JP4136780B2 - カラー二成分系現像剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法及びトナージェット法の如き画像形成方法に用いられるカラー二成分系現像剤、特にオイルレスに適したカラー二成分系現像剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
二成分系現像剤は、キャリアがトナーの撹拌・搬送・帯電などの機能を分担し、現像剤としての機能が分離されているため、制御性がよいなどの特徴があり、現在、広く用いられている。特に高画質を要求されるフルカラー複写機又はフルカラープリンタの如きフルカラー画像形成装置では好適に用いられている。
【0003】
二成分系現像剤の課題は、摩擦帯電がトナーとキャリアの間の接触、衝突などの物理的外力によりなされるため、どうしてもトナー、キャリア双方にダメージを与えてしまうことである。例えば、トナーでは、その表面に添加される外添剤がトナー中に埋め込まれたり、トナー成分が取れ遊離したりする。また、キャリアでは、外添剤を含むトナー構成成分により汚染され、これらのダメージは、複写回数が増えるにしたがって、現像剤の初期特性が維持できなくなり、地カブリや機内汚れ、画像濃度の変動などを引き起こす原因となる。
【0004】
また近年定着時に定着を補佐するシリコーンオイルを塗布する構成は、ベタツキ感から万人に好意的に受けるものではなくなってきている。そこでトナー中に離型剤を添加する方法が提案されているが、トナーの流動性が悪くなり、離型剤の脱離などもあることから、上記の二成分系現像剤の課題に対して、さらなるハードルを高くするものである。
【0005】
キャリア側からの改善として、様々な汚染を防止するため表面エネルギーの低い表面層、例えばシリコーン樹脂や、フッ素系樹脂を用いることで改善を試みている。これらの樹脂は汚染には有効なものの、接着性が低いため長期使用において剥がれ、磨耗が発生しやすく、経時的に現像剤の帯電変化を起こす要因ともなっている。そこで、キャリアの樹脂層に粒子を入れることで改善を試みようとするものもある。例えば、ガラス転移温度が0℃以下のアクリル酸エステル共重合体及び/又はメタクリル酸エステル共重合体からなるコア層をガラス転移温度が50℃以上のビニル系重合体で被覆した樹脂粒子を含有することを特徴とする樹脂コートキャリア(例えば、特許文献1参照)、またマトリックス樹脂中に導電性微粉末と樹脂微粒子を分散させたものや(例えば、特許文献2、3参照)、そしてシリコーン樹脂微粒子を抵抗調整剤(例えば、特許文献4参照)、中空樹脂微粒子を添加したキャリアなどの提案がある(例えば、特許文献5参照)。
【0006】
また上記キャリアなどに加え、トナーからも改良する提案がある。例えば、シリカと酸化チタンとの添加比を調整することで、安定化させようという試みがされている(例えば、特許文献6参照)。
【0007】
しかしながら、近年、文章から画像まで幅広い分野にカラー画像が普及しつつある中で、文章などに使われるワンポイントカラーなど画像面積比率のかなり低いものから、写真のような画像面積比率の高いものまで、安定して画質を維持するためには、これまで以上に現像剤の帯電安定化が必要なため、上記提案では十分対応できていないのが実状である。
【0008】
さらに近年様々なメディアに対応する有効な手段として、転写部材に中間転写体を用いることが多くなってきている。中間転写体を用いたシステムだと、少量のキャリア付着を生じても画像に弊害が出やすくなるため、細心の注意が必要である。特に現像コントラストを大きくとった時にキャリアがキャリアの穂から外れて、トナーと共に現像されてしまうキャリア付着の場合、画像にキャリア粒径程度の白抜けが発生し特に画像に目立ちやすいものであり、そのため現像されやすい現像剤設計、例えばトナーとキャリアの適度な離れやすさなど、さらなる改良が求められているのが現状である。
【0009】
【特許文献1】
特開平07−181742号公報
【特許文献2】
特開平9−269614号公報
【特許文献3】
特開平10−186731号公報
【特許文献4】
特開平10−221892号公報
【特許文献5】
特開平9−160308号公報
【特許文献6】
特開平9−319132号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決したカラー二成分系現像剤を提供することにある。具体的には、カブリ、濃度変動、帯電変動そしてキャリア付着による白抜けのない高画質の画像が得られ、なおかつ画像面積比率に依らない高い耐久性能を有したカラー二成分系現像剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的はキャリア表面とトナー表面の各種材料をバランスよく存在させることで達成され、以下の構成により成り立つものである。
【0012】
(1)少なくともトナーとキャリアとを含有するカラー二成分系現像剤において、
(i)該キャリアは表面にシリコーン系樹脂を有しており、該樹脂層中に少なくとも樹脂粒子を有し、
(ii)該トナーは少なくとも同一金属の酸化化合物がトナー表面上で10nm未満と、200nm以上の個数分布粒径において存在し、且つ10nmから200nmまでの間にトナー表面上での個数分布粒径において少なくとも2つの極大値を持つ無機微粉体であり、該極大値の粒径が10nm以上60nm未満の領域に少なくとも一つの極大値が存在し、さらに70nm以上200nm未満の領域に少なくとも一つの極大値が存在していることを特徴とするカラー二成分系現像剤に関する。
【0014】
)長軸径/短軸径=1.0以上1.2未満の該無機微粉体において、個数分布粒径の極大値の粒径が10nm以上60nm未満の領域にあることを特徴とする(1)に記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0015】
)長軸径/短軸径=1.2以上5.0未満の該無機微粉体において、個数分布粒径の極大値の粒径が70nm以上200nm未満の領域にあることを特徴とする(1)又は(2)に記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0016】
)該無機微粉体の金属がチタンあるいはケイ素であることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0017】
)該樹脂粒子がポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子であることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0018】
)該トナーが少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤を含有し、該トナーの示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークの温度Tscが、60℃<Tsc<110℃であることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0019】
)該結着樹脂は、ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂を含有することを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0020】
)該樹脂粒子がキャリアの樹脂層質量100質量部に対して、1質量部以上50質量部以下添加されていることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0021】
)該樹脂粒子の個数平均粒径が0.1μm以上3.0μm以下であることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0022】
10)該トナーが、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーのいずれかであることを特徴とする(1)乃至()のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤に関する。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、キャリア表面形状及び組成とトナー表面組成における特定の組み合わせにより所望の性能を得ることを見いだした。表層が比較的滑らかなキャリアにおいては、所詮1個のトナーから見ればキャリアは大きく、トナーとキャリアの接触面積は平面的で大きいため、トナーがキャリアから離れるためにはかなりのエネルギーを必要とする。そのため現像コントラストの高いものになってしまい、結果キャリア付着による白抜けが悪い画像となってしまう。そこで本発明者らは、キャリア表面に微細な凹凸を作ることで、1個のトナーとキャリアとの接触を点のようにすることで接触面積を減らし、現像コントラストを適切に設定することでキャリア付着による白抜けのない高画質な画像を得ることができた。
【0024】
