JP2612461B2 - 板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法 - Google Patents

板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平均径が0.03〜0.5μmであって比表面積
が7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグヘマイト
粒子からなる板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法
に関するものである。
本発明に係る板状マグヘマイト粒子粉末の主な用途
は、電磁波吸収材用、シールド材用材料粉末、磁気記録
用磁性材料粉末、塗料用茶褐色顔料粉末及びゴム・プラ
スチック用着色剤等である。
〔従来の技術〕
マグヘマイト粉末粒子は、電磁波吸収材用、シールド
材用材料粉末として使用されている。即ち、電磁波吸
収、シールドは、マグヘマイト粉末粒子をビヒクル中に
分散混合させて得られた塗料を電磁波発生源である機器
等に塗布することにより行われている。
また、マグヘマイト粒子粉末は、磁気記録用磁性材料
粉末として広く使用されている。即ち、磁気テープや磁
気ディスク等の磁気記録媒体は、マグヘマイト粒子粉末
等の磁性粒子粉末とビヒクルとを混合して得られた磁性
塗料をディスクやテープに塗布することによって製造さ
れる。
更に、マグヘマイト粒子粉末は、茶褐色を呈している
為、顔料とビヒクルとを混合して塗料を製造する際の塗
料用顔料粉末として広く使用されており、また、ゴム・
プラスチックに混練・分散して着色剤としても使用され
ている。
上述した通り、マグヘマイト粒子粉末は、様々の分野
で使用されているが、いずれの分野においても共通して
要求されているマグヘマイト粒子粉末の特性は、塗料化
が容易であり、ビヒクル中又は樹脂中における充填密度
が高く、分散性、配向性に優れており、更に、粒子相互
間における接触率が高いという諸特性である。
この事実は、例えば、特開昭55−104923号公報の「‥
‥被覆材料中に個々の粒子の極めて顕著な平行配向が生
ずる。従って、‥‥著しく高い充填密度を持つことが可
能であり、その結果例えば腐食防止効果が増大し、電磁
気干渉場に対する遮蔽が効果的となり、そして導電性が
高くなる。」なる記載、特開昭51−28700号公報の「‥
‥本発明で用いられる磁気粉末は、有機バインダー中の
充填密度を高くしても、十分良好な塗料性を確保できる
という特徴がある。‥‥充填密度が飛躍的に向上してい
るために高い磁束密度をもっている。」なる記載及びペ
トロテック(PETROTECH)第9巻第6号(1986年発行)
第494頁の「‥‥電磁波シールドの材料技術‥‥の分類
である。‥‥現在主流になっている導電塗装法である。
塗料の中にニッケル微粒子などを入れておく。‥‥もと
より金属間の接触は不可欠であり、‥‥相互接触率の高
いものが選ばれる‥‥。」なる記載の通りである。
上述した通りの特性を満たすマグヘマイト粒子粉末と
しては、板状形態を呈した微細な粒子であることが必要
である。
この事実は、例えば、前出特開昭51−28700号公報の
「‥‥本質的に板状の形状を持つ磁気粉末を塗布するこ
とにより、磁気粉末の充填率が高く、均一で、かつ磁気
特性の優れた磁性膜を提供する‥‥」なる記載、前出特
開昭55−104923号公報の「‥‥マグネタイトまたはマグ
ヘマイトの構造を有する六角薄片形(板状)酸化鉄に対
する他の用途がある。‥‥個々の粒子の極めて顕著な平
行配向(配向性)が生ずる。従って、‥‥著しく高い充
填密度を持つことが可能であり‥‥」なる記載及び特開
昭61−266311号公報の「‥‥1μm以下の微小な盤状の
コバルト含有酸化鉄強磁性粉末を用いれば盤状形状ゆえ
に、粉末の分散性、充填性およびテープの表面平滑性に
優れた磁気記録媒体を提供することが可能である。」な
る記載の通りである。
従来、板状マグヘマイト粒子粉末の製造法としては、
例えば、水酸化第二鉄又はゲータイトを含むアルカリ性
懸濁液をオートクレーブを用いて水熱処理することによ
り水溶液中から板状ヘマタイト粒子を生成させ、該板状
ヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元した後更に加
熱酸化する方法及び水酸化第一鉄を含むアルカリ性懸濁
液を強酸化剤で急激に酸化することにより、又は、特定
の添加剤の存在下で第二鉄塩とアルカリとを水性媒体中
で反応させて水酸化第二鉄を生成させ、該水酸化第二鉄
を水熱処理することにより水溶液中から板状ゲータイト
粒子を生成させ、該板状ゲータイト粒子を加熱脱水後、
還元性ガス中で加熱還元し、次いで、更に加熱酸化する
方法が知られている。
前者の方法に属するものとしては、例えば、前出特開
昭51−28700号公報記載の方法、前出特開昭55−104923
号公報に記載の方法があり、後者の方法に属するものと
しては、例えば、前出特開昭61−266311号公報、前出特
開昭55−104923号公報に記載の方法がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
充填密度が高く、分散性、配向性が優れている板状マ
グヘマイト微粒子粉末は現在最も要求されているところ
であるが、上述した通りの公知方法による場合には、水
溶液から生成した板状ヘマタイト粒子を用いて板状マグ
ヘマイト粒子を得るにあたり、還元性ガス中における加
熱還元工程において一次粒子の急激な粒子成長を生起す
る為、粒子及び粒子相互間で焼結を生起し、その結果、
ビークル中又は樹脂中への分散が困難となり、充填密度
が低下し、配向性が劣化するという欠点がある。尚、周
知の通り、板状マグネタイト粒子を加熱酸化して板状マ
グヘマイト粒子とする加熱酸化工程においては、一次粒
子の粒子成長は生起することなく、従って、粒子及び粒
子相互間の焼結は生起しない。
更に、公知方法のうち前者の方法による場合には、平
均径1μm以下の、殊に、0.5μm以下の板状ヘマタイ
ト微粒子を水溶液中から生成することは困難であり、該
ヘマタイト粒子を加熱還元、更に、酸化して得られる板
状マグヘマイト粒子も当然平均径1μm以下、殊に、0.
5μm以下のものを得ることは困難であった。この事実
は、例えば、前出特開昭51−28700号公報の「‥‥六角
板状のα−Fe2O3(ヘマタイト)は以前からMicaceous I
ron Oxideとして天然に産し、防錆用無機塗料として知
られているが、最近では、これは人工的に合成できるよ
うになり‥‥。このような合成の酸化鉄は、形状が板径
1〜40μ‥‥程度であり、‥‥」なる記載の通りであ
る。
また、公知方法のうち後者の方法による場合には、板
状ゲータイト粒子の加熱時にゲータイト結晶粒子中の水
分が脱水される為、得られる板状マグヘマイト粒子の粒
子表面、粒子内部には多数の空孔が存在することにな
る。このような多孔性の板状マグヘマイト子粉末をビヒ
クル中又は樹脂中に分散させた場合、表面磁極の生じて
いる部分に他の微細粒子の吸引が起こり、その結果、多
数の粒子が集合してかなりの大きさをもつ凝集塊が生
じ、この為、分散が困難となって充填密度が低下し、配
向性が劣化する。
上述したところから明らかな通り、無孔且つ無焼結の
板状マグヘマイト微粒子粉末を得る為には、板状マグネ
タイト微粒子を水溶液中から直接生成させる方法が強く
要求されているのである。
〔問題を解決する為の手段〕
本発明者は、板状マグネタイト微粒子を水溶液中から
直接生成させる方法について種々検討を重ねた結果、本
発明に到達したのである。
即ち、本発明は、平均径が0.03〜0.5μmであって比
表面積が7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグヘ
マイト粒子からなる板状マグヘマイト粒子粉末及び第一
鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られ
たFeCO3を含む水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化す
るにあたり、前記第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中
の第一鉄塩に対する炭酸アルカリの当量比が1当量以上
であって、一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄水溶液、前記
炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化す
る前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにFeに対し0.0
1〜2.0モル%の脂肪族オキシカルボン酸又はその塩を添
加し、しかる後、酸素含有ガスを通気して酸化すること
により水溶液中から板状マグネタイト粒子を生成させ、
次いで、該板状マグネタイト粒子を空気で加熱酸化する
ことにより板状マグヘマイト粒子を得ることを特徴とす
る平均径が0.03〜0.5μmであって比表面積が7〜30m2/
gである無孔且つ無焼結の板状マグヘマイト粒子粉末の
製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要は点は、第一鉄塩水溶
液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られたFeCO3
を含む水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化するにあた
り、前記第一鉄水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩
に対する炭酸アルカリの当量比が1当量以上であって、
一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄水溶液、前記
炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化す
る前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにFeに対し0.0
1〜2.0モル%の脂肪族オキシカルボン酸又はその塩を添
加し、次いで酸素含有ガスを通気して酸化した場合に
は、板状マグネタイト粒子を水溶液中から直接生成させ
ることができ、該板状マグネタイト粒子を空気中で加熱
酸化することにより無孔且つ無焼結の板状マグヘマイト
粒子が得られるという事実である。
本発明における板状マグヘマイト粒子は、粒度が0.5
μm以下の微粒子であり、また、水溶液中から直接マグ
ネタイト粒子を生成させるものであるから無孔であり、
更に、加熱還元工程を経ない為無焼結である。
本発明における板状マグヘマイト粒子は、微粒子であ
るにもかかわらず、無孔等である為、比表面積が30m2/g
以下、殊に、25m2/g以下と小さく、また、板状形態であ
って無孔且つ無焼結である為、塗料化が容易であり、分
散性、配向性に優れ、ビークル中又は樹脂中への高密度
充填が可能である。
本発明において、FeCO3を含む水溶液中に、例えば、
窒素ガス等の非酸化性ガスを吹き込みながら、必要によ
り撹拌を行い、熟成処理した場合には、板状比(板径:
厚み)の大きい板状マグネタイト粒子が得られやすい。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明において使用される第一鉄塩水溶液として硫酸
第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等がある。
本発明において使用される炭酸アルカリとしては、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等を単
独で又は併用して使用するとができる。
第一鉄水溶液と炭酸アルカリの添加順序はいずれが先
でも、又は同時でもよい。
本発明における反応温度は、75〜100℃である。75℃
未満である場合には、板状マグネタイト粒子中に紡錘状
ヘマタイト粒子が針状ゲータイト粒子が混在してくる。
100℃を越える場合にも本発明の目的を達成することは
できるが、オートクレーブ等の特殊な装置を必要とし、
経済的ではない。
本発明において使用する炭酸アルカリの量は、第一鉄
塩水溶液中の第一鉄塩に対する炭酸アルカリの当量比が
1当量以上であって、一般式 で表される値以下である。上記特定値を越える場合に
は、板状マグネタイト粒子中に紡錘型ヘマタイトが混在
してくる。尚、生産性を考慮すれば、鉄濃度の下限は0.
1mol/程度が好ましい。
本発明においては脂肪族オキシカルボン酸又はその塩
を使用することができる。脂肪族オキシカルボン酸とし
てはクエン酸、酒石酸等があり、その塩とは、クエン酸
ナトリウム、クエン酸カリウム、クエン酸リチウム、ク
エン酸アンモニウム等及び酒石酸ナトリウム、酒石酸カ
リウム、酒石酸リチウム、酒石酸アンモニウム等があ
る。
本発明における脂肪族オキシカルボン酸又はその塩の
添加量は、Feに対し0.01〜2.0モル%である。0.01モル
%未満の場合には、板状マグネタイト粒子中に粒状ヘマ
タイト粒子、針状ゲータイト粒子が混在してくる。2.0
モル%を越える場合には、マグネタイト粒子は生成する
が、飽和磁化の低下が顕著となる。
本発明における脂肪族オキシカルボン酸又はその塩
は、炭酸アルカリとの相乗作用によって、生成粒子の種
類及び形態に影響を及ぼすものであり、従って、板状マ
グネタイト粒子の生成反応が開始される前に添加してお
く必要があり、第一鉄塩水溶液、炭酸アルカリ水溶液及
び酸素含有ガスを通気して酸化する前のFeCO3を含む水
溶液のいずれかに添加することができる。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均
径、板状比(板面径と厚みとの比)はいずれも電子顕微
鏡写真から測定した数値の平均値で示したものであり、
比表面積は、BET法により測定したものである。磁気測
定は、振動試料磁力計VSMP−1型(東英工業製)を使用
し、測定磁場10KOeで測定した。
〈板状マグネタイト粒子粉末の製造〉 実施例1〜10、比較例1〜5; 実施例1 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液0.83を、N2ガス流下に
おいて、反応器中に準備されたFeに対し0.5モル%を含
むようにクエン酸三ナトリウム二水和物1.65gを添加し
て得られた0.62mol/のNa2CO3水溶液3.67に加え(CO
3/Fe=2.0当量に該当する。)温度60℃においてFeCO3
生成を行った。この時の鉄濃度は、Fe換算で0.25mol/
であった。上記FeCO3を含む水溶液中に引き続きN2ガス
を毎分15の割合で吹き込みながら85℃で30分間熟成処
理した後、温度85℃において毎分18の空気を2.0時間
通気して粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.39μmであり、図1に示す走査型電子顕微鏡写真
(×30,000)から明らかな通り、板状比(板面径と厚み
との比)8:1の板状形態を呈した粒子からなり、粒子表
面並びに内部に空孔が存在していないものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、8.5m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが110 Oe、飽和磁化σsが87.8em
u/g、角型比(σr/σs)が0.168であった。
この粒子粉末のX線回折図を図2に示す。図2から明
らかな通り、ピークAはマグネタイトを示すピークであ
り、マグネタイトのみからなっていることがわかる。
実施例2〜10 第一鉄水溶液の濃度及び量、炭酸アルカリ水溶液の濃
度及びCO3/Fe当量比、脂肪族オキシカルボン酸又はその
塩の種類、量及び添加順序、FeCO3生成工程におけるFe
濃度及び反応温度、熟成工程の有無及び温度並びに酸化
反応工程における反応温度を種々変化させた以外は、実
施例1と同様にして板状マグネタイト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び諸特性を表1〜3に示す。
実施例2〜10で得られた粒子粉末は、X線回折の結
果、いずれもマグネタイトのピークのみを示しており、
また、走査型電子顕微鏡観察の結果、いずれも板状形態
を呈した粒子からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存
在していないものであった。
実施例8で得られた粒子粉末の透過型電子顕微鏡写真
(×50,000)を図3に、X線回折図を図4に示す。
比較例1 硫酸第一鉄を、クエン酸三ナトリウム二水和物を含む
1.08mol/のNa2CO3水溶液3.67に加え(CO3/Fe=3.5
当量)た以外は実施例1と同様にして水溶液中から粒子
を生成させた。生成粒子は、常法により別、水洗、乾
燥、粉砕した。この粒子粉末は、図5に示す透過型電子
顕微鏡写真(×30,000)から明らかな通り、板状粒子と
紡錘状粒子とが混在したものであった。また、図6のX
線回折図に示される通り、マグネタイトとヘマタイトと
のピークを示していた。
図6中、ピークAはマグネタイト、ピークBはヘマタ
イトである。
比較例2 硫酸第一鉄を、酒石酸を含む1.08mol/のNa2CO3水溶
液3.67に加え(CO3/Fe=3.5当量)た以外は実施例6
と同様にして水溶液中から粒子を生成させた。生成粒子
は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。この粒子
粉末は、図7に示す透過型電子顕微鏡写真(×30,000)
から明らかな通り、板状粒子と紡錘状粒子とが混在した
ものであった。また、図8のX線回折図に示される通
り、マグネタイトとヘマタイトとのピークを示してい
た。
図8中、ピークAはマグネタイト、ピークBはヘマタ
イトである。
比較例3 クエン酸三ナトリウム二水和物を添加しなかった以外
は、実施例1と同様にして水溶液中から粒子を生成させ
た。生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末は、図9に示す透過型電子顕微鏡写真
(×30,000)から明らかな通り、板状粒子、紡錘状粒子
及び針状粒子が混在したものであった。
また、図10のX線回折図に示される通り、マグネタイ
ト、ヘマタイト及びゲータイトのピークを示していた。
図10中、ピークAはマグネタイト、ピークBはヘマタ
イト、ピークCはゲータイトである。
比較例4 クエン酸三ナトリウム二水和物の添加量を9.9g(Feに
対し3.0モル%に該当する。)とした以外は、実施例1
と同様にして水溶液中から粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末の磁性は、保磁力Hcが110 Oe、飽和磁
化σsが72.2emu/g、角型比(σr/σs)が0.140であっ
た。
比較例5 熟成温度と酸化温度を70℃とした以外は、実施例1と
同様にして水溶液中から粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。透過型電子顕微鏡観察の結果、板状粒子、粒状粒子
及び針状粒子が混在したものであった。また、X線回折
の結果、マグネタイト、ヘマタイト及びゲータイトのピ
ークを示していた。
〈板状マグヘマイト粒子粉末の製造〉 実施例11〜20; 実施例11 実施例1で得られた板状マグネタイト粒子粉末70gを
空気中300℃で30分間加熱してマグヘマイト粒子を得
た。
得られたマグヘマイト粒子粉末は、透過型電子顕微鏡
観察の結果、平均径0.39μmであり、図11に示す走査型
電子顕微鏡写真(×30,000)から明らかな通り、板状比
(板面径と厚みの比)8:1の板状形態を呈し粒子からな
り、粒子表面並びに内部に空孔が存在しないものであっ
た。
また、この板状マグヘマイト粒子のBET比表面積は、
8.8m2/gであり、磁性は、保磁力Hcが115 Oe、飽和磁化
σsが70.5emu/g、角型比(σr/σs)が0.185であっ
た。
実施例12〜20 板状マグヘマイト粒子粉末の種類及び酸化温度を種々
変化させた以外は実施例11と同様にして板状マグヘマイ
ト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件又は諸特性を表3に示す。
実施例12〜20で得られた粒子粉末は、X線回折の結
果、いずれもマグヘマイトのピークのみを示しており、
また、走査型電子顕微鏡観察の結果、いずれも板状形態
を呈した粒子からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存
在していないものであった。
実施例18で得られた粒子粉末の走査型電子顕微鏡写真
(18,000)を図12に示す。
〔効果〕 本発明における板状マグヘマイト粒子粉末は、前出実
施例に示した通り、板状形態を呈した微細な、殊に、0.
5μm以下の粒子であって、且つ、水溶液中から板状マ
グネタイト粒子を直接生成させ、次いで加熱酸化したも
のであることに起因して、無孔且つ無焼結であるから、
ビヒクル中又は樹脂中への充填密度が高く、分散性、配
向性に優れ、粒子相互間における触媒率が高いものであ
り、電磁波吸収、シールド材用材料粉末、磁気記録用磁
性材料粉末、塗料用茶褐色顔料粉末及びゴム・プラスチ
ック用着色剤として好適である。
【図面の簡単な説明】 図1、図3、図5、図7、図9、図11及び図12は、いず
れも電子顕微鏡写真である。図1及び図3は、それぞれ
実施例1、実施例8で得られた板状マグネタイト粒子粉
末、図5及び図7は、それぞれ比較例1及び比較例2で
得られた板状マグネタイト粒子粉末と紡錘状ヘマタイト
粒子粉末との混合粉末、図9は、比較例3で得られた板
状マグネタイト粒子粉末、粒状ヘマタイト粒子粉末及び
針状ゲータイト粒子粉末の混合粉末並びに図11及び図12
は、それぞれ実施例11、実施例18で得られた板状マグヘ
マイト粒子粉末である。 図2、図4、図6、図8及び図10は、いずれもX線回折
図であり、それぞれ、実施例1、実施例8、比較例1、
比較例2及び比較例3で得られた粒子粉末である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均径が0.03〜0.5μmであって比表面積
    が7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグヘマイト
    粒子からなる板状マグヘマイト粒子粉末。
  2. 【請求項2】第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを
    反応させて得られたFeCO3を含む水溶液に酸素含有ガス
    を通気して酸化するにあたり、前記第一鉄塩水溶液と該
    第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対する炭酸アルカリの当
    量比が1当量以上であって、一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
    を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄水溶液、前記
    炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化す
    る前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにFeに対し0.0
    1〜2.0モル%の脂肪族オキシカルボン酸又はその塩を添
    加し、しかる後、酸素含有ガスを通気して酸化すること
    により水溶液中から板状マグネタイト粒子を生成させ、
    次いで、該板状マグネタイト粒子を空気中で加熱酸化す
    ることにより板状マグヘマイトを得ることを特徴とする
    平均径が0.03〜0.5μmであって比表面積が7〜30m2/g
    である無孔且つ無焼結の板状マグヘマイト粒子粉末の製
    造法。
JP33246887A 1987-02-16 1987-12-29 板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法 Expired - Fee Related JP2612461B2 (ja)

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