JP2583087B2 - 板状マグネタイト粒子粉末の製造法 - Google Patents

板状マグネタイト粒子粉末の製造法

Info

Publication number
JP2583087B2
JP2583087B2 JP62332467A JP33246787A JP2583087B2 JP 2583087 B2 JP2583087 B2 JP 2583087B2 JP 62332467 A JP62332467 A JP 62332467A JP 33246787 A JP33246787 A JP 33246787A JP 2583087 B2 JP2583087 B2 JP 2583087B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
plate
aqueous
magnetite
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62332467A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH01176233A (ja
Inventor
守 谷原
嘉郎 奥田
英昭 貞村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP62332467A priority Critical patent/JP2583087B2/ja
Priority to DE8888301270T priority patent/DE3860614D1/de
Priority to EP88301270A priority patent/EP0279626B1/en
Priority to US07/156,508 priority patent/US4865834A/en
Publication of JPH01176233A publication Critical patent/JPH01176233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2583087B2 publication Critical patent/JP2583087B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平均径が0.03〜0.5μmであって比表面積
が7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグネタイト
粒子からなる板状マグネタイト粒子粉末の製造方法に関
するものである。
本発明に係る板状マグネタイト粒子粉末の主な用途
は、電磁波吸収材用、シールド材用材料粉末、磁気記録
用磁性材料粉末、塗料用黒色顔料粉末及びゴム・プラス
チック用着色剤等である。
〔従来の技術〕
マグネタイト粒子粉末は、電磁波吸収材用、シールド
材用材料粉末として使用されている。即ち、電磁波吸
収、シールドは、マグネタイト粒子粉末をビヒクル中に
分散混合させて得られた塗料を電磁波発生源である機器
等に塗布することにより行われている。
また、マグネタイト粒子粉末は、磁気記録用磁性材料
粉末として広く使用されている。即ち、磁気テープや磁
気ディスク等の磁気記録媒体は、マグネタイト粒子粉末
等の磁性粒子粉末とビヒクルとを混合して得られた磁性
塗料をディスクやテープに塗布することによって製造さ
れる。
更に、マグネタイト粒子粉末は、黒色を呈している
為、顔料とビヒクルとを混合して塗料を製造する際の塗
料用顔料粉末として広く使用されており、また、ゴム・
プラスチックに混練・分散して着色剤としても使用され
ている。
上述した通り、マグネタイト粒子粉末は、様々の分野
で使用されているが、いずれの分野においても共通して
要求されているマグネタイト粒子粉末の特性は、塗料化
が容易であり、ビヒクル中又は樹脂中における充填密度
が高く、分散性、配向性に優れており、更に、粒子相互
間における接触率が高いという諸特性である。
この事実は、例えば、特開昭55−104923号公報の「‥
‥被覆材料中に個々の粒子の極めて顕著な平行配向が生
ずる。従って、‥‥著しく高い充填密度を持つことが可
能であり、その結果例えば腐食防止効果が増大し、電磁
気干渉場に対する遮蔽が効果的となり、そして導電性が
高くなる。」なる記載、特開昭51−28700号公報の「‥
‥本発明で用いられる磁気粉末は、有機バインダー中の
充填密度を高くしても、十分良好な塗料性を確保できる
という特徴がある。‥‥充填密度が飛躍的に向上してい
るために高い磁束密度をもっている。」なる記載及びペ
トロテック(PETROTECH)第9巻第6号(1986年発行)
第494頁の「‥‥電磁波シールドの材料技術‥‥の分類
である。‥‥現在主流になっている導電塗装法である。
塗料の中にニッケル微粒子などを入れておく。‥‥もと
より金属間の接触は不可欠であり、‥‥相互接触率の高
いものが選ばれる‥‥。」なる記載の通りである。
上述した通りの特性を満たすマグネタイト粒子粉末と
しては、板状形態を呈した微細な粒子であることが必要
である。
この事実は、例えば、前出特開昭51−28700号公報の
「‥‥本質的に板状の形状を持つ磁気粉末を塗布するこ
とにより、磁気粉末の充填率が高く、均一で、かつ磁気
特性の優れた磁性膜を提供する‥‥」なる記載、前出特
開昭55−104923号公報の「‥‥マグネタイトまたはマグ
ヘマイトの構造を有する六角薄片形(板状)酸化鉄に対
する他の用途がある。‥‥個々の粒子の極めて顕著な平
行配向(配向性)が生ずる。従って、‥‥著しく高い充
填密度を持つことが可能であり‥‥」なる記載及び特開
昭61−266311号公報の「‥‥1μm以下の微小な盤状の
コバルト含有酸化鉄強磁性粉末を用いれば盤状形状ゆえ
に、粉末の分散性、充填性およびテープの表面平滑性に
優れた磁気記録媒体を提供することが可能である。」な
る記載の通りである。
従来、板状マグネタイト粒子粉末の製造法としては、
例えば、水酸化第二鉄又はゲータイトを含むアルカリ性
懸濁液をオートクレーブを用いて水熱処理することによ
り水溶液中から板状ヘマタイト粒子を生成させ、該板状
ヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元する方法及び
水酸化第一鉄を含むアルカリ性懸濁液を強酸化剤で急激
に酸化することにより、又は、特定の添加剤の存在下で
第二鉄塩とアルカリとを水性媒体中で反応させて水酸化
第二鉄を生成させ、該水酸化第二鉄を水熱処理すること
により水溶液から板状ゲータイト粒子を生成させ、該板
状ゲータイト粒子を加熱脱水後、還元性ガス中で加熱還
元する方法が知られている。
前者の方法に属するものとしては、例えば、前出特開
昭51−28700号公報記載の方法、前出特開昭55−104923
号公報に記載の方法があり、後者の方法に属するものと
しては、例えば、前出特開昭61−266311号公報、前出特
開昭55−104923号公報に記載の方法がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
充填密度が高く、分散性、配向性が優れている板状マ
グネタイト微粒子粉末は現在最も要求されているところ
であるが、上述した通りの公知方法による場合には、水
溶液から生成した板状粒子を還元性ガス中で加熱還元す
ることが必要である為、粒子及び粒子相互間の焼結が生
起し、その結果、ビークル中又は樹脂中への分散が困難
となり、充填密度が低下し、配向性が劣化するという欠
点がある。
更に、公知方法のうち前者の方法による場合には、平
均径1μm以下の、殊に、0.5μm以下の板状ヘマタイ
ト微粒子を水溶液中から生成することは困難であり、該
ヘマタイト粒子を加熱還元して得られる板状マグネタイ
ト粒子も当然平均径1μm以下、殊に、0.5μm以下の
ものを得ることは困難であった。この事実は、例えば、
前出特開昭51−28700号公報の「‥‥六角板状のα−Fe2
O3(ヘマタイト)は以前からMicaceous Iron Oxideとし
て天然に産し、防錆用無機塗料として知られているが、
最近では、これは人工的に合成できるようになり‥‥。
このような合成の酸化鉄は、形状が板径1〜40μ‥‥程
度であり、‥‥」なる記載の通りである。
また、公知方法のうち後者の方法による場合には、板
状ゲータイト粒子の加熱時にゲータイト結晶粒子中の水
分が脱水される為、得られる板状マグネタイト粒子の粒
子表面、粒子内部には多数の空孔が存在することにな
る。このような多孔性の板状マグネタイト粒子粉末をビ
ヒクル中又は樹脂中に分散させた場合、表面磁極の生じ
ている部分に他の微細粒子の吸引が起こり、その結果、
多数の粒子が集合してかなりの大きさをもつ凝集塊が生
じ、この為、分散が困難となって充填密度が低下し、配
向性が劣化する。
上述したところから明らかな通り、無孔且つ無焼結の
板状マグネタイト微粒子粉末を得る為には、板状マグネ
タイト微粒子を水溶液中から直接生成させる方法が強く
要求されているのである。
〔問題を解決する為の手段〕
本発明者は、板状マグネタイト微粒子を水溶液中から
直接生成させる方法について種々検討を重ねた結果、本
発明に到達したのである。
即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶
液とを反応させて得られたFeCO3を含む水溶液に酸素含
有ガスを通気して酸化するにあたり、前記第一鉄塩水溶
液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対する炭酸アルカ
リの当量比が1当量以上であって、一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄水溶液、前記
炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化す
る前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかに対し0.01〜
2.0モル%の酒石酸又はその塩を添加し、次いで酸素含
有ガスを通気して酸化することにより水溶液中から板状
マグネタイト粒子を生成させることを特徴とする平均粒
径が0.03〜0.5μmであって比表面積が7〜30m2/gであ
る無孔且つ無焼結の板状マグネタイト粒子粉末の製造法
である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、第一鉄塩水溶
液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られたFeCO3
を含む水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化するにあた
り、前記第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄
塩に対する炭酸アルカリの当量比が1当量以上であっ
て、一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄水溶液、前記
炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化す
る前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにFeに対し0.0
1〜2.0モル%の酒石酸又はその塩を添加し、次いで酸素
含有ガスを通気して酸化した場合には、板状マグネタイ
ト粒子を水溶液中から直接生成させることができるとい
う事実である。
本発明における板状マグネタイト粒子は、粒度が0.5
μm以下の微粒子であり、また、水溶液中から直接生成
させるものであるから無孔且つ無焼結である。
本発明における板状マグネタイト粒子は、微粒子であ
るにもかかわらず、無孔等である為、比表面積が30m2/g
以下、殊に、25m2/g以下と小さく、また、板状形態であ
って無孔且つ無焼結である為、塗料化が容易であり、分
散性、配向性に優れ、ビークル中又は樹脂中への高密度
充填が可能である。
本発明において、FeCO3を含む水溶液中に、例えば、
窒素ガス等の非酸化性ガスを吹き込みながら、必要によ
り撹拌を行い、熟成処理した場合には、板状比(板径:
厚み)の大きい板状マグネタイト粒子が得られやすい。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明において使用される第一鉄塩水溶液として硫酸
第一鉄水溶液、塩化第一水溶液等がある。
本発明において使用される炭酸アルカリとしては、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等を単
独で又は併用して使用するとができる。
第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリの添加順序はいずれが
先でも、又は同時でもよい。
本発明における反応温度は、75〜100℃である。75℃
未満である場合には、板状マグネタイト粒子中に紡錘状
ヘマタイト粒子や針状ゲータイト粒子が混在してくる。
100℃を越える場合にも本発明の目的を達成することは
できるが、オートクレーブ等の特殊な装置を必要とし、
経済的ではない。
本発明において使用する炭酸アルカリの量は、第一鉄
塩水溶液中の第一鉄塩に対する炭酸アルカリの当量比が
1当量以上であって、一般式 で表される値以下である。上記特定値を越える場合に
は、板状マグネタイト粒子中に紡錘状ヘマタイトが混在
してくる。尚、生産性を考慮すれば、鉄濃度の下限は0.
1mol/程度が好ましい。
本発明においては酒石酸又はその塩を使用することが
できる。ここで、その塩とは、酒石酸ナトリウム、酒石
酸カリウム、酒石酸リチウム、酒石酸アンモニウム等が
ある。
本発明における酒石酸又はその塩の添加量は、Feに対
し0.01〜2.0モル%である。0.01モル%未満の場合に
は、板状マグネタイト粒子中に粒状ヘマタイト粒子、針
状ゲータイト粒子が混在してくる。2.0モル%を越える
場合には、マグネタイト粒子は生成するが、飽和磁化の
低下が顕著となる。
本発明における酒石酸又はその塩は、炭酸アルカリと
の相乗使用によって、生成粒子の種類及び形態に影響を
及ぼすものであり、従って、板状マグネタイト粒子の生
成反応が開始される前に添加しておく必要がある。第一
鉄塩水溶液、炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通
気して酸化する前のFeCO3を含む水溶液のいずれかに添
加することができる。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均
径、板状比(板面径と厚みの比)はいずれも電子顕微鏡
写真から測定した数値の平均値で示したものであり、比
表面積は、BET法により測定したものである。磁気測定
は、振動試料磁力計VSMP−1型(東英工業製)を使用
し、測定磁場10KOeで測定した。
実施例1 硫酸第一鉄1.08mol/水溶液0.83を、N2ガス流下に
おいて、反応器中に準備されたFeに対し0.5モル%を含
むように酒石酸0.67gを添加して得られた0.62mol/のN
a2CO3水溶液3.67に加え(CO3/Fe=2.0当量に該当す
る。)温度60℃においてFeCO3の生成を行った。この時
の鉄濃度は、Fe換算で0.02mol/であった。上記FeCO3
を含む水溶液中に引き続きN2ガスを毎分10の割合で吹
き込みながら90℃で30分間熟成処理した後、温度90℃に
おいて毎分10の空気を2.5時間通気して粒子を生成し
た。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.30μmであり、図1に示す走査型電子顕微鏡写真
(×30,000)から明らかな通り、板状比(板面径と厚み
との比)8:1の板状形態を呈した粒子からなり、粒子表
面並びに内部に空孔が存在していないものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、8.8m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが115 0e、飽和磁化σsが87.0em
u/g、角型比(σr/σs)が0.125であった。
この粒子粉末のX線回折図を図2に示す。図2から明
らかな通り、ピークAはマグネタイトを示すピークであ
り、マグネタイトのみからなっていることがわかる。
実施例2 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液0.33を、N2ガス流下に
おいて、反応器中に準備されたFeに対し0.5モル%を含
むように酒石酸0.33gを添加して得られた0.22mol/のN
a2CO3水溶液4.17に加え(CO3/Fe=2.0当量に該当
す。)、温度60℃においてFeCO3の生成を行った。この
時の鉄濃度は、Fe換算で0.1mol/であった。上記FeCO3
を含む水溶液中に引き続きN2ガスを毎分15の割合で吹
き込みながら85℃で30分間熟成処理した後、温度85℃に
おいて毎分18の空気を1.0時間通気して粒子を生成し
た。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末は、図3に示す透過型電子顕微鏡写真
(×50,000)から明らかな通り、平均径0.16μmであ
り、また、走査型電子顕微鏡観察の結果、板状比(板面
径と厚みとの比)6:1の板状形態を呈した粒子からな
り、粒子表面並びに内部に空孔が存在していないもので
あった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、12.8m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが1050e、飽和磁化σsが86.8emu
/g、角型比(σr/σs)が0.165であった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示す
ピークのみからなり、マグネタイトのみからなってい
た。
実施例3 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液1.00を、N2ガス流下に
おいて、反応器中に準備されたFeに対し0.5モル%を含
むように酒石酸1.01gを添加して得られた0.78mol/のN
a2CO3水溶液3.50に加え(CO3/Fe=1.5当量に該当す
る。)、温度85℃においてFeCO3の生成を行った。この
時の鉄濃度は、Fe換算で0.3mol/であった。上記FeCO3
を含む水溶液中に、温度85℃において毎分18の空気を
2.5時間通気して粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.35μmであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、板
状比(板面径と厚みとの比)8:1の板状形態を呈した粒
子からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存在していな
いものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、8.5m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが1200e、飽和磁化σsが88.2emu
/g、角型比(σr/σs)が0.135であった。
この粒子粉末は、X線回折の結果、マグネタイトを示
すピークのみからなり、マグネタイトのみからなってい
た。
実施例4 Feに対し0.5モル%を含むように酒石酸0.61gを添加し
て得られた硫酸第一鉄1.35mol/水溶液0.60を、N2
ス流下において、反応器中に準備された0.42mol/のNa
2CO3水溶液3.90に加え(CO3/Fe=3.5当量に該当す
る。)、温度85℃においてFeCO3の生成を行った。この
時の鉄濃度は、Fe換算で0.18mol/であった。上記FeCO
3を含む水溶液中に引き続きN2ガスを毎分15の割合で
吹き込みながら85℃で30分間熟成処理した後、温度85℃
において毎分18の空気を2.0時間通気して粒子を生成
した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.21μmであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、板
状比(板面径と厚みとの比)6:1の板状形態を呈した粒
子からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存在していな
いものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、10.5m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hc1150e、飽和磁化σsが87.8emu/
g、角型比(σr/σs)が0.155であった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示す
ピークのみからなり、マグネタイトのみからなってい
た。
実施例5 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液1.33を、N2ガス流下に
おいて、反応器中に準備されたFeに対し0.2モル%を含
むように酒石酸ナトリウム0.70gを添加して得られた0.7
1mol/のNa2CO3水溶液3.17に加え(CO3/Fe=1.25当
量に該当する。)、温度60℃においてFeCO3の生成を行
った。この時の鉄濃度は、Fe換算で0.40mol/であっ
た。上記FeCO3を含む水溶液中に引き続きN2ガスを毎分1
5の割合で吹き込みながら90℃で30分間熟成処理した
後、温度90℃において毎分18の空気を3.0時間通気し
て粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平
均径0.25μmであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、板
状比(板面径と厚みとの比)5:1の板状形態を呈した粒
子からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存在していな
いものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、10.5m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hc1050e、飽和磁化σsが87.2emu/
g、角型比(σr/σs)が0.123であった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示す
ピークのみからなり、マグネタイトのみからなってい
た。
比較例1 硫酸第一鉄を、酒石酸を含む1.08mol/のNa2CO3水溶
液3.67に加え(CO3/Fe=3.5当量)た以外は実施例1
と同様にして水溶液中から粒子を生成させた。生成粒子
は、常法により、別、水洗、乾燥、粉砕した。この粒
子粉末は、図4に示す透過型電子顕微鏡写真(×30,00
0)から明らかな通り、板状粒子と紡錘状粒子とが混合
したものであった。また、図5のX線回折図に示される
通り、マグネタイトとヘマタイトとのピークを示してい
た。
図5中、ピークAはマグネタイト、ピークBはヘマタ
イトである。
比較例2 酒石酸を添加しなかった以外は、実施例1と同様にし
て水溶液中から粒子を生成させた。生成粒子は、常法に
より別、水洗、乾燥、粉砕した。この粒子粉末は、図
6に示す透過型電子顕微鏡写真(×20,000)から明らか
な通り、板状粒子、紡錘状粒子及び針状粒子が混在した
ものであった。
また、図7のX線回折図に示される通り、マグネタイ
ト、ヘマタイト及びゲータイトのピークを示していた。
図7中、ピークAはマグネタイト、ピークBはヘマタ
イト、ピークCはゲータイトである。
比較例3 酒石酸の添加量を4.0g(Feに対し3.0モル%に該当す
る。)とした以外は、実施例1の同様にして水溶液中か
ら粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。この粒子粉末の磁性は、保磁力Hcが1180e、飽和磁
化σsが68.5emu/g、角型比(σr/σs)が0.123であっ
た。
比較例4 熟成温度と酸化温度を70℃とした以外は、実施例1と
同様にして水溶液中から粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕し
た。透過型電子顕微鏡観察の結果、板状粒子、粒状粒子
及び針状粒子が混在したものであった。また、X線回折
の結果、マグネタイト、ヘマタイト及びゲータイトのピ
ークを示していた。
〔効果〕
本発明におけるマグネタイト粒子粉末の製造方法によ
れば、前出実施例に示した通り、板状形態を呈した微細
な、殊に、0.5μm以下の粒子であって、比表面積が7
〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグネタイト粒子
を得ることができるので、ビヒクル中又は樹脂中への充
填密度が高く、分散性、配向性に優れ、粒子相互間にお
ける接触率が高いものであり、電磁波吸収、シールド材
用材料粉末、磁気記録用磁性材料粉末、塗料用黒色顔料
粉末及びゴム・プラスチック用着色剤として好適であ
る。
【図面の簡単な説明】
図1、図2、図4及び図6は、いずれも電子顕微鏡写真
である。図1及び図3は、それぞれ実施例1、実施例2
で得られた板状マグネタイト粒子粉末、図4は、比較例
1で得られた板状マグネタイト粒子と紡錘状ヘマタイト
粒子との混合粉末、図6は、比較例2で得られた板状マ
グネタイト粒子、粒状ヘマタイト粒子及び針状ゲータイ
ト粒子の混合粉末である。 図2、図5及び図7は、いずれもX線回折図であり、図
2、図5及び図7は、それぞれ実施例1、比較例1及び
比較例2で得られた粒子粉末である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを
    反応させて得られたFeCO3を含む水溶液に酸素含有ガス
    を通気して酸化するにあたり、前記第一鉄塩水溶液と該
    第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対する炭酸アルカリの当
    量比が1当量以上であって、一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
    を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄水溶液、前記
    炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化す
    る前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにFeに対し0.0
    1〜2.0モル%の酒石酸又はその塩を添加し、次いで酸素
    含有ガスを通気して酸化することにより水溶液中から板
    状マグネタイト粒子を生成させることを特徴とする平均
    径が0.03〜0.5μmであって比表面積が7〜30m2/gであ
    る無孔且つ無焼結の板状マグネタイト粒子粉末の製造
    法。
JP62332467A 1987-02-16 1987-12-29 板状マグネタイト粒子粉末の製造法 Expired - Fee Related JP2583087B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62332467A JP2583087B2 (ja) 1987-12-29 1987-12-29 板状マグネタイト粒子粉末の製造法
DE8888301270T DE3860614D1 (de) 1987-02-16 1988-02-16 Plattenfoermige magnetit- und maghemitpartikeln und verfahren zu deren herstellung.
EP88301270A EP0279626B1 (en) 1987-02-16 1988-02-16 Plate-like magnetite particles, plate-like maghemite particles and process for producing the same
US07/156,508 US4865834A (en) 1987-02-16 1988-02-16 Process for producing plate-like magnetite particles and plate-like maghemite particles

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62332467A JP2583087B2 (ja) 1987-12-29 1987-12-29 板状マグネタイト粒子粉末の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH01176233A JPH01176233A (ja) 1989-07-12
JP2583087B2 true JP2583087B2 (ja) 1997-02-19

Family

ID=18255297

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62332467A Expired - Fee Related JP2583087B2 (ja) 1987-02-16 1987-12-29 板状マグネタイト粒子粉末の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2583087B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69021132T2 (de) * 1989-05-31 1996-01-04 Toda Kogyo Corp Plattenförmige Magnetitteilchen und Verfahren zu ihrer Erzeugung.
JP4718247B2 (ja) * 2005-06-03 2011-07-06 三井金属鉱業株式会社 フェライト成型体用複合酸化鉄粒子の製造方法
US7387540B1 (en) 2006-12-05 2008-06-17 Hon Hai Precision Ind. Co., Ltd. Electrical connector assembly having improved terminal

Also Published As

Publication number Publication date
JPH01176233A (ja) 1989-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2736691B2 (ja) 板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法
US3720618A (en) Method of producing a powder of cobalt-containing needle-like shaped gamma-ferric oxide particles as magnetic recording material
EP0279626B1 (en) Plate-like magnetite particles, plate-like maghemite particles and process for producing the same
US5188898A (en) Ferromagnetic metal particles and preparation process thereof
JP2583087B2 (ja) 板状マグネタイト粒子粉末の製造法
EP0401000B1 (en) Plate-like magnetite particles and process for producing the same
JP2937211B2 (ja) 針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JPH0656429A (ja) 板状酸化鉄粒子粉末の製造法
JP2612461B2 (ja) 板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法
KR100445590B1 (ko) 코발트 피복된 침상의 자성 산화철 입자
JP2704559B2 (ja) 板状マグネタイト粒子粉末及びその製造法
JP3049698B2 (ja) 板状酸化鉄微粒子粉末の製造法
JP2704521B2 (ja) 板状マグネタイト粒子粉末及びその製造法
JPH10226520A (ja) 水和酸化鉄及び強磁性酸化鉄の製造方法
JPH0651575B2 (ja) 板状マグネタイト粒子粉末及びその製造方法
JPH0469091B2 (ja)
US4497654A (en) Ferromagnetic metallic powders useful for magnetic recording and processes for producing said metallic powders
JPH04187523A (ja) 球形を呈した黒色スピネル型酸化鉄粒子粉末及びその製造法
JPH08208235A (ja) 偏平状マグネタイト微粒子粉末の製造法
JPH0471012B2 (ja)
JP2965606B2 (ja) 金属磁性粉末の製造方法
JP3055308B2 (ja) 針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP2897794B2 (ja) コバルト被着型磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP3166809B2 (ja) 針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP3141907B2 (ja) 紡錘状を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees