JP7281049B2 - トナー - Google Patents
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Description
本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態に係るトナーは、トナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)の集合体(例えば粉体)である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(例えば、ボールミル)を用いてトナーとキャリアとを混合して、2成分現像剤を調製してもよい。
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の断面構造の一例を示す図である。
次に、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の要素について説明する。
トナー母粒子は、例えば全成分の70質量%以上を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。低温定着性に優れるトナーを得るためには、トナー母粒子は、結着樹脂として熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、結着樹脂全体の85質量%以上の割合で熱可塑性樹脂を含有することがより好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N-ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、及びウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン-アクリル酸エステル系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂等)も、結着樹脂として使用できる。
トナー母粒子は、着色剤を含有していてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、耐オフセット性に優れるトナーを得るために使用される。耐オフセット性に優れるトナーを得るためには、離型剤の量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナー母粒子は、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性に優れるトナーを得るために使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電させることができるか否かの指標になる。
トナー母粒子は、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル等)及びその合金、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、二酸化クロム等)、並びに強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)が挙げられる。本実施形態では、一種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子の表面に付着した外添剤を備える。外添剤は、外添剤粒子として、特定チタン酸化合物粒子の一種又は二種以上を含む。
次に、上述した実施形態に係るトナーの好適な製造方法について説明する。以下、上述した実施形態に係るトナーと重複する構成要素については説明を省略する。
まず、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を調製する。
その後、混合機を用いて、得られたトナー母粒子と、外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させる。外添剤は、特定チタン酸化合物粒子を少なくとも含む。混合機としては、例えばFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)が挙げられる。こうして、トナー粒子を含むトナーが製造される。
まず、チタン酸化合物粒子の評価方法(評価装置)について説明する。チタン酸化合物粒子の個数平均一次粒子径の測定には、日本電子株式会社製の走査型電子顕微鏡「JSM-7401F」及び画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を使用した。また、チタン酸化合物粒子中の元素の量は、誘導結合プラズマ発光分光分析装置(セイコーインスツル株式会社製「SPS1200VR」)により測定した。また、チタン酸化合物粒子の粉末X線回折パターンは、X線回折装置(株式会社リガク製「RINT(登録商標)-TTR III」、特性X線:Cu-Kα線)を用いて測定した。
1gのチタン酸化合物粒子を、圧力200kg/cm2の条件で2分間圧縮し、直径25mm、厚さ1mmの円盤状ペレット(測定試料)に成形した。次に、直径25mmの誘電率測定治具(電極)を装着した回転式レオメーター(TA Instruments社製「ARES-G2」)に上述の測定試料をセットした。そして、LCRメーター(キーサイト・テクノロジーズ株式会社製「4284AプレシジョンLCRメーター」)を用い、測定温度25℃、荷重150g、印加電圧1.0V、周波数1.0MHzの条件で、測定試料(チタン酸化合物粒子)の比誘電率を得た。
チタン酸化合物粒子を走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JSM-7401F」)により撮影し、得られた画像を画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)により解析した。詳しくは、画像内に存在するチタン酸化合物粒子から無作為に100個の粒子を選択し、それぞれの粒子の円形度(粒子の投影面積と等しい円の周囲長/粒子の周囲長)を計測した。計測された100個の粒子の円形度から個数平均値を算出し、得られた値をチタン酸化合物粒子の個数平均円形度とした。
以下、チタン酸化合物粒子EA-1~EA-4及びEB-1~EB-5の調製方法について説明する。
(反応準備工程)
まず、反応準備工程について説明する。硫酸法で得られたメタチタン酸を脱鉄処理した後、脱鉄処理したメタチタン酸に水酸化ナトリウム水溶液を加えて、pH9.0の懸濁液を調製した。得られた懸濁液を脱硫処理した後、脱硫処理した懸濁液に塩酸を加えて、懸濁液のpHを5.8に調整した。次いで、pH5.8に調整した懸濁液をろ過(固液分離)し、得られた固形分を水洗した後、水洗した固形分にイオン交換水を加えて、Tiの濃度が2.13モル/Lのスラリーを得た。得られたスラリーに塩酸を加えることにより解膠処理を行った。解膠処理後のスラリーのpHは1.4であった。次いで、解膠処理後のスラリー(TiO2換算で1.8770モル)を、3Lの反応容器に投入した。次いで、反応容器に、塩化ストロンチウム(SrCl2)の水溶液を、Sr換算で2.1590モル投入した。塩化ストロンチウム水溶液を投入した後の反応容器の内容物(以下、反応容器の内容物を、単に「容器内容物」と記載する)は、SrとTiとのモル比(Sr/Ti)が1.15であった。次いで、反応容器に、塩化ランタン(LaCl3)の水溶液を、La換算で0.2160モル投入した。塩化ランタン水溶液を投入した後の容器内容物は、LaとSrとのモル比(La/Sr)が0.10であった。次いで、反応容器に、塩化第二鉄(FeCl3)を、Fe換算で0.0094モル投入した。塩化第二鉄を投入した後の容器内容物は、FeとTiとのモル比(Fe/Ti)が0.005であった。次いで、容器内容物にイオン交換水を加えて、Tiの濃度が0.939モル/Lのスラリーを得た。
