JP2018194775A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

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隼也 上田
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慎也 小原
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拓也 高橋
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Abstract

【課題】本発明の課題は、転写性が良好であり、さらには、画像を長期連続印刷しても、クリーニング不良の発生及び感光体表面上の傷に起因する画像不良の発生を抑制することができる静電荷像現像用トナーを提供することである。
【解決手段】本発明のトナー母体粒子は、トナー母体粒子の表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤として、無機微粒子を含有し、前記無機微粒子が、形状が多面体のチタン酸無機微粒子であり、前記チタン酸無機微粒子の円形度が、0.76〜0.95の範囲内であり、かつ、シリコーンオイルを含有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電荷像現像用トナーに関する。より詳しくは、本発明は、転写性が良好であり、さらには、画像を長期連続印刷しても、クリーニング不良の発生及び感光体表面上の傷に起因する画像不良の発生を抑制することができる静電荷像現像用トナーに関する。
電子写真方式の画像形成に用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)に要求される性能としては、帯電性能、流動性、転写性、クリーニング性(以下、「CL性」ともいう。)などが挙げられる。
従来、トナーには、これらの特性を付与又は改善する目的で外添剤と呼ばれる種々の有機化合物、無機化合物から成る粒子が添加されている。代表的な外添剤としては、シリカ、酸化チタンなどを含有する無機粒子が知られている。
中でも、トナーのクリーニング性や転写性を確保するためにシリカや酸化チタンを含有する微粒子と、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、シリコーンオイル等の有機ケイ素化合物とを反応させ、シリカや酸化チタンを含有する微粒子表面のシラノール基を有機基で置換することで疎水化した微粒子等が用いられている。
シリコーンオイルは、十分な疎水性を示し、かつ表面エネルギーが低いために、トナーに外添すると優れた転写性を付与するので、好ましい疎水化処理剤として知られる。このため、シリコーンオイルを使用したトナーについて、種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照。)。
トナー中に適度に遊離できるシリコーンオイルが存在すると、その遊離したシリコーンオイルは、感光体に対して極微量常に供給されつづける。また、シリコーンオイルは、その表面エネルギーが低いために極めて短時間で感光体表面に広がり、感光体の摩擦係数を下げることができる。
通常、感光体において、文字部、ライン部やドットのエッジや中央などにトナーが多く付着する。このトナーが多く付着する部分が転写材により圧縮されると、感光体に対するトナーの付着性が高まる。これにより、転写電界ではトナーが転写材に移動できなくなると、転写抜けが起き、転写性が低下する。
そこで、適度に遊離したシリコーンオイルをトナー中に存在させることで、感光体に対するトナーの付着性を下げることができる。この結果、トナーが転写材により、強く圧縮されても、転写抜けが起こらなくなると考えられる。
しかしながら、長期にわたって連続して印刷した場合(以下、「長期連続印刷」ともいう。)においては、遊離したシリコーンオイルが感光体の表面上に蓄積し、この結果、感光体表面上の摩擦係数が大幅に低下し、クリーニングブレードがめくれてクリーニング性に不良(以下、「クリーニング不良」ともいう。)が発生するという問題があった。
また、遊離したシリコーンオイルが感光体の表面上に蓄積することを回避できるよう、研磨性を高くすると、感光体表面に傷が生じ、当該傷に起因する画像不良が生じるおそれがあった。
特開2009−98700号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、転写性が良好であり、さらには、画像を長期連続印刷しても、クリーニング不良の発生及び感光体表面上の傷に起因する画像不良の発生を抑制することができる静電荷像現像用トナーを提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、シリコーンオイルを含有させ、かつ、外添剤として円形度が特定の範囲内である多面体のチタン酸無機微粒子を含有させることで、転写抜けを抑え、これにより転写性を良好にでき、かつ、画像を長期連続印刷しても、トナーすり抜けなどのクリーニングに不良が発生することを抑え、さらには、感光体表面上に傷が発生することを抑え、これにより、画像不良の発生を抑制することができることを見いだし本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.トナー母体粒子の表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、
前記外添剤として、無機微粒子を含有し、
前記無機微粒子が、形状が多面体のチタン酸無機微粒子であり、
前記チタン酸無機微粒子の円形度が、0.76〜0.95の範囲内であり、かつ、
シリコーンオイルを含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
2.前記チタン酸無機微粒子の円形度が、0.82〜0.95の範囲内であることを特徴とする第1項に記載の静電荷像現像用トナー。
3.前記チタン酸無機微粒子が、ランタン原子を含有することを特徴とする第1項又は第2項に記載の静電荷像現像用トナー。
4.前記チタン酸無機微粒子における前記ランタン原子の含有比率が、当該チタン酸無機微粒子の総質量に対して3〜15質量%の範囲内であることを特徴とする第3項に記載の静電荷像現像用トナー。
5.前記チタン酸無機微粒子の粒径が、5〜100nmの範囲内であることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
6.前記チタン酸無機微粒子が、チタン酸ストロンチウムを含有することを特徴とする第1項から第5項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
7.前記外添剤として、前記無機微粒子(「第1の無機微粒子」という。)の他に、第2の無機微粒子を含有し、
前記第2の無機微粒子が、シリコーンオイルで表面が修飾されている無機微粒子であることを特徴とする第1項から第6項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
8.前記第2の無機微粒子として、シリカ微粒子を含有することを特徴とする第7項に記載の静電荷像現像用トナー。
9.前記第2の無機微粒子の粒径が、5〜100nmの範囲内であることを特徴とする第7項又は第8項に記載の静電荷像現像用トナー。
10.前記第2の無機微粒子の粒径が、10〜40nmの範囲内であることを特徴とする第7項又は第8項に記載の静電荷像現像用トナー。
11.前記第2の無機微粒子からの前記シリコーンオイルの遊離率が、30〜80質量%の範囲内であることを特徴とする第7項から第10項までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
本発明の上記手段により、転写性が良好であり、さらには、画像を長期連続印刷しても、クリーニング不良の発生及び感光体表面上の傷に起因する画像不良の発生を抑制することができる静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の効果の発現機構又は作用機構については、明確にはなっていないが、以下のように考えている。
本発明の静電荷像現像用トナーは、蓄積する遊離したシリコーンオイルを取るために、研磨剤として、角を有するような多面体(例えば、六面体)のチタン酸無機微粒子を含有する。本発明者は、多面体のチタン酸無機微粒子の角をコントロールする(すなわち、チタン酸無機微粒子の円形度を0.76〜0.95の範囲内にコントロールする。)ことで、クリーニングブレードからのトナーのすり抜けなどクリーニング性に不良を生じさせることなく、感光体上に蓄積したシリコーンオイルだけを研磨することが可能となることを見いだし、本発明に至った。また、これにより、研磨性が高くなりすぎることが抑えられ、長期連続印刷した場合であっても、感光体表面に傷が生じず、ひいては、傷に起因して発生する画像スジなどの画像不良の発生を回避できると考える。
画像形成装置の一例を示す概略図
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー母体粒子の表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤として、無機微粒子を含有し、前記無機微粒子が、形状が多面体のチタン酸無機微粒子であり、前記チタン酸無機微粒子の円形度が、0.76〜0.95の範囲内であり、かつ、シリコーンオイルを含有することを特徴とする。この特徴は各請求項に係る発明に共通又は対応する技術的特徴である。これにより、本発明は、転写性が良好であり、さらには、画像を長期連続印刷しても、クリーニング不良の発生及び感光体表面上の傷に起因する画像不良の発生を抑制することができるという効果を得られる。
本発明の実施態様としては、前記チタン酸無機微粒子の円形度が、0.82〜0.95の範囲内であることが好ましい。これにより、感光体最表面上に蓄積したシリコーンオイルのみ削ることができ、かつ、その研磨性を維持することができ、ひいては、画像不良の発生を抑えることができる。
本発明の実施態様としては、前記チタン酸無機微粒子が、ランタン原子を含有することが好ましい。これにより、帯電制御剤としての性能が向上し、転写性がより良好になる。
本発明の実施態様としては、前記チタン酸無機微粒子における前記ランタン原子の含有比率が、当該チタン酸無機微粒子の総質量に対して3〜15質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、研磨性をより好適にでき、ひいては、画像不良の発生をより抑え、かつ長期連続印刷後のCL性も良好にすることができる。
本発明の実施態様としては、前記チタン酸無機微粒子の粒径が、5〜100nmの範囲内であることが好ましい。これにより、研磨性をより適切にでき、ひいては、画像不良の発生をより抑えることができる。
本発明の実施態様としては、前記チタン酸無機微粒子が、チタン酸ストロンチウムを含有することが好ましい。これにより、粒径制御性を好適にすることができ、より好適に本願発明の効果を奏することができる。
本発明の実施態様としては、前記外添剤として、前記無機微粒子(「第1の無機微粒子」という。)の他に、第2の無機微粒子を含有し、
前記第2の無機微粒子が、シリコーンオイルで表面が修飾されている無機微粒子であることが好ましい。これにより、転写性をより良好にでき、より好適に本願発明の効果を奏することができる。
本発明の実施態様としては、前記第2の無機微粒子として、シリカ微粒子を含有することが好ましい。このような無機微粒子であれば、製造性が容易であり、さらには、表面修飾された場合に、粒子同士の凝集を抑制できる。
本発明の実施態様としては、前記第2の無機微粒子の粒径が、5〜100nmの範囲内であることが好ましい。これにより、転写性をより良好にでき、かつ、画像不良の発生をより抑えることができる。
本発明の実施態様としては、前記第2の無機微粒子の粒径が、10〜40nmの範囲内であることが好ましい。これにより、転写性をより良好にでき、かつ、画像不良の発生をより抑えることができる。
本発明の実施態様としては、前記第2の無機微粒子からの前記シリコーンオイルの遊離率が、30〜80質量%の範囲内であることが好ましい。これにより、長期連続印刷後のクリーニング性を良好に維持でき、かつ、転写性をより良好にできる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用する。
なお、本発明において、一次粒子とは、凝集のない独立した粒子をいう。
≪静電荷像現像用トナーの概要≫
本発明の静電荷像現像用トナーは、トナー母体粒子の表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記外添剤として、無機微粒子を含有し、前記無機微粒子が、形状が多面体のチタン酸無機微粒子であり、前記チタン酸無機微粒子の円形度が、0.76〜0.95の範囲内であり、かつ、シリコーンオイルを含有することを特徴とする。
なお、本発明において、「トナー」とは、「トナー粒子」の集合体のことをいう。
また、トナー粒子とは、「トナー母体粒子に外添剤を添加(外添・分散)したもの」である。
[トナー粒子]
本発明に係るトナー粒子は、トナー母体粒子の表面に外添剤を有する。
[チタン酸無機微粒子(外添剤)]
本発明のトナーは、外添剤として、無機微粒子を含有し、当該無機微粒子は、形状が多面体のチタン酸無機微粒子である。
なお、形状が多面体であるとは、球体でなければよく、例えば、四面体、六面体、八面体、十二面体、十四面体などが挙げられるがこれに限定されない。また、チタン酸無機微粒子の角は丸みを帯びていることが好ましい。なお、多面体としては、好ましくは、基本的には六面体で、角が丸みを持つものである。丸みを帯びた角を有する多面体であることで、研磨性を強くしすぎることなく、ひいては、クリーニング性をより好適にできるため好ましい。また、本発明において、角が丸みを帯びている多面体とは、円形度が0.76〜0.95の範囲内であれば、角が丸みを帯びている多面体とみなす。
チタン酸無機微粒子としては、チタン酸カリウム、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸鉛、チタン酸アルミニウム、チタン酸リチウム等が挙げられるが、粒径制御性の面でチタン酸ストロンチウム及びチタン酸マグネシウムが好ましく、特にはチタン酸ストロンチウムであることが、粒径制御性を好適にすることができ、より好適に本願発明の効果を奏することができるため好ましい。
なお、チタン酸無機微粒子には、本発明の効果発現を阻害しない範囲内で、その他の化合物等が含有されていてもよい。
また、チタン酸無機微粒は、後述のように、化合物などによって表面修飾されたものであってもよく、例えば、表面が疎水化処理されたものであてもよい。
<チタン酸無機微粒子の形状の確認方法>
トナー中のチタン酸無機微粒子を走査型電子顕微鏡「JSM−7401F」(日本電子(株)製)にて40000倍で観察し、複数の面を持つことを確認できる。
<円形度>
本発明に係る無機微粒子(チタン酸無機微粒子)の円形度は、0.76〜0.95の範囲内であり、好ましくは、0.82〜0.95の範囲内である。0.76以上であれば、より好適に感光体最表面上に蓄積したシリコーンオイルのみを削ることができ、0.95以下でその研磨性をより維持することができる。
(円形度の測定方法)
チタン酸無機微粒子等外添剤として含有される無機微粒子等の平均円形度(単に「円形度」ともいう。)の測定は、下記のようにして行うことができる。
まず、100個の試料(例えば、チタン酸無機微粒子)について、例えば、「JSM−7401F」(日本電子(株)製)などの走査型電子顕微鏡にて40000倍の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込む。次に、画像処理解析装置(例えば、「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製))を用いて画像解析する。
そして、解析された画像から円相当径周囲長及び周囲長を求めた上で、下記式に従って各々の試料の円形度を求め、それらを平均して、円形度を求める。
式(1)円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM
式(1)において、Aは試料の投影面積、PMは試料の周囲長を表す。
なお、円形度は、1.0の場合は真球であり、数値が低いほど外周に凹凸があり、異形の度合いが高くなる。
<チタン酸無機微粒子の粒径>
チタン酸無機微粒子の平均一次粒径は、5〜200nmの範囲内であることが好ましい。粒径が、5nm以上であれば、接触面積が小さくなりすぎることを回避でき、研磨性が弱くなりすぎない。200nm以下であれば、研磨性が強くなりすぎることを回避でき、ひいては、画像スジなどの画像不良の発生をより抑えることができる。
また、上記観点から、チタン酸無機微粒子の粒径は、10〜100nmの範囲内であることがより好ましい。
(平均一次粒径の測定方法)
チタン酸無機微粒子など外添剤として含有される無機微粒子等の平均一次粒径は、トナー(トナー母体粒子に外添剤を外添させたもの。)中における無機微粒子の一次粒子100個を走査型電子顕微鏡(例えば、「JSM−7401F」(日本電子(株)製)。)にて40000倍で観察し、一次粒子の画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を測定することで求めることができる。
なお、外添剤として含有される無機微粒子等の平均一次粒径は、トナー母体粒子に外添する前の状態で測定し、それをトナーに外添剤として含有される無機微粒子等の平均一次粒径とみなしてもよい。なお、その際の測定方法は、上記のトナー中における無機微粒子について平均一次粒径の測定と同様にできる。
<ランタン原子>
本発明に係るチタン酸無機微粒子は、ランタン原子を含有することが、帯電制御剤としての性能が向上し、転写性がより良好になるため好ましい。また、ランタン原子を含有させることで、チタン酸無機微粒子の円形度を好適にコントロールできる。
チタン酸無機微粒子におけるランタン原子の含有比率は、当該チタン酸無機微粒子の総質量に対して、2〜20質量%の範囲内が好ましく、さらには、3〜15質量%の範囲内であることが好ましい。
これは、ランタン含有量が2質量%以上であれば、直方体形状に近くなることを回避でき、この結果、角に丸みを帯びた多面体をより得やすく、ひいては、研磨性が強くなりすぎず、画像スジなどの画像不良の発生を抑えることができるためである。
また、20質量%以下であれば、粒度(円形度)コントロールがしやすく、粗大粒子の発生を回避でき、この結果、研磨性が強くなりすぎない。
このような観点から、チタン酸無機微粒子におけるランタン原子の含有比率が、3〜15質量%であることがより好ましい。
チタン酸無機微粒子におけるランタン原子の含有比率の測定方法は、特に限定されないが、例えば、エネルギー分散型X線分析装置(EDS)で元素マッピングを行うなどしてもとめることができる。なお、クロスセクションポリッシャー法(CP法)にて、チタン酸無機微粒子の断面サンプルを作製し、当該サンプルについて、EDSで元素マッピングを行い、元素量を判定することとしてもよい。このようにすれば、チタン酸無機微粒子の全体(すなわち、表面から内部まで。)におけるランタン原子の含有比率を測定できるため好ましい。
(ランタン含有チタン酸無機微粒子の製造例)
ランタンを含有する本発明に係るチタン酸無機微粒子(以下、「ランタン含有チタン酸無機微粒子」又は、単に「チタン酸無機微粒子」ともいう。)を製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、特開2003−277054号公報の段落0017〜0026に記載のような、ペロブスカイト型チタン酸化合物を常圧加熱反応法により製造する方法が挙げられる。当該製造方法の場合、酸化チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いることができる。また、ストロンチウム源としては水溶性酸性化合物を用いることができる。さらに、ランタン源として水溶性酸性化合物を用いることができる。これらの混合液に50℃以上でアルカリ水溶液を添加しながら反応させればよい。なお、この当該製造方法によって製造されたチタン酸無機微粒子は六面体になることが知られている。
酸化チタン源としては、チタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を用いることができる。具体的には、硫酸法で得られたメタチタン酸のpHを0.8〜1.5(温度は、25℃)に調整して解膠したものを用いることで、粒径分布が良好なランタン含有チタン酸無機微粒子が得られる。なお、上記メタチタン酸は、SO含有量が1.0質量%以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5質量%以下である。また、pHの調整には、特に限定されないが、例えば、塩酸を好適に使用できる。
ストロンチウム源は、特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、硝酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム等を使用することができる。
また、ランタン源としては、特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、硝酸ランタン六水和物、塩化ランタン七水和物等を使用することができる。
アルカリ水溶液としては、特に限定されず、公知のものを使用でき、例えば、苛性アルカリが使用できるが、好ましくは水酸化ナトリウム水溶液である。
上述の製造方法において、得られるランタン含有チタン酸無機微粒子の粒径に影響を及ぼす因子としては、いくつかあるが、主に以下の点が挙げられる。
・反応時における酸化チタン源とストロンチウム源及びランタン源の混合割合
・反応初期の酸化チタン源の濃度
・アルカリ水溶液を添加する際の温度、添加速度
なお、ランタン含有チタン酸無機微粒子を、目的の粒径及び粒度分布とすることは、上記因子を適宜調整することで達成できる。
なお、反応は、窒素ガス雰囲気下で反応することが好ましい。これにより、反応過程において、炭酸ガスの混入を防ぐことができ、ひいては、炭酸ストロンチウムの生成を防ぐことができる。
反応時における酸化チタン源に対するストロンチウム源のモル比(SrO/TiO)は0.9〜1.4の範囲内が好ましく、好ましくは0.95〜1.15の範囲内がよい。ランタン含有チタン酸化合物におけるランタン含有率は、反応時におけるランタン源の配合比率により調整することが可能であり、本発明では、当該ランタン含有率を、3〜15質量%の範囲内とすることが好ましい。
ランタン含有チタン酸無機微粒子におけるランタン含有量は、酸化チタン源とストロンチウム源及びランタン源の混合割合により調整することが可能である。
酸化チタン源としてTiOを使用するのであれば、その反応初期の濃度は、0.05〜1.0モル/Lの範囲内、好ましくは0.1〜0.8モル/Lの範囲内であることが好ましい。
アルカリ水溶液を添加する際、その液温は、結晶性を良好にできる観点から、高いほど好ましいが、実用的には50〜101℃の範囲内である。
アルカリ水溶液の添加速度は、製造されるランタン含有チタン酸無機微粒子の粒径に最も影響する。すなわち、アルカリ水溶液の添加速度が遅いほど大きな粒径のランタン含有チタン酸無機微粒子が得られる。また、アルカリ水溶液の添加速度が速いほど小さな粒径のランタン含有チタン酸無機微粒子が得られる。このような観点から、アルカリ水溶液の添加速度は、仕込原料(すなわち、反応時における酸化チタン源とストロンチウム源及びランタン源の総量)に対し0.001〜1.0モル当量/h、好ましくは0.005〜0.5当量/hであり、所望のランタン含有チタン酸無機微粒子の粒径に応じて適宜調整すればよい。また、アルカリ水溶液の添加速度は目的に応じて途中で変化させてもよい。
<チタン酸無機微粒子の表面修飾について>
チタン酸無機微粒子を表面修飾する方法は、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。具体的には、例えば、表面修飾により、疎水化処理する場合、表面修飾剤(疎水化処理剤)としては、ヘキサメチルジシラザンのようなアルキルシラザン系化合物、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ブチルトリメトキシシランのようなアルキルアルコキシシラン系化合物、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランのようなクロロシラン系化合物又はシリコーンオイル、シリコーンワニスなどを用いることができる。これらの疎水化処理剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いてもよい。
また、具体的な表面修飾の方法としては、例えば、シリカ微粒子に表面修飾剤を噴霧し、又は、気化した表面修飾剤とシリカ微粒子とを混合し、加熱処理する方法が挙げられる。このとき、水、アミン、その他の触媒を使用してもよい。なお、このような方法においては、窒素などの不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
上記の方法以外にも、例えば、溶媒に表面修飾剤を溶解し、これにチタン酸無機微粒子を混合分散した後、必要に応じて加熱処理を行い、さらに乾燥処理を行って表面修飾されたチタン酸無機微粒子を得る方法であってもよい。なお、この方法の場合、チタン酸無機微粒子を溶媒に混合分散した後又は同時に表面修飾剤を加えることとしてもよい。
[シリコーンオイル]
本発明の静電荷像現像用トナーは、シリコーンオイルを含有する。本発明に係るシリコーンオイルとしては、特に限定されず、公知のシリコーンオイルを用いることができる。このようなシリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、アルキル変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル、カルボキシル変性シリコーンオイル、エポキシ変性シリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル、アルコール変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、メルカプト変性シリコーンオイル、高級脂肪酸変性シリコーンオイル、フェノール変性シリコーンオイル、メタクリル酸変性シリコーンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、メチルスチリル変性シリコーンオイルなどが使用できる。
発明の効果発現を阻害しない範囲内で、上記シリコーンオイルは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルであることが、コスト及び取り扱いの容易性の観点から好ましい。
また、シリコーンオイルを含有させる態様は、特に限定されず、例えば、外添剤として、上記無機微粒子(「第1の無機微粒子」ともいう。)の他に、第2の無機微粒子を含有させ、当該第2の無機微粒子の表面にシリコーンオイルを修飾させることで、トナーにシリコーンオイルを含有させる態様としてもよい。このような態様よれば転写性をより良好にできるなど、より好適に本願発明の効果を奏することができる。
<第2の無機微粒子>
本発明に係る第2の無機微粒子とは、シリコーンオイルで表面が修飾されることで疎水化(シリコーンオイル処理疎水化)されている無機微粒子であることが好ましい。
第2の無機微粒子としては、脂肪酸金属、シリカ、アルミナ、酸化チタンなどを含有する無機酸化物微粒子が挙げられる。その中でもシリカ微粒子が、製造性が容易であり、表面修飾された場合に、粒子同士の凝集を抑制できるため、均一にトナーに付着し、クリーニング性を維持できるため好ましい。
なお、第2の無機微粒子は、本発明の効果発現を阻害しない範囲内で、脂肪酸金属、シリカ、アルミナ、酸化チタン以外に、その他の化合物等を含んでいてもよい。
本発明に係る第2の無機微粒子の表面に修飾するシリコーンオイル(表面修飾剤)としては、特に限定されず、前述の公知のシリコーンオイルを用いることができる。
発明の効果発現を阻害しない範囲内で、上記第2の無機微粒子の表面に修飾するシリコーンオイルは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイルであることが、コスト及び取り扱いの容易性の観点から好ましい。
(粒径)
第2の無機微粒子の一次粒子の平均粒径(以下、「平均一次粒径」又は単に「粒径」ともいう。)は、5〜200nmの範囲内であることが好ましい。
5nm以上であれば、シリカ微粒子同士の凝集がより抑制され、トナー表面に均一に付着することで、トナー同士の凝集性をより抑制でき、転写性がより良くなる。200nm以下であれば、トナーから脱離がより抑制され、感光体上に付着した第2の無機微粒子による画像スジなどの画像不良の発生をより抑制できる。
このような観点から、第2の無機微粒子の粒径が、5〜100nmの範囲内であればより好ましく、最も好ましくは10〜40nmの範囲内である。
なお、粒径は、チタン酸無機微粒子の粒径と同様にして測定できる。
(シリコーンオイルの遊離率)
第2の無機微粒子からのシリコーンオイルの遊離率は、20〜95質量%の範囲内であることが好ましい。
20質量%以上であれば、感光体上に蓄積したシリコーンオイルだけをより適切に研磨することができるため、長期間印刷した場合であっても、クリーニング性を良好に維持でき、95質量%以下であればシリコーンオイルが感光体に適宜に供給されるため転写性をより良好にできる。
このような観点から、第2の無機微粒子からの前記シリコーンオイルの遊離率は、30〜80質量%の範囲内であることが更に好ましい。
(シリコーンオイルの遊離率の測定方法)
シリコーンオイルの遊離率は、以下の(1)〜(3)の定量方法によって測定することができる。
(1)遊離したシリコーンオイルの抽出操作
遊離したシリコーンオイルを抽出する試料(すなわち、トナー。)をクロロホルムに浸漬し、撹拌した後、放置する。
次に、遠心分離により上澄み液を除去した後の固形分に、新たにクロロホルムを加え、撹拌した後、放置する。
この操作を繰り返し、遊離したシリコーンオイルを取り除く。
(2)炭素量の定量
抽出操作前の試料及び抽出操作後の試料中の炭素量を、CHN元素分析装置(例えば、CHNコーダー MT−5型(ヤナコ製))により測定する。
(3)シリコーンオイル遊離率の算出
シリコーンオイル遊離率は、下記の式により求めた。
シリコーンオイル遊離率=(C−C)/C×100(%)
[なお、上記式において、
:抽出操作前の試料中の炭素量
