JP2015075686A - トナー及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた帯電性を有するトナーを提供する。又は、長期にわたって優れた帯電性が維持されるトナーを提供する。又は、高画像濃度の画像の連続印刷に使用した場合であっても、形成した画像にかぶりが生じにくいトナーを提供する。又は、環境が変動しても帯電性が低下しにくいトナーを提供する。【解決手段】トナーが複数のトナー粒子を含む。トナーに含まれるトナー粒子は、トナー母粒子と、トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有する。トナー母粒子の表面に付着した外添剤は、酸化チタン粒子と、酸化チタン粒子の表面に形成されたコート層とを有する。コート層は含窒素樹脂から構成される。【選択図】図1
Description
本発明は、トナー及びその製造方法に関する。
電子写真法では、帯電させた感光体ドラムの表面を露光して、感光体ドラムの表面に静電潜像を形成する。そして、静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する。さらに、トナー像を記録媒体に転写する。これにより、記録媒体に画像が形成される。
静電潜像現像用トナーは、多数のトナー粒子から構成される。トナー粒子は、結着樹脂に、着色剤、電荷制御剤、離型剤、磁性材料のような成分を混合する混合工程、混練工程、粉砕工程、及び分級工程を経て得られる。
また、例えばトナーに流動性を付与するため、又はトナーの帯電量を最適化するため、又はトナーのクリーニング性を向上させるために、トナー粒子の表面に外添剤を付着させることがある。外添剤は、無機材料(例えば、シリカ又は酸化チタン)の微粉末から構成されることが多い。
しかし、シリカ又は酸化チタンのような無機材料の微粉末は負に帯電する傾向がある。このため、こうした無機材料の微粉末を正帯電性のトナーに用いる場合には、粉末(各粒子)の表面に正帯電性の極性基を導入することが提案されている。例えば特許文献1には、外添剤の表面がアミノ基含有化合物で処理されたトナーが開示されている。また、特許文献2には、アルキルトリアルコキシシランで表面処理された酸化チタンと、アンモニウム変性ポリシロキサンで処理されたシリカとを有するトナーが開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載されたトナーは、ストレスがかかると帯電量が大きく変化し易い。また、周囲環境の変化によってトナー粒子の帯電量が変動し易い。
また、特許文献2に記載されたトナーでは、十分大きい正帯電性を有する酸化チタンを得ることは難しい。そのため、高画像濃度の画像の印刷時に帯電不良に起因して形成した画像にかぶりが生じやすい。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、優れた帯電性を有するトナーを提供することを目的とする。また、本発明は、長期にわたって優れた帯電性が維持されるトナーを提供することを他の目的とする。また、本発明は、高画像濃度の画像の連続印刷に使用した場合であっても、形成した画像にかぶりが生じにくいトナーを提供することを他の目的とする。また、本発明は、環境が変動しても帯電性が低下しにくいトナーを提供することを他の目的とする。
本発明に係るトナーは、複数のトナー粒子を含む。前記トナー粒子は、トナー母粒子と前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有する。前記外添剤は、酸化チタン粒子と、前記酸化チタン粒子の表面に形成されたコート層とを有する。前記コート層は含窒素樹脂から構成される。
本発明に係るトナーの製造方法は、複数のトナー粒子を含むトナーを製造する方法である。前記トナー粒子は、トナー母粒子と前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有する。本発明に係るトナーの製造方法は、前記外添剤を構成する酸化チタン粒子を準備するステップと、前記酸化チタン粒子の表面に、含窒素樹脂から構成されるコート層を形成するステップとを含む。
本発明によれば、優れた帯電性を有するトナーを提供することが可能になる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るトナーは、静電荷像現像用のトナーである。本実施形態のトナーは、多数の粒子(以下、トナー粒子という)から構成される粉体である。本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置で用いることができる。
電子写真装置では、トナーを含む現像剤を用いて静電荷像を現像する。これにより、感光体上に形成された静電潜像に、帯電したトナーが付着する。そして、付着したトナーを転写ベルトに転写した後、さらに転写ベルト上のトナー像を記録媒体(例えば紙)に転写し、熱によりトナーを記録媒体に定着させる。これにより、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンの4色のトナーを用いてそれぞれのトナー像を重ね合わせれば、フルカラー画像を得ることができる。
以下、図1を参照して、本実施形態に係るトナー(特にトナー粒子)の構成について説明する。図1は、本実施形態に係るトナーを構成するトナー粒子10を示す図である。
図1に示すように、トナー粒子10は、トナー母粒子11と、外添剤12とから構成される。
トナー母粒子11は、結着樹脂11aと、内添剤11b(例えば、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤)とから構成される。トナー母粒子11の表面には外添剤12が付着している。
ただし、トナー粒子10の構成は上記に限られない。トナー粒子10は、カプセル化されていてもよい。カプセル化されたトナー粒子10(カプセルトナー)は、コアと、コアの表面に形成されたシェル層(カプセル層)とから構成される。
[トナー母粒子]
以下、本実施形態に係るトナー母粒子11について説明する。
以下、本実施形態に係るトナー母粒子11について説明する。
トナー母粒子11は、結着樹脂11a及び内添剤11b(例えば、着色剤、離型剤、及び電荷制御剤)を含む。ただし、トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、着色剤、離型剤、又は電荷制御剤)を割愛してもよい。また、必要に応じて、トナー母粒子11に磁性粉を含ませてもよい。
トナー母粒子11の平均粒子径は5μm以上10μm以下であることが好ましい。
[結着樹脂]
以下、トナー母粒子11を構成する結着樹脂11aについて説明する。
以下、トナー母粒子11を構成する結着樹脂11aについて説明する。
結着樹脂11aの具体例としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、N−ビニル系樹脂、又はスチレン−ブタジエン樹脂のような熱可塑性樹脂が挙げられる。結着樹脂11a中での着色剤の分散性、トナーの帯電性、又はトナーの定着性を向上させるためには、スチレンアクリル系樹脂又はポリエステル樹脂がより好ましい。以下、スチレンアクリル系樹脂及びポリエステル樹脂について説明する。
スチレンアクリル系樹脂は、スチレン系単量体とアクリル系単量体との共重合体である。スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、又はp−エチルスチレンが挙げられる。アクリル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、又はメタアクリル酸iso−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。
ポリエステル樹脂は、例えばアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合又は共縮重合させることで得られる。ポリエステル樹脂を合成する際に用いられる成分の例としては、以下の2価又は3価以上のアルコール成分及び2価又は3価以上のカルボン酸成分が挙げられる。