またどのような画像面積比率の画像を用いても、帯電が一定であるためには、トナーの帯電分布がシャープであることが非常に重要となる。そのためにはキャリア表面上ができるだけ均一な帯電性も持つことと、トナー表面上も同様に均一な帯電性を持たせることが必要である。つまりキャリアの表面組成は低表面エネルギーの表層でありながら、樹脂粒子との帯電ギャップが比較的少ないシリコーン樹脂が必要であり、さらにトナーの外添剤としては単一組成で粒度分布を広くして覆うことが重要となる。単に流動性の良い小さな無機微粉体を1種だけ外添すれば良いように思えるが、文字などのような画像面積比率がかなり少ないものを連続複写していくと、いわゆるチャージアップと呼ばれる現象が起こり、帯電がかなり高くなってしまうものである。逆にチャージアップ性の低い大きな無機微粉体を1種外添した場合、写真画像などのような画像面積比率がかなり大きいものを連続複写していくと、流動性が悪いため混合不良が起こりやすく結果カブリ、飛散抑制の悪いものになってしまう。またその無機微粉体は形状に特徴があるのが好ましく、小さな極大値を持つ無機微粉体の場合は、流動性を向上させるため球形度の高いものが有効である。また大きな極大値を持つ無機微粉体の場合は、スペーサー効果によりトナーとキャリアを離れやすくし白抜けを防止することと、チャージアップ抑制を担うものであるが、その両方に形状が大きく関与していることが分かった。球形度が低いものがトナーとの接触面積が大きいためか脱離しにくく、且つ球形でないためトナーの流動性を低く抑え、チャージアップ抑制をも発揮することを見いだし、本発明に至ったものである。
【0025】
本発明において、キャリア表面上に微細な凹凸を作るための所望の樹脂粒子粒径は、個数平均径が0.1〜3.0μmの範囲であり、好ましくは0.1〜2.0μmである。0.1μmより小さいと凹凸の効果が薄れ、白抜け抑制の悪いものになり、逆に3.0μmより大きいとトナー粒径に近くなるため同様に凹凸の効果が低くなり、白抜け抑制の悪いものになる。
【0026】
樹脂粒子の材質としては、シリコーン樹脂などのキャリア樹脂層との帯電ギャップが少ないものが良い。導電性の高い材料では帯電ギャップが大きいため、結果帯電分布が広いものとなるため、高抵抗である樹脂微粒子が良い。例えば樹脂微粒子としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の粒子が好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂;ポリスチレン、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルカルバゾール、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン等のポリビニルおよびポリビニリデン系樹脂;塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体;スチレン−アクリル酸共重合体;オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品;ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等のフッ素樹脂;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート等が挙げられる。樹脂微粒子に用いられる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂;尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂等のアミノ樹脂;エポキシ樹脂;等が挙げられる。そしてカラートナーに適正なネガ性帯電を与えうるポジ性樹脂微粒子が好ましく、シリコーン樹脂と極端な帯電差が無く、若干ポジ性がシリコーン樹脂より強い樹脂微粒子が良く、ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子であると最も帯電ギャップが少なく帯電均一となる。PMMA粒子は架橋型PMMA粒子を用いることが好ましい。ここでいう架橋型有機材料とは、分子鎖が3次元網状構造を持つものを指し、さらに好ましくは、分解温度が230℃以上、より好ましくは260℃以上であるものが良好な結果を得られる。またPMMA粒子はメチルメタクリレート単量体に架橋剤を加えて懸濁重合もしくは乳化重合によって得ることが好ましい。架橋剤としては主に重合性の二重結合を二個以上有する化合物であり、ジビニル化合物及び3以上のビニル基を持つ化合物等が単独または混合物として選ばれる。かかる架橋剤の単量体への添加量は0.005〜20質量%、好ましくは0.1〜10質量%の範囲が選ばれる。
【0027】
一方、本発明における無機微粉体の所望の形態は、少なくとも同一金属の酸化化合物がトナー表面上で10nm未満と、200nm以上の個数分布粒径において存在し、且つ10nmから200nmまでの間にトナー表面上での個数分布粒径において少なくとも2つの極大値を持つ無機微粉体であり、該極大値の粒径が10nm以上60nm未満の領域に少なくとも一つの極大値が存在していることであり、また70nm以上200nm未満の領域に少なくとも一つの極大値が存在していることである。さらに、長軸径/短軸径=1.0以上1.2未満の該無機微粉体において、個数分布粒径の極大値の粒径が10nm以上60nm未満の領域にあり、そして長軸径/短軸径=1.2以上5.0未満の該無機微粉体において、個数分布粒径の極大値の粒径が70nm以上200nm未満の領域にあることが良い。
【0028】
同一金属の酸化化合物でトナー表面上を覆うことで、帯電電位的に均一帯電を達成しやすくするものであり、さらに個数分布粒径で10nm未満と、200nm以上に存在することでトナーの凹凸を少なくすることで均一帯電化を促進するものである。凹の部分には大きい無機微粉体が存在しやすく、特に200nm以上だと顕著となり、また小さい無機微粉体はトナー表面全体に均一に付く傾向があり、特に10nm未満だと顕著となる。そのため個数分布粒径において10nm未満と、200nm以上という広い分布を持つことは、トナー表面の様々な凹凸を少なくし、キャリアに対するトナーの接触機会をトナー一個の表面においても均等にし易くするため、帯電電位的に均一帯電と同じ所ばかり接触しないため劣化を抑制し均一帯電を持続しやすくするものである。
【0029】
トナー表面上での個数分布粒径の極大値が、10nm未満だとトナーへの打ち込みに弱くなり、本来の効果である流動性が得られなくなり、60nm以上だと流動性を向上させる効果が得られなくなるため10nm以上60nm未満が良く、好ましくは20nm以上55nm以下が良い。また形状に関して長軸径/短軸径=1.2以上であると、流動性を向上させる効果がかなり低くなるため、長軸径/短軸径=1.0以上1.2未満が良く、好ましくは長軸径/短軸径=1.0以上1.1未満である。そして大きい粒径の極大値については70nm未満であるとスペーサーの効果が十分でなく白抜けの改善効果がなく、またチャージアップ抑制の効果もなく、逆に200nm以上だとトナーから離脱し易いものとなってしまうため、70nm以上200nm未満が良く、好ましくは80nm以上150nm未満である。また形状に関しては長軸径/短軸径=1.2未満であるとトナーから離脱し易く、且つチャージアップしやすいものとなり、逆に長軸径/短軸径=5.0以上になると、棒状になりすぎ接触面積が大きくなるため、スペーサー効果が低くなってしまうため、長軸径/短軸径=1.2以上5.0未満が良く、好ましくは長軸径/短軸径=1.5以上3.0未満が良い。
【0030】
また無機微粉体の材質としては、金属がチタンあるいはケイ素が良い。例えばケイ素ではシリカが挙げられ、シリカとはケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、いわゆる乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるもので、従来公知の技術によって製造されるものである。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸水素焔中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次の様なものである。
SiCl4+2H2+O2→SiO2+4HCl
【0031】
また、この製造工程において、例えば少量の塩化アルミニウム又は塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、それらも包含する。
【0032】
また上記酸化チタン微粉体としては、硫酸法、塩素法、揮発性チタン化合物例えばチタンアルコキシド,チタンハライド,チタンアセチルアセトネートの低温酸化法(熱分解,加水分解)により得られる酸化チタン微粒子が用いられる。結晶系としてはアナターゼ型,ルチル型,これらの混晶型,アモルファスのいずれのものも用いることができる。
【0033】
それ以外の無機微粉体の材質としては、例えばアルミニウムではポジ性が強いため、処理でいくらか帯電調整はできるもののチタン、ケイ素に比べると、帯電分布は広いものになってしまう。またPVdFなど樹脂粒子は形状が丸いものしか作りにくく、結果粒径が大きいとトナーから離脱してしまう。
