JP2736691B2 - 板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平均径が0.5〜2.0μmであって比表面積が
1.5〜6.0m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグヘマイト
粒子からなる板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法
に関するものである。
本発明に係る板状マグヘマイト粒子粉末の主な用途
は、電磁波吸収材用、シールド材用材料粉末等である。
〔従来の技術〕
マグヘマイト粒子粉末は、電磁波吸収材用、シールド
材用材料粉末として使用されている。即ち、電磁波吸
収、シールドは、マグヘマイト粒子粉末をビヒクル中に
混合分散させて得られた塗料を電波を反射する建築物、
船舶、航空機等や電磁波発生源である機器等に塗布する
ことにより行われている。
電磁波吸収用、シールド材用材料粉末としてのマグヘ
マイト粒子粉末は、板状粒子であって、且つ、ビヒクル
中での分散性が優れた粒子であり、しかも、粒度の大き
な、殊に0.5μm以上の粒子であることが要求されてい
る。
即ち、粒子の形態について言えば、例えば、特開昭61
−77626号公報の「板状フェライト粒子は、通常のフェ
ライト粒子では実現できない低周波領域での電波吸収材
料および電磁シールド材として優れた特性を示す。」な
る記載及び例えば、特開昭55−104923号公報の「‥‥被
覆材料中に個々の粒子の極めて顕著な平行配向が生ず
る。従って、‥‥著しく高い充填密度を持つことが可能
であり、その結果例えば腐食防止効果が増大し、電磁気
干渉場に帯する遮蔽が効果的となり、そして導電性が高
くなる。」、「‥‥マグネタイトまたはマグヘマイトの
構造を有する六角薄片形(板状)酸化鉄に対する他の用
途がある。‥‥個々の粒子の極めて顕著な平行配向(配
向性)が生ずる。従って、‥‥著しく高い充填密度を持
つことが可能であり‥‥」なる記載の通り、板状形態を
呈した粒子であることが必要である。
次に、粒子の大きさについて言えば、前出特開昭61−
77626号公報「‥‥粒子の平均長径dは、0.5μm以上‥
‥である。」なる記載の通りである。
従来、板状マグヘマイト粒子粉末の製造法としては、
例えば、水酸化第二鉄又はゲータイトを含むアルカリ性
懸濁液をオートクレーブを用いて水熱処理することによ
り水溶液中から板状ヘマタイト粒子を生成させ、該板状
ヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元した後、更に
加熱酸化する方法及び水酸化第一鉄を含むアルカリ性懸
濁液を強酸化剤で急激に酸化することにより、又は、特
定の添加剤の存在下で第二鉄塩とアルカリとを水性媒体
中で反応させて水酸化第二鉄を生成させ、該水酸化第二
鉄を水熱処理することにより水溶液中から板状ゲータイ
ト粒子を生成させ、該板状ゲータイト粒子を加熱脱水
後、還元性ガス中で加熱還元し、次いで、更に加熱酸化
する方法が知られている。
前者の方法に属するものとしては、例えば、特開昭51
−28700号公報記載の方法、前出特開昭55−104923号公
報に記載の方法があり、後者の方法に属するものとして
は、例えば、特開昭61−266311号公報、前出特開昭55−
104923号公報に記載の方法がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
分散性が優れ、且つ、粒度の大きな、殊に、0.5μm
以上の板状マグヘマイト粒子粉末は現在最も要求されて
いるところであるが、上述した通りの公知方法による場
合には、水溶液から生成した板状ヘマタイト粒子を用い
て板状マグヘマイト粒子を得るにあたり、還元性ガス中
における加熱還元工程において急激な粒子成長を生起す
る為、粒子及び粒子相互間の焼結が生起し、その結果、
ビヒクル中又は樹脂中への分散が困難となり、充填密度
が低下し、配向性が劣化するという欠点がある。
尚、周知の通り、板状マグネタイト粒子を加熱酸化し
て板状マグヘマイト粒子とする加熱酸化工程において
は、粒子成長は生起せず、従って、粒子及び粒子相互間
の焼結は生起しない。
また、公知方法のうち後者の方法による場合には、板
状ゲータイト粒子の加熱時にゲータイト結晶粒子中の水
分が脱水される為、得られる板状マグネタイト粒子の粒
子表面、粒子内部には多数の空孔が存在し、該板状マグ
ヘマイト粒子を加熱酸化して得られる板状マグヘマイト
粒子もまた同様に粒子表面、粒子内部に多数の空孔が存
在することになる。このような多孔性の板状マグヘマイ
ト粒子粉末をビヒクル中又は樹脂中に分散させた場合、
表面磁極の生じている部分に他の微細粒子の吸引が起こ
り、その結果、多数の粒子が集合してかなりの大きさを
もつ凝集塊が生じ、この為、分散が困難となって充填密
度が低下し、配向性が劣化する。
上述したところから明らかな通り、無孔且つ無焼結の
板状マグヘマイト粒子を得る為には、板状マグネタイト
粒子を水溶液中から直接生成させることが必要となる。
本発明者は、上述した従来技術に鑑み、水溶液中から
直接板状マグネタイト粒子粉末を生成させることによ
り、無孔且つ無焼結の板状マグネタイト粒子粉末を得る
方法を既に開発している(特願昭62−34141号、特願昭6
2−332467号)。しかしながら、この方法によっては、
粒度の大きな、殊に、0.5μm以上の板状マグネタイト
粒子粉末を得ることができなかったのである。
そこで、粒度の大きな、殊に、0.5μm以上の板状マ
グネタイト粒子を水溶液中から直接生成させる方法が強
く要求されているのである。
〔問題を解決する為の手段〕
本発明者は、粒度の大きな、殊に、0.5μm以上の板
状マグネタイト粒子を水溶液中から直接生成させ、該板
状マグネタイト粒子を空気中で加熱酸化して粒度の大き
な、殊に0.5μm以上の板状マグネタイト粒子を得る方
法について種々検討を重ねた結果、本発明に到達したの
である。
即ち、本発明は、平均径が0.5〜2.0μmであって比表
面積が1.5〜6.0m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグヘ
マイト粒子からなる板状マグヘマイト粒子粉末及び含水
酸化第二鉄粒子と水酸化第一鉄とを含むアルカリ性懸濁
液を硫酸根の存在下、200〜300℃の温度範囲で水熱処理
することにより水溶液中から板状マグネタイト粒子を生
成させ、次いで、該板状マグネタイト粒子を空気中で加
熱酸化することにより板状マグヘマイト粒子を得ること
からなる平均径が0.5〜2.0μmであって比表面積が1.5
〜6.0m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグヘマイト粒
子からなる板状マグヘマイト粒子粉末の製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、含水酸化第二
鉄粒子と水酸化第一鉄とを含むアルカリ性懸濁液を硫酸
根の存在下、200〜300℃の温度範囲で水熱処理した場合
には、粒度の大きな、殊に、0.5μm以上の板状マグネ
タイト粒子を水溶液中から直接生成させることができ、
該板状マグネタイト粒子を空気中で加熱酸化することに
より、粒度の大きな、殊に、0.5μm以上であり、無孔
且つ無焼結の板状マグヘマイト粒子が得られるという事
実である。
本発明において板状形態を呈したマグネタイト粒子が
生成する理由については未だ明らかではないが、本発明
者は、後出の比較例に示す通り、硫酸根が存在しない場
合には板状粒子が生成しないことから、硫酸根が生成マ
グネタイト粒子の粒子形態に関与しているものと考えて
いる。
また、本発明において粒度の大きな板状マグネタイト
粒子が生成する理由については未だ明らかではないが、
本発明者は、後出の参考例に示す通り、100℃以下の常
圧下で板状マグネタイト粒子を生成する場合には、粒度
の大きな、殊に、0.5μm以上の粒子を生成させること
ができないことから、高温高圧等の条件が生成するマグ
ネタイト粒子の粒度に関与しているものと考えている。
本発明に係る板状マグヘマイト粒子は、粒度が0.5〜
2.0μmの大きな粒子であり、また、水溶液中から直接
マグネタイト粒子を生成させるものであるから無孔であ
り、更に、加熱還元工程を経ない為無焼結である。
本発明に係る板状マグヘマイト粒子は、大きな粒子で
あり、且つ無孔である為、比表面積が6.0m2/g以下と小
さく、また、板状形態であって無孔且つ無焼結である
為、塗料化が容易であり、分散性、配向性に優れ、ビヒ
クル中又は樹脂中への高密度充填が可能である。
更に、本発明における板状マグヘマイト粒子粉末は、
保磁力が80 Oe以下と低いという特徴を有する。その
為、大きな透磁率(μ)が得られやすく電磁波吸収材
用、シールド材用材料粉末として特に有利に用いること
ができる。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明における含水酸化第二鉄粒子としては、α−、
β−、γ−FeOOH等を使用することができる。
本発明における水酸化第一鉄は、第一鉄塩とアルカリ
とを反応させることにより生成させることができる。
第一鉄塩として硫酸第一鉄、塩化第一鉄を使用するこ
とができ、アルカリとしては水酸化ナトリウム等を使用
することができる。
本発明における硫酸根は、硫酸第一鉄とアルカリとの
反応により副生する場合であっても、また、反応溶液中
に硫酸ナトリウム等の硫酸塩や硫酸マンガン、硫酸亜
鉛、硫酸ニッケル等の金属の硫酸塩を別に添加する場合
のいずれの場合でもよい。
本発明における水熱処理は、オートクレーブ等の高温
高圧容器を用いて行うことができる。
本発明における水熱処理の温度は、200〜300℃であ
る。
200℃未満である場合にも、板状マグネタイト粒子が
生成するが粒度分布の拡りが大きくなる。
300℃を超える場合にも、板状マグネタイト粒子の生
成は可能であるが、装置の安全性等を考慮した場合、温
度の上限は300℃である。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均
径、板状比(板面径と厚みとの比)はいずれも電子顕微
鏡写真から測定した数値の平均値で示したものであり、
比表面積は、BET法により測定したものである。磁気測
定は、振動試料磁力計VSMP−1型(東英工業製)を使用
し、測定磁場10 KOeで測定した。
<板状マグネタイト粒子粉末の製造> 実施例1〜4 比較例1 参考例1; 実施例1 α−FeOOH 0.093mol及びFeSO40.046molとNaOH0.7mol
とを混合して全容量0.7とし、オートクレーブに投入
した後、220℃まで加熱し、機械的に撹拌しつつこの温
度に2時間保持し、黒色沈澱を生成させた。室温まで冷
却後、黒色沈澱を常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。
この黒色粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、
平均径1.0μmであり、図1に示す走査型電子顕微鏡写
真(×10,000)から明らかな通り、板状比(板面径と厚
みとの比)7:1の板状形態を呈した粒子からなり、粒子
表面並びに内部に空孔が存在していないものであった。
また、この粒子粉末は粒子の一ケ一ケがバラバラの状
態(無焼結)であり、そのBET比表面積は2.8m2/g、角型
比(σr/σs)は0.078であって配向性に優れた粒子で
あった。保磁力Hcは580eであった。この粒子粉末のX線
回折図を図2に示す。図2から明らかな通り、ピークA
はマグネタイトを示すピークであり、マグネタイトのみ
からなっていることがわかる。
実施例2 α−FeOOH 0.093mol及びFeSO40.046molとNaOH4.2mol
とを混合して全容量0.7とし、オートクレーブに投入
した後、250℃まで加熱し、機械的に撹拌しつつこの温
度に2時間保持し、黒色沈澱を生成させた。室温まで冷
却後、黒色沈澱を常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。
この黒色粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、
平均径1.5μmであり、図3に示す走査型電子顕微鏡写
真(×10,000)から明らかな通り、板状比(板面径と厚
みとの比)21:1の板状形態を呈した粒子からなり、粒子
表面並びに内部に空孔が存在していないものであった。
また、この粒子粉末は粒子の一ケ一ケがバラバラの状
態(無焼結)であり、そのBET比表面積は5.5m2/g、角型
比(σr/σs)は0.087であって配向性に優れた粒子で
あった。保磁力Hcは640eであった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示す
ピークのみが認められ、マグネタイトのみからなってい
ることがわかる。
実施例3 α−FeOOH 0.093mol及びFeSO40.046molとNaOH0.35mol
とを混合して全容量0.7とし、オートクレーブに投入
した後、280℃まで加熱し、機械的に撹拌しつつこの温
度に2時間保持し、黒色沈澱を生成させた。室温まで冷
却後、黒色沈澱を常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。
この黒色粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、
平均径0.7μmであり、図4に示す走査型電子顕微鏡写
真(×10,000)から明らかな通り、板状比(板面径と厚
みとの比)6:1の板状形態を呈した粒子からなり、粒子
表面並びに内部に空孔が存在していないものであった。
また、この粒子粉末は粒子の一ケ一ケがバラバラの状
態(無焼結)であり、そのBET比表面積は3.5m2/g、角型
比(σr/σs)は0.092であって配向性に優れた粒子で
あった。保磁力Hcは570eであった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示す
ピークのみが認められ、マグネタイトのみからなってい
ることがわかる。
実施例4 α−FeOOH 0.093mol及びFeCl20.046molとNaOH5.6mol
とを混合し、さらにNa2SO40.1mol添加して全容量0.7
とし、オートクレーブに投入した後、220℃まで加熱
し、機械的に撹拌しつつこの温度に2時間保持し、黒色
沈澱を生成させた。室温まで冷却後、黒色沈澱を常法に
より別、水洗、乾燥、粉砕した。
この黒色粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、
平均径2.5μmであり、図5に示す走査型電子顕微鏡写
真(×15,000)から明らかな通り、板状比(板面径と厚
みとの比)25:1の板状形態を呈した粒子からなり、粒子
表面並びに内部に空孔が存在していないものであった。
また、この粒子粉末は粒子の一ケ一ケがバラバラの状
態(無焼結)であり、そのBET比表面積は4.8m2/g、角型
比(σr/σs)は0.082であって配向性に優れた粒子で
あった。保磁力Hcは530eであった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示す
ピークのみが認められ、マグネタイトのみからなってい
ることがわかる。
比較例1 FeSO4代りにFeCl2を使用した以外は、実施例1と同様
にして黒色沈澱を生成させた。
室温まで冷却後、黒色沈澱を常法により別、水洗、
乾燥、粉砕した。
この黒色粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、
平均径0.25μmであり、図6に示す透過型電子顕微鏡写
真(×30,000)から明らかな通り、等方形態を呈した粒
子であった。
参考例1 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液0.83を、N2ガス流下に
おいて、反応器中に準備されたFeに対し0.5モル%を含
むようにクエン酸三ナトリウム二水和物1.65gを添加し
て得られた0.62mol/のNa2CO3水溶液3.67に加え(CO
3/Fe=2.0当量に該当する。)温度60℃においてFeCO3
生成を行った。この時の鉄濃度は、Fe換算で0.25mol/
であった。上記FeCO3を含む水溶液中に引き続きN2ガス
を毎分15の割合で吹き込みながら85℃で30分間熟成処
理した後、温度85℃において毎分18の空気を2.0時間
通気して粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り、塩酸酸性
に調整した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応
の有無で判定した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.39μmであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、板
状比(板面径と厚みとの比)8:1の板状形態を呈した粒
子からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存在していな
いものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、8.5m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが110 Oe、飽和磁化σsが87.8em
u/g、角型比(σr/σs)が0.168であった。
この粒子粉末は、X線回折の結果、マグネタイトを示
すピークのみが認められ、マグネタイトのみからなって
いることがわかる。
<板状マグヘマイト粒子粉末の製造> 実施例5〜8; 実施例5 実施例1で得られた板状マグネタイト粒子粉末70gを
空気中250℃で30分間加熱してマグヘマイト粒子を得
た。
得られたマグヘマイト粒子粉末は、透過型電子顕微鏡
観察の結果、平均径1.0μmであり、図7に示す走査型
電子顕微鏡写真(×12,000)から明らかな通り、板状比
(板面径と厚みの比)7:1の板状形態を呈した粒子から
なり、粒子表面並びに内部に空孔が存在しないものであ
った。
また、この板状マグヘマイト粒子のBET比表面積は、
2.7m2/gであり、磁性は、保磁力Hcが60 Oe、飽和磁化σ
sが80.0emu/g、角型比(σr/σs)が0.105であった。
実施例6〜8 板状マグネタイト粒子粉末の種類を種々変化させた以
外は実施例5と同様にして板状マグヘマイト粒子粉末を
得た。
この時の主要製造条件及び諸特性を表1に示す。
実施例6〜8で得られた粒子粉末は、X線回折の結
果、いずれもマグヘマイトのピークのみを示しており、
また、走査型電子顕微鏡観察の結果、いずれも板状形態
を呈した粒子からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存
在していないものであった。
〔効果〕 本発明に係るマグヘマイト粒子粉末は、前出実施例に
示した通り、板状粒子であって、且つ、当該粒子形態と
無孔且つ無焼結であることに起因してビヒクル中又は樹
脂中での分散性が優れた粒子であり、しかも、大きな、
殊に、0.5μm以上の粒子であるから、電磁波吸収用、
シールド材用材料粉末として好適である。
尚、本発明に係る板状マグヘマイト粒子は、褐色乃至
黒褐色を呈しており、ビヒクル中又は樹脂中での分散性
が優れた粒子であるので着色顔料としても使用でき、ま
た、上記諸特性に加えて磁性を有する為、カラートナー
用磁性粒子粉末としての使用も期待される。
【図面の簡単な説明】
図1及び図3乃至図7は、いずれも電子顕微鏡写真であ
り、図1及び図3乃至図5は、それぞれ実施例1乃至4
で得られた板状マグネタイト粒子粉末、図6は、比較例
1で得られた等方形形態を呈したマグネタイト粒子粉
末、図7は、実施例5で得られた板状マグヘマイト粒子
粉末である。 図2は実施例1で得られた板状マグネタイト粒子粉末の
X線回折図である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均径が0.5〜2.0μmであって比表面積が
    1.5〜6.0m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグヘマイト
    粒子からなる板状マグヘマイト粒子粉末。
  2. 【請求項2】含水酸化第二鉄粒子と水酸化第一鉄とを含
    むアルカリ性懸濁液を硫酸根の存在下、200〜300℃の温
    度範囲で水熱処理することにより水溶液中から板状マグ
    ネタイト粒子を生成させ、次いで、該板状マグネタイト
    粒子を空気中で加熱酸化することにより板状マグヘマイ
    ト粒子を得ることを特徴とする平均径が0.5〜2.0μmで
    あって比表面積が1.5〜6.0m2/gである無孔且つ無焼結の
    板状マグヘマイト粒子からなる板状マグヘマイト粒子粉
    末の製造法。
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