JP6287959B2 - トナー - Google Patents

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Description

本発明は、トナーに関し、特に外添剤を有するトナーに関する。
トナーは複数のトナー粒子を含む。トナーは、例えば静電潜像の現像に用いられる。例えば電子写真装置では、感光体ドラムに形成された静電潜像に、帯電したトナーを付着させて、静電潜像を現像する。そして、付着したトナーを記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、トナーを加熱して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。
例えばトナーの流動性、帯電性、又はクリーニング性を向上させるために、外添剤を使用することがある。外添剤を使用したトナーでは、一般的に、トナー粒子が、主に結着樹脂から構成されるトナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有する。外添剤の好適な例として、研磨性を有する酸化チタン粒子が挙げられる。外添剤として酸化チタン粒子を用いることで、画像形成プロセスにおいて、感光体ドラムの表面をリフレッシュすることが可能になる。詳しくは、トナーの研磨作用により、感光体ドラムの表面に付着した異物を除去することが可能になる。
例えば、特許文献1には、トナーの帯電性等を改善するために、シラン化合物を用いて酸化チタン粒子の表面を処理する技術が開示されている。
特開平10−3177号公報
しかしながら、特許文献1に開示されている技術だけでは、優れた正帯電性及び帯電安定性を有するトナーを得ることは難しい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、優れた正帯電性及び帯電安定性を有するトナーを提供することを目的とする。また、本発明は、優れた耐久性を有するトナーを提供することを他の目的とする。
本発明のトナーは、トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有するトナー粒子を複数含む。前記外添剤は、酸化チタン粒子と、金属水酸化物層と、コート層とを有する。前記金属水酸化物層は、前記酸化チタン粒子の表面に形成されている。前記コート層の少なくとも一部は、前記金属水酸化物層の表面に形成されている。前記コート層は、実質的に含窒素樹脂から構成される。
本発明によれば、優れた正帯電性及び帯電安定性を有するトナーを提供することが可能になる。また、本発明によれば、この効果に加えて又はこの効果に代えて、優れた耐久性を有するトナーを提供することが可能になるという効果が奏される場合がある。
本発明の実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態のトナーは、複数のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含む粉体である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、混合装置(より具体的には、ボールミル等)を用いて、トナーとキャリアとを混合して2成分現像剤を調製してもよい。高画質の画像を形成するためには、現像剤用キャリアとしてフェライトキャリアを使用することが好ましい。また、高画質の画像を形成するためには、2成分現像剤におけるトナーの量は、キャリア100質量部に対して、5質量部以上15質量部以下であることが好ましく、8質量部以上12質量部以下であることがより好ましい。
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子10の構成について説明する。図1に示されるように、トナー粒子10は、トナー母粒子11と、外添剤12とを有する。トナー母粒子11の表面には外添剤12が付着している。また、外添剤12は、酸化チタン粒子12aと、コート層12bとを有する。コート層12bは、酸化チタン粒子12aの表面に形成されている。酸化チタン粒子12aはコート層12bで被覆されている。ただし、酸化チタン粒子12aとコート層12bとの間には、図示しない金属水酸化物層が形成されている。酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物を膜状に形成することで、酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層を形成することができる。コート層12bは、実質的に含窒素樹脂から構成される。
なお、トナー母粒子は、カプセル化されていてもよい。カプセル化されたトナー母粒子は、例えば、図1に示されるトナー母粒子11と同様の構成を有するコアと、コアの表面に形成されたシェル層(カプセル層)とを有する。シェル層は、実質的に熱硬化性樹脂(より具体的には、メラミン樹脂等)のみからなってもよいし、実質的に熱可塑性樹脂(より具体的には、アクリル酸系樹脂又はスチレン−アクリル酸系樹脂等)のみからなってもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有してもよい。
本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、画像データに基づいて感光体(例えば、感光体ドラムの表層部)に静電潜像を形成する。次に、形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像する。現像工程では、現像スリーブ(例えば、現像器内の現像ローラーの表層部)上のトナー(帯電したトナー)を感光体の静電潜像に付着させて、感光体上にトナー像を形成する。そして、続く転写工程では、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに転写ベルト上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、トナーを加熱して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。
本実施形態に係るトナーは、次に示す構成(1)及び(2)を有する。
(1)トナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有する。
(2)外添剤は、酸化チタン粒子と、酸化チタン粒子の表面に形成されている金属水酸化物層と、少なくとも一部が金属水酸化物層の表面に形成されているコート層とを有する。コート層は、実質的に含窒素樹脂から構成される。以下、構成(2)を有する外添剤を、本実施形態の外添剤と記載する。また、コート層を形成するための材料を、コート材料と記載する。
構成(1)は、トナーの流動性、帯電性、又はクリーニング性を向上させるために有益である。
構成(2)は、トナーの正帯電性、帯電安定性、及び耐久性を向上させるために有益である。以下、構成(2)の作用及び効果について詳述する。
画像形成装置において用いられる感光体ドラムは、表面に感光体層を有する。静電潜像は、感光体層に形成される。感光体層を構成する感光体としては、例えばアモルファスシリコン感光体(a−Si感光体)が好ましい。a−Si感光体は、高い感度と高い硬度(例えば、ビッカース硬さ(HV)で1500以上2000以下の硬度)とを有する。このため、a−Si感光体から構成される感光体層を有する感光体ドラム(a−Si感光体ドラム)は、感度と耐久性との両方に優れる。長期にわたって高画質の画像を形成するためには、画像形成装置の感光体ドラムとして、a−Si感光体ドラムを用いることが好ましい。また、酸化チタン粒子は、研磨性を有する。このため、酸化チタン粒子を用いて感光体ドラムの表面をクリーニングすることができる。構成(2)を有するトナーを用いることで、トナーの研磨作用により、感光体ドラムの表面(詳しくは、感光体層の表面)に付着した異物を除去することが可能になる。また、必要に応じて、トナーにより感光体層が研磨されるようにしてもよい。a−Si感光体ドラムは、耐摩耗性に優れるため、研磨されても摩耗しにくい。
酸化チタン粒子は、酸性物質であり、負帯電性が強い。そのため、酸化チタン粒子は正帯電しにくい。また、酸化チタン粒子は水分吸着性が高い。そのため、湿度の高い環境下では、酸化チタン粒子の帯電量が低下し易い。しかし、外添剤が、酸化チタン粒子に加えて、金属水酸化物層とコート層とを有することで、酸化チタン粒子の帯電性が改善される。
構成(2)を有するトナーでは、酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層が形成されている。金属水酸化物層は、酸化チタン粒子よりも強い正帯電性を有する傾向がある。また、金属水酸化物層の水分吸着性は、酸化チタン粒子の水分吸着性よりも低い傾向がある。このため、酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層が形成されることで、外添剤が正帯電し易くなるとともに、外添剤の帯電安定性が向上すると考えられる。