:抽出操作後の試料中の炭素量
である。]
[トナー母体粒子]
本発明に係るトナー母体粒子は、特に限定されず、例えば、公知のものを使用できる。
具体的には、例えば、本発明に係るトナー母体粒子としては、結着樹脂及び着色剤を含有し、さらには、荷電制御剤や離型剤を含有するものが挙げられる。
以下に、本発明に係るトナー母体粒子が含有できる、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤及び離型剤の具体例について説明する。
<結着樹脂>
本発明で用いられる結着樹脂は、特に限定されるものではなく、詳細は後述するが、例えば、特開2017−021192号公報の段落0065〜0106に記載の非晶性樹脂や結晶性樹脂、また、例えば、特開2016−161780号公報の段落0027〜0075に記載のようなスチレン・アクリル樹脂をユニットとして含有するハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂などを好適に使用できる。
なお、非晶性樹脂とは、トナーの示差走査熱量測定(DSC)において、明確な吸熱ピークを示さない樹脂をいう。また、結晶性樹脂とは、トナーの示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。
ここで、明確な吸熱ピークとは、示差走査熱量測定(DSC)において、昇温速度10℃/minで測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークのこととする。
本発明で用いられる結着樹脂としては、具体的には、例えば、スチレン・アクリル樹脂や非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、上記ハイブリッド非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂等を使用することができる。中でも、帯電制御が容易なことから、結着樹脂はスチレン・アクリル樹脂を含有することが好ましい。なお、ここでいうスチレン・アクリル樹脂とは、重合性単量体であるスチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを付加重合させて形成されるものである。
スチレン単量体は、CH=CH−Cの構造式で表されるスチレンの他に、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものを含むものである。また、ここでいう(メタ)アクリル酸エステル単量体は、CH=CHCOOR(Rはアルキル基)で表されるアクリル酸エステルやメタクリル酸エステルの他に、アクリル酸エステル誘導体やメタクリル酸エステル誘導体等の構造中に公知の側鎖や官能基を有するエステルを含むものである。
以下に、スチレン・アクリル樹脂の形成が可能なスチレン単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例を示すが、本発明で使用されるスチレン・アクリル樹脂の形成に使用可能なものは以下に示すものに限定されるものではない。
スチレン単量体の具体例としては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等が挙げられる。これらスチレン単量体は、単独でも又は2種以上組み合わせても用いることができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル単量体の具体例としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、フェニルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル等が挙げられる。
なお、重合性単量体としては、上記以外にも、第三の重合性単量体を使用することもできる。第三の重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、ビニル酢酸等の酸単量体及びアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、エチレン、プロピレン、ブチレン塩化ビニル、N−ビニルピロリドン及びブタジエン等が挙げられる。
重合性単量体としては、更に多官能ビニル単量体を使用してもよい。多官能ビニル単量体としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のジアクリレート、ジビニルベンゼン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の三級以上のアルコールのジメタクリレート及びトリメタクリレート等が挙げられる。
(スチレン・アクリル樹脂の製造方法)
スチレン・アクリル樹脂は、乳化重合法で製造されることが好ましい。乳化重合は、後述の水系媒体中にスチレン、アクリル酸エステルなどの重合性単量体を分散し重合することによって得ることができる。水系媒体に重合性単量体を分散するためには界面活性剤を用いることが好ましく、重合には公知の重合開始剤、連鎖移動剤を用いることができる。
(重合開始剤)
重合開始剤としては、公知の種々の重合開始剤が好適に用いられる。具体的には、例えば、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化−tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、ジ−t−ブチルペルオキシド、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ヒドロペルオキシド、過ギ酸−tert−ブチル、過酢酸−tert−ブチル、過安息香酸−tert−ブチル、過フェニル酢酸−tert−ブチル、過メトキシ酢酸−tert−ブチル、過N−(3−トルイル)パルミチン酸−tert−ブチルなどの過酸化物類;2,2′−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩、2,2′−アゾビス−(2−アミノジプロパン)硝酸塩、1,1′−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、4,4′−アゾビス−4−シアノ吉草酸、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2′−アゾビスイソブチレート)などのアゾ化合物などが挙げられる。
(連鎖移動剤)
連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、アルキルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン;n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート、ステアリル−3−メルカプトプロピオネートなどのメルカプトプロピオン酸、メルカプト脂肪酸エステル及びスチレンダイマーなどを用いることができる。これらは1種単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
<着色剤>
本発明のトナーには着色剤を添加することができる。着色剤としては公知の着色剤が使用できる。
具体的には、イエロートナーに含有される着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などが挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にC.I.ピグメントイエロー74が好ましい。
イエロートナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
また、マゼンタトナーに含有される着色剤としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などが挙げられる。これらは1種単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中でも特にC.I.ピグメントレッド122が好ましい。
マゼンタトナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
シアントナーに含有される着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー15:3などが挙げられる。
シアントナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
ブラックトナーに含有される着色剤としては、例えば、カーボンブラック、磁性体、チタンブラックなどが挙げられる。カーボンブラックとしては、例えばチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられる。磁性体としては、例えば鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これら強磁性金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金などが挙げられる。熱処理することにより強磁性を示す合金としては、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−スズなどのホイスラー合金、二酸化クロムなどが挙げられる。
ブラックトナーに含有される着色剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
本発明に係るトナーは、必要に応じて、荷電制御剤、離型剤などの内添剤及び他の外添剤を含有することができる。
<荷電制御剤>
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正又は負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤及び負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
<離型剤>
離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘニル、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜10質量部である。
<その他の外添剤>
本発明に係るトナーには、その効果を阻害しない限り、流動性や帯電性を改善する目的で他の外添剤を添加することもできる。他の外添剤としては、例えば脂肪酸金属、シリコーンオイルによる表面修飾が施されていないシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などの無機酸化物微粒子や、形状が多面体でないチタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などのチタン酸無機微粒子などの無機微粒子、が挙げられる。
[トナーの製造方法]
本発明に係るトナーの製造方法は、特に限定されず、公知の方法を採用できるが、乳化重合凝集法や乳化凝集法を好適に採用できる。
また、本発明に係るトナーの製造方法として好ましく用いられる乳化凝集法は、溶媒に溶解した結着樹脂溶液に貧溶媒を滴下して転相乳化を行ったのちに脱溶媒することで、樹脂粒子分散液とし、この樹脂粒子分散液と着色剤分散液及びワックスなどの離型剤分散液とを混合し、所望のトナー粒子の径となるまで凝集させ、更に結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。
本発明のトナーの製造方法として、乳化凝集法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)水系媒体中に着色剤の微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液(例えば、非晶性樹脂微粒子の分散液及び結晶性樹脂微粒子の分散液。)を調製する工程
(3)着色剤の微粒子の分散液と、結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤の微粒子と結着樹脂微粒子とを凝集、会合、融着させてトナー母体粒子を形成する工程
(4)トナー母体粒子の分散系(水系媒体)からトナー母体粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(5)トナー母体粒子を乾燥する工程
(6)トナー母体粒子に外添剤を添加する工程(外添剤処理工程)
なお、上述した(2)における必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子は、2層以上の多層構造を有するように製造してもよい。例えば3層構造を有する結着樹脂微粒子を製造する場合、第1段重合(内層の形成)、第2段重合(中間層の形成)及び第3段重合(外層の形成)の3段階に分けて結着樹脂微粒子を合成する重合反応を行うことで、製造することができる。また、ここで、第1段重合〜第3段重合のそれぞれの重合反応において、重合性単量体の組成を変更することで、組成の異なる3層構成の結着樹脂微粒子を製造できる。また、例えば、第1段重合〜第3段重合のいずれかにおいて、離型剤等の適宜の内添剤を含有した状態で結着樹脂の合成反応を行うことで、適宜の内添剤を含有する3層構成の結着樹脂微粒子を形成することができる。
このように、着色剤の「微粒子」と、非晶性樹脂「微粒子」や結晶性樹脂「微粒子」などの結着樹脂「微粒子」とが凝集、会合、融着することで、トナー母体「粒子」を形成するものとすることができる。
なお、上記において着色剤の微粒子の粒径は、体積基準のメディアン径で80〜200nmが好ましい。
また、非晶性樹脂微粒子の粒径は、トナー性能及び製造適合性の観点から、体積基準のメディアン径が50〜300nmの範囲内であることが好ましく、より好ましくは80〜300nmの範囲内である。
また、結晶性ポリエステル樹脂の微粒子の粒径は、例えば体積基準のメディアン径で30〜500nmの範囲内にあることが好ましい。
上記着色剤の微粒子、非晶性樹脂微粒子、結晶性樹脂微粒子の粒径は、例えば、粒度分布測定器「Nanotrack Wave(マイクロトラックベル社製)を用いて動的光散乱法によって測定されるものである。
<外添剤処理工程>
トナー母体粒子に対する外添剤の外添混合処理(外添剤処理工程)は、機械式混合装置を用いることができる。機械式混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、タービュラーミキサー等が使用できる。これらの中で、ヘンシェルミキサーのように処理される粒子に剪断力を付与できる混合装置を用いて、混合時間を長くする又は撹拌羽根の回転周速を上げる等の混合処理を行えばよい。また、複数種類の外添剤を使用する場合、トナー粒子に対して全ての外添剤を一括で混合処理するか、又は外添剤に応じて複数回に分けて分割して混合処理してもよい。
外添剤の混合方法は、上記機械式混合装置を用いて、混合強度、すなわち撹拌羽根の周速、混合時間、又は、混合温度等を制御することによって外添剤の解砕度合いや付着強度を制御することができる。
≪二成分現像剤≫
本発明に係るトナーと、下記キャリア粒子とを混合することにより、二成分現像剤を得ることができる。混合の際に用いられる混合装置としては特に制限されないが、例えば、ナウターミキサー、Wコーン及びV型混合機等が挙げられる。
二成分現像剤中のトナーの含有量(トナー濃度)は、特に制限されないが、4.0〜8.0質量%の範囲内であることが好ましい。
[キャリア粒子]
キャリア粒子は、磁性体により構成されるが、当該磁性体からなる芯材粒子の表面に被覆用樹脂を含有する被覆層により被覆されてなる樹脂被覆型のキャリア粒子、又は、樹脂中に磁性体微粉末が分散されてなる樹脂分散型のキャリア粒子などにより構成することもできる。真比重を4.25から5g/cm、空隙率を8%以下に制御する観点から樹脂被覆型のキャリア粒子により構成されることが好ましい。
キャリア粒子には、必要に応じて抵抗調整剤などの、キャリア粒子用内添剤が含有されていてもよい。
[芯材粒子]
キャリア粒子を構成する芯材粒子は、例えば、鉄粉などの金属粉の他、各種フェライトなどから構成される。これらの中では、フェライトが好ましい。
フェライトとしては、銅、亜鉛、ニッケル、マンガンなどの重金属を含有するフェライトやアルカリ金属又はアルカリ土類金属を含有する軽金属フェライトが好ましい。
フェライトは、式:(MO)(Feで表される化合物で、フェライトを構成するFeのモル比yを30〜95モル%とすることが好ましい。組成比yが前記範囲の値となるフェライトは、所望の磁化を得やすいので、キャリア付着を起こしにくいキャリアを製造できるなどのメリットを有する。上記式中のMは、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、チタン(Ti)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ジルコニウム(Zr)、ビスマス(Bi)、コバルト(Co)、リチウム(Li)などの金属原子で、これらを単独又は複数種類組み合わせて使用することが可能である。
(芯材粒子の磁化)
飽和磁化が30〜75Am/kgの範囲内、残留磁化が5.0Am/kg以下であることが好ましい。
このような磁気特性を有する芯材粒子を用いることにより、キャリア粒子が部分的に凝集することを防止でき、現像剤搬送部材の表面に二成分現像剤が均一分散されて、濃度むらがなく、均一で高精細のトナー画像を形成することが可能になる。
[被覆用樹脂]
被覆用樹脂を得るための単量体として、疎水性の高い脂環式メタクリル酸エステルを用いることが好ましい。これにより、キャリア粒子の水分吸着量が低減され、帯電性の環境差が低減され、特に高温高湿環境下における帯電量の低下が抑制される。
また、脂環式メタクリル酸エステルを含む単量体を重合させて得られる樹脂は、適度な機械的強度を有するため、被覆用樹脂として使用した場合、適度に膜摩耗される。このため、被覆用樹脂として、脂環式メタクリル酸エステルを含む単量体を重合させて得られる樹脂を採用した場合、キャリア粒子の表面が好適にリフレッシュされ好ましい。
脂環式メタクリル酸エステルとしては、炭素数5〜8のシクロアルキル基を有するものが好ましく、具体的には、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘプチル、メタクリル酸シクロオクチルなどが挙げられる。これらの中では、機械的強度及び帯電量の環境安定性の観点から、メタクリル酸シクロヘキシルが特に好ましい。
(被覆層の平均膜厚)
キャリア粒子における被覆層の平均厚さは、キャリアの耐久性と低電気抵抗化の両立の観点より0.05〜4.0μmの範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは、0.2〜3.0μmの範囲内である。
被覆層の平均厚さが上記範囲内であることにより、帯電性と耐久性を好ましい範囲に設定することができる。
[電子写真画像形成方法]
本発明の静電荷像現像用トナーを用いて行う好適な画像形成方法の一例を、図1に示す画像形成装置を用いて説明する。
本発明の電子写真画像形成方法は、本発明に係る静電荷像現像用トナーを使用して、少なくとも帯電工程、露光工程、現像工程及び転写工程を有する電子写真画像形成方法であって、前記転写工程では、静電荷像担持体(感光体ドラム413)上から中間転写体(中間転写ベルト421)上にトナー像を転写する一次転写工程と、当該中間転写体上の前記トナー像を転写材(用紙S)上に転写する二次転写工程を有する。
図1に示す画像形成装置100は、画像読取部110、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50及び定着装置60等を備える。
画像形成部40は、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナーによる画像を形成する画像形成ユニット41Y、41M、41C及び41Kを有する。これらは、収容されるトナー以外はいずれも同じ構成を有するので、以後、色を表す記号を省略することがある。画像形成部40は、さらに、中間転写ユニット42及び二次転写ユニット43を有する。これらは、転写装置に相当する。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414及びドラムクリーニング装置415を有する。
感光体ドラム413は、例えば負帯電型の有機感光体である。感光体ドラム413の表面は、光導電性を有する。感光体ドラム413は、感光体に相当する。帯電装置414は、例えばコロナ帯電器である。帯電装置414は、帯電ローラーや帯電ブラシ、帯電ブレードなどの接触帯電部材を感光体ドラム413に接触させて帯電させる接触帯電装置であってもよい。露光装置411は、例えば、光源としての半導体レーザーと、形成すべき画像に応じたレーザー光を感光体ドラム413に向けて照射する光偏向装置(ポリゴンモーター)とを含む。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置である。現像装置412は、例えば、二成分現像剤を収容する現像容器と、当該現像容器の開口部に回転自在に配置されている現像ローラー(磁性ローラー)と、二成分現像剤が連通可能に現像容器内を仕切る隔壁と、現像容器における開口部側の二成分現像剤を現像ローラーに向けて搬送するための搬送ローラーと、現像容器内の二成分現像剤を撹拌するための撹拌ローラーと、を有する。上記現像容器には、二成分現像剤としての上記トナーが収容されている。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421を感光体ドラム413に圧接させる一次転写ローラー422、バックアップローラー423Aを含む複数の支持ローラー423、及びベルトクリーニング装置426を有する。中間転写ベルト421は、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つの駆動ローラーが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
二次転写ユニット43は、無端状の二次転写ベルト432、及び二次転写ローラー431Aを含む複数の支持ローラー431を有する。二次転写ベルト432は、二次転写ローラー431A及び支持ローラー431によってループ状に張架される。
定着装置60は、例えば、定着ローラー62と、定着ローラー62の外周面を覆い、用紙S上のトナー画像を構成するトナーを加熱、融解するための無端状の発熱ベルト63と、用紙Sを定着ローラー62及び発熱ベルト63に向けて押圧する加圧ローラー64と、を有する。
画像形成装置100は、さらに、画像読取部110、画像処理部30及び用紙搬送部50を有する。画像読取部110は、給紙装置111及びスキャナー112を有する。用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53を有する。給紙部51を構成する三つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズなどに基づいて識別された用紙S(規格用紙、特殊用紙)があらかじめ設定された種類ごとに収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53aなどの複数の搬送ローラー対を有する。
画像形成装置100による画像形成方法の一例を説明する。
スキャナー112は、コンタクトガラス上の原稿Dを光学的に走査して読み取る。原稿Dからの反射光がCCDセンサー112aにより読み取られ、入力画像データとなる。入力画像データは、画像処理部30において所定の画像処理が施され、露光装置411に送られる。
感光体ドラム413は一定の周速度で回転する。帯電装置414は、感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411では、ポリゴンモーターのポリゴンミラーが高速で回転し、各色成分の入力画像データに対応するレーザー光が、感光体ドラム413の軸方向に沿って展開し、当該軸方向に沿って感光体ドラム413の外周面に照射される。こうして感光体ドラム413の表面には、静電荷像が形成される。
現像装置412では、上記現像容器内の二成分現像剤の撹拌、搬送によってトナー粒子が帯電し、二成分現像剤は上記現像ローラーに搬送され、当該現像ローラーの表面で磁性ブラシを形成する。帯電したトナー粒子は、上記磁性ブラシから感光体ドラム413における静電荷像の部分に静電的に付着する。こうして、感光体ドラム413の表面の静電荷像が可視化され、感光体ドラム413の表面に、静電荷像に応じたトナー画像が形成される。
感光体ドラム413の表面のトナー画像は、中間転写ユニット42によって中間転写ベルト421に転写される。転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーは、感光体ドラム413の表面に摺接するドラムクリーニングブレードを有するドラムクリーニング装置415によって除去される。
一次転写ローラー422によって中間転写ベルト421が感光体ドラム413に圧接することにより、感光体ドラム413と中間転写ベルト421とによって、一次転写ニップが感光体ドラムごとに形成される。当該一次転写ニップにおいて、各色のトナー画像が中間転写ベルト421に順次重なって転写される。
一方、二次転写ローラー431Aは、中間転写ベルト421及び二次転写ベルト432を介して、バックアップローラー423Aに圧接される。それにより、中間転写ベルト421と二次転写ベルト432とによって、二次転写ニップが形成される。当該二次転写ニップを用紙Sが通過する。用紙Sは、用紙搬送部50によって二次転写ニップへ搬送される。用紙Sの傾きの補正及び搬送のタイミングの調整は、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により行われる。
上記二次転写ニップに用紙Sが搬送されると、二次転写ローラー431Aへ転写バイアスが印加される。この転写バイアスの印加によって、中間転写ベルト421に担持されているトナー画像が用紙Sに転写される。トナー画像が転写された用紙Sは、二次転写ベルト432によって、定着装置60に向けて搬送される。
定着装置60は、発熱ベルト63と加圧ローラー64とによって、定着ニップを形成し、搬送されてきた用紙Sを当該定着ニップ部で加熱、加圧する。用紙S上のトナー画像を構成するトナー粒子は、加熱され、その内部で結晶性樹脂が速やかに融け、その結果、比較的少ない熱量で速やかにトナー粒子全体が融解し、トナー成分が用紙Sに付着する。こうして、比較的少ない熱量で速やかにトナー画像が用紙Sに定着する。トナー像が定着された用紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。こうして、高画質の画像が形成される。
なお、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残存する転写残トナーは、中間転写ベルト421の表面に摺接するベルトクリーニングブレードを有するベルトクリーニング装置426によって除去される。
なお、本発明を適用可能な実施形態は、上述した実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」又は「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」又は「質量%」を表す。
[トナー母体粒子の製造]
(1)第1段重合
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部をイオン交換水3000質量部に溶解させた界面活性剤溶液を調製し、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら内温を80℃に昇温させた。昇温後、上記界面活性剤溶液に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、再度液温を80℃とした後、下記化合物を含有する重合性単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 480質量部
n−ブチルアクリレート 250質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 16質量部
滴下後、この系を80℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い「樹脂粒子1h」を含有する「樹脂粒子分散液1h」を調製した。
(2)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、スチレン245質量部、n−ブチルアクリル酸120質量部、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート1.5質量部からなる重合性単量体溶液を仕込んだ。さらに、離型剤としてパラフィンワックスHNP−11(日本製蝋社製)67質量部を添加し、90℃に加温して溶解させて単量体溶液を調製した。
一方、ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7質量部をイオン交換水800質量部に溶解させた界面活性剤溶液を98℃に加熱した。この界面活性剤溶液に、前記「樹脂粒子1h」を固形分換算で260質量部と下記化合物を含有する重合性単量体混合液を添加した。すなわち、
スチレン 245質量部
n−ブチルアクリレート 120質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 1.5質量部
パラフィンワックス「HNP−11(日本精蝋社製)」 67質量部
添加後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)を用いて1時間混合分散処理を行うことにより乳化粒子を含む分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、この系を82℃で1時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、「樹脂粒子1HM」を含有する「樹脂粒子分散液1HM」を調製した。
(3)第3段重合
上記「樹脂粒子分散液1HM」に、過硫酸カリウム11質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、液温を80℃にした後、下記化合物を含有する重合性単量体混合液を1時間かけて滴下した。すなわち、
スチレン 435質量部
n−ブチルアクリレート 130質量部
メタクリル酸 33質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却し、「樹脂粒子A」を含有する「樹脂粒子分散液A」を調製した。上記「樹脂粒子分散液A」に含有される「樹脂粒子A」の粒径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800(大塚電子社製)」を用いて測定したところ、体積基準メディアン径で150nmであった。また、公知の方法でガラス転移温度を測定したところ45℃であった。樹脂粒子Aを構成する樹脂の重量平均分子量は32000であった。
(4)「着色剤粒子分散液A」の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、
C.I.ピグメントブルー15:3(東洋インキ(株)製)」
420質量部
を徐々に添加した。次いで、撹拌装置「クレアミックス(エム・テクニック社製)」を用いて分散処理を行うことにより、「着色剤粒子分散液A」を調製した。
(5)「トナー母体粒子」の製造
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
「樹脂粒子分散液A」 300質量部(固形分換算)
イオン交換水 1400質量部
「着色剤粒子分散液A」 120質量部(固形分換算)
を投入した。さらに、ポリオキシエチレン−2−ドデシル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水120質量部に溶解した溶液を添加し、液温を30℃にした後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・六水和物35質量部をイオン交換水35質量部に溶解した水溶液を、撹拌状態の下で30℃にて10分間かけて添加して3分間保持してから昇温を開始した。昇温は60分かけて90℃まで行い、90℃に保持した状態で上記粒子の凝集、融着を行った。この状態で「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」を用いて反応容器内で成長する粒子の粒径測定を行い、体積基準メディアン径が6.5μmになったときに塩化ナトリウム150質量部をイオン交換水600質量部に溶解した水溶液を添加して粒子の成長を停止させた。さらに、熟成処理として液温を98℃にして加熱撹拌を行い、「FPIA−2100(シスメックス社製)」による測定で平均円形度が0.965になるまで粒子の融着を進行させた。
その後、液温を30℃まで冷却し、塩酸を使用して液のpHを2に調整して撹拌を停止した。この様にして「トナー母体粒子分散液A」を調製した。
上記工程を経て調製した「トナー母体粒子分散液A」をバスケット型遠心分離機「MARKIII 型式番号60×40((株)松本機械製作所製)」で固液分離し、「トナー母体粒子A」のウェットケーキを形成した。
このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで45℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤ(セイシン企業(株)製)」に移し、水分量が0.5質量%になるまで乾燥処理を行うことによりシアン色の「トナー母体粒子」を製造した。
[シリカ微粒子1の製造]
純水347.4gを三角フラスコによって計りとり、テトラメトキシシラン(TMOS)を撹拌下で110g加え、そのまま1時間撹拌した。これにより、TMOS加水分解液457.4gを調製した。
次に、撹拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルの反応器に、水2250gと、エチレンジアミン112gとを入れて混合した。この混合溶液を35℃となるように調整した後、TMOS加水分解液を撹拌下で添加した。なお、TMOS加水分解液の添加速度は、2.5mL/分とした。
TMOS加水分解液の添加終了後、その状態で30分間保持した。その後、1mmol/gエチレンジアミン水溶液4.5gを加え、pHを8〜9に調整した(液温は、35℃。)。
以後、pH8を保持するようにアルカリ触媒(1mmol/gエチレンジアミン水溶液)を適宜添加しながら、3時間ごとに残りのTMOS加水分解液を2.5mL/分で添加し、これを継続し、合計で457.4g添加した。
TMOS加水分解液の滴下が終了した後も、さらに0.5時間撹拌を継続して加水分解、縮合を行うことにより、親水性の球状シリカ微粒子の混合媒体分散液を得た。得られたシリカ微粒子の粒径(平均一次粒径)は40nm、平均円形度は0.930であった。
(平均一次粒径の測定)
一次粒子(例えば、シリカ微粒子。)100個を走査型電子顕微鏡「JSM−7401F」(日本電子(株)製)にて40000倍で観察し、画像解析によって粒子ごとの最長径、最短径を測定し、この中間値から球相当径を算出することで平均一次粒径を求め、これを粒径とした。
<疎水化処理>
エタノール50質量部に、表面修飾剤としてジメチルシリコーンオイル(信越化学社製KF−96−30cs)20質量部を混合した溶液を調製し、上記で得られた平均一次粒径40nmのシリカ微粒子にスプレードライにより噴霧し、シリカ微粒子の疎水化処理を行った。80℃でエタノールを乾燥除去した後に、250℃2時間撹拌しながらシリコーンオイル処理を行った。再びシリコーンオイル処理されたシリカ微粒子をエタノールに加え撹拌し、遊離オイルを分離し、その後乾燥させ、シリカ微粒子1を得た。
[チタン酸ストロンチウム微粒子1の製造]
硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄漂白処理した。その後、水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0(液温は25℃。)とした。次に、脱硫処理を行い、その後、pH5.8(液温は25℃。)まで塩酸により中和し、濾過水洗を行い、洗浄済みケーキを得た。得られた洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.85モル/Lのスラリーとした。その後、塩酸を加えpH1.0(液温は25℃。)とし解膠処理を行った。このメタチタン酸をTiOとして0.625モル採取し、3Lの反応容器に投入した。更に、塩化ストロンチウム水溶液及び塩化ランタン水溶液をSrO/LaО/TiOモル比で1.00/0.15/1.00となるよう0.719モル添加した後、TiO濃度0.313モル/Lに調整した。次に、撹拌混合しながら90℃に加温した後、5モル/L水酸化ナトリウム水溶液296mLを10時間かけて添加し、その後、95℃で1時間撹拌を続け反応を終了し、反応スラリーを得た。
当該反応スラリーを50℃まで冷却し、pH5.0となるまで塩酸を加え1時間撹拌を続け、沈殿を得た。得られた沈殿をデカンテーション洗浄し、当該沈殿を含むスラリーに塩酸を加えpH6.5(温度は25℃。)に調整し、固形分に対して9質量%のイソブチルトリメトキシシランを添加して1時間撹拌保持を続けた。次いで、濾過・洗浄を行い、得られたケーキを120℃の大気中で8時間乾燥し、チタン酸ストロンチウム微粒子1を得た。得られた微粒子を電子顕微鏡で観察すると、一次粒径20〜120nmの粒子であった。平均一次粒径は30nmであり、形状は角が丸みを帯びた六面体であった。また、円形度は0.85であった。なお、平均一次粒径は、シリカ微粒子1と同様にして測定した。
(形状の確認)
トナー中のチタン酸ストロンチウム微粒子(一次粒子)を走査型電子顕微鏡「JSM−7401F」(日本電子(株)製)にて40000倍で観察した。これにより、前述又は後述のチタン酸ストロンチウム微粒子1〜9、チタン酸カルシウム微粒子は、複数の面を持つことを確認した。
(円形度の測定)
平均円形度の測定は、下記のようにした。
まず、100個の一次粒子(例えば、チタン酸無機微粒子)について、走査型電子顕微鏡「JSM−7401F」(日本電子(株)製)にて40000倍の写真を撮影し、この写真画像をスキャナーにより取り込んだ。次に、画像処理解析装置「LUZEX(登録商標) AP」((株)ニレコ製)を用いて画像解析した。
そして、解析された画像から円相当径周囲長及び周囲長を求めた上で、下記式に従って各々の試料の円形度を求め、それらを平均して、円形度を求めた。
式(1)円形度=円相当径周囲長/周囲長=[2×(Aπ)1/2]/PM
上記式(1)において、Aは試料の投影面積、PMは試料の周囲長を表す。
[チタン酸ストロンチウム微粒子2〜9の製造]
チタン酸ストロンチウム微粒子1の製造において、製造条件を表Iに示すように変更しチタン酸ストロンチウム微粒子2〜9の製造をした。なお、チタン酸ストロンチウム微粒子2〜9のいずれも形状は角が丸みを帯びた六面体であった。
Figure 2018194775
[チタン酸カルシウム微粒子の製造]
チタン酸ストロンチウム微粒子1の製造において、塩化ストロンチウム水溶液の代わりに塩化カルシウム水溶液を用いた以外はチタン酸ストロンチウム微粒子1の製造と同様に製造し、チタン酸カルシウム微粒子を得た。得られた微粒子を電子顕微鏡で観察すると、一次粒径26〜33nmの粒子であった。平均一次粒径は30nmであった。また、円形度は0.85であった。
[シリカ微粒子2〜9の製造]
以下のようにして、シリカ微粒子2〜9を製造した。なお、製造されたシリカ微粒子2〜9の粒径(平均一次粒径)は表IIに示すとおりであった。
(シリカ微粒子2の製造)
シリカ微粒子1の製造において、TMOS加水分解液の添加速度を2.5mL/分から2.0mL/分に変更したこと以外は、シリカ微粒子1の製造と同様にしてシリカ微粒子2を製造した。平均円形度は0.940であった。
(シリカ微粒子3の製造)
シリカ微粒子1の製造において、TMOS加水分解液の添加速度を2.5mL/分から1.0mL/分に変更したこと以外は、シリカ微粒子1の製造と同様にしてシリカ微粒子3を製造した。平均円形度は0.935であった。
(シリカ微粒子4の製造)
シリカ微粒子1の製造において、TMOS加水分解液の添加速度を2.5mL/分から4.2mL/分に変更したこと以外は、シリカ微粒子1の製造と同様にしてシリカ微粒子4を製造した。平均円形度は0.921であった。
(シリカ微粒子5の製造)
シリカ微粒子1の製造において、TMOS加水分解液の添加速度を2.5mL/分から8.5mL/分に変更したこと以外は、シリカ微粒子1の製造と同様にしてシリカ微粒子5を製造した。平均円形度は0.915であった。
