JP7062485B2 - トナー - Google Patents
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Description
チタン酸ストロンチウム粒子
を有するトナーであって、
前記トナー粒子の表面に対してATR-IR測定を行った際、前記結晶性ポリエステル由来のピーク強度の結着樹脂由来のピーク強度に対する比が、0.1以上0.3以下であり、
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、
(i)個数平均粒子径が10nm以上60nm以下であり、
(ii)表面に疎水化処理剤を有し、
(iii)立方体状または直方体状の粒子の含有率が、40個数%以下であり、
(iv)水分吸着測定において、温度30℃相対湿度80%のときの比表面積当たりの水分吸着量をMa(cm3/m2)とし、温度30℃相対湿度10%のときの比表面積当たりの水分吸着量をMb(cm3/m2)としたとき、
Maが、0.20cm3/m2以上0.60cm3/m2以下であり、
下記式で定義されるMcが、4.3×10-3以下である
Mc={(Ma-Mb)/(80-10)}
ことを特徴とするトナー。
チタン酸ストロンチウム粒子
を有するトナーであって、
前記トナー粒子の表面に対してATR-IR測定を行った際、前記結晶性ポリエステル由来のピーク強度の結着樹脂由来のピーク強度に対する比が、0.1以上0.3以下であり、
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、
(i)個数平均粒子径が10nm以上60nm以下であり、
(ii)表面に疎水化処理剤を有し、
(iii)立方体状または直方体状の粒子の含有率が、40個数%以下であり、
(iv)水分吸着測定において、温度30℃相対湿度80%のときの比表面積当たりの水分吸着量をMa(cm3/m2)とし、温度30℃相対湿度10%のときの比表面積当たりの水分吸着量をMb(cm3/m2)としたとき、
Maが、0.20cm3/m2以上0.60cm3/m2以下であり、
下記式で定義されるMcが、4.3×10-3以下である。
Mc={(Ma-Mb)/(80-10)}
本発明において用いられるチタン酸ストロンチウム粒子は、
(i)個数平均粒径が10nm以上60nm以下であり、
(ii)表面に疎水化処理剤を有する。
Mc={(Ma-Mb)/(80-10)}
トナーに使用される結着樹脂としては、下記の重合体を用いることが可能である。
トナーは、ワックスを含有してもよく、例えば以下のものが挙げられる。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、アルキレン共重合体、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き炭化水素系ワックスの酸化物又はそれらのブロック共重合物;カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステル類を一部又は全部を脱酸化したもの。これらのワックスの中でも、低温定着性、耐ホットオフセット性を向上させるという観点で、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如き炭化水素系ワックス、もしくはカルナバワックスの如き脂肪酸エステル系ワックスが好ましい。
トナーに含有できる着色剤としては、以下のものが挙げられる。
トナーには、必要に応じて荷電制御剤を含有させることもできる。この荷電制御剤としては、例えばネガ系荷電制御剤としては、サリチル酸金属化合物、ナフトエ酸金属化合物、ジカルボン酸金属化合物、スルホン酸又はカルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、スルホン酸塩或いはスルホン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、カルボン酸塩或いはカルボン酸エステル化物を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。荷電制御剤はトナー粒子に対して内添しても良いし外添しても良い。荷電制御剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下が好ましい。
