JP5516080B2 - トナー及びチタン酸化合物の表面処理方法 - Google Patents

トナー及びチタン酸化合物の表面処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5516080B2
JP5516080B2 JP2010122659A JP2010122659A JP5516080B2 JP 5516080 B2 JP5516080 B2 JP 5516080B2 JP 2010122659 A JP2010122659 A JP 2010122659A JP 2010122659 A JP2010122659 A JP 2010122659A JP 5516080 B2 JP5516080 B2 JP 5516080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
titanic acid
titanate
compound
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010122659A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011013668A (ja
Inventor
政裕 安野
誠 野宮
正浩 松岡
宏二 須釜
一賀 午菴
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2010122659A priority Critical patent/JP5516080B2/ja
Publication of JP2011013668A publication Critical patent/JP2011013668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5516080B2 publication Critical patent/JP5516080B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/097Plasticisers; Charge controlling agents
    • G03G9/09708Inorganic compounds
    • G03G9/09716Inorganic compounds treated with organic compounds
    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03GELECTROGRAPHY; ELECTROPHOTOGRAPHY; MAGNETOGRAPHY
    • G03G9/00Developers
    • G03G9/08Developers with toner particles
    • G03G9/097Plasticisers; Charge controlling agents
    • G03G9/09708Inorganic compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

