WO2017073167A1 - トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

ポリエステルを含有するトナーであって、下記測定条件での示差走査熱量測定において、降温過程の40℃~70℃の範囲における前記ポリエステルに由来するピークの熱量が、1.0J/g~15J/gであるトナーである。 <測定条件> 前記トナーを-20℃に保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱し(第一昇温過程)、1分間保持した後に、10℃/minの降温速度にて-50℃まで冷却し(前記降温過程)、5分間保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱する(第二昇温過程)。

Description

トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法
 本発明は、トナー、トナー収容ユニット、画像形成装置、及び画像形成方法に関する。
 従来から、電子写真方式の画像形成装置等において、電気的又は磁気的に形成された潜像は、電子写真用トナー(以下、単に「トナー」と称することもある)によって顕像化されている。
 近年では、画像形成装置の高速化、省エネルギー化に対する市場からの要求は益々大きくなり、低温定着性に優れ、高品位な画像を提供できるトナーが求められている。トナーの低温定着性を達成するためには、トナーの結着樹脂の軟化温度を低くする必要があるが、結着樹脂の軟化温度が低いと、定着時にトナー像の一部が定着部材の表面に付着し、これがコピー用紙上に転移する、いわゆるオフセット(以下、ホットオフセットとも呼ぶ)が発生しやすくなる。また、トナーの耐熱保存性が低下し、特に高温環境下においてトナー粒子同士が融着する、いわゆるブロッキングが発生する。その他に、現像器内においてもトナーが現像器内部やキャリアに融着して汚染する問題や、トナーが感光体表面にフィルミングしやすくなる問題がある。
 これらの問題を解決できる技術として、トナーの結着樹脂に結晶性樹脂を用いることが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。結晶性樹脂は、結晶化状態から融点で急激に軟化する特性を持つことから、トナーの定着温度を大きく下げることが可能である。しかしながら、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルを単にブレンドしただけでは、低温定着性は改善されるものの、軟質であり、塑性変形し易い。すなわち、トナーの耐熱保存性が乏しくなり、トナー収納容器内および画像形成装置内でトナーが凝集することで、トナーの補給ができなくなり、トナー濃度が低下し、異常画像が形成されることがある。また、熱定着にて定着媒体上でトナーが溶融した後に、トナー中の結晶性樹脂が再び結晶化するまでに時間を要するため、画像表面の硬度を速やかに回復することができない。それにより、定着後の排紙工程における排紙ローラ、搬送部材などとの接触、及び摺擦よる画像表面の傷跡が生じたり、大量に印刷したコピー用紙同士での接着(耐画像接着性)等の問題があった。
特許第3949553号公報 特許第4155108号公報
 本発明は、低温定着性に優れるのみならず、保存安定性、及び耐画像接着性に優れるトナーを提供することを目的とする。
 前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
 本発明のトナーは、ポリエステルを含有するトナーであって、
 下記測定条件での示差走査熱量測定において、降温過程の40℃~70℃の範囲における前記ポリエステルに由来するピークの熱量が、1.0J/g~15J/gであることを特徴とする。
<測定条件>
 前記トナーを-20℃に保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱し(第一昇温過程)、1分間保持した後に、10℃/minの降温速度にて-50℃まで冷却し(前記降温過程)、5分間保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱する(第二昇温過程)。
 本発明によると、低温定着性に優れるのみならず、保存安定性、及び耐画像接着性に優れるトナーを提供することができる。
図1は、液柱共鳴液滴吐出手段の一例を示す断面図である。 図2は、トナーの製造方法を実施する装置の一例を示す断面図である。 図3は、液柱共鳴液滴吐出手段の他の一例を示す断面図である。 図4は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 図5は、図4の部分拡大図である。
(トナー)
 本発明のトナーは、ポリエステルを少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
 前記トナーは、下記測定条件での示差走査熱量測定(以下、「DSC」と称することがある。)において、降温過程の40℃~70℃の範囲における前記ポリエステルに由来するピークの熱量が、1.0J/g~15J/gである。
<測定条件>
 前記トナーを-20℃に保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱し(第一昇温過程)、1分間保持した後に、10℃/minの降温速度にて-50℃まで冷却し(前記降温過程)、5分間保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱する(第二昇温過程)。
 本発明者らは、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルとを単純にブレンドしただけでは、前記結晶性ポリエステルの結晶化が不十分であり、トナーの耐熱保存性および画像強度が低下することを知見した。
 上記知見を踏まえて本発明者らは鋭意検討した結果、結晶性ポリエステル及び非晶性ポリエステルを含有する結着樹脂を含むトナーにおいて、保存安定性および画像強度が前記トナー中の前記結晶性ポリエステルに由来する結晶化温度とその熱量に大きく依存することを見出した。
 そして、結着樹脂中の結晶性ポリエステルの結晶化を高めるべく、結晶性ポリエステル及び非晶性ポリエステルに用いられる原料モノマーの組み合わせを適宜選択することで前記結晶性ポリエステルの結晶化を制御できることを明らかにした。
 即ち、トナーの保存安定性及び画像強度を向上させるべく、前記結晶性ポリエステルの結晶化温度を高く、かつ結晶化速度を速くすることに着目し、本発明者らは、本発明を完成するに至った。
<結晶性ポリエステルの結晶性>
 本明細書における結晶化温度は、結晶性ポリエステルに由来する結晶化温度である。本明細書における結晶化熱量は、結晶性ポリエステルに由来する結晶化熱量である。そして、結晶化温度、及び結晶化熱量は、後述するように、DSC測定におけるする降温過程のピークから求める。そのため、前記ピークは、結晶性ポリエステルに由来するピークであり、前記結晶性ポリエステルは、DSC測定において前記ピークを発現するポリエステルである。
 トナーにおける結晶性ポリエステル由来の結晶化温度、結晶化熱量および融点、融解熱量ならびにガラス転移温度は示差走査熱量測定(DSC)より測定することができる。しかしながら、トナー種によっては、含有WAX由来のピークと区別が困難な場合もあることから、トナー中のWAX成分を除去した後に結晶性ポリエステル由来の結晶化温度、結晶化熱量および融点、融解熱量ならびにガラス転移温度を算出することが好ましい。WAXの除去方法については、分取HPLCやソックスレー抽出が好ましく、特にソックスレー抽出が好ましい。例えばトナー1gを秤量し、No86Rの円筒ろ紙に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶剤としてヘキサン200mlを用いて、還流下にて7時間ソックスレー抽出を行う。得られた残渣をヘキサンにて洗浄後に40℃にて24時間、次いで60℃にて24時間減圧乾燥することで残存溶剤を除去し、次いで40℃~60℃の範囲で24時間~72時間アニーリングすることで前記結晶性ポリエステルの結晶化を促す。得られた測定サンプルを、-20℃に保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱し、1分間保持した後に、10℃/minの降温速度にて-50℃まで冷却し、さらに5分間保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱する。
 「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、第一昇温過程(1st.ヒーティング)にて得られる融解(吸熱)ピークの頂点の温度を融解ピーク温度(融点:Tm1st)とし、降温過程にて得られる結晶化(発熱)ピークの頂点を結晶化ピーク温度とし、次いで第二昇温過程(2nd.ヒーティング)にて得られる融解(吸熱)ピークの頂点の温度を融解ピーク温度(融点:Tm2nd)とする。また、降温過程における40℃~70℃の範囲の発熱を結晶化領域とすることで結晶化熱量を算出する。更に、ガラス転移温度は、第一昇温過程(1st.ヒーティング)にて観測される特徴的な変曲をガラス転移温度(Tg1st)、第二昇温過程(2nd.ヒーティング)にて観測される特徴的な変曲をガラス転移温度(Tg2nd)とし、DSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用する。
 結晶化熱量(ポリエステル由来のピークの熱量)は結晶化開始温度(ベースラインより明らかにピーク曲線が離れたと認められる温度)より算出され、前記結晶化開始温度は40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、さらに好ましくは60℃以上である。
 前記トナー中の前記ポリエステルに由来する前記結晶化熱量は、1.0J/g~15J/gであり、2.5J/g~10J/gが好ましい。前記結晶化熱量が、1.0J/g未満であると、結晶性部位の結晶化度が乏しくなるため、非晶性分の占める割合が高くなることで、画像強度の低下、及び保存安定性の低下が生じる。前記結晶化熱量が、15J/gを超えると、結着樹脂中の結晶性部位の占める割合が高くなるため、高温領域での著しい粘弾性低下により、定着幅が狭くなる上に、画像強度の低下も生じる。
 即ち、前記トナーは、DSC測定の降温過程の40℃~70℃の範囲において結晶化熱量を有することで、低温定着性が優れ、更に、その結晶化熱量が、1.0J/g~15J/gであることで、保存安定性、及び耐画像接着性にも優れる。
 前記結晶化熱量は、40℃~70℃の範囲におけるDSC曲線の面積から算出される値であり、好ましくは50℃~70℃の範囲におけるDSC曲線の面積から算出される値である。
 前記示差走査熱量測定における降温過程の、前記ポリエステルに由来する前記ピークの温度(結晶化ピーク温度)は、40℃以上が好ましく、45℃以上がより好ましく、50℃以上が特に好ましい。
 前記結晶化ピーク温度が、前記好ましい範囲内であると、以下の(1)の利点がある。
 (1)結晶性部位の結晶化度が優れるため、画像強度がより優れる傾向があり、その結果、耐画像接着性がより優れる。
 前記結晶化ピーク温度の上限値としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結晶化ピーク温度は、70℃以下が好ましい。
 前記結晶性ポリエステル(前記ピークを発現するポリエステル)に由来する融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃~80℃が好ましく、60℃~70℃がより好ましい。
 前記融点が、前記好ましい範囲内であると、以下の(1)~(2)の利点がある。
 (1)前記結晶性ポリエステルが低温で溶融しにくく、トナーの保存安定性がより優れる。
 (2)定着時の加熱による前記結晶性ポリエステルの溶融が十分で、低温定着性がより優れる。
 前記トナーは、前記示差走査熱量測定において下記式(1)を満たすことが好ましく、下記式(1-1)を満たすことがより好ましい。
 (Mt2nd/Mt1st)≧0.70 ・・・式(1)
 (Mt2nd/Mt1st)≧0.80 ・・・式(1-1)
 ここで、Mt1stは、前記第一昇温過程における融解熱量(J/g)を表し、Mt2ndは、前記第二昇温過程における融解熱量(J/g)を表す。
 前記式(1)を満たすと、以下の(1)の利点がある。
