JP2016170328A - トナー - Google Patents

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英陽 堀
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昌己 辻廣
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良太郎 駒田
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Abstract

【課題】耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率に優れるトナーを提供する。
【解決手段】トナーが、コアと、コアの表面に形成されたシェル層とを有するトナー粒子を複数含む。シェル層が、水溶性熱硬化性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂とを含む。外添剤が付着していない状態のトナー粒子をRu染色して、Ru染色されたトナー粒子の反射電子像の輝度値分布を測定した場合に、次に示すような測定結果が得られる。コア由来ピークのピーク輝度値に対するシェル層由来ピークのピーク輝度値の比率は1.10以上1.40以下である。コア由来ピークの半値全幅に対するシェル層由来ピークの半値全幅の比率は1.60以上3.20以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、トナーに関し、特にカプセルトナーに関する。
カプセルトナーに含まれるトナー粒子は、コア(以下、トナーコアと記載する)と、トナーコアの表面に形成されたシェル層(カプセル層)とを有する。例えば特許文献1に記載されるカプセルトナーでは、トナー粒子が、軟化温度40℃以上150℃以下のトナーコアを有する。
特開2004−138985号公報
しかしながら、特許文献1に開示される技術だけでは、耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率に優れるトナーを提供することは困難である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率に優れるトナーを提供することを目的とする。
本発明に係るトナーは、コアと、前記コアの表面に形成されたシェル層とを有するトナー粒子を複数含む。前記シェル層が、水溶性熱硬化性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂とを含む。外添剤が付着していない状態の前記トナー粒子をRu染色して、前記Ru染色されたトナー粒子の反射電子像の輝度値分布を測定した場合に、次に示すような測定結果が得られる。コア由来ピークのピーク輝度値に対するシェル層由来ピークのピーク輝度値の比率は1.10以上1.40以下である。前記コア由来ピークの半値全幅に対する前記シェル層由来ピークの半値全幅の比率は1.60以上3.20以下である。
本発明によれば、耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率に優れるトナーを提供することができる。
本発明の実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成の一例を示す図である。 本発明の実施形態に係るトナーについて、透過電子顕微鏡(TEM)を用いてトナー粒子の断面(特に、シェル層の断面)を撮影した写真である。 本発明の実施形態に係るトナーについて、輝度値分布を測定する際にSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて撮影される試料(トナー母粒子)の一例の写真である。 本発明の実施形態に係るトナーについて、輝度値分布の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係るトナーは、例えば正帯電性トナーとして、静電潜像の現像に好適に用いることができる。本実施形態のトナーは、多数のトナー粒子(それぞれ後述する構成を有する粒子)を含む粉体である。トナーは、1成分現像剤として使用してもよい。また、トナーをキャリアと混合して2成分現像剤を調製してもよい。
本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子は、コア(トナーコア)と、トナーコアの表面に形成されたシェル層(カプセル層)とを有する。シェル層の表面に外添剤が付着していてもよい。また、トナーコアの表面に複数のシェル層が積層されてもよい。なお、必要がなければ外添剤を割愛してもよい。以下、外添剤が付着する前のトナー粒子を、トナー母粒子と記載する。また、外添処理後、付着した外添剤を除去したトナー粒子も、トナー母粒子と記載する。また、シェル層を形成するための材料を、シェル材料と記載する。
以下、図1及び図2を参照して、本実施形態に係るトナーに含まれるトナー粒子の構成の一例について説明する。
図1に示されるトナー粒子は、トナーコア10と、トナーコア10の表面に形成されたシェル層20とを有する。シェル層20は、トナーコア10の表面を部分的に覆っている。トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立を図るためには、シェル層20が、トナーコア10の表面積のうち、50%以上95%以下の面積を覆っていることが好ましい。
シェル層20は、境界部21と、複数のブロック22とを含む。境界部21は、実質的に水溶性熱硬化性樹脂から構成される。ブロック22はそれぞれ、実質的に非水溶性熱可塑性樹脂から構成される。
シェル層20では、複数のブロック22が境界部21を介して相互に接続されている。シェル層20においては、水溶性熱硬化性樹脂の境界部21によって区画された各領域に、非水溶性熱可塑性樹脂の微小なブロック22が形成されている。非水溶性熱可塑性樹脂のブロック22と水溶性熱硬化性樹脂の境界部21とにより、トナー粒子の表面(シェル層20)に海島構造が形成されている。ブロック22の各々は、トナー粒子の表面に露出している。なお、トナー粒子の表面に露出しないブロック22がシェル層20に含まれていてもよい。
境界部21は、ブロック22同士の間に形成されている。ブロック22の各々は、ブロック22同士の間に位置する境界部21(境界部21の壁)により仕切られている。また、境界部21は、ブロック22とトナーコア10との隙間にも形成されている。ブロック22とトナーコア10との隙間に位置する境界部21(薄い層)は、境界部21の壁同士を相互に接続して、境界部21を一体化している。ただし、境界部21は、部分的に分離していてもよい。
図2は、透過電子顕微鏡(TEM)に電子エネルギー損失分光法(EELS)検出器を装着した装置を用いて撮影した写真である。具体的には、樹脂包埋法により試料(トナー)の断面をTEMを用いて撮影し、得られたTEM撮影像について、境界部21に含まれる元素(詳しくは、窒素元素)のマッピングをEELSにより行った。透過電子顕微鏡(TEM)としては、原子分解能分析電子顕微鏡(日本電子株式会社製「JEM−ARM200F」)を用いた。EELS検出器としては、ガタン社製の「GIF TRIDIEM(登録商標)」を用いた。包埋樹脂としては、光硬化性樹脂を用いた。図2に示すように、境界部21(窒素元素の密度の高い薄層)が確認された。
トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立を図るためには、実質的に非水溶性熱可塑性樹脂からなる複数のブロック22が、実質的に水溶性熱硬化性樹脂からなる境界部21を介して相互に接続されている構成(以下、ブロック構造と記載する)を、シェル層が有することが好ましい。詳しくは、非水溶性熱可塑性樹脂は、ガラス転移点(Tg)以上に加熱されると軟化する。しかし、上記のようなブロック構造を有するシェル層では、非水溶性熱可塑性樹脂(ブロック22)が水溶性熱硬化性樹脂(境界部21)で仕切られている。このため、シェル層の温度が非水溶性熱可塑性樹脂のTgに到達しても、トナー粒子は変形しにくくなる。トナーの製造条件を調整することで、トナー粒子に熱と圧力とを同時に加えた時に初めてトナー粒子の変形が始まるようにすることが可能になる。こうしたトナーでは、トナーに力が加わっていない状態においてトナー粒子同士の凝集が抑制されると考えられる。
トナー粒子の表面に対する水分子の吸着を抑制するためには、非水溶性熱可塑性樹脂(ブロック22)がトナー粒子の表面に露出していることが好ましい。トナー粒子の表面に水分子が吸着しにくくなることで、トナーの電荷減衰を抑制できると考えられる。水溶性熱硬化性樹脂(境界部21)が露出する部分がトナー粒子の表面にあってもよい。トナー粒子の表面に対する水分子の吸着を抑制するためには、トナー粒子の表面において、非水溶性熱可塑性樹脂の露出する領域の面積が、水溶性熱硬化性樹脂の露出する領域の面積の2倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。
トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立を図るためには、ブロック22における非水溶性熱可塑性樹脂の割合と境界部21における水溶性熱硬化性樹脂の割合とがそれぞれ、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、100質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るトナーは、例えば電子写真装置(画像形成装置)において画像の形成に用いることができる。以下、電子写真装置による画像形成方法の一例について説明する。