2価又は3価以上のアルコール成分の具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールのようなジオール類;ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレン化ビスフェノールA、又はポリオキシプロピレン化ビスフェノールAのようなビスフェノール類;ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコール類が挙げられる。
2価又は3価以上のカルボン酸成分の具体例としては、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸(n−ブチルコハク酸、n−ブテニルコハク酸、イソブチルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、イソドデシルコハク酸、もしくはイソドデセニルコハク酸のようなアルキル又はアルケニルコハク酸)、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、又はマロン酸のような2価カルボン酸;1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸が挙げられる。これらの2価又は3価以上のカルボン酸成分は、酸ハライド、酸無水物、又は低級アルキルエステルのようなエステル形成性の誘導体であってもよい。「低級アルキル」とは、炭素原子数1〜6のアルキル基を意味する。
結着樹脂11aがポリエステル樹脂である場合のポリエステル樹脂の軟化点は、80℃以上150℃以下であることが好ましく、90℃以上140℃以下であることがより好ましい。
結着樹脂11aは熱可塑性樹脂であることが好ましい。こうした結着樹脂11aを用いることで、トナーの定着性が向上する。
結着樹脂11aは、熱可塑性樹脂のみから構成されてもよい。ただしこれに限られず、結着樹脂11aとしての熱可塑性樹脂に架橋剤又は熱硬化性樹脂を添加してもよい。結着樹脂11a中に架橋構造を導入することで、トナーの高い定着性を維持しながら、トナーの保存安定性、形態保持性、又は耐久性を向上させることが可能になる。熱可塑性樹脂に添加する熱硬化性樹脂の好適な例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂、又はシアネート樹脂が挙げられる。このうち、エポキシ樹脂又はシアネート系樹脂が、結着樹脂11aとして特に適している。これらの熱硬化性樹脂は、2種以上を組み合わせて使用できる。
結着樹脂11aのガラス転移点(Tg)は、50℃以上65℃以下であることが好ましく、50℃以上60℃以下であることがより好ましい。結着樹脂11aのガラス転移点(Tg)が50℃以上65℃以下であれば、トナーの高い定着性を維持しながら、トナーの保存安定性、形態保持性、又は耐久性を向上させることが可能になる。
結着樹脂11aのガラス転移点(Tg)の測定方法の例としては、示差走査熱量計(例えば、セイコーインスツル株式会社製「DSC−6200」)を用いて結着樹脂11aの吸熱曲線を測定することにより、吸熱曲線における比熱の変化点から求める方法が挙げられる。こうした測定方法の一例では、測定試料10mgをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを使用し、測定温度範囲25℃以上200℃以下、昇温速度10℃/分の条件で結着樹脂11aの吸熱曲線を求める。そして、得られた吸熱曲線に基づいてTgを求める。
[着色剤]
以下、トナー母粒子11(内添剤11b)が含んでもよい着色剤について説明する。
以下、トナー母粒子11(内添剤11b)が含んでもよい着色剤について説明する。
着色剤としては、例えばトナー粒子10の色に合わせて公知の顔料や染料を用いることができる。着色剤の使用量は、100質量部の結着樹脂11aに対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
(黒色着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子10のトナー母粒子11は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤は、例えばカーボンブラックから構成される。また、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用できる。
本実施形態に係るトナー粒子10のトナー母粒子11は、黒色着色剤を含有していてもよい。黒色着色剤は、例えばカーボンブラックから構成される。また、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤のような着色剤を用いて黒色に調色された着色剤も利用できる。
(カラー着色剤)
本実施形態に係るトナー粒子10のトナー母粒子11は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
本実施形態に係るトナー粒子10のトナー母粒子11は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含有していてもよい。
イエロー着色剤は、例えば縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、又はアリルアミド化合物から構成されることが好ましい。イエロー着色剤としては、例えばC.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ネフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローが好ましい。
マゼンタ着色剤は、例えば縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、又はペリレン化合物から構成されることが好ましい。マゼンタ着色剤としては、例えばC.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)が好ましい。
シアン着色剤は、例えば銅フタロシアニン化合物、銅フタロシアニン誘導体、アントラキノン化合物、又は塩基染料レーキ化合物から構成されることが好ましい。シアン着色剤としては、例えばC.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーが好ましい。
[離型剤]
以下、トナー母粒子11(内添剤11b)が含んでもよい離型剤について説明する。
以下、トナー母粒子11(内添剤11b)が含んでもよい離型剤について説明する。
離型剤は、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は100質量部の結着樹脂11aに対して1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
一例では、離型剤が、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、酸化ポリエチレンワックス、又は酸化ポリエチレンワックスのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物から構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、オゾケライト、セレシン、又はベトロラクタムのような鉱物系ワックスから構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤が、モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類から構成されることが好ましい。別の一例では、離型剤として、脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを用いることが好ましい。
