JP2021071612A - トナーセット及び画像形成方法 - Google Patents

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Kazuyuki Sakamoto
一幸 坂本
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Ichiro Sugano
伊知朗 菅野
中島 良
Makoto Nakajima
良 中島
小松 望
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望 小松
小堀 尚邦
Naokuni Kobori
尚邦 小堀
藤川 博之
Hiroyuki Fujikawa
博之 藤川
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Abstract

【課題】黒トナー表面の外添剤の偏在・局在化を抑制し、帯電を安定化させ、凝集を防止することができる、カラートナーと黒色トナーとを含有するトナーセットの提供。【解決手段】カラートナーと黒色トナーとを有するトナーセットであり、前記カラートナーは、カラー着色剤、結着樹脂及び離型剤Aを含むカラートナー粒子と、オイルを含有する無機粒子A1と、直方体または立方体形状を有する無機粒子A2と、を含有し、前記黒色トナーは、黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤Bを含む黒色トナー粒子と、オイルを含有する無機粒子B1と、直方体または立方体形状を有する無機粒子B2と、を含有し、前記カラートナー粒子の表面における離型剤Aの露出率が、前記黒色トナー粒子の表面における離型剤Bの露出率より大きいこと、を特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真方式、静電記録方式、静電印刷方式、トナージェット方式に用いられるトナーセットに関する。また、本発明は、電子写真方式の画像形成方法に関する。
複写機およびプリンターが広く普及するに従い、トナーに要求される性能もより高度になっている。近年では、プリントオンデマンド(POD)と呼ばれる、製版工程を経ずに直接印刷するデジタル印刷技術が注目されている。このプリントオンデマンド(POD)は、小ロット印刷、1枚毎に内容を変えた印刷(バリアブル印刷)、分散印刷にも対応していけることから、従来のオフセット印刷に対してアドバンテージがある。トナー用いた画像形成方法のPOD市場への適用を考えた場合、長期間にわたり高速で且つ、多量に出力する場合であっても高品質な画質のプリント成果物を安定的に得ることが求められる。
これまで、安定した性能を発揮することを目的に、様々な提案がなされてきたが、特許文献1、2では、黒色トナーとカラートナーの帯電差による不具合を抑制するために、トナー外添剤としてオイル処理シリカまたは大粒径シリカを使用し、トナー表面のワックス露出量をカラートナーより黒色トナーを少なく規定している。
また、特許文献3では、酸化チタンの含有量を調整する提案がされている。
特開2018−54704号公報 特開2018−54706号公報 特開2008−268435号公報
しかしながら、先述の構成で一定の効果は見られるものの、黒色トナーの色材はカーボンブラックであり高い導電性をもつことに加え、カラートナー表面より黒色トナー表面のワックス露出量が少なく、トナー表面の樹脂部分が多いため外添剤の脱離量が多くなり、より帯電が低下しやすくなる傾向があり改善の余地がある。さらにトナー表面のワックス露出面に外添剤が偏在・局在化することで、帯電性が不安定化する懸念がある。
また、トナー表面の樹脂部分に外添剤が少なくなることで、トナー樹脂面同士が接触しやすくなり、トナー凝集が生じる可能性がある。
上記の課題は、下記の構成のトナーセット及び画像形成方法により解決することができる。
すなわち、本発明は、カラートナーと黒色トナーとを有するトナーセットであり、
前記カラートナーは、
カラー着色剤、結着樹脂及び離型剤Aを含むカラートナー粒子と、
オイルを有する無機粒子A1と、
直方体または立方体形状を有する無機粒子A2と、
を含有し、
前記黒色トナーは、
黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤Bを含む黒色トナー粒子と、
オイルを有する無機粒子B1と、
直方体または立方体形状を有する無機粒子B2と、
を含有し、
前記カラートナー粒子の表面における離型剤Aの露出率が、前記黒色トナー粒子の表面における離型剤Bの露出率より大きいこと、
を特徴とするトナーセットに関する。
また、本発明は、静電荷像担持体を帯電する工程、
帯電している静電荷像担持体に静電荷像を形成する工程、
形成された静電荷像をトナーで現像してトナー画像を形成する工程、
形成されたトナー画像を転写材に転写する工程、及び
転写されたトナー画像を転写材に定着して定着画像を形成する工程、
を含む画像形成方法であって、
前記トナー画像を形成する工程は、黒色トナーを用いて黒色トナー画像を形成する工程と、カラートナーを用いてカラートナー画像を形成する工程とを有し、
前記カラートナーは、
カラー着色剤、結着樹脂及び離型剤Aを含むカラートナー粒子と、
オイルを有する無機粒子A1と、
直方体または立方体形状を有する無機粒子A2と、
を含有し、
前記黒色トナーは、
黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤Bを含む黒色トナー粒子と、
オイルを有する無機粒子B1と、
直方体または立方体形状を有する無機粒子B2と、
を含有し、
前記カラートナー粒子の表面における離型剤Aの露出率が、前記黒色トナー粒子の表面における離型剤Bの露出率より大きい、
ことを特徴とする画像形成方法に関する。
黒色トナー表面のワックス露出量をカラートナーより小さくし、さらに、トナー樹脂表面から脱離しにくいチタン酸ストロンチウム粒子を外添剤として使用することで、トナー表面の外添剤の偏在・局在化を抑制し、帯電安定化させ、凝集を防止することができる。
トナー粒子表面における無機粒子の存在状態の説明図である。 摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。
本発明は、カラートナーと黒色トナーとを有するトナーセットである。このうち、カラートナーは、カラー着色剤、結着樹脂及び離型剤Aを含むカラートナー粒子と、オイルを有する無機粒子A1と、直方体または立方体形状を有する無機粒子A2と、を含有する。黒色トナーは、黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤Bを含む黒色トナー粒子と、オイルを有する無機粒子B1と、直方体または立方体形状を有する無機粒子B2と、を含有する。そして、前記カラートナー粒子の表面における離型剤Aの露出率が、前記黒色トナー粒子の表面における離型剤Bの露出率より大きいことを特徴とする。
このような本発明のトナーセットを用いることにより、前記課題である帯電の低下、不安定化、トナー凝集を抑制し、安定した性能を発揮することができる。
本発明のトナーセットを用いることによるこの作用効果メカニズムについて、本発明者らは以下のように推定している。
黒色トナーは、色材であるカーボンブラックの高い熱伝導性により、トナーに熱が加わった際、カラートナーよりもワックスが染み出しやすいが、カラートナーよりもトナー表面のワックス露出量を小さくすることで、過剰染み出しを防ぎ、黒色トナーとカラートナーのワックス染み出し量のバランスを保ち、安定した定着性能を保つことができる効果がある。
これに加えて、本発明では、次の作用、効果を発揮すると考えている。黒色トナー色材であるカーボンブラックは導電性が高く、電荷漏洩しやすい性質により、帯電が低下しやすい。そのため、黒色トナーとカラートナーはワックス露出量を同条件にすると帯電差が大きくなる。さらにトナー表面のワックス露出部分に付着している外添剤は印字装置内循環によって脱離しにくく、トナー表面の樹脂部分の外添剤は脱離しやすい傾向があるため、カラートナーよりもワックス露出部分の少ない黒色トナーは、外添剤の脱離量が多くなる。これは、帯電性保持、帯電安定化に対してより不利に働く。このため、初期と一定期間印字装置を稼働後のトナーを比較した場合、トナー表面樹脂部分からの外添剤の脱離による帯電性の低下、外添剤のワックス露出部分への偏在・局在化による不安定な帯電性が顕在化し、出力画像の品位が低下する。これらを示した模式図を図1のB001〜B003に示す。B001は従来トナーの無機粒子付着前の状態を示し、樹脂11の表面に離型剤(ワックス)12が露出している。B002は従来トナーの無機粒子付着後の状態を示し、無機粒子(シリカ粒子)13は外添剤である。これを耐久試験で使用したものがB003の従来トナーの印字耐久後の状態であり、離型剤(ワックス)12が露出している部分に無機粒子(シリカ粒子)13が多く存在し、樹脂11の表面には少ない。すなわち、黒色トナーとカラートナーを同条件仕様すると、カラートナーより黒色トナーの離型剤露出量が少ないため、そこに存在する外添剤の無機粒子の量も必然的に少なく帯電性が低くなるため、印字物の画像濃度は低めになり、これを補うため、追加で摩擦帯電させたり、感光体、トナー担持体の諸条件を調整したりするシステムが必要になる。