まず、画像データに基づいて感光体に静電潜像を形成する。次に、形成された静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像する。現像工程では、帯電したトナーを静電潜像に付着させて、感光体上にトナー像を形成する。そして、続く転写工程では、感光体上のトナー像を中間転写体(例えば、転写ベルト)に転写した後、さらに中間転写体上のトナー像を記録媒体(例えば、紙)に転写する。その後、トナーを加熱して、記録媒体にトナーを定着させる。その結果、記録媒体に画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの4色のトナー像を重ね合わせることで、フルカラー画像を形成することができる。
本実施形態に係るトナーは、次に示す構成(1)及び(2)を有する。
(1)トナーが、トナーコアと、トナーコアの表面に形成されたシェル層とを有するトナー粒子を、複数含む。シェル層が、水溶性熱硬化性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂とを含む。
(2)外添剤が付着していない状態のトナー粒子(トナー母粒子)をRu染色して、Ru染色されたトナー粒子(トナー母粒子)の反射電子像の輝度値分布を測定した場合に、次に示すような測定結果が得られる。コア由来ピークのピーク輝度値に対するシェル層由来ピークのピーク輝度値の比率が1.10以上1.40以下である。コア由来ピークの半値全幅に対するシェル層由来ピークの半値全幅の比率が1.60以上3.20以下である。以下、図3及び図4を参照して、輝度値分布の測定方法について説明する。図3は、輝度値分布を測定する際にSEM(走査型電子顕微鏡)で撮影される試料(トナー母粒子)の一例の写真である。図4は、本実施形態に係るトナーの輝度値分布の一例を示す図である。構成(2)の輝度値分布は、次に示す方法又はその代替方法で測定される。
<輝度値分布の測定方法>
試料(トナー母粒子)をRuで染色する。続けて、電界放出形走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて、試料に含まれる少なくとも1つの粒子の全体を撮影する。その結果、例えば図3に示すような、試料(トナー母粒子)の反射電子像が得られる。続けて、画像解析ソフトウェアを用いて、反射電子像の輝度値分布(縦軸:頻度(個数)、横軸:輝度)を測定する。また、反射電子像の輝度値分布について、ガウス関数とのフィッティングを行う。反射電子像のうち、最も明るい部分の値を255、最も暗い部分の値を0として、輝度値を256分割する。なお、ガウス関数は、周知の式「f(x)=a・exp{−(x−b)2/2c2}」で表される関数である。また、得られた反射電子像に試料(トナー母粒子)以外の粒子が含まれる場合には、試料のみを抽出した画像データを用いて、輝度値分布を測定する。
例えば図4に示すような、輝度値分布が測定される。図4において、波形L1はコア由来の波形を示し、波形L2はシェル層由来の波形を示し、波形L3は波形L1と波形L2との合成波形を示す。ガウス関数とのフィッティングを行うことで、波形L3が波形L1と波形L2とに分離される。そのため、試料(トナー母粒子)の輝度値分布としては、波形L1及び波形L2が得られる。シェル層はトナーコアよりもRuの染色が進行し易い。シェル層由来ピークのピーク輝度値は、コア由来ピークのピーク輝度値よりも大きいことが多い。
測定された輝度値分布に含まれるコア由来ピークとシェル層由来ピークとの各々について、ピーク輝度値(詳しくは、最大頻度を示す輝度値)及び半値全幅を求める。詳しくは、コア由来ピークのピーク輝度値(以下、ピーク輝度値Pcと記載する)と、シェル層由来ピークのピーク輝度値(以下、ピーク輝度値Psと記載する)と、コア由来ピークの半値全幅(以下、半値幅Wcと記載する)と、シェル層由来ピークの半値全幅(以下、半値幅Wsと記載する)とを、それぞれ求める。図4に示す例では、ピーク輝度値Pcが88であり、ピーク輝度値Psが100であり、半値幅Wcが16であり、半値幅Wsが28である。
また、ピーク輝度値Pcに対するピーク輝度値Psの比率(以下、ピーク比率Ps/Pcと記載する)と、半値幅Wcに対する半値幅Wsの比率(以下、半値幅比率Ws/Wcと記載する)とを、それぞれ求める。図4に示す例では、ピーク比率Ps/Pcが1.14であり、半値幅比率Ws/Wcが1.75である。
各評価値は、誤差が十分小さくなる相当数の(例えば、20個以上の)トナー母粒子について測定した値の個数平均である。なお、ピーク比率Ps/Pcと半値幅比率Ws/Wcとはそれぞれ、外添処理前に測定してもよいし、外添処理後にトナー粒子から外添剤を除去して測定してもよい。
構成(1)は、トナーの耐熱保存性を向上させるために有益である。詳しくは、トナーコアがシェル層で覆われることで、トナーの耐熱保存性が向上すると考えられる。また、シェル層は、水溶性熱硬化性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂とを含むことで、前述のブロック構造(図1及び図2参照)を有し易くなる。シェル層が前述のブロック構造を有することで、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立を図ることが可能になる。
なお、構成(1)において、シェル層は、水溶性熱硬化性樹脂及び非水溶性熱可塑性樹脂に加えて、別の樹脂を含んでいてもよい。ただし、トナーの耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率を向上させるためには、シェル層に含まれる樹脂のうち、80質量%以上の樹脂が水溶性熱硬化性樹脂又は非水溶性熱可塑性樹脂であることが好ましく、90質量%以上の樹脂が水溶性熱硬化性樹脂又は非水溶性熱可塑性樹脂であることがより好ましく、100質量%の樹脂が水溶性熱硬化性樹脂又は非水溶性熱可塑性樹脂であることがさらに好ましい。
構成(1)において、シェル層が水溶性樹脂を多く含むことで、トナー粒子が吸水し易くなると考えられる。トナー粒子が水分子を吸収すると、トナー粒子の表面の電気伝導度が高くなり、トナー粒子の電荷保持性が低くなる傾向がある。そして、トナー粒子の電荷保持性が低くなると、トナーの帯電量が低下して、トナーを用いて高画質の画像を形成することが困難になると考えられる。
また、カールソン法による転写工程では、トナーが感光体に付着してから転写ベルトに転写(一次転写)されるまでの時間が0.1秒以上1.0秒以下であることが多い。トナーの帯電量が低下すると、電界によりトナーが移動しにくくなり、転写効率が低下する傾向がある。また、トナーの二次転写(転写ベルトから記録媒体への転写)でも、同様に転写効率が低下する傾向がある。
トナーの耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率を向上させるためには、トナーが構成(1)に加えて構成(2)を有することが好ましい。発明者は、輝度値分布を制御することで、シェル層の膜厚分布(詳しくは、シェル層における厚い箇所及び薄い箇所の分布)を調整できることに着眼し、ピーク比率Ps/Pc及び半値幅比率Ws/Wcをそれぞれ構成(2)に規定する範囲にすることで、トナーの耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率を向上させることができることを見出した(後述する表2及び表3を参照)。
シェル材料の量を制御することで、輝度値分布(特に、ピーク比率Ps/Pc)を調整することが可能になる。シェル材料の量とピーク比率Ps/Pcとは、相関する。また、シェル層形成時のpH(詳しくは、シェル材料を重合させる時のpH)を制御することで、輝度値分布(特に、半値幅比率Ws/Wc)を調整することが可能になる。例えば、メチロールメラミン同士の縮合反応、及び、メチロールメラミンと非水溶性熱可塑性樹脂との縮合反応はそれぞれ、シェル層形成時のpHを低くする(酸性側に変える)ほど進行し易くなり、シェル層の膜厚分布が広くなる。広い膜厚分布を有するシェル層は、膜厚にむらがあるものの、トナーコアを全体的に覆っている。他方、狭い膜厚分布を有するシェル層は、膜厚が均一であるものの、トナーコアを局所的にしか覆っていない。このため、シェル層が狭い膜厚分布を有する場合には、トナーコアの表面のうち露出する面の割合が大きくなる。
本実施形態に係るトナーは、構成(1)及び(2)の両方を有するトナー粒子(以下、本実施形態のトナー粒子と記載する)を含む。本実施形態のトナー粒子を含むトナーは、耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率に優れると考えられる(後述する表3を参照)。なお、トナーの耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率を向上させるためには、トナーが、80個数%以上の割合で本実施形態のトナー粒子を含むことが好ましく、90個数%以上の割合で本実施形態のトナー粒子を含むことがより好ましく、100個数%の割合で本実施形態のトナー粒子を含むことがさらに好ましい。
以下、トナーコア(結着樹脂及び内添剤)、シェル層、及び外添剤について、順に説明する。トナーの用途に応じて必要のない成分(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、又は磁性粉)を割愛してもよい。なお、粉体(より具体的には、トナーコア、トナー母粒子、外添剤、又はトナー等)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。また、粉体の粒子径は、何ら規定していなければ、一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)である。アクリル及びメタクリルを包括的に「(メタ)アクリル」と総称する場合がある。
[トナーコア]
トナーコアは、結着樹脂を含む。また、トナーコアは、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含んでもよい。
(結着樹脂)
トナーコアの大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占めることが多い。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。例えば、結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。結着樹脂が強いアニオン性を有するためには、結着樹脂の水酸基価(測定方法:JIS(日本工業規格)K0070−1992)及び酸価(測定方法:JIS(日本工業規格)K0070−1992)がそれぞれ10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上であることがより好ましい。
結着樹脂としては、エステル基、水酸基、エーテル基、酸基、及びメチル基からなる群より選択される1種以上の基を有する樹脂が好ましく、水酸基及び/又はカルボキシル基を有する樹脂がより好ましい。このような官能基を有する結着樹脂は、シェル材料(より具体的には、メチロールメラミン等)と反応して化学的に結合し易い。こうした化学的な結合が生じると、トナーコアとシェル層との結合が強固になる。また、結着樹脂としては、活性水素を含む官能基を分子中に有する樹脂も好ましい。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、シェル材料の硬化開始温度以下であることが好ましい。こうしたTgを有する結着樹脂を用いる場合には、高速定着時においてもトナーの定着性が劣化しにくいと考えられる。ガラス転移点(Tg)の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。
結着樹脂の軟化点(Tm)は100℃以下であることが好ましく、95℃以下であることがより好ましい。結着樹脂のTmが100℃以下(より好ましくは95℃以下)であることで、高速定着時においてもトナーの定着性が劣化しにくくなる。また、結着樹脂のTmが100℃以下(より好ましくは95℃以下)である場合には、水系媒体中でトナーコアの表面にシェル層を形成する際に、シェル層の硬化反応中にトナーコアが部分的に軟化し易くなるため、トナーコアが表面張力により丸みを帯び易くなる。なお、軟化点(Tm)の測定方法は、後述する実施例と同じ方法又はその代替方法である。異なるTmを有する複数種の樹脂を組み合わせることで、結着樹脂のTmを調整することができる。
以下、トナーコアの結着樹脂の好適な例について記載する。なお、必要に応じて、以下に示される各樹脂の誘導体を結着樹脂として使用してもよい。
結着樹脂としては、熱可塑性樹脂が好ましい。結着樹脂として熱可塑性樹脂を使用する場合、熱可塑性樹脂としては、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、ビニル樹脂(より具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、又はN−ビニル樹脂等)、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、もしくはウレタン樹脂のような単独重合体、又はこれら単独重合体のいずれかの繰返し単位と同一のモノマーに由来する繰返し単位を含む共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)が好ましい。トナーコア中の着色剤の分散性、トナーの帯電性、及び記録媒体に対するトナーの定着性を向上させるためには、スチレン−アクリル系樹脂又はポリエステル樹脂が特に好ましい。
以下、結着樹脂として用いることのできるスチレン−アクリル系樹脂について説明する。スチレン−アクリル系樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体である。
スチレン−アクリル系樹脂を調製するためのスチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、ビニルトルエン、α−クロロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、又はp−エチルスチレンが好ましい。
スチレン−アクリル系樹脂を調製するためのアクリル系モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸iso−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、又は(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルが好ましい。(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルが好ましい。
スチレン−アクリル系樹脂を調製する際に、水酸基を有するモノマー(より具体的には、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、又は(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル等)を用いることで、スチレン−アクリル系樹脂に水酸基を導入できる。また、水酸基を有するモノマーの使用量を調整することで、得られるスチレン−アクリル系樹脂の水酸基価を調整できる。
スチレン−アクリル系樹脂を調製する際に、(メタ)アクリル酸(モノマー)を用いることで、スチレン−アクリル系樹脂にカルボキシル基を導入できる。また、(メタ)アクリル酸の使用量を調整することで、得られるスチレン−アクリル系樹脂の酸価を調整することができる。
トナーコアの結着樹脂としてスチレン−アクリル系樹脂を使用する場合、トナーコアの強度及びトナーの定着性を向上させるためには、スチレン−アクリル系樹脂の数平均分子量(Mn)が2000以上3000以下であることが好ましい。スチレン−アクリル系樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は10以上20以下であることが好ましい。スチレン−アクリル系樹脂のMnとMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
以下、結着樹脂として用いることのできるポリエステル樹脂について説明する。ポリエステル樹脂は、2価又は3価以上のアルコールと2価又は3価以上のカルボン酸とを縮重合又は共縮重合させることで得られる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、ジオール類又はビスフェノール類のような2価アルコールを使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、又はポリテトラメチレングリコールのようなジオール類を好適に使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ポリオキシエチレンビスフェノールAエーテル、又はポリオキシプロピレンビスフェノールAエーテルのようなビスフェノール類を好適に使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、ジグリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、又は1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼンのような3価以上のアルコールを好適に使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、マロン酸、コハク酸、アルキルコハク酸(より具体的には、n−ブチルコハク酸、イソブチルコハク酸、n−オクチルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、又はイソドデシルコハク酸等)、又はアルケニルコハク酸(より具体的には、n−ブテニルコハク酸、イソブテニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、又はイソドデセニルコハク酸等)のような2価カルボン酸を好適に使用できる。
ポリエステル樹脂の調製には、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、又はエンポール三量体酸のような3価以上のカルボン酸を好適に使用できる。
上記2価又は3価以上のカルボン酸は、エステル形成性の誘導体(より具体的には、酸ハライド、酸無水物、又は低級アルキルエステル等)として用いてもよい。ここで、「低級アルキル」とは、炭素数1以上6以下のアルキル基を意味する。
ポリエステル樹脂を調製する際に、アルコールの使用量とカルボン酸の使用量とをそれぞれ変更することで、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価を調整することができる。ポリエステル樹脂の分子量を上げると、ポリエステル樹脂の酸価及び水酸基価は低下する傾向がある。
