JP2005265958A - 磁性トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】使用環境によらず両面出力においても長期にわたり安定した画像が得られ、高速定着におけるオフセット性にも優れ、トナー消費量を低減できる磁性トナーを提供する。
【解決手段】少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーにおいて、(i)該結着樹脂がビニル樹脂ユニットを含有しており、(ii)該トナーの重量平均粒子径が5.0〜9.0μmであり、(iii)該トナーの真比重が1.1〜1.6g/cm3であり、(iv)該トナーの磁場796kA/mにおける飽和磁化が20〜35Am2/kgであり、(v)該トナーの100kHz、40℃における誘電率が15〜40(pF/m)であり、(vi)該トナーの40℃における誘電正接(tanδ)の周波数依存性が、0.7≦(tanδ100K−tanδ2K)/tanδ2K≦1.7を満足する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法又はトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられる磁性トナーに関する。
従来電子写真法としては、光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙のごとき転写材にトナー画像を転写した後、加熱、圧力、加熱加圧あるいは溶剤蒸気により定着し、トナー画像を得る方法が知られている。
トナーを現像する方法においては、キャリアを必要とせず、装置の小型化が有利な点で磁性トナーを用いた磁性一成分現像方式が好ましく用いられる。磁性一成分現像方式に用いるトナー中には、微粉末状の磁性体が相当量混合分散されており、この存在状態がトナーの流動性及び摩擦帯電性に大きく影響する。
磁性トナーにおいては、ドット再現性などを向上させるために小粒径化を行なう。この場合、帯電特性と磁気特性のバランスを良くするため、従来は添加する磁性体の量を増やすことにより対応している。しかしこの場合、以下に述べる問題が生じる。1つには、トナー中での結着成分が相対的に減量することで、低温定着性が阻害されるようになる。2つめにはトナーの飽和磁化量及び真比重の増加に伴い流動性が低下しやすくなり、トナー担持体上での穂立ち状態が凝集体として存在しやすくなるため、適切な穂立ち状態を形成することが難しくなる。このため潜像担持体への現像時にトナーが凝集体で挙動するようになる、特に交番電界で現像する場合は、トナーの誘電特性が該凝集体形成に係わり、その結果尾引き現象などの画質劣化や、潜像へのトナー載り量の増加により定着のみならず転写時にも画像がつぶれる画質劣化や、消費量の増大などの問題を引き起こしやすくなる。これらの問題に対し、磁性トナーの現像性向上の目的で、トナーの誘電特性を制御する試みがなされている。例えば、誘電正接を調整することで磁性体の分散性を向上したトナーが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしこの場合、ある一定環境での帯電特性の安定化には効果が見られるが、トナーを小粒径化したり、磁性体量を減量した場合などには、環境変動及び経時変化に伴う帯電特性の安定化は充分なものとはいえない。
また、高温域及び常温域における誘電正接の比を規定し、環境による帯電性の変化を小さくするトナーが知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしこの場合も、磁性トナーの環境安定性や低消費量化については充分なものとはいえない。
また、低周波数での誘電正接の温度特性による現像性、特に感光体上の静電荷像の再現性を向上させることが知られている(例えば、特許文献3参照)。さらにまた、トナーとトナー規制部材との誘電特性との相関に基づく現像方法が知られている(例えば、特許文献4参照)。しかし、これらの技術は、以下に述べる両面画像形成の二面目画像における、紙の分離除電印加の影響による画像の乱れを十分満足できるレベルには至っていない。
分離除電の分離出力が小さい場合、分離後の搬送路上に記録材が張り付き気味になり、記録材搬送が不安定になり、搬送路と記録材が摺擦することによる振動が大きくなって、紙詰りや画像乱れが大きな問題となる。特に高速出力機では、この点を回避するために分離出力は大きく設定されている、しかし分離出力が大きいため紙上のトナー像までも強く除電されて、紙とトナー間の静電的付着力が小さくなってしまい、その後の搬送路上での微小な振動やショック等で、同様に紙上トナー像が乱れるという問題が生じる。特に転写
分離後の紙が定着器に突入するときに画像乱れが起こると非常に重大であり、大きな画像欠陥として現れる可能性がある。
上記のような記録材(紙)分離時のトナー像の乱れによる画像不良は、低濃度画像ばかりでなく、高濃度画像でもラインのように細い線で形成されるような画像には顕著に現れる。特に低濃度画像ではトナーの総量が少ないためにトナーが除電されやすく、トナー像と記録材の付着力が容易に小さくなって、不良画像が起こりやすい。
特開平10−221881号公報 特開平6−118700号公報 特開2002−221813号公報 特開2003−330223号公報
本発明は、上述のごとき問題点を解決したトナーを提供することを課題とする。具体的には、使用環境によらず両面出力においても長期にわたり、安定した画像が得られる磁性トナーを提供することを課題とする。
また本発明は、高速定着におけるオフセット性にも優れた磁性トナーを提供することを課題とする。
さらにまた本発明は、トナー消費量を低減できる磁性トナーを提供することを課題とする。
本発明者らは、トナーの真比重、磁化量及び誘電特性を制御することにより、両面画像の品質を高め、高速定着におけるオフセット性に優れるとともに、様々な環境下でも安定した帯電特性を有する磁性トナーが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーにおいて、
(i)該結着樹脂が、a)カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂、b)カルボキシル基とエポキシ基とを有するビニル樹脂、及びc)カルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を含有しており、
(ii)該トナーの重量平均粒子径が5.0〜9.0μmであり、
(iii)該トナーの真比重が1.1〜1.6g/cm3であり、
(iv)該トナーの磁場796kA/mにおける飽和磁化が20〜35Am2/kgであ
り、
(v)該トナーの100kHz、40℃における誘電率が15〜40(pF/m)であり、
(vi)該トナーの40℃における誘電正接(tanδ)の周波数依存性が、下記式(1)を満足することを特徴とする磁性トナー。
Figure 2005265958
(2)前記トナーの100kHz、40℃における誘電正接が2.0×10-3〜2.0×10-2であることを特徴とする(1)に記載の磁性トナー。
(3)前記磁性体の平均粒径が0.08〜0.30μmであることを特徴とする(1)又は(2)に記載の磁性トナー。
(4)前記トナーは、トナー中のクロロホルム可溶分の酸価が1.0〜20mg/KOHgで、かつ
クロロホルム可溶分のエポキシ量が2.0〜0.1mmol/gであることを特徴とする(1)〜(3)の何れかに記載の磁性トナー。
本発明により、様々な環境下においても高速両面出力で分離除電印加の影響を受けず、安定した高画質画像が得られ、かつ高速定着におけるオフセット性に優れるとともにトナー消費量の少ない磁性トナーを提供することができた。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の磁性トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーにおいて、該結着樹脂が、a)カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂、b)カルボキシル基とエポキシ基とを有するビニル樹脂、及びc)カルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂ユニットを含有しており、該トナーの重量平均粒子径が5.0〜9.0μmであり、該トナーの真比重が1.1〜1.6g/cm3であり、該トナーの磁場796kA/mにおける飽和磁化が20〜35Am2/kgであり、該トナーの100kHz、40℃における誘
電率が15〜40(pF/m)であり、該トナーの40℃における誘電正接(tanδ)の周波数依存性が、下記式(1)を満足することを特徴とする磁性トナーである。
Figure 2005265958
従来、磁性トナーにおいて誘電正接の値は帯電量の保持のしやすさを表す指標として用いられてきた。この値が低いほど電荷保持能が高いトナーとなり得る。
一方、本発明では、電場内でのトナーの帯電特性の安定性を表す指標として、誘電正接の周波数による変化率を利用する。特に転写後の分離除電印加の際、転写紙上のトナーが交番電場の影響で転写紙とトナーとの静電的付着力が減少し、トナー画像が乱れやすく、
薄い転写紙の画像や両面出力における二面目の画像は、分離除電印加の影響を大きく受ける。本発明において規定する誘電正接の周波数による変化率は、この分離除電印加の影響をできるだけ抑制することができる磁性トナー特有の誘電特性を表す。転写材の分離のために印加されるバイアスに転写紙上のトナー帯電特性が変化する割合を定量的に示すことができる。
本発明者らの研究により、特にトナーの周波数2000Hzと100KHzでの誘電正接の変化率が、トナーの分離除電印加によるトナー帯電特性の変化と相関性が高いという知見が得られた。誘電正接の値は、主にトナー中での着色剤の分散状態を表すものであり、磁性トナーの場合には磁性体の分散状態の影響を主に受ける。そこで、同一の材料で比較した場合、分散性を向上させることにより、誘電正接は低い値を取るようになる。また誘電正接の値は、測定周波数が上がるに従い大きな値を取る傾向があり、特に磁性体の添加量が少なくなるに従い、この変化が大きくなる。これはトナー中での磁性体含有量が相対的に低くなることにより、分散状態がトナー表面の帯電維持特性に及ぼす影響が大きくなるためである。分離除電印加によるトナー表面帯電の変化は空間電荷分極としてとらえられことができ100KHzでの誘電正接を測定し、分離除電印加前の交番電界による現像後状態として2000Hzでの誘電正接と比較することにより、その変化率を測定することで分離除電後の画像安定性を評価できる。
ここで誘電正接の周波数変化率(tanδ100K−tanδ2k)/tanδ2kが1.7を超える場合、トナーが分離除電印加による静電付着力が小さくなりライン画像での飛び散りや定着における突入ショックでハーフトーンの画像一様性が悪くなる。特に紙の水分蒸発による気化熱低下での定着不良(低温オフセット)が生じやすくなる。
また(tanδ100K−tanδ2k)/tanδ2kが0.7未満の場合は、分離除電印加の影響は少ないが、電荷の蓄積性が高く 低湿度環境下でのトナー帯電が過剰となり、画像濃度低下やトナー帯電の不均一性が生じ、カブリが顕著となる。また転写材上に一旦転写したトナーが感光ドラム上に逆転写する再転写性も強くなる傾向にある。また高速回転する定着ローラー自身の帯電と転写上のトナーとの帯電との相互作用による反発で、静電オフセットと呼ばれる現象も生じやすくなる。
そこで、本発明では、上述した式で規定する値を満足しているとよい。
本発明において誘電正接等の誘電特性を測定する温度を40℃としたのは、特に高速出力の電子写真装置内の温度が40℃付近であることと、特に両面出力の際は、第一面を加熱定着された状態で第二面の現像、転写、分離工程に進むためより装置内温度が高くなるため、分離除電印加の影響を測定する条件に適しているからである。測定温度が、50℃を超える場合は、樹脂のガラス転移温度の影響が大きくなるため好ましくない。
本発明において、トナーの誘電率は、15〜40(pF/m)である。誘電正接の変化率を制御し、且つ誘電率を制御することで、帯電安定性を飛躍的に向上できる。誘電率を15より小さくすると、帯電量が高くなりすぎ、低湿環境下などで安定した画像特性を有することが難しくなる。また誘電率が40より大きくなると、トナーの帯電の立ち上がりが遅くなるとともに、放置による帯電量の低下も起こりやすくなる。
本発明において、磁性トナーの真比重は1.1〜1.6g/cm3であり、且つ磁場7
96kA/mにおける飽和磁化量は20〜35Am2/kgである。真比重が1.7g/
cm3より大きい、又は飽和磁化量が35Am2/kgより大きい場合、つまり磁性体が比較的多量に含有されている場合は、磁気凝集性により必要過多のトナーが現像されやすくなり、定着時の画像劣化や消費量の増大などの問題が起こり、低温定着性の悪化が起こる。一方、真比重が1.3g/cm3より小さい、又は飽和磁化量が20Am2/kgより小
さい場合、つまり磁性体の量が少ない場合には、トナー担持体上での穂形成能が低下しすぎ、画質の劣化が生じやすい。また誘電正接の周波数依存性が大きくなりすぎ、環境による帯電特性の変化が大きくなる。
本発明において、磁性トナーの重量平均粒子径は、5.0〜9.0μmである。なぜなら、高精細静電潜像を現像するためには磁性トナーのトナー重量平均径9.0μm以下が好ましく、また磁性トナーのトナー重量平均径5.0μm未満の場合は、静電担持体との鏡像力の影響を受けやすく転写性が低下するからである。
本発明において、トナーはトナー中のクロロホルム可溶分の酸価が1.0〜20mg/KOHgで
、かつクロロホルム可溶分のエポキシ量が2.0〜0.1mmol/gであることが好ましい。
なぜなら、クロロホルム可溶分はトナー表面層における結着樹脂の組成に近く、粉砕法トナーの場合は、気相(空気)における衝撃により粉砕され製造されるため、粉砕される界面は、相対的に濡れにくい組成が界面となる傾向にある。そこで、疎水性の高い溶媒であるクロロホルムを用い測定した場合、クロロホルム可溶分の酸価が1.0mg/KOHg未満の
場合は、磁性体の分散が不十分となり、カブリが顕著になる。またクロロホルム可溶分のエポキシ量が0.1mmol/g未満である場合、本発明に係わる誘電特性、特に誘電率は低くな
り、低湿環境下などで安定した画像特性を有することが難しくなるからである。一方、クロロホルム可溶分の酸価が20mg/KOHgを超える場合は、誘電正接の周波数特性の変化率が高く、分離除電印加にトナーの電荷保持性が低下し、定着時の飛び散りが目立つ。クロロホルム可溶分のエポキシ量が2.0mmol/gを超える場合は、誘電率が高くなり放置による
帯電量の低下も起こりやすくなるからである。
さらに本発明のトナーは、周波数100kHz、40℃で測定した誘電正接(tanδ)が2.0×10-3〜2.0×10-2の範囲にあることが好ましい。誘電正接がこの範囲に
あると、トナー中での磁性体の分散性が良好となり、電荷保持能が良好であり、除電印加による帯電特性の変動を抑制しやすくなる。誘電正接(tanδ)が2.0×10-3未満
の場合は電荷緩和過剰傾向がみら、画像濃度低下が生じやすい。また誘電正接(tanδ)が2.0×10-2を超える場合は、個々のトナー表面電荷のばらつきが生じるためか、
ライン画像のエッジ効果が強くトナー消費量を増大させる弊害がある。
本発明において、誘電特性を制御するため、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーにおいて、該結着樹脂はa)カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂、b)カルボキシル基とエポキシ基を有するビニル樹脂、及びc)カルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を含有する。
結着樹脂中にエポキシ基やカルボキル基が存在すると、互いの官能基の反応性により引き付け合うため、磁性体は特異的な分散状態を形成すると思われる。そしてそれにより、磁性トナーの誘電率は高まり、本発明に係わる所望の誘電特性や誘電正接の周波数特性を示す磁性トナーを得ることができると考えられる。
そして、結着樹脂製造の際の溶融条件、及びトナー製造の際の結着樹脂と磁性体等との原料混合条件や熱溶融混練条件等を考慮することにより、磁性トナーの誘電特性等を所望の範囲に制御することができる。所望の誘電特性等を示すよう制御する方法としては、例えば、トナー製造の際における、原材料混合工程において、本発明に係わる結着樹脂の粒径を100〜400μmに細かくするとともに、磁性体の分散性を考慮しつつ混合槽における原料投入順序を決定する、あるいは、結着樹脂製造の際やトナー製造の際における熱溶融時の温度を150℃以上に調整し結着樹脂中のエポキシ基とカルボキル基を反応させるもしくは反応近接状態に置く等の方法が挙げられる。尚、これらの方法を組み合わせる
ことにより、より容易に本発明に係わる所望の誘電特性を示す磁性トナーを得ることができる。
本発明において結着樹脂は、上述したように、a)カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂、b)カルボキシル基とエポキシ基とを有するビニル樹脂、及びc)カルボキシル基とエポキシ基とが反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有する。
カルボキシル基を有するビニル樹脂を構成するカルボキシル基ユニットを有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、チグリン酸及びアンゲリカ酸などのアクリル酸、及びα−或いはβ−アルキル誘導体;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸、そのモノエステル誘導体、無水物及びα−或いはβ−アルキル誘導体などが挙げられる。
上記のようなカルボキシル基ユニットを有するモノマーを単独、或いは混合して、他のビニル系モノマーと公知の重合方法に共重合させることによりカルボキシル基を有するビニル樹脂を得ることができる。
カルボキシル基を有するビニル樹脂において、数平均分子量(Mn)は、良好な定着性や本発明に係わる誘電特性の効果を達成するために、1,000〜40,000が好ましく、重量平均分子量(Mw)は、良好な耐オフセット性、耐ブロッキング性や本発明に係わる誘電特性を達成するために、10,000〜2,000,000が好ましい。
また、カルボキシル基を有するビニル樹脂は、低分子量成分と高分子量成分から構成させていることが望ましい。低分子量成分のピーク分子量は良好な定着性、現像性を達成するために、4,000〜30,000が好ましく、高分子量成分のピーク分子量は、良好な耐オフセット性、耐ブロッキング性や耐久性を達成するために、100,000〜1,
000,000が好ましい。
本発明で用いる高分子量成分樹脂の合成方法としては、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法や懸濁重合法等を挙げることができる。
このうち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合濃度が大きく、高重合度のものが得られる。さらに、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、着色剤及び電荷制御剤その他の添加物との混合が容易であることから、トナー用バインダー樹脂の製造方法として有効である。しかしながら、添加した乳化剤のために重合体が不純になり易く、重合体を取り出すには塩析などの操作が必要で、この不便を避けるためには溶液重合法及び懸濁重合法の方がよい。
懸濁重合法では、水系溶媒100質量部に対して、モノマーは100質量部以下(好ましくは10〜90質量部)であるのが好ましい。使用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、一般に水系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部用いるとよい。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択される。
結着樹脂組成物の調製に用いられる高分子量成分樹脂は、本発明の目的を達成するために、以下に例示する様な多官能性重合開始剤を単独で或いは単官能性重合開始剤と併用することにより生成するとよい。
多官能構造を有する多官能性重合開始剤の具体例としては、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(tert−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−tert−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート、ジ−tert−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−tert−ブチルパーオキシオクタン及び各種ポリマーオキサイド等の1分子内に2つ以上のパーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基を有する多官能性重合開始剤;及びジアリルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシマレイン酸、tert−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びtert−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の1分子内に、パーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤が挙げられる。
これらのうち、より好ましいものは、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−tert−ブチルパーオキシアゼレート及び2,2−ビス−(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキサン)プロパン及びtert−ブチルパーオキシアリルカーボネートである。
上記多官能性重合開始剤は、トナー用バインダーとして要求される種々の性能を満足させるため、単官能性重合開始剤と併用するとよい。特に多官能性重合開始剤の半減期10時間を得るための分解温度より単官能性重合開始剤の半減期10時間を得るための分解温度の方が低い値を示す該単官能性重合開始剤と併用するのがよい。
