JP7433869B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及するに従い、高速印刷化や省エネルギー対応への要求がさらに高まっている。高速印刷に対応するため、定着工程においてトナーをより素早く溶融させる技術が検討されている。また、省エネルギー対応策として、定着工程での消費電力を低下させるために、トナーをより低い温度で定着させる技術が検討されている。
高速印刷に対応し、かつトナーの低温定着性を向上させるために、トナーの結着樹脂のガラス転移点や軟化点を下げ、かつシャープメルト性を有する結着樹脂を用いる方法がある。近年、シャープメルト性を有する樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有させたトナーが多く提案されている。しかし、低粘度化させたトナーは、粘性応力が低いために、定着部材から印字された紙が分離しにくくなる傾向があった。
その課題を解決するため、特許文献1ではトナー表面近傍に結晶性ポリエステル成分によって形成されたラメラ構造を有するトナーが提案されている。
また、特許文献2にはトナー内部の結晶性ポリエステルの分散状態を制御し、低温定着性と耐久安定性を両立させるトナーが提案されている。
このように、トナー内部の結晶性ポリエステルの分散状態を制御することで、トナー表面近傍に結晶性ポリエステルやワックスなどの潤滑性材料を存在させることで、上記課題を解決する技術が検討されている。
しかし、一方で、結晶性ポリエステルは、電気抵抗が低く、結晶性ポリエステルを含有したトナーは、結晶性ポリエステルを含有しないトナーに比べ帯電性が低下する傾向にあることが知られている。その改善のためにトナーに使用する外添剤を工夫する検討が種々行われている。特許文献3には、針状の結晶性ポリエステルのドメインを有するトナー母粒子に、特定の粒径のチタン酸ストロンチウム微粒子を添加させて帯電性を向上させる提案がされている。
特開2006-106727号公報 特開2017-003980号公報 特開2017-003916号公報
本発明者らの検討により、特許文献1及び2のトナーは、高温高湿環境における帯電安定性の維持という面で不十分であることがわかった。
また、特許文献3のトナーは、定着時の紙との分離性が充分ではなく、高温高湿環境において特に低印字比率で耐久された場合、及び高温高湿環境において放置された場合におけるトナーの帯電性低下、並びにそれによる画像の色味変動及び画像白地部へのカブリを充分に抑制できていなことがわかった。
本発明の目的は、上記の課題を解決したトナーを提供することにある。具体的には、低温定着性と定着分離性と高温高湿環境での帯電安定性を有し、かつ低印字比率で耐久試験後も帯電性を維持し色味変動やカブリの少ないトナーを提供することである。
結着樹脂、結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子と、該トナー粒子表面に存在する無機微粒子と、を含有するトナーであって、
該結着樹脂が非晶性ポリエステルを含有し、
該トナー粒子中の該非晶性ポリエステルの含有量が60質量%以上90質量%以下であり、
該非晶性ポリエステルが、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を含むアルコール成分と炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸を含むカルボン酸成分との縮重合物である非晶性ポリエステルXを含有し、
該非晶性ポリエステルXは、全アルコールユニットの総和を基準として、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するアルコールユニットの割合が、30質量%以
上60質量%以下であり、
該結晶性ポリエステルの含有量が、該結着樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、
該結晶性ポリエステルが、炭素数が6以上16以下の脂肪族ジオールを主成分として含むジオール成分と、炭素数が6以上16以下の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸成分との縮重合物であり、
該トナーの断面において、
(i)該結晶性ポリエステルがドメインとして観察され、
(ii)該トナー粒子の断面において、該ドメインの占有面積の総和をDAとし、
該トナー粒子の輪郭及び該輪郭から該トナー粒子の内側へ0.50μm離れた線により囲まれた領域に存在する該ドメインの占有面積の総和をDBとしたとき、
該DBの該DAに対する比率が10%以上であり、
(iii)該領域に存在する該ドメインに関し、
(iii-a)該ドメインの長軸長さの個数平均値が、120nm以上1000nm以下であり、
(iii-b)該ドメインのアスペクト比の個数平均値が、4以下であり、
25℃、1MHzにおける誘電率の測定において、該無機微粒子の該誘電率が25pF/m以上300pF/m以下であり、
該トナー粒子表面における、該無機微粒子による被覆率が、5%以上60%以下であることを特徴とするトナー。


本発明により、低温定着性と定着分離性と高温高湿環境での帯電安定性を有し、かつ低印字比率で耐久試験後も帯電性を維持し色味変動やカブリの少ないトナーを提供できる。
熱表面処理装置の例
本発明において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明のトナーは、結着樹脂、結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子と、該トナー粒子表面に存在する無機微粒子と、を含有するトナーであって、
該結晶性ポリエステルの含有量が、該結着樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、
該トナーの断面において、
(i)該結晶性ポリエステルがドメインとして観察され、
(ii)該トナー粒子の断面において、該ドメインの占有面積の総和をDAとし、
該トナー粒子の輪郭及び該輪郭から該トナー粒子の内側へ0.50μm離れた線により囲まれた領域に存在する該ドメインの占有面積の総和をDBとしたとき、
該DBの該DAに対する比率が10%以上であり、
(iii)該領域に存在する該ドメインに関し、
(iii-a)該ドメインの長軸長さの個数平均値が、120nm以上1000nm以下であり、
(iii-b)該ドメインのアスペクト比の個数平均値が、4以下であり、
25℃、1MHzにおける誘電率の測定において、該無機微粒子の該誘電率が25pF/m以上300pF/m以下であり、
該トナー粒子表面における、該無機微粒子による被覆率が、5%以上60%以下であることを特徴とする。
上記トナーを用いることにより、低温定着性、及び定着分離性が良好であり、高温高湿
環境下においてトナー消費量の少ない低印字画像を連続出力するような場合にも、トナーの帯電性が良好なレベルのまま維持され、画像濃度が安定化し、色味変動やカブリの低減された画像出力が行える。
そのメカニズムについて、本発明者らは以下のように考えている。
現像器内でトナーが撹拌される際に発生した負電荷はその電位差をもとに比較的低抵抗な結晶性ポリエステルをパスとしてトナー粒子表面の無機微粒子に移動すると考える。無機微粒子の誘電率が上記範囲であること、トナー粒子表面に上記範囲で無機微粒子が存在していること、及びトナー粒子表面近傍の結晶性ポリエステルのドメイン形状が上記範囲である場合に、電荷がトナー粒子から漏洩することなく無機微粒子に蓄積されると考える。そのため高温高湿環境において低印字出力後も帯電性が維持され、色味変動や白地部へのカブリが抑制されると考える。
[無機微粒子]
25℃、1MHzにおける誘電率の測定において、無機微粒子の誘電率が、25pF/m以上300pF/m以下であることが必要である。この範囲の誘電率を有している無機微粒子であれば特に制限されず、公知の材料を用いることができる。この範囲であると電荷の充電と結晶性ポリエステルドメインからの電荷受け渡しがスムーズに行え、トナーの帯電安定性が向上する。
帯電性向上の観点から、無機微粒子の誘電率は、30pF/m以上100pF/m以下が好ましく、30pF/m以上50pF/m以下がより好ましい。
無機微粒子としては、例えば、チタン酸ストロンチウム粒子、チタン酸カルシウム粒子、チタン酸マグネシウム粒子などのチタン酸アルカリ土類金属粒子;チタン酸カリウム粒子などのチタン酸アルカリ金属粒子からなる群から選択される少なくとも一が挙げられる。
無機微粒子は、チタン酸ストロンチウム粒子を含むことが好ましく、チタン酸ストロンチウム粒子であることがより好ましい。チタン酸ストロンチウム粒子は比較的低抵抗かつ高誘電率であり、トナーの帯電安定性の観点で好ましい。
また、チタン酸ストロンチウム粒子の中でも、直方体状の粒子形状を有し、且つペロブスカイト型結晶構造を有するチタン酸ストロンチウム粒子であることが、トナーの帯電安定性の観点で好ましい。
無機微粒子のうち直方体の無機微粒子の含有率は、35個数%~65個数%が好ましい。さらに、40個数%~50個数%がより好ましい。
直方体状の粒子形状としては、立方体状の粒子形状であることがより好ましい。なお、立方体状、直方体状とは、完全な立方体や直方体に限られず、例えば、角が一部欠けたり、丸みを帯びたりしているような略立方体や略直方体も含まれる。また、無機微粒子のアスペクト比は1.0以上3.0以下であることが好ましい。
無機微粒子の体積抵抗率は、2.00×10Ω・cm以上2.00×1012Ω・cm以下の範囲であると、転写バイアスにより電荷注入を抑えつつ帯電量分布がシャープ化されるのでより好ましい。
無機微粒子の個数平均粒子径は、20nm以上300nm以下が好ましく、30nm以上100nm以下がより好ましく、20nm以上60nm以下がさらに好ましい。また、それらの粒度分布において、個数頻度のピークトップが上記粒径範囲にあることが好ましい。個数平均粒子径が上記範囲であると、トナー粒子に対して固着しやすく、少ない個数でトナー粒子を被覆でき、また脱離しにくいため、高温高湿環境下における、低印字画像の耐久試験後の帯電安定性が向上する効果を発現しやすくなる。
表面処理剤により無機微粒子表面を疎水化させることが好ましい。表面処理剤としては、脂肪酸又はその金属塩、ジシリルアミン化合物、ハロゲン化シラン化合物、シリコーンオイル、シランカップリング剤、チタンカップリング剤などが、トナーの帯電安定性を向上できる点で好ましい。その中でも、n-オクチルエトキシシラン処理や3,3,3-ト
リフロロプロピルトリメトキシシラン処理が、帯電安定性の効果を高める点で好ましい。
トナー中の無機微粒子の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上30.0質量部以下であることが好ましい。0.1質量部以上であると、帯電安定性が良好になり、30.0質量部以下であると、定着時にトナーへの熱の伝わり方が均一になり、低温定着性や定着分離性が良好になる。帯電安定性及び定着性の観点から、0.5質量部以上10.0質量部以下であることが好ましく、1.0質量部以上6.0質量部以下がより好ましい。
トナー粒子と無機微粒子との混合は、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等の公知の混合機を用いることができ、特に限定されるものではない。
無機微粒子の一例としてのチタン酸ストロンチウム粒子は、常圧加熱反応法により得ることができる。このとき、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、また酸化ストロンチウム源としては水溶性酸性ストロンチウム化合物を用いることが好ましい。それらの混合液に60℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理する方法で製造することができる。
(常圧加熱反応法)
酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いることができる。好ましくは、硫酸法で得られたSO含有量が1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下のメタチタン酸を、塩酸でpHを0.8~1.5に調整して解膠したものを用いることができる。
酸化ストロンチウム源としては、金属の硝酸塩、塩酸塩などを使用することができ、例えば、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウムを使用することができる。
アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
チタン酸ストロンチウム粒子の製造方法において、粒子径に影響を及ぼす因子としては、反応時における酸化チタン源と酸化ストロンチウム源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、並びにアルカリ水溶液を添加するときの温度及び添加速度などが挙げられる。目的の粒子径及び粒度分布のものを得るためこれらを適宜調整することができる。なお、反応過程における炭酸塩の生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応させる等、炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
チタン酸ストロンチウム粒子の製造方法において、誘電率に影響を及ぼす因子としては、粒子結晶性を崩す条件/操作が挙げられる。特に低誘電率のチタン酸ストロンチウム粒子を得るためには、反応液の濃度を大きくした状態で結晶成長を乱すエネルギーを与える操作を行うのが好ましい。具体的な方法としては例えば結晶成長工程に窒素によるマイクロバブリングを加える事が挙げられる。また、直方体形状の粒子の含有量もこの窒素のマイクロバブリングの流量により制御できる。
反応時における酸化チタン源と酸化ストロンチウム源の混合割合は、SrO/TiOのモル比で、0.9~1.4が好ましく、1.05~1.20がより好ましい。上記範囲であると、未反応の酸化チタンが残存しにくい。反応初期の酸化チタン源の濃度としては、TiOとして、好ましくは0.05~1.3mol/L、より好ましくは0.08~1.0mol/Lである。
アルカリ水溶液を添加するときの温度は、60℃~100℃が好ましい。また、アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸ストロンチウム粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し、好ましくは0.001~1.2当量/h、より好ましくは0.002~1.1当量/hであり、得ようとする粒子径に応じて適宜調整することができる。
(酸処理)
常圧加熱反応によって得たチタン酸ストロンチウム粒子をさらに酸処理することが好ましい。常圧加熱反応を行って、チタン酸ストロンチウム粒子を合成する際に、酸化チタン源と酸化ストロンチウム源の混合割合がSrO/TiOのモル比で、1.0を超える場合、反応終了後に残存した未反応のチタン以外の金属源が空気中の炭酸ガスと反応して、金属炭酸塩などの不純物を生成してしまう場合がある。表面に金属炭酸塩などの不純物が残存すると、疎水性を付与するための有機表面処理をする際に、有機表面処理剤で均一に被覆しにくくなる。したがって、アルカリ水溶液を添加した後、未反応の金属源を取り除くため酸処理を行うことが好ましい。
酸処理では、塩酸を用いてpH2.5~7.0、より好ましくはpH4.5~6.0に調整することが好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸等を酸処理に用いることができる。
[その他外添剤]
トナーには、前述した無機微粒子のほかに、帯電量や流動性を調整するために必要に応じて他の無機微粉末を含有させることもできる。無機微粉末は、トナー粒子に内添してもよいし外添してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムのような無機微粉末が好ましい。無機微粉末は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
外添剤の比表面積は、10m/g以上50m/g以下であることが、外添剤の埋め込み抑制の観点で好ましい。
また、該外添剤は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下使用されることが好ましい。
トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いることができるが、混合できればよく、特に装置は限定されるものではない。
[結着樹脂]
結着樹脂は、特に限定されないが、定着分離性、帯電性制御の観点で、ポリエステル樹脂を含むことが好ましい。結着樹脂は、非晶性ポリエステルを含むことがより好ましく、非晶性ポリエステルであることがさらに好ましい。
非晶性ポリエステル樹脂は、アルコール成分と酸成分から構成される通常のものが使用でき、両成分については以下に例示する。
アルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ブテンジオール、オクテンジオール、シクロヘキセンジメタノール、水素化ビスフェノールA、下記式(1)で表されるビスフェノール誘導体が挙げられる。水素化ビスフェノールA、下記式(1)で表されるビスフェノール誘導体などの、ビスフェノール類が好ましい。
Figure 0007433869000001
[式中、Rはエチレン基又はプロピレン基であり、x及びyはそれぞれ0以上の整数であり、かつx+yの平均値は1~10である。]
さらに、アルコール成分としてグリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビット、ソルビタン、ノボラック型フェノール樹脂のオキシアルキレンエーテルのような多価アルコールが挙げられる。
一方、非晶性ポリエステル樹脂を構成する2価のカルボン酸としてはフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸のようなベンゼンジカルボン酸又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸又はその無水物が挙げられる。さらには、炭素数6~18のアルキル基若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸のような不飽和ジカルボン酸又はその無水物などが挙げられる。また、トリメリット酸、ピロメリット酸、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸が挙げられる。
非晶性ポリエステルは、アルコールユニットとカルボン酸ユニットとを有し(より好ましくはアルコールユニットとカルボン酸ユニットのみを有し)、全アルコールユニットの総和を基準として、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するアルコールユニットの割合が30質量%以上であることが好ましい。より好ましくは40質量%以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは80質量%以下であり、より好ましくは60質量%以下である。
また、アルコール成分、と炭素数4以上18以下(より好ましくは6以上12以下)の脂肪族ジカルボン酸を含有するカルボン酸成分と、を縮重合して得られた非晶性ポリエステルであることが好ましい。また、ビスフェノール類に対する該エチレンオキサイド付加物の平均付加モル数が1.6モル以上3.0モル以下であることが好ましく、1.6モル以上2.6モル以下であることがより好ましい。
エチレンオキサイド付加物の比率が上記範囲であると、非晶性ポリエステルに対する結晶性ポリエステルの相溶性が良好になり、定着時にワックスとともに結晶性ポリエステルが画像上表面に染み出す効果が高くなる。そのため、定着分離性が向上する。また、該エチレンオキサイド付加物の平均付加モル数を上記範囲にすると、結晶性ポリエステルの分散性を向上させることができ、高温高湿環境における低印字比率画像の耐久試験後のトナー帯電性を安定させる観点でより好ましい。
また、炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸を含有したカルボン酸成分を用いると、この部分が結晶性ポリエステルと強く親和する。そのため、結晶性ポリエステルがトナー粒子表面近傍に存在できるため、定着分離性が向上する。炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸のカルボン酸成分に対する比率としては6質量%以上40質量%以下であることがより好ましい。
炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸としては上記のほかに、例えば、テトラデカン二酸やオクタデカン二酸などのアルキルジカルボン酸やその無水物、低級アルキルエステルなどが挙げられる。また、それらの主鎖の一部がメチル基やエチル基、オクチル基などのアルキル基、又はアルキレン基で分岐した構造を持つ化合物が挙げられる。また、テトラヒドロフタル酸などの脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
非晶性ポリエステル樹脂の製造には、公知の触媒を用いることができる。例えばスズ、
チタン、アンチモン、マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム等の金属;及びこれらの金属含有化合物などが挙げられる。
帯電安定性の観点から、非晶性ポリエステルの酸価は、1mgKOH/g以上10mgKOH/g以下が好ましい。
また、非晶性ポリエステルは、低軟化点の非晶性ポリエステルAと高軟化点の非晶性ポリエステルBを含有することが、低温定着性と分離性を両立させる点で好ましい。
低軟化点の非晶性ポリエステルAと高軟化点の非晶性ポリエステルBの含有比率(A/B)は質量基準で60/40~90/10であることが、低温定着性と分離性の観点から好ましい。
低軟化点の非晶性ポリエステルAの軟化点は70℃以上100℃以下であることが、トナーの保存性と低温定着性の両立の観点から好ましい。
高軟化点の非晶性ポリエステルBの軟化点は110℃以上180℃以下であることが、耐ホットオフセット性の観点から好ましい。
トナー粒子中の非晶性ポリエステルの含有量は、好ましくは60質量%以上90質量%以下である。上記範囲であると、優れた低温定着性と定着分離性とが両立しやすい。
顔料分散性を向上させたり、トナーの帯電安定性、耐ブロッキング性を改善したりする目的で上記非晶性ポリエステル以外にも、他の結着樹脂として、下記の重合体を用いることも可能である。
離型剤や顔料の分散性が向上すると、トナー粒子表面近傍の結晶性ポリエステルの微細結晶の分散性の向上につながるため、分散剤としてのその他の樹脂をトナーに含有させるのが好ましい。
結着樹脂に用いられるその他の樹脂としては、例えば以下の樹脂が挙げられる。ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然樹脂変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン-インデン樹脂、石油系樹脂等が挙げられる。
トナー粒子は、結着樹脂として非晶性ポリエステルを含有することが好ましい。
[結晶性ポリエステル]
トナー粒子は結晶性ポリエステルを含有する。結晶性ポリエステルは、脂肪族ジオールと脂肪族ジカルボン酸とを主成分として含む単量体組成物の重縮合物であることが好ましい。低温定着性と定着分離性を一段高いレベルで両立するという点から、結晶性ポリエステルは、炭素数6以上16以下(より好ましくは10以上14以下)の脂肪族ジオールを主成分として含むジオール成分と、炭素数6以上16以下(より好ましくは10以上14以下)の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸成分との縮重合物であることが好ましい。
脂肪族ジオールとしては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジオールであることが好ましく、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,4-ブタジエングリコール、トリ
メチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、ノナメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチルグリコールが挙げられる。
これらの中でも、特にエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4-ブタンジオール、及び1,6-ヘキサンジオールのような直鎖脂肪族、α,ω-ジオールが好ましく例示される。
上記ジオール成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が炭素数6以上16以下の脂肪族ジオールから選ばれる。より好ましくはジオール成分のうち、80質量%以上が炭素数6以上16以下の脂肪族ジオールから選ばれる。
上記脂肪族ジオール以外の多価アルコール単量体を用いることもできる。該多価アルコール単量体のうち2価アルコール単量体としては、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、ポリオキシプロピレン化ビスフェノールA等の芳香族アルコール;1,4-シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。
また、該多価アルコール単量体のうち3価以上の多価アルコール単量体としては、1,3,5-トリヒドロキシメチルベンゼン等の芳香族アルコール;ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,5-ペンタントリオール、グリセリン、2-メチルプロパントリオール、2-メチル-1,2,4-ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の脂肪族アルコール等が挙げられる。
一方、脂肪族ジカルボン酸としては、特に限定されないが、鎖状(より好ましくは直鎖状)の脂肪族ジカルボン酸であることが好ましい。具体例としてはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジカルボン酸、デカンジカルボン酸、ウンデカンジカルボン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸が挙げられ、これらの酸無水物又は低級アルキルエステルを加水分解したものなども含まれる。
上記ジカルボン酸成分のうち、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上が、炭素数6以上16以下の脂肪族ジカルボン酸から選ばれる。より好ましくはジカルボン酸成分のうち、80質量%以上が炭素数6以上16以下の脂肪族ジカルボン酸から選ばれる。
上記脂肪族ジカルボン酸以外の多価カルボン酸を用いることもできる。その他の多価カルボン酸単量体のうち、2価のカルボン酸としては、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族カルボン酸;n-ドデシルコハク酸、n-ドデセニルコハク酸の脂肪族カルボン酸;シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物又は低級アルキルエステルなども含まれる。
また、その他のカルボン酸単量体のうち、3価以上の多価カルボン酸としては、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7-ナフタレントリカルボン酸、1,2,4-ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、1,2,4-ブタントリカルボン酸、1,2,5-ヘキサントリカルボン酸、1,3-ジカルボキシル-2-メチル-2-メチレンカルボキシプロパン等の脂肪族カルボン酸が挙げられ、これらの酸無水物又は低級アルキルエステル等の誘導体等も含まれる。
トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上20.0質量部以下であることが必要である。0.5質量部よりも少ないと定着分離性の効果を発現しにくく、20.0質量部よりも多いと、帯電性が低下する。定着分離性と帯電性の両立の観点から、上記含有量は、1.0質量部以上6.0質量部以下であること好ましく、2.0質量部以上4.0質量部以下であることがより好ましい。
結晶性樹脂とは示差走査熱量測定(DSC)において吸熱ピークが観測される樹脂である。
透過型電子顕微鏡(TEM)により観察されるトナーの断面において、
(i)結晶性ポリエステルがドメインとして観察される。すなわち、該トナー断面には、該結晶性ポリエステルのドメインが分散して存在する。
(ii)該トナー粒子の断面において、該ドメインの占有面積の総和をDAとし、
該トナー粒子の輪郭及び該輪郭から該トナー粒子の内側へ0.50μm離れた線により囲まれた領域に存在する該ドメインの占有面積の総和をDBとしたとき、
該DBの該DAに対する比率が10%以上である。
すなわち、該トナー断面における該トナー粒子の輪郭から0.50μmの深さまでの領域における該結晶性ポリエステルのドメインの占有面積の総和が、該トナー断面全域における該結晶性ポリエステルのドメインの占有面積の総和を基準として、10%以上である。
(iii)該領域に存在する該結晶性ポリエステルのドメインに関し、
(iii-a)該ドメインの長軸長さの個数平均値が、120nm以上1000nm以下であり、
(iii-b)該ドメインのアスペクト比の個数平均値が、4以下であることが重要である。
(i)トナー断面において、結晶性ポリエステルがドメインとして観察されることが必要である。該ドメインが分散していることで、結着樹脂との可塑効果が高まり、低温定着性の効果が発現し易くなるとともに、定着分離性が良好になる。
(ii)該トナー粒子の断面において、該ドメインの占有面積の総和をDAとし、
該トナー粒子の輪郭及び該輪郭から該トナー粒子の内側へ0.50μm離れた線により囲まれた領域に存在する該ドメインの占有面積の総和をDBとしたとき、
該DBの該DAに対する比率が10%以上であることが必要である。
上記範囲であると、定着分離性の効果が発現しやすく、さらに無機微粒子との相互作用が起こりやすいため、帯電安定性の効果が得られやすい。
該占有面積の割合(DB/DA×100 (%))は、好ましくは20%以上であり、より好ましくは40%以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは70%以下であり、より好ましくは60%以下である。該占有面積の割合は、結晶性ポリエステルの添加量や、非晶性ポリエステル樹脂のビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するアルコールユニットの割合を変化させることにより制御できる。また、溶融混練時の温度や熱処理時の熱風温度により制御できる。
また、(iii)トナー粒子表面(断面画像におけるトナー粒子の輪郭)から0.50μmの深さまで(トナー粒子表面近傍)に観察される結晶性ポリエステルのドメインの長軸長さの個数平均値を120nm以上1000nm以下とし、アスペクト比の個数平均値を4以下に制御することが必要である。上記範囲であると、定着分離性を大幅に向上させることができること。また、上記範囲に制御することでトナー表面からの電荷の漏洩を抑制するととともに、低印字出力によってトナーにストレスがかかった状態においても、安定的に無機微粒子への負電荷の移動が効率的に起こる。
結晶性ポリエステルのドメインの長軸長さの個数平均値が120nm未満である場合、定着分離性が低下し、また、電荷の蓄積効果が発現しにくい。一方、該個数平均値が1000nmを超える場合、結晶性ポリエステルがトナー粒子表面に露出しやすく、無機微粒子への負電荷の移動よりもトナー粒子表面からの負電荷の漏洩が勝り、無機微粒子への負電荷の移動がスムーズに行えなくなる。
定着分離性と帯電安定性の観点から、該長軸長さの個数平均値は、200nm以上60
0nm以下であることが好ましく、300nm以上400nm以下であることがより好ましい。
アスペクト比の個数平均値が4を超える場合、トナー粒子において電荷漏洩が起こりやすい。アスペクト比の下限は特に制限されないが、好ましくは1以上であり、より好ましくは2以上である。
上記アスペクト比及び長軸長さの個数平均値を制御する方法としては、結晶性ポリエステルの添加量をコントロールすることが挙げられる。さらに以下の方法がある。
非晶性ポリエステルや結晶性ポリエステルの合成に用いる酸・アルコールのモノマーを変えることにより、結晶性ポリエステルの非晶性ポリエステルへの分散性や相溶性が変わるため長軸長さを変化させることができる。
粉砕法でトナーを製造する場合、溶融混練時のシェアのかけ方や、混錬温度、及び溶融混練後の吐出温度や冷却速度を変えることで長軸長さを変えることができる。乳化凝集法や溶解懸濁法等の液相でトナーを製造する場合、トナー造粒の際の温度を変えることで該結晶性ポリエステルドメインの長軸長さを変えることができる。
また、得られたトナー粒子を熱処理することによっても、トナー粒子表面から0.50μmの深さまでに存在する該結晶性ポリエステルドメインの長軸長さを変えることができる。
また、結晶性ポリエステルドメインの長軸長さの個数平均値は、粉砕法でトナーを製造する場合、溶融混練後の冷却速度を変えることにより制御することができる。乳化凝集法や溶解懸濁法等の液相でトナーを製造する場合、トナーの造粒時間を変えることにより制御することができる。また、得られたトナー粒子を熱処理する場合、その処理温度や処理時間を変えることによっても、結晶性ポリエステルドメインの長軸長さの個数平均値を制御することができる。
トナー粒子表面における、該無機微粒子による被覆率が5%以上60%以下であることが必要である。上記下限以上であると、結晶性ポリエステル樹脂のドメインとの相互作用が起こりやすく、帯電安定性の効果が得られやすい。また上記上限以下であると、低温定着性及び定着分離性が良好になる。
該被覆率は、好ましくは5%以上20%以下であり、より好ましくは8%以上15%以下である。該被覆率は、無機微粒子の添加量やトナー粒子と無機微粒子の混合時間を調整することにより制御できる。
また、トナー粒子表面における、該無機微粒子の固着率が、20%以上100%以下であることが好ましく、70%以上100%以下であることがより好ましい。上記範囲であると、無機微粒子の脱離が抑制できるため、低印字比率においての耐久などトナーにストレスがかかる状態においても帯電安定性の効果が得られやすい。該固着率は、無機微粒子の添加量、及びトナー粒子との混合時間、熱風処理の温度などにより制御できる。
[着色剤]
着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック;イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタ着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、1
14、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタ着色染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料。
シアン着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。
シアン着色染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロー着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロー着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下が好ましい。
[ワックス]
トナーはワックスを含むことが好ましい。ワックスとしては、例えば以下のものが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどのアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m-キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石けんとい
われているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス、又はカルナバワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
該ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15.0質量部以下が好ましい。該ワックスの含有量がこの範囲にあるとき、高温での耐ホットオフセット性を効率的に発揮しやすい。
また、トナーの保存性と高温オフセット性の両立の観点から、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上200℃以下の範囲に存在するワックスの最大吸熱ピークのピーク温度が、50℃以上110℃以下であることが好ましい。
[ワックス分散剤]
ワックスの結着樹脂への分散性を向上させるために、ワックス成分に近い極性部位と樹脂極性に近い部位を併せ持つ樹脂をワックス分散剤として添加してもよい。具体的には、炭化水素化合物でグラフト変性されたスチレンアクリル系樹脂が好ましい。ポリエチレンなどのポリオレフィンにスチレンアクリル系樹脂が反応(グラフト)した樹脂組成物がより好ましい。このようなワックス分散剤(樹脂組成物)の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15.0質量部以下が好ましい。
ワックス分散剤はその樹脂部分に、環式炭化水素基又は芳香環を導入すると、トナーの帯電維持性が向上する。これによりトナー粒子による無機微粒子の帯電特性を高めやすい。
[荷電制御剤]
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速くかつ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩又はスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩又はカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。
ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添してもよいし外添してもよい。
荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
[現像剤]
トナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが好ましい。また、長期にわたり安定した画像が得られるという点でも好ましい。
磁性キャリアとしては、下記のような公知のものを使用できる。表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂
とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、好ましくは2質量%以上15質量%以下、より好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
[製造方法]
トナーの製造方法は、乳化凝集法、溶融混練法、溶解懸濁法など公知の製造方法であれば特に限定されないが、原材料の分散性を高めるという観点から溶融混練法が好ましい。溶融混練法は、トナー粒子の原材料であるトナー組成物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕することを特徴とする。製造方法を、例を挙げて説明する。
原料混合工程で、トナー粒子を構成する材料として、結着樹脂、及び結晶性ポリエステル、並びに必要に応じて着色剤、ワックス、荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。
混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に他原材料等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。
例えば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。さらに、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕した後、更に、微粉砕機で微粉砕する。微粉砕機としては、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ(株)製)や、エアージェット方式による微粉砕機などが挙げられる。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)などの分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
得られたトナー粒子に対し、前述したように、無機微粒子を添加する。
トナー粒子の重量平均粒径は4.0μm以上8.0μm以下が無機微粒子による効果を十分に得ることができ、好ましい。さらに粒子に機械的衝撃力を与える、又は熱風などによる加熱処理を行うことにより、トナー粒子の円形度を高めてもよい。トナー粒子に無機微粒子を添加した後に、熱風などによる加熱処理を行うことが好ましい。すなわち、トナーが熱処理トナーであることが好ましい。
トナー粒子同士の電荷授受機会と摩擦摺擦力を多くし、帯電立ち上がり速度を高めるために、平均円形度としては0.950以上0.990以下が好ましい。
加熱処理後のトナー粒子に必要に応じ、無機微粒子以外の外部添加剤を加えて混合(外添)してもよい。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
トナー及び原材料の各種物性の測定方法について以下に説明する。
[トナー表面における無機微粒子による被覆率の測定方法]
トナー表面における無機微粒子による被覆率は、以下のようにして算出する。
下記装置を下記条件にて使用し、トナー表面の元素分析を行う。
・測定装置:Quantum2000(商品名、アルバックファイ株式会社製)
・X線源:モノクロAl Kα
・Xray Setting:100μmφ(25W(15KV))
・光電子取りだし角:45度
・中和条件:中和銃とイオン銃の併用
・分析領域:300×200μm
・Pass Energy:58.70eV
・ステップサイズ:1.25eV
・解析ソフト:Maltipak(PHI社)
ここで、特定の無機微粒子がシリカ微粒子だった場合、Si原子の定量値の算出のために、C 1s(B.E.280~295eV)、O 1s(B.E.525~540eV)及びSi 2p(B.E.95~113eV)のピークを使用する。ここで得られたSi
元素の定量値をY1とする。
次いで、シリカ微粒子単体の測定を行う。トナーからシリカ微粒子単体を得る方法としては、下記の「トナーからの無機微粒子の分離」に記載した手法を用いる。ここで得たシリカ微粒子を用いて、上述のトナー表面の元素分析と同様にして、シリカ微粒子単体の元素分析を行い、ここで得られたSi元素の定量値をY2とする。
本発明において、トナー表面のシリカ微粒子による被覆率X1を次のように定義する。被覆率X1(面積%)=Y1/Y2×100
なお、本測定の精度を向上させるために、Y1及びY2の測定を、2回以上行うことが好ましい。
また、特定の無機微粒子がチタン酸ストロンチウム微粒子だった場合、Ti原子の定量値の算出のために、C 1s(B.E.280~295eV)、O 1s(B.E.525~540eV)及びTi 2p(B.E.452~468eV)のピークを使用する。こ
こで得られたTi元素の定量値をY1とする。
次いで、チタン酸ストロンチウム微粒子単体の測定を行う。トナーからチタン酸ストロンチウム微粒子単体を得る方法としては、下記の「トナーからの無機微粒子の分離」に記載した手法を用いる。ここで得たチタン酸ストロンチウム微粒子を用いて、上述のトナー表面の元素分析と同様にして、チタン酸ストロンチウム微粒子単体の元素分析を行い、ここで得られたTi元素の定量値をY2とする。
本発明において、トナー表面のチタン酸ストロンチウム微粒子による被覆率X1を次のように定義する。
被覆率X1(面積%)=Y1/Y2×100
なお、本測定の精度を向上させるために、Y1及びY2の測定を、2回以上行うことが好ましい。
なお、トナーから特定の誘電率を有する未知の無機微粒子の被覆率を算出する場合、以下のようにして行うこともできる。
(1)SEM上でトナー表面に存在している無機微粒子の形状、粒径を確認する。
(2)トナーからすべての無機微粒子を分離する。
(3)誘電率測定、及び元素分析測定と(1)の結果から、特定の無機微粒子を判別する。
(4)上記方法を用いて特定の無機微粒子の被覆率を求める。
[無機微粒子の個数平均粒子径の測定方法]
無機微粒子の個数平均粒子径は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面の画像から算出される。
S-4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
(2)S-4800観察条件設定
個数平均粒子径の算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。S-4800の筺体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800筺体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[1.1kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]および[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[4.5mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)焦点調整
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を80,000(80k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと個数平均粒子径の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー25粒子以上について画像を得る。
(5)画像解析
トナー表面上の少なくとも500個の無機微粒子について粒径を測定して、個数平均粒子粒径を求める。本発明では画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0を用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで個数平均粒子径を算出する。
無機微粒子を単独で入手できる場合は、無機微粒子を用いて上記方法に準じて測定することもできる。
[チタン酸ストロンチウム微粒子の直方体含有率の測定方法]
前述した電子顕微鏡画像より、無機微粒子の内、直方体(立方体形状を含む)の粒子個数をカウントし、直方体含有率(個数%)を算出する。
[誘電率測定]
284AプレシジョンLCRメーター(ヒューレット・パッカード社製)を用いて、1kHz及び1MHzの周波数で校正後、周波数1MHzにおける複素誘電率を測定する。測定する無機微粒子に39200kPa(400kg/cm2)の荷重を5分間かけて、
直径25mm,厚さ0.8mmの円盤状の測定試料に成型する。この測定試料を直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着したARES(レオメトリック・サイエンティフィック・エフ・イー社製)に装着し、温度25℃の雰囲気下で0.49N(50g)の荷重をかけた状態で1MHzの周波数で測定する。
(トナーからの無機微粒子の分離)
以下の方法でトナーから分離した無機微粒子を用いて測定することもできる。
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させて、ショ糖濃厚液を調製する。遠心分離用チューブに該ショ糖濃厚液31gと、6mLのコンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)を入れ、分散液を作製する。この分散液にトナー1gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。
遠心分離用チューブを、いわき産業社製「KM Shaker」(model: V.SX)にセットし、1分当たり350往復の条件で20分間振とうする。振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて、3500rpm、30分間の条件で遠心分離を行う。
遠心分離後のガラスチューブ内においては、最上層にはトナーが存在し、下層の水溶液側には無機微粒子が存在する。下層の水溶液を採取して、遠心分離を行い、ショ糖と、無機微粒子とを分離し、採集する。
必要に応じて、遠心分離を繰り返し行い、分離を十分に行った後、分散液を乾燥し、無機微粒子を採集する。
この採集された無機微粒子から、遠心分離法を利用して所望の無機微粒子を選別する。
[体積抵抗率測定]
無機微粒子の体積抵抗率は、以下のようにして測定する。装置としてはケースレーインスツルメンツ社製6517型エレクトロメータ/高抵抗システムを用いる。直径25mmの電極を接続し、電極間に無機微粒子を厚みが約0.5mmとなるように乗せて、約2.0Nの荷重をかけた状態で、電極間の距離を測定する。
無機微粒子に1,000Vの電圧を1分間印加した時の抵抗値を測定し、以下の式を用いて体積抵抗率を算出する。
体積抵抗率(Ω・cm)=R×L
R:抵抗値(Ω)
L:電極間距離(cm)
[トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法]
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コール
ター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として下記の希釈液を約0.3mL加える。
・希釈液:「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力が120Wである下記の超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
・超音波分散器:「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が15℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
[平均円形度の測定方法]
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下のとおりである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(「VS-150」((株
)ヴェルヴォクリーア製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、標準対物レンズ(10倍)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE-900A」(シスメックス(株)製)を使用した。前記手順に従い調製した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3,000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定し、トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス(株)による校正作業が行われた、シスメックス(株)が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けたときと同じ測定及び解析条件で測定を行った。
[樹脂のピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)の測定
方法]
ピーク分子量(Mp)、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、以下のようにして測定する。
まず、室温で24時間かけて、試料(樹脂)をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。そして、得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マエショリディスク」(東ソー社製)で濾過してサンプル溶液を得る。なお、サンプル溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調整する。このサンプル溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置 :HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム :Shodex KF-801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :テトラヒドロフラン(THF)
流速 :1.0ml/min
オーブン温度 :40.0℃
試料注入量 :0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-288、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A-5000、A-2500、A-1000、A-500」、東ソー社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
[樹脂の軟化点の測定方法]
樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
本発明においては、「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」に付属のマニュアルに記載の「1/2法における溶融温度」を軟化点とする。なお、1/2法における溶融温度とは、次のようにして算出されたものである。まず、流出が終了した時点に
おけるピストンの降下量Smaxと、流出が開始した時点におけるピストンの降下量Sminとの差の1/2を求める(これをXとする。X=(Smax-Smin)/2)。そして、流動曲線においてピストンの降下量がXとSminの和となるときの温度が、1/2法における溶融温度である。
測定試料は、約1.0gの樹脂を、25℃の環境下で、錠剤成型圧縮機(例えば、NT-100H、エヌピーエーシステム社製)を用いて約10MPaで、約60秒間圧縮成型し、直径約8mmの円柱状としたものを用いる。
CFT-500Dの測定条件は、以下の通りである。
試験モード:昇温法
開始温度:40℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
[樹脂の酸価の測定方法]
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂の酸価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。
[樹脂の水酸基価の測定方法]
水酸基価とは,試料1gをアセチル化するとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに
要する水酸化カリウムのmg数である。樹脂の水酸基価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
特級無水酢酸25gをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜてアセチル化試薬を得る。得られたアセチル化試薬は、湿気、炭酸ガス等に触れないように、褐色びんにて保存する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム35gを20mlの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.5モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.5モル/l塩酸は、JIS K 8001-1998に準じて作製されたものを用いる。(2)操作
(A)本試験
粉砕した樹脂の試料1.0gを200ml丸底フラスコに精秤し、これに前記のアセチル化試薬5.0mlをホールピペットを用いて正確に加える。この際、試料がアセチル化試薬に溶解しにくいときは、特級トルエンを少量加えて溶解する。
フラスコの口に小さな漏斗をのせ、約97℃のグリセリン浴中にフラスコ底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首の温度が浴の熱を受けて上昇するのを防ぐため、丸い穴をあけた厚紙をフラスコの首の付根にかぶせることが好ましい。
1時間後、グリセリン浴からフラスコを取り出して放冷する。放冷後、漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を加水分解する。さらに完全に加水分解するため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱する。放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗及びフラスコの壁を洗う。
指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
樹脂の試料を用いない以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、水酸基価を算出する。
A=[{(B-C)×28.05×f}/S]+D
ここで、A:水酸基価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)、D:樹脂の酸価(mgKOH/g)である。
[ワックス及び結晶性ポリエステルのピーク温度及び発熱量の測定]
ワックス及び結晶性ポリエステルのピーク温度及び発熱量は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
具体的には、試料(トナー)約5mgを精秤し、これをアルミニウム製のパンの中に入れ、リファレンスとして空のアルミニウム製のパンを用い、以下の手順で測定を行う。
昇温速度10℃/分で20℃から180℃まで加熱するステップ(ステップI)、
続いて降温速度10℃/分で20℃まで冷却するステップ(ステップII)、
続いて再び昇温速度10℃/分で20℃から180℃まで加熱するステップ(ステップIII)。
ステップIIにおいて観測されるワックスに由来するピークのピーク温度(℃)をT2w、発熱量(J/g)をH2w、結晶性ポリエステルに由来するピーク温度(℃)をT2
c、発熱量(J/g)をH2cとする。また、ステップIIIにおいて観察されるDSC曲線の最大の吸熱ピークを示す温度を、ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度とする。
本発明においては、ワックスに由来するピークのピーク温度(℃)T2wと、結晶性ポリエステルに由来するピーク温度(℃)T2cの関係が、好ましくは8.0≦T2w-T2cであり、より好ましくは9.0≦T2w-T2c≦20.0であり、さらに好ましくは9.0≦T2w-T2c≦15.0である。
上記範囲であると、ワックスと結晶性ポリエステルの凝固温度が近すぎない。そのため、ワックスが凝固した際に生じた隙間を結晶性ポリエステルで十分に埋めることができ、画像平滑性が高くなり、定着分離性が良好になる。
本発明のおいては、ワックスに由来するピークの発熱量(J/g)H2wと、結晶性ポリエステルに由来するピーク発熱量(J/g)H2cの関係が、好ましくは0.8≦H2w/H2c≦8.0である。より好ましくは1.0≦H2w/H2c≦6.0であり、さらに好ましくは1.5≦H2w/H2c≦4.0である。
0.8≦H2w/H2cの場合、溶融状態における粘度がより低いワックスの存在比率が相対的に大きくなり、分離性が良好になる。
H2w/H2c≦8.0の場合、ワックスの存在比率が適切であり、溶融時に離型剤成分が積層しても、上層(画像の最表層面)が厚すぎないため、低温定着性が良好になる。T2wは、用いるワックスの融点により制御できる。H2wは、ワックスの添加量や非晶性ポリエステル樹脂におけるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するアルコールユニットの割合を変化させることにより制御できる。T2cは、用いる結晶性ポリエステルの融点やエステル基濃度を変化させることにより制御できる。H2cは、結晶性ポリエステルの添加量や非晶性ポリエステル樹脂におけるビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するアルコールユニットの割合を変化させることにより制御できる。
[結晶性ポリエステルドメインの占有面積、長軸長さの個数平均値、及びアスペクト比の個数平均値の測定]
(TEMによるトナー断面の結晶性ポリエステル分散状態の評価)
トナーの透過型電子顕微鏡(TEM)による断面観察及び結晶性ポリエステルドメインの評価は、以下のようにして実施することができる。
トナー断面をルテニウム染色することによって、結晶性ポリエステル樹脂が明瞭なコントラストとして得られる。結晶性ポリエステル樹脂はトナー内部を構成する有機成分よりも、弱く染色される。これは、結晶性ポリエステル樹脂の中への染色材料の染み込みが、密度の差などが有るために、トナー内部の有機成分よりも弱いためと考えられる。
染色の強弱によって、ルテニウム原子の量が異なるため、強く染色される部分は、これらの原子が多く存在し、電子線が透過せずに、観察像上では黒くなり、弱く染色される部分は、電子線が透過されやすく、観察像上では白くなる。
オスミウム・プラズマコーター(filgen社、OPC80T)を用いて、保護膜としてトナーにOs膜(5nm)及びナフタレン膜(20nm)を施し、光硬化性樹脂D800(日本電子社)で包埋したのち、超音波ウルトラミクロトーム(Leica社、UC7)により、切削速度1mm/sで膜厚60nm(or70nm)のトナー断面を作製する。
得られた断面を真空電子染色装置(filgen社、VSC4R1H)を用いて、RuO4ガス500Pa雰囲気で15分間染色し、TEM(JEOL社、JEM2800)のSTEMモードを用いてSTEM観察を行う。
STEMのプローブサイズは1nm、画像サイズ1024×1024pixelで取得した。
得られた画像については、画像処理ソフト「Image-Pro Plus (Med
ia Cybernetics社製)」にて2値化(閾値120/255段階)を行う。2値化することで結晶ドメインが抽出できるため、そのサイズを計測する。本発明では無作為に選んだ20個のトナーについて断面観察した際に、長さが測定可能な結晶性ポリエステルの結晶ドメインの長軸及び短軸の長さを全数計測する。
その際、トナーの表面(断面の輪郭)から0.50μm内側までの領域の結晶性ポリエステルの結晶の長軸長さの個数平均値(個数平均径(Dc))を求める。(すなわち、該トナー粒子の輪郭及び該輪郭から該トナー粒子の内側へ0.50μm離れた線により囲まれた領域のドメインの長軸長さの個数平均値を求める。)また、得られた長軸及び短軸の長さからアスペクト比の個数平均値を算出する。なお、トナーの表面から0.50μmの境界をまたぐ(境界上に存在する)結晶については測定しないものとする。
また、トナーの表面(断面の輪郭)から0.50μm内側までの領域を区切る線を引き、トナー粒子の輪郭から0.50μmの深さまでの領域における結晶性ポリエステルのドメインの占有面積(DB)を算出する。(すなわち、該トナー粒子の輪郭及び該輪郭から該トナー粒子の内側へ0.50μm離れた線により囲まれた領域に存在する該ドメインの占有面積の総和(DB)を算出する。)そして、トナー粒子断面全域に存在するドメインの面積の総和(DA)を算出し、トナー粒子の輪郭から0.50μmの深さまでの領域における結晶性ポリエステルのドメインの占有面積の割合(DB/DA×100 (%))を算出する。20個のトナー断面の相加平均値を採用する。
[トナー粒子表面における無機微粒子の固着率の測定]
本発明では、固着されている無機微粒子を次の様に定義する。
イオン交換水10.3gにショ糖20.7g(キシダ化学社製)を溶解させたショ糖水溶液に、界面活性剤であるコンタミノンN(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤、和光純薬工業社製)6mLを30mLのガラスバイアル(例えば、日電理化硝子株式会社製、VCV-30、外径:35mm、高さ:70mm)に入れて十分混合し、分散液を作製する。このバイアルにトナー1.0gを添加し、トナーが自然に沈降するまで静置して処理前分散液を作製する。この分散液を振とう機(YS-8D型:(株)ヤヨイ製)にて、振とう速度:200rpmで5分間振とうする。当該振とう後でも剥がれない無機微粒子を固着されているとする。無機微粒子が残存したトナーと脱離した無機微粒子の分離は遠心分離機を用いて行う。遠心分離工程は3700rpmで30分間行う。無機微粒子が残存したトナーを吸引濾過により採取し、乾燥させ分離後のトナーを得る。
固着率の測定は、例えばシリカ微粒子の場合は以下の様にする。まず上記分離工程前のトナーに含まれるシリカ微粒子の定量を行う。これは波長分散型蛍光X線分析装置Axios advanced(PANalytical社製)を用いて、トナー中のSi元素
強度:Si-Bを測定する。次に同様に上記分離工程後のトナーのSi元素強度:Si-Aを測定する。固着率は(Si-A/Si-B)×100(%)で求められる。組成が異なる無機微粒子に関しては、無機微粒子を構成する元素について同様の測定を行うことにより求めることができる。
[トナー中の結晶性ポリエステルの含有量の測定]
結晶性ポリエステルの含有量は、結着樹脂及び結晶性ポリエステル各々の核磁気共鳴分光分析(H-NMR)スペクトルを基にトナーの核磁気共鳴分光分析(H-NMR)スペクトルの積分値から算出する。
測定装置:FT NMR装置 JNM-EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値からポリエステル部位と非晶性部位の質量基準の比率を算
出する。
以下、製造例及び実施例により本発明を説明する。本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の配合における部数は、特に断りのない限り質量部を示す。
(非晶性ポリエステルA1の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:73.3部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:22.4部(0.13モル;多価カルボン酸総モル数に対して82.0mol%)
・アジピン酸:4.3部(0.03モル;多価カルボン酸総モル数に対して18.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、4時間反応させ、非晶性ポリエステル樹脂A1を得た。得られた非晶性ポリエステルA1の軟化点は90℃であった。
(非晶性ポリエステルA2~A8の製造例)
非晶性ポリエステルA1の合成例において、使用するアルコール成分及びカルボン酸成分と部数を表1のように変更したほかは同様にして反応を行い、非晶性ポリエステル樹脂A2~A8を得た。
Figure 0007433869000002
表中、アルコール及び酸の数値は、部数を表す。
(非晶性ポリエステルBの製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:72.4部(0.20モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・テレフタル酸:22.4部(0.13モル;多価カルボン酸総モル数に対して80.0mol%)
・アジピン酸:3.4部(0.02モル;多価カルボン酸総モル数に対して14.0mol%)
・チタンテトラブトキシド(エステル化触媒):0.5部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、大気圧に戻した(第1反応工程)。
・無水トリメリット酸:2.1部(0.01モル;多価カルボン酸総モル数に対して6.0mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した軟化点が140℃の温度に達したのを確認してから温度を下げて反応を止め、(第2反応工程)、非晶性ポリエステルBを得た。得られた非晶性ポリエステルBの軟化点は140℃であった。
(結晶性ポリエステル樹脂1の合成例)
・ドデカンジオール:34.5部(0.29モル;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・セバシン酸:65.5部(0.28モル;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度200℃に維持したまま、4時間反応させた後、反応槽内の圧力を序々に開放して常圧へ戻し、結晶性ポリエステル樹脂1を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂1は結晶性に由来する融解ピークを示した。
(結晶性ポリエステル樹脂2~6の製造例)
結晶性ポリエステル樹脂1の合成例において、アルコール成分とカルボン酸成分を表2に記載のものに変更したこと以外は同様にして、結晶性ポリエステル樹脂2~6を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂2~6は結晶性に由来する融解ピークを示した。
Figure 0007433869000003
(樹脂組成物1の製造例)
・低密度ポリエチレン(Mw1400、Mn850、DSCによる最大吸熱ピークが100℃) 18部
・スチレン 66部
・n-ブチルアクリレート 13.5部
・アクリロニトリル 2.5部
をオートクレーブに仕込み、系内をN置換後、昇温撹拌しながら180℃に保持した。系内に、2質量%のt-ブチルハイドロパーオキシドのキシレン溶液50部を5時間連続的に滴下し、冷却後溶媒を分離除去し、上記低密度ポリエチレンにビニル樹脂成分が反応した樹脂組成物1を得た。樹脂組成物1の分子量を測定したところ、重量平均分子量(Mw)7100、数平均分子量(Mn)3000であった。さらに、45体積%メタノール水溶液に分散した分散液における温度25℃で測定した600nmの波長における透過率は69%であった。
[無機微粒子1の製造例]
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.5モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.5とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiOとして採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiOモル比で1.15となるよう添加した後、TiO濃度0.8モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、窒素ガスのマイクロバブリングを600ml/minで行いながら10モル/L水酸化ナトリウム水溶液444mLを50分間かけて添加し、その後、窒素ガスのマイクロバブリングを400ml/minで行いながら95℃で1時間撹拌を行った。
その後、当該反応スラリーを反応容器のジャケットに10℃の冷却水を流しながら撹拌して15℃まで急冷し、pH2.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した後、6モル/Lの塩酸を加えてpH2.0に調整し、固形分100部に対して9.2部のn-オクチルエトキシシランを加え18時間撹拌を行っ
た。4モル/L水酸化ナトリウム水溶液で中和し、2時間撹拌した後にろ過・分離を行い、120℃の大気中で8時間乾燥して無機微粒子1を得た。物性を表3に示す。
[無機微粒子2~9の製造例]
無機微粒子1と同様の製法で、NaOH添加時間、マイクロバブリング条件及び表面処理を表3のように変えて無機微粒子2~9を製造した。
[無機微粒子10の製造例]
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.65に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを4.5に調整し上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返した。
該含水酸化チタンに対し、0.97倍モル量のSr(OH)・8HOを加えてSUS製反応容器に入れ、窒素ガス置換した。さらにSrTiO換算で0.1~2.0mol/リットルになるように蒸留水を加えた。
該分散液と酸素ガス及びプロパンガスを微粒子噴霧ノズルから80Lの燃焼反応槽内に噴霧して燃焼させた後、フィルターを通して捕集し、微粒子を得た。得られた微粒子に純水を加えてスラリーとし、6モル/Lの塩酸を加えてpH2.0に調整し、固形分100部に対して3.6部のn-オクチルエトキシシランを加え18時間撹拌を行った。4モル
/L水酸化ナトリウム水溶液で中和し、2時間撹拌した後にろ過・分離を行い、120℃の大気中で8時間乾燥して無機微粒子10を得た。無機微粒子10の物性を表3に示す。
[無機微粒子11の製造例]
硫酸チタニル水溶液を加水分解して得られた含水酸化チタンスラリーをアルカリ水溶液
で洗浄した。次に、該含水酸化チタンのスラリーに塩酸を添加して、pHを0.7に調整してチタニアゾル分散液を得た。該チタニアゾル分散液にNaOHを添加し、分散液のpHを5.0に調整し、上澄み液の電気伝導度が70μS/cmになるまで洗浄をくり返しした。
該含水酸化チタンに対し、0.98倍モル量のSr(OH)・8HOを加えてSUS製の反応容器に入れ、窒素ガス置換した。更に、SrTiO換算で0.5mol/Lになるように蒸留水を加えた。窒素雰囲気中で該スラリーを80℃まで7℃/時間で昇温し、80℃に到達してから6時間反応を行った。反応後室温まで冷却し、上澄み液を除去した後、純水で洗浄をくり返した。
その後、さらに窒素雰囲気下、上記スラリーをスラリーの固形分に対して3質量%のステアリン酸ナトリウムを溶解した水溶液中に入れ、撹拌しながら、硫酸カルシウム水溶液を滴下して、ペロブスカイト型結晶表面にステアリン酸カルシウムを析出させた。その後、該スラリーを純水でくり返し洗浄した後ヌッチェで濾過し、得られたケーキを乾燥し、焼結工程を経由していない表面がステアリン酸カルシウムで処理された無機微粒子11を得た。無機微粒子11の物性を表3に示す。
[無機微粒子12の製造例]
炭酸ストロンチウム600部と酸化チタン350部をボールミルにて、8時間湿式混合した後、ろ過乾燥し、この混合物を10kg/cmの圧力で成形して1200℃で7時間焼結した。これを、機械粉砕して、無機微粒子12を得た。無機微粒子12の物性を表3に示す。
[無機微粒子13の製造例]
原料となる合成ルチル鉱を粉砕したものとコークスを混合し、温度1000℃付近に昇温した流動床塩化炉内に入れ、供給される塩素ガスと発熱反応を行って粗四塩化チタンを得た。得られた粗四塩化チタンから不純物を分離精製し、四塩化チタン水溶液を得た。この四塩化チタン水溶液を室温に保持しながら、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、pHを7.0に調整してコロイド状の水酸化チタンを析出させ、引き続き65℃の温度で4時間熟成してルチル核を有するスラリー状の母粒子とした。
このスラリーに硫酸を加えpH3とした後、n-オクチルトリエトキシシランを添加し、1時間かけて温度を60℃に昇温することにより、母粒子表面にn-オクチルトリエトキシシランを、母粒子100部に対し3.6部被覆した。この後、濾過、洗浄して、得られた湿ケーキを温度120℃で一昼夜熱処理し、粉砕してルチル型の酸化チタン微粒を得た。得られた微粒子を、風力分級機を用いて分級し、無機微粒子13を得た。
Figure 0007433869000004
表3の粉体抵抗の値に関し、例えば2.00E+10は、2.00×1010を表す。
[トナー1製造例]
・非晶性ポリエステル樹脂A5 70.0部
・非晶性ポリエステル樹脂B 30.0部
・結晶性ポリエステル樹脂1 2.0部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃)5.0部
・樹脂組成物1 5.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5分で混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて直径1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、フロイント・ターボ(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。
得られたトナー粒子100部に、無機微粒子6を5.0部添加し、ヘンシェルミキサー
(FM-75型、日本コークス工業(株)製)で、回転数30s-1、回転時間5分で混合し、図1で示す表面処理装置によって熱処理を行った。運転条件はフィード量=5kg/時間とし、また、熱風温度=150℃、熱風流量=6m/分、冷風温度=5℃、冷風流量=4m/分、冷風絶対水分量=3g/m、ブロワー風量=20m/分、インジェクションエア流量=1m/分とした。
得られた処理トナー粒子100部に、ヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した比表面積90m/gの疎水性シリカ微粒子を0.8部添加し、ヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業(株)製)で回転数30s-1、回転時間10分混合して、トナー1を得た。
得られたトナー1は、平均円形度が0.960、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。得られたトナー1の物性を表4-2に示す。
[トナー2~14、26~35の製造例]
トナー1の製造例において、表4-1のように原材料を変更すること以外は同様にしてトナー2~14及びトナー26~35を得た。得られたトナーの物性を表4-2に示す。
[トナー15製造例]
・非晶性ポリエステル樹脂A2 70.0部
・非晶性ポリエステル樹脂B 30.0部
・結晶性ポリエステル樹脂1 2.0部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度78℃)5.0部
・樹脂組成物1 5.0部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.5部
上記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5分で混合した後、温度125℃に設定した二軸混練機(PCM-30型、(株)池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて直径1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、フロイント・ターボ(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン(株)製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1で分級を行った。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。
得られたトナー粒子100部に、無機微粒子6を5.0部と、ヘキサメチルジシラザン20質量%で表面処理した比表面積90m/gの疎水性シリカ微粒子を0.8部添加し、ヘンシェルミキサー(FM-75型、日本コークス工業(株)製)で、回転数30s-1、回転時間30分で混合し、トナー15を得た。得られたトナー15は、平均円形度が0.955、重量平均粒径(D4)が5.9μmであった。得られたトナー15の物性を表4-2に示す。
[トナー16~25の製造例]
トナー15の製造例において、表4-1のように原材料を変更すること以外は同様にしてトナー16~25を得た。なお、エステルワックスは、1官能のエステルワックスであるベヘン酸ベヘニルを使用した。得られたトナーの物性を表4-2に示す。
トナー1~35ではトナー断面に結晶性ポリエステルのドメインが分散して存在することが確認できた
Figure 0007433869000005

表中、ワックスの種類に関し、「f」はフィッシャートロプシュワックスを示し、「e」はエステルワックスを示す。
Figure 0007433869000006
表中、「CPES占有面積」は、(DB/DA×100 (%))すなわち、トナー粒子の輪郭から0.50μmの深さまでの領域における結晶性ポリエステルのドメインの占有面積の、トナー断面全域における該結晶性ポリエステルのドメインの占有面積の総和に対する割合を示す。
「CPESドメイン径」は、結晶性ポリエステルのドメインの長軸長さの個数平均値を示す。
「CPESアスペクト比」は、結晶性ポリエステルのドメインのアスペクト比の個数平均値を示す。
[キャリアの製造例]
(磁性コア粒子1の製造例)
・工程1(秤量・混合工程):
Fe 62.7部
MnCO 29.5部
Mg(OH) 6.8部
SrCO 1.0部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記の通りである。
(MnO)(MgO)(SrO)(Fe
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393・工程3(粉砕工程):
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100部に対し、水を30部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
・工程4(造粒工程):
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0部を添加し、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機)で、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
・工程5(焼成工程):
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
・工程6(選別工程):
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準の50%粒径(D50)37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
(被覆樹脂1の調整)
シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5000のマクロモノマー)
トルエン 31.3質量%
メチルエチルケトン 31.3質量%
アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに添加し、窒素ガスを導入して充分に窒素雰囲気にした後、80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1:30部を、トルエン40部、メチルエチルケトン30部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
(被覆樹脂溶液1の調製)
重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
トルエン 66.4質量%
カーボンブラック(Regal330;キャボット社製) 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m/g、DBP吸油量75ml/100g)
を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散した。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過し、被覆樹脂溶液1を得た。
[磁性キャリア1の製造例]
(樹脂被覆工程):
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1を、磁性コア粒子1:100部に対して樹脂成分として2.5部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準の50%粒径(D50)38.2μmの磁性キャリア1を得た。
[二成分系現像剤1の製造例]
磁性キャリア1:92.0部に対し、トナー1:8.0部を加え、V型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤1を得た。
[二成分系現像剤2~35の製造例]
二成分系現像剤1の製造例において、トナーを表5のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤2~35を得た。
Figure 0007433869000007
<低温定着性の評価方法>
画像形成装置としてキヤノン製フルカラー複写機imagePress C10000VPを使用し、低温定着性の評価を行った。
未定着画像は、上記複写機から定着ユニットを取り外した改造機によって出力した。
定着試験は、上記複写機から取り外し、定着温度が調節できるように改造した定着ユニットを用いて行った。具体的な評価方法は、以下のとおりである。
紙:OK Top128(128g/m
トナーの載り量:1.20mg/cm
定着試験環境:低温低湿環境(15℃/10%RH)
上記未定着画像を作製した後、プロセススピードを450mm/秒、定着温度を130℃に設定し、低温定着性を評価した。画像濃度低下率の値を低温定着性の評価指標とした。画像濃度低下率は、X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を用い、まず、中心部の画像濃度を測定した。次に、画像濃度を測定した部分に対して、4.9kPa(50g/cm)の荷重をかけ、シルボン紙により定着画像を摺擦(5往復)し、画像濃度を再度測定した。そして、摺擦前後での画像濃度の低下率(%)を測定した。D以上を良好と判断した。
(評価基準)
A:濃度低下率1.0%未満
B:濃度低下率1.0%以上5.0%未満
C:濃度低下率5.0%以上10.0%未満
D:濃度低下率10.0%以上15.0%未満
E:濃度低下率15.0%以上
<定着分離性の評価方法>
上記改造複写機を用いて、上端部に3.0mm余白を設けた、トナー載り量が0.60mg/cmの全面ベタ画像を未定着で作成した。
次に、改造定着機によってプロセススピード450mm/秒で、上記未定着画像を定着させた。
定着分離性の評価は、200℃から5℃ずつ定着温度を低下させ、巻き付きが発生した温度に5℃加えた温度を定着下限温度とした。試験環境は、高温高湿環境(30℃/80%RH)とした。
定着画像の転写材は、A4サイズのCS-680用紙(キヤノン(株)製、60g/m
)を用いた。評価基準は以下のとおりである。D以上を良好と判断した。(評価基準)A:定着下限温度150℃未満
B:定着下限温度150℃以上160℃未満
C:定着下限温度160℃以上170℃未満
D:定着下限温度170℃以上180℃未満
E:定着下限温度180℃以上
<耐久後の色味変動性の評価方法>
画像形成装置としてキヤノン製フルカラー複写機imagePress C10000VPを使用し、シアンステーションの現像器に二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。
評価環境は、高温高湿環境(30℃/80%RH)とし、評価紙は、コピー用普通紙GFC-081(A4、坪量81.4g/m キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
それぞれ、高印字比率(画像印字比率30%)、及び低印字比率(画像印字比率1%)で、50000枚出力耐久後に、初期(耐久1枚目)と耐久後(50000枚目)の濃度差を測定し、濃度変化率を算出した。
画像濃度は、X-Riteカラー反射濃度計(500シリーズ:X-Rite社製)を用い、以下の評価基準に従って評価した。評価結果を表6に示す。D以上を良好と判断した。
(評価基準)
A:濃度変化率0.5%未満
B:濃度変化率0.5%以上1.0%未満
C:濃度変化率1.0%以上2.0%未満
D:濃度変化率2.0%以上3.0%未満
E:濃度変化率3.0%以上
<非画像部へのカブリの評価方法>
画像形成装置としてキヤノン製フルカラー複写機imagePress C10000VPを使用し、シアンステーションの現像器に二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。
評価環境は、高温高湿環境(30℃/80%RH)とし、評価紙は、コピー用普通紙GFC-081(A4、坪量81.4g/m キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用いた。
画像印字比率20%で50000枚出力耐久後における、耐久前後での白地部のカブリを測定した。
画出し前の評価紙の平均反射率Dr(%)をリフレクトメータ(東京電色株式会社製の「REFLECTOMETER MODEL TC-6DS」)によって測定した。
初期(1枚目)、及び耐久後(50000枚目)それぞれの、00H画像部(白地部)の反射率Ds(%)を測定した。初期(1枚目)、及び耐久後(50000枚目)それぞれのDsからDrを差し引いた値をカブリ(%)として、下記の評価基準に従って評価した。
評価結果を表6に示す。D以上を良好と判断した。
(評価基準)
A:0.5%未満
B:0.5%以上1.0%未満
C:1.0%以上2.0%未満
D:2.0%以上3.0%未満
E:3.0%以上
<実施例1~25及び比較例1~10>
二成分現像剤1~35を用いて上記評価を行った。結果を表6に示す。尚、実施例14~25は、参考例として評価を行った。
Figure 0007433869000008
Dutyは印字比率を表す。
101 原料定量供給手段、102 圧縮気体調整手段、103 導入管、104 突起状部材、105 供給管、106 処理室、107 熱風供給手段、108 冷風供給手
段、109 規制手段、110 回収手段、111 熱風供給手段出口112 分配部材、113 旋回部材、114 粉体粒子供給口

Claims (8)

  1. 結着樹脂、結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子と、該トナー粒子表面に存在する無機微粒子と、を含有するトナーであって、
    該結着樹脂が非晶性ポリエステルを含有し、
    該トナー粒子中の該非晶性ポリエステルの含有量が60質量%以上90質量%以下であり、
    該非晶性ポリエステルが、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物を含むアルコール成分と炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸を含むカルボン酸成分との縮重合物である非晶性ポリエステルXを含有し、
    該非晶性ポリエステルXは、全アルコールユニットの総和を基準として、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物に由来するアルコールユニットの割合が、30質量%以上60質量%以下であり、
    該結晶性ポリエステルの含有量が、該結着樹脂100質量部に対し、0.5質量部以上20.0質量部以下であり、
    該結晶性ポリエステルが、炭素数が6以上16以下の脂肪族ジオールを主成分として含むジオール成分と、炭素数が6以上16以下の脂肪族ジカルボン酸を主成分として含むジカルボン酸成分との縮重合物であり、
    該トナーの断面において、
    (i)該結晶性ポリエステルがドメインとして観察され、
    (ii)該トナー粒子の断面において、該ドメインの占有面積の総和をDAとし、
    該トナー粒子の輪郭及び該輪郭から該トナー粒子の内側へ0.50μm離れた線により囲まれた領域に存在する該ドメインの占有面積の総和をDBとしたとき、
    該DBの該DAに対する比率が10%以上であり、
    (iii)該領域に存在する該ドメインに関し、
    (iii-a)該ドメインの長軸長さの個数平均値が、120nm以上1000nm以下であり、
    (iii-b)該ドメインのアスペクト比の個数平均値が、4以下であり、
    25℃、1MHzにおける誘電率の測定において、該無機微粒子の該誘電率が25pF/m以上300pF/m以下であり、
    該トナー粒子表面における、該無機微粒子による被覆率が、5%以上60%以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記トナー粒子表面における、前記無機微粒子の固着率が、20%以上100%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナー粒子が、ワックスを含有し、
    前記トナーの示差走査熱量測定において、
    昇温速度10℃/分で20℃から180℃まで加熱するステップI
    ステップIののち、降温速度10℃/分で20℃まで冷却するステップII
    で測定した際、
    ステップIIにおいて観測されるワックスに由来するピークのピーク温度℃をT2w、発熱量J/gをH2wとし、
    ステップIIにおいて観測される結晶性ポリエステルに由来するピーク温度℃をT2c、発熱量J/gをH2cとしたとき、
    以下の関係を満たす請求項1又は2に記載のトナー。
    T2w-T2c≧8.0
    0.8≦H2w/H2c≦8.0
  4. 前記無機微粒子が、チタン酸ストロンチウム粒子を含む請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記チタン酸ストロンチウム粒子は、直方体状の粒子形状を有し、かつペロブスカイト型結晶構造を有する請求項に記載のトナー。
  6. ポリオレフィンにスチレンアクリル系樹脂が反応した樹脂組成物を含む請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 熱処理トナーである請求項1~のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸を含む前記カルボン酸成分中、該炭素数4以上18以下の脂肪族ジカルボン酸の割合が、6質量%以上40質量%以下である請求項1~7のいずれか一項に記載のトナー。

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