JP4051039B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナーの製造方法に関する。
トナーは、結着樹脂中に顔料等の着色剤、ワックス、荷電制御剤等を微分散させて製造されており、これら成分の分散状態がトナーの性能に影響する。したがって、これらの分散性を向上させる方法が従来から検討されている。
溶融混練工程においては、オープンロール型連続混練機を用いる方法が知られている(特許文献1、2参照)。しかしながら、かかるオープンロール型連続混練機による方法は、着色剤やワックスの高分散を目的としたものである。
一方、荷電制御剤はトナーの帯電量を安定化し、安定な印刷を行うために配合されているがその性能は分散性に大きく影響されるにもかかわらず、分散性の劣る、粒径の大きな荷電制御剤を含有している場合、荷電制御剤を十分に分散できない場合がある。
特開2000−75543号公報(請求項1) 特開2000−75548号公報(請求項1)
本発明の目的は、分散が困難な荷電制御剤を用いても、荷電制御剤の分散性に優れた、帯電量が安定なトナーを簡便に製造する方法を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、結着樹脂及び荷電制御剤を含む原料を混合する工程において、混合中の発熱を抑制しながら、荷電制御剤の凝集物を効率よく粉砕しながら混合するトナーの製造方法を提供することにある。
本発明は、結着樹脂及び平均粒径が5〜100μmの荷電制御剤を含む原料を混合する工程(A)、及び該工程(A)により得られた混合物を溶融混練する工程(B)を有するトナーの製造方法であって、前記工程(A)が単一の又は複数の混合工程からなり、荷電制御剤を結着樹脂100重量部に対して2〜20重量部の割合で混合する工程を少なくとも含む、トナーの製造方法に関する。
本発明により、分散が困難な荷電制御剤を用いても、荷電制御剤の分散性に優れた、帯電量が安定なトナーを簡便に製造することができる。さらに、本発明においては、結着樹脂及び荷電制御剤を含む原料を混合する工程において、混合中の発熱を抑制しながら、荷電制御剤の凝集物を効率よく粉砕しながら混合することができる。
本発明に用いられる結着樹脂は、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステルとスチレン−アクリル樹脂の混合樹脂、2種以上の樹脂成分が部分的に化学結合したハイブリッド樹脂等が挙げられるが、荷電制御剤の分散性の観点から、ポリエステルを主成分とすることが好ましい。結着樹脂中のポリエステルの含有量は、50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましい。なお、ハイブリッド樹脂としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等の縮重合系樹脂とビニル重合系樹脂等の付加重合系樹脂とが化学的に結合した樹脂が好ましく、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
ポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
本発明により得られるトナーを正帯電性トナーとして使用する場合、ポリエステルの酸価は、0.5〜15mgKOH/gが好ましく、1〜12mgKOH/gがより好ましく、1.5〜10mgKOH/gが特に好ましい。
また、トナーを負帯電性トナーとして使用する場合、ポリエステルの酸価は、5〜40mgKOH/gが好ましく、10〜35mgKOH/gがより好ましく、15〜30mgKOH/gが特に好ましい。
また、ポリエステルの軟化点は、80〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましい。
ポリエステルは、単独の樹脂であっても、2種以上の樹脂の混合物であってもよい。例えば、酸価の異なる2種の樹脂を混合し、トナーに要求される帯電性に合わせて、ポリエステル全体の酸価が前記範囲内となるように調整してもよい。
本発明に用いられる荷電制御剤の平均粒径は、5〜100μmであり、好ましくは5〜50μmである。かかる平均粒径を有する荷電制御剤は、凝集力が強いため、トナー中の分散性に劣り、トナーの帯電量の分布に差が生じ易くなるが、本発明では、均一に分散させることができる。なお、荷電制御剤の平均粒径は後述する測定方法により求めることができる。
