JP2006308958A - トナーの製造方法 - Google Patents

トナーの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006308958A
JP2006308958A JP2005132933A JP2005132933A JP2006308958A JP 2006308958 A JP2006308958 A JP 2006308958A JP 2005132933 A JP2005132933 A JP 2005132933A JP 2005132933 A JP2005132933 A JP 2005132933A JP 2006308958 A JP2006308958 A JP 2006308958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
fatty acid
metal salt
acid metal
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005132933A
Other languages
English (en)
Inventor
Manabu Suzuki
学 鈴木
Shinichi Sata
晋一 佐多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2005132933A priority Critical patent/JP2006308958A/ja
Publication of JP2006308958A publication Critical patent/JP2006308958A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】定着性に優れ、転写効率が高く、カブリの少ないトナー及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び着色剤を含有した原料を溶融混練する工程(I)、該工程(I)で得られた混練物を冷却し、粉砕する工程(II)、並びに該工程(II)で得られた粉砕物を分級する工程(III)を有するトナーの製造方法であって、前記工程(II)における粉砕の少なくとも一部を脂肪酸金属塩の存在下で行うトナーの製造方法、並びに該方法により得られるトナーであって、脂肪酸金属塩の歩留りが、工程(II)において使用した脂肪酸金属塩の40重量%以上であるトナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー及びその製造方法に関する。
電子写真方式による印字方法では一般に、感光体上に潜像を形成し、該潜像にトナーを付着させて現像し、紙等の印字媒体にトナー画像を転写した後、転写したトナー画像を熱や圧力により印字媒体に定着させる。転写工程において印字媒体に転写されず、感光体上に残存したトナーは種々の方法によりクリーニングされ、通常は、クリーナーにより排出されたり、トナーボックス内に戻されたりして、上述の工程が繰り返される。従って、転写効率の悪いトナーはトナーの廃棄量を多くするだけでなく、クリーニングされずに感光体上に残存すると、画像の乱れ、カブリ等を引き起こす原因となり得る。
トナーの転写効率を向上する手段として、トナーに球形化処理を施す方法、脂肪酸金属塩をトナー表面に外添する又は溶融混練時に内添する方法等が知られている。これらの中で、脂肪酸金属塩は、トナー粒子表面に露出させることで感光体からのトナーの離型性を上げることができるため、トナーの転写効率の向上に有効である。しかしながら、脂肪酸金属塩は一次粒子径が大きく、それ自身の凝集力も強いことから、粗大粒子が発生し易く、均一にトナー表面に存在させることが困難である。脂肪酸金属塩がトナー表面上に凝集粒子として存在すると、感光体上に凝集した粗大粒子が付着して画質を乱す、トナー表面からの遊離によりその効果が低減する等の問題が発生しやすい。
これらの問題を解決するための技術として、球形化したトナーに脂肪酸金属塩を外添する技術(特許文献1参照)、脂肪酸金属塩で被覆した微粒子をトナーに外添する技術(特許文献2参照)等が報告されている。
また、外添剤をトナーに添加する技術として、平均粒径100nm以下の流動化付与剤を微粉砕前に粗粉砕物と混合して微粉砕を行うトナーの製造方法(特許文献3参照)がある。
一方、トナーの定着性を向上させるために、トナーに使用する結着樹脂の軟化点の調整や、ワックスの種類の選択等がなされているが、これまで外添剤を添加して定着性を向上させる方法はほとんど検討されていない。
特開2004−326049号公報 特開平5−241367号公報 特開2002−131979号公報
本発明の課題は、定着性に優れ、転写効率が高く、カブリの少ないトナー及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、原料を溶融混練し、粉砕し、分級するトナーの製造方法において、原料の混練物を、脂肪酸金属塩の存在下で粉砕することで、球形化処理や特別な外添剤を用いることなく、転写性に優れ、カブリが抑制され、さらに定着性にも優れたトナーが得られることを見出した。
