JPH0656429A - 板状酸化鉄粒子粉末の製造法 - Google Patents

板状酸化鉄粒子粉末の製造法

Info

Publication number
JPH0656429A
JPH0656429A JP22476492A JP22476492A JPH0656429A JP H0656429 A JPH0656429 A JP H0656429A JP 22476492 A JP22476492 A JP 22476492A JP 22476492 A JP22476492 A JP 22476492A JP H0656429 A JPH0656429 A JP H0656429A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
particles
hematite
particle powder
particle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP22476492A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3045207B2 (ja
Inventor
Tsutomu Katamoto
勉 片元
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP4224764A priority Critical patent/JP3045207B2/ja
Publication of JPH0656429A publication Critical patent/JPH0656429A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3045207B2 publication Critical patent/JP3045207B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒度が均斉であって配向性が優れており、し
かも粒子の厚みが制御された板状酸化鉄粒子粉末を工業
的に得られる製造法を提供する。 【構成】 含水酸化第二鉄粒子又は第二鉄塩を含むpH
11以上のアルカリ性懸濁液を水熱処理することによっ
て板状ヘマタイト粒子粉末を生成させる方法において、
アルカリ性懸濁液中にあらかじめ種晶として針状ヘマタ
イト粒子を添加し、次いで水熱処理して板状ヘマタイト
粒子を得るか、又は必要により該板状ヘマタイト粒子を
加熱還元して板状マグネタイト粒子を得るか又は更に酸
化して板状マグヘマイト粒子を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒度が均斉であって配
向性が優れており、しかも粒子の厚みが制御された板状
酸化鉄粒子粉末の製造法に関するものである。本発明に
係る板状酸化鉄粒子粉末の主な用途は、塗料用、印刷イ
ンキ用、化粧品用、樹脂成形物用等の着色顔料、電磁波
吸収用、シールド用、制振用、防音用、磁気トナー用、
磁気記録用等の材料である。
【0002】
【従来の技術】酸化鉄顔料としては、赤〜赤茶系を呈す
るヘマタイト(α−Fe23 )粒子粉末、黒色系を呈
するマグネタイト(FeO x ・Fe23 0<x≦
1)粒子粉末、茶褐色系を呈するマグヘマイト(γ−F
23 )粒子粉末が知られており、これら粒子粉末は
いずれもビヒクル中に混合分散して塗料、印刷インキ、
化粧品等を製造したり、樹脂中に混練分散した後成形し
て樹脂成形物を製造したりする際の着色顔料として広く
使用されている。また、酸化鉄顔料のうち板状形態を呈
した酸化鉄顔料は、その形態に起因して板状粒子が配向
しやすい為、被覆性に優れているという特性を生かし
て、防錆顔料として使用されたり、その有する金属光沢
を生かして自動車等の上塗塗料用着色顔料としても使用
されている。
【0003】更に、マグネタイト粒子やマグヘマイト粒
子は、上述した通り、着色顔料として使用されていると
ともにその有する磁気特性を生かして、電磁波吸収用、
シールド用、制振用、防音用、磁性トナー用、磁気記録
用材料として各種分野で使用されているが、特に板状形
態を呈したマグネタイト粒子やマグヘマイト粒子は、そ
