JP6718162B2 - 複合磁性粒子、電波吸収体および複合磁性粒子の製造方法 - Google Patents

複合磁性粒子、電波吸収体および複合磁性粒子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、複合磁性粒子、電波吸収体および複合磁性粒子の製造方法に関する。
近年、情報通信分野において、技術革新が急速に進展しており、例えば、携帯電話、無線LAN、電力線通信、ノンストップ自動料金徴収システム(ETC)などでは、今まで使用されてこなかった高周波帯域の電磁波が使用されるようになってきている(例えば、非特許文献1参照)。
このように高周波域の電波の利用量が多くなると、装置に備えられている電子部品同士の干渉などによる故障、誤動作の危険性が多くなるため、電波の管理の重要性が増大することが予想される。その管理方法の一つとして、電波吸収体を用いて、不要な電波を吸収し、電波の侵入を防ぐ方法がある。
典型的な電波吸収シートは、磁性粉末の磁気損失によって電波を熱に変換する仕組みである。磁気損失は、主に、ヒステリシス損失、渦電流損失、および残留損失の3つからなり、残留損失は、主に磁気共鳴による。磁気損失によって電波を吸収するために用いられる材料として、例えば、マグネトプランバイト型六方晶フェライトの粒子を用いた電波吸収体がある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1には、BaFe12−xAl19系のマグネトプランバイト型六方晶フェライトを用いた電波吸収体を使用すると、強磁性共鳴周波数を50〜100GHz程度にすることができることが記載されており、例えば、53GHz付近で吸収ピークを持つことが記載されている。
また、電波吸収シートに用いられる材料として、マグネトプランバイト型六方晶フェライトの他に、例えば、結晶構造がイプシロン型の酸化鉄(イプシロン型酸化鉄(ε‐Fe23))が提案されている(例えば、特許文献2参照)。ε‐Fe23は酸化鉄の中でも極めて稀な相であり、逆ミセル法とゾルゲル法を用いた化学的ナノ微粒子合成法により、ε‐Fe23が単相として得られる。得られたε‐Fe23相は、室温において、例えば、20kOe(1.59×10A/m)という大きい保磁力を示すことが知られている。吸収される電磁波の周波数は、保磁力が大きいほど高くなることから、大きい保磁力を示すε‐Fe23相は、182GHzという非常に高い周波数の電磁波を吸収することができる。特許文献2には、ε‐Fe23にAlやGaをドープして保磁力を制御することで、吸収周波数を制御することが記載されている。
また、広範囲の周波数の吸収に対応するために、それぞれの周波数の吸収に対応する磁性材料を複数混合する方法が提案されている(例えば、特許文献3、4参照)。このような複数種の磁性材料を組み合せた電波吸収シートとして、特許文献3には、複数種の軟磁性粉末を混合した磁気損失体が記載され、特許文献4には、六方晶フェライト材で形成された中心材の表面を、飽和磁化が0.5T以上の磁性材料をコーティングした電波吸収体が記載されている。また、特許文献1でも、フェライトの鉄元素の一部を少なくとも一種以上の金属で置換したマグネトプランバイト型六方晶フェライトが記載されている。
また、複数の磁性材料を複合化させて、ナノコンポジット磁石を製造する方法がある(例えば、特許文献6参照)。特許文献6では、ε‐Fe23を含む硬磁性相のコア部と、Feを含み、かつコア部の少なくとも一部を被覆する軟磁性相のシェル部とを有するナノコンポジット型の磁性材料が記載されている。
特開平11−354972号公報 特開2009−224414号公報 特開2004−111956号公報 特開2001−060791号公報 特開2011−35006号公報
表面技術Vol.62、(2011)、No.5、p244−p250
しかしながら、特許文献3〜5に開示されている技術のように、異なる種類の磁性材料、特に磁性粒子を混ぜる場合には、磁性粒子同士が磁気エネルギーによって凝集しやすく、複数の異なる種類の粒子を混合して、広範囲の周波数を安定して吸収させることは困難である場合がある。
また、特許文献6に開示されている技術は、軟磁性相を形成する磁性材料を硬磁性相を形成する磁性材料で被覆して複合化した磁性材料であり、広範囲の周波数の吸収に十分対応できない可能性がある。
磁性粒子を電波吸収体に適用してより広範囲の電波吸収性能を発揮できるようにする上で、ε‐Fe23を含む結晶相の他に、さらに異なる種類の結晶粒子から結晶相を含みながら、保磁力など磁気特性を調整することが可能な磁性粒子が希求されている。