本発明は、
〔1〕 結着樹脂及び着色剤を含有した原料を溶融混練する工程(I)、該工程(I)で得られた混練物を冷却し、粉砕する工程(II)、並びに該工程(II)で得られた粉砕物を分級する工程(III)を有するトナーの製造方法であって、前記工程(II)における粉砕の少なくとも一部を脂肪酸金属塩の存在下で行うトナーの製造方法、並びに
〔2〕 前記〔1〕記載の方法により得られるトナーであって、脂肪酸金属塩の歩留りが、工程(II)において使用した脂肪酸金属塩の40重量%以上であるトナー
に関する。
本発明の方法により、定着性に優れ、転写効率が高く、カブリが少ないトナーを得ることができる。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも、以下に記載の工程(I)〜工程(III)を有するものである。
工程(I)は、結着樹脂及び着色剤を含有した原料を溶融混練する工程である。
本発明における結着樹脂としては、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、2種以上の樹脂成分を有するハイブリッド樹脂等が挙げられ、特に限定されないが、これらの中では、着色剤の分散性の観点からポリエステル及び縮重合系樹脂と付加重合系樹脂が部分的に化学結合したハイブリッド樹脂が好ましく、ポリエステルがより好ましい。ポリエステルの含有量は、結着樹脂中50〜100重量%が好ましく、70〜100重量%がより好ましく、実質的に100重量%がさらに好ましい。
ポリエステルの原料モノマーは、特に限定されないが、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等の公知のカルボン酸成分が用いられる。
アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、水素添加ビスフェノールA、ソルビトール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
また、カルボン酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸等のジカルボン酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の3価以上の多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより製造することができる。
耐久性及び定着性の観点から、ポリエステルの軟化点は80〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましく、酸価は0.5〜60mgKOH/gが好ましい。軟化点や酸価は縮重合の温度、反応時間を調節することにより所望のものを得ることができる。
ハイブリッド樹脂としては、ポリエステル、ポリエステル・ポリアミド、ポリアミド等の縮重合系樹脂、好ましくはポリエステルとビニル重合系樹脂等の付加重合系樹脂とが部分的に化学結合した樹脂が好ましい。ハイブリッド樹脂は、2種以上の樹脂を原料として得られたものであっても、1種の樹脂と他種の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものであってもよいが、効率よくハイブリッド樹脂を得るためには、2種以上の樹脂の原料モノマーの混合物から得られたものが好ましい。
また、定着性を良好にする観点から、互いに軟化点が好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上異なる、軟化点の高いポリエステルと軟化点の低いポリエステルとが併用されていることが好ましく、さらに原料モノマーとして直鎖状のアルコール成分とカルボン酸成分とを用いて得られる結晶性ポリエステルが併用されていることがより好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等を使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明により製造するトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれであってもよい。着色剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
本発明においては、結着樹脂及び着色剤に加えて、さらに離型剤、荷電制御剤、流動性向上剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、クリーニング性向上剤等の添加剤を原料として適宜使用してもよい。
離型剤としては、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、これらのワックスは単独で又は2種以上を混合して用いることができる。離型剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜10重量部が好ましい。