トナーコアの結着樹脂としてポリエステル樹脂を使用する場合、トナーコアの強度及びトナーの定着性を向上させるためには、ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)が1000以上2000以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂の分子量分布(数平均分子量(Mn)に対する質量平均分子量(Mw)の比率Mw/Mn)は9以上21以下であることが好ましい。ポリエステル樹脂のMnとMwの測定には、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いることができる。
(着色剤)
トナーコアは、着色剤を含んでいてもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上20質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。
トナーコアは、黒色着色剤を含んでいてもよい。黒色着色剤の例としては、カーボンブラックが挙げられる。また、黒色着色剤は、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、及びシアン着色剤を用いて黒色に調色された着色剤であってもよい。
トナーコアは、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤、又はシアン着色剤のようなカラー着色剤を含んでいてもよい。
イエロー着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アントラキノン化合物、アゾ金属錯体、メチン化合物、及びアリールアミド化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。イエロー着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー(3、12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、191、又は194)、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、又はC.I.バットイエローを好適に使用できる。
マゼンタ着色剤としては、例えば、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン化合物、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、及びペリレン化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。マゼンタ着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントレッド(2、3、5、6、7、19、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、又は254)を好適に使用できる。
シアン着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、及び塩基染料レーキ化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を使用できる。シアン着色剤としては、例えば、C.I.ピグメントブルー(1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、又は66)、フタロシアニンブルー、C.I.バットブルー、又はC.I.アシッドブルーを好適に使用できる。
(離型剤)
トナーコアは、離型剤を含んでいてもよい。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。トナーコアのアニオン性を強めるためには、アニオン性を有するワックスを用いてトナーコアを作製することが好ましい。トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させるためには、離型剤の使用量は、結着樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下であることが好ましく、5質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、ポリオレフィン共重合物、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックス、又はフィッシャートロプシュワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックス又はそのブロック共重合体のような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;キャンデリラワックス、カルナバワックス、木ろう、ホホバろう、又はライスワックスのような植物系ワックス;みつろう、ラノリン、又は鯨ろうのような動物系ワックス;オゾケライト、セレシン、又はペトロラタムのような鉱物系ワックス;モンタン酸エステルワックス又はカスターワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスのような、脂肪酸エステルの一部又は全部が脱酸化したワックスを好適に使用できる。1種の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
結着樹脂と離型剤との相溶性を改善するために、相溶化剤をトナーコアに添加してもよい。
(電荷制御剤)
トナーコアは、電荷制御剤を含んでいてもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアに負帯電性の電荷制御剤を含ませることで、トナーコアのアニオン性を強めることができる。また、トナーコアに正帯電性の電荷制御剤を含ませることで、トナーコアのカチオン性を強めることができる。ただし、トナーにおいて十分な帯電性が確保される場合には、トナーコアに電荷制御剤を含ませる必要はない。
(磁性粉)
トナーコアは、磁性粉を含んでいてもよい。磁性粉としては、例えば、鉄(より具体的には、フェライト又はマグネタイト等)、強磁性金属(より具体的には、コバルト又はニッケル等)、鉄及び/又は強磁性金属を含む合金、強磁性化処理(より具体的には、熱処理等)が施された強磁性合金、又は二酸化クロムを好適に使用できる。1種の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。
磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するため、磁性粉を表面処理することが好ましい。酸性条件下でトナーコアの表面にシェル層を形成する場合に、トナーコアの表面に金属イオンが溶出すると、トナーコア同士が固着し易くなる。磁性粉からの金属イオンの溶出を抑制することで、トナーコア同士の固着を抑制することができると考えられる。
[シェル層]
本実施形態に係るトナーは、前述の構成(1)を有する。シェル層は、非水溶性熱可塑性樹脂と水溶性熱硬化性樹脂とを含む。以下、シェル層に含まれる樹脂の好適な例について記載する。なお、必要に応じて、以下に示される各樹脂の誘導体をシェル層に含ませてもよい。
シェル層に含まれる非水溶性熱可塑性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、ビニル樹脂、ウレタン樹脂、もしくはポリエステル樹脂のような単独重合体、又はこれら単独重合体のいずれかの繰返し単位と同一のモノマーに由来する繰返し単位を含む共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル系共重合体、シリコーン−アクリル系グラフト共重合体、又はエチレン−ビニルアルコール共重合体等)が好ましい。
シェル層中の非水溶性熱可塑性樹脂を合成するための熱可塑性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、又は(メタ)アクリル酸n−ブチルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸フェニルのような(メタ)アクリル酸アリールエステル;(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、又は(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルのような(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリル酸のエチレンオキシド付加物;(メタ)アクリル酸エステルのエチレンオキシド付加物のアルキルエーテル(より具体的には、メチルエーテル、エチルエーテル、n−プロピルエーテル、又はn−ブチルエーテル等)が好ましい。
シェル層のカチオン性を強めるためには、シェル層に含まれる水溶性熱硬化性樹脂が窒素原子を含むことが好ましい。窒素原子を含む材料は正帯電され易い。窒素原子を含む樹脂としては、例えばアミノ基(−NH2)を有する樹脂が好ましい。アミノ基を有する水溶性熱硬化性樹脂としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂、スルホンアミド樹脂、グリオキザール樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂、又はポリイミド樹脂を好適に使用できる。ポリイミド樹脂は、窒素元素を分子骨格に有する。このため、ポリイミド樹脂を含むシェル層は、強いカチオン性を有し易い。シェル層に含まれるポリイミド樹脂としては、例えば、マレイミド系重合体、又はビスマレイミド系重合体(より具体的には、アミノビスマレイミド重合体又はビスマレイミドトリアジン重合体等)を好適に使用できる。なお、シェル層に含まれる水溶性熱硬化性樹脂は、窒素原子を含まない樹脂(より具体的には、キシレン樹脂等)であってもよい。
シェル層に含まれる水溶性熱硬化性樹脂としては、アルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)に由来するメチレン基(−CH2−)を有する樹脂が好ましく、アミノ基を有する化合物とアルデヒド(例えば、ホルムアルデヒド)との縮重合によって生成される樹脂が特に好ましい。なお、メラミン樹脂は、メラミンとホルムアルデヒドとの縮重合物である。尿素樹脂は、尿素とホルムアルデヒドとの縮重合物である。グリオキザール樹脂は、グリオキサールと尿素との反応生成物と、ホルムアルデヒドとの縮重合物である。トナーの保存性を向上させるためには、シェル層がメラミン樹脂又は尿素樹脂を含むことが好ましい。メラミン樹脂及び尿素樹脂の各々の吸水性は低い。このため、シェル層がメラミン樹脂又は尿素樹脂を含む場合には、トナーを乾燥する際にトナーが凝集しにくくなると考えられる。
水溶性熱硬化性樹脂に窒素元素を含ませることで、水溶性熱硬化性樹脂の架橋硬化機能を向上させることができる。例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、又はグリオキザール樹脂の反応性を高めるためには、メラミン樹脂では40質量%以上55質量%以下に、尿素樹脂では40質量%程度に、グリオキザール樹脂では15質量%程度に、窒素元素の含有量を調整することが好ましい。
シェル層中の水溶性熱硬化性樹脂の合成には、メチロールメラミン、メラミン、メチロール化尿素(例えば、ジメチロールジヒドロキシエチレン尿素)、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、及びスピログアナミンからなる群より選択される1種以上の熱硬化性モノマーを好適に使用できる。
[外添剤]
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の使用量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
外添剤としては、シリカ粒子、又は金属酸化物(より具体的には、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、又はチタン酸バリウム等)の粒子を好適に使用できる。1種の外添剤を単独で使用してもよいし、複数種の外添剤を併用してもよい。
本実施形態に係るトナーと現像剤用キャリアとを混合して2成分現像剤を調製してもよい。現像剤用キャリアとしては、例えば、キャリアコアと、キャリアコアを被覆する樹脂層とを有する磁性キャリアを好適に使用できる。磁性キャリアを作製するためには、キャリアコアを磁性材料で形成してもよいし、樹脂層中に磁性粒子を分散させてもよい。トナー飛散を抑制し、高品質の画像を形成するためには、2成分現像剤におけるトナーの含有量は、3質量%以上20質量%以下であることが好ましく、5質量%以上15質量%以下であることがより好ましい。
[トナーの製造方法]
次に、本実施形態に係るトナーの製造方法の一例について説明する。まず、トナーコアを準備する。続けて、液中にトナーコアとシェル材料とを入れる。その後、液を攪拌するなどして、シェル材料を液に溶解又は分散させることが好ましい。続けて、液中でシェル層をトナーコアの表面に形成する(シェル層を硬化させる)。シェル層形成時におけるトナーコア成分(特に、結着樹脂及び離型剤)の溶解又は溶出を抑制するためには、水系媒体(より具体的には、水等)中でシェル層を形成することが好ましい。
以下、より具体的な例に基づいて、本実施形態に係るトナーの製造方法についてさらに説明する。
(トナーコアの準備)
好適なトナーコアを容易に得るためには、凝集法又は粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましく、粉砕法によりトナーコアを製造することがより好ましい。
以下、粉砕法の一例について説明する。まず、結着樹脂と、内添剤(例えば、着色剤、離型剤、電荷制御剤、及び磁性粉の少なくとも1つ)とを混合する。続けて、得られた混合物を溶融混練する。続けて、得られた溶融混練物を粉砕及び分級する。その結果、所望の粒子径を有するトナーコアが得られる。
以下、凝集法の一例について説明する。まず、結着樹脂、離型剤、及び着色剤の各々の微粒子を水系媒体中で凝集させて、結着樹脂、離型剤、及び着色剤を含む凝集粒子を得る。続けて、得られた凝集粒子を加熱して、凝集粒子に含まれる成分を合一化させる。その結果、トナーコアの分散液が得られる。その後、トナーコアの分散液から、不要な物質(分散剤等)を除去することで、トナーコアが得られる。
(シェル層の形成)
トナーコアとシェル材料とが入れられる上記液として、例えばイオン交換水を準備する。そして、例えば塩酸を用いて液のpHを所定のpH(以下、シェル材料重合pHと記載する)に調整する。シェル層の形成を促進するためには、シェル材料重合pHは、3以上5以下(弱酸性)であることが好ましく、4であることが特に好ましい。
続けて、液中に、第1シェル材料(例えば、非水溶性熱可塑性樹脂を合成するための非水溶性モノマー)及び第2シェル材料(例えば、水溶性熱硬化性樹脂を合成するための水溶性モノマー)を添加する。pHが調整された液(例えば、酸性のイオン交換水)に、シェル材料(例えば、第2シェル材料)を溶解させることで、シェル材料の溶液を調製する。なお、シェル材料の適切な添加量は、トナーコアの比表面積に基づいて算出できる。また、シェル材料に加えて、重合促進剤を液中に添加してもよい。
続けて、得られたシェル材料の溶液にトナーコアを添加する。トナーコアの表面に均一にシェル材料を付着させるためには、シェル材料の溶液中にトナーコアを高度に分散させることが好ましい。液中にトナーコアを高度に分散させるために、液中に分散剤を含ませてもよいし、強力な攪拌装置(例えば、プライミクス株式会社製「ハイビスディスパーミックス」)を用いて液を攪拌してもよい。
トナーコア、第1シェル材料(例えば、非水溶性モノマー)、及び第2シェル材料(例えば、水溶性モノマー)を水系媒体に添加すると、水系媒体中で、トナーコアの表面に粒子状の第1シェル材料が吸着すると考えられる。また、第2シェル材料もトナーコアの表面に付着することで、粒子状の第1シェル材料が付着したトナーコアが第2シェル材料によって覆われると考えられる。
第1シェル材料は、非水溶性を有するため、水系媒体中に広がらず、凝集して粒子を形成すると考えられる。それら粒子の各々は、トナーコアと第2シェル材料とに囲まれることで、ほとんど水系媒体に露出しないと考えられる。
続けて、液を攪拌しながら液の温度を所定の速度(例えば、0.1℃/分以上3℃/分以下から選ばれる速度)で所定のシェル材料重合温度(例えば、50℃以上85℃以下から選ばれる温度)まで上昇させる。
続けて、シェル材料の溶液を攪拌しながら溶液の温度をシェル材料重合温度に所定の時間(例えば、30分間以上4時間以下から選ばれる時間)保つ。これにより、トナーコアの表面にシェル材料が付着し、付着した材料が重合反応して硬化する。その結果、トナー母粒子の分散液が得られる。
水系媒体の温度をシェル材料重合温度に保つことで、トナーコアの表面に付着したシェル材料(水溶性熱硬化性樹脂前駆体及び非水溶性熱可塑性樹脂前駆体)が重合反応して硬化する。シェル層を硬化させる前に、第1シェル材料及び第2シェル材料の各々がトナーコアに付着している。こうした状態で第1シェル材料が加熱されると、トナーコアの表面で第1シェル材料の粒子が他の第1シェル材料の粒子に接近し、第1シェル材料は次第に粒状感を失っていくと考えられる。第1シェル材料は第2シェル材料で覆われているため、トナーコアの表面で第1シェル材料の粒子同士は融着しにくい。また、加熱前の第2シェル材料は、強い親水性を有するため、水系媒体と第1シェル材料の粒子との界面に存在すると考えられる。しかし、シェル層の硬化反応が進むにつれて、第2シェル材料の親水性は弱まる傾向がある。このため、シェル層の硬化反応中においては、第2シェル材料がキャピラリー効果によって第1シェル材料のブロック間、さらには第1シェル材料のブロックとトナーコアとの間に移動すると考えられる。その後、シェル層が硬化すると、シェル層中に前述のブロック構造(図1及び図2参照)が形成されると考えられる。また、第1シェル材料の添加量を第2シェル材料の添加量よりも多くすることで、トナー母粒子の表面の大部分を非水溶性熱可塑性樹脂(ブロック22)が占めるようにすることができる。
トナーコア成分の溶出又はトナーコアの変形を抑制するためには、シェル材料重合温度(シェル層硬化時におけるシェル材料の溶液の温度)が、トナーコアのガラス転移点(Tg)未満であることが好ましい。しかし、シェル材料重合温度をトナーコアのガラス転移点(Tg)以上にして、あえてトナーコアを変形させてもよい。シェル材料重合温度を高くすると、トナーコアの変形が促進され、トナー母粒子の形状が真球に近づく傾向がある。トナー母粒子が所望の形状になるようにシェル材料重合温度を調整することが望ましい。また、高温でシェル材料を反応させると、シェル層が硬くなり易い。なお、シェル材料重合温度に基づいて、シェル層の分子量を制御することもできる。
上記のようにしてシェル層を硬化させた後、例えば水酸化ナトリウムを用いてトナー母粒子の分散液を中和する。続けて、トナー母粒子の分散液を、例えば常温まで冷却する。続けて、例えばブフナー漏斗を用いて、トナー母粒子の分散液をろ過する。これにより、トナー母粒子が液から分離(固液分離)され、ウェットケーキ状のトナー母粒子が得られる。続けて、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子を洗浄する。続けて、洗浄されたトナー母粒子を乾燥する。その後、必要に応じて、混合機(例えば、日本コークス工業株式会社製のFMミキサー)を用いてトナー母粒子と外添剤とを混合して、トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。なお、乾燥工程でスプレードライヤーを用いる場合には、外添剤(例えば、シリカ粒子)の分散液をトナー母粒子に噴霧することで、乾燥工程と外添工程とを同時に行うことができる。こうして、トナー粒子を多数有するトナーが製造される。
なお、上記トナーの製造方法の内容及び順序はそれぞれ、要求されるトナーの構成又は特性等に応じて任意に変更することができる。例えばシェル材料の溶媒(例えば、水系媒体)のpHを調整するタイミングは、溶媒にシェル材料及び/又はトナーコアを添加する前でも後でもよい。また、溶媒にシェル材料を溶解させる工程よりも前に溶媒中にトナーコアを添加する工程を行うようにしてもよいし、シェル材料とトナーコアとを同時に溶媒に添加してもよい。また、溶媒にシェル材料を添加する工程よりも前に、溶媒をシェル材料重合温度まで加熱する工程を行うようにしてもよい。また、液に材料を添加した後、所定の時間、液中で材料を反応させてもよいし、長時間かけて液に材料を添加して、液に材料を添加しながら液中で材料を反応させてもよい。また、シェル材料は、一度に溶媒に添加されてもよいし、複数回に分けて溶媒に添加されてもよい。シェル層の形成方法は任意である。例えば、in−situ重合法、液中硬化被膜法、及びコアセルベーション法のいずれの方法を用いて、シェル層を形成してもよい。また、外添工程の後で、トナーを篩別してもよい。また、必要のない工程は割愛してもよい。トナー母粒子の表面に外添剤を付着させない(外添工程を割愛する)場合には、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。トナーコアを形成するための材料(以下、トナーコア材料と記載する)及びシェル材料はそれぞれ、前述の化合物(樹脂を合成するためのモノマー等)に限られない。例えば、必要に応じて、前述の化合物の誘導体をトナーコア材料又はシェル材料として使用してもよいし、モノマーに代えてプレポリマーを使用してもよい。効率的にトナーを製造するためには、多数のトナー粒子を同時に形成することが好ましい。
本発明の実施例について説明する。表1に、実施例又は比較例に係るトナーA−1〜A−5、B−1〜B−5、C−1〜C−4、D−1〜D−4、及びE−1〜E−2(それぞれ静電潜像現像用トナー)を示す。
以下、トナーA−1〜E−2の製造方法、評価方法、及び評価結果について、順に説明する。なお、複数の粒子を含む粉体(例えば、トナーコア、トナー母粒子、外添剤、又はトナー)に関する評価結果(形状又は物性などを示す値)は、何ら規定していなければ、相当数の粒子について測定した値の個数平均である。誤差が生じる評価においては、誤差が十分小さくなる相当数の測定値を得て、得られた測定値の算術平均を評価値とした。また、粉体の粒子径は、何ら規定していなければ、一次粒子の円相当径(粒子の投影面積と同じ面積を有する円の直径)である。また、個数平均粒子径の測定値は、何ら規定していなければ、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて粒子を撮影して測定した値である。また、体積中位径(D50)の測定値は、何ら規定していなければ、ベックマン・コールター株式会社製の「コールターカウンターマルチサイザー3」を用いて測定した値である。また、Tg(ガラス転移点)及びTm(軟化点)の測定方法はそれぞれ、何ら規定していなければ、次に示すとおりである。
<Tgの測定方法>
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、試料(例えば、結着樹脂又はトナーコア)の吸熱曲線を測定することにより、吸熱曲線における比熱の変化点から試料のTgを求めた。
<Tmの測定方法>
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、結着樹脂又はトナーコア)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTmを読み取った。得られたS字カーブにおいて、ストロークの最大値(mm)をS1とし、低温側のベースラインのストローク値(mm)をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度(℃)が、測定試料(結着樹脂)のTmに相当する。
[トナーA−1の製造方法]
(トナーコアの作製)
低粘度ポリエステル樹脂(Tg=38℃、Tm=65℃)750gと、中粘度ポリエステル樹脂(Tg=53℃、Tm=84℃)100gと、高粘度ポリエステル樹脂(Tg=71℃、Tm=120℃)150gと、カルナバワックス(株式会社加藤洋行製「カルナウバワックス1号」)55gと、着色剤(DIC株式会社製「KET BLUE 111」、フタロシアニンブルー)40gとを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて回転速度2400rpmで混合した。
続けて、得られた混合物を、二軸押出機(株式会社池貝製「PCM−30」)を用いて、材料供給速度5kg/時、軸回転速度160rpm、シリンダー温度100℃以上130℃以下の条件で、溶融混練した。続けて、得られた溶融混練物を冷却し、冷却された溶融混練物を粉砕機(ホソカワミクロン株式会社製「ロートプレックス(登録商標)16/8型」)を用いて粗粉砕した。続けて、得られた粗粉砕品を、ジェットミル(日本ニューマチック工業株式会社製「超音波ジェットミルI型」)を用いて微粉砕した。続けて、得られた微粉砕品を、分級機(日鉄鉱業株式会社製「エルボージェットEJ−LABO型」)を用いて分級した。その結果、体積中位径(D50)6μmのトナーコアが得られた。
(シェル層形成工程)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットした。続けて、フラスコ内にイオン交換水815mLと、アニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75mLとを入れた後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に上げた。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけてフラスコ内に滴下した。第1の液は、スチレン68mLと、アクリル酸ブチル12mLとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。
続けて、温度80℃、回転速度100rpmの条件で、フラスコ内容物を2時間攪拌し、フラスコ内容物を重合させて、樹脂粒子のサスペンションを得た。以下、得られた樹脂粒子のサスペンションを、サスペンションAと記載する。サスペンションAに関して、個数平均粒子径は32nmであり、Tgは72℃であった。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内に希塩酸を加えて、フラスコ内容物のpH(シェル材料重合pH)を4に調整した。続けて、フラスコ内に、0.35mLのヘキサメチロールメラミン初期重合体の水溶液(昭和電工株式会社製「ミルベン(登録商標)レジンSM−607」、固形分濃度80質量%)と、150mLのサスペンションAとを添加した。そして、水溶性シェル材料をフラスコ内で溶解させて、シェル材料の水溶液を得た。
続けて、得られたシェル材料の水溶液に、前述の手順で作製したトナーコア300gを添加し、フラスコ内容物を回転速度200rpmで1時間攪拌した。その後、フラスコ内に、イオン交換水300mLを添加した。続けて、フラスコ内容物を回転速度100rpmで攪拌しながら、1℃/分の速度で、フラスコ内の温度を70℃まで上げた。
続けて、温度70℃、回転速度100rpmの条件で、フラスコ内容物を2時間攪拌した。続けて、フラスコ内に水酸化ナトリウムを加えて、フラスコ内容物のpHを7に調整した。続けて、フラスコ内容物をその温度が常温になるまで冷却して、トナー母粒子を含む分散液を得た。
(洗浄工程)
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)して、ウェットケーキ状のトナー母粒子を得た。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
(乾燥工程)
続けて、得られたトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子の粉体が得られた。
(外添工程)
続けて、得られたトナー母粒子を外添処理した。詳しくは、トナー母粒子100質量部と乾式シリカ微粒子(日本アエロジル株式会社製「REA90」)1.0質量部とを、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。その後、得られたトナーを、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナーA−1が得られた。
[トナーA−2の製造方法]
トナーA−2の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合pHを4.0から3.2に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーA−3の製造方法]
トナーA−3の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合pHを4.0から3.5に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーA−4の製造方法]
トナーA−4の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合pHを4.0から4.5に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーA−5の製造方法]
トナーA−5の製造方法は、シェル層形成工程において、シェル材料重合pHを4.0から5.0に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーB−1の製造方法]
トナーB−1の製造方法は、シェル層形成工程において、サスペンションAの使用量を150mLから50mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーB−2の製造方法]
トナーB−2の製造方法は、シェル層形成工程において、サスペンションAの使用量を150mLから100mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーB−3の製造方法]
トナーB−3の製造方法は、シェル層形成工程において、サスペンションAの使用量を150mLから300mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーB−4の製造方法]
トナーB−4の製造方法は、シェル層形成工程において、サスペンションAの使用量を150mLから500mLに変更し、シェル材料重合pHを4.0から3.5に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーB−5の製造方法]
トナーB−5の製造方法は、シェル層形成工程において、サスペンションAの使用量を150mLから500mLに変更し、シェル材料重合pHを4.0から4.5に変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーC−1の製造方法]
トナーC−1の製造方法は、シェル層形成工程において、ミルベンレジンSM−607(昭和電工株式会社製)の使用量を0.35mLから0.10mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーC−2の製造方法]
トナーC−2の製造方法は、シェル層形成工程において、ミルベンレジンSM−607(昭和電工株式会社製)の使用量を0.35mLから0.60mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーC−3の製造方法]
トナーC−3の製造方法は、シェル層形成工程において、ミルベンレジンSM−607(昭和電工株式会社製)の使用量を0.35mLから1.20mLに変更した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーC−4の製造方法]
トナーC−4の製造方法は、シェル層形成工程において、ミルベンレジンSM−607(昭和電工株式会社製)を使用しなかった以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーD−1の製造方法]
トナーD−1の製造方法は、シェル層形成工程において、150mLのサスペンションAの代わりに150mLのサスペンションB(樹脂粒子のサスペンション)を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。サスペンションBの調製方法は、第1の液として、スチレン68mLとアクリル酸ブチル12mLとの混合液の代わりに、スチレン52mLとアクリル酸ブチル28mLとの混合液を使用した以外は、サスペンションAの調製方法と同じであった。サスペンションBに関して、個数平均粒子径は28nmであり、Tgは40℃であった。
[トナーD−2の製造方法]
トナーD−2の製造方法は、シェル層形成工程において、150mLのサスペンションAの代わりに150mLのサスペンションC(樹脂粒子のサスペンション)を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。サスペンションCの調製方法は、ラテムルWX(花王株式会社製)の使用量を75mLから25mLに変更した以外は、サスペンションAの調製方法と同じであった。サスペンションCに関して、個数平均粒子径は107nmであり、Tgは68℃であった。
[トナーD−3の製造方法]
トナーD−3の製造方法は、シェル層形成工程において、150mLのサスペンションAの代わりに150mLのサスペンションD(樹脂粒子のサスペンション)を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。サスペンションDの調製方法は、ラテムルWX(花王株式会社製)の使用量を75mLから5mLに変更した以外は、サスペンションAの調製方法と同じであった。サスペンションDに関して、個数平均粒子径は231nmであり、Tgは70℃であった。
[トナーD−4の製造方法]
トナーD−4の製造方法は、シェル層形成工程において、150mLのサスペンションAの代わりに150mLのサスペンションE(樹脂粒子のサスペンション)を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。サスペンションEの調製方法は、第1の液として、スチレン68mLとアクリル酸ブチル12mLとの混合液の代わりに、スチレン100mLを使用した以外は、サスペンションAの調製方法と同じであった。サスペンションEに関して、個数平均粒子径は30nmであり、Tgは103℃であった。
[トナーE−1の製造方法]
トナーE−1の製造方法は、シェル層形成工程において、150mLのサスペンションAの代わりに150mLのアクリルアミド樹脂の水溶液(DIC株式会社製「BECKAMINE(登録商標)A−1」、固形分濃度11質量%)を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。
[トナーE−2の製造方法]
トナーE−2の製造方法は、シェル層形成工程において、150mLのサスペンションAの代わりに150mLのサスペンションF(樹脂粒子のサスペンション)を使用した以外は、トナーA−1の製造方法と同じであった。サスペンションFの調製方法は、第1の液として、スチレン68mLとアクリル酸ブチル12mLとの混合液の代わりに、スチレン95mLとジビニルベンゼン5mLとの混合液を使用した以外は、サスペンションAの調製方法と同じであった。なお、ジビニルベンゼンは、架橋剤として機能すると考えられる。サスペンションFに関して、個数平均粒子径は30nmであった。サスペンションFを乾燥してからテトラヒドロフラン(THF)に入れる試験を行った。その結果、サスペンションF中の樹脂粒子はTHFに溶解しなかった。こうした試験の結果から、サスペンションF中の樹脂粒子は、ジビニルベンゼンに由来する架橋構造を有すると推察される。
[評価方法]
各試料(トナーA−1〜A−5、B−1〜B−5、C−1〜C−4、D−1〜D−4、及びE−1〜E−2)の評価方法は、以下の通りである。なお、シェル層の均一性の評価は、外添処理前に行った。
<ピーク輝度値、半値全幅、ピーク比率、及び半値幅比率>
試料(未外添のトナー)を、常温(25℃)の大気雰囲気下で、濃度5質量%RuO4水溶液2mLの蒸気中に5分間暴露することで、試料をRu染色した。続けて、電界放出形走査型電子顕微鏡(SEM)(日本電子株式会社製「JSM−7600F」)を用いて、加速電圧10kV、照射電流95pA、WD(作動距離)7.8mm、かつ倍率5000倍の条件で、試料に含まれる少なくとも1つの粒子の全体を撮影した。続けて、画像解析ソフトウェア(三谷商事株式会社製「WinROOF」)を用いて、反射電子像の輝度値分布(縦軸:頻度(個数)、横軸:輝度)を測定した。また、反射電子像の輝度値分布について、最小二乗法によるガウス関数とのフィッティングを行った。反射電子像のうち、最も明るい部分の値を255、最も暗い部分の値を0として、輝度値を256分割した。得られた反射電子像に試料(トナー母粒子)以外の粒子が含まれる場合には、試料のみを抽出した画像データを用いて、輝度値分布を測定した。
測定された輝度値分布に含まれるコア由来ピークとシェル層由来ピークとの各々について、ピーク輝度値及び半値全幅を求めた。そして、得られたピーク輝度値Pc、ピーク輝度値Ps、半値幅Wc、及び半値幅Wsに基づいて、ピーク比率Ps/Pcと半値幅比率Ws/Wcとをそれぞれ求めた。ピーク比率Ps/Pcと半値幅比率Ws/Wcとの各々の評価値は、20個のトナー母粒子について測定した値の個数平均であった。
(耐熱保存性)
試料(トナー)2gを容量20mLのポリ容器に入れて、その容器を、65℃に設定された恒温器内に3時間静置した。これにより、容器内に評価用トナーが調製された。
続けて、100メッシュ(目開き150μm)の質量既知の篩上に評価用トナーを載せた。そして、評価用トナーを載せた篩の質量を測定することにより、篩上の評価用トナーの質量を求めた。続けて、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)のマニュアルに従い、レオスタッド目盛り5の振動強度で、上記篩を30秒間振動させた。篩別後に、残留トナーを含む篩の質量を測定することで、篩上に残留したトナーの質量(g)を測定した。そして、次の式に基づいて試料(トナー)の凝集度(質量%)を算出した。
凝集度(質量%)=100×篩上の残留トナーの質量/篩別前のトナーの質量
凝集度が50質量%以下であれば○(良い)と評価し、凝集度が50質量%を超えれば×(良くない)と評価した。
(低温定着性)
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア)100質量部と、試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合し、評価用現像剤(2成分現像剤)を調製した。
評価機としては、カラープリンター(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「FS−C5250DN」を改造して定着温度を変更可能にした評価機)を用いた。上述のようにして調製した評価用現像剤を評価機の現像器に投入し、評価機のトナーコンテナに試料(補給用トナー)を投入した。
試料(トナー)の定着性を評価する場合には、上記評価機を用いて、線速200mm/秒、トナー載り量1.0mg/cm2の条件で、90g/m2の紙(A4サイズの評価用紙)に、大きさ25mm×25mmのソリッド画像を形成した。続けて、画像が形成された紙を定着器に通した。定着温度の設定範囲は100℃以上200℃以下であった。詳しくは、定着器の定着温度を100℃から徐々に上昇させて、トナー(ソリッド画像)を紙に定着できる最低温度(最低定着温度)を測定した。
最低定着温度の測定においてトナーを定着させることができたか否かは、以下に示すような折擦り試験で確認した。詳しくは、画像を形成した面が内側となるように紙を半分に折り曲げ、布帛で覆った1kgの分銅を用いて、折り目上を5往復摩擦した。続けて、紙を広げ、紙の折り曲げ部(ソリッド画像が形成された部分)を観察した。そして、折り曲げ部のトナー剥がれの長さ(剥がれ長)を測定した。剥がれ長が1mm未満となる定着温度のうちの最低温度を、最低定着温度とした。
最低定着温度が150℃以下であれば○(良い)と評価し、最低定着温度が150℃を超えれば×(良くない)と評価した。
(電荷減衰特性)
試料(トナー)の電荷減衰定数は、静電気拡散率測定装置(株式会社ナノシーズ製「NS−D100」)を用いて、「JIS C 61340−2−1」に準拠した方法で測定した。以下に、トナーの電荷減衰定数の測定方法を詳述する。
測定セルに試料(トナー)を入れた。測定セルは、内径10mm、深さ1mmの凹部が形成された金属製のセルであった。スライドガラスを用いて試料を上から押し込み、セルの凹部に試料を充填した。セルの表面においてスライドガラスを往復移動させることによって、セルから溢れた試料を除去した。試料の充填量は0.04g以上0.06g以下であった。
続けて、試料が充填された測定セルを、温度32℃、湿度80%RHの環境下で12時間静置した。続けて、接地させた測定セルを静電気拡散率測定装置内に置き、コロナ放電によって試料にイオンを供給して、試料を帯電させた。帯電時間は0.5秒間であった。そして、コロナ放電終了後0.7秒経過した後から、試料の表面電位を連続的に測定した。測定された表面電位と、式「V1=V0exp(−α√t)」とに基づいて、電荷減衰定数(電荷減衰速度)αを算出した。式中、V1は表面電位[V]、V0は初期表面電位[V]、tは減衰時間[秒]をそれぞれ示す。
電荷減衰定数が0.015以下であれば○(良い)と評価し、電荷減衰定数が0.015を超えれば×(良くない)と評価した。
(転写効率、耐ドラム付着性)
現像剤用キャリア(TASKalfa5550ci用キャリア)100質量部と、トナー10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、2成分現像剤を調製した。調製された2成分現像剤を用いて画像を形成して、転写効率及び耐ドラム付着性を評価した。評価機として、複合機(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製「TASKalfa5550ci」)を用いた。上述のようにして調製した2成分現像剤を評価機の現像器に投入し、評価機のトナーコンテナに試料(補給用トナー)を投入した。
転写効率の評価では、上記評価機を用いて、温度32℃、湿度80%RHの環境下で、印字率5%の連続印刷を1万枚の記録媒体(A4サイズの印刷用紙)に対して行った。その後、消費トナーの質量と回収トナーの質量とをそれぞれ測定して、下記式に基づいて転写効率を算出した。なお、消費トナーは、トナーコンテナにセットされた試料(トナー)のうち、トナーコンテナから排出されたトナーである。また、回収トナーは、消費トナーのうち、記録媒体に転写されなかったトナーである。
転写効率(質量%)=100×(消費トナーの質量−回収トナーの質量)/消費トナーの質量
転写効率が85質量%以上であれば○(良い)と評価し、転写効率が85質量%未満であれば×(良くない)と評価した。
耐ドラム付着性の評価では、上記評価機を用いて、温度32℃、湿度80%RHの環境下で、印字率5%の連続印刷を1万枚の記録媒体(A4サイズの印刷用紙)に行った。その後、トナー載り量0.5mg/cm2の条件で、評価用紙(モンディ社製「ColorCopy(登録商標)」、A4サイズ、90g/m2)に未定着のソリッド画像を形成した。そして、評価用紙上のソリッド画像を目視で観察した。
ソリッド画像にダッシュマークが観察されなければ○(良い)と評価し、ソリッド画像にダッシュマークが観察されれば×(良くない)と評価した。なお、ダッシュマークは、トナーが感光体ドラムの表面に付着することに起因して生じ得る画像欠陥である。
[評価結果]
以下、トナーA−1〜A−5、B−1〜B−5、C−1〜C−4、D−1〜D−4、及びE−1〜E−2の各々の評価結果について説明する。表2に、トナーA−1〜E−2の各々のピーク輝度値、半値全幅、ピーク比率、及び半値幅比率の評価結果を示す。表2中の「Pc」、「Ps」、「Wc」、及び「Ws」には、実測値の小数第1位を四捨五入して得られる整数部分のみを示している。ただし、「Ps/Pc」及び「Ws/Wc」はそれぞれ、実測値の小数第3位までを考慮して算出している。また、表3に、トナーA−1〜E−2の各々の耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率の評価結果を示す。耐ドラム付着性の評価結果に関する表3中の「200枚」、「800枚」はそれぞれ、200枚、800枚印刷した時点でダッシュマークが観察されたことを示している。転写効率の評価結果に関する表3中の「−」は、ドラム付着が生じたために転写効率を測定できなかったことを示している。
表2に示されるように、トナーA−1、A−3、及びA−4、B−2、B−3、C−1、C−2、D−2、及びD−4(実施例1〜9に係るトナー)はそれぞれ、前述の構成(1)及び(2)を有していた。詳しくは、実施例1〜9に係るトナーではそれぞれ、シェル層が、水溶性熱硬化性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂とを含んでいた。また、実施例1〜9に係るトナーではそれぞれ、ピーク比率Ps/Pc(コア由来ピークのピーク輝度値に対するシェル層由来ピークのピーク輝度値の比率)が1.10以上1.40以下であり、半値幅比率Ws/Wc(コア由来ピークの半値全幅に対するシェル層由来ピークの半値全幅の比率)が1.60以上3.20以下であった。実施例1〜9に係るトナーのいずれのシェル層も、図2に示される形態と同様の形態を有していた。
表3に示されるように、実施例1〜9に係るトナーはそれぞれ、耐熱保存性、低温定着性、電荷減衰特性、耐ドラム付着性、及び転写効率に優れていた。
本発明に係るトナーは、例えば複写機、プリンター、又は複合機において画像を形成するために用いることができる。
10 トナーコア
20 シェル層
21 境界部
22 ブロック

Claims (5)

  1. コアと、前記コアの表面に形成されたシェル層とを有するトナー粒子を、複数含み、
    前記シェル層が、水溶性熱硬化性樹脂と非水溶性熱可塑性樹脂とを含み、
    外添剤が付着していない状態の前記トナー粒子をRu染色して、前記Ru染色されたトナー粒子の反射電子像の輝度値分布を測定した場合に、
    コア由来ピークのピーク輝度値に対するシェル層由来ピークのピーク輝度値の比率は1.10以上1.40以下であり、
    前記コア由来ピークの半値全幅に対する前記シェル層由来ピークの半値全幅の比率は1.60以上3.20以下である、トナー。
  2. 前記シェル層が、前記水溶性熱硬化性樹脂として、メラミン樹脂、尿素樹脂、及びグリオキザール樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記シェル層が、前記非水溶性熱可塑性樹脂として、アクリル系樹脂及びスチレン−アクリル系樹脂からなる群より選択される1種以上の樹脂を含む、請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記非水溶性熱可塑性樹脂が前記トナー粒子の表面に露出している、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
  5. 前記シェル層では、実質的に前記非水溶性熱可塑性樹脂からなる複数のブロックが、実質的に前記水溶性熱硬化性樹脂からなる境界部を介して相互に接続されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
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