JP7313917B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、高速印刷化や省エネルギー対応への要求がさらに高まっている。高速印刷に対応するため、定着工程においてトナーをより素早く溶融させる技術が検討されている。また、省エネルギー対応策として、定着工程での消費電力を低下させるために、トナーをより低い定着温度で定着させる技術が検討されている。
高速印刷に対応し、かつトナーの低温定着性を向上させるために、トナーの結着樹脂のガラス転移点や軟化点を下げ、かつシャープメルト性を有する結着樹脂を用いる方法がある。近年、シャープメルト性を有する樹脂として、結晶性樹脂を含有させたトナーが多く提案されている。
しかしながら、結晶性樹脂を含有させたトナーは、高温高湿環境下においては低粘度化しやすく付着力が高くなりやすいため、転写部材からトナーが離れにくくなる傾向があった。また、低印字画像を大量に出力した後など、外添剤がトナー表面に埋没した状態においては、その傾向はさらに強くなり、転写性は悪化する。
特許文献1には、転写性向上のため、スペーサーとなる大粒径の無機微粒子をトナー表面に固着させた提案がなされている。トナーと静電潜像担持体との界面、及びトナーと中間転写体との界面において、無機微粒子がスペーサーとなることによって、潜像担持体及び中間転写体に対するトナーの接触面積が小さくなり、付着力を低減できることから、転写効率を高めることができる。しかしながら、スペーサーとなる無機微粒子が、定着時においてトナーへの熱伝導を阻害してしまうため、低温定着性が満足できていなかった。
また、特許文献2にはトナー内部の結晶性ポリエステルの分散状態を制御し、低温定着性と耐久安定性とを両立させるトナーが提案されている。特許文献3には、結晶性樹脂やワックスの微粒子を外添剤として用いることが提案されている。
しかしながら、いずれのトナーも低温定着性と転写性とを高いレベルで両立することには至らず、さらなる技術の向上が望まれていた。
特開2013-47754号公報 特開2017-003980号公報 特開2017-134398号公報
本発明者らの検討によれば、特許文献1、2、3のトナーは高温高湿環境下における低印字画像出力後の転写性の維持という面で不十分であった。
また、特許文献1のトナーのようにトナー表面の付着力増大を抑制するために、様々な外添技術が提案されているが、低温定着性との両立には至っておらず改善が求められている。
本発明の目的は、上記の課題を解決したトナーを提供することにある。具体的には、低温定着性と転写性とに優れ、高温高湿環境下において低印字比率耐久後も高いドット再現性を維持し、色味変動の少ない鮮明な画像が得られるトナーを提供することである。
結着樹脂と金属酸化物とを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1)及び下記式(2)を満たし、
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 ・・・(1)
21.00≦SP21 ・・・(2)
該金属酸化物の体積抵抗率が、1.0×10Ω・cm~1.0×1018Ω・cmであり、
該トナー粒子表層から深さ0.5μm以上の領域において、該トナー粒子の質量を基準として、該金属酸化物の存在割合が、1.0%以上、10.0%以下であることを特徴とするトナー。
本発明によれば、低温定着性に優れ、電界追従性の向上により、低印字出力後においても転写性に優れ、耐久後の色味変動性にも優れるトナーを提供することができる。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○~××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルを意味する。
本発明におけるモノマーユニットとは、ポリマー中のビニル系モノマーが重合した主鎖中の、炭素-炭素結合1区間を1ユニットとする。
ビニル系モノマーとは下記式(A)で示すことができる。
Figure 0007313917000001
[式(A)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表し、Rは、任意の置換基を表す。]
本発明のトナーは、結着樹脂と金属酸化物を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該結着樹脂が、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び
該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有し、
該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1)及び下記式(2)を満たし、
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 ・・・(1)
21.00≦SP21 ・・・(2)
該金属酸化物の体積抵抗率が、1.0×10Ω・cm~1.0×1018Ω・cmであり、
該トナー粒子表層から深さ0.5μm以上の領域において、該トナー粒子の質量を基準として、該金属酸化物の存在割合が、1.0%以上、10.0%以下であることを特徴とする。
このような本発明のトナーを用いることにより、低温定着性、転写性が良好な画像出力が可能となる。また、高温高湿環境下においてトナー消費量の少ない低印字画像を連続出力するような場合にも、トナーの転写性が良好なレベルのまま維持されドット再現が安定化し、色味変動やカブリの低減された画像出力が行える。
そのメカニズムについては明確ではないが、本発明者らは以下のように考えている。
結晶性樹脂を含有させたトナーは高温高湿環境下や、低印字出力など、トナーにストレスがかかる状況下においては低分子量成分がトナー表面に染み出しやすい傾向にある。そのため、トナーの非静電付着力が増大してしまう傾向にある。そこで、本発明で用いられる重合体のような極性の高いブロックポリマーを有する結晶性樹脂と、体積抵抗率が1.0×10Ω・cm~1.0×1018Ω・cmである金属酸化物とを用いることによって、以下のような効果が得られると考えられる。すなわち、重合体のブロックポリマーと、金属酸化物との間で電子の享受が発生し、トナーの表面電荷密度が飽和状態になり、安定化すると考えられる。その結果、トナーの電界に対する応答性、電界追従性が向上したと推測する。
その結果、高温高湿環境において低印字出力後も転写性が維持され、ドット再現性や色味変動、及びカブリが抑制されると考える。
<重合体A>
本発明の重合体Aは、第一の態様において、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニットを含有し、該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。
「炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル」とは、(メタ)アクリル酸エステルに含まれるアルキル基の炭素数が18~36であることを意味する。
また、本発明の結着樹脂は、第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する。第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1)及び下記式(2)を満足する。
3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 ・・・(1)
21.00≦SP21 ・・・(2)
また、第二の態様において、本発明の重合体Aは、第一の重合性単量体を含有する組成物の重合体であり、該第一の重合性単量体が、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。
また、該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(3)及び下記式(4)を満足する。
0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 ・・・(3)
18.30≦SP22 ・・・(4)
前記重合体Aに含有される第一のモノマーユニットが、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルであることによって、重合体Aが結晶性を有し、低温定着性が良化する。さらに、結晶部位が連続して白色顔料間でネットワーク構造を取ることによって、定着後の定着膜強度が向上し、画像強度が向上する。
第一の重合性単量体が、炭素数18未満のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである場合、アルキル基の鎖長が短いため、ネットワーク構造を取りにくく、画像強度が向上しにくい。また、第一の重合性単量体が、炭素数が37を超えるアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルである場合、鎖長が長いアルキル基を有するため結晶部位の融点が高く、優れた低温定着性が得られない。
本発明におけるSP値の単位は、(J/m0.5であるが、1(cal/cm0.5=2.045×10(J/m0.5によって(cal/cm0.5の単位に換算することができる。
上記SP値差を満足することによって、重合体Aの結晶性が低下することなく、融点が維持される。それにより、低温定着性と耐熱保存性の両立が図られるため好ましい。
本発明の重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合は、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%である。
また、第一の重合性単量体の含有量が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数に対して5.0モル%~60.0モル%であり、
該組成物中の前記第二の重合性単量体の含有量が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数に対して20.0モル%~95.0モル%である。
第一のモノマーユニットの含有割合、及び第一の重合性単量体の含有割合が5.0モル%未満の場合、結晶性を有する部位が少ないため、シャープメルト性が発揮できず、優れた低温定着性が得られない。また、第一のモノマーユニットの含有割合、及び第一の重合性単量体の含有割合が60.0モル%より多い場合、相対的に第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体の含有割合が少ないことを意味する。そして、白色顔料表面に局在化する第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体が少なくなることによって、第一のモノマーユニット、及び第一の重合性単量体に起因する結晶のネットワークが弱くなるため、画像強度が得られない。
第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体の含有割合が20.0モル%未満の場合、上記と同様に白色顔料表面に局在化する第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体が少なくなる。そのため、第一のモノマーユニット、及び第一の重合性単量体に起因する結晶のネットワークが弱くなることによって、画像強度が得られない。また、第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体の含有割合が95.0モル%より多い場合、結晶性を有する部位が少ないため、シャープメルト性が発揮できず、優れた低温定着性が得られない。
第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体の含有割合は40.0モル%~95.0モル%であることが好ましい。
第二のモノマーユニットの含有割合、及び第二の重合性単量体の含有割合が40.0モル%以上であると、シャープメルト性を有する該非架橋部と、トナー弾性率の低下を抑制する該架橋部が両立できるため、低温定着性、帯電維持性の観点から好ましい。
第一のモノマーユニットを形成する第一の重合性単量体は、炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである。
炭素数18~36のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、以下のものが挙げられる。
炭素数18~36の直鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル、(メタ)アクリル酸ヘンエイコサニル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸リグノセリル、(メタ)アクリル酸セリル、(メタ)アクリル酸オクタコサ、(メタ)アクリル酸ミリシル、(メタ)アクリル酸ドドリアコンタ等]及び
炭素数18~36の分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル[(メタ)アクリル酸2-デシルテトラデシル等]。
第一の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
第二の重合性単量体は、下記式(B)及び下記式(C)からなる群から選ばれる少なくとも一つであることが好ましい。
Figure 0007313917000002
(式(B)及び式(C)中、Xは単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、
は、ニトリル基(-C≡N)、
アミド基(-C(=O)NHR(Rは水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基))、
ヒドロキシ基、
-COOR(Rは炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のヒドロキシアルキル基)、
ウレタン基(-NHCOOR(Rは炭素数1~4のアルキル基))、
ウレア基(-NH-C(=O)-NH(R(Rはそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6のアルキル基))、-COO(CHNHCOOR(Rは炭素数1~4のアルキル基)、又は
-COO(CH-NH-C(=O)-NH(R10(R10はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6のアルキル基)であり、Rは、炭素数1~4のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基である。)
第二のモノマーユニットを形成する第二の重合性単量体としては、例えば以下の重合性単量体を用いることができる。
・ニトリル基を有する単量体、
・ヒドロキシ基を有する単量体、
・アミド基を有する単量体、
・ビニルエステル類、
・ウレタン基を有する単量体、
・ウレア基を有する単量体、
・カルボキシ基を有する単量体。
第二の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
ニトリル基を有する単量体としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
ヒドロキシ基を有する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシプロピル等が挙げられる。
アミド基を有する単量体としては、例えば、アクリルアミド、炭素数1~30のアミンとエチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のカルボン酸(アクリル酸及びメタクリル酸等)を公知の方法で反応させた単量体が挙げられる。
ビニルエステル類としては、例えば以下のものが挙げられる。酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、オクチル酸ビニル等。
ウレタン基を有する単量体としては、例えば以下のものが挙げられる。
・エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~22のアルコールと、炭素数1~30のイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体、
・炭素数1~26のアルコールと、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体。
エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~22のアルコールとしては例えばメタクリル酸-2-ヒドロキシエチル、ビニルアルコール等が挙げられる。
炭素数1~30のイソシアネートとしては、例えばモノイソシアネート化合物、脂肪族ジイソシアネート化合物、脂環族ジイソシアネート化合物、芳香族ジイソシアネート化合物が挙げられる。
モノイソシアネート化合物としては例えば以下のものが挙げられる。ベンゼンスルフォニルイソシアネート、トシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p-クロロフェニルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート、t-ブチルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、オクチルイソシアネート、2-エチルヘキシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、アダマンチルイソシアネート、2,6-ジメチルフェニルイソシアネート、3,5-ジメチルフェニルイソシアネート及び2,6-ジプロピルフェニルイソシアネート等。
脂肪族ジイソシアネート化合物としては例えば以下のものが挙げられる。トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート及び2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等。
脂環族ジイソシアネート化合物としては例えば以下のものが挙げられる。1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート及び水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート等。
芳香族ジイソシアネート化合物としては例えば以下のものが挙げられる。フェニレンジイソシアネート、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’-トルイジンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート及びキシリレンジイソシアネート等。
炭素数1~26のアルコールとしては例えば以下のものが挙げられる。メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、t-ブチルアルコール、ペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2-エチルヘキサノール、ノナノール、デカノール、ウンデシルアルコール、ラウリルアルコール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セタノール、ヘプタデカノール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、エライジルアルコール、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、リノレニルアルコール、ノナデシルアルコール、ヘンエイコサノール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール等。
エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとしては例えば以下のものが挙げられる。2-イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸2-(0-[1’-メチルプロピリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボニルアミノ]エチル(メタ)アクリレート及び1,1-(ビス(メタ)アクリロイルオキシメチル)エチルイソシアネート等。
なお、「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートの総称である。
ウレア基を有する単量体としては、例えば炭素数3~22のアミンと、エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとを公知の方法で反応させた単量体等が挙げられる。
炭素数3~22のアミンとしては例えば以下のものが挙げられる。1級アミン(ノルマルブチルアミン、t-ブチルアミン、プロピルアミン及びイソプロピルアミン等)、2級アミン(ジノルマルエチルアミン、ジノルマルプロピルアミン、ジノルマルブチルアミン等)、アニリン及びシクロキシルアミン等。
エチレン性不飽和結合を有する炭素数2~30のイソシアネートとしては前記のとおりである。
カルボキシ基を有する単量体としては、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、(メタ)アクリル酸-2-カルボキシエチルが挙げられる。
以上の中でも、ビニルエステル類は、非共役モノマーであり、第一の重合性単量体との反応性が適度に保たれやすいため、重合体Aの結晶性を向上させやすい。中でも、酢酸ビニルは低温定着性と耐折り曲げ性をより高いレベルで両立できるため特に好ましい。
第二の重合性単量体は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
なお、本発明において重合体A中に上記第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが複数種類存在する場合、式(1)におけるSP11の値はそれぞれのモノマーユニットのSP値を加重平均した値とする。
例えば、SP値がSP111であるモノマーユニットAを、第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニット全体のモル数を基準としてAモル%含み、
SP値がSP112であるモノマーユニットBを、第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニット全体のモル数を基準として(100-A)モル%含む場合のSP値(SP11)は、下記式によって算出される。
SP11=(SP111×A+SP112×(100-A))/100
第一のモノマーユニットの要件を満たすモノマーユニットが3以上含まれる場合も同様に計算する。
また、本発明において第二のモノマーユニットは、上記方法で算出したSP11に対して式(1)を満たし、かつ式(2)を満たすSP21を有するモノマーユニット全てが該当する。
すなわち、該第二の重合性単量体が2種類以上の重合性単量体である場合、SP21はそれぞれの重合性単量体に由来するモノマーユニットのSP値を表し、SP21-SP11はそれぞれの第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットに対して決定される。
重合体Aには、上述した第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットのモル比率を損ねない範囲で、
上記式(1)の範囲又は上記式(3)の範囲のいずれにも含まれない第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットが含まれていてもよい。
第三の重合性単量体としては、上記第二の重合性単量体の項に挙げた単量体のうち、式(1)又は式(3)を満たさない単量体を用いることができる。
また、上記ニトリル基、アミド基、ウレタン基、ヒドロキシ基、ウレア基、又はカルボキシ基を有さない、以下の単量体も用いることができる。
例えば、スチレン、o-メチルスチレン等のスチレン及びその誘導体、(メタ)アクリル酸-n-ブチル、(メタ)アクリル酸-t-ブチル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシルのような(メタ)アクリル酸エステル類。
なお、これらが、式(1)又は式(3)を満たす場合には、第二の重合性単量体として用いることができる。
本発明の効果、特に低温定着性を得やすくする観点から、重合体Aの含有量は、トナーの全質量を基準として、60質量%以上であることが好ましい。より好ましくは70質量%以上であり、80質量%以上であることがさらに好ましい。
また、本発明のトナーには、本発明の効果を損なわない範囲でその他の樹脂を含有することもできる。その他の樹脂としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。
ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂等。
これらの中でもスチレン系共重合体やポリエステル樹脂が好ましい。また、非晶性であることが好ましい。
[金属酸化物]
本発明の金属酸化物は、体積抵抗率が1.0×10Ω・cm~1.0×1018Ω・cm以下の範囲であることを特徴とする。
金属酸化物の体積抵抗率は、1.0×10Ω・cm~1.0×1013Ω・cmであると、転写バイアスにより電荷注入を抑えつつ帯電量分布がシャープ化されるのでより好ましい。
また、該金属酸化物は結着樹脂中への分散性を考慮すると、粒子状態で用いることが好ましい。
さらに、該金属酸化物はシリカ粒子、酸化チタン粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子からなる群から選ばれる金属酸化物粒子であることが好ましい。
金属酸化物がシリカ粒子、酸化チタン粒子、及びチタン酸ストロンチウム粒子からなる群から選ばれる金属酸化物粒子であると、重合体のブロックポリマーと電子の享受が発生しやすく、トナーの表面電荷密度が安定化しやすい。すなわち、電界追従性が向上しやすいため、好ましい。
本発明の金属酸化物の存在割合は、トナー粒子表層から深さ0.5μm以上の領域において、トナー粒子の質量を基準として、1.0%以上、10.0%以下とする。
上記領域における金属酸化物の存在割合が1.0%以上であると、トナーの表面電荷密度が安定し、電界追従性向上及び、転写性向上の効果が得られる。
上記領域における金属酸化物の存在割合が10.0%以下であると帯電性が良好な状態が維持でき、カブリ抑制の効果が発現する。
上記領域における金属酸化物の存在割合は、5.0%以下であることが好ましい。
上記領域における金属酸化物の存在割合が、5.0%以下であると帯電性が良好な状態が維持でき、高温高湿環境下においてもカブリ抑制の効果が発現する。
本発明の金属酸化物粒子の個数平均粒子径は、20nm以上300nm以下が好ましく、30nm以上100nm以下がより好ましく、20nm以上60nm以下がさらに好ましい。また、それらの粒度分布において、個数頻度のピークトップが上記粒径範囲にあることが好ましい。個数平均粒子径が上記範囲であると、トナー粒子に対して固着しやすく、少ない個数でトナー粒子を被覆できるため、脱離もしにくいため、高温高湿環境下における、低印字耐久後の帯電安定性が向上する効果を発現しやすくなる。
本発明の金属酸化物粒子は、表面処理剤により粒子表面を疎水化させることが好ましい。表面処理剤としては、アルキル基を有する化合物、脂肪酸又はその金属塩、ジシリルアミン化合物、ハロゲン化シラン化合物、シリコーンオイル、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが、トナーの帯電安定性を向上できる点で好ましい。その中でも、n-オクチルエトキシシランや3,3,3-トリフロロプロピルトリメトキシシランがより、結着樹脂中への分散効果を高める点で好ましい。
トナー中の前記金属酸化物粒子の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上15.0質量部以下であることが好ましい。0.1質量部よりも少ないと重合体Aとの相互作用が起こりにくく、転写性の効果を発現しにくく、15.0質量部よりも多いと定着時にトナーへの熱の伝わり方にむらが生じ、低温定着性が低下する。優れた転写性及び低温定着性が得られるという観点から、0.3質量部以上10質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以上6.0質量部以下がより一層好ましい。
金属酸化物の1MHzにおける誘電率が、20pF/m~100pF/mであることが好ましい。
前記誘電率が、20pF/m未満であると、トナーの表面電荷密度が不安定になり、電界追従性及び、転写性の効果が得られない。前記誘電率が、100pF/mを超える場合、帯電性が低下し、カブリが悪化する可能性がある。
結着樹脂と前記金属酸化物粒子との混合は、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン(株)製)等の公知の混合機を用いることができ、特に限定されるものではない。
本発明の金属酸化物粒子の一例としてのチタン酸ストロンチウム粒子は、常圧加熱反応法により得ることができる。このとき、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、また酸化ストロンチウム源としては水溶性酸性ストロンチウム化合物を用いることが好ましい。それらの混合液に60℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理する方法で製造することができる。
(常圧加熱反応法)
酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いることができる。硫酸法で得られたSO含有量が1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下のメタチタン酸を、塩酸でpHを0.8~1.5に調整して解膠したものを用いることができる。
酸化ストロンチウム源としては、金属の硝酸塩、塩酸塩などを使用することができ、例えば、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウムを使用することができる。
アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
チタン酸ストロンチウム粒子の製造方法において、粒子径に影響を及ぼす因子としては、反応時における酸化チタン源と酸化ストロンチウム源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、並びにアルカリ水溶液を添加するときの温度及び添加速度などが挙げられる。これらを適宜調整することによって、目的の粒子径及び粒度分布のものを得ることができる。なお、反応過程における炭酸塩の生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応させる等、炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
得られるチタン酸ストロンチウム粒子の製造方法において、誘電率に影響を及ぼす因子としては、粒子結晶性を崩す条件/操作が挙げられる。特に低誘電率のチタン酸ストロンチウム粒子を得るためには、反応液の濃度を大きくした状態で結晶成長を乱すエネルギーを与える操作を行うのが好ましい。具体的な方法としては例えば結晶成長工程に窒素によるマイクロバブリングを加えることが挙げられる。また、立方体及び直方体形状の粒子の含有量もこの窒素のマイクロバブリングの流量により制御できる。
反応時における酸化チタン源と酸化ストロンチウム源の混合割合は、SrO/TiOのモル比で、0.9~1.4が好ましく、1.05~1.20がより好ましい。上記範囲であると、未反応の酸化チタンが残存しにくい。反応初期の酸化チタン源の濃度としては、TiOとして、好ましくは0.05mol/L~1.3mol/L、より好ましくは0.08mol/L~1.0mol/Lである。
アルカリ水溶液を添加するときの温度は、60℃~100℃が好ましい。また、アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し、好ましくは0.001当量/h~1.2当量/h、より好ましくは0.002当量/h~1.1当量/hであり、得ようとする粒子径に応じて適宜調整することができる。
(酸処理)
常圧加熱反応によって得たチタン酸ストロンチウム粒子をさらに酸処理することが好ましい。
常圧加熱反応を行って、チタン酸ストロンチウム粒子を合成する際に、酸化チタン源と酸化ストロンチウム源との混合割合がSrO/TiOのモル比で、1.0を超える場合、
反応終了後に残存した未反応のチタン以外の金属源が空気中の炭酸ガスと反応して、金属炭酸塩などの不純物を生成してしまう場合がある。
表面に金属炭酸塩などの不純物が残存すると、疎水性を付与するための有機表面処理をする際に、不純物の影響で有機表面処理剤を均一に被覆することができない。したがって、アルカリ水溶液を添加した後、未反応の金属源を取り除くため酸処理を行うことが好ましい。
酸処理では、塩酸を用いてpH2.5~7.0、より好ましくはpH4.5~6.0に調整することが好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸等を酸処理に用いることができる。
[その他外添剤]
本発明のトナーには、帯電量や流動性を調整するために必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。無機微粒子は、前記の金属酸化物粒子のようにトナー粒子に内添してもよいし外添してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムのような無機微粒子が好ましい。無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが帯電安定性の観点で好ましい。
用いられる外添剤の比表面積としては、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粒子が、外添剤の埋め込み抑制の観点で好ましい。
また、該外添剤は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下使用されることが好ましい。
トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーの如き公知の混合機を用いることができるが、混合できればよく、特に装置は限定されるものではない。
[結着樹脂]
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されないが、定着分離性、及び帯電性制御に優れるという観点から、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
本発明に使用される非晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分と酸成分から構成される通常のものが使用でき、両成分については以下に例示する。
アルコール成分としては、以下のものが挙げられる。エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、下記式(D)で表されるビスフェノール誘導体。水素化ビスフェノールA、下記式(D)で表されるビスフェノール誘導体などの、ビスフェノール類が好ましい。
Figure 0007313917000003
[式(D)中、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつx+yの平均値は1~10である。]
さらに、アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルのような多価アルコールが挙げられる。
一方、非晶性ポリエステル樹脂を構成する2価のカルボン酸としては以下のものが挙げられる。フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸又はその無水物。さらには、炭素数6~18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。また、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
本発明における非晶性ポリエステルは、アルコールユニットとカルボン酸ユニットとを有し、全アルコールユニットの総和に対して、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するアルコールユニットの割合が30mol%以上存在することが好ましい。
また、アルコール成分と炭素数4以上18以下(より好ましくは6以上12以下)の脂肪族ジカルボン酸を含有したカルボン酸成分とを縮重合して得られた非晶性ポリエステルであることが好ましい。また、ビスフェノール類に対する該エチレンオキサイド付加物の平均付加モル数が1.6モル以上3.0モル以下であることが好ましく、1.6モル以上2.6モル以下であることがより好ましい。
エチレンオキサイド付加物の比率を上げることは、結晶性ポリエステル樹脂の相溶性を制御し、定着時にワックスとともに画像上表面に染み出す効果が高くなるため、定着分離性が向上する観点で好ましい。また、該エチレンオキサイド付加物の平均付加モル数を上記範囲にすると、金属酸化物の分散性を向上させることができ、低印字比率耐久後のトナーの電界追従性を向上させる観点でより好ましい。
また、炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸を含有したカルボン酸成分を用いた非晶性ポリエステルを用いることによって、この部分が重合体Aの極性基と強く親和することでトナー内部における重合体Aの分散性が良好となる。このため、可塑効果を発現しやすく、低温定着性が向上するため好ましい。炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸のカルボン酸成分に対するモル比率としては6mol%以上40mol%以下であることがより好ましい。
炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸としては上記のほかに、例えば、テトラデカン二酸やオクタデカン二酸などのアルキルジカルボン酸やその無水物、低級アルキルエステルなどが挙げられる。また、それらの主鎖の一部がメチル基やエチル基、オクチル基などのアルキル基、又はアルキレン基で分岐した構造を持つ化合物が挙げられる。また、テトラヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
上記非晶性ポリエステル樹脂は、通常用いられる下記の触媒を用いても製造することができる。例えばスズ、チタン、アンチモン、マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム等の金属;及びこれらの金属含有化合物など、いずれの触媒を用いても製造することができる。
重合体Aの分散性、すなわち優れた低温定着性を得ることができるという観点から、上記非晶性ポリエステル樹脂の酸価は、0mgKOH/g以上20mgKOH/g以下が好ましく、1mgKOH/g以上10mgKOH/g以下がより好ましい。
また、本発明のトナーの非晶性ポリエステル樹脂は、低軟化点の非晶性ポリエステルAと高軟化点の非晶性ポリエステルBとを含有することが、低温定着性と分離性とを両立させる点で好ましい。
低軟化点の非晶性ポリエステルAと高軟化点の非晶性ポリエステルBとの含有比率(A/B)は質量基準で60/40~90/10であることが、優れた低温定着性と分離性とを得ることができるという観点から好ましい。
低軟化点の非晶性ポリエステルAの軟化点は70℃以上100℃以下であることが、トナーの優れた保存性と優れた低温定着性とを両立させることができるという観点から好ましい。
高軟化点の非晶性ポリエステルBの軟化点は110℃以上180℃以下であることが、優れた耐ホットオフセット性を得ることができるという観点から好ましい。なお「ホットオフセット」とは、加熱ローラの温度が高すぎるために、トナー画像の一部が定着器の部材表面に付着し、次周回で記録材上に定着する現象を意味する。
本発明のトナーにおいて、非晶性ポリエステルの含有量はトナー粒子100質量部に対して60質量部以上90質量部以下であると、優れた低温定着性と分離性とが両立しやすいためより好ましい。
[他の結着樹脂]
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、顔料分散性を向上させたり、トナーの帯電安定性、耐ブロッキング性を改善したりする目的で上記非晶性ポリエステル以外に下記の重合体を本発明の効果を阻害しない量で添加することも可能である。
本発明では、離型剤や顔料の分散性が向上すると、表面の結晶性ポリエステルの微細結晶の分散性の向上につながるため分散剤としてのその他の樹脂をトナーに含有させることが好ましい。
本発明のトナーの結着樹脂に用いられるその他の樹脂としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。
ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂等。
[着色剤]
本発明のトナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタ着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタ着色染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料。
シアン着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアン着色染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロー着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロー着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
[ワックス]
本発明のトナーには分離性の観点からワックスを含有させることが好ましい。例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどのアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点から、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
該ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下で使用されることが好ましい。該ワックスの含有量がこの範囲にあるとき、高温でのホットオフセット性を効率的に発揮することが可能となりやすい。
また、トナーの保存性と高温オフセット性の両立の観点から、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が50℃以上110℃以下であることが好ましい。
[ワックス分散剤]
ワックスの結着樹脂への分散性を向上させるために、ワックス成分に近い極性部位と樹脂極性に近い部位を併せ持つ樹脂をワックス分散剤として添加してもよい。具体的には、炭化水素化合物でグラフト変性されたスチレンアクリル系樹脂が好ましい。
ワックス分散剤はその樹脂部分に、環式炭化水素基または芳香環を導入すると、トナーの帯電維持性が向上する。これによりトナー粒子による本発明の無機微粒子の帯電特性を高める点で好ましい。
[荷電制御剤]
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速くかつ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物。スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。
ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
[現像剤]
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが好ましい。また、長期にわたり安定した画像が得られるという点でも好ましい。
磁性キャリアとしては、下記のような公知のものを使用できる。表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子。フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
[製造方法]
本発明のトナーの製造方法は、乳化凝集法、溶融混練法、溶解懸濁法など従来公知のトナー製造方法であれば特に限定されないが、原材料の分散性を高めるという観点から溶融混練法が好ましい。
溶融混練法は、トナー粒子の原材料であるトナー組成物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕することを特徴とする。製造方法の例を挙げて説明する。
原料混合工程において、トナー粒子を構成する材料として、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂及び着色剤、並びに必要に応じてワックス、荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に他原材料等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕した後、さらに、微粉砕機で微粉砕する。微粉砕機としては、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機などが挙げられる。
その後、必要に応じて分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。分級機や篩分機としては例えば以下のものが挙げられる。慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)など。
トナー粒子の重量平均粒径は4.0μm以上8.0μm以下が本発明の外添剤による効果を十分に得ることができ、好ましい。さらに粒子に機械的衝撃力を与える、または熱風などによる加熱処理を行うことにより、トナー粒子の円形度を高めてもよい。トナー粒子同士の電荷授受の機会と摩擦摺擦力を多くし、帯電立ち上がり速度を高めるために、円形度としては0.962以上0.972以下が好ましい。
上記のごとき製造方法で製造されたトナー粒子に必要に応じ選択された外部添加剤を加えて混合(外添)する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。
[重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定方法]
重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合の測定は、H-NMRにより以下の条件にて行う。
測定装置 :FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子(株)製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :64回
測定温度 :30℃
試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒として重クロロホルム(CDCl)を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は以下のように算出する。
得られたH-NMRチャートより、第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S1を算出する。
同様に、第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークの中から、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S2を算出する。
さらに、第三の重合性単量体を使用している場合は、
第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークから、他に由来するモノマーユニットの構成要素に帰属されるピークとは独立したピークを選択し、このピークの積分値S3を算出する。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は、上記積分値S1、S2、及びS3を用いて、以下のようにして求める。なお、n1、n2、n3はそれぞれの部位について着眼したピークが帰属される構成要素における水素の数である。
第一の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S1/n1)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
同様に、第二の重合性単量体、第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合は以下のように求める。
第二の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S2/n2)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
第三の重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合(モル%)=
{(S3/n3)/((S1/n1)+(S2/n2)+(S3/n3))}×100
なお、重合体Aにおいて、ビニル基以外の構成要素に水素原子が含まれない重合性単量体が使用されている場合は、13C-NMRを用いて測定原子核を13Cとし、シングルパルスモードにて測定を行い、H-NMRにて同様にして算出する。
また、トナーが懸濁重合法によって製造される場合、離型剤やその他の樹脂に帰属されるピークが重なり、独立したピークが観測されないことがある。それにより、重合体A中の各種重合性単量体に由来するモノマーユニットの含有割合が算出できない場合が生じる。その場合、離型剤やその他の樹脂を使用しないで同様の懸濁重合を行うことによって、重合体A’を製造し、重合体A’を重合体Aとみなして分析することができる。
[SP値の算出方法]
SP12、SP22は、Fedorsによって提案された算出方法に従い、以下のようにして求める。
それぞれの重合性単量体について、分子構造中の各々の原子又は原子団に対して、
「polym.Eng.Sci.,14(2),147-154(1974)」に記載の表から蒸発エネルギー(Δei)(cal/mol)及びモル体積(Δvi)(cm/mol)を求める。そして、下記の式を用いてSP値を算出する。
SP値(J/cm0.5=(4.184×ΣΔei/ΣΔvi)0.5
なお、SP11、SP21は、該重合性単量体の二重結合が重合によって開裂した状態の分子構造の原子又は原子団に対して、上記と同様の算出方法によって算出する。
[金属酸化物の誘電率の測定方法]
金属酸化物の誘電率は、以下のようにして測定する。
測定方法の例として、チタン酸ストロンチウム粒子の測定方法を以下に記載する。
284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1kHz及び1MHzの周波数で校正後、周波数1MHzにおける複素誘電率を測定した。
測定するチタン酸ストロンチウム粒子に39200kPa(400kg/cm)の荷重を5分間かけて、直径25mm,厚さ1mm以下(好ましくは0.5mm~0.9mm)の円盤状の測定試料に成型する。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、温度25℃の雰囲気下で0.49N(50g)の荷重をかけた状態で1MHzの周波数で測定する。
[金属酸化物の体積抵抗率の測定方法]
金属酸化物の体積抵抗率は、以下のようにして測定する。
測定方法の例として、チタン酸ストロンチウム粒子の測定方法を以下に記載する。
装置としてはケースレーインスツルメンツ社製6517型エレクトロメータ/高抵抗システムを用いる。直径25mmの電極を接続し、電極間にチタン酸ストロンチウム粒子を厚みが約0.5mmとなるように乗せて、約2.0Nの荷重をかけた状態において、電極間の距離を測定する。
チタン酸ストロンチウム粒子に1,000Vの電圧を1分間印加した時の抵抗値を測定し、以下の式を用いて体積抵抗率を算出する。
体積抵抗率(Ω・cm)=R×L
R:抵抗値(Ω)
L:電極間距離(cm)
[トナーの表面電荷密度の測定方法]
トナーの表面電荷密度は、下記の方法により測定することが可能である。
まずトナーを、下記の条件によって帯電させた。
温度23℃ 相対湿度50%の環境下、トナー0.7gと、画像学会標準キャリア(N-01)9.3gとを50ccの樹脂製の瓶に入れ、ヤヨイ振蘯器200rpmにて5分間振蘯させ、トナーを摩擦帯電させた。
帯電させたトナーの表面電荷密度は、帯電量分布測定装置を用いて測定することが可能である。具体的には、ホソカワミクロン(株)製のE-spartアナライザーを用いて測定した。E―spartアナライザーは、電場と音響場を同時に形成させた検知部(測定部)に試料粒子を導入し、レーザードップラー法で粒子の移動速度を測定して、粒径と帯電量とを測定する装置である。
この測定によって、各粒径におけるトナー一粒子あたりの帯電量が算出され、そこから表面電荷密度σが算出される。具体的には、下記の計算式によって導くことができる。
σ=Q/πD
上記計算式中、Qは電荷量、Dはトナー粒径である。
[トナーの電界追従性の測定方法]
(株)エトワス社製の電界分離式帯電量測定装置を使用して行った。
上記装置は帯電量測定装置だが、測定の過程で内スリーブにコートした二成分現像剤中のトナーを、電界を用いて外スリーブに飛翔させ、その割合を算出することでトナーの電界追従性を評価した。
二成分現像剤(任意のキャリア:0.9gと、トナー:0.1gとを一定条件で混合)を作成し、印加電圧3kV、現像剤量1g、時間60sec、内スリーブと外スリーブとのギャップ 3mmという条件下において、トナーとキャリアとを分離する。そして、外スリーブに付着したトナーの質量をt(g)、現像剤の質量をd(g)としたとき、トナーの電界追従性Eは以下の式で算出できる。
トナーの電界追従性E=t/d×100 (%)
[トナー粒子表層から深さ0.5μm以上の領域における金属酸化物の存在割合の測定方法]
以下に記載の測定方法によって算出した。
トナーを最表面からエッチング法によって深さ方向の金属酸化物の存在比率をX線光電子分光装置(ESCA)を用いて測定する。例として、トナーにおけるチタン酸ストロンチウム由来のSr元素の分布を測定した際、トナー最表面から0.5μm以上におけるSr元素の存在比率(atomic%)をESCAのスパッタ回数を調整し、得られるピーク強度より算出する。
X線光電子分光装置(ESCA)を用いて、トナー粒子における金属酸化物由来の元素の分布を測定した際、
(i)トナー粒子表層から深さ0.5μm以上3.0μm以下の領域に、少なくとも5つ以上のピークが存在し、
(ii)前記ピークの合計の平均値をxA(atomic%)とし、前記ピークの最小値をXL(atomic%)としたとき、
0.5 ≦xA-XL
を満たすことが好ましい。
(i)トナー粒子表層から深さ0.5μm以上3.0μm以下の領域に、少なくとも5つ以上のピークが存在すると、金属酸化物が重合体のブロックポリマーと電子の享受が発生しやすく、トナーの表面電荷密度が安定化しやすいため、電界追従性が向上の効果が得られる。
(ii)前記ピークの合計の平均値をxA(atomic%)とし、前記ピークの最小値をXL(atomic%)としたとき、
0.5 ≦xA-XL
を満たすと、金属酸化物が適度に分散した状態で存在できるため、重合体のブロックポリマーと電子の享受が発生しやすく、トナーの表面電荷密度が安定化しやすいため、電界追従性が向上の効果が得られる。
[トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法]
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、
100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)と、
測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)と
を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことによって、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として下記の希釈液を約0.3mL加える。
・希釈液:「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力が120Wである下記の超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
・超音波分散器:「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が15℃以上40℃以下となるように適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
[平均円形度の測定方法]
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。さらに測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となるように適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS-150」((株)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3,000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に下記の標準ラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
標準ラテックス粒子:Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈。
なお、下記の実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けたときと同じ測定及び解析条件で測定を行った。
[樹脂のピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定方法]
ピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料(樹脂)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー(株)製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー(株)製)
カラム :Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工(株)製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0mL/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10mL
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
標準ポリスチレン樹脂としては、例えば下記のものが挙げられる。商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー(株)製)。
[樹脂の軟化点の測定方法]
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」((株)島津製作所製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点におけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax-Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとなるときの流動曲線の温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下において、錠剤成型圧縮機(例えば、NT-100H、エヌピーエーシステム(株)製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT-500Dの測定条件は、以下のとおりである。
試験モード:昇温法
開始温度:40℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
[樹脂の酸価の測定方法]
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂の酸価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間静置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
[樹脂の水酸基価の測定方法]
水酸基価とは,試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するために要する水酸化カリウムのmg数である。樹脂の水酸基価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mLに入れ、ピリジンを加えて全量を100mLにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス等に触れないように、褐色びんにて保存する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム35gを20mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間静置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5モル/L塩酸25mLを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.5モル/L塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した樹脂の試料1.0gを200mL丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.0mLをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mLを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5mLで漏斗及びフラスコの壁を洗う。
指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
樹脂の試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B-C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)、D:樹脂の酸価(mgKOH/g)である。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてさらに詳細に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
<重合体Aの製造例A1>
・溶媒:トルエン 100.0部
・単量体組成物 100.0部
(単量体組成物は以下のアクリル酸ベヘニル・酢酸ビニル・スチレンを以下に示す割合で混合したものである)
・アクリル酸ベヘニル(第一単量体) 60.0部(26.2モル%)
・酢酸ビニル (第二単量体) 30.0部(57.9モル%)
・スチレン (第三単量体) 10.0部(15.9モル%)
・重合開始剤t-ブチルパーオキシピバレート(日油(株)製:パーブチルPV) 0.5部
還流冷却管、攪拌機、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、窒素雰囲気下、上記材料を投入した。反応容器内を200rpmで撹拌しながら、70℃に加熱して12時間重合反応を行い、単量体組成物の重合体がトルエンに溶解した溶解液を得た。続いて、上記溶解液を25℃まで降温した後、1000.0部のメタノール中に上記溶解液を撹拌しながら投入し、メタノール不溶分を沈殿させた。得られたメタノール不溶分をろ別し、さらにメタノールで洗浄後、40℃で24時間減圧乾燥して重合体A1を得た。
上記重合体A1をNMRで分析したところ、アクリル酸ベヘニル由来のモノマーユニットが26.2モル%、酢酸ビニル由来のモノマーユニットが57.9モル%、スチレン由来のモノマーユニットが15.9モル%含まれていた。
重合体A1中の各重合性単量体の含有割合(モル%)と、重合体A1中の各モノマーユニットの含有割合(モル%)とは等しかった。
単量体及び単量体由来のモノマーユニットのSP値を算出した。物性を表2~3に示す。SP値の単位は(cal/cm0.5である。
<重合体の製造例A2~A14>
重合体1の製造例において、それぞれの単量体及び質量部数を表1となるように変更した以外は同様にして反応を行い、重合体A2~A14を得た。物性を表2~3に示す。
重合体A2~A14中の各重合性単量体の含有割合(モル%)と、重合体A2~A14中の各モノマーユニットの含有割合(モル%)とも等しかった。
Figure 0007313917000004
Figure 0007313917000005
Figure 0007313917000006
表1~3中の略号は以下のとおりである。
BEA:ベヘニルアクリレート CH=CH-COO-(CH21CH
SA:ステアリルアクリレート CH=CH-COO-(CH17CH
MYA:ミリシルアクリレート CH=CH-COO-(CH29CH
HA:ヘキサデシルアクリレート CH=CH-COO-(CH15CH
MN:メタクリロニトリル
AN:アクリロニトリル
HPMA:メタクリル酸2‐ヒドロキシプロピル
AM:アクリルアミド
UT:ウレタン基を有する単量体
UR:ウレア基を有する単量体
AA:アクリル酸
VA:酢酸ビニル
MA:アクリル酸メチル
St:スチレン
MM:メタクリル酸メチル
[結着樹脂の製造例]
[非晶性ポリエステル樹脂A1の製造例]
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン76.9質量部(0.167モル)
・テレフタル酸(TPA) 25.0質量部(0.145モル)
・アジピン酸 8.0質量部(0.054モル)
・チタンテトラブトキシド 0.5質量部
上記材料をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸(TMA)1.2質量部(0.006モル)を添加し、180℃で1時間反応させ(第2反応工程)、結着樹脂A1を得た。
この結着樹脂A1の酸価は5mgKOH/gであり、水酸基価は65mgKOH/gであった。また、GPCにより測定された分子量は、重量平均分子量(Mw)8,000、数平均分子量(Mn)3,500、ピーク分子量(Mp)5,700、軟化点は90℃であった。
[非晶性ポリエステル樹脂A2の製造例]
得られる非晶性ポリエステル樹脂の酸価を調整するために、テレフタル酸、アジピン酸及び無水トリメリット酸の添加量を、表4に示すようにそれぞれ変更した以外は、非晶性ポリエステル樹脂A1と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂A2を得た。非晶性ポリエステル樹脂A2の酸価、及び水酸基価を表4に示す。
[非晶性ポリエステル樹脂A3~A6の製造例]
得られる非晶性ポリエステル樹脂の酸価を調整するために、
テレフタル酸、アジピン酸及び無水トリメリット酸の添加量を、表4に示すようにそれぞれ変更し、かつ
第2反応工程において表4に示す量のアクリル酸も添加した以外は、非晶性ポリエステル樹脂A1と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂A3~A6を得た。非晶性ポリエステル樹脂A2~A6の酸価、及び水酸基価を表4に示す。
[非晶性ポリエステル樹脂Bの製造例]
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン71.3質量部(0.155モル)
・テレフタル酸 24.1質量部(0.145モル)
・チタンテトラブトキシド 0.6質量部
上記材料をガラス製4リットルの4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー及び窒素導入管を取りつけマントルヒーター内においた。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた(第1反応工程)。その後、無水トリメリット酸5.8質量部(0.030モル%)を添加し、180℃で10時間反応させ(第2反応工程)、非晶性ポリエステル樹脂Bを得た。
この非晶性ポリエステル樹脂Bの酸価は15mgKOH/gであり、水酸基価は7mgKOH/gである。また、GPCにより測定された分子量は、重量平均分子量(Mw)200,000、数平均分子量(Mn)5,000、ピーク分子量(Mp)10,000、軟化点は130℃であった。
Figure 0007313917000007
[樹脂組成物1の製造例]
・低密度ポリエチレン(Mw1400、Mn850、DSCによる最大吸熱ピークが100℃) 18部
・スチレン 66部
・n-ブチルアクリレート 13.5部
・アクリロニトリル 2.5部
上記材料をオートクレーブに仕込み、系内をN置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のt-ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、上記低密度ポリエチレンにビニル樹脂成分が反応した樹脂組成物1を得た。樹脂組成物1の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)7100、数平均分子量(Mn)3000であった。さらに、45体積%メタノール水溶液に分散した分散液における温度25℃で測定した600nmの波長における透過率は69%であった。
[金属酸化物粒子1の製造例]
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.5モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.5とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiOモル比で1.15となるよう添加した後、TiO濃度0.8モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、窒素ガスのマイクロバブリングを600mL/minで行いながら10モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液444mLを45分間かけて添加した。その後、窒素ガスのマイクロバブリングを400mL/minで行いながら95℃で1時間撹拌を行った。
その後、当該反応スラリーを反応容器のジャケットに10℃の冷却水を流しながら撹拌して15℃まで急冷し、pH2.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した後、6モル/Lの塩酸を加えてpH2.0に調整し、固形分に対して7.0質量%のn-オクチルエトキシシランを加え18時間撹拌を行った。4モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液で中和し、2時間撹拌した後にろ過・分離を行い、120℃の大気中で8時間乾燥して金属酸化物粒子1を得た。物性を表5に示す。
[金属酸化物粒子2~4の製造例]
金属酸化物粒子1と同様の製法で、水酸化ナトリウム水溶液の添加時間、窒素ガスのマイクロバブリング流量及び表面処理剤の種類や処理量を表5のように変えて金属酸化物粒子2~4を製造した。
[金属酸化物粒子5の製造例]
炭酸ストロンチウム600gと酸化チタン350gをボールミルにて、8時間湿式混合
した後、ろ過乾燥し、この混合物を10kg/cmの圧力で成形して1200℃で7時間焼結した。これを、機械粉砕して、金属酸化物粒子5を得た。
[金属酸化物粒子6の製造例]
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.65に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを4.5に調整し上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返しした。
該含水酸化チタンに対し、0.97倍モル量のSr(OH)・8HOを加えてSUS製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらにSrTiO換算で0.1mol/リットル~2.0mol/リットルになるように蒸留水を加えた。
該分散液と酸素ガスおよびプロパンガスを微粒子噴霧ノズルから80Lの燃焼反応槽内に噴霧して燃焼させた後、フィルターを通して捕集し、微粒子を得た。得られた微粒子に純水を加えてスラリーとし、6モル/Lの塩酸を加えてpH2.0に調整し、固形分に対して7.0質量%のn-オクチルエトキシシランを加え18時間撹拌を行った。4モル/L水酸化ナトリウム水溶液で中和し、2時間撹拌した後にろ過・分離を行い、120℃の大気中で8時間乾燥して金属酸化物粒子6を得た。
[金属酸化物7の製造例]
金属酸化物7の製造には、燃焼炉は、内炎と外炎が形成できる二重管構造の炭化水素-酸素混合型バーナーを用いた。バーナー中心部にスラリー噴射用の二流体ノズルが設置され、原料のケイ素化合物が導入される。二流体ノズルの周囲から炭化水素-酸素の可燃性ガスが噴射され、還元雰囲気である内炎及び外炎を形成する。可燃性ガスと酸素の量及び流量の制御により、雰囲気と温度、火炎の長さ等が調整される。火炎中においてケイ素化合物からシリカ微粒子が形成され、さらに所望の粒径になるまで融着させる。すなわち、流量と火炎の調整によりケイ素化合物が、高温雰囲気化で処理される時間が長くなるほどシリカ微粒子の粒径が大きくなる。その後、冷却後、バグフィルター等により捕集することによって得られる。
原料のケイ素化合物として、ヘキサメチルシクロトリシロキサンを用いて、金属酸化物を製造し、得られた金属酸化物粒子100部に、ヘキサメチルジシラザン4質量部で表面処理し、金属酸化物粒子7を得た。
金属酸化物8として、市販の酸化亜鉛粒子を用いた。
金属酸化物9として、市販のカーボンブラック粒子を用いた。
各金属酸化物の物性を表5に示す。
Figure 0007313917000008
[トナー1製造例]
・非晶性ポリエステル樹脂A1 70.0質量部
・非晶性ポリエステル樹脂B 30.0質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃)5.0質量部
・樹脂組成物1 5.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0質量部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5質量部
・金属酸化物粒子1 1.5質量部
・金属酸化物粒子7 1.5質量部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5分で混合した後、温度125℃、回転数300rpmに設定した二軸混練機(PCM-30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて直径1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、フロイント・ターボ(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。
得られたトナー粒子100質量部に、ヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した比表面積が90m/gの疎水性シリカ微粒子を0.8質量部添加し、ヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業(株)製)で混合して、トナー1を得た。
ヘンシェルミキサーの運転条件は、回転数30s-1、回転時間10分とした。
得られたトナー1は、平均円形度が0.965、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。得られたトナー1の物性を表6に示す。
[トナー2~25、28~36の製造例]
トナー1の製造例において、表6のように原材料を変更すること以外は同様にしてトナー2~36を得た。得られたトナーの物性を表6に示す。
[トナー26~27の製造例]
トナー1の製造例において、表6のように原材料を変更し、混錬条件を回転数200rpmに設定する以外は同様にしてトナー26~27を得た。得られたトナーの物性を表6に示す。
なお、トナー5~27を用いた実施例5~27は、参考例として記載するものである。
Figure 0007313917000009
Figure 0007313917000010
[キャリアの製造例]
(磁性コア粒子1の製造例)
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7質量部
MnCO 29.5質量部
Mg(OH) 6.8質量部
SrCO 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)において、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393である。
・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加した。そして、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機(株))を用いて、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)において、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
(被覆樹脂1の調整)
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加した。そして、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、減圧乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
(被覆樹脂溶液1の調製)
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75mL/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液1を得た。
[磁性キャリア1の製造例]
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている減圧脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を充填コア粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後、冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
[二成分系現像剤1の製造例]
磁性キャリア1を92.0質量部に対し、トナー1を8.0質量部加え、V型混合機(V-20、(株)セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
[二成分系現像剤2~36の製造例]
二成分系現像剤1の製造例において、トナーを表5のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤2~36を得た。各実施例及び各比較例において使用したトナー、キャリア及び二成分現像剤は表7に示すとおりである。
Figure 0007313917000011
<低温定着性の評価方法>
画像形成装置としてキヤノン(株)製フルカラー複写機imagePress C10000VPを使用し、低温定着性の評価を行った。
未定着画像は、上記複写機から定着ユニットを取り外した改造機によって出力した。
定着試験は、上記複写機から取り外し、定着温度が調節できるように改造した定着ユニットを用いて行った。具体的な評価方法は、以下のとおりである。
紙:OK Top128(坪量128g/m 王子製紙(株))
トナーの載り量:1.20mg/cm
定着試験環境:低温低湿環境(温度15℃/相対湿度10%)
上記未定着画像を作製した後、プロセススピードを450mm/秒、定着温度を130℃に設定し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。画像濃度低下率は、X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を用い、まず、中心部の画像濃度を測定した。次に、画像濃度を測定した部分に対して、4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけ、シルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定した。
そして、下記式を用いて摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を算出し、算出された画像濃度の低下率を下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表8に示す。
画像濃度の低下率=(摺擦前の画像濃度-摺擦後の画像濃度)/摺擦前の画像濃度×100
(評価基準)
A:濃度低下率1.0%未満
B:濃度低下率1.0%以上5.0%未満
C:濃度低下率5.0%以上10.0%未満
D:濃度低下率10.0%以上15.0%未満
E:濃度低下率15.0%以上
<転写性の評価方法>
画像形成装置としてキヤノン(株)製フルカラー複写機imageRunner C5250を使用し、転写性の評価を行った。
シアンカートリッジのトナーを取り出して、このカートリッジに上記製造例の二成分現像剤を250g充填した。
そして、まずベタ画像を1枚出力した(初期)。その際、感光体から中間転写体へのトナーの転写前後に装置を停止し、転写工程前の感光体上のトナー載り量M1(mg/cm)と転写工程後の感光体上のトナー載り量M2(mg/cm)とを測定した。
その後、印字率1%チャートを20000枚連続で出力した後、ベタ画像を出力した(耐久後)。その際、前記のように、感光体から中間転写体へのトナーの転写前後に装置を停止し、転写工程前の感光体上のトナー載り量M1(mg/cm)と転写工程後の感光体上のトナー載り量M2(mg/cm)とを測定した。
下記の普通紙及びエンボス紙のそれぞれについて上記の転写性の評価を行った。
・普通紙:CS-680(A4、坪量68g/m、キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)
・エンボス紙:OKエンボス梨地(A4サイズにカットして使用、坪量84.9g/m、王子製紙(株)より販売)
・評価環境:高温高湿環境(温度30℃/相対湿度80%)
測定されたトナー載り量を用いて、下記式より転写効率を算出した。
転写効率(%)=(M1-M2)/M1×100
以下の評価基準により、転写性を評価した。評価結果を表8に示す。
A:転写効率が95%以上
B:転写効率が90%以上95%未満
C:転写効率が85%以上90%未満
D:転写効率が80%以上85%未満
E:転写効率が80%未満
<耐久後の色味変動性の評価方法>
画像形成装置としてキヤノン(株)製フルカラー複写機imagePress C10000VPを使用し、シアン色用のステーションの現像器に二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。
評価環境は、高温高湿環境(温度30℃/相対湿度80%)とし、評価紙は、コピー用普通紙GFC-081(A4、坪量81.4g/m キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を用いた。
高印字比率(画像印字比率30%)で25000枚出力、その後、低印字比率(画像印字比率1%)で25000枚出力後において、初期(耐久1枚目)濃度と耐久後(50000枚目)濃度とを測定し、下記式を用いて濃度変化率(%)を算出した。
濃度変化率=(初期の濃度-耐久後の濃度)/初期の濃度×100(%)
画像濃度は、X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を用いて測定し、以下の評価基準に従って評価した。評価結果を表8に示す。
(評価基準)
A:濃度変化率0.5%未満
B:濃度変化率0.5%以上1.0%未満
C:濃度変化率1.0%以上2.0%未満
D:濃度変化率2.0%以上3.0%未満
E:濃度変化率3.0%以上
<非画像部へのカブリの評価方法>
画像形成装置としてキヤノン(株)製フルカラー複写機imagePress C10000VPを使用し、シアン色用のステーションの現像器に二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。
評価環境は、高温高湿環境(温度30℃/相対湿度80%)とし、評価紙は、コピー用普通紙GFC-081(A4、坪量81.4g/m キヤノンマーケティングジャパン(株)より販売)を用いた。
画像印字比率20%で50000枚出力耐久後における、耐久前後での白地部のカブリを測定した。
画出し前(初期)の評価紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメータ((有)東京電色製の「REFLECTOMETER MODEL TC-6DS」)によって測定した。
耐久後(50000枚目)の00H画像部(白地部)の反射率Ds(%)も上記リフレクトメータを用いて測定した。
得られたDr(初期)及びDs(耐久後)より、下記式を用いてカブリ(%)を算出した。得られたカブリを下記の評価基準に従って評価した。
カブリ(%) = Dr(%)-Ds(%)
評価結果を表8に示す。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5%以上、1.0%未満
C:1.0%以上、2.0%未満
D:2.0%以上、3.0%未満
E:3.0%以上
Figure 0007313917000012

Claims (13)

  1. 結着樹脂と金属酸化物とを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該結着樹脂が、第一の重合性単量体に由来する第一のモノマーユニット、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体に由来する第二のモノマーユニットを有する重合体Aを含有し、
    該第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
    該重合体A中の該第一のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
    該重合体A中の該第二のモノマーユニットの含有割合が、該重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
    該第一のモノマーユニットのSP値をSP11(J/cm0.5とし、該第二のモノマーユニットのSP値をSP21(J/cm0.5としたとき、下記式(1)及び下記式(2)を満たし、
    3.00≦(SP21-SP11)≦25.00 ・・・(1)
    21.00≦SP21 ・・・(2)
    該金属酸化物は、チタン酸ストロンチウム粒子及びシリカ粒子を含有しており、
    該金属酸化物の体積抵抗率が、1.0×10Ω・cm~1.0×1018Ω・cmであり、
    該トナー粒子表層から深さ0.5μm以上の領域において、該トナー粒子の質量を基準として、該金属酸化物の存在割合が、1.0%以上、10.0%以下であることを特徴とするトナー。
  2. 結着樹脂と金属酸化物とを含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該結着樹脂が、第一の重合性単量体、及び該第一の重合性単量体とは異なる第二の重合性単量体を含有する組成物の重合体である重合体Aを含有し、
    該第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状又は分岐状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つであり、
    該組成物中の該第一の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、5.0モル%~60.0モル%であり、
    該組成物中の該第二の重合性単量体の含有割合が、該組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、20.0モル%~95.0モル%であり、
    該第一の重合性単量体のSP値をSP12(J/cm0.5とし、該第二の重合性単量体のSP値をSP22(J/cm0.5としたとき、下記式(3)及び下記式(4)を満たし、
    0.60≦(SP22-SP12)≦15.00 ・・・(3)
    18.30≦SP22 ・・・(4)
    該金属酸化物は、チタン酸ストロンチウム粒子及びシリカ粒子を含有しており、
    該金属酸化物の体積抵抗率が、1.0×10Ω・cm~1.0×1018Ω・cmであり、
    該トナー粒子表層から深さ0.5μm以上の領域において、該トナー粒子の質量を基準として、該金属酸化物の存在割合が、1.0%以上、10.0%以下であることを特徴とするトナー。
  3. 前記重合体A中の前記第二のモノマーユニットの含有割合が、前記重合体A中の全モノマーユニットの総モル数を基準として、40.0モル%~95.0モル%である請求項1に記載のトナー。
  4. 前記組成物中の前記第二の重合性単量体の含有割合が、前記組成物中の全重合性単量体の総モル数を基準として、40.0モル%~95.0モル%である請求項2に記載のトナー。
  5. 前記第一の重合性単量体が、炭素数18~36の直鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステルからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1~4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記第二の重合性単量体が、下記式(B)及び下記式(C)からなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
    Figure 0007313917000013
    (式(B)及び式(C)中、Xは単結合又は炭素数1~6のアルキレン基を示し、
    は、ニトリル基(-C≡N)、
    アミド基(-C(=O)NHR(Rは水素原子、若しくは炭素数1~4のアルキル基))、
    ヒドロキシ基、
    -COOR(Rは炭素数1~6のアルキル基若しくは炭素数1~6のヒドロキシアルキル基)、
    ウレタン基(-NHCOOR(Rは炭素数1~4のアルキル基))、
    ウレア基(-NH-C(=O)-NH(R(Rはそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6のアルキル基))、-COO(CHNHCOOR(Rは炭素数1~4のアルキル基)、又は
    -COO(CH-NH-C(=O)-NH(R10(R10はそれぞれ独立して、水素原子若しくは炭素数1~6のアルキル基)であり、Rは、炭素数1~4のアルキル基であり、R、Rは、それぞれ独立して水素原子又はメチル基である。)
  7. 該トナー粒子表層から深さ0.5μm以上の領域において、該トナー粒子の質量を基準として、該金属酸化物の存在割合が、1.0%以上、5.0%以下である請求項1~6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 該金属酸化物の体積抵抗率が、1.0×10Ω・cm~1.0×1013Ω・cmである請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 該結着樹脂がポリエステル樹脂である請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 該ポリエステル樹脂の酸価が0mgKOH/g以上20mgKOH/g以下である請求項に記載のトナー。
  11. 該金属酸化物がアルキル基を有する化合物で表面処理されている請求項1~10のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 該金属酸化物の1MHzにおける誘電率が、20pF/m~100pF/mである請求項1~11のいずれか一項に記載のトナー。
  13. 前記結着樹脂が、前記第一の重合性単量体、及び第二の重合性単量体とは異なる第三の重合性単量体を有する重合体Aを含有し、
    該第三の重合性単量体が、スチレン、メタクリル酸メチル及びアクリル酸メチルからなる群から選ばれる少なくとも一つである請求項1~12のいずれか一項に記載のトナー。
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