本発明は、電子写真方式の画像形成に使用されるトナーに関し、少なくともトナー粒子表面にチタン酸化合物を外添剤として添加したトナーに関する。
電子写真方式の画像形成に使用されるトナーは、良好な画像形成を実現するため、通常、その表面に外添剤と呼ばれる無機粒子や有機粒子が添加されており、外添剤の作用で帯電性や流動性等のトナー性能を維持する様に設計されている。
外添剤として使用される化合物の中に、チタン酸カルシウムやチタン酸ストロンチウムに代表されるチタン酸化合物がある。チタン酸化合物を外添剤として用いたトナーは、画像形成時、感光体表面のフィルミング発生防止やクリーニング性向上に寄与することが知られていた。
また、チタン酸化合物が高い誘電性を有することから、トナーの帯電性向上にも寄与するものと考えられ、チタン酸化合物の外添処理によりトナーの帯電性能を向上させようとする試みがこれまでもなされていた。たとえば、磁性トナーにチタン酸金属粒子を添加し、チタン酸金属粒子の誘電特性を利用することによりトナー粒子の凝集を緩和させてトナー消費量の低減化を実現させる技術等がある(たとえば、特許文献1参照)。また、形状と粒径を規定したトナー粒子にチタン酸化合物を外添することで帯電付与性能を向上させ、トナーの帯電性を安定化させようとする技術もある(たとえば、特許文献2参照)。
また、チタン酸化合物のもつ研磨作用も注目されており、トナーに外添剤として添加したチタン酸化合物により、感光体表面は十分に研磨されて画像形成性能を維持する上で好ましいことが知られていた。しかしながら、研摩性が強すぎて感光体表面を粗く摩耗させたりキズを発生させることもあり、これでは、ベタ画像やハーフトーン画像上にスジ状のノイズや濃度ムラが発生する等、良好な画質を求める観点から好ましいものではなかった。特に、近年ではデジタル化の進展により、微細なドット画像からなる写真画像等の様に高階調、高精細な画質の画像形成を行うケースも増えているので、研磨により発生する感光体の損傷に起因する画像不良は回避しなければならなかった。
また、チタン酸化合物は凝集し易い性質を有しているので、トナー粒子より脱離したチタン酸化合物が凝集し、その凝集物がプリント上に画像欠陥を発生させたり、感光体表面に蓄積してフィルミングを発生させる問題が懸念されていた。
この様な背景から、チタン酸化合物をシリコーンオイルで疎水化処理し、これを外添剤に使用するトナーが検討された。すなわち、シリコーンオイルでの疎水化処理により、チタン酸化合物の研磨作用が緩和されるとともに脱離物の凝集が抑制されて上記の課題が解消されるものと期待された。しかしながら、疎水化処理したチタン酸化合物を外添剤に用いたトナーでは、電荷がリークしにくくなる傾向があらわれる様になり、その結果、トナーの飽和帯電量が増大し、帯電立ち上がり性能に影響を与える様になった。これは、疎水化処理によりチタン酸化合物の表面含水量が低下して、電荷がリークしにくくなるためと考えられ、特に、空気中の水分が少ない低温低湿環境下で画像形成を行ったときにその傾向がみられた。
この様に、チタン酸化合物を外添剤に用いたトナーにおいて、帯電性能とクリーニング性能をバランスよく発現し、かつ、脱離したチタン酸化合物が凝集することのないトナーが求められていた。
特開平8−334918号公報 特開2001−290302号公報
本発明は、チタン酸化合物を外添剤に用いたトナーにおいて、帯電性能とクリーニング性能をバランスよく発現することができ、かつ、チタン酸化合物の凝集に起因する画像欠陥を発生させることのないトナーを提供することを目的とするものである。具体的には、外添剤として添加されたチタン酸化合物により、感光体表面を粗く摩耗させたりキズを発生させる様な画質に影響を与える過酷なクリーニングが行われず、良好な帯電性能を安定して維持することが可能なトナーを提供することを目的とする。また、トナーから脱離したチタン酸化合物の凝集に起因する画像欠陥やフィルミングを発生させることのないトナーを提供することを目的とするものである。
本発明者は、検討を重ねた末、以下に記載のいずれかの構成により、上記課題を解消することができることを見出した。すなわち、
請求項1に記載の発明は、
『少なくとも、樹脂と着色剤を含有してなるトナー母体粒子表面に、少なくとも表面処理を施したチタン酸化合物を添加してなるトナーであって、
前記チタン酸化合物は、カーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下のものであることを特徴とするトナー。』というものである。
請求項2に記載の発明は、
『前記チタン酸化合物はシリコーンオイルを用いて表面処理が行われるものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。』というものである。
請求項3に記載の発明は、
『前記チタン酸化合物の表面処理に用いられるシリコーンオイルが、ジメチルポリシロキサンを含有するものであることを特徴とする請求項2に記載のトナー。』というものである。
請求項4に記載の発明は、
『前記チタン酸化合物が、100ppm以上1000ppm以下の鉄を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。』というものである。
請求項5に記載の発明は、
『前記チタン酸化合物が、チタン酸カルシウムまたはチタン酸マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のトナー。』というものである。
請求項6に記載の発明は、
『前記チタン酸化合物のBET比表面積が、5m/g以上25m/g以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のトナー。』というものである。
請求項7に記載の発明は、
『前記チタン酸化合物は、
個数基準平均粒径が50nm以上2000nm以下であり、かつ、粒径標準偏差の値が250nm以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナー。』というものである。
請求項8に記載の発明は、
『電子写真方式の画像形成に使用されるトナーに添加されるチタン酸化合物の表面処理方法であって、
表面処理を行ったチタン酸化合物のカーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下となる様に表面処理の制御を行うことを特徴とするチタン酸化合物の表面処理方法。』というものである。
本発明者は、カーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下となるチタン酸化合物を外添剤として用いることにより、帯電性能とクリーニング性能をバランスよく発現し、かつ、チタン酸化合物の凝集に起因する画像欠陥を発生させないトナーが得られることを見出した。すなわち、カーボン量が上記範囲のチタン酸化合物を含有するトナーを用いると、粗い摩耗やキズを発生させることなく感光体表面をクリーニングできる様になり、スジ状のノイズや濃度ムラのないベタ画像やハーフトーン画像を安定して作成できる様になった。また、本発明によれば、チタン酸化合物の凝集に起因する画像欠陥の発生や凝集物の感光体表面への蓄積によるフィルミングの発生を回避できる様になった。
さらに、本発明では、シリコーンオイル等で疎水化処理を施したチタン酸化合物を外添したトナーであっても、チタン酸化合物のカーボン量が上記範囲とすることにより、電荷を適度にリークさせて良好な帯電立ち上がり性能を発現できることを見出した。つまり、本発明では、従来技術において疎水化処理を施したチタン酸化合物を用いたトナーで発生していたリーク性能低下の問題を、チタン酸化合物のカーボン量を所定範囲にさせる様に疎水化処理することで解消できることを見出したのである。
したがって、本発明によれば、疎水化処理を行ったチタン酸化合物を外添したトナーを用いて低温低湿環境下でプリント作成を行っても、良好なリーク性能により所定画質のプリント物を安定して作成できる様になった。この様に、本発明は、疎水化処理後のチタン酸化合物のカーボン量を規定することでチタン酸化合物の疎水化処理を制御することにより、帯電性能とクリーニング性能の両立が可能なトナーを作製できることを見出したものといえる。そして、カーボン量を規定することで表面処理を行ったチタン酸化合物のリーク性能を確保できることをはじめて見出した発明といえる。
二成分系現像剤対応の画像形成装置の一例を示す概要図である。
本発明は、電子写真方式の画像形成に用いられるトナーに関し、特に、チタン酸化合物を外添剤として用いたトナーに関する。
本発明に係るトナーは、少なくとも、樹脂と着色剤を含有してなるトナー母体粒子表面に表面処理を施したチタン酸化合物を外添してなるものである。本発明者は、トナーに外添させる前記チタン酸化合物について、そのカーボン量を0.15質量%以上0.50質量%以下とすることで、感光体表面に粗い摩耗やキズを発生させずにクリーニングが行えてスジ状のノイズや濃度ムラのないベタ画像やハーフトーン画像を安定して作成できることを見出した。また、添加したチタン酸化合物がトナー表面から脱離しても、脱離したチタン酸化合物はみだりに凝集せず、その結果、凝集に起因する画像欠陥の発生や凝集物の感光体表面への蓄積によるフィルミングの発生を回避できることを見出したのである。
また、本発明者はチタン酸化合物のカーボン量を上記範囲とすることにより、従来、表面処理を行ったチタン酸化合物を外添したトナーで課題になっていた電荷のリーク不良の問題を解消できることを見出した。この知見により、表面処理を行ったチタン酸化合物を外添したトナーにおかれても、電荷のリークが適度に行われて良好な帯電立上がり性能を発現できることが確認された。
この様に、本発明では、チタン酸化合物のカーボン量を特定することにより、チタン酸化合物の表面処理が制御することができる様になった。その結果、硬度の高いチタン酸化合物が直接感光体表面に接触する機会がなくなり、感光体表面に磨耗やキズを発生させずに安定したクリーニングが行える様になった。また、過剰な表面処理が回避されてチタン酸化合物が本来有する良好な電荷リーク性能が安定して発現できる様になった。
ところで、シリコーンオイル等に含浸させて表面処理を行ったチタン酸化合物を外添した構成のトナーは従来より存在していたが、クリーニング性能と帯電性能をバランスよく両立する様にチタン酸化合物の表面処理を行うことは困難の伴うものであった。本発明者は、チタン酸化合物に表面処理を施すとクリーニング性能が向上し、凝集性を低減させる理由を以下の様に推測した。すなわち、表面処理によりチタン酸化合物表面には弾性を有する有機層が形成され、この有機層の存在によりチタン酸化合物の研摩性が緩和される様になり、その結果、摩耗やキズを発生させずに感光体表面をクリーニングできる様になったものと考えた。また、有機層により発現される弾性の作用でチタン酸化合物の凝集性が低減され、凝集物に起因する画像欠陥や感光体表面へのフィルミング発生を防止できる様になったものと考えた。
また、表面処理したチタン酸化合物を用いるとリーク性能が低下する理由は以下の様に推測した。すなわち、チタン酸化合物表面に形成された有機層が必要以上に厚くなりすぎる結果、有機層がチタン酸化合物の導電性を損ねる様になり電荷リーク性能を低減させる様になると考えたのである。その一方で、表面処理が不十分なままだとチタン酸化合物表面に強い研磨性を低減させるだけの十分な厚さの有機層を形成することができず、この状態は十分なリーク性能を確保できるもののキズや磨耗の発生は避けられなくなると考えた。この様な推測の下、本発明者は十分なリーク性能を発現するとともに感光体表面に損傷を与えない様にクリーニングが行える適度な厚さを有する有機層をチタン酸化合物表面に形成するにはどうすればよいか、有機層の厚さを把握しながらチタン酸化合物の表面処理を行える方法はないものかを模索、検討した。その結果、本発明を見出したのである。
本発明者は、カーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下となる様に表面処理を行ったチタン酸化合物を添加したトナーを用いることにより、良好なクリーニング性能と帯電性能とをバランスよく発現されることを見出したのである。すなわち、本発明者はチタン酸化合物のカーボン量を規定することにより、チタン酸化合物に行う表面処理を制御できることを見出した。そして、研磨性能が適度に抑制されて感光体表面に摩耗やキズを発生させることなくクリーニングが行え、かつ、チタン酸化合物が本来有する電荷リーク性能を確実に発現するチタン酸化合物が得られることを見出したのである。この様に、本発明では、カーボン量が所定範囲になる様にチタン酸化合物の表面処理を制御することでクリーニング性能と帯電性能とを両立させたトナーが得られるという知見を見出したのである。
以下、本発明について詳細に説明する。
最初に、本発明に係るトナーに使用されるチタン酸化合物について説明する。本発明に係るトナーに使用されるチタン酸化合物は、表面処理を施したものであって、カーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下のものである。すなわち、チタン酸化合物のカーボン量を上記範囲にすることで、感光体表面に摩耗やキズを発生させることのない良好なクリーニング性能を発現するとともに、チタン酸化合物の電荷リーク性能により良好な帯電性能を発現するトナーが得られる様になる。
一方、カーボン量が上記範囲外となるチタン酸化合物を用いたトナーは、本発明の効果を発現することができないものである。すなわち、カーボン量が0.15質量%に満たないチタン酸化合物を添加したトナーでは、チタン酸化合物の表面処理が十分に行われていないため、感光体表面への良好なクリーニングが行えなくなる。したがって、感光体表面をクリーニングすると摩耗やキズが発生し易く、感光体表面に発生した摩耗やキズにより、スジ状のノイズや濃度ムラが発生して、特に、良好な画質のベタ画像やハーフトーン画像を形成することが困難になる。また、チタン酸化合物は凝集し易く、凝集に起因する画像欠陥の発生や凝集物の感光体表面へのフィルミングが発生し易くなり、所定画質のプリント物を作成することが困難になるものと懸念される。
