JP6332127B2 - 静電潜像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents
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(トナーの基本構成)
トナーが、トナーコアとシェル層とを備えるトナー粒子を複数含む。そして、外添剤が付着していない状態のトナー粒子に関して、トナー粒子全部の個数平均円形度RAと、トナー粒子のうち粒子径3μm以下のトナー粒子の個数平均円形度RBとが、式「RA−0.010≦RB<RA」を満たす。トナー粒子が外添剤を備える場合、外添剤が付着していない状態のトナー粒子は、トナー母粒子に相当する。円形度は「円形度=粒子の投影面積と等しい円の周囲長/粒子の周囲長」で表すことができる。なお、外添剤が付着していない状態のトナー粒子の円形度は、外添処理後にも測定できる。例えば、外添剤が付着している状態のトナー粒子を測定対象とし、円形度に対する外添剤の影響を除いて、トナー母粒子だけの円形度を求めてもよい。また、トナー母粒子に付着した外添剤を除去して、トナー母粒子の円形度を測定してもよい。溶剤(例えば、アルカリ溶液)を用いて外添剤を溶解させて除去してもよいし、超音波洗浄機を用いてトナー粒子から外添剤を取り除いてもよい。粒子径は、一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)を示す。個数平均円形度の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
トナー粒子(特に、トナーコア又はシェル層)を構成する熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体、メタクリル酸エステル重合体、又はポリメタクリル酸メチル(PMMA)等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、もしくはウレタン樹脂のような単独重合体、又はこれら単独重合体のいずれかの繰返し単位と同一のモノマーに由来する繰返し単位を1種以上含む共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)を好適に使用できる。
トナー粒子(特に、シェル層)を構成する熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン系樹脂、尿素系樹脂、スルホンアミド系樹脂、グリオキザール系樹脂、グアナミン系樹脂、アニリン系樹脂、ポリイミド樹脂(より具体的には、マレイミド重合体又はビスマレイミド重合体等)、又はキシレン系樹脂を好適に使用できる。
トナーコアは、結着樹脂を含有する。また、トナーコアは、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂が強いアニオン性を有するためには、結着樹脂の水酸基価(測定方法:JIS(日本工業規格)K0070−1992)及び酸価(測定方法:JIS(日本工業規格)K0070−1992)がそれぞれ10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。
トナーコアは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
トナーコアは、離型剤を含有していてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
トナーコアは、電荷制御剤を含有していてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアは、磁性粉を含有していてもよい。磁性粉としては、例えば、鉄(より具体的には、フェライト又はマグネタイト等)、強磁性金属(より具体的には、コバルト又はニッケル等)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された強磁性合金、又は二酸化クロムを好適に使用できる。1種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
トナーの円形度を調整し易くするためには、シェル層が熱可塑性樹脂(より具体的には、前述の各種樹脂等)を含有することが好ましい。トナーの円形度を調整し易くするためには、シェル層に含有される樹脂のうち、80質量%以上の樹脂が熱可塑性樹脂であることが好ましく、90質量%以上の樹脂が熱可塑性樹脂であることがより好ましく、100質量%の樹脂が熱可塑性樹脂であることがさらに好ましい。シェル層は、実質的に熱可塑性樹脂のみからなってもよいし、熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂との両方を含有していてもよい。正帯電性トナーの耐熱保存性を向上させるためには、シェル層が、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなる群より選択される1種以上の熱硬化性樹脂を含有することが特に好ましい。
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る静電潜像現像用トナーの製造方法は、混合工程と、混練工程と、粉砕工程と、添加工程と、重合工程とを含む。混合工程では、トナーコアの材料を混合して混合物を得る。混練工程では、得られた混合物を溶融混練して混練物を得る。粉砕工程では、得られた混練物を粉砕してトナーコアを得る。添加工程では、水性媒体に、トナーコアと、シェル材料(シェル層の材料)とを入れる。シェル材料としては、例えば、第1シェル材料(より具体的には、疎水性樹脂等)及び第2シェル材料(より具体的には、正帯電性樹脂等)を使用できる。重合工程では、水性媒体中でシェル層の材料を重合反応させることにより、トナーコアの表面にシェル層を形成して、式「RA−0.010≦RB<RA」を満たすトナー母粒子を得る。水性媒体は、水を主成分とする媒体(より具体的には、純水、又は水と極性媒体との混合液等)である。水性媒体は溶媒として機能してもよい。水性媒体中に溶質が溶けていてもよい。水性媒体は分散媒として機能してもよい。水性媒体中に分散質が分散していてもよい。水性媒体中の極性媒体としては、例えば、メタノール又はエタノールを使用できる。
好適なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましく、粉砕法によりトナーコアを製造することがより好ましい。
トナーコアとシェル材料とが入れられる上記水性媒体として、例えばイオン交換水を準備する。続けて、例えば塩酸を用いて水性媒体のpHを所定のpH(以下、シェル材料重合pHと記載する)に調整する。シェル層の形成を促進するためには、シェル材料重合pHは、3以上5以下(弱酸性)であることが好ましく、4であることが特に好ましい。
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、試料(例えば、樹脂)の吸熱曲線を求めた。続けて、得られた吸熱曲線から試料のTg(ガラス転移点)を読み取った。得られた吸熱曲線中の比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度が、試料のTg(ガラス転移点)に相当する。
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、樹脂)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTm(軟化点)を読み取った。得られたS字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、試料のTm(軟化点)に相当する。
(トナーコアの作製)
低粘度非結晶性ポリエステル樹脂(Tg=38℃、Tm=65℃)22質量部と、中粘度非結晶性ポリエステル樹脂(Tg=53℃、Tm=84℃)10質量部と、高粘度非結晶性ポリエステル樹脂(Tg=71℃、Tm=120℃)45質量部と、結晶性ポリエステル樹脂(Tm=80℃)10質量部と、カルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)5質量部と、着色剤(DIC株式会社製「KET BLUE 111」、フタロシアニンブルー)8質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて回転速度2400rpmで混合した。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水875mLとアニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に保った。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけてフラスコ内に滴下した。第1の液は、スチレン18mLとアクリル酸ブチル2mLとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、樹脂微粒子(疎水性樹脂)のサスペンション(以下、疎水性サスペンションと記載する)が得られた。得られた疎水性サスペンションに含まれる樹脂微粒子に関して、個数平均粒子径は32nmであり、Tgは71℃であった。
温度計、冷却管、窒素導入管、及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコ内に、イソブタノール90gと、メタクリル酸メチル100gと、アクリル酸ブチル35gと、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(Alfa Aesar社製)30gと、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)6gとを入れた。続けて、窒素雰囲気、温度80℃の条件で、フラスコ内容物を3時間反応させた。その後、フラスコ内に2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)3gを加えて、窒素雰囲気、温度80℃の条件で、フラスコ内容物をさらに3時間反応させて、重合体溶液を得た。続けて、得られた重合体溶液を、減圧雰囲気、温度150℃の条件で乾燥した。続けて、乾燥した重合体を解砕し、正帯電性樹脂を得た。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水100mLを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内容物のpH(シェル材料重合pH)を4に調整した。続けて、フラスコ内に、ヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)0.35mLと、前述の手順で調製した疎水性サスペンション220mLと、前述の手順で調製した正帯電性サスペンション1.2mLとを添加した。
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
続けて、得られたトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子の粉体が得られた。乾燥したトナー母粒子を、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した結果、シェル層に粒状感が見られたが、シェル層を構成する粒子同士は分離していなかった。
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、トナー母粒子100質量部と、疎水性シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)RA−200H」)1.5質量部と、導電性酸化チタン微粒子(チタン工業株式会社製「EC−100」)1.5質量部とを、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子及びチタン粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナーA−1が得られた。
トナーA−2の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(70℃)での保持時間を30分間から60分間に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
トナーA−3の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(70℃)での保持時間を30分間から120分間に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
トナーA−4の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(70℃)での保持時間を30分間から0.5分間(=30秒間)に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
トナーB−1の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度を70℃から60℃に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
トナーB−2の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(60℃)での保持時間を30分間から60分間に変更した以外は、トナーB−1の製造方法と同じであった。
トナーB−3の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(60℃)での保持時間を30分間から120分間に変更した以外は、トナーB−1の製造方法と同じであった。
トナーB−4の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(60℃)での保持時間を30分間から0.5分間(=30秒間)に変更した以外は、トナーB−1の製造方法と同じであった。
トナーB−5の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(60℃)での保持時間を30分間から180分間に変更した以外は、トナーB−1の製造方法と同じであった。
トナーC−1の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度を70℃から80℃に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
トナーC−2の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(80℃)での保持時間を30分間から60分間に変更した以外は、トナーC−1の製造方法と同じであった。
トナーC−3の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(80℃)での保持時間を30分間から120分間に変更した以外は、トナーC−1の製造方法と同じであった。
トナーC−4の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(80℃)での保持時間を30分間から0.5分間(=30秒間)に変更した以外は、トナーC−1の製造方法と同じであった。
トナーC−5の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合温度(80℃)での保持時間を30分間から180分間に変更した以外は、トナーC−1の製造方法と同じであった。
各試料(トナーA−1〜C−5)の評価方法は、以下の通りである。
各試料(トナーA−1〜C−5)について、外添剤が付着していない状態のトナー粒子(トナー母粒子)の円形度(個数平均円形度RA及び個数平均円形度RB)を測定した。測定装置としては、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いた。
試料(トナー)のトナー母粒子5mgに界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)1mLを添加して、混合物を得た。続けて、得られた混合物に対して超音波照射を行った。続けて、混合物をシース液(シスメックス株式会社製「パーティクルシース PSE−900A」)100mLで希釈して、希釈液を得た。その後、上記測定装置を用いて、希釈液中のトナー母粒子の円形度(詳しくは、3000個の粒子の個数平均値)を測定した。トナー母粒子全部の円形度(個数平均円形度RA)を測定する場合には、測定装置の測定対象粒子径の最大値を十分大きな粒子径(20μm)に設定した。トナー母粒子のうち粒子径3μm以下のトナー母粒子の円形度(個数平均円形度RB)を測定する場合には、測定装置の測定対象粒子径の最大値を3μmに設定した。また、個数平均円形度RAから個数平均円形度RBを引いた値(以下、円形度の差「RA−RB」と記載する)を求めた。
Mn−Mg−Srフェライトキャリア(パウダーテック株式会社製「EF−50」、粒子径50μm)100質量部と、試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合し、評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。
上記評価機を用いて、線速200mm/秒、トナー載り量0.4mg/cm2、定着温度150℃の条件で、評価用紙にソリッド画像を形成した。形成されたソリッド画像について、CIELabにおけるa*値及びb*値をそれぞれ、反射濃度計(X−Rite社製「SpectroEye(登録商標)」)を用いて測定した。画像の彩度Cは、式「C=√{(a*)2+(b*)2}」に基づいて算出した。
表2に、トナーA−1〜C−5の各々について、彩度維持率の評価結果を示す。なお、個数平均円形度RA、個数平均円形度RB、及び円形度の差「RA−RB」の各々の評価結果は、表1に示されている。表1中及び表2中の「−」は、トナーコアが凝集したために測定できなかったことを示している。
Claims (6)
- コアと、前記コアの表面に形成されたシェル層とを備えるトナー粒子を、複数含み、
外添剤が付着していない状態の前記トナー粒子に関して、前記トナー粒子全部の個数平均円形度RAと、前記トナー粒子のうち粒子径3μm以下のトナー粒子の個数平均円形度RBとが、式「RA−0.010≦RB<RA」を満たし、
前記シェル層は、熱硬化性樹脂としてのメラミン樹脂と、第1の熱可塑性樹脂と、第2の熱可塑性樹脂と、を含有し、
前記第1の熱可塑性樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル酸系モノマーとの共重合体を含有し、
前記第2の熱可塑性樹脂は、4級アンモニウム化合物モノマーとアクリル酸系モノマーとの共重合体を含有する、静電潜像現像用トナー。 - 前記コアは、乾式法により作製され、前記シェル層は、湿式法により前記コアの表面に形成される、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 外添剤が付着していない状態の前記トナー粒子に関して、前記トナー粒子全部の個数平均円形度RAが0.960以上0.970以下である、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記個数平均円形度RAから前記個数平均円形度RBを引いた値は、0.005以上0.009以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 外添剤が付着していない状態の前記トナー粒子に関して、前記トナー粒子全部の個数平均粒子径は、5.6μm以上6.6μm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナーを製造する方法であって、
前記コアの材料を混合して混合物を得ることと、
前記混合物を溶融混練して混練物を得ることと、
前記混練物を粉砕して前記コアを得ることと、
水性媒体に、前記コアと、前記シェル層の材料とを入れることと、
前記水性媒体中で前記シェル層の材料を重合反応させることにより、前記コアの表面に前記シェル層を形成して、前記式「RA−0.010≦RB<RA」を満たすトナー母粒子を得ることと、
を含む、静電潜像現像用トナーの製造方法。
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