JP2002189310A - 電子写真用トナーとその製法および電子写真画像形成装置 - Google Patents

電子写真用トナーとその製法および電子写真画像形成装置

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JP2002189310A JP2000385412A JP2000385412A JP2002189310A JP 2002189310 A JP2002189310 A JP 2002189310A JP 2000385412 A JP2000385412 A JP 2000385412A JP 2000385412 A JP2000385412 A JP 2000385412A JP 2002189310 A JP2002189310 A JP 2002189310A
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resin
electrophotographic
diameter
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Akiko Oikawa
亜紀子 及川
Akira Shimada
島田  昭
Toru Miyasaka
徹 宮坂
Masahiko Saito
雅彦 斎藤
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オイル未供給状態においても十分な耐オフセッ
ト性を有し、カラー電子写真システムに優れた発色,透
明性と、実用に耐え得る耐久性とを同時に満足する電子
写真用トナーの提供。 【解決手段】架橋度の異なる2種類以上の樹脂1をブレ
ンドしたものを用いると共に、トナーの粒子1個中にド
メインとして存在する離型剤3の総占有率が1〜10%
であり、かつ、離型剤の平均分散径が前記トナーの粒子
径の10〜50%とした電子写真用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタやファク
シミリおよび複写機等に使用する電子写真用トナー、お
よび、それを用いた画像形成装置に係り、特に、定着装
置にオイル等のオフセット防止剤を必要としないカラー
トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの処理能力向上に伴
い、カラープリンタ市場は急速に拡大している。
【0003】電子写真法によるフルカラー画像形成は、
イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー、あ
るいは、それに黒色を加えた4色のトナーを用いて全て
の色の再現を行う。
【0004】その一般的な方法としては、まず光導電性
物質を利用した感光体層に種々の手段を用いて電気的な
潜像を形成する。次に、該潜像をトナーにより現像し、
該トナーを紙等の記録材や中間転写体に転写する。次い
で、前述の工程を複数回繰り返し、同一記録材上に複数
色のトナー画像を重ね合わせる。最後に加熱、加圧、熱
圧あるいは溶剤蒸気等により、一括してトナー画像を記
録材上に定着してフルカラー画像を形成する。
【0005】このように、複数色のトナー画像の重合せ
を必要とするカラー電子写真システムにおいては、トナ
ーの定着特性は非常に重要である。即ち、モノクロの場
合、定着特性は記録材への固定のみを判断基準として行
われる。
【0006】一方、カラーの場合には、単に記録材に固
定されるだけでは広い色再現性を得ることは困難であ
り、十分に溶融(低粘度化)して、光沢や透明性を得る
必要がある。そのため、カラートナーには、シャープメ
ルト、即ち、低分子量で分子量分布幅の狭い樹脂が用い
られる。
【0007】しかし、このような樹脂を用いたトナー
は、加熱溶融時の内部凝集力が低下し易いため、定着器
通過時に定着部材への付着性が増して、オフセット現象
が発生し易いと云った問題がある。
【0008】この問題を回避するため、一般にカラート
ナーに用いられる定着器では、ロール等加熱部材表面に
シリコーンオイル等の離型剤を供給し、溶融したトナー
と加熱部材との付着性を低減することが一般的である。
【0009】ところがこの方法は、オフセット防止に対
しては極めて有効であるが、その機構のために装置が複
雑,大型化すると云った問題がある。さらには、記録材
へのオイル付着によるハンドリング性の低下、オイル揮
発による装置内汚染、オイル供給の手間、ランニングコ
ストのアップ等の問題が多く、小型,低価格化、メンテ
ナンスフリーを実現する上での阻害因子となっている。
【0010】そこで、オイル供給装置を用いる代わり
に、トナー粒子中にトナー樹脂とは溶け合わず、樹脂よ
りも早く溶融するワックスあるいはオイル類等の離型剤
を添加することが広く検討されている。即ち、樹脂の軟
化点よりも融点の低い離型剤を用いることで、樹脂が溶
融して流動を始める前に溶解した離型剤がトナーから滲
み出し、トナー層と定着ロール表面間に離型層が形成さ
れ、オフセットを防止するものである。
【0011】従来のモノクロトナーのように、高粘度の
樹脂を用いた場合は、トナー溶融時の内部凝集力が高
く、定着部材への付着性も小さいため、少量の離型剤の
滲み出しでオフセットを防止できる。しかし、カラート
ナーの場合は、加熱溶融時の内部凝集力の低下が大き
く、定着部材への付着性が増すばかりでなく、この内部
凝集力が低下した状態から離型剤が十分に滲み出す必要
があり、オフセットの防止が困難である。
【0012】ここで、単純に離型剤類の添加量を増加す
れば、耐オフセット性へ効果は増すが、カラートナーに
多量の離型剤を添加すると下記のような問題を生じる。
【0013】(1) 樹脂と離型剤とは非相溶であるた
め、界面で散乱を生じ、色調,透明性が低下し易くな
る。
【0014】(2) 離型剤は樹脂に対して可塑剤的な
効果を及ぼすために樹脂の強度が低下し、トナー耐久性
が低下する。
【0015】(3) 離型剤はトナー混練時に溶融し、
混練シェアを減少させるため、離型剤をはじめとする内
添剤の分散性が悪化する。
【0016】カラートナーでは、柔らかい樹脂が使用さ
れるため、一般にその耐久性は従来のモノクロトナーと
比べ劣る傾向にあるが、離型剤を添加することで、その
傾向はさらに顕著になる。そのため、トナー流動性の悪
化、非磁性一成分現像方式においては搬送性の低下、ブ
レードへの固着等の問題が多い。また、離型剤は感光体
等の他の部材にフィルミングする傾向があり問題となっ
ていた。
【0017】これらの問題は、離型剤の添加量のみなら
ず、トナー中における離型剤の存在状態にも起因してい
る。例えば、離型剤の分散が悪いと、トナー製造時の粉
砕工程において離型剤が分離したり、トナー表面への過
度な露出を引き起こす等の問題がある。
【0018】このように、オイルレス対応のカラートナ
ーとしては、耐久性,発色性,透明性を維持し、いかに
耐オフセット性を高めるかが最大の技術課題となる。
【0019】そこで、これらを実現すべく、トナーの構
成、並びに、トナー中に添加する離型剤の存在状態を規
定する種々の提案がなされている。
【0020】例えば、特開平6−161153号公報
()では、混練粉砕法において離型剤を小粒径で均一
分散させる製法が開示されている。これによれば、製造
されたトナー粒子中の離型剤は、分散径0.2〜3.0μ
mの球形、および/または、長軸1.0〜4.0μmの紡
錘形の形態で均一に分散し、離型剤の分離も無く、これ
に基づく感光体へのフィルミング等を防止できるとして
いる。なお、離型剤の融点は90〜180℃が好ましく
110〜160℃が最も好ましいとされている。
【0021】また、特開平10−69125号公報
()でも、離型剤の均一分散に関する規定が開示され
ている。ここでは、離型剤の分散状態を微粉トナーとト
ナー全体との離型剤含有量比をもって規定し、その比を
一定範囲にすることにより、前記離型剤添加によるトナ
ーの欠点を克服し、耐オフセット性に優れたトナーを提
供できるとしている。
【0022】また、離型剤を添加したトナーの欠点を克
服する別の方法として、いわゆる湿式法によるトナー作
成方法が多数提案されている。例えば、特開平5−19
7193号公報()では懸濁重合法によるカプセル構
造トナーが開示されている。こうしたカプセル構造トナ
ーは、表面に露出する離型剤の量を低減させることが可
能で、離型剤添加による耐久性の低下や、フィルミング
性、現像諸特性の低下に対する課題が解決し易い。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】前記のように離型剤を
均一分散あるいはカプセル化することで、離型剤の分離
またはそれによる他プロセスへの悪影響を低減すること
ができる。
【0024】しかし、前記公報では、離型剤の融点は
90℃以上が好ましい(最も好ましくは110℃以上)
とされている。これはモノクロシステムでは十分である
が、柔らかい樹脂が好適なカラー電子写真システムには
適用できない。
【0025】また、前記公報では、離型剤の含有量の
みに着目しており、分散径に関する記載は全くない。離
型剤の作用は、既述したように含有量のみならず、その
分散状態にも大きく依存する。
【0026】例えば、含有量は十分であっても、分散径
が小さい場合は定着時に離型剤の滲み出しが十分でな
く、オフセットを防止できないことが確認されている。
前述のように、カラートナーは従来のモノクロトナーと
比べて、オフセットの防止が困難であり、このままでは
オイルレス対応カラートナーとして不十分である。
【0027】一方、前記公報に開示のカプセル構造ト
ナーは、離型剤が界面までの拡散が遅延し易いため、耐
オフセットへの離型剤の寄与が少ない。従って、より多
くの離型剤を添加しなければならず、色調,透明性の低
下が懸念される。また、耐久性への影響も懸念され、カ
プセル化によるメリットが相殺されてしまう可能性もあ
る。
【0028】なお、上記の製法においては、トナーとな
るべき樹脂の重合性単量体組成は、スチレンおよびその
重合体、α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類
を代表とする溶液重合が可能な重合性単量体に限られ、
従来のカラートナーに好適に用いられているポリエステ
ル樹脂は使いにくいと云う課題もある。さらに、特別な
製造プラントが必要で、従来の混練粉砕法と比べコスト
的に不利である。
【0029】上記から明らかなように、オイルレストナ
ー、中でもそれに添加する離型剤、およびその存在状態
に関する技術は数多く提案されているが、耐久性、光沢
性,発色性,透明性を維持し、十分な耐オフセット性を
備えたカラー電子写真用のトナーは、未だ得られていな
いのが現状である。
【0030】本発明の目的は、上記に鑑み小型でメンテ
ナンスフリーな複写機やプリンタに適した定着システム
に、オイルの供給が不要な新規な電子写真用トナーを提
供することにある。
【0031】本発明の他の目的は、トナーを構成する樹
脂、トナーに添加される離型剤の存在状態に配慮するこ
とで、溶融性,定着性に優れ、画像の光沢性,発色性,
透明性が高く、かつ、耐久性,耐オフセット性に優れた
カラー電子写真用トナーを提供することにある。
【0032】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明の要旨は次のとおりである。
【0033】画像情報に基づき光導電体上に形成された
静電潜像を可視化する電子写真用トナーにおいて、前記
トナーは、架橋度の異なる2種以上の樹脂混合物中に離
型剤が分散、粉砕された着色粉体で構成され、該トナー
の粒子1個中にドメインとして存在する離型剤の総占有
率が1〜10%で、かつ、離型剤の平均分散径がトナー
の粒子径の10〜50%である電子写真用トナーにあ
る。
【0034】即ち、本発明においては、架橋度の異なる
2種以上の樹脂を用いると共に、トナー中における離型
剤の存在状態を規定したことでトナーの溶融性、定着性
が十分な電子写真用トナーが得られる。また、該トナー
は形成される画像の光沢性,発色性,透明性が高く、耐
久性,耐オフセット性にも優れたものを提供することが
できる。特に、本発明のトナーは、カラー電子写真用ト
ナーとしても優れている。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により詳細
に説明する。
【0036】本発明に係るトナーは、図1の模式断面図
に示すように、樹脂1中に着色剤2と離型剤3が分散し
た構造のものである。また、本発明のトナーは、例え
ば、次のようにして製造されるが、公知の溶融粉砕法を
用いることもでき、この方法に限定されるものではな
い。
【0037】まず、樹脂1、離型剤3、着色剤2、帯電
制御剤等を公知のボールミル等の混合機で均一に分散混
合し、次いで、該混合物を密閉式ニーダあるいは1軸ま
たは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕して分
級すればよい。また、必要に応じて流動化剤等をトナー
に添加することもできる。
【0038】その結果、平均粒径5〜15μmの着色粉
体、即ち、本発明のトナーが得られるが、そのまま一成
分系現像剤として用いることができる。
【0039】また、乾式二成分系の現像剤組成物とする
場合には、該トナーをキャリア、つまり鉄粉、フェライ
ト、マグネタイト、あるいは、樹脂等をコアとし、コア
のまま、または、コアにシリコーン樹脂、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂等をコートした不定形もしくは球
状の磁性粉体と適宜ブレンドし、現像剤組成物として用
いることができる。
【0040】本発明のトナーに用いる樹脂1としては、
例えば、ポリエステル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹
脂、スチレン・アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキ
シ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、エチレン・酢
酸ビニル樹脂等が挙げられ、特に、定着時の溶融性や画
質の点から、ポリエステル樹脂が好ましい。
【0041】また、架橋度の異なる2種以上の樹脂をブ
レンドして用いるのがよい。架橋度が低い樹脂を主成分
とし、それよりも架橋度の高い樹脂を5〜50重量部ブ
レンドして用いるのが好ましい。特に、非架橋(線型)
ポリエステルを主成分に、3価以上の単量体、あるいは
架橋剤を構成モノマーに有する架橋(非線型)ポリエス
テルを添加するのが良く、これにより、耐久性,発色
性,透明性を維持したまま、優れた耐オフセット性を実
現することができる。
【0042】なお、架橋度の異なる2種以上の樹脂とし
ては、THF不溶分が5%以下のものが望ましい。
【0043】上記の非架橋(線型)ポリエステルを主成
分とするのは、架橋度を上げ過ぎると、樹脂の溶融粘度
が高くなり、定着画像の平滑性,光沢性が損なわれるた
めである。しかし、架橋型(非線型)樹脂は、高温側で
発生するホットオフセットの低減、耐久性向上に優れた
効果を発揮する。従って、これを定着画像の平滑性,光
沢性が実用上損なわれない程度に、適量ブレンドするこ
とにより、カラーオイルレストナーの最大の課題である
耐久性,発色性,透明性を維持したまま、耐オフセット
性を向上することが容易になる。
【0044】本発明における非架橋(線型)ポリエステ
ルは、通常公知のエステル化反応、エステル交換反応等
を利用して重合することができる。
【0045】具体的には、例えば、反応温度170〜2
20℃、反応圧力5mmHg〜常圧で、適宜触媒等を用
いながら縮重合等を行い(最適温度や圧力はモノマーの
反応性等で決める)、所定の物性になった時点で反応を
終了すればよい。
【0046】ポリエステルを構成している単量体のう
ち、アルコール成分としては、例えばエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレング
リコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリ
コール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール等のジオール類があ
る。
【0047】また、ビスフェノールA、水素添加ビスフ
ェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、
ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等のビスフェ
ノールAアルキレンオキシド付加物、その他の二価のア
ルコールを挙げることができる。
【0048】これらのうちエチレングリコール、ポリオ
キシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレ
ン化ビスフェノールA等が好ましい。
【0049】一方、酸成分としては、炭素数3以上の脂
肪族系飽和ジカルボン酸もしくは炭素数5以上の脂肪族
系不飽和ジカルボン酸、および/または、その酸無水物
もしくは低級アルキルエステルが用いられる。
【0050】炭素数3以上の脂肪族系飽和ジカルボン酸
としては、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバチン
酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデシルコハク酸等
のアルキルコハク酸類等が挙げられ、他にこの酸無水物
もしくは低級アルキル(炭素数1〜5)エステルが用い
られる。
【0051】また、炭素数5以上の脂肪族系不飽和ジカ
ルボン酸としては、例えばシトラコン酸、イタコン酸、
グルタコン酸、n−ドデセニルコハク酸等のアルケニル
コハク酸類が挙げられ、他にこの酸無水物もしくは低級
アルキル(炭素数1〜5)エステルが用いられる。
【0052】また、上記の必須成分に加えて、任意の酸
成分として炭素数のより小さいマレイン酸、フマル酸等
の脂肪族系不飽和ジカルボン酸等:芳香族系ジカルボン
酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等):脂環
式ジカルボン酸(シクロヘキサンジカルボン酸等)、な
らびに、これらの酸無水物および低級アルキル(炭素数
1〜5)エステルからなる群より選ばれる少なくとも一
種を使用することができる。
【0053】上記において、酸成分中における脂肪族系
ジカルボン酸(但し、飽和ジカルボン酸では炭素数3以
上、不飽和ジカルボン酸では炭素数5以上のものに限
る)またはこの酸無水物もしくは低級アルキル(炭素数
1〜5)エステルの量は5〜90モル%の範囲が本発明
の効果を得るために好ましい。
【0054】本発明における架橋ポリエステルとして
は、通常、前記の2価のモノマーに加え3価以上のモノ
マーを用いて製造され、いずれかのモノマーに炭素数2
〜30の側鎖を有するものを用いればよい。
【0055】3価以上のモノマーとしては、無水トリメ
リット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸等の
3価のカルボン酸もしくはその誘導体、グリセロール、
トリメチロールプロパン等の3価のアルコール等が挙げ
られる。また、炭素数2〜30の側鎖を有するモノマー
としては、ドデセニル無水こはく酸等が挙げられる。
【0056】なお、両者のブレンドに当っては、それぞ
れの軟化点の差が30℃以下が好ましく、より好ましく
は20℃以下、更に好ましくは10℃以下である。トナ
ーとしての軟化点が同じであっても、両者の軟化点の差
が40℃以上ある場合、定着時の光沢性が著しく減少
し、カラーシステムには適さない。
【0057】ここで、本発明における非架橋(線型)ポ
リエステルは、保存安定性等の理由より、ガラス転移温
度(Tg)が50℃以上であることが好ましい。また、
軟化温度(Tm)については、画質と云う観点から、9
0〜140℃、より好ましくは90〜120℃、さらに
好ましくは、95〜110℃である。
【0058】なお、Tgは、DSC(示差走査熱量計)
により測定することができる。本発明では、910 D
ifferential Scanning Calo
rimeter(DuPont製)を用いて、昇温速度
10℃/minで、室温から200℃まで加熱後、室温
まで冷却したサンプルを、再び,昇温速度10℃/mi
nで、室温から200℃まで加熱する。
【0059】2回目のDSCカーブにおけるTg以下の
ベースラインの延長線と、ピークの立ち上がり部分から
ピークの頂点までの間での最大傾斜を示す接線との交点
の温度をTgとした。
【0060】また、Tmの測定は高架式フローテスター
によるもので、本発明では、次のようにして測定を行っ
た。高架式フローテスターCFT−500(島津製作所
製)を用いて、1cm3の試料を昇温速度6℃/min
で加熱しながら、プランジャーにより30kg/cm2
の加重を与え、直径1mm×長さ1mmのノズルを押し
出すようにし、これによりプランジャー降下量(流れ
値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとする
とき、h/2に対応する温度、即ち、半分が流出した温
度をTmとするものである。
【0061】次に、本発明で用いられる離型剤3につい
て説明する。離型剤3としては、公知のものが使用で
き、特に制限しない。
【0062】例えば、低分子量ポリプロピレン、低分子
量ポリエチレン、エチレンビスアマイド、マイクロクリ
スタリンワックス等のパラフィン系ワックスが適してい
る。
【0063】また、カルナウバワックス、キャンデリラ
ワックス、ライスワックス、モンタンワックス等の天然
ワックスや、低分子量ポリオレフィン類、およびステア
リン酸等の高級脂肪酸、高級脂肪酸の金属塩、高級脂肪
酸アミド類等を用いることができるが、樹脂1と相溶せ
ず、その融点が70〜90℃のものが好ましい。
【0064】即ち、主となる樹脂1のTgよりも10〜
20℃程度高く、Tmよりも20〜30℃程度低いもの
が好ましい。融点が70℃を下回ると、耐久性の低下や
フィルミングの発生が顕著になり実用上好ましくない。
また、90℃を上回ると、トナーの定着温度が高くな
り、画質、省エネルギーの観点からも好ましくない。
【0065】ここで、トナー中に分散された離型剤3
は、樹脂1中や着色剤2など他の構成成分中に吸収,相
溶された状態で存在するものと、樹脂1中に界面を伴っ
たドメインとして存在するものとに大別される。
【0066】オフセット防止やトナーからの離型剤分離
に機能するのは後者のドメインとして存在している離型
剤3である。従って、離型剤3の作用を制御するために
は、離型剤3の全添加量よりも、むしろこのドメインと
しての存在状態を制御することが重要である。
【0067】即ち、トナーの主成分である樹脂1中に、
離型剤の3成分を最適な存在状態で分散させておくこと
により、耐オフセット性,耐久性等を同時に満足でき、
良好な画質が得られるトナーを提供することができる。
【0068】具体的には、トナー粒子の1個中にドメイ
ンとして存在する離型剤3の総占有率が、1〜10%で
あり、かつ、離型剤3の平均分散径が前記トナー粒子径
の10〜50%である。なお、総占有率とは、トナー粒
子1個中に存在するドメインの総和とトナー粒子との体
積比であり、平均分散径とは、それらドメイン1個当た
りの分散径の平均である。
【0069】図2に示すように、総占有率が1%、およ
び/または、平均分散径がトナー径の10%を下回った
場合、オフセットを防止するに十分な離型剤3の滲み出
しを得ることができず、所望する耐オフセット性を得る
ことができない。
【0070】また、総占有率が10%、および/また
は、平均分散径がトナー径の50%を超えた場合、トナ
ーの耐久性の低下や、感光体へのフィルミングが顕著に
なるため、いずれも好ましくない。
【0071】なお、本発明において、ドメインとして存
在する離型剤の占有率、および、トナー径に対する離型
剤の平均径比の計測は、以下の方法に基づいて算出する
ことができる。
【0072】得られたトナー中の離型剤粒子を透過型電
子顕微鏡にて観察し、離型剤の平均粒径を算出し、下式
(1)、(2)に基づいて、ドメインとして存在する離
型剤の占有率、および、トナー径に対する離型剤の平均
径比を算出する。
【0073】本発明では、粒子による誤差、粒度分布等
に鑑み、粒子100〜200点を測定し、その8割以上
が上記範囲内に入っているのが好ましい。特に、9割以
上が上記範囲内に入っているのがより好ましい。 〔数1〕 離型剤の占有率(%)=nd3/D3×100 (1) 離型剤の平均径比(%)=d/D×100 (2) 〔但し、d:離型剤の平均分散径、D:トナー径、n:
トナー粒子1個中に存在する離型剤ドメインの数を示
す〕 離型剤3の存在状態は、製造時の混練条件、即ち、混練
温度や時間、混練シェアなどにより制御できる。この条
件は特に限定されるものではなく、使用する樹脂1、離
型剤3の特性により適宜設定すればよい。
【0074】次に、樹脂1および離型剤3以外の他のト
ナー構成物について説明する。本発明のトナーは、前記
のような樹脂1と離型剤3を含有するが、さらに必須成
分である着色剤2を含有する。
【0075】着色剤2としては、公知の有機顔料や染料
を使用でき、またこれらの併用も可能である。通常、イ
エロートナー、マゼンタトナー、シアントナーにそれぞ
れ対応する色彩のものが用いられる。
【0076】例えば、従来モノクロ用として用いられて
いるカーボンブラック、ニグロシン染料等の他に、アゾ
系染料(例えば、C.I.ソルベントイエロー2,1,
4,16,19,60、C.I.ソルベントレッド3,
8,24,27)、アントラキノン系染料、インジコ染
料、フタロシアニン系染料、キサンテン系染料(例えば
C.I.ソルベントレッド48,49)等の染料、アゾ
系顔料(例えば、C.I.ピグメントイエロー12、
C.I.ピグメントレッド48,81、C.I.ピグメ
ントグリーン4)、ベンズイミダゾロン系顔料(例えば
C.I.ピグメントレッド185)、キナクリドン系顔
料(例えばC.I.ピグメントレッド122,207,
209)、フタロシアニン系顔料(例えばC.I.ピグ
メントブルー15、C.I.ピグメントグリーン7)、
イソインドリノン系顔料(例えば、C.I.ピグメント
イエロー109,173)、ジオキサジン系顔料(例え
ば、C.I.ピグメントバイオレット23)、アントラ
キノン系顔料(例えば、C.I.ピグメントイエロー1
08、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグ
メントブルー6)、ペリレン系顔料(例えば、C.I.
ピグメントオレンジ43)、チオインジコ系顔料(例え
ば、C.I.ピグメントバイオレット38)、キノフタ
ロン系顔料(例えば、C.I.ピグメントイエロー15
3)等の有機系顔料、および、酸化チタン、モリブデン
レッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロ
ム、ベルリンブルー等の無機系顔料などの公知の染料,
顔料が挙げられる。
【0077】これらの着色剤は、単独、または、2種以
上の混合物として、重量で樹脂100部に対して0.1
〜10部使用される。
【0078】また、トナー組成物中には、必要に応じて
帯電制御剤,導電剤,流動性向上剤等のいずれも公知の
ものが使用できる。例えば、正の荷電制御剤としては、
低分子化合物から高分子化合物(ポリマーも含む)まで
特に制限はない。また、ニグロシン系の染料であるニグ
ロシンベースEX、オイルブラックBS、オイルブラッ
クSO(以上、オリエント化学社製)や、トリフェニル
メタン系染料、4級アンモニウム化合物、アミノ基を有
するビニル系ポリマー等が挙げられる。
【0079】また、負の荷電制御剤としては、モノアゾ
染料の金属錯塩、ニトロフミン酸およびその塩、ニトロ
基やハロゲン元素を持った物質、スルホン化銅フタロシ
アニン、無水マレイン酸コポリマー等が挙げられる。
【0080】これらの帯電制御剤の1種以上を樹脂10
0部に対して、0.1〜10部使用される。これらの導
電剤は、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、マグ
ネタイトのような導電性を有する金属酸化物等が挙げら
れる。
【0081】流動性向上剤としては、例えば、アモルフ
ァスシリカ、ポリテトラフロロエチレン微粉末、ステア
リン酸亜鉛粉末等がある。これらの1種以上を樹脂10
0部に対して0.1〜10部使用できる。
【0082】図3は、本発明の効果をみるために用いた
電子写真画像形成装置(電子写真装置)の一例を示す概
略構成図である。転写工程によりトナーを転写紙に転写
させたのち、熱ローラ等で熱圧力定着することにより、
トナーを溶融,混色させる方式の電子写真装置である。
【0083】まず、制御部(図示省略)からの信号によ
り、帯電器11により感光体12の表面に略均一に所定
の電荷が付与される。次に、外部から入力された画像情
報に応じて前記制御部からの制御信号により露光器13
を駆動し、感光体12の表面を露光する。この露光によ
り、露光された部分の電荷が消去されて、前記感光体1
2表面上に静電潜像が形成される。
【0084】次いで、現像器(イエロー)14に収容さ
れている静電潜像とは逆極性に帯電されたトナーによっ
て、前記感光体12表面上に形成されている静電潜像を
可視像とし、この可視像を中間転写ドラム18上へ転写
する。この行程を同様に現像器(マゼンタ)15、現像
器(シアン)16、現像器(ブラック)17を用いて行
い、前記中間転写ドラム18上に4色を重ねた可視画像
を形成する。
【0085】次に、この可視画像を転写器19を用いて
紙またはプラスチックシート等の記録材20上に転写
し、定着器21により加熱,定着する。
【0086】なお、定着器21は、内部に熱源を有する
一対のロール、即ち、ヒートロールと圧力ロールからな
る。ヒートロールはシリコーンゴム、フッ素ゴム、フッ
素樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等
の被覆層が形成されており、ロール内部にはヒーター等
の熱源を備えている。なお、被覆層は、耐熱性ゴム、ゴ
ム系樹脂、あるいはこれらゴム層の上に樹脂層を被覆し
た層構造のものも使用できる。また、圧力ロールについ
ても同様である。本発明では、オイル供給機構を備え
ず、離型用オイル等の供給無しに熱圧力定着を行う。
【0087】以上の様に、本発明のトナーによれば、定
着時に離型用オイル等の塗布が全く不要で、優れたオイ
ルレス定着性を示し、かつ光沢性,発色性,透明性に優
れた画像を形成することができる。
【0088】次に、本発明を実施例、および、比較例に
よりさらに詳しく説明する。なお、実施例等の配合組成
割合は、特に、明示しない限り重量部を表す。
【0089】〔実施例 1〕非架橋(線型)ポリエステ
ルA(Tg:60℃、軟化温度Tm:100℃)70
部、架橋型(非線型)ポリエステルB(Tg:61℃、
Tm:106℃)30部に対して、カルナウバワックス
(融点:73℃)を5部、着色剤として、イエロートナ
ーはC.I.ピグメントイエロー17、マゼンタトナー
はC.I.ピグメントレッド122、シアントナーは
C.I.ピグメントブルー15:3、ブラックトナーは
カーボンブラックの各3部、電荷調整剤ボントロンE−
84(オリエント化学工業製)2部を2軸押し出し機に
て混練し、冷却後通常の粉砕、分級工程を経て平均粒径
約8μmの微粉を得た。
【0090】これをシリカTS−530(キャボット社
製)で表面処理し、イエロー、マゼンタ、シアン、およ
びブラックトナーをそれぞれ得た。
【0091】得られたトナーをエポキシ樹脂で固化し、
ミクロストームにて1000オングストローム程度の厚
さにスライスし、透過型電子顕微鏡で観察した。各色ト
ナーの粒子1個当りの離型剤の総占有率、および、トナ
ー径に対する離型剤の平均分散径比を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】このトナーを用いて、定着試験を行った。