一方、カーボン量が0.50質量%を超えるチタン酸化合物を添加したトナーでは、過剰な表面処理によりチタン酸化合物の表面含水量が低下して本来の電荷リーク性能を発現することが困難になり、帯電立ち上がり性能に影響を与える様になると考えられる。したがって、空気中の水分が少なくなる低温低湿環境下でプリント作成を行う場合等は、特に、所定画質のプリント物を安定して作成することが困難になる。
本発明でいう「カーボン量」とは、チタン酸化合物の単位質量あたりのカーボン含有量、すなわち、炭素の含有量を意味するものである。また、本発明でいう「チタン酸化合物のカーボン量」は、公知のカーボン分析装置を用いて測定することが可能なもので、たとえば、市販のカーボン分析装置「IR−212(LECO Co.Ltd製)」等を用いて測定することが可能である。具体的には、前記装置の秤部にセラミック製のるつぼを置き、るつぼの中に測定試料1gを秤量する。測定試料を秤量後、助燃剤をスパーテルで1杯添加する。測定試料と助燃剤を添加したるつぼを装置のセラミック台に載置し、燃焼ガスとして酸素を用いて燃焼処理を行いカーボン量を測定する。
次に、本発明に使用されるチタン酸化合物に行う表面処理について説明する。本発明に使用されるチタン酸化合物は、シリコーンオイルに代表される表面処理剤により表面処理が施されたものであり、表面処理を施すことにより前述した範囲のカーボン量を有するチタン酸化合物を得ることができる。
チタン酸化合物への表面処理の手順は、たとえば、以下のとおりである。すなわち、
(1)公知の製造方法により作製したチタン酸化合物を水中に投入した後、撹拌処理してチタン酸化合物の分散液を作製する
(2)前記チタン酸化合物の分散液中に表面処理剤を投入し、撹拌処理を継続する
(3)撹拌処理を終了させた後、チタン酸化合物分散液をろ過、洗浄してチタン酸化合物を分離する
(4)分離したチタン酸化合物を乾燥処理する
(5)乾燥処理したチタン酸化合物を解砕処理して表面処理を施したチタン酸化合物を得る
たとえば、上記手順を経ることにより、カーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下のチタン酸化合物を得ることができる。
チタン酸化合物の表面処理についてさらに説明する。
本発明で使用されるチタン酸化合物の表面処理に使用される表面処理剤は、チタン酸化合物のカーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下にすることが可能なもので、具体的には、ジメチルポリシロキサンに代表されるシリコーンオイルが挙げられる。
表面処理後のチタン酸化合物のカーボン量は、チタン酸化合物の表面処理に使用した表面処理剤に由来するものと考えられ、チタン酸化合物表面に表面処理剤が多く付着するほどカーボン量も増大するものと考えられる。したがって、本発明では表面処理剤を用いてチタン酸化合物を表面処理する際、処理時間、表面処理剤の種類や添加量等を制御することにより、チタン酸化合物のカーボン量を規定することができる。
本発明で使用可能な表面処理剤として、前述したシリコーンオイルが挙げられる。シリコーンオイルには、シロキサン結合からなる直鎖状ポリマーであるポリシロキサンより構成されるストレートシリコーンオイルと、ポリシロキサンの側鎖や末端に有機基を導入した変性シリコーンオイルがある。
ストレートシリコーンオイルには、ポリシロキサンの側鎖と末端が全てメチル基であるジメチルシリコーンオイル(ジメチルポリシロキサン、ポリジメチルシロキサンともいう)、側鎖の一部がフェニル基であるメチルフェニルシリコーンオイル、側鎖の一部が水素原子であるメチルハイドロジェンシリコーンオイルがある。以下、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイルの構造を示す。
Figure 0005516080
変性シリコーンオイルは、導入される有機基の結合位置により大きく4つに分類される。すなわち、側鎖の一部に有機基を導入した側鎖型、ポリシロキサンの両方の末端に有機基を導入した両末端型、ポリシロキサンのどちらか片方の末端に有機基を導入した片末端型、ポリシロキサンの側鎖の一部と両方の末端に有機基を導入した側鎖両末端型がある。以下にジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)の側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型の構造を示す。
Figure 0005516080
また、変性シリコーンオイルは、導入する有機基の性質により反応性シリコーンオイルと非反応性シリコーンオイルに分類される。
これらのシリコーンオイルの中でも、ストレートシリコーンオイルは変性シリコーンオイルに比べてシリコーンオイル分子を構成する原子の種類が少ない傾向にあるので好ましい。また、ストレートシリコーンオイルは反応性の部位を有さないので、反応性に関する影響を考慮する必要がなく添加量に対するカーボン量の算出が容易である。また、温度や光に対して安定な構造を有するので保存性もよいといえる。
この様なストレートシリコーンオイルの中でも、本発明ではジメチルポリシロキサン(ジメチルシリコーンオイル)が好ましい。ジメチルポリシロキサンは、ポリシロキサン構造の側鎖と末端の全てにメチル基を導入した構造を有しており、カーボン量を左右するシリコーンオイル分子中の炭素原子由来の構成が統一されている。したがって、所望のカーボン量を得る際に必要な表面処理剤の添加量を一義的に設定することができる等、カーボン量を算出する上で有利である。また、シリコーンオイルの中でも汎用性の部類に属するので、他のシリコーンオイルに比べて安価かつ安定に購入することができる。
チタン酸化合物を表面処理する場合、上述した様に、水系媒体中にチタン酸化合物を添加、分散させてなるチタン酸化合物分散液中に表面処理剤を添加する方法が主に採られている。この場合、表面処理剤は水系媒体で迅速に均一分散することが求められるので、たとえば、ジメチルポリシロキサンのエマルジョンの形態を採ることが好ましい。
ジメチルポリシロキサンのエマルジョンは、特に限定されるものではなく、市販のものを使用することが可能である。市販のシリコーンエマルジョンを構成するジメチルポリシロキサンの平均分子量は、一般に、10,000前後で、構造式から計算した平均重合度は約134程度である。また、エマルジョン中のカーボン量は15質量%〜40質量%で、20質量%のものが好ましく用いられる。また、シリコーンエマルジョン投入後のチタン酸化合物分散液のカーボン量は、特に限定されるものではないが、0.2質量%以上2.0質量%が好ましく、0.5質量%以上1.5質量%以下がより好ましい。
チタン酸化合物へのシリコーンオイルによる表面処理により、チタン酸化合物表面にカーボン量が0.15質量%以上0.5質量%以下の層が形成され、この層に含有される炭素原子によりチタン酸化合物のカーボン量が規定されるものと考えられる。この層は、おそらく、チタン酸化合物表面には水酸基等の極性基が多く存在し、当該極性基とジメチルポリシロキサンとの間でカップリング反応が行われる結果、形成されるものと考えられる。また、チタン酸化合物表面の極性基がカップリング反応に使用されることにより、表面処理に伴ってチタン酸化合物の疎水性が進行するものと考えられる。
また、上述した反応による方法だけでなく、ジメチルポリシロキサン等のエマルジョンをチタン酸化合物表面に物理的に表面処理させる方法を用いることもできる。
本発明では、上述した理由により、ジメチルポリシロキサンのエマルジョンをチタン酸化合物の分散液中に添加して撹拌処理を行うことにより、カーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下のチタン酸化合物が得られる。なお、ジメチルポリシロキサンのエマルジョンを用いてチタン酸化合物の表面処理を行う具体的な形態については、後述する実施例で詳細に説明する。
次に、本発明で使用可能なチタン酸化合物及びその製造方法について説明する。本発明に使用可能なチタン酸化合物としては、たとえば、酸化チタン(IV)と他の金属酸化物または金属炭酸塩から生成されるいわゆるメタチタン酸塩と呼ばれる下記一般式(I)で表されるものがその代表的なものである。
一般式(I)
TiOまたはMIITiO
(式中、Mは1価の金属原子、MIIは2価の金属原子を表すものである。)
本発明に使用可能なチタン酸化合物としては、MIITiOで表される2価の金属原子と結合した構造のチタン酸化合物が好ましく用いられる。2価の金属原子と結合したチタン酸化合物の具体例としては、たとえば、チタン酸カルシウムCaTiO、チタン酸マグネシウムMgTiO、チタン酸ストロンチウムSrTiO、チタン酸バリウムBaTiO等がある。これらの2価の金属原子と結合したチタン酸化合物の中でも、環境への影響等の視点及び帯電量を長期にわたり一定レベルに維持させるという視点から、チタン酸カルシウムCaTiOとチタン酸マグネシウムMgTiOが好ましい。
本発明に使用可能なチタン酸化合物は、公知の方法により作製することが可能である。本発明に使用可能なチタン酸化合物の作製方法としては、たとえば、メタチタン酸と呼ばれる水和物の形態を有する酸化チタン(IV)化合物TiO・HOを経て作製する方法がある。この方法は、前記酸化チタン(IV)化合物を炭酸カルシウム等の炭酸金属塩あるいは金属酸化物と反応させた後、焼成処理によりチタン酸カルシウムに代表されるチタン酸化合物を生成する方法である。
なお、メタチタン酸等の酸化チタンの加水分解物は、鉱酸解膠品とも呼ばれ、酸化チタン粒子が分散した液の形態を有するものである。この酸化チタン加水分解物よりなる鉱酸解膠品に水溶性の炭酸金属塩や金属酸化物を添加し、その混合液を50℃以上にしてアルカリ水溶液を添加しながら反応することによりチタン酸化合物が作製される。
鉱酸解膠品の代表例の1つメタチタン酸は、亜硫酸SOの含有量が1.0質量%以下、好ましくは0.5質量%以下で、塩酸によりpH0.8〜1.5に調整して解膠処理したものである。
チタン酸化合物の作製に使用されるアルカリ水溶液としては、水酸化ナトリウム水溶液に代表される苛性アルカリ水溶液が好ましく使用される。また、酸化チタンの加水分解物と反応させる化合物としては、ストロンチウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、アルミニウム、ジルコニウム、ナトリウム等の硝酸化合物、炭酸化合物、塩化化合物等が挙げられる。
チタン酸化合物の製造工程では、酸化チタンの水和物や加水分解物と金属酸化物等の添加比率、反応時における酸化チタン水和物や加水分解物の濃度、アルカリ水溶液添加時の温度や添加速度等を調整して、チタン酸化合物の粒径を制御することができる。また、反応工程で炭酸化合物の生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応を行うことが好ましい。
反応時における酸化チタン加水分解物と金属酸化物等の添加比率(モル比)は、金属酸化物等/TiOで、0.9〜1.4が好ましく、0.95〜1.15がより好ましい範囲である。また、反応初期における酸化チタン加水分解物の濃度は、TiO換算で0.05〜1.0モル/リットルで、0.1〜0.8モル/リットルが好ましい範囲である。
アルカリ水溶液を添加する時の温度は、高いほど結晶性のものが得られるが、実用的には50℃〜101℃の範囲が適切である。また、アルカリ水溶液の添加速度は得られるチタン酸化合物の粒子径に影響を与える傾向があり、添加速度が遅いほど粒子径の大きなチタン酸化合物が得られ、添加速度が速いほど粒子径の小さなものが形成される傾向がある。アルカリ水溶液の添加速度は、仕込原料に対し0.001〜1.0当量/時、好ましくは0.005〜0.5当量/時で、所望の粒子径に応じて適宜調整することが可能である。アルカリ水溶液の添加速度は目的に応じて途中で変更することも可能である。
また、本発明で使用されるチタン酸化合物は鉄を100ppm以上1000ppm以下含有するものであることが好ましい。チタン酸化合物粒子中に鉄を100ppm以上1000ppm以下含有させることにより、トナー粒子において有効な帯電サイトとして機能して、優れた帯電立ち上がり性と帯電保持性能が得られるとともに、過剰な電荷を適度にリークさせることができる。すなわち、本発明では表面処理を行ったチタン酸化合物に対し、上記範囲の量の鉄が存在することにより過剰電荷のリークを促進させることが期待できるものと考えられる。したがって、表面処理により多少厚めの有機層を形成したチタン酸化合物であっても、鉄の存在により過剰電荷のリークが促進されて安定した帯電立ち上がり性と帯電保持性能を確保することができる。その結果、長期にわたり感光体表面に摩耗やキズを与えることのないやさしいクリーニングが行えるとともに良好な帯電性能も発現することができる様になる。
一方、チタン酸化合物中の鉄が100ppm未満の場合は鉄による過剰電荷のリーク促進性があまり期待できなくなるので、チタン酸化合物を表面処理する場合にはカーボン量がたとえば本発明の下限である0.15質量%近傍になる様に処理することが好ましい。この様に表面処理を制御することにより、チタン酸化合物の電荷リーク性能が確保されて、トナーに電荷が蓄積されて飽和帯電量が増大することが回避できる。また、クリーニング時に感光体表面を摩耗させたりキズを発生させる様なことも回避できる。特に、雰囲気中の水分による電荷のリークが困難になる低温低湿環境でプリント作製を行っても、トナーの飽和帯電量がみだりに増加することがないので、感光体表面へのトナー飛翔等の問題を懸念する必要がない。
また、チタン酸化合物中の鉄が1000ppmを超える場合には、電荷のリークが行われ易い環境が形成されることになり、電荷のリークが頻繁に発生してトナーへの電荷の蓄積に影響を与えることも想定される。この様なチタン酸化合物に対してはカーボン量がたとえば本発明の上限である0.50質量%近傍になる様に表面処理を行うことが好ましい。この様に表面処理を制御することによりトナーの飽和帯電量を所定画質のトナー画像形成が行えるレベルに維持することが可能になる。また、十分な表面処理が施されることになるので、感光体表面に摩耗やキズを発生させることのない良好なクリーニングを長期にわたり安定して行える様になる。特に、トナー撹拌の時間を十分にとることが困難な連続プリントを行う場合や雰囲気中の水分の影響が無視できない高温高湿環境でプリント作製を行う場合でも電荷保持性能が確保され所定画質のプリント作製を安定して行うことができるものと期待される。
ここで、チタン酸化合物粒子中の「鉄の含有量」とは、チタン酸化合物の質量あたりに含有される鉄の含有量を意味するものである。なお、チタン酸化合物粒子中で、鉄原子は三酸化二鉄に代表される鉄化合物の形態、あるいは、結晶格子中に取り込まれた形態で含有されるものと推測される。
本発明に使用されるチタン酸化合物粒子は、前述した様に、100ppm以上1000ppm以下の鉄を含有するものが好ましく、鉄の含有量は、チタン酸化合物粒子を作製するときに塩化鉄、硫化鉄、酸化鉄等の鉄化合物を添加するにあたり、その添加量を調整することにより制御が可能である。また、チタン酸化合物はその構造から添加した鉄を安定して保持することが可能なものと考えられる。
チタン酸化合物粒子中の鉄の含有量は、ICP−OESにより定量が可能である。ICP−OESでは、チタン酸化合物粒子を分解し、鉄(Fe)イオンとして定量が可能である。
ここで、ICP−OESによる具体的な測定方法を以下に示す。
乾燥した200mlのコニカルビーカに測定するチタン酸化合物粒子1gを分取する。分解試薬として硫酸20mlを加え、密封型マイクロウェーブ湿式分解装置「MLS−1200MEGA(MILESTONE社製)」等によりマイクロ波分解を行った後、水冷する。このとき、マイクロ波による分解は未溶解物がなくなるまで行うものとする。
次に、分解溶液を100mlのメスフラスコに移し、標線まで蒸留水を加えて100mlにしてサンプル溶液を調整する。サンプル溶液を前述したICP−OESにて、Fe波長238.204nmとして測定し、検量線を用いてFeの定量を行う。
ここで、検量線の作成は、先ず、鉄を含有させていない各チタン酸化合物(チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸マグネシウム等)を前述の様にマイクロ波分解し、分解溶液を100mlメスフラスコに移し、標線まで蒸留水を加えて100mlにしてサンプル溶液を調整する。その中から25mlを100mlメスフラスコに分取し、Fe標準液を0ppm、250ppm、500ppm、750ppm、1000ppmになる様にそれぞれ添加して標線まで蒸留水を加え100mlとして検量線作成用試料とする。各チタン酸化合物について上記5点により検量線を作成する。
本発明に使用されるチタン酸化合物についてさらに説明する。本発明に使用されるチタン酸化合物は、BET比表面積が5m/g以上20m/g以下の範囲にあるものが好ましい。チタン酸化合物のBET比表面積の値が上記範囲の時、チタン酸化合物とトナー粒子表面との間には電荷のやりとりを行い易い場が形成されるものと考えられる。つまり、BET比表面積が上記範囲の時、トナー表面に添加されたチタン酸化合物が、疑似的なキャリアの様に作用したり、あるいは、コンデンサの様に作用することで、トナーの帯電性能を効果的に制御しているものと考えられる。たとえば、トナーが過剰帯電し易い低温低湿環境下では、チタン酸化合物はトナーとの間に電荷移動させ易い適度な接触面積が確保され、トナーから過剰帯電した電荷を鉄原子を介して放出させているものと考えられる。一方、電荷のリークが起こり易い高温高湿環境下では、チタン酸化合物が擬似的なキャリアの様に作用して所定レベルの画像形成が行える電荷をトナーに供給することによりトナーの帯電性を維持しているものと推測される。
ここで、BET比表面積とは、ガス吸着法により算出される粒子の比表面積のことで、ガス吸着法による粒子の比表面積算出は、窒素ガスの様に吸着占有面積が分かっているガス分子を粒子に吸着させ、その吸着量から粒子の比表面積を算出するものである。BET比表面積は、固体表面に直接吸着したガス分子の量(単分子層吸着量)を正確に算出することができる。BET比表面積は、下記に示すBETの式と呼ばれる数式を用いて算出することができる。
下記式に示す様に、BETの式は一定温度で吸着平衡状態にある時の吸着平衡圧Pとその圧力における吸着量Vの関係を示すもので以下の様に表される。
式1:
P/V(Po−P)=(1/VmC)+((C−1)/VmC)(P/Po)
ただし、Po:飽和蒸気圧
Vm:単分子層吸着量、気体分子が固体表面で単分子層を形成したときの
吸着量
C :吸着熱などに関するパラメータ(>0)
上式より単分子吸着量Vmを算出し、これにガス分子1個の占める断面積を掛けることにより、粒子の表面積を求めることができる。
本発明で使用されるチタン酸化合物のBET比表面積は、自動比表面積測定装置「GEMINI 2360(島津・マイクロメリティックス社製)」を用い、下記の測定法により算出した値である。
先ず、チタン酸化合物2gをストレートサンプルセルに充填し、前処理として窒素ガス(純度99.999%)にて2時間セル内を置換する。置換後、測定装置本体にて前処理した複合酸化物に窒素ガス(純度99.999%)を吸脱着させて、多点法(7点法)により算出する。
また、本発明に使用されるチタン酸化合物は、個数基準平均粒径が50nm以上2000nm以下のものが好ましく、50nm以上400nm以下のものがさらに好ましい。本発明では、チタン酸化合物の大きさを上記範囲とすることにより、トナーの帯電性向上とトナー粒子間のバラツキを小さくし、より安定させているものと考えられる。その理由は、チタン酸化合物の個数基準粒径を50nm以上とすることで、チタン酸化合物がトナー表面に強く固着する状態が回避されているためと考えられる。チタン酸化合物がトナー表面に強く固着していない状態にあるので、鉄原子を所定量含有するチタン酸化合物がトナーの帯電性能維持にバランスよく作用し、同時に、流動性の向上にも寄与するものと考えられる。
また、2000nm以下とすることにより、本発明に使用されるチタン酸化合物は、その粒径がトナー表面から脱離しにくい大きさにあることがトナーの帯電性向上に寄与していることも考えられる。すなわち、プリント作製枚数の少ないプリント作製環境下の様に、未使用のトナーが現像装置内で頻繁に撹拌されてストレスを強く受けることがあるが、ストレスを強く受ける環境におかれてもトナー表面からチタン酸化合物が脱離しにくい。その結果、この様なプリント作製環境におかれてもトナーの帯電性能が良好に維持されるものと考えられる。
チタン酸化合物の個数基準平均粒径は、たとえば、電子顕微鏡写真より算出することが可能である。具体的には、以下の手順で算出することが可能である。
(1)走査電子顕微鏡にて倍率3万倍のトナーの写真撮影を行い、この写真画像をスキャナにて取り込む。
(2)画像処理解析装置「LUZEX AP(ニレコ社製)」にて、写真画像上のトナー表面に存在するチタン酸化合物を2値化処理し、100個について水平フェレ径を算出し、水平フェレ径の平均値を平均粒径とする。ここで、水平フェレ径とは、写真画像上のチタン酸化合物を2本の垂直線ではさみ、はさんだ2本の垂直線間の距離のことをいう。
なお、上記の様に、トナーの写真撮影を行い、トナー表面に付着したチタン酸化合物を利用する方法の他に、チタン酸化合物を直接走査型電子顕微鏡で写真撮影し、その写真画像から同様の手順で平均粒径を算出することも可能である。
また、本発明に使用されるチタン酸化合物は、その粒径標準偏差の値が250nm以下となるものが好ましい。チタン酸化合物の粒径標準偏差を上記範囲とすることにより、使用中のチタン酸化合物はその帯電寄与性能にバラツキがなく、トナーに対しどのチタン酸化合物も同レベルの帯電性能を発現するので、トナーの均一帯電を実現する上で効果的に寄与しているものと考えられる。
ここで、粒径標準偏差(SD値)は、チタン酸化合物の個数基準の粒径分布を表すもので、前述の個数基準平均粒径測定と同様の方法で、チタン酸化合物の個数基準84%粒径と個数基準16%粒径を測定し、その差を2で割って得られるものである。すなわち、チタン酸化合物の粒径標準偏差(SD値)は、
粒径標準偏差(SD値)
=〔個数基準84%粒径(D84)−個数基準16%粒径(D16)〕/2
で表されるものである。
チタン酸化合物のトナーへの添加量は、トナー全体に対して0.05〜10.0質量%が好ましく、その中でも、0.1質量%〜5.0質量%がより好ましく、0.3質量%〜2.0質量%が特に好ましい。チタン酸化合物の添加量を上記範囲とすることで、トナーの帯電性能の安定化がより確実に発現され、同時に、添加したチタン酸化合物がトナー表面より脱離することがないので、脱離したチタン酸化合物により感光体表面を損傷させるおそれがない。また、シリコーンオイル等で表面処理したチタン酸化合物を用いることも可能で、表面処理したチタン酸化合物を用いることにより、キャリアや現像ローラ等のトナー層担持体への汚染を抑制しながら、トナーの環境安定性等の帯電性能を向上させることができる。
次に、本発明に係るトナーについて説明する。本発明に係るトナーは、カーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下のチタン酸化合物を外添してなるものである。本発明に係るトナーの母体を構成するトナー粒子、すなわち、外添剤を添加する前の段階の粒子は、トナー技術分野において公知の製造方法、たとえば、粉砕法等の乾式法、乳化重合凝集法、懸濁重合法、溶解懸濁法、ポリエステル分子伸長法等の湿式造粒法により製造することができる。これらの中でも、乳化重合凝集法により作製することが好ましく、特に、ミニエマルジョン重合粒子を乳化重合により多段重合構成とした樹脂粒子を会合(凝集/融着=粒子同士を凝集させながら同時に熱の作用で融着させること)を行うミニエマルジョン重合凝集法により作製することが好ましい。
本発明に係るトナーは、体積基準メディアン径(D50v)を2μm以上8μm以下とすることが好ましい。体積基準メディアン径を上記範囲とすることにより、たとえば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することも可能である。
体積基準メディアン径を上記範囲の小径レベルのものにすることにより、写真画像等を構成するドット画像を忠実に再現することができるので、印刷画像と同等以上の高精細のカラーの写真画像を形成することができる。特に、オンデマンド印刷と呼ばれる数百部から数千部レベルでプリント注文を受ける印刷分野では、高精細な写真画像の入ったフルカラーの高画質プリントを迅速にユーザに納品することができる様になる。
なお、トナーの体積基準メディアン径(D50v径)は、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」に、データ処理用のコンピュータシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII(ベックマン・コールター社製)」の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、「マルチサイザー3」のアパチャー径は50μmのものを使用する。
また、本発明で使用されるトナーは、その体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)が2%以上21%以下のものが好ましく、5%以上15%以下のものがより好ましい。体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、以下の式によって定義される。
CV値(%)=〔(体積基準の粒度分布における標準偏差)/(体積基準の粒度分布におけるメディアン径(D50v))〕×100
このCV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、それだけトナー粒子の大きさが揃っていることを意味する。すなわち、大きさの揃ったトナーが得られることになるので、デジタル画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能である。また、写真画像をプリントするにあたり、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルあるいはそれ以上の高画質の写真画像を作成することができる。
また、本発明で使用されるトナーは、下記式で示される平均円形度(形状係数の平均値)が0.950〜0.995、好ましくは0.960〜0.995のものが好ましい。
平均円形度=(円相当径から求めた円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
上記平均円形度の測定方法は、特に、限定されるものではないが、たとえば、トナー粒子を電子顕微鏡で500倍に拡大して写真撮影を行い、電子顕微鏡写真画像上より画像解析装置を用いて500個のトナー粒子について円形度を測定し、その算術平均値を求めることにより、平均円形度を算出することができる。
本発明に使用されるトナーの平均円形度を0.950〜0.995とすることにより、画像形成に使用するトナーはその形状がある程度揃ったものになるので、トナー粒子の形状に起因する画質への影響の懸念が払拭されることになる。すなわち、トナー粒子の形状が揃うことにより、たとえば、定着時におけるトナーの溶融、固着にばらつきがなく、外添剤の付着性も均等化されて外添剤粒子による作用効果も均一化できる様になる。さらには、画像形成時のストレス等に対する耐久性も均一化される。これらの効果により、色調や濃度にばらつきのない良好な画質のトナー画像が得られる様になると期待される。
本発明に係るトナーは、その軟化点温度(Tsp)が121℃以下となるものが好ましく、70℃以上100℃以下となるものがより好ましい。本発明に係るトナーに使用される着色剤は、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するものであるが、軟化点を前記範囲とすることで定着時にトナーに加わる熱の影響をより低減させることができる。
また、トナーの軟化点を前記範囲とすることにより、従来技術よりも低い温度でトナー画像定着が行える様になり、電力消費の低減を実現する環境に優しい画像形成を可能にする。また、本発明を好適に使用することが可能なプリント市場の1つであるPOD分野でも安定した定着性能を発現させる上でも好ましい。