[電荷制御剤]
以下、トナー母粒子11(内添剤11b)が含んでもよい電荷制御剤について説明する。
以下、トナー母粒子11(内添剤11b)が含んでもよい電荷制御剤について説明する。
本実施形態ではトナー母粒子11がカチオン性(正帯電性)を有する。このため、トナー母粒子11では正帯電性の電荷制御剤が使用される。電荷制御剤は、帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させ、耐久性又は安定性に優れたトナーを得る目的で使用される。帯電立ち上がり特性は、所定の帯電レベルに短時間でトナーを帯電できるか否かの指標になる。
[トナー母粒子の作製方法]
以下、トナー母粒子11の作製方法の一例について説明する。
以下、トナー母粒子11の作製方法の一例について説明する。
トナー母粒子11の作製方法の好適な例としては、粉砕法又は凝集法が挙げられる。
粉砕法の一例では、まず、結着樹脂、着色剤、電荷制御剤、及び離型剤を混合する。続けて、混合物を1軸又は2軸の押出機のような溶融混練装置を用いて溶融混練する。続けて、溶融混練物を粉砕及び分級する。これにより、トナー母粒子11が得られる。
凝集法の一例では、まず、結着樹脂、離型剤、及び着色剤の微粒子を水性媒体中で凝集させる。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。これにより、トナー母粒子11が得られる。
[外添剤]
以下、主に図2を参照して、本実施形態に係る外添剤12について説明する。
以下、主に図2を参照して、本実施形態に係る外添剤12について説明する。
外添剤12は、金属酸化物と樹脂とを含む粒子である。詳しくは、外添剤12は、酸化チタン粒子12aと、樹脂から構成されるコート層12bとを有する。コート層12bは、酸化チタン粒子12aの表面に形成されている。酸化チタン粒子12aはコート層12bで被覆されている。
本実施形態に係るトナーは、正帯電性のトナーである。本実施形態では、トナー母粒子11がカチオン性(正帯電性)を有する。また、本実施形態では、酸化チタン粒子12aがアニオン性(負帯電性)を有し、コート層12bがカチオン性(正帯電性)を有する。酸化チタンは、負に帯電し易い。これに対し、本実施形態では、酸化チタン粒子12aの表面にカチオン性のコート層12bが形成される。これにより、これまで以上に、トナーを所望する範囲の正の帯電量に安定して帯電させることが可能になる。その結果、優れた帯電安定性を有するトナーが得られ易くなる。
外添剤12は、トナー粒子10の流動性又は取扱性を向上させるために使用され、トナー母粒子11の表面に付着する。流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤12の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましく、2質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤12の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
(酸化チタン粒子)
酸化チタン粒子12aは、親水性を有することが好ましい。また、酸化チタン粒子12aは、フュームド酸化チタンであることが好ましい。
酸化チタン粒子12aは、親水性を有することが好ましい。また、酸化チタン粒子12aは、フュームド酸化チタンであることが好ましい。
本実施形態に係るトナーでは、酸化チタン粒子12aの表面が親水処理されている。例えば、Si(シリコン)系、Al(アルミニウム)系、もしくは有機系の処理剤、又はアルギン酸ナトリウムを用いて、酸化チタン粒子12aの表面を親水処理することができる。
親水処理された酸化チタン粒子12aの表面には、コート層12bが重合し易い。そのため、酸化チタン粒子12aの表面を親水処理することで、酸化チタン粒子12aとコート層12bとの接着強度、ひいてはトナーの帯電安定性を向上させることが可能になる。
(コート層)
コート層12bは、含窒素樹脂から構成される。コート層12bによれば、外添剤12の帯電量を正の所望する範囲に制御し易くなる。また、含窒素樹脂を含むコート層12bは、高湿(例えば80%RH)環境下でも常湿(例えば50%RH)環境下と略同等の高い正帯電性を有する傾向がある。この理由は、含窒素樹脂が強い疎水性を有するためであると考えられる。
コート層12bは、含窒素樹脂から構成される。コート層12bによれば、外添剤12の帯電量を正の所望する範囲に制御し易くなる。また、含窒素樹脂を含むコート層12bは、高湿(例えば80%RH)環境下でも常湿(例えば50%RH)環境下と略同等の高い正帯電性を有する傾向がある。この理由は、含窒素樹脂が強い疎水性を有するためであると考えられる。
また、外添剤12は、全体ではなく部分的に含窒素樹脂で構成される。詳しくは、外添剤12では、酸化チタン粒子12aが含窒素樹脂(コート層12b)で覆われる。このため、外添剤12では、その帯電量が過剰に高くなることを防止し易い。なお、含窒素樹脂は、その化学構造中に窒素原子を含む樹脂である。
含窒素樹脂の例としては、アミノ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アニリン樹脂、グアナミン樹脂、又はポリウレタン樹脂が挙げられる。
コート層12bを構成する含窒素樹脂はメラミン樹脂又は尿素樹脂であることが好ましい。コート層12bがメラミン樹脂又は尿素樹脂から構成される場合には、コート層12bと酸化チタン粒子12aとの間の接着性が長期にわたって高く維持され易い。
メラミン樹脂の例としては、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物が挙げられる。メラミン樹脂は、例えば次のような方法で形成することができる。
まず、メラミンとホルムアルデヒドとを付加反応させる。これにより、メラミン樹脂の前駆体(メチロールメラミン)が得られる。続けて、メチロールメラミン同士を縮合反応(架橋反応)させる。これにより、一のメチロールメラミンのアミノ基が他のメチロールメラミンのアミノ基とメチレン基を介して結合される。その結果、メラミン樹脂が得られる。
尿素樹脂の例としては、尿素とホルムアルデヒドとの重縮合物が挙げられる。尿素樹脂は、例えば上記メラミン樹脂の形成方法においてメラミンに代えて尿素を用いることによって形成できる。
コート層12bを構成する含窒素樹脂は酸化チタン粒子12aと重合することが好ましい。コート層12bと酸化チタン粒子12aとが重合することで、コート層12bと酸化チタン粒子12aとの間の接着性が長期にわたって高く維持され易くなる。
コート層12bを構成する含窒素樹脂は有機溶剤に溶解することが好ましい。こうした含窒素樹脂を用いれば、含窒素樹脂の有機溶媒溶液を酸化チタン粒子12aに塗布した後、有機溶媒を除去することで、酸化チタン粒子12aの表面に含窒素樹脂からなるコート層12bを形成することが可能になる(溶液コート法)。このため、コート層12bの形成が容易になる。
コート層12bを構成する含窒素樹脂のモノマー又はプレポリマーは所定の溶媒に溶解することが好ましい。こうした含窒素樹脂を用いれば、酸化チタン粒子12aを分散させた溶媒中で含窒素樹脂のモノマー又はプレポリマーを反応(重合)させて、酸化チタン粒子12aの表面に含窒素樹脂からなるコート層12bを形成することが可能になる(反応法)。このため、コート層12bの形成が容易になる。また、反応法によってコート層12bを形成した場合、コート層12bと酸化チタン粒子12aとの間の接着性が長期にわたって高く維持され易くなる。
[外添剤の作製方法]
以下、外添剤12の作製方法の一例(反応法)について説明する。
以下、外添剤12の作製方法の一例(反応法)について説明する。
酸化チタン粒子12aの分散液(酸化チタン粒子12aを分散させた溶媒)にコート層12bの材料を添加した後、分散液を加熱して、分散液中のコート層12bの材料を全て反応させる。その後、分散液を常温まで冷却する。これにより、外添剤12の分散液が得られる。外添剤12は、酸化チタン粒子12aと、酸化チタン粒子12aの表面に形成されたコート層12bとを有する。
続けて、外添剤12の分散液について固液分離を行って、液から外添剤12を取り出す。続けて、外添剤12を洗浄する。続けて、外添剤12を乾燥する。続けて、外添剤12(粗粒子)を粉砕して微粒子化する。これにより、微粒子化された外添剤12が得られる。効率的に外添剤12を形成するためには、多数の外添剤12を同時に形成することが好ましい。
反応法においては、攪拌装置(例えば、プライミクス株式会社製「ハイビスミックス」)を用いて酸化チタン粒子12aの分散液を攪拌しながら、液中で含窒素樹脂のモノマー又はプレポリマーを反応(重合)させることが好ましい。
酸化チタン粒子12aの表面にメラミン樹脂又は尿素樹脂から構成されるコート層12bを形成する場合には、コート層12bの形成前に、酸化チタン粒子12aの分散液のpHを2以上6以下に調整することが好ましい。分散液のpHを中性(pH7)よりも酸性側に調整することで、コート層12bの形成を促進することが可能になる。
また、酸化チタン粒子12aの表面にメラミン樹脂又は尿素樹脂から構成されるコート層12bを形成する場合には、コート層12bを形成する際の温度を60℃以上100℃以下にすることが好ましい。60℃以上100℃以下の温度下では、コート層12bの形成を促進することが可能になる。
以下、反応法における洗浄工程、乾燥工程、及び粉砕工程の各々の一例について説明する。
<洗浄工程>
外添剤12の洗浄には水を用いることができる。外添剤12の洗浄方法の好適な例としては、次の2つの方法が挙げられる。第1の方法は、外添剤12の分散液を濾過して外添剤12をウエットケーキとして回収し、得られたウエットケーキを水を用いて洗浄する方法である。第2の方法は、分散液中の外添剤12を沈降させ、分散液の上澄み液を水と置換し、置換後に分散液中の外添剤12を水に再分散させる方法である。
外添剤12の洗浄には水を用いることができる。外添剤12の洗浄方法の好適な例としては、次の2つの方法が挙げられる。第1の方法は、外添剤12の分散液を濾過して外添剤12をウエットケーキとして回収し、得られたウエットケーキを水を用いて洗浄する方法である。第2の方法は、分散液中の外添剤12を沈降させ、分散液の上澄み液を水と置換し、置換後に分散液中の外添剤12を水に再分散させる方法である。
<乾燥工程>
外添剤12の乾燥方法の好適な例としては、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機のような乾燥機を用いる方法が挙げられる。
外添剤12の乾燥方法の好適な例としては、スプレードライヤー、流動層乾燥機、真空凍結乾燥器、又は減圧乾燥機のような乾燥機を用いる方法が挙げられる。
<粉砕工程>
乾燥後、外添剤12(粗粒子)の集合体である粗粉体(外添剤12の粗粉体)を粉砕する。外添剤12の粉砕方法の好適な例としては、連続式表面改質装置、気流式粉砕装置、又は機械式粉砕装置のような粉砕装置を用いる方法が挙げられる。
乾燥後、外添剤12(粗粒子)の集合体である粗粉体(外添剤12の粗粉体)を粉砕する。外添剤12の粉砕方法の好適な例としては、連続式表面改質装置、気流式粉砕装置、又は機械式粉砕装置のような粉砕装置を用いる方法が挙げられる。
本実施形態のトナーの製造方法は、外添剤12を構成する酸化チタン粒子12aを準備するステップと、酸化チタン粒子12aの表面に、含窒素樹脂から構成されるコート層12bを形成するステップとを含む。こうした方法によれば、低コストで、本実施形態に係る外添剤12(図2)を好適に作製することが可能になる。
コート層12bを形成するステップでは、水性媒体中、60℃以上90℃以下(より好ましくは、60℃以上80℃以下)の温度で、酸化チタン粒子12aの表面で含窒素樹脂を重合させることが好ましい。水性媒体が沸騰しない範囲で水性媒体の温度を高くすることで、反応速度などを制御しつつ重合反応を促進することが可能になる。
[外添方法]
トナー母粒子11の表面に外添剤12を付着させる(外添する)ことで、トナー粒子10が製造される。以下、本実施形態に係る外添方法について説明する。
トナー母粒子11の表面に外添剤12を付着させる(外添する)ことで、トナー粒子10が製造される。以下、本実施形態に係る外添方法について説明する。
外添方法の好適な例としては、トナー母粒子11に外添剤12が埋め込まれないような条件で、ヘンシェルミキサー又はナウターミキサーのような混合機を用いてトナー母粒子11と外添剤12とを混合する方法が挙げられる。
外添剤12の使用量は、100質量部のトナー母粒子11に対して、1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、1.5質量部以上5質量部以下であることがより好ましい。
[2成分現像剤]
本実施形態のトナーをキャリアと混合して2成分現像剤を作製してもよい。
本実施形態のトナーをキャリアと混合して2成分現像剤を作製してもよい。
2成分現像剤を作製する場合、キャリアとして磁性キャリアを用いることが好ましい。好適なキャリアの例としては、キャリア芯材が樹脂で被覆されたキャリアが挙げられる。キャリア芯材の例としては、鉄、酸化処理鉄、還元鉄、マグネタイト、銅、ケイ素鋼、フェライト、ニッケル、もしくはコバルトのような金属の粒子、又はこれらの材料とマンガン、亜鉛、もしくはアルミニウムのような金属との合金の粒子;鉄−ニッケル合金又は鉄−コバルト合金のような鉄合金の粒子;酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化銅、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、チタン酸マグネシウム、チタン酸バリウム、チタン酸リチウム、チタン酸鉛、ジルコン酸鉛、又はニオブ酸リチウムのようなセラミックスの粒子;リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、又はロッシェル塩のような高誘電率物質の粒子;上記磁性粒子を樹脂中に分散させた樹脂キャリアが挙げられる。
キャリア芯材を被覆する樹脂の例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体、オレフィン系重合体(ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリカーボネート、セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン)、フェノール樹脂、キシレン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリアセタール樹脂、又はアミノ樹脂が挙げられる。これらの樹脂は2種以上を組み合わせて使用できる。
キャリアの粒子径は、電子顕微鏡を用いて測定される粒子径で、20μm以上120μm以下であることが好ましく、25μm以上80μm以下であることがより好ましい。
トナーの含有量は、2成分現像剤の質量に対して3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。トナーの含有量が2成分現像剤の質量に対して3質量%以上20質量%以下であれば、トナーを用いて高い画像濃度の画像を形成し易くなる。また、トナーの帯電不良が生じにくくなる。その結果、画像形成装置内部の汚染を抑制できる。
[2成分現像剤の作製方法]
2成分現像剤の作製方法の好適な例としては、ボールミルのような混合装置を用いてトナーとキャリアとを混合する方法が挙げられる。
2成分現像剤の作製方法の好適な例としては、ボールミルのような混合装置を用いてトナーとキャリアとを混合する方法が挙げられる。
以下、本発明の実施例について説明する。
本実施例では、現像剤A〜G(それぞれ2成分現像剤)を評価した。現像剤A〜Gではそれぞれ、表1に示す外添剤A〜Gを外添剤12として用いた。
以下、主に表1を参照して、外添剤A〜Gの調製方法について説明する。
[外添剤Aの調製方法]
<分散液の調製>
イオン交換水500mlと、酸化チタン(日本アエロジル株式会社製「P90(未処理の乾式フュームド酸化チタン)」)50gとを混合装置に投入し、常温にて30分間、30rpmの条件で、混合装置の内容物を撹拌した。混合装置としては、プライミクス株式会社製の「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」を用いた。これにより、酸化チタン粒子12aの分散液が得られた。
<分散液の調製>
イオン交換水500mlと、酸化チタン(日本アエロジル株式会社製「P90(未処理の乾式フュームド酸化チタン)」)50gとを混合装置に投入し、常温にて30分間、30rpmの条件で、混合装置の内容物を撹拌した。混合装置としては、プライミクス株式会社製の「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」を用いた。これにより、酸化チタン粒子12aの分散液が得られた。
続けて、得られた分散液に0.5N−希塩酸を添加することにより、分散液のpHを3以上4以下に調整した。
続けて、pHが調整された分散液に、コート層12bの材料である水溶性メチロールメラミン(日本カーバイド工業株式会社製「ニカレヂンS−260」)25gを投入した。続けて、混合装置(プライミクス株式会社製「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」)を用いて、常温にて5分間、30rpmの条件で分散液を撹拌した。その後、混合装置の内容物を、温度計及び撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコに移した。
続けて、フラスコの内容物を撹拌しながら35℃から90℃まで5℃/15分の速度で昇温した。撹拌には、モーター(アズワン株式会社製「アズワントルネードモーター1−5472−04」)に撹拌羽根(アズワン株式会社製「アズワン撹拌羽根R−1345型」)を取り付けた撹拌装置を用いた。
続けて、90℃、30分間、回転速度90rpmの条件で、フラスコの内容物を撹拌した。これにより、酸化チタン粒子12aの表面にカチオン性のコート層12bが形成された。その後、フラスコの内容物を常温まで冷却した。その結果、外添剤Aの分散液が得られた。
<乾燥>
ブフナーロートを用いて、外添剤Aの分散液から外添剤Aのウエットケーキをろ取した。外添剤Aのウエットケーキを、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、スラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃、ブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中の外添剤Aを乾燥させた。これにより、外添剤Aの粗粉体が得られた。
ブフナーロートを用いて、外添剤Aの分散液から外添剤Aのウエットケーキをろ取した。外添剤Aのウエットケーキを、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、スラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃、ブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中の外添剤Aを乾燥させた。これにより、外添剤Aの粗粉体が得られた。
<粉砕>
粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルI−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、乾燥した外添剤Aの粗粉体を粉砕した。これにより、粒子径15nmの外添剤A(微粉体)が得られた。なお、粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。
粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルI−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、乾燥した外添剤Aの粗粉体を粉砕した。これにより、粒子径15nmの外添剤A(微粉体)が得られた。なお、粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。
[外添剤Bの調製方法]
外添剤Bの調製方法は、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)に代えてメチロール化尿素(昭和電工株式会社製「ミルベンレジンSU−100」)を用いた以外は、外添剤Aの調製方法と概ね同じである。
外添剤Bの調製方法は、水溶性メチロールメラミン(ニカレヂンS−260)に代えてメチロール化尿素(昭和電工株式会社製「ミルベンレジンSU−100」)を用いた以外は、外添剤Aの調製方法と概ね同じである。
[外添剤Cの調製方法]
外添剤Cの調製方法は、酸化チタンを日本アエロジル株式会社製の「P90」からテイカ株式会社製の「MT−150A(未処理の湿式酸化チタン微粒子)」に変更した以外は、外添剤Aの調製方法と概ね同じである。
外添剤Cの調製方法は、酸化チタンを日本アエロジル株式会社製の「P90」からテイカ株式会社製の「MT−150A(未処理の湿式酸化チタン微粒子)」に変更した以外は、外添剤Aの調製方法と概ね同じである。
[外添剤Dの調製方法]
外添剤Dの調製方法は、酸化チタンを日本アエロジル株式会社製の「P90」からテイカ株式会社製の「MT−100WP(親水処理された湿式酸化チタン微粒子)」に変更した以外は、外添剤Aの調製方法と概ね同じである。
外添剤Dの調製方法は、酸化チタンを日本アエロジル株式会社製の「P90」からテイカ株式会社製の「MT−100WP(親水処理された湿式酸化チタン微粒子)」に変更した以外は、外添剤Aの調製方法と概ね同じである。
[外添剤Eの調製方法]
外添剤Eの調製方法は、コート層12bを形成しなかった以外は、外添剤Aの調製方法と概ね同じである。
外添剤Eの調製方法は、コート層12bを形成しなかった以外は、外添剤Aの調製方法と概ね同じである。
[外添剤Fの調製方法]
<分散液の調製>
トルエン(和光純薬工業株式会社製「トルエン一級」)500mlと、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1gとを混合装置に投入し、γ−アミノプロピルトリエトキシシランをトルエンに溶解させた。混合装置としては、プライミクス株式会社製の「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」を用いた。
<分散液の調製>
トルエン(和光純薬工業株式会社製「トルエン一級」)500mlと、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン1gとを混合装置に投入し、γ−アミノプロピルトリエトキシシランをトルエンに溶解させた。混合装置としては、プライミクス株式会社製の「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」を用いた。
続けて、混合装置の内容物(トルエン溶液)に酸化チタン(日本アエロジル株式会社製「P90(未処理の乾式フュームド酸化チタン)」)50gを加えて、常温にて30分間、30rpmの条件で、混合装置の内容物を撹拌した。その後、温度計及び撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコに混合装置の内容物を移した。これにより、酸化チタン粒子12aの分散液が得られた。
続けて、フラスコの内容物を撹拌しながら35℃から70℃まで5℃/15分の速度で昇温した。撹拌には、モーター(アズワン株式会社製「アズワントルネードモーター1−5472−04」)に撹拌羽根(アズワン株式会社製「アズワン撹拌羽根R−1345型」)を取り付けた撹拌装置を用いた。
続けて、70℃、30分間、回転速度90rpmの条件で、フラスコの内容物を撹拌した。これにより、酸化チタン粒子12aの表面にコート層12bが形成された。
<乾燥>
ロータリーエヴァポレーターを用いて、フラスコの内容物からトルエンを留去した。これにより、固形物が得られた。続けて、減圧乾燥機を用いて、設定温度50℃で減量しなくなるまで固形物を乾燥した。さらに、電気炉を用いて、窒素気流下、200℃の条件で、3時間加熱処理を行った。これにより、外添剤Fの粗粉体が得られた。外添剤Fの表面にはアミノ基が導入された。
ロータリーエヴァポレーターを用いて、フラスコの内容物からトルエンを留去した。これにより、固形物が得られた。続けて、減圧乾燥機を用いて、設定温度50℃で減量しなくなるまで固形物を乾燥した。さらに、電気炉を用いて、窒素気流下、200℃の条件で、3時間加熱処理を行った。これにより、外添剤Fの粗粉体が得られた。外添剤Fの表面にはアミノ基が導入された。
<粉砕>
粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルI−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、外添剤Fの粗粉体を粉砕した。これにより、外添剤F(微粉体)が得られた。なお、粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。
粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルI−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、外添剤Fの粗粉体を粉砕した。これにより、外添剤F(微粉体)が得られた。なお、粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。
[外添剤Gの調製方法]
<分散液の調製>
n−ヘキサン(和光純薬工業株式会社製「n−ヘキサン一級」)500mlと、アミノ変性シリコンオイル(信越化学工業株式会社製「KF857」)0.1gとを混合装置に投入し、アミノ変性シリコンオイルをn−ヘキサンに溶解させた。混合装置としては、プライミクス株式会社製の「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」を用いた。
<分散液の調製>
n−ヘキサン(和光純薬工業株式会社製「n−ヘキサン一級」)500mlと、アミノ変性シリコンオイル(信越化学工業株式会社製「KF857」)0.1gとを混合装置に投入し、アミノ変性シリコンオイルをn−ヘキサンに溶解させた。混合装置としては、プライミクス株式会社製の「T.K.ハイビスディスパーミックスHM−3D−5型」を用いた。
続けて、混合装置の内容物(n−ヘキサン溶液)に、酸化チタン(日本アエロジル株式会社製「P90(未処理の乾式フュームド酸化チタン)」)50gを加えて、常温にて30分間、30rpmの条件で、混合装置の内容物を撹拌した。その後、温度計及び撹拌羽根を備えた1リットルのセパラブルフラスコに混合装置の内容物を移した。これにより、酸化チタン粒子12aの分散液が得られた。
続けて、フラスコの内容物を撹拌しながら35℃から70℃まで5℃/15分の速度で昇温した。これにより、酸化チタン粒子12aの表面にコート層12bが形成された。撹拌には、モーター(アズワン株式会社製「アズワントルネードモーター1−5472−04」)に撹拌羽根(アズワン株式会社製「アズワン撹拌羽根R−1345型」)を取り付けた撹拌装置を用いた。
<乾燥>
続けて、減圧乾燥機を用いて、設定温度70℃で減量しなくなるまでフラスコの内容物を乾燥した。さらに、電気炉を用いて、窒素気流下、200℃の条件で、3時間加熱処理を行った。これにより、外添剤Gの粗粉体が得られた。外添剤Gの表面にはアミノ基が導入された。
続けて、減圧乾燥機を用いて、設定温度70℃で減量しなくなるまでフラスコの内容物を乾燥した。さらに、電気炉を用いて、窒素気流下、200℃の条件で、3時間加熱処理を行った。これにより、外添剤Gの粗粉体が得られた。外添剤Gの表面にはアミノ基が導入された。
<粉砕>
粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルI−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、外添剤Gの粗粉体を粉砕した。これにより、外添剤G(微粉体)が得られた。なお、粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。
粉砕機(日本ニューマチック工業株式会社製「ジェットミルI−2型」)を用いて、粉砕圧0.6MPaの条件で、外添剤Gの粗粉体を粉砕した。これにより、外添剤G(微粉体)が得られた。なお、粉砕においては、衝突板としてセラミック製の平板を用いた。
[現像剤A〜Gの調製方法]
以下、現像剤A〜Gの調製方法について説明する。表2に、現像剤A〜Gの調製に用いられた結着樹脂11a、内添剤11b(顔料、離型剤、電荷制御剤)、及び外添剤12を示す。
以下、現像剤A〜Gの調製方法について説明する。表2に、現像剤A〜Gの調製に用いられた結着樹脂11a、内添剤11b(顔料、離型剤、電荷制御剤)、及び外添剤12を示す。
以下、主に表2を参照して、現像剤A〜Gの調製方法について説明する。
[現像剤Aの調製方法]
<トナー母粒子の作製>
混合機(日本コークス工業株式会社製「ヘンシェルミキサー」)を用いて、100質量部の結着樹脂11aに対して着色剤4質量部と電荷制御剤1質量部と離型剤5質量部とを混合した。
<トナー母粒子の作製>
混合機(日本コークス工業株式会社製「ヘンシェルミキサー」)を用いて、100質量部の結着樹脂11aに対して着色剤4質量部と電荷制御剤1質量部と離型剤5質量部とを混合した。
結着樹脂11aとしては、酸価5.6mgKOH/g、融点120℃のポリエステル樹脂を用いた。着色剤としては、C.I.ピグメントブルー15:3(銅フタロシアニンブルー顔料)を用いた。電荷制御剤としては、クラリアント社製の「P51」を用いた。離型剤としては、ワックス(カルナバロウ)を用いた。
続けて、上記混合物を2軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて混練した。続けて、混練物を機械式粉砕機(フロイント・ターボ株式会社製「ターボミル」)を用いて粉砕し、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェット」)を用いて分級した。これにより、中位径(体積分布基準)6.8μmのトナー母粒子11が得られた。
<外添>
トナー母粒子11の粉体と、トナー母粒子11(粉体)に対して3.0質量%の外添剤Aの粉体とを混合装置に投入し、混合装置の内容物を5分間混合した。混合装置としては、5Lの混合機(日本コークス工業株式会社製「ヘンシェルミキサー」)を用いた。続けて、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて混合物を篩分けした。これにより、トナー粒子10を多数有するトナーが得られた。
トナー母粒子11の粉体と、トナー母粒子11(粉体)に対して3.0質量%の外添剤Aの粉体とを混合装置に投入し、混合装置の内容物を5分間混合した。混合装置としては、5Lの混合機(日本コークス工業株式会社製「ヘンシェルミキサー」)を用いた。続けて、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて混合物を篩分けした。これにより、トナー粒子10を多数有するトナーが得られた。
<トナーとキャリアとの混合>
キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550用キャリア」)と、キャリアの質量に対して10質量%のトナーとを混合装置に投入し、混合装置の内容物を30分間撹拌した。混合装置としては、粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー(登録商標)」)を用いた。これにより、現像剤A(2成分現像剤)が得られた。
キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550用キャリア」)と、キャリアの質量に対して10質量%のトナーとを混合装置に投入し、混合装置の内容物を30分間撹拌した。混合装置としては、粉体混合機(愛知電機株式会社製「ロッキングミキサー(登録商標)」)を用いた。これにより、現像剤A(2成分現像剤)が得られた。
[現像剤Bの調製方法]
現像剤Bの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Bを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
現像剤Bの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Bを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
[現像剤Cの調製方法]
現像剤Cの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Cを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
現像剤Cの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Cを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
[現像剤Dの調製方法]
現像剤Dの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Dを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
現像剤Dの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Dを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
[現像剤Eの調製方法]
現像剤Eの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Eを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
現像剤Eの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Eを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
[現像剤Fの調製方法]
現像剤Fの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Fを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
現像剤Fの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Fを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
[現像剤Gの調製方法]
現像剤Gの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Gを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
現像剤Gの調製方法は、外添剤Aに代えて外添剤Gを用いた以外は、現像剤Aの調製方法と概ね同じである。
[評価方法]
各試料(現像剤A〜G)の評価方法は、以下の通りである。
各試料(現像剤A〜G)の評価方法は、以下の通りである。
(画像濃度、かぶり濃度、帯電量)
画像濃度(ID)及びかぶり濃度(FD)の測定にはそれぞれ、マクベス反射濃度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社製「RD914」)を用いた。なお、かぶり濃度(FD)は、印刷後の記録媒体の白紙部の画像濃度(ID)からベースペーパーの画像濃度(ID)を引いた値に相当する。
画像濃度(ID)及びかぶり濃度(FD)の測定にはそれぞれ、マクベス反射濃度計(サカタインクスエンジニアリング株式会社製「RD914」)を用いた。なお、かぶり濃度(FD)は、印刷後の記録媒体の白紙部の画像濃度(ID)からベースペーパーの画像濃度(ID)を引いた値に相当する。
画像濃度(ID)が1.4以上であれば◎(非常に良い)と評価した。画像濃度(ID)が1.3以上1.4未満であれば○(良い)と評価した。画像濃度(ID)が1.2以上1.3未満であれば△(良くない)と評価した。画像濃度(ID)が1.2未満であれば×(非常に良くない)と評価した。
かぶり濃度(FD)が0.003以下であれば◎(非常に良い)と評価した。かぶり濃度(FD)が0.003超0.006以下であれば○(良い)と評価した。かぶり濃度(FD)が0.006超0.01以下であれば△(良くない)と評価した。かぶり濃度(FD)が0.01よりも大きければ×(非常に良くない)と評価した。
帯電量の測定には、QMメーター(TREK社製「MODEL 210HS」)を用いた。詳しくは、QMメーターの吸引部を用いて試料(現像剤A〜G)0.10g(±0.01g)中のトナーを吸引し、吸引されたトナーの量とQMメーターの表示とに基づいて帯電量を算出した。
帯電量が20μC/g以上であれば○(良い)と判断し、帯電量が20μC/g未満であれば×(良くない)と判断した。
(耐久性)
評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550」)を用いた。試料(現像剤A〜G)を評価機のシアン色用現像部に投入し、補充用のトナーを評価機のシアン色用トナーコンテナに投入した。
評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550」)を用いた。試料(現像剤A〜G)を評価機のシアン色用現像部に投入し、補充用のトナーを評価機のシアン色用トナーコンテナに投入した。
まず、ベタ画像を含むサンプル画像を出力して、サンプル画像におけるベタ画像の評価に用いられる記録媒体の画像濃度(ID)、かぶり濃度(FD)、及び帯電量を測定した。
続けて、常温常湿(温度23℃、湿度50%RH)環境下において、評価機を用いて印字率1%の所定の評価パターン(画像)を5000枚の記録媒体に印刷した。その後、ベタ画像を含むサンプル画像を出力して、サンプル画像におけるベタ画像の画像濃度(ID)、かぶり濃度(FD)、及び現像剤中のトナーの帯電量を測定した。
続けて、常温常湿(温度23℃、湿度50%RH)環境下において、評価機を用いて印字率50%の所定の評価パターン(画像)を1000枚の記録媒体に印刷した。その後、ベタ画像を含むサンプル画像を出力して、サンプル画像におけるベタ画像の画像濃度(ID)及び現像剤中のトナーの帯電量を測定した。また、25枚印刷するごとにかぶり濃度(FD)を測定し、測定されたかぶり濃度(FD)のうち最も大きい値を評価値とした。
上記のようにして、初期と、印字率1%での5000枚印刷後と、印字率50%での1000枚印刷後との3つのタイミングの各々で、画像濃度(ID)、かぶり濃度(FD)、及び帯電量を評価した。
(環境性)
評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550」)を用いた。試料(現像剤A〜G)を評価機のシアン色用現像部に投入し、補充用のトナーを評価機のシアン色用トナーコンテナに投入した。
評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550」)を用いた。試料(現像剤A〜G)を評価機のシアン色用現像部に投入し、補充用のトナーを評価機のシアン色用トナーコンテナに投入した。
常温常湿環境(温度23℃、湿度50%RH)と、高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)と、低温低湿環境(温度10℃、湿度20%RH)との3つの環境条件の各々で、試料(現像剤A〜G)を24時間放置した後、上記評価機を用いて、ベタ画像を含むサンプル画像を出力して、サンプル画像におけるベタ画像の画像濃度(ID)、かぶり濃度(FD)、及び現像剤中のトナーの帯電量を評価した。
[評価結果]
表3に、現像剤A〜Gの耐久性についての評価結果をまとめて示す。
表3に、現像剤A〜Gの耐久性についての評価結果をまとめて示す。
現像剤A〜Gのいずれにおいても、初期と、印字率1%での5000枚印刷後と、印字率50%での1000枚印刷後との3つのタイミングの各々で、画像濃度(ID)が1.3以上であった。
現像剤Dでは、上記3つのタイミングの各々で、かぶり濃度(FD)が0.003以下であった。現像剤A、B、及びCの各々では、上記3つのタイミングの各々で、かぶり濃度(FD)が0.006以下であった。現像剤E、F、及びGの各々では、印字率50%での1000枚印刷後において、かぶり濃度(FD)が0.01よりも大きかった。
現像剤A〜D、F、及びGではそれぞれ、上記3つのタイミングの各々で、帯電量が20μC/g以上であった。
現像剤Eでは、初期と、印字率50%での1000枚印刷後とのタイミングの各々で、帯電量が20μC/g未満であった。
表4に、現像剤A〜Gの環境性についての評価結果をまとめて示す。
現像剤A〜Gのいずれにおいても、常温常湿環境(温度23℃、湿度50%RH)と、高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)と、低温低湿環境(温度10℃、湿度20%RH)との3つの環境条件の各々で、画像濃度(ID)が1.3以上であった。
現像剤A、B、C、及びDの各々では、上記3つの環境条件の各々で、かぶり濃度(FD)が0.003以下であった。現像剤Gでは、高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)において、かぶり濃度(FD)が0.003超0.006以下であった。現像剤Fでは、高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)において、かぶり濃度(FD)が0.006超0.01以下であった。現像剤Eでは、高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)において、かぶり濃度(FD)が0.01よりも大きかった。
現像剤A〜Dではそれぞれ、上記3つの環境条件の各々で、帯電量が20μC/g以上であった。
現像剤Eでは、常温常湿環境(温度23℃、湿度50%RH)と、高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)との各々で、帯電量が20μC/g未満であった。
現像剤F及びGではそれぞれ、高温高湿環境(温度32.5℃、湿度80%RH)において帯電量が20μC/g未満であった。
以上説明したように、現像剤A〜Dのトナーに含まれる外添剤A〜Dは、酸化チタン粒子12aと、酸化チタン粒子12aの表面に形成されたコート層12bとを有する。コート層12bは含窒素樹脂から構成される。こうした構成によれば、多数の記録媒体に連続して印刷する場合にも、低温低湿環境下又は高温高湿環境下でトナーを長期間保存した後に印刷する場合にも、形成した画像にかぶりが発生することを抑制して高画質の画像を形成し易くなる。また、所望するトナーの帯電量を確保し易くなる。その結果、逆帯電したトナー粒子10に起因するトナー飛散が発生しにくくなる。
現像剤Dのトナーに含まれる外添剤Dでは、酸化チタン粒子12aの表面が親水処理されている。酸化チタン粒子12aの表面を親水処理することで、酸化チタン粒子12aとコート層12bとの接着強度、ひいてはトナーの帯電安定性を向上させることが可能になる。その結果、形成した画像にかぶりが発生することが抑制される。
外添剤A〜Gの調製方法ではそれぞれ、コート層12bを形成する工程において、水性媒体中、60℃以上90℃以下の温度(詳しくは、90℃)で、酸化チタン粒子12aの表面に含窒素樹脂を重合させた。水性媒体が沸騰しない範囲で水性媒体の温度を高くすることで、反応速度などを制御しつつ重合反応を促進することが可能になる。
本発明は上記実施例には限定されない。
トナーの外添剤が、酸化チタン粒子と、酸化チタン粒子の表面に形成されたコート層とを有し、コート層が含窒素樹脂から構成される場合には、そのトナーは優れた帯電性を有する。また、優れたトナーの帯電性が長期にわたって維持される。また、こうしたトナーを用いることで、高画像濃度の画像の連続印刷に使用した場合であっても、形成した画像にかぶりが生じにくい。また、こうしたトナーを用いることで、環境変化に伴うトナーの帯電性の低下を抑制することが可能になる。
トナーの外添剤が、酸化チタン粒子と、酸化チタン粒子の表面に形成されたコート層とを有し、コート層が含窒素樹脂から構成される場合には、そのトナーは優れた帯電性を有する。また、優れたトナーの帯電性が長期にわたって維持される。また、こうしたトナーを用いることで、高画像濃度の画像の連続印刷に使用した場合であっても、形成した画像にかぶりが生じにくい。また、こうしたトナーを用いることで、環境変化に伴うトナーの帯電性の低下を抑制することが可能になる。
トナー母粒子に複数種の外添剤を付着させてもよい。例えば、外添剤として無機微粒子と有機微粒子とを併用してもよい。トナー母粒子に複数種の外添剤を付着させた場合には、複数種の外添剤のうち少なくとも1つの外添剤が上記構成を有していれば、トナーの帯電性を向上させることが可能になる。
本発明に係るトナーは、例えば、複写機又はプリンターにおいて画像を形成するために用いることができる。
10 トナー粒子
11 トナー母粒子
11a 結着樹脂
11b 内添剤
12 外添剤
12a 酸化チタン粒子
12b コート層
11 トナー母粒子
11a 結着樹脂
11b 内添剤
12 外添剤
12a 酸化チタン粒子
12b コート層
Claims (7)
- 複数のトナー粒子を含むトナーであって、
前記トナー粒子は、トナー母粒子と前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有し、
前記外添剤は、酸化チタン粒子と、前記酸化チタン粒子の表面に形成されたコート層とを有し、
前記コート層は含窒素樹脂から構成される、トナー。 - 前記酸化チタン粒子の表面が親水処理されている、請求項1に記載のトナー。
- 前記トナー母粒子はカチオン性を有し、前記酸化チタン粒子はアニオン性を有し、前記コート層はカチオン性を有する、請求項1又は2に記載のトナー。
- 前記含窒素樹脂はメラミン樹脂又は尿素樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記含窒素樹脂は前記酸化チタン粒子と重合する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
- 複数のトナー粒子を含むトナーの製造方法であって、
前記トナー粒子は、トナー母粒子と前記トナー母粒子の表面に付着した外添剤とを有し、
前記外添剤を構成する酸化チタン粒子を準備するステップと、
前記酸化チタン粒子の表面に、含窒素樹脂から構成されるコート層を形成するステップと、
を含む、トナーの製造方法。 - 前記コート層を形成するステップでは、水性媒体中、60℃以上90℃以下の温度で、前記酸化チタン粒子の表面で前記含窒素樹脂を重合させる、請求項6に記載のトナーの製造方法。
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2013
- 2013-10-10 JP JP2013212737A patent/JP2015075686A/ja active Pending
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