 (1)前記結晶性ポリエステルの結晶化度が優れるため、結晶性ポリエステル中の非晶性分の占める割合が小さくなることで画像強度がより優れる。
 前記トナーは、前記示差走査熱量測定において下記式(2)を満たすことが好ましく、下記式(2-1)を満たすことがより好ましい。
 -5℃≦(Tg1st-Tg2nd)≦5℃ ・・・式(2)
 -3℃≦(Tg1st-Tg2nd)≦3℃ ・・・式(2-1)
 ここで、Tg1stは、前記第一昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表し、Tg2ndは、前記第二昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。
 前記式(2)を満たすと、以下の(1)の利点がある。
 (1)前記結晶性ポリエステルの結晶化度が優れるため、結晶性ポリエステル中の非晶性分の占める割合が小さくなることで前記トナーの保存安定性がより優れる。
<結着樹脂>
 前記トナーは、例えば、前記ポリエステルを含有する結着樹脂を含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
 前記結着樹脂は、前記結晶性ポリエステルと、前記非晶性ポリエステルとを含有することが好ましく、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
 ここで、前記結晶性ポリエステルは、前記ピークを発現するポリエステルである。
<<ポリエステル>>
 前記ポリエステルとしては、例えば、結晶性ポリエステル、非晶性ポリエステルなどが挙げられる。
<<<結晶性ポリエステル>>>
 前記結晶性ポリエステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、優れたシャープメルト性、及び高い結晶性を有する点から、脂肪族ポリエステルであることが好ましい。
 前記脂肪族ポリエステルは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸及び/又はその誘導体とを重縮合させて得られ、好ましくは分岐構造を有さない。即ち、前記脂肪族ポリエステルは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸及び/又はその誘導体とを、構成成分として有する。
-多価アルコール-
 前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
 前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールなどが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられる。これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが直鎖型であると、前記結晶性ポリエステルの結晶性が低下せず、融点が低下しにくい。前記飽和脂肪族ジオールの炭素数が12以下であると、材料の入手が容易となるので、前記炭素数は12以下であることがより好ましい。
 前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ウンデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール、1,14-エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 これらの中でも、前記結晶性ポリエステルの結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点で、エチレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオールが特に好ましい。
 前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-多価カルボン酸-
 前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
 前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,18-オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の芳香族ジカルボン酸、又はこれらの無水物、或いはこれらの低級(炭素数1~3)アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸、1,2,5-ベンゼントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、又はこれらの無水物、あるいはこれらの低級(炭素数1~3)アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 なお、前記多価カルボン酸としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸、前記芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸、2重結合を持つジカルボン酸などを含有していてもよい。
 前記結晶性ポリエステルは、炭素数6以上14以下の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸と、炭素数4以上14以下の直鎖飽和脂肪族ジオールとを縮重合させて得られるものが好ましい。即ち、前記結晶性ポリエステルは、炭素数6以上14以下の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数4以上14以下の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが好ましい。
 また、飽和脂肪族ジカルボン酸と飽和脂肪族ジオールの組み合わせにおける炭素数の総和は、16以上が好ましく、炭素数4以上の直鎖脂肪族ジオールと炭素数8以上の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸との組み合わせからなることがより好ましく、炭素数8以上の直鎖脂肪族ジオールもしくは炭素数12以上の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸が含まれていることが特に好ましい。例えば、直鎖脂肪族ジオールと直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸との組み合わせとしては、1,4-ブタンジオールと1,12-ドデカンジカルボン酸、1,6-ヘキサンジオールと1,12-ドデカンジカルボン酸、1,10-デカンジオールとセバシン酸が挙げられる。その結果、得られる結晶性ポリエステルは、結晶性が高く、優れたトナーの保存安定性と画像強度を発揮できる。
 前記結晶性ポリエステルの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)3,000~35,000が好ましく、10,000~35,000がより好ましく、15,000~30,000が特に好ましい。
 前記重量平均分子量が、前記好ましい範囲内であると、以下の(1)~(4)の利点がある。
 (1)トナーの耐熱保存性がより優れる。
 (2)現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性がより優れる。
 (3)トナーの溶融時の粘弾性が低く、低温定着性がより優れる。
 (4)トナー中の結晶性部位が結晶化しやすく、耐ブロッキング性が優れる。
 前記結晶性ポリエステルの融点(Tm)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃~140℃が好ましく、60℃~120℃がより好ましい。
 前記Tmが、前記好ましい範囲内であると、以下の(1)~(2)の利点がある。
 (1)低温で溶融しにくく、トナーの耐ブロッキング性が優れる。
 (2)定着時の加熱による前記結晶性ポリエステルの溶融が十分で、低温定着性がより優れる。
 前記結晶性ポリエステルの結晶化温度(Tc)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40℃~100℃が好ましく、50℃~80℃がより好ましい。
 前記Tcが、前記好ましい範囲内であると、以下の(1)~(2)の利点がある。
 (1)前記結晶性ポリエステルが結晶化しやすく、トナーの耐熱保存性及び画像強度がより優れる。
 (2)定着時の加熱による前記結晶性ポリエステルの溶融が十分で、低温定着性がより優れる。
 前記融点は、示差走査熱量計(DSC)測定におけるDSCチャートの吸熱ピーク値により測定することができる。
 前記結着樹脂における前記結晶性ポリエステルの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂に対して1質量%~20質量%が好ましく、3質量%~20質量%がより好ましく、3質量%~15質量%が更により好ましく、5質量%~10質量%が特に好ましい。
 前記含有量が、前記好ましい範囲内であると、以下の(1)~(2)の利点がある。
 (1)低温定着性がより優れる。
 (2)前記結着樹脂のガラス転移温度もしくは弾性回復温度が高くなり、その結果として保存安定性や画像強度がより優れる。
 前記結晶性ポリエステルの結晶性、分子構造等については、NMR測定、示差走査熱量計(DSC)測定、X線回折測定、GC/MS測定、LC/MS測定、赤外線吸収(IR)スペクトル測定などにより確認することができる。
<<DSC法による結晶性樹脂の含有量(質量%)測定>>
 本発明において、前記トナーにおける結晶性樹脂の含有量は、DSC法により求めることも可能である。
 前記結晶性樹脂は、前記ピークを発現するポリエステルを含む。
 結晶性樹脂の含有量の比率計測方法は以下のとおりである。
 トナー粒子中の結晶性樹脂の総量は、DSC(示差走査熱量計)法で得られる。以下の測定装置及び条件により、トナー試料と結晶性樹脂単体試料とをそれぞれ測定し、それぞれ得られる結晶性樹脂の吸熱量の比からトナー中の結晶性樹脂の含有量を求める。
 ・測定装置 : DSC装置(DSC60;島津製作所製)
 ・試料量  : 約5mg
 ・昇温温度 : 10℃/min
 ・測定範囲 : 室温~150℃
 ・測定環境 : 窒素ガス雰囲気中
 結晶性樹脂の総量は、以下の式1で算出する。
 結晶性樹脂の総量(質量%)=(トナー試料の結晶性樹脂の吸熱量(J/g))×100)/(結晶性樹脂単体の吸熱量(J/g))・・・(式1)
 DSC法により求められるトナー中の結晶性樹脂の含有量は、該結晶性樹脂を含有するトナーに対し1質量%以上20質量%以下であることが好ましい。前記結晶性樹脂の含有量がトナーに対し1質量%以上であると、低温定着性の効果が発現されないという問題を防止できる。一方、トナーに対し20質量%以下であると、耐熱保存性や耐排紙ブロッキング性が悪化するという問題を防止できる。
<<<非晶性ポリエステル>>>
 前記非晶性ポリエステルは、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを用いて得られる。即ち、前記非晶性ポリエステルは、多価アルコール成分と、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸成分とを、構成成分として有する。
-多価アルコール成分-
 前記多価アルコール成分としては、2価のアルコール(ジオール)、具体的には、炭素数2~36のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブチレングリコール、1,6-ヘキサンジオールなど);炭素数4~36のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなど);炭素数6~36の脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールAなど);前記脂環式ジオールの炭素数2~4のアルキレンオキシド〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)、ブチレンオキシド(以下BOと略記する)など〕付加物(付加モル数1~30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSなど)の炭素数2~4のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2~30)などが挙げられる。
