JP2007114618A - 静電潜像現像用トナー及び静電潜像現像用現像剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結晶性樹脂を主成分とする結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有するトナー母粒子と、外添剤と、から構成される静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤は、1次粒子における長径が100nm以上300nm以下で、アスペクト比が3以上10以下である無機微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー、及び少なくとも前記トナーを含む静電荷像現像用現像剤。
【選択図】なし
Description
また、定着温度を低くすることにより同じ消費電力であってもプリントスピードの高速化が可能であり、さらに接触加熱型定着方式では、加熱ロールなどの定着部材の長寿命化が可能となり、定着温度を低くすることはコストの面からも好ましい。
すなわち本発明は、
<1> 結晶性樹脂を主成分とする結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、外添剤と、から構成される静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤は、1次粒子における長径が100nm以上300nm以下で、アスペクト比が3以上10以下である無機微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナーである。
<2> 少なくともトナーを含む静電荷像現像用現像剤であって、前記トナーは、<1>に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像用現像剤である。
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「本発明のトナー」という場合がある。)は、結晶性樹脂を主成分とする結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、外添剤と、から構成される静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤は、1次粒子における長径が100nm以上300nm以下で、アスペクト比が3以上10以下である無機微粒子を含有することを特徴とする。
以下、本発明のトナーを構成成分ごとに説明する。
前記トナー母粒子は、結着樹脂および着色剤を含み、必要に応じてその他の成分を含有する。
[結着樹脂]
前記トナー母粒子における結着樹脂の主成分は、結晶性樹脂であることが必要である。本発明における結着樹脂を構成する重合性単量体および樹脂としては、結晶性を持つ樹脂を構成しうるものであれば特に制限はない。
前記トナー母粒子に使用する結着樹脂の主成分が結晶性でない場合即ち、非晶性である場合には、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができない。尚、本発明において、「結晶性樹脂」とは、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。また、前記結晶性樹脂の主鎖に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50質量%以下であれば、この共重合体も結晶性樹脂と呼ぶ。
つまり、前記トナー母粒子における結着樹脂は、結晶性樹脂の含有量が50質量%以上である。該結晶性樹脂の含有量は、70質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、全てが結晶性樹脂であることが特に好ましい。
前記酸由来構成成分となるための酸としては、種々のジカルボン酸が挙げられるが、芳香族ジカルボン酸および脂肪族ジカルボン酸が好ましく、中でも脂肪族ジカルボン酸がより好ましく、特に直鎖型のカルボン酸が好ましい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。
前記アルコール由来構成成分となるためのアルコールとしては、脂肪族ジオールが好ましく、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
前記トナー母粒子に使用する着色剤としては、特に制限はなく、染料および顔料のどちらでもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。好ましい顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジジンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用できる。
以上の着色剤は、単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
本発明のトナーにおける前記着色剤の含有量としては、トナー全原料100質量部に対して、0.1〜40質量部が好ましく、1〜30質量部がさらに好ましい。尚、前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