単官能性重合開始剤の具体例としては、ベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシド、α−α’−ビス(tert−ブチルパーオキシジイソプロピル)べンゼン、tert−ブチルパーオキシクメン、ジ−tert−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾ及びジアゾ化合物等が挙げられる。
これらの単官能性重合開始剤は、上記多官能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良いが、多官能性重合開始剤の効率を適正に保つためには、重合工程において該多官能性重合開始剤の示す半減期を経過した後に添加するのが好ましい。
これらの多官能性及び/又は単官能性重合開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.01〜10質量部用いるのが好ましい。
次に結着樹脂組成物の調整に用いられる低分子量成分樹脂の合成方法としては、公知の方法を用いることができる。しかしながら、塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度を速めることで、低分子量の重合体を得ることができるが、反応をコントロールしに
くいという問題点がある。その点、溶液重合法では、溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用して、また、開始剤量や反応温度を調整することで低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることができるため、カルボキシル基を有するビニル樹脂中の低分子量成分樹脂を得るにはこちらの重合法の方が好ましい。
溶液重合で用いる溶媒としては、キシレン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコールまたはベンゼンが用いられる。重合するポリマーによって溶媒は適宜選択される。反応温度としては、使用する溶媒、重合開始剤、重合するポリマーによって異なるが、通常70〜230℃で行うのが良い。溶液重合においては、溶媒100質量部に対してモノマー30〜400質量部で行うのが好ましい。
さらに、重合終了時に溶液中で他の重合体を混合することも好ましく、数種の重合体を混合できる。
本発明で用いられるエポキシ基を有するビニル樹脂において、該ビニル樹脂中のエポキシ基とは、酸素原子が同一分子内の2原子の炭素と結合している官能基のことであり、環状エーテル構造を有する。代表的な環状エーテル構造としては、3員環、4員環、5員環、6員環があるが、中でも3員環構造のものが好ましい。
エポキシ基を有するビニル樹脂を構成するエポキシ基ユニットを有するモノマーとして以下のものが挙げられる。アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸β−メチルグリシジル、メタクリル酸β−メチルグリシジル、アリルグリシジルエーテル、アリルβ−メチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、下記式(i)で表されるグリシジルモノマーが好ましく用いられる。
Figure 2005265958
(上記式中、R1、R2及びR3は、水素、アルキル基、アリール基、アラルキル基、カル
ボキシル基及びアルコシキカルボニル基を示す。)
このようなエポキシ基ユニットを有するモノマーは単独、或いは混合して、ビニル系モノマーと公知の重合方法により共重合させることにより該エポキシ基を有するビニル樹脂を得ることができる。
エポキシ基を有するビニル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が、好ましくは2,000〜100,000、より好ましくは2,000〜50,000、さらに好ましくは3,000〜40,000であることが良い。重量平均分子量が2,000未満であると、結着樹脂中で架橋反応が起こり分子量が増大し混練工程の際、分子の切断が多く、耐久性が悪化する。また、重量平均分子量が100,000を超えると、定着性が悪くなる。
本発明では、トナー中のクロロホルム可溶分のエポキシ量が2.0〜0.1mmol/gの範囲であることと、結着樹脂が、カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂とが架橋反応を引き起こしていることが、所望の誘電特性を示す磁性トナーを得るうえでより有効となる。
次に、カルボキシル基及びエポキシ基を有するビニル樹脂において、数平均分子量(Mn)は、良好な現像性と磁性体分散性を達成するため、1,000〜40,000が好ましい。また、重量平均分子量(Mw)は、耐オフセット性、耐ブロッキング性及び耐久性を達成するため、10,000〜2,000,000が好ましい。
カルボキシル基及びエポキシ基を有するビニル樹脂は、カルボキシル基ユニットを有するモノマーとエポキシ基ユニットを有するモノマーを混合し、他のビニルモノマーと公知の重合方法により共重合させることにより得られる。
また、本発明で使用する、カルボキシル基とエポキシ基とが反応したビニル樹脂としては、カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂とを結着樹脂の製造時において予め反応させたものであってもよい。ここで、反応手段としては、1)カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂を溶液状態で混合し、反応釜内で熱を加えることにより架橋反応を起こさせる、また、2)カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂をそれぞれ反応釜から取り出し、ヘンシェルミキサー等でドライブレンドを行い、2軸押し出し機等で熱溶融混練することにより、架橋反応を起こさせる等の方法を挙げることができる。
ここで、カルボキシル基ユニットを有するモノマーやエポキシ基ユニット有するモノマーと共重合させるビニルモノマーとしては、例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンのようなスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのようなエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンのような不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルのようなビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸(2−エチルヘキシル)、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−1−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸ステアリル、アクリル酸(2−クロルエチル)、アクリル酸フェニルのようなアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンのようなビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンのようなN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸誘導体もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。これらのビニルモノマーは単独もしくは2つ以上のモノマーを混合して用いることができる。
これらの中でもスチレン系共重合体及びスチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましく、この場合、少なくともスチレン系共重合体成分またはスチレン−アクリル系共重合体成分を結着樹脂中に70質量%以上含有することが定着性、混合性の点で好ましい。
本発明においては、結着樹脂中に上記した特定のグループから選択される1種以上のビ
ニル樹脂が40質量%以上含まれていることが好ましい。
また、本発明のトナーに使用される結着樹脂には、上記した重合体の他、下記の重合体を添加することも可能である。例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用可能である。
また、本発明では、結着樹脂の一部として、ポリエステル樹脂を含んでいてもよい。
ポリエステル樹脂は、多価アルコールと多塩基酸との縮重合により生成する樹脂であり、ポリエステル樹脂成分のモノマーとしては以下のものが挙げられる。
二価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また下記(ii)式で表されるビスフェノール誘導体、及び下記(iii)式で示されるジオール類が挙げられる。
Figure 2005265958
Figure 2005265958
また、二価のカルボン酸としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸等のベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等のアルキルジカルボン酸類又はその無水物;またさらに炭素数6〜18のアルキル基またはアルケニル基で置換されたコハク酸若しくはその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂のその他のモノマーとしては、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、さらには例えばノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテル等の多価アルコール類;トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸類等が挙げられる。
また本発明においては、ポリエステル樹脂成分とスチレン−アクリル系樹脂成分を含むハイブリッド樹脂を含んでいてもよい。
ハイブリッド樹脂において、スチレン−アクリル系樹脂成分を生成するためのビニル系モノマーとしては次のようなものが挙げられる。
スチレン系モノマーとしては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、m−ニトロスチレン、o−ニトロスチレン、p−ニトロスチレンの如きスチレン及びその誘導体が挙げられる。
またアクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸及びアクリル酸エステル類や、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸及びそのエステル類や、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、スチレン−アクリル系樹脂のモノマーとしては、2−ヒドロキシルエチルアクリレート、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート、2−ヒドロキシルプロピルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸エステル類、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルブチル)スチレン、4−(1−ヒドロキシ−1−メチルヘキシル)スチレンの如きヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーで使用される磁性体としては、従来公知の磁性材料が用いられる。磁性トナーに含まれる磁性材料としては、マグネタイト、マグヘマイト、フェライト等の酸化鉄、及び他の金属酸化物を含む酸化鉄;:Fe、Co、Niのような金属あるいはこれらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Be、Bi、Cd、Ca、Mn、Se、Ti、W、Vのような金属との合金;及びこれらの混合物等が挙げられる。
具体的には、四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄イットリウム(Y3Fe512)、酸化鉄カドミニウム(CdFe2
4)、酸化鉄ガドリニウム(Gd3Fe512)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄鉛
(PbFe1219)、酸化鉄ニッケル(NiFe24)、酸化鉄ネオジム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe24)、酸化鉄ランタン(LaFeO3)、鉄粉(Fe)、コバルト
粉(Co)、ニッケル粉(Ni)等が挙げられる。本発明では磁性材料として、少なくとも磁性鉄を含有し、他に必要に応じて上述した磁性材料を一種又は二種以上任意に選択して使用することが可能である。
これらの磁性材料の795.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性は、抗磁力が1.5kA/m〜12kA/m、飽和磁化が50〜200Am2/kg(好まし
くは50〜100Am2/kg)、残留磁化が2〜20Am2/kgのものが好ましい。磁性材料の磁気特性は、25℃、外部磁場769kA/mの条件下において振動型磁力計、例えばVSM P−1−10(東英工業社製)を用いて測定することができる。
本発明の磁性トナーでは、磁性体は磁性酸化鉄であることが好ましく、例えば四三酸化鉄やγ−三二酸化鉄の微粉末が挙げられる。
本発明において、トナー化後の磁場796kA/mにおける飽和磁化量が20〜35Am2/kgとなるように、磁性体の磁気特性及び添加量を制御するとよい。
本発明において、磁性体の平均粒径は0.08μm以上0.3μm以下であることが好ましい。0.08μm以下になると、磁性体自身が赤みを帯びることによりトナーの色味も赤みを増してしまうとともに、樹脂中での微分散性が悪化する事で、誘電正接の変化率を制御することが難しくなる。また0.3μm以上となると、トナーの着色力が低下するとともに、磁性体含有量が少ない場合に誘電正接の周波数変化率が高くなり、適正範囲とすることが難しい。
また本発明においては、磁性体の内部及び/または表面に、ケイ素、亜鉛、チタンなどの異種金属を含有させることが好ましい。これは磁気凝集性を低下させることが可能になり、トナー中での磁性体の分散性を向上できるからである。
また本発明の磁性体は、磁性体合成後のスラリー状態において、機械的シェアをかけ磁気凝集力を低減させておくことが好ましい。このような処理を行なうことで、トナー製造時の微分散性が飛躍的に向上するものである。
本発明においては必要に応じて他の着色剤を含有することもできる。着色剤としては、カーボンブラックや、その他従来知られているあらゆる顔料や染料の一種又は二種以上を用いることができる。
本発明においては、他の添加剤を必要に応じてトナー粒子に添加することも可能である。このような他の添加剤としては、トナー粒子の内部に添加することが従来より知られている種々の添加剤を用いることができ、離型剤や電荷制御剤等が挙げられる。
上記離型剤として好ましいものとしては、例えば低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス等の脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックス等の、脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックス等の、脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの;パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸等の飽和直鎖脂肪酸類;ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸等の不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール等の飽和アルコール類;ソルビトール等の多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド等の飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−ジオレイルセバシン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミド等の芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、フウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪族金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸等のビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリド等の、脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加等によって得られる、ヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物;炭素数12以上の長鎖アルキルアルコール又は長鎖アルキルカルボン酸;等が挙げられる。
本発明において特に好ましく用いられる離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。このような脂肪族炭化水素系ワックスとしては、例えば、アルキレンを高圧化でラジカル重合し、又は低圧化でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス及びそれを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス;これらの脂肪族炭化水素系ワックスをプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別したもの;が挙げられる。
上記脂肪族炭化水素系ワックスの母体としての炭化水素としては、例えば、金属酸化物系触媒(多くは二種以上の多元系)を使用した一酸化炭素と水素の反応によって合成されるもの(例えばジントール法、ヒドロコール法(流動触媒床を使用)によって合成された炭化水素化合物);ワックス状炭化水素が多く得られるアーゲ法(同定触媒床を使用)により得られる炭素数が数百ぐらいまでの炭化水素;エチレン等のアルキレンをチーグラー触媒により重合した炭化水素;が挙げられる。このような炭化水素の中でも、本発明では、分岐が少なくて小さく、飽和の長い直鎖状炭化水素であることが好ましく、特にアルキレンの重合によらない方法により合成された炭化水素がその分子量分布からも好ましい。
本発明において離型剤は、離型剤を含有するトナー粒子を示差走査熱量計で測定したときに、得られるDSC曲線において70〜140℃の領域に吸熱メインピークが現れるようにトナー粒子に含まれていることが、トナーの低温定着性及び耐高温オフセット性の点で好ましい。
上記吸熱ピーク温度は、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計、例えばパーキンエルマー社製のDSC−7を用い、ASTM D3418−82に準じて測定することができ、上記のピークが出現する温度は、融点やガラス転移点、及び重合度等を適切に調整された離型剤を用いることによって調整することが可能である。なお、上記DSC−7は、前記ピーク温度の他、結着樹脂のガラス転移点、軟化点、ワックスの融点等の、トナー粒子やトナー粒子材料の熱的物性を示す温度の測定に適用することができる。
本発明において離型剤として使用できるワックスの具体的な例としては、ビスコール(登録商標)330−P、550−P、660−P、TS−200 (三洋化成工業社)、ハイワックス400P、200P、100P、410P、420P、320P、220P、210P、110P(三井化学社)、サゾールH1、H2、C80、C105、C77(シューマン・サゾール社)、HNP−1、HNP−3、HNP−9、HNP−10、HNP−11、HNP−12(日本精鑞株式会社)、ユニリン(登録商標)350、425、550、700、ユニシッド(登録商標)、ユニシッド(登録商標)350、425、550、700(東洋ペトロライト社)、木ろう、蜜ろう、ライスワックス、キャンデリラワックス、カルナバワックス(株式会社セラリカNODAにて入手可能)等が挙げられる。
離型剤は、結着樹脂100質量部あたり2〜15質量部の割合でトナー粒子中に含まれることが、定着性、帯電特性の点で好ましい。
本発明のトナーには、その帯電性を安定化させるため、上述したように電荷制御剤を用いることができる。電荷制御剤は、電荷制御剤の種類や他のトナー粒子構成材料の物性等によっても異なるが、一般にトナー粒子中に結着樹脂100質量部当たり0.1〜10質量部含まれることが好ましく、0.1〜5質量部含まれることがより好ましい。このような電荷制御剤としては、トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとが知られており、トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効で、その例としては、モノアゾ金属錯体;アセチルアセトン金属錯体;芳香族ヒドロキシカルボン酸又は芳香族ジカルボン酸の金属錯体又は金属塩;が挙げられる。その他にも、トナーを負帯電性に制御するものとしては、例えば芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその金属塩や無水物;エステル類やビスフェノール等のフェノール誘導体;等が挙げられる。
トナーを正帯電性に制御するものとしては、例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルホン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート等の四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、リンタングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン酸、フェロシアン化合物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイド等のジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレー
ト等のジオルガノスズボレート;等が挙げられる。本発明ではこれらの一種又は二種以上組み合わせて用いることができる。トナーを正帯電性に制御するものとしては、これらの中でもニグロシン系化合物、四級アンモニウム塩等の電荷制御剤が特に好ましく用いられる。
より具体的には、負帯電用としては、例えばSpilon Black TRH、T−77、T−95(保土谷化学社)、BONTRON(登録商標)S−34、S−44、S−54、E−84、E−88、E−89 (オリエント化学社)がより好ましいものとして挙げられ、正帯電用としては、例えばTP−302、TP−415 (保土谷化学社)、BONTRON(登録商標) N−01、N−04、N−07、P−51(オリエント化学社)、コピーブルーPR(クラリアント社)が好ましいものとして挙げられる。
なお、本発明のトナーはトナー材料の物性等の観点から、荷電制御剤として負帯電性のものが好ましく、特にアゾ系鉄錯体が結着樹脂及び磁性体との分散性の点から好ましく使用される。
本発明のトナーは、上述したトナー粒子に、トナーの種類に応じた種々の材料を外添して用いられる。外添される材料としては、例えば無機微粉体等のようにトナーの流動性を向上させる流動性向上剤や、金属酸化物微粒子等のようにトナーの帯電性を調整するための導電性微粉体等の外添剤が挙げられる。
上記流動性向上剤としては、トナー粒子に外添することによりトナーの流動性を向上し得るものが挙げられる。このような流動性向上剤としては、例えばフッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法シリカ、乾式製法シリカの如き微粉末シリカ、微粉末酸化チタン、微粉末アルミナ;これらをシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイル等により表面処理を施した処理シリカ、処理酸化チタン、処理アルミナ;等が挙げられる。
流動性向上剤は、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上であ
ることが好ましく、50m2/g以上であることがより好ましい。流動性向上剤は、流動
性向上剤の種類によって異なるが、例えばトナー粒子100質量部に対して0.01〜8質量部を配合することが好ましく、0.1〜4質量部を配合することがより好ましい。
好ましい流動性向上剤としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された微粉体であり、乾式法シリカ又はヒュームドシリカと称されるものである。このようなシリカは、例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、基礎となる反応式は次のような式(iv)で示されるものである。
Figure 2005265958
この製造工程において、例えば塩化アルミニウム又は塩化チタンの如き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン化合物と共に用いることによってシリカと他の金属酸化物の複合微粉体を得ることも可能であり、本発明で流動性向上剤として利用されるシリカ微粉体はそれらも包含する。その粒径は、平均一次粒径として0.001〜2μmの範囲内であることが好ましく、特に0.002〜0.2μmの範囲内であることがより好ましい。
ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成された市販のシリカ微粉体としては、例
えば以下のような商品名で市販されているもの、すなわちAEROSIL(日本アエロジル社)130、200、300、380、TT600、MOX170、MOX80、COK84;Ca−O−SiL(CABOT Co.社)M−5、MS−7、MS−75、HS−5、EH−5;Wacker HDK N 20(WACKER−CHEMIE GMBH社)V15、N20E、T30、T40;D−C Fine SiliCa(ダウ
コーニングCO.社);Franso1(Fransil社)等が挙げられる。
本発明では、上記シリカ微粉体は、疎水化処理されていることが好ましい。また上記シリカ微粉体は、メタノール滴定試験によって測定される疎水化度が30〜80度の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが、環境変動に対しても安定したトナー物性を発現させる上で特に好ましい。なお上記疎水化度は、水中で攪拌されている所定量のシリカ微粉体にメタノールを滴下し、シリカ微粉体の沈降終了時におけるメタノール及び水の液状混合物中におけるメタノールの百分率として表される。シリカ微粉体の疎水化方法としては、例えばシリカ微粉体と反応し、又はシリカ微粒子に物理吸着する有機ケイ素化合物やシリコーンオイルでシリカ微粒子を化学的に処理する方法が挙げられる。より好ましくは、有機ケイ素化合物による疎水化処理である。
ここで、上記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位においてSiに結合する水酸基を有するジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは一種あるいは二種以上の混合物で用いられる。
シリカ微粉体の疎水化処理においては、上記有機ケイ素化合物の中でもさらに窒素原子を有するシランカップリング剤の一種又は二種以上を用いることが可能である。このような含窒素シランカップリング剤としては、例えばアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン等が挙げられる。
尚、本発明において、好ましいシランカップリング剤としてはヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
またシリカ微粉体の疎水化処理で好ましく使用されるシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が0.5〜10000センチストークスであることが好ましく、1〜1000センチストークスであることがより好ましく、10〜200センチストークスであることがより一層好ましい。また、特に好ましいシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられ
る。
シリコーンオイルを用いるシリカ微粉体の表面疎水化処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法;が挙げられる。
シリコーンオイルによってシリカ微粉体の表面疎水化処理を行なう場合では、シリコーンオイルの処理後にシリカ微粉体を不活性ガス中で200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し、表面のコートを安定化させることがより好ましい。
本発明においては、シリカ微粉体の表面疎水化処理に、前述したシランカップリング剤及びシリコーンオイルの両方を用いることが可能であり、このような表面疎水化処理方法としては、シリカ微粉体を予めシランカップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、又はシリカ微粉体をシランカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法等が挙げられる。
本発明のトナーは、その製造方法については特に限定されないが、前述した結着樹脂、磁性体、及び必要に応じて他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミルの如き混合機により十分混合し、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融、捏和及び練肉して樹脂類を互いに相溶せしめ、溶融混練物を冷却固化し、その後、固化物を粉砕し、粉砕物を分級することによりトナー粒子を得る方法が好ましい。このトナー粒子と流動性向上剤等の外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により必要に応じて十分混合することにより得ることができる。
また本発明のトナーを製造するに当たって、分級はトナー粒子生成後の任意の時期に行なうことができ、例えば外添剤との混合後に分級を行っても良い。また、生成したトナー粒子に、例えば機械的又は熱的等の適切な衝撃を加え、トナー粒子の粒子形状を制御(より具体的には球形化)しても良い。
本発明においては、上記固化物を粉砕する方法としては、機械的衝撃力を加える方法が好ましい。機械的衝撃力を与える処理としては、例えば川崎重工業(株)製粉砕機KTM、ターボ工業(株)製ターボミルのごとき機械式粉砕機を用いる方法、及びホソカワミクロン社製のメカノフュージョンシステムや、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステム等の装置により処理する方法が挙げられる。これらの装置をそのまま、あるいは適宜改良して使用することが可能である。
以下にトナー製造用装置として一般的に使用されるものを示すが、これらに限定されるものではない。表1にはトナー製造用粉砕装置の例を、表2にはトナー製造用分級装置の例を、表3にはトナー製造用篩装置の例を、表4にはトナー製造用混合装置の例を、表5にはトナー製造用混練装置の例を、それぞれ挙げる。
Figure 2005265958
Figure 2005265958
Figure 2005265958
Figure 2005265958
Figure 2005265958
本発明のトナーに係る物性の測定方法は以下に示す通りである。後述の実施例もこの方法に基づいている。
(1)トナーの粒径測定
粒度分布については、種々の方法によって測定できるが、本発明においてはコールターカウンターのマルチサイザーを用いて行なった。
測定装置としてはコールターカウンターのマルチサイザーII型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及び解析用コンピューターを接続し、電解液は特級または1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調整ずる。測定法としては前記電解水溶液l00〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加え、さらに測定試科を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターカウンターのマルチサイザーII型により、アパーチャ一としてトナー粒径を測定するときは、100μmアパーチャーを用いて測定する。トナーの体積,個数を測定して、体積分布と、個数分布とを算出した。それから体積分布から求めた重量基準の重量平均粒子径を求める。
(2)トナーの真比重測定
トナーの真比重は、島津製作所(株)製、乾式自動密度計アキュピック1330を用いて測定する。
(3)トナーの飽和磁化測定
磁性トナーの飽和磁化の強さは、振動型磁力計VSMP−1−10(東英工業社製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場796kA/mで測定する。