なお、トナーの軟化点は、たとえば、以下の方法を単独で、あるいは、組み合わせることにより制御が可能である。すなわち、
(1)樹脂形成に用いる単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により樹脂の分子量を調節する。
(3)ワックス等の種類や添加量を調節する。
また、トナーの軟化点温度の測定方法は、具体的には「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用い、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×10Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、最初に流出する温度を溶融開始温度、降下量5mmに対する温度を軟化点温度とする方法がある。
次に、本発明で使用されるトナーの製造方法について説明する。
本発明で使用されるトナーは、少なくとも樹脂と着色剤を含有してなるトナー母体粒子表面に少なくとも前述したチタン酸化合物を外添してなる構成されるものである。本発明で使用されるトナーを構成するトナー母体粒子(外添処理を行う前の母体粒子のこと)は、特に限定されるものではなく、前述した様に従来のトナー製造方法で作製することが可能なものである。すなわち、混練、粉砕、分級工程を経てトナーを作製するいわゆる粉砕法によるトナー製造方法や、重合性単量体を重合させ、同時に、形状や大きさを制御しながら粒子形成を行ういわゆる重合法によるトナー製造方法がある。重合法によるトナー製造方法には、たとえば、乳化重合法、懸濁重合法、ポリエステル伸長法等がある。重合法によるトナー製造方法は、前述した様に、形状や大きさの制御を粒子形成工程で行うことができる。
なお、粉砕法によりトナーを製造する場合、混練物の温度を130℃以下に維持した状態で作製を行うことが好ましい。これは、混練物に加える温度が130℃を超えると、混練物に加えられた熱の作用で混練物中における着色剤の凝集状態に変動を来し均一な凝集状態を維持できなくなるおそれがあるためである。仮に、凝集状態にバラツキが発生すると、作製されたトナーの色調にバラツキが生じることになり、色濁りの原因となることが懸念される。
次に、本発明で使用されるトナーを構成する樹脂やワックス、着色剤等について、具体例を挙げて説明する。
先ず、本発明で使用されるトナーを形成する樹脂は、特に限定されるものではないが、下記に記載されるビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体がその代表的なものである。また、本発明で使用可能な樹脂を構成する重合体は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られる重合体を構成成分とするものであり、これらビニル系単量体を単独あるいは複数種類組み合わせて作製した重合体である。
以下に、ビニル系の重合性単量体の具体例を示す。
(1)スチレンあるいはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等。
また、本発明で使用されるトナーの結着樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すイオン性解離基を有するものも使用可能である。たとえば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の官能基を単量体の側鎖に有するものがあり、具体的には、以下のものがある。
先ず、カルボキシル基を有するものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等がある。また、スルフォン酸基を有するものとしては、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等があり、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレート等がある。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。すなわち、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等。
また、トナーに使用可能な着色剤としては、たとえば、以下のものがある。具体的な着色剤を以下に示す。
黒色トナー用の着色剤としては、カーボンブラックが用いられ、たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック等がある。
また、カラートナー用の着色剤は、有機化合物からなる顔料あるいは染料が用いられ、以下に記載のものがある。
マゼンタもしくはレッド用の着色剤としては、C.I.ピグメントレッド1、同2、同3、同5、同6、同7、同15、同16、同48:1、同53:1、同57:1、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同139、同144、同149、同150、同163、同166、同170、同177、同178、同184、同202、同206、同207、同209、同222、同238、同269等がある。
また、オレンジもしくはイエロー用の着色剤としては、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー12、同14、同15、同17、同74、同83、同93、同94、同138、同155、同162、同180、同185等がある。
さらに、グリーンもしくはシアン用の着色剤としては、C.I.ピグメントブルー2、同3、同15、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17、同60、同62、同66、C.I.ピグメントグリーン7等がある。
また、染料としては、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー2、同6、同14、同15、同16、同19、同21、同33、同44、同56、同61、同77、同79、同80、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等がある。
これらの着色剤は必要に応じて単独もしくは2つ以上を選択併用することも可能である。また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲に設定するのがよい。
次に、本発明で使用されるトナーに含有されるワックスとしては、以下に示すものがある。
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等。
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定したトナー画像形成が行える。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%が好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
本発明に係るトナーは、一成分系現像剤、あるいは二成分系現像剤として使用することが可能である。本発明に係るトナーは、磁性粒子であるキャリアと混合させて二成分系現像剤として使用したとき、外添剤として添加される前述のチタン酸化合物の作用で安定した帯電特性を長期にわたり維持することができる。二成分現像方式の画像形成では、低印字率のプリント作製の様にトナー消費量の少ない画像形成を行っていると、均一なトナー帯電が行いにくくなる傾向が見られた。これは、トナー消費量が少ない環境では、キャリアの荷電点に同じトナーが長く居座ることになり、せっかく新しく供給されたトナーの帯電を邪魔するためと考えられた。本発明に係るトナーを用いた二成分系現像剤では、この様な画像形成環境でも均一なトナー帯電を安定して行うことができる。これは、トナー表面に添加された前述のチタン酸化合物が低抵抗成分として作用することにより、トナーとキャリアとの間での電荷の授受が行い易くなり、古いトナーがキャリア表面から離れ易くなるためと推測される。
本発明に係るトナーを二成分系現像剤として使用する場合、使用可能なキャリアとしては、たとえば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料が挙げられる。これらの中ではフェライト粒子が好ましい。上記キャリアの体積平均粒径としては15〜100μmのものが好ましく、25〜80μmのものがより好ましい。
図1は、本発明に係るトナーを二成分系現像剤とした時に使用可能な画像形成装置の一例を示す概略図である。
図2において、1Y、1M、1C、1Kは感光体、4Y、4M、4C、4Kは現像手段、5Y、5M、5C、5Kは1次転写手段としての1次転写ロール、5Aは2次転写手段としての2次転写ロール、6Y、6M、6C、6Kはクリーニング手段、7は中間転写体ユニット、24は熱ロール式定着装置、70は中間転写体を示す。
この画像形成装置は、タンデム型カラー画像形成装置と称せられるもので、複数組の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、転写部としての無端ベルト状中間転写体ユニット7と、記録部材Pを搬送する無端ベルト状の給紙搬送手段21及び定着手段としての熱ロール式定着装置24とを有する。画像形成装置の本体Aの上部には、原稿画像読み取り装置SCが配置されている。
各感光体に形成される異なる色のトナー像の1つとして、イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1Y、該感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、1次転写手段としての1次転写ロール5Y、クリーニング手段6Yを有する。また、別の異なる色のトナー像の1つとして、マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1M、該感光体1Mの周囲に配置された帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、1次転写手段としての1次転写ロール5M、クリーニング手段6Mを有する。
また、さらに別の異なる色のトナー像の1つとして、シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1C、該感光体1Cの周囲に配置された帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、1次転写手段としての1次転写ロール5C、クリーニング手段6Cを有する。また、さらに他の異なる色のトナー像の1つとして、黒色画像を形成する画像形成部10Kは、第1の像担持体としてのドラム状の感光体1K、該感光体1Kの周囲に配置された帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、1次転写手段としての1次転写ロール5K、クリーニング手段6Kを有する。
無端ベルト状中間転写体ユニット7は、複数のロールにより巻回され、回動可能に支持された中間転写エンドレスベルト状の第2の像担持体としての無端ベルト状中間転写体70を有する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kより形成された各色の画像は、1次転写ロール5Y、5M、5C、5Kにより、回動する無端ベルト状中間転写体70上に逐次転写されて、合成されたカラー画像が形成される。給紙カセット20内に収容された転写材として用紙等の記録部材Pは、給紙搬送手段21により給紙され、複数の中間ロール22A、22B、22C、22D、レジストロール23を経て、2次転写手段としての2次転写ロール5Aに搬送され、記録部材P上にカラー画像が一括転写される。カラー画像が転写された記録部材Pは、熱ロール式定着装置24により定着処理され、排紙ロール25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、2次転写ロール5Aにより記録部材Pにカラー画像を転写した後、記録部材Pを曲率分離した無端ベルト状中間転写体70は、クリーニング手段6Aにより残留トナーが除去される。
画像形成処理中、1次転写ロール5Kは常時、感光体1Kに圧接している。他の1次転写ロール5Y、5M、5Cはカラー画像形成時にのみ、それぞれ対応する感光体1Y、1M、1Cに圧接する。
2次転写ロール5Aは、ここを記録部材Pが通過して2次転写が行われるときにのみ、無端ベルト状中間転写体70に圧接する。
画像形成部10Y、10M、10C、10Kは、垂直方向に縦列配置されている。感光体1Y、1M、1C、1Kの図示左側方には無端ベルト状中間転写体ユニット7が配置されている。無端ベルト状中間転写体ユニット7は、ロール71、72、73、74、76を巻回して回動可能な無端ベルト状中間転写体70、1次転写ロール5Y、5M、5C、5K及びクリーニング手段6Aとからなる。
このように感光体1Y、1M、1C、1K上に帯電、露光、現像によりトナー像を形成し、無端ベルト状中間転写体70上で各色のトナー像を重ね合わせ、一括して記録部材Pに転写し、定着装置24で加圧及び加熱により固定して定着する。トナー像を記録部材Pに転移させた後の感光体1Y、1M、1C、1Kは、クリーニング装置6Aで転写時に感光体に残されたトナーを清掃した後、上記の帯電、露光、現像のサイクルに入り、次の像形成が行われる。
以下、実施例を挙げて本発明の実施態様を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
1.「チタン酸化合物1〜15」の作製
(1)「チタン酸化合物1」の作製