本発明に用いられる荷電制御剤としては、具体的には、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤と、含金属アゾ染料、芳香族ヒドロキシカルボン酸金属錯体、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、有機ホウ素化合物等の負帯電性荷電制御剤が挙げられ、これらはトナーの帯電性に応じてそれぞれ単独で用いられていても、混合して用いられていてもよいが、本発明では、特に、帯電立ち上がり性が良好なことから、式(I):
Figure 0004051039
(式中、X+ はカチオン、nは1又は2の整数を示す)
で表される有機ホウ素化合物が好ましい。
式(I)において、Xn+で示されるカチオンとしては、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン等が挙げられ、これらの中では、帯電安定性の観点から、アルカリ金属が好ましい。
式(I)で表される有機ホウ素化合物の市販品としては、「LR−147」(日本カーリット社製、ベンジル酸ホウ素化合物、Xn+:カリウム(K+ ))等がある。
荷電制御剤の配合量は、得られるトナー中の含有量が、結着樹脂100重量部に対して、帯電安定性の観点から、好ましくは0.5重量部以上、より好ましくは1重量部以上であり、帯電立ち上がり性の観点から、好ましくは2重量部未満、より好ましくは1.8重量部以下となるように、調整することが好ましい。
本発明では、前記特定の荷電制御剤以外の荷電制御剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜使用してもよい。
本発明においては、さらに、着色剤、離型剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を原料として配合してもよい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明により製造するトナーは、黒トナー、モノカラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。
着色剤の配合量は、得られるトナー中の含有量が、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1〜40重量部、より好ましくは3〜10重量部となるように、調整することが好ましい。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、特に限定されないが、本発明では、後述するヒドロキシ酸エステルを含有したワックスが好ましい。
ヒドロキシ酸エステルを含有したワックスとしては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然ワックス、セリル−ω−ヒドロキシセロテート(Ceryl-ω-hydroxycerotate) 、セリル−ω−ヒドロキシメリセート(Ceryl-ω-hydroxymelissate)、ミリシル−ω−ヒドロキシメリセート(Myricyl-ω-hydroxymelissate)等のヒドロキシ酸エステルを含有した合成ワックス等が挙げられる。ワックスにおけるヒドロキシ酸エステルの含有量は、20重量%以上が好ましく、30重量%以上がより好ましく、40重量%以上が特に好ましく、50重量%以上が最も好ましい。
ヒドロキシ酸エステルを含有したワックスの融点は、保存性及び耐オフセット性の観点から、好ましくは65〜110℃、より好ましくは70〜100℃である。
さらに、本発明による効果は、ワックスを多量に含有した、オイルレス定着に用いられるトナーを製造する場合により顕著に発揮される。また、工程数を削減し、生産効率を高める観点から、ワックスは、混合に供する原料に含まれているのが好ましい。
離型剤の配合量は、得られるトナー中の含有量が、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは2〜30重量部、より好ましくは3〜25重量部、さらに好ましくは5〜20重量部となるように、調整することが好ましい。
なお、ヒドロキシ酸エステルを含有したワックスを用いる場合は、ヒドロキシ酸エステルの量が、耐オフセット性及び定着性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部以上、より好ましくは2〜25重量部、特に好ましくは2.5〜20重量部となるように、ワックスの使用量を調整するのが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、原料を混合する工程(A)及び工程(A)により得られた混合物を溶融混練する工程(B)を少なくとも有するものである。