また、構成(2)を有するトナーでは、実質的に含窒素樹脂から構成されるコート層の少なくとも一部が、金属水酸化物層の表面に形成されている。含窒素樹脂は、その化学構造中に窒素原子を含む樹脂である。含窒素樹脂は正帯電し易い傾向がある。このため、酸化チタン粒子が上記コート層で被覆されることで、外添剤が正帯電し易くなると考えられる。また、酸化チタン粒子が上記コート層で被覆されることで、外添剤の帯電安定性が向上すると考えられる。含窒素樹脂は強い疎水性を有するため、酸化チタン粒子が上記コート層で被覆されることで、高湿(例えば、80%RH)環境下でも、常湿環境下と比較してトナーの帯電性がほとんど劣化せず、トナーを常湿環境下と略同等の帯電性に維持することが可能になると考えられる。また、酸化チタン粒子がコート層で被覆されることで、外添剤の耐久性(ひいては、トナーの耐久性)が向上すると考えられる。
トナーの正帯電性、帯電安定性、及び耐久性を向上させるためには、コート層が、80質量%以上の割合で含窒素樹脂を含むことが好ましく、90質量%以上の割合で含窒素樹脂を含むことがより好ましく、100質量%の割合で含窒素樹脂を含むことがさらに好ましい。
トナーの正帯電性、帯電安定性、及び耐久性を向上させるためには、酸化チタン粒子の表面積に対するコート層の被覆面積率(以下、コート率と記載する)が、50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。金属水酸化物層は、酸化チタン粒子の全体を完全に被覆していてもよいし、酸化チタン粒子を部分的に被覆していてもよい。金属水酸化物層が酸化チタン粒子を部分的に被覆している場合には、コート層が、酸化チタン粒子の表面に形成されている第1部分と、金属水酸化物層の表面に形成されている第2部分とを含むことで、外添剤のコート率を高めることが可能になる。一方、外添剤の製造し易さを向上させるためには、外添剤のコート率が95%以下であることが好ましい。
含窒素樹脂の中間体がメチロール基を有する場合には、含窒素樹脂を合成するための重合反応において、中間体のメチロール基が、ヒドロキシル基を有する金属水酸化物との間に結合を形成し易い。例えば、酸触媒下での加熱により、金属水酸化物とメチロール基との間で脱水縮合反応が起こり、両者の間に共有結合が形成される傾向がある。金属水酸化物層とコート層とを強固に結合させるためには、金属水酸化物層とコート層との間に、メチロール基に由来する結合が形成されていることが好ましい。また、酸化チタン粒子の表面のうち、金属水酸化物に覆われていない領域には、ヒドロキシル基が存在すると考えられる。こうしたヒドロキシル基は、中間体のメチロール基との間に共有結合を形成し易い。上述のような共有結合が形成されることで、酸化チタン粒子とコート層とを強固に結合させることが可能になる。酸化チタン粒子とコート層とを強固に結合させるためには、酸化チタン粒子とコート層(詳しくは、上述の第1部分)との間に、ヒドロキシル基に由来する結合が形成されていることが好ましい。
トナーの耐久性を向上させるためには、コート層が、含窒素樹脂として熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。加熱により熱硬化性樹脂の硬化反応が進むことで、熱硬化性樹脂の強度が向上すると考えられる。熱硬化性樹脂は、高い強度を有する傾向がある。このため、外添剤のコート層が熱硬化性樹脂を含むことで、トナーのストレス耐性を高めることが可能になる。
酸化チタン粒子を均一な厚さのコート層で被覆するためには、水性媒体(特に、酸性又はアルカリ性の水溶液)中でコート層を形成することが好ましい。また、水性媒体中でコート層を形成するためには、コート材料(特に、含窒素樹脂を合成するためのモノマー)が水溶性を有することが好ましい。水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性媒体との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、アルコール(より具体的には、メタノール又はエタノール等)を使用できる。
酸化チタン粒子を均一な厚さの金属水酸化物層で被覆するためには、水性媒体(酸性又はアルカリ性の水溶液)中で金属水酸化物層を形成することが好ましい。また、水性媒体中で金属水酸化物層を形成するためには、金属水酸化物層が水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも一方を含むことが好ましい。水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムはそれぞれ、中性の水に対しては難溶又は不溶であり、酸性又はアルカリ性の水溶液に対しては可溶である。このため、金属水酸化物層を構成する金属水酸化物が水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムである場合には、水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムを含む水性媒体のpHを制御することで、形成される金属水酸化物層の膜質又は膜厚を容易に調整することが可能になる。
トナー母粒子の表面には、本実施形態の外添剤に加えて、本実施形態の外添剤以外の外添剤(他の外添剤)が付着していてもよい。例えば、本実施形態の外添剤と共に、他の外添剤(より具体的には、シリカ粒子等)をトナー母粒子の表面に付着させることで、トナーの帯電量等を調整し易くなる。
本実施形態に係るトナーは、構成(1)及び(2)の両方を有するトナー粒子(以下、本実施形態のトナー粒子と記載する)を複数含む。本実施形態のトナー粒子を含むトナーは、正帯電性、帯電安定性、及び耐久性に優れる(後述する表2及び表3を参照)。なお、トナーの正帯電性、帯電安定性、及び耐久性を向上させるためには、トナーが、80個数%以上の割合で本実施形態のトナー粒子を含むことが好ましく、90個数%以上の割合で本実施形態のトナー粒子を含むことがより好ましく、100個数%の割合で本実施形態のトナー粒子を含むことがさらに好ましい。
以下、トナー母粒子(結着樹脂及び内添剤)及び外添剤について、順に説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。また、粉体の個数平均粒子径は、何ら規定していなければ、顕微鏡を用いて測定された一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)である。以下、化合物名の後に「系」を付けて、化合物及びその誘導体を包括的に総称する場合がある。化合物名の後に「系」を付けて重合体名を表す場合には、重合体の繰返し単位が化合物又はその誘導体に由来することを意味する。また、アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
[トナー母粒子]
トナー母粒子は、結着樹脂を含む。また、トナー母粒子は、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤)を含んでもよい。ただし、トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、着色剤、離型剤、又は電荷制御剤)を割愛してもよい。また、必要に応じて、トナー母粒子に磁性粉を含ませてもよい。
トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、トナー母粒子の粒子径は4μm以上10μm以下であることが好ましい。
(結着樹脂)
トナー母粒子の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占めることが多い。このため、結着樹脂の性質がトナー母粒子全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。水性媒体に対するトナー母粒子の濡れ性を向上させるためには、結着樹脂の溶解指数(SP値)が、10以上であることが好ましく、18以上28以下であることがより好ましい。
トナーの保存安定性、形態保持性、又は耐久性を向上させるためには、結着樹脂のガラス転移点(Tg)が、45℃以上65℃以下であることが好ましく、50℃以上60℃以下であることがより好ましい。示差走査熱量計を用いて試料(結着樹脂)の吸熱曲線を測定することで、得られた吸熱曲線における比熱の変化点から試料のTgを求めることができる。例えば、試料(結着樹脂)10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/分の条件で、試料の吸熱曲線を求める。
トナーの定着性を向上させるためには、結着樹脂として熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。結着樹脂が熱可塑性樹脂である場合、熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、又はポリメタクリル酸メチル(PMMA)等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、もしくはウレタン樹脂のような単独重合体、又はこれらの単独重合体のいずれかの繰返し単位と同一のモノマーに由来する繰返し単位を1種以上含む共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)が好ましい。トナー中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、及び記録媒体に対するトナーの定着性を向上させるためには、スチレン−アクリル酸系樹脂又はポリエステル樹脂が特に好ましい。
以下、結着樹脂として用いることのできるスチレン−アクリル酸系樹脂について説明する。スチレン−アクリル酸系樹脂は、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体である。
スチレン−アクリル酸系樹脂を調製するためのスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、又はp−エチルスチレンが好ましい。
スチレン−アクリル酸系樹脂を調製するためのアクリル酸系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが好ましい。
スチレン−アクリル酸系樹脂を調製する際に、ヒドロキシル基を有するモノマー(より具体的には、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等)を用いることで、スチレン−アクリル酸系樹脂にヒドロキシル基を導入できる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーの使用量を調整することで、得られるスチレン−アクリル酸系樹脂の水酸基価を調整できる。
スチレン−アクリル酸系樹脂を調製する際に、(メタ)アクリル酸(モノマー)を用いることで、スチレン−アクリル酸系樹脂にカルボキシル基を導入できる。また、(メタ)アクリル酸の使用量を調整することで、得られるスチレン−アクリル酸系樹脂の酸価を調整することができる。
トナー母粒子の結着樹脂としてスチレン−アクリル酸系樹脂を使用する場合、トナー母粒子の強度及びトナーの定着性を向上させるためには、スチレン−アクリル酸系樹脂の数平均分子量(Mn)が2000以上3000以下であることが好ましい。スチレン−アクリル酸系樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は10以上20以下であることが好ましい。スチレン−アクリル酸系樹脂のMn及びMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
以下、結着樹脂として用いることのできるポリエステル樹脂について説明する。ポリエステル樹脂は、2価又は3価以上のアルコールと2価又は3価以上のカルボン酸とを縮重合又は共縮重合させることで得られる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、ジオール類又はビスフェノール類のような2価アルコールを使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールのようなジオール類を好適に使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル、又はポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテルのようなビスフェノール類を好適に使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコールを好適に使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸等)、又はアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸等)のような2価カルボン酸を好適に使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸を好適に使用できる。
上記2価又は3価以上のカルボン酸は、エステル形成性の誘導体(より具体的には、酸ハライド、酸無水物、又は低級アルキルエステル等)に変形して用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素数1以上6以下のアルキル基を意味する。
ポリエステル樹脂を調製する際に、アルコールの使用量とカルボン酸の使用量とをそれぞれ変更することで、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価を調整することができる。ポリエステル樹脂の分子量を上げると、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は低下する傾向がある。
トナー母粒子の結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用する場合、トナー母粒子の強度及びトナーの定着性を向上させるためには、ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000以上2000以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は9以上21以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂のMn及びMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
結着樹脂は、熱可塑性樹脂のみであってもよいし、2種類の樹脂(例えば、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂)であってもよい。また、結着樹脂に架橋剤を添加してもよい。結着樹脂中に架橋構造を形成することで、トナーの保存安定性、形態保持性、又は耐久性を向上させることが可能になる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、又はシアネート系樹脂のような熱硬化性樹脂を、結着樹脂として使用することができる。1種類の熱硬化性樹脂を単独で使用してもよいし、2種以上の熱硬化性樹脂を組み合わせて使用してもよい。
(着色剤)
トナー母粒子は、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。トナーを用いて高画質の画像を形成するためには、着色剤の使用量が、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、2質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
トナー母粒子は、黒色着色剤を含んでいてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナー母粒子は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含んでいてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、カラーインデックスによって分類されるC.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナー母粒子は、離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、3質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物性ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物性ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナー母粒子に添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナー母粒子は、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナー母粒子に正帯電性の電荷制御剤を含ませることで、トナーのカチオン性を強めることができる。また、トナー母粒子に負帯電性の電荷制御剤を含ませることで、トナーのアニオン性を強めることができる。
正帯電性の電荷制御剤としては、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,2−オキサジン、1,3−オキサジン、1,4−オキサジン、1,2−チアジン、1,3−チアジン、1,4−チアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−オキサジアジン、1,3,4−オキサジアジン、1,2,6−オキサジアジン、1,3,4−チアジアジン、1,3,5−チアジアジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,5−テトラジン、1,2,4,6−オキサトリアジン、1,3,4,5−オキサトリアジン、フタラジン、キナゾリン、又はキノキサリンのようなアジン化合物;アジンファストレッドFC、アジンファストレッド12BK、アジンバイオレットBO、アジンブラウン3G、アジンライトブラウンGR、アジンダークグリ−ンBH/C、アジンディ−プブラックEW、又はアジンディーブラック3RLのような直接染料;ニグロシン化合物(より具体的には、ニグロシンBK、ニグロシンNB、又はニグロシンZ等)のような酸性染料;ナフテン酸又は高級有機カルボン酸の金属塩類;アルコキシル化アミン;アルキルアミド;ベンジルデシルヘキシルメチルアンモニウムクロライド、又はデシルトリメチルアンモニウムクロライドのような4級アンモニウム塩を好適に使用できる。帯電立ち上がり特性を向上させるためには、上記正帯電性の電荷制御剤のうち、ニグロシン化合物を用いることが特に好ましい。
負帯電性の電荷制御剤としては、有機金属錯体又はキレート化合物を好適に使用できる。トナーの帯電立ち上がり特性を向上させるためには、負帯電性の電荷制御剤として、例えば、アセチルアセトン金属錯体(より具体的には、アルミニウムアセチルアセトナート又は鉄(II)アセチルアセトナート等)、サリチル酸系金属錯体(より具体的には、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸クロム等)、又はサリチル酸系金属塩を用いることが好ましく、サリチル酸系金属錯体又はサリチル酸系金属塩を用いることが特に好ましい。
1種類の電荷制御剤を単独で使用してもよいし、2種以上の電荷制御剤を組み合わせて使用してもよい。電荷制御剤の使用量は、トナー全量100質量部に対して、1.5質量部以上15質量部以下であることが好ましく、3質量部以上8質量部以下であることがより好ましい。
[外添剤]
本実施形態に係るトナーは、前述の構成(1)及び(2)を有する。本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有する。外添剤は、酸化チタン粒子と、金属水酸化物層と、コート層とを有する。コート層は、実質的に含窒素樹脂から構成される。金属水酸化物層は、酸化チタン粒子の表面に形成されている。コート層の少なくとも一部は、金属水酸化物層の表面に形成されている。トナー粒子のカチオン性を強めるためには、外添剤を構成する酸化チタン粒子が、正帯電性の酸化チタン粒子であることが好ましい。トナー粒子のカチオン性を強めるためには、金属水酸化物層を構成する金属水酸化物が、水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムであることが好ましい。ただし、金属水酸化物層を構成する金属水酸化物の種類は任意であり、例えば水酸化亜鉛であってもよい。コート層の表面が疎水化処理されてもよい。例えばアミノ変性シリコーンオイルを用いて、コート層の表面のヒドロキシル基を除去することで、トナーの帯電安定性が向上すると考えられる。
トナーに適度な研磨性を付与しつつ、トナーの流動性及び耐環境性を向上させるためには、外添剤の酸化チタン粒子の粒子径が、下記方法で測定される個数平均一次粒子径で、10nm以上500nm以下であることが好ましく、200nm以上400nm以下であることがより好ましい。外添剤を構成する酸化チタン粒子の個数平均一次粒子径が大きくなるほど、感光体ドラムに対するトナーの研磨性が強くなる傾向がある。
<酸化チタン粒子の個数平均一次粒子径の測定方法>
試料(例えば、100個以上の酸化チタン粒子)と着色剤とを混合して、試料を着色する。続けて、着色された試料を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて撮影し、試料のSEM撮影像を得る。続けて、得られた試料のSEM撮影像をデジタル化し、画像解析ソフトウェアを用いて画像データ(デジタルデータ)を画像処理することにより、試料に含まれる相当数(例えば、100個)の酸化チタン粒子の各々について、その粒子径(円相当径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)を測定する。続けて、測定された全ての粒子径の和を、測定された酸化チタン粒子の個数(例えば、100個)で除算する。これにより、試料(酸化チタン粒子)の個数平均一次粒子径が得られる。
1種類の外添剤を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤を組み合わせて使用してもよい。例えば、2種以上の本実施形態の外添剤をトナー母粒子の表面に付着させてもよいし、本実施形態の外添剤に加えて、他の外添剤を、トナー母粒子の表面に付着させてもよい。他の外添剤としては、例えば、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子を好適に使用できる。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
トナーが正帯電性トナーである場合には、例えば、トナー母粒子がカチオン性(正帯電性)を有し、外添剤の酸化チタン粒子がアニオン性(負帯電性)を有し、外添剤のコート層がカチオン性(正帯電性)を有するようにトナーを構成することが考えられる。通常、酸化チタン粒子は、負に帯電し易い。しかし、酸化チタン粒子の表面にカチオン性のコート層が形成されることで、トナーを正の帯電量に安定して帯電させることが可能になる。外添剤の酸化チタン粒子としては、例えば、親水性の酸化チタン粒子を好適に使用できる。酸化チタン粒子を構成する酸化チタンは、アナターゼ型酸化チタンであってもよいし、ルチル型酸化チタンであってもよい。
コート層は、実質的に熱硬化性樹脂のみからなってもよいし、実質的に熱可塑性樹脂のみからなってもよいし、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂との両方を含んでいてもよい。トナーの耐熱保存性を向上させるためには、コート層が熱硬化性樹脂を含むことが好ましく、コート層が実質的に熱硬化性樹脂から構成されることがより好ましい。トナーの耐熱保存性を向上させるためには、コート層に含まれる樹脂のうち、80質量%以上の樹脂が熱硬化性樹脂であることが好ましく、90質量%以上の樹脂が熱硬化性樹脂であることがより好ましく、100質量%の樹脂が熱硬化性樹脂であることがさらに好ましい。
コート層を構成する含窒素樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂(より具体的には、メラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、ポリイミド樹脂、又はアニリン樹脂)又は熱可塑性樹脂(より具体的には、ポリアミド樹脂、ウレタン樹脂、又はポリアミドイミド樹脂等)が好ましい。トナーの耐久性を向上させるためには、コート層を構成する含窒素樹脂として熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
コート層を構成する含窒素樹脂(特に、熱硬化性樹脂)の調製には、メチロールメラミン、メラミン、メチロール化尿素(より具体的には、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素等)、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、及びスピログアナミンからなる群より選択される1種以上のモノマーを好適に使用できる。
メラミン樹脂及び尿素樹脂はそれぞれ、複雑な三次元の網目構造を有するため、高い硬度及び高い耐久性を有する。また、メラミン樹脂及び尿素樹脂はそれぞれ、熱硬化性樹脂であり、高い耐熱性を有する。また、メラミン樹脂及び尿素樹脂はそれぞれ、含窒素樹脂であり、高い正帯電性を有する。また、メラミン樹脂及び尿素樹脂の各々の重合は脱水縮合によって行われる。また、メラミン樹脂及び尿素樹脂の各々の中間体はそれぞれ、メチロール基を有する。このため、メラミン樹脂及び尿素樹脂はそれぞれ、金属水酸化物と結合し易い。例えば、酸触媒下での加熱により、金属水酸化物とメチロール基との間で脱水縮合反応が起こり、両者の間に共有結合が形成される傾向がある。そのため、コート層に含まれる含窒素樹脂としてメラミン樹脂又は尿素樹脂を用いた場合には、金属水酸化物層に強く結合するコート層を形成し易い。また、コート層が実質的にメラミン樹脂から構成される場合、コート層が実質的にウレタン樹脂から構成される場合よりも、トナーの研磨性が強くなる傾向がある。
メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとの縮重合により得られる。具体的には、メラミンとホルムアルデヒドとを付加反応させる。これにより、メラミン樹脂の前駆体(メチロールメラミン)が得られる。続けて、メチロールメラミン同士を縮合反応(架橋反応)させる。これにより、一のメチロールメラミンのアミノ基が、メチレン基を介して、他のメチロールメラミンのアミノ基と結合する。その結果、メラミン樹脂が得られる。
メチロールメラミンの官能基の種類又は数を変更することで、メチロールメラミンの水への溶解性を変えることができる。このため、水性媒体中でメチロールメラミンを重合させることは比較的容易である。
尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとの縮重合により得られる。具体的には、上記メラミン樹脂の合成方法においてメラミンに代えて尿素を用いることで、尿素樹脂を合成できる。
[トナーの製造方法]
上記構成を有する本実施形態に係るトナーは、例えば、混合装置を用いてトナー母粒子と外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させることで、製造することができる。以下、トナー母粒子を準備する工程と、外添剤を準備する工程とについて、説明する。
(トナー母粒子の準備)
好適なトナー母粒子を容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナー母粒子を製造することが好ましく、粉砕法によりトナー母粒子を製造することがより好ましい。
以下、粉砕法の一例について説明する。まず、結着樹脂と、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)とを混合する。続けて、得られた混合物を溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。その結果、所望の粒子径を有するトナー母粒子が得られる。