【0034】
無機微粉体はカラートナー100質量部に対して、0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜4質量部含有させるとよい。
【0035】
上述してきた無機微粉体を用いたトナーとキャリアを組み合わせることで、トナーがキャリアに現像されずに残り劣化を促進する連れ回り現象に対して、上記の組み合わせは非常に有効になる。キャリア表面が微小な凹凸があることと、無機微粉体の粒径が広く劣化に強いため、トナーがキャリアから離れやすいため連れ回りを極力抑えられるためである。よって、トナー劣化が少なく、結果帯電均一性を維持するのに大きな効果をもつ。
【0036】
本発明のトナーに用いられる結着樹脂は、帯電立ち上がり性と離型剤の分散性から、(a)ポリエステル樹脂,又は(b)ポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂、又は(c)ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、又は(d)ポリエステル樹脂とビニル系共重合体との混合物,もしくは(e)ハイブリッド樹脂とポリエステル樹脂との混合物、もしくは(f)ポリエステル樹脂とハイブリッド樹脂、そしてビニル系重合体との混合物のいずれかから選択される樹脂が好ましい。また、樹脂成分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布が、メインピークを分子量3,500乃至30,000の領域に有しており、好ましくは、分子量5,000乃至20,000の領域に有しており、Mw/Mnが5.0以上であることが好ましい。
【0037】
メインピークが分子量3,500未満の領域にある場合には、トナーの耐ホットオフセット性が不十分である。一方、メインピークが分子量30,000超の領域にある場合には、十分なトナーの低温定着性が得られなくなり,高速定着への適用が難しくなる。また、Mw/Mnが5.0未満である場合には良好な耐オフセット性を得ることが難しくなる。
【0038】
なお、本発明において「ポリエステルユニット」とはポリエステルに由来する部分を示し、「ビニル系重合体ユニット」とはビニル系重合体に由来する部分を示す。ポリエステルユニットを構成するポリエステル系モノマーとしては、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分であり、ビニル系重合体ユニットとは、ビニル基を有するモノマー成分である。
【0039】
結着樹脂としてポリエステル系の樹脂を用いる場合は、アルコールとカルボン酸、もしくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステル等が原料モノマーとして使用できる。具体的には、例えば2価アルコール成分としては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等が挙げられる。
【0040】
3価以上のアルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等が挙げられる。
【0041】
酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜12のアルキル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;が挙げられる。
【0042】
それらの中でも、特に、下記一般式(1)で代表されるビスフェノール誘導体をジオール成分とし、2価以上のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分(例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等)を酸成分として、これらを縮重合したポリエステル樹脂が、カラートナーとして良好な帯電特性を有するので好ましい。
【0043】
【化1】
Figure 0004136780
【0044】
また、架橋部位を有するポリエステル樹脂を形成するための三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸および、これらの無水物やエステル化合物が挙げられる。三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で0.1〜1.9mol%が好ましい。
【0045】
さらに結着樹脂としてポリエステルユニットとビニル系重合体ユニットを有しているハイブリッド樹脂を用いる場合、さらに良好なワックス分散性と、低温定着性,耐オフセット性の向上が期待できる。本発明に用いられる「ハイブリッド樹脂成分」とは、ビニル系重合体ユニットとポリエステルユニットが化学的に結合された樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ)アクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマーを重合したビニル系重合体ユニットとがエステル交換反応によって形成されるものであり、好ましくはビニル系重合体を幹重合体、ポリエステルユニットを枝重合体としたグラフト共重合体(あるいはブロック共重合体)を形成するものである。
【0046】
ビニル系樹脂を生成するためのビニル系モノマーとしては、次のようなものが挙げられる。スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きスチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニルデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
【0047】
さらに、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、アルケニルコハク酸、フマル酸、メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、イタコン酸無水物、アルケニルコハク酸無水物の如き不飽和二塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、マレイン酸エチルハーフエステル、マレイン酸ブチルハーフエステル、シトラコン酸メチルハーフエステル、シトラコン酸エチルハーフエステル、シトラコン酸ブチルハーフエステル、イタコン酸メチルハーフエステル、アルケニルコハク酸メチルハーフエステル、フマル酸メチルハーフエステル、メサコン酸メチルハーフエステルの如き不飽和二塩基酸のハーフエステル;ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸の如きα,β−不飽和酸;クロトン酸無水物、ケイヒ酸無水物の如きα,β−不飽和酸無水物、該α,β−不飽和酸と低級脂肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、アルケニルグルタル酸、アルケニルアジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシル基を有するモノマーが挙げられる。
【0048】
さらに、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸エステル類;4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシ基を有するモノマーが挙げられる。
【0049】
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ユニットは、ビニル基を2個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよいが、この場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、エチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合を含むアルキル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられる。
【0050】
多官能の架橋剤としては、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタクリレートに代えたもの;トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメリテートが挙げられる。
【0051】
本発明のビニル重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(−2メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)、2−(カーバモイルアゾ)−イソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパン)、メチルエチルケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイドの如きケトンパーオキサイド類、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、イソブチルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、m−トリオイルパーオキサイド、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシカーボネート、ジ−メトキシイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(3−メチル−3−メトキシブチル)パーオキシカーボネート、アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシネオデカノエイト、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエイト、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシベンゾエイト、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート,ジ−t−ブチルパーオキシアゼレートがあげられる。
【0052】
本発明のトナーに用いられるハイブリッド樹脂を調製できる製造方法としては、例えば、以下の(1)〜(6)に示す製造方法を挙げることができる。
【0053】
(1)ビニル系重合体、ポリエステル樹脂及びハイブリッド樹脂成分をそれぞれ製造後にブレンドする方法であり、ブレンドは有機溶剤(例えば、キシレン)に溶解・膨潤した後に有機溶剤を留去して製造される。尚、ハイブリッド樹脂成分は、ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、少量の有機溶剤に溶解・膨潤させ、エステル化触媒及びアルコールを添加し、加熱することによりエステル交換反応を行なって合成されるエステル化合物を用いることができる。
【0054】
(2)ビニル系重合体ユニット製造後に、これの存在下にポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はビニル系重合体ユニット(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる)とポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)及び/またはポリエステルとの反応により製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0055】
(3)ポリエステルユニット製造後に、これの存在下にビニル系重合体ユニット及びハイブリッド樹脂成分を製造する方法である。ハイブリッド樹脂成分はポリエステルユニット(必要に応じてポリエステルモノマーも添加できる)とビニル系モノマー及び/またはビニル系重合体ユニットとの反応により製造される。
【0056】
(4)ビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、これらの重合体ユニット存在下にビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加することによりハイブリッド樹脂成分が製造される。この場合も適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0057】
(5)ハイブリッド樹脂成分を製造後、ビニル系モノマー及び/またはポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸)を添加して付加重合及び/又は縮重合反応を行うことによりビニル系重合体ユニット及びポリエステルユニットが製造される。この場合、ハイブリッド樹脂成分は上記(2)乃至(4)の製造方法により製造されるものを使用することもでき、必要に応じて公知の製造方法により製造されたものを使用することもできる。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0058】
(6)ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー(アルコール、カルボン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニル系重合体ユニット、ポリエステルユニット及びハイブリッド樹脂成分が製造される。さらに、適宜、有機溶剤を使用することができる。
【0059】
上記(1)乃至(5)の製造方法において、ビニル系重合体ユニット及び/またはポリエステルユニットは複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ユニットを使用することができる。
【0060】
なお、本発明のカラートナーに含有される結着樹脂は、上記ポリエステルとビニル系重合体との混合物、上記ハイブリッド樹脂とビニル系重合体との混合物、上記ポリエステル樹脂と上記ハイブリッド樹脂に加えてビニル系重合体の混合物を使用しても良い。好ましくはハイブリッド樹脂を含有することである。
【0061】
本発明のトナーに含有される結着樹脂のガラス転移温度は40〜90℃が好ましく、より好ましくは45〜85℃である。樹脂の酸価は1〜40mgKOH/gであることが好ましい。
【0062】
また本発明のカラートナーは、公知の電荷制御剤と組み合わせて使用することもできる。例えば、他の有機金属錯体、金属塩、キレート化合物で、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、ヒドロキシカルボン酸金属錯体、ポリカルボン酸金属錯体、ポリオール金属錯体などがあげられる。そのほかには、カルボン酸の金属塩、カルボン酸無水物、エステル類などのカルボン酸誘導体や芳香族系化合物の縮合体などもあげられる。またビスフェノール類、カリックスアレーンなどのフェノール誘導体なども用いられるが、好ましくは、芳香族カルボン酸の金属化合物を用いると、帯電立ち上りの観点からよい。本発明に用いられる電荷制御剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対する含有量が0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜7質量部使用するのが良い。0.2質量部未満であると帯電立ち上りの効果が得られず、10質量部より多いと環境変動が大きくなるためである。
【0063】
本発明に用いられる離型剤としては次のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、オレフィン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部または全部を脱酸化したものなどが挙げられる。
【0064】
そしてベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物などが挙げられる。特に好ましく用いられるワックスとしては、分子鎖が短く、且つ立体障害が少なくモビリティに優れる、パラフィンワックス、ポリエチレン、フィッシャートロプシュワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスである。
【0065】
ワックスの分子量分布では、メインピークが分子量350〜2400の領域にあることが好ましく、400〜2000の領域にあることがより好ましい。このような分子量分布をもたせることによりトナーに好ましい熱特性を付与することができる。
【0066】
本発明に用いられる離型剤の示差熱分析(DSC)測定における吸熱曲線において、温度30〜200℃の範囲に1個又は複数の吸熱ピークを有し、該吸熱ピーク中の最大吸熱ピークの温度Tscが、60℃<Tsc<110℃であることが好ましく、さらに好ましくは、70℃<Tsc<90℃である。60℃以下だと耐ブロッキング特性に劣り、110℃以上だと省エネの観点から望まれる低温定着を十分には行うことができず、また定着構成においても圧力を要する負荷を必要とするためである。
【0067】
本発明に用いられる離型剤の添加量としては、結着樹脂100質量部に対する含有量が1〜10質量部、好ましくは2〜8質量部使用するのが良い。1質量部より少ないと溶融時にトナー表面に出て離型性を発揮させるためには、量が少ないためかなりの熱量及び圧力を用いて行わなければならないためである。逆に10質量部を超えるとトナー中での離型剤量が多すぎるので、透明性や帯電特性が劣ってしまうためである。
【0068】
また、本発明に用いられるフルカラー用トナーの着色剤としては、例えば次の様なものが挙げられる。マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,21,22,23,30,31,32,37,38,39,40,41,48,49,50,51,52,53,54,55,57,58,60,63,64,68,81,83,87,88,89,90,112,114,122,123,163,202,206,207,209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1,2,10,13,15,23,29,35等が挙げられる。
【0069】
かかる顔料を単独で使用しても構わないが、染料と顔料と併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。かかるマゼンタ用染料としては、C.I.ソルベントレッド1,3,8,23,24,25,27,30,49,81,82,83,84,100,109,121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8,13,14,21,27、C.I.ディスパースバイオレット1等の油溶染料、C.I.ベーシックレッド1,2,9,12,13,14,15,17,18,22,23,24,27,29,32,34,35,36,37,38,39,40、C.I.ベーシックバイオレット1,3,7,10,14,15,21,25,26,27,28等の塩基性染料が挙げられる。
【0070】
その他の着色顔料として、シアン用着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2,3,15,16,17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45又は化3式で示される構造を有するフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等である。
【0071】
イエロー用着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロー1,2,3,4,5,6,7,10,11,12,13,14,15,16,17,23,65,73,74、83、155、180、C.I.バットイエロー1,3,20等が挙げられる。
【0072】
尚、着色剤の使用量は結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部、好ましくは0.5〜20質量部である。
【0073】
次に、トナーを製造する手順について説明する。
【0074】
まず、原料混合工程では、トナー内添剤として、少なくとも樹脂、着色剤を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー等がある。
【0075】
更に、上記で配合し、混合したトナー原料を溶融混練して、樹脂類を溶融し、その中に着色剤等を分散させる。その溶融混練工程では、例えば、加圧ニーダー、バンバリィミキサー等のバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができる。近年では、連続生産できる等の優位性から、1軸または2軸押出機が主流となっており、例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型2軸押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コ・ニーダー等が一般的に使用される。更に、トナー原料を溶融混練することによって得られる着色樹脂組成物は、溶融混練後、2本ロール等で圧延され、水冷等で冷却する冷却工程を経て冷却される。
【0076】
そして一般的には上記で得られた着色樹脂組成物の冷却物は、次いで、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、まず、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミル等で粗粉砕され、更に、川崎重工業社製のクリプトロンシステム、日清エンジニアリング社製のスーパーローター等で粉砕される。その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業社製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン社製)等の分級機等の篩分機を用いて分級し、重量平均粒子径3乃至11μmの分級品を得る。必要に応じて、表面改質工程で表面改質=球形化処理、例えば奈良機械製作所製のハイブリタイゼーションシステム、ホソカワミクロン社製のメカノフージョンシステムを行い、分級品とすることもできる。必要に応じて風力式篩のハイボルター(新東京機械社製)等の篩分機を用いても良い。更に、外添剤を外添処理する方法としては、分級されたトナーとシリカ、及び酸化チタンなどを所定量配合し、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー等の粉体にせん断力を与える高速撹拌機を外添機として用いて、撹拌・混合することによりトナーを得ることができる。
【0077】
本発明の二成分系現像剤は、トナーは磁性キャリアと混合して使用される。磁性キャリアとしては、例えば表面酸化又は未酸化の鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類の如き金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子及びフェライト等が使用でき、特に限定されず公知の方法を挙げることができる。例えば、MnO、MgO及びFe23がそれぞれ35〜45、5〜15及び45〜55mol%の組成となるように各酸化物を適量配合し、さらにこれにSrOまたは最終的にSrOとなるSrCO3を所定量配合し、通常、水を加え、湿式ボールミル等で混合する。得られたスラリーを乾燥し、さらに粉砕した後700〜1200℃の温度で仮焼成する。仮焼成後さらに湿式ボールミルまたは湿式振動ミル等で粉砕した後、必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、粘度調整後、造粒し、1000〜1500℃の温度で1〜24時間保持し、本焼成を行なう手段を用いることができる。この焼成物を、粉砕し、分級する。なお、さらに必要に応じ還元を若干行なった後に表面を低温で再酸化してもよい。
【0078】
本発明に用いるキャリアは、シリコーン系樹脂を表面に有することが必要である。本発明で使用される樹脂の付着量は、キャリアコア100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であり、さらには0.3〜5質量部の範囲であることが最も好適である。付着量が0.1質量部未満ではキャリアコア材を十分にコートすることが困難となり、とくに耐久後にトナーに対して十分な帯電付与制御ができない。また、10質量部を超えると高抵抗化するため、現像コントラストをかなり上げる必要があり本体負荷が上がるため好ましくない。
【0079】
本発明のキャリアの被覆層に使用されるシリコーン系樹脂としては、例えば下記▲1▼及び▲2▼で示すような反応により硬化する縮合反応型シリコーン樹脂を好ましく用いることができる。
【0080】
【化2】
Figure 0004136780
【0081】
式中、R1,R2,R3,R4はそれぞれアルキル基、水素原子、メトキシ基、ハロゲン基、フェニル基等の置換基を表し、OXは、アルコキシ基、ケトキシム基、アセトキシ基、アミノキシ基等を表す。置換基がメチル基である場合、縮合反応型シリコーン樹脂により得られる被覆層においては、構造が緻密となり、特に、磁性樹脂キャリアの成膜には好ましい。加えて、溌水性が良く耐湿性の良好なキャリアとなる。またシリコーン樹脂は、従来から知られているいずれのシリコーン樹脂であってもよく、オルガノシロキサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂及びアルキッド、ポリエステル、エポキシ、ウレタンなどで変性したシリコーン樹脂等が挙げられる。
【0082】
キャリア被覆層に用いるシリコーン系樹脂としては、加熱硬化型シリコーン樹脂、常温硬化型シリコーン樹脂何れをも用いることができ、常温硬化型シリコーン樹脂を用いる場合には、特に高温に加熱する必要がないのでキャリアを容易に製造することができる。
【0083】
加熱硬化型シリコーン樹脂を用いる場合には、130〜250℃で加熱することが必要である。常温硬化型シリコーン樹脂でも硬化を促進させるために80〜250℃の範囲内で加熱させても良い。また、乾燥に際して、オクチル酸、ナフテン酸などの鉛、鉄、コバルト、錫、マンガン、亜鉛等の金属石鹸を乾燥促進剤として用いてもよい。また、エタノールアミン等の有機アミン類も乾燥促進剤として有効に用いることができる。
【0084】
本発明のキャリアを製造する方法としては、キャリアコア材を浮遊流動させながら樹脂溶液をスプレーしコア材表面に樹脂膜を形成させる方法、及びスプレードライ法が挙げられる。またその他の方法として、剪断応力を加えながら溶媒を徐々に揮発させるといった他の方法によっても本発明のキャリアを製造することができる。かかる方法としては具体的には樹脂のガラス転移点以上で溶媒揮発後に固着したキャリアを解砕する方法、及び、剪断応力を加えつつ被膜を硬化、解砕する方法によっても製造することができる。
【0085】
さらに、該キャリアは、体積平均粒径が20〜100μmであり、好ましくは30μm〜70μmである。平均粒径が20μmよりも小さい場合、トナーとの混合が難しくなる。また、100μmよりも大きくなると比表面積が小さいことから、トナー補給時の帯電能力が劣り、カブリやトナー飛散の原因となることがある。
【0086】
上記磁性キャリアは、現像スリーブに交流バイアスを印加する現像法において特に好ましい。本発明の二成分系現像剤を調製する場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、2〜15質量%、好ましくは4〜13質量%にすると通常良好な結果が得られる。トナー濃度が2質量%未満では画像濃度が低下しやすく、15質量%を超えるとカブリや機内飛散が発生しやすい。
【0087】
本発明における測定法について以下に説明する。
【0088】
1)トナーの摩擦帯電量の測定方法
図1は摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。底に500メッシュのスクリーン53のある金属製の測定容器52に、複写機又はプリンターの現像スリーブ上から採取した二成分系現像剤を約0.5〜1.5g入れ金属製のフタ54をする。この時の測定容器52全体の質量を秤りW1(g)とする。次に吸引機51(測定容器52と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁56を調整して真空計55の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。この試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く算出される。
試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
(但し、測定条件は23℃,50〜60%RHとする)
【0089】
スタートから1万枚の耐久のおける帯電変化について以下のようになる。
A:2mC/kg未満で良好
B:2mC/kg以上で4mC/kg未満で良好
C:4mC/kg以上で6mC/kg未満で実用上問題なし
D:6mC/kg以上で8mC/kg未満で実用上問題あり
E:8mC/kg以上で悪い
【0090】
2)離型剤及びトナーの極大吸熱ピークの測定
温度曲線:昇温I(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
降温I(200℃〜30℃、降温速度10℃/min)
昇温II(30℃〜200℃、昇温速度10℃/min)
トナーの最大吸熱ピークは、示差走査熱量計(DSC測定装置)、DCS−7(パーキンエルマー社製)やDSC2920(TAインスツルメンツジャパン社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
【0091】
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。トナーの最大吸熱ピークは、昇温IIの過程で、樹脂Tgの吸熱ピーク以上の領域のベースラインからの高さが一番高いものを、若しくは樹脂Tgの吸熱ピークが別の吸熱ピークと重なり判別し難い場合、その重なるピークの極大ピークから高さが一番高いものを本発明のトナーの最大吸熱ピークとする。
【0092】
3)離型剤の分子量測定
装置:GPC−150C(ウォーターズ社)
カラム:GMH−HT30cm、2連(東ソー社製)
温度:135℃
溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1質量%アイオノール添加)
流速:1.0ml/min
試料:0.15質量%のワックスを0.4ml注入
以上の条件で測定し、ワックスの分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線を使用する。さらに、Mark−Houwink粘度式から導き出される換算式に基づいてポリエチレン換算することでワックスの分子量を算出する。
【0093】
4)トナーのGPC測定による分子量分布
トナーの樹脂成分におけるGPCによる分子量分布は、下記の通り、トナーをTHF溶媒に溶解させて得られたTHF可溶成分を用いて、GPCにより測定する。
【0094】
すなわち、トナーをTHF中に入れ、数時間放置した後十分に振とうしTHFと良く混ぜ(試料の合一体がなくなるまで)、更に12時間以上静置する。このときTHF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルタ(ポアサイズ 0.45〜0.5μm、例えば、マイショリディスクH−25−5 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマンサイエンスジャパン社製などが利用できる)を通過させたものを、GPCの試料とする。また試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
【0095】
上記の方法で調製された試料のGPCの測定は、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6質量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を約50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数(リテンションタイム)との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製或いはPressure Chemical Co.製の分子量が6×102、2.1×103、4×104、1.75×104、5.1×104、1.1×105、3.9×105、8.6×105、2×106、4.48×106のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0096】
カラムとしては、103〜2×106の分子量領域を的確に測定するために、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801,802,803,804,805,806,807の組み合わせや、Waters社製のμ−styragel 500、103、104、105の組み合わせを挙げることができる。
【0097】
5)トナー粒度分布の測定
本発明において、トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用いて行うが、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いることも可能である。電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。例えば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記測定装置によりアパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、2.00μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから本発明に係る体積分布から求めた重量平均粒径(D4)(各チャンネルの中央値をチャンネル毎の代表値とする)を求めた。
【0098】
チャンネルとしては、2.00〜2.52μm;2.52〜3.17μm;3.17〜4.00μm;4.00〜5.04μm;5.04〜6.35μm;6.35〜8.00μm;8.00〜10.08μm;10.08〜12.70μm;12.70〜16.00μm;16.00〜20.20μm;20.20〜25.40μm;25.40〜32.00μm;32.00〜40.30μmの13チャンネルを用いる。
【0099】
6)無機微粉体のトナー上の個数粒径及び長軸径/短軸径の比
トナー表面上の個数粒径測定は、走査型電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)を用いて行った。撮影倍率は10万倍とし、さらに撮影された写真を2倍に引き伸ばした後、この写真像から無作為に200〜500サンプル抽出し、最大粒径を長径とし、最小粒径を短径とし、長径を基準に個数粒径分布と極大値粒径を得た。また粒径分布は10nm毎に0〜200nmまで仕切り、極大値を求めた。200nm以上は一くくりとした。また長軸径/短軸径に関しては、上記と同様に各々の無機微粉体の長径及び短径をも測定し、長軸径/短軸径を算出した(無機微粉体のトナー上の長軸径/短軸径の見方は図2参照)。
【0100】
7)定着可能領域
レーザージェット4100(ヒューレットパッカード社製)の定着器の改造機を用い、定着ユニットは手動で定着温度が設定できるように改造した状態で定着試験を行った。画像はCLC1000で単色モードで常温常湿度環境下(23℃/60%)において、紙上のトナー載り量を1.2mg/cm2になるよう現像コントラストを調整し、未定着画像を作成した。A4(CLC推奨紙であるTKCLA4)上に画像面積比率25%で画像を形成する。常温常湿度環境下(23℃/60%)において120℃から順に10℃づつ上げ、オフセットや巻きつきが生じない温度幅を定着可能領域とした。
A:定着幅が40℃以上ある。
B:定着幅が30℃以上40℃未満である。
C:定着幅が20℃以上30℃未満である。
D:定着幅が20℃未満であり、実用上問題あり。
E:定着幅が全くない。
【0101】
8)カブリ測定
耐久試験においてのカブリを測定方法としては、シアン及びブラック画像の場合、画出し前の普通紙の平均反射率Dr(%)をアンバーフィルターを搭載したリフレクトメーター(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」)によって測定した。一方、普通紙上にベタ白画像を画出しし、次いでベタ白画像の反射率Ds(%)を測定した。カブリ(Fog[%])は下記式
Fog[%]=Dr[%]−Ds[%]
より算出した。またマゼンタ及びブラック画像の場合はグリーンフィルター、そしてイエロー画像の場合はブルーフィルターで上記の測定を行って算出した。
A:0.7%未満で良好
B:0.7以上で1.2%未満で良好
C:1.2以上で1.5%未満で実用上問題なし
D:1.5以上で2.0%未満で実用上問題あり
E:2.0%以上で悪い
【0102】
9)キャリア付着による白抜け
iRC3200(キヤノン社製)を用いてドラム上のトナー現像量が0.6mg/cm2になるよう現像コントラストを調整し、A4全面ベタ画像を5枚連続出力した時の、キャリア粒径程度に白く抜ける個数をカウントし、A4一枚あたりに平均したもので表す。
・白抜けランク
A:全くなしで良い。
B:0.5個以内で良い。
C:0.5個より多く、1個以内で実用上問題なし。
D:1個より多く、2個以内で実用上問題あり。
E:2個より多くて悪い。
【0103】
10)耐ブロッキング特性
約10gのトナーを100mlのポリカップに入れ、50℃で3日放置した後、目視で評価した。
・耐ブロッキンクランク
A:凝集物は見られない。
B:凝集物はわずかに見られるが容易に崩れる。
C:凝集物は見られるが容易に崩れる。
D:凝集物は見られるが振れば崩れる。
E:凝集物をつかむことができ容易に崩れない。
【0104】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0105】
(ハイブリッド樹脂製造例)
ビニル系共重合体として、スチレン2.0mol、2−エチルヘキシルアクリレート0.21mol、フマル酸0.14mol、α−メチルスチレンの2量体0.03mol、ジクミルパーオキサイド0.05molを滴下ロートに入れる。また、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン7.0mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.0mol、テレフタル酸3.0mol、無水トリメリット酸1.9mol、フマル酸5.0mol及び酸化ジブチル錫0.2gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、145℃の温度で撹拌しつつ、先の滴下ロートよりビニル系樹脂の単量体、架橋剤及び重合開始剤を4時間かけて滴下した。次いで200℃に昇温を行い、4時間反応せしめてハイブリッド樹脂を得た。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
【0106】
(ポリエステル樹脂製造例)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン3.6mol、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン1.6mol、テレフタル酸1.7mol、無水トリメリット酸1.4mol、フマル酸2.4mol及び酸化ジブチル錫0.12gをガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計,撹拌棒,コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。窒素雰囲気下で、215℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂を得た。GPCによる分子量測定の結果を表1に示す。
【0107】
【表1】
Figure 0004136780
【0108】
(ワックス)
本発明に用いたワックスを表2に記載した。
【0109】
【表2】
Figure 0004136780
【0110】
<実施例1>
表3に示すように以下の方法でトナー1を調製した。
【0111】
・ハイブリッド樹脂 100質量部
・ワックス(A) 3質量部
・1,4−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 1.5質量部
・シアン顔料(Pigment Blue15:3) 4質量部
上記の処方で十分にヘンシェルミキサーにより予備混合を行い、二軸押出し混練機で溶融混練し、冷却後ハンマーミルを用いて約1〜2mm程度に粗粉砕し、次いでエアージェット方式による微粉砕機で20μm以下の粒径に微粉砕した。さらに得られた微粉砕物を分級装置(エルボジェット分級機)を用いてシアン粒子1(分級品)を得た。
【0112】
上記シアン粒子100質量部に対して、酸化チタン微粉体(トナー表面上の極大値粒径40〜50nm、長径/短径=1.05、イソブチルシランカップリング剤19質量%処理)0.8質量部と、酸化チタン微粉体(トナー表面上の極大値粒径120〜130nm、長径/短径=2.5、イソブチルシランカップリング剤11質量%処理)0.8質量部をヘンシェルミキサーにより外添してトナー1とした。トナー1の重量平均径は7.0μmであった。
【0113】
さらに、磁性フェライトキャリア粒子(平均粒径45μm:Mn−Mgフェライト)100質量部に対して、シリコーン樹脂(KR−255、信越化学)を1.2質量部と、架橋PMMA粒子(個数平均粒径0.2μm、熱分解温度330℃)を10質量部で表面膜を形成したキャリア1を、トナー1とトナー濃度が7.0質量%になるように混合し、二成分系現像剤1とした。現像剤の測定結果を表4に示す。
【0114】
この現像剤1で、カラー複写機CLC−1000(キヤノン製)の定着ユニットのオイル塗布機構を取り外した改造機を用い、単色モードで常温低湿度環境下(23℃/5%)及び高温高湿環境下(30℃/80%)で画像面積比率の低い(2%画像面積比率)オリジナル原稿と、画像面積比率の高い(28%画像面積比率)オリジナル原稿を用いて、それぞれ1万枚の耐刷試験の評価を行った。
【0115】
表4に示すように、耐ブロッキング性、定着可能領域も良かった。さらに両環境、両画像面積比率の耐刷試験においても、1万枚の耐久後でも初期との帯電変動も小さく、キャリア付着による白抜けにも問題なく、カブリのないオリジナルを忠実に再現するシアン画像が得られた。
【0116】
<実施例2>
実施例1において、表3に示すように酸化チタン微粉体(トナー表面上の極大値粒径20〜30nm、長径/短径=1.01、イソブチルシランカップリング剤21質量%処理)と、酸化チタン微粉体(トナー表面上の極大値粒径150〜160nm、長径/短径=1.5、イソブチルシランカップリング剤8質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー2を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下の2%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリ、そして白抜けには劣るものの良好な結果であった。
【0117】
<実施例3>
実施例1において、表3に示すように酸化チタン微粉体(トナー表面上の極大値粒径50〜60nm、長径/短径=1.10、イソブチルシランカップリング剤18質量%処理)と、酸化チタン微粉体(トナー表面上の極大値粒径80〜90nm、長径/短径=3.0、イソブチルシランカップリング剤15質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー3を得た。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の28%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリには劣るものの良好な結果であった。
【0118】
<実施例4>
実施例1において、表3に示すようにシリカ微粉体(トナー表面上の極大値粒径10〜20nm、長径/短径=1.05、イソブチルシランカップリング剤22質量%処理)と、シリカ微粉体(トナー表面上の極大値粒径70〜80nm、長径/短径=1.3、イソブチルシランカップリング剤16質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー4を得た。また表3に示すように架橋PMMA粒子(個数平均粒径1.7μm、熱分解温度300℃)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてキャリア4を作り、トナー4と合わせ現像剤4を作成した。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の2%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリ、そして白抜けには若干劣るものであった。