の形態に起因する特性を有効に活用することが期待され
ている。
【0004】この事実は、例えば、特公昭63−418
53号公報の「薄片形磁性酸化鉄粒子を一つもしくはそ
れ以上の磁化性層を含む磁気テープ、カードまたは円板
のごとき磁気記録支持体に用いる可能性が開かれ
る。」、「マグネタイトまたはマグヘマイトの結晶構造
を有する六角薄片形酸化鉄に対する他の用途がある。‥
‥被覆材料中に個々の粒子の極めて顕著な平行配向が生
ずる。従って、‥‥著しく高い充填密度を得ることが可
能であり、その結果例えば腐食防止効果が増大し、電磁
気干渉場に対する遮蔽が効果的となり、そして導電性が
高くなる。」なる記載及び特開昭61−138959号
公報の「一成分トナーの磁性の成分として小板状または
鱗片状の磁化しうる粒子を用いるとき、トナーの色が決
定されるのは磁性成分それ自体の本来の色によることは
僅かであり主として添加された強い色の着色剤によるこ
とが見出された。」、「これら粒子は次に簡単に攪拌す
るだけで何ら特別の分級エネルギーを消費することなし
に、結合剤または結合剤溶液中における良好な分散状態
へと直ちに転換することができる。」なる記載の通りで
ある。
【0005】上述した通り、板状形態の酸化鉄粒子粉末
は各種分野で使用されているが、前述いずれの分野にお
いても色や磁性等の本来の機能を十分発揮することはも
ちろん被覆性、遮蔽性等の形態上の諸特性を十分発揮す
る為にはビヒクルへの混合分散、樹脂への混練分散に際
して分散性と配向性が優れているとともに樹脂の種類や
溶剤の種類等に応じて樹脂になじみやすい好適な厚みに
自由に制御できることが強く要求されている。
【0006】板状酸化鉄粒子粉末の分散性を改良する為
には、粒度ができるだけ均斉であることが望ましく、配
向性の向上の為には、板状酸化鉄粒子粉末の集合状態が
面内方向で粒子相互が重なり合って連続的に配列してい
ることが好ましい。
【0007】従来、板状ヘマタイト粒子粉末の製造法と
しては、含水酸化第二鉄粒子又は第二鉄塩を含むアル
カリ性懸濁液を水熱処理する方法(特公昭43−124
35号公報、特公昭45−54号公報、特公昭48−2
9718号公報、特公昭49−44878号公報、特公
昭63−41853号公報)含水酸化第二鉄粒子又は
第二鉄塩を含むアルカリ懸濁液中に、生成する板状ヘマ
タイト粒子の粒度を均斉にする為種晶として板状ヘマタ
イト粒子を添加した後水熱処理する方法(特公昭55−
16978号公報、特開昭50−34000号公報、特
開昭61−174120号公報)等が知られている。
【0008】板状マグネタイト粒子は、水溶液中から生
成した板状ヘマタイト粒子を還元性雰囲気中300〜4
50℃の温度範囲で加熱還元することにより、板状マグ
ヘマイト粒子は、板状マグネタイト粒子を更に200〜
400℃の温度範囲で酸化することにより得られる。得
られた板状マグネタイト粒子や板状マグヘマイト粒子は
板状ヘマタイト粒子のサイズや形態、そして集合状態を
保持継承している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】粒度が均斉で配向性が
優れており、粒子の厚みが制御された板状酸化鉄粒子粉
末は現在最も要求されているところであるが、前出公知
の方法によって得られた板状酸化鉄粒子粉末はこれら諸
特性を十分満たすものではない。
【0010】即ち、前出の公知方法は後出比較例1の
電子顕微鏡写真に示される通り、前出の公知方法に比
べ粒度は比較的均斉であるが、粒子の厚みが厚いことに
よって個々の板状粒子の向きが一様ではなく、しかも、
個々の粒子が独立して存在している為、配向性が十分と
はいえない。
【0011】前出の公知方法は、後出比較例2の電子
顕微鏡写真に示される通り、個々の板状粒子がほぼ一定
方向を向いているが、種晶として添加した板状ヘマタイ
ト粒子の反応性が小さい為、該種晶の成長反応が一様に
生起せず、かえって粒度が不均斉となりやすいものであ
る。
【0012】また、前出及びの方法による場合に
は、水熱処理中の反応温度やアルカリ濃度により、生成
する板状ヘマタイト粒子の厚みを制御することができる
ことが知られているが、厚みが厚い板状ヘマタイト粒子
が生成しやすく、一般に配向性がよいといわれている厚