ここで、これまでよりトナー表面の樹脂部分から脱離しにくい直方体または立方体形状の無機粒子を使用することで改善している。これらを示した模式図を図1のA001〜A003に示す。A001は本発明トナーの無機粒子付着前の状態を表し、樹脂11の表面に離型剤(ワックス)12が露出している。A002は本発明のトナーの無機粒子付着後の状態を示し、無機粒子(シリカ粒子)13、直方体14または立方体を有する無機粒子は外添剤である。これを耐久試験で使用したものがA003の本発明のトナーの印字耐久後の状態であり、離型剤(ワックス)12が露出している部分に無機粒子(シリカ粒子)13が多く存在し、樹脂11の表面には少ないが、直方体14または立方体を有する無機粒子が存在している。これはトナー樹脂面と直方体または立方体形状の無機粒子は面に近い状態で接触しているため、接触面積が広くなるためである。さらに直方体または立方体形状の無機粒子の表面をステアリン酸系物質で表面処理することでトナー樹脂面からの脱離抑制に対しより有利になっている。このように外添剤がトナー表面のワックス露出部分のみに集中することを防いでいる。
カラートナー粒子の表面における離型剤Aの露出率は、0.12%以上20.0%以下であることが好ましい。露出率が0.12%以上で紙へのトナー定着の際の離型性能が有利になる。ただ、離型剤の表面露出が多くなると同時に電荷の漏洩が顕著になる。このため、露出率を20.0%以下とすることで、離型剤が露出面からの極端な電荷の漏洩が抑えられ、帯電性低下が抑制される。
黒色トナー粒子の表面における離型剤Bの露出率は、0.1%以上15.0%以下であることが好ましい。露出率が0.1%以上でトナー定着の際の離型性が有利になる。ただ、カラートナーと同様に電荷漏洩の観点から、露出率を15.0%以下とすることで、離型剤が露出面からの極端な電荷の漏洩が抑えられ、帯電性低下が抑制される。以上の範囲で、先述の説明のようにカラートナーよりも黒色トナーの離型剤露出率を低くすることで定着の際のワックス染み出し量のバランスを保ち、帯電性差を少なくすることができる。
また、上記離型剤Aの露出率と離型剤Bの露出率の差が、0.5%以上10.0%以下の範囲であると、安定した性能が発揮されやすく好ましい。
ここで、カラートナー粒子表面の樹脂面と離型剤露出面は、樹脂面が海、離型剤面が島のような、海島状態になっていて、離型剤AのドメインAの平均粒径は、0.1μm以上3.0μm以下であることが好ましい。ドメインAの平均粒径が0.1μm以上で、紙へのトナー定着の際の離型性能が有利になる。平均粒径を3.0μm以下することで、離型剤露出部分が極端に大きくなり過ぎず、電荷の漏洩が抑制され、帯電低下による濃度変動の発生が抑制され易くなる。
また、黒色トナー粒子の樹脂面と離型剤露出面は、樹脂面が海、離型剤面が島のような、海島状態になっていて、離型剤BのドメインBの平均粒径は、0.1μm以上3.0μm以下であることが好ましい。ドメインBの平均粒径が0.1μm以上で、紙へのトナー定着の際の離型性能が有利になる。平均粒径を3.0μm以下することで、離型剤露出部分が極端に大きくなり過ぎず、電荷の漏洩が抑制され、帯電低下による濃度変動の発生が抑制され易くなる。
カラートナーと黒色トナー表面の無機粒子の存在割合は、後述する平均被覆率で示している。この平均被覆率について、カラートナーの表面に存在する無機粒子のうち、無機粒子A2が1%以上30%以下であり、黒色トナーの表面に存在する無機粒子のうち、無機粒子B2が1%以上30%以下であることが好ましく、この範囲内であれば外添剤がトナー表面のワックス露出部分のみに集中することを十分に防ぐことができる。
また更に、ブラックトナーの表面における無機粒子の存在割合をCBk(%)、カラートナーの表面における無機粒子の存在割合をCC(%)としたとき、CBkとCCとが、
0.5≦CBk−CC≦25
を満たすことで、カラートナーと黒色トナーの帯電差解消により有利になる。
以上より、黒色トナーとカラートナーのトナー表面のワックス露出量を規定し、トナー表面のワックス露出面だけでなく、樹脂面にも外添剤が存在することで、トナー樹脂同士が接触することで生じる凝集を防ぐことができるとともに、粒子全体の帯電安定性を高めることができる。
本発明においてその目的を達成するにための構成を以下に詳述する。
[オイルを含有する無機粒子A1、B1]
本発明のトナーには、オイルを含有する無機粒子として酸化ケイ素(シリカ)粒子をトナー表面に有し、個数平均径が0.04μm以上0.20μm以下のものが好ましく使用できる。ケイ素化合物微粒子の粒径が前記範囲にあることで現像装置内での機械的負荷を受けた際にもトナー表面で凸部を維持でき、トナー帯電量が低下しにくく、反射濃度のバラツキと非画像部カブリの低減に寄与する。
酸化ケイ素粒子の製造方法は、燃焼法や水熱合成等の公知の製造方法で製造してもよいが、燃焼法によるアモルファスシリカ粒子が空気中の水分の影響を受けにくくなるため好ましい。
前記シリカ粒子は、その表面をシリコーンオイルで表面処理されており、粘度が300mm2/s以上50000mm2/s以下のジメチルシリコーンオイルが好ましい。
トナー粒子との混合は、ヘンシェルミキサー、メカノハイブリッド(日本コークス社製)、スーパーミキサー、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)等の公知の混合機を用いることができ、特に装置は限定されるものではない。本発明における前記シリカ粒子の添加量は、トナーに対して0.5質量%以上15質量%以下である。
[直方体または立方体を有する無機粒子A2、B2]
直方体または立方体を有する無機粒子は、個数平均径が0.01μm以上0.09μm以下のものが好ましく使用できる。
本発明で用いられる直方体または立方体を有する無機粒子は、チタン酸ストロンチウム、チタン酸バリウム、酸化セリウム等があるが、チタン酸ストロンチウム粒子が好ましい。この直方体または立方体の表面はステアリン酸系物質で表面処理されていることが好ましい。この処理はトナー樹脂面への付着、帯電に関して有利に働く。
直方体または立方体を有する無機粒子の含有量は40個数%以下が好ましく、5%個数%以下がより好ましい。
トナー中の該直方体または立方体を有する無機粒子の含有量は、粒径の大きいシリカ粒子の帯電補助させる上で、シリカのトナー中の含有量に対し、0.02倍以上5.00倍以下である。
本発明の直方体または立方体を有する無機粒子として使用するチタン酸ストロンチウム粒子の製造について説明する。製造方法の1つに常圧加熱反応法がある。このとき、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用い、また酸化ストロンチウム源としては水溶性酸性ストロンチウム化合物を用いる。それらの混合液に60℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させ、次いで酸処理する方法で製造することができる。
(常圧加熱反応法)
前記酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いる。好ましくは、硫酸法で得られたSO3含有量が1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下のメタチタン酸を、塩酸でpHを0.8〜1.5に調整して解膠したものを用いることができる。メタチタン酸中SO3含有量が1.0質量%を超えるものは、解膠が進まないので好ましくない。
前記酸化ストロンチウム源としては、金属の硝酸塩、塩酸塩などを使用することができ、例えば、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウムを使用することができる。
アルカリ水溶液としては、苛性アルカリを使用することができるが、中でも水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