トナーには、前述したチタン酸ストロンチウム粒子のほかに、必要に応じて他の無機微粉末を含有させることもできる。無機微粉末は、トナー粒子に内添しても良いし外添剤としてトナー粒子と混合してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムのような無機微粉末が好ましい。無機微粉末は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
トナー粒子の表面に対してATR-IR測定を行った際、結晶性ポリエステル由来のピーク強度の前記結着樹脂由来のピーク強度に対する比が、0.1以上0.3以下であることが好ましい。結晶性ポリエステルの表面存在量が、上記の規定を満たす場合、摩擦帯電特性、耐久安定性に関して、良好な特性が得られる。
トナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、ドット再現性をより向上させるために、長期にわたり安定した画像が得られるという点で、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いることがより好ましい。
トナー粒子は、乳化凝集法、溶融混練法、溶解懸濁法など従来公知のトナー製造方法で製造することが可能であり、特に限定されない。
シリカ粒子およびチタン酸ストロンチウム粒子の個数平均粒径は、日立超高分解能電界放出形走査電子顕微鏡S-4800((株)日立ハイテクノロジーズ)にて撮影されたトナー表面の画像から算出される。S-4800の画像撮影条件は以下のとおりである。
試料台(アルミニウム試料台15mm×6mm)に導電性ペーストを薄く塗り、その上にトナーを吹きつける。さらにエアブローして、余分なトナーを試料台から除去し十分乾燥させる。試料台を試料ホルダにセットし、試料高さゲージにより試料台高さを36mmに調節する。
個数平均径の算出は、S-4800の反射電子像観察により得られた画像を用いて行う。被覆率を測定する際には、予めエネルギー分散型X線分析装置(EDAX)による元素分析を行い、トナー表面におけるケイ素化合物微粒子以外の粒子を除外した上で測定を行う。S-4800の鏡体に取り付けられているアンチコンタミネーショントラップに液体窒素を溢れるまで注入し、30分間置く。S-4800の「PC-SEM」を起動し、フラッシング(電子源であるFEチップの清浄化)を行う。画面上のコントロールパネルの加速電圧表示部分をクリックし、[フラッシング]ボタンを押し、フラッシング実行ダイアログを開く。フラッシング強度が2であることを確認し、実行する。フラッシングによるエミッション電流が20~40μAであることを確認する。試料ホルダをS-4800鏡体の試料室に挿入する。コントロールパネル上の[原点]を押し試料ホルダを観察位置に移動させる。
操作パネルのフォーカスつまみ[COARSE]を回転させ、ある程度焦点が合ったところでアパーチャアライメントの調整を行う。コントロールパネルの[Align]をクリックし、アライメントダイアログを表示し、[ビーム]を選択する。操作パネルのSTIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を回転し、表示されるビームを同心円の中心に移動させる。次に[アパーチャ]を選択し、STIGMA/ALIGNMENTつまみ(X,Y)を一つずつ回し、像の動きを止める又は最小の動きになるように合わせる。アパーチャダイアログを閉じ、オートフォーカスで、ピントを合わせる。その後、倍率を80,000(80k)倍に設定し、上記と同様にフォーカスつまみ、STIGMA/ALIGNMENTつまみを使用して焦点調整を行い、再度オートフォーカスでピントを合わせる。この操作を再度繰り返し、ピントを合わせる。ここで、観察面の傾斜角度が大きいと被覆率の測定精度が低くなりやすいので、ピント調整の際に観察面全体のピントが同時に合うものを選ぶことで、表面の傾斜が極力無いものを選択して解析する。
ABCモードで明るさ合わせを行い、サイズ640×480ピクセルで写真撮影して保存する。この画像ファイルを用いて下記の解析を行う。トナー一つに対して写真を1枚撮影し、少なくともトナー25粒子以上について画像を得る。
トナー表面上の少なくとも500個の無機微粒子について粒径を測定して、個数平均粒径を求める。本発明では画像解析ソフトImage-Pro Plus ver.5.0を用いて、上述した手法で得た画像を2値化処理することで個数平均粒径を算出する。
前述した電子顕微鏡画像より、10nm以上60nm以下のチタン酸ストロンチウム微粒子の内、直方体または立方体形状をしている粒子個数をカウントし、10nm以上60nm以下のチタン酸ストロンチウム全体の個数に対する個数%を算出する。
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出する。
トナー粒子の平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA-3000」(シスメックス(株)製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
結着樹脂の軟化点の測定は、定荷重押し出し方式の細管式レオメータ「流動特性評価装置 フローテスターCFT-500D」(島津製作所社製)を用い、装置付属のマニュアルに従って行う。本装置では、測定試料の上部からピストンによって一定荷重を加えつつ、シリンダに充填した測定試料を昇温させて溶融し、シリンダ底部のダイから溶融された測定試料を押し出し、この際のピストン降下量と温度との関係を示す流動曲線を得ることができる。
試験モード:昇温法
開始温度:50℃
到達温度:200℃
測定間隔:1.0℃
昇温速度:4.0℃/min
ピストン断面積:1.000cm2
試験荷重(ピストン荷重):10.0kgf(0.9807MPa)
予熱時間:300秒
ダイの穴の直径:1.0mm
ダイの長さ:1.0mm
ワックスの最大吸熱ピークのピーク温度は、示差走査熱量分析装置「Q1000」(TA Instruments社製)を用いてASTM D3418-82に準じて測定する。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。
無機微粒子のBET比表面積の測定は、JIS Z8830(2001年)に準じて行う。具体的な測定方法は、以下の通りである。
結着樹脂の酸価はJIS K 0070-1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
(A)本試験
試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
A=[(C-B)×f×5.61]/S
水分吸着量は、吸着平衡測定装置(BELSORP-aqua3:日本ベル株式会社製)によって測定される。この装置は、対象とする気体(本発明の場合は水蒸気)の吸着量を測定する装置である。
測定前にサンプルに吸着している水分を脱気する必要がある。セル、フィラーロット、キャップをつけて、空の重さを量る。サンプルを約0.3gはかりセルへ投入する。フィラーロットをセル内へ入れ、キャップを取り付けて、脱気ポートへ取り付ける。測定するセルを全て脱気ポートへ取り付けたら、ヘリウムの弁を開ける。脱気するポートのボタンをONにし、「VAC」ボタンを押す。これで1日以上脱気を行う。
定部本体の電源をON。(本体後ろ側にスイッチがある。)同時に真空ポンプも起動する。循環水用の本体及び操作盤の電源をON。PC画面中央部にある「BELaqua3.exe」(測定用ソフト)を立ち上げる。空気高温槽の温度制御:「流路図」ウインドウ上の「TIC1」の枠にある「SV」をダブルクリックし、「温度設定」ウインドウを開く。温度(80℃)を入力して、設定をクリックする。吸着温度の制御:「流路図」ウインドウの「吸着温度」の「SV」をダブルクリックし、「SV値」(吸着温度)を入力する。「循環開始」及び「外温制御」をクリックし、設定をクリック。
空気恒温槽温度:80.0℃
吸着温度:30.0℃
吸着質名称:H2O
平衡時間:500sec
温度待ち:60min
飽和蒸気圧:4.245kPa
サンプル管排気速度:普通
化学吸着測定:しない
初期導入量:0.20cm3(STP)・g-1
測定相対圧範囲数:4
測定検体数を選択し、「測定データファイル名」と「サンプル重量」を入力する。測定をスタートする。
解析ソフトを立ち上げて、解析する。温度30℃相対湿度80%における水分吸着量(M80)(cm3/g)と、温度30℃相対湿度10%における水分吸着量(M10)を求める。
FT-IRスペクトルは、ユニバーサルATR測定アクセサリー(UniversalATR Sampling Accessory)を装着したフーリエ変換赤外分光分析装置(商品名:Spectrum One、PerkinElmer社製)を用い、ATR法で測定した。赤外光(λ=5μm)の入射角は45°に設定した。ATR結晶としては、GeのATR結晶(屈折率=4.0)を用いた。
Range
Start:4000cm-1
End:600cm-1(GeのATR結晶)
Duration
Scan number:16
Resolution:4.00cm-1
Advanced:CO2/H2O補正あり
(1)GeのATR結晶(屈折率=4.0)を装置に装着した。
(2)Scan typeをBackground、UnitsをEGYに設定し、バックグラウンドを測定した。