(シリカ微粒子6の製造)
シリカ微粒子1の製造において、疎水化処理工程のジメチルシリコーンオイル40質量部に変更したこと以外は、シリカ微粒子1の製造と同様にしてシリカ微粒子6を製造した。平均円形度は0.93あった。
(シリカ微粒子7の製造)
シリカ微粒子1の製造において、疎水化処理工程のジメチルシリコーンオイル5質量部に変更したこと以外は、シリカ微粒子1の製造と同様にしてシリカ微粒子7を製造した。平均円形度は0.93あった。
(シリカ微粒子8の製造)
シリカ微粒子1の製造において、疎水化処理工程のジメチルシリコーンオイル3質量部に変更したこと以外は、シリカ微粒子1の製造と同様にしてシリカ微粒子8を製造した。平均円形度は0.93あった。
(シリカ微粒子9の製造)
シリカ微粒子1の製造において、疎水化処理工程のジメチルシリコーンオイルに代えてヘキサメチルジシラザン(HMDS)に変更したこと以外は、シリカ微粒子1の製造と同様にしてシリカ微粒子9を製造した。平均円形度は0.93あった。
(酸化チタン微粒子1の製造)
本実施例では、特開2004−315356号公報に記載の針状酸化チタン微粒子の製造を参考にして、以下のようにして酸化チタン(チタニア)微粒子1の製造を行った。
撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた3L反応器にメタノール700質量部を撹拌させ、チタンイソプロポキシドを450質量部滴下し、5分撹拌を継続した。その後、生じた酸化チタン微粒子を遠心分離機にかけて分離・回収後、減圧乾燥を経てアモルファス酸化チタンを得た。
得られたアモルファス酸化チタンを、大気中、800℃で5時間、高温電気炉にて加熱し、ルチル型酸化チタン微粒子を得た。
前述の撹拌機、滴下ロート、温度計を備えた3L反応器に、得られたルチル型酸化チタン微粒子500gと、オクチルトリメトキシシラン15質量部を加え、トルエン2L中で10時間撹拌させ、疎水化処理を行った。その後、反応生成物を遠心分離して反応溶媒の洗浄を行った後、再度遠心分離して回収し、減圧乾燥を経て、酸化チタン微粒子1を得た。酸化チタン微粒子1の個数平均長径は50nm、個数平均短径は10nmであった。
疎水化処理工程はシリカ微粒子1と同様に行った。平均円形度は0.92であった。
Figure 2018194775
(外添剤処理工程)
表IIIに従い、第1の無機微粒子及び第2の無機微粒子を使用した。それぞれ、下記の量を配合した。すなわち、
・第1の無機微粒子:0.6質量%
・第2の無機微粒子:0.5質量%
をヘンシェルミキサー型式「FM20C/I」(日本コークス工業(株)製)に添加し、羽根先端周速が40m/sとなるようにして回転数を設定して15分間撹拌し「トナー1〜20」を製造した。なお、上記配合した量(質量%)は、トナー母体粒子を100質量%とした場合の量(質量%)である。
また、外添混合時におけるヘンシェルミキサー内の温度は40℃±1℃となるように設定し、41℃になった場合は、ヘンシェルミキサーの外浴に冷却水を5L/分の流量で冷却水を流し、39℃になった場合は、1L/分となるように冷却水を流すことでヘンシェルミキサー内部の温度制御を実施した。
(現像剤の製造)
上記のようにして製造したトナー1〜20について、シクロヘキシルメタクリレートとメチルメタクリレートの共重合樹脂(モノマー質量比=1:1)を被覆した体積平均粒径30μmのフェライトキャリアを用い、配合比をキャリア100質量部に対してトナー6質量部とし、常温常湿(温度10℃、相対湿度20%RH、温度30℃、相対湿度80%RH)環境下で、Vブレンダを用いてトナーとキャリアを混合することにより行った。Vブレンダの回転数を20rpm、撹拌時間を20分にして処理を行い、さらに、混合物を目開き125μmのメッシュでふるい分けて、トナー1〜20について、それぞれ現像剤1〜20を製造した。
Figure 2018194775
[評価]
上記のようにして製造された現像剤1〜20を用い、トナー1〜20について下記の評価をした。なお、結果は表IIIに示すとおりである。
<転写性>
市販の複写機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ社製)の現像器に現像剤1〜20をそれぞれ搭載し、画像を形成した。得られた画像について、下記、ドット再現性、細線再現性の評価を行った。
1200dpiのドット画像と縦横5本/mmの細線画像をA4サイズの上質紙(64g/m)に形成し、目視にて下記評価基準によって評価した。
(評価基準)
◎:ドット再現性及び細線再現性共に著しく優れている(合格)
○:ドット再現性及び細線再現性共に優れている(合格)
△:ドット再現性又は細線再現性の低下はあるが、実用上問題ない(合格)
×:ドット再現性又は細線再現性の低下はあり、実用上問題ある(不合格)
<CL性>
(初期(1000枚連続印刷後))
A4の上質紙(65g/m)上に幅3cmの縦帯状ベタ画像が5本あるテスト画像を1000枚連続印刷した。次に、当該連続印刷後に全面ベタ画像を出力し、当該連続印刷後の帯部に相当する部分5点と非帯部に相当する6点の濃度を計測し、最大濃度差にて評価を実施し、以下の基準により判定した。0.09以下を実用可能と判断した。
(評価基準)
◎:最大濃度差が0.03以下(合格)
○:最大濃度差が0.03より大きく0.06以下(合格)
△:最大濃度差が0.06より大きく0.09以下(合格)
×:最大濃度差が0.09より大きい(不合格)
(長期連続印刷後(100万枚連続印刷後))
A4の上質紙(65g/m)上に幅3cmの縦帯状ベタ画像が5本あるテスト画像を100万枚連続印刷した。次に、当該連続印刷後に全面ベタ画像を出力し、当該連続印刷後の帯部に相当する部分5点と非帯部に相当する6点の濃度を計測し、最大濃度差にて評価を実施し、以下の基準により判定した。0.09以下を実用可能と判断した。
(評価基準)
◎:最大濃度差が0.03以下(合格)
○:最大濃度差が0.03より大きく0.06以下(合格)
△:最大濃度差が0.06より大きく0.09以下(合格)
×:最大濃度差が0.09より大きい(不合格)
[画像スジ]
画像形成装置「bizhub PRO C1070」(コニカミノルタ社製)を用い、シアンの現像装置に上記現像剤1〜20を順次装填し、評価を行った。
上記CL性の評価においてした長期連続印刷後の後に、さらに温度30℃、湿度80%RHの環境下で、画像面積比率6%の文字像をA4横送りで100万枚両面連続プリントを行う耐刷試験を追加して実施し、この耐刷試験後に、黒色のハーフトーン画像を出力し、このハーフトーン画像を目視で観察して、感光体の表面傷による画像スジについて評価した。
(評価基準)
◎:ハーフトーン画像に画像スジは観察されず、良好(合格)
○:ハーフトーン画像にざらつき感があるが、画像スジは観察されず、実用上問題なし(合格)
△:ハーフトーン画像にざらつき感、感光体の表面に傷があるが、画像スジは観察されず、実用上問題なし(合格)
×:ハーフトーン画像に画像スジが観察される(不合格)
(まとめ)
表IIIより、本発明によれば、転写性が良好であり、さらには、画像を長期連続印刷しても、クリーニング不良の発生及び感光体表面上の傷による画像スジなどの画像不良の発生を抑制することができる静電荷像現像用トナーを提供できることが示された。
100 画像形成装置
30 画像処理部
40 画像形成部
60 定着装置
411 露光装置
412 現像装置
413 感光体ドラム
414 帯電装置
42 中間転写ユニット
421 中間転写ベルト(中間転写体)
D 原稿
S 用紙

Claims (11)

  1. トナー母体粒子の表面に外添剤を有するトナー粒子を含有する静電荷像現像用トナーであって、
    前記外添剤として、無機微粒子を含有し、
    前記無機微粒子が、形状が多面体のチタン酸無機微粒子であり、
    前記チタン酸無機微粒子の円形度が、0.76〜0.95の範囲内であり、かつ、
    シリコーンオイルを含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記チタン酸無機微粒子の円形度が、0.82〜0.95の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記チタン酸無機微粒子が、ランタン原子を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記チタン酸無機微粒子における前記ランタン原子の含有比率が、当該チタン酸無機微粒子の総質量に対して3〜15質量%の範囲内であることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 前記チタン酸無機微粒子の粒径が、5〜100nmの範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 前記チタン酸無機微粒子が、チタン酸ストロンチウムを含有することを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 前記外添剤として、前記無機微粒子(「第1の無機微粒子」という。)の他に、第2の無機微粒子を含有し、
    前記第2の無機微粒子が、シリコーンオイルで表面が修飾されている無機微粒子であることを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 前記第2の無機微粒子として、シリカ微粒子を含有することを特徴とする請求項7に記載の静電荷像現像用トナー。
  9. 前記第2の無機微粒子の粒径が、5〜100nmの範囲内であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の静電荷像現像用トナー。
  10. 前記第2の無機微粒子の粒径が、10〜40nmの範囲内であることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 前記第2の無機微粒子からの前記シリコーンオイルの遊離率が、30〜80質量%の範囲内であることを特徴とする請求項7から請求項10までのいずれか一項に記載の静電荷像現像用トナー。
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