本発明の一態様は、磁気特性の制御を行うことができる、ε‐Fe23およびバリウムフェライトの結晶相を含む複合磁性粒子、電波吸収体および複合磁性粒子の製造方法を提供することを目的にする。
本発明の一態様における複合磁性粒子は、イプシロン型酸化鉄相と、バリウムフェライト相と、を含み、バリウムの含有量が、7〜20モル%である。
本発明の一態様における電波吸収体は、上記の複合磁性粒子を含む。
本発明の一態様における複合磁性粒子の製造方法は、鉄元素を含有する第1化合物と、バリウム元素を含有する第2化合物とを反応させ、スピネル型構造の酸化鉄と前記バリウム元素とを含む鉄化合物粒子を生成する工程と、前記鉄化合物粒子の表面に、ケイ素化合物を用いてシリカを含む被覆層を形成する工程と、前記被覆層が形成された前記鉄化合物粒子を、900℃よりも高く1100℃以下で熱処理して、イプシロン型酸化鉄を含むイプシロン型酸化鉄相と、バリウムフェライトを含むバリウムフェライト相とを含む複合磁性粒子を生成する工程と、を含み、前記複合磁性粒子中のバリウムの含有量が、7〜20モル%である。
本発明の一態様によれば、磁気特性の制御を行うことができる、ε‐Fe23およびバリウムフェライトの結晶相を含む複合磁性粒子、電波吸収体および複合磁性粒子の製造方法を提供することができる。
図1は、実施例1−1〜1−3、比較例1−1および1−2の複合磁性粉体のX線回折スペクトルである。 図2は、実施例1−1の複合磁性粉体の透過型電子顕微鏡写真である。 図3は、実施例1−2の複合磁性粉体の透過型電子顕微鏡写真である。 図4は、実施例1−1、1−2、比較例1−2および1−3の複合磁性粉体の磁気特性である。 図5は、実施例2−1、2−1および比較例2の複合磁性粉体のX線回折スペクトルである。 図6は、比較例3−1〜3−4の複合磁性粉体のX線回折スペクトルである。 図7は、比較例4−1〜4−4の複合磁性粉体のX線回折スペクトルである。
以下、本発明による実施の形態について説明する。なお、実施形態は以下の記述によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
<複合磁性粒子>
実施形態による複合磁性粒子は、イプシロン型酸化鉄相(ε‐Fe23相)と、バリウムフェライト相(Baフェライト相)を有する。
ε‐Fe23相は、ε‐Fe23の結晶相であり、ε‐Fe23の結晶粒子で構成される。ε‐Fe23は、後述するように、Fe元素を含む化合物を用いて得られたスピネル型構造の酸化鉄の粒子(スピネル型酸化鉄粒子)を熱処理することで得られる。
複合磁性粒子にε‐Fe23が形成されているか否かは、X線回折装置を用いて、複合磁性粒子のX線回折(X-Ray Diffraction:XRD)測定を行い、測定により得られたX線回折スペクトルから確認することができる。例えば、格子定数、結晶子サイズは、得られたX線回折スペクトルから、粉末X線回折装置付属の粉末X線回折パターン総合解析ソフトJADE(MDI社、シェラーの式による自動計算)を用いて各ピークの面積を算出し、結晶質部分の割合を算出することで確認することができる。上記ソフトによる算出処理は、例えば、上記ソフトの取扱説明書(Jade(Ver.5)ソフトウェアに基づいて行う。また、ε‐Fe23のXRDピークは、27.7°、30.1°、33°、34.9°、35.2°、36.6°、40.3°、41.5°である。
Baフェライト相は、Baフェライトの結晶相であり、Baフェライトの結晶粒子で構成され、BaO・6Fe23で表される。BaフェライトのXRDピークは、30.3°、31.0°、32.3°、34.2°、37.1°、40.4°、42.5°である。
バリウム(Ba)元素の含有量は、鉄元素に対して、7〜20原子%であり、7〜15原子%であることが好ましい。Ba元素の含有量が7原子%未満であると、Ba元素の効果が発揮されない可能性がある。そのため、実施形態による複合磁性粒子中にBaフェライト相が生成されず、アルファ型の酸化鉄(α-Fe23)を生成し、実施形態による複合磁性粒子は、保磁力HcJなど磁気特性を調整することができない可能性がある。一方、Ba元素の含有量が20原子%を超えると、Ba元素のような磁性を持たない物質の割合が増大する。そのため、実施形態による複合磁性粒子は、高い保磁力HcJを発揮するなど優れた磁気特性を有することができない可能性がある。
ε‐Fe23相の結晶粒の平均粒子径は、10nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましい。上限値に関しては、実施形態による複合磁性粒子の用途になどにより異なり、特に限定されるものではない。ε‐Fe23相の結晶粒の平均粒子径が10nm以上であれば、例えば、アモルファス酸化鉄など磁気特性向上に寄与しない複合磁性粒子の存在割合の増大が抑えられるため、複合磁性粒子の単位重量当たりの磁気特性の低下を抑制できる。
Baフェライト相の結晶粒の平均粒子径は、3nm以上であることが好ましい。Baフェライト相の結晶粒の平均粒子径が3nm以上であれば、複合磁性粒子中にBaフェライト相が生成されることによる効果を発揮することができるため、複合磁性粒子の磁気特性の制御を容易にすることができる。
なお、ε‐Fe23相およびBaフェライト相の結晶粒の平均粒子径は、ε‐Fe23相およびBaフェライト相の結晶粒を透過型電子顕微鏡(TEM)にて任意の数(例えば、100個)観察し、そのε‐Fe23相およびBaフェライト相の結晶粒の長軸と短軸の平均値をε‐Fe23相およびBaフェライト相の平均粒子径とする。
Ba元素の含有量は、鉄元素に対して、7〜20原子%であり、7〜15原子%であることが好ましい。Ba元素の含有量が7原子%未満であると、Ba元素の効果が発揮されない可能性がある。そのため、実施形態による複合磁性粒子中にBaフェライト相が生成されず、アルファ型の酸化鉄(α-Fe23)を生成し、実施形態による複合磁性粒子は、保磁力HcJなど磁気特性を調整することができない可能性がある。一方、Ba元素の含有量が20原子%を超えると、Ba元素のような磁性を持たない物質の割合が増大する。そのため、実施形態による複合磁性粒子は、高い保磁力HcJを発揮するなど優れた磁気特性を有することができない可能性がある。
実施形態による複合磁性粒子の磁気特性は、例えば、物理特性測定装置(Physical Property Measurement System:PPMS)、自動磁化特性測定装置(BHカーブトレーサ)などを用いて確認することができる。
実施形態による複合磁性粒子は、ε‐Fe23相とBaフェライト相とを有し、複合磁性粒子にBaフェライト相をほぼ均一に分散させて、ε‐Fe23相とBaフェライト相とを複合化した状態で含んでいる。これにより、保磁力HcJを、例えば1000Oe〜10000Oeの範囲内に調整するなど磁気特性を制御することができる。
<複合磁性粒子の製造方法>
実施形態による複合磁性粒子の製造方法の一態様について説明する。実施形態による複合磁性粒子の製造方法は、Fe元素を含む化合物を用いて得られたスピネル型酸化鉄粒子を熱処理して、ε‐Fe23相およびBaフェライト相を含む複合磁性粒子を生成する方法である。
鉄元素を含有する第1化合物が溶解した溶液と、Ba元素を含有する第2化合物が溶解した溶液とを混合し、鉄元素を含有する第1化合物と、Ba元素を含有する第2化合物とを反応させる。これにより、スピネル型酸化鉄粒子と、Ba元素とを含む鉄化合物粒子が生成される。この鉄化合物粒子を出発原料粒子とする。
第1化合物または第2化合物を含む溶液としては、例えば、鉄元素およびBa元素が水に溶解した水溶液を用いることができる。
なお、鉄元素は、鉄化合物粒子にスピネル型酸化鉄粒子として含まれていればよく、鉄元素の一部はスピネル型酸化鉄粒子を構成しないアモルファスの鉄化合物の粒子として含まれていてもよい。
第1化合物は、鉄元素を含有する化合物であり、鉄元素を含有する化合物としては、例えば、硝酸鉄(Fe(NO33)、塩化鉄(FeCl2、FeCl3)、酢酸鉄(Fe(CH3CO22)、または硫酸鉄(FeSO4)を用いることができる。第1化合物は、硝酸鉄、塩化鉄、酢酸鉄、または硫酸鉄の何れか1つ以上を含むことができる。第1化合物としては、これらの鉄元素を含有する化合物の水和物を用いることができる。
第2化合物は、Ba元素を含有する化合物であり、Ba元素を含有する化合物としては、Baを含有する硝酸塩、塩化物、酢酸塩、または硫酸塩などを用いることができる。第2化合物は、Ba元素を含有する化合物を1つ以上含んでいる。また、第2化合物としては、Ba元素を含有する化合物の水和物を用いることができる。
Ba元素の含有量は、鉄元素に対して、7〜20原子%であり、7〜15原子%であることが好ましい。鉄化合物粒子のBa元素の含有量は、実施形態による複合磁性粒子に含まれるBa元素の含有量に対応しており、鉄化合物粒子のBa元素の含有量が、実施形態による複合磁性粒子のBa元素の含有量となる。Ba元素の含有量が7原子%未満であると、Ba元素の効果が発揮されないため、実施形態による複合磁性粒子中にBaフェライト相が生成されず、α-Fe23を生成し、実施形態による複合磁性粒子は、保磁力HcJなど磁気特性を調整することができない可能性がある。一方、Ba元素の含有量が20原子%を超えると、Ba元素のような磁性を持たない物質の割合が増大するため、実施形態による複合磁性粒子は高い保磁力HcJを発揮するなど優れた磁気特性を有することができない可能性がある。
Ba元素は、鉄化合物粒子中にスピネル型酸化鉄粒子と共に含まれていればよく、酸化物の形態で含まれていてもよい。
スピネル型構造の酸化鉄としては、例えば、マグネタイト(Fe34)、またはガンマ型の酸化鉄(γ-Fe23)などが挙げられる。
スピネル型酸化鉄粒子を製造する際、水熱法、共沈法などを用いることができるが、後述するスピネル型酸化鉄粒子をシリカで被覆する際に、溶液中におけるスピネル型酸化鉄粒子の分散性を良くすることが好ましいという点から、水熱法を用いることが好ましい。特に、水熱法の中でも、高温、高圧の溶媒中で第1化合物を結晶化して、スピネル型構造の酸化鉄を生成するソルボサーマル法が好ましい。
スピネル型酸化鉄粒子を水熱法を用いて製造する方法の一例を説明する。まず、第1化合物と第2化合物とを水に溶解させ、さらに第1化合物および第2化合物を含む水溶液にエチレングリコールを加えて、この水溶液を撹拌して、第1化合物および第2化合物と、エチレングリコールとを混合する。次に、得られた水溶液に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニアなどを含むアルカリ水溶液を加えて、水溶液中に鉄元素を含む水酸化物を沈殿させる。次に、水酸化物を含む水溶液をテフロン(登録商標)製の圧力容器に移し替えた後、テフロン(登録商標)圧力容器を用いて、50℃から200℃で反応させて、スピネル型酸化鉄粒子を生成する。その後、遠心分離機を用いて、水溶液中のスピネル型酸化鉄粒子と溶液とを固液分離した後、溶液を捨て、スピネル型酸化鉄粒子を回収する。次に、超音波洗浄機を用いて、スピネル型酸化鉄粒子を水に分散させて、再度、固液分離する。この操作を繰り返すことによって、スピネル型酸化鉄粒子の洗浄を行い、水にスピネル型酸化鉄粒子が分散するように含有された鉄化合物粒子含有スラリーを調整する。
鉄化合物粒子は、水に分散させた溶液としておくことが好ましい。鉄化合物粒子を水に分散させておいた方が、鉄化合物粒子が乾燥した状態よりも、鉄化合物粒子同士の凝集が少なく溶液中でスピネル型酸化鉄粒子の表面をシリカを含む層によって被覆させることができる。
次に、鉄化合物粒子を得た後、鉄化合物粒子を、水ガラス、ケイ素化合物などと混合し、スピネル型酸化鉄粒子に含まれるスピネル型酸化鉄粒子の表面にケイ酸を生成させ、スピネル型酸化鉄粒子の表面にシリカを含む被覆層を形成する。これにより、コアシェル型のスピネル型酸化鉄粒子を製造することができる。
ケイ素化合物としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルビニルメトキシシラン、ジメチルビニルエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリオキシプロピルメチルジメトキシシランなどが好適に用いられる。これらの中でも、前記鉄元素とBa元素との反応性と、前記鉄元素およびBa元素の分散性の観点から、メチルトリエトキシシラン、またはテトラエトキシシランが好ましい。これらのケイ素化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ケイ酸を水ガラスを用いて生成する場合、塩酸などの酸を用いて、水ガラスを加水分解させることが好ましい。
ケイ酸をケイ素化合物を用いて生成する場合、例えば、ストーバー法などにより、水とケイ素化合物とを加水分解反応させて、ケイ酸を生成することが好ましい。なお、ストーバー法は、例えば、"W. Stober, A. Fink and E. Bohn, Journal of Colloid and Interface Science, Volume 26, Issue 1, p. 62-69, January, 1968."に開示されている。
ケイ酸の生成は、超音波洗浄機を用いてスピネル型酸化鉄粒子を水に分散させた後、またはスピネル型酸化鉄粒子を水に分散させるのと同時に行って、表面がシリカを含む被覆層で被覆させたスピネル型酸化鉄粒子を含む分散液が得られる。
具体的には、スピネル型酸化鉄粒子と、界面活性剤と、酸溶液またはアルカリ溶液と、エタノールまたはプロパノールと、水とを混合して、金属酸化物含有水溶液を調製する。金属酸化物含有水溶液に、超音波照射器を用いて、周波数が例えば25kHz〜1MHzの超音波を、例えば1〜60分間照射する。その後、超音波を照射した後の水溶液を、ケイ素化合物および分散溶媒を含む混合溶液に滴下して反応させる。その後、分散溶媒を除去することによって、表面がシリカを含む被覆層で被覆させたスピネル型酸化鉄粒子が得られる。
次に、被覆層で被覆させたスピネル型酸化鉄粒子と、Ba元素とを含む鉄化合物粒子を、例えば、電気炉などを用いて、大気中で、900℃よりも高く1100℃以下で、4〜6時間熱処理することで、ε‐Fe23相とBaフェライト相とを含む複合磁性粒子が製造される。
熱処理温度が900℃未満であると、ε‐Fe23相およびBaフェライト相は十分生成することができず、複合磁性粒子の磁気特性を制御できない可能性がある。熱処理温度が1100℃を超えると、α‐Fe23相の生成量が増大し、複合磁性粒子の保磁力HcJが低下する可能性がある。
熱処理時間が4時間未満であると、実施形態による複合磁性粒子中に、優れた磁気特性を発揮できるだけのε‐Fe23相が十分生成されない可能性がある。熱処理時間が6時間を超えても、ε‐Fe23相の生成量はそれほど変化せず、効果的でない。
なお、被覆層の除去または低減を行うため、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどを含むアルカリ水溶液、アルカリ金属およびテトラアルキルアンモニウムの水酸化物などを含むアルカリ水溶液などを用いて被覆層に含まれるシリカを溶解し、被覆層を除去してもよい。
このように、Fe元素を含む化合物を用いて得られたスピネル型酸化鉄粒子をシリカを含む被覆層で被覆した後、熱処理することで、複合磁性粒子中にBaフェライトが生成され、ε‐Fe23相およびBaフェライト相を含む複合磁性粒子を製造することができる。実施形態による複合磁性粒子にはBaフェライト相がε‐Fe23相の表層および内部にほぼ均一に分散されており、実施形態による複合磁性粒子は、ε‐Fe23相とBaフェライト相とを複合化した状態で含んでいる。これにより、保磁力HcJなど磁気特性の制御を行うことができる。
以上のように、実施形態による複合磁性粒子は、ε‐Fe23相とBaフェライト相とを有し、ε‐Fe23相とBaフェライト相とを複合化した状態で含むことにより、保磁力HcJなどの磁気特性を制御することができることから、電波吸収体、または高密度磁気記録媒体などに好適に用いることができる。実施形態による複合磁性粒子を適用した電波吸収体は、実施形態による複合磁性粒子の保磁力HcJを、例えば1000Oe〜10000Oeの広範囲で調整し、磁気特性を制御することで、より広範囲の電波吸収性能を発揮することが可能となる。
以下、実施例および比較例を示して実施形態を更に具体的に説明するが、実施形態はこれらの実施例により限定されるものではない。
<実施例1−1〜1−3、比較例1−1〜1−3>
[複合磁性粒子の作製]
バリウムの含有量が10モル%となるように、第2化合物として、塩化バリウム(II)四水和物(BaCl2・4H2O)0.78g(3.2mmol)を水20mLに溶解させた。その後、この水溶液を、第1化合物として、塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)1.3g(6.4mmol)と塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O)6.05g(22.4mmol)とを水20mLに溶解させた溶液に混合した。その後、混合液を、マグネチックスターラーにより、撹拌した。その後、この混合液に、水とエチレングリコールを加えて、70mLの溶液とした後、さらにこの溶液を撹拌した。次に、水酸化ナトリウム20gが水20mLに溶解している溶液を加えて、バリウム、鉄(II)及び鉄(III)の水酸化物を沈殿させた。さらに、この溶液を、テフロン(登録商標)製の容器に移し替えた後、テフロン(登録商標)圧力容器を用いて、ソルボサーマル法により、180℃で4時間反応させ、スピネル型酸化鉄粒子とバリウムを含む鉄化合物粒子を生成した。その後、遠心分離機により、鉄化合物粒子と溶液とを固液分離した後、溶液を捨てた。その後、超音波洗浄機を用いて、鉄化合物粒子を水に分散させて、再度、固液分離した。この操作を繰り返すことによって、鉄化合物粒子の洗浄を行い、水に鉄化合物粒子が分散した鉄化合物粒子含有スラリーを作製した。
その後、ケイ素化合物で鉄化合物粒子を被覆した。具体的には、エタノール900g、水280gをビーカーに混合し、これに固液濃度2.45%の鉄化合物粒子含有スラリー106gを加えた。これに界面活性剤(A6114、東亞合成株式会社製)を0.1g、アルカリ溶液としてアンモニア水を加えた後、さらに鉄化合物粒子含有スラリーを加えた。その後、超音波照射器を用いて、鉄化合物粒子含有スラリー中のスピネル型酸化鉄粒子を分散させた。なお、鉄化合物粒子含有スラリーを乾燥させて得られた鉄化合物粒子含有スラリー中の固形分量を、鉄化合物粒子の重量として求めた。その後、オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)5.2gを含むエタノール溶液に、鉄化合物粒子含有スラリーを滴下して、撹拌して反応させた。得られた溶液をエタノールで洗浄して、乾燥した。得られた鉄化合物粒子を、850℃、900℃、920℃、950℃、1000℃の何れかの温度で熱処理して、複合磁性粒子を生成した。その後、得られた複合磁性粒子を5Nの水酸化ナトリウム水溶液に入れた後、水酸化ナトリウム水溶液を70℃に加熱して24時間静置することで、シリカを除去した。
[評価]
得られた複合磁性粒子の結晶性と、複合磁性粒子のε‐Fe23相およびBaフェライト相の結晶粒の平均粒子径と、複合磁性粒子の磁気特性を評価した。
(結晶性の確認)
得られた複合磁性粒子をXRD装置(RINT2000、リガク社製)を用いて、XRDに供した。それぞれの熱処理温度で得られた複合磁性粒子のXRDの測定結果を図1に示す。測定により得られたX線回折スペクトルから、粉末X線回折装置付属の粉末X線回折パターン総合解析ソフトJADE(MDI社、シェラーの式による自動計算)を用いて、複合磁性粒子の結晶性を確認した。X線回折は、X線源としてCu−Kα線を用い、その測定条件は、電圧40kV、電流400mAで、2θ=25°〜50°の範囲を、走査速度1deg/secとした。なお、ε‐Fe23のXRDピークは27.7°、30.1°、33°、34.9°、35.2°、36.6°、40.3°、41.5°である。BaフェライトのXRDピークは、30.3°、31.0°、32.3°、34.2°、37.1°、40.4°、42.5°である。
(平均粒子径の測定)
各実施例および比較例のうち、実施例1−2で得られた複合磁性粒子をTEMで観察し、複合磁性粒子を構成するε‐Fe23相およびBaフェライト相の平均粒子径を測定した。ε‐Fe23相およびBaフェライト相の平均粒子径は、それぞれの長軸と短軸の平均値をε‐Fe23相およびBaフェライト相の平均粒子径とした。実施例1−1で得られた複合磁性粒子のTEMによる観察結果を図2に、実施例1−2で得られた複合磁性粒子のTEMによる観察結果を図3に示す。
(磁気特性の確認)
各実施例および比較例のうち、実施例1−1、1−2、比較例1−2および1−3で得られた複合磁性粒子の磁気特性をPPMSを用いて測定した。磁気特性として、保磁力HcJ、飽和磁化(飽和磁束密度)Js、および残留磁化(残留磁束密度)Brを測定した。複合磁性粒子の磁気特性の測定結果を図4に示す。それぞれの熱処理温度で得られた複合磁性粒子の磁気特性の測定結果を図4に示す。
図1に示すように、熱処理温度が920℃の場合には、大部分がε‐Fe23であるが、わずかにBaフェライトが生成していることが確認された(実施例1−1参照)。熱処理温度が950℃の場合には、Baフェライトの生成した割合が増え、ε‐Fe23が生成していることが確認された(実施例1−2参照)。さらに、熱処理温度が1000℃の場合には、Baフェライトが大部分で生成され、α‐Fe23とε‐Fe23がわずかに生成していることが確認された(実施例1−3参照)。一方、熱処理をしていない場合には、γ-Fe23と同じようなスペクトルを有するFeが生成されていることが確認された(比較例1−1参照)。熱処理温度が850℃の場合には、γ‐Fe23が生成し、33°にε‐Fe23のピークが少し見られており、ε‐Fe23がわずかに生成していることが確認された(比較例1−2参照)。熱処理温度が900℃の場合には、ε‐Fe23は生成されていたが、Baフェライトは生成されていないことが確認された(比較例1−3参照)。
図2に示すように、熱処理温度が920℃の場合には、平均粒子径が60nm以上のε‐Fe23相の結晶粒子の表面に回りに3nm程度のBaフェライト相の結晶粒子が分散していることが確認された。また、図3に示すように、熱処理温度が950℃の場合には、平均粒子径が50nm前後のε‐Fe23相の結晶粒子の回りに100nm以上のBaフェライト相の結晶粒子が分散しており、ε‐Fe23相の結晶粒子とBaフェライト相の結晶粒子とがそれぞれ凝集することなく、それぞれの粒子が接した状態で存在していることが確認された。
図4に示すように、熱処理温度が920℃の場合には、飽和磁化Jsが19.1emu/g、保磁力HcJが6068Oeであったことが確認された(実施例1−1参照)。熱処理温度が950℃の場合には、飽和磁化Jsが45.9emu/g、保磁力HcJが2008Oeであったことが確認された(実施例1−2参照)。熱処理温度が1000℃の場合には、飽和磁化Jsが46.0emu/g、保磁力HcJが1874Oeであったことが確認された(実施例1−3参照)。熱処理温度が950℃の場合に得られた複合磁性粒子の方が、熱処理温度が920℃の場合に得られた複合磁性粒子よりも、飽和磁化Jsが大きくなり、保磁力HcJは低下していた。よって、熱処理温度が上昇するのに伴い、飽和磁化Jsは大きく、保磁力HcJは減少する傾向にあることから、熱処理温度の変化によって、磁気特性を変化させることが可能であるといえる。
一方、熱処理温度が850℃の場合には、飽和磁化Jsが38.5emu/gであり、保磁力HcJが20Oeであった(比較例1−2参照)。これは、γ‐Fe23が生成の飽和磁化Jsが大きく、保磁力HcJが小さいことに起因しているといえる。また、熱処理温度が900℃の場合には、飽和磁化Jsが17.5emu/gであり、保磁力HcJが14924Oeであった(比較例1−3参照)。
<実施例2−1、2−2、および比較例2>
第2化合物として、実施例1−1〜1−3の塩化バリウム(II)四水和物(BaCl2・4H2O)の添加量を0.78gから1.17g(4.8mmol)に変更し、第1化合物として、実施例1−1〜1−3の塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)の添加量を1.3gから0.96g(4.8mmol)に変更し、塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O)の添加量は6.05gのまま変更せず、得られる鉄化合物粒子中のバリウムの含有量が15モル%となるように変更した。そして、得られた鉄化合物粒子を、850℃、900℃、950℃の何れかの温度で熱処理して、複合磁性粒子を作製したこと以外は、実施例1−1〜1−3と同様にして行った。得られた複合磁性粒子のX線回折結果を図5に示す。
図5に示すように、熱処理温度が900℃の場合には、大部分がε‐Fe23であるが、わずかにBaフェライトが生成していることが確認された(実施例2−1参照)。熱処理温度が950℃の場合には、ε‐Fe23とBaフェライトとの両方が生成されているが、Baフェライトの生成した割合が増え、大部分がBaフェライトとなっていることが確認された(実施例2−2参照)。一方、熱処理温度が850℃の場合には、α‐Fe23およびγ‐Fe23の両方が生成されていることが確認された(比較例2参照)。
熱処理温度が900℃の時の複合磁性粒子の保磁力HcJは、4108Oeであり、飽和磁化は19.2emu/gであった(実施例2−1参照)。また、複合磁性粒子の平均粒子径は、実施例1−1と同様、平均粒子径が50nm前後のε‐Fe23相に起因する粒子と100nm以上のBaフェライト相に起因する粒子とがそれぞれ凝集することなく、ε‐Fe23相に起因する粒子とBaフェライト相に起因する粒子とが接した状態で存在していることが確認された。
<比較例3−1〜3−3>
第2化合物として、実施例1−1〜1−3の塩化バリウム(II)四水和物(BaCl2・4H2O)の添加量を0.78gから0.39g(1.6mmol)に変更し、第1化合物として、実施例1−1〜1−3の塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)の添加量を1.3gから1.19g(8.0mmol)に変更し、塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O)の添加量は6.05gのまま変更せず、得られる鉄化合物粒子中のバリウムの含有量が5モル%となるように変更した。そして、得られた鉄化合物粒子を、160℃、850℃、900℃、950℃の何れかの温度で熱処理して、複合磁性粒子を作製したこと以外は、実施例1−1〜1−3と同様にして行った。得られた複合磁性粒子のX線回折結果を図6に示す。
図6に示すように、熱処理温度が160℃、850℃、900℃、950℃の何れの温度で熱処理しても、バリウムフェライトの最大ピークがある32、34°にはピークが認められず、複合磁性粒子中に、ε‐Fe23相およびBaフェライト相の両方が生成されていることは確認されなかった(比較例3−1〜3−4参照)。
<比較例4−1〜4−4>
第2化合物として、実施例1−1〜1−3の塩化バリウム(II)四水和物(BaCl2・4H2O)を塩化ストロンチウム六水和物(SrCl2・6H2O)を0.85g(3.2mmol)添加することに変更し、第1化合物として、実施例1−1〜1−3の塩化鉄(II)四水和物(FeCl2・4H2O)の添加量は1.3gのまま変更せず、塩化鉄(III)六水和物(FeCl3・6H2O)の添加量も6.05gのまま変更せず、得られる鉄化合物粒子中のバリウムの含有量が10モル%となるようにした。そして、得られた鉄化合物粒子を、800℃、850℃、900℃、950℃の何れかの温度で熱処理して、複合磁性粒子を作製したこと以外は、実施例1−1〜1−3と同様にして行った。なお、ケイ酸ストロンチウムのXRDピークは、24.5°,26.5°,30.5°,35.5°、44°である。得られた複合磁性粒子のX線回折結果を図7に示す。
図7に示すように、熱処理温度が800℃、850℃、および900℃の場合には、複合磁性粒子中に、γ‐Fe23またはε‐Fe23のみしか生成されていないことが確認された(比較例4−1〜4−3参照)。熱処理温度が950℃の場合には、複合磁性粒子中に、γ‐Fe23の他に、ケイ酸ストロンチウムが生成されていることが確認され、α‐Fe23も少量生成されていることが確認された。しかし、ストロンチウムフェライト(Srフェライト)の最大ピークがある32°および34°にはピークが認められず、複合磁性粒子中に、Srフェライトが生成されていることは確認されなかった(比較例4−3参照)。
上記の各実施例および比較例で用いた、第1化合物の種類、第2化合物の種類、バリウムの添加量、熱処理温度、ε‐Fe23相およびBaフェライト相の生成の有無、および複合磁性粒子の保磁力HcJを表1に示す。なお、ε‐Fe23およびBaフェライト相の生成の有無に関して、ε‐Fe23およびBaフェライト相の両方が生成されている場合は、丸印とし、それ以外はバツ印とした。
以上のように、実施形態による複合磁性粒子およびその製造方法は、高密度磁気記録媒体用途に有用であるほか、酸化物であるという物質の安定性および優れた磁気特性から、ギガヘルツからテラヘルツまでの周波数に対応する電波吸収材、ナノスケール・エレクトロニクス材料、生体分子標識剤、薬剤キャリアなどへ応用できる。

Claims (6)

  1. イプシロン型酸化鉄相と、
    バリウムフェライト相と、
    を含み、
    バリウムの含有量が、7〜20モル%であることを特徴とする複合磁性粒子。
  2. 前記複合磁性粒子の表面に、シリカを含む被覆層を有する、請求項1に記載の複合磁性粒子。
  3. 請求項1または2に記載の複合磁性粒子を含む電波吸収体。
  4. 鉄元素を含有する第1化合物と、バリウム元素を含有する第2化合物とを反応させ、スピネル型構造の酸化鉄と前記バリウム元素とを含む鉄化合物粒子を生成する工程と、
    前記鉄化合物粒子の表面に、ケイ素化合物を用いてシリカを含む被覆層を形成する工程と、
    前記被覆層が形成された前記鉄化合物粒子を、900℃よりも高く1100℃以下で熱処理して、イプシロン型酸化鉄を含むイプシロン型酸化鉄相と、バリウムフェライトを含むバリウムフェライト相とを含む複合磁性粒子を生成する工程と、
    を含み、
    前記複合磁性粒子中のバリウムの含有量が、7〜20モル%であることを特徴とする複合磁性粒子の製造方法。
  5. 前記第1化合物と前記第2化合物とを水熱法を用いて、前記鉄化合物粒子を生成する、請求項4に記載の複合磁性粒子の製造方法。
  6. 前記複合磁性粒子を生成した後、前記シリカをアルカリ水溶液を用いて除去する工程をさらに含む、請求項4または5に記載の複合磁性粒子の製造方法。
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