JP2014191081A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性に優れる静電荷像現像用トナーの提供。
【解決手段】アルコール成分由来の残基とカルボン酸成分由来の残基とを含み、前記カルボン酸成分由来の残基の少なくとも一部が下記構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基であり、前記アルコール成分由来の残基及び前記カルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下である非晶性ポリエステル樹脂と、結晶性樹脂と、を含有する静電荷像現像用トナー。

(構造式(1)中、Aは、単結合又は2価の連結基を表す。Y及びYは各々独立に、塩素原子、水酸基、−OR、−OCOR、−OCOOR又は−OSORを表す。Rは、アルキル基又はアリール基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法に関する。
電子写真法のように、静電荷像を形成し、これを現像する工程を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。この方法による画像の形成は、感光体(潜像保持体)表面を全体に帯電させた後、この感光体表面に、画像情報に応じたレーザ光により露光して静電荷像を形成し、次いでこの静電荷像を、トナーを含む現像剤で現像してトナー像を形成し、最後にこのトナー像を記録媒体上に転写・定着することにより行われる。
天然由来の新規な素材として、デヒドロアビエチン酸に由来する骨格を主鎖に含む繰り返し単位を有し、ガラス転移温度が80℃以下であるデヒドロアビエチン酸由来の重合体が開示され、それを用いたトナーについても開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、天然物であるロジン由来の原料を用いることができ、高耐熱性且つ高耐湿耐水性を有する新規なデヒドロアビエチン酸重合体として、デヒドロアビエチン酸に由来するデヒドロアビエチン酸骨格を含む繰り返し単位を有するデヒドロアビエチン酸重合体が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
また、耐刷時においても高い転写性及び帯電量を保持することができ、高品質な画像が得られるトナーを提供するため、結着樹脂及び着色剤を含有してなるトナーであって、前記結着樹脂が、アルコール成分と、ロジン化合物をアルコール成分及びカルボン酸成分の総量中、5重量%以上含有したカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステルを含有してなり、トナー中のアビエチン酸の含有量が1重量%以下であるトナーが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
また、バイオマスへの貢献が大きく、所望の品質を満足できるトナーを提供するため、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含有してなり、放射性炭素同位体14C濃度が10.8pMC以上であることを特徴とするトナーが開示されている(例えば、特許文献4参照)。
また、良好な耐衝撃強度及び耐湿耐水性を有するデヒドロアビエチン酸重合体として、特定の骨格を繰り返し単位として有するデヒドロアビエチン酸重合体が開示されている(例えば、特許文献5参照)。
特開2012−107175号公報 特開2011−026569号公報 特開2009−098535号公報 特開2009−288739号公報 特開2011−162635号公報
本発明は、低温定着性に優れる静電荷像現像用トナーを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は以下の通りである。
即ち、請求項1に係る発明は、
アルコール成分由来の残基とカルボン酸成分由来の残基とを含み、前記カルボン酸成分由来の残基の少なくとも一部が下記構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基であり、前記アルコール成分由来の残基及び前記カルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下である非晶性ポリエステル樹脂と、
結晶性樹脂と、
を含有する静電荷像現像用トナーである。
(構造式(1)中、Aは、単結合又は2価の連結基を表す。Y及びYは各々独立に、塩素原子、水酸基、−OR、−OCOR、−OCOOR又は−OSORを表す。Rは、アルキル基又はアリール基を表す。)
請求項2に係る発明は、
前記非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が2.5以上18以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナーである。
請求項3に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤である。
請求項4に係る発明は、
請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収納し、
画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジである。
請求項5に係る発明は、
請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を収納し、潜像保持体の表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジである。
請求項6に係る発明は、
潜像保持体と、
前記潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を収納し、該静電荷像現像用現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、
を備える画像形成装置である。
請求項7に係る発明は、
潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、
を有する画像形成方法である。
請求項1又は請求項2に係る発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂が特定の構造式で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基を含まないか、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下の範囲外であるか又は結晶性樹脂を含有しない場合に比較して、低温定着性に優れる静電荷像現像用トナーが提供される。
請求項3に係る発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂が特定の構造式で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基を含まないか、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下の範囲外であるか又は結晶性樹脂を含有しない場合に比較して、低温定着性に優れる静電荷像現像用現像剤が提供される。
請求項4に係る発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂が特定の構造式で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基を含まないか、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下の範囲外であるか又は結晶性樹脂を含有しない場合に比較して、低温定着性に優れる静電荷像現像用トナーを収納するトナーカートリッジが提供される。
請求項5に係る発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂が特定の構造式で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基を含まないか、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下の範囲外であるか又は結晶性樹脂を含有しない場合に比較して、低温定着性に優れる静電荷像現像用現像剤の取り扱いを容易にし、種々の構成の画像形成装置への適応性を高められる。
請求項6に係る発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂が特定の構造式で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基を含まないか、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下の範囲外であるか又は結晶性樹脂を含有しない場合に比較して、低温定着性に優れる静電荷像現像用現像剤を用いた画像形成装置が提供される。
請求項7に係る発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂が特定の構造式で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基を含まないか、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下の範囲外であるか又は結晶性樹脂を含有しない場合に比較して、低温定着性に優れる静電荷像現像用現像剤を用いた画像形成方法が提供される。
本実施形態のトナーの製造に用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。 本実施形態の画像形成装置の一例を示す概略構成図である。 本実施形態のプロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。
以下、本発明の静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置及び画像形成方法の実施形態について詳細に説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態の静電荷像現像用トナー(以下、本実施形態のトナーと称することがある)は、アルコール成分由来の残基とカルボン酸成分由来の残基とを含み、前記カルボン酸成分由来の残基の少なくとも一部が下記構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体(以下、特定の誘導体と称することがある)由来の残基であり、前記アルコール成分由来の残基及び前記カルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下である非晶性ポリエステル樹脂(以下、特定のポリエステル樹脂と称することがある)と、結晶性樹脂と、を含有する。
構造式(1)中、Aは、単結合又は2価の連結基を表す。Y及びYは各々独立に、塩素原子、水酸基、−OR、−OCOR、−OCOOR又は−OSORを表す。Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
本実施形態のトナーは、低温定着性に優れる。その理由は明確ではないが、以下のように推察される。
特定の誘導体の分子構造にはデヒドロアビエチン酸由来の分子骨格が存在する。該分子骨格に依拠して、特定の誘導体は優れた疎水性を呈する。なお、デヒドロアビエチン酸由来の分子骨格とは、具体的には下記構造を意味する。
なお、上記構造における*で示した位置において上記構造はその他の分子構造と結合する。
デヒドロアビエチン酸由来の分子骨格が優れた疎水性を呈するため、特定の誘導体の残基を含むポリエステル樹脂を含有するトナーは含水しにくく、帯電性に優れたものとなる。しかし、デヒドロアビエチン酸由来の分子骨格は分子量が大きく剛直であるため、特定の誘導体の残基を含むポリエステル樹脂に占めるデヒドロアビエチン酸由来の分子骨格の体積分率が大きく、特定の誘導体の残基を含むポリエステル樹脂は樹脂自体が嵩高く、柔軟性のない剛直な構造となりやすい。
一方、トナーの低温定着性を実現するには、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂等の結晶性樹脂とがトナー定着の際に相溶することが重要となる。非晶性ポリエステル樹脂と結晶性樹脂とが相溶することでトナーの溶融粘度が低下し低温定着性が実現される。ここで、トナー中において非晶性ポリエステル樹脂と結晶性樹脂とは海島構造をしており、非晶性ポリエステル樹脂中に結晶性樹脂の粒子(ドメイン)が分散した状態となっている。トナー定着の際に非晶性ポリエステル樹脂と結晶性樹脂とを効率的に相溶させるには、トナー中における結晶性樹脂のドメインを小さくすることが重要である。
特定の誘導体の残基を含むポリエステル樹脂は上述のように嵩高く剛直な構造となりやすいため柔軟性に欠け、特定の誘導体の残基を含むポリエステル樹脂の間に分散する結晶性樹脂のドメインは大きくなりやすいと推察される。その結果、トナー定着の際の低温定着性が悪化すると推察される。
本実施形態においては、特定のポリエステル樹脂におけるアルコール成分由来の残基及びカルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合を特定の範囲とした。そのため、特定のポリエステル樹脂中に架橋構造が導入され、特定のポリエステル樹脂の樹脂鎖が網目状とされて樹脂鎖の間隔が小さくされた。その結果、特定のポリエステル樹脂中に分散する結晶性樹脂のドメインが小さくなり、トナー定着の際の低温定着性が向上すると推察される。
特に、本実施形態のトナーはプロセススピードが400mm/s以上の高速条件での低温定着にも有効である。
本実施形態のトナーは、特定のポリエステル樹脂と結晶性樹脂とを含有して構成される。本実施形態のトナーは、必要に応じて着色剤、離型剤その他の添加剤を含有してもよい。また、本実施形態のトナーは、特定のポリエステル樹脂と結晶性樹脂とを含有するトナー粒子に、無機粒子等の外添剤が添加された構成とされてもよい。
以下に、本実施形態のトナーを構成する各成分について説明する。
−特定のポリエステル樹脂−
本実施形態で用いられる特定のポリエステル樹脂は、アルコール成分由来の残基とカルボン酸成分由来の残基とを含み、前記カルボン酸成分由来の残基の少なくとも一部が下記構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基であり、前記アルコール成分由来の残基及び前記カルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下とされたものである。
特定のポリエステル樹脂に係るアルコール成分由来の残基及びカルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%未満であると、低温定着性が不十分となることがある。一方、特定のポリエステル樹脂に係るアルコール成分由来の残基及びカルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が15モル%を超えると、架橋によるゲル化の問題を生ずることがある。
特定のポリエステル樹脂に係るアルコール成分由来の残基及びカルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合は、1モル%以上10モル%以下が望ましく、1モル%以上8モル%以下が更に望ましい。
構造式(1)中、Aは、単結合又は2価の連結基を表す。Y及びYは各々独立に、塩素原子、水酸基、−OR、−OCOR、−OCOOR又は−OSORを表す。Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
構造式(1)から明らかなように、特定の誘導体の構造はA基を中心としておおよそ左右対称となっている。そのため、特定の誘導体に含まれる2つの官能基(−COY及び−COY)の立体障害は同程度でありエステル化反応の反応性も同程度となる。そのため、特定の誘導体を用いたポリエステル樹脂の合成反応の反応制御は容易となる。
なお、本実施形態においてアルコール成分由来の残基とは、アルコール成分に含まれる水酸基から水素原子の除かれた残りの構造を意味し、カルボン酸成分由来の残基とは、カルボン酸成分に含まれるカルボキシル基から−OHの除かれた残りの構造を意味する。
また、本実施形態において特定の誘導体由来の残基とは、具体的には下記構造を意味する。
上記構造において、Aは構造式(1)におけるAと同義であり、望ましい範囲も同様である。
構造式(1)において、Y又はYに含まれるRで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が望ましい。
又はYに含まれるRで表されるアリール基としては、フェニル基、ベンジル基、ナフチル基等が挙げられる。これらの中でも、フェニル基が望ましい。
及びYは各々独立に、水酸基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基が望ましく、水酸基、メトキシ基、プロポキシ基が更に望ましい。
構造式(1)において、Aで表される2価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−SO−、エーテル結合、カルボニル結合又はエステル結合(−COO−若しくは−OCO−)を有していてもよいアルキレン基などが挙げられる。該アルキレン基としては、直鎖状であっても分岐鎖状であっても環状であってもよく、更に置換基を有していてもよい。Aで表されるアルキレン基の望ましい炭素数は1以上20以下であり、更に望ましくは2以上12以下である。
で表されるアルキレン基としては、−(CH−(nは1以上12以下の整数、望ましくは1以上3以下の整数、さらに望ましくは1)、−O−C2n−O−(nは2以上12以下の整数、望ましくは2以上8以下の整数、さらに望ましくは2以上4以下の整数)、−O−(C2nO)−(mは1以上6以下の整数、望ましくは1以上4以下の整数、さらに望ましくは1又は2、nは2以上6以下の整数、望ましくは2以上4以下の整数、さらに望ましくは2)、−C(=O)−C2n−C(=O)−(nは2以上10以下の整数、望ましくは3以上8以下の整数、さらに望ましくは5以上8以下の整数)、−C(=O)O−C2n−OC(=O)−(nは2以上10以下の整数、望ましくは3以上8以下の整数、さらに望ましくは5以上8以下の整数)等が挙げられる。
で示される2価の連結基として、より具体的には、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−(CH)−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−(CH12−、−(CHO(CH−、−O(CHO(CHO−、−O(CHO−、−O(CHO−、−O(CHO−、−O(CHO−、−O(CH12O−、−C(=O)(CHC(=O)−、−C(=O)(CHC(=O)−、−C(=O)(CHC(=O)−、−C(=O)(CHC(=O)−、−C(=O)(CH10C(=O)−、−C(=O)O(CHOC(=O)−、−C(=O)O(CHOC(=O)−、−C(=O)O(CHOC(=O)−、−C(=O)O(CH10OC(=O)−、−CH(−CH)−、−C(−CH−、−CH(−CHCH)−、−C(CH)(−CHCH)−、−C(−CHCH−、−CH(−CHCHCH)−、−C(−CH)(−CHCHCH)−、−C(−CHCH)(−CHCHCH)−、−C(−CHCHCH−等が挙げられる。
としては、単結合、−(CH)−、−C(=O)(CHC(=O)−、−CH(CH)−、−C(CH−が望ましく、−(CH)−、−CH(CH)−、−C(CH−が更に望ましい。
特定の誘導体としては、下記構造式(2)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体が望ましい。
構造式(2)中、Aは、単結合又は2価の連結基を表す。Y及びYは各々独立に、塩素原子、水酸基、−OR、−OCOR、−OCOOR又は−OSORを表す。Rは、アルキル基又はアリール基を表す。
構造式(2)中、A、Y及びYは、構造式(1)におけるA、Y及びYと同義であり、望ましい範囲も同様である。
構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体は、デヒドロアビエチン酸から合成されてもよい。デヒドロアビエチン酸の12位は電子密度が高く、種々の芳香族親電子置換反応を容易に受ける。すなわち、アシル化、ハロゲン化等が容易に起こるので、公知の反応により官能基変換を行うことでデヒドロアビエチン酸から構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導が合成される。
また、デヒドロアビエチン酸はロジンから定法により合成される。
特定のポリエステル樹脂に含まれるカルボン酸成分由来の残基の元となる特定の誘導体以外のカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸及び脂肪族ジカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種が用いられる。例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ダイマー酸、分岐鎖を有する炭素数1以上20以下のアルキルコハク酸、分岐鎖を有する炭素数1以上20以下のアルケニル基を有するアルケニルコハク酸等の脂肪族ジカルボン酸;それらの酸の無水物、それらの酸のアルキル(炭素数1以上3以下)エステル又はそれらの酸の塩化物(カルボン酸塩化物)等が挙げられる。これらの中では、トナーの耐久性、定着性及び着色剤の分散性の観点、及び入手容易性の観点からイソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸、コハク酸、セバシン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ドデセニルコハク酸、テトラプロペニルコハク酸等の脂肪族カルボン酸が望ましく、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、ドデセニルコハク酸が更に望ましい。
これらの芳香族ジカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸は単独で用いられても、2種以上が併用されていてもよい。
特定のポリエステル樹脂に含まれるカルボン酸成分由来の残基の元となる3価以上のカルボン酸成分としては、トリメリット酸、ピロメリット酸、クエン酸、ナフタレントリカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸やその無水物等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。3価以上の芳香族カルボン酸としては、入手容易性、反応性の観点から無水トリメリット酸が望ましい。
特定のポリエステル樹脂に含まれるカルボン酸成分由来の残基に占める、構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基の割合は、10モル%以上50モル%以下であることが望ましく、10モル%以上40モル%以下であることが更に望ましく、10モル%以上35モル%以下であることが特に望ましい。
構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基の割合を10モル%以上50モル%以下とすることで、トナーの低温定着性が更に向上する。
本実施形態におけるアルコール成分由来の残基を−(O−A−O)−と表したときのAとしては、アルキレン基又はアリーレン基が挙げられる。
で示されるアルキレン基の望ましい炭素数は1以上20以下であり、特に望ましくは2以上12以下である。Aで示されるアルキレン基は、直鎖状であっても、分岐鎖状であっても、環状であってもよく、更に置換基を有していてもよい。
で示されるアルキレン基は、分子鎖を構成する炭素原子の1つ以上が、酸素原子に置き換わった構造であってもよい。
で示されるアルキレン基として、−(CH−、−(CH−、−CHCH(CH)−、−(CH−、−(CH−、−(CH−、−(CH10−、−(CH12−、−CHCHOCHCH−、−CHCH(OCHCH−、−CHCH(OCHCH−、−CHCHOCOCHCH−、−C−、又は−CC(CH−等が挙げられる。
で示されるアリーレン基の望ましい炭素数は6以上20以下であり、特に望ましくは6以上15以下である。Aで示されるアリーレン基は、単環であっても縮環であってもよく、また、更に置換基を有していてもよい。
で示されるアリーレン基として、具体的には、例えば、−C−、及び−C−C(CH−C−、等が挙げられる。
本実施形態において使用されるアルコール成分由来の残基の元となるジオール成分としては、脂肪族ジオール及びエーテル化ジフェノールが挙げられる。
脂肪族ジオールの例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブテンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−2−メチルプロパン−1,3−ジオール、2−ブチル−2−エチルプロパン−1,3−ジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル−3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロパノエート、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等が挙げられる。これら脂肪族ジオールは単独で用いても、二種以上を併用してもよい。
また、脂環状ジオールを用いてもよく、シクロヘキサンメタノールやイソソルバイド、イソイジドを挙げることができる。
また、本実施形態において、脂肪族ジオールと共に、エーテル化ジフェノールを更に用いてもよい。エーテル化ジフェノールとは、ビスフェノールAとアルキレンオキサイドを付加反応させて得られるジオールであり、該アルキレンオキサイドとしてはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドであり、該アルキレンオキサイドの平均付加モル数がビスフェノールAの1モルに対して2モル以上16モル以下であるものが望ましい。
本実施形態において使用されるジオール成分としては、望ましくは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールが挙げられ、更に望ましくはビスフェノールAプロピレンオキサイド、ビスフェノールAエチレンオキサイド、エチレングリコール、プロピレングリコールである。
特定のポリエステル樹脂に含まれるアルコール成分由来の残基の元となる3価以上のアルコール成分としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種以上を併用してもよい。3価以上のアルコール成分としては、入手容易性、反応性の観点からグリセリン、トリメチロールプロパンが望ましい
本実施形態の特定のポリエステル樹脂は、カルボン酸成分とアルコール成分とを原料として、公知慣用の製造方法によって調製される。その反応方法としては、エステル交換反応、直接エステル化反応、酸クロリド反応のいずれも適用可能である。また、加圧して反応温度を高くする方法、減圧法又は常圧下で不活性ガスを流す方法によって重縮合を促進してもよい。上記反応によっては、アンチモン、チタン、スズ、亜鉛、アルミニウム及びマンガンより選ばれる少なくとも1種の金属化合物等、公知慣用の反応触媒が用いられ、反応が促進されてもよい。これら反応触媒の添加量はカルボン酸成分とアルコール成分との総量100質量部に対して、0.01質量部以上1.5質量部以下が望ましく、0.05質量部以上1.0質量部以下がより望ましい。反応温度は180℃以上300℃以下の温度で行ってもよい。
低温定着性の観点から特定のポリエステルの軟化温度は90℃以上130℃以下が望ましく、90℃以上125℃以下がより望ましい。特定のポリエステルの軟化温度を90℃以上130℃以下とすることで、本実施形態のトナーの低温定着性が向上する。その理由は明確ではないが、特定のポリエステルの軟化温度を90℃以上130℃以下とすることで特定のポリエステル樹脂と結晶性樹脂との相溶性が向上するためと推察される。
本実施形態において樹脂の軟化温度とは、フローテスター:CFT500(島津製作所社製)を用い、ダイス細孔径0.5[mm]、加圧加重0.98[MPa]、昇温速度1[℃/min]の条件で測定した1/2降下温度(測定試料を溶融流出させたときの流出開始点から終了点の高さの1/2に相当する温度)をいう。
特定のポリエステルのガラス転移温度は、定着性、保存性、及び耐久性の観点から35℃以上80℃以下が望ましく、40℃以上70℃以下がより望ましい。軟化温度及びガラス転移温度は、原料モノマー組成、分子量、触媒量等の調整、又は反応条件の選択により容易に調整される。
本実施形態において、樹脂のガラス転移温度とは、示差走査熱量測定(Differential Scanning Calorimetry;以下、「DSC」と略記することがある)を用いて昇温速度(10℃/min)の条件で測定された値をいう。
本実施形態の特定ポリエステルの酸価は、トナーの帯電性の観点から3mgKOH/g以上30mgKOH/g以下が望ましく、9mgKOH/g以上21mgKOH/g以下が更に望ましい。酸価が30mgKOH/g以下であればトナーが含水しにくく、特に夏場環境においてトナーの帯電が悪化しにくい。酸価が3mgKOH/g以上であればトナーの帯電の悪化が防止される。
本実施形態において、樹脂の酸価とは、JIS K0070:1992に従って測定された値をいう。
トナーの耐久性、耐ホットオフセットの観点から、特定のポリエステルの重量平均分子量(Mw)は4,000以上1,000,000以下が望ましく、7,000以上300,000以下がより望ましい。特定のポリエステルの数平均分子量(Mn)は、2500以上20000以下が望ましく、3000以上15000以下がより望ましい。
また、特定のポリエステルのMwとMnとの比(Mw/Mn)は、2.0以上20未満が望ましく、2.5以上18以下が更に望ましい。Mw/Mnを2.0以上20未満とすることで、トナーの低温定着性が更に向上ずる。
本実施形態において、樹脂の分子量(重量平均分子量及び数平均分子量)とは、GPC(Gel Permeation Chromatography)により測定し、算出されたポリスチレン換算の値をいう。
なお、特定のポリエステル樹脂は、変性されたポリエステル樹脂であってもよい。変性されたポリエステル樹脂としては、特開平11−133668号公報、特開平10−239903号公報、特開平8−20636号公報等に記載の方法によりフェノール、ウレタン、エポキシ等によりグラフト化やブロック化したポリエステル樹脂が包含される。
−結晶性樹脂−
本実施形態において用いられる結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、ポリアルキレン樹脂、長鎖アルキル(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。これらの中でも、非晶性ポリエステル樹脂と組み合わせて用いることでトナーの低温定着性に有利な結晶性ポリエステル樹脂が望ましい。
本実施形態で用いる結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は保管性と低温定着性から、50℃以上100℃以下の範囲にあることが望ましく、55℃以上90℃以下の範囲にあることがより望ましく、60℃以上85℃以下の範囲にあることがさらに望ましい。融解温度が50℃以上であれば、保管トナーにブロックキングが生じないなどのトナー保管性の向上や、定着後の定着画像の保管性の向上が計られる。また、融解温度が100℃以下であれば低温定着性が向上する。
本実施形態における「結晶性ポリエステル樹脂」とは、示差走査熱量測定において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有するものを指す。
なお、上記結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られた吸熱ピークのピーク温度として求めた。
本実施形態において「結晶性ポリエステル樹脂」は、その構成成分が100%ポリエステル構造であるポリマー以外にも、ポリエステル樹脂を構成する成分と他の成分とを共に重合してなるポリマー(共重合体)も意味する。但し、後者の場合には、ポリマー(共重合体)を構成するポリエステル樹脂以外の他の構成成分が50質量%以下である。
本実施形態のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂は、例えば多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とから合成される。なお、本実施形態においては、前記結晶性ポリエステル樹脂として市販品を使用してもよいし、合成したものを使用してもよい。
多価カルボン酸成分としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、さらに、これらの無水物やこれらの低級アルキルエステルも挙げられるがこの限りではない。
3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の特定の芳香族カルボン酸、及びこれらの無水物やこれらの低級アルキルエステルなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸成分としては、前記脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分が含まれていてもよい。
これらのうち、多価カルボン酸成分としてはアジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸が望ましい。
多価アルコール成分としては、脂肪族ジオールが望ましく、主鎖部分の炭素数が7以上20以下である直鎖型脂肪族ジオールがより望ましい。脂肪族ジオールが直鎖型であれば、ポリエステル樹脂の結晶性が向上し、融解温度が上昇することがある。また、主鎖部分の炭素数が7以上であると、芳香族ジカルボン酸と縮重合させる場合、融解温度が低くなり、低温定着が容易となることがある。一方、主鎖部分の炭素数が20以下であれば実用上の材料の入手が容易となり易い。主鎖部分の炭素数としては14以下であることがより望ましい。
本実施形態のトナーに用いられる結晶性ポリエステル樹脂の合成に好適に用いられる脂肪族ジオールとしては、具体的には、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらのうち、入手容易性を考慮すると1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが望ましい。
3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
多価アルコール成分のうち、前記脂肪族ジオールの含有量が80モル%以上であることが望ましく、より望ましくは90モル%以上である。脂肪族ジオールの含有量が80モル%以上であれば、ポリエステル樹脂の結晶性が向上し、融解温度が上昇する為、耐トナーブロッキング性、及び画像保存性が向上することがある。
なお、必要に応じて酸価や水酸基価の調製等の目的で、多価カルボン酸や多価アルコールを合成の最終段階で添加してもよい。多価カルボン酸の例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、ナフタレンジカルボン酸、などの芳香族カルボン酸類;無水マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アルケニル無水コハク酸、アジピン酸などの脂肪族カルボン酸類;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸類;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等の一分子中に少なくとも3つのカルボキシル基を有する芳香族カルボン酸等が挙げられる。
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリンなどの脂肪族ジオール類;シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールAなどの脂環式ジオール類;ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物などの芳香族ジオール類等が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度を180℃以上230℃以下として行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合の際に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
重合性単量体が、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪い重合性単量体が存在する場合は、あらかじめ相溶性の悪い重合性単量体とその重合性単量体と重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
本実施形態に用いる結晶性ポリエステル樹脂の酸価は、3.0mgKOH/g以上30.0mgKOH/g以下の範囲であることが望ましく、6.0mgKOH/g以上25.0mgKOH/g以下の範囲にあることがより望ましく、8.0mgKOH/g以上20.0mgKOH/g以下の範囲にあることがさらに望ましい。
酸価が3.0mgKOH/gよりも高いと水中への分散性が向上するため、湿式製法での乳化粒子の作製が容易となる。また凝集の際における乳化粒子としての安定性が向上するため、効率的なトナーの作製が容易になる。一方、酸価が30.0mgKOH/g以下であれば、トナーとしての吸湿性が増すことがなく、トナーとしての環境影響を受けにくくなる。
また、結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、6,000以上35,000以下であることが望ましい。分子量(Mw)が、6,000以上であると、定着の際にトナーが紙等の記録媒体の表面へしみ込んで定着ムラを生じたり、定着画像の折り曲げ耐性に対する強度が低下したりすることが防止される。また、重量平均分子量(Mw)が35,000以下であれば、溶融の際の粘度が高くなりすぎないため定着に適当な粘度に至るための温度が高くなることがなく、結果として低温定着性が得られやすい。
トナー中の結晶性樹脂の含有量は、3質量%以上40質量%以下の範囲であることが望ましく、より望ましく4質量%以上35質量%以下の範囲であり、さらに望ましくは5質量%以上30質量%以下の範囲である。
以上の結晶性ポリエステル樹脂を含む結晶性樹脂は、脂肪族重合性単量体を用いて合成された結晶性ポリエステル樹脂(以下、「結晶性脂肪族ポリエステル樹脂」という場合がある)を主成分(50質量%以上)とすることが望ましい。さらにこの場合、前記結晶性脂肪族ポリエステル樹脂を構成する脂肪族重合性単量体の構成比は、60モル%以上であることが望ましく、90モル%以上であることがより望ましい。なお、脂肪族重合性単量体としては、前述の脂肪族のジオール類やジカルボン酸類が好適に用いられる。
−その他の樹脂−
本実施形態のトナーは、本実施形態の効果を損なわない範囲で、公知の結着樹脂を含有してもよい。公知の結着樹脂としては、スチレン−アクリル樹脂等のビニル系樹脂、エポキシ樹脂、特定の誘導体由来の残基を含まないポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等の樹脂が挙げられる。
これら公知の結着樹脂が併用される場合、特定のポリエステル樹脂の含有量は、本実施形態のトナーに含有される全樹脂成分中、60質量%以上が望ましく、70質量%以上がより望ましい。
−着色剤−
本実施形態のトナーは、着色剤を含んでもよい。
着色剤は、染料であっても顔料であっても構わないが、耐光性や耐水性の観点から顔料であることが望ましい。
着色剤の具体例としては、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサラート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジシンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド238、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料が使用される。
本実施形態のトナーにおける、前記着色剤の含有量としては、本実施形態のトナーに含有される全樹脂成分100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下が望ましい。
必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用したりすることも有効である。前記着色剤の種類を選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等が得られる。
−離型剤−
本実施形態のトナーは離型剤を含んでもよい。
前記離型剤の具体例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;加熱により軟化温度を有するシリコーン類;オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックスを用いることができ、より望ましくは、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル、カルボン酸エステル等のエステル系ワックスであり、さらに望ましくはカルナウバワックスである。
離型剤のトナー中の含有量は0.5質量%以上15質量%以下が望ましく、1.0質量%以上12質量%以下がより望ましい。離型剤の含有量が0.5質量%より少ないと、特にオイルレス定着において剥離不良となるおそれがある。離型剤の含有量が15質量%より多いと、トナーの流動性が悪化する等、画質および画像形成の信頼性を低下させるおそれがある。
−その他の添加剤−
本実施形態のトナーは、上記成分以外にも、更に必要に応じて内添剤、帯電制御剤、無機粉体(無機粒子)、有機粒子等の種々の成分を含有してもよい。
内添剤としては、例えば、フェライト、マグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金、またはこれら金属を含む化合物などの磁性体等が挙げられる。
無機粒子としては、種々の目的のために添加されるが、トナーにおける粘弾性調整のために添加されてもよい。この粘弾性調整により、画像光沢度や紙への染み込みが調整される。無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、又はこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独または2種以上を組み合わせて使用されるが、発色性やOHP透過性等透明性を損なわないという観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が望ましく用いられる。また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが望ましく用いられる。
−外添剤−
本実施形態のトナーは、流動性の向上などを目的として、白色の無機粉末を外添剤として含有してもよい。適当な無機粉末としては、例えば、シリカ粉末、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化硅素、窒化硅素などが挙げられるが、シリカ粉末が特に望ましい。かかる無機粉末のトナーに混合される割合は、通常、トナー100質量部に対して0.01質量部以上5質量部以下の範囲であり、望ましくは0.01質量部以上2.0質量部以下の範囲である。また、かかる無機粉末に、シリカ、チタン、樹脂粒子(ポリスチレン、PMMA、メラミン樹脂等の樹脂粒子)、アルミナ等の公知の材料を併用してもよい。また、クリーニング活剤として、ステアリン酸亜鉛に代表される高級脂肪酸の金属塩、フッ素系高分子量体の粒子粉末を添加してもよい。
−トナーの特性−
本実施形態におけるトナーの体積平均粒子径は3μm以上10μm以下の範囲であることが望ましく、より望ましくは3μm以上8μm以下の範囲であり、さらに望ましくは3μm以上7μm以下の範囲である。体積平均粒子径が3μm以上であれば、トナー流動性が向上し、各粒子の帯電性が向上しやすい。また、帯電分布が広がらないため、背景へのかぶりや現像器からのトナーこぼれ等が生じにくくなる。また3μm以上であれば、クリーニング性が困難となりにくい。体積平均粒子径が10μm以下であれば、解像度が向上するため、十分な画質が得られ、近年の高画質要求が満たされるようになる。
なお、上記体積平均粒子径の測定は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を用いて、50μmのアパーチャー径で行われる。この際、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行った。
さらに、本実施形態のトナーは、形状係数SF1が110以上140以下の範囲の球状形状であることが望ましい。形状がこの範囲の球状であることにより、転写効率、画像の緻密性が向上し、高画質な画像が形成される。
上記形状係数SF1は110以上130以下の範囲であることがより望ましい。
ここで上記形状係数SF1は、下記式(1)により求められる。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100 ・・・ 式(1)
上記式(1)中、MLはトナーの絶対最大長、Aはトナーの投影面積を各々示す。
前記SF1は、主に顕微鏡画像または走査型電子顕微鏡(SEM)画像を画像解析装置を用いて解析することによって数値化され、例えば、以下のようにして算出される。すなわち、スライドガラス表面に散布した粒子の光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、100個の粒子の最大長と投影面積を求め、上記式(1)によって計算し、その平均値を求めることにより得られる。
<トナーの製造方法>
本実施形態のトナーの製造方法は特に限定されず、公知である混練粉砕法等の乾式法や、乳化凝集法や懸濁重合法等の湿式法等によってトナー粒子を作製し、必要に応じてトナー粒子に外添剤が外添されてトナーが得られる。
〔混練粉砕法〕
混練粉砕法は、結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬して混錬物を得た後、前記混錬物を粉砕することによりトナー粒子を作製する方法である。
混練粉砕法は、より詳細には、結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する混錬工程と、前記混錬物を粉砕する粉砕工程とに分けられる。必要に応じて、混錬工程により形成された混錬物を冷却する冷却工程等、他の工程を有してもよい。
各工程について詳しく説明する。
−混錬工程−
混錬工程は、結着樹脂を含むトナー形成材料を混錬する。
混錬工程においては、トナー形成材料100質量部に対し、0.5質量部以上5質量部以下の水系媒体(例えば、蒸留水やイオン交換水等の水、アルコール類等)を添加することが望ましい。
混錬工程に用いられる混錬機としては、例えば、1軸押出し機、2軸押出し機等が挙げられる。以下、混錬機の一例として、送りスクリュー部と2箇所のニーディング部とを有する混錬機について図を用いて説明するが、これに限られるわけではない。
図1は、本実施形態のトナーの製造に用いるスクリュー押出機の一例について、スクリューの状態を説明する図である。
スクリュー押出し機11は、スクリュー(図示せず)を備えたバレル12と、バレル12にトナーの原料であるトナー形成材料を注入する注入口14と、バレル12中のトナー形成材料に水系媒体を添加するための液体添加口16と、バレル12中でトナー形成材料が混錬されて形成された混錬物を排出する排出口18と、から構成されている。
バレル12は、注入口14に近いほうから順に、注入口14から注入されたトナー形成材料をニーディング部NAに輸送する送りスクリュー部SA、トナー形成材料を第1の混錬工程により溶融混錬するためのニーディング部NA、ニーディング部NAにおいて溶融混錬されたトナー形成材料をニーディング部NBに輸送する送りスクリュー部SB、トナー形成材料を第2の混錬工程により溶融混錬し混錬物を形成するニーディング部NB、及び形成された混錬物を排出口18に輸送する送りスクリュー部SCに分かれている。
またバレル12の内部には、ブロックごとに異なる温度制御手段(図示せず)が備えられている。すなわち、ブロック12Aからブロック12Jまで、それぞれ異なる温度に制御してもよい構成となっている。なお図1は、ブロック12A及びブロック12Bの温度をt0℃に、ブロック12Cからブロック12Eの温度をt1℃に、ブロック12Fからブロック12Jの温度をt2℃に、それぞれ制御している状態を示している。そのため、ニーディング部NAのトナー形成材料はt1℃に加熱され、ニーディング部NBのトナー形成材料はt2℃に加熱される。
結着樹脂を含むトナー形成材料を、注入口14からバレル12へ供給すると、送りスクリュー部SAによりニーディング部NAへトナー形成材料が送られる。このとき、ブロック12Cの温度がt1℃に設定されているため、トナー形成材料は加熱されて溶融状態へと変化した状態で、ニーディング部NAに送り込まれる。そして、ブロック12D及びブロック12Eの温度もt1℃に設定されているため、ニーディング部NAではt1℃の温度でトナー形成材料が溶融混錬される。結着樹脂は、ニーディング部NAにおいて溶融状態となり、スクリューによりせん断を受ける。
次に、ニーディング部NAにおける混錬を経たトナー形成材料は、送りスクリュー部SBによりニーディング部NBへと送られる。
ついで、送りスクリュー部SBにおいて、液体添加口16からバレル12に水系媒体を注入することにより、トナー形成材料に水系媒体を添加する。また図1では、送りスクリュー部SBにおいて水系媒体を注入する形態を示しているが、これに限られず、ニーディング部NBにおいて水系媒体が注入されてもよく、送りスクリュー部SB及びニーディング部NBの両方において水系媒体が注入されてもよい。すなわち、水系媒体を注入する位置及び注入箇所は、必要に応じて選択される。
上記のように、液体添加口16からバレル12に水系媒体が注入されることにより、バレル12中のトナー形成材料と水系媒体とが混合し、水系媒体の蒸発潜熱によりトナー形成材料が冷却され、トナー形成材料の温度が保たれる。
最後に、ニーディング部NBにより溶融混錬されて形成された混錬物は、送りスクリュー部SCにより排出口18に輸送され、排出口18から排出される。
以上のようにして、図1に示したスクリュー押出機11を用いた混錬工程が行われる。
−冷却工程−
冷却工程は、上記混錬工程において形成された混錬物を冷却する工程であり、冷却工程では、混錬工程終了の際における混錬物の温度から4℃/sec以上の平均降温速度で40℃以下まで冷却することが望ましい。上記平均降温速度で急冷すると、混錬工程終了直後の分散状態がそのまま保たれるため望ましい。なお上記平均降温速度とは、混錬工程終了の際における混錬物の温度(例えば図1のスクリュー押出し機11を用いた場合は、t2℃)から40℃まで降温させる速度の平均値をいう。
冷却工程における冷却方法としては、具体的には、例えば、冷水又はブラインを循環させた圧延ロール及び挟み込み式冷却ベルト等を用いる方法が挙げられる。なお、前記方法により冷却を行う場合、その冷却速度は、圧延ロールの速度、ブラインの流量、混錬物の供給量、混錬物の圧延時のスラブ厚等で決定される。スラブ厚は、1mm以上3mm以下の薄さであることが望ましい。
−粉砕工程−
冷却工程により冷却された混錬物は、粉砕工程により粉砕され、粒子が形成される。粉砕工程では、例えば、機械式粉砕機、ジェット式粉砕機等が使用される。
−分級工程−
粉砕工程により得られた粒子は、必要に応じて、目的とする範囲の体積平均粒子径のトナー粒子を得るため、分級工程により分級を行ってもよい。分級工程においては、従来から使用されている遠心式分級機、慣性式分級機等が使用され、微粉(目的とする範囲の粒径よりも小さい粒子)及び粗粉(目的とする範囲の粒径よりも大きい粒子)が除去される。
−外添工程−
得られたトナー粒子は、帯電調整、流動性付与、電荷交換性付与等を目的として、既述の特定シリカ、チタニア、酸化アルミに代表される無機粉末を添加付着してもよい。これらは、例えばV型ブレンダーやヘンシェルミキサー、レディゲミキサー等によって行われ、段階を分けて付着されてもよい。
−篩分工程−
上記外添工程の後に、必要に応じて篩分工程を設けてもよい。篩分方法としては、具体的には、例えば、ジャイロシフター、振動篩分機、風力篩分機等が挙げられる。篩分することにより、外添剤の粗粉等が取り除かれ、感光体上の筋の発生、装置内のぼた汚れなどが抑制される。
〔乳化凝集法〕
乳化凝集法は、トナーを構成する原料を乳化して樹脂粒子等の原料粒子(乳化粒子)を形成して該原料粒子の凝集体(凝集粒子)を形成する凝集工程(凝集粒子分散液調製工程)と、凝集体を融合・合一させる融合・合一工程とを有してもよい。
(各原料の乳化方法)
凝集粒子分散液調製工程に用いる原料分散液を準備するために、トナーを構成する主要な材料を、水系媒体中に分散させた乳化分散液を調製する。以下、樹脂分散液や、着色剤分散液、離型剤分散液等について説明する。
−樹脂分散液−
樹脂分散液中に分散する樹脂粒子の体積平均粒子径は、0.01μm以上1μm以下であってもよく、0.03μm以上0.8μm以下であってもよく、0.03μm以上0.6μmであってもよい。
樹脂粒子の体積平均粒子径が1μmを越えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招き易くなる場合がある。一方、体積平均粒子径が上記範囲内であれば前記欠点がない上、トナー間の組成偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点で有利である。
なお、樹脂粒子等、原料分散液中に含まれる粒子の体積平均粒子径は、レーザー回析式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定される。
樹脂分散液やその他の分散液に用いられる分散媒としては、水系媒体であってもよい。
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水、アルコール類などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本実施形態においては、前記水系媒体に界面活性剤を添加混合しておいてもよい。
界面活性剤としては特に限定されるものでは無いが、例えば、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤が挙げられる。前記非イオン系界面活性剤は、前記アニオン界面活性剤又はカチオン界面活性剤と併用されてもよい。前記界面活性剤は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
なお、前記アニオン界面活性剤の具体例としては、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル硫酸ナトリウム、アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウムなどが挙げられる。また、前記カチオン界面活性剤の具体例としては、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、ジステアリルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤等のイオン性界面活性剤が挙げられる。
樹脂粒子が、ポリエステル樹脂である場合、中和によりアニオン型となり得る官能基を含有しているため自己水分散性をもっており、親水性となり得る官能基の一部又は全部が塩基で中和された、水性媒体の作用下で安定した水分散体を形成する。
ポリエステル樹脂において中和により親水性基と成り得る官能基はカルボキシル基やスルホン酸基等の酸性基である為、中和剤としては例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等の無機塩基や、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミンなどの有機塩基が挙げられる。
ポリエステル樹脂の樹脂分散液を調製する場合は、転相乳化法を利用してもよい。なお、ポリエステル樹脂以外の結着樹脂を用いて樹脂分散液を調製する場合にも転相乳化法を利用してもよい。転相乳化法とは、分散すべき樹脂を、その樹脂が可溶な疎水性有機溶剤中に溶解せしめ、有機連続相(O相)に塩基を加えて、中和したのち、水媒体(W相)を投入することによって、W/OからO/Wへの、樹脂の変換(いわゆる転相)が行われて不連続相化し、樹脂を、水媒体中に粒子状に分散安定化する方法である。
この転相乳化に用いられる有機溶剤としては例えば、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、シュウ酸ジメチル、シュウ酸ジエチル、コハク酸ジメチル、コハク酸ジエチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチル等のエステル類、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール誘導体、さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル等が例示される。これらの溶剤は単一でも、また2種以上を併用して使用してもよい。
転相乳化に用いる有機溶媒の溶媒量に関しては、樹脂の物性により所望の分散粒径を得るための溶媒量が異なるため、一概に決定することは困難である。溶媒量が少ない場合には乳化性が不十分となり、樹脂粒子の粒径の大径化や粒度分布のブロード化等が発生する場合がある。
結着樹脂を水中に分散させる場合、必要に応じて樹脂中のカルボキシル基の一部または全部を中和剤によって中和してもよい。中和剤としては、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の無機アルカリ、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノ−nプロピルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン等のアミン類等が挙げられ、これらから選ばれるところの1種または2種以上を使用してもよい。これらの中和剤を添加することによって、乳化の際のpHを中性に調節し、得られるポリエステル樹脂分散液の加水分解が防止される。
また、この転相乳化の際に分散粒子の安定化や水系媒体の増粘防止を目的として、分散剤を添加してもよい。該分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウムの等の水溶性高分子、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤、リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機化合物等が挙げられる。これらの分散剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。分散剤は、結着樹脂100質量部に対して、0.01質量部以上20質量部以下添加してもよい。
転相乳化の際の乳化温度は、有機溶剤の沸点以下でかつ、結着樹脂の溶融温度又はガラス転移温度以上であればよい。乳化温度が結着樹脂の溶融温度又はガラス転移温度未満の場合、樹脂分散液を調製することが困難となる。なお、有機溶剤の沸点以上で乳化する場合は、加圧密閉された装置で乳化を行えばよい。
樹脂分散液に含まれる樹脂粒子の含有量は通常、5質量%以上50質量%以下であってもよく、10質量%以上40質量%以下であってもよい。含有量が前記範囲外にあると、樹脂粒子の粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
また、樹脂分散液の作製は、水系媒体と樹脂とを混合した溶液に、分散機により剪断力を与えることにより行ってもよい。その際、加熱して樹脂成分の粘性を下げて粒子を形成してもよい。また分散した樹脂粒子の安定化のため、分散剤を使用してもよい。
水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水等の水;アルコール類;などが挙げられるが、水のみであることが望ましい。
また、分散剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分子;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オクタデシル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等のアニオン界面活性剤、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン界面活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド等の両性イオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等のノニオン性界面活性剤等の界面活性剤;リン酸三カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム等の無機塩;等が挙げられる。
樹脂分散液の作製に用いる分散機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。
−着色剤分散液−
着色剤分散液を調製する際の分散方法としては、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用してもよく、なんら制限されるものではない。必要に応じて、界面活性剤を使用して着色剤の水分散液を調製したり、分散剤を使用して着色剤の有機溶剤分散液を調製したりしてもよい。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いてもよい。
また、原料分散液を調製する際に、着色剤分散液は、その他の粒子を分散させた分散液と共に一度に混合してもよいし、分割して多段回で添加混合してもよい。
着色剤分散液に含まれる着色剤の含有量は通常、5質量%以上50質量%以下であってもよく10質量%以上40質量%以下であってもよい。含有量が前記範囲外にあると、着色剤粒子の粒度分布が広がり、特性が悪化する場合がある。
−離型剤分散液−
離型剤分散液は、離型剤を水中にイオン性界面活性剤等と共に分散し、離型剤の溶融温度以上に加熱し、ホモジナイザーや圧力吐出型分散機を用いて強い剪断力を印加することにより調製される。これにより、体積平均粒子径が1μm以下の離型剤粒子を分散させる。トナー中に分散させるためには、体積平均粒子径が150nm以上400nm以下程度であることが望ましい。また、離型剤分散液における分散媒としては、結着樹脂に用いる分散媒と同様のものを用いてもよい。
なお、樹脂や着色剤等を分散媒と混合して、乳化分散させる装置としては、例えば、ホモミキサー(特殊機化工業株式会社)、又はスラッシャー(三井鉱山株式会社)、キャビトロン(株式会社ユーロテック)、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社)、マントン・ゴーリンホミジナイザー(ゴーリン社)、ナノマイザー(ナノマイザー株式会社)、スタティックミキサー(ノリタケカンパニー)などの連続式乳化分散機等も利用される。
なお、目的に応じて、樹脂分散液に、離型剤、内添剤、帯電制御剤、無機粉体等の成分を分散させておいてもよい。
また、結着樹脂、着色剤、離型剤以外のその他の成分(添加剤)の分散液を調製する場合、この分散液中に分散する粒子の体積平均粒子径としては、通常1μm以下であればよく、0.01μm以上0.5μm以下であってもよい。体積平均粒子径が1μmを超えると、最終的に得られるトナーの粒径分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下を招きやすくなる場合がある。一方、体積平均粒子径が前記範囲内にあると前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中の分散が良好となり性能や信頼性のばらつきが小さくなる点で有利である。
(凝集粒子分散液調製工程)
凝集粒子分散液調製工程においては、まず得られた樹脂分散液、着色剤分散液及び離型剤分散液等を混合して混合液とし、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以下の温度で加熱して凝集させ、凝集粒子を形成する。凝集粒子の形成は、攪拌下、混合液のpHを酸性にすることによってなされる。pHとしては、2以上7以下の範囲が望ましく、2.2以上6以下の範囲がより望ましく、2.4以上5以下の範囲がさらに望ましい。この際、凝集剤を使用することも有効である。
凝集剤としては、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため特に望ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方が、より適している。
本実施形態においては、アルミニウムを含む4価の無機金属塩の重合体を用いることが狭い粒度分布を得る点から望ましい。
また、前記凝集粒子が所望の粒子径になったところで非晶性ポリエステル樹脂粒子を追添加することで、コア凝集粒子の表面を非晶性ポリエステル樹脂で被覆した構成のトナーを作製してもよい。この場合、結晶性ポリエステル樹脂が用いられた場合に、結晶性ポリエステル樹脂がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で望ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
(融合・合一工程)
融合・合一工程においては、前記凝集粒子分散液調製工程に準じた攪拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度以上の温度に加熱して凝集粒子を融合・合一させてもよい。また、非晶性ポリエステル樹脂で凝集粒子を樹脂で被覆した場合には、該非晶性ポリエステル樹脂も融合しコア凝集粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上10時間以下程度行えばよい。
融合後に冷却し、融合粒子を得る。また冷却の工程で、結晶性樹脂の溶融温度近傍(溶融温度±10℃の範囲)で冷却速度を落とす、いわゆる徐冷をすることで結晶化を促進してもよい。
融合して得た融合粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー粒子とされる。
乳化凝集法においても、混練粉砕法の場合と同様に、トナー粒子表面に流動化剤や助剤等の外添剤を添加処理してもよい。
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態の静電荷像現像用現像剤(以下、本実施形態の現像剤と称することがある)は、本実施形態のトナーを少なくとも含むものである。
本実施形態のトナーは、そのまま一成分現像剤として、又は二成分現像剤として用いられる。二成分現像剤として用いる場合にはキャリアと混合して使用される。
二成分現像剤に使用し得るキャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアが用いられる。例えば酸化鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物や、これら芯材表面に樹脂被覆層を有する樹脂被覆キャリア、磁性分散型キャリア等が挙げられる。またマトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂、マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリル系樹脂等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金、銀、銅といった金属やカーボンブラック、更に酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ等が例示されるが、これらに限定されるものではない。
またキャリアの芯材としては、鉄、ニッケル、コバルト等の磁性金属、フェライト、マグネタイト等の磁性酸化物、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、磁性材料であることが望ましい。キャリアの芯材の体積平均粒子径としては、一般的には10μm以上500μm以下の範囲であり、望ましくは30μm以上100μm以下の範囲である。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、前述の被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適性等を勘案して選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、ニーダーコーター中でキャリアの芯材と被覆層形成用溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダーコーター法等が挙げられる。
二成分現像剤における本実施形態のトナーと上記キャリアとの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100以上30:100以下程度の範囲であることが望ましく、3:100以上20:100以下程度の範囲であることがより望ましい。
<画像形成装置及び画像形成方法>
次に、本実施形態の現像剤を用いた本実施形態の画像形成装置について説明する。
本実施形態の画像形成装置は、潜像保持体と、前記潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、本実施形態の現像剤を収納し、該現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像手段と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、を備える。
本実施形態の画像形成装置により、潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、本実施形態の現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像工程と、前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、有する本実施形態の画像形成方法が実施される。
なお、この画像形成装置において、例えば前記現像手段を含む部分が、画像形成装置本体に対して着脱されるカートリッジ構造(プロセスカートリッジ)であってもよい。該プロセスカートリッジとしては、本実施形態の現像剤を収納し、潜像保持体の表面に形成された静電荷像を前記現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、画像形成装置に着脱される本実施形態のプロセスカートリッジが好適に用いられる。
以下、本実施形態の画像形成装置の一例を示すが、本実施形態はこれに限定されるわけではない。なお、図に示す主要部を説明し、その他はその説明を省略する。
図2は、4連タンデム方式のカラー画像形成装置を示す概略構成図である。図2に示す画像形成装置は、色分解された画像データに基づくイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を出力する電子写真方式の第1乃至第4の画像形成ユニット10Y、10M、10C、10K(画像形成手段)を備えている。これらの画像形成ユニット(以下、単に「ユニット」ということがある。)10Y、10M、10C、10Kは、水平方向に互いに予め定められた距離離間して並設されている。なお、これらユニット10Y、10M、10C、10Kは、画像形成装置本体に対して着脱可能なプロセスカートリッジであってもよい。
各ユニット10Y、10M、10C、10Kの図中における上方には、各ユニットを通して中間転写体としての中間転写ベルト20が延設されている。中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20内面に接する駆動ローラ22及び支持ローラ24に巻回されて設けられ、第1ユニット10Yから第4ユニット10Kに向う方向に走行されるようになっている。なお、支持ローラ24は、図示しないバネ等により駆動ローラ22から離れる方向に付勢されており、両者に巻回された中間転写ベルト20に予め定められた張力が与えられている。また、中間転写ベルト20の潜像保持体側面には、駆動ローラ22と対向して中間転写体クリーニング装置30が備えられている。
また、各ユニット10Y、10M、10C、10Kの現像装置(現像手段)4Y、4M、4C、4Kのそれぞれには、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kに収容されたイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のトナーが供給可能である。
上述した第1乃至第4ユニット10Y、10M、10C、10Kは、同等の構成を有しているため、ここでは中間転写ベルト走行方向の上流側に配設されたイエロー画像を形成する第1ユニット10Yについて代表して説明する。なお、第1ユニット10Yと同等の部分に、イエロー(Y)の代わりに、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を付した参照符号を付すことにより、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kの説明を省略する。
第1ユニット10Yは、潜像保持体として作用する感光体1Yを有している。感光体1Yの周囲には、感光体1Yの表面を予め定められた電位に帯電させる帯電ローラ2Y、帯電された表面を色分解された画像信号に基づくレーザ光線3Yによって露光して静電荷像を形成する露光装置3、静電荷像に帯電したトナーを供給して静電荷像を現像する現像装置(現像手段)4Y、現像したトナー像を中間転写ベルト20上に転写する1次転写ローラ(1次転写手段)5Y、及び1次転写後に感光体1Yの表面に残存するトナーを除去する感光体クリーニング装置(クリーニング手段)6Yが順に配設されている。
なお、1次転写ローラ5Yは、中間転写ベルト20の内側に配置され、感光体1Yに対向した位置に設けられている。更に、各1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには、1次転写バイアスを印加するバイアス電源(図示せず)がそれぞれ接続されている。各バイアス電源は、図示しない制御部による制御によって、各1次転写ローラに印加する転写バイアスを可変する。
以下、第1ユニット10Yにおいてイエロー画像を形成する動作について説明する。まず、動作に先立って、帯電ローラ2Yによって感光体1Yの表面が−600V以上−800V以下程度の電位に帯電される。
感光体1Yは、導電性(20℃における体積抵抗率:1×10−6Ωcm以下)の基体上に感光層を積層して形成されている。この感光層は、通常は高抵抗(一般の樹脂程度の抵抗)であるが、レーザ光線3Yが照射されると、レーザ光線が照射された部分の比抵抗が変化する性質を持っている。そこで、帯電した感光体1Yの表面に、図示しない制御部から送られてくるイエロー用の画像データに従って、露光装置3を介してレーザ光線3Yを出力する。レーザ光線3Yは、感光体1Yの表面の感光層に照射され、それにより、イエロー印字パターンの静電荷像が感光体1Yの表面に形成される。
静電荷像とは、帯電によって感光体1Yの表面に形成される像であり、レーザ光線3Yによって感光層の被照射部分の比抵抗が低下し、感光体1Yの表面の帯電した電荷が流れ、一方、レーザ光線3Yが照射されなかった部分の電荷が残留することによって形成される、いわゆるネガ潜像である。
このようにして感光体1Y上に形成された静電荷像は、感光体1Yの走行に従って予め定められた現像位置まで回転される。そして、この現像位置で、感光体1Y上の静電荷像が、現像装置4Yによって可視像(現像像)化される。
現像装置4Y内に収納されているイエロー現像剤は、現像装置4Yの内部で攪拌されることで摩擦帯電し、感光体1Y上に帯電した帯電荷と同極性(負極性)の電荷を有して現像剤ロール(現像剤保持体)上に保持されている。そして感光体1Yの表面が現像装置4Yを通過していくことにより、感光体1Y表面上の除電された潜像部にイエロートナーが静電的に付着し、潜像がイエロートナーによって現像される。イエローのトナー像が形成された感光体1Yは、引続き予め定められた速度で走行され、感光体1Y上に現像されたトナー像が予め定められた1次転写位置へ搬送される。
感光体1Y上のイエロートナー像が1次転写位置へ搬送されると、1次転写ローラ5Yに予め定められた1次転写バイアスが印加され、感光体1Yから1次転写ローラ5Yに向かう静電気力がトナー像に作用され、感光体1Y上のトナー像が中間転写ベルト20上に転写される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と逆極性(+)の極性であり、例えば第1ユニット10Yでは制御部(図示せず)によって+10μA程度に制御されている。
一方、感光体1Y上に残留したトナーは感光体クリーニング装置6Yで除去されて回収される。
また、第2ユニット10M以降の1次転写ローラ5M、5C、5Kに印加される1次転写バイアスも、第1ユニットに準じて制御されている。
こうして、第1ユニット10Yにてイエロートナー像の転写された中間転写ベルト20は、第2乃至第4ユニット10M、10C、10Kを通して順次搬送され、各色のトナー像が重ね合わされて重ね合わせトナー像が形成される。
第1乃至第4ユニットを通して4色のトナー像が重ね合わされた中間転写ベルト20は、中間転写ベルト20と中間転写ベルト20内面に接する支持ローラ24と中間転写ベルト20の像保持面側に配置された2次転写ローラ(2次転写手段)26とから構成された2次転写部へと至る。一方、記録紙(記録媒体)Pが供給機構を介して2次転写ローラ26と中間転写ベルト20とが圧接されている隙間に予め定められたタイミングで給紙され、予め定められた2次転写バイアスが支持ローラ24に印加される。このとき印加される転写バイアスは、トナーの極性(−)と同極性(−)の極性であり、中間転写ベルト20から記録紙Pに向かう静電気力が重ね合わせトナー像に作用され、中間転写ベルト20上の重ね合わせトナー像が記録紙P上に転写される。なお、この際の2次転写バイアスは2次転写部の抵抗を検出する抵抗検出手段(図示せず)により検出された抵抗に応じて決定されるものであり、電圧制御されている。
この後、記録紙Pは定着装置(定着手段)28へと送り込まれ重ね合わせトナー像が加熱され、色重ねしたトナー像が溶融されて、記録紙P上へ定着される。カラー画像の定着が完了した記録紙Pは、排出部へ向けて搬送ロール(排出ロール)32により搬送され、一連のカラー画像形成動作が終了される。
なお、上記例示した画像形成装置は、中間転写ベルト20を介して重ね合わせトナー像を記録紙Pに転写する構成となっているが、この構成に限定されるものではなく、感光体から直接トナー像が記録紙に転写される構造であってもよい。
<プロセスカートリッジ、トナーカートリッジ>
図3は、本実施形態の現像剤を収納するプロセスカートリッジの好適な一例を示す概略構成図である。プロセスカートリッジ200は、感光体107と共に、帯電装置108、現像装置111、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び除電露光のための開口部117を、取り付けレール116を用いて組み合わせ、そして一体化したものである。
上記プロセスカートリッジ200は、転写装置112と、定着装置115と、図示しない他の構成部分とから構成される画像形成装置本体に対して着脱自在としたものであり、画像形成装置本体と共に画像形成装置を構成するものである。なお、300は記録紙である。
図3で示すプロセスカートリッジ200では、感光体107、帯電装置108、現像装置111、感光体クリーニング装置113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117を備えているが、これら装置は選択的に組み合わせてもよい。本実施形態のプロセスカートリッジでは、現像装置111のほかには、感光体107、帯電装置108、感光体クリーニング装置(クリーニング手段)113、露光のための開口部118、及び、除電露光のための開口部117から構成される群から選択される少なくとも1種を備えてもよい。
次に、トナーカートリッジについて説明する。
トナーカートリッジは、画像形成装置に着脱可能に装着され、少なくとも、前記画像形成装置内に設けられた現像手段に供給するためのトナーを収容するトナーカートリッジにおいて、前記トナーが既述した本実施形態のトナーとしたものである。なお、トナーカートリッジには少なくともトナーが収容されればよく、画像形成装置の機構によっては、例えば現像剤が収められてもよい。
なお、図2に示す画像形成装置は、トナーカートリッジ8Y、8M、8C、8Kの着脱が可能な構成を有する画像形成装置であり、現像装置4Y、4M、4C、4Kは、各々の現像装置(色)に対応したトナーカートリッジと、図示しない現像剤供給管で接続されている。また、トナーカートリッジ内に収納されている現像剤が少なくなった場合には、このトナーカートリッジを交換する。
以下、実施例を挙げて本実施形態を具体的に説明するが、本実施形態は以下に示す実施例に限定されるものではない。なお、実施例中において「部」及び「%」は、特に断りのない限り「質量部」及び「質量%」を意味する。
〔各種物性の測定方法〕
<軟化温度の測定>
軟化温度の測定は、高化式フローテスターCFT−500(島津製作所社製)を用い、ダイスの細孔の径を0.5mm、加圧荷重を0.98MPa(10Kg/cm)、昇温速度を1℃/分とした条件下で、1cmの試料を溶融流出させたときの流出開始点から終了点の高さの1/2に相当する温度として求めた。
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
「DSC−20」(セイコー電子工業(株)製)を使用し、試料10mgを予め定められた昇温速度(10℃/min)で加熱して測定した。
<重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの測定>
装置HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー製)と、カラムTSKgel SuperHM−H (6.0mmID×15cm×2本)(東ソー製)とを用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6ml/min、サンプル注入量10μl、測定温度40℃、RI検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー(株)製「Polystyrene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
<酸価の測定>
酸価は、JIS K0070:1992に従って行い、中和滴定法を用いた測定で行った。即ち、適当量の試料を分取し、溶剤(ジエチルエーテル/エタノール混合液)100ml、及び、指示薬(フェノールフタレイン溶液)数滴を加え、水浴上で試料が溶けるまで充分に振り混ぜる。これに、0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液で滴定し、指示薬の紅色が30秒間続いた時を終点とした。酸価をA、試料量をS(g)、滴定に用いた0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液をB(ml)、fを0.1mol/l水酸化カリウムエタノール溶液のファクターとした時、A=(B×f×5.611)/Sとして算出した。
(特定の誘導体1の合成)
酢酸(100ml)に氷冷下、硫酸(30ml)を滴下した。次いで、デヒドロアビエチン酸(荒川化学工業製、30.0g)とパラホルムアルデヒド(2.1g)を25℃で加え、40℃で3時間撹拌した。反応液を1lの冷水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を洗液が中性になるまで水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。残渣にメタノール80mlを加え、白色結晶を濾取、乾燥して下記構造式で表される特定の誘導体1(19.8g)を得た。
(特定の誘導体2の合成)
デヒドロアビエチン酸(30.0g)と塩化メチレン(60ml)の混合物に、塩化オキサリル(13g)を25℃で滴下した。3時間撹拌した後、溶媒を減圧留去し、そこにメタノール16gを滴下した。25℃で3時間撹拌後、過剰のメタノールを減圧留去し、下記構造式で表される中間化合物1(31g)を得た。
次いで、中間化合物1(63g)とセバシン酸ジクロリド(25g)を塩化メチレン、500mLに溶かし、無水塩化アルミニウム(53g)を氷冷下に少量ずつ加えた。10℃以上15℃以下の範囲で2時間撹拌した後、反応液を氷水に注ぎ、酢酸エチル、500mlで抽出した。抽出液を水洗、乾燥後、酢酸エチルを減圧留去して無色液体を得た。カラムクロマトグラフィーにより精製して下記構造式で表される特定の誘導体2(4.6g)を得た。
(特定のポリエステル樹脂1の合成)
・特定の誘導体1(分子量610): 24モル%
・テレフタル酸(分子量166): 23モル%
・トリエチレングリコール(分子量116): 10モル%
・プロピレングリコール(分子量76): 40モル%
・無水トリメリット酸(分子量192): 3モル%
・テトラ−n−ブチルチタネート(東京化成工業(株)製): 上記モノマー成分の合計量に対して0.3%
無水トリメリット酸を除く上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら210℃で12時間重縮合反応させた。その後、190℃まで反応液を冷却して無水トリメリット酸を加え、195℃で2時間反応を継続させ、Mw:18000、Mn:5200、Mw/Mn=3.5、Tg58℃、軟化温度124℃、酸価13mgKOH/gの特定のポリエステル樹脂1を合成した。
(特定のポリエステル樹脂分散液1の調製)
1Lのセパラブルフラスコに酢酸エチル85部、イソプロピルアルコール15部を投入し、その後上記樹脂100部を徐々に投入して、スリーワンモーターで攪拌を施し、溶解させて油相を得た。この攪拌されている油相に10%アンモニア水溶液を合計で3部となるようにスポイトで徐々に滴下し、更にイオン交換水230部を10ml/minの速度で徐々に滴下して転相乳化させ、更にエバポレータで減圧しながら脱溶剤を実施し、特定のポリエステル樹脂1を含有する特定のポリエステル樹脂分散液1を得た。この樹脂粒子の体積平均粒径は、200nmであった。樹脂粒子濃度はイオン交換水で調製して30%とした。
(特定のポリエステル樹脂2の合成)
・特定の誘導体1(分子量610): 30モル%
・テレフタル酸(分子量166): 20モル%
・トリエチレングリコール(分子量116): 46モル%
・グリセリン(分子量92): 4モル%
・テトラ−n−ブチルチタネート(東京化成工業(株)製): 上記モノマー成分の合計量に対して0.2%
上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら210℃で7時間重縮合反応させ、Mw:21000、Mn:4300、Mw/Mn=4.9、Tg55℃、軟化温度126℃、酸価11mgKOH/gの特定のポリエステル樹脂2を合成した。
(特定のポリエステル樹脂分散液2の調製)
特定のポリエステル樹脂1を特定のポリエステル樹脂2に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が190nm、固形分量が30%の特定のポリエステル樹脂分散液2を得た。
(特定のポリエステル樹脂3の合成)
・特定の誘導体2(分子量708):10モル%
・テレフタル酸(分子量166):34モル%
・プロピレングリコール(分子量76):39モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(分子量334):15モル%
・ピロメリット酸(分子量 254)2モル%
・ジブチルスズオキサイド(和光純薬(株)製):上記モノマー成分の合計量に対して0.4%
ピロメリット酸を除く上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら210℃で10時間重縮合反応させた後、ピロメリット酸を加え更に1.5時間反応させ、Mw:26000、Mn:3800、Mw/Mn=6.8、Tg56℃、軟化温度130℃、酸価15mgKOH/gの特定のポリエステル樹脂3を合成した。
(特定のポリエステル樹脂分散液3の調製)
特定のポリエステル樹脂1を特定のポリエステル樹脂3に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が250nm、固形分量が30%の特定のポリエステル樹脂分散液3を得た。
(特定のポリエステル樹脂4の合成)
・特定の誘導体1(分子量610):15モル%
・テレフタル酸(分子量166):10モル%
・テトラプロペニルコハク酸(266):5モル%
・エチレングリコール(分子量62):25モル%
・プロピレングリコール(分子量76):30モル%
・無水トリメリット酸(分子量192):15モル%
・酢酸亜鉛2水和物(和光純薬製):上記モノマー成分の合計量に対して0.5%
無水トリメリット酸を除く上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら200℃で12時間重縮合反応させた後、無水トリメリット酸を添加して更に190℃で1時間反応させ、Mw:54000、Mn:3700、Mw/Mn=14.6、Tg56℃、軟化温度128℃、酸価16mgKOH/gの特定のポリエステル樹脂4を合成した。
(特定のポリエステル樹脂分散液4の調製)
特定のポリエステル樹脂1を特定のポリエステル樹脂4に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が300nm、固形分量が30%の特定のポリエステル樹脂分散液4を得た。
(特定のポリエステル樹脂5の合成)
・特定の誘導体1(分子量610):15モル%
・テレフタル酸(分子量166):25モル%
・トリエチレングリコール(分子量116):5モル%
・ネオペンチルグリコール(分子量104):10モル%
・プロピレングリコール(分子量76):35モル%
・無水トリメリット酸(分子量192):10モル%
・テトラ−n−ブチルチタネート(東京化成工業(株)製):上記モノマー成分の合計量に対して0.3%
無水トリメリット酸を除く上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら210℃で9時間重縮合反応させた後、無水トリメリット酸を添加して205℃で3.0時間反応させ、Mw:53000、Mn:3100、Mw/Mn=17.1、Tg59℃、軟化温度125℃、酸価11mgKOH/gの特定のポリエステル樹脂5を合成した。
(特定のポリエステル樹脂分散液5の調製)
特定のポリエステル樹脂1を特定のポリエステル樹脂5に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が150nm、固形分量が30%の特定のポリエステル樹脂分散液5を得た。
(特定のポリエステル樹脂6の合成)
・特定の誘導体1(分子量610):12モル%
・イソフタル酸(分子量166):37.5モル%
・ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物(分子量306):35モル%
・ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物(分子量334):14モル%
・無水トリメリット酸(分子量192):1.5モル%
・テトラ−n−ブチルチタネート(東京化成工業(株)製):上記モノマー成分の合計量に対して0.2%
無水トリメリット酸を除く上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら210℃で7時間重縮合反応させ、反応液を190℃まで冷却した後無水トリメリット酸を添加して1時間反応させ、Mw:12000、Mn:4900、Mw/Mn=2.4、Tg58℃、軟化温度124℃、酸価12mgKOH/gの特定のポリエステル樹脂6を合成した。
(特定のポリエステル樹脂分散液6の調製)
特定のポリエステル樹脂1を特定のポリエステル樹脂6に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が250nm、固形分量が30%の特定のポリエステル樹脂分散液6を得た。
(特定のポリエステル樹脂7の合成)
・特定の誘導体1(分子量610):10モル%
・テレフタル酸(分子量166):15モル%
・無水イタコン酸(分子量112):8モル%
・プロピレングリコール(分子量76):57モル%
・無水トリメリット酸(分子量192):10モル%
・テトラ−n−ブチルチタネート(東京化成工業(株)製):上記モノマー成分の合計量に対して0.3%
無水トリメリット酸を除く上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら210℃で8時間重縮合反応させ、反応溶液を190℃まで冷却した後無水トリメリット酸を添加して200℃で1時間反応させ、Mw:61000、Mn:3200、Mw/Mn=19.1、Tg60℃、軟化温度135℃、酸価12mgKOH/gの特定のポリエステル樹脂7を合成した。
(特定のポリエステル樹脂分散液7の調製)
特定のポリエステル樹脂1を特定のポリエステル樹脂7に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が250nm、固形分量が30%の特定のポリエステル樹脂分散液7を得た。
(その他のポリエステル樹脂8の合成)
・特定の誘導体1(分子量610):22モル%
・テレフタル酸(分子量166):28モル%
・トリエチレングリコール(分子量116):10モル%
・プロピレングリコール(分子量76):40モル%
・テトラ−n−ブチルチタネート(東京化成工業(株)製):上記モノマー成分の合計量に対して0.2%
上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら200℃で15時間重縮合反応させ、Mw:18000、Mn:3600、Mw/Mn=5.0、Tg59℃、軟化温度126℃、酸価12mgKOH/gのその他のポリエステル樹脂8を合成した。
(その他のポリエステル樹脂分散液8の調製)
特定のポリエステル樹脂1をその他のポリエステル樹脂8に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が140nm、固形分量が30%のその他のポリエステル樹脂分散液8を得た。
(その他のポリエステル樹脂9の合成)
・特定の誘導体1(分子量610):13モル%
・テレフタル酸(分子量166):13モル%
・エチレングリコール(分子量62):58モル%
・無水トリメリット酸(分子量210):16モル%
・テトラ−n−ブチルチタネート(東京化成工業(株)製):上記モノマー成分の合計量に対して0.1%
無水トリメリット酸を除く上記成分を、撹拌装置、加熱装置、温度計、分留装置、窒素ガス導入管を備えたステンレス製反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、撹拌しながら210℃で7時間重縮合反応させた後、反応液を190℃まで冷却し無水トリメリット酸を加えて190℃で0.5時間反応させ、Mw:105000、Mn:3300、Mw/Mn=31.8、Tg52℃、軟化温度145℃、酸価16mgKOH/gのその他のポリエステル樹脂9を合成した。
(その他のポリエステル樹脂分散液9の調製)
特定のポリエステル樹脂1をその他のポリエステル樹脂9に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が250nm、固形分量が30%のその他のポリエステル樹脂分散液9を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂1の合成)
加熱乾燥した三口フラスコに、デカンジカルボン酸100mol%と、オクタンジオール100mol%と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.1mol%とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、攪拌しながら180℃で5時間反応させた。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温して2時間反応させ、粘稠な状態となったところで空冷し、結晶性ポリエステル樹脂1を合成した。結晶性ポリエステル樹脂1のMw:22000、Mn:8500であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調製)
結晶性ポリエステル樹脂1を90部、イオン性界面活性剤ネオゲンRK(第一工業製薬)を1.8部、イオン交換水を210部混合し、100℃に加熱して、IKA製ウルトラタラックスT50にて分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで110℃に加温して分散処理を1時間行った。中心径200nm,固形分量30%の結晶性ポリエステル樹脂分散液1を得た。
(結晶性ポリエステル樹脂2の合成)
加熱乾燥した三口フラスコに、セバシン酸100mol%と、ヘキサンジオール100mol%と、触媒としてジブチル錫オキサイド0.1mol%とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、攪拌しながら180℃で5時間反応させた。その後、減圧下にて230℃まで徐々に昇温して2時間反応させ、粘稠な状態となったところで空冷し、結晶性ポリエステル樹脂2を合成した。結晶性ポリエステル樹脂のMw:23000、Mn:7800であった。
(結晶性ポリエステル樹脂分散液2の調製)
結晶性ポリエステル樹脂1を結晶性ポリエステル樹脂2に変更した以外は特定のポリエステル樹脂分散液1の調製と同様にして樹脂粒子のメジアン径が250nm、固形分量が20%の結晶性ポリエステル樹脂分散液2を得た。
(着色剤分散液の調製)
・シアン顔料: 50部
(大日精化工業(株)社製、銅フタロシアニン、C.I.Pigment Blue15:3)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR): 5部
・イオン交換水: 200部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックス)5分と超音波バスにより10分間分散し、中心径190nm、固形分量21.5%の着色剤分散液を得た。
(離型剤分散液の調製)
・アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製、ネオゲンR): 2部
・イオン交換水: 800部
・パラフィンワックス(HNP−9日本精鑞社製): 200部
上記成分を混合し、120℃に加熱して、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理し、体積平均粒子径170nm、固形分量20%の離型剤分散液を得た。
[実施例1]
(トナー1の製造)
・特定のポリエステル樹脂分散液1:220部
・結晶性ポリエステル樹脂分散液1:10部
・着色剤分散液:25部
・離型剤分散液:30部
上記の材料を丸型ステンレス製フラスコ中においてウルトラタラックスT50で混合・分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.20部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。加熱用オイルバスでフラスコを攪拌しながら48℃まで加熱した。48℃で60分保持した後、ここに特定のポリエステル樹脂分散液1を60部追加した。その後、0.5mol/lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.0にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて攪拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により
固液分離を施した。これを更に40℃のイオン交換水1Lに再分散し、15分300rpmで攪拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが7.5、電気伝導度7.0μS/cmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで凍結乾燥を40℃設定で24時間継続してトナー粒子を得た。
このときの粒子径をコールターカウンターにて測定したところ体積平均径D50は5.8μm、粒度分布係数GSDvは1.23であった。また、ルーゼックスによる形状観察より求めた粒子の形状係数SF1は130でポテト状であった。
このトナー粒子に外添剤として、ヘキサメチルジシラザン処理したシリカ(平均粒径
40nm)0.5%、メタチタン酸にイソブチルトリメトキシシラン50%処理後焼成して得られたチタン化合物(平均粒径30nm)0.7%を加え(何れもトナー粒子に対する質量比)、サンプルミルで10分間混合し、その後、振とう式篩分機で篩分し、トナー1を作製した。
(現像剤の作製)
得られたトナー1を用いて、以下のようにして現像剤1を作製した。
キャリアとして、ポリメチルメタアクリレート樹脂(Mw:80000、綜研化学社製)を1%被覆した平均粒子径35μmのフェライトキャリアを用い、これにトナー濃度が5%になるようにトナー1を秤量し、両者をボールミルで5分間撹拌・混合して現像剤1を作製した。
(低温定着性の評価)
得られた現像剤1を富士ゼロックス製コピー紙(J紙)上にトナー量0.9mg/cmとなるようにソリッド画像を形成し、富士ゼロックス社製DocuCentre f1100改造増速機にて、ニップ幅6.5mm、定着速度400mm/secで画像を定着し、低温定着性の評価を行なった。評価においては定着器温度を100℃から200℃まで5℃おきに変化させ、それぞれの定着温度にて定着画像を作製した後、得られた各定着画像の画像面を谷折りして折れ目部の画像のはがれ度合いを観察し、画像がはがれた結果として折れ目部に現れる用紙の幅を測定した。該幅が0.5mm以下になった定着温度をもってMFT(最低定着温度、℃)とした。
得られた結果を表1に示す。
[実施例2]
特定のポリエステル樹脂分散液1を特定のポリエステル樹脂分散液2に変更し、結晶性ポリエステル樹脂分散液1を結晶性ポリエステル樹脂分散液2に変更した以外は実施例1と同様にして、現像剤2を得た。得られた現像剤2を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[実施例3]
特定のポリエステル樹脂分散液1を特定のポリエステル樹脂分散液3に変更した以外は実施例1と同様にして、現像剤3を得た。得られた現像剤3を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[実施例4]
特定のポリエステル樹脂分散液1を特定のポリエステル樹脂分散液4に変更した以外は実施例1と同様にして、現像剤4を得た。得られた現像剤4を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[実施例5]
特定のポリエステル樹脂分散液1を特定のポリエステル樹脂分散液5に変更した以外は実施例1と同様にして、現像剤5を得た。得られた現像剤5を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[実施例6]
特定のポリエステル樹脂分散液1を特定のポリエステル樹脂分散液6に変更した以外は実施例1と同様にして、現像剤6を得た。得られた現像剤6を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[実施例7]
特定のポリエステル樹脂分散液1を特定のポリエステル樹脂分散液7に変更した以外は実施例1と同様にして、現像剤7を得た。得られた現像剤7を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[比較例1]
特定のポリエステル樹脂分散液1をその他のポリエステル樹脂分散液8に変更した以外は実施例1と同様にして、現像剤8を得た。得られた現像剤8を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[比較例2]
特定のポリエステル樹脂分散液1をその他のポリエステル樹脂分散液9に変更した以外は実施例1と同様にして、現像剤9を得た。得られた現像剤9を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[比較例3]
・特定のポリエステル樹脂分散液1:230部
・着色剤分散液:25部
・離型剤分散液:30部
初期に投入する材料として上記の材料を用いた以外は実施例1と同様にして、現像剤10を得た。得られた現像剤10を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
[実施例8]
下記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、95℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、表面粉砕方式の粉砕機で粉砕した。その後、風力式分級機(ターボクラシファイアー(TC−15N),日清エンジニアリング社製)で細粒、粗粒を分級し、その中間サイズの粒子を得る過程を3回繰り返し、体積平均粒子径7.0μmのマゼンタ色のトナー粒子を得た。得られたトナー粒子を用いた以外は実施例1と同様にして、現像剤11を得た。得られた現像剤11を用いて実施例1と同様にして低温定着性を評価した。
得られた結果を表1に示す。
・特定のポリエステル樹脂1:90部
・結晶性ポリエステル樹脂1:5部
・マゼンタ顔料(C.I.ピグメント レッド57):4部
・ワックス(HNP−9、日本精蝋社製):6部
1Y,1M,1C,1K,107 感光体(像保持体)
2Y,2M,2C,2K, 帯電ローラ
3Y,3M,3C,3K レーザ光線
3 露光装置
4Y,4M,4C,4K,111 現像装置(現像手段)
5Y,5M,5C,5K 1次転写ローラ
6Y,6M,6C,6K,113 感光体クリーニング装置(クリーニング手段)
8Y,8M,8C,8K トナーカートリッジ
10Y,10M,10C,10K ユニット
20 中間転写ベルト
22 駆動ローラ
24 支持ローラ
26 2次転写ローラ(転写手段)
28,115 定着装置(定着手段)
30 中間転写体クリーニング装置
32 搬送ロール(排出ロール)
108 帯電装置
112 転写装置
116 取り付けレール
117 除電露光のための開口部
118 露光のための開口部
200 プロセスカートリッジ,
P,300 記録紙(記録媒体)

Claims (7)

  1. アルコール成分由来の残基とカルボン酸成分由来の残基とを含み、前記カルボン酸成分由来の残基の少なくとも一部が下記構造式(1)で示されるデヒドロアビエチン酸誘導体由来の残基であり、前記アルコール成分由来の残基及び前記カルボン酸成分由来の残基の合計に占める、3価以上のアルコール成分由来の残基及び3価以上のカルボン酸成分由来の残基の合計の割合が1モル%以上15モル%以下である非晶性ポリエステル樹脂と、
    結晶性樹脂と、
    を含有する静電荷像現像用トナー。

    (構造式(1)中、Aは、単結合又は2価の連結基を表す。Y及びYは各々独立に、塩素原子、水酸基、−OR、−OCOR、−OCOOR又は−OSORを表す。Rは、アルキル基又はアリール基を表す。)
  2. 前記非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が2.5以上18以下である請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナーを収納し、
    画像形成装置に着脱されるトナーカートリッジ。
  5. 請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を収納し、潜像保持体の表面に形成された静電荷像を前記静電荷像現像用現像剤により現像してトナー像を形成する現像手段を備え、
    画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジ。
  6. 潜像保持体と、
    前記潜像保持体の表面を帯電する帯電手段と、
    前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成手段と、
    請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤を収納し、該静電荷像現像用現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着手段と、
    を備える画像形成装置。
  7. 潜像保持体の表面を帯電する帯電工程と、
    前記潜像保持体の表面に静電荷像を形成する静電荷像形成工程と、
    請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤により前記静電荷像を現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記トナー像を記録媒体に転写する転写工程と、
    前記記録媒体に前記トナー像を定着する定着工程と、
    を有する画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020177063A (ja) * 2019-04-16 2020-10-29 キヤノン株式会社 トナー

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