荷電制御剤としては、負帯電性及び正帯電性のいずれのものも使用することができる。負帯電性荷電制御剤としては、例えば、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ニトロイミダゾール誘導体等が挙げられる。正帯電性荷電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料、トリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等が挙げられる。また、樹脂等の高分子タイプのものを使用することもできる。荷電制御剤の使用量は、結着樹脂100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.2〜5重量部がより好ましい。
本発明における工程(I)は、結着樹脂及び着色剤を含有した原料を溶融混練する工程である。
結着樹脂及び着色剤、さらに適宜離型剤等の添加剤を含有した原料は、ヘンシェルミキサー等により予備混合して、工程(I)に供することが好ましいが、着色剤や離型剤等の添加剤の分散性を高めるため、添加剤を予め結着樹脂の一部と混合、混練したマスターバッチを利用しても良い。
原料の溶融混練は、密閉式ニーダー、1軸もしくは2軸の押出機等の公知の混練機を用いて行うことができる。溶融混練の温度は、各原料が十分に混ざり合える程度の温度であれば特に限定されず、通常、80〜140℃程度が好ましい。
工程(II)は、工程(I)で得られた混練物を冷却し、粉砕する工程であり、本発明は、この工程(II)における粉砕の少なくとも一部を脂肪酸金属塩の存在下で行う点に大きな特徴を有する。予め、工程(II)で脂肪酸金属塩を添加することにより、得られたトナー粒子表面に外添する場合よりも、脂肪酸金属塩同士の凝集が抑制され、脂肪酸金属塩が微細な粒子として均一に表面に付着したトナーを得ることができる観点から、工程(II)で脂肪酸金属塩を存在させることが好ましい。
本発明における脂肪酸金属塩の脂肪酸としては、炭素数12〜22の脂肪酸が好ましく、炭素数16〜18の脂肪酸がより好ましい。金属塩としては、亜鉛塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩、リチウム塩等が挙げられる。脂肪酸金属塩の具体例としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸リチウム等の脂肪酸金属塩が挙げられ、これらの中では、定着性の観点から、ステアリン酸亜鉛が好ましい。
脂肪酸金属塩の体積中位粒径(D50)は、トナー表面に均一に付着させる観点から、1〜10μmが好ましく、1〜5μmがより好ましい。なお、本明細書において、体積中位粒径(D50)とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
工程(II)における脂肪酸金属塩の使用量は、工程(I)で得られた粉砕物100重量部に対して、0.2〜2重量部が好ましく、0.3〜1.5重量部がより好ましい。
本発明においては、シリカ等の脂肪酸金属塩以外の公知の外添剤を、本発明の効果が損なわれない範囲で脂肪酸金属塩と適宜併用してもよい。
工程(II)における脂肪酸金属塩存在下での粉砕は、工程(II)の粉砕開始時からに限らず、粉砕途中から脂肪酸金属塩を存在させて行ってもよい。
工程(II)により得られる粉砕物(微粉砕物)の粒径は、特に限定されず、目的とするトナーの粒径に応じて適宜調整することが好ましい。工程(II)において、工程(I)により得られた混練物を冷却後、所望の粒径まで粉砕する工程は、1段階で行ってもよく、粉砕機を変える等の方法により多段階に分割して行ってもよいが、粉砕効率の観点から、一旦最大径が好ましくは10mm、より好ましくは5mm、さらに好ましくは3mmまで粗粉砕した後、さらに微粉砕する方法が好ましい。ここで、例えば、最大径10mm以下になるまで粉砕するとは、全ての混練物粒子が目開き10mmのふるいを通過するまで粉砕することを意味する。
粗粉砕に用いられる粉砕機としては、アトマイザー、ロートプレックス等が挙げられる。
また、微粉砕に用いられる粉砕機としては、衝突板式ジェットミル、流動層式ジェットミル、回転型機械ミル等が挙げられ、これらの中ではジェットミルが好ましい。
従って、工程(II)において、脂肪酸金属塩の存在下、混練物(又は粗粉砕物)を粉砕する方法としては、混練物(又は粗粉砕物)と脂肪酸金属塩とを同時に粉砕機に投入する方法や、予め混練物(又は粗粉砕物)と脂肪酸金属塩とを攪拌混合した後、混合物を粉砕する方法等が挙げられる。本発明では、脂肪酸金属塩を工程(II)により得られる粉砕物により均一に付着させる観点から、後者の方法が好ましく、粗粉砕物と脂肪酸金属塩とを攪拌混合した後、混合物を粉砕する方法がより好ましい。予め混練物(又は粗粉砕物)を脂肪酸金属塩と攪拌混合した後に、粉砕することにより、脂肪酸金属塩が凝集することなく、脂肪酸金属塩が表面に均一に付着した粉砕物を得ることができる。