前記製造方法において、得られるチタン酸ストロンチウム粒子の粒子径に影響を及ぼす因子としては、反応時における酸化チタン源と酸化ストロンチウム源の混合割合、反応初期の酸化チタン源濃度、アルカリ水溶液を添加するときの温度及び添加速度などが挙げられ、目的の粒子径および粒度分布のものを得るため適宜調整することができる。なお、反応過程に於ける炭酸塩の生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応させる等、炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
前記製造方法において、得られるチタン酸ストロンチウム粒子の誘電率に影響を及ぼす因子としては、粒子結晶性を崩す条件/操作が挙げられる。特に本発明のようなチタン酸ストロンチウムであっても低誘電率の粒子を得るためには、反応液の濃度を大きくした状態で結晶成長を乱すエネルギーを与える操作を行うのが好ましく、具体的な方法としては例えば結晶成長工程に窒素によるマイクロバブリングを加える事が挙げられる。
反応時における酸化チタン源と酸化ストロンチウム源の混合割合は、SrO/TiO2のモル比で、0.9以上1.4以下が好ましく、1.05以上1.20以下であるとさらに好ましい。SrO/TiO2モル比が1以下の場合、反応生成物はチタン酸金属だけでなく未反応の酸化チタンが残存し易くなる。相対的に酸化ストロンチウム源は水への溶解度が高いのに対し酸化チタン源は水への溶解度が低いため、SrO/TiO2モル比が1以下の場合、反応生成物はチタン酸金属だけでなく未反応の酸化チタンが残存し易くなる。反応初期の酸化チタン源の濃度としては、TiO2として0.05mol/L以上1.3mol/L以下、好ましくは0.08mol/L以上1.0mol/L以下が適切である。
アルカリ水溶液を添加するときの温度は、100℃以上ではオートクレーブ等の圧力容器が必要であり、実用的には60℃以上100℃未満の範囲が適切である。また、アルカリ水溶液の添加速度は、添加速度が遅いほど大きな粒子径のチタン酸金属粒子が得られ、添加速度が速いほど小さな粒子径のチタン酸金属粒子が得られる。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込み原料に対し0.001当量/h以上1.2当量/h以下、好ましくは0.002当量/h以上1.1当量/h以下が適切であり、得ようとする粒子径に応じて適宜調整することができる。
(酸処理)
上記常圧加熱反応によって得たチタン酸ストロンチウム粒子をさらに酸処理することが好ましい。常圧加熱反応を行って、チタン酸ストロンチウム粒子を合成する際に、酸化チタン源と酸化ストロンチウム源の混合割合がSrO/TiO2のモル比で、1.0を超える場合、反応終了後に残存した未反応のチタン以外の金属源が空気中の炭酸ガスと反応して、金属炭酸塩などの不純物を生成してしまう。また、表面に金属炭酸塩などの不純物が残存すると、疎水性を付与するための有機表面処理をする際に、不純物の影響で有機表面処理剤を均一に被覆することができない。したがって、アルカリ水溶液を添加した後、未反応の金属源を取り除くため酸処理を行うことが好ましい。
酸処理では、塩酸を用いてpH2.5〜7.0、より好ましくはpH4.5〜6.0に調整することが好ましい。酸としては、塩酸の他に硝酸、酢酸等を酸処理に用いることができる。硫酸を用いると、水への溶解度が低い金属硫酸塩が発生するので好ましくない。
[その他外添剤]
本発明のトナーには、前述したシリカ粒子と直方体または立方体を有する無機粒子として使用するチタン酸ストロンチウム粒子のほかに、帯電量や流動性を調整するために必要に応じて他の無機微粉末を含有させることもできる。無機微粉末は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、炭酸カルシウムのような無機微粉末が好ましい。無機微粉末は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていてもよい。
外添剤は、トナー粒子100質量部に対して0.1質量部以上10.0質量部以下使用されることが好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いることができる。
[結着樹脂]
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、特に限定されず、下記の重合体又は樹脂を用いることが可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロン−インデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
これらの中で、低温定着性、帯電性制御の観点で、ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いられるポリエステル樹脂としては、「ポリエステルユニット」を結着樹脂鎖中に有している樹脂である。該ポリエステルユニットを構成する成分としては、具体的には、2価以上のアルコールモノマー成分と、2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分とが挙げられる。
例えば、該2価以上のアルコールモノマー成分として、以下のものが挙げられる。ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)−ポリオキシエチレン(2.0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビット、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセリン、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン等。
これらの中で好ましく用いられるアルコールモノマー成分としては、芳香族ジオールであり、ポリエステル樹脂を構成するアルコールモノマー成分において、芳香族ジオールは、80モル%以上の割合で含有することが好ましい。
一方、該2価以上のカルボン酸、2価以上のカルボン酸無水物及び2価以上のカルボン酸エステル等の酸モノマー成分としては、以下のものが挙げられる。フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたコハク酸もしくはその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物。
これらの中で好ましく用いられる酸モノマー成分としては、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸やその無水物等の多価カルボン酸である。
また、該ポリエステル樹脂の酸価は、20mgKOH/g以下であることが、顔料の分散性及び摩擦帯電量の安定性の観点で好ましい。
なお、該酸価は、樹脂に用いるモノマーの種類や配合量を調整することにより、上記範囲とすることができる。具体的には、樹脂製造時のアルコールモノマー成分比/酸モノマー成分比、分子量を調整することにより制御できる。また、エステル縮重合後、末端アルコールを多価酸モノマー(例えば、トリメリット酸)で反応させることに制御できる。
[着色剤]
本発明のトナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
黒色着色剤としては、主にカーボンブラックを使用し、必要に応じて染料、顔料を加えてもよい。また、イエロー着色剤とマゼンタ着色剤及びシアン着色剤とを用いて黒色に調色したものが挙げられる。着色剤には、顔料を単独で使用してもかまわないが、染料と顔料とを併用してその鮮明度を向上させた方がフルカラー画像の画質の点からより好ましい。
マゼンタ着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。
マゼンタ着色染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパーバイオレット1などの油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28などの塩基性染料。
シアン着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1個以上5個以下置換した銅フタロシアニン顔料。
シアン着色染料としては、C.I.ソルベントブルー70がある。
