JP5122183B2 - チタン酸カルシウム微粒子及び静電記録用トナー - Google Patents

チタン酸カルシウム微粒子及び静電記録用トナー Download PDF

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Description

本発明は、トナーの添加剤、特に研摩剤として有用なチタン酸カルシウム微粒子、及びそれを用いた静電記録用トナーに関するものである。
近年、電子写真方式を利用した複写機及びプリンターにより得られる静電画像の高精細、高画質化の要求に伴い、粒子径が小さくかつ高流動性のトナーを現像剤として用いて高画質化を達成しようとする試みが行われている。しかし、トナーの粒子径を小さくすると重量あたりの表面積が増大して摩擦帯電量が増加しトナー同士の付着力が強くなり、流動性が低下するという問題が起こる。
これらの問題に対し、チタン酸ストロンチウム粉末は、帯電がほぼ中性であり、また高誘電率を有するものであることから帯電レベルが変化しないという特徴を有しており、従来からトナーの添加剤、特に研摩剤として多量に使用されている。しかしながら、焼成法で合成したチタン酸ストロンチウムの粒径は比較的大きいため、感光体を傷つける場合がある。一方、湿式合成したチタン酸ストロンチウムは微粒子ではあるが、その形状はトナーの添加剤として使用した場合に優れた研摩効果を有する直方体状粒子と、トナー表面に付着し帯電量を変化させる微細な粒状粒子の両方が混在してしまう。
チタン酸ストロンチウムよりも工業的に有利なものとしては、結晶型がチタン酸ストロンチウムと同様のペロブスカイト型結晶で、かつ、安価な材料としてチタン酸カルシウムがある。チタン酸カルシウムの製造方法としては、チタン化合物の加水分解生成物と水溶性カルシウム塩とを強アルカリ水溶液中で反応させる湿式合成法が開示されている(特許文献1参照)。しかし、得られるチタン酸カルシウムは1〜3μmの粗大粒子である。
また、磁気記録媒体の電磁変換特性とスチル耐久性の両方の性能を同時に向上させるために、直方体状または立方体状であり、その粒子の三辺の長さの和が0.3〜3μmであるチタン酸カルシウムを使用することも行われている(特許文献2参照)。しかし、その製造方法は特許文献1と同一であるため、やはり粒径として十分ではない。
また、ペロブスカイト結晶構造を有し、正方柱または正方柱類似の形状を有するチタン酸カルシウム粉末も開示されている(特許文献3参照)。しかし、正方柱または正方柱類似の形状であるため、トナーの添加剤として使用した場合に研摩効果として十分でない。
また、一次粒子の個数平均粒径が80nm以上220nm以下であり、800nm以上の粒径を有する凝集体の含有率が1個数%以下であり、粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるペロブスカイト型結晶の無機微粉体を添加したトナーが開示されている(特許文献4参照)。しかしながら、具体的な内容が記載されているのはチタン酸ストロンチウムのみであって、1μm以下の微粒子タイプのチタン酸カルシウムの内容については、製造方法も含めてまったく不明であった。
特開昭59−045927号公報 特開平06−223361号公報 特開2004−323344号公報 特開2006−195156号公報
以上のことより、チタン酸ストロンチウムより安価で工業的に有利なチタン酸カルシウムを用い、その1μm以下の粒子形状が立方体状及び/または直方体状であるチタン酸カルシウム微粒子は、これまで実質的に前例がなく、これを使用したトナーも前例がなかった。
従って、本発明の目的は、研摩効果の優れる直方体状の微粒子を容易かつ安価に製造でき、チタン酸ストロンチウムと同様の特性を持ちつつ、なおかつ分散性に優れ、特にトナーの添加剤に好適なチタン酸カルシウム微粒子、及びこのチタン酸カルシウム微粒子を用いた静電記録用トナーを提供することにある。
本発明者らは、トナー用研摩剤として研摩効果の高い直方体状の微粒子を開発すべく鋭意検討した結果、すべての粒子が直方体状で微粒子のチタン酸カルシウムの湿式合成条件を見出した。さらに、研摩剤は外添剤と異なり必ずしも疎水性である必要はないが、トナーの現像システムによっては疎水性を必要とする場合があり、使用目的に適した疎水化度を付与する疎水化処理方法も同時に見出し、本発明を完成させたものである。
すなわち、本発明のチタン酸カルシウム微粒子は、比表面積が10〜40m/gであって、長辺長Aが0.05〜0.35μm、短辺長Bが0.04〜0.20μm、軸比A/Bが1.2〜5.0の直方体状粒子を含むことを特徴とする。
また、本発明のチタン酸カルシウム微粒子は、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、シリコーンオイル、及び脂肪酸化合物のいずれか1種以上の疎水化剤を被覆してもよい。
さらに、前記の疎水化剤を被覆したチタン酸カルシウム微粒子は、疎水化度が35〜75%であることが好ましい。
また、本発明のチタン酸カルシウム微粒子の帯電量は、鉄粉に対する摩擦帯電量を−100〜+80μC/gに調整することが可能である。
本発明のチタン酸カルシウム微粒子によれば、分散性に優れ、かつ、焼結粒子を含まない微粒子であるので、電子写真用トナーの添加剤を始めとした各種用途に使用できる。
(チタン酸カルシウム微粒子の比表面積、長辺長、短辺長等)
本発明で重要なのは、チタン酸カルシウム微粒子の比表面積が10〜40m/g、好ましくは15〜40m/g、長辺長Aが0.05〜0.35μm、好ましくは0.10〜0.30μm、短辺長Bが0.04〜0.20μm、好ましくは0.05〜0.15μm、軸比A/Bが1.2〜5.0、好ましくは2.0〜4.0の直方体状粒子を含むということである。
本発明のチタン酸カルシウム微粒子をトナーの添加剤として用いた場合は、前記の比表面積、長辺長A、短辺長B、及び軸比A/Bを有し、かつ、直方体状粒子を含むことで高い研摩効果を奏する。比表面積が10m/g未満で、長辺長が0.35μmを超えると感光体を傷つけたり、単位重量あたりの個数が減少し、研摩効果が低下し好ましくなく、また、比表面積が40m/gを超え、長辺長が0.05μm未満のものは、優れた研摩効果が得られにくくなる。
(チタン酸カルシウム微粒子の疎水化剤)
本発明のチタン酸カルシウム微粒子をトナー用研摩剤として用いる場合、必ずしも疎水性である必要はないが、トナーの現像システムによっては疎水性を必要とする場合がある。その際、チタン酸カルシウム微粒子の粒子表面に疎水化剤を被覆するが、当該疎水化剤は、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、シリコーンオイル、及び、脂肪酸化合物のいずれか1種以上から選択でき、脂肪酸化合物が好ましく、シランカップリング剤が特に好ましい。脂肪酸化合物は、ステアリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸等が好ましく、ステアリン酸が特に好ましい。
使用する際の好ましい形態であるシランカップリング剤は、一般式RnSiR'm(R:炭化水素基、R':アルコキシ基、n=1〜3の整数、m=1〜3の整数、n+m=4)で表されるものであり、例えば、プロピルトリメトキシシラン、i−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−ドデシルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3−グリドキシプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ、炭化水素基Rの炭素の数が2〜10のものが望ましい。炭素数が1のものは分子鎖長が短いため疎水化度が低く、また、乾燥時に粒子間が十分に離れないため凝集が起こり分散性が低下する。
(チタン酸カルシウム微粒子の疎水化度)
疎水化剤で被覆されたチタン酸カルシウム微粒子の疎水化度は、後述する測定方法において、35〜75%であることが好ましい。
(チタン酸カルシウム微粒子の摩擦帯電量)
また、本発明のチタン酸カルシウム微粒子の帯電量は、鉄粉に対する摩擦帯電量を−100〜+80μC/gに調整することが可能であり、ハードに適した摩擦帯電量に処理剤あるいは処理量を変更することで調整できるという点で好ましい。当該摩擦帯電量は、前記の疎水化剤の種類並びにその被覆量に起因するものである。
(チタン酸カルシウム微粒子の製造方法)
本発明のチタン酸カルシウム微粒子は、代表的には常圧により、または、オートクレーブを用いた加圧加熱反応法により、ペロブスカイト型チタン酸化合物を製造する方法において、チタン源としてチタン化合物の加水分解物の鉱酸解膠品を、カルシウム源として水酸化カルシウムを用い、その混合液にアルカリ水溶液を添加し、所定のpHに調整後加熱し反応させた後、必要に応じて疎水化処理することで得られる。
前記の酸化チタン源としてはチタン化合物の加水分解物の一塩基酸の解膠品を用いる。好ましい一塩基酸は、塩酸、硝酸、過塩素酸等である。具体例を挙げると硫酸法で得られた、SO3含有量が1.0wt%以下、好ましくは0.5wt%以下のメタチタン酸を塩酸でpHを0.8〜1.5に調整して解膠したものを、中和、洗浄、再スラリー化したスラリーを用いる。メタチタン酸の粒径は、0.07μm以下が好ましく、0.03μm以下が特に好ましい。
アルカリ水溶液としては、苛性アルカリが使用できるが、水酸化ナトリウム水溶液が好ましい。
反応時の酸化チタン源の濃度としては、TiOとして0.05〜1.1mol/Lが好ましく、0.1〜0.8mol/Lが特に好ましい。
反応時における酸化チタン源とカルシウム源の混合割合は、CaO/TiOのmol比で、0.9〜1.4が好ましく、0.95〜1.15が特に好ましい。
反応系の雰囲気は、炭酸カルシウムの生成を防ぐために窒素ガス雰囲気下で反応する等により炭酸ガスの混入を防ぐことが好ましい。
比表面積が10〜40m/gで、長辺長が0.35μm以下、軸比が1.2〜5.0のチタン酸カルシウム微粒子を得るには、pHを12.0〜13.0範囲に調整し、90〜180℃で反応させる。
反応時の温度は60℃以上であれば、チタン酸カルシウム粒子が得られるが、60℃から90℃未満では反応速度が小さく、反応に長時間を要し、得られたチタン酸カルシウムの比表面積は小さく、平均一次粒径の大きな粒子となるため好ましくない。100℃以上の反応には、例えば、オートクレーブを用いる。
反応時のpHは12.0以上であればチタン酸カルシウム粒子が得られるが、pH13.0を超えると比表面積が10〜40m/gのチタン酸カルシウム微粒子は得られにくくなるので好ましくない。
上記の反応条件に加えて、メタチタン酸スラリーと水酸化カルシウムを混合したスラリーに、TiとCaに対し0.1〜3.0mol%のクエン酸、酒石酸、リンゴ酸、オキシマロン酸等のオキシカルボン酸を添加し、90〜180℃の温度範囲で反応することで、比表面積が20〜40m/gで、長辺長が0.05〜0.35μm、軸比が1.2〜5.0のチタン酸カルシウム微粒子を得ることができる。クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、オキシマロン酸等のオキシカルボン酸添加量は0.1mol%未満では微粒化の効果が小さく、また、3.0mol%を超えると直方体状粒子のエッジがなくなり、研摩効果が低下するので好ましくない。
また、本発明のチタン酸カルシウム微粒子を湿式合成後にさらに300〜1000℃の温度で焼結が生じない程度に焼成すれば、結晶性がさらに向上し、環境安定性がより改良される。
本発明のチタン酸カルシウム微粒子は、従来よりトナーの添加剤として使用されているシリカや酸化チタンと同じように、使用目的によっては、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、シリコーンオイル、及び脂肪酸化合物から選択される1種以上の疎水化剤を被覆するが、脂肪酸化合物が好ましく、シランカップリング剤が特に好ましい。具体的な脂肪酸化合物及びシランカップリング剤は前述した通りのものを用いることができる。また、SiO、Al等の無機酸化物を予め被覆しておいてもよい。被覆処理は湿式及び乾式のいずれでもよいが、チタン酸カルシウム粒子の湿式合成後に連続処理できる点で、湿式が好ましい。
疎水化剤の処理方法を、シランカップリング剤を例にとると、スラリーの温度を35℃で、6mol/Lの塩酸を加えpH2.5に調整し、シランカップリング剤を添加し4時間撹拌保持後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH5.0まで中和し、ろ過、水洗、乾燥する。
疎水化剤の添加量は、基体となるチタン酸カルシウム微粒子に対して1.0〜8.0質量%であり、1.5〜6.0質量%が好ましい。1.0質量%未満では、疎水化されていない親水性面が残存し、帯電量の環境変化による影響を受けやすくなり、また、8.0質量%を超えると、基体表面に被覆されない過剰な処理剤による副生物が発生し、特性的、経済的、あるいは環境的に好ましくない。
水洗後の乾燥温度もしくは乾式処理後の熱処理は100℃〜190℃、好ましくは110℃〜170℃である。100℃未満では乾燥効率が悪く、疎水化度が低くなり、また、190℃を超えると、炭化水素基の熱分解が起こり、変色と疎水化度の低下が起こるので好ましくない。
本発明のチタン酸カルシウム微粒子は、磁性一成分トナー、二成分トナー及び非磁性一成分トナーのあらゆる静電記録方式で使用される。また粉砕法あるいは重合法で製造したトナーの添加剤としても使用できる。トナー用のバインダー樹脂としては、公知の合成樹脂及び天然樹脂であれば如何なるものでも使用できる。具体的には、例えば、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ジエン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、フェノール系樹脂、石油樹脂及びウレタン系樹脂等が挙げられる。また、目的に応じて帯電調整剤や離型剤等の添加剤をバインダー中に添加したトナーでもよい。
本発明のチタン酸カルシウム微粒子は、トナーに0.1〜5.0wt%添加して使用され、必要に応じ電子写真の分野で使用されている公知の流動化剤、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミ等の1種または2種以上と併用してもよい。
また、粒子径の異なる2種以上の本発明のチタン酸カルシウム微粒子を同時に使用してもかまわない。
本発明のチタン酸カルシウム微粒子は、前述の通り微粒子で、かつ、尖ったエッジを持つ直方体状粒子を含有しているため、トナーの添加剤として使用した場合に、優れた研摩効果を有する。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。以下に挙げる例は単に例示のために記すものであり、本発明の範囲がこれによって制限されるものではない。
(チタン酸カルシウム微粒子の製造)
[実施例1]
硫酸法で得られた0.03μmのメタチタン酸を脱鉄漂白処理した後、4mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えpH9.0とし、脱硫処理を行い、その後、6mol/Lの塩酸によりpH5.5まで中和しろ過水洗を行った。洗浄済みケーキに水を加えTiOとして1.25mol/Lのスラリーとした後、6mol/Lの塩酸を加えpH1.2とし解膠処理を行った。この解膠スラリーを5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加えpH6.5まで中和しろ過水洗を行った。TiOとして0.726molの洗浄済みケーキに水を加えスラリーとした後、2Lの反応容器に投入し、該解膠・中和メタチタン酸スラリーにCaO/TiOモル比で1.03の水酸化カルシウム粉末を添加し混合後、TiO濃度0.726mol/Lに調整した。スラリーpHを10mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加して13.0に調整後、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した。次に、この反応容器に窒素を流しながら、さらに撹拌混合しつつメタチタン酸と水酸化カルシウムの混合溶液を98℃に加温し、6.5時間撹拌保持した。なお、該反応物を透過型電子顕微鏡で観察すると、直方体状粒子の粒子であり、側面からみた長辺長は0.25〜0.35μm、軸比は1.5〜3.2であった。反応終了スラリーをろ過、洗浄、乾燥後、ハンマーミルを用いて粉砕したものの比表面積は10.2m/gであった。また、X線回折による同定ではチタン酸カルシウム単一相であった。
[実施例2]
実施例1の98℃で6.5時間撹拌した後の反応終了スラリーを35℃まで冷却し、6mol/Lの塩酸を加えpH2.5に調整し、i−ブチルトリメトキシシラン1.5g(1.5質量%)を添加し4時間撹拌保持後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH5.0まで中和し、ろ過水洗を行った。ろ過水洗済ケーキは150℃で乾燥した後、ハンマーミルで粉砕し、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例3]
実施例1において、反応前のpH13.0を12.7としたほかは、同例の場合と同様に反応した。反応後35℃まで冷却し、6mol/Lの塩酸を加えpH2.5に調整し、i−ブチルトリメトキシシラン2.1g(2.1質量%)を添加し4時間撹拌保持後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH5.0まで中和し、ろ過水洗を行った。ろ過水洗済ケーキは150℃で乾燥した後、ハンマーミルで粉砕し、目的とする疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。なお、該反応物を透過型電子顕微鏡で観察すると、直方体状粒子の粒子であり、側面からみた長辺長は0.20〜0.35μm、軸比は1.7〜4.7であった。反応終了スラリーをろ過、洗浄、乾燥後、ハンマーミルを用いて粉砕したものの比表面積は15.0m/gであった。また、X線回折による同定ではチタン酸カルシウム単一相であった。
[実施例4]
反応前のスラリーの調整は実施例1と同様の方法で行い、スラリーpHを10mol/Lの水酸化ナトリウム溶液を添加し12.7に調整後、オートクレーブに仕込み、窒素ガスを吹き込み20分間放置し反応容器内を窒素ガス置換した後、150℃に加温し、4時間撹拌保持した。なお、該反応物を透過型電子顕微鏡で観察すると、直方体状粒子の粒子であり、側面からみた長辺長は0.10〜0.20μm、軸比は1.3〜3.5であった。反応終了スラリーをろ過、洗浄、乾燥後、ハンマーミルを用いて粉砕したものの比表面積は19.9m/gであった。また、X線回折による同定ではチタン酸カルシウム単一相であった。
[実施例5]
実施例4の150℃で4時間撹拌した後の反応終了スラリーを35℃まで冷却し、6mol/Lの塩酸を加えpH2.5に調整し、i−ブチルトリメトキシシラン2.8g(2.8質量%)を添加し4時間撹拌保持後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pH5.0まで中和し、ろ過水洗を行った。ろ過水洗済ケーキは150℃で乾燥した後、ハンマーミル粉砕し、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例6]
実施例1において、脱硫・解膠・中和・洗浄を行ったメタチタン酸と水酸化カルシウムの混合スラリーに、TiとCaに対し1.0mol%のクエン酸を添加し、反応時間を40時間としたこと、i−ブチルトリメトキシシラン2.1g(2.1質量%)をi−ブチルトリメトキシシラン4.3g(4.3質量%)としたほかは、同例の場合と同様に処理し、目的とする疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。なお、該反応物を透過型電子顕微鏡で観察すると、直方体状粒子の粒子であり、側面からみた長辺長は0.15〜0.30μm、短辺長は0.08μmであった。反応終了スラリーをろ過、洗浄、乾燥後、ハンマーミルを用いて粉砕したものの比表面積は30.8m/gであった。また、X線回折による同定ではチタン酸カルシウム単一相であった。
[実施例7]
実施例4において、脱硫・解膠・中和・洗浄を行ったメタチタン酸と水酸化カルシウムの混合スラリーに、TiとCaに対し1.0mol%のクエン酸を添加し、反応時間4時間を16時間としたほかは、同例の場合と同様に反応を行った。該反応物を透過型電子顕微鏡で観察すると、直方体状粒子の粒子であり、側面からみた長辺長は0.07〜0.25μm、軸比は1.5〜4.0であり、比表面積は38.5m/gであった。図1に透過型電子顕微鏡写真を示す。また、X線回折による同定ではチタン酸カルシウム単一相であった。
[実施例8]
実施例7を基体に用い、疎水化表面処理においては実施例5のi−ブチルトリメトキシシラン2.8g(2.8質量%)を5.4g(5.4質量%)とした他は、同例の場合と同様に処理し、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例9]
実施例8において、i−ブチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)をi−ブチルトリメトキシシラン3.6g(3.6質量%)としたほかは、同例の場合と同様に処理して、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例10]
実施例8において、乾燥温度150℃を130℃としたほかは、同例の場合と同様に処理して、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例11]
実施例8において、i−ブチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)をメチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)としたほかは、同例の場合と同様に処理し、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例12]
実施例8において、i−ブチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)をn−プロピルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)としたほかは、同例の場合と同様に処理して、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例13]
実施例8において、i−ブチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)をn−ヘキシルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)としたほかは、同例の場合と同様に処理して、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例14]
実施例8において、i−ブチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)をn−オクチルトリエトキシシラン5.4g(5.4質量%)としたほかは、同例の場合と同様に処理して、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例15]
実施例8において、i−ブチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)をn−デシルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)としたほかは、同例の場合と同様に処理して、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例16]
実施例8のカップリング処理後の乾燥までの工程において、i−ブチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)をi−ブチルトリメトキシシラン3.6g(3.6質量%)とし、ろ過水洗済ケーキを110℃で乾燥したほかは、同例の場合と同様に処理した。この乾燥物を石川式撹拌擂潰機 AGAを用いてフロロシラン4.0質量%を乾式処理後、130℃で熱処理した後、ハンマーミルで粉砕し、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例17]
実施例8において、i−ブチルトリメトキシシラン5.4g(5.4質量%)をチタンカップリング剤(味の素ファインテクノ(株)製プレンアクトKR TTS)を5.0g(5.0質量%)としたほかは、同例の場合と同様に処理して、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
[実施例18]
実施例7の150℃で16時間撹拌した後50℃まで冷却し、反応終了スラリーをオートクレーブより取り出した。反応終了スラリーを70℃でpH6.5に調整し、ステアリン酸7.0g(7.0質量%)添加後、1h撹拌保持した後、ろ過水洗を行った。ろ過水洗済ケーキは150℃で乾燥した後、ハンマーミルで粉砕し、疎水性チタン酸カルシウム微粉末を得た。
各実施例で得られたチタン酸カルシウム微粒子について、以下の諸特性を測定した。
(比表面積)
MICROMETORICS INSTRUMENT CO.製ジェミニ2360を用い、BET法にて測定した。
(疎水化度)
2.5質量%毎のメタノールを含む水溶液を試験管に用意しておき、少量の微粉末を投入し、沈降の有無を確認した。疎水化度としては、沈降無の質量%〜沈降有の質量%を疎水化度(%)として表示した。
(摩擦帯電量)
微粉末と還元鉄粉(パウダーテック社製TSV−100)を混合し、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製TB−200)にて測定した。
(X線回折による同定)
理学電機工業製ローターフレックスRAD−RCにて、ターゲットCu、50kV×200mAの測定条件で同定を行った。
各実施例の結果を表1及び表2に示す。
表1の結果より、得られたチタン酸カルシウムは、比表面積が10〜40m/g、長辺長が0.05〜0.35μm、軸比が1.2〜5.0であり、単一組成の直方体状粒子のものが得られていることが分かる。
また、表2の結果より、得られたチタン酸カルシウムは、疎水化度が35〜75%であり、摩擦帯電量が−100〜+80μC/gであるものが得られていることが分かる。
以上より、トナーの添加剤、特に研磨剤として有用なチタン酸カルシウムが得られたことが確認できた。
実施例7により製造されたチタン酸カルシウムの透過型電子顕微鏡写真である。

Claims (10)

  1. 比表面積が10〜40m/gであって、長辺長Aが0.05〜0.35μm、短辺長Bが0.04〜0.20μm、軸比A/Bが1.2〜5.0の直方体状粒子を含むことを特徴とするチタン酸カルシウム微粒子。
  2. 更に、チタンカップリング剤、シランカップリング剤、シリコーンオイル、及び脂肪酸化合物のいずれか1種以上の疎水化剤を被覆したことを特徴とする請求項1記載のチタン酸カルシウム微粒子。
  3. 疎水化度が35〜75%であることを特徴とする請求項2記載のチタン酸カルシウム微粒子。
  4. 鉄粉に対する摩擦帯電量が−100〜+80μC/gであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のチタン酸カルシウム微粒子。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載のチタン酸カルシウム微粒子を添加剤として用いたことを特徴とする静電記録用トナー。
  6. チタン化合物の加水分解物の一塩基酸の解膠品と水酸化カルシウムとの混合液にアルカリ水溶液を添加し、pHを12.0〜13.0に調整した後加熱し反応させることによりチタン酸カルシウム微粒子を得る方法。
  7. チタン化合物の加水分解物が、メタチタン酸である、請求項6に記載の方法。
  8. 一塩基酸が、塩酸、硝酸、及び過塩素酸からなる群より選択される、請求項6又は7に記載の方法。
  9. アルカリ溶液が、水酸化ナトリウム水溶液である、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 加熱温度が90〜180℃の範囲である、請求項6〜9のいずれかに記載の方法。
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