本発明における攪拌混合とは、回転羽根等の攪拌具を有する攪拌装置により混合することをいう。回転羽根の数や形状は適宜スケールにあわせて設計されたものを使用すればよく、攪拌具は混合部の上部に位置するものが粉砕物の連続処理の点から好ましい。
混練物(又は粗粉砕物)と脂肪酸金属塩との攪拌混合条件は、両者を十分に混合させることができる程度であれば特に限定されず、スケールにあわせて適宜決定すればよいが、容量20リットル程度のバッチ方式等の攪拌装置を用いる場合は、回転数1500〜4000r/minで、30秒〜2分間程度行うのが好ましい。容量10リットル程度のバッチ方式等の攪拌装置を用いる場合は、回転数2000〜5000r/minで、30秒〜2分間程度行うのが好ましい。また、容量5リットル程度の連続式攪拌装置を用いる場合は、回転数2000〜5000r/minで滞留時間を1〜60秒程度に調整して行うのが好ましい。
最終的に得られるトナーに残存する脂肪酸金属塩の割合は、混練物(又は粗粉砕物)と脂肪酸金属塩とを十分に攪拌すればするほど高くなるが、後述する工程(II)で使用した脂肪酸金属塩の歩留りが、40%以上、好ましくは50%以上となるように調整することが好ましい。
工程(III)は、工程(II)で得られた粉砕物を分級する工程である。分級に用いられる分級装置としては、サイクロン型風力分級機、ロータ型分級機、慣性式分級機、篩式分級機等が挙げられ、これらの中では、サイクロン型風力分級機及びロータ型分級機が好ましい。
本発明においては、少なくとも前記工程(I)〜(III)を経てトナーを製造することができる。
本発明の方法により得られるトナーの体積中位粒径(D50)は、3〜20μmが好ましく、3〜15μmがより好ましく、3〜10μmがさらに好ましい。
さらに、工程(III)の後、疎水性シリカ等の流動性向上剤等の外添剤をトナー表面に外添してもよい。
さらに、本発明の方法では、製造の際に使用した脂肪酸金属塩の残存率の高いトナーを得ることができ、また原料として体積中位粒径(D50)で1〜10μmの一次粒子又は凝集体として存在している脂肪酸金属塩をより微細な粒子として均一にトナー表面に付着させることができる。トナーにおける脂肪酸金属塩の歩留りは、40%以上が好ましく、50%以上がより好ましい。歩留りは、前述のように、脂肪酸金属塩と混練物(又は粗粉砕物)との攪拌条件等により調整することができるが、例えば、脂肪酸金属塩との混合に供する粗粉砕物の粒径を小さくすることによって歩留りを高めることもできる。ここで、歩留りは、下記式より算出される。
Figure 2006308958
本発明のトナーは、現像方法に限定されず使用することができ、一成分現像用トナー及び二成分現像用トナーのいずれにも用いることができる。また、本発明のトナーは、帯電性も特に限定されず、荷電制御剤等を選択することにより正帯電性トナー及び負帯電性トナーのいずれのトナーとして用いることもできる。しかしながら、本発明のトナーは、トナー表面の脂肪酸金属塩が離脱し難いことから、帯電ブレードでシェアを受ける非磁性一成分現像用として、さらに転写性に極めて優れていることから正帯電性トナーとして使用することにより、本発明の効果がより顕著に発揮される。
〔軟化点〕
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
〔酸価〕
JIS K0070の方法により測定する。
〔ガラス転移点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度10℃/minで100℃まで昇温し、降温速度100℃/minで−10℃まで冷却した試料を3分間放置し、その後、昇温速度60℃/minで25℃まで昇温し2分間保持して、昇温速度10℃/minで測定を開始する。ガラス転移点以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの間の最大傾斜を示す接線との交点の温度を、ガラス転移点とする。
〔脂肪酸金属塩の体積中位粒径(D50)〕
スパチュラ1杯程度(5〜10mg)の試料を、界面活性剤(エマルゲン109P:花王社製)10mlと混合して試料溶液を調製する。試料溶液を、電解液(アイソトンII(ベックマンコールター社製))20ml中に添加し、超音波にて60秒間攪拌した後、レーザ回折式粒度分布測定装置(SALD-2000J、島津製作所製)て粒度分布を測定し、体積中位粒径(D50)を求める。
〔トナーの体積中位粒径(D50)〕
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
測定粒径範囲:2〜60μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)5%電解液
分散条件:分散液5mlに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mlを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させる。