具体的には、図3の装置から定着器を取り外し、未定着
画像を作成した。用紙上のトナー量は1.5〜1.6m
g/cm2とした。この画像を、外部定着器を用いて定
着する定着試験を行った。
【0094】ここで云う外部定着器とは、定着装置のみ
を取り外し単独で機能させた装置のことである。該外部
定着器は、ヒートロール、加圧ロール共に、シリコンゴ
ムの上にフッ素樹脂をコートした2層構造で、その径と
被覆層厚さは32mmφ×1.5mmである。
【0095】定着のスピードは70mm/sとし、10
0〜180℃の温度範囲で5℃おきに温調し、オフセッ
トの発生しない温度域を求めた。また、定着は完全なオ
イル未供給状態で行った。その結果、各色トナー共にオ
フセットの発生しない定着可能温度域が広く、良好な耐
オフセット性を示した。
【0096】次に、普通紙、および、白黒用のOHPフ
ィルム上にトナー量0.6mg/cm2、プロセススピ
ード70mm/s、定着温度150℃で定着した画像に
ついて、光沢度、および、OHP画像透明性を評価し
た。光沢度は、変角光沢度計VGS−300A(日本電
色工業製)を用い、測定角75°/75°の条件で測定
した。
【0097】OHP画像の透明性については、色彩色差
計SZΣ−98(日本電色工業製)を用い、イエロー、
マゼンタトナーについては、波長700nmにおける透
過率を、シアントナーについては500nmにおける透
過率を測定した。その結果、各色トナー共に良好な光沢
性,透明性を示すことが分かった。
【0098】次に、トナー耐久性の評価は図3の電子写
真装置で、6000枚の連続印字試験を行った。現像方
式は非磁性一成分現像方式であり、プロセススピードは
100mm/sである。その結果、6000枚印字終了
まで画像濃度は1.3以上、光沢度15以上(入射角7
5°/75°)で、カブリもなく、良好な画像が安定し
て得られた。また、感光体へのフィルミング、クリーニ
ング不良、非磁性一成分現像方式で問題となるブレード
への固着も発生しなかった。
【0099】さらに、湿度20,45,65,90%の
環境下に、50℃で18時間放置するブロッキング試験
を行った。その結果、トナーのブロッキングは認められ
ず、保存性についても問題のないことが分かった。評価
結果を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】〔実施例 2〕樹脂として、非架橋(線
型)ポリエステルA70部、架橋型(非線型)ポリエス
テルB30部の代わりに、非架橋ポリエステルA50
部、非架橋ポリエステルC(Tg:64℃、Tm:11
0℃)20部、架橋型ポリエステル30部を用いた以外
は、実施例1と同様にしてイエロー、マゼンタ、シア
ン、ブラックの各トナーを得た。得られたトナーの粒子
1個当りの離型剤の総占有率、および、トナー径に対す
る分散径比を表1に示す。
【0102】上記トナーを用いて実施例1と同様の試験
を行った。その結果、各色トナーとも光沢性、OHP透
明性共に良好で、耐久性も高く、耐オフセット性も良好
であった。評価結果を表2に示す。
【0103】〔実施例 3〕離型剤として、カルナウバ
ワックスの代わりに、ポリエチレンワックス(融点80
℃)5部を用いた以外は、実施例1と同様にしてシアン
トナーを得た。得られたトナーの粒子1個当りの離型剤
の総占有率、および、トナー径に対する分散径比を表1
に示す。
【0104】上記トナーを用いて実施例1と同様の試験
を行った。その結果、光沢性、OHP透明性共に良好
で、耐久性も高く、耐オフセット性も良好であった。評
価結果を表2に示す。
【0105】〔実施例 4〕離型剤として、カルナウバ
ワックスの使用量を10重量部とした以外は、実施例1
と同様にしてシアントナーを得た。得られたトナーの粒
子1個当りの離型剤の総占有率、および、トナー径に対
する分散径比を表1に示す。
【0106】上記トナーを用いて実施例1と同様の試験
を行った。その結果、光沢性、OHP透明性共に良好
で、耐久性、耐オフセット性も良好であった。評価結果
を表2に示す。
【0107】〔比較例 1〕架橋型(非線型)ポリエス
テルBの代わりに、架橋型(非線型)ポリエステルD
(Tg:72℃、Tm:140℃)を用いる以外は、実
施例1と同様にして、マゼンタトナーを得た。得られた
トナーの粒子1個当りの離型剤の総占有率、および、ト
ナー径に対する分散径比を表1に示す。
【0108】上記トナーを用いて実施例1と同様の試験
を行なった。その結果、耐久性、定着可能温度領域は実
用上問題のない範囲であったが、光沢が低く、また、O
HP画像の透明性も不充分なものであった。
【0109】〔比較例 2〕樹脂として、非架橋(線
型)ポリエステルA70部、架橋型(非線型)ポリエス
テルB30部の代わりに、非架橋ポリエステルA30
部、架橋型ポリエステル70部を用いた以外は、実施例
1と同様にしてシアントナーを得た。得られたトナーの
粒子1個当りの離型剤の総占有率、および、トナー径に
対する分散径比を表1に示す。
【0110】上記トナーを用いて実施例1と同様の試験
を行った。その結果、耐久性に優れ定着可能温度領域に
ついても実用可能な範囲であったが、光沢が低く、また
OHP画像の透明性も不充分なものであった。
【0111】〔比較例 3〕離型剤として、カルナウバ
ワックスの代わりにポリプロピレンワックス(融点15
0℃)5部を用いた以外は、実施例1と同様にしてシア
ントナーを得た。得られたトナーの粒子1個当りの離型
剤の総占有率、および、トナー径に対する分散径比を表
