JP5097568B2 - 電子写真用トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに用いられる電子写真用トナー及びその製造方法に関する。
電子写真用トナーの分野においては、電子写真システムの発展に伴い、高画質化及び高速化に対応したトナーの開発が要求されている。高画質化の観点からは、トナーを小粒径化する必要があり、従来の溶融混練法に代わり、重合法や乳化分散法などのケミカル法により得られる、いわゆるケミカルトナーが開示されている。さらに、高速化の観点からは低温定着性改善のため、トナーに離型剤を内添することが提案されている。
このような離型剤を用いたトナーであって、さらに、定着性を改善するものとして、例えば、樹脂粒子分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液を混合し、カルボジイミド基を有する化合物を添加して凝集粒子を形成し、該凝集粒子を加熱して融合させることにより、表面を架橋させたトナーが(特許文献1)開示されている。
また、ポリエステルを含有する結着樹脂及び離型剤を含有するトナー原料を溶融混練する工程とこの工程で得られた溶融混練物を水性媒体中において乳化する工程を有する方法により得られるトナー(特許文献2)が開示されている。
特開2006-317715号公報 特開2007−279195号公報
しかし、近年の電子写真分野におけるマシンの高速化・高画質化により、従来のトナーでは、定着性が不十分であることが判明した。すなわち、定着工程での定着時間の短縮化及び定着機での加熱温度の低温化により、十分な定着強度を確保することが非常に困難になっている。
一方、低温定着に対応したトナーを設計するために、結着樹脂の軟化点を下げたり離型剤の添加量を増やすと、高温オフセットが発生したり耐熱保存性の悪化が問題となる。すなわち、耐熱保存性と広い定着温度幅性能を両立できるトナーは未だ知られていなかった。
本発明は、耐熱保存性に優れ、かつ広い定着温度幅性能を有する電子写真用トナー、および該電子写真用トナーの製造方法に関する。
本発明は、
(1)(1)ポリエステルを含有する結着樹脂及び離型剤を含有するトナー原料を溶融混練する工程、
(2)工程(1)で得られた溶融混練物を水系媒体中で乳化する工程、
(3)工程(2)で得られた乳化液中の乳化粒子を凝集させる工程、及び
(4)工程(3)で得られた凝集粒子を合一させる工程、
を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記工程(2)より後に更に、オキサゾリン基を有する重合体を添加する工程(a)を有する電子写真用トナーの製造方法、及び
(2)上記(1)に記載の製造方法により得られる電子写真用トナー、
に関する。
本発明によれば、耐熱保存性に優れ、かつ広い定着温度幅を有する電子写真用トナー、および該電子写真用トナーの製造方法に関する。
[電子写真用トナーの製造方法]
本発明の電子写真用トナーの製造方法は、(1)ポリエステルを含有する結着樹脂及び離型剤を含有するトナー原料を溶融混練する工程、(2)工程(1)で得られた溶融混練物を水系媒体中で乳化する工程、(3)工程(2)で得られた乳化液中の乳化粒子を凝集させる工程、及び(4)工程(3)で得られた凝集粒子を合一させる工程、を有し、前記工程(2)より後に更に、オキサゾリン基を有する重合体を添加する工程(a)を有するものである。
本発明においては、結着樹脂、離型剤等の原料を溶融混練して得られた溶融混練物を水系媒体中へ乳化するが、あらかじめ溶融混練することにより離型剤のポリエステルへの分散性が向上する。
ケミカル法でトナーを製造する場合、離型剤は溶解性が低く分散不良になりやすい。特に、乳化凝集法では従来の溶融混練法と異なり機械的なシェアが製造工程で加わらないため、離型剤の均一分散は十分ではない。離型剤の分散が不均一であると、離型剤がトナー作製中に遊離したり、トナー表面に露出するなどし、定着性温度幅が減少し、またトナーの耐熱保存性も十分でない。さらに、結着樹脂の高分子量成分の乳化が不十分となりやすく、この乳化液を凝集等して得られるトナーはその耐熱保存性や定着性が不十分となることがある。
本発明では、乳化前に、結着樹脂、離型剤等の原料を溶融混練することで、結着樹脂中に離型剤が分散され、該溶融混練物を乳化することで、得られる乳化粒子は、離型剤を内包した樹脂から構成されると考えられる。しかし、このような乳化粒子を凝集・合一すると、合一工程で加熱するため、離型剤が凝集粒子から遊離してしまい、得られるトナーには所望の離型剤を含有させることができず定着性不良の原因となったり、トナー表面に離型剤が露出するために耐熱保存性の悪化の原因となる。しかし、本発明では、乳化工程後に、オキサゾリン基を有する重合体が添加されているため、例えば、合一工程時の加熱によって、結着樹脂のポリエステルとオキサゾリン基を有する重合体が架橋反応するために、凝集粒子表面の結着樹脂が架橋し、また凝集粒子内の樹脂粒子同士の架橋によって強固な凝集体を形成する。その結果、離型剤の凝集粒子からの遊離が防止され、結着樹脂の架橋による熱物性の変化の影響と組み合わさり、トナーの定着性と耐熱保存性が向上するものと推測される。架橋剤としては、オキサゾリン基以外にもカルボジイミド基、アジリジン基などが知られているが、水系媒体中にて、離型剤とポリエステルを含む結着樹脂を溶融混練した溶融混練物を乳化、凝集及び合一する本発明の製造方法においては、オキサゾリン基を有する重合体がより好ましく本発明の効果を奏する。
以下、本発明の電子写真用トナーの製造方法について説明する。
(工程1)
工程(1)はポリエステルを含有する結着樹脂及び離型剤を含有するトナー原料を溶融混練する工程である。
ポリエステルを含有する結着樹脂
工程(1)で用いられる結着樹脂には、トナーの定着性及び耐久性の観点およびオキサゾリン基を有する重合体と反応可能なカルボキシル基を有する必要があることから、ポリエステルが含有され、得られる結着樹脂が、3価以上のカルボン酸に由来する構成単位を含むポリエステルを含有するもの、特に架橋構造を有する架橋ポリエステルを含有するものであることが好ましい。ポリエステルの含有量は、トナーの定着性及び耐久性の観点から、結着樹脂中、60重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がさらに好ましく、実質100重量%であることが更に好ましい。ポリエステルは、結晶性ポリエステル及び非晶質ポリエステルのいずれであってもよい。
ポリエステル以外の結着樹脂としては、トナーに用いられる公知の樹脂、例えば、スチレン−アクリル共重合体、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等が挙げられる。
ポリエステルの原料モノマーとして、本発明においては、3価以上のカルボン酸成分が用いられることが好ましく、より好ましくは更に3価以上のアルコール成分が用いられ、更に好ましくは3価以上のカルボン酸成分及び3価以上のアルコール成分の両方が用いられる。
3価以上のカルボン酸成分としては、トリメリット酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸、それらの酸無水物及びそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、縮合反応性が良好であるという観点から、トリメリット酸が好ましい。
また、3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。
その他のモノマー成分は特に限定されず、公知のアルコール成分と、カルボン酸、カルボン酸無水物、カルボン酸エステル等のカルボン酸成分がいずれも用いられる。
その他のカルボン酸成分としては2価のカルボン酸を用いることができ、具体的には、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、アゼライン酸、コハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸等のジカルボン酸、ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸、それらの酸無水物及びそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。上記カルボン酸は、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、その他のアルコール成分としては、2価のアルコールが用いられ、具体的には、ポリオキシプロピレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、水素添加ビスフェノールA、エチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、又はそれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられる。上記アルコールは、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の電子写真用トナーにおける結着樹脂においては、架橋構造を有効に形成する観点から、ポリエステルの原料モノマーとしてのカルボン酸成分中の3価以上のカルボン酸の割合が1重量%以上であることが好ましく、2重量%以上がより好ましく、3重量%以上がさらに好ましい。また、上記割合は80重量%以下であることが好ましく、50重量%以下がより好ましく、40重量%以下がさらに好ましい。従って、ポリエステル中の3価以上のカルボン酸に由来する構成単位の割合も、上記カルボン酸成分中の3価以上のカルボン酸の割合に相当するものとなる。
ポリエステルは、例えば、アルコール成分とカルボン酸成分とを不活性ガス雰囲気中にて、必要に応じエステル化触媒を用いて、180〜250℃程度の温度で縮重合することにより製造することができる。
エステル化触媒としては、酸化ジブチル錫、ジオクチル酸錫等の錫化合物やチタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート等のチタン化合物等のエステル化触媒を使用することができる。エステル化触媒の使用量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.6重量部がより好ましい。
これらのポリエステルは、結着樹脂中、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明において、ポリエステルには、変性されていないポリエステルのみならず、実質的にその特性を損なわない程度に変性されたポリエステルも含まれるが、本発明においては、変性されていないポリエステルであることが好ましい。変性されたポリエステルとしては、例えば、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステルや、ポリエステルユニットを含む2種以上の樹脂ユニットを有する複合樹脂が挙げられる。
トナーの耐熱保存性の観点から、ポリエステルの軟化点は70〜165℃が好ましく、ガラス転移点は50〜85℃が好ましい。また、ポリエステルは、酸基を有するものであることが好ましく、酸価は、乳化する際の製造性の観点から、6〜35mgKOH/gが好ましく、10〜35mgKOH/gがより好ましく、15〜35mgKOH/gがさらに好ましい。軟化点や酸価は縮重合の温度、反応時間等を調節することにより所望のものを得ることができる。
トナーの耐久性の観点から、ポリエステルの数平均分子量は1,000〜50,000が好ましく、1,000〜10,000がより好ましく、2,000〜8,000が更に好ましい。
尚、結着樹脂が複数の樹脂を含有する場合には、前記結着樹脂の軟化点、ガラス転移点、酸価及び数平均分子量は、各結着樹脂の混合物としての各値を意味し、各々の値は上記ポリエステルの値と同様の値であることが好ましい。
さらに、上記結着樹脂としては、トナーの定着性及び耐久性の観点から、軟化点が異なる2種類のポリエステルを含有することができ、一方のポリエステル(イ)の軟化点は70以上115℃未満が好ましく、他方のポリエステル(ロ)の軟化点のポリエステルの軟化点は115℃以上165℃以下が好ましい。ポリエステル(イ)とポリエステル(ロ)の重量比(イ/ロ)は、10/90〜90/10が好ましく、50/50〜90/10がより好ましい。
離型剤
工程(1)に用いられる離型剤としては、例えば固形のパラフィンワックス、マイクロワックス、ライスワックス、脂肪酸アミド系ワックス、脂肪酸系ワックス、脂肪族モノケトン類、脂肪酸金属塩系ワックス、脂肪酸エステル系ワックス、部分ケン化脂肪酸エステル系ワックス、シリコーンワニス、高級アルコール、カルナウバワックスなどを挙げることができる。また、低分子量ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンなども用いることができる。上記離型剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる
これら離型剤の融点は、トナーの定着性の観点から、60〜90℃であることが好ましく、65〜90℃がさらに好ましく、この中でもトナーの低温定着性の観点からは融点が60〜90℃のパラフィンワックスが好ましく、ポリエステルとの相溶性の観点からは融点が60〜90℃のエステル系ワックスが好ましく、カルナウバワックスが更に好ましい。
なお、離型剤の融点は、示差走査熱量測定法(DSC)によって求めることができる。すなわち、数mgの試料を一定の昇温速度、例えば(10℃/min)で加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
離型剤の含有量は、結着樹脂への分散性及びトナーの定着性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、好ましくは0.5〜20重量部、より好ましくは1〜20重量部、より好ましくは1〜18重量部、さらに好ましくは1.5〜15重量部である。
トナー原料の溶融混練
工程(1)は、ポリエステルを含有する結着樹脂及び離型剤を含有するトナー原料を溶融混練する工程である。工程(1)の溶融混練工程の前に各原料を機械的に均一に混合することが好ましい。すなわち、ポリエステルを含有する結着剤樹脂及び離型剤、必要に応じて、着色剤、荷電制御剤等を含むトナー成分を機械的に混合する混合工程は、通常の攪拌翼を有する混合機等を用いて通常の条件で行なうことができ、その手段に特に制限はない。
着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤がいずれも使用できる。具体的には、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ベンガル、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等の種々の顔料やアクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、チアゾール系等の各種染料を1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましい。
荷電制御剤としては、例えば安息香酸の金属塩、サリチル酸の金属塩、アルキルサリチル酸の金属塩、カテコールの金属塩、含金属ビスアゾ染料、テトラフェニルボレート誘導体、第四級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、10重量部以下が好ましく、0.01〜5重量部がより好ましい。
以上の混合工程が終了した後、混合物を混練機に仕込んで溶融混練する。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断や帯電制御剤、離型剤の過分散を招来しないように適正な条件で行うことが必要である。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点や離型剤の融点を参考に行うべきであり、軟化点より低温過ぎると上記分子鎖の切断が激しく、高温過ぎると帯電制御剤や離型剤の分散が進まない。この点から、具体的には、溶融混練の加熱温度は、好ましくは70〜200℃、更に好ましくは80〜200℃である。
上記溶融混練を行うための溶融混練機としては、一軸、二軸の連続混練機や、ロールミルによるバッチ式混練機、オープンロール型混練機を用いることができ、好ましくは、二軸型連続混練機、ロールミル型バッチ式混練機、及びオープンロール型混練機のいずれかである。例えば、神戸製鋼所社製KTK型2軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイ・シー・ケイ社製2軸押出機、ブス社製コニーダー、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機、オープンロール型連続混練機等が好適に用いられる。これらの中では、離型剤の分散性の観点から、二軸押出機、オープンロール型混練機が好ましく、オープンロール型混練機がより好ましい。二軸押出機としては、池貝鉄工所社製PCM型2軸押出機が好ましく、オープンロール型混練機としては、三井鉱山社製オープンロール型混練機が好ましい。
オープンロール型混練機とは、少なくとも2本のロールを備え、溶融混練部がオープン型であるものをいい、本発明においては、少なくとも加熱ロールと冷却ロールとの2本のロールを備えた混練機を用いることが好ましい。かかるオープンロール型混練機は、溶融混練の際に発生する混練熱を容易に放熱することができる。また、オープンロール型混練機は、生産効率の観点から、連続式であるのが好ましい。
さらに、前記オープンロール型混練機において、2本のロールは並行に近接して配設されており、ロールの間隙は、0.01〜5mmが好ましく、0.05〜2mmがより好ましい。また、ロールの構造、大きさ、材料等は特に限定されず、ロール表面も、平滑、波型、凸凹型等のいずれであってもよい。
ロールの回転数、即ち周速度は、2〜100m/minであることが好ましい。冷却ロールの周速度は2〜100m/minが好ましく、10〜60m/minがさらに好ましく、15〜50m/minが特に好ましい。また、2本のロールは、互いに周速度が異なっていることが好ましく、2本のロールの周速度の比(冷却ロール/加熱ロール)は、1/10〜9/10が好ましく、3/10〜8/10がより好ましい。
混練物が加熱ロールに張りつきやすくするために、加熱ロールの温度は結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも高く、冷却ロールの温度は結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも低く調整されているのが好ましい。具体的には、加熱ロールの温度は80〜200℃が好ましく、冷却ロールの温度は20〜140℃が好ましい。
加熱ロールと冷却ロールの温度の差は、60〜150℃が好ましく、80〜120℃がより好ましい。
なお、ロールの温度は、例えば、ロール内部に通す熱媒体の温度により調整することができ、各ロールには、ロール内部を2以上に分割して温度の異なる熱媒体を通じてもよい。
加熱ロール、特に原料投入側の温度は、結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも高いことが好ましく、そのいずれか高い方の温度よりも0〜80℃高いことがより好ましく、5〜50℃高いことが更に好ましい。また、冷却ロールの温度は、結着樹脂の軟化点及び離型剤の融点のいずれの温度よりも低いことが好ましく、そのいずれかの低い方の温度よりも、0〜80℃低いことがより好ましく、40〜80℃低いことが特に好ましい。
(工程2)
工程(2)は、工程(I)で得られた溶融混練物を、水性媒体中において乳化する工程である。
水性媒体
結着樹脂(樹脂ともいう)を乳化させる水性媒体は水を主成分とするものである。環境性の観点から、水性媒体中の水の含有量は80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がより好ましく、100重量%がさらに好ましい。
水以外の成分としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系有機溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等の水に溶解する有機溶媒が挙げられる。これらのなかでは、トナーへの混入を防止する観点から、樹脂を溶解しない有機溶媒であるアルコール系有機溶媒が使用できる。本発明では、実質的に有機溶剤を用いることなく、水のみを用いて結着樹脂を微粒化させることが好ましい。
乳化処理
本発明においては、工程(I)で得られた溶融混練物を乳化させるに際して、結着樹脂の乳化安定性の向上などの観点から、結着樹脂100重量部に対して好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、より好ましくは0.1〜3重量部、更に好ましくは0.5〜2重量部の界面活性剤を存在させることが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン性界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤などが挙げられる。これらの中でも、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等のイオン性界面活性剤が好ましい。非イオン性界面活性剤は、アニオン性界面活性剤又はカチオン性界面活性剤と併用されるのが好ましい。前記界面活性剤は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記アニオン性界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルエーテル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの中でもドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが好ましい。
また、前記カチオン性界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類あるいはポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル類、ポリエチレングルコールモノラウレート、ポリチレングリコ−ルモノステアレート等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、オキシエチレン/オキシプロピレンブロックコポリマー等が挙げられる。
乳化工程においては、結着樹脂にアルカリ水溶液を加え、結着樹脂及び必要に応じて用いられる他の添加剤を分散させることが好ましい。
前記アルカリ水溶液は1〜20重量%の濃度のものが好ましく、1〜10重量%の濃度のものがより好ましく、1.5〜7.5重量%の濃度のものが更に好ましい。用いるアルカリについては、ポリエステルが塩になったときその乳化性能を高めるようなアルカリを用いることが好ましい。具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの1価のアルカリ金属の水酸化物などが挙げられる。
アルカリ水溶液中に結着樹脂及び必要に応じて用いられる他の添加剤を分散後、ポリエステルが酸基を有する場合には、結着樹脂のガラス転移点以上の温度で中和し後、ガラス転移点以上の温度で水系媒体を添加することによって、乳化させて、乳化液(離型剤含有樹脂乳化液ともいう)を製造することができる。
上記水系媒体の添加速度は、乳化を効果的に実施し得る点から、樹脂100g当たり好ましくは0.1〜50g/min、より好ましくは0.5〜40g/min、さらに好ましくは1〜30g/minである。この添加速度は、一般にO/W型の乳化液を実質的に形成するまで維持すればよく、O/W型の乳化液を形成した後の水の添加速度に特に制限はない。
当該離型剤含有樹脂乳化液の製造に用いる水系媒体としては、前述の水系媒体と同じものを挙げることができ、好ましくは、脱イオン水又は蒸留水である。
水系媒体の量は、後の凝集処理で均一な凝集粒子を得る観点から、結着樹脂100重量部に対して100〜2,000重量部が好ましく、150〜1,500重量部がより好ましい。得られる離型剤含有樹脂乳化液の安定性と取扱い性などの観点から、離型剤含有樹脂乳化液の固形分濃度は、好ましくは7〜50重量%、より好ましくは7〜40重量%、さらに好ましくは10〜30重量%になるように水系媒体の量を選定する。なお、固形分には樹脂、非イオン性界面活性剤などの不揮発性成分が含まれる。
また、この際の温度は、微細な離型剤含有樹脂乳化液を調製する観点から、結着樹脂のガラス転移点以上かつ軟化点以下の範囲が好ましい。乳化を前記範囲の温度で行うことにより、乳化がスムーズに行われ、また加熱に特別の装置を必要としない。この点から、上記温度は、結着樹脂の(ガラス転移点+10℃)(「ガラス転移点より10℃高い温度」の温度を意味する、以下同様の表記は同様に解する)以上であることが好ましく、また、(軟化点−5)℃以下であることが好ましい。
このようにして得られた離型剤含有樹脂乳化液における乳化粒子(離型剤含有樹脂粒子)の体積中位粒径(D50)は、後の凝集処理での均一な凝集を行うために、好ましくは0.02〜2μm、より好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.05〜0.6μmである。ここで「体積中位粒径(D50)」とは、体積分率で計算した累積体積頻度が粒径の小さい方から計算して50%になる粒径を意味する。
このようにして得られた溶融混練物の乳化液は、その中の乳化粒子を凝集させる以下の工程(3)に供される。
(工程3)
工程(3)は、工程(2)で得られた乳化液中の乳化粒子を凝集させる工程(凝集工程)である。凝集工程においては、凝集を効果的に行うために凝集剤を使用する。本発明においては、凝集剤として、有機系では、4級塩のカチオン性界面活性剤、ポリエチレンイミン等、無機系では、無機金属塩、無機アンモニウム塩、2価以上の金属錯体等が用いられる。無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の金属塩、及びポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどが挙げられる。
上記凝集剤のうち、高精度のトナーの粒径制御及びシャープな粒度分布を達成する観点から、1価の塩を用いることが好ましい。ここで1価の塩とは、該塩を構成する金属イオン又は陽イオンの価数が1であることを意味する。1価の塩としては、4級塩のカチオン性界面活性剤等の有機系凝集剤、無機金属塩、アンモニウム塩等の無機系凝集剤が用いられるが、本発明においては、分子量350以下の水溶性含窒素化合物が好ましく用いられる。
分子量350以下の水溶性含窒素化合物としては、例えば、ハロゲン化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、安息香酸アンモニウム、サリチル酸アンモニウム等のアンモニウム塩、テトラアルキルアンモニウムハライド等の4級アンモニウム塩等が挙げられるが、生産性の点から、硫酸アンモニウム(10重量%水溶液の25℃でのpH値、以下pH値という:5.4)、塩化アンモニウム(pH値:4.6)、臭化テトラエチルアンモニウム(pH値:5.6)、臭化テトラブチルアンモニウム(pH値:5.8)が好ましく挙げられる。
凝集剤の使用量は、トナーの帯電性、特に高温高湿環境の帯電特性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、50重量部以下が好ましく、40重量部以下がより好ましく、30重量部以下がさらに好ましい。また、凝集性の観点から、結着樹脂100重量部に対して1重量部以上が好ましく、3重量部以上がより好ましく、5重量部以上が更に好ましい。以上の点を考慮して、1価の塩の使用量は、結着樹脂100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、3〜40重量部がより好ましく、5〜30重量部が更に好ましい。
前記凝集剤の添加は、系内のpHを調整した後で、(結着樹脂のガラス転移点+20℃)以下の温度、好ましくは(ガラス転移点+10℃)以下、より好ましくは(ガラス転移点+5℃)未満の温度で行う。上記温度で行うことにより、粒度分布が狭く、均一な凝集を行うことができる。また、上記添加は、結着樹脂の(軟化点−100℃)以上で行うことが好ましく、(軟化点−90℃)以上で行うことがより好ましい。その際の系内のpHは、混合液の分散安定性と離型剤含有樹脂粒子の凝集性とを両立させる観点から、2〜10が好ましく、2〜8がより好ましく、3〜7がさらに好ましい。
凝集剤は水系媒体溶液にして添加することができる。凝集剤は一時に添加しても良いし、断続的あるいは連続的に添加してもよい。さらに、1価の塩の添加時及び添加終了後には十分な攪拌をすることが好ましい。
このようにして、乳化液中の乳化粒子を凝集させることにより、凝集粒子を調製する。
この凝集粒子は、小粒径化の観点から、その体積中位粒径(D50)が1〜10μm、より好ましくは2〜9μm、更に好ましくは2〜5μmの範囲にあることが好ましい。また粒度分布の変動係数(CV値)が30以下であることが好ましく、より好ましくは28以下、さらに好ましくは25以下である。
なお、粒度分布の変動係数(CV値)は、式
CV値=[粒子径の標準偏差(μm)/体積中位粒径(μm)]×100
で表される値である。
本発明においては、乳化粒子を凝集させた後に、界面活性剤を添加することが好ましく、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を添加することがさらに好ましい。
アルキルエーテル硫酸塩としては、下記式(1)で表わされるものが好ましい。
1−O−(CH2CH2O)pSO31 (1)
式中、R1はアルキル基を示し、凝集粒子への吸着性およびトナーへの残留性の観点から、好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数8〜15のアルキル基が挙げられる。pは0〜15の平均付加モル数を示し、粒径制御の観点から、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜5の数である。M1は1価のカチオンを示し、粒径制御の観点から、好ましくはナトリウム、カリウム、アンモニウムであり、より好ましくはナトリウム、アンモニウムである。
また、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、特に制限はないが、凝集粒子への吸着性およびトナーへの残留性の観点から、式(2)で表わされるものが好ましい。
2−Ph−SO32 (2)
式中、R2は直鎖のアルキル基を示し、式(1)のR1のうち直鎖のものと同じである。Phはフェニル基、M2は1価のカチオンである。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、硫酸ナトリウム塩が好適に用いられる。
上記界面活性剤の添加量は、凝集停止性およびトナーへの残留性の観点から、凝集粒子を構成する樹脂100重量部に対して、好ましくは0.1〜15重量部、より好ましくは0.1〜10重量部、さらに好ましくは0.1〜8重量部である。
本発明においては、離型剤等の流出を防止する、あるいはカラートナーにおいて、各色間の帯電量を同レベルにする等の観点から、凝集時に、工程(2)で得られた乳化液に含有される乳化粒子(以下、「本発明の乳化粒子」ということがある)に、他の乳化微粒子を一時に又は複数回分割して添加することができる。また逆に本発明の乳化粒子を他の乳化微粒子に対して一時に又は複数回に分割して添加して凝集させることもできる。
本発明の乳化粒子に添加される他の乳化微粒子は、特に制限はなく、例えば本発明の乳化粒子と同様にして調製することができる。
本発明においては、他の乳化微粒子は、本発明の乳化粒子と同一のものであってもよく、異なるものであってもよいが、トナーの低温定着性や耐熱保存性の観点から、好ましくは本発明の乳化粒子とは異なる乳化粒子、より好ましくは本発明の乳化粒子とは異なる結着樹脂を含有する乳化粒子(樹脂微粒子ともいう)を後から一時に又は複数回に分割して添加を行う。
この工程においては、上記他の乳化微粒子を、本発明の樹脂乳化液に前述のように凝集剤を添加して得られた凝集粒子と混合させてもよい。
本発明においては、上記他の乳化微粒子の添加時期は、特に制限はないが、生産性の観点から凝集剤の添加終了後、後述の合一工程までの間であることが好ましい。
この工程においては、本発明の乳化液を、上記他の乳化微粒子に凝集剤を添加して得られた凝集粒子と混合させてもよい。
本発明の乳化粒子と他の乳化微粒子の配合比(本発明の乳化粒子/他の乳化微粒子)は、トナーの低温定着性と耐熱保存性を両立の観点から、重量比で0.1〜2.0であることが好ましく、より好ましくは0.2〜1.5であり、更に好ましくは0.3〜1.0である。
本発明においては、前記工程(3)で得られたポリエステルを含む結着樹脂と離型剤とを含有した凝集粒子を、加熱して合一させる工程(4)に供される。
(工程4)
工程(4)は工程(3)で得られた凝集粒子を合一させる工程である。
本発明においては、前記凝集工程で得られた凝集粒子を加熱して合一させる。合一工程においては、系内の温度は凝集工程の系内の温度と同じかそれ以上であることが好ましいが,目的とするトナーの粒径、粒度分布、形状制御、及び粒子の融着性の観点から、結着樹脂のガラス転移点以上が好ましく、(軟化点+20℃)以下がより好ましく、(ガラス転移点+5℃)以上で(軟化点+15℃)以下がより好ましく、(ガラス転移点+10℃)以上で(軟化点+10℃)以下が更に好ましい。また、攪拌速度は凝集粒子が沈降しない速度であることが好ましい。
本発明において、合一工程は、例えば昇温を連続的に行うことにより、あるいは凝集かつ合一が可能な温度まで昇温後、その温度で攪拌を続けることにより、凝集工程と同時に行うこともできる。
高画質化の観点から、合一粒子の体積中位粒径(D50)は1〜10μmであることが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜8μmが更に好ましい。
得られた合一粒子は、ろ過などの固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程を経て、トナー粒子となる。ここで、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、洗浄工程においてトナー粒子表面の金属イオンを除去するため酸で洗浄を行うことが好ましい。また、添加した非イオン性界面活性剤も洗浄により完全に除去することが好ましく、非イオン性界面活性剤の曇点以下での水系溶液での洗浄が好ましい。洗浄は複数回行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナー粒子の乾燥後の水分含量は、トナーの帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、さらには1.0重量%以下に調整することが好ましい。
(工程a)
本発明においては、前記工程(2)の後に、オキサゾリン基を有する重合体を添加する工程(a)を有する。
オキサゾリン基を有する重合体(以下、「オキサゾリン基含有重合体」ということがある)としては、分子内にオキサゾリン基を複数含有するものが使用可能であり、その中でも結着樹脂が有するカルボキシル基との反応性向上の観点から、オキサゾリン基を有する高分子化合物が好ましく用いられる。オキサゾリン基含有重合体は、具体的には、オキサゾリン基を有する重合性単量体によって得ることができ、必要に応じて、オキサゾリン基を有する重合性単量体と、これと共重合可能な重合性単量体との共重合によって得ることもできる。ここで、上記オキサゾリン基を有する重合性単量体と共重合可能な重合性単量体は、オキサゾリン基を有する重合性単量体及びオキサゾリン基を有しない重合性単量体のいずれも包含することができる。
オキサゾリン基を有する重合性単量体としては、特に制限はないが、例えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5− メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2− オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2− オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2− オキサゾリン等が挙げられる。これらは1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの中でも、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンが、工業的に入手しやすいため好ましい。
オキサゾリン基を有する重合性単量体と共重合可能な重合性単量体のうち、オキサゾリン基を有しない重合性単量体としては、特に制限はないが、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸メトキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸とポリエチレングリコールとのモノエステル化物、(メタ)アクリル酸−2−アミノエチルおよびその塩、(メタ)アクリル酸のカプロラクトン変性物、(メタ)アクリル酸−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、(メタ)アクリル酸−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン等の(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸アンモニウム等の(メタ)アクリル酸塩;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル;(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N −(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のビニルエーテル;エチレン、プロピレン等のα−オレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン含有α,β−不飽和脂肪族炭化水素;スチレン、ジビニルベンゼン、α−メチルスチレン、スチレンスルホン酸ナトリウム等のα,β−不飽和芳香族炭化水素等を挙げることができる。
オキサゾリン基含有重合体中におけるオキサゾリン基の含有量は、架橋率向上の観点から、0.0001〜0.01mol/g(オキサゾリン価で、100〜10,000g/当量)であることが好ましく、より好ましくは0.0005〜0.01mol/g(オキサゾリン価で100〜2,000g/当量)である。
オキサゾリン基含有重合体として一般的な市販品としては、株式会社日本触媒製のエポクロスWSシリーズ(水溶性タイプ)、Kシリーズ(エマルションタイプ)などが使用可能である。
オキサゾリン基含有重合体は、その数平均分子量は、特に限定されないが、架橋率向上と取り扱いの利便性の観点から、500〜2,000,000であることが好ましく、1,000〜1,000,000であることがより好ましい。上記数平均分子量が500以上であれば、離型剤含有樹脂粒子との十分な架橋反応が行われ、2,000,000以下であれば、重合体の粘度が適切な値となり、取り扱いが容易になる。
本発明においてオキサゾリン基含有重合体の添加量は、使用する該重合体中におけるオキサゾリン基の含有量や重量平均分子量、結着樹脂の酸価などに基づき選択することができるが、定着温度幅の拡大の観点から、ポリエステルを含有する結着樹脂中のカルボキシル基のモル数に対する、オキサゾリン基を有する重合体中のオキサゾリン基のモル数の比(オキサゾリン基を有する重合体中のオキサゾリン基のモル数/ポリエステルを含有する結着樹脂中のカルボキシル基のモル数)が、0.01以上であることが好ましく、0.02以上がより好ましく、0.05以上がさらに好ましい。また、上記モル数は、0.8以下であることが好ましく、0.7以下がより好ましく、0.6以下がさらに好ましい。従って、ポリエステルを含有する結着樹脂中のカルボキシル基のモル数に対する、オキサゾリン基を有する重合体中のオキサゾリン基のモル数の比は、0.01〜0.8であることが好ましく、0.02〜0.7であることがより好ましく、また0.05〜0.6であることが更に好ましい。なお、ここで「結着樹脂中のカルボキシル基のモル数」とは、JIS K0070に従って、但し、測定溶媒をアセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とする条件で測定して得られる酸価に基づき計算されるものをいう。
また、オキサゾリン基含有重合体の添加量は、結着樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上が好ましく、0.1重量部以上がより好ましく、0.5重量部以上がさらに好ましく、1重量部以上が特に好ましい。また、20重量部以下が好ましく、10重量部以下がより好ましく、8重量部以下がより好ましい。
なお、上記添加の際の分散液の温度は、後述の結着樹脂とオキサゾリン基含有重合体との化学結合反応が行われる温度より低い温度であってもよいが、該化学結合反応を進行させうる温度であることが好ましい。
上記オキサゾリン基含有重合体の添加は、トナーの耐熱保存性又は定着温度幅性能の観点から、例えば、i)前記工程(2)の後で工程(3)の前、ii)工程(3)の間、iii)工程(3)の後で工程(4)の前、及びiv)工程(4)の間あるいはその後、のいずれかにおいて行うことができるが、架橋反応を効率的に行い離型剤の遊離を防止する観点から、上記i)、ii)及びiii)のいずれかの態様が好ましく、i)及びiii)のいずれかの態様がより好ましく、iii)の態様がさらに好ましい。これらの態様を2以上組み合わせて行うこともできる。
上記i)またはii)の態様においては、オキサゾリン基含有重合体と離型剤含有樹脂粒子とを水中で混合することで行うことができる。この場合、結合反応は工程(3)において徐々に進行し、工程(4)にて終了する。また、上記iii)の態様においては、凝集した粒子の外側がより多く架橋されることから、内部は柔らかく、外側が硬い粒子が形成される。なお、工程(3)で一旦凝集を行った後にオキサゾリン基含有重合体を加え、その後さらに乳化微粒子、好ましくは、樹脂微粒子を加え、カプセル化を行うこともできる。この場合、カプセル化を行った後に、さらにオキサゾリン基含有重合体を添加してもよい。更に、上記iv)の態様においても、凝集した粒子の外側がより多く架橋される傾向があり、内部は柔らかく外側が硬い粒子を形成することができ、それにより離型剤の遊離も防止される。
本発明においては、効率よく化学結合反応を行わせる観点から、工程(a)及びその後の工程が、60〜100℃の温度に加熱する工程を含むことが好ましい。
具体的には、工程(2)より後に設けられる工程(a)において、及び/又は工程(a)の終了後の工程において、その時点の工程で存在する乳化粒子、凝集粒子及び合一粒子の少なくとも1種を含む乳化液又は分散液を上記温度に加熱して、オキサゾリン基含有重合体を添加し、好ましくはさらに混合するか、あるいは、乳化粒子、凝集粒子及び合一粒子の少なくとも1種を含む乳化液又は分散液にオキサゾリン基含有重合体を添加し、系内を上記温度に加熱し、好ましくは混合することが好ましい。なお、オキサゾリン基含有重合体を工程(4)の前に添加する態様は、合一工程における加熱により上記目的を達成することができるため、生産性の観点から好ましい
加熱温度は、上記観点から、その下限値が、50℃であることが好ましく、60℃であることがより好ましい。また、その上限値は、好ましくは100℃、より好ましくは90℃、より好ましくは85℃、更に好ましくは80℃である。本発明においては、上記加熱温度は、より好ましくは60〜90℃、更に好ましくは60〜80℃である。なお、混合は、上記温度範囲で、連続的にあるいは断続的に、合計で0.5〜5時間行えばよく、より好ましくは1〜3時間行えばよい。
[電子写真用トナー]
本発明の電子写真用トナーは、上記製造方法、すなわち、(1)ポリエステルを含有する結着樹脂及び離型剤を含有するトナー原料を溶融混練する工程、(2)工程(1)で得られた溶融混練物を水系媒体中で乳化する工程、(3)工程(2)で得られた乳化液中の乳化粒子を凝集させる工程、及び(4)工程(3)で得られた凝集粒子を合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記工程(2)より後に更に、(a)オキサゾリン基を有する重合体を添加する工程を有する方法により得られる。上記工程(1)〜(4)及び工程(a)については、前述の本発明の電子写真用トナーの製造方法において述べた通りである。
本発明の電子写真用トナーの軟化点は、定着温度幅拡大の観点から、105〜200℃であることが好ましく、より好ましくは105〜180℃、さらに好ましくは105〜160℃である。また、ガラス転移点は、トナーの低温定着性と耐熱保存性の向上の観点から、30〜80℃が好ましく、40〜70℃がより好ましい。なお、トナーの軟化点及びガラス転移点の測定方法は、樹脂におけるこれらの測定方法に準ずる。
高画質化の観点から、トナーの体積中位粒径(D50)は1μm以上が好ましく、2μm以上がより好ましい。また、9μm以下が好ましく、8μm以下がより好ましく、7μm以下が更に好ましく、6μm以下が更に好ましい。トナー粒子の粒径は後述の方法で測定することができる。
また、トナーの転写性向上及び定着温度幅の拡大の観点から、トナーの円形度は0.93〜1.00が好ましく、0.94〜0.99がより好ましく、0.95〜0.99がさらに好ましい。円形度はフロー式粒子像分析装置により測定することができ、具体的にはFPIA−3000(シスメックス株式会社)により測定できる。本発明において、粒子の円形度は投影面積と等しい円の周囲長/投影像の周囲長の比で求められる値であり、粒子が球形であるほど円形度が1に近い値となる。
また、前述の凝集粒子、合一粒子及びトナー粒子のCV値は、いずれも45以下が好ましく、より好ましくは35以下、更に好ましくは30以下である。粒度分布の変動係数(CV値)は、式
CV値=[粒度分布の標準偏差(μm)/体積中位粒径(μm)]×100
で表される値であり、粒度分布のシャープさを示す指標であり、値が小さいほど粒度分布がシャープになり、画像特性に優れる結果となる。
本発明により得られたトナー粒子は、電子写真用トナーとして、あるいは外添剤として流動化剤等の助剤をトナー粒子表面に添加してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、カーボンブラック等の無機微粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
外添剤の個数平均粒子径は好ましくは4〜200nm、より好ましくは8〜100nm、さらに好ましくは8〜50nmである。外添剤の個数平均粒子径は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて求められる。
外添剤の配合量は、外添剤による処理前のトナー(トナー粒子)100重量部に対して、1〜5重量部が好ましく、1.5〜3.5重量部がより好ましい。ただし、外添剤として疎水性シリカを用いる場合は、外添剤による処理前のトナー(トナー粒子)100重量部に対して、疎水性シリカを1〜3重量部用いることで、前記所望の効果が得られる。
本発明により得られる電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
各性状値は以下の方法により測定、評価した。
[樹脂の酸価]
JIS K0070に従って測定する。但し、測定溶媒をアセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))とした。
[樹脂の軟化点及びガラス転移点]
(1)軟化点
フローテスター(島津製作所、「CFT−500D」)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出す。温度に対し、フローテスターのブランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とする。
(2)ガラス転移点
示差走査熱量計(Parkin Elmer社製 「Pyris 6 DSC」)を用いて200℃まで10℃/分で昇温し、その温度から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で測定する。吸熱の最高ピーク温度以下のベースラインの延長線と、該ピークの立ち上がり部分からピークの頂点まで最大傾斜を示す接線との交点温度をガラス転移点として読み取る。
[樹脂の数平均分子量]
以下の方法により、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより分子量分布を測定し、数平均分子量を算出する。
(1)試料溶液の調製
濃度が0.5g/100mlになるように、結着樹脂をクロロホルムに溶解させる。次いで、この溶液をポアサイズ2μmのフッ素樹脂フィルター[住友電気工業(株)製、「FP−200」]を用いて濾過して不溶解成分を除き、試料溶液とする。
(2)分子量測定
溶解液としてテトラヒドロフランを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作製した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製の2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー社製)
分析カラム:GMHLX+G3000HXL(東ソー社製)
[乳化粒子及び凝集粒子の粒径]
(1)測定装置:レーザー散乱型粒径測定機(堀場製作所製、LA−920)
(2)測定条件:測定用セルに蒸留水を加え、吸光度を適正範囲になる温度で体積中位粒径(D50)を測定する。粒度分布は、CV値(粒度分布の標準偏差/体積中位粒径(D50)×100)で示す。
[オキサゾリン基を有する重合体の数平均分子量]
下記測定装置を用い、溶解液として60mM H3PO4、50mM LiBr/特級DMFを毎分1mlの流速で流し、40℃の恒温槽中でカラムを安定させる。そこに5mg/mlの試料溶液100μlを注入して測定を行う。試料の分子量は、あらかじめ作製した検量線に基づき算出する。このときの検量線には、数種類の単分散ポリスチレン(東ソー(株)製の2.63×103、2.06×104、1.02×105、ジーエルサイエンス社製の2.10×103、7.00×103、5.04×104)を標準試料として作成したものを用いる。
測定装置:CO−8010(東ソー(株)製)
分析カラム:α−M+α−M(東ソー(株)製)
[トナーの粒径]
・測定機:コールターマルチサイザーIII(ベックマンコールター社製)
・アパチャー径:50μm
・解析ソフト:マルチサイザーIIIバージョン3.51(ベックマンコールター社製)
・電解液:アイソトンII(ベックマンコールター社製)
・分散液:エマルゲン109P(花王社製、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、HLB:13.6)を5重量%濃度となるように前記電解液に溶解させて分散液を得る。
・分散条件:前記分散液5mLに測定試料10mgを添加し、超音波分散機にて1分間分散させ、その後、電解液25mLを添加し、さらに、超音波分散機にて1分間分散させて、試料分散液を作製する。
・測定条件:前記試料分散液を前記電解液100mLに加えることにより、3万個の粒子の粒径を20秒で測定できる濃度に調整した後、3万個の粒子を測定し、その粒度分布から体積中位粒径(D50)を求める。
・粒度分布は、CV値(粒度分布の標準偏差/体積中位粒径(D50)×100)で示す。
[離型剤の融点]
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて、試料を昇温速度10℃/minで加熟したときの融解ピーク値を融点とする。
〔トナーの定着性評価〕
上質紙(富士ゼロックス社製、J紙A4サイズ)に市販のプリンタ(沖データ製、「ML5400」)を用いて画像を出力し、トナーの紙上の付着量が0.45±0.03mg/cm2となるベタ画像をA4紙の上端から5mmの余白部分を残し、50mmの長さで未定着画像のまま出力した。同プリンタに搭載されているオイルレス定着器を温度可変に改造し、温度定着速度34枚/分(A4縦方向)で定着した。得られた定着画像の定着性は以下のテープ剥離法によって評価した。
メンディングテープ(3M製Scotchメンディングテープ810 幅18mm)を長さ50mmに切り、定着した画像上の上端の余白部分に軽く貼り付けた後、500gのおもりをのせ、速さ10mm/secで1往復押し当てた。その後、貼付したテープを下端側から剥離角度180度、速さ10mm/secで剥がし、テープ貼付前後の反射画像濃度を前記測定方法に従い測定し、これから下記の式で定着率を算出した。
定着率=(テープ剥離後の画像濃度/テープ貼付前の画像濃度)×100
テープ剥離後の画像濃度がテープ貼付前の画像濃度と同じ値になった時を定着率100とし、値が小さくなるにつれ定着性が低いことを示す。定着率が90以上を定着性良好とする。
5℃刻みの定着温度の各々で上記試験を行い、コールドオフセットが発生する温度または、定着率90未満となる温度から、ホットオフセットが発生する温度まで実施する。なお、コールドオフセットとは定着温度が低い場合に、未定着画像上のトナーが充分に溶融せずに、定着ローラーにトナーが付着する現象を指し、一方、ホットオフセットとは定着温度を高温にした場合に、未定着画像上のトナーの粘弾性が低下することで、定着ローラーにトナーが付着する現象を指す。コールドオフセットまたはホットオフセットの発生は定着ローラーが一周した際に、再度、紙上にトナーが付着するか否かで判断することができ、本試験ではべた画像上端から87mmの部分にトナー付着があるか否かで判断した。ここで、ホットオフセット発生温度とは、ホットオフセットが発生し始める温度をいい、また、最低定着温度とは、コールドオフセットが発生しないか、あるいは定着率90以上となる温度のうち、その最低温度をいう。
また、最低温度とホットオフセット発生温度の差(定着温度幅)が広いほど、良好な定着性を有することを示す。
〔トナーの耐熱保存性評価〕
平板上に内径27mmφのステンレス製円筒を立て、薬包紙を円筒状に丸めて内壁面に沿って挿入した。トナー10gを円筒内に入れ、その上に20gのおもり(外径27mmφ)をのせ加重をかけた後、50℃40%RHの恒温恒湿器(ナガノ科学機械製作所LH-40)に入れ48時間保管した。48時間後におもりと円筒と薬包紙を取り外した際に、該トナーが円筒状に固まっている場合はその上に50gずつおもりを載せていき、それが崩壊するおもりの重量で耐熱保存性を評価した。おもりと円筒と薬包紙を取り外した際に、該トナーが崩れた場合は、おもり重量は0gとみなした。おもり重量から耐熱保存性を下記のように判断した。おもり重量が小さいほど、良好な耐熱保存性に優れることを示す。
A:おもり重量0g以上、50g以下
B:おもり重量50g超、100g以下
C:おもり重量100g超、400g以下
D:おもり重量400g超、
製造例1(ポリエステルAの製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン8,320g、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン80g、テレフタル酸1,592g及びジブチル錫オキサイド(エステル化触媒)32gを窒素雰囲気下、常圧(101.3kPa)下230℃で5時間反応させ、更に減圧(8.3kPa)下で反応させた。210℃に冷却し、フマル酸1,672g、ハイドロキノン8gを加え、5時間反応させた後に、更に減圧下で反応させて、ポリエステルAを得た。ポリエステルAの軟化点は110℃、ガラス転移点は66℃、酸価は24.4mgKOH/gであった。
製造例2(ポリエステルBの製造)
ポリオキシプロピレン(2.2)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン17,500g、ポリオキシエチレン(2.0)−2、2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン16,250g、テレフタル酸11,454g、ドデセニルコハク酸無水物1,608g、トリメリット酸無水物4,800g及びジブチル錫オキサイド15gを窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、窒素雰囲気下、220℃で攪拌し、ASTM D36−86に従って測定した軟化点が120℃に達するまで反応させて、ポリエステルBを得た。ポリエステルBの軟化点は122℃、ガラス転移点は65℃、酸価は21mgKOH/gであった。
製造例3(トナー混練物Aの製造)
下記成分からなる原料を、20Lヘンシェルミキサーを用いて1500r/mの攪拌回転数で3分間混合した後、オープンロール型連続混練機「ニーデックス」(三井鉱山社製)を用いて溶融混練し、得られたトナー混練物を冷却ベルトにて冷却後、2mmφのスクリーンを有するミルにて粗砕してトナー混練物Aを得た。軟化点は110℃、ガラス転移点は65℃、酸価は22.3であった。
(原料)
・ポリエステルA:4550g
・ポリエステルB:2450g
・カルナウバワックスNo.1(加藤洋行社製、融点:83℃):350g
・ECB−301(銅フタロシアニン顔料:大日精化工業社製:350g
なお、使用したオープンロール型連続混練機は、ロール外径0.14m、有効ロール長0.8mのものであり、運転条件は、加熱ロール(前ロール)の回転速度は33m/min、冷却ロール(後ロール)の回転速度22m/min、ロール間隙は0.1mmであった。また、ロール内の加熱及び冷却媒体温度は、加熱ロールの原料投入側の温度を150℃、混練物排出側の温度を130℃、冷却ロールの原料投入側の温度を35℃及び混練物排出側の温度を30℃に設定した。原料混合物の供給速度は5kg/時、平均滞留時間は約5分間であった。
製造例4(トナー混練物Bの製造)
トナー混練物Aの製造において、カルナウバワックスをパラフィンワックスHNP−9(日本精鑞株式会社製、融点78℃)に変更した以外は製造例3と同様にして、トナー混練物Bを得た。軟化点は107℃、ガラス転移点は66℃であった。
製造例5(トナー混練物Cの製造)
トナー混練物Aの製造において、カルナウバワックスをエステルワックスWEP−3(日油株式会社製、融点83℃)に変更した以外は製造例3と同様にして、トナー混練物Cを得た。軟化点は106℃、ガラス転移点は67℃であった。
製造例6(離型剤含有樹脂乳化液Aの製造)
5リットル容のステンレス釜に、トナー混練物A 330g、非イオン性界面活性剤(花王社製「エマルゲン430」ポリオキシエチレン(26mol)オレイルエーテル)を3.0g、アニオン性界面活性剤(花王社製「ネオペレックスG−15」ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム15重量%水溶液)を20.0g、水酸化カリウム水溶液(中和剤、濃度:5重量%)139g(混練物を100%中和する量)を仕込み、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、95℃で2時間溶融させた。次に、カイ型の攪拌機で200rpmの攪拌下、計571gの脱イオン水を3g/minの速度で滴下し、樹脂分散液を作製した。最後に、室温まで冷却し200メッシュ(目開き:105μm)の金網を通して、樹脂分29重量%を含有する微粒化した樹脂微粒子の乳化液を得た。一次粒子の体積中位粒径(D50)は0.163μm、粒度分布の変動係数(CV値)は28であり、金網上には何も残らなかった。ここにイオン交換水を加え、樹脂分23重量%に調整して離型剤含有樹脂乳化液Aを得た。
製造例7及び8(離型剤含有樹脂乳化液B及びCの製造)
製造例6において、使用するトナー混練物Aを、トナー混練物B及びCの各々に代えた以外は同様にして、それぞれに対応する離型剤含有樹脂乳化液B及びCを得た。
実施例1
離型剤含有樹脂乳化液A 360gを2リットル容の容器で室温下混合した。次に、カイ型の攪拌機で100rpmの攪拌下、凝集剤として9.8重量%硫酸アンモニウム水溶液194.5gを添加し、さらに室温で60分間攪拌した。その後、混合分散液を室温から55℃まで昇温し(昇温速度0.25℃/min)、55℃で5時間保持することで、体積中位粒径(D50)5.0μmの凝集粒子を含有する凝集粒子分散液を作製した。
55℃に保持された凝集粒子分散液に、エポクロスWS−700(オキサゾリン基含有重合体、株式会社日本触媒製)4.0g(離型剤含有樹脂乳化液中のポリエステルのカルボキシル基に対して、0.125倍)添加し、15分間攪拌した。
次に、2.8重量%アニオン性界面活性剤(花王社製「エマールE27C」)水溶液173gを添加し、80℃まで昇温(昇温速度0.25℃/min)した後、1時間保持して合一粒子を得た。得られた合一粒子を室温まで冷却後、吸引ろ過工程、洗浄工程および乾燥工程を経てトナー粒子を得た。
このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル社製;RY50、数平均粒径;0.04μm)2.5部、疎水性シリカ(キャボット社製;キャボシールTS720、数平均粒径;0.012μm)1.0部をヘンシェルミキサーで外添し、150メッシュの篩いを通過した微粒子をシアントナーとした。トナーの体積中位粒径は5.1μm、CV値26であった。得られたトナーについて、定着性、耐熱保存性を評価した。結果を表1に示す。
実施例2
離型剤含有樹脂乳化液A 360g、エポクロスWS−700(オキサゾリン基含有重合体、株式会社日本触媒製)4.0g(離型剤含有樹脂乳化液中のポリエステルのカルボキシル基に対して、0.125倍)を2リットル容の容器で室温下混合した。次に、カイ型の攪拌機で100rpmの攪拌下、凝集剤として9.8重量%硫酸アンモニウム水溶液194.5gを添加し、さらに室温で60分間攪拌した。その後、混合分散液を室温から55℃まで昇温し(昇温速度0.25℃/min)、55℃で5時間保持することで、体積中位粒径(D50)5.1μmの凝集粒子を作製した。
次に、2.8重量%アニオン性界面活性剤(花王社製「エマールE27C」)水溶液173gを添加し、80℃まで昇温(昇温速度0.25℃/min)した後、1時間保持して合一粒子を得た。得られた合一粒子を室温まで冷却後、吸引ろ過工程、洗浄工程および乾燥工程を経てトナー粒子を得た。
このトナー粒子100重量部に対して、疎水性シリカ(日本アエロジル社製;RY50、数平均粒径;0.04μm)2.5部、疎水性シリカ(キャボット社製;キャボシールTS720、数平均粒径;0.012μm)1.0部をヘンシェルミキサーで外添し、150メッシュの篩いを通過した微粒子をシアントナーとした。トナーの体積中位粒径は5.9μm、CV値26であった。得られたトナーについて、定着性、耐熱保存性を評価した。結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、離型剤含有樹脂乳化液Aに代えて離型剤含有樹脂乳化液Bを用いた以外は同様にしてシアントナーを作製した。得られたトナーについて、定着性、耐熱保存性を評価した。結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、離型剤含有樹脂乳化液Aに代えて離型剤含有樹脂乳化液Cを用いた以外は同様にしてシアントナーを作製した。得られたトナーについて、定着性、耐熱保存性を評価した。結果を表1に示す。
比較例1
実施例1においてオキサゾリン基含有化合物を添加しない以外は同様にしてシアントナーを作製した。得られたトナーについて、定着性、耐熱保存性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005097568
本発明の製造方法により得られるトナーは、離型剤を用いた場合でも定着性及び耐熱保存性に優れたものであり、電子写真法、静電記録法、静電印刷法などに使用される電子写真用トナーに好適に用いることができる。

Claims (5)

  1. (1)ポリエステルを含有する結着樹脂及び離型剤を含有するトナー原料を溶融混練する工程、
    (2)工程(1)で得られた溶融混練物を水系媒体中で乳化する工程、
    (3)工程(2)で得られた乳化液中の乳化粒子を凝集させる工程、及び
    (4)工程(3)で得られた凝集粒子を合一させる工程、
    を有する電子写真用トナーの製造方法であって、前記工程(2)より後に更に、オキサゾリン基を有する重合体を添加する工程(a)を有する電子写真用トナーの製造方法。
  2. 工程(a)及びその後の工程が、60〜100℃の温度に加熱する工程を含む、請求項1記載の電子写真用トナーの製造方法。
  3. ポリエステルを含有する結着樹脂中のカルボキシル基のモル数に対する、オキサゾリン基を有する重合体中のオキサゾリン基のモル数の比が、0.01〜0.8である、請求項1又は2に記載の電子写真用トナーの製造方法。
  4. 工程(1)が、溶融混練を、オープンロール型混練機、二軸型連続混練機、及びロールミル型バッチ式混練機のいずれかを用いて行う工程を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真用トナーの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られる電子写真用トナー。
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