(4)磁性体の粒径測定
磁性体の平均粒径は、例えばレーザー回折式粒度分布計(堀場製作所株式会社製を用いて測定する。
(5)トナーの誘電率及び誘電正接の測定
4284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1kHz及び1MHzの周波数を校正後、周波数2000Hzおよび100kHzにおける複素誘電率の測定を行なうことにより得る。
トナーは、1.0g秤量し、19600kPa(200kgf/cm2)の荷重を1分
間かけて成形し、直径25mm、厚さ2mm以下(好ましくは0.5mm〜1.5mm)の円盤状の測定試料にする。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、温度80℃まで加熱し、溶融固定する。その後、温度20℃まで冷却し、0.49〜1.96N(50〜200g)の荷重をかけた状態で、周波数2000Hz、100KHz一とし、温度40℃の温度範囲において、測定することより得られる。
(6)トナーのクロロホルム可溶成分のエポキシ量の測定
試料は予めトナーのクロロホルム不溶成分を除去して使用するか、上記のクロロホルム不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるクロロホルム溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用する。試料の粉砕品0.5(g):Wを精秤する。
ビーカーに試料を入れ、0.2NのHCl/ジオキサン溶液 20mlとクロロホルム
20(ml)を加え溶解する。
0.5NのKOHエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。(例え
ば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置ATー400(win workstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。)
この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
次式(2)によりエポキシ量を計算する。fはKOHのファクターである。
Figure 2005265958
(7)酸価の測定
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
1)試料は予めトナー及び結着樹脂のクロロホルム不溶成分を除去して使用するか、上記のクロロホルム不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるクロロホルム溶媒によって抽出された可溶成分を試料として使用する。試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し、可溶成分の重さをW(g)とする。
2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合液150(ml)を加え溶解する。
3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置ATー400(win workstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が利用できる。)4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
5)次式(3)により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
Figure 2005265958
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
(高分子量成分樹脂の製造例H−1)
・スチレン 75 質量部
・アクリル酸n−ブチル 18 質量部
・アクリル酸 7 質量部
・2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン
1 質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し125℃に昇温させた後5時間かけて滴下した。さらにキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去した。このようにして得られた樹脂をH−1とする。
(高分子量成分樹脂の製造例H−2)
製造例H−1において、
・スチレン 75 質量部
・アクリル酸n−ブチル 18 質量部
・メタクリル酸 4 質量部
・メタクリル酸グリシジル 3 質量部
・2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン
0.8質量部
に変えた以外は製造例H−1と同様にして樹脂H−2を得た。
(高分子量成分樹脂の製造例H−3)
製造例H−1において、
・スチレン 77 質量部
・アクリル酸n−ブチル 15 質量部
・ジビニルベンゼン 8 質量部
・2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン
3 質量部
に変えた以外は製造例H−1と同様にして樹脂H−3を得た。
(カルボキシル基を有するビニル樹脂の製造例P−1)
・高分子量成分樹脂H−1 35 質量部
・スチレン 50 質量部
・アクリル酸n−ブチル 9 質量部
・アクリル酸 6 質量部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 1.4質量部
上記原材料をキシレン200質量部中に4時間かけて滴下した。さらに、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このようにして得られた樹脂をP−1とする。
(カルボキシル基を有するビニル樹脂の製造例P−2)
・高分子量成分樹脂H−1 35 質量部
・スチレン 55 質量部
・アクリル酸n−ブチル 12 質量部
・メタクリル酸 3 質量部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 1.2質量部
上記原材料をキシレン200質量部中に3時間かけて滴下した。さらに、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このようにして得られた樹脂をP−2とする。
(カルボキシル基を有するビニル樹脂の製造例P−3)
・高分子量成分樹脂H−2 30 質量部
・スチレン 55 質量部
・アクリル酸n−ブチル 13.5質量部
・メタクリル酸 1.5質量部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 1.0質量部
上記原材料をキシレン200質量部中に4時間かけて滴下した。さらに、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このようにして得られた樹脂をP−3とする。
(ビニル樹脂の製造例P−4)
・高分子量成分樹脂H−3 30 質量部
・スチレン 55 質量部
・アクリル酸n−ブチル 15 質量部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 1.8質量部
上記原材料をキシレン200質量部中に4時間かけて滴下した。さらに、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このようにして得られた樹脂をP−4とする。
(エポキシ基を有するビニル樹脂の製造例E−1)
・スチレン 77 質量部
・アクリル酸n−ブチル 20 質量部
・メタクリル酸グリシジル 3 質量部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 4 質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し、140℃に昇温させた後4時間かけて滴下した。さらにキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このように得られた樹脂をE−1とする。
(エポキシ基を有するビニル樹脂の製造例E−2)
・スチレン 78 質量部
・アクリル酸n−ブチル 16 質量部
・メタクリル酸グリシジル 6 質量部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 3 質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し、135℃に昇温させた後4時間かけて滴下した。さらにキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このように得られた樹脂をE−2とする。
(エポキシ基を有するビニル樹脂の製造例E−3)
・スチレン 70 質量部
・アクリル酸n−ブチル 8 質量部
・マレイン酸モノブチル 15 質量部
・メタクリル酸グリシジル 7 質量部
・ジ−tert−ブチルパーオキサイド 3 質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し、140℃に昇温させた後4時間かけて滴下した。さらにキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このように得られた樹脂をE−3とする。
(エポキシ樹脂の製造例EP−1)
撹拌装置、温度計、窒素導入口、冷却管付セパラブルフラスコにビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(エポミックR−140P)100g、ビスフェノールA47g、p−クミルフェノール30g、キシレン約20gを加えた。
窒素雰囲気下で70℃まで昇温した後、塩化リチウム0.03g/H2Oを加え170
℃で6時間反応した。その後ε−カプロラクトン9.0gを加えさらに6時間反応し、エポキシ樹脂EP−1を得た。
(磁性体製造例1)
Zn/Feの質量比(質量%)が0.5質量%となるように亜鉛を含む第一鉄塩を主成
分とする水溶液を調製し、この水溶液に鉄及び亜鉛に対して当量以上の水酸化ナトリウム水溶液を混合し、水酸化第一鉄スラリーを得る。この水酸化第一鉄スラリーのpHを12に維持して80℃で酸化反応を行う。得られたマグネタイト粒子を含むスラリーに機械的せん断力を加え分散処理を施した後、ろ別、洗浄、乾燥、粉砕を行ない磁性体1を得た。
得られた磁性体の平均粒径は0.13μm、磁場796kA/mにおける磁気特性は飽和磁化87Am2/kg、残留磁化10Am2/kg、保持力が12kA/mであった。
(磁性体製造例2)
Ti/Feの質量比(質量%)が0.7質量%となるようにチタンを含む第一鉄塩を主
成分とする水溶液を調製し、この水溶液に鉄及び亜鉛に対して当量以上の水酸化ナトリウム水溶液を混合し、水酸化第一鉄スラリーを得る。この水酸化第一鉄スラリーのpHを12に維持して85℃で酸化反応を行う。得られたマグネタイト粒子を含むスラリーに機械的せん断力を加え分散処理を施した後、ろ別、洗浄、乾燥、粉砕を行ない磁性体2を得た。
得られた磁性体の平均粒径は0.24μm、磁気特性は飽和磁化81Am2/kg、残
留磁化9Am2/kg、保持力が12kA/mであった。
(磁性体製造例3)
Si/Feの質量比(質量%)が0.5質量%となるようにケイ素を含む第一鉄塩を主
成分とする水溶液を調製し、この水溶液に鉄及びケイ素に対して当量以上の水酸化ナトリウム水溶液を混合し、水酸化第一鉄スラリーを得る。この水酸化第一鉄スラリーのpHを12に維持して80℃で酸化反応を行う。得られたマグネタイト粒子を含むスラリーに機械的せん断力を加え分散処理を施した後、ろ別、洗浄、乾燥、粉砕を行ない磁性体3を得た。
得られた磁性体の平均粒径は0.08μm、磁気特性は飽和磁化87Am2/kg、残
留磁化13Am2/kg、保持力が12kA/mであった。
(磁性体製造例4)
第一鉄塩を主成分とする水溶液に鉄に対して当量以上の水酸化ナトリウム水溶液を混合し、水酸化第一鉄スラリーを得る。この水酸化第一鉄スラリーのpHを12に維持して8
0℃で酸化反応を行う。得られたマグネタイト粒子を含むスラリーを、ろ別、洗浄、乾燥、粉砕を行ない磁性体4を得た。
得られた磁性体の平均粒径は0.33μm、磁気特性は飽和磁化78Am2/kg、残
留磁化8Am2/kg、保持力が9kA/mであった。
<実施例1>
樹脂P−1:85質量部、樹脂E−1:15質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて190℃で混練し、冷却後、平均粒径200μmに粉砕した結着樹脂1を得た。該結着樹脂1は、カルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂1 100 質量部
・磁性体 1 50 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順にヘンシェルミキサーに投入し(比重の高い磁性体を、原料混合物の上部に配置することが磁性体のプレ分散性を向上させる)十分に前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.1μmの磁性ト
ナーを得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー1を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
Figure 2005265958
(磁性トナーの評価)
市販のキヤノン製デジタル複写機IR6010を使用し、プロセススピードを265mm/sから320mm/sとし、A4横サイズを1分間に75枚通紙できるように高速出力化改造を行なった。この改造により、連続両面通紙を行なった場合、転写材の分離性厳しくなるため分離帯電のワイヤーを1mm転写紙方向に近づけた。また機内温度、及び現像
器近傍温度はともに上がりやすい条件となっている。この状態で本発明のトナー1を用い
て、低温低湿環境(温度23℃、湿度5%)において10万枚の紙厚64g/m2キヤノンホワイトリサイクルペーパーEW-100A4紙の両面通紙耐久試験を行った。その後、高温高湿環境(温度30℃、湿度80%)において、さらに10万枚の通紙耐久試験を行なった。原稿は画像比率5%のチャートを使用した。画像に関する評価を以下のようにして行なった。
(画像評価)
1.画像濃度
画像濃度はマクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して、チャートの5mm丸(1.1濃度)の反射濃度を低温低湿環境での耐久試験前後及び高温高湿環境での耐久試験前後で比較し、濃度安定性を評価した。
2.2面目画像のライン飛び散りおよびデジタル画像の鮮鋭さの評価
ライン及び文字を含む原稿を使用し、低温低湿環境及び高温高湿環境での両面耐久試験後の第2面目画像を目視及び拡大顕微鏡を使用して、以下の基準で評価した。(分離除電印加による画像への影響確認)
A : 文字画像及びライン画像ともに、細部まで忠実に再現している
B : 細部に多少の乱れまたは飛び散りが生じているが、目視では問題
ないレベルである
C : 目視でも乱れや飛び散りがわかるレベルである
D : 乱れ、飛び散りが多数発生し、原稿を再現していない
3.両面第2面目のハーフトーン均一性の評価
高温、高湿度下での両面通紙耐久の10K枚後、画像濃度0.6のA4ハーフトーン画
像を出力し、得られたA4画像を6等分に分割しハーフトーン画像濃度の最大値と最小値との差を以下の基準で判断した。
A : 変化0.03未満であり、均質な画像
B : 変化が0.03〜0.10であり、不均質な画像として目視では確認されない
C : 変化が0.11〜0.20であり、不均質な画像として目視で確認できる
D : 変化が0.21以上であり、不均質な画像として明らかに認められる
4.再転写性評価
各環境の10k枚後、分離帯電のワイヤーを通常位置に戻し、紙厚64g/m2キヤノンホワイトリサイクルペーパーEW-100A3リサイクル紙の両面通紙を行った。用紙の先端から、100mm以内の文字原稿画像が再転写による「ラインや文字中抜け」として評価した。
A : ほとんどラインや文字中抜けは見られない
B : 中抜けしている部分も若干あるが実用上問題なし
C : 中抜けが認識できる
D : はっきりと中抜けが認識できる
5.トナー消費量評価
画出し試験において、初期の現像器重量と2000枚出力後の現像器重量から下式(4)にて求めた。
Figure 2005265958
6.高速定着におけるオフセット性評価
低温(15℃)常湿(30%)環境にプロセススピードを265mm/sから320m
m/sとし、A4横サイズを1分間に75枚通紙できるように高速出力化改造を行なった
IR6010を設置し、安定化電源により入力電源を100Vから95Vとした。この状態で画像比率5%の原稿(A3サイズ)を紙厚105g/m2キヤノンカラーレーザーコピア
用紙で1000枚連続通紙を行なった。連続通紙による定着ローラーの帯電が上昇し、さらに入力電圧の低下に伴い、連続通紙水分の気化により定着ローラー温度も下がる条件で、高速定着におけるオフセット性評価を以下の基準で判断した。
A : 1000枚通紙中、全くオフセットが見られない
B : 800〜1000枚の間で軽微なオフセットが見られる
C : 500枚〜800枚の間でオフセットが見られる
D : 500枚通紙までにオフセットが見られる
各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
Figure 2005265958

<実施例2>
樹脂P−1:83質量部、樹脂E−1:17質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて190℃で混練し、冷却後、平均粒径200μmに粉砕した結着樹脂2を得た。該結着樹脂2は、少なくともカルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂2 100 質量部
・磁性体 1 50 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.1μmの磁性トナーを得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー2を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<実施例3>
樹脂P−1:83質量部、樹脂E−1:17質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて150℃(カルボン酸とエポキシ基との反応を抑制するため温度を低下)で混練し、冷却後、平均粒径200μmに粉砕した結着樹脂3を得た。該結着樹脂3は、少なくともカルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂3 100 質量部
・磁性体 1 50 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順に
ヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.1μmの磁性トナーを得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー3を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<実施例4>
樹脂P−4:75質量部、樹脂P−3:23質量部、樹脂E−1:2質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて170℃で混練し、冷却後、平均粒径150μmに粉砕した結着樹脂4を得た。該結着樹脂4は、少なくともカルボキシル基を有するビニル樹脂、エポキシ基を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とエポキシ基が反
応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂4 100 質量部
・磁性体 1 50 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、140℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.4μmの磁性トナーを得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー4を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<実施例5>
樹脂P−1:75質量部、樹脂P−2:15質量部、樹脂E−1:10質量部をヘンシ
ェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて200℃で混練し、冷却後、平均粒径150μmに粉砕した結着樹脂5を得た。該結着樹脂5は、少なくともカルボキシル基を有するビニル樹脂、エポキシ基を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂5 100 質量部
・磁性体 2 70 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順に
ヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.3μmの磁性トナーを得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー5を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<実施例6>
樹脂P−3:85質量部、樹脂E−1:15質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて160℃で混練し、冷却後、平均粒径300μmに粉砕した結着樹脂6を得た。該結着樹脂6は、少なくともカルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂6 100 質量部
・磁性体 2 70 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.3μmの磁性トナーを得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー6を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<実施例7>
樹脂P−2:95質量部、樹脂E−1:5質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて200℃で混練し、冷却後、平均粒径100μmに粉砕した結着樹脂7を得た。該結着樹脂7は、少なくともカルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂7 100 質量部
・磁性体 3 35 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.3μmの磁性トナーを得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー7を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<実施例8>
樹脂P−2:85質量部、樹脂E−2:15質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて200℃で混練し、冷却後、平均粒径100μmに粉砕した結着樹脂8を得た。該結着樹脂8は、少なくともカルボキシル基とエポキシ基とを有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂8 100 質量部
・磁性体 3 35 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 1 質量部
・TN−105(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、TN−105、磁性体の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、150℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径5.3μm
の磁性トナーを得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー8を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<実施例9>
樹脂P−2:90質量部、樹脂E−1:10質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて200℃で混練し、冷却後、平均粒径100μmに粉砕した結着樹脂9を得た。該結着樹脂9は、少なくともカルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂9 100 質量部
・磁性体 1 50 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径8.7μmの磁性トナーを
得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)0.8質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー9を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<実施例10>
樹脂P−4:65質量部、樹脂P−3:5質量部、樹脂E−1:30質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて200℃で混練し、冷却後、平均粒径100μmに粉砕した結着樹脂10を得た。該結着樹脂10は、少なくともカルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂を有している。
・結着樹脂10 100 質量部
・磁性体 1 50 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を結着樹脂、フィシャートロプシュワックス、T−77、磁性体の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合
物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.3μmの磁性トナーを
得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示すトナー10を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように良好な結果が得られた。
<比較例1>
樹脂E−3を60質量部及び樹脂EP−1を40質量部、ヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて130℃で混練し、冷却粉砕し、比較結着樹脂1を得た。
・比較結着樹脂1 100 質量部
・磁性体 4 100 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を磁性体、フィシャートロプシュワックス、T−77、結着樹脂の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.1μmの磁性トナーを
得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示す比較トナー1を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように分離除電印加の影響により高湿下での両面2面目の画像飛び散りが顕著で、除電にともなうトナーの転写紙への付着性低下からハーフトーンの均一性も悪くさらに、現像画像濃度安定性、トナー消費量、高速定着におけるオフセット性等に劣るものであった。
<比較例2>
樹脂H−3を99質量部及び樹脂EP−1を1質量部、ヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて220℃で混練し、冷却粉砕し、比較結着樹脂2を得た。
・比較結着樹脂2 100 質量部
・磁性体 2 25 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を磁性体、フィシャートロプシュワックス、T−77、結着樹脂の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、150℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.1μmの磁性トナーを
得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示す比較トナー2を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように再転写が生じ、かつ低湿度環境下で著しく画像濃度の低下がみられた。
<比較例3>
樹脂E−3を60質量部及び樹脂E−1を40質量部、ヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて130℃で混練し、冷却粉砕し、比較結着樹脂3を得た。
・比較結着樹脂3 100 質量部
・磁性体 1 50 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を磁性体、フィシャートロプシュワックス、T−77、結着樹脂の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.1μmの磁性トナーを
得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示す比較トナー3を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように比較例1と同様、高湿下での画像特性やトナー消費量、高速定着におけるオフセット性に劣るものであった。
<比較例4>
樹脂P−4を98質量部及び樹脂E−1を2質量部、ヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し機にて130℃で混練し、冷却粉砕し、比較結着樹脂4を得た。
・比較結着樹脂4 100 質量部
・磁性体 1 50 質量部
・T−77(保土ヶ谷化学社製) 2 質量部
・フィシャートロプシュワックス(融点=105℃) 4 質量部
上記材料を磁性体、フィシャートロプシュワックス、T−77、結着樹脂の順にヘンシェルミキサーに投入し十分に前混合した後、120℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却ベルト(冷却水15℃)により冷却後、混合物をハンマーミルで粗粉砕した。この粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製)で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級機で分級して重量平均粒子径7.1μmの磁性トナーを
得た。
この磁性トナー100質量部に、疎水性乾式シリカ(BET180m2/g)1.2質量部をヘンシェルミキサーにて外部添加し表6に示す比較トナー5を得た。トナー物性を表6にまとめて示す。
実施例1と同様な評価を行い、各評価の結果を表7に示す。その結果表7に示すように再転写が顕著で、実施例1と比較して画像濃度安定性に劣るものであった。

Claims (4)

  1. 少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーにおいて、
    (i)該結着樹脂が、a)カルボキシル基を有するビニル樹脂とエポキシ基を有するビニル樹脂、b)カルボキシル基とエポキシ基とを有するビニル樹脂、及びc)カルボキシル基とエポキシ基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を含有しており、
    (ii)該トナーの重量平均粒子径が5.0〜9.0μmであり、
    (iii)該トナーの真比重が1.1〜1.6g/cm3であり、
    (iv)該トナーの磁場796kA/mにおける飽和磁化が20〜35Am2/kgであ
    り、
    (v)該トナーの100kHz、40℃における誘電率が15〜40(pF/m)であり、
    (vi)該トナーの40℃における誘電正接(tanδ)の周波数依存性が、下記式(1)を満足することを特徴とする磁性トナー。
    Figure 2005265958
  2. 前記トナーの100kHz、40℃における誘電正接が2.0×10-3〜2.0×10-2であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
  3. 前記磁性体の平均粒径が0.08〜0.30μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
  4. 前記トナーは、トナー中のクロロホルム可溶分の酸価が1.0〜20mg/KOHgで、かつクロ
    ロホルム可溶分のエポキシ量が2.0〜0.1mmol/gであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の磁性トナー。
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