測定条件:ビーカーに電解液100mlと分散液を加え、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度で、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
樹脂製造例1〜3
表1に示すモル比のアルコール成分及びカルボン酸成分からなる原料モノマー及び原料モノマーの総量100重量部に対して0.2重量部の酸化ジブチル錫を、210℃にて攪拌しつつ反応させた。所望の軟化点に達するまで反応させて、ポリエステル(樹脂A〜C)を得た。
Figure 2006308958
実施例1
〔マスターバッチの製造〕
結着樹脂として、ポリエステルA 11重量部、ポリエステルB 5重量部及びポリエステルC 4重量部、カーボンブラック(商品名:REGAL 330R、キャボット・スペシャルティ・ケミカルス社製)4重量部、正帯電性荷電制御剤としてニグロシン染料(商品名:ボントロン N-04、オリエント化学工業(株)製)4重量部、4級アンモニウム塩化合物(商品名:ボントロン P-51、オリエント化学工業(株)製)1重量部及びスチレン・アクリル系ポリマー(FCA-201-PS、藤倉化成(株)製)10重量部、並びに離型剤としてカルナバワックス(加藤洋行(株)製)2重量部、パラフィンワックス(HNP-9、日本精蝋社製)1重量部からなる混合物を、羽根回転数を1500r/minに設定したヘンシェルミキサー(容量20リットル)を用いて、3分間予備混合した。
得られた原料混合物を、バレル(押出機外筒部)の温度を90℃に設定した2軸押出機により、90℃の混練温度で溶融混練した。
得られた混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmφのスクリーンを有するミルにて最大径2mm以下になるまで粗砕して、マスターバッチを得た。
得られたマスターバッチ42重量部、結着樹脂としてポリエステルA 44重量部、ポリエステルB 20重量部及びポリエステルC 16重量部からなる原料を、羽根回転数を1500r/minに設定したヘンシェルミキサー(容量20リットル)を用いて、3分間予備混合した。
〔工程(I)〕
得られた原料混合物を、バレル(押出機外筒部)の温度を90℃に設定した2軸押出機により、90℃の混練温度で溶融混練した。混練機の出口における樹脂の温度は139℃であった。
〔工程(II)〕
得られた混練物100重量部を冷却ベルトにて冷却後、2mmφのスクリーンを有するミルを用いて、最大径2mm以下になるまで粗粉砕した。
得られた粗粉砕物100重量部に対し、脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(SZ-2000、堺化学(株)製、体積中位粒径(D50):2.93μm)1.0重量部を、羽根回転数を1500r/minに設定したヘンシェルミキサー(容量20リットル)を用いて、2分間混合した後、衝突板型ジェットミルにより微粉砕した。
〔工程(III)〕
さらに、得られた微粉砕物から、サイクロン型風力分級機にて粗粉及び微粉を除去し、体積中位粒径(D50)が9.5μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー中の亜鉛量を元素分析で定量した。トナー中のステアリン酸亜鉛の含有量は0.52重量%であった。すなわち、工程(II)で使用したステアリン酸亜鉛の歩留りは、52%であった。
得られたトナー粒子100重量部と、疎水性シリカ(アエロジルRY-50、日本アエロジル社製)1.2重量部、疎水性シリカ(HVK-2150、クラリアントジャパン製)0.25重量部、及び疎水性シリカ(KTL-500F、(株)喜田村製)0.25重量部とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー表面に疎水性シリカを外添して、体積中位粒径(D50)が9.5μmの正帯電性トナーを得た。
比較例1
工程(II)において、脂肪酸金属塩を使用しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、工程(III)まで行った。
工程(III)で得られたトナー粒子100重量部と、脂肪酸金属塩としてステアリン酸亜鉛(SZ-2000、堺化学(株)製、体積中位粒径(D50):2.93μm)0.5重量部と、疎水性シリカ(アエロジルRY-50、日本アエロジル社製)1.2重量部、疎水性シリカ(HVK-2150、クラリアントジャパン社製)0.25重量部及び疎水性シリカ(KTL-500F、(株)喜田村製)0.25重量部とをヘンシェルミキサーを用いて混合し、トナー表面に脂肪酸金属塩及び疎水性シリカを外添した。
試験例1〔トナーの転写性の評価〕
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターにトナーを実装し、黒ベタ画像の印字途中でマシンを止め、転写後の感光体表面に透明なメンディングテープ(Scotch(登録商標)メンディングテープ810、3M社製、幅:18mm)を貼付けた。剥離したテープを未使用の紙に貼付し、テープを貼付した紙の下に白色の厚紙を重ねた。テープ部分の白色度Yを、色差計(CR321、ミノルタ社製)を用い、標準光源、視野角2°の光射条件で、45-0°法において絶対白基準で測色し、リファレンスとして未使用のメンディングテープの白色度Yとの差(ΔY)を求めた。結果を表2に示す。白色度Yの値が大きいほど白く、転写されずに残存したトナーが少なく良好であることを示す。