以下、凝集法の一例について説明する。まず、結着樹脂、離型剤、及び着色剤の各々の微粒子を含む水性媒体中で凝集させて、これらの微粒子を所望の粒子径になるまで凝集させる。これにより、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含む凝集粒子が形成される。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。その結果、トナー母粒子の分散液が得られる。その後、トナー母粒子の分散液から、不要な物質(分散剤等)を除去することで、トナー母粒子が得られる。
(外添剤の準備)
以下、外添剤の作製方法の一例について説明する。まず、酸化チタン粒子を準備する。続けて、準備された酸化チタン粒子の表面に、金属水酸化物層を形成する。続けて、形成された金属水酸化物層の表面に、コート層を形成する。コート層は、実質的に含窒素樹脂から構成される。コート層は、その全部が金属水酸化物層上に形成されてもよいし、その一部のみが金属水酸化物層上に形成されてもよい。金属水酸化物層及びコート層はそれぞれ、反応法により形成してもよいし、溶液塗布法により形成してもよい。反応法により粒子の表面に層(金属水酸化物層又はコート層)を形成する場合には、層の材料を溶かした溶媒に粒子を分散させて、溶媒中で材料を反応させることで、粒子の表面に層を形成する。溶液塗布法により粒子の表面に層(金属水酸化物層又はコート層)を形成する場合には、材料を溶解させた溶液を粒子の表面に塗布した後、溶媒を除去することで、粒子の表面に層を形成する。反応法によって層を形成した場合、層と粒子との間の接着性が長期にわたって強く維持される傾向がある。
以下、より具体的な例に基づいて、本実施形態に係るトナーの製造方法についてさらに説明する。まず、水性媒体中に酸化チタン粒子を分散させて、酸化チタン粒子の分散液を得る。酸化チタン粒子としては、例えば、市販の酸化チタン粒子を用いることができる。液中に酸化チタン粒子を高度に分散させるためには、混合装置(より具体的には、プライミクス株式会社製「ハイビスミックス」等)を用いて酸化チタン粒子の分散液を攪拌することが好ましい。
続けて、液の温度を第1の温度(例えば、40℃以上90℃以下から選ばれる温度)に、液のpHを第1のpH(例えば、3以上6以下から選ばれるpH、又は8以上11以下から選ばれるpH)に、それぞれ調整する。第1の温度及び第1のpHはそれぞれ、後工程で酸化チタン粒子の分散液に金属水酸化物の溶液を加えたときに、液中で酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物が析出するように決められる。続けて、温度及びpHが調整された酸化チタン粒子の分散液に、金属水酸化物の溶液を滴下する。そして、液の温度及びpHをそれぞれ第1の温度及び第1のpHに所定の時間(例えば、30分間以上2時間以下から選ばれる時間)保つことで、液中で酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層が形成される。その結果、少なくとも一部が金属水酸化物層で被覆された酸化チタン粒子(以下、中間粒子と記載する)の分散液が得られる。金属水酸化物層を実質的に構成する金属水酸化物が水酸化アルミニウムである場合、金属水酸化物層の形成を促進するためには、第1の温度が40℃以上50℃以下であり、第1のpHが5.0以上6.5以下であることが好ましい。金属水酸化物層を実質的に構成する金属水酸化物が水酸化マグネシウムである場合、金属水酸化物層の形成を促進するためには、第1の温度が75℃以上85℃以下であり、第1のpHが8.0以上9.5以下であることが好ましい。
続けて、得られた中間粒子の分散液に関して、液の温度を第2の温度(例えば、常温)に、液のpHを第2のpH(例えば、2以上6以下のpH)に、それぞれ調整する。第2の温度及び第2のpHはそれぞれ、後工程で液を加熱したときに、液中の中間粒子の表面でコート材料が反応するように決められる。続けて、温度及びpHが調整された中間粒子の分散液に、コート材料(例えば、含窒素樹脂を合成するためのモノマー)を添加する。続けて、液を攪拌しながら液の温度を所定の速度(例えば、0.1℃/分以上3℃/分以下から選ばれる速度)で第3の温度(例えば、50℃以上85℃以下から選ばれる温度)まで上昇させる。さらに、液を攪拌しながら液の温度を第3の温度に所定の時間(例えば、30分間以上4時間以下から選ばれる時間)保つ。これにより、中間粒子の表面にコート材料が付着し、付着したコート材料が重合反応して硬化する。その結果、外添剤の分散液が得られる。コート層が実質的にメラミン樹脂又は尿素樹脂から構成される場合、コート層の形成を促進するためには、第2の温度が20℃以上40℃以下であり、第2のpHが3以上4以下であり、第3の温度が60℃以上100℃以下であることが好ましい。
続けて、得られた外添剤の分散液を、例えば常温まで冷却する。続けて、外添剤の分散液をろ過する。これにより、外添剤が液から分離(固液分離)される。続けて、得られた外添剤を洗浄する。続けて、洗浄された外添剤を乾燥する。これにより、外添剤が完成する。なお、上記外添剤の作製方法は、要求される外添剤の構成又は特性等に応じて任意に変更することができる。例えば、金属水酸化物の溶液を準備した後、金属水酸化物の溶液中に酸化チタン粒子を分散させてもよい。また、溶媒にコート材料を添加する工程よりも前に、溶媒を第3の温度まで加熱する工程を行うようにしてもよい。また、液中で材料(より具体的には、金属水酸化物の溶液、又はコート材料等)を反応させる場合、液に材料を添加した後、しばらくの間、液中で材料を反応させてもよいし、時間をかけて液に材料を添加して、液に材料を添加しながら液中で材料を反応させてもよい。また、コート材料は、一度に溶媒に添加されてもよいし、複数回に分けて溶媒に添加されてもよい。コート層の形成方法は任意である。例えば、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法のいずれかの方法を用いて、コート層を形成してもよい。また、必要のない工程は割愛してもよい。効率的に外添剤を製造するためには、多数の外添剤を同時に形成することが好ましい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーA−1〜A−4、B−1〜B−3、C、D、E−1、及びE−2(それぞれ静電潜像現像用トナー)を示す。
Figure 0006287959
以下、トナーA−1〜A−4、B−1〜B−3、C、D、E−1、及びE−2の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、粉体(より具体的には、トナー母粒子、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。また、誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。また、体積中位径(D50)及び個数平均一次粒子径はそれぞれ、次に示す方法で測定した。
<体積中位径(D50)の測定方法>
透過電子顕微鏡(TEM)(株式会社日立ハイテクノロジーズ製「H−7100FA」)を用いて、倍率1000000倍で、100個以上の試料(例えば、外添剤)を撮影し、TEM写真を得た。続けて、得られたTEM写真を、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて解析して、TEM写真に含まれる試料のうち、任意に選ばれた100個の試料の各々の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)を測定し、100個の測定値(円相当径)から、体積中位径(D50)を求めた。
<個数平均一次粒子径の測定方法>
試料(例えば、100個以上の酸化チタン粒子)を、走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子株式会社製「JSM−6700F」)を用いて撮影し、試料のSEM撮影像を得た。続けて、得られた試料のSEM撮影像をデジタル化し、画像ファイリングシステム(日本電子株式会社製「SemAfore Reporter」)を用いて画像データ(デジタルデータ)を画像処理することにより、画像に含まれる試料のうち、任意に選ばれた100個の粒子(例えば、酸化チタン粒子)の各々について、その粒子径(円相当径:粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)を測定した。続けて、測定された全ての粒子径の和を、測定された粒子(例えば、酸化チタン粒子)の個数(100個)で除算した。これにより、試料(例えば、酸化チタン粒子)の個数平均一次粒子径が得られた。
[トナーA−1の製造方法]
(トナー母粒子の作製)
トナーA−1の製造方法では、以下の手順でトナー母粒子を作製した。まず、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて、ポリエステル樹脂(日本合成化学工業株式会社製「ポリエスター(登録商標)HP−313」)87質量部と、カーボンブラック(三菱化学株式会社製「MA−100」)3質量部と、カルナバワックス(東亜化成株式会社製)4質量部と、電荷制御剤(オリヱント化学工業株式会社製「BONTRON(登録商標)N−71」)2質量部と、電荷制御剤(藤倉化成株式会社製「FCA−201−PS」)4質量部とを混合した。
続けて、得られた混合物を、2軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)を用いて溶融混練した。その後、得られた混練物を冷却した。続けて、冷却された混練物を、粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)を用いて、設定粒子径2mmの条件で粗粉砕した。さらに、得られた粗粉砕物を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル(RSタイプ)」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕物を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)7.0μmのトナー母粒子が得られた。
(外添剤A−1の作製)
塩素法によって生成した四塩化チタンと酸素ガスとの混合物を気相酸化反応器に導入した。続けて、反応器内において、温度1000℃で混合物を反応させることによって、バルク状の酸化チタンを得た。得られたバルク状の酸化チタンをハンマーミルを用いて粉砕した。続けて、得られた酸化チタンの粉砕物を、洗浄した後、温度110℃で乾燥した。さらに、乾燥した酸化チタンの粉砕物を、超音速ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルIDS−2」)を用いて解砕した。続けて、解砕された酸化チタンの粗粒子を、粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル(RSタイプ)」)を用いて粉砕した。その結果、個数平均一次粒子径200nmのルチル型酸化チタン粒子(以下、酸化チタン粒子Zと記載する)が得られた。酸化チタン粒子の粉砕条件を制御することで、酸化チタン粒子の個数平均一次粒子径を制御できる。
上述の方法で作製した酸化チタン粒子Z(個数平均一次粒子径200nmのルチル型酸化チタン粒子)60gと、イオン交換水500mLとを、常温かつ回転速度30rpmの条件で、混合装置(プライミクス株式会社製「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」)を用いて30分間混合して、酸化チタン粒子の分散液を調製した。
続けて、次のような手順で、酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層を形成した。まず、上記のようにして得られた酸化チタン粒子の分散液をその温度が45℃になるまで加熱し、温度45℃の液中に、濃度50g/Lのアルミン酸ナトリウム水溶液50mLを1時間かけて滴下した。また、アルミン酸ナトリウム溶液と一緒に、0.5N−水酸化ナトリウム水溶液も液中に滴下することにより、酸化チタン粒子の分散液のpHを6に調整した。以下、液の加熱からpH調整までの工程を、金属水酸化物層形成工程A−1と記載する。
金属水酸化物層形成工程A−1の後、得られた酸化チタン粒子の分散液をその温度が30℃になるように冷却した。続けて、酸化チタン粒子の分散液に0.5N−塩酸(和光純薬工業株式会社製「和光一級(087−01076)」)を添加することにより、酸化チタン粒子の分散液のpHを3.5に調整した。
続けて、酸化チタン粒子の分散液に水溶性メチロールメラミン(日本カーバイド工業株式会社製「ニカレヂン(登録商標)S−260」)50gを添加し、常温かつ回転速度30rpmの条件で、酸化チタン粒子の分散液を5分間攪拌した。その後、酸化チタン粒子の分散液を、混合装置から、温度計及び攪拌装置を備えた容量1Lのセパラブルフラスコに移した。攪拌装置は、フラスコ内容物を攪拌するための攪拌羽根(アズワン株式会社販売「アズワン攪拌羽根R−1345型」)と、攪拌羽根を回転させるためのモーター(アズワン株式会社販売「アズワントルネードモーター1−5472−04」)とを備えていた。
続けて、攪拌装置を用いてフラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内容物の温度を、1℃/3分の速度で70℃まで昇温させた。昇温前のフラスコ内容物の温度は、35℃であった。続けて、温度70℃かつ回転速度90rpmの条件で、フラスコ内容物を30分間攪拌した。その結果、フラスコ内で、酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層及びコート層が形成された。その後、フラスコ内容物をその温度が常温になるまで冷却して、外添剤の分散液を得た。
上記のようにして得られた外添剤の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状の外添剤を得た。その後、得られたウェットケーキ状の外添剤を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、外添剤のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中の外添剤を乾燥させた。その結果、外添剤の粗粉体が得られた。
続けて、超音速ジェット粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルIDS−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、乾燥した外添剤の粗粉体を粉砕した。粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。粉砕により、体積中位径(D50)208nmを有する外添剤(微粉体)が得られた。以下、得られた外添剤(微粉体)を、外添剤A−1と記載する。外添剤A−1は、実質的に水酸化アルミニウム(金属水酸化物A)から構成される金属水酸化物層と、実質的にメラミン樹脂(樹脂A)から構成されるコート層とを有していた。
(外添)
上述の方法で作製したトナー母粒子に外添を行った。詳しくは、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて、トナー母粒子100質量部と、1.0質量部の外添剤A−1と、乾式シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA200」)1.5質量部とを、回転速度3500rpmの条件で5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(外添剤A−1及びシリカ粒子)を付着させた。これにより、多数のトナー粒子を含むトナーA−1が得られた。
[トナーA−2の製造方法]
トナーA−2の製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤A−2を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤A−2の作製方法は、水溶性メチロールメラミン50gの代わりにメチロール化尿素の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSU−100」、固形分濃度80質量%)50gを使用した以外は、外添剤A−1の作製方法と同じであった。外添剤A−2は、実質的にAl(OH)3(金属水酸化物A)から構成される金属水酸化物層と、実質的に尿素樹脂(樹脂B)から構成されるコート層とを有していた。外添剤A−2の体積中位径(D50)は208nmであった。
[トナーA−3の製造方法]
トナーA−3の製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤A−3を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤A−3の作製方法は、金属水酸化物層形成工程A−1に代えて金属水酸化物層形成工程A−3を行った以外は、外添剤A−1の作製方法と同じであった。
金属水酸化物層形成工程A−3では、次のような手順で、酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層を形成した。まず、酸化チタン粒子の分散液に、濃度40g/Lの水酸化マグネシウムスラリー500mLを添加した。また、スラリーと一緒に硫酸も液中に1時間かけて滴下することにより、酸化チタン粒子の分散液のpHを9に調整した。続けて、酸化チタン粒子の分散液を加熱して、その液温を80℃で1時間保った。その結果、酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層が形成された。外添剤A−3は、実質的に水酸化マグネシウム(金属水酸化物B)から構成される金属水酸化物層と、実質的にメラミン樹脂(樹脂A)から構成されるコート層とを有していた。外添剤A−3の体積中位径(D50)は209nmであった。
[トナーA−4の製造方法]
トナーA−4の製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤A−4を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤A−4の作製方法は、水溶性メチロールメラミン50gの代わりに、水溶性メチロールメラミン(日本カーバイド工業株式会社製「ニカレヂンS−260」)25g及びウレタン樹脂の水溶液(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス(登録商標)170」、固形分濃度30質量%)25gを使用した以外は、外添剤A−1の作製方法と同じであった。外添剤A−4は、実質的にAl(OH)3(金属水酸化物A)から構成される金属水酸化物層と、実質的にメラミン樹脂(樹脂A)及びウレタン樹脂(樹脂C)から構成されるコート層とを有していた。外添剤A−4の体積中位径(D50)は209nmであった。
[トナーB−1の製造方法]
トナーB−1の製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤B−1を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤B−1の作製方法は、金属水酸化物層形成工程A−1を行わなかった以外は、外添剤A−1の作製方法と同じであった。外添剤B−1は、実質的にメラミン樹脂(樹脂A)から構成されるコート層を有していた。外添剤B−1の体積中位径(D50)は205nmであった。
[トナーB−2の製造方法]
トナーB−2の製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤B−2を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。以下、外添剤B−2の作製方法について説明する。
(外添剤B−2の作製)
混合装置(プライミクス株式会社製「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」)に、トルエン(和光純薬工業株式会社製「トルエン一級」)500mLと、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン3gとを投入し、γ−アミノプロピルトリエトキシシランをトルエンに溶解させた。
続けて、前述の方法で作製した酸化チタン粒子Z(個数平均一次粒子径200nmのルチル型酸化チタン粒子)60gを混合装置の内容物(トルエン溶液)に加えて、常温かつ回転速度30rpmの条件で、混合装置の内容物を30分間攪拌した。その後、混合装置の内容物を、温度計及び攪拌装置を備えた1Lのセパラブルフラスコに移した。攪拌装置は、フラスコ内容物を攪拌するための攪拌羽根(アズワン株式会社販売「アズワン攪拌羽根R−1345型」)と、攪拌羽根を回転させるためのモーター(アズワン株式会社販売「アズワントルネードモーター1−5472−04」)とを備えていた。
続けて、攪拌装置を用いてフラスコ内容物を攪拌しながら、フラスコ内容物の温度を、1℃/3分の速度で75℃まで昇温させた。続けて、温度75℃(以下、コート層形成温度と記載する)かつ回転速度90rpmの条件で、フラスコ内容物を30分間攪拌した。その結果、フラスコ内で、酸化チタン粒子の表面にコート層が形成された。
ロータリーエヴァポレーターを用いて、フラスコ内容物からトルエンを留去した。これにより、固形物が得られた。続けて、減圧乾燥機を用いて、設定温度50℃で減量しなくなるまで固形物を乾燥した。さらに、電気炉を用いて、窒素気流下、設定温度200℃の条件で、3時間加熱処理を行って、酸化チタン粒子の表面の上記コート層にアミノ基を導入した。これにより、外添剤の粗粉体が得られた。
続けて、粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルI−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、外添剤の粗粉体を粉砕した。粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。粉砕により、体積中位径(D50)204nmを有する外添剤B−2(微粉体)が得られた。外添剤B−2は、実質的に有機シラン(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)から構成されるコート層を有していた。
[トナーB−3の製造方法]
トナーB−3の製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤B−3を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤B−3の作製方法は、トルエン500mLの代わりにn−ヘキサン(和光純薬工業株式会社製「n−ヘキサン一級」)500mLを使用し、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2gの代わりにアミノ変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製「KF857」)0.3gを使用し、コート層形成温度を75℃から70℃に変更し、減圧乾燥機の設定温度を50℃から70℃に変更した以外は、外添剤B−2の作製方法と同じであった。外添剤B−3の体積中位径(D50)は205nmであった。
[トナーCの製造方法]
トナーCの製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤Cを使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤Cの作製方法は、酸化チタン粒子の分散液を調製した後、金属水酸化物層形成工程A−1を行い、さらに、酸化チタン粒子の分散液の、温度を30℃に、pHを3.5に、それぞれ調整するまでは、外添剤A−1の作製方法と同じであった。外添剤Cの作製方法における、それ以降の工程は、以下のとおりである。
温度30℃、pH3.5の酸化チタン粒子の分散液に、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン25gを添加し、常温かつ回転速度150rpmの条件で、酸化チタン粒子の分散液を4時間攪拌した。その後、酸化チタン粒子の分散液に2N−水酸化ナトリウム水溶液を滴下することにより、酸化チタン粒子の分散液のpHを6.5に調整し、さらに、常温かつ回転速度150rpmの条件で、酸化チタン粒子の分散液を2時間攪拌した。
続けて、フラスコ内容物をろ過(固液分離)して、固形物を得た。その後、得られた固形物をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを繰り返して、固形物を洗浄した。続けて、減圧乾燥機を用いて、設定温度130℃で固形物を乾燥した。これにより、外添剤の粗粉体が得られた。
続けて、粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルI−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、外添剤の粗粉体を粉砕した。粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。粉砕により、体積中位径(D50)209nmを有する外添剤C(微粉体)が得られた。外添剤Cは、実質的に水酸化アルミニウム(金属水酸化物A)から構成される金属水酸化物層と、実質的に有機シラン(γ−アミノプロピルトリエトキシシラン)から構成されるコート層とを有していた。
[トナーDの製造方法]
トナーDの製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤Dを使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤Dは、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−10」)を用いて、前述の方法で作製した酸化チタン粒子Z(個数平均一次粒子径200nmのルチル型酸化チタン粒子)100質量部と、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(ITT)2.6質量部とを、温度130℃の条件で混合することで、得られる。混合により、酸化チタンとイソプロピルトリイソステアロイルチタネート(ITT)とがカップリング反応すると考えられる。外添剤Dの体積中位径(D50)は204nmであった。
[トナーE−1の製造方法]
トナーE−1の製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤E−1を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤E−1の作製方法は、水溶性メチロールメラミン50gの代わりにウレタン樹脂の水溶液(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス170」、固形分濃度30質量%)50gを使用した以外は、外添剤B−1の作製方法と同じであった。外添剤E−1は、実質的にウレタン樹脂(樹脂C)から構成されるコート層を有していた。外添剤E−1の体積中位径(D50)は205nmであった。
[トナーE−2の製造方法]
トナーE−2の製造方法は、外添剤A−1の代わりに外添剤E−2を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。外添剤E−2の作製方法は、水溶性メチロールメラミン50gの代わりに、水溶性メチロールメラミン(日本カーバイド工業株式会社製「ニカレヂンS−260」)25g及びウレタン樹脂の水溶液(第一工業製薬株式会社製「スーパーフレックス170」、固形分濃度30質量%)25gを使用した以外は、外添剤B−1の作製方法と同じであった。外添剤E−2は、実質的にメラミン樹脂(樹脂A)及びウレタン樹脂(樹脂C)から構成されるコート層を有していた。外添剤E−2の体積中位径(D50)は205nmであった。