みが0.5μm程度未満の板状ヘマタイト粒子は生成し
がたく、しかも粒子の厚みの変化率が小さいものである
から、0.5μm程度未満の範囲内での粒子の厚みの制
御は困難である。
【0013】そこで、本発明は、粒度が均斉であって配
向性が優れており、しかも粒子の厚みが制御された板状
酸化鉄粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
【0014】
【問題点を解決するための手段】前記技術的課題は、次
の通りの本発明によって達成できる。即ち、本発明は、
含水酸化第二鉄粒子又は第二鉄塩を含むpH11以上の
アルカリ性懸濁液を水熱処理することによって板状ヘマ
タイト粒子粉末を生成させる方法において、前記アルカ
リ性懸濁液中にあらかじめ種晶として針状含水酸化第二
鉄粒子を加熱処理して得られる針状ヘマタイト粒子を添
加し、次いで水熱処理することにより板状ヘマタイト粒
子を生成させるか、必要により、該板状ヘマタイト粒子
を加熱還元して板状マグネタイト粒子とするか、又は、
更に酸化して板状マグヘマイト粒子とすることからなる
板状酸化鉄粒子粉末の製造法である。
【0015】次に、本発明実施にあたっての諸条件につ
いて述べる。
【0016】本発明における含水酸化第二鉄粒子として
は、周知の各種反応により得られた針状、紡錘状等のい
ずれの粒子形態のものでもよく、含水酸化第二鉄を含む
生成反応母液、該反応母液を水洗、濾過して得られた湿
ケーキ及び該湿ケーキの乾燥物を使用することができ
る。
【0017】本発明における第二鉄塩としては、硝酸第
二鉄、塩化第二鉄、硫酸第二鉄等を使用することができ
る。
【0018】本発明におけるアルカリ性懸濁液のpHは
11以上である。11未満である場合には、板状ヘマタ
イト粒子中に針状含水酸化第二鉄粒子又は水酸化第二鉄
が混在する。また、反応時間が長時間となり工業的では
ない。
【0019】本発明における水熱処理は、オートクレー
ブ装置を用い、通常150〜330℃の温度範囲で行
う。一般にアルカリ濃度が濃くなる程、板状ヘマタイト
粒子の生成する反応温度は低くなる傾向にある。150
℃未満の場合には、含水酸化第二鉄や針状ヘマタイト粒
子がそのまま存在し、板状ヘマタイト粒子が生成しな
い。330℃を越える場合にも板状ヘマタイト粒子の生
成は可能であるが、装置上の安全性等を考慮した場合、
温度の上限は330℃である。
【0020】本発明における種晶として添加する針状ヘ
マタイト粒子は、針状含水酸化第二鉄粒子を加熱処理す
ることにより得ることができる。加熱処理温度は260
〜700℃が好ましい。260℃未満である場合には、
針状含水酸化第二鉄粒子の脱水反応が不十分で、種晶と
しての効果が少なく、本発明の目的とする板状ヘマタイ
ト粒子を得ることができない。700℃を越える場合に
は、針状粒子及び粒子相互間の焼結が起こり、本発明の
目的とする配向性のよい板状ヘマタイト粒子を生成させ
ることが困難である。
【0021】針状ヘマタイト粒子は、Fe以外のTi、
Ni、Co、Zr等を含有していてもよく、これら元素
を含有していることによって、粒子の厚みがより薄くな
って配向性に優れた板状ヘマタイト粒子が生成しやすく
なり、より効果的に本発明の目的とする板状ヘマタイト
粒子粉を得ることができる。
【0022】Tiは、0.1〜20mol%、Ni、C
o及びZrは0.1〜10mol%を針状ヘマタイト粒
子中に含有させることができ、本発明の目的とする板状
ヘマタイト粒子粉末を効果的に得る為にはTi含有針状
ヘマタイト粒子を種晶として用いることが好ましい。
【0023】針状ヘマタイト粒子の添加量は、第二鉄1
molに対し0.005〜20mol%である。0.0
05mol%未満の場合には、種晶としての効果が不十
分であり、本発明の目的とする配向性のよい板状酸化鉄
粒子が得られない。20mol%を越える場合には、生
成するヘマタイト粒子の粒子形状が針状になり、粒子の
配向性が悪い。
【0024】本発明における板状マグネタイト粒子とす
る際の加熱還元温度は300〜450℃である。300
℃未満の場合には、還元反応の進行が著しく遅く、長時
間を要する。450℃を越える場合には、粒子相互間で
焼結が生起する。