 また、前記の2価のジオールに加えて3価以上(3~8価またはそれ以上)のアルコール成分を含有してもよく、具体的には、炭素数3~36の3~8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオール及びその分子内若しくは分子間脱水物、例えば、グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリセリン、ジペンタエリスリトール;糖類及びその誘導体、例えば庶糖及びメチルグルコシド;など);前記脂肪族多価アルコールの炭素数2~4のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数1~30);トリスフェノール類(トリスフェノールPAなど)の炭素数2~4のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2~30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック、クレゾールノボラックなど:平均重合度3~60)の炭素数2~4のアルキレンオキシド(EO、PO、BOなど)付加物(付加モル数2~30)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-多価カルボン酸成分-
 前記多価カルボン酸成分としては、2価のカルボン酸(ジカルボン酸)、具体的には、炭素数4~36のアルカンジカルボン酸(コハク酸、アピジン酸、セバシン酸など)、アルケニルコハク酸(ドデセニルコハク酸など);炭素数4~36の脂環式ジカルボン酸〔ダイマー酸(2量化リノール酸)など〕;炭素数4~36のアルケンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸など);炭素数8~36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸又はこれらの誘導体、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4~20のアルカンジカルボン酸、炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。なお、前記多価カルボン酸成分としては、上述のものの酸無水物又は低級アルキル(炭素数1~4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)も挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 このほか、ポリ乳酸やポリカーボネートジオールの如き開環重合系も好適に使用しうる。
 前記非晶性ポリエステルの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)5,000~35,000が好ましく、10,000~35,000がより好ましく、13,000~25,000が特に好ましい。
 前記非晶性ポリエステルのガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃~80℃が好ましい。
 前記Tgが、前記好ましい範囲内であると、以下の(1)~(3)の利点がある。
 (1)トナーの耐熱保存性がより優れる。
 (2)現像器内での攪拌等のストレスに対する耐久性がより優れる。
 (3)トナーの溶融時の粘弾性が低く、低温定着性がより優れる。
 前記非晶性ポリエステルの軟化温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、130℃~180℃が好ましい。
 前記非晶性ポリステルの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。
<その他の成分>
 前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、流動化剤などが挙げられる。
<<着色剤>>
 前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ソルベントイエロー(21,77,114など)、ピグメントイエロー(12,14,17,83など)、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトアニリンレッド、トルイジンレッド、ソルベントレッド(17,49,128,5,13,22,48・2など)、ディスパースレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ソルベントブルー(25,94,60,15・3など)、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンB、オイルピンクOPなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
 前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部~40質量部が好ましく、0.5質量部~10質量部がより好ましい。
<<離型剤>>
 前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオレフィンワックス、天然ワックス(例えば、カルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、ライスワックスなど)、炭素数30~50の脂肪族アルコール(例えば、トリアコンタノールなど)、炭素数30~50の脂肪酸(例えば、トリアコンタンカルボン酸など)及びこれらの混合物などが挙げられる。
 前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
 ・オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、イソブチレン、1-ヘキセン、1-ドデセン、1-オクタデセン及びこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるもの及び熱減成型ポリオレフィンを含む]
 ・オレフィンの(共)重合体の酸素及び/又はオゾンによる酸化物
 ・オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えば、マレイン酸及びその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチル、マレイン酸ジメチル等)変性物]
 ・オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸等]及び/又は不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1~18)エステル、マレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1~18)エステル等]等との共重合体
 ・ポリメチレン(例えば、サゾールワックス等のフィシャートロプシュワックスなど)
 ・脂肪酸金属塩(ステアリン酸カルシウムなど)
 ・脂肪酸エステル(ベヘニン酸ベヘニルなど)
 前記離型剤の軟化温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃~170℃が好ましい。
 前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<帯電制御剤>>
 前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、セチルトリメチルアンモニウムブロミドなどが挙げられる。
 前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<流動化剤>>
 前記流動化剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロイダルシリカ、アルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシウム粉末、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウムなどが挙げられる。
 前記流動化剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
 前記トナーにおける組成比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
 前記トナーにおける前記結着樹脂の含有量は、30質量%~97質量%が好ましく、40質量%~95質量%がより好ましく、45質量%~92質量%が特に好ましい。
 前記トナーにおける前記着色剤の含有量は、0.05質量%~60質量%が好ましく、0.1質量%~55質量%がより好ましく、0.5質量%~50質量%が特に好ましい。
 前記トナーにおける前記離型剤の含有量は、0質量%~30質量%が好ましく、0.5質量%~20質量%がより好ましく、1質量%~10質量%が特に好ましい。
 前記トナーにおける前記帯電制御剤の含有量は、0質量%~20質量%が好ましく、0.1質量%~10質量%がより好ましく、0.5質量%~7.5質量%が特に好ましい。
 前記トナーにおける前記流動化剤の含有量は、0質量%~10質量%が好ましく、0質量%~5質量%がより好ましく、0.1質量%~4質量%が特に好ましい。
<トナーの製造方法>
 本発明に関するトナーの製造方法は、液滴形成工程と、液滴固化工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
 上記特性を示す本発明のトナーを得るためには、結着樹脂及び離型剤を有機溶剤中に溶解乃至分散させたトナー組成液を吐出させて液滴を形成する液滴形成工程と、前記液滴を固化してトナー粒子を形成する液滴固化工程とを含むトナーの製造方法により製造されるとよい。
<<液滴形成工程>>
 前記液滴形成工程は、結着樹脂及び離型剤を有機溶剤中に溶解乃至分散させたトナー組成液を吐出させて液滴を形成する工程である。
 前記トナー組成液は、例えば、前記結着樹脂、及び前記離型剤を少なくとも含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有するトナー組成物を、有機溶剤に溶解乃至分散させて得ることができる。
 前記有機溶剤としては、前記トナー組成液中のトナー組成物を溶解乃至分散できる揮発性のものであり、かつ、前記トナー組成液中の前記結着樹脂及び前記離型剤を相分離させることなく溶解させることができるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
 なお、有機溶剤及びトナー組成液を加熱して離型剤を溶解することも可能であるが、安定した連続吐出のためには、前記液滴固化工程の環境温度におけるトナー組成液の温度が、有機溶剤の沸点をTb(℃)としたとき、[Tb-20]℃未満であることが好ましい。
 前記[Tb-20]℃未満とすることにより、有機溶剤が蒸発しトナー組成液室内で気泡が生じたり、吐出口近傍でトナー組成液が乾燥し吐出口が狭まるという問題が起きず、安定した吐出を行なうことができる。
 吐出口の閉塞を防止するため、前記離型剤は前記トナー組成液中で溶解していることが必要であるが、トナー組成液中で溶解している結着樹脂と相分離せずに溶解していることが、均一なトナー粒子を得るうえで重要である。さらに、定着時に離型性を発揮してオフセットを防止するためには、有機溶剤を除去したトナー粒子中では結着樹脂と離型剤が相分離していることが重要である。離型剤が結着樹脂と相分離していない場合は、離型性が発揮できないばかりでなく、結着樹脂の溶融時の粘性や弾性を低下させてしまい、ホットオフセットがより生じやすくなってしまう。
 したがって、使用する有機溶剤や結着樹脂によって最適な離型剤を選択するとよい。
<<有機溶剤>>
 前記有機溶剤としては、前記トナー組成物を溶解乃至分散できる揮発性のものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。例えば、エーテル類、ケトン類、エステル類、炭化水素類、アルコール類の溶剤が好ましく用いられ、特にテトラヒドロフラン(THF)、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、トルエン、水などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
<<トナー組成液の調製方法>>
 前記トナー組成物を有機溶剤に溶解乃至分散することによりトナー組成液を得ることができる。
 前記トナー組成液の調製には、ホモミキサーやビーズミルなどを用いて、着色剤等の分散体がノズルの開口径に対して充分微細とすることが吐出口の詰りを防止するために重要となる。
 前記トナー組成液の固形分は3質量%~40質量%であることが好ましい。前記固形分が好ましい範囲であると、以下(1)~(3)の利点がある。
 (1)生産性の低下を防止できる。
 (2)「着色剤等の分散体が沈降や凝集を起こしやすくなり、トナー粒子ごとの組成が不均一になりやすくトナー品質が低下すること」を防止できる。
 (3)小粒径のトナーが得られる。
 前記トナー組成液を吐出させて液滴を形成する工程は、例えば、液滴吐出手段を用いて液滴を吐き出させて行うことができる。
<<液滴吐出手段>>
 前記液滴吐出手段としては、吐出する液滴の粒径分布が狭ければ、特に制限はなく、目的に応じて適宜公知のものを用いることができ、例えば、1流体ノズル、2流体ノズル、膜振動タイプ吐出手段、レイリー分裂タイプ吐出手段、液振動タイプ吐出手段、液柱共鳴タイプ吐出手段などが挙げられる。
 前記膜振動タイプ吐出手段としては、例えば、特開2008-292976号公報に記載の吐出手段が挙げられる。
 前記レイリー分裂タイプ吐出手段としては、例えば、特許第4647506号号公報に記載の吐出手段が挙げられる。
 前記液振動タイプ吐出手段としては、例えば、特開2010-102195号公報に記載の吐出手段が挙げられる。
 前記液柱共鳴タイプ吐出手段としては、例えば、特開2011-212668号公報に記載の吐出手段が挙げられる。
 液滴の粒径分布を狭くし、かつ、トナーの生産性を確保するためには、前記液柱共鳴タイプ吐出手段を用いた、液滴化液柱共鳴を利用することができる。液滴化液柱共鳴では、液柱共鳴液室内の液体に振動を付与して液柱共鳴による定在波を形成し、該定在波の腹となる領域に形成された複数の吐出口から液体を吐出すればよい。
 図1は、液柱共鳴液滴吐出手段の構成を示す断面図である。
 図1に示す液柱共鳴液滴吐出手段11は、液共通供給路17及び液柱共鳴液室18を含んでなる。液柱共鳴液室18は、長手方向の両端の壁面のうち一方の壁面に設けられた液共通供給路17と連通されている。また、液柱共鳴液室18は、両端の壁面と連結する壁面のうち一つの壁面に液滴21を吐出する吐出口19と、吐出口19と対向する壁面に設けられ、かつ液柱共鳴定在波を形成するために高周波振動を発生する振動発生手段20とを有している。なお、振動発生手段20には、図示していない高周波電源が接続されている。
 揮発可能な有機溶媒に、トナー組成物を溶解乃至分散させたトナー組成液(以下、単に「トナー組成液」と記す。)14は図示されない液循環ポンプにより液供給管を通って、液共通供給路17内に流入し、図1に示す液柱共鳴液滴吐出手段11の液柱共鳴液室18に供給される。そして、トナー組成液14が充填されている液柱共鳴液室18内には、振動発生手段20によって発生する液柱共鳴定在波により圧力分布が形成される。そして、液柱共鳴定在波において振幅の大きな部分であって圧力変動が大きい、定在波の腹となる領域に配置されている吐出口19から液滴21が吐出される。この液柱共鳴による定在波の腹となる領域とは、定在波の節以外の領域を意味するものである。好ましくは、定在波の圧力変動が液を吐出するのに十分な大きさの振幅を有する領域であり、より好ましくは圧力定在波の振幅が極大となる位置(速度定在波としての節)から極小となる位置に向かって±1/4波長の範囲である。定在波の腹となる領域であれば、吐出口が複数で開口されていても、それぞれからほぼ均一な液滴を形成することができ、更には効率的に液滴の吐出を行うことができ、吐出口の詰まりも生じ難くなる。なお、液共通供給路17を通過したトナー組成液14は図示されない液戻り管を流れて原料収容器に戻される。液滴21の吐出によって液柱共鳴液室18内のトナー組成液14の量が減少すると、液柱共鳴液室18内の液柱共鳴定在波の作用による吸引力が作用し、液共通供給路17から供給されるトナー組成液14の流量が増加し、液柱共鳴液室18内にトナー組成液14が補充される。そして、液柱共鳴液室18内にトナー組成液14が補充されると、液共通供給路17を通過するトナー組成液14の流量が元に戻る。
 液柱共鳴液滴吐出手段11における液柱共鳴液室18は、金属やセラミックス、シリコンなどの駆動周波数において液体の共鳴周波数に影響を与えない程度の高い剛性を持つ材質により形成されるフレームがそれぞれ接合されて形成されている。また、図1に示すように、液柱共鳴液室18の長手方向の両端の壁面間の長さLは、液柱共鳴原理に基づいて決定される。
<液滴固化工程>
 前記液滴固化工程は、前記液滴を固化してトナーを形成する工程である。具体的には、前記液滴吐出手段から気体中に吐出させたトナー組成液の液滴を固化させる処理の後、捕集する処理を行うことで、本発明のトナーを得ることができる。
 前記液滴固化手段は、前記液滴を固化してトナーを形成する手段である。
<<液滴固化手段>>
 液滴を固化させるには、トナー組成液を固体状態にできれば、特に制限はなく、トナー組成液の性状により、適宜選択することができ、例えば、トナー組成液が固体原材料を揮発可能な溶剤に溶解乃至分散させたものであれば、液滴噴射後、搬送気流中液滴を乾燥させる、すなわち溶剤を揮発させることで達成することができる。溶剤の乾燥にあたっては、噴射する気体の温度や蒸気圧、気体種類などを適宜選定して乾燥状態を調整することが出来る。また、完全に乾燥していなくとも、捕集された粒子が固体状態を維持していれば、回収後に別工程で追加乾燥させても構わない。また、温度変化や化学的反応などを施すことにより、固化状態を形成させてもよい。
<<<固化粒子捕集手段>>>
 固化した粒子は公知の粉体捕集手段、例えばサイクロン捕集、バックフィルター等によって気中から回収することが出来る。
 図2は、本発明のトナーの製造方法を実施する装置の一例を示す断面図である。トナー製造装置1は、液滴吐出手段2及び乾燥捕集ユニット60を有する。
 前記液滴吐出手段2には、トナー組成液14を収容する原料収容器13と、原料収容器13に収容されているトナー組成液14を、液供給管16を通して液滴吐出手段2に供給し、更に液戻り管22を通って原料収容器13に戻すために液供給管16内のトナー組成液14を圧送する液循環ポンプ15とが連結されており、トナー組成液14を随時液滴吐出手段2に供給できる。液供給管16にはP1、乾燥捕集ユニットにはP2の圧力測定器が設けられており、液滴吐出手段2への送液圧力および、乾燥捕集ユニット内の圧力は圧力計P1、P2によって管理される。このときに、P1>P2の関係であると、トナー組成液14が吐出口19から染み出す恐れがあり、P1<P2の場合には吐出手段に気体が入り、吐出が停止する恐れがあるため、P1≒P2があることが望ましい。
 チャンバ61内では、搬送気流導入口64から作られる下降気流(搬送気流)101が形成されている。液滴吐出手段2から吐出された液滴21は、重力にのみよってではなく、搬送気流101によっても下方に向けて搬送され、搬送気流排出口65から排出され、固化粒子捕集手段62によって捕集され、固化粒子貯留部63に貯留される。
-搬送気流-
 前記搬送気流については、以下の点にも留意するとよい。
 噴射された液滴同士が乾燥前に接触すると、液滴同士が合体し一つの粒子になってしまう(以下、この現象を「合着」ともいう)。均一な粒径分布の固化粒子を得るためには、噴射された液滴どうしの距離を保つ必要がある。しかしながら、噴射された液滴は一定の初速度を持っているが空気抵抗により、やがて失速する。失速した粒子には後から噴射された液滴が追いついてしまい、結果として合着する。この現象は、定常的に発生するため、この粒子を捕集すると粒径分布はひどく悪化することとなる。合着を防ぐためには液滴の速度低下を無くし、液滴同士を接触させないように搬送気流101によって合着を防ぎながら、液滴を固化させつつ搬送する必要があり、最終的には固化粒子捕集手段62まで固化粒子を運ぶ。
 例えば搬送気流101は図1に示されるように、その一部を液滴吐出手段近傍に、気流通路12により、液滴吐出方向と同一方向に配置することで、液滴吐出直後の液滴速度低下を防ぎ、合着を防止することが出来る。あるいは、図3に示すように吐出方向に対して横方向であってもよい。あるいは図示していないが角度を持っていてもよく、液滴吐出手段より液滴が離れるような角度を持っていることが望ましい。図3のように液滴吐出に対して横方向から合着防止気流を与える場合は吐出口から合着防止気流によって液滴が搬送された際に軌跡が重ならないような方向であることが望ましい。
 上記のように第一の気流によって合着を防いだ後に、第二の気流によって固化粒子捕集手段まで固化粒子を運んでもよい。
 第一の気流の速度は液滴噴射速度と同じかそれ以上であることが望ましい。液滴噴射速度より合着防止気流の速度が遅いと、合着防止気流本来の目的である液滴粒子を接触させないという機能を発揮させることが難しい。
 第一の気流の性状は、液滴同士が合着しないような条件を追加することが出来、第二の気流と必ずしも同じでなくともよい。また、合着防止気流に粒子表面の固化を促進させるような化学物質を混入したり、物理的作用を施してもよい。
 搬送気流101は、特に気流の状態として限定されることはなく、層流や旋回流や乱流であっても構わない。搬送気流101を構成する気体の種類は特に限定はなく、空気であっても窒素等の不燃性気体を用いてもよい。また、搬送気流101の温度は適宜調整可能であり、生産時において変動のないことが望ましい。またチャンバ61内に搬送気流101の気流状態を変えるような手段をとっても構わない。搬送気流101は液滴21同士の合着を防止するだけでなく、チャンバ61に付着することを防止することに用いてもよい。
-二次乾燥-
 本発明のトナーの製造方法には、さらに二次乾燥工程を施してもよい。
 例えば、図2で示された固化粒子捕集手段62によって得られたトナー粒子に含まれる残留溶剤量が多い場合は、これを低減するために、必要に応じて、二次乾燥が行われる。
 二次乾燥としては、特に制限はなく、流動床乾燥や真空乾燥のような一般的な公知の乾燥手段を用いることができる。
(現像剤)
 本発明に関する現像剤は、本発明の前記トナーを少なくとも含有し、更に必要に応じて、キャリアなどのその他の成分を含有する。
<キャリア>
 前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト等のキャリア、樹脂コートキャリアなどを挙げることができる。
 前記樹脂コートキャリアは、キャリアコア粒子と該キャリアコア粒子の表面を被覆(コート)する樹脂である樹脂被覆材とからなる。
 前記キャリアの体積抵抗値としては、特に制限はなく、キャリアの表面の凹凸度合い、被覆する樹脂の量などに応じて適宜調整することにより設定することができるが、10log(Ω・cm)~1010log(Ω・cm)が好ましい。
 前記キャリアの平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、4μm~200μmが好ましい。
(トナー収容ユニット)
 本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えばトナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジなどが挙げられる。
 前記トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
 前記現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
 前記プロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段のから選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
 本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、本発明の前記トナーを用いて画像形成が行われるため、低温定着性に優れるのみならず、保存安定性、及び耐画像接着性に優れるトナーを備えるトナー収容ユニットが得られる。
(画像形成装置、及び画像形成方法)
 本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体(以下、「感光体」と称することがある。)と、静電潜像形成手段と、現像手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
 本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
 前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
<静電潜像担持体>
 前記静電潜像担持体の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコンが好ましい。
 前記静電潜像担持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、円筒状が好ましい。前記円筒状の前記静電潜像担持体の外径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3mm~100mmが好ましく5mm~50mmがより好ましく、10mm~30mmが特に好ましい。
<静電潜像形成手段及び静電潜像形成工程>
 前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
 前記静電潜像形成工程としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、前記静電潜像形成手段を用いて行うことができる。
<<帯電部材及び帯電>>
 前記帯電部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のローラ、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
 前記帯電は、例えば、前記帯電部材を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
<<露光部材及び露光>>
 前記露光部材としては、前記帯電部材により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザ光学系、液晶シャッタ光学系等の各種露光部材などが挙げられる。
 前記露光は、例えば、前記露光部材を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
 なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段及び現像工程>
 前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
 前記現像工程としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記現像手段により行うことができる。
 前記現像手段は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよい。また、単色用現像手段であってもよいし、多色用現像手段であってもよい。
 前記現像手段としては、前記トナーを摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、内部に固定された磁界発生手段を有し、かつ表面に前記トナーを含む現像剤を担持して回転可能な現像剤担持体を有する現像装置が好ましい。
<その他の手段及びその他の工程>
 前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
 前記その他の工程としては、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などが挙げられる。
<<転写手段及び転写工程>>
 前記転写手段としては、可視像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
 なお、前記記録媒体としては、代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、OHP用のPETベース等も用いることができる。
<<定着手段及び定着工程>>
 前記定着手段としては、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧部材が好ましい。前記加熱加圧部材としては、加熱ローラと加圧ローラとの組み合わせ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
 前記定着工程としては、前記記録媒体に転写された可視像を定着させる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
 前記定着工程は、前記定着手段により行うことができる。
 前記加熱加圧部材における加熱は、通常、80℃~200℃が好ましい。
 なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
 前記定着工程における面圧としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10N/cm~80N/cmであることが好ましい。
<<クリーニング手段及びクリーニング工程>>
 前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
 前記クリーニング工程としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記クリーニング手段により行うことができる。
<<除電手段及び除電工程>>
 前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、除電ランプなどが挙げられる。
 前記除電工程としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加して除電する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記除電手段により行うことができる。
<<リサイクル手段及びリサイクル工程>>
 前記リサイクル手段としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
 前記リサイクル工程としては、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像装置にリサイクルさせる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記リサイクル手段により行うことができる。
<<制御手段及び制御工程>>
 前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御できる手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器などが挙げられる。
 前記制御工程としては、前記各工程の動きを制御できる工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記制御手段により行うことができる。
 更に本発明の画像形成装置の他の一例を図を用いて説明する。
 図4に示す画像形成装置は、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備えている。
 複写装置本体150には、無端ベルト状の中間転写体50が中央部に設けられている。そして、中間転写体50は、支持ローラ14、15及び16に張架され、図4中、時計回りに回転可能とされている。支持ローラ15の近傍には、中間転写体50上の残留トナーを除去するための中間転写体クリーニング装置17が配置されている。支持ローラ14と支持ローラ15とにより張架された中間転写体50には、その搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの画像形成手段18が対向して並置されたタンデム型現像器120が配置されている。タンデム型現像器120の近傍には、前記露光部材である露光装置21が配置されている。中間転写体50における、タンデム型現像器120が配置された側とは反対側には、二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22においては、無端ベルトである二次転写ベルト24が一対のローラ23に張架されており、二次転写ベルト24上を搬送される転写紙と中間転写体50とは互いに接触可能である。二次転写装置22の近傍には前記定着手段である定着装置25が配置されている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト26と、これに押圧されて配置された加圧ローラ27とを備えている。
 なお、タンデム画像形成装置においては、二次転写装置22及び定着装置25の近傍に、転写紙の両面に画像形成を行うために該転写紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
 次に、タンデム型現像器120を用いたフルカラー画像の形成(カラーコピー)について説明する。即ち、先ず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に原稿をセットするか、あるいは原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。
 スタートスイッチ(不図示)を押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした時は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした時は直ちに、スキャナ300が駆動し、第1走行体33及び第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33により、光源からの光が照射されると共に原稿面からの反射光を第2走行体34におけるミラーで反射し、結像レンズ35を通して読取りセンサ36で受光されてカラー原稿(カラー画像)が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報とされる。
 そして、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各画像情報は、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段、及びシアン用画像形成手段)にそれぞれ伝達され、各画像形成手段において、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各トナー画像が形成される。即ち、タンデム型現像器120における各画像形成手段18(ブラック用画像形成手段、イエロー用画像形成手段、マゼンタ用画像形成手段及びシアン用画像形成手段)は、図5に示すように、それぞれ、静電潜像担持体10(ブラック用静電潜像担持体10K、イエロー用静電潜像担持体10Y、マゼンタ用静電潜像担持体10M、及びシアン用静電潜像担持体10C)と、該静電潜像担持体10を一様に帯電させる前記帯電部材である帯電装置160と、各カラー画像情報に基づいて各カラー画像対応画像様に前記静電潜像担持体を露光(図5中、L)し、該静電潜像担持体上に各カラー画像に対応する静電潜像を形成する露光装置と、該静電潜像を各カラートナー(ブラックトナー、イエロートナー、マゼンタトナー、及びシアントナー)を用いて現像して各カラートナーによるトナー画像を形成する前記現像手段である現像装置61と、該トナー画像を中間転写体50上に転写させるための転写帯電器62と、クリーニング装置63と、除電器64とを備えており、それぞれのカラーの画像情報に基づいて各単色の画像(ブラック画像、イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像)を形成可能である。こうして形成された該ブラック画像、該イエロー画像、該マゼンタ画像及び該シアン画像は、支持ローラ14、15及び16により回転移動される中間転写体50上にそれぞれ、ブラック用静電潜像担持体10K上に形成されたブラック画像、イエロー用静電潜像担持体10Y上に形成されたイエロー画像、マゼンタ用静電潜像担持体10M上に形成されたマゼンタ画像及びシアン用静電潜像担持体10C上に形成されたシアン画像が、順次転写(一次転写)される。そして、中間転写体50上に前記ブラック画像、前記イエロー画像、マゼンタ画像、及びシアン画像が重ね合わされて合成カラー画像(カラー転写像)が形成される。
 一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の1つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の1つからシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写機本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラ142を回転して手差しトレイ54上のシート(記録紙)を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、シートの紙粉除去のためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。そして、中間転写体50上に合成された合成カラー画像(カラー転写像)にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させ、中間転写体50と二次転写装置22との間にシート(記録紙)を送出させ、二次転写装置22により該合成カラー画像(カラー転写像)を該シート(記録紙)上に転写(二次転写)することにより、該シート(記録紙)上にカラー画像が転写され形成される。なお、画像転写後の中間転写体50上の残留トナーは、中間転写体クリーニング装置17によりクリーニングされる。
 カラー画像が転写され形成された前記シート(記録紙)は、二次転写装置22により搬送されて、定着装置25へと送出され、定着装置25において、熱と圧力とにより前記合成カラー画像(カラー転写像)が該シート(記録紙)上に定着される。その後、該シート(記録紙)は、切換爪55で切り換えて排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされ、あるいは、切換爪55で切り換えてシート反転装置28により反転されて再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録した後、排出ローラ56により排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。
 以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されるものではない。「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。「%」は、特に明示しない限り「質量%」を表す。
 以下の合成例、実施例、比較例における各種物性の測定方法を以下に示した。
<分子量>
 装置:GPC(東ソー(株)製)、検出器:RI、測定温度:40℃
 移動相:テトラヒドロフラン、流量:0.45mL/min.
 数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn)は、夫々、分子量既知のポリスチレン試料によって作成した検量線を標準としてGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)にて測定される数平均分子量、重量平均分子量、分子量分布である。なお、カラムは排除限界6万のもの、2万のもの、1万のものを直列に繋いだものを使用した。
<軟化温度>
 高化式フローテスター(株式会社島津製作所製、CFT-500D)を用いて、1gの測定試料を50℃で予熱した後、昇温速度5℃/分で加熱しながら、プランジャーに30kgの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)を軟化温度とした。
<ガラス転移温度(Tg)、融点(Tm)、結晶化温度(Tc)>
 トナーより結着樹脂を抽出する場合は、トナー1gを秤量し、No86Rの円筒ろ紙に入れてソックスレー抽出器にかけ、溶剤としてヘキサン200mlを用いて、還流下にて7時間ソックスレー抽出を行った。得られた残渣をヘキサン200mlにて洗浄した後に40℃にて24時間、次いで60℃にて24時間減圧乾燥することで残存溶剤を除去し、次いで40℃で24時間、さらに45℃で24時間アニーリングすることで結晶性ポリエステルの結晶化を図った。
 測定サンプルについて、各々熱特性を示差走査熱量計(DSC)(TAインスツルメンツ社製Q2000)を用いて、以下の条件にて測定した。具体的には以下のようにして、測定した。
(測定条件)
 サンプル容器:アルミニウム製サンプルパン(蓋有り)
 サンプル量:5mg
 リファレンスアルミニウム製サンプルパン(空の容器)
 雰囲気:窒素(流量50mL/min)
 開始温度:-20℃
 昇温速度:10℃/min
 終了温度:130℃
 保持時間:1min
 降温速度:10℃/min
 終了温度:-50℃
 保持時間:5min
 昇温速度:10℃/min
 終了温度:130℃
 以上の測定条件にて、測定を行い、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを作成した。
 第一昇温過程にて観測される特徴的な変曲を、ガラス転移温度(Tg)とした。なお、Tgは、DSC曲線からミッドポイント法によって得た値を使用した。
 融点は、第一および第二昇温過程にて得られる各々の融解(吸熱)ピークの頂点を温度とした。また、融解熱量に関しては、昇温過程における吸熱を融解領域とすることで算出した。
 結晶化ピーク温度は、降温過程にて得られる結晶化(発熱)ピークの頂点の温度とした。
 結晶化熱量に関しては、降温過程において40℃~70℃の範囲における発熱を結晶化領域とすることで算出した。
<DSC法による結晶性樹脂の含有量(質量%)測定>
 トナーにおける結晶性樹脂の含有量は、DSC法により求めた。
 結晶性樹脂の含有量の比率計測方法は以下のとおりである。
 トナー粒子中の結晶性樹脂の総量は、DSC(示差走査熱量計)法で得られる。以下の測定装置及び条件により、トナー試料と結晶性樹脂単体試料とをそれぞれ測定し、それぞれ得られる結晶性樹脂の吸熱量の比からトナー中の結晶性樹脂の含有量を求めた。
 ・測定装置 : DSC装置(DSC60;島津製作所製)
 ・試料量  : 約5mg
 ・昇温温度 : 10℃/min
 ・測定範囲 : 室温~150℃
 ・測定環境 : 窒素ガス雰囲気中
 結晶性樹脂の総量は、以下の式1で算出する。
 結晶性樹脂の総量(質量%)=(トナー試料の結晶性樹脂の吸熱量(J/g))×100)/(結晶性樹脂単体の吸熱量(J/g))・・・(式1)
(合成例1)
<非晶性ポリエステルA1の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコール、並びに、ジカルボン酸としてテレフタル酸及びコハク酸を、モル比(テレフタル酸/コハク酸)=80/20、OH/COOH=2.0となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、300ppm(モノマーに対して)のチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出物がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、4時間反応させて[非晶性ポリエステルA1]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)1.3mgKOH/g、水酸基価(OHV)12.3mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)62.8℃、軟化温度140.6℃、重量平均分子量(Mw)14,400であった。
(合成例2)
<非晶性ポリエステルA2の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、多価アルコールとしてプロピレングリコール及びトリメチロールプロパンを、モル比(プロピレングリコール/トリメチロールプロパン)=97.5/2.5、並びに、ジカルボン酸としてテレフタル酸及びコハク酸を、モル比(テレフタル酸/コハク酸)=78/22、更にはOH/COOH=1.4となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、300ppm(モノマーに対して)のチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出物がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、2時間反応させて[非晶性ポリエステルA2]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)1.4mgKOH/g、水酸基価(OHV)24.0mgKOH/g、ガラス転移温度(Tg)60.2℃、軟化温度151.0℃、重量平均分子量(Mw)22,800であった。
(合成例3)
<結晶性ポリエステルB1の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,4-ブタンジオール、並びにジカルボン酸としてドデカン二酸を、ジオールとジカルボン酸とのモル比がOH/COOH=1.10となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、モノマーに対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、4時間反応させて[結晶性ポリエステルB1]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)4.8mgKOH/g、水酸基価(OHV)22.4mgKOH/g、融点(Tm)72.9℃、融解熱量103.3J/g、結晶化温度(Tc)56.5℃、重量平均分子量(Mw)18,500であった。
(合成例4)
<結晶性ポリエステルB2の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてエチレングリコール、並びにジカルボン酸としてセバシン酸を、ジオールとジカルボン酸とのモル比がOH/COOH=1.10となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、モノマーに対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、4時間反応させて[結晶性ポリエステルB2]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)0.67mgKOH/g、水酸基価(OHV)26.3mgKOH/g、融点(Tm)78.2℃、融解熱量146.3J/g、結晶化温度(Tc)49.0℃、重量平均分子量(Mw)17,000であった。
(合成例5)
<結晶性ポリエステルB3の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,4-ブタンジオール、並びにジカルボン酸としてセバシン酸を、ジオールとジカルボン酸とのモル比がOH/COOH=1.10となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、モノマーに対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、4時間反応させて[結晶性ポリエステルB3]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)0.45mgKOH/g、水酸基価(OHV)26.3mgKOH/g、融点(Tm)64.4℃、融解熱量96.7J/g、結晶化温度(Tc)46.1℃、重量平均分子量(Mw)16,700であった。
(合成例6)
<結晶性ポリエステルB4の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,6-ヘキサンジオール、並びにジカルボン酸としてドデカン二酸を、ジオールとジカルボン酸とのモル比がOH/COOH=1.05となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、モノマーに対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、4時間反応させて[結晶性ポリエステルB4]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)1.0mgKOH/g、水酸基価(OHV)23.2mgKOH/g、融点(Tm)75.0℃、融解熱量112.7J/g、結晶化温度(Tc)58.4℃、重量平均分子量(Mw)15,500であった。
(合成例7)
<結晶性ポリエステルB5の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,10-デカンジオール、並びにジカルボン酸としてセバシン酸を、ジオールとジカルボン酸とのモル比がOH/COOH=1.05となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、モノマーに対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、4時間反応させて[結晶性ポリエステルB5]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)0.80mgKOH/g、水酸基価(OHV)25.2mgKOH/g、融点(Tm)77.4℃、融解熱量112.4J/g、結晶化温度(Tc)59.3℃、重量平均分子量(Mw)15,800であった。
(合成例8)
<結晶性ポリエステルB6の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,6-ヘキサンジオール、並びにジカルボン酸としてセバシン酸を、ジオールとジカルボン酸とのモル比がOH/COOH=1.02となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、モノマーに対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、4時間反応させて[結晶性ポリエステルB6]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)0.45mgKOH/g、水酸基価(OHV)18.0mgKOH/g、融点(Tm)70.8℃、融解熱量115.6J/g、結晶化温度(Tc)52.1℃、重量平均分子量(Mw)19,300であった。
(合成例9)
<結晶性ポリエステルB7の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてエチレングリコール、並びにジカルボン酸としてドデカン二酸を、ジオールとジカルボン酸とのモル比がOH/COOH=1.08となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、モノマーに対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、4時間反応させて[結晶性ポリエステルB7]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)1.5mgKOH/g、水酸基価(OHV)24.5mgKOH/g、融点(Tm)85.4℃、融解熱量83.0J/g、結晶化温度(Tc)63.9℃、重量平均分子量(Mw)16,300であった。
(合成例10)
<結晶性ポリエステルB8の合成>
 窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとして1,4-ブタンジオール、並びにジカルボン酸としてドデカン二酸を、ジオールとジカルボン酸とのモル比がOH/COOH=1.08となるように仕込んだ。そして、反応容器内を十分に窒素ガスで置換した後、モノマーに対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加し、窒素ガス気流下にて4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、10mmHg~30mmHgの減圧下、2時間反応させて[結晶性ポリエステルB8]を得た。
 得られた樹脂は、酸価(AV)15.8mgKOH/g、水酸基価(OHV)30.9mgKOH/g、融点(Tm)72.9℃、融解熱量107.1J/g、結晶化温度(Tc)56.6℃、重量平均分子量(Mw)9,800であった。
(ブラック着色剤分散液の調製)
 カーボンブラック(RegaL400;Cabot社製)17部、及び顔料分散剤3部を、酢酸エチル80部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。
 前記顔料分散剤としては、アジスパーPB821(味の素ファインテクノ社製)を使用した。
 得られた一次分散液を、ビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、5μm以上の凝集体を完全に除去した二次分散液(ブラック着色剤分散液)を調製した。
(離型剤分散液の調製)
 カルナバ離型剤15.4部、及び離型剤分散剤4.6部を、酢酸エチル80部に、攪拌羽を有するミキサーを使用し、一次分散させた。得られた一次分散液を攪拌しながら80℃まで昇温しカルナバ離型剤を溶解した後、室温まで液温を下げ最大径が3μm以下となるよう離型剤粒子を析出させた。
 前記離型剤分散剤としては、ポリエチレン離型剤にスチレン-アクリル酸ブチル共重合体をグラフト化したものを使用した。
 得られた分散液を、更にビーズミル(アシザワファインテック社製LMZ型、ジルコニアビーズ径0.3mm)を用いて強力なせん断力により細かく分散し、最大径が1μm以下になるよう調整し、離型剤分散液を得た。
(実施例1)
<トナー組成液の調製>
 結着樹脂[非晶性ポリエステルA1/結晶性ポリエステルB1=90/10(質量比)]、着色剤、及び離型剤が、表1の組成になるように各分散液、乃至溶解液を、攪拌羽を有するミキサーを使用して60℃の加熱環境下にて10分間攪拌を行い、均一に分散させることでトナー組成液を得た。溶剤希釈によるショックで顔料、及び離型剤粒子が凝集することはなかった。溶剤としては、酢酸エチルを用いた。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
<トナーの作製>
 液滴吐出手段として図3に示す液滴吐出ヘッドを有する図2のトナーの製造装置を用いて以下のような条件で、前記トナー組成液を液滴として吐出させた。その後、該液滴を乾燥固化し、サイクロン捕集した後、更に35℃にて48時間2次乾燥させることにより、トナー1を作製した。
-液柱共鳴条件-
 共鳴モード:N=2
 液柱共鳴液室の長手方向の両端間の長さ        :L=1.8mm
 液柱共鳴液室の液共通供給路側のフレームの端部の高さ :h1=80μm
 液柱共鳴液室の連通口の高さ             :h2=40μm
-トナー母体粒子作製条件-
 分散液比重             :ρ=1.1g/cm
 吐出口の形状            :真円
 吐出口直径             :7.5μm
 吐出口の開口数           :液柱共鳴液室1つ当たり4個
 隣接する吐出口の中心部間の最短間隔 :130μm(全て等間隔)
 乾燥エアー温度           :40℃
 印加電圧              :10.0V
 駆動周波数             :395kHz
<キャリアの作製>
 下記の原材料をホモミキサーで20分間分散させ、樹脂層塗布液を調製した。その後、流動床型コーティング装置を用いて、体積平均粒径35μmの球状フェライト1,000部の表面に前記樹脂層塗布液を塗布して、キャリアを作製した。
〔原材料〕
  ・シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン)      100部
  ・γ-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン   5部
  ・カーボンブラック                      10部
  ・トルエン                         100部
<現像剤の作製>
 トナー1を5部と、前記キャリア95部とを混合して、現像剤を作製した。
<評価>
 以下の評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
<<定着下限温度>>
 図4に示すタンデム型フルカラー画像形成装置を用い、転写紙(リコービジネスエキスパート社製、複写印刷用紙<70>)上に、転写後のトナーの付着量が0.85±0.10mg/cmの紙全面ベタ画像(画像サイズ3cm×8cm)を作像した。
 定着ベルトの温度を変化させて定着を行い、得られた定着画像表面に、描画試験器AD-401(上島製作所製)を用いて、ルビー針(先端半径260μmR~320μmR、先端角60度)により荷重50gで描画し、繊維(ハニコット#440、ハニロン社製)で描画表面を強く5回擦り、画像の削れが殆ど無くなる定着ベルト温度をもって定着下限温度とした。また、ベタ画像は、転写紙上において、通紙方向先端から3.0cmの位置に作成した。なお、定着装置のニップ部を通過する速度は、280mm/sである。定着下限温度が低い程、低温定着性に優れるので、定着下限温度により、下記の基準で評価した。
 〔評価基準〕
   ◎:定着下限温度が120℃以下
   ○:定着下限温度が120℃を超え、125℃以下
   △:定着下限温度が125℃を超え、130℃以下
   ×:定着下限温度が130℃を超える
<<保存安定性(針入度)>>
 50mLのガラス容器に各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した。このトナーを24℃に冷却し、針入度試験(JISK2235-1991)により針入度(mm)を測定し、下記基準で評価した。なお、針入度の値が大きいほど耐熱保存性が優れていることを示し、5mm未満の場合には、使用上問題が発生する可能性が高い。
 なお、本発明においては針入度を貫入深さ(mm)で表す。
 〔評価基準〕
   ◎:針入度が10mm以上
   ○:針入度が6mm以上10mm未満
   △:針入度が3mm以上6mm未満
   ×:針入度が3mm未満
<<画像強度(スタック性)>>
 図4に示す画像形成装置を用いて、A4紙に全面ベタ画像(トナー付着量は0.85mg/cm)の未定着画像を定着機に30枚連続通紙した。そして、すぐに重ね合わせてその上に更にA4紙100枚を載せて荷重をかけた。10分間放置後の画像状態を下記の基準で評価した。
 〔評価基準〕
   ○:紙同士が接着していない。すぐにはがれる。
   △:やや接着するが、画像にはがした跡が残らない。
   ×:強く接着し無理にはがすと画像上のトナーがはがれる。
(実施例2)
 結晶性ポリエステルとして結晶性ポリエステルB1の代わりに結晶性ポリエステルB4を使用したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー2を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(実施例3)
 結晶性ポリエステルとして結晶性ポリエステルB1の代わりに結晶性ポリエステルB5を使用したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー3を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(実施例4)
 結着樹脂中の非晶性ポリエステルA1/結晶性ポリエステルB1の質量比を90/10から95/5に変更したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー4を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(実施例5)
 結着樹脂中の非晶性ポリエステルA1/結晶性ポリエステルB1の質量比を90/10から80/20に変更したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー5を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(実施例6)
 結晶性ポリエステルとして結晶性ポリエステルB1の代わりに結晶性ポリエステルB6に変更し、結着樹脂中の非晶性ポリエステルA1/結晶性ポリエステルB6の質量比を90/10から85/15に変更したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー6を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(実施例7)
 非晶性ポリエステルとして非晶性ポリエステルA1の代わりに非晶性ポリエステルA2を使用したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー7を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(実施例8)
 結晶性ポリエステルとして結晶性ポリエステルB1の代わりに結晶性ポリエステルB7を使用したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー8を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(実施例9)
 結着樹脂中の非晶性ポリエステルA1/結晶性ポリエステルB1の質量比を90/10から97/3に変更したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー9を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(実施例10)
 結着樹脂中の非晶性ポリエステルA1/結晶性ポリエステルB1の質量比を90/10から85/15に変更したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー10を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(比較例1)
 結晶性ポリエステルとして結晶性ポリエステルB1の代わりに結晶性ポリエステルB2を使用したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー11を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(比較例2)
 結晶性ポリエステルとして結晶性ポリエステルB1の代わりに結晶性ポリエステルB3を使用したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー12を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(比較例3)
 結晶性ポリエステルを使用しなかったことを除き、実施例1と同じ手順でトナー13を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(比較例4)
 結着樹脂中の非晶性ポリエステルA1/結晶性ポリエステルB1の質量比を90/10から70/30に変更したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー14を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(比較例5)
 結晶性ポリエステルとして結晶性ポリエステルB1の代わりに結晶性ポリエステルB6を使用したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー15を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
(比較例6)
 結晶性ポリエステルとして結晶性ポリエステルB1の代わりに結晶性ポリエステルB8を使用したことを除き、実施例1と同じ手順でトナー16を調製した。
 実施例1と同様にして、各特性値の測定、及び評価を行った。結果を表2-1及び表2-2に示した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 ここで、表2-1において、結晶化熱量が「0J/g」であることと、結晶化熱量が「-」であることとの違いは、トナー中に結晶性ポリエステルを含有するか否かである。結晶性ポリエステルを含有し、かつDSC降温過程における40℃~70℃の範囲にて結晶化に伴う熱量を示さない場合を「0J/g」とし、結晶性ポリエステルを含有しない場合が「-」である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
 <1> ポリエステルを含有するトナーであって、
 下記測定条件での示差走査熱量測定において、降温過程の40℃~70℃の範囲における前記ポリエステルに由来するピークの熱量が、1.0J/g~15J/gであることを特徴とするトナーである。
<測定条件>
 前記トナーを-20℃に保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱し(第一昇温過程)、1分間保持した後に、10℃/minの降温速度にて-50℃まで冷却し(前記降温過程)、5分間保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱する(第二昇温過程)。
 <2> 前記降温過程の前記ピークの温度が、40℃以上である前記<1>に記載のトナーである。
 <3> 前記示差走査熱量測定において下記式(1)を満たす前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
 (Mt2nd/Mt1st)≧0.70 ・・・式(1)
 ここで、Mt1stは、前記第一昇温過程における融解熱量(J/g)を表し、Mt2ndは、前記第二昇温過程における融解熱量(J/g)を表す。
 <4> 前記示差走査熱量測定において下記式(2)を満たす前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
 -5℃≦(Tg1st-Tg2nd)≦5℃ ・・・式(2)
 ここで、Tg1stは、前記第一昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表し、Tg2ndは、前記第二昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。
 <5> 前記ポリエステルが、非晶性ポリエステルを含有し、
 前記非晶性ポリエステルが、5,000~35,000の重量平均分子量、及び50℃~80℃のガラス転移温度を有する前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
 <6> 前記ポリエステルが、前記ピークを発現するポリエステルを含有し、
 前記ピークを発現するポリエステルが、10,000~35,000の重量平均分子量、及び60℃~120℃の融点を有する前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーである。
 <7> 前記ポリエステルを含有する結着樹脂を含有し、
 前記ピークを発現するポリエステルの含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、3質量部~20質量部である前記<6>に記載のトナーである。
 <8>
 前記ポリエステルが、前記ピークを発現するポリエステルを含有し、
 前記ピークを発現するポリエステルを含む結晶性樹脂の含有量が、DSCにより求められる前記結晶性樹脂の吸熱量を質量換算した値で、前記トナーにおいて1質量%以上20質量%以下である前記<1>から<7>のいずれかに記載のトナーである。
 <9> 前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニットである。
 <10> 静電潜像担持体と、
 前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
 前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、
 前記トナーが、前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
 <11> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
 前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程とを含み、
 前記トナーが、前記<1>から<8>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法である。
 本発明によると、従来における前記諸問題を解決することができ、低温定着性に優れるのみならず、保存安定性、及び耐画像接着性に優れるトナーを提供できる。
1   トナー製造装置
2   液滴吐出手段
11  液柱共鳴液滴吐出手段
12  気流通路
13  原料収容器
14  トナー組成液
15  液循環ポンプ
16  液供給管
17  液共通供給路
18  液柱共鳴液室
19  吐出口
20  振動発生手段
21  液滴
60  乾燥捕集ユニット
61  チャンバ
62  固化粒子捕集手段
63  固化粒子貯留部
64  搬送気流導入口
65  搬送気流排出口
101 搬送気流

Claims (11)

  1.  ポリエステルを含有するトナーであって、
     下記測定条件での示差走査熱量測定において、降温過程の40℃~70℃の範囲における前記ポリエステルに由来するピークの熱量が、1.0J/g~15J/gであることを特徴とするトナー。
    <測定条件>
     前記トナーを-20℃に保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱し(第一昇温過程)、1分間保持した後に、10℃/minの降温速度にて-50℃まで冷却し(前記降温過程)、5分間保持した後、10℃/minにて130℃まで加熱する(第二昇温過程)。
  2.  前記降温過程の前記ピークの温度が、40℃以上である請求項1に記載のトナー。
  3.  前記示差走査熱量測定において下記式(1)を満たす請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
     (Mt2nd/Mt1st)≧0.70 ・・・式(1)
     ここで、Mt1stは、前記第一昇温過程における融解熱量(J/g)を表し、Mt2ndは、前記第二昇温過程における融解熱量(J/g)を表す。
  4.  前記示差走査熱量測定において下記式(2)を満たす請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
     -5℃≦(Tg1st-Tg2nd)≦5℃ ・・・式(2)
     ここで、Tg1stは、前記第一昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表し、Tg2ndは、前記第二昇温過程におけるガラス転移温度(℃)を表す。
  5.  前記ポリエステルが、非晶性ポリエステルを含有し、
     前記非晶性ポリエステルが、5,000~35,000の重量平均分子量、及び50℃~80℃のガラス転移温度を有する請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6.  前記ポリエステルが、前記ピークを発現するポリエステルを含有し、
     前記ピークを発現するポリエステルが、10,000~35,000の重量平均分子量、及び60℃~120℃の融点を有する請求項1から5のいずれかに記載のトナー。
  7.  前記ポリエステルを含有する結着樹脂を含有し、
     前記ピークを発現するポリエステルの含有量が、前記結着樹脂100質量部に対して、3質量部~20質量部である請求項6に記載のトナー。
  8.  前記ポリエステルが、前記ピークを発現するポリエステルを含有し、
     前記ピークを発現するポリエステルを含む結晶性樹脂の含有量が、DSCにより求められる前記結晶性樹脂の吸熱量を質量換算した値で、前記トナーにおいて1質量%以上20質量%以下である請求項1から7のいずれかに記載のトナー。
  9.  請求項1から8のいずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
  10.  静電潜像担持体と、
     前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
     前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段とを有し、
     前記トナーが、請求項1から8のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置。
  11.  静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
     前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像して可視像を形成する現像工程とを含み、
     前記トナーが、請求項1から8のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成方法。
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