(3)Scan typeをSample、UnitsをAに設定した。
(4)ヘキサンに一晩つけて、ろ過後、乾燥したトナー粒子をATR結晶の上に、0.01g精秤した。この工程は、トナー表面に露出したワックスを除去する工程である。
(5)圧力アームでサンプルを加圧した(Force Gaugeは80)。
(6)サンプルを測定した。
(7)得られたFT-IRスペクトルを、Automatic Correctionでベースライン補正をした。
(8)2843cm-1以上2853cm-1以下の範囲の吸収ピーク強度の最大値を算出した(Pa1)。
(9)3050cm-1と2600cm-1の吸収ピーク強度の平均値を算出した(Pa2)。
(10)Pa1-Pa2=Paとした。Paを2843cm-1以上2853cm-1以下の範囲の最大吸収ピーク強度と規定した。尚、このPaが結晶性ポリエステルに由来するピーク強度である。
(11)1713cm-1以上1723cm-1以下の範囲の吸収ピーク強度の最大値を算出した(Pb1)。
(12)1763cm-1と1630cm-1の吸収ピーク強度の平均値を算出した(Pb2)。
(13)Pb1-Pb2=Pbとした。Pbを1713cm-1以上1723cm-1以下の範囲の最大吸収ピーク強度と規定した。尚、このPbが結着樹脂に由来するピーク強度である。
(14)Pa/Pb=P1とした。このP1が、“結晶性ポリエステル由来のピーク強度”の“結着樹脂由来のピーク強度”に対する比である。
硫酸法で製造されたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、3mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし脱硫処理を行い、その後、5mol/L塩酸によりpH5.4まで中和し、ろ過水洗を行った。洗浄済みのケーキに水を加えTiO2として1.80モル/Lのスラリーとした後、塩酸を加えpH1.5とし解膠処理を行った。
チタン酸ストロンチウム粒子1と同様の製法で、反応温度、仕込み濃度、滴下速度、および冷却速度を変えて微粒子2~10を製造した。製造条件に関しては、表1-1、1-2に示す。また、得られた粒子の物性は表2に示す。
(ポリエステル1の製造例)
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:66.9質量部(0.17モル部;多価アルコール総モル数に対して90.0mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:6.8質量部(0.02モル部;多価アルコール総モル数に対して10.0mol%)
・テレフタル酸:20.8質量部(0.13モル部;多価カルボン酸総モル数に対して80.0mol%)
・無水トリメリット酸:3.3質量部(0.015モル部;多価カルボン酸総モル数に対して10.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。そして、モノマー総量100質量部に対して、触媒として2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.5質量部添加した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
・ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:66.9質量部(0.17モル部;多価アルコール総モル数に対して90.0mol%)
・ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン:6.8質量部(0.02モル部;多価アルコール総モル数に対して10.0mol%)
・テレフタル酸:20.8質量部(0.13モル部;多価カルボン酸総モル数に対して80.0mol%)
・無水トリメリット酸:0.66質量部(0.003モル部;多価カルボン酸総モル数に対して2.0mol%)
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を投入した。そして、モノマー総量100質量部に対して、触媒として2-エチルヘキサン酸錫(エステル化触媒)を1.0質量部添加した。次にフラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、200℃の温度で撹拌しつつ、2.5時間反応させた。
・無水トリメリット酸:5.94質量部(0.027モル部;多価カルボン酸総モル数に対して18.0mol%)
・tert-ブチルカテコール(重合禁止剤):0.1部