次に、反応工程について説明する。上述の手順で得られたスラリー(Tiの濃度:0.939モル/L)を攪拌しながら、反応容器の内温を90℃まで昇温させた後、反応容器に、553mLの水酸化ナトリウム水溶液(NaOHの濃度:10モル/L)を一定速度で1時間かけて添加した。次いで、反応容器の内温を95℃まで昇温させた後、反応容器の内温を95℃に保持した状態で容器内容物を1時間攪拌した。次いで、容器内容物を、その温度が50℃になるまで冷却した後、冷却した容器内容物に塩酸を加えて、容器内容物のpHを5.0に調整した。次いで、反応容器の内温を50℃に保持した状態で容器内容物を1時間攪拌し、沈殿物を得た。
次に、疎水化処理工程について説明する。温度計及び攪拌装置を備えた3つ口フラスコ内に、100質量部のチタン酸化合物粒子A-1を投入し、フラスコ内の空気を窒素で置換して、フラスコ内を窒素雰囲気にした。続けて、フラスコ内容物を攪拌しながら、15質量部のイソブチルトリメトキシシランと、チタン酸化合物粒子A-1の表面での反応(詳しくは、加水分解反応)を進行させるために適した量の蒸留水とを、フラスコ内に噴霧した。その後、フラスコ内容物を攪拌しながら、温度110℃の条件で、チタン酸化合物粒子A-1とイソブチルトリメトキシシランとを、2時間反応させた。その結果、チタン酸化合物粒子A-1(基体)と、チタン酸化合物粒子A-1の表面に付与されたイソブチル基(詳しくは、イソブチルトリメトキシシラン由来のイソブチル基)とを有するチタン酸化合物粒子EA-1の粉体を得た。
得られたチタン酸化合物粒子EA-1の個数平均一次粒子径は、30nmであった。また、得られたチタン酸化合物粒子EA-1の個数平均円形度は、0.84であった。また、得られたチタン酸化合物粒子EA-1の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EA-1は、ランタンと鉄とがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。なお、上記チタン酸化合物粒子EA-1の個数平均一次粒子径、個数平均円形度及び粉末X線回折パターンは、いずれも後述する方法でトナーを作製した後、トナー粒子から分離させたチタン酸化合物粒子EA-1の粉体を測定対象として測定した場合も同じ結果が得られた。後述するチタン酸化合物粒子EA-2~EA-4及びEB-1~EB-5の個数平均一次粒子径、個数平均円形度及び粉末X線回折パターンについても同様であった。
反応準備工程において、塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.4320モルに変更したこと、及び塩化第二鉄の使用量(投入量)をFe換算で0.0188モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA-1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EA-2の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EA-2は、ランタンと鉄とを含むチタン酸化合物粒子A-2(基体)と、チタン酸化合物粒子A-2の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EA-2の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EA-2の個数平均円形度は0.92であった。また、チタン酸化合物粒子EA-2の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EA-2は、ランタンと鉄とがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。
反応準備工程において、塩化ストロンチウムの水溶液(Sr換算で2.1590モル)の代わりに塩化バリウム(BaCl2)の水溶液(Ba換算で2.1590モル)を使用したこと、塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.0650モルに変更したこと、及び塩化第二鉄の使用量(投入量)をFe換算で0.0019モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA-1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EA-3の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EA-3は、ランタンと鉄とを含むチタン酸化合物粒子A-3(基体)と、チタン酸化合物粒子A-3の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EA-3の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EA-3の個数平均円形度は0.79であった。また、チタン酸化合物粒子EA-3の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸バリウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EA-3は、ランタンと鉄とがドープされたチタン酸バリウム粒子であった。
反応準備工程において、塩化ストロンチウムの水溶液(Sr換算で2.1590モル)の代わりに塩化カルシウム(CaCl2)の水溶液(Ca換算で2.1590モル)を使用したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA-1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EA-4の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EA-4は、ランタンと鉄とを含むチタン酸化合物粒子A-4(基体)と、チタン酸化合物粒子A-4の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EA-4の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EA-4の個数平均円形度は0.84であった。また、チタン酸化合物粒子EA-4の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸カルシウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EA-4は、ランタンと鉄とがドープされたチタン酸カルシウム粒子であった。