1に示す。
【0112】上記トナーを用いて実施例1と同様の試験
を行った。その結果、耐久性には優れていたが、評価し
た全温度範囲においてオフセットが発生し、定着不可能
となった。
【0113】〔比較例 4〕トナー組成については実施
例1と同様で、トナー製造時の混練温度を変更し、シア
ントナーを得た。得られたトナーの粒子1個当りの離型
剤の総占有率、および、トナー径に対する分散径比を表
1に示す。
【0114】上記トナーを用いて実施例1と同様の試験
を行った。その結果、耐久性には優れていたが、評価し
た全温度範囲においてオフセットが発生し、定着不可能
となった。
【0115】〔比較例 5〕トナー組成については実施
例1と同様で、トナー製造時の混練回転シェアを変更
し、シアントナーを得た。得られたトナーの粒子1個当
りの離型剤の総占有率およびトナー径に対する分散径比
を表1に示す。
【0116】上記トナーを用いて実施例1と同様の試験
を行った。その結果、現像ブレードへのフィルミングが
発生し、現像不可能となった。また、ブロッキング試験
においても18時間放置後のトナーは完全なブロック状
態を呈し、実用上問題があった。
【0117】
【発明の効果】本発明によれば、架橋度の異なる2種以
上の樹脂を併用することにより、離型剤添加による最大
の課題であるトナー耐久性の低下を抑制することができ
る。
【0118】また、トナー中にドメインとして存在する
離型剤の量、平均径を制御することにより、定着時にお
ける離型剤の滲み出しが迅速化でき、定着装置にオイル
等の供給が不要な、高い耐オフセット性を有するトナー
を提供することができる。
【0119】また、定着時以外、即ち、現像、転写等の
他プロセスにおける離型剤の分離、フィルミングが防止
でき、カラーシステムに固有の課題である発色性,透明
性を高次元で満足するトナーを提供することができる。
【0120】また、本発明のトナーは、従来の混練粉砕
法で製造することができ、特別な設備や樹脂を用いるこ
となく、安価に高性能なトナーを提供できる。そのた
め、小型でメンテナンスフリーな電子写真装置を提供す
る上で利点となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトナーの概略構成図である。
【図2】トナーの離型剤占有率と平均分散径に対する耐
オフセット性との関係を示すグラフである。
【図3】本発明に係る電子写真画像形成装置の概略構成
図である。
【符号の説明】
1…樹脂、2…着色剤、3…離型剤、11…帯電器、1
2…感光体、13…露光器、14…現像器(イエロ
ー)、15…現像器(マゼンタ)、16…現像器(シア
ン)、17…現像器(ブラック)、18…中間転写ドラ
ム、19…転写器、20…記録材、21…定着器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮坂 徹 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 斎藤 雅彦 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立多賀エレクトロニクス内 Fターム(参考) 2H005 AA01 AA06 AA21 CA08 CA13 CA14 CA17 DA06 EA05 EA07 EA10 FB02 2H033 AA09 BA41 BA58

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像情報に基づき光導電体上に形成され
    た静電潜像を可視化する電子写真用トナーにおいて、 前記トナーは、架橋度の異なる2種以上の樹脂混合物中
    に離型剤が分散、粉砕された着色粉体で構成され、該ト
    ナーの粒子1個中にドメインとして存在する離型剤の総
    占有率が1〜10%であり、離型剤の平均分散径がトナ
    ーの粒子径の10〜50%であることを特徴とする電子
    写真用トナー。
  2. 【請求項2】 前記樹脂混合物の少なくとも1種が、線
    型樹脂である請求項1に記載の電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 前記樹脂混合物の少なくとも1種が、ポ
    リエステル樹脂である請求項1に記載の電子写真用トナ
    ー。
  4. 【請求項4】 画像情報に基づき光導電体上に形成され
    た静電潜像を可視化する電子写真用トナーの製法におい
    て、 前記トナーは架橋度の異なる2種以上の樹脂混合物中に
    離型剤を分散し、粉砕して形成する着色粉体から成り、
    該トナーの粒子1個中に、ドメインとして存在する離型
    剤の総占有率が1〜10%であり、かつ、離型剤の平均
    分散径が前記トナー径の10〜50%となるよう調製す
    ることを特徴とする電子写真用トナーの製法。
  5. 【請求項5】 画像情報に基づき光導電体上に形成され
    た静電潜像を、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写
    真用トナーを用いて現像したトナー像を記録材上に転
    写、加熱定着させて可視化する電子写真画像形成装置で
    あって、前記定着時の加熱部材にオイルを供給せずに定
    着することを特徴とする電子写真画像形成装置。
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