メタチタン酸分散液に、4.0モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によりpHを9.0に調整して脱硫処理を行った後、6.0モル/リットルの塩酸水溶液を添加してpHを5.5に調整して中和処理した。その後、メタチタン酸分散液をろ過、水洗処理して作製したメタチタン酸のケーキ物に水を加え、酸化チタンTiO換算で1.25モル/リットルに相当する分散液に調製した後、6.0モル/リットルの塩酸水溶液でpH1.2に調整した。そして、分散液の温度を35℃に調整して、この温度下で1時間撹拌を行ってメタチタン酸分散液を解膠処理した。
上記解膠処理を行ったメタチタン酸分散液より、酸化チタンTiO換算で0.156モルに相当するメタチタン酸を採取して反応容器に投入し、続いて、炭酸カルシウムCaCO水溶液と塩化第二鉄水溶液を反応容器に投入した。このとき、酸化チタン濃度が0.156モル/リットルとなる様に反応系を調製した。また、炭酸カルシウムCaCOは、酸化チタンに対しモル比で1.15となる様(CaCO/TiO=1.15/1.00)に添加し、塩化第二鉄は、酸化チタンに対してモル比で0.006になる様(FeCl/TiO=0.009/1.000)に添加した。
上記反応容器内に窒素ガスを供給して、20分間放置することにより反応容器内を窒素ガス雰囲気下にした後、メタチタン酸、炭酸カルシウム、及び、塩化第二鉄からなる混合溶液を90℃に加温した。続いて、水酸化ナトリウム水溶液を24時間かけてpHが8.0になるまで添加し、その後、90℃で1時間撹拌を続けて反応を終了させた。
反応終了後、反応容器内を40℃まで冷却し、窒素雰囲気下で上澄み液を除去した後、純水2500質量部を反応容器内に投入してデカンテーションを繰り返し2回行った。デカンテーション実施後、反応系をヌッチェでろ過処理してケーキ物を形成し、得られたケーキ物を110℃に加熱して大気中で8時間の乾燥処理を行った。
得られたチタン酸カルシウムの乾燥物をアルミナ性るつぼに投入し、930℃で脱水するとともに焼成処理した。焼成処理後、チタン酸カルシウムを水中に投入し、サンドグラインダで湿式粉砕処理を行い分散液とした後、6.0モル/リットルの塩酸水溶液を添加してpHを2.0に調整して、過剰分の炭酸カルシウムを除去した。
過剰分の炭酸カルシウムを除去処理した後、シリコーンオイルエマルジョン(ジメチルポリシロキサン系エマルジョン)「SM7036EX(東レ・ダウコーニングシリコーン(株)製)」を用いてチタン酸カルシウムに対して湿式の表面処理を行った。前記表面処理は、チタン酸カルシウム固形分100質量部に対して前記シリコーンオイルエマルジョンを0.9質量部添加して、30分間撹拌処理を行ったものである。
前記湿式の表面処理を行った後、4.0モル/リットル水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを6.5に調整して中和処理を行い、その後、ろ過、洗浄を行い、150℃で乾燥処理した。さらに、機械式粉砕装置を用いて60分間解砕処理を行って「チタン酸化合物1」を作製した。
作製した「チタン酸化合物1」について、前述のカーボン分析装置「IR−212(LECO Co.Ltd製)」を用いて前述の測定手順でカーボン量を測定したところ0.09質量%であった。また、ICP−OESにより鉄の含有量を測定したところ102ppmであった。さらに、「チタン酸化合物1」の体積基準粒径、粒径標準偏差(SD値)、BET比表面積を前述の方法で測定したところ、体積基準粒径は207nm、粒径標準偏差(SD値)が111nm、BET比表面積が13.2m/gであった。
(2)「チタン酸化合物2〜7」の作製
前記「チタン酸化合物1」の作製で使用した前記シリコーンオイルエマルジョンの添加量を、それぞれ0、0.5、1.6、2.6、2.8質量部に、また、処理時間を60分に変更した他は同じ手順で「チタン酸化合物2〜6」を作製した。また、シリコーンオイルエマルジョンの添加量を2.8質量部、処理時間を80分に変更した他は同じ手順で「チタン酸化合物7」を作製した。
(3)「チタン酸化合物8〜10」の作製
前記「チタン酸化合物1」の作製で、解膠処理を経て得られたメタチタン酸を投入した反応容器中に炭酸カルシウムCaCO水溶液のみを添加して反応処理を行った。また、表面処理は、前記「チタン酸化合物3〜5」を作製する際に行った条件と同様にした。その他は「チタン酸化合物1」の作製と同じ手順を採ることにより「チタン酸化合物8〜10」を作製した。
(4)「チタン酸化合物11〜13」の作製
前記「チタン酸化合物1」の作製で、解膠処理を経て得られたメタチタン酸を投入した反応容器中への塩化第二鉄水溶液の添加量をそれぞれ0.006モル、0.075モル、0.086モルに変更した。また、表面処理はシリコーンオイルエマルジョンの添加量1.6質量部、処理時間60分で行った。その他は「チタン酸化合物1」の作製と同じ手順を採ることにより「チタン酸化合物11〜13」を作製した。
(5)「チタン酸化合物14、15」の作製
前記「チタン酸化合物1」の作製で、前記メタチタン酸を投入した反応容器中に添加する炭酸カルシウムCaCO水溶液を、炭酸マグネシウム水溶液と炭酸ストロンチウム水溶液にそれぞれ変更した。また、表面処理はシリコーンオイルエマルジョンの添加量1.6質量部、処理時間60分で行った。その他は「チタン酸化合物1」の作製と同じ手順を採ることにより「チタン酸化合物14、15」を作製した。
以上の手順で作製した「チタン酸化合物1〜15」のシリコーンオイルエマルジョン添加量と処理時間、カーボン量、鉄量、個数平均粒径、粒径標準偏差、BET比表面積を表1に示す。
Figure 0005516080
2.「トナー母体粒子1」の作製
(1)「樹脂粒子1H」の作製
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、アニオン系界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム7.08質量部をイオン交換水3010質量部に溶解させて界面活性剤溶液(水系媒体)を作製した。そして、前記界面活性剤溶液を窒素気流下で230rpmの速度で撹拌しながら、反応容器内の温度を80℃に昇温させた。
前記界面活性剤溶液に、重合開始剤である過硫酸カリウム(KPS)9.2質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を投入し、反応容器内の温度を75℃にした。その後、下記化合物よりなる「混合液1A」を1時間かけて滴下し、
スチレン 69.4質量部
n−ブチルアクリレート 28.3質量部
メタクリル酸 2.3質量部
さらに、75℃の温度下で撹拌を2時間行うことにより重合を行い、「樹脂粒子分散液1H」を作製した。
(2)「樹脂粒子1HM」の作製
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、下記化合物
スチレン 97.1質量部
n−ブチルアクリレート 39.7質量部
メタクリル酸 3.22質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 5.6質量部
を添加し、90℃に加温して、
ペンタエリスリトールテトラベヘネート 98.0質量部
を溶解させて、上記化合物を含有する「混合液1B」を調製した。
一方、撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ラウリル硫酸ナトリウム1.6質量部をイオン交換水2700質量部に溶解させた界面活性剤溶液を作製し、これを98℃に加熱した。前記界面活性剤溶液に前述した「樹脂粒子分散液1H」を固形分換算で28質量部添加した後、前記混合液1Bを投入した。さらに、循環経路を有する機械式分散装置「クレアミックス(CLEARMIX)(エム・テクニック(株)製)」により8時間の混合分散を行って分散液(乳化液)を調製した。
次いで、前記分散液(乳化液)に、過硫酸カリウム(KPS)5.1質量部をイオン交換水240質量部に溶解させた開始剤溶液とイオン交換水750質量部を添加し、この系を98℃の下で12時間撹拌することにより重合を行った。この様にして、「樹脂粒子1H」表面に樹脂を被覆した複合構造を有する「樹脂粒子1HM」の分散液を作製した。
(3)「樹脂粒子1HML」の作製
前記「樹脂粒子1HML」の分散液に、過硫酸カリウム(KPS)7.4質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた開始剤溶液を添加して、温度を80℃に調整した。その後、下記化合物よりなる「混合液1C」を1時間かけて滴下した。すなわち、
スチレン 277質量部
n−ブチルアクリレート 113質量部
メタクリル酸 9.21質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオン酸エステル 10.4質量部
滴下終了後、前記温度下で2時間にわたり加熱、撹拌して重合を行い、その後、反応系を28℃に冷却して、「樹脂粒子1HM」表面に樹脂を被覆した複合構造を有する「樹脂粒子1HML」の分散液を作製した。
(4)「着色剤分散液1Bk」の調製
アニオン性界面活性剤ラウリル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部中に投入し、撹拌を行って界面活性剤溶液を作製した。前記界面活性剤溶液を撹拌しながら、着色剤である下記カーボンブラックを徐々に添加した。すなわち、
「リーガル330R(キャボット社製)」 400質量部
上記カーボンブラックを添加後、機械式分散装置「クレアミックス(CLEARMIX)(エム・テクニック(株)製)」を用い、カーボンブラックの粒子径が200nmになるまで分散処理を行うことにより、「着色剤分散液1Bk」を調製した。
(5)「トナー母体粒子1」の作製(凝集・融着)
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を取り付けた反応容器に、下記のものを投入した後、反応容器内を30℃に調整し、さらに、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10.6に調整した。すなわち、
「樹脂粒子分散液1HML」 200質量部(固形分換算)
イオン交換水 3000質量部
「着色剤分散液1Bk」 71質量部(固形分換算)
上記調整の後、塩化マグネシウム・6水和物52.6質量部をイオン交換水72質量部に溶解させた水溶液を温度30℃の下で反応系を撹拌させた状態で10分間かけて添加し、添加後、反応系を3分間放置した。
その後、反応系の昇温を開始し、この系を60分間かけて75℃まで昇温させ、上記粒子の凝集を開始した。ここでは、「マルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)」を用いて凝集粒子の粒径を測定しながら凝集を継続させた。
凝集粒子の体積基準メディアン径が6.5μmになった時に、塩化ナトリウム115質量部をイオン交換水700質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、熟成処理として液温度90℃にし、加熱撹拌処理を6時間にわたり行って、粒子の融着を継続させた。その後、反応系を30℃に冷却し、塩酸を添加してpHを2.0に調整した後、撹拌を停止した。
上記の様に、凝集と融着を経て作製されたトナー母体粒子を固液分離し、45℃のイオン交換水による洗浄を繰り返し行った後、40℃の温風で乾燥処理することにより、「トナー母体粒子1」を作製した。「トナー母体粒子1」の酸価をJIS−0070−1992で規定される方法で測定したところ15であった。
2−2.「トナー1〜15」の作製
(1)「トナー1」の作製
前記「トナー母体粒子1」100質量部に対して以下のものを外添剤として添加した。
「チタン酸化合物1」 2.0質量%
「#380シリカ」(HMDS処理品) 1.0質量%
「#90シリカ」(HMDS処理品) 1.0質量%
外添剤処理は、ヘンシェルミキサー「FM10B(三井三池化工社製)」を用い、30℃の温度下で、撹拌羽根の収束を35m/秒、処理時間60分に設定して行い、45μmの目開きのふるいを用いて粗大粒子を除去して「トナー1」を作製した。
(2)「トナー2〜15」の作製
前記「トナー1」の作製で、「トナー母体粒子1」に添加する「チタン酸化合物1」を前述の表1に示す「チタン酸化合物2〜15」に変更した他は同じ手順で「トナー2〜15」を作製した。
3.評価実験
上記「トナー1〜15」の性能について、低温低湿環境下(温度10℃、相対湿度15%RH)に24時間放置後及び高温高湿環境下(温度30℃、相対湿度85%RH)に24時間放置後にそれぞれ連続プリント作製を行って評価した。
評価は、市販のプリンタ「bizhubPRO1050e」に各トナーを搭載してBW5%のチャートを用いて、上記低温低湿環境下及び上記高温高湿環境下においてそれぞれ連続50万枚の連続プリント作製を実施し、連続プリント作製実施後に画質等を評価した。
ここで、本発明の構成を満たす「トナー3〜5、8〜15」を「実施例1〜11」、本発明の構成を満たしていない「トナー1、2、6、7」を「比較例1〜4」とする。
評価は、
(1)感光体摩耗量;摩耗量3μm以下を○、摩耗量が3μmよりも大きいものを×
(2)フィルミング;感光体表面を目視観察してフィルミング発生が見られず、かつ、画像濃度にムラが見られないものを○、感光体表面にフィルミング発生が見られ、画像濃度にムラが見られるものを×
(3)画像ノイズ;ベタ画像及びハーフトーン画像のいずれにもノイズが見られないものを○、両画像上にノイズが目立ち画像品位が不良なものを×
以上の結果を表2に示す。
Figure 0005516080
表2に示す様に、本発明の構成を満たすトナーを用いた「実施例1〜11」は低温低湿環境下及び高温高湿環境下のいずれの場合も、50万枚のプリント作製実施後の感光体摩耗量は3μm以下であり、フィルミング発生や画像ノイズが見られなかった。一方、本発明の構成を満たさないトナーを用いた「比較例1〜4」はいずれも「実施例1〜11」で得られた様な結果は得られなかった。
1 感光体
2 帯電手段
3 露光手段
4 現像手段、現像装置、トナーカートリッジ
41 現像ローラ
5 1次転写ロール
6 クリーニング手段
7 無端ベルト状中間転写体ユニット
10 画像形成部
24 熱ロール式定着装置