試験例2〔カブリの評価〕
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターにトナーを実装し、白紙(印字率:0%)を印刷した後、マシンを止め、転写前の感光体表面に透明なメンディングテープ(Scotch(登録商標)メンディングテープ810、3M社製、幅:18mm)を貼付けた。以降、試験例1と同様にして、ΔYを求めた。結果を表2に示す。白色度Yの値が大きいほど白く、カブリが少なく良好であることを示す。
試験例3〔トナーの定着性の評価〕
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターにトナーを実装し、ベタ画像(3×2.5cm、トナー付着量:0.97±0.02mg/cm2)を、未定着画像のまま出力した。市販のプリンターに搭載されている定着器を温度の変更が可能なように改造した定着器を用いて、以下の方法により低温側及び高温側の定着性を評価した。
〔低温側〕
定着ローラーの回転数を500r/minに設定し、150℃から10℃ずつ温度を下げながら、コールドオフセットが発生するまで、75g/m2の紙に繰り返し定着させた。
〔高温側〕
定着ローラーの回転数を200r/minに設定し、200℃から10℃ずつ温度を上げながら、ホットオフセットが発生するまで、60g/m2の紙に繰り返し定着させた。
各定着温度(定着ローラーの温度)で得られた定着画像の定着性は、テープ剥離法によって評価した。即ち、メンディングテープ(Scotch(登録商標)メンディングテープ810、3M社製、幅:18mm)を長さ15cmに切り、軽く定着画像上に貼り付けた。四つ折りにした無塵紙(Lint-free-paper)(BEMCOT(登録商標) サイズM-3、旭化成社製)を1.0±0.2kgの加重でテープを画像に5往復押し当てた。その後、貼付した15cmのテープを3秒かけて剥がした際の画像濃度とテープの貼付前の画像濃度から、下記式より画像濃度の低下率を算出した。結果を表3に示す。
低下率(%)=100−(テープ剥離後の画像濃度/テープ貼付前の画像濃度)×100
〔画像濃度の測定〕
測色計 (Gretag-Macbeth社製 Spectroeye)により下地に白色の厚紙を敷いた画像を、光射条件を標準光源D50、観察視野2°、濃度基準DIN NBにおいて絶対白基準で測色し、画像濃度を測定した。
テープ剥離後の画像濃度がテープ貼付前と同じだった場合に低下率は0%となり、値が大きくなるにつれ定着性が低いことを示す。本試験においては、低下率が10%以内である場合に定着性は良好であり、10%を超える場合は定着不可と判断する。
Figure 2006308958
Figure 2006308958
以上の結果より、脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛)を製造段階で添加せず、トナー表面に外添した比較例1のトナーと対比して、実施例1のトナーは、カブリが少なく、転写性に優れ、かつ良好な定着性を有することが分かる。
本発明により得られるトナーは、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像等に好適に用いられるものである。

Claims (5)

  1. 結着樹脂及び着色剤を含有した原料を溶融混練する工程(I)、該工程(I)で得られた混練物を冷却し、粉砕する工程(II)、並びに該工程(II)で得られた粉砕物を分級する工程(III)を有するトナーの製造方法であって、前記工程(II)における粉砕の少なくとも一部を脂肪酸金属塩の存在下で行うトナーの製造方法。
  2. 工程(II)における脂肪酸金属塩の使用量が、工程(I)で得られた粉砕物100重量部に対して0.2〜2重量部である請求項1記載のトナーの製造方法。
  3. 工程(II)における脂肪酸金属塩の体積中位粒径(D50)が1〜10μmである請求項1又は2記載のトナーの製造方法。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の方法により得られるトナーであって、脂肪酸金属塩の歩留りが、工程(II)において使用した脂肪酸金属塩の40重量%以上であるトナー。
  5. トナーが非磁性一成分現像用の正帯電性トナーである請求項4記載のトナー。
JP2005132933A 2005-04-28 2005-04-28 トナーの製造方法 Pending JP2006308958A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005132933A JP2006308958A (ja) 2005-04-28 2005-04-28 トナーの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005132933A JP2006308958A (ja) 2005-04-28 2005-04-28 トナーの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006308958A true JP2006308958A (ja) 2006-11-09

Family

ID=37475905

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005132933A Pending JP2006308958A (ja) 2005-04-28 2005-04-28 トナーの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006308958A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009180910A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Kao Corp 非磁性一成分現像用正帯電性トナー
JP2010008579A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Kao Corp 正帯電性トナー
WO2010050561A1 (ja) * 2008-10-30 2010-05-06 大日精化工業株式会社 顔料・樹脂組成物の製造方法、着色剤および着色方法
JP2017223895A (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナーの製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009180910A (ja) * 2008-01-30 2009-08-13 Kao Corp 非磁性一成分現像用正帯電性トナー
JP2010008579A (ja) * 2008-06-25 2010-01-14 Kao Corp 正帯電性トナー
WO2010050561A1 (ja) * 2008-10-30 2010-05-06 大日精化工業株式会社 顔料・樹脂組成物の製造方法、着色剤および着色方法
JP2017223895A (ja) * 2016-06-17 2017-12-21 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 静電潜像現像用トナーの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10474049B2 (en) Toner
US8039191B2 (en) Toner
JP4953880B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5429963B2 (ja) トナーの製造方法
JP2004258265A (ja) 非磁性一成分現像用トナー
JP2006308958A (ja) トナーの製造方法
JP2005326840A (ja) 静電荷像現像用トナー
US9383671B2 (en) Toner
JP2007058134A (ja) 電子写真用トナー
JP2007047607A (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP4437975B2 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5388552B2 (ja) 電子写真用トナーの製造方法
JP2004258145A (ja) トナーの製造方法
CN112105992A (zh) 静电图像显影用调色剂及静电图像显影用调色剂的制造方法
JP2002351133A (ja) 静電荷像現像用トナー、画像形成方法および画像形成装置
JP2002278164A (ja) 電子写真用トナー、現像剤及び画像形成方法
JP4076929B2 (ja) トナーの製造方法
JP2006091175A (ja) トナーの製造方法
JP5289002B2 (ja) 非磁性トナー
JP4716912B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2003345067A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP2008070505A (ja) 電子写真用トナー及びトナーの製造方法
JP2003186237A (ja) 電子写真用トナー
JP4424614B2 (ja) トナーの製造方法
JP3942944B2 (ja) トナーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080121

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090929

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100208