、触媒としてジブチル錫オキサイドを0.2質量%となるように入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い4時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂(IV)を合成した。
得られた結晶性ポリエステル樹脂(IV)の重量平均分子量は20000で数平均分子量は8000であった。また、結晶性ポリエステル樹脂(IV)の融点(Tm)を、前述の測定方法により、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確な吸熱ピークを示し、吸熱ピーク温度は135℃であった。
・結晶性ポリエステル樹脂(IV):90質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):2.0質量部
・イオン交換水:210質量部
以上を混合して100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行い、体積平均粒径が0.23μm、固形分量が30質量%の結晶性ポリエステル樹脂分散液(IV)を得た。
以上の非晶性ポリエステル樹脂分散液、結晶性ポリエステル樹脂分散液の概要を、まとめて表1〜表3に示す
Figure 2008165017
Figure 2008165017
Figure 2008165017
(着色剤分散液)
シアン顔料(大日精化社製:ECB−301)20質量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC(有効成分として着色剤に対して10質量%))2質量部、及びイオン交換水78質量部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、6000rpmで5分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡し、続けて分散液を高圧衝撃式分散機アルティマイザー(スギノマシン社製、HJP30006)を用いて、圧力240MPaで分散した。分散は25パス相当行った。その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を25質量%に調整した。得られた着色剤分散液の体積平均粒径を測定したところ、0.12μmであった。
(離型剤分散液)
カルナバワックス(融点:81℃)40質量部、アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC)2質量部、イオン交換水58質量部を混合し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、6000rpmで5分間分散した後、攪拌器で1昼夜攪拌させて脱泡し、続けて圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、その後イオン交換水を加えて、固形分濃度を25質量%に調整した。得られた離型剤分散液の粒度分布を測定したところ、体積平均粒径は0.23μmであった。
<実施例1>
(トナーの製造)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂(1)分散液:150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂(9)分散液:150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂(I)分散液:67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル社製、RY50)1.5質量部と疎水性酸化チタン(日本アエロジル社製、T805)1.0質量部とを加え、サンプルミルを用いて10000rpmで30秒間混合ブレンドした。その後、目開き45μmの振動篩いで篩分してトナーを得た。
(静電荷像現像剤の作製)
トルエン14質量部にカーボンブラック0.2質量部を混合し、サンドミルで20分攪拌分散したカーボン分散液に、スチレン/メチルメタクリレート共重合体(共重合比:15/85)2質量部を混合攪拌したコート剤樹脂溶液と、フェライト粒子(体積平均粒径:50μm)をニーダーに投入し、攪拌しながら減圧し、乾燥させることによりキャリアを作製した。
このキャリア100質量部と、前記トナー8部とをVブレンダーにて混合し、現像剤を得た。
(評価)
−トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の分散性−
トナー粒子の断面を透過型電子顕微鏡で観察し、評価した。評価基準は以下の通りである。
○:トナー粒子中に、長径がトナー粒子直径の1/2以下である結晶性ポリエステル樹脂のドメインが均一に分散している状態。
×:長径がトナー粒子直径の1/2以上の結晶性樹脂のドメインが存在している状態、あるいはトナー表面に結晶性ポリエステル樹脂成分がの粒子中で観察される状態。
−実機特性−
・画像光沢度
富士ゼロックス(株)社製Docu Center Color 400改造機を用いて、富士ゼロックス社製J紙上にソリッド部を含む未定着画像を形成し、オフライン定着ベンチを用いて定着部材の表面温度が140℃から180℃まで20℃間隔で定着ロールの表面温度を調節し、前述の未定着画像を定着した。得られた画像について、ソリッド部の光沢度を村上色材社製グロスメーターを用いて測定した。測定は、画像表面に対し45度の角度で入射した入射光濃度と、135度における反射光濃度とを各温度について測定し、前記反射光濃度の前記入射光濃度に対する割合を光沢度とした。光沢度としては50%以上がカラー高画質画像適正を有するため、好ましい。
また、定着画像の光沢度ムラについては、ソリッド画像部の光沢度ムラを目視で評価した。
・画像濃度
画像濃度は、X−rite404濃度測定器により、前記ソリッド部の濃度を測定して求めた。画像濃度は1.20以上あれば実使用上大きな問題はない。
・画質、カブリ
32℃、相対湿度75%の環境室にて、得られた現像剤を富士ゼロックス(株)社製Docu Center Color 400改造機の現像器にセットし、連続50000枚のプリントアウトを行い、得られた画像の背景部のカブリ及び文字画像のシャープ度を評価した。カブリの評価は非画像部を目視観察を行い、G1(カブリ無し)からG5(カブリ有り)までのグレード付けを行った。通常G2以上であれば画質上の問題は無いと判断できる。また、文字画像のシャープ度は大きさの異なる和文文字の目視による判読性から評価を行っている。 評価基準は以下の通りである。
○:4ポイント和文文字が判読可能、カブリはG2以上
△:6ポイント和文文字が判読可能、カブリはG2以上
×:6ポイント和文文字の判読困難あるいは判読可能、あるいはカブリがG3以下
以上の評価結果をまとめて表4に示す
<実施例2>
(トナーの製造)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(II):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表4にまとめて示す。
<実施例3>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):167質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):167質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):33質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表4にまとめて示す。
<実施例4>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(10):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(10)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表4にまとめて示す。
<実施例5>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(2):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(2)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表4にまとめて示す。
<実施例6>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):230質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):100質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)135質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)55質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表4にまとめて示す。
<実施例7>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(6):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(6)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表4にまとめて示す。
<実施例8>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):50質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):50質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):267質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表5にまとめて示す。
<実施例9>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(5):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(5)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表5にまとめて示す。
<実施例10>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(4):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(4)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表5にまとめて示す。
Figure 2008165017
Figure 2008165017
<比較例1>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(3):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(11):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(3)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(11)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表6にまとめて示す。
<比較例2>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):333質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)187質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表6にまとめて示す。
<比較例3>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(3):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(3)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表6にまとめて示す。
<比較例4>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(III):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表6にまとめて示す。
<比較例5>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):280質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)187質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表6にまとめて示す。
<比較例6>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):183質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):183質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表7にまとめて示す。
<比較例7>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(1):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(IV):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(1)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表7にまとめて示す。
<比較例8>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(8):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(12):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(8)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(12)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表7にまとめて示す。
<比較例9>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(7):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(13):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(7)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(13)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表7にまとめて示す。
<比較例10>
(トナーの作製)
・イオン交換水:280質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(8):150質量部
・非晶性ポリエステル樹脂分散液(9):150質量部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液(I):67質量部
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20質量%):2.8質量部
以上を、温度計、pH計、攪拌機、を具備した3リットルの反応容器に入れ、外部からマントルヒーターで温度制御しながら、温度30℃、攪拌回転数150rpmにて、30分間保持した。
その後、着色剤分散液60質量部及び離型剤分散液80質量部を投入し、5分間保持した。そのまま、1.0質量%硝酸水溶液を添加し、pHを3.0に調整した。ホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクスT50)で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム0.4質量部を添加後、攪拌機しながら、50℃まで昇温し、マルチサイザーII(アパーチャー径:50μm、ベックマン−コールター社製)にて粒径を測定し、体積平均粒径が5.5μmとなったところで、非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部及び非晶性ポリエステル樹脂分散液(9)90質量部を投入した。投入後30分間保持した後、5質量%水酸化ナトリウム水溶液を用いてpHを9.0にした。その後、90℃まで昇温し、90℃で3時間保持した後、冷却、ろ過、これを更にイオン交換水にて再分散し、濾過、ろ液の電気伝導度が20μS/cm以下となるまで繰り返し洗浄を行った後、40℃のオーブン中で5時間真空乾燥して、トナー粒子を得た。
上記トナー粒子について、実施例1に準じて外添剤処理、現像剤の作製を行い、実施例1に準じて評価を行った。
結果を表7にまとめて示す。
Figure 2008165017
Figure 2008165017
表4、表5の実施例に示すように、前記特定のポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを結着樹脂に用いることにより、オフセット、画像濃度及びカブリ等の画質欠陥が無く、定着温度が変動しても高い画像光沢度で且つ光沢度ムラのない高品質なフルカラー画像を得ることができる。
一方、表6、表7の比較例に示すように、例えば比較例1においては、非晶性樹脂中の構成成分にアルキルコハク酸またはアルケニルコハク酸、またはその酸無水物を有していないため、結晶性樹脂の分散状態が悪く、画像光沢度ムラが生じ且つ低い画像光沢度の画像となった。比較例2の非晶性樹脂は全て分子量の低い線型ポリエステル樹脂を用いている為、高い画像光沢度が得られるものの高温での定着においてオフセットが発生してしまう。また、比較例4においては、結晶性樹脂中に炭素数が少ないエチレングリコールを使用している為、樹脂体積抵抗が低くなってしまい、カブリが生じてしまう。比較例7においても、結晶性樹脂として芳香族系結晶性樹脂を使用している為、結晶性樹脂の融点が高く、また非晶性ポリエステル樹脂との相溶性が低く、画像光沢度ムラが悪く、高い画像光沢度が得られない。さらに、非晶性樹脂が必要とされる分子量の条件を満たさない比較例8〜10においては、カブリ、光沢度やオフセットにおいて何らかの問題が発生した。
本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K、107 感光体(像保持体)
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ、
P、300 記録紙(被転写体)

Claims (8)

  1. ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含む結着樹脂と、着色剤と、離型剤と、を含有し、
    前記ポリエステル樹脂Aがテトラヒドロフラン不溶分を含まない分岐状の非晶性ポリエステル樹脂、前記ポリエステル樹脂Bが直鎖状の非晶性ポリエステル樹脂であり、
    前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bが、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれら無水物から選択される少なくとも1種を酸成分として含んで反応させた樹脂成分を各々含有し、
    前記ポリエステル樹脂Cが結晶性ポリエステル樹脂であり、かつ、これらが下記(1)〜(3)を満たすことを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    (1)ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量が25000〜60000、数平均分子量が4000〜10000
    (2)ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量が10000〜25000、数平均分子量が3000〜8000
    (3)ポリエステル樹脂Cが炭素数6〜10のジカルボン酸及び炭素数6〜10のジアルコールを反応して得られる脂肪族結晶性ポリエステル樹脂
  2. 前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bにおける全モノマー由来構成成分中、アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物から選択される少なくとも1種に由来する構成成分量P及びQが、各々5〜20モル%の範囲であり、
    前記構成成分量Pが前記構成成分量Qよりも大きく、かつ、
    前記アルキルコハク酸、アルケニルコハク酸及びそれらの酸無水物の炭素数のいずれもが、前記ポリエステル樹脂Cにおけるモノマー由来構成成分の各々の炭素数よりも多いことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. コア粒子と、該コア粒子を被覆するシェル層とを含む構造を有し、
    前記コア粒子の結着樹脂が前記ポリエステル樹脂A、ポリエステル樹脂B及びポリエステル樹脂Cを含み、
    前記シェル層が前記ポリエステル樹脂A及びポリエステル樹脂Bを含むことを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記結着樹脂中、前記ポリエステル樹脂Cの含有量が1〜20質量%の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. トナーを含み、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
  6. トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
  7. 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項5に記載の静電荷像現像剤を収めることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 潜像保持体と、該潜像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、潜像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項5に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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