Claims (5)

  1. 少なくとも、樹脂と着色剤を含有してなるトナー母体粒子表面に、少なくとも、ジメチルポリシロキサンを含有するシリコーンオイルを用いて表面処理を施したチタン酸化合物を添加してなるトナーであって、
    前記チタン酸化合物は、カーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下で、100ppm以上1000ppm以下の鉄を含有するものであることを特徴とするトナー。
  2. 前記チタン酸化合物が、チタン酸カルシウムまたはチタン酸マグネシウムであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記チタン酸化合物のBET比表面積が、5m/g以上25m/g以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記チタン酸化合物は、
    個数基準平均粒径が50nm以上2000nm以下であり、かつ、粒径標準偏差の値が250nm以下であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 電子写真方式の画像形成に使用されるトナーに添加されるチタン酸化合物の表面処理方法であって、
    前記チタン酸化合物は、100ppm以上1000ppm以下の鉄を含有し、表面処理剤としてジメチルポリシロキサンを含有するシリコーンオイルを用いて表面処理が行われ、
    表面処理を行ったチタン酸化合物のカーボン量が0.15質量%以上0.50質量%以下となる様に表面処理を行うことを特徴とするチタン酸化合物の表面処理方法。
JP2010122659A 2009-06-02 2010-05-28 トナー及びチタン酸化合物の表面処理方法 Expired - Fee Related JP5516080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010122659A JP5516080B2 (ja) 2009-06-02 2010-05-28 トナー及びチタン酸化合物の表面処理方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009132878 2009-06-02
JP2009132878 2009-06-02
JP2010122659A JP5516080B2 (ja) 2009-06-02 2010-05-28 トナー及びチタン酸化合物の表面処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011013668A JP2011013668A (ja) 2011-01-20
JP5516080B2 true JP5516080B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=43220634

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010122659A Expired - Fee Related JP5516080B2 (ja) 2009-06-02 2010-05-28 トナー及びチタン酸化合物の表面処理方法

Country Status (2)

Country Link
US (1) US8298739B2 (ja)
JP (1) JP5516080B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20120308925A1 (en) * 2011-05-30 2012-12-06 Xerox Corporation Hyperpigmented black low melt toner
JP6597326B2 (ja) * 2016-01-13 2019-10-30 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6808538B2 (ja) * 2017-02-28 2021-01-06 キヤノン株式会社 トナー
JP7272067B2 (ja) 2019-04-03 2023-05-12 コニカミノルタ株式会社 電子写真画像形成方法及び電子写真画像形成システム
JP7281049B2 (ja) * 2019-04-25 2023-05-25 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 トナー

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08334918A (ja) 1995-06-09 1996-12-17 Canon Inc 画像形成方法
JP4150835B2 (ja) * 1998-04-15 2008-09-17 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 現像剤
JP4032604B2 (ja) 2000-04-06 2008-01-16 コニカミノルタホールディングス株式会社 静電荷像現像用トナーと画像形成方法
JP2006169046A (ja) * 2004-12-16 2006-06-29 Tdk Corp 水熱合成装置、チタン酸塩粉末の製造方法、チタン酸塩粉末及び積層セラミックコンデンサ
JP2006243440A (ja) * 2005-03-04 2006-09-14 Canon Inc 画像形成方法
JP4946491B2 (ja) * 2006-03-06 2012-06-06 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 現像装置及び画像形成装置
EP1862861A3 (en) * 2006-05-29 2009-07-22 Konica Minolta Business Technologies, Inc. Electrostatic image developing toner
JP2007316467A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Konica Minolta Business Technologies Inc 静電荷像現像用トナー
JP5122183B2 (ja) * 2007-05-30 2013-01-16 チタン工業株式会社 チタン酸カルシウム微粒子及び静電記録用トナー
JP2009069259A (ja) * 2007-09-11 2009-04-02 Konica Minolta Business Technologies Inc 2成分現像剤とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP4853465B2 (ja) * 2007-11-30 2012-01-11 コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 トナー

Also Published As

Publication number Publication date
US20100304288A1 (en) 2010-12-02
US8298739B2 (en) 2012-10-30
JP2011013668A (ja) 2011-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6873722B2 (ja) トナーの製造方法
JP4853465B2 (ja) トナー
JP2018194775A (ja) 静電荷像現像用トナー
WO2018003749A1 (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5879765B2 (ja) 画像形成方法
JP2010055014A (ja) 電子写真現像剤用樹脂充填型キャリア及び該樹脂充填型キャリアを用いた電子写真現像剤
JP2013061485A (ja) 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像剤、トナーカートリッジ、プロセスカートリッジ、画像形成装置、及び画像形成方法
JP6163652B2 (ja) 電子写真現像剤用多孔質フェライト芯材、樹脂被覆フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤
JP6168086B2 (ja) 静電潜像現像用二成分現像剤
JP2012168222A (ja) 静電荷像現像用トナー
JP5516080B2 (ja) トナー及びチタン酸化合物の表面処理方法
JP5077435B2 (ja) 電子写真用現像剤
JP2011022187A (ja) 静電荷像現像用トナー、フルカラートナーキット、画像形成方法
JP2009258671A (ja) 静電荷像現像用トナー、フルカラートナーキット、画像形成方法
AU2012202495B2 (en) Electrostatic charge image developing toner, electrostatic charge image developer, toner cartridge, process cartridge, image forming apparatus, and image forming method
JP2011197371A (ja) トナー及びトナーの製造方法
JP2016153817A (ja) 静電潜像現像用トナー及び静電潜像現像用二成分現像剤
JP2010176068A (ja) 静電潜像現像用トナーと画像形成装置
JP2009069259A (ja) 2成分現像剤とそれを用いた画像形成方法及び画像形成装置
JP2012098499A (ja) トナー、トナーの製造方法
JP7238491B2 (ja) 静電荷像現像用トナー及び静電荷像現像用二成分現像剤
JP5630198B2 (ja) 画像形成方法
JP2010060598A (ja) 画像形成方法
JP2009265471A (ja) 静電荷像現像用トナー及びそれを用いた画像形成方法
JP2009103781A (ja) 静電潜像を現像する画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121113

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20130207

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130415

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131018

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131029

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131211

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140210

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140304

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140317

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5516080

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees