JP2018110168A - 磁性粒子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 より低い温度で熱処理しても優れた磁気特性を発揮することができるε‐Fe2O3を含む磁性粒子およびその製造方法を提供する。【解決手段】 本発明による磁性粒子は、イプシロン型酸化鉄と、添加元素と、を含み、前記添加元素が、Nd、Pr、Eu、Er、Gd、SmもしくはYのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素である。【選択図】なし

Description

本発明は、磁性粒子およびその製造方法に関する。
磁性材料の分野において製品の小型化やデータの大容量化の要望が大きくなり、材料の高密度化の研究が活発に行われている。それに伴い、高保磁力化や高磁化を目指した磁性材料の開発が行われている。
そのうち、保磁力が、例えば10kOe以上の磁性粒子として、ネオジ鉄ボロン、窒化サマリウム鉄、白金鉄および結晶構造がイプシロン型の酸化鉄(ε‐Fe23)などが挙げられる。これらの磁性粒子のうち、磁性粒子がネオジ鉄ボロンや窒化サマリウム鉄などで形成される場合、ネオジ鉄ボロンや窒化サマリウム鉄などを高温で均質に合金化して得たインゴットを最終的に粉砕して得ているため、ミクロンオーダーのサイズの粒子が多い。磁性粒子が白金鉄で形成される場合、白金族元素を主要構成要素として大量に含むため、資源リスクや製造コストが増大する。
一方、磁性粒子がε‐Fe23で形成される場合、酸化鉄は低廉な材料であるため、資源リスクを回避しながら製造コストをかけずに磁性粒子を製造することができる。ε‐Fe23を用いて磁性粒子を製造する方法として、例えば、ε‐Fe23をシリカキセロゲルより製造する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
また、粒子サイズが5〜40nmのε‐Fe23の磁性粒子を製造する技術が提案されている(例えば、非特許文献2参照)。非特許文献2には、ε‐Fe23の粒子サイズが7.5nm以上の時に強磁性に相転移することが記載されている。
さらに、磁性粒子の磁気特性を向上させるため、様々な元素をε‐Fe23またはFeの一部と置換する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2、3、および非特許文献3など参照)。
例えば、特許文献1では、酸化鉄の一部をロジウムで置換することにより、室温で31kOeの保磁力を得る方法が開示されている。
特許文献2では、ε‐Fe23の鉄イオンの一部をガリウムイオンで置換した、一般式ε‐GaFe2−x(ただし、0.10≦x≦0.67)で表されるナノ微粒子(粒径30nm)を製造する方法が提案されている。特許文献2には、このナノ微粒子が、ガリウムの置換量に応じて30GHzから150GHzまでの高い周波数領域でミリ波を有効かつ選択的に吸収することが記載されている。
特許文献3には、ε‐Fe23の合成における鉄化合物粒子中へのバリウムなどのアルカリ土類金属を形状保持剤として添加して、棒状のε‐Fe23を得ることが記載されている。
特許文献4には、ε‐Fe23に他の元素を加えて、粒度分布は狭く、かつ磁気記録特性に寄与しない粒子の含有量は少なくすることで、保磁力分布が狭く、磁気記録媒体の高記録密度化に適した鉄系酸化物磁性粒子粉が得られることが開示されている。特許文献4では、一般式ε‐AxyzFe2−x−y−z3(ただし、AはCo、Ni、Mn、Znから選択される1種以上の2価の金属元素、BはTi、Snから選択される1種以上の4価の金属元素、CはIn、Ga、Alから選択される1種以上の3価の金属元素で、0<x<1、0<y<1、0<z<1)で表される鉄系酸化物が用いられる。
特許文献5では、鉄系酸化物磁性粉に、AlイオンおよびYイオンの一種または二種の水酸化物もしくは含水酸化物を被着させることにより、製造プロセス中での固液分離が良好で、塗料中での分散性が良好で、かつ水溶性アルカリ金属の溶出量が少ない表面改質鉄系酸化物磁性粒子粉が得られることが記載されている。
国際公開第2011/040534号 特開2008−277726号公報 特開2009−224414号公報 特開2016−130208号公報 特開2016−169148号公報
M. Popovici et al., "Optimized Synthesis of the Elusive ?ε-Fe2O3 Phase via Sol-Gel Chemistry", Chem. Mater., vol. 16, NO. 25, (2004) pp. 5542-5548 S. Ohkoshi et al., "Nanometer-size hard magnetic ferrite exhibiting high optical-transparency and nonlinear optical-magnetoelectric effect", Scientific Reports 5, Article number 14414 (2015)
従来の製造方法では、酸化鉄を含む粒子をε‐Fe23が生成される温度(例えば、900〜1300℃)で熱処理することで、ε‐Fe23を有する粒子を得ている。ε‐Fe23を有する粒子は、優れた磁気特性を有するが、酸化鉄を含む粒子中に、優れた磁気特性を発揮できるだけのε‐Fe23を生成させるためには、酸化鉄を含む粒子を、極力高い温度(例えば、1000℃よりも高い温度)で熱処理する必要があった。
本発明の一態様は、より低い温度で熱処理しても優れた磁気特性を発揮することができるε‐Fe23を含む磁性粒子およびその製造方法を提供することを目的にする。
本発明の一態様における磁性粒子は、イプシロン型酸化鉄と、添加元素と、を含み、前記添加元素が、Nd、Pr、Eu、Er、Gd、SmもしくはYのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素である。
本発明の一態様における磁性粒子の製造方法は、鉄元素を含有する第1化合物と、前記添加元素を含む第2化合物とを含む溶液にケイ素化合物を添加して、前記鉄元素および添加元素をシリカ中に含んだシリカキセロゲルを生成する工程と、前記シリカキセロゲルを850〜1100℃で、4〜6時間熱処理して、イプシロン型酸化鉄および前記添加元素を含む磁性粒子を生成する工程と、を含む。
本発明の一態様における磁性粒子の製造方法は、鉄元素を含有する第3化合物と、前記添加元素の硝酸塩、塩化物、酢酸塩または硫酸塩を1つ以上含む第4化合物とを反応させ、スピネル型構造の酸化鉄と前記添加元素とを含む鉄化合物粒子を生成する工程と、前記鉄化合物粒子の表面に、ケイ素化合物を用いてシリカを含む被覆層を形成する工程と、前記被覆層が形成された前記鉄化合物粒子を、850〜1100℃で、4〜6時間熱処理して、イプシロン型酸化鉄および前記添加元素を含む磁性粒子を生成する工程と、を含む。
本発明の一態様によれば、より低い温度で熱処理しても優れた磁気特性を発揮することができるε‐Fe23を含む磁性粒子およびその製造方法を得ることができる。
図1は、実施例1の磁性粒子の透過型電子顕微鏡写真である。 図2は、実施例1、2および3の磁性粒子のX線回折スペクトルである。 図3は、実施例1の磁性粒子の磁気特性である。 図4は、実施例4、5および6の磁性粒子のX線回折スペクトルである。 図5は、実施例5の磁性粒子の磁気特性である。 図6は、実施例7、8および9の磁性粒子のX線回折スペクトルである。 図7は、実施例7の粉体の磁気特性である。 図8は、実施例10、11および比較例1の磁性粒子のX線回折スペクトルである。 図9は、比較例2の磁性粒子のX線回折スペクトルである。 図10は、実施例12および比較例3の磁性粒子のX線回折スペクトルである。 図11は、実施例1の磁性粒子の透過型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明による実施の形態について説明する。なお、実施形態は以下の記述によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
<磁性粒子>
実施形態による磁性粒子は、ε‐Fe23と、添加元素とを有する。
ε‐Fe23は、後述するように、Fe元素を含む化合物が含まれたシリカキセロゲル、またはFe元素を含む化合物を用いて得られたスピネル型構造の酸化鉄の粒子(スピネル型酸化鉄粒子)を熱処理することで得られる。
磁性粒子にε‐Fe23が形成されているか否かは、X線回折装置を用いて、磁性粒子のX線回折(X-Ray Diffraction:XRD)測定を行い、測定により得られたX線回折スペクトルから確認することができる。例えば、格子定数、結晶子サイズは、得られたX線回折スペクトルから、粉末X線回折装置付属の粉末X線回折パターン総合解析ソフトJADE(MDI社、シェラーの式による自動計算)を用いて各ピークの面積を算出し、結晶質部分の割合を算出することで確認することができる。上記ソフトによる算出処理は、例えば、上記ソフトの取扱説明書(Jade(Ver.5)ソフトウェア)に基づいて行う。また、ε‐Fe23のXRDピークは、27.7°、30.1°、33°、34.9°、35.2°、36.6°、40.3°、41.5°である。
添加元素は、Nd、Pr、Eu、Er、Gd、SmもしくはYのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素を用いることができる。特に、Nd、Pr、Eu、もしくはErのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素であることが好ましい。添加元素は、ε‐Fe23に固溶した形態、または酸化物の形態で磁性粒子に含まれていてもよい。
添加元素の含有量は、鉄元素に対して、1〜20原子%であることが好ましく、7〜15原子%であることがより好ましい。添加元素の含有量が1原子%以上であれば、添加元素の効果が発揮されるため、実施形態による磁性粒子を製造する際の熱処理を低温で行っても、実施形態による複合磁性粒子中に優れた磁気特性を発揮できるだけのε‐Fe23を生成することができる。添加元素の含有量が20原子%以下であれば、添加元素のような磁性を持たない物質の割合の増大が抑えられるため、実施形態による磁性粒子は高い磁気特性を発揮することができる。
実施形態による磁性粒子の平均粒子径は、磁気特性が発揮できれば、特に限定されるものでなく、実施形態による磁性粒子の用途に応じて適宜調整される。なお、磁性粒子の平均粒子径は、磁性粒子を透過型電子顕微鏡(TEM)にて任意の数(例えば、100個)観察し、磁性粒子の長軸と短軸の平均値を磁性粒子の平均粒子径とする。
実施形態による磁性粒子の磁気特性は、例えば、物理特性測定装置(Physical Property Measurement System:PPMS)、自動磁化特性測定装置(BHカーブトレーサ)などを用いて確認することができる。
実施形態による磁性粒子は、ε‐Fe23と添加元素とを有し、添加元素をε‐Fe23に固溶した形態または酸化物の形態で含ませて、ε‐Fe23と添加元素とを複合化した状態で含んでいる。これにより、より低い温度で熱処理しても、例えば、5kOe以上の保磁力HcJを有するなど優れた磁気特性を発揮することができる。
<磁性粒子の製造方法>
(第一の磁性粒子の製造方法)
実施形態による磁性粒子の製造方法の一態様について説明する。実施形態による磁性粒子の製造方法の第一の態様は、Fe元素を含む化合物が含まれたシリカキセロゲルを熱処理して、ε‐Fe23および添加元素の酸化物を含む磁性粒子を生成する方法である。以下、第一の態様による磁性粒子の製造方法を、第一の磁性粒子の製造方法という場合がある。
第一の磁性粒子の製造方法では、鉄元素を含有する第1化合物と、Nd、Pr、Eu、Er、Gd、SmもしくはYのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素を添加元素として含有する第2化合物とを混合し、第1化合物と第2化合物とを含む溶液を作成する。第1化合物および第2化合物を含む溶液としては、例えば、鉄元素および添加元素が水に溶解した水溶液を用いることができる。
第1化合物は、鉄元素を含有する化合物であり、鉄元素を含有する化合物としては、実施形態による磁性粒子中に、結晶構造がアルファ型の酸化鉄(α-Fe23)が生成されることを抑制する点から、例えば、硝酸鉄(Fe(NO33)、酢酸鉄(Fe(CH3CO22)、または硫酸鉄(FeSO4)などが用いられる。第1化合物は、硝酸鉄、酢酸鉄、または硫酸鉄の何れか1つ以上を含んでいる。また、第1化合物としては、これらの鉄元素を含有する化合物の水和物を用いることができる。
第2化合物は、Nd、Pr、Eu、Er、Gd、SmもしくはYのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素を添加元素として含有する化合物であり、添加元素を含有する化合物として、例えば、添加元素を含有する硝酸塩、または酢酸塩などが用いられる。第2化合物は、例えば、添加元素を含有する硝酸塩、または酢酸塩などを1つ以上含んでいる。第2化合物としては、添加元素を含有する化合物の水和物を用いることができる。但し、塩化物は含まれない。
添加元素の含有量は、鉄元素に対して、1〜20原子%であることが好ましく、7〜15原子%であることがより好ましい。添加元素の含有量が1原子%以上であれば、添加元素の効果が発揮されるため、後述するシリカキセロゲルを熱処理する際の熱処理温度を低温で行うことができる。添加元素の含有量が20原子%以下であれば、添加元素のような磁性を持たない物質の割合の増大が抑えられるため、実施形態による磁性粒子は高い磁気特性を発揮することができる。
次に、第1化合物および第2化合物を含む溶液にケイ素化合物を添加して、前記鉄元素および添加元素が、例えばシリカ中に分散した状態などで含まれるシリカキセロゲルを生成する。
ケイ素化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリオキシプロピルメチルジメトキシシランなどが好適に用いられる。これらの中でも、前記鉄元素と添加元素との反応性と、前記鉄元素および添加元素の分散性の観点から、メチルトリエトキシシラン、またはテトラエトキシシランが好ましい。これらのケイ素化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ケイ素元素のモル数(M1)の、鉄元素と添加元素とを合わせたモル数(M2)に対する比(M1/M2)は、2〜12であることが好ましく、ケイ素を除去することを考慮すると、3前後がより好ましい。また、鉄元素と添加元素がケイ素元素中に存在する濃度で平均粒子径が決まるため、M1/M2が大きいほど平均粒子径は小さくなり、平均粒子径を制御することができる。
第1化合物、第2化合物およびケイ素化合物を含む溶液には、ケイ素化合物の加水分解反応を促進する点から、エタノールやプロパノールなどのアルコール類を添加してもよい。ケイ素化合物の種類の中には、一般に、疎水性を有するケイ素化合物がある。そのため、第1化合物および第2化合物を含む溶液が水溶液である場合、ケイ素化合物と水とを加水分解反応させるため、水溶液にアルコール類を添加することが好ましい。
さらに、第1化合物、第2化合物およびケイ素化合物を含む溶液には、ケイ素化合物と水との加水分解反応を促進させるため、硝酸を添加してもよい。第1化合物、第2化合物、ケイ素化合物および硝酸を含む溶液を、例えば60〜80℃で、例えば4〜6時間、撹拌しながら反応させることで、ケイ素化合物と水との加水分解反応を促進することができる。
ケイ素化合物を加水分解した溶液を、例えば、30℃程度で静置することで、前記鉄元素および添加元素がシリカ中に含まれるシリカキセロゲルが製造される。
次に、得られたシリカキセロゲルを、例えば、電気炉などを用いて、大気中で、850〜1100℃で、4〜6時間熱処理することで、ε‐Fe23と添加元素とを含む磁性粒子が製造される。
熱処理温度が850℃未満であると、ε‐Fe23は十分生成されず、熱処理温度が1100℃を超えると、α‐Fe23相の生成量が増大する。
熱処理時間が4時間未満であると、実施形態による磁性粒子中に、優れた磁気特性を発揮できるだけのε‐Fe23が十分生成されない可能性があり、熱処理時間が6時間を超えても、ε‐Fe23の生成量はそれほど変化せず、効果的でない。
次に、シリカキセロゲルに起因して磁性粒子の周りに残ったシリカを除去または低減するため、残ったシリカを水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを含むアルカリ水溶液を用いて溶解して除去してもよい。
このように、Fe元素と添加元素を含む溶液から得られたシリカキセロゲルを熱処理することで、ε‐Fe23および添加元素を含む磁性粒子を製造することができる。このようにして得られた実施形態による磁性粒子には、添加元素がε‐Fe23に固溶した形態または酸化物の形態で含まれており、実施形態による磁性粒子は、ε‐Fe23と添加元素とを複合化した状態で含んでいる。これにより、より低い温度で熱処理しても、保磁力HcJなど優れた磁気特性を発揮することができる。
(第二の磁性粒子の製造方法)
次に、実施形態による磁性粒子の製造方法の他の態様について説明する。実施形態による磁性粒子の製造方法の第二の態様は、Fe元素を含む化合物を用いて得られたスピネル型酸化鉄粒子を含む鉄化合物粒子を熱処理して、ε‐Fe23および添加元素の酸化物を含む磁性粒子を生成する方法である。以下、第二の態様による磁性粒子の製造方法を、第二の磁性粒子の製造方法という場合がある。
第二の磁性粒子の製造方法では、鉄元素を含有する第3化合物が溶解した溶液と、Nd、Pr、Eu、Er、Gd、SmもしくはYのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素を添加元素として含有する第4化合物が溶解した溶液とを混合し、第3化合物と第4化合物とを反応させる。これにより、スピネル型酸化鉄粒子と、添加元素とを含む鉄化合物粒子が生成される。第二の磁性粒子の製造方法では、この鉄化合物粒子を出発原料粒子とする。
第3化合物および第4化合物を含む溶液としては、例えば、鉄元素および添加元素が水に溶解した水溶液を用いることができる。
なお、鉄元素は、鉄化合物粒子にスピネル型酸化鉄粒子として含まれていればよく、鉄元素の一部はスピネル型酸化鉄粒子を構成しないアモルファスの鉄化合物の粒子として含まれていてもよい。
第3化合物は、鉄元素を含有する化合物であり、鉄元素を含有する化合物として、例えば、塩化鉄(FeCl2、FeCl3)、硝酸鉄、酢酸鉄、または硫酸鉄を用いることができる。即ち、第3化合物は、上記の第1化合物と塩化鉄とからなる。第二の磁性粒子の製造方法では、第3化合物は、硝酸鉄、塩化鉄、酢酸鉄、または硫酸鉄の何れか1つ以上を含むことができる。第3化合物としては、これらの鉄化合物の水和物を用いることができる。
第4化合物は、Nd、Pr、Eu、Er、Gd、SmもしくはYのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素を添加元素として含有する化合物が用いられ、添加元素を含有する化合物として、添加元素を含有する硝酸塩、塩化物、酢酸塩、または硫酸塩などが用いられる。第4化合物は、添加元素を含有する化合物を1つ以上含んでいる。また、第4化合物としては、添加元素を含有する化合物の水和物を用いることができる。即ち、第4化合物は、上記の第2化合物と塩化物とからなる。
添加元素の含有量は、鉄元素に対して、1〜20原子%であることが好ましく、7〜15原子%であることがより好ましい。添加元素の含有量が1原子%以上であれば、添加元素の効果が発揮されるため、後述する、被覆層で被覆させた鉄化合物粒子を熱処理する際の熱処理温度を低温で行っても、実施形態による磁性粒子中に優れた磁気特性を発揮できるだけのε‐Fe23を生成することができる。添加元素の含有量が20原子%以下であれば、添加元素のような磁性を持たない物質の割合の増大が抑えられるため、実施形態による磁性粒子は高い磁気特性を発揮することができる。
添加元素は、鉄化合物粒子中にスピネル型酸化鉄粒子と共に含まれていればよく、酸化物の形態で含まれていてもよい。
スピネル型構造の酸化鉄としては、例えば、マグネタイト(Fe34)、またはガンマ型の酸化鉄(γ-Fe23)などが挙げられる。
鉄化合物粒子を製造する際、水熱法、共沈法などを用いることができるが、鉄化合物粒子をシリカで被覆する際に、溶液中における鉄化合物粒子の分散性を良くすることが好ましいという点から、水熱法を用いることが好ましい。特に、水熱法の中でも、高温、高圧の溶媒中で第1化合物を結晶化して、スピネル型構造の酸化鉄を生成するソルボサーマル法が好ましい。
鉄化合物粒子を水熱法を用いて製造する方法の一例を説明する。まず、第3化合物と第4化合物とを水に溶解させ、さらに第3化合物および第4化合物を含む水溶液にエチレングリコールを加えて、この水溶液を撹拌して、第3化合物および第4化合物と、エチレングリコールとを混合する。次に、得られた水溶液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどを含むアルカリ水溶液を加えて、水溶液中に鉄元素を含む水酸化物を沈殿させる。次に、水酸化物を含む水溶液をテフロン(登録商標)製の圧力容器に移し替えた後、テフロン(登録商標)圧力容器を用いて、50〜200℃で反応させて、スピネル型酸化鉄粒子と添加元素とを含む鉄化合物粒子を生成する。その後、遠心分離機を用いて、水溶液中の鉄化合物粒子と溶液とを固液分離した後、溶液を捨て、鉄化合物粒子を回収する。次に、超音波洗浄機を用いて、鉄化合物粒子を水に分散させて、再度、固液分離する。この操作を繰り返すことによって、鉄化合物粒子の洗浄を行い、水に鉄化合物粒子が分散するように含有された鉄化合物粒子含有スラリーを調整する。
鉄化合物粒子は、水に分散させた溶液としておくことが好ましい。鉄化合物粒子を水に分散させておいた方が、鉄化合物粒子が乾燥した状態よりも、溶液中で鉄化合物粒子の表面をシリカで容易に被覆させることができる。
次に、鉄化合物粒子を得た後、鉄化合物粒子を、水ガラス、ケイ素化合物などと混合し、鉄化合物粒子の表面にケイ酸を生成させ、鉄化合物粒子の表面にシリカを含む被覆層を形成する。これにより、コアシェル型の鉄化合物粒子を製造することができる。
ケイ素化合物としては、上記と同様の化合物を用いることができる。また、ケイ素元素のモル数(M1)の、鉄元素と添加元素とを合わせたモル数(M2)に対する比(M1/M2)は、上記と同様、2〜5であることが好ましく、3前後がより好ましい。
なお、ケイ酸を水ガラスを用いて生成する場合、塩酸などの酸を用いて、水ガラスを加水分解させることが好ましい。ケイ酸をケイ素化合物を用いて生成する場合、例えばストーバー法などにより、水とケイ素化合物とを加水分解反応させて、ケイ酸を生成することが好ましい。なお、ストーバー法は、例えば、"W. Stober, A. Fink and E. Bohn, Journal of Colloid and Interface Science, Volume 26, Issue 1, p. 62-69, January, 1968."に開示されている。
ケイ酸の生成は、超音波洗浄機を用いて鉄化合物粒子を水に分散させた後、または鉄化合物粒子を水に分散させるのと同時に行って、表面がシリカを含む被覆層で被覆させた鉄化合物粒子を含む分散液が得られる。
具体的には、鉄化合物粒子と、界面活性剤と、酸溶液またはアルカリ溶液と、エタノールまたはプロパノールと、水とを混合して、金属酸化物含有水溶液を調製する。金属酸化物含有水溶液に、超音波照射器を用いて、周波数が例えば25kHz〜1MHzの超音波を、例えば1〜60分間照射する。その後、超音波を照射した後の水溶液を、ケイ素化合物および分散溶媒を含む混合溶液に滴下して反応させる。その後、分散溶媒を除去することによって、表面がシリカを含む被覆層で被覆させた鉄化合物粒子が得られる。
次に、被覆層で被覆させた鉄化合物粒子と、添加元素とを含む鉄化合物粒子を、上記と同様の条件で熱処理を行うことによって、ε‐Fe23および添加元素の酸化物を含む磁性粒子が生成される。
なお、被覆層の除去または低減を行うため、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを含むアルカリ水溶液、アルカリ金属およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物などを含むアルカリ水溶液などを用いて被覆層に含まれるシリカを溶解し、被覆層を除去してもよい。
このように、予め、Fe元素を含む化合物を用いて得られたスピネル型酸化鉄粒子を含む鉄化合物粒子をシリカを含む被覆層で被覆した後、熱処理することで、ε‐Fe23および添加元素を含む磁性粒子を製造することができる。このようにして得られた実施形態による磁性粒子においても、添加元素はε‐Fe23に固溶した形態または酸化物の形態で含まれており、実施形態による磁性粒子は、ε‐Fe23と添加元素とを複合化した状態で含ませることができる。これにより、より低い温度で熱処理しても、保磁力HcJなど優れた磁気特性を発揮することができる。
以上のように、実施形態による磁性粒子は、ε‐Fe23および添加元素を有し、これらを複合化した状態で含むことにより、保磁力HcJなど優れた磁気特性を発揮することができることから、高密度磁気記録媒体などの磁性材料として好適に用いることができる。
以下、実施例および比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1>
[磁性粒子の作製]
本実施例では、上記の第一の磁性粒子の製造方法を用いて、磁性粒子を作製した。すなわち、第1化合物として硝酸鉄九水和物(Fe(NO33・9H2O)7.27gを水に溶解した後、さらに第2化合物として酢酸ネオジム一水和物(Nd(C2323・H2O)0.68gを硝酸鉄九水和物が溶解した水溶液に添加して溶解させた。その後、得られた水溶液とオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)とを、エタノールに混合した。この溶液に硝酸を添加して、40℃で2時間撹拌した後、50℃で乾燥させた。これにより、鉄元素とネオジムの化合物がシリカ中に分散したシリカゲルを生成した。次に、このシリカゲルを1000℃程度で熱処理を行い、酸化鉄およびネオジムを含む磁性粒子を生成した。磁性粒子の周りに残ったシリカを5Nの水酸化ナトリウム水溶液に入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を70℃にして24時間静置することで、シリカを除去した。その後、磁性粒子は、水およびエタノール中での超音波による分散および遠心分離機による固液分離を繰り返して、洗浄した。
[評価]
1000℃で6時間熱処理後、シリカ除去前の磁性粒子の平均粒子径、結晶性および磁気特性を評価した。
(平均粒子径の測定)
得られた、シリカ除去前の磁性粒子をTEMで観察し、磁性粒子の長軸と短軸の平均値を磁性粒子の平均粒子径とした。磁性粒子のTEMによる観察結果を図1に示す。
(結晶性の確認)
得られた、シリカ除去前の磁性粒子をXRD装置(RINT2000、リガク社製)を用いて、XRDに供した。それぞれの熱処理温度で得られた磁性粒子のXRDの測定結果を図2に示す。測定により得られたX線回折スペクトルから、粉末X線回折装置付属の粉末X線回折パターン総合解析ソフトJADE(MDI社、シェラーの式による自動計算)を用いて、磁性粒子の結晶性を確認した。X線回折は、X線源としてCu−Kα線を用い、その測定条件は、電圧40kV、電流400mAで、2θ=25°〜50°の範囲を、走査速度1deg/secとした。なお、ε‐Fe23のXRDピークは27.7°、30.1°、33°、34.9°、35.2°、36.6°、40.3°、41.5°である。BaフェライトのXRDピークは、30.3°、31.0°、32.3°、34.2°、37.1°、40.4°、42.5°である。
(磁気特性の確認)
得られた、シリカ除去前の磁性粒子の磁気特性をPPMSを用いて測定した。磁気特性として、保磁力HcJ、飽和磁化(飽和磁束密度)Js、および残留磁化(残留磁束密度)Brを測定した。磁性粒子の磁気特性の測定結果を図3に示す。
図1に示すように、シリカ除去前の磁性粒子の平均粒子径は、10〜50nmであり、粒子の形状は球形や少し円筒形の形状であった。図2に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のXRD結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。図3に示すように、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、20kOeであった。
<実施例2>
第2化合物として、実施例1の酢酸ネオジム一水和物0.68gに代えて、硝酸サマリウム六水和物(Sm(NO33・6H2O)0.89gを硝酸鉄九水和物が溶解した水溶液に添加して溶解したこと以外は、実施例1と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図2に示す。
図2に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、8kOeであった。
<実施例3>
第2化合物として、実施例1の酢酸ネオジム一水和物0.68gに代えて、硝酸イットリウム六水和物(Y(NO33・6H2O)0.77gを硝酸鉄九水和物が溶解した水溶液に添加して溶解したこと以外は、実施例1と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図2に示す。
図2に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、19kOeであった。シリカ除去前の磁性粒子の平均粒子径は、10〜50nmであった。
<実施例4>
本実施例では、上記の第二の磁性粒子の製造方法を用いて、磁性粒子を作製した。第3化合物として塩化鉄六水和物(FeCl3・6H2O)5.62gと塩化鉄四水和物(FeCl2・4H2O)1.91gを水20mLに溶解させた後、この水溶液に、第4化合物として塩化ネオジム六水和物(NdCl3・6H2O)0.57gを混合し、マグネチックスターラーにより、撹拌した。その後、この溶液に水とエチレングリコールとを加えて、70mLの溶液とした後、さらにこの溶液を撹拌した。次に、水酸化ナトリウム20gが水20mLに溶解している溶液を加えて、鉄の水酸化物を沈殿させた。さらに、この溶液をテフロン(登録商標)製の圧力容器に移し替えた後、120℃で4時間反応させ、スピネル型酸化鉄粒子と添加元素としてネオジム(Nd)を含む鉄化合物粒子を生成した。その後、遠心分離機により、鉄化合物粒子と溶液とを固液分離した後、溶液を捨てた。その後、超音波洗浄機を用いて、鉄化合物粒子を水に分散させて、再度、固液分離した。この操作を繰り返すことによって、鉄化合物粒子の洗浄を行い、水に鉄化合物粒子が分散した鉄化合物粒子含有スラリーを作製した。
その後、ケイ素化合物で鉄化合物粒子を被覆した。具体的には、エタノール900g、水280gをビーカーに混合し、これに界面活性剤(A6114、東亞合成株式会社製)を0.1g、アルカリ溶液としてアンモニア水を加えた後、鉄化合物粒子含有スラリーを加えた。その後、超音波照射器を用いて、鉄化合物粒子含有スラリー中の鉄化合物粒子を分散させた。なお、鉄化合物粒子含有スラリーを乾燥させて得られた鉄化合物粒子含有スラリー中の固形分量を、鉄化合物粒子の重量として求めた。その後、TEOSを含むエタノール溶液に、鉄化合物粒子含有スラリーを滴下して、撹拌して反応させた。得られた溶液をエタノールで洗浄して、乾燥した後、950℃で6時間熱処理した。その後、ケイ素化合物を5Nの水酸化ナトリウム水溶液に入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を70℃に加熱して24時間静置することで、シリカを除去した。
合成した磁性粒子の結晶は、XRDによって確認し、磁性粒子の磁気特性は、PPMSMSを用いて評価した。X線回折結果を図4に示す。図4に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、21.9kOeであり、飽和磁化は16.7emu/gであった。
<実施例5>
第3化合物として、実施例4の塩化鉄六水和物の添加量を5.18gに変更し、第4化合物として、実施例4の塩化ネオジム六水和物の添加量を1.15gに変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図4に示す。得られた、シリカ除去前の磁性粒子の磁気特性の磁気特性の測定結果を図5に示す。
図4に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、図5に示すように、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、22.3kOeであり、飽和磁化は15.7emu/gであった。
<実施例6>
第3化合物として、実施例4の塩化鉄六水和物の添加量を4.75gに変更し、第4化合物として、実施例4の塩化ネオジム六水和物の添加量を1.72gに変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図4に示す。
図4に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、21.1kOeであり、飽和磁化は11.4emu/gであった。
<実施例7>
第3化合物として、実施例4の塩化鉄六水和物の添加量を5.18gに変更し、第4化合物として、実施例4の塩化ネオジム六水和物に代えて、塩化サマリウム六水和物(SmCl3・6H2O)を1.17g添加することに変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。得られた、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果を図6に示し、磁気特性の測定結果を図7に示す。
図6に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、図7に示すように、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、20.3kOeであり、飽和磁化は14.5emu/gであった。シリカ除去前の磁性粒子の平均粒子径は、20〜200nmであった。
<実施例8>
第3化合物として、実施例4の塩化鉄六水和物の添加量を5.18gに変更し、第4化合物として、実施例4の塩化ネオジム六水和物に代えて、酢酸プラセオジムn水和物(Pr(CH3COO)3・nH2O(和光純薬工業株式会社製))を1.02g添加することに変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図6に示す。
図6に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、20.9kOeであり、飽和磁化は14.5emu/gであった。
<実施例9>
第3化合物として、実施例4の塩化鉄六水和物の添加量を5.18gに変更し、第4化合物として、実施例4の塩化ネオジム六水和物に代えて、塩化ガドリニウム六水和物(GdCl3・6H2O)を1.19g添加し、鉄の水酸化物を沈殿させた溶液の圧力容器での反応温度を180℃とし、磁性粒子を含む溶液の熱処理温度を1000℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図6に示す。
図6に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、14.0kOeであり、飽和磁化は10.6emu/gであった。
<実施例10>
第4化合物として、実施例4の塩化ネオジム六水和物に代えて、塩化エルビウム六水和物(ErCl3・6H2O)を0.61g添加し、鉄の水酸化物を沈殿させた溶液の圧力容器での反応温度を180℃とし、磁性粒子を含む溶液の熱処理温度を1000℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図8に示す。
図8に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、21.1kOeであり、飽和磁化は15.0emu/gであった。
<実施例11>
第4化合物として、実施例4の塩化ネオジム六水和物に代えて、塩化ユーロピウム六水和物(EuCl3・6H2O)を0.59g添加し、磁性粒子を含む溶液の熱処理温度を1000℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図8に示す。
図8に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。また、磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、22.2kOeであり、飽和磁化は17.2emu/gであった。
<実施例12>
第3化合物として、実施例4の塩化鉄四水和物の添加量を1.78gに変更し、第4化合物として、実施例4の塩化ネオジム六水和物に代えて、塩化ランタン七水和物(LaCl3・7H2O)を0.59g、塩化ストロンチウム六水和物(SrCl2・6H2O)を0.17g添加することに変更し、磁性粒子を含む溶液の熱処理温度を900℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図10に示す。シリカ除去前の磁性粒子のTEMによる観察結果を図11に示す。
図10に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。磁性粒子の保磁力HcJは、シリカゲルに含有された状態で、21.2kOeであった。また、飽和磁化は13.2emu/gであった。図11に示すように、シリカ除去前の磁性粒子の平均粒子径は、50nm前後の粒子であることが確認された。
<比較例1>
実施例1において、第2化合物として用いた酢酸ネオジム一水和物を加えないこと以外は、実施例1と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図8に示す。
図8に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認されたが、それらのピークは小さく結晶化が進んでいなかった。
<比較例2>
実施例4において、第4化合物として用いた塩化ネオジム六水和物を加えないこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図9に示す。
図9に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、30.5°、35.2°、43.3°、53.5°、57.3°、および63.0°にピークがあり、ガンマ酸化鉄(γ−Fe23)が生成されていることが確認された。しかし、ε‐Fe23は32.8°に小さなピークがみられるだけでほとんど生成されていないことが確認された。
<比較例3>
実施例4において、第4化合物として用いた塩化ネオジム六水和物に代えて、塩化ランタン七水和物を0.59g添加することに変更し、磁性粒子を含む溶液の熱処理温度を900℃に変更したこと以外は、実施例4と同様にして行った。磁性粒子のX線回折結果を図10に示す。
図10に示すように、シリカ除去前の磁性粒子のX線回折結果より、27.5°、30°、33°、35°、および36.5°にピークがあり、ε‐Fe23が生成していることが確認された。しかし、24.1°、33.1°、35.6°、および40.8°に大きなピークがあり、α-Fe23が生成していることが確認された。
上記の各実施例で用いた、第1化合物または第3化合物の種類、第2化合物または第4化合物の種類、製造方法の種類、熱処理温度、磁性粒子の平均粒子径、ε‐Fe23の生成の有無、および磁性粒子の保磁力HcJを表1に示す。なお、ε‐Fe23の生成の有無に関して、ε‐Fe23が生成されている場合は、丸印とし、ピークは小さく結晶化が進んでいない場合、小さなピークがみられるだけでほとんど生成されていない場合、ε‐Fe23以外の結晶構造の酸化鉄の方がε‐Fe23よりも多く生成されている場合には、バツ印とした。
以上のように、実施形態による磁性粒子およびその製造方法は、高密度磁気記録媒体用途に有用であるほか、酸化物であるという物質の安定性および優れた磁気特性から、電波吸収材、ナノ硬質磁性材料、ナノスケール・エレクトロニクス材料、生体分子標識剤、薬剤キャリアなどへ応用できる。

Claims (6)

  1. イプシロン型酸化鉄と、
    添加元素と、
    を含み、
    前記添加元素が、Nd、Pr、Eu、Er、Gd、SmもしくはYのいずれか一種以上の元素、またはLaおよびSrの両方の元素であることを特徴とする磁性粒子。
  2. 添加元素の含有量が、1〜20原子%である、請求項1に記載の磁性粒子。
  3. 鉄元素を含有する第1化合物と、前記添加元素を含む第2化合物とを含む溶液にケイ素化合物を添加して、前記鉄元素および添加元素をシリカ中に含んだシリカキセロゲルを生成する工程と、
    前記シリカキセロゲルを850〜1100℃で、4〜6時間熱処理して、イプシロン型酸化鉄および前記添加元素を含む磁性粒子を生成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁性粒子の製造方法。
  4. 鉄元素を含有する第3化合物と、前記添加元素の硝酸塩、塩化物、酢酸塩または硫酸塩を1つ以上含む第4化合物とを反応させ、スピネル型構造の酸化鉄と前記添加元素とを含む鉄化合物粒子を生成する工程と、
    前記鉄化合物粒子の表面に、ケイ素化合物を用いてシリカを含む被覆層を形成する工程と、
    前記被覆層が形成された前記鉄化合物粒子を、850〜1100℃で、4〜6時間熱処理して、イプシロン型酸化鉄および前記添加元素を含む磁性粒子を生成する工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の磁性粒子の製造方法。
  5. 前記第3化合物と前記第4化合物とを、水熱法を用いて、前記鉄化合物粒子を生成する、請求項4に記載の磁性粒子の製造方法。
  6. 前記磁性粒子を生成した後、前記シリカをアルカリ水溶液を用いて除去する工程をさらに含む、請求項3〜5の何れか一項に記載の磁性粒子の製造方法。
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