JP6480715B2 - 鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体およびそれを用いた鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法 - Google Patents

鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体およびそれを用いた鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高密度磁気記録媒体、電波吸収体等に好適な鉄系酸化物磁性粒子粉、特に、粒子の平均結晶粒子径がナノメートルオーダーの粒子粉の前駆体およびその前駆体を用いた鉄系酸化物磁性粒子粉製造方法に関する。
ε−Fe23は酸化鉄の中でも極めて稀な相であるが、室温において、ナノメートルオーダーのサイズの粒子が20kOe(1.59×106A/m)程度の巨大な保磁力(Hc)を示すため、ε−Fe23を単相で合成する製造方法の検討が従来よりなされてきている(特許文献1)。また、ε−Fe23を磁気記録媒体に用いた場合、現時点ではそれに対応する、高レベルの飽和磁束密度を有する磁気ヘッド用の材料が存在しないため、ε−Fe23のFeサイトの一部をAl、Ga、In等の3価の金属で置換することにより、保磁力を調整することも行われており、保磁力と電波吸収特性の関係も調べられている(特許文献2)。
一方、磁気記録の分野では、再生信号レベルと粒子性ノイズの比(C/N比:Carrier to Noise Ratio)の高い磁気記録媒体の開発が行われており、記録の高密度化のために、磁気記録層を構成する磁性粒子の微細化が求められている。しかし、一般に、磁性粒子の微細化はその耐環境安定性、熱安定性の劣化を招き易く、使用もしくは保存環境下における磁性粒子の磁気特性低下が懸念されるので、ε−Fe23のFeサイトの一部を、耐熱性に優れた他の金属で置換することにより、一般式ε−AxyFe2-x-y3またはε−AxyzFe2-x-y-z3(ここでAはCo、Ni、Mn、Zn等の2価の金属元素、BはTi等の4価の金属元素、CはIn、Ga、Al等の3価の金属元素)で表される、粒子サイズを低下させ、保磁力を可変とするとともに、耐環境安定性、熱安定性にも優れた各種のε−Fe23の一部置換体が開発されている(特許文献3)。
ε−Fe23は熱力学的な安定相ではないため、その製造には特殊な方法を必要とする。上述の特許文献1〜3には、液相法で生成したオキシ水酸化鉄の微細結晶を前駆体として用い、その前駆体にゾル−ゲル法によりシリカを被覆した後に熱処理するε−Fe23の製造方法が開示されており、液相法としては反応媒体として有機溶媒を用いる逆ミセル法と、反応媒体として水溶液のみを用いる方法がそれぞれ開示されている。
特開2008−174405号公報 国際公開WO2008/029861号パンフレット 国際公開WO2008/149785号パンフレット
上述の特許文献1〜3に開示された従来の製造方法により製造されたε−Fe23もしくはFeを一部置換したεタイプの鉄系酸化物は、優れた磁気特性を有するものであるが、製造条件によっては、保磁力分布にバラツキが観察される場合があった。本発明者等が鋭意研究を行ったところ、従来法により製造されたε−Fe23もしくはFeを一部置換したεタイプの鉄系酸化物を含む磁性粒子粉は粒度分布が広く、粗大粒子を一部含むものであることが判明した。磁性粒子粉が粗大粒子を含むと、磁気記録媒体に使用した場合、SFD(Switching Field Distribution)が増大するとともに、C/N比が劣化する原因となる。
本発明者等がさらに検討を行ったところ、磁性粒子粉における粗大粒子の出現頻度は、ε−Fe23もしくはFeを一部置換したεタイプの鉄系酸化物を製造する際に、前駆体として経由するオキシ水酸化物の性状に依存して変化することが判明した。
すなわち、本発明において解決すべき技術課題とは、ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換した鉄系酸化物磁性粒子粉を製造するために好適な前駆体の製造方法を提供するとともに、その前駆体を用いた、保磁力分布が狭く、磁気記録媒体の高記録密度化に適した鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法を提供することである。
反応系に有機溶媒を用いる逆ミセル法の場合、ε−Fe23もしくはε−Fe23のFeサイトを他の金属元素で一部置換したεタイプの鉄系酸化物微粒子粉の製造方法において、前駆体であるオキシ水酸化鉄(一部置換体を含む)のサイズは、有機溶媒中に分散する水相のサイズに依存するが、水のみを反応溶媒とする系での前駆体のサイズについては、従来より知見がなかった。しかし、本発明者等は、水のみを溶媒とする反応系の場合、オキシ水酸化鉄またはオキシ水酸化鉄のFeサイトを他の金属元素で一部置換した水酸化物の一次粒子が凝集した二次粒子である前駆体の平均二次粒子径が、最終的に得られるε−Fe23もしくはε−Fe23のFeサイトを他の金属元素で一部置換したεタイプの鉄系酸化物微粒子粉の磁気特性に影響することを見出して本発明を完成させた。
上記の課題を解決するために、本発明においては、
ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換した鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法であって、ヒドロキシカルボン酸存在下の水溶液中で、2価の鉄イオンおよび3価の鉄イオンから選択される1種以上、置換金属イオン、および中和剤を反応させてpHを7.0〜10.0とする中和処理工程を含む、鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法が提供される。
この中和処理工程で使用されるヒドロキシカルボン酸としてはクエン酸が好ましく、また、中和剤としてはアンモニウムイオンを含む水溶液またはアンモニウムイオンを含む水溶液に炭酸イオンを添加した水溶液が好ましい。
中和処理工程の具体的な態様としては、ヒドロキシカルボン酸存在下の水溶液中で、鉄の供給源として3価の鉄イオンと置換金属イオンを含む酸性の水溶液と中和剤を反応させて、前駆体であるFeサイトの一部を他の金属元素で置換したオキシ水酸化鉄を得るもの、
鉄の供給源として2価の鉄イオンおよび3価の鉄イオンの両方、または、2価の鉄イオンのみを含み、さらに置換金属イオンを含む酸性の水溶液と中和剤を反応させた後、水酸化物中に取り込まれた2価の鉄を酸化して、前駆体であるFeサイトの一部を他の金属元素で置換したオキシ水酸化鉄を得るもの、
鉄の供給源として2価の鉄イオンを含む酸性の水溶液と中和剤を反応させた後、水酸化物中に取り込まれた2価の鉄を酸化しながら置換金属イオンを含む酸性の水溶液を添加することにより、前駆体であるFeサイトの一部を他の金属元素で置換したオキシ水酸化鉄を得るもの、
が挙げられる。なお、これらの製造方法においては、ヒドロキシカルボン酸は、鉄の供給源を含む水溶液または中和剤のどちらに添加しても良い。
本発明においてはさらに、
ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換した鉄系酸化物を磁性粒子として含有する鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法として、前記の鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法により得られた前駆体にシリコン酸化物を被覆する工程と、
シリコン酸化物を被覆した前駆体を加熱し、シリコン酸化物を被覆した置換金属元素を含む酸化鉄とする工程、を含む鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法が提供される。
この鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法においては、鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体にシリコン酸化物を被覆する工程の前に、前駆体を水洗することが好ましい。また、シリコン酸化物を被覆した鉄系酸化物磁性粒子粉は、用途によってはシリコン酸化物を除去しても良い。
本発明により製造される鉄系酸化物磁性粒子粉としては、磁性粒子としてε−AxyzFe2-x-y-z3(ただし、AはCo、Ni、Mn、Znから選択される1種以上の2価の金属元素、BはTi、Snから選択される1種以上の4価の金属元素、CはIn、Ga、Alから選択される1種以上の3価の金属元素で、0<x、y、z<1)を含むものであっても構わない。
以上、本発明の製造方法を用いることにより、保磁力分布が狭く、磁気記録媒体の高記録密度化に適した鉄系酸化物磁性粒子粉を得ること、および、その製造に用いるための前駆体を得ることができる。
実施例1において得られた前駆体のTEM写真である。 比較例1において得られた前駆体のTEM写真である。 実施例3において得られた前駆体のTEM写真である。 実施例6において得られた前駆体のTEM写真である。 実施例7において得られた鉄系酸化物磁性粒子粉のTEM写真である。 実施例8において得られた前駆体のTEM写真である。
[鉄系酸化物磁性粒子]
本発明の製造方法は、ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換した鉄系酸化物を磁性粒子として含有する鉄系酸化物磁性粒子粉を製造するためのものであり、当該磁性粒子以外に、その製造上不可避的な異相が混在する場合を含む。
ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換した一部置換体がε構造を有するかどうかについては、X線回折法(XRD)、高速電子回折法(HEED)等を用いて確認することが可能である。
本発明の製造方法により製造が可能な一部置換体については、以下が挙げられる。
一般式ε−CzFe2-z3(ここでCはIn、Ga、Alから選択される1種以上の3価の金属元素)で表されるもの。
一般式ε−AxyFe2-x-y3(ここでAはCo、Ni、Mn、Znから選択される1種以上の2価の金属元素、BはTi、Snから選択される1種以上の4価の金属元素)で表されるもの。
一般式ε−AxyzFe2-x-y-z3(ここでAはCo、Ni、Mn、Znから選択される1種以上の2価の金属元素、BはTi、Snから選択される1種以上の4価の金属元素、CはIn、Ga、Alから選択される1種以上の3価の金属元素)で表されるもの。
ここでC元素のみで置換したタイプは、磁性粒子の保磁力を任意に制御出来ることに加え、ε−Fe23と同じ空間群を得易いという利点を有するが、熱的安定性にやや劣る。AおよびBの2元素で置換したタイプは、熱的安定性に優れ、磁性粒子の常温における保磁力を高く維持出来るが、ε−Fe23と同じ空間群の単一相がやや得にくい。なお、この場合、電荷バランスの関係から、A、B二元素を同時に置換する。
A、BおよびCの三元素置換タイプは、上述の特性のバランスが最も良く取れたもので、耐熱性、単一相の得易さ、保磁力の制御性に優れるものである。以下、本明細書においては、主としてこの三元素置換体について記述する。
三元素置換体の置換量x、yおよびzの好適な範囲は、以下の通りである。
xおよびyは、0<x、y<1の任意の範囲を取ることが可能であるが、xとyの値が大きく異なると、電荷バランスを取るために、磁性粒子に異相が混入しやすくなるため、x≒yが好ましく、x=yがより好ましい。磁気記録用途を考えると、三元素置換体の磁性粒子の保磁力を無置換のε−Fe23のそれとはある程度変化させる必要があるので、0.01≦x、y≦0.2とすることが好ましい。
zも、x、yと同様に0<z<1の範囲であれば良いが、保磁力制御および単一相の得易さの観点から、0<z≦0.5の範囲とすることが好ましい。
本発明の製造法により得られる三元素置換体の磁性粒子は、xおよびyの値を適度に調整することにより常温で高い保磁力を維持することが可能であり、さらに、x、yおよびzを調整することにより保磁力を所望の値に制御することが可能である。
[磁性粒子の平均粒子径]
本発明の製造法により得られる磁性粒子の平均粒子径は、本発明では特に規定されるものではないが、各粒子が単磁区構造となる程度に微細であることが好ましい。透過電子顕微鏡で測定した平均粒子径が30nm以下であることが好ましく、より好ましくは20nm以下である。しかし、平均粒子径が小さくなり過ぎると、磁性粒子粉単位重量当たりの磁気特性が劣化するので、10nm以上であることが好ましい。
[前駆体]
本発明の製造方法においては、出発物質として後述する鉄イオン(2価または3価単独もしくは2価と3価を混合したもの)および最終的に鉄酸化物のFeサイトを置換する金属元素の金属イオンとを、ヒドロキシカルボン酸の存在下で中和剤と反応させることにより得られる沈殿物、および、ヒドロキシカルボン酸の存在下で中和剤と反応させた後、酸化することにより得られる沈殿物を鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体とする。この沈殿物はオキシ水酸化鉄と置換金属元素の水酸化物の混合物、もしくは、Feサイトの一部を他の金属元素で置換されたオキシ水酸化鉄であり、本明細書では以後、この沈殿物を「前駆体」と呼ぶ。
前述の前駆体は、鉄および置換金属の水酸化物またはオキシ水酸化物の一次粒子が凝集した二次粒子である。一般に、中和処理により凝集した二次粒子は、一次粒子が緩やかに凝集したものであり、その凝集の程度は、水溶液中での一次粒子の帯電状態により大きく変化する。特に、一次粒子の表面電荷がゼロに近い場合には、凝集密度が高くなり易い。本発明の製造方法の場合、中和処理の際にヒドロキシカルボン酸を共存させているため、解離したヒドロキシカルボン酸イオンが一次粒子の表面に吸着することや、一次粒子内の水酸化物イオンと置換することにより、一次粒子の表面電荷密度を増加させるため、凝集密度の低い二次粒子が形成されるものと推定される。すなわち、本発明の製造法により得られる前駆体は、隙間の多い、いわば綿飴状の構造を取るものと考えられる。
本発明の製造方法で得られる前駆体は、鉄系酸化物磁性粒子粉を得るため、引き続き乾燥させられることなく、前駆体を含んだスラリーにシラン化合物を添加して撹拌することにより、シラン化合物が加水分解したシラノール誘導体で被覆される。その際、前記の隙間にシラノール誘導体が入り込み、前駆体を細分しながら被覆するため、最終的に得られる鉄系酸化物磁性粒子粉の粒子径の分布が狭くなり、保磁力分布も狭くなるものと考えられる。
前駆体の平均二次粒子径としては2.5μm以下が好ましい。平均二次粒子径が2.5μm以下であると、前記のシラノール誘導体が前駆体の内部まで入り込み易くなる。
前駆体の結晶構造としては、フェリハイドライト構造のものを含むことが好ましい。フェリハイドライト構造の前駆体を多く含むほど、最終的にεタイプの鉄系酸化物が得易い。フェリハイドライト構造のオキシ水酸化物を経由するとεタイプの鉄系酸化物が得易い理由は現在のところ不明であるが、フェリハイドライトは、O2-とOH-の六方最密充填配列と立方最密充填配列をなす層が不規則に積層し、Fe八面体の一部が欠落した欠陥の多い構造であり、これにシリコン酸化物を被覆して拘束条件下で熱処理した際に、εタイプの鉄系酸化物に変化し易いものと推定される。さらに、ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換するために、Fe以外の他元素を加えた際にも、Feと共沈し易くフェリハイドライト以外の異相が生成し難く、組成均一性、粒子均一性という観点からも好ましいと推定される。
なお、フェリハイドライトには、6Line(6L)および2Line(2L)と呼ばれる二つの構造があり、2L構造のフェリハイドライトの方が6L構造のものよりもεタイプの鉄系酸化物に変化し易い。
[出発物質]
本発明の製造方法においては、鉄系酸化物磁性粒子粉の出発物質として鉄イオン(2価または3価単独もしくは2価と3価を混合したもの)と、最終的にFeサイトを置換する金属元素の金属イオンを含む酸性の水溶液(以下、原料溶液と言う。)を用いる。原料溶液は、鉄イオンおよび置換元素の金属イオンを同一の溶液に含む場合と、それぞれ個別の溶液として用いる場合がある。
なお、出発物質として2価の鉄イオンを用いた場合は、最終的には酸化して3価の鉄にする必要がある。酸化方法としては、過酸化水素などの酸化剤を用いる方法でも、空気酸化等の酸素酸化のいずれを用いても構わない。出発物質として2価の鉄イオンを用いると、粒子成長の時間を比較的長くできるため、酸化条件を調整することで、粒子形状、粒子サイズ、粒度分布などを制御することが可能となり、さらには、他元素を添加する場合、各々の粒子に均等に置換できるなどといったメリットがある。さらには好ましい前駆体粒子である、異相を含まない単相の粒子を得ることも可能となる。
これらの鉄イオンもしくは置換元素の金属イオンの供給源としては、入手の容易さおよび価格の面から、硝酸塩、硫酸塩、塩化物の様な水溶性の無機酸塩を用いることが好ましい。これらの金属塩を水に溶解すると、金属イオンが解離し、水溶液は酸性を呈する。この金属イオンを含む酸性水溶液と、後述する中和剤に含まれる水酸イオンとを反応させると、オキシ水酸化鉄と置換元素の水酸化物の混合物、もしくは、Feサイトの一部を他の金属元素で置換されたオキシ水酸化鉄が得られる。
原料溶液中の全金属イオン濃度は、本発明では特に規定するものではないが、0.01〜0.5mol/Lが好ましい。0.01mol/L未満では1回の反応で得られる鉄系酸化物磁性粒子粉の量が少なく、経済的に好ましくない。全金属イオン濃度が0.5mol/Lを超えると、急速な水酸化物の沈澱発生により、反応溶液がゲル化しやすくなるので好ましくない。
[中和剤]
本発明の製造方法においては、前記の酸性の原料溶液の中和剤として、アルカリ性の水溶液を用いる。アルカリ性の水溶液としては、アルカリ金属またはアルカリ土類の水酸化物の水溶液、アンモニア水などのアンモニウム塩を含む水溶液のいずれであっても良いが、最終的に熱処理してεタイプの鉄系酸化物とした時に不純物が残りにくいアンモニア水を用いることが好ましい。
アンモニア水を用いるメリットは、前記に加えて以下がある。すなわち、アンモニア水は弱アルカリ性であるため、中和処理工程において前記の原料溶液と反応させると、沈澱形成反応速度が遅くなり、二次凝集粒子の急速な成長が抑制される。二次凝集粒子の成長抑制の観点、緩衝作用(反応中のpH変化小さい)による異相生成抑制の観点からは、アンモニア水を炭酸イオン添加により一部中和した水溶液を中和剤として用いることが、さらに好ましい。炭酸イオンの添加は、アンモニア水中に炭酸イオンを吹き込むこと、または炭酸水素アンモニウムを添加することにより行うことができる。
[中和処理工程]
本発明の製造方法においては、ヒドロキシカルボン酸の存在下で、前記の原料溶液と中和剤を反応させ、反応溶液のpHを7.0〜10.0にすることが好ましい。pHが10.0を超えるとマグネタイトなどの異相が生成し易くなるため好ましくなく、7.0未満では他元素が置換されないことや、収率が落ちてしまうといったことが発生し好ましくない。
中和処理は、原料溶液に中和剤を添加しても、中和剤に原料溶液を添加しても、いずれでも構わない。
なお、本明細書に記載のpHの値は、JIS Z8802に基づき、ガラス電極を用いて測定した値を指す。その場合、測定するpH領域に応じた適切なpH標準液を用いて校正し、温度補償電極により補償されたpH計の示す測定値を、反応温度条件下で直接読み取った値である。
[ヒドロキシカルボン酸]
本発明の製造方法においては、前記の中和処理工程においてヒドロキシカルボン酸を共存させる。ヒドロキシカルボン酸を共存させる理由は、[前駆体]の項で述べたように、前駆体生成時の過度の凝集を抑制するためである。
ヒドロキシカルボン酸には、グリコール酸、乳酸、各種のヒドロキシ酪酸、グリセリン酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メバロン酸等、多種類のものが存在するが、錯化能力の観点から多価の脂肪族ヒドロキシカルボン酸が好ましく、価格および入手の容易さからクエン酸がより好ましい。
ヒドロキシカルボン酸の添加量としては、反応溶液に含まれる全金属イオン量に対するモル比で0.01〜0.5が好ましい。モル比が0.01未満であると、ヒドロキシカルボン酸添加の効果が得られず、モル比が0.5を超えると金属イオンが錯体化してしまい収率が落ちてしまうため好ましくない。
なお、ヒドロキシカルボン酸は、前記の原料溶液および中和剤のいずれに添加しても構わない。
[シリコン酸化物による被覆工程]
本発明の鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法において、前記までの工程で生成した前駆体を用いて鉄系酸化物磁性粒子粉を得るために、熱処理に先立って前駆体にシリコン酸化物を被覆する。これは、前駆体は、そのままの状態で熱処理を施してもεタイプの鉄系酸化物に相変化しにくいためである。シリコン酸化物の被覆法としては、ゾル−ゲル法を適用することが好ましい。なおここでシリコン酸化物とは、化学量論組成のものだけではなく、後述するシラノール誘導体等の非量論組成のものも含む。
ゾル−ゲル法の場合、水洗により分散した置換元素を含むオキシ水酸化鉄結晶の水溶液に、加水分解基を持つシリコン化合物、例えばテトラエトキシシラン(TEOS)、テトラメトキシシラン(TMOS)や、各種のシランカップリング剤等のシラン化合物を添加して撹拌下で加水分解反応を生起させ、生成したシラノール誘導体によりオキシ水酸化鉄結晶表面を被覆する。また、酸触媒、アルカリ触媒を添加しても構わない。処理時間を考慮すると添加することが好ましい。代表的な例として酸触媒では塩酸、アルカリ触媒ではアンモニアとなる。酸触媒を使用する場合は、置換元素を含むオキシ水酸化鉄粒子が溶解しない量の添加に留める必要がある。その他、無機のシリコン化合物珪酸ソーダ(水ガラス)を使用することも可能である。
なお、シリコン酸化物の被覆についての具体的手法は、公知プロセスにおけるゾル−ゲル法と同様とすることができる。例えば、ゾル−ゲル法によるシリコン酸化物被覆の反応温度としては20〜60℃、反応時間としては1〜20時間程度である。シリコン酸化物による被覆処理された後、固液分離、乾燥処理を行い、加熱工程前試料となる。ここで、固液分離時には、硫酸アンモニウムなどの凝集剤を添加した後に固液分離しても構わない。
[加熱工程]
本発明の鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法においては、前記のシリコン酸化物被覆した前駆体を加熱処理してεタイプの鉄系酸化物を得る。加熱処理前に、洗浄、乾燥の工程を設けても良い。加熱処理は酸化雰囲気中で行われるが、酸化雰囲気としては大気雰囲気で構わない。加熱は概ね700〜1300℃の範囲で行うことができるが、加熱温度が高いと熱力学安定相であるα−Fe23(ε−Fe23からすると不純物である)が生成し易くなるので、好ましくは900〜1200℃、より好ましくは950〜1150℃で加熱処理を行う。熱処理時間は0.5〜10時間程度の範囲で調整可能であるが、2〜5時間の範囲で良好な結果が得られやすい。なお、粒子を覆うシリコン含有物質の存在がαタイプの鉄系酸化物への相変化ではなくεタイプの鉄系酸化物への相変化を引き起こす上で有利に作用するものと考えられる。またシリコン酸化物被覆は、置換元素を含むオキシ水酸化鉄結晶同士の加熱処理時の焼結を防止する作用を有する。
以上の工程により、Feサイトの一部を他の金属イオンで置換したε−Fe23結晶がシリコン酸化物を被覆した状態で得られる。加熱処理後に得られる粉末には、εタイプの鉄系酸化物結晶以外に、不純物としてαタイプの鉄系酸化物、γタイプの鉄系酸化物、Fe34結晶が存在する場合もあるが、それらを含めて鉄系酸化物磁性粒子粉と呼ぶ。
本発明の製造方法により得られる鉄系酸化物磁性粒子粉は、シリコン酸化物を被覆した状態で用いることも可能であるが、用途によっては表面を被覆しているシリコン酸化物を後述の工程により除去した状態で用いることも可能である。
[水洗工程]
本発明の鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法においては、前記のシリコン酸化物による被覆工程に先立って、前駆体を含むスラリーを水洗することが好ましい。前駆体を洗浄すると、二次粒子の凝集度が低下し、より隙間の多い構造になるため、シラノール誘導体が隙間に入り込み易くなる。
水洗方法としては、限外濾過膜、イオン交換膜による水洗や遠心分離を用いた水洗方法など、公知の方法を用いることができる。限外濾過膜による洗浄の場合、膜は粒子が濾液側に抜けない分画分子量のものを使用し、洗浄終了は濾液の電気伝導率において50mS/m以下、より好ましくは10mS/m以下まで実施することが好ましい。残留イオンが多い場合は異相が生成し易いといった問題がある。
[シリコン酸化物被覆除去工程]
鉄系酸化物磁性粒子粉がシリコン酸化物被覆を必要としない場合、または、鉄系酸化物磁性粒子粉の磁気記録特性向上のために分級を行う場合はそれに先立って、ε−Fe23結晶を被覆しているシリコン酸化物を除去する。塗布型磁気記録媒体用途においては、テープに塗布された磁性粒子に磁場配向処理を行う必要があること、また、シリコン酸化物を被覆した状態では、非磁性成分であるシリコン酸化物が増えてしまうためテープ単位面積当たりの磁化量が落ちてしまうため(テープからの信号が弱くなってしまう。)、被覆しているシリコン酸化物を後述の工程により除去した状態にすることが好ましい。具体的な方法としては、シリコン酸化物は、アルカリ性の水溶液に可溶なので、加熱処理後の粉末をNaOHやKOHなどの強アルカリを溶解させた水溶液中に浸漬し、撹拌することにより溶解・除去できる。溶解速度を上げる場合は、アルカリ水溶液を加温するとよい。代表的には、NaOHなどのアルカリをシリコン酸化物に対して3倍モル以上添加し、水溶液温度が60〜70℃の状態で、粉末を撹拌すると、シリコン酸化物を良好に溶解することができる。シリコン酸化物被覆除去の程度は、目的に応じて適宜調整する。
除去後は、次工程における良好な分散性を確保するため、濾液の電気伝導率が≦50mS/mになるまで不要イオンを水洗する必要がある。
[ファイバープローブ観察]
中和処理工程で得られた前駆体、または、それを水洗した後の前駆体を乾燥することなく、スラリーの状態でファイバープローブを用いて観察し、前駆体の平均二次粒子径を測定した。観察には、大塚電子株式会社製FPAR−1000K高感度仕様、ファイバープローブは希薄系プローブを使用した。測定条件は、測定時間(秒)180秒、繰返し回数1回、溶媒設定Waterにて実施した。解析モードはCumulant法とした。
[透過電子顕微鏡(TEM)観察]
本発明の製造法により得られた鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体および鉄系酸化物磁性粒子粉のTEM観察には日本電子株式会社製(JEM−1011)を使用した。
鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の観察は、×10,000倍で撮影した後、現像時に3倍引き伸ばしたTEM写真を用いた。(スラリー、ウエットの状態のものを使用)
鉄系酸化物磁性粒子粉については、×10,000倍、×100,000倍で撮影した後、現像時に3倍引き伸ばしたTEM写真を用い、各特性を評価した(シリコン酸化物被覆は除去後のものを使用)。
平均粒子径の測定にはデジタイズを使用し、一つの粒子の最も距離の離れた2点間の距離を計測した。個数については300個以上を測定した。
[X線回折(XRD)パターンの測定]
得られた試料を粉末X線回折(XRD:リガク社製RINT2000、線源CoKα線、電圧40kV、電流30mA、2θ=10〜80°)に供した。本測定により、前駆体相確認、ε相生成確認、異相確認、および、37°〜40°のピークを用い、シェラーの式より結晶子サイズ(X線平均粒子径)を算出した。
[組成分析]
アジレント製ICP−720ESにより組成分析を行った。測定波長(nm)についてはFe;259.940nm、Ga;294.363nm、Co;230.786nm、Ti;336.122nm、Si;288.158nmにて行った。
[磁気特性の評価]
鉄系酸化物磁性粒子粉試料をφ6mmのプラスチック製容器に詰め、東英工業株式会社製VSM装置(VSM−P7)を使用して、外部磁場795.8kA/m(10kOe)で、保磁力Hc(kA/m、Oe)、飽和磁化σs(Am2/kg)、角形比SQ、保磁力分布SFD(粉体のバルク状態におけるSFD値)を測定した。
〔比表面積の測定〕
鉄系酸化物磁性粒子粉試料について、ユアサアイオニクス株式会社製4ソーブU2を用いてBET一点法による比表面積BETを求めた。
[実施例1]
5L反応槽に純水3274.8g、Fe(NO3)3・9H2O(粉末、純度99.2mass%)549.4g、Ga濃度が10.30mass%の硝酸ガリウム(III)溶液148.0g、Co(NO3)2・6H2O(粉末、純度97mass%)12.4g、Ti(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度 15.2mass%) 13.0g、およびクエン酸(粉末、純度99.5mass%)17.3gを入れ、大気中30℃で、回転式撹拌機(撹拌翼)を用いて(以下同じ)機械撹拌し、溶解・混合したものを原料溶液とした(手順1)。この原料溶液に含まれる金属元素のモル比は、Fe:Ga:Co:Ti=1.635:0.265:0.05:0.05であり、クエン酸は金属イオン量の総和に対して5mol%含まれている。
前記の原料溶液中に、大気中30℃で撹拌しながら、中和剤として22.09mass%アンモニア水466.5gを約17.5分かけて添加し、引き続き撹拌を30分間継続して中和反応を進行させて、前駆体を得た(手順2)。
手順2までの操作で得られた前駆体を分散したスラリーを、他の試験に供するために2分割し、その片方にテトラエトキシシラン470.5gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、純水300gに硫酸アンモニウム88.9gを溶解した溶液を添加し、得られた溶液を洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3で得られた沈殿物(シラノール誘導体で被覆された前駆体)を乾燥した後、その乾燥粉に対し、大気雰囲気の炉内で1065℃、4時間の熱処理を施し、シリコン酸化物で被覆された鉄酸化物系磁性粒子粉を得た。なお、前記のシラノール誘導体は、大気雰囲気で熱処理した際に、シリコン酸化物に変化する(手順4)。
手順4で得られた熱処理粉を20mass%NaOH水溶液中で70℃、24時間撹拌し、粒子表面の珪素酸化物の除去処理を行った。次いで、遠心洗浄し、固液分離、乾燥した後に、組成の化学分析、XRD測定、TEM観察、および磁気特性の測定等に供した(手順5)。
化学分析の結果、得られた鉄酸化物系磁性粒子粉の金属元素のモル比は、仕込み時のそれとほぼ同一であった。
図1に、手順2までの操作で得られた前駆体のTEM写真を示す。ここで、TEM像のスケールは、写真中に示してある。本実施例で得られた前駆体のTEM像は、後述する比較例1で得られた前駆体のそれよりも全体的に明るく、本実施例で得られた前駆体の方が電子線を透過し易く物質の量が少ない、すなわち、二次凝集粒子の凝集密度が少ないことが判る。また、ファイバープローブ観察により得られた前駆体の平均二次粒子径は2.35μmであり、比較例1で得られた前駆体の2.90μmよりも小さい。表1に、本実施例で得られた前駆体の平均二次粒子径を、後述する実施例2〜8、比較例1で得られた前駆体の平均二次粒子径と併せて示す。
本実施例の手順5までの操作で得られた鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。表1には、後述する実施例2〜8、比較例1で得られた鉄酸化物系磁性粒子粉についての平均粒子径および磁気特性も併せて示してある。本実施例で得られた鉄系酸化物磁性粒子粉のHc288.7kA/m(3628Oe)、SFDは1.356で、比較例1のHc254.6kA/m(3199Oe)、SFD1.609よりも良好な磁気特性を示した。
なお、XRDで測定した結果は、実施例1〜8および比較例1で得られた前駆体は全てフェリハイドライト構造であり、鉄酸化物系磁性粒子粉は全てε−Fe23と同一の結晶構造を有することを示した。
[比較例1]
5L反応槽に純水3282g、Fe(NO3)3・9H2O(粉末、純度99mas%)550.5g、Ga濃度が11.05mass%の硝酸ガリウム(III)溶液137.9g、Co(NO3)2・6H2O(粉末、純度98mass%)12.3g、およびTi(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度15.2mass%) 13.3gを入れ、大気中30℃で撹拌し、溶解・混合したものを原料溶液とした(手順1)。この原料溶液に含まれる金属元素のモル比は実施例1と同じであり、クエン酸は含まれていない。
前記の原料溶液中に、大気中30℃で撹拌しながら、中和剤として22.14mass%アンモニア水445.4gを約17.5分かけて添加し、引き続き撹拌を30分間継続して中和反応を進行させて、前駆体を得た(手順2)。
手順2までの操作で得られた前駆体を分散したスラリーにテトラエトキシシラン961.8gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、得られたスラリーを洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3以降の操作は、実施例1と同じである。
比較例1で得られた前駆体のTEM写真を図2に、前駆体の平均二次粒子径、鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。上述の様に、比較例1では、実施例1と比較して稠密な前駆体が得られており、鉄酸化物系磁性粒子粉の磁気特性は、実施例1で得られたそれよりも劣ったものであった。
[実施例2]
5L反応槽に純水3281.1g、Fe(NO3)3・9H2O(粉末、純度99.2mass%)549.4g、Ga濃度が10.70mass%の硝酸ガリウム(III)溶液142.5g、Co(NO3)2・6H2O(粉末、純度97mass%)12.4g、Ti(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度15.2mass%) 13.0g、およびクエン酸(粉末、純度99.5mass%)34.7gを入れ、大気中30℃で撹拌し、溶解・混合したものを原料溶液とした(手順1)。この原料溶液に含まれる金属元素のモル比は実施例1と同じであり、クエン酸は金属イオン量の総和に対して10mol%含まれている。
前記の原料溶液中に、大気中30℃で撹拌しながら、中和剤として22.19mass%アンモニア水464.4gを約17.5分かけて添加し、引き続き撹拌を30分間継続して中和反応を進行させて、前駆体を得た(手順2)。この時点で混合溶液の体積は4180mLである。
手順2までの操作で得られた前駆体を分散したスラリーから他の試験に使用するため500mLサンプリングした後、残りの混合液の1/4の量を5L反応槽に入れ、液量が4000mLになるように純水を加え、大気中30℃で撹拌しながら、22.09mass%のアンモニア水110.1gを添加し、引き続きテトラエトキシシラン222.3gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、純水300gに硫酸アンモニウム188.2gを溶解した溶液を添加し、得られた溶液を洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3以降の操作は、実施例1と同じである。
実施例2で得られた前駆体の平均二次粒子径、鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。実施例2で得られた前駆体の平均二次粒子径は比較例1のそれと比較して小さく、鉄酸化物系磁性粒子粉の磁気特性(保磁力、SFD)も、比較例1のそれよりも優れたものであった。
[実施例3]
Fe濃度が 5.42mass%の硫酸鉄(II)溶液206.4g、Ga濃度が11.05mass% の硝酸ガリウム(III)溶液20.5g、およびCo濃度が5.10mass%の硫酸コバルト(II)溶液7.1gの混合溶液に、Ti(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度15.2mass%) 2.0gを添加し、溶解させたものを原料溶液とした(手順1)。この原料溶液に含まれる金属元素のモル比は実施例1と同じである。
予め5L反応槽に純水3058.3g、22.35mass%アンモニア水214.3g、およびクエン酸(粉末、純度99.5mass%)2.6gを入れて混合し、その混合液を窒素(N2)雰囲気中40℃で撹拌しながら、炭酸ガス(CO2)32.9Lを30分かけて吹込んで準備した中和剤溶液中に、窒素(N2)雰囲気中40℃で撹拌しながら、前記の原料溶液を60秒かけて添加した後、撹拌を50分間継続して中和反応を行った。引き続き、45分かけて混合液を60℃まで昇温した後、純水63.3gに35mass% 過酸化水素水9.7gを混合して調製した酸化剤を130分かけて添加し、鉄(II)を鉄(III)に酸化した(手順2)。この時点で混合溶液の体積は3572mLである。なお、原料溶液と中和剤の混合溶液中に、クエン酸は金属イオン量の総和に対して5mol%含まれている。
手順2までの操作で得られた前駆体を分散したスラリーから1000mLサンプリングした後、残存したスラリーにテトラエトキシシラン100.6gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、得られたスラリーを洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3以降の操作は、実施例1と同じである。
実施例3で得られた前駆体のTEM写真を図3に、前駆体の平均二次粒子径、鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。実施例3では、比較例1よりも希薄な前駆体が得られ、その平均二次粒子径は比較例1のそれと比較して小さく、鉄酸化物系磁性粒子粉の磁気特性(保磁力、SFD)も、比較例1のそれよりも優れたものであった。
[実施例4]
Fe濃度が 11.7mass%の硫酸鉄(III)溶液95.6g、Ga濃度が10.70mass% の硝酸ガリウム(III)溶液21.2g、およびCo濃度が5.10mass% の硫酸コバルト(II)溶液7.1gの混合溶液に、Ti(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度15.2mass%) 2.0gを添加し、溶解させたものを原料溶液とした(手順1)。この原料溶液に含まれる金属元素のモル比は実施例1と同じである。
予め5L反応槽に純水3153.2g、22.09mass%アンモニア水216.8g、およびクエン酸(粉末、純度99.5mass%)2.6gを入れて混合し、その混合液を窒素(N2)雰囲気中40℃で撹拌しながら、炭酸ガス(CO2)32.9Lを30分かけて吹込んで準備した中和剤溶液中に、窒素(N2)雰囲気中40℃で撹拌しながら、前記の原料溶液を60秒かけて添加した後、撹拌を50分間継続して中和反応を行った。引き続き45分かけて混合液を60℃まで昇温し、その温度で130分間撹拌を継続した(手順2)。この時点で混合溶液の体積は3350mLである。なお、原料溶液と中和剤の混合溶液中に、クエン酸は金属イオン量の総和に対して5mol%含まれている。
手順2までの操作で得られた前駆体を分散したスラリーから1000mLサンプリングした後、残存したスラリーにテトラエトキシシラン92.0gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、得られたスラリーを洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3以降の操作は、実施例1と同じである。
実施例4で得られた前駆体の平均二次粒子径、鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。実施例4で得られた前駆体の平均二次粒子径は比較例1のそれと比較して小さく、鉄酸化物系磁性粒子粉の磁気特性(保磁力、SFD)も、比較例1のそれよりも優れたものであった。
[実施例5]
Fe濃度が 11.7mass%の硫酸鉄(III)溶液47.8g、Fe濃度が 5.41mass%の硫酸鉄(II)溶液103.4g、Ga濃度が10.70mass% の硝酸ガリウム(III)溶液21.2g、およびCo濃度が5.10mass% の硫酸コバルト(II)溶液7.1gの混合溶液に、Ti(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度15.2mass%) 2.0gを添加し、溶解させたものを原料溶液とした(手順1)。この原料溶液に含まれる金属元素のモル比は実施例1と同じである。
予め5L反応槽に純水3104.0g、22.09mass%アンモニア水216.8g、およびクエン酸(粉末、純度99.5mass%)2.6gを入れて混合し、その混合液を窒素(N2)雰囲気中40℃で撹拌しながら、炭酸ガス(CO2)32.9Lを30分かけて吹込んで準備した中和剤溶液中に、窒素(N2)雰囲気中40℃で撹拌しながら、前記の原料溶液を60秒かけて添加した後、撹拌を50分間継続して中和反応を行った。引き続き、45分かけて混合液を60℃まで昇温した後、純水31.6gに35mass% 過酸化水素水4.9gを混合して調製した酸化剤を130分かけて添加し、鉄(II)を鉄(III)に酸化した(手順2)。この時点で混合溶液の体積は3370mLである。なお、原料溶液と中和剤の混合溶液中に、クエン酸は金属イオン量の総和に対して5mol%含まれている。
手順2までの操作で得られた前駆体を分散したスラリーから1000mLサンプリングした後、残存したスラリーにテトラエトキシシラン93.7gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、得られたスラリーを洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3以降の操作は、実施例1と同じである。
実施例5で得られた前駆体の平均二次粒子径、鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。実施例5で得られた前駆体の平均二次粒子径は比較例1のそれと比較して小さく、鉄酸化物系磁性粒子粉の磁気特性(保磁力、SFD)も、比較例1のそれよりも優れたものであった。
[実施例6]
Fe濃度が 5.41mass%の硫酸鉄(II)溶液206.8gを調製して原料溶液1とし、それとは別に、純水120.6gに、Ga濃度が10.70mass% の硝酸ガリウム(III)溶液21.2g、Co濃度が5.10mass% の硫酸コバルト(II)溶液7.1gおよびTi(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度15.2mass%) 1.9gを添加して溶解させたものを調製して原料溶液2とした(手順1)。この原料溶液1および原料溶液2全体に含まれる金属元素のモル比は、実施例1と同じである。
予め5L反応槽に純水3076.1g、22.09mass%アンモニア水216.8g、およびクエン酸(粉末、純度99.5mass%)5.2gを入れて混合し、その混合液を窒素(N2)雰囲気中60℃で撹拌しながら、炭酸ガス(CO2)32.9Lを30分かけて吹込んで準備した中和剤溶液中に、窒素(N2)雰囲気中60℃で撹拌しながら、前記の原料溶液1を60秒かけて添加した後、撹拌を95分間継続して中和反応を行った。引き続き、原料溶液1を添加した混合溶液に、酸化剤として空気を93.2mL/分の流速で65分間吹き込み、鉄(II)を鉄(III)に酸化するとともに、前記の原料溶液2を65分かけて連続的に添加し、添加終了後に混合溶液を40分間保持した(手順2)。原料溶液2の添加を終了した時点で、クエン酸は金属イオン量の総和に対して10mol%含まれている。
手順2までの操作で得られた前駆体を分散したスラリーから1000mLサンプリングした後、残存したスラリーにテトラエトキシシラン94.9gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、純水300gに硫酸アンモニウム136.1gを溶解した溶液を添加し、得られたスラリーを洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3以降の操作は、実施例1と同じである。
実施例6で得られた前駆体のTEM写真を図4に、前駆体の平均二次粒子径、鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。実施例6では、比較例1よりも希薄な前駆体が得られ、その平均二次粒子径は比較例1のそれと比較して小さく、鉄酸化物系磁性粒子粉の磁気特性(保磁力、SFD)も、比較例1のそれよりも優れたものであった。
[実施例7]
5L反応槽に純水3281.1g、Fe(NO3)3・9H2O(粉末、純度99.2mass%)549.4g、Ga濃度が10.70mass%の硝酸ガリウム(III)溶液142.5g、Co(NO3)2・6H2O(粉末、純度97mass%)12.4g、Ti(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度 15.2mass%) 13.0g、およびクエン酸(粉末、純度99.5mass%)34.7gを入れ、大気中30℃で撹拌し、溶解・混合したものを原料溶液とした(手順1)。この原料溶液に含まれる金属元素のモル比は実施例1と同じであり、クエン酸は金属イオン量の総和に対して10mol%含まれている。
前記の原料溶液中に、大気中30℃で撹拌しながら、中和剤として22.19mass%アンモニア水464.4gを約17.5分かけて添加し、引き続き撹拌を30分間継続して中和反応を進行させて、前駆体を得た(手順2−1)。
手順2−1で得られた前駆体を含むスラリーから500mLサンプリングした後、残りの1/2の量の混合液を限外ろ過膜、UF分画分子量50,000の膜にて、洗浄スラリーの導電率16mS/mまで洗浄した(手順2−2)。
手順2−2までの操作で得られた前駆体を分散したスラリーを洗浄したスラリーの半量を分取して5L反応槽に入れ、液量が4000mLになるように純水を加え、大気中30℃で撹拌しながら、22.09mass%のアンモニア水110.1gを添加し、引き続きテトラエトキシシラン222.3gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、純水300gに硫酸アンモニウム188.2gを溶解した溶液を添加し、得られた溶液を洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3以降の操作は、実施例1と同じである。
実施例7で得られた前駆体の平均二次粒子径、鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。また、鉄酸化物系磁性粒子粉のTEM写真を図5に示す。実施例7で得られた前駆体の平均二次粒子径は比較例1のそれと比較して小さく、鉄酸化物系磁性粒子粉の磁気特性(保磁力、SFD)も、比較例1のそれよりも優れたものであった。
[実施例8]
Fe濃度が 5.44mass%の硫酸鉄(II)溶液205.6gを調製して原料溶液1とし、それとは別に、純水125.5gに、Ga濃度が10.30mass% の硝酸ガリウム(III)溶液22.0g、Co濃度が4.83mass% の硫酸コバルト(II)溶液7.5gおよびTi(SO4)2・nH2O(粉末、n=2〜7、Ti濃度15.2mass%) 1.9gを添加して溶解させたものを調製して原料溶液2とした(手順1)。この原料溶液1および原料溶液2全体に含まれる金属元素のモル比は、実施例1と同じである。
予め5L反応槽に純水3077.1g、22.09mass%アンモニア水216.8g、およびクエン酸(粉末、純度99.5mass%)5.2gを入れて混合し、その混合液を窒素(N2)雰囲気中60℃で撹拌しながら、炭酸ガス(CO2)32.9Lを30分かけて吹込んで準備した中和剤溶液中に、窒素(N2)雰囲気中60℃で撹拌しながら、前記の原料溶液1を60秒かけて添加した後、撹拌を95分間継続して中和反応を行った。引き続き、原料溶液1を添加した混合溶液に酸化剤として空気を93.2mL/分の流速で65分間吹き込み、鉄(II)を鉄(III)に酸化するとともに、前記の原料溶液2を65分かけて連続的に添加し、添加終了後に混合溶液を40分間保持した(手順2−1)。原料溶液2の添加を終了した時点で、クエン酸は金属イオン量の総和に対して10mol%含まれている。
手順2−1で得られた前駆体を含むスラリーから1000mLサンプリングした後、残りの混合液を限外ろ過膜、UF分画分子量50,000の膜にて、洗浄スラリーの導電率28.7mS/mまで洗浄した(手順2−2)。
手順2−2までの操作で得られた洗浄したスラリーの半量を分取して5L反応槽に入れ、大気中30℃で撹拌しながら、22.09mass%のアンモニア水69.0gを添加し、引き続きテトラエトキシシラン50.8gを35分かけて添加した後、大気中30℃で約1日間撹拌を継続し、前駆体をシラノール誘導体で被覆した。その後、純水300gに硫酸アンモニウム184.8gを溶解した溶液を添加し、得られた溶液を洗浄・固液分離し、シラノール誘導体で被覆した前駆体をケーキとして回収した(手順3)。
手順3以降の操作は、実施例1と同じである。
実施例8で得られた前駆体のTEM写真を図6に、前駆体の平均二次粒子径、鉄酸化物系磁性粒子粉の平均粒子径および磁気特性を表1に示す。実施例8では、比較例1よりも希薄な前駆体が得られ、その平均二次粒子径は比較例1のそれと比較して小さく、鉄酸化物系磁性粒子粉の磁気特性(保磁力、SFD)も、比較例1のそれよりも優れたものであった。

Claims (10)

  1. ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換した鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法であって、ヒドロキシカルボン酸存在下の水溶液中で、2価の鉄イオンおよび3価の鉄イオンから選択される1種以上、置換金属イオン、および中和剤を反応させてpHを7.0〜10.0とする中和処理工程を含む、鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法。
  2. 前記のヒドロキシカルボン酸がクエン酸である、請求項1に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法。
  3. 前記の中和剤がアンモニウムイオンを含む水溶液またはアンモニウムイオンを含む水溶液に炭酸イオンを添加した水溶液である、請求項1に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法。
  4. 前記の中和処理工程が、ヒドロキシカルボン酸存在下の水溶液中で、3価の鉄イオンと置換金属イオンを含む酸性の水溶液と中和剤を反応させるものである、請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法。
  5. 前記の中和処理工程が、ヒドロキシカルボン酸存在下の水溶液中で、2価の鉄イオンおよび3価の鉄イオンまたは2価の鉄イオン、と置換金属イオンを含む酸性の水溶液と中和剤を反応させた後、2価の鉄を酸化するものである、請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法。
  6. 前記の中和処理工程が、ヒドロキシカルボン酸存在下の水溶液中で、2価の鉄イオンを含む酸性の水溶液と中和剤を反応させた後、2価の鉄を酸化しながら置換金属イオンを含む酸性の水溶液を添加するものである、請求項1から3のいずれか1項に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法。
  7. ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換した鉄系酸化物を磁性粒子として含有する鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法であって、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法により得られた前駆体にシリコン酸化物を被覆する工程と、
    前記のシリコン酸化物を被覆した前駆体を加熱し、シリコン酸化物を被覆した置換金属元素を含む酸化鉄とする工程、を含む鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法。
  8. ε−Fe23のFeサイトの一部を他の金属元素で置換した鉄系酸化物を磁性粒子として含有する鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法であって、
    請求項1から6のいずれか1項に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の前駆体の製造方法により得られた前駆体を水洗する工程と、
    前記の水洗した前駆体にシリコン酸化物を被覆する工程と、
    前記のシリコン酸化物を被覆した前駆体を加熱し、シリコン酸化物を被覆した置換金属元素を含む酸化鉄とする工程、を含む鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法。
  9. 前記の置換金属元素を含む酸化鉄を被覆しているシリコン酸化物を除去する工程を含む、請求項7または8のいずれか1項に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法。
  10. 鉄系酸化物がε−AxyzFe2-x-y-z3(ただし、AはCo、Ni、Mn、Znから選択される1種以上の2価の金属元素、BはTi、Snから選択される1種以上の4価の金属元素、CはIn、Ga、Alから選択される1種以上の3価の金属元素で、0<x、y、z<1)である、請求項7〜9のいずれか1項に記載の鉄系酸化物磁性粒子粉の製造方法。
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