工程(A)は、結着樹脂及び特定の平均粒径の荷電制御剤を含む原料を混合する工程であり、単一の又は複数の混合工程からなるものであるが、荷電制御剤を結着樹脂に対し特定の割合で混合する工程を少なくとも含む点に大きな特徴を有する。
即ち、工程(A)は、荷電制御剤を結着樹脂100重量部に対して2〜20重量部、好ましくは2〜10重量部、より好ましくは2〜5重量部の割合で混合する工程を含む。このように、粒径の大きな荷電制御剤を、ある程度高い配合比率で結着樹脂と混合することにより、混合物中の荷電制御剤の凝集物が結着樹脂との衝突や接触により効率的に粉砕されながら混合されるとともに、結着樹脂同士を混合する際の発熱を制御することができる。これは、荷電制御剤が結着樹脂間で滑剤として作用し、結着樹脂のみを混合する場合に比較して、混合時の発熱が抑制されるためと推定される。
工程(A)は、単一の混合工程からなるものであっても、複数の混合工程からなるものであってもよいが、本発明により、荷電制御剤の含有量が、結着樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上2重量部未満であるトナーを製造する場合、工程(A)は複数の複数の混合工程からなる。複数の混合工程を行う場合、生産効率の観点から連続して行うことが好ましい。
工程(A)が複数の混合工程からなる場合、荷電制御剤を前記の特定の割合で結着樹脂と混合する工程は、いずれの工程で行ってもよいが、1段目の混合工程となる初期混合時、即ち仕込み時に行うことが、発熱を抑えながら、前記荷電制御剤の粉砕時間を長くすることができる観点から、好ましい。混合工程の回数は、操作を煩雑にすることなく、荷電制御剤を効率的に粉砕する観点から、2〜5回が好ましく、2〜3回がより好ましい。
また、結着樹脂及び荷電制御剤、さらに必要に応じて使用される着色剤、離型剤等の添加剤は、荷電制御剤を上記の特定の割合で結着樹脂と混合する工程を有していれば、いずれの工程で混合してもよく、また、一度に混合しても分割して混合してもよい。例えば、離型剤は、工程数を削減し、生産効率を高める観点から、初期混合時の原料に含まれていることが好ましい。
本発明において、混合工程に用いられる混合機としては、攪拌羽根を備えた公知の混合機、例えば、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等を特に限定することなく用いることができる。攪拌羽根の周速は、荷電制御剤の分散性、分散効率の向上及び混合物の過度な温度上昇の防止の観点から、15〜40m/sが好ましく、18〜30m/sがより好ましい。
本発明では、荷電制御剤の分散性向上及び原料の溶融防止の観点から、結着樹脂、荷電制御剤等を含む原料を、〔装置フルード数×攪拌時間(s)〕の値(以下、Fr・t値という)が75,000〜400,000、好ましくは80,000〜300,000、より好ましくは85,000〜260,000となる条件下で、混合することが好ましい。
なお、本発明において、フルード数(Fr)は、
Figure 0004051039
により求められる。
攪拌羽根としては、ST羽根、Y1 羽根、Zo羽根、SR羽根、CK羽根、Po羽根、VS/VL羽根、Y1 特羽根、PE羽根、Yo羽根(以上、三井鉱山社製)等の上羽根、Ao羽根、So羽根、Bo羽根(以上、三井鉱山社製)等の下羽根、CD/CD羽根、CR/CA羽根(以上、三井鉱山社製)等の上下羽根が挙げられるが、これらの中では、分散性を向上させる観点から、上羽根としてST羽根、下羽根としてAo羽根の組み合わせが好ましい。
混合時の、混合物の温度は、混合物の融着を防止する観点から、結着樹脂やワックスの軟化温度以下にコントロールすることが好ましく、通常は20〜50℃程度が好ましい。20℃以上であれば混合物の温度コントロールが容易であり、50℃以下であれば混合物の融着が防止できる。
混合物の温度は、混合機側面および底面のジャケットに冷却水等の媒体を循環させながら混合することで、コントロールすることができ、通常は混合熱による混合物の温度上昇を抑制するため、冷却操作を行いながら混合する。
したがって、混合中の混合物の温度上昇を抑制する観点から、本発明の多段混合方法は、混合機の容量が大きい程、すなわち混合物単位重量当たりの伝熱面積が小さい混合機程有効となる。具体的には、混合機の混合容量は100〜3,000Lが好ましく、300〜3,000Lがより好ましい。
本発明において、工程(B)は、工程(A)により得られた混合物を溶融混練する工程である。
混合物の溶融混練には、オープンロール型連続混練機を用いることが好ましい。オープンロール型連続混練機を用いることにより、荷電制御剤の分散性をさらに向上させることができ、トナーの荷電制御が容易となる。さらに、ワックスを使用する場合は、ワックスの微分散が可能となるため、特に、ワックスを多量に含有した原料を用いる場合は、成分層の分離も防止することができる。
本発明で用いるオープンロール型連続混練機としては、回転速度の異なる2本のロールを有する二本ロール型混練機であるのが好ましい。
ロールの回転速度は、回転速度が速い方のロール(高回転ロール)では、50〜150r/minが好ましく、50〜100r/minがより好ましい。また、回転速度が遅い方のロール(低回転ロール)では、高回転ロールの回転速度よりも、10〜75r/min、より好ましくは10〜30r/min低回転であるのが好ましい。
混練物が高回転ロールに張りつきやすくするために、高回転ロールの原料投入側の温度は結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも高く、低回転ロールの温度は結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも低く調整されているのが好ましい。
高回転ロールの原料投入側の温度は、結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれかの高い方の温度よりも、0〜80℃高いことがより好ましく、5〜50℃高いことが特に好ましい。また、低回転ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及びワックスの融点のいずれの温度よりも低いことが好ましく、そのいずれかの低い方の温度よりも、0〜80℃低いことがより好ましく、40〜80℃低いことが特に好ましい。
高回転ロールと低回転ロールの温度の差は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。なお、ロールの温度は、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
2本のロールは互いに近接して配設されているのが好ましく、ロールの間隙は、0.01〜5mmが好ましく、0.05〜2mmがより好ましい。
ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよい。
次いで、得られた混練物を、粉砕可能な硬度に達するまで冷却した後、粉砕し、必要に応じて、分級することにより、トナーを得ることができる。本発明により得られるトナーの体積平均粒子径は、3〜15μmが好ましい。さらに、トナーの製造段階で得られる粗粉砕物やトナーの表面に、疎水性シリカ等の流動性向上剤等を外添してもよい。
本発明により得られるトナーは、荷電制御剤の分散性が非常に優れたものである。従って、かかるトナーを電子写真法、静電印刷法および磁気記録法等の印刷法に使用することにより、トナーの発色に優れ、印刷機内の感光体へのフィルミングもなく、トナーの帯電量が安定することから安定な画像を得ることができる。
〔酸価及び水酸基価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔ガラス転移点及び融点〕
示差走査熱量計「DSC210」(セイコー電子工業(株)製)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
〔荷電制御剤の平均粒径〕
走査型電子顕微鏡(SEM)による写像から、荷電制御剤の粒子を無作為に20個抽出する。抽出した粒子の長径を測定し、それらの平均値を荷電制御剤の平均粒径とする。
樹脂製造例1
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン10800g、ポリオキシプロピレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン4300g、テレフタル酸4500g及びn−ドデセニル無水コハク酸630gを窒素雰囲気下、230℃で攪拌し、反応により生成する水が流出しなくなった時点で、無水トリメリット酸1880gを添加し、ASTM D36−86に準拠して測定した軟化点が130℃に達するまで反応させて、樹脂Aを得た。樹脂Aのガラス転移点は74℃、酸価は25mgKOH/g、水酸基価は26mgKOH/gであった。
樹脂製造例2
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン12250g、ポリオキシプロピレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン21125g、テレフタル酸14940g及び酸化ジブチル錫15gを窒素雰囲気下、230℃で攪拌し、ASTM D36−86に準拠して測定した軟化点が121℃に達するまで反応させて、樹脂Bを得た。樹脂Bのガラス転移点は66℃、酸価は3.4mgKOH/g、水酸基価は23.4mgKOH/gであった。
実施例1
500L容のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)に、まず樹脂A 15.7kg、樹脂B 47.2kg、荷電制御剤(商品名:LR−147、日本カーリット(株)製、平均粒径50μm)1.9kg及びワックス(商品名:カルナバワックスC1、(株)加藤洋行製、ヒドロキシ酸エステルの含有量:53〜55重量%、融点:約87℃)9.4kgを供給し(結着樹脂100重量部に対する荷電制御剤の混合量:3重量部)、攪拌羽根の回転数540r/min(周速:24.6m/s)で1250秒間混合した。このときのFr・t値は88,000であった。次に、着色剤(商品名:カーミン6B、大日精化工業(株)製)6.3kg及び樹脂A 94.5kgを追加供給し(結着樹脂100重量部に対する荷電制御剤の混合量:1.2重量部)、攪拌羽根の回転数420r/min(周速:19.1m/s)で400秒間混合し、175kgの混合物を得た。混合中の混合物の温度は、25〜45℃であった。また、混合機のジャケットには、終始15℃の冷却水を循環した。
得られた混合物をオープンロール型連続混連機で溶融混練した。使用したオープンロール型連続混練機は、ロール外径が0.14m、有効ロール長が0.8mのものであり、運転条件は、高回転側ロール(前ロール)の回転数が75r/min、低回転側ロール(後ロール)の回転数が15r/min、ロール間隙が0.1mmであった。ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、高回転ロールの原料投入側の温度を150℃、混練物排出側の温度を115℃、低回転ロールの原料投入側の温度を35℃及び混練物排出側の温度を30℃に設定した。また、原料混合物の供給速度は10kg/時であった。
次に、溶融混練により得られた混練物を、ロートプレックスにて粗砕し、さらに得られた粗砕物8kgと疎水性シリカ「R−972」(日本アエロジル社製)56gとをヘンシェルミキサーで1分間攪拌混合した。
得られた攪拌混合物を、衝突板式粉砕機及びディスパージョンセパレータを用いて粉砕、分級を行い、体積平均粒子径が約8.0μmの粉体を得た。
得られた粉体1.5kgと、シリコーンオイルで疎水化処理されたシリカ「Si−N」(日本アエロジル社製)5.3g、ジクロロジメチルシランで疎水化処理されたシリカ「R−972」(日本アエロジル社製)7.5g及びヘキサメチルジシラザンで疎水化処理されたシリカ「WACKER H13TM」(クラリアントジャパン社製)7.5gとを、ヘンシェルミキサーにて3000r/minで10分間混合し、得られた混合物を、目開き105μmの振動篩にかけて、マゼンタトナーを得た。
実施例2
500L容のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)に、まず樹脂A 60kg、荷電制御剤(商品名:LR−147、日本カーリット(株)製)10kg及びワックス(商品名:カルナバワックスC1、(株)加藤洋行製)3.8kgを供給し(結着樹脂100重量部に対する荷電制御剤の混合量:16.7重量部)、攪拌羽根の回転数540r/min(周速:24.6m/s)で1250秒間混合し73.8kgの混合物を得た。このときのFr・t値は88,000であった。次に、前記混合物14kg、樹脂A 98.8kg、樹脂B 47.2kg、着色剤(商品名:カーミン6B、大日精化工業(株)製)6.3kg及びワックス(商品名:カルナバワックスC1、(株)加藤洋行製)8.68kgを追加供給し(結着樹脂100重量部に対する荷電制御剤の混合量:1.2重量部)、攪拌羽根の回転数420r/min(周速:19.1m/s)で400秒間混合し175kgの混合物を得た。混合中の混合物の温度は、25〜45℃であった。また、混合機のジャケットには、終始15℃の冷却水を循環した。
得られた混合物を、実施例1と同様に方法で処理し、マゼンタトナーを得た。