【0025】本発明における板状マグヘマイト粒子とす
る際の酸化温度は、200〜400℃である。200℃
未満の場合には、酸化反応の進行が著しく遅く、長時間
を要する。400℃を越える場合には、急激な酸化反応
が起き、ヘマタイトへの変態が生起し、ヘマタイト粒子
が混在してくる。
【0026】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、含水酸
化第二鉄粒子又は第二鉄塩を含むpH11以上のアルカ
リ性懸濁液を水熱処理することによって板状ヘマタイト
粒子粉末を生成させる方法において、前記アルカリ性懸
濁液中にあらかじめ種晶として針状含水酸化第二鉄粒子
を加熱処理して得られる針状ヘマタイト粒子を添加した
場合には、粒度が均斉であって配向性が優れており、し
かも粒子の厚みを制御することができるという事実であ
る。
【0027】本発明者は、粒度が均斉な板状ヘマタイト
粒子が得られる理由について、後出実施例に示す通り、
板状ヘマタイト粒子の生成反応が短時間裡に終了するこ
とから、針状含水酸化第二鉄粒子を加熱処理して得られ
る針状ヘマタイト粒子の反応性が大きいことにより針状
ヘマタイト粒子を種晶とする成長反応が一斉に開始する
ためであろうと考えている。
【0028】また、配向性が優れている理由について、
本発明者は、粒子の厚みが0.5μm程度以下と適度に
薄いこと、面内方向で粒子相互が重なり合って連続的に
配列していること及び後出実施例の電子顕微鏡写真に示
す通り、生成板状ヘマタイト粒子の板面のほぼ中央付近
に孔があるものが多量に存在しているという粒子の構造
的特徴によるものと考えている。この粒子中央付近の孔
は、種晶として用いた針状ヘマタイト粒子のうち、反応
性の良い針状ヘマタイト粒子が溶解析出反応したために
生成されたものと考えている。
【0029】本発明においては、反応温度、アルカリ濃
度及び針状ヘマタイト粒子の厚みにより生成する板状ヘ
マタイト粒子の厚みを0.5μm以下、殊に0.05〜
0.5μmの範囲で自由に制御することができる。
【0030】今、本発明者が行った数多くの実験例から
その一部を抽出して説明すれば、以下の通りである。
【0031】図1乃至図3の各図は、生成した板状ヘマ
タイト粒子粉末の厚みと反応温度、アルカリ濃度、針状
ヘマタイト粒子の厚みのそれぞれとの関係を示したもの
である。図1中、曲線A、B及びCはそれぞれ、後出実
施例4、比較例1(前出の公知方法のうちの特公昭4
3−12435号公報に該当する。)及び比較例2(前
出の公知方法のうち特公昭55−16978号公報に
該当する。)と同様の条件下で反応温度をふらした場合
である。図1に示される通り、本発明においては、粒子
の厚みを0.5μm以下という薄い範囲で効果的に制御
することができる。
【0032】図2は、後出実施例4と同様の条件下でア
ルカリ濃度をふらした場合であり、同図に示される通
り、本発明においては粒子の厚みを配向性が良いといわ
れている0.5μm程度未満で、より効果的に制御する
ことができる。図3は後出実施例4と同様の条件下で種
晶である針状ヘマタイト粒子の厚みを種々変化させた場
合であり、同図に示される通り本発明においては、粒子
の厚みを配向性が良いといわれている0.5μm程度以
下でより効果的に制御することができる。
【0033】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における粒子
の平均径は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で
示したものであり、厚み及び板状比はBET法により測
定した比表面積値と上記平均径から求めた数値で示し
た。粒度分布の良否は電子顕微鏡観察の結果で示した。
【0034】配向度は、下記試験片を用い、X線回折に
より求めたヘマタイトの110面におけるX線ピーク強
度I(110) に対するヘマタイトの006面におけるX線
ピーク強度I(006) の比で示した。この値が大きくなる
程配向度が優れていることを示す。
【0035】測定用試料片は、ヘマタイト粒子粉末0.
5gとヒマシ油1.0ccをフーバー式マーラーで練っ
てペースト状とし、このペーストにクリヤラッカー4.
5gを加え混練し塗料化して、キャストコート紙上に6
milのアプリケータを用いて塗布することによって得
た。
【0036】<板状ヘマタイト粒子粉末の製造法> 実施例1〜5 比較例1〜2; 実施例1 針状α−FeOOH粒子(長軸1μm、軸比20:1、
BET比表面積60m2 /g)を温度400℃で1時間
加熱脱水して得られた多結晶の針状ヘマタイト粒子(長
軸1μm、軸比20:1、BET比表面積80m2
g、結晶子サイズ80Å)を種晶とし、該種晶0.00
44mol(α−FeOOHに対し0.55mol%に
該当する。)及びα−FeOOH(長軸3μm、軸比1
0、BET比表面積20m2 /g)0.8molとNa
OH0.3molとを混合して得られた0.3Nのアル
カリ性懸濁液をオートクレーブ中で245℃まで加熱
し、機械的に攪拌しつつこの温度に0.5時間保持し、
暗紫色沈澱を生成させた。室温までに冷却後、暗紫色沈
澱を濾別し、十分水洗した後乾燥した。得られた乾燥粒
子粉末は、X線回折の結果、ヘマタイト粒子であり、電
子顕微鏡観察の結果、板面径6μm、厚み0.31μm
であって板状比が19であり、面内方向で粒子相互が重
なり合って連続的に配列していた。また、粒度分布は狭
いものであり、配向度は40と配向性の優れたものであ
った。
【0037】実施例2 種晶の使用量を0.0019mol(α−FeOOHに
対し0.27mol%に該当する。)、α−FeOOH
の使用量を0.7mol、NaOHの使用量を0.4m
olとし、水熱処理を温度240℃で0.75時間行な
った以外は実施例1と同様にして暗紫色粒子粉末を得
た。得られた乾燥粒子粉末は、X線回折の結果、ヘマタ
イト粒子であり、電子顕微鏡観察の結果、板面径8μ
m、厚み0.30μmであって板状比が26.7であ
り、面内方向で粒子相互が重なり合って連続的に配列し
ていた。また、粒度分布は狭いものであり、配向度は4
5と配向性の優れたものであった。
【0038】実施例3 針状α−FeOOH粒子(長軸1.5μm、軸比15、
BET比表面積35m 2 /g)を温度400℃で1時間
加熱脱水して得られた多結晶の針状ヘマタイト粒子(長
軸1.5μm、軸比15、BET比表面積45m2
g、結晶子サイズ110Å)を種晶とし、該種晶0.0
0018mol(α−FeOOHに対し0.023mo
l%に該当する。)及びα−FeOOH(長軸2.5μ
m、軸比12、BET比表面積22m2 /g)0.8m
olとNaOH0.2molとを混合して得られた0.
2Nのアルカリ性懸濁液をオートクレーブ中で255℃
まで加熱し、機械的に攪拌しつつこの温度に0.5時間
保持し、暗紫色沈澱を生成させた。室温までに冷却後、
暗紫色沈澱を濾別し、十分水洗した後乾燥した。得られ
た乾燥粒子粉末は、X線回折の結果、ヘマタイト粒子で
あり、電子顕微鏡観察の結果、板面径7μm、厚み0.
39μmであって板状比が18であり、面内方向で粒子
相互が重なり合って連続的に配列していた。また、粒度
分布は狭いものであり、配向度は35と配向性の優れた
ものであった。
【0039】実施例4 針状α−FeOOH粒子(長軸0.5μm、軸比10:
1、BET比表面積110m2 /g、Ti含有 Ti/
Ti+Fe=15mol%)を温度500℃で30分間
加熱脱水して得られた多結晶のTi含有針状ヘマタイト
粒子(長軸0.5μm、軸比10:1、BET比表面積
50m2 /g、結晶子サイズ90Å)を種晶とし、該種
晶0.0044mol(α−FeOOHに対し、0.5
5mol%に該当する。)及びα−FeOOH(長軸3
μm、軸比10:1、BET比表面積20m2 /g)
0.8molとNaOH 0.3molとを混合して得
られた0.3Nアルカリ性懸濁液をオートクレーブ中で
245℃まで加熱し、機械的に攪拌しつつこの温度に
0.5時間保持し、暗紫色沈澱を生成させた。室温まで
に冷却後、暗紫色沈澱を濾別し、十分水洗した後乾燥し
た。得られた乾燥粒子粉末は、X線回折の結果、ヘマタ
イト粒子であり、図4に示す電子顕微鏡写真(×150
0)に示す通り、板面径6μm、厚み0.21μmであ
って板状比が29であり、面内方向で粒子相互が重なり
合って連続的に配列していた。また、粒度分布は狭いも
のであり、配向度は53と配向性の優れたものであっ
た。
【0040】実施例5 針状α−FeOOH粒子(長軸0.5μm、軸比10:
1、BET比表面積110m2 /g、Ti含有 Ti/
Ti+Fe=15mol%)を温度500℃で30分間
加熱脱水して得られた多結晶のTi含有針状ヘマタイト
粒子(長軸0.5μm、軸比10:1、BET比表面積
50m2 /g、結晶子サイズ90Å)を種晶とし、該種
晶0.0018mol(α−FeOOHに対し、0.2
7mol%に該当する。)及びFeCl3 0.7mo
lとNaOH 0.4molとを混合して得られた0.