イエロー着色顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。
イエロー着色染料としては、C.I.ソルベントイエロー162がある。
上記着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上30質量部以下で使用されることが好ましい。
[離型剤:ワックス]
本発明のトナーに用いられる離型剤として、例えば以下のようなワックスが挙げられる。
低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスなどの炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスなどの脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなどの脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。
さらに、以下のものが挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸などの飽和直鎖脂肪酸類;ブラシジン酸、エレオステアリン酸、パリナリン酸などの不飽和脂肪酸類;ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価アルコール類;パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などの脂肪酸類と、ステアリルアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコールなどのアルコール類とのエステル類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類;エチレンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’ジオレイルセバシン酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミド、N,N’ジステアリルイソフタル酸アミドなどの芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどの脂肪族金属塩(一般的に金属石けんといわれているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなどの脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂の水素添加によって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物。
これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスなどの炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
該ワックスの含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1.0質量部以上15質量部以下で使用されることが好ましい。該ワックスの含有量がこの範囲にあるとき、高温での耐オフセット性を効率的に発揮することが可能となりやすい。
また、トナーの保存性と耐高温オフセット性の両立の観点から、示差走査熱量分析装置(DSC)で測定される昇温時の吸熱曲線において、温度30℃以上200℃以下の範囲に存在する最大吸熱ピークのピーク温度が50℃以上110℃以下であることが好ましい。
[ワックス分散剤]
ワックスの結着樹脂への分散性を向上させるために、ワックス成分に近い極性部位と樹脂極性に近い部位を併せ持つ樹脂をワックス分散剤として添加してもよい。具体的には、炭化水素化合物でグラフト変性されたスチレンアクリル系樹脂が好ましい。
ワックス分散剤はその樹脂部分に、環式炭化水素基または芳香環を導入すると、トナーの帯電維持性が向上する。これによりトナー粒子による本発明のチタン酸ストロンチウム粒子の帯電補助特性を減じることが抑制されるので好ましい。
[荷電制御剤]
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。トナーに含有される荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に、無色でトナーの帯電スピードが速くかつ一定の帯電量を安定して保持できる芳香族カルボン酸の金属化合物が好ましい。
ネガ系荷電制御剤としては、以下のものが挙げられる。サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーン。ポジ系荷電制御剤としては、四級アンモニウム塩、前記四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、イミダゾール化合物。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対し0.2質量部以上10質量部以下が好ましい。
[現像剤]
本発明のトナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、磁性キャリアと混合して、二成分系現像剤として用いることが好ましい。また、長期にわたり安定した画像が得られるという点でも好ましい。
磁性キャリアとしては、下記のような公知のものを使用できる。表面を酸化した鉄粉、或いは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、クロム、希土類などの金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持する結着樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)。
本発明のトナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、2質量%以上15質量%以下、好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
[製造方法]
本発明のトナーの製造方法は、乳化凝集法、溶融混練法、溶解懸濁法など従来公知のトナー製造方法であれば特に限定されないが、原材料の分散性を高めるという観点から溶融混練法が好ましい。
溶融混練法は、トナー粒子の原材料であるトナー組成物を溶融混練し、得られた混練物を粉砕することを特徴とする。製造方法の例を挙げて説明する。
原料混合工程で、トナー粒子を構成する材料として、ポリエステル樹脂、、離型剤、及び着色剤、並びに必要に応じて荷電制御剤等の他の成分を所定量秤量して配合し、混合する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。
次に、混合した材料を溶融混練して、結着樹脂中に他原材料等を分散させる。溶融混練工程では、加圧ニーダー、バンバリィミキサーなどのバッチ式練り機や、連続式の練り機を用いることができ、連続生産できる優位性から、1軸又は2軸押出機が主流となっている。例えば、KTK型2軸押出機((株)神戸製鋼所製)、TEM型2軸押出機(東芝機械(株)製)、PCM混練機((株)池貝製)、2軸押出機(ケイ・シー・ケイ社製)、コ・ニーダー(ブス社製)、ニーデックス(日本コークス工業(株)製)などが挙げられる。更に、溶融混練することによって得られる樹脂組成物は、2本ロール等で圧延され、冷却工程で水などによって冷却してもよい。
ついで、樹脂組成物の冷却物は、粉砕工程で所望の粒径にまで粉砕される。粉砕工程では、例えば、クラッシャー、ハンマーミル、フェザーミルなどの粉砕機で粗粉砕した後、更に、微粉砕機で微粉砕する。微粉砕機としては、クリプトロンシステム(川崎重工業(株)製)、スーパーローター(日清エンジニアリング(株)製)、ターボ・ミル(フロイント・ターボ(株)製)やエアージェット方式による微粉砕機などが挙げられる。
その後、必要に応じて慣性分級方式のエルボージェット(日鉄鉱業(株)製)、遠心力分級方式のターボプレックス(ホソカワミクロン(株)製)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン(株)製)、ファカルティ(ホソカワミクロン(株)製)などの分級機や篩分機を用いて分級し、トナー粒子を得る。
トナー粒子の重量平均径は4.0μm以上8.0μm以下が本発明の外添剤による効果を十分に得ることができ、好ましい。さらに粒子に機械的衝撃力を与え、熱風などによる加熱処理を行うことにより、トナー粒子の円形度を高めてもよい。トナー粒子同士の電荷授受機会と摩擦摺擦力を多くし、帯電立ち上がり速度を高めるために、平均円形度としては0.962以上0.972以下が好ましい。
この加熱処理温度と時間はトナー表面のワックス露出量の制御をも兼ねる。加熱処理温度を低くするか、時間を短めに制御することでトナー表面のワックス露出量が少なくなり、加熱処理温度を高くするか、時間を長くすることでトナー表面のワックス露出量を多くできる。
上記のごとき製造方法で製造されたトナー粒子に必要に応じ選択された外部添加剤を加えて混合(外添)する。混合装置の一例としては、ダブルコン・ミキサー、V型ミキサー、ドラム型ミキサー、スーパーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサ、メカノハイブリッド(日本コークス工業株式会社製)などが挙げられる。
[画像形成方法]
本発明のカラートナーと黒色トナーとを有するトナーセットは、公知の画像形成方法に適用でき、具体的には、静電荷像担持体を帯電する工程、帯電している静電荷像担持体に静電荷像を形成する工程、形成された静電荷像をトナーで現像してトナー画像を形成する工程、形成されたトナー画像を転写材に転写する工程、及び転写されたトナー画像を転写材に定着して定着画像を形成する工程、を含む画像形成方法に好適に使用できる。
そして、前記トナー画像を形成する工程は、トナーセットのうちの黒色トナーを用いて黒色トナー画像を形成する工程と、トナーセットのうちのカラートナーを用いてカラートナー画像を形成する工程とを有していればよい。また、カラートナーがマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナーの3種であった場合は、カラートナーの当該工程は3つとなる。なお、後述の実施例ではカラートナーとしてシアントナーを代表させ、黒色トナーとシアントナーとのトナーセットによる例を示している。
トナー及び原材料の各種物性の測定法について以下に説明する。まず最初に、トナー表面の無機粒子の存在割合をしめす平均被覆率について説明する。
<平均被覆率S1及び平均被覆率S2の測定>
本発明のトナーの個数基準における個数平均粒径D、平均被覆率S1及び平均被覆率S2は走査型電子顕微鏡による画像観察と、続く画像処理により求めることができる。
本発明のトナーの個数基準における個数平均粒径D、平均被覆率S1及び平均被覆率S2の測定は、走査電子顕微鏡(SEM)、S−4800(日立製作所社製)を用いて行った。シリカ粒子並びにチタン酸ストロンチウム粒子に由来する部分の面積割合は、加速電圧2.0kVのときの、主に輝度と形状の違いから画像処理から算出される。
具体的には、電子顕微鏡観察用の試料台上にカーボンテープでトナーを一層になるように固定し、白金による蒸着を行い、以下の条件にて、走査電子顕微鏡S−4800(日立製作所社製)で観察した。フラッシング操作を行ってから観察を行う。
SignalName=SE(U,LA80)
AcceleratingVoltage=2000Volt
EmissionCurrent=10000nA
WorkingDistance=6000um
LensMode=High
Condencer1=5
ScanSpeed=Slow4(40秒)
Magnification=50000
DataSize=1280×960
ColorMode=Grayscale
二次電子像は、走査電子顕微鏡S−4800の制御ソフト上で‘コントラスト5、ブライトネス−5’に明るさを調整し、キャプチャスピード/積算枚数‘Slow4を40秒’、画像サイズ1280×960pixelsの8bitの256階調グレースケール画像としてトナーの投影像を得た。画像上のスケールから、1pixelの長さは0.02μm、1pixelの面積は0.0004μm2となる。
続いて、得られた二次電子による投影像を用いて、トナー100粒について投影面積円相当径とシリカ粒子とチタン酸ストロンチウム粒子に由来する部分の面積割合(面積%)を算出した。解析するトナー100粒の選択方法の詳細は後述する。シリカ粒子とチタン酸ストロンチウム粒子に由来する部分の面積%は、画像処理ソフトImage−Pro Plus5.1J(MediaCybernetics社製)を使用した。
次に、トナー粒群の部分を抽出し、抽出されたトナー1粒のサイズをカウントした。具体的には、まず、解析するトナー粒群を抽出するため、トナー粒群と背景部分を分離する。Image−Pro Plus5.1Jの「測定」−「カウント/サイズ」を選択する。「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを50〜255の範囲に設定して、背景として写りこんでいる輝度の低いカーボンテープ部分を除外し、トナー粒群の抽出を行った。カーボンテープ以外の方法でトナー粒群を固定した際には、必ずしも背景が輝度の低い領域とならない、あるいは、部分的にトナー粒群と同じような輝度となる可能性は皆無ではない。しかし、トナー粒群と背景の境界については、二次電子観察像から容易に区別できる。抽出を行う際、「カウント/サイズ」の抽出オプションで、4連結を選択し、平滑度5を入力、穴埋めるにチェックを入れ、画像の全ての境界(外周)上に位置するトナー粒や他のトナー粒と重なっているトナー粒については、計算から除外するものとした。次に「カウント/サイズ」の測定項目で、面積とフェレ径(平均)を選択し、面積の選別レンジを最小100pixel、最大10000pixelとして、画像解析するトナー各粒を抽出した。抽出されたトナー粒群からトナー1粒を選択し、その粒子に由来する部分の大きさ(pixel数)(ja)を求めた。得られたjaより下記式を用いて、投影面積円相当径d1を得た。
1={(4×ja×0.3088)/3.14}(1/2)
次に、Image−Pro Plus5.1Jの「カウント/サイズ」の「輝度レンジ選択」で、輝度レンジを140〜255の範囲に設定して、トナー1粒上の輝度の高い部分の抽出を行った。面積の選別レンジを最小3pixel、最大200pixelとすることで、シリカ粒子とチタン酸ストロンチウム粒子に由来する輝度の高い部分を抽出することができる。また、直方体または立方体の形状をしているか否かでシリカ粒子とチタン酸ストロンチウム粒子を判別することができる。
そして、jaを求める際に選択したトナー粒について、トナー表面のシリカ粒子に由来する部分の大きさ(pixel数)(ma1)を求めた。各トナー1粒においては、シリカ粒子に由来の抽出部分は、ある大きさをもって点在することになるが、ma1はその総面積である。得られたmaより下記式を用いて、シリカ粒子の被覆率S1を得た。
1=(ma1/ja)×100
続いて、シリカ粒子と同様にチタン酸ストロンチウム粒子由来の総面積(ma2)を求め、被覆率S2を得た。
2=(ma1/ja)×100
抽出された粒子群の各粒子に対して、選択されるトナー粒の数が50以上となるまで同様の処理を行った。得られた投影面積円相当径の平均を、本発明のトナーの個数平均粒径Dとした。
<トナー表面の離型剤露出率の算出方法>
トナー表面の離型剤露出率の算出はトナーをルテニウム染色し、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて行う。
トナーをルテニウム染色した場合、トナーに含有される離型剤は、結着樹脂より染色されやすさに差があるため、コントラストが明瞭になり、観察が容易となる。染色の強弱によって、ルテニウム原子の量が異なるため、強く染色される部分は、これらの原子が多く存在し、電子線が透過せずに、観察像上では白くなり、弱く染色される部分は、電子線が透過されやすく、観察像上では黒くなる。
本発明では、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面画像を、画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0((株)日本ローパー)により解析して算出する。S−4800の画像撮影条件は以下の通りである。
(1)試料作製
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。トナーを、真空電子染色装置(filgen社、VSC4R1H)を用いて、RuO4ガス500Pa雰囲気で15分間染色する。
(2)S−4800観察条件の設定
結晶性物質の染み出し率の算出は、S−4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。反射電子像は2次電子像と比べて無機微粒子のチャージアップが少ないため、結晶性物質の染み出し率を精度良く測定することができる。
S−4800の筐体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S−4800の「PC−SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20〜40μAであることを確認する。試料ホルダをS−4800筐体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
加速電圧表示部をクリックしてHV設定ダイアログを開き、加速電圧を[1.0kV]、エミッション電流を[20μA]に設定する。オペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、信号選択を[SE]に設置し、SE検出器を[上(U)]及び[+BSE]を選択し、[+BSE]の右の選択ボックスで[L.A.100]を選択し、反射電子像で観察するモードにする。同じくオペレーションパネルの[基本]のタブ内にて、電子光学系条件ブロックのプローブ電流を[Normal]に、焦点モードを[UHR]に、WDを[3.0mm]に設定する。コントロールパネルの加速電圧表示部の[ON]ボタンを押し、加速電圧を印加する。
(3)焦点調整
観察対象トナーを測定画面の中央に合わせた状態でコントロールパネルの倍率表示部内をドラッグして、倍率を10000(10k)倍に設定する。操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を5000(5k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
(4)画像保存
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー粒子一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー30粒子以上についてSEM画像を得る。
(5)画像解析
本発明では下記解析ソフトを用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで離型剤露出率を算出する。
画像解析ソフトImage−Pro Plus ver.5.0の解析手順は以下の通りである。
SEM画像を上記画像解析ソフトで取り込み、3×3ピクセルのフィルタリング処理を行う。続いて、トナーの輪郭より、トナー一粒の面積Aを求める。さらに、トナーの輪郭内において、2値化処理を行う。その際、2値化の閾値として、自動処理によって算出される閾値を使用する。このとき離型剤は、黒に識別される。続いて、黒に識別された面積Bを得る。離型剤露出率は、以下の式を用いて算出される。
離型剤露出率(%)=面積B/面積A×100
上述したように、離型剤露出率の計算をトナー30粒子以上について行う。得られた全データの平均値を離型剤露出率とした。
[チタン酸ストロンチウム微粒子の直方体含有率]
前述した電子顕微鏡画像より、10nm以上90nm以下のチタン酸ストロンチウム微粒子の内、直方体または立方体形状をしている粒子個数をカウントし、10nm以上90nm以下のチタン酸ストロンチウム全体の個数に対する個数%を算出する。
[トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定方法]
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行う。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μm以上60μm以下に設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として下記の希釈液を約0.3mL加える。
・希釈液:「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力が120Wである下記の超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
・超音波分散器:「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス(株)製)
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が15℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。
以下、製造例及び実施例により本発明を説明する。
<直方体または立方体を有する無機粒子:チタン酸ストロンチウム粒子の製造例>
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、塩酸によりpH5.8まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiO2として1.5モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.5とし解膠処理を行った。
脱硫・解膠を行ったメタチタン酸をTiO2として採取し、3Lの反応容器に投入した。該解膠メタチタン酸スラリーに、塩化ストロンチウム水溶液を、SrO/TiO2モル比で1.15となるよう添加した後、TiO2濃度0.8モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、窒素ガスのマイクロバブリングを600ml/minで行いながら10N水酸化ナトリウム水溶液444mLを45分間かけて添加し、その後、窒素ガスのマイクロバブリングを400ml/minで行いながら95℃で1時間撹拌を行った。
その後、当該反応スラリーを反応容器のジャケットに10℃の冷却水を流しながら撹拌して15℃まで急冷し、pH2.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続けた。得られた沈殿をデカンテーション洗浄した後、6Nの塩酸を加えてpH2.0に調整し、固形分に対して7.0質量%のn−オクチルエトキシシランを加え18時間撹拌を行った。4N水酸化ナトリウム水溶液で中和し、2時間撹拌した後にろ過・分離を行い、120℃の大気中で8時間乾燥してチタン酸ストロンチウム1を得た。チタン酸ストロンチウム1は粉末X線回折の測定で、チタン酸ストロンチウムの回折ピークを示した。
使用する粒径は感光体ドラムとその周辺部品へダメージを与えることのない300nm以下で調整した。
チタン酸ストロンチウム1を、電子顕微鏡観察により、明確に角を有する直方体形状の粒子の含有率は45個数%であった。個数平均粒径は35〜110nmの範囲ものを準備した。
<シリカの製造例>
シリカの製造には、燃焼炉は、内炎と外炎が形成できる二重管構造の炭化水素−酸素混合型バーナーを用いた。バーナー中心部にスラリー噴射用の二流体ノズルが接地され、原料の珪素化合物が導入される。二流体ノズルの周囲から炭化水素−酸素の可燃性ガスが噴射され、還元雰囲気である内炎及び外炎を形成する。可燃性ガスと酸素の量及び流量の制御により、雰囲気と温度、火炎の長さ等が調整される。火炎中において珪素化合物からシリカ微粒子が形成され、さらに所望の粒径になるまで融着させる。その後、冷却後、バグフィルター等により捕集することによって得られる。
原料の珪素化合物として、ヘキサメチルシクロトリシロキサンを用いて、シリカを製造し、得られた無機微粒子100質量部に、ジメチルシリコーンオイル0.1質量%で表面処理し、シリカ1を得た。シリカ1の個数平均粒子径は10〜30nmの小粒子と、40〜200nmの大粒子を用いた。
<結着樹脂の製造例>
(ポリエステル樹脂の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
多価アルコール総モル数に対して80.0mol%
・ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン:
多価アルコール総モル数に対して20.0mol%
・テレフタル酸:多価カルボン酸総モル数に対して80.0mol%
・無水トリメリット酸:多価カルボン酸総モル数に対して20.0mol%
冷却管、撹拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。そして、モノマー総量100質量部に対して、触媒として2−エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.5質量部添加した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
さらに、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、1時間維持した後、180℃まで冷却し、そのまま反応させASTM D36−86に従って測定した軟化点が110℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた。得られたポリエステル樹脂1の軟化点(Tm)は115℃であった。
<ワックス分散剤の製造例>
温度計及び撹拌機の付いたオートクレーブ反応槽中に、キシレン300.0質量部、ポリプロピレン(融点75℃)10.0質量部を入れ充分溶解し、窒素置換後、スチレン73.0質量部、メタクリル酸シクロヘキシル5.0質量部、ブチルアクリレート12.0質量部、及びキシレン250.0質量部の混合溶液を180℃で3時間滴下し重合する。さらにこの温度で30分間保持し、脱溶剤を行い、ワックス分散剤を得た。
<トナーの製造例>
以下カラートナーの代表例として、シアントナーの製造例を示す。
・ポリエステル樹脂 100.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.1質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク温度90℃) 5.0質量部
・ワックス分散剤 6.5質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0質量部
前記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃、バレル回転数200rpmに設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1とした。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μmであった。
得られたトナー粒子に、シリカ1を5.0質量%、ヘキサメチルジシラザン10.0質量%で表面処理した一次平均粒子径10nmの疎水性シリカ微粒子0.2質量%を添加し、ヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)で回転数15s-1、回転時間10min、ジャケット温度45℃で混合した。
その後、さらにチタン酸ストロンチウム1を3.0質量%と、ヘキサメチルジシラザン10.0質量%で表面処理した一次平均粒子径10nmの疎水性シリカ微粒子0.8質量%を添加した後、回転数30s-1、回転時間4min、ジャケット温度20℃で混合した後、目開き54μmの超音波振動篩を通過させ、平均円形度0.967のトナーを得た。
以下黒色トナーの製造例を示す。
・ポリエステル樹脂 100.0質量部
・3,5−ジ−t−ブチルサリチル酸アルミニウム化合物 0.1質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピーク温度90℃) 5.0質量部
・ワックス分散剤 6.5質量部
・Nipex35(カーボンブラック) 11.0質量部
前記処方で示した原材料をヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、温度130℃、バレル回転数200rpmに設定した二軸混練機(PCM−30型、株式会社池貝製)にて混練した。得られた混練物を冷却し、ハンマーミルにて1mm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T−250、ターボ工業(株)製)にて微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、分級ローター回転数を50.0s-1とした。得られたトナー粒子は、重量平均粒径(D4)が5.7μmであった。
得られたトナー粒子に、シリカ1を5.5質量%、ヘキサメチルジシラザン10.0質量%で表面処理した一次平均粒子径10nmの疎水性シリカ微粒子0.2質量%を添加し、ヘンシェルミキサー(FM75J型、三井三池化工機(株)製)で回転数15s-1、回転時間10min、ジャケット温度45℃で混合した。
その後、さらにチタン酸ストロンチウム1を3.5質量%と、ヘキサメチルジシラザン10.0質量%で表面処理した一次平均粒子径10nmの疎水性シリカ微粒子0.8質量%を添加した後、回転数30s-1、回転時間4min、ジャケット温度20℃で混合した後、目開き54μmの超音波振動篩を通過させ、平均円形度0.967のトナーを得た。
[トナー1〜13の製造]
以上説明した製造例において、黒色トナーおよびカラートナーの平均粒径、トナー表面離型剤ドメイン径、トナー表面離型剤露出率、トナー表面の外添剤の初期の量(チタン酸ストロンチウムとシリカの平均被覆率)を表1に記載したようになるよう調整して製造し、トナー1〜13を得た。
Figure 2021071612
<磁性コア粒子の製造例>
(工程1:秤量・混合工程)
・Fe23 62.7質量部
・MnCO3 29.5質量部
・Mg(OH)2 6.8質量部
・SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
・工程2(仮焼成工程):
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した。その後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1,000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe23d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
(工程3:粉砕工程)
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
(工程4:造粒工程)
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加した。そして、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機(株))を用いて、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、温度650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
(工程5:焼成工程)
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1,300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1,150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
(工程6:選別工程)
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準のメジアン径が37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
<被覆樹脂の調製>
・シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
・メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
・メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5,000のマクロモノマー)
・トルエン 31.3質量%
・メチルエチルケトン 31.3質量%
・アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び撹拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを導入して窒素ガスで系内を置換した。その後、温度80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
<被覆樹脂溶液の調製>
・重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
・トルエン 66.4質量%
・カーボンブラック 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75mL/100g)
上記材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液1を得た。
[磁性キャリアの製造]
(樹脂被覆工程)
