JP2009098194A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低温定着性を維持しつつ画質欠陥の発生を防止し、さらに長期にわたり安定した画像を形成することができる静電荷像現像用トナー及びその製造方法、並びに、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ及び画像形成装置を提供することである。
【解決手段】結晶性樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、シリコーンオイル処理された平均一次粒径が50nm以上150nm以下であるシリカ粒子と、を含有し、前記シリカ粒子の遊離オイル量が、0.1質量%以上3質量%以下である静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし
Description
上記耐ブロッキング性を向上させる手段としては、疎水化処理したシリカやチタニアを用いることによりトナー間の付着力を低減する方法がある。これら疎水化処理された外添剤の中でも、長期間にわたる帯電性維持性を得るためにシリコーンオイル処理したシリカが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
また、前記のような対応により外添剤の添加量を増加するとチャージアップが問題となる場合があるが、これを抑制する手段としては、正帯電性及び負帯電性シリカの併用が提案されている(例えば、特許文献5、6参照)。
すなわち、本発明の請求項1に係る発明は、結晶性樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、
シリコーンオイル処理された平均一次粒径が50nm以上150nm以下であるシリカ粒子と、を含有し、
前記シリカ粒子の遊離オイル量が、0.1質量%以上3質量%以下である静電荷像現像用トナーである。
請求項2に係る発明によれば、さらに感光体の過剰な摩耗を発生させることのない静電荷像現像用トナーを得ることができる。
請求項3に係る発明によれば、低温定着性を維持しつつ画質欠陥の発生を防止し、さらに長期にわたり安定した画像を形成することが可能な静電荷像現像剤を提供することができる。
請求項4係る発明によれば、低温定着性を維持しつつ画質欠陥の発生を防止し、さらに長期にわたり安定した画像を形成することが可能な静電荷像現像用トナーの供給を容易にし、上記特性の維持性を高めることができる。
請求項5に係る発明によれば、低温定着性を維持しつつ画質欠陥の発生を防止し、さらに長期にわたり安定した画像を形成することが可能な静電荷像現剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高めることができる。
請求項6に係る発明によれば、低温定着性を維持しつつ画質欠陥の発生を防止し、さらに長期にわたり安定した画像を形成することができる。
<静電荷像現像用トナー>
本発明の静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」という場合がある)は、結晶性樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、シリコーンオイル処理された平均一次粒径が50nm以上150nm以下であるシリカ粒子と、を含有し、前記シリカ粒子の遊離オイル量が、0.1質量%以上3質量%以下であることを特徴とする。
本発明者等は、後述するように、特定の粒径範囲のシリカを用い、該シリカに処理したシリコーンオイルの遊離を極力抑えることにより、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いても現像剤の流動性低下を起こすことがなく、長期間に渡り色点やカブリ、色筋の発生を抑制できることを見出した。
前記シリカ粒子の平均一次粒径が50nmに満たないと、トナー表面に埋没しやすくなる。150nmを越えると、トナー表面に付着しにくくなったり、分散性が低下する。平均一次粒径は70nm以上140 nm以下であることが望ましく、80nm以上130nm以下であることがより望ましい。
上記遊離オイル量は、0.1質量%以上2.6質量%以下であることが好ましく、0.3質量%以上2.0質量%以下であることがより望ましい。
しかし、トナーに結晶性樹脂を使用した場合は、単に前記粒径範囲のシリカを外添するだけでは、感光体の過剰な磨耗は抑制することができないことがわかった。これは次のように推定される。トナーに結晶性樹脂を使用した場合、トナーにおける結晶性樹脂部分は柔らかくなり、トナー1個中に硬さの異なる部分が偏在する構造となる。このような構造のトナーに外添剤を添加すると、外添直後は表面の外添剤は均一であるが、攪拌等のストレスにより柔らかい部分に外添剤が偏在又は埋没することとなる。該外添剤偏在及び埋没が起こってしまうとトナーの未外添部分の面積が大きくなり、クリーニングブレードとの非静電的付着力が大きくなってしまう。さらに前記偏在や埋没したシリカは、クリーニング部に供給されたとしてもトナーから離脱せず、ニップ部において堆積しなくなってしまう。その結果、前記粒径範囲のシリカを外添したとしても、感光体が過剰に磨耗されてしまうという現象が起こる。
この場合、前述の正帯電性および負帯電性シリカを併用する方法が有効であるが、確かに静電的に正・負帯電をつりあわせることによりチャージアップは抑えられるものの、埋まり込みによる帯電低下は同様に起こってしまうことがあった。そして、この傾向は、特にトナーに結晶性樹脂を使用すると顕著に確認されることがわかった。
上記作用の詳細については明らかでないが、結晶性樹脂を使用したときには前記のように外添構造が変化してしまうが、極性の異なるシリカ粒子を添加することにより外添剤被覆率を確保しつつ帯電量のバランスを制御しチャージアップを抑制することが可能となるためと考えられる。また、極性の異なるシリカ粒子として異なる粒径のものを使用することにより、ストレスを受けたときに小粒径の負帯電性シリカ粒子に比べて、大粒径の正帯電性シリカ粒子の方が先にトナーの柔らかい部分に埋没等して集まっており、負帯電性シリカ粒子の偏在及び埋没は極力抑えられることから、ストレスを受けた後に外添構造が変更してもクリーニング時のニップ部にシリカを一定量供給することができるものと考えられる。
前記正帯電性シリカ粒子の平均一次粒径は150nm以上200nm以下であることがより好適であり、170nm以上200nm以下であることがさらに好適である。前記負帯電性シリカ粒子の平均一次粒径は50nm以上150nm以下であることがより好適であり、70nm以上130nm以下であることがさらに好適である。
(トナー粒子)
−結晶性樹脂−
本実施形態のトナー粒子には結晶性樹脂が含まれる。
結晶性樹脂は、トナーを構成する結着樹脂のうち、5質量%以上30質量%以下の範囲で使用されることが望ましい。より好ましくは8質量%以上20質量%以下の範囲である。結晶性樹脂の割合が30質量%を超えると、良好な定着特性は得られるものの、定着像中の相分離構造が不均一となり、定着画像の強度、特に引っかき強度が低下し、傷がつきやすくなるといった問題を呈することがある。一方、5質量%未満では、結晶性樹脂由来のシャープな溶融特性が得られず、単純に非晶性樹脂の可塑化するのみで、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性を保つことができない場合がある。
本実施形態のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂や、その他後述する非晶性ポリエステル樹脂を含むすべてのポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本実施形態においては、前記ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
なお、必要に応じて、酸価や水酸基価の調製等の目的で、酢酸、安息香酸等の1価の酸や、シクロヘキサノールベンジルアルコール等の1価のアルコールも使用することができる。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180℃以上230℃以下の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマーが反応温度下で溶解又は相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させても良い。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーと、そのモノマーと重縮合予定の酸又はアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させると良い。
非晶性樹脂としては、公知の樹脂材料を用いることができるが、非晶性ポリエステル樹脂が特に好ましい。本実施形態に用いる非晶性ポリエステル樹脂とは、主として多価カルボン酸類と多価アルコール類との縮重合により得られるものである。非晶性ポリエステル樹脂を用いる場合には、樹脂の酸価の調整やイオン性界面活性剤などを用いて乳化分散することにより、樹脂粒子分散液を容易に調製することができる点で有利である。
また、この合成に使用する触媒としては、例えば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド等の有機金属やテトラブチルチタネート等の金属アルコキシドなどのエステル化触媒が挙げられる。このような触媒の添加量は、原材料の総量に対して0.01質量%以上1.00質量%以下とすることが好ましい。
上記軟化点の測定は、フローテスター(島津社製、CFT−500C)、予熱:80℃/300秒、プランジャー圧力:0.980665MPa、ダイサイズ:直径1mm×長さ1mm、昇温速度:3.0℃/分の条件下における溶融開始温度と溶融終了温度との中間温度として求めた。
本実施形態に用いられる着色剤としては、公知の着色剤であれば特に制限されないが、例えば、黒顔料としてはカーボンブラック、磁性粉等が挙げられる。黄色顔料としては、例えば、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG等が挙げられる。赤色顔料としては、ベンガラ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートなどが挙げられる。さらには、これらを混合し、更には固溶体の状態で使用できる。
トナーにおける前記着色剤の含有量としては、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下の範囲が好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
本実施形態のトナーには、必要に応じて離型剤を用いることができる。離型剤としては、ASTMD3418−8に準拠して測定された主体極大ピークが50℃以上140℃以下の範囲内にある物質が好ましい。主体極大ピーク50℃未満であると定着時にオフセットを生じやすくなる場合がある。また、140℃を超えると定着温度が高くなり、画像表面の平滑性が不充分なため光沢性を損なう場合がある。
主体極大ピークの測定には、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用いることができる。この装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融解温度を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
また、離型剤の160℃における粘度η1と200℃における粘度η2との比(η2/η1)は、0.5以上0.7以下の範囲内が好ましい。η2/η1が0.5より小さいと低温度時のブリード量が少なくコールドオフセットを生じる場合がある。また、0.7より大きいと高温での定着の際のブリード量が多くなり、ワックスオフセットを生じることがあるばかりでなく、剥離の安定性に問題を生じる場合がある。
これらの離型剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融解温度以上に加熱するとともに強い剪断をかけられるホモジナイザーや圧力吐出型分散機により微粒子化し、粒子径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液を作製することができる。
使用できる滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩が挙げることができる。また前記帯電制御剤は、帯電性をより向上安定化させるために添加するものであり、例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミ、鉄、クロムなどの錯体からなる染料やトリフェニルメタン系顔料など通常使用される種々の帯電制御剤を使用することができる。
本実施形態においては、トナーは、凝集・合一法、懸濁重合法、溶解懸濁造粒法、溶解懸濁法、溶解乳化凝集合一法などの、酸性やアルカリ性の水系媒体中でトナー粒子を生成する湿式製法で製造されることが好適であるが、特に凝集合一法が好ましい。
より具体的には、本実施形態のトナー、少なくとも粒子径が1μm以下の、第1の樹脂微粒子を分散した樹脂微粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液と、必要に応じて離型剤粒子を分散した離型剤粒子分散液とを混合し前記第1の樹脂粒子と前記着色剤粒子と前記離型剤粒子とを含むコア凝集粒子を形成する第1の凝集工程と、前記コア凝集粒子の表面に第2の樹脂粒子を含むシェル層を形成しコア/シェル凝集粒子を得る第2の凝集工程と、前記コア/シェル凝集粒子を前記第1の樹脂粒子または前記第2の樹脂粒子のガラス転移温度以上に加熱し融合・合一する融合・合一工程と、を少なくとも含む製造方法により製造されることが望ましい。
次に、樹脂微粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、第1の樹脂微粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とをヘテロ凝集させ所望のトナー径にほぼ近い径を持つ、第1の樹脂微粒子と着色剤粒子と離型剤粒子とを含む凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
また第1および第2の凝集工程において用いられる、第1の樹脂粒子、第2の樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の粒子径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下の範囲内であることがより好ましい。
このような場合、第2の凝集工程においては、上記のような2つの極性の分散剤のバランスのずれを補填するような極性および量の分散剤で処理された樹脂微粒子分散液を、コア凝集粒子を含む溶液中に添加し、さらに必要に応じてコア凝集粒子または第2の凝集工程において用いられる第2の樹脂微粒子のガラス転移温度以下でわずかに加熱してコア/シェル凝集粒子を作製することができる。なお、第1および第2の凝集工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
融合・合一工程終了後は、溶液中に形成されたトナー粒子を、公知の洗浄工程、固液分離工程、乾燥工程を経て乾燥した状態のトナー粒子を得る。なお、洗浄工程は、帯電性の点から十分にイオン交換水による置換洗浄を施すことが好ましい。また、固液分離工程は、特に制限はないが、生産性の点から吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。更に乾燥工程も特に方法に制限はないが、生産性の点から凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
本実施形態のトナーには、外添剤として、シリコーンオイル処理された体積平均一次粒径が50nm以上150nm以下で、遊離オイル量が0.1質量%以上3質量%以下のシリカ粒子を用いる。
上記シリカ粒子を表面処理するシリコーンオイルは、公知のシリコーンオイルを用いることができ、気相中で浮遊させられた粒子に対して処理剤または処理剤を含む溶液を噴霧するスプレードライ法等による乾式法や処理剤を含有する溶液中に粒子を浸漬し、乾燥する湿式法などで処理することができる。
なお、上記単分散の定義としては、凝集体を含め平均粒径に対する標準偏差で議論することができ、標準偏差として個数平均粒径×0.22以下であることが好ましい。また、本発明における球形の定義としては、Wadellの球形化度で議論することができ、球形化度が0.6以上であることが好ましく、0.8以上であることがより好ましい。
具体的には、テトラメトキシシランを水、アルコールの存在下、アンモニア水を触媒として温度をかけながら滴下、撹拌を行う。次に、反応により得られたシリカゾル懸濁液の遠心分離を行い、湿潤シリカゲルとアルコールとアンモニア水とに分離する。湿潤シリカゲルに溶剤を加え再度シリカゾルの状態にし、疎水化処理剤を加え、シリカ表面の疎水化を行う。疎水化処理剤としては、一般的なシラン化合物を用いることができる。次に、この疎水化処理シリカゾルから溶媒を除去、乾燥、シーブすることにより、目的の単分散球状シリカを得ることができる。また、このようにして得られたシリカに再度処理を行っても構わない。なお、単分散球状シリカの製造方法は、前記製造方法に限定されるものではない。
ここで、上記「正帯電性」、「負帯電性」に関しては、本実施形態では、シリカ粒子と鉄粉とを混合し、通常のトナー帯電量の測定法と同様にブローオフ法により帯電量を測定し、その値が正となるものを正帯電性シリカ、負となるものを負帯電性シリカとした。
200(%)=(√3/2π)×(Dc・ρc)/(Da・ρa)×(シリカ仕込み量)/(鉄粉仕込み量)×100 ・・・ 式(1)
(上記式において、Dcは鉄粉粒径(μm)、ρcは鉄粉比重、Daは外添剤粒径(μm)、ρaは外添剤比重を各々表す。)
疎水化処理剤としては特に制限はないが、例えば、シランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が挙げられる。これらは、一種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でもシランカップリング剤が好適に挙げられる。
特に、正帯電性用としては、アミノ変性アルコキシシラン、負帯電性用としては、ジメチルシリコーンオイルを用いる組み合わせが最も好ましい。
なお、上記処理量とは、外添剤粒子に実際に処理されている疎水化処理剤の量ではなく、疎水化処理時に外添剤コアに対して用いた疎水化処理剤の量をいう。
例えばコアとなる無機酸化物粒子としては、SiO2,TiO2,Al2O3,CuO,ZnO,SnO2,CeO2,Fe2O3,MgO,BaO,CaO,K2O,Na2O,ZrO2,CaO・SiO2,K2O・(TiO2)n,Al2O3・2SiO2,CaCO3,MgCO3,BaSO4,MgSO4等を例示することができる。これらのうち、特にシリカ粒子、チタニア微粒子が好ましい。該無機酸化物微粒子は、表面が予め疎水化処理されていることが望ましい。この疎水化処理によりトナーの粉体流動性改善のほか、帯電の環境依存性、耐キャリア汚染性に対してより効果的である。疎水化処理は、前記シリカ粒子の場合と同様に行うことができる。
ここで、外添剤によるトナーの表面被覆率は、トナーの写真を画像解析することにより求められる。
またこの場合、トナーにおける前記負帯電性シリカ粒子と正帯電性シリカ粒子の表面被覆率(負帯電性シリカ粒子:正帯電性シリカ粒子)は、それぞれの外添剤によるトナー表面の分散、被覆状態の点で、9:1〜6:4の範囲内であることが好ましく、8:2〜7:3の範囲内であることがより好ましい。
用いる研磨剤粒子としては公知の研磨剤を用いることが可能であるが、特に研磨性に優れる無機粒子を用いることが好ましい。このような無機粒子としては、酸化セリウム、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、チタン酸バリウム、チタン酸アルミニウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化クロム、酸化アンチモン、酸化タングステン、酸化スズ、酸化テルル、酸化マンガン、酸化ホウ素、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の各種無機酸化物、窒化物、ホウ化物等が挙げられる。
また、研磨剤粒子の添加量は、トナー粒子に対して0.1質量%以上添加することが好ましく、1.0質量%以上添加することがより好ましい。研磨剤の添加量が0.1質量%未満の場合には、研磨効果が不足する場合があり、像保持体表面の種々の付着物を十分に除去できなくなる場合がある。なお、研磨効果を十分に確保する点からは研磨剤の添加量は多い方が好ましいが、実用上は、5.0質量%以下であることが好ましい。
また、この際、必要に応じて種々の添加剤を添加してもよい。該添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤もしくは転写助剤等が挙げられる。また、外添混合後に篩分プロセスを通しても構わない。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(2)により求められる。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(2)
上記式(2)中、MLはトナー粒子の絶対最大長、Aはトナー粒子の投影面積を各々示す。
次に、本発明の静電荷像現像剤について説明する。
本発明の静電荷像現像剤は、上記本発明のトナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。本発明の現像剤は、前記トナーを、単独で用いると一成分系の現像剤となり、また、トナーとキャリアとを組み合わせて用いると二成分系の現像剤となる。
キャリア芯材は、その体積抵抗率が1×107.5Ωcm以上1×109.5Ωcm以下であることが好ましい。この体積抵抗率が1×107.5Ω・cm未満であると、繰り返し複写によって現像剤中のトナー濃度が減少した際に、キャリアへ電荷が注入し、キャリア自体が現像されてしまう場合がある。一方、体積抵抗率が1×109.5Ω・cmより大きくなると、際立ったエッジ効果や擬似輪郭等の画質に悪影響を及ぼす場合がある。芯材は、上記条件を満足すれば、特に制限はないが、例えば、鉄、鋼、ニッケル、コバルト等の磁性金属、これらとマンガン、クロム、希土類等との合金、及びフェライト、マグネタイト等の磁性酸化物等が挙げられる。これらの中でも芯材表面性、芯材抵抗の観点から好ましくはフェライト、特にマンガン、リチウム、ストロンチウム、マグネシウム等との合金が好ましい。
次に、本発明の静電荷像現像用トナーを用いた本発明の画像形成装置について説明する。
本発明の画像形成装置は、像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤として本発明の静電荷像現像剤を用いるものである。
以下、本発明の画像形成装置の一例を示すが、これに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
尚、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って所定の現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
一方、感光体1Y上に残留したトナーはクリーニング装置6Yで除去されて回収される。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2〜第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ねられて多重転写される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介してトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
図2は、本発明の静電荷像現像剤を収容するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107とともに、帯電ローラ108、現像装置111、クリーニングブレードを備えた感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
そして、このプロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体とともに画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の物性測定方法(既述の方法は除く)について説明する。
(樹脂の分子量、分子量分布測定方法)
結着樹脂等の分子量、分子量分布は以下の条件で行ったものである。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
なお、試料解析におけるデータ収集間隔は300msとした。
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
結着樹脂等のガラス転移温度(Tg)、融解温度は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(島津製作所製:DSC60、自動接線処理システム付き)を用い、25℃から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定することにより求めた。なお、ガラス転移温度は階段状の吸熱量変化における中間点の温度とし、融解温度(は吸熱ピークのピーク温度とした。
レーザー回折・散乱式粒度分布測定装置(マスターサイザー2000、マルバーン社製)を用いて行った。
測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mlにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積粒度分布に関し、粒径の小さい方から累積して累積50%になったところを体積平均粒径とし、これを外添剤粒子の体積平均一次粒子径とした。
以下に、トナーから外添剤の遊離オイル量を求める方法を示すが、もちろん外添剤単独からでも求めることができる。
0.2%の界面活性剤(ポリオキシエチレンの重合度が10のポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル、和光純薬工業製)水溶液40ml中にトナー2gを添加し、トナーが水溶液に濡れるように十分に分散させる。この状態で超音波ホモジナイザーUS300T(日本精機製作所製)を使用し、出力20W、周波数20kHzの超音波振動を1分間加え、外添剤粒子を脱離させた。その後、50mlの沈殿管付き遠心分離機(小型冷却高速遠心分離機Model M160 IV、佐久間製作所製)にかけて3000rpm×7分の条件でトナーを分離し、上澄み液を孔径5μmのメンブレンフィルター(日本ミリポア(株)FHLP02500)で除去した後、更に孔径0.22μm(GSEP047S0)、および孔径0.025μm(VSWP02500)のメンブレンフィルターで除去した後、炉液を乾燥した。測定に必要なサンプル量が回収できない場合には、測定に必要なサンプル量が回収できるまで同じ作業を繰り返した。乾燥した残渣10mgを用いてNMR測定を行った。
(各分散液の調製)
−結晶性樹脂分散液−
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸ジメチル98mol%、及びイソフタル酸ジメチル−5−スルホン酸ナトリウム2mol%からなる酸性成分と、エチレングリコールからなるアルコール成分と、を1:1のmol比で入れ、これの100部に対して、触媒としてジブチル錫オキサイド0.3部を入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間攪拌・還流を行った。
その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温を行い2時間攪拌し、粘稠な状態となったところで空冷し、反応を停止させ、結晶性ポリエステル樹脂を合成した。 ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによる分子量測定(ポリスチレン換算)で、得られた結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwを確認したところ9700であった。また、融解温度は72℃であった。
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):1.8部
・イオン交換水:210部
以上を100℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を1時間行い、体積平均粒径200nm、固形分量20%の結晶性樹脂分散液を得た。
・テレフタル酸:30mol%
・フマル酸:70mol%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物:20mol%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物:80mol%
攪拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた内容量5リットルのフラスコに、酸成分及びアルコール成分を上記モル比としたモノマーを仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、このモノマー混合物100部に対してジブチル錫オキサイドを1.2部を投入した。さらに生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに3時間脱水縮合反応を継続し、酸価が12.0mg/KOH、重量平均分子量が9700、ガラス転移温度が61℃である非晶性ポリエステル樹脂を得た。
回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が0.16μm、固形分量が30%の非晶性樹脂分散液を得た。
・シアン顔料(大日精化(株)製、C.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)):45部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により10間分散し、体積平均粒径が168nm、固形分量が22.0%の着色剤分散液を得た。
・パラフィンワックス(HNP9、日本精鑞製、融解温度:75℃):45部
・カチオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):5部
・イオン交換水:200部
以上を混合し95℃に加熱して、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒径が200nm、固形分量が20.0%の離型剤分散液を得た。
−トナー粒子1−
・非晶性樹脂樹分散液:256.7部
・結晶性樹脂分散液:33.3部
・着色剤分散液:27.3部
・離型剤分散液:35部
以上を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.20部を加え、ウルトラタラックスT50で分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱し、この温度で60分保持した後、ここに非晶性樹脂分散液70.0部を緩やかに70.0部を追加した。
この時の粒子径をコールターマルチサイザーにて測定したところ、体積平均粒径は5.9μm、体積粒度分布指標GSDvは1.24であった。また、ルーゼックス画像解析装置による形状観察より求めた粒子の形状係数は130であることが観察された。
トナー粒子1の作製において、結晶性樹脂分散液の代わりに非晶性樹脂分散液を用いた以外は、トナー粒子1の作製と同様にしてトナー粒子2を作製した。
(シリカ粒子の作製)
−シリカ粒子(1)−
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイルによる表面処理量が5質量%、平均一次粒径が130nmであるシリカ粒子(1)を作製した。このシリカ粒子(1)の遊離オイル量は2.5質量%であった。
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイルによる表面処理量が5質量%、平均一次粒径が65nmであるシリカ粒子(2)を作製した。このシリカ粒子(2)の遊離オイル量は2.5質量%であった。
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイルによる表面処理量が3質量%、平均一次粒径が130nmであるシリカ粒子(3)を作製した。このシリカ粒子(3)の遊離オイル量は0.3質量%であった。
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイルによる表面処理量が3質量%、平均一次粒径が65nmであるシリカ粒子(4)を作製した。このシリカ粒子(4)の遊離オイル量は0.3質量%であった。
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイルによる表面処理量が5質量%、平均一次粒径が180nmであるシリカ粒子(5)を作製した。このシリカ粒子(5)の遊離オイル量は2.5質量%であった。
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイルによる表面処理量が5質量%、平均一次粒径が35nmであるシリカ粒子(6)を作製した。このシリカ粒子(6)の遊離オイル量は2.5質量%であった。
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイルによる表面処理量が10質量%、平均一次粒径が130nmであるシリカ粒子(7)を作製した。このシリカ粒子(7)の遊離オイル量は4.5質量%であった。
ゾルゲル法により、ジメチルシリコーンオイルによる表面処理量が0.5質量%、平均一次粒径が130nmであるシリカ粒子(8)を作製した。このシリカ粒子(8)の遊離オイル量は0.08質量%であった。
−負帯電性シリカA−
シリカ粒子(1)100部とエタノール500部とをエバポレーターに入れ、温度を40℃に維持したまま15分間攪拌した。次に、シリカ粒子100部に対して10部のジメチルジメトキシシランを入れ更に15分間攪拌した。最後に温度を90℃に上げエタノールを減圧乾燥させた、その後、処理物を取り出して更に120℃で30分間真空乾燥を行った。乾燥されたシリカを粉砕し負帯電性シリカAとした。
負帯電性シリカAの作製において、シリカ粒子(1)の代わりに各々シリカ粒子(2)〜(8)を各々用いた以外は、負帯電性シリカAの作製と同様の方法で負帯電性シリカB〜Hを作製した。
−正帯電性シリカA−
負帯電性シリカAの作製において、シリカ粒子(1)の代わりにゾルゲル法で得られた平均一次粒径が230nmの未処理シリカを用い、処理剤としてジメチルジメトキシシランの代わりにγアミノシランを用いた以外は、負帯電性シリカAの作製と同様にして正帯電性シリカAを得た。
負帯電性シリカAの作製において、シリカ粒子(1)の代わりにゾルゲル法で得られた平均一次粒径が180nmの未処理シリカを用い、処理剤としてジメチルジメトキシシランの代わりにγアミノシランを用いた以外は、負帯電性シリカAの作製と同様にして正帯電性シリカBを得た。
負帯電性シリカAの作製において、シリカ粒子(1)の代わりにゾルゲル法で得られた平均一次粒径が120nmの未処理シリカを用い、処理剤としてジメチルジメトキシシランの代わりにγアミノシランを用いた以外は、負帯電性シリカAの作製と同様にして正帯電性シリカCを得た。
負帯電性シリカAの作製において、シリカ粒子(1)の代わりにゾルゲル法で得られた平均一次粒径が280nmの未処理シリカを用い、処理剤としてジメチルジメトキシシランの代わりにγアミノシランを用いた以外は、負帯電性シリカAの作製と同様にして正帯電性シリカDを得た。
イルメナイトを鉱石として用い、硫酸に溶解させ鉄粉を分離し、TiOSO4を加水分解してTiO(OH)2を生成させる湿式沈降法を用いてTiO(OH)2を製造した。なお、TiO(OH)2の製造の過程で、加水分解と核生成のための分散調整及び水洗を行った。
(外添トナー1−1)
トナー粒子1:100部に対して、負帯電性シリカA:2.0部および酸化セリウムE10(三井金属製、平均粒径:500nm)を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーにて2500rpmで10分間処理して外添トナー1−1を作製した。
外添トナー1−1の作製において、負帯電性シリカAの代わりに負帯電性シリカB〜Hを用い(外添トナー1−2〜1−8)、さらに平均粒径が30nmの酸化チタン粒子を用いた(外添トナー1−9)以外は、外添トナー1−1の作製と同様にして外添トナー1−2〜1−9を作製した。
外添トナー1−1の作製において、外添剤として負帯電性シリカAのみを用いた以外は、外添トナー1−1の作製と同様にして外添トナー1−10を作製した。
外添トナー1−1の作製において、トナー粒子1の代わりにトナー粒子2を用いた以外は、外添トナー1−1の作製と同様にして外添トナー1−11を作製した。
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカAを1部、正帯電性シリカAを1部、研磨剤として酸化セリウムE10(三井金属社製、平均粒径:500nm)を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−1を作製した。
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカBを1部、正帯電性シリカBを1部、酸化セリウムE10を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−2を作製した。
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカAを1部、正帯電性シリカCを1部、酸化セリウムE10を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−3を作製した。
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカAを1部、正帯電性シリカDを1部、酸化セリウムE10を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−4を作製した。
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカGを1部、正帯電性シリカAを1部、酸化セリウムE10を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−5を作製した。
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカHを1部、正帯電性シリカAを1部、酸化セリウムE10を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−6を作製した。
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカEを1部、正帯電性シリカAを1部、酸化セリウムE10を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−7を作製した。
トナー粒子1:100部に対して負帯電性シリカFを1部、正帯電性シリカAを1部、酸化セリウムE10を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−8を作製した。
トナー粒子1:100部に対して、正帯電性シリカAを1部、酸化セリウムE10を0.1部添加し、ヘンシェルミキサーで2500rpmにて10分間攪拌して外添トナー2−5を作製した。
・フェライト粒子(体積平均粒径:50μm、体積抵抗率:3×108Ωcm):100部
・トルエン:14部
・パーフルオロオクチルエチルアクリレート/メチルメタクリレート共重合体(共重合比:40/60、Mw:5万):1.6部
・カーボンブラック(VXC−72、キャボット社製):0.12部
・架橋メラミン樹脂(数平均粒子径:0.3μm):0.3部
上記成分のうち、フェライト粒子を除く成分を10分間スターラーで分散し、被膜形成用液を調製し、この被膜形成用液とフェライト粒子とを真空脱気型ニーダーに入れ、60℃で30分間攪拌した後、減圧してトルエンを留去して、フェライト粒子表面に樹脂被膜を形成して、キャリアを製造した。
前記各外添トナー1−1:4部とキャリア96部とを混合し、V型ブレンダーで5分間攪拌し現像剤(1)を作製した。
また、前記その他の外添トナーについても、同様にしてキャリアと混合して現像剤を作製した。
画像形成装置として、DocuCentreColor400CP(富士ゼロックス社製)改造機を用意し、以下の評価を行った。
(定着評価)
上記画像形成装置に前記現像剤(1)を充填し、現像条件をトナー載り量で15.0g/m2となるように設定し、C2紙(富士ゼロックス社製)を使用して、4cm×4cmのべた画像を形成した。このとき、前記画像形成装置における定着温度が150℃固定になるように定着器を改造し、連続で10枚プリントした。これらの画像について以下の評価基準で定着性を評価した。
○:すべての画像で問題なし。
×:1枚以上でオフセット発生。
前記画像形成装置を使用し、カラー4色の階調チャートを用いて画像形成を行った。この階調チャートは、画像密度各色20%のA4サイズのチャートであり、階調部分にはそれぞれソリッド部、ハーフトーン部、背景部がある。高温高湿環境下(28℃、80%RH)において、10000枚までプリントし、そのときの画像について色点、カブリ、色筋が発生していないかを以下の基準により評価した。
○:色点の発生は見られない。
×:色点が発生。
−カブリ−
背景部について画像濃度計X−Rite938(X−Rite社製)により濃度測定を行い、以下の基準とした。
○:カブリ濃度が0.2未満で目視でも部分的なカブリは見られない。
△:カブリ濃度が0.2未満だが目視で部分的なカブリは見られる。 ×:カブリ濃度が0.2以上。
−色筋−
○:色筋はまったく見られない。
△:わずかに筋が見られるが、品質上問題なし。
×:品質上問題となる色筋発生。
前記10000枚プリント後の感光体について、渦電流膜厚計で、熱たわみ温度をHDT0.45Mpa(ISO75−2)に準じて10点測定し、その摩耗量の平均値から感光体磨耗率を算出し、以下の基準により評価した。
○:摩耗率が50nm/1000枚であり、表面も変化が見られない。
△:摩耗率が50nm/1000枚であるが、表面にわずかに筋が見られる。
×:摩耗率が50nm/1000枚以上。
以上の評価結果をまとめて表1に示す。
実施例1において、現像剤(1)の代わりに表1に示した外添トナーを含む現像剤を各々用いた以外は、同様にして評価を行った。結果をまとめて表1に示す。
2Y、2M、2C、2K、108 帯電ローラ
3Y、3M、3C、3K レーザ光線
3、110 露光装置
4Y、4M、4C、4K、111 現像装置(現像手段)
5Y、5M、5C、5K 1次転写ローラ
6Y、6M、6C、6K、113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y、8M、8C、8K トナーカートリッジ
10Y、10M、10C、10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28、115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ
P、300 記録紙(被転写体)
Claims (6)
- 結晶性樹脂及び着色剤を含むトナー粒子と、
シリコーンオイル処理された平均一次粒径が50nm以上150nm以下であるシリカ粒子と、を含有し、
前記シリカ粒子の遊離オイル量が、0.1質量%以上3質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記平均一次粒径が50nm以上150nm以下であるシリカ粒子が負帯電性シリカ粒子であり、さらに平均一次粒径が150nm以上250nm以下である正帯電性シリカ粒子と、研磨剤粒子と、を含有することを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- トナーを含み、該トナーが請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とする静電荷像現像剤。
- トナーが少なくとも収められ、該トナーが請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーであることを特徴とするトナーカートリッジ。
- 現像剤保持体を少なくとも備え、請求項3に記載の静電荷像現像剤を収容することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 像保持体と、該像保持体上に形成された静電荷像を現像剤によりトナー像として現像する現像手段と、像保持体上に形成されたトナー像を被転写体上に転写する転写手段と、被転写体上に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を有し、前記現像剤が請求項3に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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