比較例1
実施例1で用いた結着樹脂、荷電制御剤、ワックス及び着色剤の全てを一括で混合し、攪拌羽根の回転数650r/min(周速:29.6m/s)で混合した(結着樹脂100重量部に対する荷電制御剤の混合量:1.2重量部)以外は実施例1と同様にして混合を開始した。混合開始後、360秒で混合物の温度が60℃に達し、混合を停止した。ヘンシェルミキサー内を確認したところ一部の混合物が、ヘンシェルミキサーの攪拌羽根に融着していた。
比較例2
混合中の温度上昇を抑制するため、攪拌羽根の回転数を200r/min(周速:9.1m/s)で混合を開始した以外は、比較例1と同様に行った。1650秒間混合し、175kgの混合物を得た。混合中の混合物の温度は、25〜35℃であった。
得られた混合物を実施例1と同様の方法で処理し、マゼンタトナーを得た。
比較例3
500L容のヘンシェルミキサー(三井鉱山(株)製)に、まず樹脂A 60kg、荷電制御剤(商品名:LR−147、日本カーリット(株)製)15kg及びワックス(商品名:カルナバワックスC1、(株)加藤洋行製)3.8kgを供給し(結着樹脂100重量部に対する荷電制御剤の混合量:25重量部)、攪拌羽根の回転数540r/min(周速:24.6m/s)で1250秒間混合し78.8kgの混合物を得た。このときのFr・t値は88,000であった。次に、前記混合物10kg、樹脂A 102.6kg、樹脂B 47.2kg、着色剤(商品名:カーミン6B、大日精化工業(株)製)6.3kg及びワックス(商品名:カルナバワックスC1、(株)加藤洋行製)8.92kgを追加供給し(結着樹脂100重量部に対する荷電制御剤の混合量:1.2重量部)、攪拌羽根の回転数420r/min(周速:19.1m/s)で400秒間混合し175kgの混合物を得た。混合中の混合物の温度は、25〜45℃であった。また、混合機のジャケットには、終始25℃の冷却水を循環した。
得られた混合物を実施例1と同様の方法で処理し、マゼンタトナーを得た。
試験例
実施例1、2、比較例2、3で得られたトナーを用い、以下の方法により、帯電量の経時変化を調べた。
(1) トナー1.5gとキャリア48.5gの計50gを50mL(直径約34mm)のポリビンに計量した。ここで使用するキャリアは、パウダーテック(株)製の平均粒径が100μmのシリコーンコートフェライトキャリアである。
(2) 該ポリビン内の混合物を、270r/minのボールミルで混合した。
(3) 所定の時間(60秒後及び600秒後)でポリビンから混合物を取り出し、エッピング社製のq/mメータにて帯電量を測定した。
(4) 混合から60秒後の帯電量と600秒後の帯電量の差を算出した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0004051039
以上の結果より、実施例1、2のトナーは、混合から60秒後の帯電量と600秒後の帯電量の差が小さく、帯電量が安定していることが分かる。
本発明により得られるトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (5)

  1. 結着樹脂及び平均粒径が50〜100μmの荷電制御剤を含む原料を混合する工程(A)、及び該工程(A)により得られた混合物を溶融混練する工程(B)を有するトナーの製造方法であって、前記工程(A)が複数の混合工程からなり、荷電制御剤を結着樹脂100重量部に対して2〜20重量部の割合(A1)で混合する工程を少なくとも含み、得られたトナー中の荷電制御剤の含有量(A2)が、結着樹脂100重量部に対して、0.5重量部以上2重量部未満である、トナーの製造方法。
  2. 工程(A)に供する原料中にさらに離型剤が含有されており、得られたトナー中の離型剤の含有量が、結着樹脂100重量部に対して、5〜20重量部である請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 工程(A)において、攪拌羽根の周速が15〜40m/sの混合機により、原料を混合する請求項1又は2記載のトナーの製造方法。
  4. 荷電制御剤が式(I):
    Figure 0004051039
    (式中、X+ はカチオン、nは1又は2の整数を示す)
    で表される有機ホウ素化合物である請求項1〜3いずれか記載のトナーの製造方法。
  5. 工程(B)をオープンロール型連続混練機を用いて行う請求項1〜4いずれか記載のトナーの製造方法。
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