反応準備工程において、塩化ランタンの水溶液を使用(投入)しなかったこと、及び塩化第二鉄の使用量(投入量)をFe換算で0.0188モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA-1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB-1の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB-1は、鉄を含むチタン酸化合物粒子B-1(基体)と、チタン酸化合物粒子B-1の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB-1の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB-1の個数平均円形度は0.78であった。また、チタン酸化合物粒子EB-1の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB-1は、鉄がドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。
反応準備工程において、塩化第二鉄を使用(投入)しなかったこと、塩化ストロンチウムの水溶液(Sr換算で2.1590モル)の代わりに塩化バリウム(BaCl2)の水溶液(Ba換算で2.1590モル)を使用したこと、及び塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.0650モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA-1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB-2の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB-2は、ランタンを含むチタン酸化合物粒子B-2(基体)と、チタン酸化合物粒子B-2の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB-2の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB-2の個数平均円形度は0.81であった。また、チタン酸化合物粒子EB-2の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸バリウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB-2は、ランタンがドープされたチタン酸バリウム粒子であった。
反応準備工程において、塩化第二鉄の使用量(投入量)をFe換算で0.0206モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA-1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB-3の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB-3は、ランタンと鉄とを含むチタン酸化合物粒子B-3(基体)と、チタン酸化合物粒子B-3の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB-3の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB-3の個数平均円形度は0.84であった。また、チタン酸化合物粒子EB-3の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB-3は、ランタンと鉄とがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。
反応準備工程において、塩化第二鉄を使用(投入)しなかったこと、塩化ストロンチウムの水溶液の使用量(投入量)をSr換算で1.8770モルに変更したこと、及び塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.3380モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA-1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB-4の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB-4は、ランタンを含むチタン酸化合物粒子B-4(基体)と、チタン酸化合物粒子B-4の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB-4の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB-4の個数平均円形度は0.85であった。また、チタン酸化合物粒子EB-4の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB-4は、ランタンがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。
反応準備工程において、塩化ランタンの水溶液の使用量(投入量)をLa換算で0.0432モルに変更したこと以外は、チタン酸化合物粒子EA-1の調製と同じ方法で、チタン酸化合物粒子EB-5の粉体を得た。チタン酸化合物粒子EB-5は、ランタンと鉄とを含むチタン酸化合物粒子B-5(基体)と、チタン酸化合物粒子B-5の表面に付与されたイソブチル基とを有するチタン酸化合物粒子であった。また、チタン酸化合物粒子EB-5の個数平均一次粒子径は30nmであった。また、チタン酸化合物粒子EB-5の個数平均円形度は0.78であった。また、チタン酸化合物粒子EB-5の粉末X線回折パターンのピーク位置は、チタン酸ストロンチウム(母材)のペロブスカイト型結晶構造の粉末X線回折パターンのピーク位置と一致していた。つまり、チタン酸化合物粒子EB-5は、ランタンと鉄とがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子であった。
以下、トナーTA-1~TA-5及びTB-1~TB-6の作製方法を説明する。
(ポリエステル樹脂の合成工程)
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(エチレンオキサイドの平均付加モル数:2モル)1.0モルと、テレフタル酸4.5モルと、無水トリメリット酸0.5モルと、酸化ジブチル錫4.0gとを、反応容器に入れた。続けて、窒素雰囲気の大気圧下、温度230℃で8時間、容器内容物を反応させた。その後、容器内の圧力を8.3kPaまで減圧して、未反応成分を減圧留去し、軟化点(Tm)が120℃のポリエステル樹脂(結着樹脂)が得られた。
上述の合成工程により得られたポリエステル樹脂100質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:1、山陽色素株式会社製)4質量部と、離型剤としてのカルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)10質量部と、正帯電性の電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「アクリベース(登録商標)FCA-201-PS」)3質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-20B」)に投入した後、これらの材料を回転速度2000rpmの条件で4分間混合した。
