JP5089612B2 - 磁性トナー - Google Patents
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Description
即ち、本発明の目的は、現像性が良好で、カブリが抑制され、ハーフトーン部位においても黒色度が高く、濃度ムラの抑制された画像を安定的に形成可能な磁性トナーを提供することにある。
前記磁性酸化鉄粒子は、前記磁性酸化鉄粒子を酸水溶液に溶解し溶解液を得、前記磁性酸化鉄粒子が全て溶解された溶解液中に含まれるFe元素量を総Fe元素量としたときに、前記総Fe元素量の10質量%が溶解液に存在する状態まで前記磁性酸化鉄粒子が溶解された溶解液(Fe元素溶解率10質量%溶解液)中に含まれるFe元素量に対する前記Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe(2+)量の割合Xが35質量%以上44質量%以下であり、
前記磁性酸化鉄粒子は、前記磁性酸化鉄粒子が全て溶解された溶解液中に含まれるFe(2+)量から前記Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe(2+)量を差し引いた値Cを、前記総Fe元素量から前記Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe元素量を差し引いた値Dで除した値(C/D)をYとしたときに、前記Xの前記Yに対する比(X/Y)が、1.00より大きく1.30以下であり、
前記磁性トナーは、温度40℃で測定される誘電正接が下記条件(a)乃至(c)を満足することを特徴とする磁性トナー。
(a)周波数10,000Hzにおける誘電正接Aが1.0×10−6以上1.0×10−1以下。
(b)周波数1,000Hzにおける誘電正接Bが1.0×10−6以上1.0×10−1以下。
(c)誘電正接Aの誘電正接Bに対する比(A/B)が0.10以上10.00以下。
に関する。
黒色度を向上させるためには、磁性酸化鉄粒子のFe(2+)の含有量を高めることが有効である。しかしながら、磁性酸化鉄粒子全体のFe(2+)の量を一定以上に高めることは困難であり、従来、本発明で規定されるような磁性酸化鉄粒子を得ることはできなかった。また、現像性が良好でカブリの無い高品位な画像を長期に渡り安定的に得るためには、磁性トナーの摩擦帯電性をできるだけ均一にして、且つ安定化させることが重要である。そのためには、磁性トナーの誘電特性と、磁性トナー粒子中に存在する磁性酸化鉄粒子のFe(2+)の関係を最適化する必要がある。
そこで、本発明者等は、磁性酸化鉄粒子の表面近傍におけるFe(2+)の分布状態と磁性トナーの誘電特性の関係に着目し、鋭意検討を進めた。
その結果、色味への寄与率が高い磁性酸化鉄粒子の表面近傍のFe(2+)の量を選択的に高めることで効果的に黒色度を向上させ、ハーフトーン部位においても良好な黒色度を有し、濃度ムラを解消出来ることを見出した。
(a)周波数10,000Hzにおける誘電正接Aが1.0×10−6以上1.0×10−1以下。
(b)周波数1,000Hzにおける誘電正接Bが1.0×10−6以上1.0×10−1以下。
(c)誘電正接Aの誘電正接Bに対する比(A/B)が0.10以上10.00以下。
なお、周波数10,000Hzにおける誘電正接Aは、1.0×10−5以上1.0×10−2以下が好ましく、周波数1,000Hzにおける誘電正接Bは、1.0×10−5以上1.0×10−2以下が好ましく、A/Bは、0.30以上7.00以下が好ましい。
なお、上記誘電正接A、誘電正接B及び比(A/B)は、用いる結着樹脂の種類や組成(特に、後述する高軟化点樹脂(H)と低軟化点樹脂(L)との比)を変えることで上記範囲に調節することが可能である。
また、誘電正接A及びBが上記の範囲内にある場合には、良好な摩擦帯電性が得られやすく、カブリの発生や耐久時の画像濃度の低下を抑制できる。
表面近傍のFe(2+)量を本発明で規定した範囲内とした磁性酸化鉄粒子を磁性トナーに用いることで、Fe(2+)とFe(3+)との電荷授受が磁性酸化鉄粒子の表面近傍で効率的に行われる。その結果、磁性酸化鉄粒子中の電荷移動がスムーズになり、磁性トナーとしての摩擦帯電性がより均一になり、且つ安定化すると考えられる。そして、トナーとしては、現像性が良好で且つカブリが抑制された高品位な画像を長期に渡り安定的に得ることが可能となる。これらの効果は、特に磁性トナー粒子中に磁性体が均一に分散され、且つ誘電特性の周波数依存性が低い磁性トナーにおいて相乗的に発現される。
そして、摩擦帯電性と耐熱性とを両立できる点で、磁性酸化鉄粒子のコア粒子にケイ素や亜鉛を含有させ、磁性酸化鉄粒子の表面にケイ素、アルミニウム或いは亜鉛を含む被覆層を形成することがより好ましい。特に好ましくは、コア粒子にケイ素を含有させ、表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成することが挙げられる。
また、該被覆層に含まれるケイ素の量は、磁性酸化鉄粒子の全体に対し、ケイ素元素として0.05質量%以上0.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.10質量%以上、0.25質量%以下である。
さらに、被覆層に含まれるアルミニウムの量が磁性酸化鉄粒子の全体に対しAlとして0.05質量%以上0.50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは0.10質量%以上、0.25質量%以下である。
磁性酸化鉄粒子の個数平均一次粒子径を上記範囲に制御することで、磁性トナー粒子中により均一に分散されやすくなる。そのため、効果的にハーフトーン部位の黒色度を向上させ、濃度ムラを解消することができ、更にカブリの抑制された高品位な画像を長期にわたってより安定して得ることができるようになる。また、磁性酸化鉄粒子を介した電荷移動が良好に行われるようにもなる。更に、Fe(2+)の酸化を抑制することができ、この観点からも良好な黒味が得られるようになる。
一方、磁性酸化鉄粒子は、外部磁場795.8kA/mにおける磁化の値が91.0Am2/kg以下であることが好ましく、より好ましくは90.0Am2/kg以下である。
なお、上記磁化の値は、Fe(2+)の量を増やすことによって高めることができ、また、磁性酸化鉄粒子内部に含有されるケイ素や亜鉛の如き金属元素の量を調整することで上記範囲に調節することが可能である。
また、磁性酸化鉄粒子は、結着樹脂100質量部に対して、20質量部以上150質量部以下の量で用いられるのが好ましく、より好ましくは50質量部以上120質量部以下である。磁性酸化鉄粒子を上記の範囲で用いた場合には、良好な黒色度と現像性の両立をより良好に達成することができる。
本発明に用いる磁性酸化鉄粒子は、例えば、第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化して製造することができる。
第一鉄塩としては、水可溶性塩であれば利用でき、例えば、硫酸第一鉄、塩化第一鉄を挙げることができる。そして、好ましくは、この第一鉄塩に、最終的な磁性酸化鉄粒子総量に対して、ケイ素元素換算で0.20質量%以上1.50質量%以下となるように水溶性ケイ酸塩(例えばケイ酸ナトリウム)を添加し、混合する。
次に、得られたケイ素成分を含有する第一鉄塩水溶液とアルカリ溶液とを中和混合して、水酸化第一鉄スラリーを生成させる。
ここでアルカリ溶液は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液の如き水酸化アルカリ水溶液を用いることが出来る。
・水酸化第一鉄の50%が酸化鉄となるまで:10〜80リットル/min、好ましくは10〜50リットル/min。
・水酸化第一鉄の50%より高く75%以下が酸化鉄となるまで:5〜50リットル/min、好ましくは5〜30リットル/min。
・水酸化第一鉄の75%より高く90%以下が酸化鉄となるまで:1〜30リットル/min、好ましくは2〜20リットル/min。
・水酸化第一鉄の90%超が酸化鉄である段階:1〜15リットル/min、特に2〜8リットル/min。
得られた被覆層を有する磁性酸化鉄粒子のスラリーに対して、常法のろ過、洗浄、乾燥、粉砕処理を行い、磁性酸化鉄粒子を得る。
アルコール成分としては、例えば、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェールA、下記(I−1)式で表されるビスフェノール誘導体及び下記(I−2)式で示されるジオール類。
スチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの如きスチレンの誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如き不飽和モノオレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体。
これらの架橋剤のうち、結着樹脂に定着性、耐オフセット性の点から好適に用いられるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニルベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジアクリレート化合物類が挙げられる。
酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物、または、それらのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの。さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸の如き飽和直鎖脂肪酸類;プラシジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸の如き不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールの如き飽和アルコール類;長鎖アルキルアルコール類;ソルビトールの如き多価アルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドの如き脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドの如き飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N−ジオレイルセバシン酸アミドの如き不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N−ジステアリルイソフタル酸アミドの如き芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムの如き脂肪酸金属塩(一般に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸の如きビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
特に好ましく用いられる離型剤としては、脂肪族炭化水素系ワックスが挙げられる。このような脂肪族炭化水素系ワックスとしては、以下のものが挙げられる。アルキレンを高圧下でラジカル重合し、又は低圧下でチーグラー触媒を用いて重合した低分子量のアルキレンポリマー;高分子量のアルキレンポリマーを熱分解して得られるアルキレンポリマー;一酸化炭素及び水素を含む合成ガスからアーゲ法により得られる炭化水素の蒸留残分から得られる合成炭化水素ワックス及びそれを水素添加して得られる合成炭化水素ワックス;これらの脂肪族炭化水素系ワックスをプレス発汗法、溶剤法、真空蒸留の利用や分別結晶方式により分別したワックス。中でも、分岐が少なくて小さい直鎖状飽和炭化水素であることが好ましく、特にアルキレンの重合によらない方法により合成された炭化水素がその分子量分布からも好ましい。
該離型剤は結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下添加することが好ましい。上記の範囲内であれば、離型効果を十分に得ることができ、また、磁性トナー粒子中における良好な分散性を得ることができ、感光体への磁性トナー付着や現像部材やクリーニング部材の表面汚染を抑制することができる。
電荷制御剤としては、磁性トナーを負帯電性に制御するものと、正帯電性に制御するものとがあり、磁性トナーの種類や用途に応じて種々のものを一種又は二種以上用いることができる。
シリカ微粉末は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上(特に50m2/g以上400m2/g以下)の範囲内のものが好ましい。磁性トナー粒子100質量部に対してシリカ微粉体0.01質量部以上8.00質量部以下で用いることが好ましく、より好ましくは0.10質量部以上5.00質量部以下である。前記シリカ微粉末のBET比表面積は、例えば比表面積測定装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)、GEMINI2360/2375(マイクロメティリック社製)、トライスター3000(マイクロメティリック社製)を用いてシリカ微粉末の表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて算出することができる。
例えば滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末が挙げられ、中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。
また研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウム粉末が好ましい。
流動性付与剤としては、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末が挙げられ、中でも疎水化処理したものが好ましい。
導電性付与剤としては、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末が挙げられる。
またさらに、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
以下に粉砕法による製造例を説明するが、これに限定されるものではない。
先ず、結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子、並びに必要に応じて着色剤、その他の添加剤を、ヘンシェルミキサー又は、ボールミルの如き混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融混練する。冷却固化後、粉砕及び分級を行い、磁性トナー粒子を得る。更に、必要に応じて、磁性トナー粒子に外添剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、磁性トナーを得る。
混練機としては、例えば、以下のものが挙げられる。KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)。
粉砕機としては、例えば、以下のものが挙げられる。カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)。
分級機としては、例えば、以下のものが挙げられる。クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチックエ業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)。
粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボエ業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い。
(1)Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe元素量に占めるFe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe(2+)量の割合Xの求め方。
3.8リットルの脱イオン水に試料である磁性酸化鉄粒子25gを加え、ウォーターバスで温度40℃に保ちながら撹拌速度200回転/minで撹拌する。このスラリー中に特級塩酸試薬(濃度35%)424mlを脱イオン水に溶解した塩酸水溶液1250mlを加え、撹拌下、磁性酸化鉄粒子を溶解する。溶解開始から磁性酸化鉄粒子が全て溶解して透明になるまで、10分毎に塩酸水溶液50mlを分散する磁性酸化鉄粒子ごとサンプリングし、直ちに0.1μmメンブランフィルターで濾過して、濾液を採取する。採取した濾液の25mlを用いて、融合プラズマ(ICP)発光分析装置(IPC−S2000、島津製作所製)によってFe元素の定量を行う。そして、の採取された各溶解液(濾液サンプル)中に含まれるFe元素量の、磁性酸化鉄粒子が全て溶解された溶解液中に含まれるFe元素量(総Fe元素量)に対する割合(Fe元素溶解率、質量%)を以下の計算式によって算出する。
上述の方法で求めた各採取溶解液(濾液サンプル)中のFe(鉄)元素濃度と、同じ時点での濾液サンプルより求められたFe(2+)の濃度とを用いて、下式から、その溶解液(濾液)が採取された時点でのFe(2+)量の割合(質量%)を算出する。
磁性トナーの誘電正接は、4284AプレシジョンLCRメータ(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1,000Hz及び1MHzの周波数で校正後、周波数10,000Hz及び周波数1,000Hzにおける複素誘電率の測定を行い、得られる測定値より誘電損失(tanδ=ε”/ε’)を算出する。試料の作成及びセッティングは以下のようにして行った。
磁性トナーは、1.0g秤量し、19600kPa(200kgf/cm2)の荷重を1分間かけて成形し、直径25mm、厚さ2mm以下(好ましくは0.5mm以上1.5mm未満)の円盤状の測定試料にする。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、温度70℃まで加熱し、固定する。その後、温度40℃まで冷却し、0.49N以上1.96N以下(50g以上200g以下)の荷重をかけた状態で、温度40℃一定とし、周波数1,000Hz及び1MHzで測定することにより得られる。尚、測定温度の40℃は現像部位における雰囲気温度に相当し、該温度における誘電特性を測定することで、現像時における状態をシミュレーション評価することが可能となる。
割合Xに関しては、上述した方法により求める。
割合Yは、上記磁性酸化鉄粒子が全て溶解された溶解液中に含まれるFe(2+)量から上記Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe(2+)量を差し引いた値Cを、上記総Fe元素量から上記Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe元素量を差し引いた値Dで除した値(C/D)とする。即ち下記式で表される。
サンプル(磁性酸化鉄粒子)1.00gに特級塩酸試薬(濃度35%)16mlが溶解した塩酸水溶液26mlを加え、サンプルを加熱(80℃以下)溶解し、その後室温まで放冷する。特級フッ酸試薬(濃度4%)2mlを溶解したフッ酸水溶液を4ml添加後、20分放置する。Triton X−100(10%濃度)(ACROS ORGANICS社製)を10ml添加後、100mlポリメスフラスコへ移し、純水を添加し、全溶液を100mlに合わせ、試料溶液を調製する。
島津製作所製プラズマ発光分析装置ICP−S2000を使用し、上記試料溶液中の異種元素(例えばケイ素)量を定量する。
サンプル(磁性酸化鉄粒子)0.900gを秤量し、1モル/リットル−NaOH溶液25mlを加える。液を撹拌しながら温度45℃に加温し、磁性酸化鉄粒子表面の異種元素(例えばケイ素成分やアルミニウム成分)を溶解する。未溶解物を濾別した後、溶出液に純水を加えて125mlとし、試料溶液を調製する。試料溶液中に含まれるケイ素やアルミニウムを上記プラズマ発光分析装置(ICP−S2000)を用いて定量する。被覆層の異種元素(例えばケイ素成分やアルミニウム成分)は以下の式を用いて算出する。
上記(4)の総異種元素含有量と上記(5)の被覆層中の異種元素量の差を磁性酸化鉄粒子のコア粒子部分の異種元素量とした。
走査型電子顕微鏡(倍率40000倍)で磁性酸化鉄粒子を観察し、200個の粒子のフェレ径を計測し、その個数平均粒子径を求める。本発明において、該走査型電子顕微鏡としては、S−4700(日立製作所製)を用いた。
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、試料温度25℃、外部磁場795.8kA/mにて測定した。
結着樹脂の軟化点はJIS K 7210に示される測定方法に則り、流動特性評価装置(フローテスター)により測定される。具体的な測定方法を以下に示す。
流動特性評価装置(フローテスターCFT−500D 島津製作所社製)を用いて1cm3の試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1960N/m2(20kg/cm2)の荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルを押し出すようにし、これによりプランジャー降下量(流れ値)−温度曲線を描き、そのS字曲線の高さをhとするとき、h/2に対する温度(樹脂の半分が流出した温度)を軟化点とする。
温度40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、1×102以上1×107以下程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。例えば、東ソー社製TSK標準ポリスチレン(F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500)を使用する。
また、検出器はRI(屈折率)検出器を用いる。尚、カラムとしては市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合せや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSK guard columnの組み合せを用いる。
また、上記THF試料溶液は、以下のように調製する。結着樹脂を温度25℃で数時間放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ約0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)を用いる。)を通過させたものをGPCのTHF試料溶液とする。また、THF試料溶液濃度は、THFに可溶な樹脂成分が5mg/mlとなるように調整する。
示差走査型熱量計(DSC)、MDSC−2920(TA Instruments社製)を用いて、ASTM D3418−82に準じて、常温常湿下で測定する。
測定試料としては、2mg以上10mg以下、好ましくは約3mgを精密に秤量したものを用いる。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用いる。測定温度範囲を30℃以上200℃以下とし、一旦、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温し、再度、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温させる。2回目の昇温過程で得られるDSC曲線において、比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、結着樹脂のガラス転移温度Tgとする。
1.0gの結着樹脂を秤量し(“W1”gとする)、円筒濾紙(例えば、東洋濾紙製No.86R)に入れてソックスレー抽出器にかけ、THF200mlを用いて20時間ソックスレー抽出する。その後、抽出された成分を温度40℃で20時間真空乾燥した後、秤量し(“W2”gとする)、以下の式に従って計算する。
THF不溶分(質量%)=〔(W1−W2)/W1〕×100
<結着樹脂A−1の製造例>
テレフタル酸 25mol%
ドデセニルコハク酸 15mol%
無水トリメリット酸 6mol%
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 30mol%
(プロピレンオキサイド2.5mol付加物)
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 24mol%
(エチレンオキサイド2.5mol付加物)
ポリエステルユニットを生成するためのモノマーとして、上記の酸成分及びアルコール成分及び触媒として2−エチルヘキサン酸錫を4つ口フラスコに仕込んだ。減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて温度130℃の温度で攪拌しつつ、上記のポリエステルユニットを生成するためのモノマー成分100質量部に対し、下記に示すスチレン系共重合樹脂ユニットを生成するためのモノマー25質量部を重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)とともに混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。
スチレン 83質量%
2−エチルヘキシルアクリレート 15質量%
アクリル酸 2質量%
上記材料を温度130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し、粉砕し、ポリエステル樹脂成分、スチレン系共重合成分、及び、ハイブリッド樹脂成分を含有した結着樹脂A−1を得た。結着樹脂A−1の諸物性を表1に示す。
テレフタル酸 28mol%
ドデセニルコハク酸 12mol%
無水トリメリット酸 2mol%
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 33mol%
(プロピレンオキサイド2.5mol付加物)
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 25mol%
(エチレンオキサイド2.5mol付加物)
ポリエステルユニットを生成するためのモノマーとして、上記の酸成分及びアルコール成分及び触媒として2−エチルヘキサン酸錫を4つ口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて温度130℃の温度で攪拌しつつ、上記ポリエステルユニットを生成するためのモノマー成分100質量部に対し、下記に示すスチレン系共重合樹脂ユニットを生成するためのモノマー25質量部を重合開始剤(ベンゾイルパーオキサイド)と共に混合したものを滴下ロートから4時間かけて滴下した。
スチレン 83質量%
2−エチルヘキシルアクリレート 15質量%
アクリル酸 2質量%
上記材料を温度130℃に保持したまま3時間熟成し、230℃に昇温して反応を行った。反応終了後、生成物を容器から取り出し後粉砕し、ポリエステル樹脂成分、スチレン系共重合成分、及び、ハイブリッド樹脂成分を含有した結着樹脂A−2を得た。結着樹脂A−2の諸物性を表1に示す。
テレフタル酸 30mol%
ドデセニルコハク酸 13mol%
無水トリメリット酸 6mol%
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 33mol%
(プロピレンオキサイド2.5mol付加物)
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 18mol%
(エチレンオキサイド2.5mol付加物)
上記に示す酸成分及びアルコール成分と、エステル化触媒として2−エチルヘキサン酸錫を4つ口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて230℃に昇温して反応を行った。軟化点により重合度を追跡し、反応終了後、生成物を容器から取り出し、冷却、粉砕し、結着樹脂A−3を得た。結着樹脂A−3の諸物性を表1に示す。
テレフタル酸 23mol%
ドデセニルコハク酸 12mol%
無水トリメリット酸 13mol%
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 32mol%
(プロピレンオキサイド2.5mol付加物)
前記式(I−1)で示されるビスフェノール誘導体 20mol%
(エチレンオキサイド2.5mol付加物)
上記に示す酸成分及びアルコール成分と、エステル化触媒として2−エチルヘキサン酸錫を4つ口フラスコに仕込み、減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置及び攪拌装置を装着し、窒素雰囲気下にて230℃に昇温して反応を行った。軟化点により重合度を追跡し、反応終了後、生成物を容器から取り出し、冷却、粉砕し、結着樹脂A−4を得た。結着樹脂A−4の諸物性を表1に示す。
4つ口フラスコ内に、脱気水250質量部とポリビニルアルコールの1質量%水溶液50質量部を投入した後、スチレン83質量部、アクリル酸n−ブチル17質量部、ジビニルベンゼン0.001質量部及び2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン0.1質量部の混合液を加え、撹拌して懸濁液とした。
4つ口フラスコ内を窒素雰囲気下とした後、85℃まで昇温して、重合を開始した。同温度に20時間保持した後、ベンゾイルパーオキサイド0.1質量部を追加添加し、さらに8時間保持して重合を完了した。
次に高分子重合体粒子を濾別し、十分に水洗し、乾燥させ結着樹脂A−5を得た。結着樹脂A−5の諸物性を表1に示す。
4つ口フラスコ内に、キシレン300質量部を投入し、撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換した後、昇温して還流させた。
この還流下で、スチレン83質量部、アクリル酸−n−ブチル17質量部、及びジ−tert−ブチルパーオキサイド2質量部の混合液を4時間かけて滴下した後、2時間保持して重合を完了し、低分子量重合体溶液を得た。
この重合体溶液を減圧下で乾燥させ、結着樹脂A−6を得た。結着樹脂A−6の諸物性を表1に示す。
結着樹脂A−5(90質量部)をキシレン溶液中で予備溶解し、更に結着樹脂A−6(10質量部)を加えて混合し、溶解させた後、有機溶剤を留去し、得られた樹脂を粉砕し、結着樹脂A−7を得た。
結着樹脂A−5(80質量部)をキシレン溶液中で予備溶解し、更に結着樹脂A−6(20質量部)を加えて混合し、溶解させた後、有機溶剤を留去し、得られた樹脂を粉砕し、結着樹脂A−8を得た。
結着樹脂A−5(30質量部)をキシレン溶液中で予備溶解し、更に結着樹脂A−6(70質量部)を加えて混合し、溶解させた後、有機溶剤を留去し、得られた樹脂を粉砕し、結着樹脂A−9を得た。
硫酸第一鉄を用い、Fe2+を2.0mol/リットル含有する硫酸鉄水溶液50リットルを調製した。また、ケイ酸ナトリウムを用い、Si4+を0.23mol/リットル含有するケイ酸ナトリウム水溶液10リットルを調製し、これを前記硫酸鉄水溶液に添加した。次いで、混合した水溶液に5.0mol/リットルのNaOH水溶液42リットルを撹拌混合し、水酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリーをpH12.0、温度90℃に調整し、30リットル/minの空気を吹き込み、水酸化第一鉄の50%が磁性酸化鉄粒子になるまで酸化反応を行った。次いで、磁性酸化鉄粒子が75%生成するまで20リットル/minの空気を吹き込み、次いで磁性酸化鉄粒子が90%生成するまで10リットル/minの空気を吹き込み、さらに磁性酸化鉄粒子の割合が90%を超えた時点で、空気を5リットル/min吹き込んで酸化反応を完結させ、八面体形状のコア粒子を含むスラリーを得た。
得られたコア粒子を含むスラリーに、ケイ酸ナトリウムの水溶液(Siを13.4質量%含有)を94mlと、硫酸アルミニウム水溶液(Alを4.2質量%含有)を288ml同時に投入する。その後、スラリーの温度を80℃に、pHを希硫酸によって5以上9以下に調整し、コア粒子の表面にケイ素及びアルミニウムを含む被覆層を形成した。得られた磁性酸化鉄粒子を常法により濾過し、乾燥、粉砕を行い、磁性酸化鉄粒子B−1を得た。磁性酸化鉄粒子B−1の諸物性を表3に示す。
製造例B−1において、製造条件を表2の如く調整することで磁性酸化鉄粒子B−2乃至B−11を得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−2乃至B−11の物性値を表3に示す。
なお、表2中の吹き込み空気量における各段数は以下に示す状態を表す。
1段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が0%以上50%以下
2段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が50%超、75%以下
3段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が75%超、90%以下
4段目:磁性酸化鉄粒子の生成率が90%超、100%まで
製造例B−1において、水酸化第一鉄スラリーのpHを12.0に調整し、酸化反応を多段階にせず、90℃にて30リットル/minの条件で酸化反応を完結させた以外は同様にして、磁性酸化鉄粒子B−12を得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−12の物性値を表3に示す。
製造例B−1において、製造条件を表2のように変更すること以外は同様にして、磁性酸化鉄B−13を得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−13の物性値を表3に示す。
硫酸第一鉄を用いて、Fe(2+)濃度2.4mol/リットルの硫酸鉄水溶液を調製し、次に水蒸気で加温して、水溶液の温度を40℃以上に維持した。次いで、5.0mol/リットルのNaOH水溶液を、pHが12.0となるよう滴下し、水酸化第一鉄スラリーを得た。この水酸化第一鉄スラリー温度90℃に調整し、30リットル/minの空気を吹き込み、酸化反応を行った。
得られたスラリーを濾過、水洗して、乾燥後、H2ガス通気下において、280℃ 2時間の条件で加熱還元を行い、磁性酸化鉄粒子B−14を得た。得られた磁性酸化鉄粒子B−14の物性値を表3に示す。
・結着樹脂A−1 90質量部
・結着樹脂A−2 10質量部
・磁性酸化鉄粒子B−1 60質量部
・ワックスb[フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク温度105℃、数平均分子量1500、重量平均分子量2500)]
4質量部
・下記電荷制御剤c(負帯電性の電荷制御剤) 2質量部
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルで粗粉砕した後、ターボミルで粉砕し、得られた微粉砕粉末をコアンダ効果を利用した多分割分級機を用いて分級し、重量平均粒径(D4)5.8μmの負帯電性の磁性トナー粒子を得た。磁性トナー粒子100質量部に対し、疎水性シリカ微粉末(BET比表面積140m2/g、シリカ母体100質量部に対してヘキサメチルジシラザン(HMDS)30質量部及びジメチルシリコーンオイル10質量部で疎水化処理)を1.0質量部、及びチタン酸ストロンチウム(個数平均粒径1.2μm)3.0質量部を外添混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、負帯電性の磁性トナー1を得た。磁性トナー1の誘電正接の測定結果を表4に示す。
(画像濃度)
画像濃度については、マクベス濃度計(マクベス社製)でSPIフィルターを使用して5mm丸の画像の反射濃度を測定した。この評価を、各試験環境において、初期(10枚目)および10万枚プリント後に行った。
カブリについては、反射濃度計(リフレクトメーター モデル TC−6DS 東京電色社製)を用いて測定を行い、画像形成後の白地部反射濃度最悪値をDs、画像形成前の転写材の反射平均濃度をDrとし、Ds−Drをカブリ量として評価を行った。この評価を、各試験環境において、10万枚プリント後に、上記評価機の現像バイアスの周波数を1.2kHz、2.7kHz、3.5kHzと変動させて、測定を行った。尚、数値が小さいほどカブリ抑制が良いことを示す。
色調測定においては、常温常湿環境下、上記評価機を用いて、10万枚プリント後、A4のオフィスプランナー用紙(キヤノンマーケティングジャパン(株)製;64g/m2)上に、紙を差し引いたトナー透過濃度が0.50以上0.90以下のハーフトーン画像を出力した。
なお、透過濃度の測定は、マクベス透過濃度計 TD904(マクベス社製)を用いて下記の条件で測定を行い、画像形成部の透過濃度の5点平均値をTs、画像形成前の転写材の透過濃度の5点平均値をTrとし、Ts−Trを透過濃度として評価を行った。
<透過濃度計測定条件>
・光源:ハロゲンランプ HLX64610(50W/12V、OSRAM社製)
・フィルター:ビジュアル
この画像のCIE Lab測定におけるa値、b値を測定した。a値、b値ともに小さい数値ほど黒味が強いことを表す。
CIE Lab測定にはGretagMacbeth社製Spectrolinoを用いた。以下に具体的な測定条件を示す。
<色調測定条件>
観測光源 :D50
観測視野 :2°
濃 度 :DIN
白色基準 :Abs
フィルター :No
ハーフトーン画像濃度ムラの評価は、潜像担持体へのレーザー光の書き込み密度が20%、35%、50%、65%、80%、100%と段階的に変化させたハーフトーン画像を出力し、目視評価を行い、下記の評価基準に従い評価した。この評価を、各試験環境において、10万枚プリント後に行った。
[評価基準]
A(非常に良い):濃度ムラ未発生。
B(良い):よく観察するとわずかに濃度ムラが見られる。
C(普通):濃度ムラは見られるが画像には影響が無い程度。
D(悪い):濃度ムラを目視ではっきり確認でき、画像不良が顕著である。
表4に記載の処方とした以外は実施例1と同様にして磁性トナー2乃至9及び参考例10乃至15を得た。得られた磁性トナーについて実施例1と同様の評価を行った結果を表4〜7に示す。
尚、表4におけるワックスa、電荷制御剤a及びbは、以下に示す化合物である。
・ワックスa:パラフィンワックス(最大吸熱ピーク温度75℃、数平均分子量800、重量平均分子量1100)
表4に記載の処方とした以外は実施例1と同様にして磁性トナー17乃至20を得た。得られた磁性トナーについて実施例1と同様の試験をした結果を表4〜7に示す。
Claims (7)
- 結着樹脂及び磁性酸化鉄粒子を少なくとも含有する磁性トナー粒子を有する磁性トナーであって、
前記磁性酸化鉄粒子は、前記磁性酸化鉄粒子を酸水溶液に溶解し溶解液を得、前記磁性酸化鉄粒子が全て溶解された溶解液中に含まれるFe元素量を総Fe元素量としたときに、前記総Fe元素量の10質量%が溶解液に存在する状態まで前記磁性酸化鉄粒子が溶解された溶解液(Fe元素溶解率10質量%溶解液)中に含まれるFe元素量に対する前記Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe(2+)量の割合Xが35質量%以上44質量%以下であり、
前記磁性酸化鉄粒子は、前記磁性酸化鉄粒子が全て溶解された溶解液中に含まれるFe(2+)量から前記Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe(2+)量を差し引いた値Cを、前記総Fe元素量から前記Fe元素溶解率10質量%溶解液中に含まれるFe元素量を差し引いた値Dで除した値(C/D)をYとしたときに、前記Xの前記Yに対する比(X/Y)が、1.00より大きく1.30以下であり、
前記磁性トナーは、温度40℃で測定される誘電正接が下記条件(a)乃至(c)を満足することを特徴とする磁性トナー。
(a)周波数10,000Hzにおける誘電正接Aが1.0×10−6以上1.0×10−1以下。
(b)周波数1,000Hzにおける誘電正接Bが1.0×10−6以上1.0×10−1以下。
(c)誘電正接Aの誘電正接Bに対する比(A/B)が0.10以上10.00以下。 - 前記誘電正接Bが1.0×10−5以上1.0×10−2以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
- 前記誘電正接Aが1.0×10−5以上1.0×10−2以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁性トナー。
- 前記磁性酸化鉄粒子が、八面体形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
か一項に記載の磁性トナー。 - 前記磁性酸化鉄粒子は、個数平均一次粒子径が0.10μm以上0.30μm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性酸化鉄粒子は、外部磁場795.8kA/mにおける磁化の値が86.0Am2/kg以上であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁性トナー。
- 前記磁性酸化鉄粒子は、水酸化第一鉄のスラリーに対して、酸化性ガスを吹き込む工程を経て得られたものであり、該工程において、鉄元素100モルを含有する該スラリーに対して、該酸化性ガスの吹き込み量を以下のように制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁性トナー。
(1)水酸化第一鉄の50%が酸化鉄となるまで、該酸化性ガスの吹き込み量を10〜80リットル/minとする。
(2)水酸化第一鉄の50%より高く75%以下が酸化鉄となるまで、該酸化性ガスの吹き込み量を5〜50リットル/minとする。
(3)水酸化第一鉄の75%より高く90%以下が酸化鉄となるまで、該酸化性ガスの吹き込み量を
1〜30リットル/minとする。
(4)水酸化第一鉄の90%超が酸化鉄である段階では、該酸化性ガスの吹き込み量を1〜15リットル/minとする。
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