7Nアルカリ性懸濁液をオートクレーブ中で230℃ま
で加熱し、機械的に攪拌しつつこの温度に1時間保持
し、暗紫色沈澱を生成させた。室温までに冷却後、暗紫
色沈澱を濾別し、十分水洗した後乾燥した。得られた乾
燥粒子粉末は、X線回折の結果、ヘマタイト粒子であ
り、電子顕微鏡観察の結果、板面径7μm、厚み0.2
8μmであって板状比が25であり、面内方向で粒子相
互が重なり合って連続的に配列していた。また、粒度分
布は狭いものであり、配向度は41と配向性の優れたも
のであった。
【0041】比較例1 種晶を添加しなかった以外は、実施例4と同様にして暗
紫色沈澱を生成させた。室温までに冷却後、暗紫色沈澱
を濾別し、十分水洗した後乾燥した。得られた乾燥粒子
粉末は、X線回折の結果、ヘマタイト粒子であり、図5
に示す電子顕微鏡写真(×1000)に示す通り、板面
径8μm、厚み1.0μmであって板状比8であった。
また、粒度分布は優れたものとは言い難く、粒子の厚み
が厚いことによって個々の板状粒子の向きが一様ではな
く、しかも、個々の粒子が独立して存在しており、その
結果、配向度が5と配向性が悪いものであった。
【0042】比較例2 種晶として板状ヘマタイト粒子(板面径5μm、厚み
0.6μm、板状比8)を用いた以外は、実施例4と同
様にして暗紫色沈澱を生成させた。室温までに冷却後、
暗紫色沈澱を濾別し、十分水洗した後乾燥した。得られ
た乾燥粒子粉末は、X線回折の結果、ヘマタイト粒子で
あり、図6に示す電子顕微鏡写真(×1000)に示す
通り、板面径9μm、厚み0.7μmであって板状比1
3であった。また、粒度が不均斉であり個々の粒子が独
立して存在しており、その結果、配向度が7と配向性が
悪いものであった。
【0043】<板状マグネタイト粒子粉末の製造法> 実施例6 実施例3で得られた板状ヘマタイト粒子粉末30gをH
2 ガスを毎分0.5lの割合で通気して還元温度380
℃で還元して板状マグネタイト粒子粉末を得た。得られ
た板状マグネタイト粒子は、電子顕微鏡観察の結果、板
面径7μm、厚み0.39μmであって板状比が18で
あり、面内方向で粒子相互が重なり合って連続的に配列
していた。また、粒度分布は狭いものであり、配向性は
走査型電子顕微鏡観察の結果、優れたものであった。
【0044】実施例7 実施例1で得られた板状ヘマタイト粒子粉末30gをH
2 ガスを毎分0.5lの割合で通気して還元温度380
℃で還元して板状マグネタイト粒子粉末を得た。得られ
た板状マグネタイト粒子は、電子顕微鏡観察の結果、板
面径6μm、厚み0.30μmであって板状比が20で
あり、面内方向で粒子相互が重なり合って連続的に配列
していた。また、粒度分布は狭いものであり、配向性は
走査型電子顕微鏡観察の結果、優れたものであった。
【0045】<板状マグヘマイト粒子粉末の製造法> 実施例8 実施例7で得られた板状マグネタイト粒子粉末20gを
空気中280℃で30分間酸化して板状マグヘマイト粒
子粉末を得た。得られた板状マグヘマイト粒子は、電子
顕微鏡観察の結果、板面径6μm、厚み0.31μmで
あって板状比が19であり、面内方向で粒子相互が重な
り合って連続的に配列していた。また、粒度分布は狭い
ものであり、配向性は走査型電子顕微鏡観察の結果、優
れたものであった。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明に係る板状酸化鉄粒子粉末の製造
法によれば、前出実施例に示した通り、粒度が均斉であ
って配向性が優れており、しかも粒子の厚みが制御され
た板状酸化鉄粒子粉末が得られるから、ビヒクルや樹脂
への分散性、配向性及びなじみが優れているので、塗料
用、樹脂用、印刷インキ用、化粧品用、樹脂成形物用等
の着色顔料、電磁波吸収用、シールド用、制振用、防音
用、磁性トナー用磁気記録用等の材料として好適であ
る。
【0048】また、本発明に係る板状酸化鉄粒子粉末
は、前出実施例に示した通り、板状粒子のほぼ中央付近
に細長い小さな孔を有しており、これら粒子粉末を用い
て塗膜を形成したり成形物を製造した場合には、粒子の
孔の部分に樹脂が混入して、塗膜の強化や剥離防止が期
待され、しかも、粒子中の上記孔は小さい為板状粒子の
光輝感を害することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】生成した板状ヘマタイト粒子粉末の厚みと反応
温度との関係を示したものである。
【図2】生成した板状ヘマタイト粒子粉末の厚みとアル
カリ濃度との関係を示したものである。
【図3】生成した板状ヘマタイト粒子粉末の厚みと種晶
として使用した針状ヘマタイト粒子の厚みとの関係を示
したものである。
【図4】実施例4で得られた板状ヘマタイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×1500)である。
【図5】比較例1で得られた板状ヘマタイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×1000)である。
【図6】比較例2で得られた板状ヘマタイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×1000)である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含水酸化第二鉄粒子又は第二鉄塩を含む
    pH11以上のアルカリ性懸濁液を水熱処理することに
    よって板状ヘマタイト粒子粉末を生成させる方法におい
    て、前記アルカリ性懸濁液中にあらかじめ種晶として針
    状含水酸化第二鉄粒子を加熱処理して得られる針状ヘマ
    タイト粒子を添加し、次いで水熱処理することにより板
    状ヘマタイト粒子を生成させることを特徴とする板状酸
    化鉄粒子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1で得られた板状ヘマタイト粒子
    を加熱還元して板状マグネタイト粒子とするか、又は、
    更に酸化して板状マグヘマイト粒子とすることを特徴と
    する板状酸化鉄粒子粉末の製造法。
JP4224764A 1992-07-31 1992-07-31 板状酸化鉄粒子粉末の製造法 Expired - Fee Related JP3045207B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4224764A JP3045207B2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 板状酸化鉄粒子粉末の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4224764A JP3045207B2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 板状酸化鉄粒子粉末の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0656429A true JPH0656429A (ja) 1994-03-01
JP3045207B2 JP3045207B2 (ja) 2000-05-29

Family

ID=16818866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4224764A Expired - Fee Related JP3045207B2 (ja) 1992-07-31 1992-07-31 板状酸化鉄粒子粉末の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3045207B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07257594A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Okura Ind Co Ltd プラスチック製ごみ袋
WO2010002059A1 (en) * 2008-07-03 2010-01-07 Korea Institute Of Ceramic Engineering & Technology Method of preparing hematite platelet, hematite platelet prepared using the same, and hematite platelet pigment including the hematite platelet
WO2012162817A1 (en) * 2011-06-03 2012-12-06 Orbite Aluminae Inc. Methods for preparing hematite
CN103601253A (zh) * 2013-11-05 2014-02-26 陕西科技大学 一种圆片状α-Fe2O3 光催化剂及其制备方法和应用
EP2734654A4 (en) * 2011-07-18 2015-06-03 Orbite Aluminae Inc METHODS FOR SEPARATING FERRIC IONS FROM ALUMINUM IONS
CN105289456A (zh) * 2015-09-29 2016-02-03 合肥学院 一种超顺磁Fe3O4纳米材料的制备方法和应用
US9945009B2 (en) 2011-03-18 2018-04-17 Orbite Technologies Inc. Processes for recovering rare earth elements from aluminum-bearing materials
US10174402B2 (en) 2011-09-16 2019-01-08 Orbite Technologies Inc. Processes for preparing alumina and various other products

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07257594A (ja) * 1994-03-18 1995-10-09 Okura Ind Co Ltd プラスチック製ごみ袋
WO2010002059A1 (en) * 2008-07-03 2010-01-07 Korea Institute Of Ceramic Engineering & Technology Method of preparing hematite platelet, hematite platelet prepared using the same, and hematite platelet pigment including the hematite platelet