その後、上記材料を加え、反応槽内の圧力を8.3kPaに下げ、温度160℃に維持したまま、15時間反応させ、ASTM D36-86に従って測定した反応物の軟化点が140℃に達したのを確認してから温度を下げて反応を止めた(第2反応工程)。得られたポリエステル2の軟化点(Tm)は150℃、酸価は6mgKOH/gであった。
・1,6-ヘキサンジオール:34.5質量部(0.29モル部;多価アルコール総モル数に対して100.0mol%)
・ドデカン二酸:65.5質量部(0.29モル部;多価カルボン酸総モル数に対して100.0mol%)
・2-エチルヘキサン酸錫:0.5質量部
冷却管、攪拌機、窒素導入管、及び、熱電対のついた反応槽に、上記材料を秤量した。フラスコ内を窒素ガスで置換した後、撹拌しながら徐々に昇温し、140℃の温度で撹拌しつつ、3時間反応させた。
・ポリエステル1(PES1) 70.0質量部
・ポリエステル2(PES2) 30.0質量部
・結晶性ポリエステル 5.0質量部
・3,5-ジ-t-ブチルサリチル酸アルミニウム化合物(荷電制御剤) 0.1質量部
・フィッシャートロプシュワックス(最大吸熱ピークのピーク温度90℃)5.0質量部
・C.I.ピグメントブルー15:3 5.0質量部
トナーの製造例1において、結晶性ポリエステルの添加量、チタン酸ストロンチウム粒子の種類及び量を表3、表4に記載の通り変更した以外は同様にして製造し、トナー2~14を得た。得られたトナーの物性は、表4に示した。
[磁性コア粒子の製造]
(工程1:秤量・混合工程)
・Fe2O3 62.7質量部
・MnCO3 29.5質量部
・Mg(OH)2 6.8質量部
・SrCO3 1.0質量部
上記材料を上記組成比となるようにフェライト原材料を秤量した。その後、直径1/8インチのステンレスビーズを用いた乾式振動ミルで5時間粉砕・混合した。
得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した。その後、バーナー式焼成炉を用いて、窒素雰囲気下(酸素濃度0.01体積%)で、温度1,000℃で4時間焼成し、仮焼フェライトを作製した。得られた仮焼フェライトの組成は、下記のとおりである。
(MnO)a(MgO)b(SrO)c(Fe2O3)d
上記式において、a=0.257、b=0.117、c=0.007、d=0.393
クラッシャーで0.3mm程度に粉砕した後に、直径1/8インチのジルコニアビーズを用い、仮焼フェライト100質量部に対し、水を30質量部加え、湿式ボールミルで1時間粉砕した。そのスラリーを、直径1/16インチのアルミナビーズを用いた湿式ボールミルで4時間粉砕し、フェライトスラリー(仮焼フェライトの微粉砕品)を得た。
フェライトスラリーに、仮焼フェライト100質量部に対して分散剤としてポリカルボン酸アンモニウム1.0質量部、バインダーとしてポリビニルアルコール2.0質量部を添加した。そして、スプレードライヤー(製造元:大川原化工機(株))を用いて、球状粒子に造粒した。得られた粒子を粒度調整した後、ロータリーキルンを用いて、温度650℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーの有機成分を除去した。
焼成雰囲気をコントロールするために、電気炉にて窒素雰囲気下(酸素濃度1.00体積%)で、室温から温度1,300℃まで2時間で昇温し、その後、温度1,150℃で4時間焼成した。その後、4時間をかけて、温度60℃まで降温し、窒素雰囲気から大気に戻し、温度40℃以下で取り出した。
凝集した粒子を解砕した後に、磁力選鉱により低磁力品をカットし、目開き250μmの篩で篩分して粗大粒子を除去し、体積分布基準のメジアン径が37.0μmの磁性コア粒子1を得た。
・シクロヘキシルメタクリレートモノマー 26.8質量%
・メチルメタクリレートモノマー 0.2質量%
・メチルメタクリレートマクロモノマー 8.4質量%
(片末端にメタクリロイル基を有する重量平均分子量5,000のマクロモノマー)
・トルエン 31.3質量%
・メチルエチルケトン 31.3質量%
・アゾビスイソブチロニトリル 2.0質量%
上記材料のうち、シクロヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートマクロモノマー、トルエン、メチルエチルケトンを、還流冷却器、温度計、窒素導入管及び攪拌装置を取り付けた四つ口のセパラブルフラスコに入れ、窒素ガスを導入して窒素ガスで系内を置換した。その後、温度80℃まで加温し、アゾビスイソブチロニトリルを添加して5時間還流し重合させた。得られた反応物にヘキサンを注入して共重合体を沈殿析出させ、沈殿物を濾別後、真空乾燥して被覆樹脂1を得た。得られた被覆樹脂1を30質量部、トルエン40質量部、メチルエチルケトン30質量部に溶解させて、重合体溶液1(固形分30質量%)を得た。