【0119】
<実施例5>
実施例4において、表3に示すように架橋ポリスチレン粒子(個数平均粒径2.9μm)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてキャリア5を作り、実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の2%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリ、そして白抜けには若干劣るものであった。
【0120】
<実施例6>
実施例5において、表3に示すように結着樹脂をポリエステル(PES)樹脂に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー6を得た。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の2%、及び28%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリ、そして白抜けには若干劣るものであった。
【0121】
<実施例7>
実施例6において、表3に示すようにワックスをワックスBに変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー7を得た。実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の2%、及び28%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリ、そして白抜けには若干劣るものであった。
【0122】
<実施例8>
実施例7において、表3に示すようにシリカ微粉体(トナー表面上の極大値粒径50〜60nm、長径/短径=1.20、イソブチルシランカップリング剤18質量%処理)と、シリカ微粉体(トナー表面上の極大値粒径190〜200nm、長径/短径=4.8、イソブチルシランカップリング剤7質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー8を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の2%、及び28%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリ、そして白抜けには若干劣るものであった。
【0123】
<実施例9>
実施例1において、表3に示すように着色剤をPigmennt Red122に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー9を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように良好な結果であった。
【0124】
<実施例10>
実施例1において、表3に示すように着色剤をPigmennt Yellow180に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー10を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように良好な結果であった。
【0125】
<比較例1>
実施例7において、表3に示すように樹脂層をフッ素−スチレンアクリル樹脂(PVdF樹脂:2−エチルヘキシルアクリレート/スチレン共重合体=2:8)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてキャリア11を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下、及び高温高湿環境下の2%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリが劣るものであった。
【0126】
<比較例2>
実施例7において、表3に示すように酸化チタン微粉体(トナー表面上の極大値粒径190〜200nm、長径/短径=4.80、イソブチルシランカップリング剤7質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー12を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の28%画像面積比率耐久において、カブリが劣るものであった。
【0127】
<比較例3>
実施例7において、表3に示すようにシリカ微粉体(トナー表面上の極大値粒径0〜10nm、長径/短径=1.03、イソブチルシランカップリング剤23質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー13を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の2%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリ、そして白抜けが劣るものであった。
【0128】
<比較例4>
実施例7において、表3に示すようにシリカ微粉体(トナー表面上の極大値粒径230〜240nm、長径/短径=5.35、イソブチルシランカップリング剤6質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー14を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の28%画像面積比率耐久において、帯電変化とカブリ、そして白抜けが劣るものであった。
【0129】
<比較例5>
実施例7において、表3に示すようにシリカ微粉体(トナー表面上の極大値粒径60〜70nm、長径/短径=1.15、イソブチルシランカップリング剤17質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー15を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の2%画像面積比率耐久において、カブリが劣るものであった。
【0130】
<比較例6>
実施例7において、表3に示すようにシリカ微粉体(トナー表面上の極大値粒径60〜70nm、長径/短径=1.15、イソブチルシランカップリング剤17質量%処理)に変更することを除いて、あとはほぼ同様にしてトナー16を得た。また表3に示すように実施例1と同様に各種評価したところ、表4に示すように常温低湿度環境下と高温高湿環境下の28%画像面積比率耐久において、カブリが劣るものであった。
【0131】
【表3】
Figure 0004136780
【0132】
【表4】
Figure 0004136780
【0133】
【発明の効果】
本発明は、キャリア表面形状及び組成とカラートナー表面組成における特定の組み合わせにより、画像面積比率に依らず連続耐久においても十分な現像性が得られるカラートナーであって、そして現像コントラストを適正にできるためキャリア付着による白抜けなどを抑制し、美しいピクトリアルなフルカラー画像の形成を容易にするカラー二成分系現像剤を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。
【図2】無機微粉体のトナー上の長軸径/短軸径の見方の説明図である。

Claims (5)

  1. 少なくともトナーとキャリアとを含有するカラー二成分系現像剤において、
    (i)該キャリアは表面にシリコーン系樹脂を有しており、該樹脂層中に少なくとも樹脂粒子を有し、
    (ii)該トナーは少なくとも同一金属の酸化化合物がトナー表面上で10nm未満と、200nm以上の個数分布粒径において存在し、且つ10nmから200nmまでの間にトナー表面上での個数分布粒径において少なくとも2つの極大値を持つ無機微粉体であり、該極大値の粒径が10nm以上60nm未満の領域に少なくとも一つの極大値が存在し、さらに70nm以上200nm未満の領域に少なくとも一つの極大値が存在していることを特徴とするカラー二成分系現像剤。
  2. 長軸径/短軸径=1.0以上1.2未満の該無機微粉体において、個数分布粒径の極大値の粒径が10nm以上60nm未満の領域にあることを特徴とする請求項1に記載のカラー二成分系現像剤。
  3. 長軸径/短軸径=1.2以上5.0未満の該無機微粉体において、個数分布粒径の極大値の粒径が70nm以上200nm未満の領域にあることを特徴とする請求項1又は2に記載のカラー二成分系現像剤。
  4. 該無機微粉体の金属がチタンあるいはケイ素であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤。
  5. 該樹脂粒子がポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のカラー二成分系現像剤。
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