JP2006293285A - 静電潜像現像用トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、および、画像形成方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、および、画像形成方法 Download PDF

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Hiroshi Nakazawa
博 中沢
Takao Ishiyama
孝雄 石山
Masanobu Ninomiya
正伸 二宮
Akihiro Iizuka
章洋 飯塚
Masahiro Takagi
正博 高木
Hiroyuki Fukuda
裕之 福田
Kotaro Yoshihara
宏太郎 吉原
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Abstract

【課題】従来よりも更に低い温度で定着することができると共に、保存性にも優れた静電潜像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有する静電潜像現像用トナーにおいて、
温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電子写真法や静電記録法などにより静電潜像を現像するときに用いる静電潜像現像用トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、および、画像形成方法に関するものである。
電子写真法のように、静電潜像を形成し、これを現像する工程を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。この方法による画像の形成は、感光体表面を一様に帯電させた後、この感光体表面に、画像情報に応じたレーザー光により露光して静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像をトナーを含む現像剤で現像してトナー像を形成し、最後にこのトナー像を記録媒体表面に転写・定着することにより行われる。
電子写真法に用いられる現像剤としては、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤と、磁性トナー又は非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがある。トナーは、通常、可塑性樹脂を顔料、帯電制御材およびワックス等の離型剤とともに溶融混錬して冷却した後、これを微粉砕し、さらに分級する混錬粉砕法で製造される。このトナーは流動性やクリーニング性を改善する為に、無機微粒子や有機微粒子をトナー粒子表面に添加して使用されることがある。
最近は、高度な情報化社会の進展により、様々な手法で構築された情報ドキュメントを、より高い画質の画像で提供することが求められているため、種々の画像形成法において高画質化の研究が進められている。電子写真法を用いる画像形成法においても、この要求は例外ではない。特に電子写真法においては、より高精細な画像を実現するために、より小径でシャープな粒度分布を有する等のより高機能なトナーが求められている。
一方、近年、電子写真法においても省エネルギー化の要求がますます高まり、複写機・プリンターにおいてもエネルギー使用量を少なくするために、より低エネルギーでトナーを定着する技術、より低温で定着し得るトナーが強く求められている。
トナーの定着温度を低くする手段としては、トナーを構成する樹脂(結着樹脂)のガラス転移温度を低くする技術が従来よリ一般的に知られている。しかし、ガラス転移温度を低くすると低温定着性は優れるが、トナー粉体の凝集(ブロッキング)が起こり易くなり、白筋・ぼた落ち・トナーこぼれ筋等の画質欠陥等が生じてしまう。
このため実用上、従来のトナーに用いられる結着樹脂のガラス転移温度の下限値の限界は、50℃程度である。これに加えて、ガラス転移温度が50℃の結着樹脂を使用したトナーを用いた場合の最低定着温度は、定着機の種類にもよるが140℃程度が限界となっている。これに対して、最低定着温度をより下げるためにはトナーに可塑剤を使用することが挙げられる。しかし、この場合も結着樹脂のガラス転移温度を低くする技術と同様に、トナーの保存性が悪化してしまうという問題があった。
このような問題を解決するために、ブロッキング防止と、低温定着性とを両立させる手段として、トナーを構成する結着樹脂として結晶性樹脂を用いる方法が古くから知られている(例えば、特許文献1〜3等参照)。しかし、これら技術では、使用する結晶性樹脂の融点が低すぎる為にブロッキング性に問題があったり、紙に対する定着性能が十分でないなどの問題があった。
このため、紙に対する定着性の改善目的として、結晶性ポリエステル樹脂を用いる技術が提案されている。例えば、結着樹脂として非結晶性ポリエステル樹脂と、結晶性ポリエステル樹脂とを混合して用いたトナーが提案されている(特許文献4参照)。しかし、この技術では結晶性ポリエステル樹脂の融点が高いために、これ以上の低温定着性は達成できないという問題があった。
これら問題を解決するための手段として、融点が110℃以下の結晶性樹脂を用い、非結晶性樹脂を混合させたトナーを用いる技術が提案されている(特許文献5参照)。しかし、結晶性樹脂に対して非結晶性樹脂を混合する場合には、トナーの融点降下が起こり、トナーブロッキングが生じるため、実用上問題があった。また、結晶性樹脂成分に対して非結晶性樹脂成分の割合が多い場合には、非結晶性樹脂成分の特性が大きく反映される為に、定着温度を従来のトナーよりも低下させる事は難しい。これに加えて、非結晶性樹脂のガラス転移温度の降下が起こるため、ブロッキング性の悪化を招く場合があった。
更にこれら結晶性樹脂はその結晶化度が高いために電気抵抗が低い。このため、結晶性樹脂を用いたトナーを用いて画像を形成した場合、特に高温高湿環境においては、注入かぶりや転写不良のような画質欠陥が発生する。更に、このトナーは、紙との接着性においても劣る為に、定着後に形成された画像の強度も不充分である。
これらの問題は、結晶性樹脂に対して非結晶性樹脂を混合して使用した場合でも改善することができない。即ち、トナーに用いる結着樹脂中の結晶性樹脂の比率が高い場合、低温定着性には優れるものの、耐ブロッキング性、画像強度(紙との接着性)、帯電性(抵抗)に劣り、一方、非結晶性樹脂の比率が高い場合、耐ブロッキング性、画像強度、帯電性(抵抗)は改善されるが、肝心の低温定着性は不充分となる。
以上の様に、未だ低温定着性と保存性(耐ブロッキング性)とを十分に両立させたトナーは得られていない。
一方、上述したようなトナーの構成材料ではなく、トナーの製造方法に着目するならば、従来、一般的に広く用いられているトナーは、いわゆる混練粉砕法により製造されてきた(例えば、特許文献6等参照)。この製造方法は、種々の方法で製造された結着樹脂、着色剤の他に、必要に応じて用いられる離型剤、帯電制御剤、磁性体等を乾式で混合した混合物を、溶融混練し、次いで粉砕・分級することによりトナーを得る方法である。
混練粉砕法により、低温定着性に優れたトナーを作製しようとした場合、ガラス転移温度の低い結着樹脂を配合する必要がある。しかし、このような結着樹脂を含む溶融混練物は、脆性がない為に粉砕できない上に、混練粉砕法によりトナーを製造する配管、回収装置等の様々な製造設備に対して、結着樹脂の融着なども発生する。このため、低温定着性に優れたトナーを混練粉砕法により工業的に製造することはできない。これは、溶融混練物の粉砕が困難で収率低下するなどの理由により、結着樹脂として結晶性樹脂を用いる場合も同様である。
一方、結着樹脂として、結晶性樹脂に加えて非結晶性樹脂を併用し、且つ、非結晶性樹脂の比率が多い場合は、溶融混練物中において、非結晶性樹脂が連続的な相を形成するため、その粉砕は可能となる。しかし、このような組成のトナーは、その溶融特性が非結晶性樹脂に支配される為、低温定着性を実現することは困難となる。
この様に、従来の混練粉砕法においては、製法的にも低温定着が可能なトナーを得ることは困難であった。
これに対して、近年、混錬粉砕法とは異なる、種々の重合法を用いたトナーの製造方法が提案されている。例えば、懸濁重合法によるトナーの調整法(特許文献7参照)、分散重合法による調整法(特許文献7,8参照)、乳化重合凝集法による調整法などである。
これらの製造方法の中でも、懸濁重合法や分散重合法は、トナーの粒度分布をある程度改善できるものの、その粒度分布は混錬粉砕法により得られたトナーに対して大幅に改善されるものではないため、多くの場合は分級操作を必要とするなど欠点がある。
一方、乳化重合凝集法は、粒度分布がシャープである上に、トナーの形状を球形からポテト形状まで制御できる。このため、高画質且つ安価なクリーニングシステムを使用する画像形成装置に用いるトナーとして特に最近は好んで使用されて、数多く上市されてきている。
この乳化重合凝集法は、乳化重合等の重合法により樹脂微粒子の分散液を作製し、他方、溶媒に着色剤を分散させた着色剤分散液を作製し、これらを混合した後、加熱、pH制御、および/または、凝集剤の添加などにより上記の樹脂微粒子と着色剤とを所望の粒子径になるまで凝集させて凝集粒子を形成し、その後、この凝集粒子を所望の粒子径まで成長させ、最後に、凝集粒子を樹脂微粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して融合させることによりトナーを作製する方法である。
混錬粉砕法ではなし得る事ができなかったこれら新製法の利点は、トナーの構造を制御する上での自由度が高いことにある。
例えば、オイルレス定着に用いるトナーには、その内部にワックス等の離型剤が含まれる。ここで、従来の混錬粉砕法で得られたトナーは、高画質化に対応するためにトナーの粒径を小さくした場合、流動性が極端に悪化し、ソフトブロッキングによる黒筋・ぼた汚れなどが発生したり、トナーのディスペンス性が悪化し濃度コントロールができなくなるなどの不具合が出てしまう。これは混練溶融物の粉砕が、マトリックス中のワックス相が分散した界面で生じる為に、得られたトナーの表面にワックス成分が多く存在しやすいためである。
これに対して、新製法で得られるトナーでは、離型剤を内包させる構造;すなわち離型剤を含むコア層を、結着樹脂からなるシェル層で被覆するいわゆるコアシェル構造も可能であるため、流動性の悪化等を引き起こさない。
これら新製法を利用して低温定着性に優れたトナーを得る試みが、数多く提案されている(例えば、特許文献10等参照)。具体的には、コア層の結着樹脂として、低温定着に適したガラス転移温度の低い結着樹脂を使用し、このコア層を被覆するシェル層を構成する結着樹脂に比較的ガラス転移温度の高い結着樹脂を用いたコアシェル構造を有するトナーが提案されている。
このコアシェル構造を有するトナーでは、コア層とシェル層とに用いる結着樹脂の種類・物性を異なるものとすることができるため、各々の層に特定の機能を分担させることが容易である。このようにトナーの構造をコアシェル構造とすることにより、トナーに求められる2以上の機能を、コア層とシェル層とに分離して分担させるという効果(以下、「機能分担効果」と称す場合がある)が得られるが、従来の混練粉砕法により作製されたような単層構造からなるトナーでは、機能分担効果を得ることは不可能である。
従って、従来の混練粉砕法により作製されたような単層構造からなるトナーでは、例えガラス転移温度の異なる2種類の結着樹脂を用いたとしても、トナー中で両者が相溶した状態で存在するため、低温定着性と高温環境下でのトナーの保存性とを両立させることができないが、コアシェル構造を有するトナーでは低温定着性と保存性とを両立させることが容易とされていた。
特公昭56−13943号公報 特公昭62−39428号公報 特公昭63−25335号公報 特公昭62−39428号公報 特公平4−30014号公報 特開昭51−23354号公報 特開昭60−057954号公報 特開昭62−073276号公報 特開平5−027476号公報 特開平10−123748号公報
一方、省エネルギー化に対応するために、トナーには、従来よりも更に低温で定着できる性能(低温定着性)が求められている。また、高速化に対応する上でも、プロセススピードの増加は必然的に実質的な定着温度の低下を招くため、この点でも更に低温定着性が求められる。しかしながら、従来のコアシェル構造を有するトナーでは、より低い温度での定着性を確保するために、単にコア層やシェル層に用いる結着樹脂材料のガラス転移温度を見直しても、低温定着性と保存性とを両立させることが困難であった。
本発明は、上記問題点を解決することを課題とする。すなわち、本発明は、従来よりも更に低い温度で定着することができると共に、保存性にも優れた静電潜像現像用トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、および、画像形成方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を達成するために、まず、従来のコアシェル構造を有するトナーにおいて、低温定着性と保存性との両立が困難である理由について鋭意検討した。
まず、コアシェル構造を有するトナーでは、上述したようにコア層に含まれる結着樹脂が低温定着性を確保する機能を有し、シェル層に含まれる結着樹脂が高温環境下でのトナーの保存性を確保する機能を有する。このため、理論的には、各々の層に含まれる結着樹脂のガラス転移温度を見直すだけで、保存性を確保しつつ、より低温定着に対応することが可能なはずである。例えば、従来のコアシェル構造を有するトナーと同程度の保存性を確保しつつ、より低温での定着に対応するためには、コア層に含まれる結着樹脂のガラス転移温度をより低くすればよいと考えられる。
しかしながら、本発明者らが検討したところ、上述したような単純なアプローチでは、低温定着性と保存性とを両立させることは困難であることを確認した。この事実から、本発明者らは、コア層およびシェル層に使用する結着樹脂のガラス転移温度のみに着目しても低温定着性と保存性とを両立させることはできないものと考えた。
一方、コアシェル構造を有するトナーが、設計通りの性能を発揮するには、コア層の形成に用いる結着樹脂と、シェル層の形成に用いる結着樹脂とが、トナーを作製した際に、完全に分離して存在していること、すなわち、機能分担効果が十分に発揮されうる状態にあることが必要である。また、低温定着性および保存性は、従来の単層構造を有するトナーにおいては、一方の改善が他方の悪化を招くというトレードオフ関係にある特性である。このため、2種類の結着樹脂がトナー中で十分に分離した状態で存在しなければ、低温定着性と保存性とを高いレベルで両立させることができない。
従って、本発明者らは、従来のコアシェル構造を有するトナーにおいて、低温定着性と保存性との両立が困難である原因は、本来コア層に含まれるべき結着樹脂と、本来シェル層に含まれるべき結着樹脂とが、単層構造を有するトナーのように完全に相溶した状態とならないまでも、ある程度の相溶を起こしているためであると考えた。すなわち、言い換えれば、コアシェル構造本来の特徴である機能分担効果が十分に発揮できていないためであると考えられる。
また、このような相溶状態の発生を無視したまま、低温定着性と保存性との両立を目指してコアシェル構造を有するトナーを作製しても、両者の両立が困難であることは勿論、副次的には、帯電維持性の悪化や転写維持性の悪化などが生じたりすることも予想される。
この理由は、結着樹脂同士の相溶により、シェル層を構成する結着樹脂の見かけ上のガラス転移温度が下がることは避けられないが、コア層を構成する結着樹脂としてはガラス転移温度が従来よりもより低いものを用いる必要があるため、シェル層を構成する結着樹脂の見かけ上のガラス転移温度の低下の度合いは従来よりもより大きくなるためである。これに加えて、コア層を構成する結着樹脂の見かけ上のガラス転移温度の増加の度合いも、従来よりもより大きくなるためである。すなわち、本来意図した通りの機能分担効果が発揮されなくなるためである。
それゆえ、結果的に低温定着性と保存性との両立は困難になる。これに加えて、画像形成装置内でトナーに対して加わる外的ストレス及び熱により、トナー内部への外添剤の埋まり込みが激しくなり、帯電維持性の悪化や転写維持性の悪化なども招き易くなる。
以上のことから、本発明者らは、本来コア層に含まれるべき結着樹脂と、本来シェル層に含まれるべき結着樹脂とのトナー中での相溶状態を改善し、コアシェル構造本来の特徴である機能分担効果が十分に発揮できれば、低温定着性と保存性とを高いレベルで両立させることができると考え、以下の本発明を見出した。
すなわち、本発明は、
<1>
着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有する静電潜像現像用トナーにおいて、
温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在することを特徴とする静電潜像現像用トナーである。
<2>
前記第1の結着樹脂が、非結晶性樹脂であることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<3>
前記非結晶性樹脂からなる前記第1の結着樹脂のSP値と、前記第2の結着樹脂のSP値との差の絶対値が、0.1〜1.5の範囲内であることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<4>
前記第1の結着樹脂が、非結晶性樹脂および結晶性樹脂を含むことを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<5>
前記第1の結着樹脂に含まれる前記非結晶性樹脂のSP値と、前記第1の結着樹脂に含まれる前記結晶性樹脂のSP値との差の絶対値が、0.5〜1.3の範囲内であることを特徴とする<4>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<6>
前記第1の結着樹脂に含まれる前記結晶性樹脂が、融点が60〜90℃の結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする<4>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<7>
前記第1の結着樹脂に含まれる前記非結晶性樹脂、および、前記第2の結着樹脂が、非結晶性ポリエステル樹脂であることを特徴とする<4>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<8>
前記一方の極大値を示す温度と、前記他方の極大値を示す温度との差が、5℃以上であることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<9>
前記第1の結着樹脂および前記第2の結着樹脂として、非結晶性樹脂が用いられ、
前記第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度が25℃以上50℃未満の範囲内であり、且つ、前記第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度が50℃以上75℃以下の範囲内であることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<10>
前記コア層に、離型剤が含まれることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<11>
前記着色剤として、体積平均粒径が50〜250nmの磁性金属微粒子を用いることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<12>
前記磁性金属微粒子の表面が被覆層で覆われ、前記被覆層にSi、Ti、Ca、および、Pから選ばれる1種の元素が含まれ、且つ、前記被覆層の表面に、SO3-基、および、COO-基から選択される1種の極性基が含まれることを特徴とする<11>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<13>
体積平均粒径が5〜9μmの範囲内であることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<14>
形状係数SF1が、110〜150の範囲内であることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<15>
前記第1の結着樹脂からなり、体積平均粒径が1μm以下である第1の樹脂微粒子を分散した第1の樹脂微粒子分散液と、前記着色剤を分散した着色剤分散液とを混合した混合分散液に、凝集剤を添加し、加熱することにより凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子が形成された前記混合分散液に、前記第2の結着樹脂からなり、体積平均粒径が1μm以下である第2の樹脂微粒子を分散した第2の樹脂微粒子分散液を添加して、前記凝集粒子の表面に、前記第2の樹脂微粒子を付着させて付着樹脂凝集粒子を形成する付着工程と、
前記付着樹脂凝集粒子を加熱することにより融合する融合工程と、を経て作製されることを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<16>
平均粒径が40〜150nm範囲内の外添剤が外添されたことを特徴とする<1>に記載の静電潜像現像用トナーである。
<17>
着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有するトナーを含む静電潜像現像用現像剤において、
前記トナーとして、温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在するトナーを用いることを特徴とする静電潜像現像用現像剤である。
<18>
着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有し、
温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在する静電潜像現像用トナーの製造方法であって、
前記第1の結着樹脂からなり、体積平均粒径が1μm以下である第1の樹脂微粒子を分散した第1の樹脂微粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液とを混合した混合分散液に、凝集剤を添加し、加熱することにより凝集粒子を形成する凝集工程と、
前記凝集粒子が形成された前記混合分散液に、前記第2の結着樹脂からなり、体積平均粒径が1μm以下である第2の樹脂微粒子を分散した第2の樹脂微粒子分散液を添加して、前記凝集粒子の表面に、前記第2の樹脂微粒子を付着させて付着樹脂凝集粒子を形成する付着工程と、
前記付着樹脂凝集粒子を加熱することにより融合する融合工程と、を含むことを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<19>
前記着色剤分散液として、体積平均粒径が50〜250nmの磁性金属微粒子を分散させた磁性金属微粒子分散液を用いることを特徴とする<18>に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<20>
前記凝集工程に用いられる前記混合分散液に、離型剤を分散させた離型剤分散液が含まれることを特徴とする<18>に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<21>
前記第1の結着樹脂が、非結晶性樹脂および結晶性樹脂を含むことを特徴とする<18>に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<22>
前記第1の結着樹脂に含まれる前記非結晶性樹脂のSP値と、前記第2の結着樹脂のSP値との差の絶対値が、0.1〜1.5の範囲内であることを特徴とする<21>に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<23>
前記第1の結着樹脂に含まれる前記非結晶性樹脂のSP値と、前記第1の結着樹脂に含まれる前記結晶性樹脂のSP値との差の絶対値が、0.5〜1.3の範囲内であることを特徴とする<21>に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<24>
前記第2の結着樹脂が非結晶性樹脂からなり、
前記融合工程が、前記第1の結着樹脂に含まれる前記結晶性樹脂の融点、および、前記第2の結着樹脂に含まれる前記非結晶性樹脂のガラス転移温度の双方よりも高い温度で、前記付着樹脂凝集粒子を加熱することにより行われることを特徴とする<21>に記載の静電潜像現像用トナーの製造方法である。
<25>
潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面を画像情報に応じて露光することにより静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面に転写された前記トナー像を加熱加圧して定着する定着工程とを含む画像形成方法において、
前記トナーが、着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有し、
温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在することを特徴とする画像形成方法である。
以上に説明したように本発明によれば、従来よりも更に低い温度で定着することができると共に、保存性にも優れた静電潜像現像用トナー、その製造方法、静電潜像現像用現像剤、および、画像形成方法を提供することができる。
<静電潜像現像用トナー及びその製造方法>
本発明の静電潜像現像用トナー(以下、「トナー」と略す場合がある)は、着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有する静電潜像現像用トナーにおいて、温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在することを特徴とする。
ここで、本発明において、90℃以下の範囲内における正接損失の極大値として確認されるピークは、トナーに含まれる結着樹脂の主鎖の運動に起因するものみを意味し、結着樹脂の主鎖以外の部分に起因するピークは除かれる。
なお、トナーに用いる結着樹脂の物性を考慮した場合、特に30℃未満の範囲では、実質的に結着樹脂の主鎖に起因するのではなく、結着樹脂の主鎖以外の部分に起因するピークしか観測されない場合が殆どであると考えられる。このため、実用上は、温度が30℃以上90℃以下の範囲内において、正接損失のピークが2つ存在していればよい。但し、勿論、必要であれば本発明のトナーには30℃未満の範囲に結着樹脂の主鎖に起因するピークを有する結着樹脂を用いてもよい。
従って、90℃以下の範囲内にピークが2つ存在する場合は、2種類の結着樹脂がトナー中に非相溶状態で独立に存在していることを意味し、90℃以下の範囲内にピークが1つしか存在しない場合は、2種類の結着樹脂の相溶が発生していることを意味する。
本発明のトナーにおいては、90℃以下の範囲内にピークが2つ存在するため、コア層に含まれる第1の結着樹脂(以下、「コア層用結着樹脂」と称す場合がある)と、シェル層に含まれる第2の結着樹脂(以下、「シェル層用結着樹脂」と称す場合がある)とが、トナー中で互いに相溶せずに存在している。このため、本発明のトナーでは、コアシェル構造本来の特徴である機能分担効果が十分に発揮されるため、低温定着性と保存性とを高いレベルで両立させることが極めて容易である。
一方、従来のコアシェル構造を有するトナーでは90℃以下の範囲内にピークが1つしか存在しないため、機能分担効果が十分に発揮されず、例え、ガラス転移温度の大きく異なる2種類の結着樹脂を用いても低温定着性と保存性とを高いレベルで両立させることは困難である。即ち、相溶状態が発生すると、コア層の結着樹脂のガラス転移温度は、設計値よりも増加し、シェル層のガラス転移温度は設計値よりも低下する。
また、2種類の樹脂が非相溶状態で存在することから、2つのピークのうち、一方のピーク(以下、「第1のピーク」と称す)が、第1の結着樹脂に起因するものであり、他方のピーク(以下、「第2のピーク」と称す)が第2の結着樹脂に起因するものである。なお、ピークの測定される温度の高低は、ガラス転移温度の高低と密接な関係にあるため、ピークの測定される温度は、トナーの溶融特性を表す指標として扱うことができる。
ここで、低温定着性を確保するためには、第1のピークが測定される温度が60℃未満の範囲内に存在することが必要であり、この温度は55℃以下であることが好ましく、50℃以下であることが更に好ましい。第1のピークが測定される温度が60℃を超えると、従来よりも更に低い温度で定着することができなくなるためである。但し、トナーの製造性等の実用上の観点から第1のピークが測定される温度は30℃以上であることが好ましい。
なお、本発明において、低温定着とは、使用される定着システム(プロセススピードや圧力)にも左右されるが、例えば、プロセススピード160mm/s程度の2ロール定着機を使用した場合の最低定着温度が90℃〜130℃程度の範囲内で実施される定着を意味し、従来のコアシェル構造を有するトナーで実現されていた最低定着定着(定着温度=140℃〜160℃程度の範囲内)よりも定着温度を10℃〜70℃程度低くした領域での定着をいう。
また、保存性を確保するためには第2のピークが測定される温度が60℃以上の範囲内に存在することが必要であり、この温度は65℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることが更に好ましい。第2のピークが測定される温度が60℃未満の場合には、高温環境下でトナーを放置した場合に、シェル層が溶融し、保存性が劣化するためである。
但し、低温定着性を確保する観点から、第2のピークが測定される温度は90℃以下であることが必要である。90℃を超える場合には、定着時にシェル層が溶融しないため、定着自体が出来なくなるからである。
また、第1のピークが測定される温度と、第2のピークが測定される温度との差は5℃以上であることが好ましく、8℃以上であることがより好ましく、10℃以上であることが更に好ましい。2つのピークが測定される温度の差が5℃未満の場合には、2種類の結着樹脂の溶融特性に殆ど差無いため、低温定着性と保存性とを両立させることができなくなる場合がある。
なお、本発明において、正接損失は、正弦波振動法により測定した動的粘弾性から求めた。この動的粘弾性の測定にはレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。
動的粘弾性の測定は、以下のようにして実施した。まず、トナーを錠剤に成形した後、8mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に6.28rad/secの振動周波数で正弦波振動を与えた。次に、昇温速度1℃/minで、20℃から100℃まで昇温させながら、測定時間インターバルを30秒として測定した。
なお、測定を行う前に、20℃から100℃まで10℃間隔で、歪量の応力依存性を確認し、各温度における応力と歪量とが線形関係である歪量範囲を求めた。この結果を利用して、動的粘弾性の測定は、各測定温度における歪量を0.01%〜0.5%の範囲に維持し、全ての測定温度域において応力と歪量とが線形関係になるように制御しながら実施した。
本発明において第2の結着樹脂としては特に限定されないが、非結晶性樹脂が含まれることが好ましい。また、第1の結着樹脂としては、非結晶性樹脂が用いられ、非結晶性樹脂と結晶性樹脂とを組み合わせて用いてもよい(以下、第1の結着樹脂が非結晶性樹脂のみからなる場合を第1の態様、第1の結着樹脂が非結晶性樹脂および結晶性樹脂からなる場合を第2の態様と称す場合がある)。
なお、第1の態様のトナーに比べて、第2の態様のトナーでは、低温定着性と保存性とを両立させることができるのみならず、さらによりプロセススピードの速い条件で定着できると共に、より高光沢な画像を得ることも可能である。また、結晶性樹脂は紙に対する親和性も優れることからドキュメント保存性の向上にも有効である。
また、本発明のトナーの作製に際して、コア層の形成に用いられる第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度は25℃以上50℃未満であることが好ましく、35℃以上50℃以下であることがより好ましい。
これにより、既に上市されている従来のコアシェル構造を有するトナー(コア層の形成に用いる結着樹脂のガラス転移温度50〜55℃、シェル層の形成に用いる結着樹脂のガラス転移温度55〜60℃)では保存性との両立という点で実現が困難であった、低温定着を容易に達成することができる。
なお、コア層に用いる第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度が25℃を下回る場合、更に低温定着を得る事は可能である。しかし、後述するような本発明のトナーの作製に適した乳化重合凝集法によりトナーを作製する場合、製造上の問題が発生してしまう場合がある。
具体的には、樹脂微粒子の作製段階や、トナー粒子を作製する段階において、反応系の温度が第1の結着樹脂のガラス転移温度以上である場合は、樹脂乳化粒子同士の凝集や、トナー製造装置への付着・固着が発生し易くなる場合がある。このような付着・固着を発生させないようにトナー製造装置や配管等を冷却させることも可能ではあるが、コストがかかり過ぎ現実的ではない。
また、製造コストをかけてトナー製造装置や配管等を冷却する様にしても、凝集工程において、第1の結着樹脂からなる微粒子同士の凝集が強すぎる為か、他の微粒子成分(例えば着色剤粒子や離型剤粒子)の分散が極端に悪くなったり、更に凝集工程において形成される凝集粒子(トナーの前駆体)中に取り込まれないなどの不具合が生じる場合がある。
一方、ガラス転移温度が50℃以上の場合は、低温定着性が得られなくなる場合がある。
また、シェル層の形成に用いられる第2の結着樹脂のガラス転移温度は50℃以上75℃以下であることが好ましく、55℃以上70℃以下であることがより好ましい。
これにより、高温環境下においても良好な保存性を獲得することができる。ガラス転移温度が50℃未満の場合は、保存性が劣化する場合がある。また、昨今の画像形成装置の小型化により、発熱源を持つ定着機の傍に、トナーを利用するプロセスユニットが配置される場合があり、このような画像形成装置では、内部の温度は50℃近辺まで上昇するケースもある。この場合、トナーの保存性に劣ると、プロセスユニット内でトナーが固着したり、ブロッキングを起こして画質欠陥を招いてしまう場合もある。
一方、ガラス転移温度が75℃を超える場合には、低温定着を実施する場合にシェル層の溶融が不充分となり、定着自体が困難となってしまう場合がある。
また、後述するような乳化重合凝集法を利用して本発明のトナーを作製する場合、融合工程において十分に微粒子同士を融合・合一させることができず、コア層に含まれるべき第1の結着樹脂成分がトナー表面に露出してしまう場合がある。このような場合、良好な保存性を得ることができなくなる場合がある。
次に、本発明のトナーの製造方法や、構成材料等について説明する。本発明のトナーの製造方法としては、第1の結着樹脂および着色剤を含むコア層と、第2の結着樹脂を含み且つコア層を被覆するシェル層とを有するいわゆるコアシェル構造を有するトナーが作製できる方法であれば特に限定されず、公知の方法を利用できるが、一般的には湿式製法、特に乳化重合凝集法を利用することが好ましい。
この場合、本発明のトナーは、第1の結着樹脂からなり、体積平均粒径が1μm以下である第1の樹脂微粒子を分散した第1の樹脂微粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液とを混合した混合分散液に、凝集剤を添加し、加熱することにより凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集粒子が形成された混合分散液に、第2の結着樹脂からなり、体積平均粒径が1μm以下である第2の樹脂微粒子を分散した第2の樹脂微粒子分散液を添加して、凝集粒子の表面に、前記第2の樹脂微粒子を付着させて付着樹脂凝集粒子を形成する付着工程と、付着樹脂凝集粒子を加熱することにより融合する融合工程と、を経て作製されることが好ましい。
なお、融合工程は、第1の態様のトナーの場合には第2の結着樹脂のガラス転移温度以上に付着樹脂凝集粒子を加熱することにより実施されることが好ましく、第2の態様のトナーの場合には前記第1の結着樹脂に含まれる前記結晶性樹脂の融点、および、前記第2の結着樹脂に含まれる前記非結晶性樹脂のガラス転移温度の双方よりも高い温度で、前記付着樹脂凝集粒子を加熱することにより実施されることが好ましい。
また、本発明のトナーは、コア層に第1の結着樹脂と着色剤とを含み、シェル層に第2の結着樹脂を含むものであるが、この他にも必要に応じて離型剤等の各種添加剤が内添されていたり流動化助剤等の各種の外添剤が外添されていてもよい。また、本発明のトナーが一成分系現像剤として用いられる場合には、着色剤として磁性金属微粒子を用いることができる。なお、離型剤等の内添剤成分は、通常、コア層に含まれる。
以下に、本発明のトナーの構成材料やその物性について、上述した乳化重合凝集法に利用される場合を考慮してより詳細に説明するが、勿論、他の製法で本発明のトナーを作製する場合にも以下に列挙する材料を利用することができる。
−結着樹脂−
本発明のトナーには、コア層の形成に利用される第1の結着樹脂およびシェル層の形成に利用される第2の結着樹脂を用いる。
ここで、第1および第2の態様のトナーにおいて、第1の結着樹脂に用いられる非結晶性樹脂のSP値(溶解性パラメーター)と、第2の結着樹脂に用いられる非結晶性樹脂のSP値との差の絶対値(ΔSPcs)が、0.1〜1.5の範囲内であることが好ましく、0.2〜1.0の範囲内であることがより好ましい。
ΔSPcsが0.1を下回る場合は、トナーを作製した際に、トナー中で第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂と第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂との相溶が発生してしまい、得られたトナーの90度以下の範囲における正接損失のピークが1つしか発現しなくなってしまう場合がある。この場合、コアシェル構造本来の特徴である機能分担効果が発揮できなくなるため、低温定着性と保存性との両立が困難になる場合がある。
また、ΔSPcsが1.5を超える場合は、乳化重合凝集法によりトナーを作製する場合に、シェル層を構成する第2の結着樹脂からなる微粒子を、コア層を最終的に形成する凝集粒子表面に均一に付着させることが困難になる場合がある。
従って、本発明のトナーの作製に際しては、以上に説明したようなΔSPcs値を満たすように第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂と第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂とを組み合わせて利用することが好ましい。
また、第2の態様のトナーにおいて、第1の結着樹脂として用いる結晶性樹脂のSP値と、第1の結着樹脂として用いる非結晶性樹脂および/または第2の結着樹脂として用いる非結晶性樹脂のSP値との差の絶対値(ΔSPca)が0.5〜1.3の範囲内であることが好ましく、0.6〜1.1の範囲内であることがより好ましい。
ΔSPcaが0.5を下回る時は、第1の結着樹脂として用いる結晶性樹脂と、第1および/または第2の結着樹脂として用いる非結晶性樹脂との強相溶が始まり、例えば結晶性樹脂が完全相溶してしまうようなケースにおいては、定着された画像表面に結晶性樹脂が結晶状態で存在できないために画像表面の高い光沢性を得ることができないばかりか、更にドキュメント保存性も得ることができなくなる場合がある。更に、第1の結着樹脂として用いる結晶性樹脂と第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂との強相溶により、第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度低下が生じる為、トナーの熱保管性が悪化してしまう場合がある。
また、ΔSPcaが1.3を超える場合は、トナー作製に際し、凝集工程で結晶性樹脂のリジェクションが生じ、トナー中に結晶性樹脂を分散状態で存在させることができなくなる。
また、本発明のトナーがコア層に離型剤を含む場合、離型剤のSP値と結着樹脂(第1および第2の双方の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂)のSP値と差の絶対値(ΔSPrs)が、1.0〜2.5の範囲内であることが好ましく、1.2〜2.2の範囲内であることがより好ましい。これにより、乳化重合凝集法によりトナーを作製する場合に、凝集剤や界面活性剤を多量に使用しなくても、離型剤をトナー中に取り込ませることができ、さらに、シェル層を形成する第2の結着樹脂と相溶を防止することもできる。
ΔSPrsが1.0未満の場合は、第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂と離型剤とが相溶し、シェル層のガラス転移温度が設計値よりも低下するため、保存性が劣化する場合がある。また、ΔSPrsが2.5を超える場合は、第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂との親和性に極めて劣るために、離型剤がトナー内に内包し難くなる場合がある。加えて、この問題を解決するために、多量の凝集剤や界面活性剤を使用してトナーを作製した場合、粗粉が発生したり、粒度分布が広がり易くなるため、良好な画質が得られなくなる場合がある。
なお、SP値(溶解性パラメーター)は、Smallの方法、Fedorsの方法など求める方法は種々あるが、Fedorsの方法により求めた。
この場合のSP値は下式(1)で定義される。
Figure 2006293285
但し、式(1)において、SPは溶解性パラメーターを表し、ΔEは凝集エネルギー(cal/mol)を表し、Vはモル体積(cm3/mol)を表し、Δeiはi番目の原子又は原子団の蒸発エネルギー(cal/原子又は原子団)を表し、Δviはi番目の原子又は原子団のモル体積(cm3/原子又は原子団)を表し、iは1以上の整数を表す。
なお、式(1)で表されるSP値は、慣行としてその単位がcal1/2/cm3/2となるように求められ、且つ、無次元で表記されるものである。これに加えて、本発明においては、2つの化合物間におけるSP値の相対的な差が意義を持つため、本発明においては、上記した慣行に従い求められた値を用い、無次元で表記することとした。
なお、参考までに、式(1)で示されるSP値をSI単位(J1/2/m3/2)に換算する場合には、2046を乗ずればよい。
−第1の結着樹脂(コア層用非結晶性樹脂)−
本発明に用いられる第1の結着樹脂としては、第1の態様および第2の態様のトナー共に、公知の非結晶性樹脂が利用でき、具体的には以下の材料が利用できる。
すなわち、非結晶性樹脂としては、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のビニル基を有するエステル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのポリオレフィン類等の単量体などの重合体、これら単量体などを2種以上組み合せた共重合体、または、これら重合体や共重合体の混合物が挙げられる。
さらには、上述した樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、これらと上記のビニル系単量体を用いて合成されたビニル系樹脂との混合物、並びに、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種類単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ビニル系単量体を用いるときには、イオン性界面活性剤などを用いて乳化重合やシード重合を実施して樹脂微粒子分散液を作製することができ、その他の樹脂を用いるときには、油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に樹脂を溶解し、水中にイオン性界面活性剤や高分子電解質を共存させてホモジナイザーなどの分散機により水中に微粒子を分散させ、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより、所望の樹脂微粒子分散液を作製することができる。
上記の熱可塑性結着樹脂は、解離性ビニル系単量体を配合することにより、乳化重合などで得た微粒子として安定に作製することができる。
解離性ビニル系単量体の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸、ビニルスルフォン酸、エチレンイミン、ビニルピリジン、ビニルアミンなど高分子酸、高分子塩基の原料となる単量体のいずれも使用可能であるが、重合体形成反応の容易性などから高分子酸が好適である。さらには、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、ケイ皮酸、フマル酸などのカルボキシル基を有する解離性ビニル系単量体が、重合度制御、ガラス転移点の制御のために特に有効である。
次に、コア層用非結晶性樹脂として、非結晶性ポリエステル樹脂を使用した場合の例を以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
ポリエステル樹脂は多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本発明においては、ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、適宜合成したものを使用してもよい。
多価アルコール成分としては、例えば、2価のアルコール成分としてエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチレグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA等を用いることができる。また、3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ソルビトール、1,4ソルビタン、トリメチロールプロパン等を用いることができる。
また、上記多価アルコール成分と縮合させる2価カルボン酸成分としては、例えばマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、ドデセニルコハク酸、n−オクチルコハク酸およびこれらの酸の低級アルキルエステルを用いることができる。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸、などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていることが好ましい。前記スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、結着樹脂微粒子分散液を作製する際に、ジカルボン酸成分がスルホン酸基を有していれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで、乳化或いは懸濁することも可能である。
−第1の結着樹脂(コア層用結晶性樹脂)−
第2の態様のトナーには、非結晶性樹脂と共に、結晶性樹脂が用いられる。
なお、本発明において、結晶性樹脂としては、示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。
第1の結着樹脂として用いられる結晶性樹脂は、このような明確な吸熱ピークを有する樹脂であれば特に限定されず、αオレフィン共重合体等の様なオレフィン類、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレートの様なビニル系側鎖長鎖樹脂、ポリイミド類、ポリアミド類ポリウレタン、ポリウレアなどが挙げられるが、低融点及び又はトナーへの結晶性樹脂の取り込み性の観点より、結晶性ポリエステル樹脂が好んで使用される。
なお、結晶性ポリエステル樹脂の主鎖構造に対して他成分を共重合したポリマーの場合、他成分が50%以下であれば、このような共重合体も上述したような明確な吸熱ピークを有し結晶性を示すため、結晶性樹脂として利用できる。
以下、結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂である場合の例を示すが、ここに示されるものに限定はされない。結晶性ポリエステル樹脂は、上述した非結晶性ポリエステル樹脂と同様に多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。
多価カルボン酸成分としては、種々のジカルボン酸が挙げられるが、中でも脂肪族ジカルボン酸及び芳香族ジカルボン酸が望ましく、特に脂肪族ジカルボン酸は直鎖型のカルボン酸が望ましい。ジカルボン酸は、1種に限定されず、2種以上のジカルボン多価カルボン酸成分を含んでも全く問題ない。特に乳化凝集法における乳化性を良好にする為、スルホン酸基を含んだジカルボン酸を用いてもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、この限りではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると、アジピン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
また、芳香族ジカルボン酸としては、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4−4’−ビフェニルジカルボン酸等が挙げられ、中でもテレフタル酸、イソフタル酸、t−ブチルイソフタル酸が、入手容易性、易乳化性の観点で好ましい。但し、これらの芳香族ジカルボン酸の添加量は、20構成モル%以下であることが好ましく、10モル%以下がより好ましく、更に好ましくは5モル%以下である。20モル構成%を超えると乳化性が困難になるばかりか、結晶性が阻害され、結晶性ポリエステル樹脂特有の画像光沢性を得ることができなくなるばかりか、融点効果を起こして画像の保存性も悪くなる場合がある。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが好ましく、鎖炭素数が7〜22の範囲である直鎖型脂肪族ジオールがより好ましい。
これら脂肪族ジオールが、分岐型では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点降下を起こし、耐トナーブロッキング性、画像保存性、低温定着性が悪化してしまう場合がある。また、鎖炭素数が7未満であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融点が高くなり、低温定着を行ったときに十分溶融することができず、画像高光沢を得ることができなくなる場合がある。なお、鎖炭素数が20を超えると材料入手性、コストの観点から実用性に欠けるため、鎖炭素数の上限は20以下が好ましく、14以下がより好ましい。
脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらのうち、入手容易性を考慮すると、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘンキンサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
トナーの作製に際して用いる全多価アルコール成分に対する脂肪族ジオールの含有量が80構成モル%以上であることが好ましく、必要に応じてその他の成分が含まれる。多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールの含有量が90構成モル%以上であるのがより好ましい。
トナーの作製に際して用いる全多価アルコール成分に対する多価アルコール成分脂肪族ジオールの含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性、及び低温定着性が悪化してしまう場合がある。
必要に応じて含まれるその他の成分としては、2重結合を持つジオール類、スルホン酸基を有するジオール類等が挙げられる。
2重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。これらの、2重結合を持つジオールの、トナーの作製に際して用いる全多価カルボン酸成分に対する含有量としては、20構成モル%以下が好ましく、2〜10構成モル%がより好ましい。前記含有量が、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったりすることがある。
第1の結着樹脂として用いられる結晶性樹脂の融点は60〜120℃の範囲内であることが好ましく、60〜90℃の範囲内がより好ましい。
ここで、この結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂である場合、その融点としては60〜120℃の範囲であることが好ましく、70〜100℃の範囲であるのがより好ましい。前記融点が60℃未満であると、粉体の凝集が起こり易くなったり、定着された画像の保存性が悪くなることがある一方、120℃を越えると、画像荒れを起こし低温定着性を阻害する場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては、特に制限はなく、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等を、モノマーの種類によって使い分けて製造する。
前記多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを反応させる際のモル比(多価カルボン酸成分/多価アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため一概には言えないが、通常1/1である。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
モノマ−が反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させる。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから、主成分と伴に重縮合させると良い。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物、亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、すず、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物、亜燐酸化合物、りん酸化合物、及び、アミン化合物等が挙げられ、具体的には以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
−第1の結着樹脂(樹脂微粒子分散液の調整)−
一方、第1の態様や第2の態様のトナーの作製に用いる第1の結着樹脂(結晶性樹脂および/または非結晶性樹脂)からなる樹脂微粒子を含む分散液の作製は、樹脂を、水等の水系媒体中にイオン性界面活性剤、高分子酸、高分子塩基等の高分子電解質と共に分散した後、樹脂の融点以上の温度で加熱し、強い剪断力を印加可能なホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて処理することにより得ることができる。なお、コア層用結着樹脂は、複数の種類の樹脂を混合して用いることもできる。
第1の結着樹脂からなる樹脂微粒子の体積平均粒径は、1μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.02〜0.5μmの範囲である。樹脂微粒子の体積平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒度分布や形状分布が広くなったり、遊離粒子が発生してトナーの組成偏在を引き起こしたりて、性能や信頼性の低下を招く場合がある。
一方、樹脂微粒子の体積平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。なお、樹脂微粒子の体積平均粒径は、例えば、マイクロトラック等を用いて測定することができる。
−第2の結着樹脂(シェル層用結着樹脂)−
次に、本発明に用いられるシェル層用結着樹脂は、上述したコア層用非結晶性樹脂と同様の材料を用いることができる。但し、ΔSPcsの値が、上述したように0.1〜1.5の範囲内となるように、使用するコア層用非結晶性樹脂に応じてシェル層用非結晶性樹脂を選択することが好ましい。
なお、トナーの作製に用いる第2の結着樹脂からなる樹脂微粒子を含む分散液の作製は、第1の結着樹脂の場合と同様にして作製することができる。ここで第2の結着樹脂からなる樹脂微粒子の体積平均粒径は、1μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.02〜0.3μmの範囲である。
第2の結着樹脂からなる樹脂微粒子の体積平均粒径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒度分布や形状分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じてトナーの組成偏在を引き起こしたりし、性能や信頼性の低下を招く場合がある。
一方、樹脂微粒子の体積平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、少ないシェル量で均一にトナー表面にシェルを形成することができるのでより好ましい。
なお、トナーの作製に用いる第1の結着樹脂と第2の結着樹脂との組み合わせは、機能分担効果を発揮させるためにΔSPcs、ΔSPcaの値に留意することに加え、ドキュメント保存性を向上させる観点からは、第1、第2の結着樹脂として結晶性や非結晶性ポリエステル樹脂を組み合わせて使用することが好ましい。
この理由は、ポリエステル樹脂はビニル系樹脂に比較して同じガラス転移温度における脆性が優れる為に低分子量設計が可能となり、同じ定着温度を得る為のガラス転移温度設計がビニル系樹脂に対して約10〜15℃程度高くすることが可能となるからである。
即ち、定着時の変形により低粘度の離型剤の染み出しが生じ、定着画像の表面は低離型剤で覆われている状態が作りだされるが完全では無い為、定着後の画像保存性はトナー中の結着樹脂のガラス転移温度で左右されることになる。よって、よりコア層のガラス転移温度を高くできるポリエステル樹脂の方がドキュメント保存性が優れることになる。更に、シェル層側の結着樹脂においても脆性が優れるため低分子量化が可能となり、溶融粘度を低くできるため低温定着を阻害しない。これらの理由により、第1の態様や第2の態様のトナーにおいて、結晶性や非結晶性ポリエステル樹脂をコア層及びシェル層双方に組み合わせて使用した場合、低温定着が可能で、優れたトナー保管性が得られるのみならず、更に優れた画像保存性(ドキュメント保存性)も得ることができる。
−着色剤−
本発明に使用される着色剤としては、公知の着色剤を用いることができる。例えば、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、プリリアンカーミン6B、デイボンオイルレッド、ビラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メリレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレートなどの種々顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、リオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、リオインジコ系、フタロシアニン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、リアジン系、リアゾール系、キサンテン系などの各種染料などを1種または2種以上を合わせて使用することができる。
トナーの作製に際して用いる着色剤分散液の作製は、公知の分散方法が利用でき、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミル、アルティマイザーなどの一般的な分散手段を採用することができ、なんら制限されるものではない。着色剤は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散される。分散させた着色剤粒子の体積平均粒径は1μm以下であれば良いが、80〜500nmの範囲であれば、凝集性を損なうことなく且つトナー中の着色剤の分散が良好で好ましい。
−磁性金属微粒子−
本発明のトナーが、一成分系現像剤のトナーとして用いられる場合には、着色剤として磁性金属微粒子を用いることが好ましい。
磁性金属微粒子は、磁場中で磁化される公知の物質を用いることができ、鉄、コバルト、ニッケルの如き強磁性の粉末や、フェライト、マグネタイト等化合物からなる粒子が利用できる。なお、トナーの作製に際して用いる磁性金属微粒子分散液の作製は、上述の着色剤分散液と同様にして分散させることができる。
また、磁性金属微粒子の体積平均粒径は、トナー中への内包性の点から、50nm〜250nmであることが好ましい。体積平均粒径が50nmよりも小さいと分散処理後に再度凝集し、結果として粒径の大きい粗大粒子を形成し、内包性が低下する場合がある。また、再凝集を抑えるためには、多量の分散剤が必要となるが、この場合、帯電低下を招く場合がある。
一方、体積平均粒径が250nmよりも大きいとトナーを形成させる際の分散制御性が低下し、任意の制御が困難となるばかりか、トナー中へ、磁性金属微粒子を内包させにくくなるのみならず、磁性金属微粒子が混合分散液中に単独で存在しやすくなるため、結果としてトナーの表面に付着し、帯電性能の悪化を招く場合がある。なお、本発明のトナーを乳化重合凝集法により作製する場合、水層中でトナーを得るため、磁性金属微粒子の水層移行性や溶解性、酸化性に注意を払う必要がある。このため、トナーの作製に際しては、予め疎水化処理等の表面改質を施した磁性金属微粒子を用いることがより好ましい。
なお、磁性金属微粒子は、その表面が酸化や還元され易く、これらの反応によって表面特性が大きく変化する。このため、このような表面劣化の起こった磁性金属微粒子を用いて、乳化重合凝集法等の湿式製法によりトナーを作製した場合、トナーの帯電性を劣化させてしまうことになる。
例えば、酸性下では、磁性金属微粒子表面が酸化されて赤褐色に色調が変化したり、アルカリ性下では、磁性金属微粒子が鉄を含む場合には、水酸化鉄粒子を生成し、磁性の変化が発生したりする。
また、酸性下では、磁性金属微粒子金属が溶解して生成した金属イオンが水系媒体中に存在することになる。このため、乳化重合凝集法では、凝集系のイオンバランスが崩れるため、凝集速度の制御が困難となったり、懸濁重合法では、重合阻害が発生したりする。このような場合には、特に粒子径の制御が困難となる。更に溶解懸濁造粒法や乳化重合凝集法では、造粒や乳化の際に粒子を安定化させにくいといった問題がある。
このような観点からは、磁性金属微粒子の、50℃、1mo1/lのHNO3水溶液に対する溶解度は、500mg/g・l以下であることが好ましい。溶解度が500mg/g・lをこえるとトナー粒子を形成する際のイオンバランスが崩れ、磁性金属微粒子の安定性が低下するばかりでなく、酸化されやすくなり、結果として十分な黒色度が得られない。
なお、溶解度を小さくするためには、通常の磁性金属微粒子の表面処理技術が使用できる。たとえば、磁性フェライト、マグネタイト、黒色酸化チタンを用いる場合は、耐酸性、耐アルカリ性処理を施すことが好ましい。
たとえば、カップリング材による表面被覆や金、白金、カーボン蒸着、スパッタ等による表面被覆、あるいは、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸カリウム、スチレンアクリル酸共重合物による表面被覆を施すことができる。被覆厚さは、重量平均膜厚で10〜200nmが好ましい。10nm未満では、被覆が不均一で被覆効果に乏しく、耐酸性や耐アルカリ性に乏しく、溶出や変質が防げない場合がある。また、500nmを超えると、被覆処理された磁性金属微粒子の粒度分布が広くなるばかりでなく、経済的にも不利となる。
更に、水系媒体中での磁性金属微粒子の分散性を安定化するために、磁性金属微粒子の表面を覆う被覆層の表面に、COO-基や、SO3-基のような極性基が含まれていることが好ましい。それゆえ、被覆層にはこれらの極性基を含む化合物;例えば、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムやこれを含む混合物、アクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸カリウムなどが0.01から3質量%の範囲内で含まれていることが好ましい。
被覆層中の極性基を含む化合物の含有量が0.01質量%未満では、磁性金属微粒子の分散効果が乏しいために、トナー中への磁性金属微粒子の十分な内包性が得られなかったり、分散処理後の磁性金属微粒子を分散させた分散液中で、磁性金属微粒子が再度凝集しやすくなる場合がある。
また、被覆層中の極性基を含む化合物の含有量が3質量%を超えると、最終的に得られたトナー粒子を洗浄処理する際に十分に除去するための時間が多くかかり経済的に不利となる場合がある。
一方、一成分系現像剤に用いられるトナーには、画像強度、特に曲げ強度が弱くなり、紙を折り曲げた時に画像欠損が発生するという特有の問題がある。この原因は、磁性粉を含まない二成分系現像剤に用いられるトナーと比べると、一成分系現像剤に用いられるトナーでは、トナー中に内包される磁性粉の量に起因して、定着時に紙へのトナーの染み込み性が弱くなる為である。
しかしながら、被覆層の表面に、COO-基や、SO3-基のような極性基が含まれている場合には、磁性金属微粒子のトナー中での分散性が良好となるために、トナー中に内包される磁性金属微粒子の含有量をより少なくすることができる。このため、定着時に紙へのトナーの染み込み性を向上させ、結果として画像強度を向上させることができる。
また、被覆層には、Si、Ti、Ca、Pから選択される1種以上の元素が含まれていることが磁性金属粒子の酸化防止、及びトナーの帯電上好ましい。即ちこれらの元素を含むカップリング処理に代表される処理等を施すことにより、磁性金属微粒子表面の露出が極力抑えられるので、磁性金属微粒子の変色、更にはトナーにした時の導通路遮断による誘電損率への影響を少なくし、色画質や転写等の観点からも好ましい。
なお、磁性金属微粒子の形状は、特に限定されないが、球形、八面体、あるいは直方体等が挙げられ、異なる形状の磁性金属微粒子を混ぜて使用することもできる。さらに、磁性金属微粒子は、カーボンブラック等の色材とともに使用することもできる。カーボンブラックを併用すると凝集工程において微粉を凝集粒子中に取り込み易くなるので、最終的に得られるトナーの粒度分布をシャープにすることができる。
−離型剤−
本発明のトナーには、必要に応じて離型剤を用いることができる。使用できる離型剤は、公知のものが使用でき、例としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのごとき動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、合成ワックス及びそれらの変性物である。
これら公知の離型剤の中で特に融点が75〜100℃の範囲のパラフィンワックスを用いると、定着特性、詳しくは高温領域のオフセットを改善する効果が大きい。
またパラフィンワックスの中でも特に融点が75〜100℃のフィッシャートロプシュワックスを使用することにより、低速領域から高速領域のいかなるプロセススピードの画像形成装置においても高温領域でのオフセット性が良好である。加えて、画像形成装置に用いるクリーニング手段が、クリーニングブレードである場合、ブレードクリーニング適性に優れる。
なお、離型剤としてパラフィンワックスまたはフィッシャートロプシュワックス以外のワックスを使用すると、低速プロセススピードにおける適性がある場合には、高速プロセススピードにおける適性がないといった様に、低速領域から高速領域すべてを満足することができない場合がある。
また、融点が75℃を下回るとトナーの保存性及び流動性の悪化に伴うトナーディスペンス性低下による低濃度、トナー固化によるトリマー部の詰り(白筋)などの画像ディフェクトが発生する場合がある。一方、融点が100℃を超える場合は、定着時に、トナー像と、定着部材表面との間に離型剤が効率的に染み出しにくくなるため、高温でオフセットが発生する場合がある。
これら離型剤のトナー中の含有量は、5〜20質量%が好ましく、7〜13質量%が好ましい。5質量%未満の場合は、高温でオフセットが発生する場合があり、20質量%を超える場合は、離型剤のトナー内部への取り込み性が極端に悪化する為、トナー構造をコアシェル構造としても、浮遊離型剤やトナー表面に付着する離型剤の存在などにより、トナー流動性が悪くなる。
離型剤分散液の作製に際しては、離型剤を、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質と共に分散した後、離型剤の融点以上の温度に加熱すると共に、強いせん断力を付与できるホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて分散処理することにより得ることができる。これにより、体積平均粒径が1μm以下の離型剤粒子を含む離型剤分散液を得ることができる。なお、より好ましい離型剤粒子の体積平均粒径は、100〜500nmである。
体積平均粒径が100nm未満では、使用される結着樹脂の特性にも左右されるが、一般的に離型剤成分がトナー中に取り込まれにくくなる。また、500nmを超える場合には、トナー中の離型剤の分散状態が不充分となる場合がある。なお、凝集工程において、離型剤分散液は、樹脂微粒子分散液等の各種分散液とともに一度に添加・混合してもよいし、分割して多段に添加しても良い。
−凝集剤−
次に、本発明のトナーを乳化重合凝集法により作製する場合に用いられる副次的成分である凝集剤、分散媒、界面活性剤等について説明する。
凝集剤は、樹脂微粒子分散液や着色剤分散液に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤の他、2価以上の無機金属塩を好適に用いることができる。特に、無機金属塩を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、トナーの帯電特性を向上させることができるので好適である。
無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方がより適している。
凝集剤の添加量は、凝集する時のイオン濃度により変わるが概ね混合分散液の固形分(トナー成分)に対して0.05〜1.00質量%が好ましく、0.10〜0.50質量%がより好ましい。0.05質量%未満では凝集剤の効果が現れにくく、1.00質量%を超える場合は、過凝集が生じるために粒径の大きいトナーが発生し易くなり、転写不良に起因する画像欠陥が生じる場合がある。更に装置内への強凝集が発生することもあり、生産上好ましくない場合がある
−分散媒−
各種分散液の作製に用いられる分散媒としては、例えば、水系媒体等が挙げられる。前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−界面活性剤−
本発明においては、各種分散液に界面活性剤を添加混合しておくのが好ましい。前記界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが好適に挙げられる。これらの中でもイオン性界面活性剤が好ましく、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤がより好ましい。
前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面橋性剤又はカチオン界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ラウリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油ナトリウム等の脂肪酸セッケン類;オクチルサルフェート、ラウリルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、ノニルフェニルエーテルサルフェート等の硫酸エステル類;ラウリルスルホネート、ドデシルスルホネート、ドデシルベンゼンスルホネート、トリイソプロピルナフタレンスルホネート、ジブチルナフタレンスルホネートなどのアルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ナフタレンスルホネートホルマリン縮合物、モノオクチルスルホサクシネート、ジオクチルスルホサクシネート、ラウリン酸アミドスルホネート、オレイン酸アミドスルホネート等のスルホン酸塩類;ラウリルホスフェート、イソプロピルホスフェート、ノニルフェニルエーテルホスフェート等のリン酸エステル類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、スルホコハク酸ラウリル2ナトリウム、ポリオキシエチレンスルホコハク陵ラウリル2ナトリウム等のスルホコハク酸塩類;などが挙げられる。
前記カチオン界面活性剤の具体例としては、ラウリルアミン塩酸塩、ステアリルアミン塩酸塩、オレイルアミン酢酸塩、ステアリルアミン酢酸塩、ステアリルアミノプロピルアミン酢酸塩等のアミン塩類;ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジヒドロキシエチルメチルアンモニウムクロライド、オレイルビスポリオキシエチレンメチルアンモニウムクロライド、ラウロイルアミノプロピルジメチルエチルアンモニウムエトサルフェート、ラウロイルアミノプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウムパークロレート、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩
類;などが挙げられる。
前記非イオン性界面活性剤の具体例としては、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェエルエーテル等のアルキルフェニルエーテル類;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンオレート等のアルキルエステル類;ポリオキシエチレンラウリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンステアリルアミノエーテル、ポリオキシエチレンオレイルアミノエーテル、ポリオキシエチレン大豆アミノエーテル、ポリオキシエチレン牛脂アミノエーテル等のアルキルアミン類;ポリオキシエチレンラウリン酸アミド、ポリオキシエチレンステアリン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド等のアルキルアミド類;ポリオキシエチレンヒマシ油エーテル、ポリオキシエチレンナタネ油エーテル等の植物油エーテル類;ラウリン酸ジエタノールアミド、ステアリン酸ジエタノールアミド、オレイン酸ジエタノールアミド等のアルカノールアミド類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等のソルビタンエステルエーテル類;などが挙げられる。
−乳化重合凝集法−
次に、既述した、凝集工程、付着工程、および、融合工程を含む乳化重合凝集法によるトナーの作製プロセスについて各工程毎に順に説明する。
まず、凝集工程で用いられる各種分散液を、所定の割合で混合して混合分散液を準備する。ここで、分散液としては、第1の樹脂微粒子分散液および着色剤分散液が用いられるが、必要に応じて離型剤分散液や帯電制御剤等を分散させた分散液等も混合することもできる。
これら3種類の分散液を混合する場合、混合分散液中に含まれる全固形分に対する樹脂微粒子の含有量としては40質量%以下であればよく、2〜20質量%程度であるのが好ましい。また、着色剤粒子の含有量としては50質量%以下であればよく、2〜40質量%程度であるのが好ましい。さらに、離型剤粒子の含有量としては50質量%以下であればよく、5〜40質量%程度であるのが好ましい。なお、着色剤分散液の代わりに磁性金属微粒子を分散させた磁性金属微粒子分散液を用いる場合には、磁性金属微粒子の含有量としては50質量%以下であればよく、2〜40質量%程度であるのが好ましい。
さらに、上記以外のその他の成分(粒子)を用いる場合、その含有量としては、低温定着性と保存性との両立を阻害しない程度であればよい。すなわち、含有量は一般的には極く少量であり、具体的には固形分として0.01〜5質量%程度であり、0.5〜2質量%程度が好ましい。
各種分散液の調製方法について特に制限はなく、目的に応じて適宜選択した方法を採用することができる。分散の手段としては、特に制限はないが、使用可能な装置としては、例えばホモミキサー(特殊機化工業株式会社)、あるいはスラッシャー(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサー(ノリタケカンパニー)などのそれ自体公知の分散装置が挙げられる。
−凝集工程−
凝集工程においては、まず、第1の結着樹脂分散液、着色剤分散液、さらには必要に応じて用いられる離型剤分散液や、その他の成分を混合して得られた混合分散液に凝集剤を添加し、第1の結着樹脂のガラス転移温度近辺の温度にて加熱することにより、各々の成分からなる粒子を凝集させた凝集粒子を形成する。なお、一成分系現像剤用のトナーを作製する場合には、着色剤分散液として、磁性金属微粒子を分散させた磁性金属微粒子分散液を用いることもできる。また、第2の態様のトナーを作製する場合には第1の結着樹脂分散液として、通常、結晶性樹脂分散液および非結晶性樹脂分散液の2種類が用いられる。
凝集粒子の形成は、回転せん断型ホモジナイザーで攪拌下、室温で凝集剤を添加することにより行う。凝集工程に用いられる凝集剤は、各種分散液の分散剤として用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、上述した無機金属塩の他、2価以上の金属錯体を好適に用いることができる。
特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に好ましい。
−付着工程−
付着工程では、上記した凝集工程を経て形成された第1の結着樹脂を含む凝集粒子の表面に、第2の結着樹脂からなる樹脂微粒子を付着させることにより被覆層を形成する(以下、凝集粒子表面に被覆層を設けた凝集粒子を「付着樹脂凝集粒子」と称す)。ここで、この被覆層は、後述する融合工程を経て形成される本発明のトナーのシェル層に相当するものである。
被覆層の形成は、凝集工程において凝集粒子を形成した分散液中に、第2の樹脂微粒子分散液を追添加することにより行うことができ、必要に応じて凝集剤等の他の成分も同時に追添加してもよい。
前記付着樹脂凝集粒子を、前記凝集粒子の表面に均一に付着させて被覆層を形成し、前記付着樹脂凝集粒子を後述する融合工程において加熱融合すると、凝集粒子の表面の被覆層に含まれる第2の結着樹脂からなる樹脂微粒子が溶融してシェル層が形成される。このため、シェル層の内側に位置するコア層に含まれる離型剤や、第2の結着樹脂よりもガラス転移温度の低い第1の結着樹脂等の成分が、トナーの表面へと露出することを効果的に防止することができる。
付着工程における第2の樹脂微粒子分散液の添加混合の方法としては、特に制限はなく、例えば、徐々に連続的に行ってもよいし、複数回に分割して段階的に行ってもよい。このようにして、第2の樹脂微粒子分散液を添加混合することにより、微小な粒子の発生を抑制し、得られるトナーの粒度分布をシャープにすることができる。
本発明において、この付着工程が行われる回数としては、1回であってもよいし、複数回であってもよい。
前記凝集粒子に第2の結着樹脂からなる樹脂微粒子を付着させる条件は、以下の通りである。即ち、付着工程における加熱温度としては、凝集粒子中に含まれる第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度近傍〜第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度近傍の温度域であることが好ましい。なお、この場合の加熱温度域の下限値は、具体的には、第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度を基準として、−5℃〜+10℃の範囲内であるのが好ましく、加熱温度域の上限値は、具体的には、第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度を基準として、−10℃〜+10℃の範囲内であるのが好ましい。
第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度−5℃未満の低い温度で加熱すると、凝集粒子表面に存在する第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂からなる樹脂微粒子と、凝集粒子表面に付着した第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂からなる樹脂微粒子とが付着しにくくなり、その結果、形成されるシェル層の厚みが不均一になる場合がある。
加えて、凝集粒子に付着できない第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂からなる樹脂微粒子が系内に単独で存在するため、フィルタープレス等で固液分離する場合目詰まりが発生すると共に、トナー化された時にも単独で超微粉として存在するため、特に2成分現像剤においては、キャリア汚染等を引き起こし易くなる場合がある。
また、第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂のガラス転移温度+10℃を超えて高い温度で加熱すると、凝集粒子表面に存在する第1の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂からなる樹脂微粒子と、凝集粒子表面に付着した第2の結着樹脂として用いられる非結晶性樹脂からなる樹脂微粒子とが付着し易くなる。
しかし、付着性が高まり過ぎるため、付着樹脂凝集粒子同士の付着も発生してしまい、得られるトナーの粒径/粒度分布も崩れてしまう。更に着色剤や必要に応じて添加する離型剤粒子を含まない付着凝集粒子も多数存在することになり、ミクロな白点などによる画質欠陥が生じてしまう場合がある。
付着工程における加熱時間としては、加熱温度に依存するので一概に規定することはできないが、通常5分〜2時間程度である。
なお、付着工程においては、凝集粒子が形成された混合分散液に第2の樹脂微粒子分散液を追添加した分散液は、静置されていてもよいし、ミキサー等により穏やかに攪拌されていてもよい。後者の場合の方が、均一な付着樹脂凝集粒子が形成され易い点で有利である。
なお、付着工程においては、第2の樹脂微粒子分散液の使用量は、これに含まれる樹脂微粒子の粒径に依存するが、最終的に形成されるシェル層の厚みが20〜500nm程度になる様に選択されることが好ましい。なお、固形分換算では第2の結着樹脂の使用量は、トナー全量中の1〜40質量%が好ましく、5〜30質量%がより好ましい。
シェル層の厚みが20nmより薄くなると、良好な保存性を得ることができない場合がある。また、シェル層の厚みが500nmを超えると低温定着性を阻害する場合がある。
また、被覆層の形成に使用する樹脂微粒子の体積平均粒径をX(μm)、被覆層の形成に使用する樹脂微粒子の重量をY(mg)、作製しようとするトナーの体積平均粒径をZ(μm)とした時に、下式(2)を満たすことが好ましい。
これにより、付着工程において、コア層となる凝集粒子の表面に均一にシェル層形成用の樹脂微粒子を付着させることができ、形状係数SF1が115から145までの形状のトナーを得ることが容易となる。
・式(2) 350 ≦ Z×Y/X ≦ 1100
−融合工程−
融合工程においては、加熱を行うことにより付着工程で得られた付着樹脂凝集粒子を融合させる。融合工程は、第1の態様のトナーの場合には第2の結着樹脂のガラス転移温度以上に付着樹脂凝集粒子を加熱することにより実施されることが好ましく、第2の態様のトナーの場合には前記第1の結着樹脂に含まれる前記結晶性樹脂の融点、および、前記第2の結着樹脂に含まれる前記非結晶性樹脂のガラス転移温度の双方よりも高い温度で、前記付着樹脂凝集粒子を加熱することにより実施されることが好ましい。
融合の時間としては、加熱の温度が高ければ短い時間で足り、加熱の温度が低ければ長い時間が必要である。即ち、融合の時間は、加熱の温度に依存するので一概に規定することはできないが、一般的には30分〜10時間である。
なお、融合工程においては、加熱と同時に架橋反応を実施してもよく、あるいは、融合が終了した後に、架橋反応を実施してもよい。
−洗浄/乾燥工程−
融合工程を経て得られた融合粒子は、ろ過などの固液分離や、洗浄、乾燥を実施する。これにより外添剤が添加されない状態のトナーが得られる。
この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、十分に洗浄することが好ましい。洗浄工程では、硝酸・硫酸・塩酸などの酸や水酸化ナトリウムに代表されるアルカリ溶液で処理し、イオン交換水等で洗浄するとより顕著な洗浄効果を得ることができる。乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用することができる。トナー粒子は、乾燥後の含水率が好ましくは2質量%以下、より好ましくは1%重量以下に調整することが望ましい。
−外添剤および内添剤−
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機酸化物を添加付着することができる。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行うことができ、段階を分けて付着させることができる。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げられる。これらの中でも、シリカ微粒子が好ましく、特に疎水化処理されたシリカ微粒子が好ましい。
前記無機微粒子は、一般に流動性を向上させる目的で使用される。前記無機微粒子の中でも、メタチタン酸TiO(OH)2は透明性に影響を与えず、良好な帯電性、環境安定性、流動性、耐ケーキング性、安定した負帯電性、安定した画質維持性に優れた現像剤を提供することができる。また、メタチタン酸の疎水化処理化合物は、1010Ω・cm以上の電気抵抗を有することが、着色粒子に処理されトナーとして用いられた場合に、転写電界を上げても逆極性に帯電したトナーが発生することなしに高転写性を得ることができるため好ましい。流動性付与を目的とした外添剤の体積平均粒径は、1次粒子径で1〜40nmの範囲であることが好ましく、5〜20nmの範囲であることがより好ましい。また転写性向上を目的とした外添剤の体積平均粒径は50〜500nmが好ましい。これらの外添剤粒子は、疎水化等の表面改質を行う方が帯電性、現像性を安定させる点で好ましい。
前記表面改質の手段としては従来公知の方法を用いることができる。具体的にはシラン、チタネート、アルミネート等の各カップリング処理が挙げられる。カップリング処理に用いるカップリング剤としては特に制限はないが、例えばメチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジフェエルジメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキンシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキンシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキンシラン、フルオロアルキルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシランカップリング剤;チタネートカップリング剤;アルミネートカップリング剤;等が好適な例として挙げられる。
更に、必要に応じて種々の添加剤を添加しても良く、これらの添加剤としては、他の流動化剤やポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子等のクリーニング助剤やジンクステアリルアミド、チタン酸ストロンチウム等の感材付着物除去を目的とした研磨剤等があげられる。
前記外添剤の添加量は、外添剤が添加されない状態のトナー100質量部に対して、0.1〜5質量部の範囲が好ましく、0.3〜2質量部の範囲がより好ましい。添加量が0.1質量部より少ないと、トナーの流動性が十分に得られない場合があり、更に十分に帯電を付与できない、電荷交換性が悪くなるなどの不具合があり、宜しくない。一方、該添加量が5質量部より多いと、過剰被覆状態となり、過剰無機酸化物が接触部材に移行し、二次障害を引き起こす場合がある。
更に必要に応じ、超音波篩分機、振動篩分機、風力篩分機などを使って、トナーの粗大粒子を外添後取り除いても一向にかまわない。
また、上述した外添剤以外にも、内添剤、帯電制御剤、有機粒体、滑剤、研磨剤などのその他の成分(粒子)を添加させることが可能である。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、マンガン、ニッケル等の金属、合金、またはこれら金属を含有する化合物などの磁性体などが挙げられ、トナー特性としての帯電性を阻害しない程度の量が使用できる。
帯電制御剤としては、特に制限はないが、特にカラートナーを用いた場合、無色または淡色のものが好ましく使用できる。例えば、4級アンモニウム塩化合物、ニグロシン系化合物、アルミニウム、鉄、クロムなどの錯体からなる染料、トリフェニルメタン系顔料などが挙げられる。
有機粒体としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の通常トナー表面の外添剤として使用される全ての粒子が挙げられる。なお、これらの無機粒体や有機粒体は、流動性助剤、クリーニング助剤等として使用することができる。
滑剤としては、例えば、エチレンビスステアリル酸アミド、オレイン酸アミド等の脂肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
研磨剤としては、例えば、前述のアルミナ、酸化セリウムなどが挙げられる。
更に本発明では、トナーの保存性をより向上させるために、トナー粒子表面に体積平均粒径が40〜150nmの微粒子を外添することが好ましい。体積平均粒径が40nm未満の微粒子ではその十分な保存性の向上が得られない場合があり、150nmを超える微粒子ではトナー表面に強固に付着させることができない為、トナー粒子表面から離脱し易く、キャリアへの汚染を引き起こしたり、感光体表面を傷つけたり、フィルミングが発生する場合がある。
保存性の向上を目的として利用可能な外添剤の具体例としては、シリカ、チタニア、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化アルミニウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、または、これらの複合酸化物等の無機酸化物からなる微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の有機微粒子が挙げられる。
このうちシリカ、チタニアが、粒径、粒度分布、製造性の観点から好ましく用いられ、特に形状が球形であるゾルゲル法を利用して作製されたシリカ粒子が好ましい。
これらの外添剤のトナーに対する添加量は特に制限はないが、0.1〜10質量%の範囲で好ましく用いられ、より好ましくは、0.3〜5質量%程度の範囲である。
添加量が0.1質量%未満の場合、添加効果が十分に得られない場合がある。また、10質量%を超える場合、トナー粒子表面から脱離する外添剤が増加して、感光体に付着するいわゆるフィルミングを生じたり、感光体表面を傷つけたりする場合がある。
これらの外添剤は、疎水化等の表面改質を行なう方が帯電性、現像性を安定させる点で好ましい。表面改質の手段としては従来公知の方法を用いることができ、具体的には上述したシラン、チタネート、アルミネート等の各カップリング処理が挙げられる。
次に、本発明のトナーの形状、粒度等のような形態上の好ましい特性について説明する。
、本発明のトナーの粒子径分布指標は、体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であることが好ましい。また、体積平均粒度分布指標GSDvと数平均粒度分布指標GSDpとの比〈GSDp/GSDv〉が0.95以上であることが好ましい。
体積平均粒度分布指標GSDvが1.30以下であれば、トナーの粒径分布において、微粉側および粗粉側双方の成分が少なくなるため、現像性、転写性、クリーニング性のいずれにおいても良好な状態を維持することが出来る。また、GSDp/GSDvが0.95以上であれば、特に帯電分布のシャープなトナーを得ることができ、現像性・転写性に優れ、高画質な画像を得ることができる。
また、本発明のトナーの体積平均粒径は、5〜9μmの範囲内であることが好ましい。体積平均粒径が5μm未満の場合には、所望の画像濃度が得られないばかりか、背景部へのカブリやトナー飛散による機内汚れが生じ易くなる場合がある。一方、9μmを超える場合には、高精細な画像が得られなくなる場合がある。
さらに、本発明のトナーは、その形状係数SF1が、100〜150の範囲内であることが好ましい。形状係数SF1が110未満の場合にはクリーニング不良が発生する場合があり、150を超える場合は、転写効率が低下してしまう場合がある。
本発明のトナーの表面積は、特に制限はなく、通常のトナーに用いることのできる範囲であれば使用することができる。具体的には、BET法を用いた場合0.5〜10m2/gの範囲が好ましく、好ましくは1.0〜7m2/gの範囲、より好ましくは1.2〜5m2/g程度の範囲である。更には、1.2〜3m2/g程度の範囲が好ましい。
<静電潜像現像用現像剤>
本発明の静電潜像現像用現像剤(以下、「現像剤」と略す場合がある)は、本発明のトナーを含有するものであれば特に制限はなく、トナーを単独で用いる一成分系の現像剤であってもよく、トナーとキャリアとを含む二成分系の現像剤であってもよい。なお、一成分系の現像剤の場合には、磁性金属微粒子を含むトナーが用いられる。
例えばキャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30〜200μm程度の範囲である。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマー;などの単独重合体、または2種類以上のモノマーからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100質量部に対して0.1〜10質量部程度の範囲が好ましく、0,5〜3.0質量部の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。
静電潜像現像剤における前記本発明の静電潜像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
また、本発明の現像剤は、形状係数SF1が140以下のトナー母粒子と外部添加剤として1次粒子径60nm以上の無機微粒子を含み、トナー母粒子の体積平均粒径から球形換算したトナー1個あたりの重量が6.5×10-10g以下であり、キャリアの体積中心粒径から球形換算したキャリア1個あたりの重量が0.65×10-8g〜3.0×10-8gであり、トナー1個あたりの重量とキャリア1個あたりの重量との比が100〜800であることが好ましい。この場合、高転写効率による高画質の画像を得ることを目的とし、クリーニング性の向上をはかりながら同時に画像ムラなどの画質欠陥のない画像を長期にわたってバランスよく達成できる。
また、このような効果をより確実に得る為には、現像剤に用いられるトナーの粒度分布を表す指標である(D75v/D25v)1/2は1.3以下であることが好ましく、現像剤に用いられるキャリア粒度分布を表す指標である(D75v/D25v)1/2は1.3以下であることが好ましい。
なお、D75v、D25vは後述するトナー等の粒径、粒度分布測定方法により求められる値であり、詳細については後述するが、D75v、D25vは、測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積についてに小径側から累積分布を描き、累積75%、25%となる粒径を意味する。
<画像形成方法および画像形成装置>
次に、本発明のトナーを用いた画像形成方法および画像形成装置について説明する。本発明のトナーは公知の電子写真方式を利用した画像形成方法に利用できるが、具体的には以下の工程を有する画像形成方法において利用することができる。
すなわち、潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された潜像担持体表面を画像情報に応じて露光することにより静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、トナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、記録媒体表面に転写されたトナー像を加熱加圧して定着する定着工程とを含む画像形成方法であることが好ましい。なお、この他にも他の工程を有していてもよい。例えば、トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニング工程を有することが好ましい。また、転写工程は、潜像担持体から記録媒体へのトナー像の転写を媒介する中間転写体を用いたものであってもよい。
また、画像形成装置としては、上述した画像形成方法を利用した画像形成装置を用いることができる。具体的には、潜像担持体と、潜像担持体表面を帯電する帯電手段と、帯電された潜像担持体表面を画像情報に応じて露光し、静電潜像を形成する静電潜像形成手段(露光手段)と、静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段と、トナー像を記録媒体表面に転写する転写手段と、記録媒体表面に転写されたトナー像を加熱加圧して定着する定着手段とを備えた画像形成装置が挙げられる。この他にも公知の手段、例えば、トナー像を転写した後の潜像担持体表面に残留するトナーをクリーニングするクリーニングブレード等のクリーニング手段や、潜像担持体から記録媒体へのトナー像の転写を媒介する中間転写手段(中間転写体)などを有していてもよい。また、カラー画像を形成する場合には、各色のトナーに対応する複数の潜像担持体を備えたいわゆるタンデム型の画像形成装置であってもよい。
なお、本発明のトナーは低温定着が可能であるため、画像形成時のエネルギー消費量を従来よりもより一層抑制することが可能である。
以下実施例を交えて詳細に本発明を説明するが、何ら本発明を限定するものではない。
<各種粒子の測定方法>
まず、以下の実施例、比較例で使用するトナー等、各種粒子の測定・評価方法について説明する。
(結着樹脂微粒子、着色剤粒子、離形剤粒子の粒径測定方法)
結着樹脂微粒子、着色剤粒子、離形剤粒子の粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(LA−700堀場製作所製)により測定した。
(トナー等の粒径、粒度分布測定方法)
粒径や粒径分布指標は、コールターマルチマイザーII(ベックマンーコールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマンーコールター社製)を使用した。
測定法としては分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウムの5%水溶液2ml中に測定試料を0.5〜50mg加える。これを前記電解液100〜150ml中に添加する。
試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、前記コールターマルチマイザーII型により、アパーチャー径として100μmアパーチャーを用いて2〜60μmの粒子の粒度分布を測定して体積平均分布、個数平均分布を求める。
測定された粒度分布を分割された粒度範囲(チャンネル)に対し、体積、個数、それぞれに小径側から累積分布を描き、累積16%となる粒径を体積についてはD16v、個数についてはD16pと定義し、累積50%となる粒径を、体積についてはD50v、個数についてはD50pと定義する。同様に累積84%となる粒径についても、D84v、D84pと定義する。ここで体積平均粒径はD50vを意味し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は、(D84v/D16v)0.5で表され、数平均粒度分布指標(GSDp)は(D84p/D16p)0.5で表される。
(トナーの形状係数SF1の測定)
トナーの形状係数SF1は、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個以上のトナーの最大長と、トナーの投影面積とを測定して、下式(3)により算出した。なお、計算に際しては、トナー50個以上の平均値として求めた。
・式(3) SF1=((トナー径の絶対最大長)2/トナーの投影面積)×(π/4)×100
(結着樹脂の分子量の測定方法)
結着樹脂の分子量の測定においては、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)として「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムとして「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。
測定は、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min.、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、IR検出器を用いて実施した。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお以下の説明において、特に断りのない限り、『部』はすべて『質量部』を意味する。また、実施例は第1の態様のトナーと、第2の態様のトナーとに大別して以下に説明する。
<<<第1の態様のトナー>>>
<樹脂微粒子分散液Aの調整>
・スチレン(和光純薬製):270質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):140質量部
・β力ルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12質量部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.5質量部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液も加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。
次いで充分に系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
これにより体積平均粒径192nm、固形分量43質量%、ガラス転移温度31.3℃、重量平均分子量Mw31000のアニオン性樹脂を含む樹脂微粒子分散液Aを得た。本樹脂の計算SP値は、9.87であった。
<樹脂微粒子Bの調整>
・スチレン(和光純薬製):40質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):60質量部
・メチルメタアクリレート(和光純薬製):310質量部
・β力ルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12質量部
・1’、10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.5質量部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液も加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。
次いで系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径173nm、固形分量43質量%、ガラス転移温度68.7℃、重量平均分子量Mw29000のアニオン性樹脂を含む樹脂微粒子分散液Bを得た。本樹脂の計算SP値は、9.60であった。
<樹脂微粒子分散液Cの調整>
加熱乾燥した三口フラスコに、1’9ノナンジオール29質量部、ビスフェノールAのEO付加物205.2質量部、テレフタル酸ジメチル90質量部、イソフタル酸ジメチル90.0質量部、触媒としてジブチルスズオキシド0.12質量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。
その後、減圧蒸留にて200℃まで徐々に昇温を行い5時間攪拌し、粘綢な状態となったところでGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)にて分子量を確認し、重量平均分子量10500になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷しコア層用結着樹脂を得た。酸価は9.8mgKOH/gであった。また、ガラス転移温度は44.9℃であった。
ついで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が0.38μmの結着樹脂微粒子を含む樹脂微粒子分散液Cを得た。また、樹脂微粒子濃度を20質量%となるように水分量を調整した。本樹脂の計算SP値は、9.80であった。
<樹脂微粒子分散液Dの作製>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2):400質量部
・トリメチロールプロパン:400質量部
・テレフタル酸:1600質量部
以上の成分を混合した溶液用いた以外は、樹脂微粒子分散液Cの作製と同様の処理を行い、酸価が10.5mgKOH/g、軟化点が110℃になるまで、反応をさせ、重量平均分子量が10500、ガラス転移温度が62.5℃である結着樹脂を得た。
ついでこれを樹脂微粒子分散液Cの調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、体積平均粒径0.10μmのアモルファスポリエステル樹脂を含む樹脂微粒子分散液Dを得た。また、樹脂微粒子濃度を20質量%となるように水分量を調整した。本樹脂の計算SP値は、10.21であった。
<樹脂微粒子分散液Eの作製>
・スチレン(和光純薬製):315質量部
・nブテルアタリレート(和光純薬製):95質量部
・β力ルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12質量部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.0質量部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液を加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。
次いで充分に系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
これにより体積平均粒径200nm、固形分量43質量%、ガラス転移温度51.5℃、重量平均分子量Mw31000のアニオン性樹脂を含む樹脂微粒子分散液Eを得た。本樹脂の計算上SP値は9.94であった。
<樹脂微粒子分散液Fの作製>
・スチレン(和光純薬製):290質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):120質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12質量部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.0質量部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液を加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。
次いで充分に系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
これにより体積平均粒径195nm、固形分量43質量%、ガラス転移温度41.1℃、重量平均分子量Mw29500のアニオン性樹脂を含む樹脂微粒子分散液Fを得た。本樹脂の計算上SP値は9.90であった。
<着色剤分散液Hの調整>
・カーボンブラック(R330キャボット社製):50質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):4質量部
・イオン交換水:250質量部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、28KHzの超音波を10分間照射し、体積平均粒径150nmの着色剤粒子を分散させた着色剤分散液Hを得た。
<着色剤分散液Iの調整>
・銅フタロシアニン顔料(BASF社製):50質量部
・イオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンSC):8質量部
・イオン交換水:250質量部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いで超音波分散機で20分間照射し、体積平均粒径180nmの着色剤粒子を分散させた着色剤分散液Iを得た。
<磁性金属微粒子分散液Hの調整>
中心粒径90nmのフェライト粒子(MTS010:戸田工業社製)100質量部に対し、表面処理剤としてγアミノプロビルトリエトキシシラン5質量部を純水100質量部に溶解した溶液を添加し、穏やかに30分攪拌しながらフェライト粒子表面に被覆層を形成した。
次いで、これに界面活性剤としてネオゲンSC(第一工業製薬社製)を5質量%の割合で入れ、40℃に加温し、30分間撹拌し、磁性金属微粒子の表面に界面活性剤を吸着させた磁性金属微粒子分散液Hを得た。
<磁性金属微粒子分散液Iの調整>
フェライト粒子を粒子径120nmのEPM012S1(戸田工業社製)に代え、表面処理剤をイソプロピルチタニウムトリイソステアレートに代え、界面活性剤をドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(添加量8.4質量部)に代えた以外は、磁性金属微粒子の調整1と同様に操作し、磁性金属微粒子分散液Iを得た。
<磁性金属微粒子分散液Jの調整>
フェライト粒子表面を表面処理剤で処理しなかった以外は、磁性金属微粒子分散液Hと全く同様の方法で磁性金属微粒子分散液Jを作製した。
<磁性金属微粒子分散液Kの調整>
フェライト粒子を粒子径300nmのMTH009F(戸田工業社製)に代え、表面処理を行わずに用いた以外は、磁性金属微粒子分散液Iと全く同様な方法で磁性金属微粒子分散液Kを得た。
<離型剤分散液Lの調整>
・パラフィンワックス FNP0090(融点90.2℃ 日本精鑞社製):50質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲン RK、第一工業製薬):5質量部
・イオン交換水:200質量部
以上の成分を混合した溶液を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均径220nm、固形分量25質量%の離型剤分散液を得た。
<離型剤分散液Mの調整>
パラフィンフックス FNP0090(融点90.2℃ 日本精鑞社製)の代わりに、ポリエチレンワックス PW725(融点104℃ 東洋ペトロライト製)を用いた以外は、離型剤分散液Lの調整と全く同様の操作をし、体積平均粒径210nmの離型剤分散液Mを得た。
−二成分系現像剤用トナーの作製−
<トナー母粒子O1の製造>
・樹脂微粒子分散液A:80質量部
・着色剤分散液H:30質量部
・離型剤分散液L:30質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中において攪拌しながら20℃に調整、その後ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム1.2質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。その後加熱用オイルバスで攪拌しながらフラスコを30℃まで加熱した。30℃で60分保持した後、ここに樹脂微粒子分散液Bを緩やかに40質量部を追加した。
その後、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、5時間保持した。保持中に、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウムまたは0.5Mol/Lの硝酸を用いて形状係数SF1を132に調整した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが6.6、電気伝導度12μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒度をコールターマルチマイザーIIにて測定したところ体積平均粒径は6.5μmであった。体積平均粒度分布指標GSDvは1.20であった。
<トナー母粒子P1の製造>
・樹脂微粒子分散液C:170質量部
・着色剤分散液I:30質量部
・離型剤分散液M:30質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコの中において攪拌しながら20℃に調整、その後加熱用オイルバスでウルトラタラックスT50で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム1.4質量部を加え、45℃まで昇温し、50分保持したところで樹脂微粒子分散液Dを60質量部添加、更に系のpHを3.2に調整した。
その後攪拌のみで2時間粒子成長させ、粒子径が6.6μmになったところで系内のpHを9にした。その後、98℃まで再昇温した後、保持中トナーの形状をpH及び保持時間により調整し、形状係数SF1を130に調整した。保持時間は結果的に3時間であった。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾波のpHが6.6、電気伝導度12μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒度をコールターマルチマイザーIIにて測定したところ体積平均粒径は6.7μmであった。体積平均粒度分布指標GSDvは1.26であった。
<トナー母粒子Q1の製造>
樹脂微粒子分散液Aの代わりに樹脂微粒子分散液Fを使用した以外はトナー母粒子O1の製造と全く同様な方法で形状係数SF1が131、体積平均径6.4μmのトナー母粒子Q1を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.20であった。
<トナー母粒子R1の製造>
樹脂微粒子分散液Bを樹脂微粒子分散液Aに代えた以外はトナー母粒子O1の製造と全く同様な方法で形状係数SF1が127で体積平均径6.5μmのトナー母粒子R1を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.21であった。
<トナー母粒子S1の製造>
樹脂微粒子分散液Bを樹脂微粒子分散液Eに代え、融合時間を6時間にした以外は、トナー母粒子O1の製造と全く同様な方法で形状係数SF1が129で体積平均径6.4μmのトナー母粒子S1を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.20であった。
<トナー母粒子T1の製造>
・樹脂微粒子分散液D:175質量部
・着色剤分散液I:30質量部
・離型剤分散液M:30質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコの中において攪拌しながら20℃に調整、その後加熱用オイルバスでウルトラタラックスT50で分散しながらポリ塩化アルミニウム1.4質量部を加え更に十分分散させた後、65℃まで昇温し、30分保持したところで樹脂微粒子分散液Bを60質量部添加、更に系のpHを3.2に調整した。その後攪拌のみで1時間粒子成長させ、粒子径が6.3μmになったところで系内のpHを9.5にした。
その後、98℃まで再昇温した後、保持中トナー粒子の形状をpH及び保持時間により調整し、形状係数SF1を130に調整した。保持時間は結果的に3時間であった。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により回液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度23μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を10時間継続し、トナー母粒子T1を得た。
この時の粒子径をコールターマルチマイザーIIにて測定したところ体積平均粒径は6.9μmであった。体積平均粒度分布指標GSDvは1.26であった。
<トナー母粒子U1の製造>
樹脂微粒子分散液Aを樹脂微粒子分散液Eに変え、凝集時の温度を32℃から50℃に変更した以外は、トナー母粒子O1と全く同様な方法で形状係数SF1が130で体積平均径6.8μmのトナー母粒子U1を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.20であった。
<トナー母粒子V1の製造>
樹脂微粒子分散液Bを樹脂微粒子分散液Cに変えた以外は、トナー母粒子O1と全く同様な方法で、形状係数SF1が135で体積平均径6.5μmのトナー母粒子V1を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.22であった。
−一成分系現像剤用トナーの作製−
<トナー母粒子O2の製造>
・樹脂微粒子分散液A:80質量部
・磁性金属微粒子分散液H:80質量部
・離型剤分散液L:40質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中において攪拌しながら20℃に調整、その後ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム1.2質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。その後加熱用オイルバスで攪拌しながらフラスコを30℃まで加熱した。30℃で50分保持した後、ここに樹脂微粒子分散液Bを緩やかに40質量部を追加した。
その後、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、5時間保持した。保持中に、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウムまたは0.5Mol/Lの硝酸を用いて形状係数SF1を135に調整した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.0、電気伝導度25μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空凍結乾燥を12時間継続した。
この時の粒子径をコールターマルチマイザーIIにて測定したところ体積平均粒径は6.5μmであった。体積平均粒度分布指標GSDvは1.23であった。
<トナー母粒子Ρ2の製造>
・樹脂微粒子分散液C:170質量部
・磁性金属微粒子分散液I:90質量部
・離型剤分散液M:40質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコの中において攪拌しながら20℃に調整、その後加熱用オイルバスでウルトラタラックスT50で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム1.4質量部を加え、45℃まで昇温し、50分保持したところで樹脂微粒子分散液Dを60質量部添加、更に系のpHを3.2に調整した。
その後、攪拌のみで2時間粒子成長させ、粒子径が6.6μmになったところで系内のpHを9にした。その後、98℃まで再昇温した後、保持中トナーの形状をpH及び保持時間により調整し、形状係数SF1を128に調整した。保持時間は結果的に3時間であった。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.2、電気伝導度18μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空凍結乾燥を12時間継続した。
この時の粒子径をコールターマルチマイザーIIにて測定したところ体積平均粒径は7.1μmであった。体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。
<トナー母粒子Q2の製造>
樹脂微粒子分散液Aの代わりに樹脂微粒子分散液Fを、磁性金属微粒子分散液Hの代わりに磁性金属微粒子分散液Iを使用した以外はトナー母粒子O2の製造と全く同様な方法で形状係数SF1が135、体積平均径6.8μmのトナー母粒子Q2を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.21であった。
<トナー母粒子R2の製造>
樹脂微粒子分散液Bを樹脂微粒子分散液Aに代えた以外はトナー母粒子O2の製造と全く同様な方法で形状係数SF1が127で体積平均径6.4μmのトナー母粒子R2を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.22であった。
<トナー母粒子S2の製造>
樹脂微粒子分散液Bを樹脂微粒子分散液Eに代え、磁性金属微粒子分散液Hを磁性金属微粒子分散液Jに代え、融合時間を6時間にした以外は、トナー母粒子O2の製造と全く同様な方法で形状係数SF1が134で体積平均径6.4μmのトナー母粒子S2を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.20であった。
<トナー母粒子T2の製造>
・樹脂微粒子分散液D:175質量部
・磁性金属微粒子分散液I:80重量害悪
・離型剤分散液M:30質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコの中において攪拌しながら20℃に調整、その後加熱用オイルバスでウルトラタラックスT50で分散しながらポリ塩化アルミニウム1.4質量部を加え更に十分分散させた後、50℃まで昇温し、30分保持したところで樹脂微粒子分散液Bを60質量部添加、更に系のpHを3.2に調整した。
その後攪拌のみで1時間粒子成長させ、粒子径が6.3μmになったところで系内のpHを9.5にした。その後、98℃まで再昇温した後、保持中トナーの形状をpH及び保持時間により調整し、形状係数SF1を135に調整した。保持時間は結果的に3時間であった。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度23μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を10時間継続し、トナー母粒子T2を得た。
この時の粒子径をコールターマルチマイザーIIにて測定したところ体積平均粒径は6.9μmであった。体積平均粒度分布指標GSDvは1.26であった。
<トナー母粒子U2の製造>
樹脂微粒子分散液Aを樹脂微粒子分散液Eに変え、凝集時の温度を32℃から50℃に変更した以外は、トナー母粒子O2と全く同様な方法で形状係数SF1が132で体積平均径6.8μmのトナー母粒子T2を得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.22であった。
<トナー母粒子V2の製造>
磁性金属微粒子分散液Jを磁性金属微粒子分散液Kに代えた以外は、トナー母粒子S2の製造方法と全く同一な方法でトナー母粒子V2を得た。得られたトナー母粒子の粒径は、7.3μm、体積平均粒度分布指標GSDvは、1.28であった。しかし、作製途中の濾液を確認したところ、明らかに磁性金属粒子がトナー母粒子中に取り込めておらず、フリー若しくはトナー母粒子表面上に存在することが確認された。
−外添剤の添加および現像剤の作製−
上述したように作製したトナー母粒子O1〜V1およびトナー母粒子O2〜V2に対して、外添剤として体積平均粒径30nmのデシルトリメトキシシラン処理されたチタニアをトナー母粒子100質量部に対して0.8質量部、及び体積平均粒径70nmのヘキサメチルジンラザン処理したシリカ1.2質量部を添加し、5Lヘンシェルミキサー(三井三池加工機(株)製)にて10分間混合し、更にジャイロシフターにて(網目開き45μm)節分し、それぞれトナーA1〜A8、および、トナーB1〜B8(現像剤B1〜B8)を得た。
更にトナー母粒子O1、Q1に対しては、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリカを添加しないトナーを上記と同様な方法で作製し、トナーA9、トナーA10を得た。
また、粒径35μmのフェライトコアに対して重量比で0.8質量%のシリコーン樹脂(東レ−ダウコーエングシリコーン社製:SR2411)をニーダー装置を用いコーティングし得られたキャリア93質量部と、上記のトナーA1〜A10の各々7質量部とを、V型ブレンダーにて混合し、現像剤A1〜A10を得た。
<二成分系現像剤の評価>
作製した二成分系の現像剤A1〜A10については、プロセススピードが可変のDocuColor500(富士ゼロックス社製)改造機を用いて、プロセススピード140mm/secに固定した条件で、定着温度を80〜180℃の範囲で変えて定着テストを実施した。
更に、得られた現像剤A1〜A10に対して、DocuColor500改造機を用いて、定着温度:最低定着温度+20℃、プロセススピード160mm/secで、30℃90%の環境下、5万枚の画質維持性テストを行った。加えて画質維持性テストで得られたサンプルを用いてドキュメント保存性について評価した。
更に得られたトナー/現像剤A1〜A10を、50℃50%、更には55℃50%の環境に60時間放置した後、上記Docucolor500改造機にて、定着温度:最低定着温度+20℃、プロセススピード160mm/secで、1万枚のInltial画質テストを実施した。
更に放置されたトナーに関しては、100gを目開き106μmの網にて手篩にかけ、ブロッキングの状態を観察した。
更に、得られたトナーに関しては、正接損失を動的粘弾性測定から求め、ピークの数およびピークの出現した温度を測定した。
<一成分系現像剤の評価>
作製した一成分系の現像剤B1〜B8については、プロセススピードが可変のAble3350(富士ゼロックス社製)改造機を用いて、プロセススピード180mm/secに固定した条件で、定着温度を80〜180℃の範囲で変えて定着テストを実施した。
更に、得られた現像剤B1〜B8に対して、Able3350改造機を用いて、定着温度:最低定着温度+20℃、プロセススピード180mm/secで、30℃90%の環境下、1万枚の画質維持性テストを行った。加えて画質維持性テストで得られたサンプルを用いて画像曲げ強度について評価した。
更に得られた現像剤B1〜B8(トナーB1〜B8)を、定着温度:最低定着温度+20℃、プロセススピード180mm/secで、50℃50%、更には55℃50%の環境に60時間放置した後、上記Able3350改造機にて、1千枚のInitial画質テストを実施した。
更に放置されたトナーに関しては、100gを目開き106μmの網にて手篩にかけ、ブロッキングの状態を観察した。
更に、得られたトナーに関しては、正接損失を動的粘弾性測定から求め、ピークの数およびピークの出現した温度を測定した。
<正接損失の測定>
正接損失は、正弦波振動法により測定した動的粘弾性から求めた。動的粘弾性の測定にはレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。動的粘弾性の測定は、トナーを錠剤に成形した後、8mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に6.28rad/secの振動周波数で正弦波振動を与えた。測定は20℃から開始し、100℃まで継続した。
測定時間インターバルは30秒、昇温は1℃/minとした。また、測定を行う前に、20℃から100℃まで10℃間隔で、歪量の応力依存性を確認し、各温度における応力と歪量が線形関係である歪量範囲を求めた。測定中は各測定温度における歪量を0.01%〜0.5%の範囲に維持し、全ての温度において応力と歪量が線形関係になるように制御し、これらの測定結果貯蔵弾性率損失弾性率、正接損失を求めた。
これらトナーの定着性、保存性(手篩テスト、Initial画質)、画質維持性、ドキュメント保存性、画像曲げ強度の評価結果を表1および表2に示す。
Figure 2006293285
Figure 2006293285
なお、表1および表2中に示す評価基準は以下のとうりである。
(定着性評価)
定着性の評価は、定着温度を変えた場合のオフセットが起こらなかった最も低い定着温度(最低定着温度)を測定し、以下の基準で評価した。
◎:最低定着温度が100℃未満
○:最低定着温度が100℃以上110℃未満
△:最低定着温度が110℃以上120℃未満
×:最低定着温度が120℃以上130℃未満
××:最低定着温度が130℃以上
(保存性(手節テスト))
各環境において保管後、トナー100gを目開き106μmの標準篩で篩った時の篩い上に残ったトナーの残量を測定し、以下に基準で評価した。
◎:残量が0g
○:残量が0gを超え0.5g未満
△:残量が0.5g以上1.0g未満
×:残量が1.0g以上2.0g未満
××:残量が2.0g以上
(保存性(Initial画質の評価))
各環境においてトナーを保管後、現像剤を作製し、実機に入れてInitial画質(1〜1000枚目)の画質欠陥の状態を確認した。評価基準は以下のとうりである。
◎:感材及び画質上全く問題なし。
○:画質上全く問題なし
△:画質上多少現れるが許容値以下
×:画質上欠陥(黒筋、ぼた落ち)が激しく、許容値以下。
−画質維持性評価−
画質維持性の評価は、かぶり、黒筋・ぼた落ち等の欠陥、濃度再現維持性の3点について実施した。
(かぶり)
1万枚印刷後の感光体(潜像担持体)表面、および、1万枚印刷後の画像を形成した印刷物表面のかぶりを目視で観察した。評価基準は以下のとうりである。
◎:感光体上にかぶりなし
○:感光体上にかぶり若干あり
△:感光体上にかぶりあるが、印刷物上にはかぶりなし
×:印刷物上にもかぶりあり
(黒筋、ぼた落ち等の欠陥)
1万枚印刷後の感光体(潜像担持体)表面、及び、1万枚印刷後の画像を形成した印刷物表面の筋・ぼた落ち等の画質欠陥を目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:発生なし
○:感材上若干あるが問題無
△:感材上あるがコピー上なし
×:コピー上に現れる
(濃度再現維持性)
濃度再現維持性は印刷初期の濃度(Ci)と1万枚印刷後の濃度(Ce)とをマクベス濃度計により測定し、その濃度比(Ce/Ci)を求め、以下の基準で判断した。
◎:濃度比が0.8以上1.2以下
○:濃度比が0.65以上0.8未満
△:濃度比が0.5以上0.65未満
X:濃度比が0.5未満
(ドキュメント保存性)
Cin100%画像を白紙に重ね、圧力20g/cm2の荷重をかけ、50℃50%の恒温高湿槽に5日間保存し、保存後の画像移行性を確認した。
◎:白紙部へ全く画像移行していない
〇:はがす時に若干剥れ音がしたが移行していない
△:若干(面積で10%以下)画像が白紙部へ移行している
×:かなり白紙部へ移行している(10%以上)
(画像曲げ強度)
Cin100%画像を内側にし、2つ折りにし、更に圧力10g/cm2の荷重を1分かけ、その後2つ折りを開き、折れた部分をガーゼで軽くなぞるように拭いたときの画像の抜け具合を目視で評価した。
◎:全く画像欠陥なし
〇:筋が軽くみられる(幅100μm以下)
△:画像欠落があるが、許容できる範囲(幅500μm以下)
×:画像欠陥が激しく許容できない範囲(幅500μm以上)
<<<第2の態様のトナー>>>
次に、第2の態様のトナーの実施例について以下に説明する。
<樹脂微粒子分散液XAの調整>
・スチレン(和光純薬製):280質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):130質量部
・βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12質量部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.0質量部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液を加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。
次いで充分に系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを撹拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
これにより体積平均粒径210nm、固形分量43質量%、ガラス転移温度36.8℃、重量平均分子量Mw31500のアニオン性樹脂を含む樹脂微粒子分散液XAを得た。本樹脂の計算上SP値は9.96であった。
<樹脂微粒子分散液XBの調整>
・スチレン(和光純薬製):45質量部
・nブチルアクリレート(和光純薬製):65質量部
・メチルメタアクリレート(和光純薬製):300質量部
・β力ルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12質量部
・1’、10−デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.5質量部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液も加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。
次いで系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。これにより体積平均粒径173nm、固形分量43質量%、ガラス転移温度67.5℃、重量平均分子量Mw25000の樹脂微粒子分散液XBを得た。本樹脂の計算SP値は、9.62であった。
<樹脂微粒子分散液XCの調整>
加熱乾燥した三口フラスコに、1’9ノナンジオール25質量部、ビスフェノールAのEO(エチレンオキサイド)付加物210質量部、テレフタル酸90質量部、イソフタル酸ジメチル90質量部、触媒としてジブチルスズオキシド0.12質量部と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で6時間還流を行った。
その後、減圧蒸留にて200℃まで徐々に昇温を行い5時間攪拌し、粘綢な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量11700になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷しコア層用結着樹脂を得た。酸価は11.4mgKOH/gであった。また、ガラス転移温度は47.6℃であった。
ついで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37質量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、体積平均粒径が0.28μmの結着樹脂微粒子を含む樹脂微粒子分散液XCを得た。また、樹脂微粒子濃度を20質量%となるように水分量を調整した。本樹脂の計算SP値は、9.92であった。
<樹脂微粒子分散液XDの作製>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2):200質量部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2):200質量部
・イソフタル酸ジメチル:200質量部
・テレフタル酸:200質量部
以上の成分を混合した溶液用いた以外は、樹脂微粒子分散液XCの作製と同様の処理を行い、酸価が10.5mgKOH/g、軟化点が110℃になるまで、反応をさせ、重量平均分子量が12500、ガラス転移温度が65.5℃である結着樹脂を得た。
ついでこれを樹脂微粒子分散液XCの調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、体積平均粒径0.14μmのアモルファスポリエステル樹脂を含む樹脂微粒子分散液XDを得た。また、樹脂微粒子濃度を20質量%となるように水分量を調整した。本樹脂の計算SP値は、10.07であった。
<樹脂微粒子分散液XEの調整>
加熱乾燥した三口フラスコに、1’10デカンジオール30質量部、ビスフェノールAのEO付加物100質量部、ビスフェノールAのPO付加物90質量部、テレフタル酸70質量部、イソフタル酸ジメチル110質量部、触媒としてジブチルスズオキシド0.12質量部と、を入れた混合物を用いた以外は、樹脂微粒子分散液XCの精製と同様の処理を行い、酸価が10.5mgKOH/g、軟化点が103℃になるまで、反応をさせ、重量平均分子量が9900、ガラス転移温度が41.3℃である結着樹脂を得た。
ついでこれを樹脂微粒子分散液XCの調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、体積平均粒径0.18μmのアモルファスポリエステル樹脂を含む樹脂微粒子分散液XEを得た。また、樹脂微粒子濃度を20質量%となるように水分量を調整した。本樹脂の計算上のSP値は、9.83であった。
<樹脂微粒子分散液XFの作製>
・スチレン(和光純薬製):315質量部
・nブテルアタリレート(和光純薬製):95質量部
・β力ルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製):12質量部
・1’10デカンジオールジアクリレート(新中村化学製):1.5質量部
・ドデカンチオール(和光純薬製):6.0質量部
以上の成分を混合溶解した溶液に、アニオン性界面活性剤ダウファックス(ダウケミカル社製)4質量部をイオン交換水550質量部に溶解した溶液を加えて、フラスコ中で分散、乳化し10分間ゆっくりと攪拌・混合しながら、更に過硫酸アンモニウム6質量部を溶解したイオン交換水50質量部を投入した。
次いで充分に系内の窒素置換を十分に行った後、フラスコを攪拌しながらオイルバスで系内が75℃になるまで加熱し、5時間そのまま乳化重合を継続した。
これにより体積平均粒径200nm、固形分量43質量%、ガラス転移温度53.5℃、重量平均分子量Mw31000のアニオン性樹脂を含む樹脂微粒子分散液XFを得た。本樹脂の計算上SP値は9.94であった。
<樹脂微粒子分散液XGの作製>
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物(平均付加モル数2.2):100質量部
・ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(平均付加モル数2):300質量部
・イソフタル酸ジメチル:100質量部
・テレフタル酸:300質量部
以上の成分を混合した溶液用いた以外は、樹脂微粒子分散液XCの作製と同様の処理を行い、酸価が8.5mgKOH/g、軟化点が102℃になるまで反応をさせ、重量平均分子量が10500、ガラス転移温度が66.3℃である結着樹脂を得た。
ついでこれを樹脂微粒子分散液XCの調製条件と同様にキャビトロンで乳化分散させ、体積平均粒径0.14μmのアモルファスポリエステル樹脂を含む樹脂微粒子分散液XGを得た。また、樹脂微粒子濃度を20質量%となるように水分量を調整した。本樹脂の計算SP値は、10.30であった。
<結晶性樹脂微粒子分散液XHの調整>
加熱乾燥した三口フラスコに、1,8セバシン二酸100.0mol%、および、1,6ヘキサンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間還流を行った。その後、減圧蒸留を行い、220℃まで徐々に昇温を行い3時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量14000になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷しコア層用結着樹脂を得た。酸価は9.5mgKOH/gであり、融点は72℃であった。
ついで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径が0.28μmの結着樹脂分散液を得た。また、樹脂粒子濃度を20重量%となるように水分量を調整した。計算上のSP値は、9.33であった。
<結晶性樹脂微粒子分散液XIの調整>
加熱乾燥した三口フラスコに、1,10ドテカン二酸100.0mol%、および、1,4ブタンジオール100mol%と、触媒としてTi(OBu)4(酸成分に対し、0.014重量%)と、を入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械攪拌にて180℃で5時間還流を行った。その後、減圧蒸留を行い、220℃まで徐々に昇温を行い3時間攪拌し、粘稠な状態となったところでGPCにて分子量を確認し、重量平均分子量13000になったところで、減圧蒸留を停止し、空冷しポリエステル結晶性樹脂を得た。酸価は10.6mgKOH/gであり、融点は76℃であった。
ついで、これを溶融状態のまま、キャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)に毎分100gの速度で移送した。別途準備した水性媒体タンクには試薬アンモニア水をイオン交換水で希釈した0.37重量%濃度の希アンモニア水を入れ、熱交換器で120℃に加熱しながら毎分0.1リットルの速度で、上記ポリエステル樹脂溶融体と同時に上記キャビトロンに移送した。この状態で、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5Kg/cm2の条件でキャビトロンを運転し、平均粒径が0.18μmの結晶性樹脂分散液を得た。また、樹脂粒子濃度を20重量%となるように水分量を調整した。計算上のSP値は、9.23であった
<着色剤分散液XJの調整>
・カーボンブラック(R330キャボット社製):50質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲンRK、第一工業製薬):4質量部
・イオン交換水:250質量部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いで超音波分散機を用いて、28KHzの超音波を10分間照射し、体積平均粒径150nmの着色剤粒子を分散させた着色剤分散液XJを得た。
<着色剤分散液XKの調整>
・銅フタロシアニン顔料(BASF社製):50質量部
・イオン性界面活性剤(第一製薬社製、ネオゲンSC):8質量部
・イオン交換水:250質量部
以上の成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKAウルトラタラックス)により10分間分散し、次いで超音波分散機で20分間照射し、体積平均粒径180nmの着色剤粒子を分散させた着色剤分散液XKを得た。
<離型剤分散液XLの調整>
・パラフィンワックス FNP0090(融点90.2℃ 日本精鑞社製):50質量部
・イオン性界面活性剤(ネオゲン RK、第一工業製薬):5質量部
・イオン交換水:200質量部
以上の成分を混合した溶液を95℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均径220nm、固形分量25質量%の離型剤分散液を得た。
<離型剤分散液XMの調整>
パラフィンフックス FNP0090(融点90.2℃ 日本精鑞社製)の代わりに、ペンタエリスリトールベヘン酸エステルWAX WEP6(融点84℃ 日本油脂(株)製)を用いた以外は、離型剤分散液XLの調整と全く同様の操作をし、体積平均粒径210nm、固形分量25質量%の離型剤分散液XMを得た。
−二成分系現像剤用トナーの作製−
<トナー母粒子XOの製造>
・樹脂微粒子分散液XA:260質量部
・結晶性樹脂微粒子分散液XI:80質量部
・着色剤分散液XJ:70質量部
・離型剤分散液XL:80質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコ中において650質量部のイオン交換水と伴に攪拌しながら20℃に調整、その後ウルトラタラックスT50で十分に混合・分散した。
次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.5質量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。その後加熱用オイルバスで攪拌しながらフラスコを35℃まで加熱した。35℃で60分保持した後、ここに樹脂微粒子分散液XBを緩やかに95質量部を追加した。
その後、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを5.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら95℃まで加熱し、5時間保持した。保持中に、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウムまたは0.5Mol/Lの硝酸を用いて形状係数SF1を132に調整した。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に43℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが6.6、電気伝導度12μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒度をコールターマルチマイザーIIにて測定したところ体積平均粒径は6.5μmであった。体積平均粒度分布指標GSDvは1.22であった。
<トナー母粒子XPの製造>
・樹脂微粒子分散液XC:510質量部
・結晶性樹脂微粒子分散液XH:100質量部
・着色剤分散液XJ:60質量部
・離型剤分散液XM:75質量部
以上の成分を丸型ステンレス製フラスコの中において330質量部のイオン交換水と伴に混合、攪拌しながら20℃に調整、その後加熱用オイルバスでウルトラタラックスT50で分散しながら、ポリ塩化アルミニウム1.0質量部を加え、45℃まで昇温し、50分保持したところで樹脂微粒子分散液XDを250質量部添加、更に系のpHを3.2に調整した。
その後攪拌のみで2時間粒子成長させ、粒子径が6.6μmになったところで系内のpHを8.5にした。その後、98℃まで再昇温した後、保持中トナーの形状をpH及び保持時間により調整し、形状係数SF1を128に調整した。保持時間は結果的に3時間であった。
反応終了後、冷却し、濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引ろ過により固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾波のpHが6.6、電気伝導度15μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引ろ過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続した。
この時の粒度をコールターマルチマイザーIIにて測定したところ体積平均粒径は6.4μmであった。体積平均粒度分布指標GSDvは1.23であった。
<トナー母粒子XQの製造>
樹脂微粒子分散液XCの代わりに樹脂微粒子分散液XEを使用し、離型剤分散液XMの代わりに離型剤分散液XLを使用した以外はトナー母粒子XPの製造と全く同様な方法で形状係数SF1が135、体積平均径6.4μmのトナー母粒子XQを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.20であった。
<トナー母粒子XRの製造>
樹脂微粒子分散液XAを樹脂微粒子分散液XFに代え、35℃の保持時間60分を49℃で60分にした以外はトナー母粒子XOの製造と全く同様な方法で形状係数SF1が127で体積平均径6.5μmのトナー母粒子XRを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.21であった。
<トナー母粒子XSの製造>
樹脂微粒子分散液XCを樹脂微粒子分散液XGに代え、45℃50分の保持時間を55℃60分に変え、融合時間を6時間にした以外は、トナー母粒子XPの製造と全く同様な方法で形状係数SF1が128で体積平均径6.5μmのトナー母粒子XSを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.22であった。
<トナー母粒子XTの製造>
結晶性樹脂微粒子分散液XHを入れずに樹脂微粒子分散液XCの添加量を510質量部から610質量部に変えた以外は、トナー母粒子XPの製造と全く同様な方法で形状係数SF1が130で体積平均径6.5μmのトナー母粒子XTを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.21であった。
<トナー母粒子XUの製造>
結晶性樹脂微粒子分散液XHを入れずに樹脂微粒子分散液XEの添加量を510質量部から610質量部に変え、樹脂微粒子分散液XDを樹脂微粒子分散液XCに変えた以外は、トナー母粒子XQの製造と全く同様な方法で形状係数SF1が130で体積平均径6.5μmのトナー母粒子XUを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.21であった。
<トナー母粒子XVの製造>
樹脂微粒子分散液XBを樹脂微粒子分散液XFに代えた以外はトナー母粒子XOの製造と全く同様な方法で形状係数SF1が132で体積平均径6.7μmのトナー母粒子XVを得た。体積平均粒度分布指標GSDvは、1.21であった。
−外添剤の添加および現像剤の作製−
上述したように作製したトナー母粒子XO〜XVに対して、外添剤として体積平均粒径30nmのデシルトリメトキシシラン処理されたチタニアをトナー母粒子100質量部に対して0.8質量部、及び体積平均粒径100nmのヘキサメチルジンラザン処理したシリカ1.2質量部を添加し、5Lヘンシェルミキサー(三井三池加工機(株)製)にて10分間混合し、更に風力篩分機ハイボルターNR300(東京機械製)にて(網目開き45μm)篩分し、トナーXA1〜XA8を得た。
更にトナー母粒子XQに対しては、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリカを添加しないトナーを上記と同様な方法で作製し、トナーXA9を得た。
次に、粒径35μmのフェライトコアに対して重量比で0.8質量%のシリコーン樹脂(東レ−ダウコーニングシリコーン社製:SR2411)をニーダー装置を用いコーティングし得られたキャリア93質量部と、上記のトナーXA1〜XA9の各々7質量部とを、V型ブレンダーにて混合し、現像剤XA1〜XA9を得た。
<二成分系現像剤の評価>
作製した二成分系の現像剤XA1〜XA9については、プロセススピードが可変のDocucolor500(富士ゼロックス社製)改造機を用いて、プロセススピード140mm/secに固定した条件で、定着温度を80〜180℃の範囲で変えて定着テストを実施した。
更に、得られた現像剤XA1〜XA9に対して、DocuColor500改造機を用いて、定着温度:最低定着温度+20 ℃、プロセススピード 160 mm/secで、30℃90%の環境下、5万枚の画質維持性テストを行った。加えて画質維持性テストで得られたサンプルを用いてドキュメント保存性について評価した。
更に得られたトナー/現像剤XA1〜XA9を、50℃50%、更には55℃50%の環境に60時間放置した後、上記Docucolor500改造機にて、定着温度:最低定着温度+20℃、プロセススピード160mm/secで、1万枚のInltial画質テストを実施した。
更に放置されたトナーに関しては、100gを目開き106μmの網にて手篩にかけ、ブロッキングの状態を観察した。
更に、得られたトナーに関しては、正接損失を動的粘弾性測定から求め、ピークの数およびピークの出現した温度を測定した。
<正接損失の測定>
正接損失は、正弦波振動法により測定した動的粘弾性から求めた。動的粘弾性の測定にはレオメトリックサイエンティフィック社製ARES測定装置を用いた。動的粘弾性の測定は、トナーを錠剤に成形した後、8mm径のパラレルプレートにセットし、ノーマルフォースを0とした後に6.28rad/secの振動周波数で正弦波振動を与えた。測定は20℃から開始し、100℃まで継続した。
測定時間インターバルは30秒、昇温は1℃/minとした。また、測定を行う前に、20℃から100℃まで10℃間隔で、歪量の応力依存性を確認し、各温度における応力と歪量が線形関係である歪量範囲を求めた。測定中は各測定温度における歪量を0.01%〜0.5%の範囲に維持し、全ての温度において応力と歪量が線形関係になるように制御し、これらの測定結果貯蔵弾性率損失弾性率、正接損失を求めた。
評価に用いた各トナーの物性値や製造条件等を表3に、また、トナーの定着性、保存性(手篩テスト、Initial画質)、画質維持性、ドキュメント保存性、画像光沢性の評価結果を表4に示す。
Figure 2006293285
Figure 2006293285
なお、表4中に示す評価基準は以下の通りである。
(定着性評価)
定着性の評価は、定着温度を変えた場合のオフセットが起こらなかった最も低い定着温度(最低定着温度)を測定し、以下の基準で評価した。
◎:最低定着温度が100℃未満
○:最低定着温度が100℃以上110℃未満
△:最低定着温度が110℃以上120℃未満
×:最低定着温度が120℃以上130℃未満
××:最低定着温度が130℃以上
(保存性(手節テスト))
各環境において保管後、トナー100gを目開き106μmの標準篩で篩った時の篩い上に残ったトナーの残量を測定し、以下に基準で評価した。
◎:残量が0g
○:残量が0gを超え0.5g未満
△:残量が0.5g以上1.0g未満
×:残量が1.0g以上2.0g未満
××:残量が2.0g以上
(保存性(Initial画質の評価))
各環境においてトナーを保管後、現像剤を作製し、実機に入れてInitial画質(1〜1000枚目)の画質欠陥の状態を確認した。評価基準は以下の通りである。
◎:感材及び画質上全く問題なし。
○:画質上全く問題なし
△:画質上多少現れるが許容値以下
×:画質上欠陥(黒筋、ぼた落ち)が激しく、許容値以下。
−画質維持性評価−
画質維持性の評価は、かぶり、黒筋・ぼた落ち等の欠陥、濃度再現維持性の3点について実施した。
(かぶり)
1万枚印刷後の感光体(潜像担持体)表面、および、1万枚印刷後の画像を形成した印刷物表面のかぶりを目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:感光体上にかぶりなし
○:感光体上にかぶり若干あり
△:感光体上にかぶりあるが、印刷物上にはかぶりなし
×:印刷物上にもかぶりあり
(黒筋、ぼた落ち等の欠陥)
1万枚印刷後の感光体(潜像担持体)表面、及び、1万枚印刷後の画像を形成した印刷物表面の筋・ぼた落ち等の画質欠陥を目視で観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:発生なし
○:感材上若干あるが問題無
△:感材上あるがコピー上なし
×:コピー上に現れる
(濃度再現維持性)
濃度再現維持性は印刷初期の濃度(Ci)と1万枚印刷後の濃度(Ce)とをマクベス濃度計により測定し、その濃度比(Ce/Ci)を求め、以下の基準で判断した。
◎:濃度比が0.8以上1.2以下
○:濃度比が0.65以上0.8未満
△:濃度比が0.5以上0.65未満
X:濃度比が0.5未満
(ドキュメント保存性)
Cin100%の画像を白紙に重ね、圧力20g/cm2の荷重をかけ、50℃50%の恒温高湿槽に5日間保存し、保存後の画像移行性を確認した。
◎:白紙部へ全く画像移行していない
〇:はがす時に若干剥れ音がしたが移行していない
△:若干(面積で10%以下)画像が白紙部へ移行している
×:かなり白紙部へ移行している(10%以上)
(画像光沢性の測定)
画像光沢性の評価のみは、上述したDocucolor500改造機の代わりに、富士ゼロックス社製のDocu Centre Color500改造機を用い、4個の現像機にすべて同じ現像剤を投入し、4色(回)重ね取り画像でコート紙上Cin400%とし、温度120℃で定着を行い画像を形成した。次に、得られた画像を、偏角光沢計(スガ試験機(株)社製、デジタル変革光沢計)にて、60°光沢度を測定し、以下の基準で評価した。
◎:60°光沢度が40%以上
〇:60°光沢度が30%以上40%未満
△:60°光沢度が20%以上30%未満
×:60°光沢度が20%未満

Claims (4)

  1. 着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有する静電潜像現像用トナーにおいて、
    温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在することを特徴とする静電潜像現像用トナー。
  2. 着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有するトナーを含む静電潜像現像用現像剤において、
    前記トナーとして、温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在するトナーを用いることを特徴とする静電潜像現像用現像剤。
  3. 着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有し、
    温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在する静電潜像現像用トナーの製造方法であって、
    前記第1の結着樹脂からなり、体積平均粒径が1μm以下である第1の樹脂微粒子を分散した第1の樹脂微粒子分散液と、着色剤を分散した着色剤分散液とを混合した混合分散液に、凝集剤を添加し、加熱することにより凝集粒子を形成する凝集工程と、
    前記凝集粒子が形成された前記混合分散液に、前記第2の結着樹脂からなり、体積平均粒径が1μm以下である第2の樹脂微粒子を分散した第2の樹脂微粒子分散液を添加して、前記凝集粒子の表面に、前記第2の樹脂微粒子を付着させて付着樹脂凝集粒子を形成する付着工程と、
    前記付着樹脂凝集粒子を加熱することにより融合する融合工程と、を含むことを特徴とする静電潜像現像用トナーの製造方法。
  4. 潜像担持体表面を帯電する帯電工程と、帯電された前記潜像担持体表面を画像情報に応じて露光することにより静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体表面に転写する転写工程と、前記記録媒体表面に転写された前記トナー像を加熱加圧して定着する定着工程とを含む画像形成方法において、
    前記トナーが、着色剤と、第1の結着樹脂とを含むコア層と、該コア層を被覆し、第2の結着樹脂を含むシェル層とを有し、
    温度が90℃以下の範囲内において、動的粘弾性の正接損失(tanδ)の極大値が2つ存在し、一方の極大値が60℃未満の範囲内に存在し、他方の極大値が60℃以上90℃以下の範囲内に存在することを特徴とする画像形成方法。
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