前記トナー母粒子に用いられる前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、無機化合物の微粒子、有機化合物の微粒子、帯電制御剤、離型剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
前記無機化合物の微粒子としては、シリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機化合物の微粒子を単独または二種以上を組み合わせて使用することができるが、発色性やOHP透過性等透明性を損なわないという観点から屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ微粒子が好ましい。またシリカ微粒子は種々の表面処理が施されていてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理されたものが好ましい。
本発明のトナーに使用する外添剤は、少なくとも、1次粒子における長径が100nm以上300nm以下で、アスペクト比が3以上10以下である無機微粒子(以下、「本発明に係る無機微粒子」という場合がある。)を必須の構成成分として含有し、さらに必要に応じて他の外添剤を含有する。かかる外添剤は、前記結晶性樹脂を主成分とする結着樹脂を含有するトナー母粒子に画移転したときに有効である。その理由について説明する。結晶性樹脂を含有したトナーは、そのシャープメルト性から低温定着が可能であるが、その反面保管性の低下が問題となる。そこで外添剤をスペーサとして付与してやり保管性を向上させる方法が考えられるが、結晶性樹脂が柔らかいために外添剤が埋没し易く、スペーサとしての機能を失ってしまうため前述の方法による解決は困難である。
前記疎水化処理は気相中で浮遊させられた粒子に対して処理剤または処理剤を含む溶液を噴霧するスプレードライ法等による乾式法や処理剤を含有する溶液中に粒子を浸漬し、乾燥する湿式法などで処理することができる。
例えば下記式(I)〜(III)で示されるケイ素化合物で表面処理をすることができる。
R1Si(X)3 式(I)
R1R2Si(X)2 式(II)
R1R2R3SiX 式(III)
(式(I)〜(III)中、R1は、炭素数1〜20のアルキル基またはパーフルオロアルキル基を表し、R2およびR3は、それぞれ水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、パーフルオロアルキル基、またはアリール基を表し、Xは塩素原子、アルコキシ基、NCO基、またはアセトキシ基を表す。)
式(I)で示される化合物としては、CH3Si(Cl)3、CH3Si(OCH3)3、CH3Si(OC2H5)3、CH3CH2Si(OCH3)3、CH3(CH2)2Si(OCH3)3、CH3(CH2)3Si(OCH3)3、CH3(CH2)4Si(OCH3)3、CH3(CH2)5Si(OCH3)3、CH3(CH2)6Si(OCH3)3、CH3(CH2)7Si(OCH3)3、CH3(CH2)8Si(OCH3)3、CH3(CH2)9Si(OCH3)3、CH3(CH2)10Si(OCH3)3、CH3(CH2)11Si(OCH3)3、CH3(CH2)12Si(OCH3)3、CH3(CH2)13Si(OCH3)3、CH3(CH2)14Si(OCH3)3、CH3(CH2)15Si(OCH3)3、CH3(CH2)16Si(OCH3)3、CH3(CH2)17Si(OCH3)3、CH3(CH2)18Si(OCH3)3、CH3(CH2)19Si(OCH3)3、CH3(CH2)5Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)6Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)7Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)8Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)9Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)10Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)11Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)12Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)13Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)14Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)15Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)16Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)17Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)18Si(OCO2H5)3、CH3(CH2)19Si(OCO2H5)3、CF3Si(OCH3)3、CH3Si(NCO)3等があげられる。
また、シリコーンオイル等で処理する場合には、公知のシリコーンオイルを用いることができ、気相中で浮遊させられた粒子に対して処理剤または処理剤を含む溶液を噴霧するスプレードライ法等による乾式法や処理剤を含有する溶液中に粒子を浸漬し、乾燥する湿式法などで処理することができる。
近年、高画質化の要求が高まっていることから、トナーは小粒化の傾向にあり、小粒径化による付着力の増大に伴う転写不良を改善するために、本発明に係る無機微粒子と共に、シリカなどの第2外添剤(転写助剤)を添加してもよい。本発明は、このような第2外点剤添加されている場合にも適用することができる。例えば、球形シリカと前記形状の本発明に係る無機微粒子を併用することによって、表面に本発明に係る無機微粒子が均一に分散し、それらが機内での攪拌により球形シリカが表面を移動し凹部に埋没すること防止するために、良好な転写性を維持することができる。
尚、上述の外添量及び被覆率は、走査型電子顕微鏡S−4700(日立製作所製)を用い、倍率10000倍にてトナー粒子表面を100視野観察した後、観察したトナー表面の画像を画像処理解析ソフトWinROOF(三谷商事株式会社製)の面積解析ツールを用いてトナー表面の外添剤が付着していない部分の面積を算出することにより求められる。
前記体積平均粒子径および前記数平均粒子径は、例えば、コールターカウンター[TA−II]型(コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で測定することにより求めることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
本発明のトナーは、常温下で十分な硬さを有することが望まれる。具体的には、その動的粘弾性が、角周波数1rad/sec、30℃において、貯蔵弾性率GL(30)が1×106Pa以上であり、損失弾性率GN(30)が1×106Pa以上であることが好ましい。なお、貯蔵弾性率GLおよび損失弾性率GNは、JIS K−6900:94にその詳細が規定されている。角周波数1rad/sec、30℃において、貯蔵弾性率GL(30)が1×106Pa未満であったり、損失弾性率GN(30)が1×106Pa未満であると、現像機内でキャリアと混合されたときに、キャリアから受ける圧力や剪断力によりトナーの粒子が変形し、安定な帯電現像特性を維持することができないことがある。また、潜像保持体(感光体)上のトナーがクリーニングされる際に、クリーニングブレードから受ける剪断力によって変形し、クリーニング不良をも生ずることがある。前記角周波数1rad/sec、30℃において貯蔵弾性率GL(30)および損失弾性率GN(30)が上記範囲にある場合には、高速の電子写真装置に用いた場合でも定着時の特性が安定し好ましい。
以上説明した本発明のトナーを製造する方法としては、特に制限はないが、後述する製造方法が特に好ましい。また、前記本発明のトナーは、前述の構成を有するため、耐トナーブロッキング性、画像の保存性、および、低温定着性に優れる。更に、前記結晶性樹脂が、不飽和結合による架橋構造を有している場合には、特に、耐オフセット性の良好な広い定着ラチチュードを有し、かつ紙等の被記録媒体中へのトナーの過度の染み込みを防止をしたトナーを得ることができる。さらに、トナーの粒子形状を球状とすることで、転写効率などの転写性の向上を図ることが可能となる。
該乳化凝集法は、前記本発明の「トナー」における「結着樹脂」の項において既に説明した結晶性ポリエステル樹脂等の結晶性樹脂を乳化し乳化粒子(液滴)を形成する乳化工程と、該乳化粒子(液滴)の凝集体を形成する凝集工程と、該凝集体を融合させ熱融合させる融合工程と、外添剤を外添させる外添工程と、を有する。以下の説明においては、結晶性樹脂として結晶性ポリエステル樹脂を用いた場合を例に挙げて説明する。
前記乳化工程において、前記ポリエステル樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、スルホン化等したポリエステル樹脂および必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマー液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。その際、加熱するか、或いは、有機溶剤にポリエステル樹脂を溶解させることにより、ポリマー液の粘性を下げて乳化粒子を形成することができる。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため、分散剤を使用することもできる。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。
尚、前記乳化工程において、前記ポリエステル樹脂に、スルホン酸基を有するジカルボン酸を共重合させておく(即ち、酸由来構成成分中に、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分が好適量含まれる)と、界面活性剤等の分散安定剤を減らすことができる、或いは使用しなくても乳化粒子を形成できる。前記有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、トルエンが挙げられ、前記ポリエステル樹脂に応じて適宜選択して用いる。
前記凝集工程においては、得られた乳化粒子を、前記ポリエステル樹脂の融点付近の温度でかつ融点以下の温度にて加熱して凝集し凝集体を形成する。乳化粒子の凝集体の形成は、攪拌下、乳化液のpHを酸性にすることによってなされる。前記pHとしては、1〜6が好ましく、1.5〜5がより好ましい。この際、凝集剤を使用するのも有効である。
用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため好ましい。
前記融合工程においては、凝集工程と同様の攪拌下で、凝集体の懸濁液のpHを3〜7の範囲にすることにより、凝集の進行を止め、前記ポリエステル樹脂の融点以上の温度で加熱を行うことにより凝集体を融合させる。前記加熱の温度としては、前記ポリエステル樹脂の融点以上であれば問題無い。また、前記加熱の時間としては、融合が十分に為される程度行えばよく、0.5〜10時間程度行えばよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナーの粒子とすることができる。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、十分に洗浄することが好ましい。
本発明のトナーは、以上のようにして得られたトナー母粒子に、既述の本発明に係る無機微粒子を含む外添剤を添加し、混合することにより製造される。混合は、例えばVブレンダーやヘンシュルミキサー、レディーゲミキサーなどによっておこなうことができる。更に、必要に応じて、振動師分機、風力師分機などを使ってトナーの粗大粒子を取り除いてもよい。本発明に係る無機微粒子は、従来の酸化チタン等の無機微粒子に比べ平均一次粒径が非常に大きく、さらに棒状という形状のため、通常トナー表面への均一分散は非常に困難である。しかし、本発明における前記トナー母粒子は、結着樹脂として結晶性樹脂を用いているためトナー表面に、本発明に係る無機微粒子を含む外添剤を均一に分散させることができる。これは、結晶性ポリエステル樹脂の付着力強いためと考えられる。本来ならばトナー表面の付着力が強いとトナー粒子の凝集を引き起こし易く問題となるが、本発明に係る無機微粒子を均一に外添できるので付着力を低減でき、さらにトナー表面の強い付着性よりと前記棒状のルチル型酸化チタンとの付着力は逆に非常に強くすることができるので、外添剤遊離による帯電性の不均一も抑制することが可能である。
本発明の静電荷像現像剤(以下、「本発明の現像剤」という場合がある。)は、既述の本発明のトナーを含むこと以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。本発明の現像剤は、本発明のトナーを、単独で用いると一成分系の現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の現像剤となる。
前記窒素含有樹脂としては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル等を含むアクリル系樹脂、ウレア、ウレタン、メラミン、グアナミン、アニリン等を含むアミノ樹脂、またアミド樹脂、ウレタン樹脂が挙げられる。またこれらの共重合樹脂でもかまわない。
キャリア抵抗は、2枚の極板電極の間にキャリア粒子を挟み、電圧を印加した時の電流を測定する、通常の極板間式電気抵抗測定法により求め、103.8V/cmの電界下での抵抗で評価する。尚、本発明において、電気抵抗は温度25℃、湿度55%の常温常湿の条件で求めたものである。
上記方法により形成される樹脂被膜層の平均膜厚は、通常0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmの範囲である。
(トナー母粒子の作製)
−結晶性ポリエステル樹脂(1)の合成−
加熱乾燥した3口フラスコに、1,10−デカンジオール17.4質量部と、5−スルホイソフタル酸ナトリウムジメチル2.2質量部と、ジメチルスルホキシド10質量部と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.03質量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスに置き換えて不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で3時間攪拌を行った。減圧下、ジメチルスルホキシドを留去し、窒素気流下、ドデカンジオイック酸ジメチル26.5質量部を加え、180℃で1時間攪拌を行った。
[樹脂粒子分散液(1)の調製]
得られた結晶性ポリエステル樹脂(1)150質量部を蒸留水850質量部中に入れ、85℃に加熱しながらホモジナイザー(IKAジャパン社製:ウルトラタラクス)にて混合攪拌して、樹脂粒子分散液(1)を得た。
フタロシアニン顔料(大日精化(株)製:PV FAST BLUE)250質量部と、アニオン界面活性剤20質量部(第一工業製薬(株)社製:ネオゲンRK)と、イオン交換水730質量部と、を混合し、溶解させた後、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラクス)を用いて分散し、着色剤(フタロシアニン顔料)を分散させてなる着色剤分散液(1)を調製した。
・パラフィンワックス(HNP0190:日本精蝋(株)製、融点85℃):100質量部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50:花王(株)製):5質量部
・イオン交換水:240質量部
以上の成分を、丸型ステンレス鋼製フラスコ中でホモジナイザー(ウルトラタラックスT50:IKA社製)を用いて10分間分散した後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、平均粒径が550nmである離型剤粒子が分散された離型剤分散液を調整した。
なお、得られた離型剤分散液における離型剤の粒径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
樹脂粒子分散液(1)2400質量部と、着色剤分散液(1)100質量部と、離型剤粒子分散液63質量部と、過酸化ラウロイル10質量部と、硫酸アルミニウム(和光純薬社製)5質量部と、イオン交換水100質量部と、を丸型ステンレス製フラスコ中に収容させ、pH2.0に調整し、ホモジナイザー(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散させた後、加熱用オイルバス中で72℃まで攪拌しながら加熱した。72℃で3時間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.0μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に1時間、72℃で加熱攪拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約5.5μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。
得られた凝集粒子のpHは2.4であった。そこで炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5質量%に希釈した水溶液を穏やかに添加し、pHを5.0に調整した後、攪拌を継続しながら83℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥させることにより電子写真用着色粒子(1)を得た。得られた電子写真用着色粒子(1)について、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm、コールター社製)を用いて平均粒子径を測定したところ、体積平均粒子径は5.5μm、個数平均粒子径は4.7μmであった。
得られた電子写真着色粒子(1)に、表面疎水化処理した、1次粒子径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)0.8質量%と、メタチタン酸100質量部にイソブチルトリメトキシシラン40質量部およびトリフルオロプロピルトリメトキシシラン10質量部で処理した反応生成物である1次粒子平均粒子径20nmのメタチタン酸化合物微粒子1.0質量%とを、ヘンシェルミキサーにて5分間添加混合しトナー母粒子(1)を製造した。
加熱乾燥した二口フラスコに、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン35モル部と、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン65モル部と、テレフタル酸80モル部と、n−ドデセニルコハク酸10モル部と、トリメリット酸10モル部と、これらの酸成分(テレフタル酸、n−ドデセニルコハク酸、トリメリット酸)に対して0.05モル部のジブチル錫オキサイドと、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温し、150〜230℃で約12時間共縮重合反応させ、その後、210〜250℃で徐々に減圧して、非結晶性ポリエステル樹脂(1)を合成した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた非結晶性ポリエステル樹脂(1)の重量平均分子量(MW)は15400であり、数平均分子量(Mn)は6800であった。また、非結晶性ポリエステル樹脂(1)のDSCスペクトルを、前述の融点(Tm)の測定と同様にして、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ、明確なピークを示さず、階段状の吸熱量変化が観察された。階段状の吸熱量変化の中間点をとったガラス転移点は65℃であった。
得られた非結晶性ポリエステル樹脂(1)86質量部と、銅フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)16質量部と、バンバリー型混練機を用いて溶融混練し、高濃度の着色樹脂組成物を得た。該着色樹脂組成物25質量部と、非結晶性ポリエステル樹脂(1)75質量部と、を酢酸エチル100質量部に分散・溶解させ分散溶液を調製した。得られた分散溶液を、カルボキシメチルセルロース1質量部と、炭酸カルシウム20質量部と、水100質量部と、の混合液中に加え、ミキサーを用いて高速撹拌して分散させ、乳化液を得た。この乳化液をビーカーに移し、約5倍量の水を加え、撹拌しながら43℃の温浴中で10時間保持し、前記酢酸エチルを蒸発させた。10%塩酸を加え、炭酸カルシウムを塩酸で溶かし、水洗を繰り返した後、水とトナーとの混合物を得た。最後に、水を凍結乾燥機で蒸発させ、トナー母粒子(2)を製造した。得られたトナー母粒子(2)について、コールターカウンター[TA−II]型(アパーチャー径:50μm;コールター社製)を用いて平均粒子径を測定したところ、体積平均粒子径は5.5μm、個数平均粒子径は4.7μmであった。
10質量%の硫酸チタニル溶液300質量部を0.5質量%に希釈した炭酸ナトリウムを用いてPh9.0にアルカリ中和し、ろ過することにより白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物に純水を加え、85〜90℃に保ちながら3時間加熱処理をすることにより加水分解処理を行い、再びろ過することにより酸化チタンを得た。得られた酸化チタンを1100℃で1時間焼成することによりアナターゼ型からルチル型に相転移をさせた後、メノウ乳鉢で粉砕することにより、表面疎水化処理した平均一次粒子径120nm、アスペクト比が4.0、すなわち長径が120nmで、短径が30nmのルチル型酸化チタンである外添剤(1)を作製した。
10質量%の硫酸チタニル溶液300質量部を0.5質量%に希釈した炭酸ナトリウムを用いてPh9.0にアルカリ中和し、ろ過することにより白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物に純水を加え、85〜90℃に保ちながら4時間加熱処理をすることにより加水分解処理を行い、再びろ過することにより酸化チタンを得た。得られた酸化チタンを1100℃で1時間焼成することによりアナターゼ型からルチル型に相転移をさせた後、メノウ乳鉢で粉砕することにより、表面疎水化処理した平均一次粒子径180nm、アスペクト比が6.0、すなわち長径が180nmで、短径が30nmのルチル型酸化チタンである外添剤(2)を作製した。
10質量%の硫酸チタニル溶液300質量部を0.5質量%に希釈した炭酸ナトリウムを用いてPh9.0にアルカリ中和し、ろ過することにより白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物に純水を加え、95〜100℃に保ちながら5時間加熱処理をすることにより加水分解処理を行い、再びろ過することにより酸化チタンを得た。得られた酸化チタンを1100℃で1時間焼成することによりアナターゼ型からルチル型に相転移をさせた後、メノウ乳鉢で粉砕することにより、表面疎水化処理した平均一次粒子径250nm、アスペクト比が7.1、すなわち長径が250nmで、短径が35nmのルチル型酸化チタンである外添剤(3)を作製した。
10質量%の硫酸チタニル溶液300質量部を0.5質量%に希釈した炭酸ナトリウムを用いてPh9.0にアルカリ中和し、ろ過することにより白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物に純水を加え、95〜100℃に保ちながら5時間加熱処理をすることにより加水分解処理を行い、再びろ過することにより酸化チタンを得た。得られた酸化チタンを700℃で1時間焼成した後、メノウ乳鉢で粉砕することにより、表面疎水化処理した平均一次粒子径200nm、アスペクト比が5.7、すなわち長径が200nmで、短径が35nmのアナターゼ型酸化チタンである外添剤(5)を作製した。
10質量%の硫酸チタニル溶液300質量部を0.5質量%に希釈した炭酸ナトリウムを用いてPh9.0にアルカリ中和し、ろ過することにより白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物に純水を加え、95〜100℃に保ちながら1.5時間加熱処理をすることにより加水分解処理を行い、再びろ過することにより酸化チタンを得た。得られた酸化チタンを1100℃で1時間焼成することによりアナターゼ型からルチル型に相転移をさせた後、メノウ乳鉢で粉砕することにより、表面疎水化処理した平均一次粒子径60nm、アスペクト比が5.0、すなわち長径が60nmで、短径が12nmのルチル型酸化チタンである外添剤(5)を作製した。
10質量%の硫酸チタニル溶液300質量部を0.5質量%に希釈した炭酸ナトリウムを用いてPh9.0にアルカリ中和し、ろ過することにより白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物に純水を加え、70〜75℃に保ちながら6時間加熱処理をすることにより加水分解処理を行い、再びろ過することにより酸化チタンを得た。得られた酸化チタンを1100℃で1時間焼成することによりアナターゼ型からルチル型に相転移をさせた後、メノウ乳鉢で粉砕することにより、表面疎水化処理した平均一次粒子径350nm、アスペクト比が11.6、すなわち長径が350nmで、短径が30nmのルチル型酸化チタンである外添剤(6)を作製した。
10質量%の硫酸チタニル溶液300質量部を0.5質量%に希釈した炭酸ナトリウムを用いてPh9.0にアルカリ中和し、ろ過することにより白色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物に純水を加え、75〜80℃に保ちながら4時間加熱処理をすることにより加水分解処理を行い、再びろ過することにより酸化チタンを得た。得られた酸化チタンを950℃で1時間焼成することによりアナターゼ型からルチル型に相転移をさせた後、メノウ乳鉢で粉砕することにより、表面疎水化処理した平均一次粒子径120nm、アスペクト比が1.0、すなわち紡錘状のルチル型酸化チタンである外添剤(7)を作製した。