・上記重合体溶液1(樹脂固形分濃度30%) 33.3質量%
・トルエン 66.4質量%
・カーボンブラック 0.3質量%
(一次粒径25nm、窒素吸着比表面積94m2/g、DBP吸油量75mL/100g)
上記材料を、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、ペイントシェーカーで1時間分散を行った。得られた分散液を、5.0μmのメンブランフィルターで濾過を行い、被覆樹脂溶液1を得た。
常温で維持されている真空脱気型ニーダーに被覆樹脂溶液1をフェライト粒子1の100質量部に対して樹脂成分として2.5質量部になるように投入した。投入後、回転速度30rpmで15分間撹拌し、溶媒が一定以上(80質量%)揮発した後、減圧混合しながら温度80℃まで昇温し、2時間かけてトルエンを留去した後冷却した。得られた磁性キャリアを、磁力選鉱により低磁力品を分別し、開口70μmの篩を通した後、風力分級器で分級し、体積分布におけるメジアン径が38.2μmの磁性キャリア1を得た。
前記トナー1~14と磁性キャリア1(個数平均粒径35μm)とで、トナー濃度が9質量%になるようにV型混合機(V-10型:株式会社徳寿製作所)で、0.5s-1、5分間で混合し、二成分系現像剤1~14を得た。
評価する画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imagePRESS C800改造機を用いた。この画像形成装置は、像担持体として静電潜像を形成させる感光体を有し、感光体の静電潜像を二成分現像器によりトナー像として現像する現像工程を有する。さらに、現像されたトナー像を中間転写体に転写し、その後に中間転写体のトナー像を紙に転写する転写工程を有し、紙上のトナー像を熱により定着する定着工程を有する。この画像形成装置のシアンステーションの現像器に、二成分系現像剤1を投入し、評価を行った。改造点は、現像器内部で過剰になった磁性キャリアを現像器から排出する機構を取り外したことである。
上記HH環境下での1万枚の耐久出力後にベタ画像を出力し、2cm角の画像をデジタルマイクロスコープにて取り込み、取り込んだ画像をImage-Jにて8bitグレースケール変換を行った後、濃度ヒストグラムを計測し、その標準偏差を求めた。その標準偏差の値に応じ以下の評価基準にてランク付けを行った。
A:標準偏差2.0未満(非常に優れている)
B:標準偏差2.0以上4.0未満(優れている)
C:標準偏差4.0以上6.0未満(普通)
D:標準偏差6.0以上(劣る)
NN環境の画像濃度に対し、HH環境とNL環境における画像濃度の変化率を環境安定性の判断基準とした。
Vf=(DHHf-DNLf)/DNNf
Vfの値に対し、以下の評価基準でランク付けを行った。
A:20%未満(非常に優れている)
B:20%以上30%未満(優れている)
C:30%以上40%未満(普通)
D:40%以上(劣る)
Claims (3)
- 結着樹脂および結晶性ポリエステルを含有するトナー粒子、および
チタン酸ストロンチウム粒子
を有するトナーであって、
前記トナー粒子の表面に対してATR-IR測定を行った際、前記結晶性ポリエステル由来のピーク強度の結着樹脂由来のピーク強度に対する比が、0.1以上0.3以下であり、
前記チタン酸ストロンチウム粒子は、
(i)個数平均粒子径が10nm以上60nm以下であり、
(ii)表面に疎水化処理剤を有し、
(iii)立方体状または直方体状の粒子の含有率が、40個数%以下であり、
(iv)水分吸着測定において、温度30℃相対湿度80%のときの比表面積当たりの水分吸着量をMa(cm3/m2)とし、温度30℃相対湿度10%のときの比表面積当たりの水分吸着量をMb(cm3/m2)としたとき、
Maが、0.20cm3/m2以上0.60cm3/m2以下であり、
下記式で定義されるMcが、4.3×10-3以下である
Mc={(Ma-Mb)/(80-10)}
ことを特徴とするトナー。 - 前記水分吸着量Mbが0.10cm3/m2以上0.30cm3/m2以下である請求項1に記載のトナー。
- 前記チタン酸ストロンチウム粒子の含有量が、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上20.0質量部以下である請求項1または2に記載のトナー。
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