US9945009B2 (en) 2011-03-18 2018-04-17 Orbite Technologies Inc. Processes for recovering rare earth elements from aluminum-bearing materials
WO2012162817A1 (en) * 2011-06-03 2012-12-06 Orbite Aluminae Inc. Methods for preparing hematite
CN103842296A (zh) * 2011-06-03 2014-06-04 奥贝特铝业有限公司 用于制备赤铁矿的方法
JP2014519468A (ja) * 2011-06-03 2014-08-14 オーバイト アルミナ インコーポレイテッド ヘマタイトの調製方法
EP2714594A4 (en) * 2011-06-03 2015-05-20 Orbite Aluminae Inc PROCESS FOR PRODUCING HEMATITE
EP2734654A4 (en) * 2011-07-18 2015-06-03 Orbite Aluminae Inc METHODS FOR SEPARATING FERRIC IONS FROM ALUMINUM IONS
US10174402B2 (en) 2011-09-16 2019-01-08 Orbite Technologies Inc. Processes for preparing alumina and various other products
CN103601253A (zh) * 2013-11-05 2014-02-26 陕西科技大学 一种圆片状α-Fe2O3 光催化剂及其制备方法和应用
CN105289456A (zh) * 2015-09-29 2016-02-03 合肥学院 一种超顺磁Fe3O4纳米材料的制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3045207B2 (ja) 2000-05-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4867795A (en) Plateletlike pigments based on iron oxide
US3969494A (en) Method for improvement of properties of synthetic yellow iron oxide
JP3045207B2 (ja) 板状酸化鉄粒子粉末の製造法
JP3579432B2 (ja) 光沢顔料およびその製造法
JPH03126626A (ja) 板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法
US5199983A (en) Black pigment particles
EP0279626B1 (en) Plate-like magnetite particles, plate-like maghemite particles and process for producing the same
US6117540A (en) Non-magnetic black particles, non-magnetic black pigment therefrom and non-magnetic black filler therefrom
US5188898A (en) Ferromagnetic metal particles and preparation process thereof
JP2802543B2 (ja) 非磁性黒色顔料粉末の製造法
JP3049698B2 (ja) 板状酸化鉄微粒子粉末の製造法
JP3682079B2 (ja) 酸化鉄系顔料、その製造方法及びその利用
EP0401000B1 (en) Plate-like magnetite particles and process for producing the same
JP2727187B2 (ja) 板状ヘマタイト粒子粉末の製造方法
JP2583087B2 (ja) 板状マグネタイト粒子粉末の製造法
JP2008254969A (ja) 薄片状酸化鉄微粒子、薄片状Fe系金属微粒子及びそれらの製造方法
JPH08325098A (ja) 微粒子マグネタイト及びその製造方法
US5047161A (en) Preparation of isometric cobalt- and titanium-containing magnetic iron oxides
JP3388013B2 (ja) 粒状ゲータイト微粒子粉末の製造法及び該微粒子粉末を用いた粒状酸化鉄微粒子粉末の製造法
JP2704559B2 (ja) 板状マグネタイト粒子粉末及びその製造法
JPH08208235A (ja) 偏平状マグネタイト微粒子粉末の製造法
JPS63105901A (ja) 球形を呈した鉄合金を主成分とする磁性粒子粉末及びその製造法
JP3645611B2 (ja) 平板状非磁性酸化鉄系顔料、その製造方法及びその利用
JP2612461B2 (ja) 板状マグヘマイト粒子粉末及びその製造法
JP3020374B2 (ja) コバルト含有磁性酸化鉄粉末の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees