JP2008020848A - 電子写真トナー用結着樹脂 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られる電子写真トナー用結着樹脂であって、前記付加重合系樹脂の原料モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数12〜18)エステルを含有してなる、電子写真トナー用結着樹脂。
【選択図】なし
Description
〔1〕 少なくとも縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られる電子写真トナー用結着樹脂であって、前記付加重合系樹脂の原料モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数12〜18)エステルを含有してなる、電子写真トナー用結着樹脂、
〔2〕 前記〔1〕記載の結着樹脂の製造方法であって、有機溶媒存在下又は無溶媒下で付加重合系樹脂の原料モノマーを付加重合反応させる工程(A)、及び工程(A)の前、途中及び終了後の少なくともいずれかの時点で、縮重合系樹脂の原料モノマーを工程(A)の反応系に存在させて縮重合反応させる工程(C)を有するトナー用結着樹脂の製造方法であって、さらに前記工程(A)の途中及び/又は終了後に、前記工程(A)で生じる反応混合物と水とを100〜300℃で混合する工程(B)を有し、工程(B)における水の混合量が前記付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して0.1〜50重量部である電子写真トナー用結着樹脂の製造方法、並びに
〔3〕 前記〔1〕記載の電子写真トナー用結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー
に関する。
で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物が好ましい。かかるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物の含有量は、アルコール成分中、50モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましい。
i)縮重合反応を行う工程(C)の後に、工程(A)を行う方法、
ii)縮重合反応を行う工程(C)を、工程(A)に先立って開始し、工程(A)の後に、再度反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上の縮重合系樹脂の原料モノマーを重合系に添加し、工程(C)の縮重合反応をさらに進める方法、
iii)付加重合反応に適した温度条件下で付加重合反応を行う工程(A)と縮重合反応を行う工程(C)を並行して行い、反応温度を前記条件下で保持して工程(A)を完結させた後、反応温度を上昇させ、必要に応じて架橋剤となる3価以上の縮重合系樹脂の原料モノマーを重合系に添加し、工程(C)の縮重合反応をさらに進める方法、
等が挙げられる。これらの方法において、工程(B)の実施は前記のように工程(A)の開始後であればよいが、工程(A)の終了後であることが好ましく、工程(A)及び工程(C)の終了後であることがより好ましい。また、iii)の方法において、工程(A)と工程(C)を並行して行う際には、縮重合系樹脂の原料モノマーを含有した混合物中に、付加重合系樹脂の原料モノマーを含有した混合物を滴下して反応させることが好ましい。このように反応容器中で独立した2つの重合反応を並行して進行させる方法により2種類の樹脂成分が効果的に混合分散した樹脂を得ることができる。
フローテスター(島津製作所、CFT-500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度とする。
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/分で昇温し、融解熱の最大ピーク温度を融点とする。
測定機:コールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)
アパチャー径:100μm
解析ソフト:コールターマルチサイザーアキュコンプ バージョン 1.19(ベックマンコールター社製)
電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%の濃度となるよう前記電解液に溶解させて分散液を得る。
分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を調製する。
測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
表1に示す無水トリメリット酸、フマル酸及びアクリル酸以外のポリエステルの原料モノマー及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃で8時間縮重合反応させた。さらに、8kPaで1時間反応させ、表1に示す「サゾールH−105」(サゾール社製)を添加し、160℃まで冷却した後、表1に示すアクリル酸、ビニル系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持して、ビニル系樹脂の原料モノマーの除去をおこなった。その後、表1に示す無水トリメリット酸及びフマル酸を加えて1時間反応させた後、40kPaで架橋反応を所定の軟化点に達するまで行い樹脂1を得た。
表1に示す無水トリメリット酸、フマル酸及びアクリル酸以外のポリエステルの原料モノマー及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃で8時間縮重合反応させた。さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、表1に示すアクリル酸、ビニル系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持して、ビニル系樹脂の原料モノマーの除去をおこなった。その後、表1に示す無水トリメリット酸及びフマル酸を加えて1時間反応させた後、40kPaで架橋反応を各々所定の軟化点に達するまで行い樹脂2〜4を得た。
表1又は表2に示す無水トリメリット酸、フマル酸及びアクリル酸以外のポリエステルの原料モノマー及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃で8時間縮重合反応させた。さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、表1又は表2に示すアクリル酸、ビニル系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、200℃に昇温し、8kPaにて0.5時間保持した。その後、同温度で攪拌しながら1時間かけて水250mL(ビニル系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、29重量部)を滴下して、最後に、表1又は表2に示す無水トリメリット酸及びフマル酸を加えて1時間反応させた後、40kPaで架橋反応を各々所定の軟化点に達するまで行い樹脂5〜7を得た。
表2に示す原料を用いて、樹脂1と同様にして反応を行ない、樹脂8を得た。
表2に示す無水トリメリット酸、フマル酸及びアクリル酸以外のポリエステルの原料モノマー及びエステル化触媒としてオクチル酸スズ10gを、窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した10リットル容の四つ口フラスコに入れ、230℃で8時間縮重合反応させた。さらに、8kPaで1時間反応させ、表2に示す「サゾールH−105」(サゾール社製)を添加し、160℃まで冷却した後、表2に示すアクリル酸、ビニル系樹脂の原料モノマー及び重合開始剤の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した。滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を熟成させた後、200℃に昇温し、8kPaにて0.5時間保持した。その後、同温度で攪拌しながら1時間かけて水250mL(ビニル系樹脂の原料モノマー100重量部に対して、29重量部)を滴下して、最後に、表2に示す無水トリメリット酸及びフマル酸を加えて1時間反応させた後、40kPaで架橋反応を所定の軟化点に達するまで行い樹脂9を得た。
表2に示す原料を用いて、樹脂1と同様にして反応を行ない、樹脂10を得た。
表3に示すトナー原料をヘンシェルミキサーにて攪拌混合後、混練部分の全長1560mm、スクリュー径42mm、バレル内径43mmの同方向回転二軸押出機を用いて溶融混練した。ロールの回転速度は200r/min、ロール内の加熱温度は120℃であり、混合物の供給速度は10kg/時間、平均滞留時間は約18秒であった。得られた混練物を冷却ローラーで圧延冷却した後、ジェットミルで粉砕し、分級して、体積中位粒径(D50)6μmのトナーを得た。
「MicroLine 9500PS」(沖データ(株)製、印字速度:30枚/分(A4用紙横送り)に表3のトナーを実装し、印字率5%の画像を6000枚連続して印刷した。印刷後、感光体ドラム表面への残留トナーの融着の発生状況とプリントアウトした画像への影響を目視で観察し、以下の評価基準に従って、耐フィルミング性を評価した。結果を表3に示す。
◎:トナー融着は未発生
○:トナー融着が感光体上に1〜2箇所確認されるが、画像への影響は無い
△:トナー融着が感光体上に3〜5箇所確認されるが、画像への影響は無い
×:トナー融着が感光体上に6〜10箇所確認され、画像にわずかな欠陥が生じている
××:トナー融着が感光体上に10箇所を超えて確認され、画像に著しい欠陥が生じている
試験例1と同じ装置にトナーを実装し、未定着で2cm×12cm、0.6mg/cm2の画像出しを行った。未定着画像について、所定温度に調整された恒温槽の中に20秒間保管する試験を行った。なお、恒温槽は80℃から10℃ずつ順次上昇させて温度を調整した。得られた定着画像に「ユニセフセロハン」(三菱鉛筆(株)製、幅:1.8mm、JISZ-1522)を貼り付け、30℃に設定した定着ロールを通過させた後、テープを剥がした。テープを貼る前と剥がした後の光学反射密度を反射濃度計「RD-915」(マクベス社製)を用いて測定し、両者の比率(テープ剥離後/テープ貼付前)が最初に90%を越える恒温槽の温度を最低定着温度とした。
◎:110℃未満
○:110℃以上、130℃未満
×:130℃以上
実施例8のトナー原料においてモーガルLの代わりに着色剤「ECB301」(大日精化(株)製)を結着樹脂100重量部に対して5重量部加えた以外は、トナー製造例1と同様にして、トナーを得た。得られたトナーについて、耐フィルミング性と低温定着性を上記方法と同様にして試験した結果、良好な結果が得られた。本発明の結着樹脂は、カラートナーにおいても好適に使用することができることが分かる。
Claims (6)
- 少なくとも縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られる電子写真トナー用結着樹脂であって、前記付加重合系樹脂の原料モノマーが、(メタ)アクリル酸アルキル(炭素数12〜18)エステルを含有してなる、電子写真トナー用結着樹脂。
- (メタ)アクリル酸アルキル(炭素数12〜18)エステルが、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル及びメタクリル酸セチルからなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1記載の電子写真トナー用結着樹脂。
- 縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーを重合させることにより得られる樹脂が、さらに縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーのいずれとも反応し得る化合物の存在下で重合させることにより得られる樹脂である、請求項1又は2記載の電子写真トナー用結着樹脂。
- 縮重合系樹脂の原料モノマー及び付加重合系樹脂の原料モノマーをワックスの存在下で重合させることにより得られる、請求項1〜3いずれか記載の電子写真トナー用結着樹脂。
- 請求項1〜4いずれか記載の結着樹脂の製造方法であって、有機溶媒存在下又は無溶媒下で付加重合系樹脂の原料モノマーを付加重合反応させる工程(A)、及び工程(A)の前、途中及び終了後の少なくともいずれかの時点で、縮重合系樹脂の原料モノマーを工程(A)の反応系に存在させて縮重合反応させる工程(C)を有するトナー用結着樹脂の製造方法であって、さらに前記工程(A)の途中及び/又は終了後に、前記工程(A)で生じる反応混合物と水とを100〜300℃で混合する工程(B)を有し、工程(B)における水の混合量が前記付加重合系樹脂の原料モノマー100重量部に対して0.1〜50重量部である電子写真トナー用結着樹脂の製造方法。
- 請求項1〜4いずれか記載の電子写真トナー用結着樹脂を含有してなる電子写真用トナー。
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