100質量部のトナー母粒子(上述の調製工程で得られたトナー母粒子)と、0.5質量部のチタン酸化合物粒子EA-1と、1.5質量部の疎水性シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA-200H」)と、1.0質量部の導電性酸化チタン粒子(チタン工業株式会社製「EC-100」)とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM-10B」)に投入した。次いで、上記FMミキサーを用いて、回転速度3500rpmかつジャケット温度20℃の条件で、トナー母粒子と外添剤(チタン酸化合物粒子EA-1、疎水性シリカ粒子及び導電性酸化チタン粒子)とを15分間混合した。これにより、トナー母粒子の表面に外添剤の全量を付着させた。
チタン酸化合物粒子の種類及びその投入量を、後述する表2に示すとおりとしたこと以外は、トナーTA-1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTA-2~TA-5及びTB-2~TB-6をそれぞれ作製した。また、チタン酸化合物粒子EA-1を使用(投入)しなかったこと以外は、トナーTA-1の作製と同じ方法で、正帯電性のトナーTB-1を作製した。なお、表2において、チタン酸化合物粒子の欄の「投入量」は、100質量部のトナー母粒子に対してFMミキサーへ投入された各チタン酸化合物粒子の量(単位:質量部)である。また、表2において、チタン酸化合物粒子の欄の「-」は、チタン酸化合物粒子を使用しなかったことを意味する。
以下、トナーTA-1~TA-5及びTB-1~TB-6の評価方法について説明する。
(キャリアの作製工程)
キャリアコアとして、フェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF-35B」、体積中位径(D50):35μm)を準備した。また、キャリアコアを被覆するコート層の原料を含む液(コート液)として、トルエンを用いて固形分濃度17質量%に希釈した加熱硬化型シリコーン樹脂(信越化学工業株式会社製「KR-220L」、硬化開始温度:170℃)の溶液を準備した。転動流動層コーティング装置(岡田精工株式会社製「スピラコータ(登録商標)SP-25」)に上記フェライトコア1000質量部を投入し、フェライトコアを流動させながら、フェライトコアに向けて、上記コート液120質量部を噴霧した。続けて、コート液で覆われたフェライトコアを、温度200℃の条件で2時間熱処理することにより、フェライトコアの表面全域がコート層(シリコーン樹脂から構成された層)で覆われたキャリア粒子の粉体(キャリア)が得られた。
上述の作製工程により得られたキャリア100質量部と、トナー(評価対象:トナーTA-1~TA-5及びTB-1~TB-6のいずれか)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用の2成分現像剤を調製した。
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3252ci」)を用いた。上記評価機は、有機感光体ドラム(有機光導電体を含む感光層を含有する感光体ドラム)を備えていた。前述のようにして調製した2成分現像剤を上記評価機のシアン用現像装置に投入し、補給用トナー(評価対象:トナーTA-1~TA-5及びTB-1~TB-6のいずれか)を上記評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
A:筋が全く観察されなかった。
B:筋が少し観察されたが、実用上問題のないレベルであった。
C:筋が観察され、観察された筋は実用上問題のあるレベルであった。
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3252ci」)を用いた。温度32.5℃かつ湿度80%RHの高温高湿環境下、前述のようにして調製した2成分現像剤、及び補給用トナー(評価対象:トナーTA-1~TA-5及びTB-1~TB-6のいずれか)を24時間にわたって静置した。次いで、静置した2成分現像剤を上記評価機のシアン用現像装置に投入し、静置した補給用トナーを上記評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
(初期帯電量)
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3252ci」)を用いた。温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、前述のようにして調製した2成分現像剤、及び補給用トナー(評価対象:トナーTA-1~TA-5及びTB-1~TB-6のいずれか)を12時間にわたって静置した。次いで、静置した2成分現像剤を上記評価機のシアン用現像装置に投入し、静置した補給用トナーを上記評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
評価機としては、カラー複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa 3252ci」)を用いた。温度10℃かつ湿度10%RHの低温低湿環境下、前述のようにして調製した2成分現像剤、及び補給用トナー(評価対象:トナーTA-1~TA-5及びTB-1~TB-6のいずれか)を12時間にわたって静置した。次いで、静置した2成分現像剤を上記評価機のシアン用現像装置に投入し、静置した補給用トナーを上記評価機のシアン用トナーコンテナに投入した。
11 :トナー母粒子
12 :特定チタン酸化合物粒子(チタン酸化合物粒子)
Claims (8)
- トナー粒子を含むトナーであって、
前記トナー粒子は、結着樹脂を含むトナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを備え、
前記外添剤は、外添剤粒子として、ランタンと鉄とがドープされたチタン酸化合物粒子を含み、
前記ランタンの量は、前記チタン酸化合物粒子の全質量に対して1.50質量%以上1.75質量%以下であり、
前記鉄の量は、前記チタン酸化合物粒子の全質量に対して10質量ppm以上50質量ppm以下である、トナー。 - 前記チタン酸化合物粒子の個数平均円形度は、0.79以上1.00以下である、請求項1に記載のトナー。
- 前記チタン酸化合物粒子は、前記ランタンと前記鉄とがドープされたチタン酸ストロンチウム粒子、前記ランタンと前記鉄とがドープされたチタン酸バリウム粒子、又は前記ランタンと前記鉄とがドープされたチタン酸カルシウム粒子である、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記チタン酸化合物粒子の量は、前記トナー母粒子100質量部に対して0.1質量部以上1.2質量部以下である、請求項1~3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記チタン酸化合物粒子の個数平均一次粒子径は、20nm以上80nm以下である、請求項1~4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記チタン酸化合物粒子の比誘電率は、100以上1200以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記チタン酸化合物粒子の表面は、疎水化処理されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記チタン酸化合物粒子の表面は、炭素原子数3以上8以下のアルキル基を有する、請求項7に記載のトナー。
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