JP7254601B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、印刷市場への適用も始まっている。印刷市場では、幅広いメディア(紙種)に対応しながら、高速、高画質、高い生産性が要求されるようになってきている。例えば、厚紙から薄紙へ紙種が変更されても、紙種に合わせてプロセススピードや定着器の加熱設定温度を変えずに印刷を続ける、メディア等速性が求められている。メディア等速性の観点から、トナーには、低温から高温まで幅広い定着温度範囲で適正に定着を完了することが求められている。幅広い定着可能温度で定着するために、シャープメルト性を有する結晶性樹脂をトナーへ添加し、低温定着性能を向上させたトナーが種々提案されている(特許文献1)。
しかし、画像濃度100%の状態では定着していても、画像濃度が低いところでこすれによるトナーうつりが生じる場合があり(以下、擦過性とも記載する。)、単純な低温定着性だけでは良化できない場合がでてきた。また、画像濃度100%の状態であっても、爪やボールペン等の先端が鋭いもので引掻いたときに、紙からトナーがはがれる場合もあり(以下、爪擦過性とも記載する。)、高画質といった観点からも、これら擦過性および爪擦過性については、検討の余地がある。
特開2012-063559号公報
本発明の目的は、上記のような問題点を解決し、擦過性と爪擦過性とを改善できるトナーを提供することにある。
本発明によれば、非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性ポリエステル樹脂が、
ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物と
4価以上の脂肪族カルボン酸と
の縮重合物を含有し、
前記結晶性ポリエステル樹脂は、SP値が12.06以下であるトナーが提供される。
本発明によれば、上記のような問題点を解決し、擦過性と爪擦過性とを改善できるトナーを提供することができる。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明に係るトナーは、
非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該非晶性ポリエステル樹脂が、
ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物と
4価以上の脂肪族カルボン酸と
の縮重合物を含有し、
前記結晶性ポリエステル樹脂は、SP値が12.06以下である。
本発明によれば、擦過性と爪擦過性とを改善できるトナーを提供することができる。
本発明において、上記課題を解決するに至った理由は必ずしも明確ではないが、本発明者らは以下のように推測している。
4価以上の脂肪族カルボン酸を含まずエチレンオキサイド付加物を有する非晶性ポリエステル樹脂と、SP値が12.06以下の結晶性ポリエステル樹脂とを用いたトナーは、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とのSP値が離れている。このために、トナー中で非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂とが非相溶な状態で存在していると考えられる。
このトナーを紙上に定着した場合、非相溶の結晶性ポリエステル樹脂が溶融し染み出ることで、画像の表面に結晶の層を形成する。結晶性高分子は、一般的に折り曲り構造が重なってラメラ構造を形成している。ラメラ構造とは、結晶性高分子の分子鎖の折り畳みによる結晶化で生じた層状構造のことである。ラメラ構造は、ラメラ間が弱い分子間力で接しているため、外力を前記ラメラ間で緩和することができると考えられる。そのため、前記ラメラ構造が画像の表面で層を形成することによって、摺擦力が相殺され、擦過性が良化するものと考えられる。
一方で、非相溶状態である、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との界面の強度は弱く、先の鋭いもので引掻くと、その界面で紙上のトナー層が割れやすくなり、爪擦過性が低下すると考えている。4価以上の脂肪族カルボン酸を有する非晶性ポリエステル樹脂を用いることによって、結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂中の脂肪族カルボン酸部が相互作用し、非晶性ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との界面が強化される。その結果、良好な擦過性を維持したまま、爪擦過性を良化させるトナーを提供することができると考えている。
本発明においてその目的を達成するためのトナーの構成を以下に詳述する。
結着樹脂としては、「ポリエステルユニット」を結着樹脂鎖中に有しているポリエステル樹脂を用いる。該ポリエステルユニットを構成する成分としては、ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物と4価以上の脂肪族カルボン酸とを、少なくとも含有する必要がある。
非晶性ポリエステル樹脂を構成する多価アルコールモノマーにおける、ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物の比率は、多価アルコールモノマーの総モル数に対して60mol%以上であることが、より結晶性ポリエステルを非相溶な状態で存在できるため、擦過性の観点で好ましい。
例えば、該4価以上の脂肪族カルボン酸として、以下のものが挙げられる。
1,1,2,2-エタンテトラカルボン酸、1,1,1,2-エタンテトラカルボン酸、1,1,3,3-ポリパンテトラカルボン酸、1,1,2,3-プロパンテトラカルボン酸、1,1,2,2-プロパンテトラカルボン酸、2-(カルボキシメチル)プロパン―1,1,3-トリカルボン酸、1,1,4,4-ブタンテトラカルボン酸、1,1,2,4-ブタンテトラカルボン酸、1,1,3,4-ブタンテトラカルボン酸、1,1,2,2-ブタンテトラカルボン酸、1,1,3,3-ブタンテトラカルボン酸、2,2,3,3-ブタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、1,1,5,5-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,4,5-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,3,5-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,2,5-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,4,4-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,3,4-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,2,4-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,3,3-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,2,3-ペンタンテトラカルボン酸、1,1,2,2-ペンタンテトラカルボン酸、1,2,3,4-ペンタンテトラカルボン酸、1,2,3,5-ペンタンテトラカルボン酸、3-(カルボキシメチル)ブタン-1,1,4-トリカルボン酸、2-(カルボキシメチル)ブタン-1,1,4-トリカルボン酸、2-メチルブタン-1,1,4,4-テトラカルボン酸、1,1,6,6-ヘキサンテトラカルボン酸、1,1,5,6-ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,4-ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,5-ヘキサンテトラカルボン酸、1,2,3,6-ヘキサンテトラカルボン酸、2-メチルペンタン-1,1,5,5-テトラカルボン酸、3-メチルペンタン-1,1,5,5-テトラカルボン酸、2,3-ジメチルブタン-1,1,4,4-テトラカルボン酸、1,1,7,7-ヘプタンテトラカルボン酸、1,1,8,8-オクタンテトラカルボン酸、1,1,9,9-ノナンテトラカルボン酸、1,1,10,10-デカンテトラカルボン酸、3,5‐ビス(カルボキシメチル)-3,4,4,5-テトラメチルヘプタン二酸等。
その他の構成成分としては、任意の2価以上のアルコールモノマー成分と、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分とを用いることができる。
例えば、該2価以上のアルコールモノマー成分として、以下のものが挙げられる。
ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6-ヘキサンテトロール、1,4-ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等。
一方、該2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分としては、以下のものが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6~18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
上記非晶性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が、5,000以下であることが、爪擦過性の観点で好ましい。
上記非晶性ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、58℃以上65℃以下であることが、爪擦過性の観点で好ましい。
上記非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、0mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であると優れた帯電安定性が得られるという観点から好ましく、1mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることがさらに好ましい。
なお、該酸価は、樹脂に用いるモノマーの種類や配合量を調整することにより、上記範囲とすることができる。具体的には、樹脂製造時のアルコールモノマー成分比/酸モノマー成分比、分子量を調整することにより制御できる。また、エステル縮重合後、末端アルコールを多価酸モノマー(例えば、トリメリット酸)で反応させることにより制御できる。
これらの結着樹脂の軟化点は、低温定着性と耐ホットオフセット性とを両立させるという観点から70℃以上180℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは、80℃以上160℃以下である。
[結晶性ポリエステル樹脂]
本発明のトナーは、SP値が12.06以下の結晶性ポリエステル樹脂を含有することが必要である。前記結晶性ポリエステル樹脂を含有することによって、トナー粒子中で前記結晶性ポリエステル樹脂が非相溶で存在する。このトナー粒子を画像上に定着させることで、擦過性を良化する。結晶性ポリエステル樹脂の相溶性は、結晶性ポリエステル樹脂を構成するモノマーの脂肪族ジオール及び/または脂肪族ジカルボン酸の炭素数を長くし、エステル基濃度を下げ、極性を下げることで調整できる。
本発明において、溶解性パラメータは、Fedors法で算出している。算出に当たり使用した蒸発エネルギー(Δei[cal/mol])とモル体積(Δvi[cm/mol])は、井上稔著 「接着の基礎理論」刊行会発行 第五章、R.F.Fedors,Polym.Eng.Sci.14,147(1974)に記載の数値を使用している。本発明においては、ポリマー構成単位の構造を元に計算を行っている。
本発明のトナーにおいて、トナー粒子に含まれる結晶性ポリエステルは、脂肪族ジオールと、脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物を重縮合反応させることにより得られる。脂肪族ジオールおよび脂肪族ジカルボン酸は、炭素数が6~12であることが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、得られる結晶性ポリエステル樹脂のSP値が12.06以下となるものであれば特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、以下のものが挙げられる。
1,4-ブタンジオール、1,4-ブタジエングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコールネオペンチルグリコール。上記アルコール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数6~12の脂肪族ジオールから選ばれるアルコールである。
本発明において、上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、以下のものが挙げられる。
1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等。
一方、脂肪族ジカルボン酸としては、得られる結晶性ポリエステル樹脂のSP値が12.06以下となるものであれば、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としては以下のものが挙げられる。
アジピン酸、ピメリン酸、スペリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸。これらの酸無水物または低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
本発明において、上記カルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数6~12の脂肪族ジカルボン酸から選ばれるカルボン酸である。
本発明において、脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、以下のものが挙げられる。
イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸。これらの酸無水物または低級アルキルエステルなども含まれる。
また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、以下のものが挙げられる。
1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸。1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン等の脂肪族カルボン酸。これらの酸無水物または低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。
本発明における結晶性ポリエステルは、通常のポリエステル合成法に従って製造することができる。例えば、前記したカルボン酸単量体とアルコ-ル単量体とをエステル化反応、またはエステル交換反応させた後、減圧下または窒素ガスを導入して常法に従って重縮合反応させることで所望の結晶性ポリエステルを得ることができる。
上記エステル化またはエステル交換反応は、必要に応じて硫酸、チタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸マンガン、酢酸マグネシウムなどの通常のエステル化触媒またはエステル交換触媒を用いて行うことができる。
また、上記重縮合反応は、通常の重合触媒、例えばチタンブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウムなど公知の触媒を使用して行うことができる。重合温度、触媒量は特に限定されるものではなく、適宜に決めればよい。
エステル化もしくはエステル交換反応または重縮合反応において、得られる結晶性ポリエステルの強度を上げるために全単量体を一括混合したりしてもよい。また低分子量成分を少なくするために2価の単量体を先ず反応させた後、3価以上の単量体を添加して反応させたりする等の方法を用いてもよい。
該結晶性ポリエステルは、非晶性樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下含有することが好ましい。結晶性樹脂が少ないと擦過性の効果が十分得られず、また添加しすぎると、結晶性ポリエステルと非晶性ポリエステルとの界面が多くなり、爪擦過性が低下する。
[ワックス]
本発明のトナーは、ワックスを含有してもよく、本発明のトナーに用いられるワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
本発明においては、低温定着性をもち、かつ耐ホットオフセット性がより向上する点で、炭化水素系ワックスまたはエステル系ワックスがより好ましい。前記ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下で使用されることが好ましい。ワックスの含有量がこの範囲にあるとき、高温でのホットオフセット性維持効果を発揮することが可能となりやすい。
また、トナーの保存性と高温オフセット性の両立の観点から、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が50℃以上140℃以下であることが好ましい。より好ましくは、60℃以上105℃以下である。
[着色剤]
本発明のトナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタトナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタトナー用染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアントナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロートナー用顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロートナー用染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
[荷電制御材]
本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。この荷電制御剤としては、例えばネガ系荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物。スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物。カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物。ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下が好ましい。
[その他外添剤]
本発明のトナーには、必要に応じて他の無機微粉末を含有させることもできる。無機微粉末は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムのような無機微粉末が好ましい。無機微粉末は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m/g以上400m/g以下の無機微粉末が好ましく、耐久性安定化のためには、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粉末であることが好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粉末を併用してもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いることができる。
[キャリア]
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、長期にわたり安定した画像が得られるという点で、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることがより好ましい。
磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類などの金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般的に公知のものを使用できる。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、キャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、好ましくは2質量%以上15質量%以下、より好ましくは4質量%以上13質量%以下である。二成分系現像剤中のトナー濃度を、かかる範囲にすると通常良好な結果が得られる。
[製造方法]
本発明のトナー粒子は、乳化凝集法、溶融混練法、溶解懸濁法など従来公知のトナー製造方法で製造することが可能であり、特に限定されない。
上記のごとき製造方法で製造されたトナー粒子に必要に応じ選択された外部添加剤を加えて混合(外添)してもよい。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム等の無機微粉体や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂粒子などがあげられる。これらの無機微粉体や樹脂粒子は、帯電性制御、流動性助やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
次に、本発明に関わる各物性の測定方法について記載する。
[トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定]
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムを脱イオン水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下の(1)~(7)のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去する。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として下記の「コンタミノンN」を脱イオン水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
コンタミノンN:非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)の水槽内に所定量の脱イオン水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカー内に、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
[平均円形度の測定方法]
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS-150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3,000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に下記の標準ラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
・標準ラテックス粒子:Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈したもの
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けたときと同じ測定及び解析条件で測定を行った。
[結着樹脂の軟化点Tmの測定方法]
結着樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
また、「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax-Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT-100H、エヌピーエーシステム(株)製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT-500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
[樹脂の酸価の測定]
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂の酸価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間静置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
[GPCによる結晶性樹脂の分子量測定]
まず、室温で24時間かけて、結晶性樹脂をo-ジクロロベンゼンに溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC-8121GPC/HT(東ソー(株)製)
カラム:TSKgel GMHHR-H HT 7.8cmI.D×30cm連(東ソー(株)製)
検出器:高温用RI
温度:135℃
溶媒:o-ジクロロベンゼン(0.05%アイオノール添加)
流速:1.0mL/min
試料:0.1%の試料を0.4mL注入
以上の条件で測定し、試料の分子量算出にあたっては単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量較正曲線を使用する。さらに、Mark-Houwink粘度式から導き出される換算式でポリエチレン換算をすることによって算出される。
[GPCによる非晶性樹脂の分子量測定]
樹脂のTHF可溶分の分子量分布は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、トナーをテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー(株)製)
カラム:Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0mL/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、例えば下記の東ソー(株)製の標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
標準ポリスチレン樹脂:商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」
[非晶性樹脂及びトナーのガラス転移温度(Tg)の測定]
[結晶性樹脂の融解ピーク温度(Tp)の測定]
樹脂のガラス転移温度は、示差走査熱量分析装置「Q2000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。
装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、樹脂又はトナー約3mgを精秤し、アルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用いて、以下の条件で測定する。
昇温速度:10℃/min
測定開始温度:30℃
測定終了温度:180℃
測定範囲30~180℃の間で、昇温速度10℃/minで測定を行う。一度180℃まで昇温させ10分間保持し、続いて30℃まで降温し、その後に再度昇温を行う。この2度目の昇温過程で、温度30~100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの「比熱変化が出る前のベースライン」と「比熱変化が出た後のベースライン」とから縦軸方向に等距離にある直線と、示差熱曲線との交点の温度を、樹脂のガラス転移温度(Tg。中間点ガラス転移温度とも言う。)とする。さらに、温度60~90℃の範囲における温度―吸熱量曲線の最大吸熱ピークになる温度を融解ピーク温度(Tp)とする。
以下、製造例及び実施例により本発明を説明する。以下の説明において、部数は質量部基準である。
<結着樹脂の製造例>
(非晶性ポリエステル樹脂A1の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:
29.7質量部(0.07モル;多価アルコール総モル数に対して40.0mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:
40.8質量部(0.13モル;多価アルコール総モル数に対して60.0mol%)
・テレフタル酸:30.4質量部(0.195モル;多価カルボン酸総モル数に対して97.5mol%)
・D1 3,5‐ビス(カルボキシメチル)-3,4,4,5-テトラメチルヘプタン二酸:1.66質量部(0.005モル;多価カルボン酸総モル数に対して2.4mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。そして、モノマー総量100質量部に対して、触媒として2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.0質量部添加した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第一反応工程)。
・無水トリメリット酸:0.04質量部(0.0002モル;多価カルボン酸総モル数に対して0.1mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤) : 0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した反応物の軟化点が140℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた(第2反応工程)。このようにして、非晶性ポリエステル樹脂A1を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂A1の軟化点(Tm)は98℃、酸価は10mgKOH/gであった。
<非晶性ポリエステル樹脂A2~A12の製造例>
非晶性ポリエステル樹脂A1の製造例において、多価アルコールモノマー及び多価カルボン酸モノマーの種類及び量を表1Aに記載のものに変更した以外は同様にして製造し、非晶性ポリエステル樹脂A2~A12を得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂の物性を、表1Aに示した。
Figure 0007254601000001
<結晶性ポリエステル樹脂C1の製造例>
・1,12-ドデカンジオール:
58.7質量部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:
58.7質量部(0.29モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
次に、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させた。
その後、再び反応槽内を5kPa以下へ減圧して200℃で3時間反応させることにより、結晶性ポリエステルC1を得た。
得られた結晶性ポリエステルC1の重量平均分子量(Mw)15,000で、軟化点(Tm)は82℃、SP値は10.80であった。
<結晶性ポリエステル樹脂C2~C6の製造例>
結晶性ポリエステル樹脂C1の製造例において、ジアルコールモノマー及びジカルボン酸モノマーの種類を表1Bに記載のものに変更した以外は、結晶性ポリエステル樹脂C1と同様に製造した。得られた結晶性ポリエステル樹脂C2~C6の物性を、表1Bに示した。
Figure 0007254601000002
<トナー1の製造例>
・非晶性ポリエステル樹脂A1 100.0質量部
・結晶性ポリエステル樹脂C1 5.0質量部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(CA) 0.1質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)5.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 9.0質量部
前記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃、バレル回転数200rpmに設定した下記の二軸混練機を用いて混練した。
二軸混練機:PCM-30型、(株)池貝製
得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子1を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1とした。
下記の材料をヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)を用いて回転数30s-1、回転時間5minで混合し、目開き54μmの超音波振動篩を通過させトナー1を得た。
・トナー粒子1 100.0質量部
・疎水性シリカ(BET:200m/g) 5.0質量部
・イソブチルメトキシシランで表面処理した酸化チタン微粒子(BET:80m/g)
7.0質量部
<トナー2~16の製造例>
トナー1の製造例において、非晶性ポリエステル樹脂A1及び結晶性ポリエステル樹脂C1の種類及び量を表2に記載のものに変更した以外は同様にして製造し、トナー2~16を得た。
Figure 0007254601000003
[磁性コア粒子の製造例]
(工程1:秤量・混合工程)
・Fe 62.7質量部
・MnCO 29.5質量部
・Mg(OH) 6.8質量部
・SrCO 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した。その後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1,000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
(工程3:粉砕工程)
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
(工程4:造粒工程)
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加した。そして、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機(株))を用いて、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、温度650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
(工程5:焼成工程)
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1,300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1,150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
(工程6:選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準のメジアン径が37.0μmの磁性コア粒子1(フェライト粒子1)を得た。
[被覆樹脂の調製]
・シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
・メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
・メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5,000のマクロモノマー)
・トルエン 31.3質量%
・メチルエチルケトン 31.3質量%
・アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れた。そして、窒素ガスを導入して窒素ガスで系内を置換した。その後、温度80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1 30質量部を、トルエン 40質量部、メチルエチルケトン 30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
[被覆樹脂溶液の調製]
・重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
・トルエン 66.4質量%
・カーボンブラック 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75mL/100g)
上記材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液1を得た。
[磁性キャリアの製造例]
(樹脂被覆工程)
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1をフェライト粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら温度80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後に冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準のメジアン径が38.2μmの磁性キャリア1を得た。