トナー母粒子(1)に、前記外添剤(1)2.0質量%(トナー母粒子(1)に対して)と、表面疎水化処理した平均一次粒径120nmである球形シリカ粒子(信越化学社製疎水シリカX24)0.8質量%(トナー母粒子(1)に対して)と、表面疎水化処理した平均一次粒径40nmのシリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水化シリカ:RX50)1.5質量%(トナー母粒子(1)に対して)とをヘンシェルミキサーにて5分間添加混合して、トナー(1)を得た。
得られたトナー(1)について、トナー母粒子(1)に対する前記外添剤(1)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(1)表面における前記外添剤(1)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。
実施例1において、使用した外添剤(1)を同量の外添剤(2)に代えたこと以外実施例1と同様にして、トナー(2)を作製した。得られたトナー(2)について、トナー母粒子(1)に対する前記外添剤(2)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(1)表面における前記外添剤(2)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(2)を用い実施例1と同様にして現像剤(2)を作製した。
実施例1において、使用した外添剤(1)を同量の外添剤(3)に代えたこと以外実施例1と同様にして、トナー(3)を作製した。得られたトナー(3)について、トナー母粒子(1)に対する前記外添剤(3)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(1)表面における前記外添剤(3)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(3)を用い実施例1と同様にして現像剤(3)を作製した。
実施例1において、使用した外添剤(1)を同量の外添剤(4)に代えたこと以外実施例1と同様にして、トナー(4)を作製した。得られたトナー(4)について、トナー母粒子(1)に対する前記外添剤(4)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(1)表面における前記外添剤(4)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(4)を用い実施例1と同様にして現像剤(4)を作製した。
実施例1において、使用した外添剤(1)を同量の外添剤(5)に代えたこと以外実施例1と同様にして、トナー(5)を作製した。得られたトナー(5)について、トナー母粒子(1)に対する前記外添剤(5)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(1)表面における前記外添剤(5)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(5)を用い実施例1と同様にして現像剤(5)を作製した。
実施例1において、使用した外添剤(1)を同量の外添剤(6)に代えたこと以外実施例1と同様にして、トナー(6)を作製した。得られたトナー(6)について、トナー母粒子(1)に対する前記外添剤(6)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(1)表面における前記外添剤(6)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(6)を用い実施例1と同様にして現像剤(6)を作製した。
実施例1において、使用した外添剤(1)を同量の外添剤(7)に代えたこと以外実施例1と同様にして、トナー(7)を作製した。得られたトナー(7)について、トナー母粒子(1)に対する前記外添剤(7)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(1)表面における前記外添剤(7)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(7)を用い実施例1と同様にして現像剤(7)を作製した。
実施例1において、使用したトナー母粒子(1)をトナー母粒子(2)に代えたこと以外実施例1と同様にして、トナー(8)を作製した。得られたトナー(8)について、トナー母粒子(2)に対する前記外添剤(1)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(2)表面における前記外添剤(1)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(8)を用い実施例1と同様にして現像剤(8)を作製した。
実施例2において、使用したトナー母粒子(1)をトナー母粒子(2)に代えたこと以外実施例2と同様にして、トナー(9)を作製した。得られたトナー(9)について、トナー母粒子(2)に対する前記外添剤(2)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(2)表面における前記外添剤(2)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(9)を用い実施例2と同様にして現像剤(9)を作製した。
実施例3において、使用したトナー母粒子(1)をトナー母粒子(2)に代えたこと以外実施例3と同様にして、トナー(10)を作製した。得られたトナー(10)について、トナー母粒子(2)に対する前記外添剤(3)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子それぞれの外添量、及びトナー母粒子(2)表面における前記外添剤(3)、球形シリカ粒子、シリカ微粒子の合計の被覆率を既述の測定方法で測定した。その結果を表1に示す。更に、トナー(10)を用い実施例3と同様にして現像剤(10)を作製した。
(低温定着性評価)
実施例1〜4および比較例1〜6で得られた現像剤(1)〜(10)を用いて、富士ゼロックス社製Docu Print C2220の定着器を、定着温度が可変となるように改造し、未定着画像を用いてトナーの低温定着性の評価を行った。未定着画像の形成条件は以下の通りとした。
[画像形成条件]
・トナー画像:ソリッド像(40mm×50mm)
・トナー量(記録紙上):0.40mg/cm2
・記録紙:富士ゼロックス社製カラーコピー用ペーパー(J紙)
得られた未定着画像を、設定した定着器温度において定着画像を作製した後、得られた各定着画像の画像面を谷折りにし、折れ目部の画像のはがれ度合いを観察し、画像が殆んどはがれない最低の定着温度を測定し、低温定着性の評価とした。その結果を表1に示す。
実施例1〜4および比較例1〜6で得られたトナー(1)〜(10)を用いて、走査型電子顕微鏡S−4700によるトナー表面の観察により、外添剤の分散性を以下の指標により評価した。その結果を表1に示す。
○:外添剤の凝集体は観察されず、表面に均一に分散している。
△:外添剤の凝集体が多少観察されるが、分散性はある程度均一である。
×:外添材の凝集体が観察され、偏在して均一に分散していない。
実施例1〜4および比較例1〜6で得られたトナー(1)〜(10)に対して、トナー流動性の指標として各トナーの圧縮比Atnを求めた。
Atn={(トナーかため比重)−(トナーゆるみ比重)}/(トナー固め比重)
トナー固め比重およびトナーゆるみ比重は、ホソカワミクロン社製パウダーテスターを用いて以下のようにして測定した。トナーゆるみ比重:上記パウダーテスターの漏斗上に106μmメッシュ網をを載せ、トナー400gを投入し、内容積25ml、内径約30mmの円筒容器内に振動強度5.5で振動落下させ、1分静置後のかさ密度を測定した。トナー固め比重:上記トナーゆるめ比重を測定した後、そのままトナーが入った容器上に、同一内径の長さ50mm程度の筒につなげ、その中にさらに上記パウダーテスターの漏斗上106μmメッシュの網をとうして、筒から漏れないよう程度のトナーを振動強度5.5で振動落下させた。その筒ごとの容器をパウダーテスターのタッピング装置において、3分間タッピングした後、上部の筒を取り外し、かさ密度を測定した。得られたトナーの圧縮比Atnの結果から、以下の指標によりトナーの流動性評価を行った。その結果を表1に示す。なお、表1中、( )内の数値は圧縮比Atnの実測値である。
○:Atn≦0.40
△:0.40<Atn≦0.43
×:0.43<Atn
実施例1〜4および比較例1〜6で得られたトナー(1)〜(10)を、50℃50%RHの環境においてトナーを24時間放置した後、106μmの目開きメッシュ上に残存するトナー量%を測定し、トナーの熱保管性を以下の指標により評価した。その結果を表1に示す。実用上、問題がないのは残存するトナー量%が5%以下である。なお、表1中、( )内の数値は残存するトナー量(%)の実測値である。
○:残存するトナー量が5%以下である。
△:残存するトナー量が5%を超え、15%以下である。
×:残存するトナー量が15%を超える。
背景部をテープ上に転写し、ルーペあるいは顕微鏡を用い、1cm2当たりのトナーおよびキャリアの個数を数え、以下の基準で評価した。
○:1cm2当たりのトナーおよびキャリアの個数の合計が100個未満である。
△:1cm2当たりのトナーおよびキャリアの個数の合計が100個以上500個以下である。
×:1cm2当たりのトナーおよびキャリアの個数の合計が500個を超える。
現像機から現像剤を取り出してブローオフ帯電量測定機(東芝社製:TB−200)で帯電量を測定した。尚、トナーの帯電量はマイナスであるが、帯電量の大きさを評価する必要から絶対値で記載した(表1中、( )内の数値)。また、トナーの帯電量の絶対値の結果から以下の指標により帯電分布を評価した。
○:トナーの帯電量の絶対値が45μC/gを超える。
△:トナーの帯電量の絶対値が30μC/gを超え、45μC/g以下である。
×:トナーの帯電量の絶対値が30μC/g以下である。
Claims (2)
- 結晶性樹脂を主成分とする結着樹脂及び着色剤を含有するトナー母粒子と、外添剤と、から構成される静電荷像現像用トナーであって、
前記外添剤は、1次粒子における長径が100nm以上300nm以下で、アスペクト比が3以上10以下である無機微粒子を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 少なくともトナーを含む静電荷像現像用現像剤であって、
前記トナーは、請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
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