[評価方法]
各試料(トナーA−1〜A−4、B−1〜B−3、C、D、E−1、及びE−2)の評価方法は、以下の通りである。
現像剤用キャリア100質量部と、試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。そして、調製された2成分現像剤を用いて、試料(トナー)を評価した。現像剤用キャリアは、次に示す方法で作製した。
<現像剤用キャリアの作製方法>
アセトン20L中にエポキシ樹脂(三菱化学株式会社製「jER(登録商標)1004」)2kgを溶解させて、溶液を得た。続けて、得られた溶液に、ジエチレントリアミン100gと無水フタル酸150gとを添加し、混合液を得た。続けて、得られた混合液と、Mn−Mg−Srフェライトコア(パウダーテック株式会社製「EF−80B2」、個数平均一次粒子径80μm)10kgとを、流動層コーティング装置(フロイント産業株式会社製「スパイラフロー(登録商標)SFC−5」)に投入した。続けて、コ−ティング装置内に80℃の熱風を送り込みながら、コ−ティング装置を用いて、フェライトコアの表面をエポキシ樹脂で被覆した。得られた樹脂被覆粒子を、乾燥機を用いて180℃で1時間加熱した。その結果、現像剤用キャリアが得られた。
(帯電量、かぶり、トナー飛散、ドラム汚れ、画像濃度)
評価機として、カラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」)を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機の現像器に投入し、試料(補充用トナー)を評価機のトナーコンテナに投入した。上記評価機を用いて、常温常湿環境(温度20℃、湿度60%RH)及び高温高湿環境(温度28℃、湿度80%RH)の各々の環境下でトナーを評価した。
トナーを評価する場合には、上記評価機を用いて、所定の環境(上記常温常湿環境又は上記高温高湿環境)下で、所定の耐久試験(詳しくは、後述する1万枚耐久試験又は10万枚耐久試験)を行った。その後、ソリッド部を含むサンプル画像を評価用紙に印刷して、現像剤中のトナーの帯電量と、かぶり濃度(FD)と、トナー飛散量(評価機の現像器内に飛散したトナーの量)と、ドラム汚れ度(感光体ドラムの汚れ度)と、サンプル画像におけるソリッド部の画像濃度(ID)とをそれぞれ評価した。1万枚耐久試験では、印字率5%の所定の評価パターン(画像)を連続して10000枚の記録媒体(A4サイズの印刷用紙)に印刷した。10万枚耐久試験では、印字率5%の所定の評価パターン(画像)を連続して100000枚の記録媒体(A4サイズの印刷用紙)に印刷した。帯電量の測定には、Q/mメーター(トレック社製「MODEL 210HS−1」)を用いた。また、画像濃度の測定には、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いた。トナー飛散量及びドラム汚れ度はそれぞれ、目視で確認した。かぶり濃度(FD)は、印刷後の評価用紙の白地部の画像濃度(ID)からベースペーパーの画像濃度(ID)を引いた値に相当する。かぶり濃度(FD)の測定には、反射濃度計(X−Rite社製「RD918」)を用いた。
常温常湿環境下でのトナーの帯電量の評価では、帯電量が12μC/g以上30μC/g以下であれば「○(良い)」と評価し、帯電量が12μC/g未満又は30μC/g超であれば「×(良くない)」と評価した。高温高湿環境下でのトナーの帯電量の評価では、帯電量が8μC/g以上であれば「○(良い)」と評価し、帯電量が8μC/g未満であれば「×(良くない)」と評価した。
かぶり濃度(FD)の評価では、かぶり濃度が0.01未満であれば「○(良い)」と評価し、かぶり濃度が0.01以上であれば「×(良くない)」と評価した。
目視で確認したトナー飛散量は、下記基準に従って評価した。
A:トナーの飛散が全く見られなかった。
B:現像器の上蓋の一部(現像スリーブ付近の部分)にトナーが飛散していた。
C:現像器の上蓋全体にトナーが飛散していた。
D:現像器内の全体にトナーが飛散していた。
目視で確認したドラム汚れ度は、下記基準に従って評価した。
○(良い):感光体ドラムの表面にトナーがほとんど付着していなかった。
△(普通):感光体ドラムの表面にトナーがわずかに付着していた。
×(悪い):感光体ドラムの表面に対するトナーの付着が顕著であった。
常温常湿環境下での画像濃度(ID)の評価では、画像濃度が1.2以上であれば○(良い)と評価し、画像濃度が1.2未満であれば「×(良くない)」と評価した。高温高湿環境下での画像濃度(ID)の評価では、画像濃度が1.1以上であれば○(良い)と評価し、画像濃度が1.1未満であれば「×(良くない)」と評価した。
[評価結果]
表2及び表3に、トナーA−1〜A−4、B−1〜B−3、C、D、E−1、及びE−2の各々についての評価結果を示す。
Figure 0006287959
Figure 0006287959
表2及び表3に示されるように、トナーA−1〜A−4(実施例1〜4に係るトナー)はそれぞれ、前述の構成(1)及び(2)を有していた。詳しくは、実施例1〜4に係るトナーの各々に含まれるトナー粒子はそれぞれ、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有していた。外添剤が、酸化チタン粒子と、金属水酸化物層(水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウムの層)と、コート層とを有していた。金属水酸化物層が、酸化チタン粒子の表面に形成されていた。コート層の少なくとも一部が、金属水酸化物層の表面に形成されていた。そして、コート層が、実質的に含窒素樹脂(メラミン樹脂、尿素樹脂、及びウレタン樹脂からなる群より選択される1種以上の含窒素樹脂)から構成されていた。表2及び表3に示されるように、実施例1〜4に係るトナーはそれぞれ、正帯電性及び帯電安定性に優れていた。また、実施例1〜4に係るトナーはそれぞれ、耐久性に優れていた。また、実施例1〜4に係るトナーのいずれを用いても、高画質の画像を形成することができた。また、実施例1〜4に係るトナーを用いて画像を形成する場合にはそれぞれ、トナー飛散及びドラム汚れを抑制することができた。
比較例1、6、及び7に係るトナーに関してはそれぞれ、高温高湿環境下でのトナーの耐久性の評価結果が良くなかった。比較例1、6、及び7に係るトナーではそれぞれ、酸化チタン粒子の表面に金属水酸化物層が形成されなかった。このため、耐久試験によりコート層が劣化し、酸化チタン粒子の表面が露出したと考えられる。
比較例2〜5に係るトナーに関してはそれぞれ、高温高湿環境下でのトナーの耐久性の評価結果が良くなかった。また、評価機(画像形成装置)の現像器において、トナーの逆帯電に起因するトナー飛散が発生した。比較例2〜5に係るトナーではそれぞれ、コート層が含窒素樹脂を含んでいなかった。コート層の耐久性が不十分であったと考えられる。耐久試験により外添剤の帯電性が劣化したと考えられる。
本発明に係るトナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 トナー粒子
11 トナー母粒子
12 外添剤
12a 酸化チタン粒子
12b コート層

Claims (8)

  1. トナー母粒子と、前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有するトナー粒子を複数含み、
    前記外添剤は、酸化チタン粒子と、前記酸化チタン粒子の表面に形成されている金属水酸化物層と、少なくとも一部が前記金属水酸化物層の表面に形成されているコート層とを有し、
    前記コート層は、実質的に含窒素樹脂から構成される、トナー。
  2. 前記コート層は、前記含窒素樹脂として熱硬化性樹脂を含む、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記コート層は、前記含窒素樹脂としてメラミン樹脂及び尿素樹脂の少なくとも一方を含む、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記金属水酸化物層と前記コート層との間には、メチロール基に由来する結合が形成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記コート層は、前記酸化チタン粒子の表面に形成されている第1部分と、前記金属水酸化物層の表面に形成されている第2部分とを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
  6. 前記酸化チタン粒子と前記コート層の前記第1部分との間には、ヒドロキシル基に由来する結合が形成されている、請求項5に記載のトナー。
  7. 前記金属水酸化物層は、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムの少なくとも一方を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記トナー母粒子の表面には、前記外添剤に加えて、他の外添剤が付着している、請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。
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