JP2013205609A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】カブリ及び感光体傷を抑制する静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】少なくとも結着樹脂を含有するトナー母粒子及び外添剤を含有してなる静電荷像現像用トナーであって、結着樹脂がフラン環を有するポリエステルAを含有し、外添剤が下記式(1)で求められる平均粒子径20〜80nm、炭素量2.6〜6.0重量%の疎水性シリカ粒子(外添剤A)を含有する静電荷像現像用トナー。
平均粒子径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000 (1)
(式中、ρはシリカの真比重2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられる静電荷像現像用トナー及びその製造方法に関する。
近年のプリント・オン・デマンド市場が成長しているなか、電子写真技術に対する高画質で、且つ印字画像の安定性への要求はますます高まりつつある。特に、印字画像に悪影響を与えるトナーカブリや感光体傷の抑制が望まれている。
例えば、ジメチルシリコーンオイルで表面処理され、表面処理剤に基因する特定の炭素量を有し、特定の一次粒子を有する疎水性シリカを外添剤に用いることにより、適正な画像濃度でバックグラウンドの無い高品位な複写画像を長期にわたり安定して得ることができることが開示されている(特許文献1参照)。
一方で、環境負荷低減の観点よりバイオマス原料の使用が近年、望まれている。
例えば、フラン構造を有し、還元粘度(ηsp/C)が0.48dL/g以上、末端酸価が200μeq/g未満であることを特徴とする熱可塑性樹脂が耐熱性、機械物性、耐候性に優れることが開示されている(特許文献2参照)。
また、特定のフラン環の構造単位を有するポリエステル樹脂が耐衝撃性に優れ、成形品製造用材料に好適であることが開示されている(特許文献3参照)。
特開平8−292598号公報 特開2008−291243号公報 特開2009−197110号公報
しかし、特許文献2に記載の樹脂は、フィルム用途や射出成形品の用途を主として使用するものであるため結晶性が高く、トナー用結着樹脂には適しておらず、疎水性シリカの遊離が生じ易く、感光体傷が発生し易い。また、特許文献3に記載の樹脂も、成形品用組成物であるため結晶性が高く、トナー用結着樹脂には適しておらず、疎水性シリカの遊離が生じ易く、感光体傷が発生し易い。
また、特許文献1に記載のトナーでは、カブリの抑制が不十分であり、且つ疎水性シリカの遊離が生じ易く、感光体傷が発生し易い。
本発明の課題は、カブリ及び感光体傷を抑制する静電荷像現像用トナー及びその製造方法を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 少なくとも結着樹脂を含有するトナー母粒子及び外添剤を含有してなる静電荷像現像用トナーであって、結着樹脂がフラン環を有するポリエステルAを含有し、外添剤が下記式(1)で求められる平均粒子径20〜80nm、炭素量2.6〜6.0重量%の疎水性シリカ粒子(外添剤A)を含有する静電荷像現像用トナー、並びに
平均粒子径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000 (1)
(式中、ρはシリカの真比重2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。)
〔2〕 少なくとも結着樹脂を含有するトナー母粒子及び外添剤からなる静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
工程1:トナー母粒子と外添剤Aを混合する工程、及び
工程2:さらに外添剤Bと混合する工程
を含み、
前記結着樹脂がフラン環を有するポリエステルAを含有し、外添剤Aが平均粒子径が20〜80nm、炭素量が2.6〜6.0重量%の疎水性シリカ粒子であり、外添剤Bが平均粒子径6nm以上20nm未満の疎水性シリカ粒子であり、外添剤Aと外添剤Bの平均粒子径の差が10nm以上である、静電荷像現像用トナーの製造方法
に関する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、カブリ及び感光体傷を抑制する効果を奏するものである。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂を含有するトナー母粒子及び外添剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、結着樹脂がフラン環を有するポリエステルを含有し、特定の外添剤を含有することに特徴を有する。
本発明のトナーがカブリ及び感光体傷の抑制に優れるという効果を奏する理由は定かではないが、以下のように考えられる。
フラン環を有する樹脂は、ガラス転移温度が高く、堅い樹脂であり、外添剤の埋め込みが抑制される。また、外添剤として、特定の平均粒子径及び特定の炭素量を有する疎水性シリカを用いることにより、フラン環を有する樹脂との分子間力が向上し、樹脂と外添剤の付着力が向上し、外添剤の遊離が抑制される。その結果、帯電安定性が向上し、カブリが抑制され、感光体傷の発生も抑制されると考えられる。
<結着樹脂>
本発明のトナーに用いる結着樹脂は、フラン環を有するポリエステルAを含有する。
ポリエステルAは、原料モノマーとして少なくともフラン環を有するカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分及び/又はフラン環を有するアルコールを含むアルコール成分を用い、カルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させて得られるポリエステルが好ましく、フラン環としては、式(Ia)又は(Ib):
Figure 2013205609
で表される構造が好ましい。
フラン環を有するカルボン酸化合物としては、2,5-フランジカルボン酸、2,4-フランジカルボン酸、2,3-フランジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸等のフランジカルボン酸化合物(本明細書中、カルボン酸化合物はカルボン酸、カルボン酸と炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜3のアルコールとのエステル及び酸無水物を含む);2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸等のフランカルボン酸化合物;5-ヒドロキシメチル-フラン-2-カルボン酸等のヒドロキシフランカルボン酸化合物;フルフリル酢酸化合物、3-カルボキシ-4-メチル-5-プロピル-2-フランプロピオネート等のカルボン酸化合物(本明細書中、ヒドロキシカルボン酸化合物はカルボン酸化合物に含める)等が挙げられる。
これらの中では、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点及びトナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させる観点から、フランジカルボン酸化合物、フランカルボン酸化合物及びヒドロキシフランカルボン酸化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく、フランジカルボン酸化合物がより好ましく、2,5-フランジカルボン酸がより好ましい。
フラン環を有するアルコールとしては、ジヒドロキシフラン等のフランジアルコール;5-ヒドロキシメチルフルフリルアルコール等のヒドロキシメチルフルフリルアルコール;フルフリルアルコール;5-ヒドロキシメチルフルフラール等が挙げられる。
式(Ia)で表されるフラン環を有するカルボン酸化合物として、2,5-フランジカルボン酸、2,4-フランジカルボン酸、2,3-フランジカルボン酸、3,4-フランジカルボン酸等のフランジカルボン酸化合物;5-ヒドロキシメチル-フラン-2-カルボン酸等のヒドロキシフランカルボン酸化合物等のカルボン酸化合物等が挙げられる。
式(Ia)で表されるフラン環を有するアルコールとして、5-ヒドロキシメチルフルフリルアルコール等のヒドロキシメチルフルフリルアルコール;ジヒドロキシフラン等のフランジアルコール;5-ヒドロキシメチルフルフラール等が挙げられる。
式(Ib)で表されるフラン環を有するカルボン酸化合物として、2-フランカルボン酸、3-フランカルボン酸等のフランカルボン酸化合物;フルフリル酢酸化合物等が挙げられる。
式(Ib)で表されるフラン環を有するアルコールとして、フルフリルアルコール等が挙げられる。
上記のカルボン酸化合物及びアルコールの中では、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点及びトナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させる観点から、式(Ia)で表されるフラン環を有するカルボン酸化合物とアルコールとが好ましく、フランジカルボン酸化合物及びフランジアルコールがより好ましく、フランジカルボン酸化合物がさらに好ましい。
フラン環を有するカルボン酸化合物とフラン環を有するアルコールとの合計量は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点及びトナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させる観点から、ポリエステルAのカルボン酸成分とアルコール成分との合計量中、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは20〜90モル%、さらに好ましくは20〜80モル%、よりさらに好ましくは30〜70モル%、よりさらに好ましくは40〜50モル%である。
さらに、フラン環を有するカルボン酸化合物の含有量は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点及びトナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させる観点から、ポリエステルAのカルボン酸成分中、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは30〜100モル%、よりさらに好ましくは60〜100モル%、よりさらに好ましくは90〜100モル%であり、実質的に100モル%がよりさらに好ましい。
フランジカルボン酸化合物の含有量は、同様の観点から、ポリエステルAのカルボン酸成分中、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは20〜100モル%、さらに好ましくは30〜100モル%、よりさらに好ましくは60〜100モル%、よりさらに好ましくは90〜100モル%であり、実質的に100モル%がよりさらに好ましい。
フラン環を有するカルボン酸化合物を用いる場合は、フラン環を有するアルコールを用いなくてもよい。フラン環を有するアルコールを用いる場合、フラン環を有するアルコールの含有量は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点及びトナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させる観点から、ポリエステルAのアルコール成分中、好ましくは10〜100モル%、より好ましくは20〜90モル%、さらに好ましくは20〜80モル%、よりさらに好ましくは20〜60モル%である。
なお、結着樹脂が複数のポリエステルAを含有する場合、上記のフラン環を有するカルボン酸化合物とフラン環を有するアルコールとの合計量、フラン環を有するカルボン酸化合物の含有量、フランジカルボン酸化合物の含有量及びフラン環を有するアルコールの含有量は、各ポリエステルAにおけるそれぞれの化合物の含有量と各ポリエステルAの重量分率の積の和によって求める。
フラン環を有するアルコール以外のアルコール成分としては、トナーの低温定着性を向上させる観点から、脂肪族ジオールが好ましい。脂肪族ジオールの炭素数は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、2〜10が好ましく、3〜8がより好ましく、3〜4がさらに好ましい。
脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-ブテンジオール、ネオペンチルグリコール、2,3-ブタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、2,3-ヘキサンジオール、3,4-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール等が挙げられる。
これらの中で、フラン環とともに、樹脂の運動性をさらに低下させることで、トナーの耐熱保存性を向上させる観点から、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールが好ましい。かかる脂肪族ジオールは、トナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させる観点から、炭素数は、3〜8が好ましく、3〜6がより好ましく、3〜4がさらに好ましく、具体的な好適例としては、1,2-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、2,3-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール等が挙げられ、トナーの耐熱保存性を向上させる観点から、1,2-プロパンジオール及び2,3−ブタンジオールが好ましい。
脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、フラン環を有するアルコール以外のアルコール成分中、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%であり、さらに好ましくは70〜100モル%であり、実質的に100モル%がよりさらに好ましい。
第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させる観点から、フラン環を有するアルコール以外のアルコール成分中、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%であり、実質的に100モル%がよりさらに好ましい。
脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性を向上させる観点から、アルコール成分中、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%であり、さらに好ましくは70〜100モル%であり、実質的に100モル%がよりさらに好ましい。
第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールの含有量は、トナーの低温定着性と耐熱保存性を向上させる観点から、アルコール成分中、好ましくは20〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは70〜100モル%であり、実質的に100モル%がよりさらに好ましい。
これら以外のアルコール成分としては、トナーの耐熱保存性を向上させる観点から、芳香族アルコールが挙げられる。
芳香族アルコールとしては、トナーの耐熱保存性を向上させる観点から、式(II):
Figure 2013205609
(式中、R1O及びOR1はオキシアルキレン基であり、R1はエチレン及び/又はプロピレン基であり、x及びyはアルキレンオキサイドの付加モル数を示し、それぞれ正の数であり、xとyの和の平均値は1〜16が好ましく、1〜8がより好ましく、1.5〜4がさらに好ましい)
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が挙げられる。
式(II)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の具体例としては、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、及び2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
本発明において、アルコール成分は、トナーの耐刷性及び耐高温オフセット性を向上させる観点から、3価以上の多価アルコール、好ましくはグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、より好ましくはグリセリンを含有していることが好ましい。3価以上の多価アルコールの含有量は、トナーの耐刷性及び耐高温オフセット性を向上させる観点から、アルコール成分中、1〜35モル%が好ましく、10〜30モル%がより好ましく、20〜25モル%がさらに好ましい。
フラン環を有するカルボン酸化合物以外のカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸化合物、脂肪族ジカルボン酸化合物及び3価以上の多価カルボン酸化合物を含有してもよい。本発明においては、カルボン酸、酸無水物、アルキル(炭素数1〜6)エステル等の誘導体等を含め、総称してカルボン酸化合物という。
芳香族ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜6)エステル等が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、これらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜6)エステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、これらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜6)エステル等が挙げられる。
アルコール成分にはフラン環を有さない1価のアルコールが、カルボン酸成分にはフラン環を有さない1価のカルボン酸化合物が、ポリエステルの軟化点を調整する観点から、適宜含有されていてもよい。
ポリエステルAにおけるカルボン酸成分とアルコール成分との当量比(COOH基/OH基)は、ポリエステルAの酸価を低減する観点から、0.70〜1.10が好ましく、0.75〜1.00がさらに好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合反応は、不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じて、エステル化触媒、エステル化助触媒、重合禁止剤等の存在下、180〜250℃程度の温度で縮重合させて製造することができる。エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、2-エチルヘキサン酸錫(II)等の錫化合物、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等が挙げられ、エステル化助触媒としては、没食子酸等が挙げられる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1.5重量部が好ましく、0.1〜1.0重量部がより好ましい。エステル化助触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.001〜0.5重量部が好ましく、0.01〜0.1重量部がより好ましい。
ポリエステルAの軟化点は、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性及び耐刷性を向上させる観点から、90〜155℃が好ましい。
結着樹脂が複数のポリエステルAを含有する場合は、各ポリエステルAの軟化点と各ポリエステルAの重量分率の積の和が上記範囲となることが好ましい。
ポリエステルAの軟化点は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
ポリエステルAのガラス転移温度は、トナーの低温定着性、耐熱保存性及び耐刷性を向上させる観点から、50〜85℃が好ましく、60〜75℃が好ましい。
ポリエステルAのガラス転移温度は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比等によって制御することができる。
結着樹脂が複数のポリエステルAを含有する場合は、各ポリエステルAのガラス転移温度と各ポリエステルAの重量分率の積の和が上記範囲内となることが好ましい。
ポリエステルAの酸価は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性及び耐刷性を向上させる観点から、30mgKOH/g以下が好ましく、25mgKOH/g以下がより好ましい。
ポリエステルAの酸価は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
本発明に用いる結着樹脂は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させる観点から、軟化点の異なる2種以上のポリエステルを含有することが好ましい。
軟化点が高い方のポリエステルHと軟化点が低い方のポリエステルLの軟化点の差は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させる観点から、10℃以上が好ましく、20〜60℃がより好ましく、30〜50℃がさらに好ましい。
ポリエステルHの軟化点は、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性及び耐刷性を向上させる観点から、125〜160℃が好ましく、135〜155℃がより好ましい。
ポリエステルLの軟化点は、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性及び耐熱保存性を向上させる観点から、90〜125℃が好ましく、90〜110℃がより好ましい。
結着樹脂中、複数のポリエステルL、複数のポリエステルHを含有してもよい。結着樹脂が複数のポリエステルL、複数のポリエステルHを含有する場合、ポリエステルLの軟化点及びポリエステルHの軟化点は、各ポリエステルの軟化点と各ポリエステルの重量分率の積の和が上記範囲となることが好ましい。
ポリエステルの軟化点は、アルコール成分やカルボン酸成分の種類や組成比、触媒量等の調整、反応温度や反応時間、反応圧力等の反応条件の選択によって制御することができる。
ポリエステルH及びポリエステルLの合計の含有量は、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性を向上させる観点から、結着樹脂中、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%であることがよりさらに好ましい。
本発明に用いる結着樹脂において、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点から、ポリエステルH及びポリエステルLの少なくともいずれか一方がポリエステルAであるのが好ましく、ポリエステルL及びポリエステルHがポリエステルAであることがより好ましい。
ポリエステルA以外のポリエステルとしては、特に限定はされない。
ポリエステルA以外のポリエステルのアルコール成分の好ましい態様は、ポリエステルAのフラン環を有するアルコール以外のアルコール成分と同様であり、脂肪族ジオールが好ましく、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオールがより好ましい。
また、トナーの低温定着性、耐高温オフセット性及び耐刷性を向上させる観点から、3価以上の多価アルコールを含有していることが好ましく、グリセリンを含有していることがより好ましい。
脂肪族ジオール、第二級炭素原子に結合した水酸基を有する脂肪族ジオール及び3価以上の多価アルコールのアルコール成分中の好ましい含有量は、ポリエステルAで述べた態様と同様である。
また、ポリエステルA以外のポリエステルのカルボン酸成分としては、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐熱保存性及び耐刷性を向上させる観点から、芳香族カルボン酸化合物が好ましく、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、これらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜6)エステル等が挙げられる。
芳香族カルボン酸化合物のカルボン酸成分中の含有量は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐熱保存性及び耐刷性を向上させる観点から、20〜100モル%、より好ましくは50〜100モル%、さらに好ましくは80〜100モル%であり、実質的に100モル%がよりさらに好ましい。
ポリエステルAの含有量は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点及びトナーの耐刷性を向上させる観点から、結着樹脂中、30重量%以上が好ましく、50重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%がよりさらに好ましい。
また、結着樹脂中のすべてのポリエステルのカルボン酸成分とアルコール成分の合計量中の、フラン環を有するカルボン酸成分とアルコール成分の合計量は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点及びトナーの耐刷性を向上させる観点から、15モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、30モル%以上がさらに好ましく、40モル%以上がより好ましい。また、トナーの耐高温オフセット性を向上させる観点から、80モル%以下が好ましく、70モル%以下がより好ましく、60モル%以下がさらに好ましく、50モル%以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、15〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、30〜60モル%がさらに好ましく、40〜50モル%がよりさらに好ましい。
結着樹脂は、本発明の効果が損なわれない範囲において、ポリエステルA及びポリエステルA以外のポリエステルの他に、他の樹脂を含有していてもよいが、ポリエステルA及びポリエステルA以外のポリエステルの合計含有量は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの低温定着性、耐熱保存性及び耐刷性を向上させる観点から、結着樹脂中、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%であることがよりさらに好ましい。他の結着樹脂としては、ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
なお、本発明において、ポリエステルは、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルであってもよい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルをいう。
本発明のトナーは、結着樹脂以外に、着色剤、離型剤、荷電制御剤等を含有していてもよい。
<着色剤>
本発明において、着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、イソインドリン、ジスアゾエロー等を用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナーのいずれであってもよい。トナー中の着色剤の含有量は、トナーの印字濃度及び定着性を向上させる観点から、結着樹脂100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、2〜10重量部がより好ましく、3〜8重量部がさらに好ましい。
<離型剤>
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレンポリエチレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス及びそれらの酸化物、カルナウバワックス、モンタンワックス、サゾールワックス及びそれらの脱酸ワックス、脂肪酸エステルワックス等のエステル系ワックス、脂肪酸アミド類、脂肪酸類、高級アルコール類、脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を混合して用いられていてもよい。
離型剤の融点は、トナーの低温定着性と耐高温オフセット性を向上させる観点から、60〜160℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、トナーの耐熱保存性を向上させる観点から、10重量部以下が好ましく、8重量部以下がより好ましく、7重量部以下がさらに好ましい。また、トナーの低温定着性と耐高温オフセット性を向上させる観点から、0.5重量部以上が好ましく、1.0重量部以上がより好ましく、1.5重量部以上がさらに好ましい。したがって、これらの観点を総合すると、離型剤の含有量は、0.5〜10重量部が好ましく、1.0〜8重量部より好ましく、1.5〜7重量部がさらに好ましい。また、トナーをオイルレス定着させる観点から、2.0重量部以上が好ましく、2.5重量部以上がより好ましく、3.0重量部以上がさらに好ましい。したがって、これらの観点を総合すると、離型剤の含有量は、2.0〜10重量部が好ましく、2.5〜8重量部より好ましく、3.0〜7重量部がさらに好ましい。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては、負帯電性荷電制御剤、正帯電性荷電制御剤のいずれも用いることができる。
負帯電性荷電制御剤としては、含金属アゾ染料、例えば「ボントロンS-28」(オリエント化学工業社製)、「T-77」(保土谷化学工業社製)、「ボントロンS-34」(オリエント化学工業社製)、「アイゼンスピロンブラックTRH」(保土谷化学工業社製)等;銅フタロシアニン染料;サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、例えば「ボントロンE-81」、「ボントロンE-84」、「ボントロンE-304」(以上、オリエント化学工業社製)等;ニトロイミダゾール誘導体;ベンジル酸ホウ素錯体、例えば、「LR-147」(日本カーリット社製)等;無金属系荷電調整剤、例えば「ボントロンF-21」、「ボントロンE-89」(以上、オリエント化学工業社製)、「T-8」(保土ヶ谷化学工業社製)、「FCA-2521NJ」、「FCA-2508N」(以上、藤倉化成社製)等が挙げられる。
正帯電性荷電制御剤としては、ニグロシン染料、例えば「ボントロンN-01」、「ボントロンN-04」、「ボントロンN-07」(以上、オリエント化学工業社製)、「CHUO CCA-3」(中央合成社製)等;3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料;4級アンモニウム塩化合物、例えば「ボントロンP-51」(オリエント化学工業社製)、「TP-415」(保土谷化学工業社製)、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、「COPY CHARGE PXVP435」(クラリアント社製)等が挙げられる。
トナー中の荷電制御剤の含有量は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点から、結着樹脂100重量部に対して、0.5〜5重量部が好ましく、1〜3重量部がより好ましい。
<他の成分>
本発明の製造方法により得られるトナーは、さらに、トナー中に、磁性粉、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を適宜含有していてもよい。
<トナー製造方法>
本発明のトナーは、溶融混練法、乳化凝集法、重合法等の従来より公知のいずれの方法によって得られたトナーであってもよいが、生産性の観点から、溶融混練法による粉砕トナーが好ましい。具体的には、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤、離型剤等の成分をヘンシェルミキサー等の混合機で均一に混合した後、溶融混練し、冷却後、粉砕、分級を行ってトナー母粒子を製造し、さらに外添剤と混合して、トナーを製造することができる。一方、トナーの小粒径化の観点からは、重合法や乳化凝集法等によるトナーが好ましい。
トナー成分の溶融混練は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機、オープンロール型混練機等の公知の混練機を用いて行うことができる。混練の繰り返しや分散助剤の使用をしなくても、結着樹脂に着色剤、荷電制御剤等のトナー成分を効率よく高分散させることができる観点から、ロールの軸方向に沿って設けられた供給口と混練物排出口を備えたオープンロール型混練機を用いることが好ましい。
トナー成分は、予めヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を用いて均一に混合した後、オープンロール型混練機に供することが好ましく、1箇所の供給口から混練機に供給してもよく、複数の供給口から分割して混練機に供給してもよいが、操作の簡便性及び装置の簡略化の観点からは、1箇所の供給口から混練機に供給することが好ましい。
オープンロール型混練機とは、混練部が密閉されておらず開放されているものをいい、混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、オープンロール型混練機は、少なくとも2本のロールを備えた混練機であることが望ましく、本発明に用いられるオープンロール型混練機は、周速度の異なる2本のロール、即ち、周速度の高い高回転側ロールと周速度の低い低回転側ロールとの2本のロールを備えた混練機である。本発明においては、着色剤、荷電制御剤等のトナー成分の結着樹脂への分散性を向上させる観点から、高回転側ロールは加熱ロール、低回転側ロールは冷却ロールであることが望ましい。
ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
高回転側ロールの原料投入側端部温度は100〜160℃が好ましく、低回転側ロールの原料投入側端部温度は30〜100℃が好ましい。
高回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、混練物のロールからの脱離防止の観点から、20〜60℃であることが好ましく、20〜50℃であることがより好ましく、30〜50℃であることがさらに好ましい。低回転側ロールは、原料投入側端部と混練物排出側端部の設定温度の差が、着色剤、荷電制御剤等のトナー成分の結着樹脂への分散性を向上させる観点から、0〜50℃であることが好ましく、0〜40℃であることがより好ましく、0〜20℃であることがさらに好ましい。
高回転側ロールの周速度は、2〜100m/分であることが好ましく、10〜75m/分がより好ましく、25〜50m/分であることがさらに好ましい。低回転側ロールの周速度は1〜90m/分が好ましく、5〜60m/分がより好ましく、15〜30m/分がさらに好ましい。また、2本のロールの周速度の比(低回転側ロール/高回転側ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。
ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよいが、混練シェアを高めるために、各ロールの表面には複数の螺旋状の溝が刻んであることが好ましい。
粉砕工程は、多段階に分けて行ってもよい。例えば、溶融混練物を、1〜5mm程度に粗粉砕した後、さらに所望の粒径に微粉砕してもよい。
粉砕工程に用いられる粉砕機は特に限定されないが、例えば、粗粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、ハンマーミル、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられる。また、微粉砕に好適に用いられる粉砕機としては、衝突板式ジェットミル、流動層式ジェットミル、回転型機械ミル等が挙げられる。粉砕効率の観点から、流動層式ジェットミルを用いることが望ましい。
分級工程に用いられる分級機としては、風力分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられる。分級工程の際、粉砕が不十分で除去された粉砕物は再度粉砕工程に供してもよい。
<外添剤A>
本発明において、外添剤として用いる外添剤Aは、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点から疎水化処理された疎水性シリカ粒子である。
外添剤A中の炭素量は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、及びトナーの耐熱保存性を向上させる観点から2.6重量%以上であり、2.7重量%以上が好ましく、2.8重量%以上がより好ましい。また、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、及びトナーの耐刷性を向上させる観点から、6.0重量%以下であり、5.8重量%以下が好ましく、5.6重量%以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、外添剤A中の炭素量は、2.6〜6.0重量%であり、2.7〜5.8重量%が好ましく、2.8〜5.6重量%がより好ましい。なお、外添剤A中の炭素量は、後述する実施例に記載されている方法により求めることができる。
外添剤A中の炭素量は、疎水化処理剤に由来するものである。疎水化処理剤としては、炭素量を高める観点から、オルガノポリシロキサンが好ましく、その中でもシリコーンオイルがより好ましい。
シリコーンオイルの25℃における動粘度は、疎水化処理工程においてシリコーンオイルの揮発性、引火性を抑制する観点から、50cSt以上が好ましく、シリカ表面に均一に付着させる観点から、10000cSt以下が好ましく、500cSt以下がさらに好ましい。
外添剤Aの平均粒子径は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、及びトナーの耐刷性を向上させる観点から、20nm以上であり、25nm以上が好ましく、28nm以上がより好ましい。また、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、及びトナーの耐刷性を向上させる観点から80nm以下であり、60nm以下が好ましく、50nm以下がより好ましい。これらの観点を総合すると、外添剤Aの平均粒子径は、20〜80nmであり、25〜60nmが好ましく、28〜50nmがより好ましい。平均粒子径は、後述する実施例に記載されている方法により求めることができる。
外添剤Aの含有量は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、及びトナーの耐刷性を向上させる観点から、トナー母粒子100重量部に対して、0.1重量部以上が好ましく、0.2重量部以上がより好ましく、0.3重量部以上がさらに好ましい。また、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、及びトナーの低温定着性を損なわない観点から、4.0重量以下が好ましく、3.0重量部以下がより好ましく、1.5重量部以下がさらに好ましく、1.0重量部以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、外添剤Aの含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.1〜4.0重量部が好ましく、0.2〜3.0重量部がより好ましく、0.2〜1.5重量部がさらに好ましく、0.3〜1.0重量部がよりさらに好ましい。
外添剤Aは、例えば、以下のようにして得られる。シリカ粒子を混合槽にいれ、室温で撹拌しながら、予め疎水化処理剤の必要量を溶剤で希釈した溶液を噴霧する。噴霧した後、シリカ粒子を撹拌しながら槽内を昇温し、さらに撹拌する。その後、冷却して、外添剤Aが得られる。
<外添剤B>
外添剤として、さらに平均粒子径6nm以上20nm未満の疎水性シリカ粒子(外添剤B)を含有することが好ましい。
外添剤Bの平均粒子径は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐刷性を向上させる観点及びトナーの耐熱保存性を向上させる観点から、6nm以上が好ましく、7nm以上がより好ましく、8nm以上がさらに好ましい。また、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点及びトナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点から、20nm未満が好ましく、18nm以下がより好ましく、17nm以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、外添剤Bの平均粒子径は、6nm以上20nm未満が好ましく、7〜18nmがより好ましく、8〜17nmがさらに好ましい。平均粒子径は、後述する実施例に記載されている方法により求めることができる。
<外添剤Aと外添剤Bの粒径差>
外添剤Aと外添剤Bの平均粒子径差は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐刷性を向上させる観点及び耐熱保存性を向上させる観点から、平均粒子径差は、10nm以上が好ましく、10〜70nmがより好ましく、10〜40nmがさらに好ましく、10〜30nmがよりさらに好ましい。
外添剤B中の炭素量は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐刷性を向上させる観点及びトナーの耐熱保存性を向上させる観点から、0.3重量%以上が好ましく、0.5重量%以上がより好ましく、0.7重量%以上がさらに好ましい。また、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐刷性を向上させる観点及び耐熱保存性を向上させる観点から、6.0重量%以下が好ましく、5.0重量%以下がより好ましく、4.0重量%以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、外添剤B中の炭素量は、0.3〜6.0重量%が好ましく、0.5〜5.0重量%がより好ましく、0.7〜4.0重量%がさらに好ましい。なお、外添剤B中の炭素量は、後述する実施例に記載されている方法により求めることができる。
外添剤Bの含有量は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐刷性を向上させる観点及びトナーの耐熱保存性を向上させる観点から、トナー母粒子100重量部に対して、0.2重量部以上が好ましく、0.4重量部以上がより好ましく、0.6重量部以上がさらに好ましい。また、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点及びトナーの低温定着性を損なわない観点から、4.0重量以下が好ましく、3.0重量部以下がより好ましく、2.0重量部以下がさらに好ましい。これらの観点を総合すると、外添剤Bの含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.2〜4.0重量部が好ましく、0.4〜3.0重量部がより好ましく、0.6〜2.0重量部がさらに好ましい。
<外添剤Aと外添剤Bの含有量>
外添剤Aと外添剤Bの合計の含有量は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、トナーの耐刷性を向上させる観点及びトナーの耐熱保存性を向上させる観点から、トナー母粒子100重量部に対して、0.3重量部以上が好ましく、0.6重量部以上がより好ましく、0.8重量部以上がさらに好ましく、1.0重量部以上がよりさらに好ましい。また、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点、及びトナーの低温定着性を損なわない観点から、6.0重量以下が好ましく、5.0重量部以下がより好ましく、4.0重量部以下がさらに好ましく、3.5重量部以下がよりさらに好ましい。これらの観点を総合すると、外添剤Aと外添剤Bの合計の含有量は、トナー母粒子100重量部に対して、0.3〜6.0重量部が好ましく、0.6〜5.0重量部がより好ましく、0.8〜4.0重量部がさらに好ましく、1.0〜3.5重量部がよりさらに好ましい。
<外添剤A/外添剤B比>
外添剤Aと外添剤Bの重量比[外添剤A/外添剤B]は、遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点から、90/10〜10/90が好ましく、70/30〜15/85がより好ましく、60/40〜20/80がさらに好ましく、40/60〜20/80がよりさらに好ましい。
<その他外添剤>
本発明のトナーは、外添剤Aや外添剤B以外の外添剤を、本発明の効果が損なわれない程度に適宜を含有してもよい。外添剤Aや外添剤B以外の外添剤としては、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化錫、酸化亜鉛等の無機微粒子や、メラミン系樹脂微粒子、ポリテトラフルオロエチレン樹脂微粒子等の有機微粒子が挙げられる。
外添剤中の外添剤Aと外添剤Bの合計の含有量は、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点から、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がさらに好ましく、実質的に100重量%がよりさらに好ましい。
<外添処理工程>
トナー母粒子と外添剤との混合には、回転羽根等の攪拌具を備えた混合機を用いることが好ましく、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速混合機が好ましく、ヘンシェルミキサーがより好ましい。
<2段階処理>
外添処理工程は2段階に分けて行うことができる。例えば、トナー母粒子と外添剤Aをヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の高速混合機にて外添処理を行い、外添処理後、その他の外添剤を高速混合機に投入して、再度外添処理を行う。外添剤の遊離外添剤量を低減し、感光体傷を抑制する観点、トナーの帯電安定性を向上させ、カブリを抑制する観点から、2段階処理が好ましく、外添剤の遊離量を低減し、感光体傷を抑制する観点から、外添剤Aは1段階目の処理に用いることが好ましい。従って、外添剤として、外添剤Aと外添剤Bを用いる場合は、
工程1:トナー母粒子と外添剤Aを混合する工程、及び
工程2:さらに外添剤Bと混合する工程
を行うことが好ましい。
<トナー母粒子の体積中位粒径>
トナー母粒子の体積中位粒径(D50)は、トナーの画像品質を向上させる観点から、3〜15μmが好ましく、4〜12μmがより好ましく、6〜9μmがさらに好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。また、トナーの体積中位粒径は、トナー母粒子の体積中位粒径と同じとする。
本発明のトナーは、そのまま一成分現像用トナーとして、又はキャリアと混合して用いられる二成分現像用トナーとして、それぞれ一成分現像方式又は二成分現像方式の画像形成装置に用いることができる。
〔樹脂の軟化点〕
フローテスター(島津製作所社製、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔樹脂のガラス転移温度〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、Q-100)を用いて、試料0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した。次に試料を昇温速度10℃/分で昇温し測定した。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とする。
〔樹脂の酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。但し、測定溶媒のみJIS K0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更する。
〔離型剤の融点〕
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、DSC Q20)を用いて昇温速度10℃/分で200℃まで昇温し、その温度から降温速度5℃/分で-10℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で180℃まで昇温し、そこで得られた融解吸熱カーブから観察される吸熱の最高ピーク温度を離型剤の融点とする。
〔外添剤の平均粒子径〕
一次粒子の平均粒子径を下記式より求める。
平均粒子径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000
式中、ρは外添剤の真比重であり、シリカの真比重は2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。疎水化処理された外添剤の場合は、疎水化処理前の原体の比表面積とする。なお、上記式は、粒子径Rの球と仮定して、
比表面積=S×(1/m)
m(粒子の重さ)=4/3×π×(R/2)3×真比重
S(表面積)=4π(R/2)2
から得られる式である。
〔外添剤の炭素量〕
外添剤0.05gを12×9×60mmの燃焼ボートにのせ、その上に燃焼補助剤としてスズ粉末0.5gをかぶせる。固体中炭素分析装置(堀場製作所社製:EMIA-110型)を用いて、MeasurementをAUTOに設定し、外添剤及び燃焼助剤を入れた燃焼ボートを、炉内温度1200℃、炉内圧力0.08Mpaの条件にて、酸素雰囲気中120秒間燃焼し、炭素含有量を測定する。
〔シリコーンオイルの25℃における動粘度〕
シリコーンオイルをオストワルド粘度計に入れ、25℃の高温槽にて系内の温度を25℃に調整する。その後、シリコーンオイルの流下速度を測定し、動粘度を求める。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させる。
分散条件:前記分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、前記電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記電解液100mlに、3万個の粒子の粒径を20秒間で測定できる濃度となるように、前記試料分散液を加え、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
[樹脂製造例]
表1に示す原料モノマー及びエステル化触媒・助触媒を、温度計、ステンレス製攪拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した5リットルの四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気にてマントルヒーター中で、180℃まで昇温した後、210℃まで5時間かけて昇温を行った。その後210℃にて反応率が95%以上に到達したのを確認し、40kPaにて表1に記載の軟化点に達するまで反応を行って、樹脂L−1、L−2、H−1、H−2を得た。なお、反応率とは、生成反応水量/理論生成水量×100の値をいう。
Figure 2013205609
[外添剤製造例]
外添剤製造例1[外添剤A1]
平均一次粒子径40nmのシリカ原体100重量部を混合槽内で20℃にて撹拌し、窒素雰囲気下、シリコーンオイル(信越化学工業社製 KF-96-100cs、25℃における動粘度:99cst)8重量部を20重量部のn-ヘキサン溶媒に希釈した溶液を噴霧した。撹拌を続けながら槽内を105℃まで昇温し2時間維持し、その後、20℃まで冷却して、表2に示す外添剤A1を得た。
外添剤製造例2[外添剤A2]
シリコーンオイルの添加量を10重量部に変更した以外は、外添剤製造例1と同様にして表2に示す外添剤A2を得た。
外添剤製造例3[外添剤A3]
シリコーンオイルの添加量を20重量部に変更した以外は、外添剤製造例1と同様にして表2に示す外添剤A3を得た。
外添剤製造例4[外添剤a6]
シリコーンオイルの添加量を7重量部に変更した以外は、外添剤製造例1と同様にして表2に示す外添剤a6を得た。
外添剤製造例5[外添剤a7]
シリコーンオイルの添加量を23重量部に変更した以外は、外添剤製造例1と同様にして表2に示す外添剤a7を得た。
実施例、比較例に用いた外添剤の物性を表2に示す。
Figure 2013205609
[トナー製造例]
実施例1〜9及び比較例1〜4
表3に示す所定量の結着樹脂と、着色剤「Mogul-L」(キャボット社製、カーボンブラック)4.0重量部、荷電制御剤「T-77」(保土ヶ谷化学社製、含金属アゾ染料)2.0重量部及び離型剤「HNP-9」(日本精鑞社製、パラフィンワックス、融点:75℃)3.0重量部を、ヘンシェルミキサーを用いて1分間混合後、以下に示す条件で溶融混練した。
連続式二本オープンロール型混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製、ロール外径:14cm、有効ロール長:80cm)を使用した。連続式二本オープンロール型混練機の運転条件は、高回転側ロール(フロントロール)周速度32.4m/分、低回転側ロール(バックロール)周速度21.7m/分、ロール間隙0.1mmであった。ロール内の加熱媒体温度及び冷却媒体温度は、高回転側ロールの原料投入側が135℃及び混練物排出側が90℃であり、低回転側ロールの原料投入側が35℃及び混練物排出側が35℃であった。また、原料混合物の供給速度は4kg/時間、平均滞留時間は約6分間であった。
混練物を冷却後、ロートプレックス(東亜機械社製)を用いて平均粒子径1mmに粗粉砕した。得られた粗粉砕物を流動層式ジェットミル粉砕機AFG-200(アルピネ社製)にて微粉砕し、ロータ式分級機TTSP-100(アルピネ社製)にて分級して、体積中位粒径(D50)が7.0μmのトナー母粒子を得た。
得られたトナー母粒子100重量部と、表3に示す所定量の外添剤をヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて2100r/分(周速度29m/秒)で3分間混合して、トナーを得た。
実施例10
外添処理工程を以下のように変更した以外は実施例2と同様にして、トナーを得た
得られたトナー母粒子100重量部と外添剤A2 1.0重量部とをヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて2100r/分(周速度29m/秒)で1分間混合した。次に、外添剤B1 1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)にて2100r/分(周速度29m/秒)で2分間混合して、トナーを得た。
比較例5、6
外添剤A2を、比較例5では外添剤a5に、比較例6では外添剤a7に変更した以外は、実施例10と同様にして、トナーを得た。
〔試験例1:カブリ〕
有機感光体(OPC)を備えた非磁性一成分現像装置「MicroLine 5400」(沖データ社製)に各実施例及び各比較例のトナーを実装し、印字率10%で2000枚印字を行った。印字後、トナーカートリッジを新しいものと交換し、10%の印字率で100枚印字を行った。次に、新旧のトナーが十分に混合した状態で、白紙(印字率0%)印字を5枚行い、その後、感光体表面のトナーを「Scotch(登録商標)メンディングテープ 810」(住友スリーエム社製、幅:18mm)にて付着させ、トナーを付着させる前のテープ自身の画像濃度との差を測定した。測定には色差計「X-Rite」(X-Rite社製)を使用した。値が小さいほど、カブリが抑制されている。
〔試験例2:感光体傷〕
試験例1と同様の装置に各実施例及び各比較例のトナーを実装し、印字率5%で5000枚印字を行なった。その後、同様に各トナーを充填した新しいトナーカートリッジに3回交換を行ない、総枚数で2万枚印刷を行なった。印刷後、感光体ユニットをイメージドラムから取り外し、感光体ユニット上の感光体傷の観察を行い、感光体傷の発生数をカウントした。
Figure 2013205609
表3の結果から明らかなように、実施例1〜9のトナーは、比較例1〜4のトナーに比べ、カブリ及び感光体傷が抑制されている。
Figure 2013205609
表4の結果から、トナー母粒子を外添剤Aと処理し、続いて外添剤Bで処理する2段処理方法で得たトナーの方がカブリ及び感光体傷が抑制されていることがわかる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂を含有するトナー母粒子及び外添剤を含有してなる静電荷像現像用トナーであって、結着樹脂がフラン環を有するポリエステルAを含有し、外添剤が下記式(1)で求められる平均粒子径20〜80nm、炭素量2.6〜6.0重量%の疎水性シリカ粒子(外添剤A)を含有する静電荷像現像用トナー。
    平均粒子径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000 (1)
    (式中、ρはシリカの真比重2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。)
  2. フラン環を有するポリエステルAが、原料モノマーとして少なくともフラン環を有するカルボン酸化合物を含むカルボン酸成分及び/又はフラン環を有するアルコールを含むアルコール成分を用い、カルボン酸成分とアルコール成分とを縮重合させて得られるポリエステルである、請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. フラン環を有するカルボン酸化合物とフラン環を有するアルコールとの合計量が、結着樹脂中のすべてのポリエステルのカルボン酸成分とアルコール成分との合計量中、15〜80モル%である、請求項2記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 結着樹脂が、軟化点が125〜160℃であるポリエステルHと、軟化点が90〜125℃であるポリエステルLを含有してなり、ポリエステルHとポリエステルLの軟化点の差が10℃以上であり、ポリエステルH及びポリエステルLの少なくともいずれか一方がフラン環を有するポリエステルAである、請求項1〜3いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  5. フラン環を有するポリエステルAの含有量が、結着樹脂中、30重量%以上である、請求項1〜4いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 外添剤が、さらに平均粒子径6nm以上20nm未満の疎水性シリカ粒子(外添剤B)を含有し、外添剤Aと外添剤Bの平均粒子径の差が10nm以上である、請求項1〜5いずれか記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 少なくとも結着樹脂を含有するトナー母粒子及び外添剤からなる静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    工程1:トナー母粒子と外添剤Aを混合する工程、及び
    工程2:さらに外添剤Bと混合する工程
    を含み、
    前記結着樹脂がフラン環を有するポリエステルAを含有し、外添剤Aが下記式(1)で求められる平均粒子径が20〜80nm、炭素量が2.6〜6.0重量%の疎水性シリカ粒子であり、外添剤Bが下記式(1)で求められる平均粒子径6nm以上20nm未満の疎水性シリカ粒子であり、外添剤Aと外添剤Bの平均粒子径の差が10nm以上である、静電荷像現像用トナーの製造方法。
    平均粒子径(nm)=6/(ρ×比表面積(m2/g))×1000 (1)
    (式中、ρはシリカの真比重2.2である。比表面積は、窒素吸着法により求められたBET比表面積である。)
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