前記トナー1~16と磁性キャリア1(個数平均粒径35μm)とを、トナー濃度が9質量%になるようにV型混合機(V-10型:(株)徳寿製作所)を用いて回転数0.5s-1、回転時間5分間で混合し、二成分系現像剤1~16を得た。
(トナー評価)
評価する画像形成装置として、キヤノン(株)製フルカラー複写機imagePRESS C800改造機を用いた。この画像形成装置は、像坦持体として静電潜像を形成させる感光体を有し、感光体の静電潜像を二成分現像器によりトナー像として現像する現像工程を有する。さらに、現像されたトナー像を中間転写体に転写し、その後に中間転写体のトナー像を紙に転写する転写工程を有し、紙上のトナー像を熱により定着する定着工程を有する。前記画像形成装置は、定着の温調やプロセススピードを変更できるように改造を行った。この画像形成装置のシアンステーションとマゼンタステーションの現像器に、二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。
[擦過性評価]
二成分系現像剤1で単色の画像形成を行った。このとき、00h(ベタ白)からFFh画像(ベタ部)までを、16階調で区切り画像を形成した。画像形成において、二成分系現像剤1のFFh画像(ベタ部)の載り量を、単色における画像濃度が0.9となる載り量とした。
紙:Oce Top Coated Plus Silk 270g(270.0g/m
定着試験環境:常温常湿環境:温度23℃/相対湿度50%
プロセススピードを450mm/secに設定し、定着温度を170℃にし、擦過性評価画像を出力した。
得られた16階調の2次色画像について、ベタ白を含め薄いほうから4番目の画像を短冊状に切り、以下の装置に上向きにセットする。ダンパー部には紙のみをセットし、下記の条件で擦り試験を実施する。
擦り試験機:学新型摩擦堅牢度試験機(AB―301)
錘:500g(0.5kgf)
ストローク:10往復
擦った紙(擦り紙)にはトナーが移行しており、この擦り紙および白紙について、SpectroScan Transmission(GretagMacbeth社製)(測定条件:D50 視野角2°)を用いて各階調の画像のL、a、bを測定した。
ΔE={(L +(a +(b 0.5―{(L +(a +(b 0.5のΔEを比較し、擦過性評価の指標とした。
:擦り紙のL、 a :擦り紙のa、 b :擦り紙のb
:白紙のL、 a :白紙のa、 b :白紙のb
(評価基準)
A:ΔEが2.0未満 (非常に優れている)
B:ΔEが2.0以上、5.0未満 (良好である)
C:ΔEが5.0以上、10.0未満 (本発明では問題ないレベルである)
D:ΔEが10.0以上 (本発明では許容できない)
[爪擦過性]
二成分系現像剤1で単色の全ベタの画像を形成した。このとき、ベタ部の画像濃度が1.80となる載り量とした。
紙:SPLENDLUX 135g(135.0g/m
プロセススピードを450mm/secに設定し、定着温度を170℃にし、爪擦過性評価画像を出力した。
得られた全ベタ画像について、短冊状に切り、下記の条件で引っ掻き試験を実施する。
引っ掻き試験機:表面性測定器 TYPE:14
針:直径 0.75mm
SPEED:0060mm/min
SCALE:030mm
FORCE:0.98
荷重:20g
引っ掻いて画像が剥がれている部分は、白く抜ける。この白く抜けた部分の面積率(白抜け面積率)を画像処理ソフトImageJ(開発元 Wayne Rashand)を用いて算出する。
面積率は以下のように算出した。
まず、引掻き試験を行ったサンプルをスキャンし、ImageJで開く。
次に、ImageタブのColorから、SpritChannelsを行い、RGBに分割する。
次に、RGBに分割した画像から、最も白抜け部分が目立つ画像を選択する。
次に、選択した画像で、ImageタブのAdjustから、Threholdを行い、白抜け部分が赤く選択されるように調整し、Applyする。
次に、64×1023の解析範囲を設定し、白抜け部分を解析範囲に入れる。
次に、AnalyzeタブのAnalyze Particleを選択し、Summarizeにチェックを付けて、OKを選択する。
次に、SummaryウィンドのAreaFractionの値を読み取り、その値を白抜け面積率として算出した。
続けて荷重を50g、70g、100g、150gと変更して、画像処理ソフトImageJ(開発元 Wayne Rashand)を用いて同様に白抜け面積率を算出する。荷重に対する算出した白抜け面積率の近似式から、画像が剥がれ始める荷重(白く抜けた部分の面積率が0.2%以上となる荷重。白抜け荷重、とも記載する。)を求め、爪擦過性評価の指標とした。
(評価基準)
A:白抜け荷重が150g以上 (非常に優れている)
B:白抜け荷重が100g以上、150g未満 (良好である)
C:白抜け荷重が 50g以上、100g未満 (本発明では問題ないレベルである)
D:白抜け荷重が 50g未満 (本発明では許容できない)
評価結果を表3に示す。
Figure 0007254601000004
二成分系現像剤2~16についても二成分系現像剤1と同様の評価を行った。結果を表3に示す。

Claims (5)

  1. 非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該非晶性ポリエステル樹脂が、
    ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物と
    4価以上の脂肪族カルボン酸と
    の縮重合物を含有し、
    該非晶性ポリエステル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が、5,000以下であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、SP値が12.06以下である
    ことを特徴とするトナー。
  2. 非晶性ポリエステル樹脂および結晶性ポリエステル樹脂を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該非晶性ポリエステル樹脂が、
    ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物と
    4価以上の脂肪族カルボン酸と
    の縮重合物を含有し、
    該非晶性ポリエステル樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、58℃以上65℃以下であり、
    前記結晶性ポリエステル樹脂は、SP値が12.06以下である
    ことを特徴とするトナー。
  3. 前記非晶性ポリエステル樹脂を構成する多価アルコールモノマーにおける、前記ビスフェノールのエチレンオキサイド付加物の比率が、多価アルコールモノマーの総モル数に対して60mol%以上である請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記非晶性ポリエステル樹脂は、酸価が、1mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記4価以上の脂肪族カルボン酸が、3,5-ビス(カルボキシメチル)-3,4,4,5-テトラメチルヘプタン二酸である請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
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