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1をフェライト粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら温度80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布基準のメジアン径が38.2μmの磁性キャリアを得た。
[実施例1〜7、比較例1〜6]
トナー1と磁性キャリアで、トナー濃度が10質量%になるようにV型混合機(V−10型:(株)徳寿製作所)で0.5s-1、回転時間5分で混合し、二成分系現像剤1を得た。また、同様に表1の記載のトナー2〜13と磁性キャリアを混合し、二成分系現像剤1〜13を得た。
この二成分系現像剤1〜7を実施例として、二成分系現像剤8〜13を比較例として次の印字耐久試験を実施後、(1)〜(3)に従って、トナーの性能評価を行った。次にその具体的内容を示す。
《印字耐久試験》
画像形成装置として、キヤノン(株)製フルカラー複写機imagePRESS C800を用いた(ステーションはCyステーションを使用)。
FFh画像のトナーの載り量を0.45mg/cm2となるように現像電圧を初期調整した。FFh画像とは、256階調を16進数で表示した値であり、00Hを1階調目(白地部)、FFhを256階調目(ベタ部)とする。
高温高湿環境下(温度25℃、相対湿度40%)で15,000枚の10%画像Dutyの画像で印字耐久試験を行い、装置内より現像剤を採取し、トナーの性能評価を実施した。
《トナー性能評価》
(1)帯電量差測定:
図2は摩擦帯電量を測定する装置の説明図である。高温高湿度環境(室温30度、湿度80%)に24時間保管した現像剤を、底に500メッシュのスクリーン53のある金属製の測定容器52に、複写機又はプリンターの現像スリーブ上から採取した二成分系現像剤を約0.5〜1.5g入れ金属製のフタ54をする。この時の測定容器52全体の質量を秤りW1(g)とする。次に吸引機51(測定容器52と接する部分は少なくとも絶縁体)において、吸引口57から吸引し風量調節弁56を調整して真空計55の圧力を250mmAqとする。この状態で充分、好ましくは2分間吸引を行いトナーを吸引除去する。この時の電位計59の電位をV(ボルト)とする。ここで58はコンデンサーであり容量をC(mF)とする。また、吸引後の測定容器全体の質量を秤りW2(g)とする。この試料の摩擦帯電量(mC/kg)は下式の如く算出される。
試料の摩擦帯電量(mC/kg)=C×V/(W1−W2)
黒色トナーとカラートナーの帯電量を把握し、その差に基づいて以下のような判定とした。帯電量差単位[mC/kg]
0〜2:A
3〜4:B
5以上:C
(2)凝集度測定:
凝集度の測定は、パウダーレオメーター(FT4、フリーマンテクノロジー社)を使用し、所定の容器にトナーを10g秤量し、撹拌後、一定の圧力で押し固め、高温高湿度環境(室温度25℃、湿度80%)に72時間保管した。保管後、専用の針状冶具でトナーを突き刺す際の力を測定した。この時の値の大小を凝集度の評価とし、得られた値に基づいて以下のような判定とした。凝集度単位[mJ/mm]
24以下:A
24.5〜25.5:B
26以上:C
(3)流動性測定:
高温高湿度環境(室温度25℃、湿度80%)に72時間保管したトナーを円柱形状の容器(底面直径15cm、高さ30cm)に100g入れ、容器が90度/秒に向きが変更になる振動を加えることを30秒間行った直後に容器を垂直に立て、容器底に設けてある5cm×5cmの穴をふさいでいるふたを取り外し、容器から排出されたトナー量を計測し、この排出量の大小を流動性の評価として以下のような判定とした。流動性%
60以上:A
56〜59:B
55以下:C
Figure 2021071612
以上の結果で示されるように、トナー表面の外添剤の偏在・局在化を抑制し、帯電安定化させ、流動性を保持し、凝集を防止する。
11 樹脂、12 離型剤、13 無機粒子(シリカ粒子)、14 直方体または立方体を有する無機粒子、A001 本発明トナーの無機粒子付着前の状態、A002 本発明トナーの無機粒子付着後の状態、A003 本発明トナーの印字耐久後の状態、 B001従来トナーの無機粒子付着前の状態、B002 従来トナーの無機粒子付着後の状態、B003 従来トナーの印字耐久後の状態、51 吸引機、52 測定容器、53 500メッシュのスクリーン、52 金属製の測定容器、54 金属製のフタ、55 真空計、56 風量調節弁、57 吸引口、58 コンデンサー、59 電位計

Claims (10)

  1. カラートナーと黒色トナーとを有するトナーセットであり、
    前記カラートナーは、
    カラー着色剤、結着樹脂及び離型剤Aを含むカラートナー粒子と、
    オイルを有する無機粒子A1と、
    直方体または立方体形状を有する無機粒子A2と、
    を含有し、
    前記黒色トナーは、
    黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤Bを含む黒色トナー粒子と、
    オイルを有する無機粒子B1と、
    直方体または立方体形状を有する無機粒子B2と、
    を含有し、
    前記カラートナー粒子の表面における離型剤Aの露出率が、前記黒色トナー粒子の表面における離型剤Bの露出率より大きいこと、
    を特徴とするトナーセット。
  2. 前記カラートナー粒子の表面における前記離型剤Aの露出率と、前記黒色トナー粒子の表面における前記離型剤Bの露出率の差が、0.5%以上10.0%以下である請求項1に記載のトナーセット。
  3. 前記カラートナー粒子の表面における前記離型剤Aの露出率が0.12%以上20.0%以下であり、
    前記黒色トナー粒子の表面における前記離型剤Bの露出率が0.1%以上15.0%以下である請求項1又は2に記載のトナーセット。
  4. 前記カラートナー粒子の表面に前記離型剤AのドメインAが存在し、前記ドメインAの平均粒径が0.1μm以上3.0μm以下であり、
    前記黒色トナー粒子の表面に前記離型剤BのドメインBがあり、前記ドメインBの平均粒径が0.1μm以上3.0μm以下である請求項1乃至3のいずれか1項に記載のトナーセット。
  5. 前記無機粒子A2および前記無機粒子B2のいずれもが、チタン酸ストロンチウム粒子である請求項1乃至4のいずれか1項に記載のトナーセット。
  6. 前記無機粒子A2および前記無機粒子B2のいずれもが、ステアリン酸系物質で表面処理された粒子である請求項1乃至5のいずれか1項に記載のトナーセット。
  7. 前記カラートナーの表面に存在する無機粒子のうち、無機粒子A2の存在割合が1%以上30%以下であり、前記黒色トナーの表面に存在する無機粒子のうち、無機粒子B2の存在割合が1%以上30%以下である請求項1乃至6のいずれか1項に記載のトナーセット。
  8. 前記黒色トナーの表面における無機粒子の存在割合をCBk(%)、前記カラートナーの表面における無機粒子の存在割合をCC(%)としたとき、前記CBkと前記CCとが、
    0.5≦CBk−CC≦25
    を満たす請求項1乃至7のいずれか1項に記載のトナーセット。
  9. 前記黒色トナーにカーボンブラックを含む請求項1に記載のトナーセット。
  10. 静電荷像担持体を帯電する工程、
    帯電している静電荷像担持体に静電荷像を形成する工程、
    形成された静電荷像をトナーで現像してトナー画像を形成する工程、
    形成されたトナー画像を転写材に転写する工程、及び
    転写されたトナー画像を転写材に定着して定着画像を形成する工程、
    を含む画像形成方法であって、
    前記トナー画像を形成する工程は、黒色トナーを用いて黒色トナー画像を形成する工程と、カラートナーを用いてカラートナー画像を形成する工程とを有し、
    前記カラートナーは、
    カラー着色剤、結着樹脂及び離型剤Aを含むカラートナー粒子と、
    オイルを有する無機粒子A1と、
    直方体または立方体形状を有する無機粒子A2と、
    を含有し、
    前記黒色トナーは、
    黒色着色剤、結着樹脂及び離型剤Bを含む黒色トナー粒子と、
    オイルを有する無機粒子B1と、
    直方体または立方体形状を有する無機粒子B2と、
    を含有し、
    前記カラートナー粒子の表面における離型剤Aの露出率が、前記黒色トナー粒子の表面における離型剤Bの露出率より大きい、
    ことを特徴とする画像形成方法。
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