JP2012215777A - 磁性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】長期放置後の高温高湿環境下において印刷した印刷物のコピーを、さらにコピーした場合の尾引きおよび画像濃度の低下を抑制し、安定した画像を得られる磁性トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂及び磁性酸化鉄を含有する磁性トナー粒子とシリカ微粒子を有する磁性トナーであって、磁性トナーは、40℃、100kHzにおける誘電損率が0.50pF/m以上0.90pF/m以下であり、シリカ微粒子は、シリコーンオイルによる表面処理が施されており、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が、20質量%以上を満たすことを特徴とする磁性トナー。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、トナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられる磁性トナーに関する。
近年、複写機やプリンター等の画像形成装置に対してオンデマンド印刷の要求が強まり、より高速化、高画質化、高信頼性を備えたトナーが求められている。更に、使用される環境は多様化しており、様々な環境下で使用された場合でも、安定した画像を提供できるトナーが求められている。
画像形成システムの内、現像方式はシンプルな構造の現像器でトラブルが少なく、寿命も長く、メンテナンスも容易なことから、一成分現像方式が好ましく用いられる。
一成分現像方式にはいくつか手法が知られている。その中の一つに磁性トナーを用いたジャンピング現像法がある。ジャンピング現像法は、摩擦帯電によって帯電した磁性トナーを交流の現像バイアスを用いて感光体上に飛翔させて、感光体上の静電荷像をトナー画像として顕像化する方法である。
ジャンピング現像法を用いて、高画質な画像を得る為には、磁性トナーの帯電特性が重要となる。しかしながら、一般に磁性トナーの帯電特性は使用環境によって大きく異なり、特に、高温高湿環境下においては、磁性トナーの帯電量は低くなる傾向がある。従来、磁性トナーの帯電量が低下すると、尾引きや画像濃度の低下による画像の劣化が生じる場合があった。尾引きとは、感光体の回転方向の下流側に感光体上の静電潜像部からトナーがはみ出る現象である。そのため、尾引きが発生すると紙上に印刷された横ラインの幅が太くなるため、尾引きの発生した印刷物のコピーをさらにコピーする(孫コピー)と、横ラインの幅はさらに太くなり、画質の低下が顕著に現れるといった問題がある。最近では、Multi Function Printer(MFP)による孫コピーの要求が増えているため、尾引きや画像濃度の制御は特に重要視されてきている。また、長期間放置した直後の磁性トナーにおいても帯電量が低くなり尾引きや画像濃度の低下が発生することがあった。例えば、オフィスの長期休暇等を考えると、1週間程度稼動せず、放置される状況もしばしば見受けられる。他にも、船便で輸送された場合には磁性トナーは数ヶ月間放置されることになる。よって、長期放置直後のトナーを高温高湿環境下において印刷し、孫コピーを行った場合にも安定した画質を求める必要性がある。
こうした課題に対して、磁性トナーの帯電特性を制御する為に種々の検討がなされてきた。特に、ジャンピング現像法の如く交流の現像バイアスに追従して現像される磁性トナーでは、磁性トナーの誘電率や誘電損率及び誘電正接の値が重要であり、それらの特性を制御する事で安定した画像を得る手法がいくつか提案されている。
例えば、特許文献1では、高温域及び常温域における誘電正接の比を規定し、環境によるトナーの帯電性の変化を小さくする技術が知られている。しかし、尾引きや画像濃度の低下の制御に関して十分とは言えず、長期放置された磁性トナーの高温高湿環境下における孫コピーにおいての尾引きや画像濃度の低下については言及されていない。
また、特許文献2では、ジャンピング現像法で現像される磁性トナーがスリーブ上に穂の状態で存在していることに着目し、磁性トナーの誘電率および磁性トナー中に含有される磁性酸化鉄の磁化および保持力を規定することにより、穂立ちを制御することで尾引きを抑制した。しかし、この場合でも、長期放置後の高温高湿環境下における孫コピーにおいて尾引きや画像濃度の低下が発生する可能性を残し、さらなる改良の余地があった。
特開平06−118700号公報 特開2008−281697号公報
本発明の目的は、上記問題点を解消した磁性トナーを提供することにある。
すなわち、長期放置後の高温高湿環境下において印刷した印刷物のコピーをさらにコピーした場合の、尾引きおよび画像濃度の低下を抑制し、安定した画像を得られる磁性トナーを提供することである。
結着樹脂及び磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナー粒子とシリカ微粒子を有する磁性トナーであって、該磁性トナーは、40℃、100kHzにおける誘電損率が0.50pF/m以上0.90pF/m以下であり、該シリカ微粒子は、シリコーンオイルによる表面処理が施されており、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が、20質量%以上を満たすことを特徴とする磁性トナー。
本発明によれば、長期放置後の高温高湿環境下において印刷した印刷物のコピーをさらにコピーした場合の、尾引きおよび画像濃度の低下を抑制し、安定した画像を得られる磁性トナーを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明者らは、長期放置後の高温高湿環境下において印刷した印刷物のコピーを、さらにコピーした場合の尾引きおよび画像濃度の低下を抑制し、安定した画像を得る為に種々の検討を行った。安定した画像を得る為には、現像バイアス中における磁性トナーの挙動を制御する必要がある。その手法の一つとして、従来から磁性トナーの帯電量を制御する方法が考案されてきた。しかしながら、磁性トナーの帯電性能を変化させると、磁性トナーの環境安定性が損なわれる場合があり、使用環境によっては現像性等へ影響を与えるなど、安定した画像を得る事は困難であった。
そこで、本発明者らは上記課題を解決する為に、現像バイアス中での磁性トナーの挙動を制御する因子について帯電量以外の検討を行った。その結果、磁性トナーの帯電量ではなく、磁性トナーの分極能と外添剤に使用するシリカ微粒子に施すシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率を制御する事で、長期放置後の高温高湿環境下において印刷した印刷物のコピーを、さらにコピーした場合の尾引きおよび画像濃度の低下を抑制できる事を見出した。
すなわち、本発明の磁性トナーは、結着樹脂及び磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナー粒子とシリカ微粒子を有する磁性トナーであって、該磁性トナーは、40℃、100kHzにおける誘電損率が0.50pF/m以上0.90pF/m以下であり、該シリカ微粒子は、シリコーンオイルによる表面処理が施されており、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が、20質量%以上を満たすことを特徴とする磁性トナーである。
本発明において、誘電損率とは電界に対する分極の応答性を示す値である。誘電損率が高いとは電界に対する分極の応答性が鈍くなることを示している。本発明における磁性トナーの誘電損率は、従来よりも高い値で制御している。その結果、電界における分極の応答性が従来と比較して鈍くなっていると考えられる。分極の応答性を鈍くするという事は、電界から受ける力に対して分極し難くなる、つまり、現像バイアス中における磁性トナーの電界への応答性を鈍くするという事である。
本発明における誘電損率の測定周波数を100kHzとした理由は、現像バイアス中における磁性トナーの分極能の挙動を示すために必要な周波数だからである。温度を40℃とした理由は、連続通紙している際のスリーブ近傍の温度を想定して設定した。
ここで、尾引きの発生について説明する。ジャンピング現像法は現像時に磁性トナーの担持体であるスリーブ上の磁性トナーが鎖状(一般には、「穂」と呼ばれている)の状態で存在し、磁性トナーは感光体上の静電潜像部に穂の状態を維持したまま現像される。この際に、感光体の回転方向の下流側にある静電潜像部の後端部に飛翔した穂が非静電潜像部にはみ出すことで尾引きが発生する。この様に、尾引きは感光体の回転方向に沿って発生するため、横ライン画像を現像すると横ラインの幅が感光体上の静電潜像よりも太くなる。
ジャンピング現像法において、尾引きを抑制するためには、エッジ効果を抑制することが有効な手段の一つである。エッジ効果とは、感光体上にある静電潜像のエッジに電界が集中することで、磁性トナーがライン画像や文字等のエッジ部に集中して現像される現象をいう。エッジ効果が生じた場合、静電潜像上のエッジ部に磁性トナーが集中するため、磁性トナーが静電潜像部からはみ出すことによって生じる尾引きが発生し易くなると考えられる。以上より、尾引きを抑制するためには、エッジ効果を抑制すればよい。ここで、エッジ効果は、エッジ部に存在する静電潜像部と非静電潜像部の狭間において生じる電界の集中に磁性トナーが応答することによって発生するため、本発明のように誘電損率を従来よりも高い値で制御し、電界への応答性を鈍くした磁性トナーを用いることでエッジ効果を抑制することが可能であると考えられる。
しかし、長期放置された磁性トナーの場合には、本発明の効果は誘電損率だけを上記範囲に制御しても十分には得られない。本発明者らは、誘電損率と合わせてシリカ微粒子表面に施したシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率を制御する事が本発明の効果を十分に得る上で必要であることを見出した。
この理由は、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率を所望の範囲にすることによってシリカ微粒子表面から遊離するシリコーンオイルを防ぐことができるからだと考えられる。通常、シリカ微粒子表面から遊離したシリコーンオイルは問題となることはないが、長期放置を行なうと、遊離しているシリコーンオイル同士が凝集するため、磁性トナーを凝集させる要因となりやすい。上述した様に、スリーブ上の磁性トナーは穂の状態で存在しているため、凝集したシリコーンオイルがバインダーとなって穂が凝集すると、穂が大きく(長く、太く)なる。この様に、磁性トナーの穂が大きくなると、エッジ効果が大きくなり尾引きが発生しやすい。これは、穂が大きいと穂に含まれる磁性トナーの個数が多くなり、穂自体が、エッジ部に存在する静電潜像部と非静電潜像部の間に存在する電界に応答しやすくなるからだと考えられる。つまり、誘電損率を従来よりも高い値に制御するだけでなく、誘電損率と合わせてシリカ微粒子表面に施したシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率を制御する事で、お互いが相乗効果を引き起こし、エッジ効果を十分に抑制し、長期放置後の尾引きの発生を防ぐことができると考えられる。
本発明の磁性トナーは、40℃、100kHzにおける誘電損率は0.50pF/m以上0.90pF/m以下であり、好ましくは0.60pF/m以上0.80pF/m以下である。当該誘電損率が0.90pF/mより高いと、分極の応答性が鈍くなりすぎる。その結果、現像バイアスに追従しなくなり、画像濃度が低下する場合がある。また、0.50pF/mより小さいと、分極の応答性が高くなり、尾引きが発生する。
また、本発明に用いられるシリカ微粒子は、シリコーンオイルによる表面処理が施されており、当該シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率は、20質量%以上、好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上である。固定化率の上限値は特に限定されないが、100質量%以下である。固定化率が20質量%未満での場合は、長期放置によって凝集した遊離オイルが磁性トナーの穂を大きくし、エッジ効果が大きくなり尾引きが発生する。
また、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が上記規定の範囲であると、磁性トナーに十分な疎水性が得られ、高温高湿環境の如き環境でも水分の影響を受けにくくなるという環境安定性も兼ね備えることができ、画像濃度の低下を抑制する。
本発明において、上記シリカ微粒子の添加量は、磁性トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.1質量部以上8.0質量部以下である。
本発明において、シリカ微粒子を得るのに用いられるシリカ原体としては、特に限定されないが、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された乾式法またはヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び、水ガラス等から製造される湿式シリカの両方が挙げられる。本発明では表面及び内部にあるシラノール基が少なく、製造残渣のない乾式シリカの方が好ましい。
本発明に用いられるシリカ微粒子は、その表面を高度に疎水化処理されていることが好ましく、疎水化処理するには、シリカ原体と化学吸着あるいは物理吸着する有機ケイ素化合物で処理する方法が挙げられる。本発明の効果を得るには、少なくともシリコーンオイルによる表面処理が必要である。
本発明に用いられるシリカ微粒子は、処理前のシリカ原体のBET比表面積が50m2
/g以上400m2/g以下であることが均一にシリコーンオイルで疎水化処理をする上
で好ましい。
上記シリコーンオイルによる疎水化処理の方法は、シリカ原体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合しても良い。あるいはシリカ原体へシリコーンオイルを噴射する方法でも良いし、適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解あるいは分散せしめた後、シリカ原体を混合し、溶剤を除去して作製しても良い。
上記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル等を例示することができるが、特にジメチルシリコーンオイルが好ましく、オイルの粘度は25℃において、300mm2/s
以下が好ましい。
上記シリコーンオイルによる疎水化処理におけるシリコーンオイルの処理量は、シリカ原体100質量部に対して5.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、より好ましくは10.0質量部以上28.0質量部以下である。
上記シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率は、シリコーンオイルがシリカ原体表面に化学的に結合していると、炭素量基準の固定化率は高くなる。そのため、処理するシリコーンオイル量が多くなるほど、シリカ原体表面と化学的に結合できないものも多くなるため、シリコーンオイルの処理量が、シリカ原体100質量部に対して30.0質量部より多くなると、遊離シリコーンオイルが増え過ぎ、本発明の効果が得られにくくなる。一方、シリコーンオイルの処理量が5.0質量部未満だと、高温高湿下での疎水性が不十分となる。
シリコーンオイルによるシリカ原体の表面処理方法には、公知の技術が用いられ、この処理の際、シリコーンオイルのシリカ原体への最適な固定化率を達成する為に、加熱しながら処理することが好ましい。加熱の温度が上がると、シリコーンオイルはシリカ原体の表面に固定化されやすくなる。処理温度としては150℃以上350℃以下の範囲が好ましく、より好ましくは150℃以上250℃以下である。この処理温度範囲に設定することで、一部遊離しやすいオイル成分を保持した状態で、シリコーンオイルのシリカ原体表面への固定化率を高めやすい。
また、本発明に用いられるシリカ微粒子はシリコーンオイルにより表面処理した後にシラン化合物及びシラザン化合物から選ばれる少なくとも1種類以上で表面処理されたものである事が、高温高湿環境下においても適正な帯電特性を得る上で好ましい。特に多種多様な品種の転写材に対応するためには、一定の帯電特性を有する事が好ましい。シラン化合物及びシラザン化合物で表面処理する事で、シリコーンオイル単独の場合に比べ、帯電性が向上し、転写性が向上するためより好ましい。また、シラン化合物及びシラザン化合物から選ばれる少なくとも1種類以上で表面処理した後にシリコーンオイルにより表面処理した場合と比較しても、疎水性が高くなり易いため好ましい。
本発明で用いられるシラン化合物としては、メトキシシラン、エトキシシラン、プロポキシシラン等のアルコキシシラン類、クロルシラン、ブロモシラン、ヨードシラン等のハロシラン類、ハイドロシラン類、アルキルシラン類、アリールシラン類、ビニルシラン類、アクリルシラン類、エポキシシラン類、シリル化合物類、シロキサン類、シリルウレア類、シリルアセトアミド類、及びこれらのシラン化合物類が有する異種の置換基を同時に有するシラン化合物類があげられる。これらのシラン化合物を用いることにより、流動性、転写性、帯電安定化が得られる。これらのシラン化合物は複数用いても良い。
具体例として、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し、末端に位置する単位のSiに水酸基を1つずつ有するジメチルポリシロキサン等がある。これらは1種或いは2種以上の混合物として用いても良い。
本発明で用いられるシラザン化合物は、分子中にSi−N結合を有する化合物の総称である。具体的には、ジメチルジシラザン、トリメチルジシラザン、テトラメチルジシラザン、ペンタメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、オクタメチルトリシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン、テトラエチルテトラメチルシクロテトラシラザン、テトラフェニルジメチルジシラザン、ジプロピルテトラメチルジシラザン、ジブチルテトラメチルジシラザン、ジヘキシルテトラメチルジシラザン、ジオクチルテトラメチルジシラザン、ジフェニルテトラメチルジシラザン、オクタメチルシクロテトラシラザンなどが挙げられる。また、これらシラザン化合物を部分的にフッ素などで置換した、有機含フッ素シラザン化合物などを用いてもよい。特に本発明では、ヘキサメチルジシラザンが好ましく用いられる。
シラン化合物及び/またはシラザン化合物で処理する方法には公知の技術が用いられる
。例えば、シリコーンオイルで処理されたシリカ微粒子を処理槽に投入して、処理槽内を撹拌翼の如き撹拌部材で撹拌混合しながら、シラン化合物及び/またはシラザン化合物を
所定量滴下或いは噴霧して充分に混合する。このとき、シラン化合物及び/またはシラザ
ン化合物をアルコールの如き溶媒で希釈して処理することもできる。混合分散した処理剤を含むシリカ微粒子を、窒素雰囲気中で処理温度150℃以上350℃以下(好ましくは150℃以上250℃以下)に加熱し、0.5乃至5時間、撹拌しながら還流する。
好ましい製法としては、シリコーンオイルで処理されたシリカ微粒子を処理槽に投入し、処理するシラン化合物及び/またはシラザン化合物の沸点以上、分解温度以下の温度に
処理槽を保持する。ここに水蒸気を吹き込み、シリカ微粒子表面の水酸基がシラン化合物またはシラザン化合物と反応しやすい状態にしておく。さらにシラン化合物及び/または
シラザン化合物を投入し、気相反応でシリカ微粒子表面を処理することが好ましい。その後、必要に応じて余剰の処理剤の如き余剰物を除去することも可能である。
また、シラン化合物及び/またはシラザン化合物を処理する前に、解砕処理を行なう事
が均一な処理を行なう上で好ましい。
これらシラン化合物及びシラザン化合物の好ましい処理量は、シリカ原体100質量部に対して、シラン化合物及びシラザン化合物の総量として、2.0質量部以上30.0質量部以下である。
本発明における結着樹脂が、多価アルコールと多価カルボン酸とを重縮合させて得られるポリエステル成分を含有し、該多価アルコール100mol部に対して80mol部以上が脂肪族アルコールであることが好ましい。その理由は、本発明における誘電損率の制
御がより容易になる為に、尾引きをより効果的に抑制する事ができる。
本発明における結着樹脂は、トナーに用いられる結着樹脂であれば特段限定されないが、樹脂の分子鎖の一部分を配向させて結晶性を持たせたポリエステル樹脂を含有することが好ましく、中でも特に樹脂の分子鎖の一部分を配向させて結晶性を持たせた線状ポリエステルを含有することがより好ましい。ここで、結着樹脂として、樹脂の分子鎖の一部分を配向させて結晶性を持たせたポリエステル樹脂以外に用いられる樹脂としては、本発明の効果に影響を与えない範囲で、従来公知の結着樹脂を用いることが可能である。
結着樹脂の分子鎖の一部分を配向させて結晶性をもたせる事で、配向という強い相互作用によって、周りの分子を動き難くすることができる。これにより、磁性トナーの分極の応答性を鈍く設計する事ができる。
本発明において特に好ましく用いられる線状ポリエステル樹脂の成分は以下の通りである。
ポリエステル樹脂を構成する2価の酸成分としては、以下のジカルボン酸又はその誘導体が挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸の如きアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物又はその低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物又はその低級アルキルエステル。
本発明は上述したとおり、結着樹脂の分子鎖の一部を配向させることで結晶性を持たせることが好ましい。そのため、堅固な平面構造をとり、π電子系により非局在化した電子が豊富に存在することで、π−π相互作用により分子配向しやすい芳香族ジカルボン酸が好ましい。
特に好ましくは直鎖構造をとりやすいテレフタル酸、イソフタル酸である。この芳香族ジカルボン酸の含有量は、分子配向し易くするという観点より、ポリエステル樹脂を構成する全酸成分100mol部中、好ましくは50mol部以上であり、より好ましくは70mol部以上である。
一方、ポリエステル樹脂を構成する2価のアルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、水素化ビスフェノールA、下記式(1)で表されるビスフェノール及びその誘導体:および下記式(2)で示されるジオール類。
Figure 2012215777
(式中、Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x、yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0乃至10である。)
Figure 2012215777
これら中でも、樹脂の分子鎖の一部を配向させ結晶性を持たせるという観点から、炭素数2以上6以下の直鎖脂肪族アルコールを用いる事が好ましい。
但し、それだけでは結晶化度が高くなり過ぎ、非晶質の性質が失われてしまう。従って、上記酸成分とアルコール成分の組み合わせで得られたポリエステル樹脂の結晶構造を一部崩す必要がある。そのためには、直鎖構造をとりつつ立体的に結晶性を崩すことが可能な側鎖に置換基を有する、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、水素化ビスフェノールA、上記式(1)で表されるビスフェノール及びその誘導体、及び、上記式(2)で示されるジオール類等からなる群より選ばれる少なくとも一種の使用が特に好ましい。
上記樹脂の分子鎖の一部分を配向させて結晶性を持たせた樹脂とは、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、2つ以上の吸熱ピークを有する事を特徴とするポリエステル樹脂が好適に例示できる。すなわち、本発明に用いられる結着樹脂としては、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、温度55℃以上75℃以下に第1の吸熱ピーク(以下、吸熱ピークP1ともいう)を有し、温度80℃以上120℃以下に第2の吸熱ピーク(以下、吸熱ピークP2ともいう)を有するポリエステル樹脂を含有することがより好ましい。
吸熱ピークP1はエンタルピー緩和に由来するピークであり、線状のポリエステル樹脂で特に発現し易い。吸熱ピークP2は結晶性の融点に由来するピークである。更に、P2以外にも結晶性に由来するピークを有していても良い。
本発明で用いられるポリエステル樹脂を構成する酸及びアルコール成分としては、上述の2価のカルボン酸成分および2価のアルコール成分以外に、1価のカルボン酸成分、1価のアルコール成分、3価以上のカルボン酸成分、3価以上のアルコール成分を構成成分として含有してもよい。
1価のカルボン酸成分としては、安息香酸、p−メチル安息香酸等の炭素数30以下の芳香族カルボン酸や、ステアリン酸、ベヘン酸等の炭素数30以下の脂肪族カルボン酸等が挙げられる。
また、1価のアルコール成分としては、ベンジルアルコール等の炭素数30以下の芳香族アルコールや、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベへニルアルコール等の炭素数30以下の脂肪族アルコール等が挙げられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、特に制限されないが、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等が挙げられる。
また、3価以上のアルコール成分としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
上記結着樹脂として用いられるポリエステル樹脂の製造方法については、特に制限されるものではなく、公知の方法を用いることができる。例えば、前述のカルボン酸成分およびアルコール成分を一緒に仕込み、エステル化反応またはエステル交換反応、および縮合反応を経て重合し、ポリエステル樹脂を製造する。ポリエステル樹脂の重合に際しては、例えば、チタンテトラブトキシド、ジブチルスズオキシド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム等の重合触媒を用いることができる。また、重合温度は、特に制限されないが、180℃以上290℃以下の範囲が好ましい。
本発明で用いられる磁性酸化鉄粒子としては、特に限定されず、マグネタイト、マグヘマイト、フェライトなどの磁性酸化鉄粒子、及び他の金属酸化物を含む磁性酸化鉄粒子等が挙げられる。従来、四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄イットリウム(YFe12)、酸化鉄カドミウム(CdFe)、酸化鉄ガドリニウム(GdFe12)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄鉛(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe)、酸化鉄ネオジム(NdFe)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マ
グネシウム(MgFe)、酸化鉄マンガン(MnFe)、酸化鉄ランタン(LaFeO)、鉄粉(Fe)等が知られている。特に好適な磁性酸化鉄粒子は四三酸化鉄又はγ三二酸化鉄の微粉末である。また上述した磁性酸化鉄粒子を単独で或いは2種以上の組合せで選択使用することもできる。
一般に、磁性トナー中における磁性酸化鉄粒子の含有量が増加に伴い、磁性トナーの誘電損率は増加する傾向にある。本発明の磁性トナーにおける上記磁性酸化鉄粒子の含有量は、磁性トナーの誘電損率を所望の値に制御しやすいという観点より、結着樹脂100質量部に対して、好ましくは30質量部以上90質量部以下であり、より好ましくは30質量部以上75質量部以下である。
本発明においては、磁性トナーに離型性を与えるために必要に応じて離型剤(ワックス)を用いることができる。該ワックスとしては、磁性トナー粒子中での分散のしやすさ、離型性の高さから、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き炭化水素系ワックスが好ましく用いられる。必要に応じて一種または二種以上のワックスを併用してもかまわない。例としては次のものが挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
さらに具体的な例としては、以下のものが挙げられる。ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200(三洋化成工業株式会社);ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学株式会社);サゾール H1、H2、C80、C105、C77(サゾールワックス社);HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精蝋株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700、ポリワックス(登録商標)600、800、1000、2000(東洋ペトロライト社);木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODA)。
該ワックスを添加するタイミングは、磁性トナーの製造中の溶融混練時において添加しても良いが結着樹脂の製造時であっても良く、既存の方法から適宜選ばれる。
該ワックスは結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。
本発明の磁性トナーには、その帯電特性を安定化させるために電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤は、その種類や他のトナー粒子構成材料の物性によっても異なるが、一般に、磁性トナー粒子中に結着樹脂100質量部当たり0.1質量部以上10質量部以下含まれることが好ましく、0.1質量部以上5質量部以下含まれることがより好ましい。このような電荷制御剤としては、磁性トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
磁性トナーを負帯電性に制御するものとしては、以下のものが挙げられる。有機金属錯体(モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体);芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩。その他にも、磁性トナーを負帯電性に制御するものとしては、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体が挙げられる。この中でも特に、安定な帯電特性が得られるモノアゾの金属錯体又は金属塩が好ましく用いられる。また、電荷制御樹脂も用いることができ、上述の電荷制御剤と併用することもできる。
また本発明の磁性トナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子である。
滑剤としては、ポリ弗化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられる。中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられる。これらの外添剤はヘンシェルミキサー等の混合機を用いて十分混合し本発明の磁性トナーを得ることができる。
本発明の磁性トナーを作製するには、結着樹脂及び磁性酸化鉄、並びに必要に応じてその他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又は、ボールミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕及び分級を行い、磁性トナー粒子を得る。更に、得られた磁性トナー粒子にシリカ微粒子をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、本発明の磁性トナーを得ることが出来る。
混合機としては、以下のものが挙げられる。ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)。
混練機としては、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディス
パージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
次に、本発明に係る各物性の測定方法に関して記載する。
<磁性トナーの誘電損率の測定方法>
4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1kHz及び1MHzの周波数で校正後、周波数100kHzにおける複素誘電率の測定値から誘電損率を算出する。
磁性トナーを1.0g秤量し、19600kPa(200kg/cm)の荷重を2分間かけて、直径25mm,厚さ1mm以下(好ましくは0.5〜0.9mm)の円盤状の測定試料に成型する。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、温度70℃まで加熱して溶融固定する。その後、温度40℃まで冷却し、0.49〜1.96N(50〜200g)の荷重をかけた状態で周波数100kHzとして測定することにより得られる。
<シリカ微粒子における、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率の測定方法>
(遊離シリコーンオイルの抽出)
(1)ビーカーにシリカ微粒子0.5g、クロロホルム40mlを入れ、2時間攪拌する。
(2)攪拌を止めて、12時間静置する。
(3)サンプルをろ過して、クロロホルム40mlで3回洗浄する。
(炭素量測定)
酸素気流下、1100℃で試料を燃焼させ、発生したCO、CO2量をIRの吸光度に
より測定して、試料中の炭素量を測定する。シリコーンオイルの抽出前後での炭素量を比較して、シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(1)試料2gを円筒金型に入れプレスする。
(2)プレスした試料0.15gを精秤し、燃焼用ボードに乗せ、堀場製作所EMA−110で測定する。
(3)[シリコーンオイル抽出後の炭素量]/[シリコーンオイル抽出前の炭素量]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
なお、シラン化合物等で疎水処理後にシリコーンオイルによる表面処理を行っている場合は、シラン化合物等で疎水処理後に試料中の炭素量を測定し、シリコーンオイル処理後に、シリコーンオイルの抽出前後での炭素量を比較して、シリコーンオイル由来の炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(4)[シリコーンオイル抽出後の炭素量]/[(シリコーンオイル抽出前の炭素量−シラン化合物等で疎水処理後の炭素量)]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
一方、シリコーンオイルによる表面処理後にシラン化合物等で疎水処理を行っている場合は、シリコーンオイル由来の炭素量基準の固定化率を下記の通り計算する。
(5)[(シリコーンオイル抽出後の炭素量−シラン化合物等で疎水処理後の炭素量)]/[シリコーンオイル抽出前の炭素量]×100、をシリコーンオイルの炭素量基準の固定化率とする。
<結着樹脂のDSC曲線の測定方法>
本発明における結着樹脂のDSC曲線の吸熱ピークは以下の方法で測定される。結着樹
脂の吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、結着樹脂約5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、測定温度範囲30乃至200℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行なう。尚、測定においては、一度200℃まで昇温させ、続いて降温速度10oC/minにて30℃まで降温し、その後、昇温速度10
℃/minで再度昇温を行なう。この昇温過程において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度(Tg)とする。
一方、この2度目の昇温過程で温度30℃以上200℃以下の範囲において、得られた比熱変化を解析する。得られた温度に対するHeat FlowのDSC曲線において、Heat Flowの極小値を示す温度を吸熱ピーク温度(ここで、第1の吸熱ピーク温度をP1[℃]、第1の吸熱ピーク温度をP2[℃])とする。
<結着樹脂の軟化点の測定方法>
本発明で用いた軟化点は、以下の方法により求めたものである。
結着樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置フローテスターCFT−500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行なう。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT−500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。尚、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量(Smax)と、流出が開始した時点におけるピストンの降下量(Smin)との差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax−Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの結着樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT−100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT−500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:30℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
<シリカ微粒子及びシリカ原体のBET比表面積の測定方法>
シリカ微粒子及びシリカ原体(以下、シリカ微粒子等ともいう)のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行なう。具体的な測定方法は、以下の通りである。
測定装置としては、定容法によるガス吸着法を測定方式として採用している「自動比表面積・細孔分布測定装置 TriStar3000(島津製作所社製)」を用いる。測定条件の設定および測定データの解析は、本装置に付属の専用ソフト「TriStar3000 Version4.00」を用いて行い、また装置には真空ポンプ、窒素ガス配管、ヘリウムガス配管が接続される。窒素ガスを吸着ガスとして用い、BET多点法により算出した値を本発明におけるBET比表面積とする。
尚、BET比表面積は以下のようにして算出する。
まず、シリカ微粒子等に窒素ガスを吸着させ、その時の試料セル内の平衡圧力P(Pa)とシリカ微粒子の窒素吸着量Va(モル・g−1)を測定する。そして、試料セル内の平衡圧力P(Pa)を窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)で除した値である相対圧Prを横軸とし、窒素吸着量Va(モル・g−1)を縦軸とした吸着等温線を得る。次いで、シリカ微粒子の表面に単分子層を形成するのに必要な吸着量である単分子層吸着量Vm(モル・g−1)を、下記のBET式を適用して求める。
Pr/Va(1−Pr)=1/(Vm×C)+(C−1)×Pr/(Vm×C)
(ここで、CはBETパラメーターであり、測定サンプル種、吸着ガス種、吸着温度により変動する変数である。)
BET式は、X軸をPr、Y軸をPr/Va(1−Pr)とすると、傾きが(C−1)/(Vm×C)、切片が1/(Vm×C)の直線と解釈できる(この直線をBETプロットという)。
直線の傾き=(C−1)/(Vm×C)
直線の切片=1/(Vm×C)
Prの実測値とPr/Va(1−Pr)の実測値をグラフ上にプロットして最小二乗法により直線を引くと、その直線の傾きと切片の値が算出できる。これらの値を用いて上記の傾きと切片の連立方程式を解くと、VmとCが算出できる。
さらに、上記で算出したVmと窒素分子の分子占有断面積(0.162nm)から、下記の式に基づいて、シリカ微粒子のBET比表面積S(m・g−1)を算出する。
S=Vm×N×0.162×10−18
(ここで、Nはアボガドロ数(モル−1)である。)
本装置を用いた測定は、装置に付属の「TriStar3000 取扱説明書V4.0」に従うが、具体的には、以下の手順で測定する。
充分に洗浄、乾燥した専用のガラス製試料セル(ステム直径3/8インチ、容積約5ml)の風袋を精秤する。そして、ロートを使ってこの試料セルの中に約0.1gのシリカ微粒子等を入れる。
シリカ微粒子等を入れた前記試料セルを真空ポンプと窒素ガス配管を接続した「前処理装置 バキュプレップ061(島津製作所社製)」にセットし、23℃にて真空脱気を約10時間継続する。尚、真空脱気の際には、シリカ微粒子等が真空ポンプに吸引されないよう、バルブを調整しながら徐々に脱気する。セル内の圧力は脱気とともに徐々に下がり、最終的には約0.4Pa(約3ミリトール)となる。真空脱気終了後、窒素ガスを徐々に注入して試料セル内を大気圧に戻し、試料セルを前処理装置から取り外す。そして、この試料セルの質量を精秤し、風袋との差からシリカ微粒子等の正確な質量を算出する。尚、この際に、試料セル内のシリカ微粒子等が大気中の水分等で汚染されないように、秤量中はゴム栓で試料セルに蓋をしておく。
次に、シリカ微粒子等が入った前記の試料セルのステム部に専用の「等温ジャケット」を取り付ける。そして、この試料セル内に専用のフィラーロッドを挿入し、前記装置の分析ポートに試料セルをセットする。尚、等温ジャケットとは、毛細管現象により液体窒素を一定レベルまで吸い上げることが可能な、内面が多孔性材料、外面が不浸透性材料で構成された筒状の部材である。
続いて、接続器具を含む試料セルのフリースペースの測定を行なう。フリースペースは、23℃においてヘリウムガスを用いて試料セルの容積を測定し、続いて液体窒素で試料セルを冷却した後の試料セルの容積を、同様にヘリウムガスを用いて測定して、これらの
容積の差から換算して算出する。また、窒素の飽和蒸気圧Po(Pa)は、装置に内蔵されたPoチューブを使用して、別途に自動で測定される。
次に、試料セル内の真空脱気を行った後、真空脱気を継続しながら試料セルを液体窒素で冷却する。その後、窒素ガスを試料セル内に段階的に導入してシリカ微粒子等に窒素分子を吸着させる。この際、平衡圧力P(Pa)を随時計測することにより前記した吸着等温線が得られるので、この吸着等温線をBETプロットに変換する。尚、データを収集する相対圧Prのポイントは、0.05、0.10、0.15、0.20、0.25、0.30の合計6ポイントに設定する。得られた測定データに対して最小二乗法により直線を引き、その直線の傾きと切片からVmを算出する。さらに、このVmの値を用いて、前記したようにシリカ微粒子等のBET比表面積を算出する。
<磁性トナーの重量平均粒径(D4)の測定方法>
磁性トナーの重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、磁性トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)丸底ビーカーに、ピペットを用いて磁性トナーを分散した前記(5)電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以上本発明の基本的な構成と特色について述べたが、以下実施例にもとづいて具体的に本発明について説明する。しかしながら、本発明は何らこれらに限定されるものではない。尚、以下の配合における「部」、「%」は特に説明が無い場合は質量基準である。
<結着樹脂(1)の製造例>
[酸成分]
・テレフタル酸(TPA) 70mol部
・フマル酸(FA) 30mol部
[アルコール成分]
・1,6−ヘキサンジオール 80mol部
・ネオペンチルグリコール(NPG) 20mol部
上記モノマーとジブチル錫オキシドを全酸成分100質量部に対して0.03質量部添加し窒素気流下、220℃にて攪拌しつつ所望の軟化点になるように反応させて、結着樹脂(1)を得た。樹脂の諸物性を表2に示す。
<結着樹脂(2)乃至(4)の製造例>
表1に示したモノマー構成に変えた以外は結着樹脂(1)と同様の方法で結着樹脂(2)乃至(4)を得た。樹脂の諸物性を表2に示す。表中、TMAは無水トリメリット酸を、BPA−EOはビスフェノールAエチレンオキサイド(平均付加mol数:2.2mol)を、BPA−POはビスフェノールAプロピレンオキサイド(平均付加mol数:2.2mol)を示す。
本実施例で用いたシリカ微粒子の製法を以下に示す。シリカ原体には、BET比表面積300m2/gのものを使用した。
<シリカ微粒子(1)の製造例>
シリカ原体100質量部に対し、20.0質量部のジメチルシリコーンオイル(粘度=100mm2/s)を噴霧し、30分間攪拌を続けた後、攪拌しながら200℃まで昇温
させてさらに2時間攪拌して、反応を終了した。反応終了後、解砕処理を行った。続いてこのオイル処理シリカ100質量部に対し、5質量部のヘキサメチルジシラザン(HMDS)を噴霧し、シリカの流動化状態で200℃においてシラン化合物処理を行なった。この反応を60分間継続した後、反応を終了し、シリカ微粒子(1)を得た。シリカ微粒子の諸物性を表3に示す。なお、シリコーンオイルの炭素量(C)基準の固定化率は、オイル処理前後での炭素量(表中では、オイルC量抽出前及びオイルC量抽出後と表記)を測定し、算出した。
<シリカ微粒子(2)乃至(5)の製造例>
ジメチルシリコーンオイル(粘度=100mm2/s)のオイル処理温度を表3のよう
に変更した以外は、シリカ微粒子の製造例1と同様にしてシリカ微粒子(2)乃至(5)を得た。シリカ微粒子(2)乃至(5)の諸物性を表3に示す。
<シリカ微粒子(6)乃至(9)の製造例>
シリカ原体100質量部に対し、ジメチルシリコーンオイル(粘度=50mm2/s)
を表3記載の量を噴霧し、30分間攪拌を続けた後、攪拌しながら表3記載の温度まで昇温させてさらに2時間攪拌して、反応を終了し、シリカ微粒子(6)乃至(9)を得た。
シリカ微粒子(6)乃至(9)の諸物性を表3に示す。
<シリカ微粒子(10)乃至(11)の製造例>
シリカ原体100質量部に対し、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)を表3記載の量を噴霧し、シリカの流動化状態で200℃においてシラン化合物処理を行った。この反応を60分間継続した後、表3に記載の量のジメチルシリコーンオイル(粘度=50mm2
/s)を噴霧し、30分間攪拌を続けた後、攪拌しながら150℃まで昇温させてさらに2時間攪拌して、反応を終了した。反応終了後、解砕処理を行い、シリカ微粒子(10)乃至(11)を得た。シリカ微粒子(10)乃至(11)の諸物性を表3に示す。
<磁性酸化鉄粒子Aの製造例>
Fe2+1.55mol/Lを含む硫酸第一鉄水溶液65Lと、2.37mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液88Lを混合し、撹拌した。
混合水溶液中の残留水酸化ナトリウムが2.1g/Lとなるように調整後、温度80℃、pHを6〜8に維持しながら、30L/minの空気を吹き込み、第1の酸化反応を一旦終了させた。
次いで、Fe2+1.27mol/Lを含む硫酸第一鉄水溶液中に、Zn2+0.5mol/Lとなるように硫酸亜鉛を添加した水溶液2.25Lを別に用意し、前述の反応スラリーに加え、pHを6以上、8以下に維持しながら、再び15L/minの空気を吹き込み、第2の酸化反応を終了させた。
次いで、Fe2+1.01mol/Lを含む硫酸第一水溶液中に、Si4+0.44mol/Lとなるようにケイ酸ナトリウム(3号)を添加した水溶液2.3Lを別に用意し、前述の反応スラリーに加え、pHを6以上、8以下に維持しながら、再び15L/minの空気を吹き込み、第3の酸化反応を終了させた。得られた生成粒子は通常の洗浄、濾過、乾燥、粉砕工程により処理し、球形の磁性酸化鉄粒子Aを得た。
[実施例1]
・結着樹脂(1) 100質量部
・磁性酸化鉄粒子A 45質量部
・ポリエチレンワックス(PW2000:東洋ペトロライト社製、融点120℃)
4質量部
・電荷制御剤(T−77:保土ヶ谷化学社製) 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで前混合した後、二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ジェットミルで粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)6.8μmの負摩擦帯電性の磁性トナー粒子を得た。磁性トナー粒子100質量部に対し、シリカ微粉子(1)0.8質量部をヘンシェルミキサーで外添混合し目開き100μmのメッシュで篩い、負摩擦帯電性の磁性トナー1を得た。磁性トナー1の諸物性を表5に示す。
<通常画だしの評価>
市販のMFP(Canon社製 LBP4500)を改造して、A4サイズ70枚/分とし、これを画出し試験機として、磁性トナー1を評価した。磁性トナー1を完全に帯電が緩和すると考えられる環境下で長期放置(45℃、95%RH、1ヶ月)し、長期放置直後に高温高湿環境下(30℃、80%RH)で画だしした画像について下記の評価を実施した。
<画像濃度(反射濃度)の評価>
画像濃度は、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、5mm角のベタ黒画像の反射濃度を測定することにより評価した。評価画像は1枚目の画像を用いた。
A(良い):濃度が1.4以上
B(普通):濃度が1.3以上1.4未満
C(悪い):濃度が1.3未満
<尾引きの評価>
尾引きは、長期放置したトナーを、高温高湿環境下において、潜像ライン幅を規定したライン画像を縦および横ラインで印刷した後、縦および横ラインのライン幅を比(縦/横
ライン比)にとって求めた。一般に、尾引きは感光体の回転方向に沿って発生するため、
横ラインの幅は縦ラインと比較して尾引きの影響を受けやすく、ライン幅が太くなる。よって、縦/横ライン比は一般に1以下となり、値が1に近いほど、尾引きは抑制されていると考えられる。評価の詳細を以下に説明する。
磁性トナー1を完全に帯電が緩和すると考えられる環境下で長期放置(45℃、95%RH、1ヶ月)した後に、高温高湿環境下(30℃、80%RH)において、MFP(C
anon社製 LBP4500)を使用して画だしを行った画像は、静電潜像担持体上に
レーザー露光により600dpiの10dot縦および横線パターン潜像(潜像ライン幅約420μm)を1cm間隔で書かせ、これを現像し、ポリエチレンテレフタレート(PET)製OHP上に転写、定着させて得た。得られた縦および横線パターン画像を、表面粗さ計サーフコーダーSE−30H(小坂研究所社製)を用い、縦および横線ラインのトナーの乗り方を表面粗さのプロフィールとして得、このプロフィールの幅からそれぞれのライン幅を求め、縦/横ライン比を算出した。算出した値を以下の基準で評価した。
A(良い):縦/横ライン比が0.95以上
B(普通):縦/横ライン比が0.85以上、0.95未満
C(悪い):縦/横ライン比が0.75以上、0.85未満
<孫コピーの評価>
磁性トナー1を完全に帯電が緩和すると考えられる環境下で長期放置(45℃、95%RH、1ヶ月)した後に、高温高湿環境下(30℃、80%RH)において、MFP(C
anon社製 LBP4500)を使用して画だしを行った。得られた画像は、前記画像
濃度評価および前記尾引き評価に使用した画像とそれぞれ同様の画像である。得られた画像を同環境および同製品を用いてコピーしたものをさらにコピー(孫コピー)し、評価用画像を得た。得られた評価用画像について、下記のように評価基準を変更した以外は、前記画像濃度評価および尾引き評価と同様の評価を行った。
[画像濃度評価基準]
A(良い):濃度が1.3以上
B(普通):濃度が1.2以上1.3未満
C(悪い):濃度が1.2未満
[尾引き評価基準]
A(良い):縦/横ライン比が0.9以上
B(普通):縦/横ライン比が0.8以上、0.9未満
C(悪い):縦/横ライン比が0.7以上、0.8未満
以上の評価結果を表6に示す。
[実施例2乃至10]
表4に示すように結着樹脂とシリカ微粒子および磁性酸化鉄粒子Aの部数を変えた以外は、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー2乃至磁性トナー10を得た。得られた磁性トナーの諸物性を表5に示す。更に、実施例1と同様の試験を行った結果を表6に示す。
[比較例1乃至7]
表4に示すように結着樹脂とシリカ微粒子および磁性酸化鉄粒子Aの部数を変えた以外は、磁性トナー1の製造例と同様にして、磁性トナー11乃至磁性トナー17を得た。得られた磁性トナーの諸物性を表5に示す。更に、実施例1と同様の試験を行った結果を表6に示す。
Figure 2012215777
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Claims (3)

  1. 結着樹脂及び磁性酸化鉄を少なくとも含有する磁性トナー粒子とシリカ微粒子を有する磁性トナーであって、前記磁性トナーは、40℃、100kHzにおける誘電損率が0.50pF/m以上0.90pF/m以下であり、前記シリカ微粒子は、シリコーンオイルによる表面処理が施されており、前記シリコーンオイルの炭素量基準の固定化率が、20質量%以上を満たすことを特徴とする磁性トナー。
  2. 前記結着樹脂が、多価アルコールと多価カルボン酸とを重縮合させて得られるポリエステル成分を含有し、前記多価アルコール100mol部に対して80mol部以上が脂肪族アルコールであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記シリカ微粒子は、シリコーンオイルにより表面処理した後に、シラン化合物及びシラザン化合物から選ばれる1種類以上で表面処理されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
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