JPH0651575B2 - 板状マグネタイト粒子粉末及びその製造方法 - Google Patents

板状マグネタイト粒子粉末及びその製造方法

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JPH0651575B2
JPH0651575B2 JP3414187A JP3414187A JPH0651575B2 JP H0651575 B2 JPH0651575 B2 JP H0651575B2 JP 3414187 A JP3414187 A JP 3414187A JP 3414187 A JP3414187 A JP 3414187A JP H0651575 B2 JPH0651575 B2 JP H0651575B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、平均径が0.03〜0.5μmであって比表面積が
7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグネタイト粒
子からなる板状マグネタイト粒子粉末及びその製造方法
に関するものである。
本発明に係る板状マグネタイト粒子粉末の主な用途は、
電磁波吸収材用、シールド材用材料粉末、磁気記録用磁
性材料粉末、塗料用黒色顔料粉末及びゴム・プラスチッ
ク用着色剤等である。
〔従来の技術〕
マグネタイト粒子粉末は、電磁波吸収材用、シールド材
用材料粉末として使用されている。即ち、電磁波吸収、
シールドは、マグネタイト粒子粉末をビヒルク中に分散
混合させて得られた塗料を電磁波発生源である機器等に
塗布することにより行われている。
また、マグネタイト粒子粉末は、磁気記録用磁性材料粉
末として広く使用されている。即ち、磁気テープや磁気
ディスク等の磁気記録媒体は、マグネタイト粒子粉末等
の磁性粒子粉末とビヒクルとを混合して得られた磁性塗
料をディスクやテープに塗布することによって製造され
る。
更に、マグネタイト粒子粉末は、黒色を呈している為、
顔料とビヒルクとを混合して塗料を製造する際の塗料用
顔料粉末として広く使用されており、また、ゴム・プラ
スチックに混練・分散して着色剤としても使用されてい
る。
上述した通り、マグネタイト粒子粉末は、様々の分野で
使用されているが、いずれの分野においても共通して要
求されているマグネタイト粒子粉末の特性は、塗料化が
容易であり、ビヒルク中又は樹脂中における充填密度が
高く、分散性、配向性に優れており、更に、粒子相互間
における接触率が高いという諸特性である。
この事実は、例えば、特開昭55-104923号公報の「‥‥
被覆材料中に個々の粒子の極めて顕著な平行配向が生ず
る。従って、‥‥著しく高い充填密度を持つことが可能
であり、その結果例えば腐食防止効果が増大し、電磁気
干渉場に対する遮蔽が効果的となり、そして導電性が高
くなる。」なる記載、特開昭51-28700号公報の「‥‥本
発明で用いられる磁気粉末は、有機バインダー中の充填
密度を高くしても、十分良好な塗料性を確保できるとい
う特徴がある。‥‥充填密度が飛躍的に向上しているた
めに高い磁束密度をもっている。」なる記載及びペトロ
テック(PETROTECH)第9巻第6号(1986年発行)第494
頁の「‥‥電磁波シールドの材料技術‥‥の分類であ
る。‥‥現在主流になっている導電塗装法である。塗料
の中にニッケル微粒子などを入れておく。‥‥もとより
金属間の接触は不可欠であり、‥‥相互接触率の高いも
のが選ばれる‥‥。」なる記載の通りである。
上述した通りの特性を満たすマグネタイト粒子粉末とし
ては、板状形態を呈した微細な粒子であることが必要で
ある。
この事実は、例えば、前出特開昭51-28700号公報の「‥
‥本質的に板状の形状を持つ磁気粉末を塗布することに
より、磁気粉末の充填率が高く、均一で、かつ磁気特性
の優れた磁性膜を提供する‥‥」なる記載、前出特開昭
55-104923号公報の「‥‥マグネタイトまたはマグヘマ
イトの構造を有する六角薄片形(板状)酸化鉄に対する
他の用途がある。‥‥個々の粒子の極めて顕著な平行配
向(配向性)が生ずる。従って、‥‥著しく高い充填密
度を持つことが可能であり‥‥」なる記載及び特開昭61
-266311号公報の「‥‥1μm以下の微小な盤状のコバ
ルト含有酸化鉄強磁性粉末を用いれば盤状形状ゆえに、
粉末の分散性、充填性およびテープの表面平滑性に優れ
た磁気記録媒体を提供することが可能である。」なる記
載の通りである。
従来、板状マグネタイト粒子粉末の製造法としては、例
えば、水酸化第二鉄叉はゲータイトを含むアルカリ性懸
濁液をオートクレーブを用いて水熱処理することにより
水溶液中から板状ヘマタイト粒子を生成させ、該板状ヘ
マタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元する方法及び水
酸化第一鉄を含むアルカリ性懸濁液を強酸化剤で急激に
酸化することにより、又は、特定の添加剤の存在下で第
二鉄塩とアルカリとを水性媒体中で反応させて水酸化第
二鉄を生成させ、該水酸化第二鉄を水熱処理することに
より水溶液中から板状ゲータイト粒子を生成させ、該板
状ゲータイト粒子を加熱脱水後、還元性ガス中で加熱還
元する方法が知られている。
前者の方法に属するものとしては、例えば、前出特開昭
51-28700号公報記載の方法、前出特開昭55-104923号公
報に記載の方法があり、後者の方法に属するものとして
は、例えば、前出特開昭61-266311号公報、前出特開昭5
5-104923号公報に記載の方法がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
充填密度が高く、分散性、配向性が優れている板状マグ
ネタイト微粒子粉末は現在最も要求されているところで
あるが、上述した通りの公知方法による場合には、水溶
液から生成した板状粒子を還元性ガス中で加熱還元する
ことが必要である為、粒子及び粒子相互間の焼結が生起
し、その結果、ビークル中又は樹脂中への分散が困難と
なり、充填密度が低下し、配向性が劣化するという欠点
がある。
更に、公知方法のうち前者の方法による場合には、平均
径1μm以下の、殊に、0.5μm以下の板状ヘマタイト
微粒子を水溶液中から生成させることは困難であり、該
ヘマタイト粒子を加熱還元して得られる板状マグネタイ
ト粒子も当然平均径1μm以下、殊に、0.5μm以下の
ものを得ることは困難であった。この事実は、例えば、
前出特開昭51-28700号公報の「‥‥六角板状のα−Fe2O
3(ヘマタイト)は以前からMicaceous Iron Oxideとし
て天然に産し、防錆用無機塗料として知られているが、
最近では、これは人工的に合成できるようになり‥‥。
このような合成の酸化鉄は、形状が板径1〜40μ‥‥程
度であり、‥‥」なる記載の通りである。
また、公知方法のうち後者の方法による場合には、板状
ゲータイト粒子の加熱時にゲータイト結晶粒子中の水分
が脱水される為、得られる板状マグネタイト粒子の粒子
表面、粒子内部には多数の空孔が存在することになる。
このような多孔性の板状マグネタイト粒子粉末をビヒル
ク中又は樹脂中に分散させた場合、表面磁極の生じてい
る部分に他の微細粒子の吸引が起こり、その結果、多数
の粒子が集合してかなりの大きさをもつ凝集塊が生じ、
この為、分散が困難となって充填密度が低下し、配向性
が劣化する。
上述したところから明らかな通り、無孔且つ無焼結の板
状マグネタイト微粒子粉末を得る為には、板状マグネタ
イト微粒子を水溶液中から直接生成させる方法が強く要
求されているのである。
〔問題を解決する為の手段〕
本発明者は、板状マグネタイト微粒子を水溶液中から直
接生成させる方法について種々検討を重ねた結果、本発
明に到達したのである。
即ち、本発明は、平均径が0.03〜0.5μmであって比表
面積が7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグネタ
イト粒子からなる板状マグネタイト粒子粉末及び第一鉄
塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られた
FeCO3を含む水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化する
にあたり、前記第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の
第一鉄塩に対する炭酸アルカリの当量比が1当量以上で
あって、一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄塩水溶液、前
記炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化
する前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにFeに対し
0.01〜2.0モル%のクエン酸又はその塩を添加し、次い
で、75〜100℃の温度範囲で酸素含有ガスを通気して酸
化することにより水溶液中から板状マグネタイト粒子を
生成させることを特徴とする平均粒径が0.03〜0.5μm
であって比表面積が7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の
板状マグネタイト粒子粉末の製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、第一鉄塩水溶液
と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られたFeCO3
含む水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化するにあた
り、前記第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の第一鉄
塩に対する炭酸アルカリの当量比が1当量以上であっ
て、一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄塩水溶液、前
記炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化
する前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにFeに対し
0.01〜2.0モル%のクエン酸又はその塩を添加し、次い
で酸素含有ガスを通気して酸化した場合には、板状マグ
ネタイト粒子を水溶液中から直接生成させることができ
るという事実である。
本発明における板状マグネタイト粒子は、粒度が0.5μ
m以下の微粒子であり、また、水溶液中から直接生成さ
せるものであるから無孔且つ無焼結である。
本発明における板状マグネタイト粒子は、微粒子である
にもかかわらず、無孔等である為、比表面積が30m2/g以
下、殊に、25m2/g以下と小さく、また、板状形態であっ
て無孔且つ無焼結である為、塗料化が容易であり、分散
性、配向性に優れ、ビークル中又は樹脂中への高密度充
填が可能である。
本発明において、FeCO3を含む水溶液中に、例えば、窒
素ガス等の非酸化性ガスを吹き込みながら、必要により
攪拌を行い、熟成処理した場合には、板状比(板径:厚
み)の大きい板状マグネタイト粒子が得られやすい。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べる。
本発明において使用される第一鉄塩水溶液として硫酸第
一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等がある。
本発明において使用される炭酸アルカリとしては、炭酸
ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム等を単独
で又は併用して使用することができる。
第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリの添加順序はいずれが先
でも、又は同時でもよい。
本発明における反応温度は、75〜100℃である。75℃未
満である場合には、板状マグネタイト粒子中に紡錘状ヘ
マタイト粒子や針状ゲータイト粒子が混在してくる。10
0℃を越える場合にも本発明の目的を達成することはで
きるが、オートクレーブ等の特殊な装置を必要とし、経
済的ではない。
本発明において使用する炭酸アルカリの量は、第一鉄塩
水溶液中の第一鉄塩に対する炭酸アルカリの当量比が1
当量以上であって、一般式 で表される値以下である。上記特定値以上である場合に
は、板状マグネタイト粒子中に紡錘状ヘマタイト粒子が
混在してくる。尚、生産性を考慮すれば、鉄温度の下限
は0.1mol/程度が好ましい。
本発明においてはクエン酸又はその塩を使用することが
できる。ここで、その塩とは、クエン酸ナトリウム、ク
エン酸カリウム、クエン酸リチウム、クエン酸アンモニ
ウム等がある。
本発明におけるクエン酸又はその塩の添加量は、Feに対
し0.01〜2.0モル%である。0.01モル%未満の場合に
は、板状マグネタイト粒子中に粒状ヘマタイト粒子、針
状ゲータイト粒子が混在してくる。2.0モル%を越える
場合には、マグネタイト粒子は生成するが、飽和磁化の
低下が顕著となる。
本発明におけるクエン酸又はその塩は、炭酸アルカリと
の相乗作用によって、生成粒子の種類及び形態に影響を
及ぼすものであり、従って、板状マグネタイト粒子の生
成反応が開始される前に添加しておく必要があり、第一
鉄塩水溶液、炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通
気して酸化する前のFeCO3を含む水溶液のいずれかに添
加することができる。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明する。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の平均径、
板状比(板面径と厚みとの比)はいずれも電子顕微鏡写
真から測定した数値の平均値で示したものであり、比表
面積は、BET法により測定したものである。磁気測定
は、振動試料磁力計VSMP−1型(東英工業製)を使
用し、測定磁場10KOeで測定した。
実施例1 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液0.83を、N2ガス流下にお
いて、反応器中に準備されたFeに対し0.5モル%を含む
ようにクエン酸三ナトリウム二水和物1.65gを添加して
得られた0.62mol/のNa2CO3水溶液3.67に加え(CO3/
Fe=2.0当量に該当する。)温度60℃においてFeCO3の生
成を行った。この時の鉄濃度は、Fe換算で0.25mol/で
あった。上記FeCO3を含む水溶液中に引き続きN2ガスを
毎分15の割合で吹き込みながら85℃で30分間熟成処理
した後、温度85℃において毎分18の空気を2.0時間通
気して粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り、塩酸酸性に
調整した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応の
有無で判定した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。
この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平均径
0.39μmであり、図1に示す走査型電子顕微鏡写真(×
30,000)から明らかな通り、板状比(板面径と厚みとの
比)8:1の板状形態を呈した粒子からなり、粒子表面
並びに内部に空孔が存在していないものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、8.5m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが110Oe、飽和磁化σsが87.8emu
/g、角型比(σr/σs)が0.168であった。
この粒子粉末のX線回折図を図2に示す。図2から明ら
かな通り、ピークはマグネタイトを示すピークであり、
マグネタイトのみからなっていることがわかる。
実施例2 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液0.33を、N2ガス流下にお
いて、反応器中に準備されたFeに対し0.5モル%を含む
ようにクエン酸三ナトリウム二水和物0.66gを添加して
得られた0.22mol/のNa2CO3水溶液4.17に加え(CO3/
Fe=2.0当量に該当する。)、温度60℃においてFeCO3
生成を行った。この時の鉄濃度は、Fe換算で0.1mol/
であった。上記FeCO3を含む水溶液中に引き続きN2ガス
を毎分15の割合で吹き込みながら85℃で30分間熟成処
理した後、温度85℃において毎分18の空気を1.0時間
通気して粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り、塩酸酸性に
調整した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応の
有無で判定した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。
この粒子粉末は、図3に示す透過型電子顕微鏡写真(×
100,000)から明らかな通り、平均径0.06μmであり、
また、走査型電子顕微鏡観察の結果、板状比(板面径と
厚みとの比)6:1の板状形態を呈した粒子からなり、
粒子表面並びに内部に空孔が存在していないものであっ
た。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、23.6m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが95Oe、飽和磁化σsが86.2emu/
g、角型比(σr/σs)が0.158であった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示すピ
ークのみからなり、マグネタイトのみからなっていた。
実施例3 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液1.00を、N2ガス流下にお
いて、反応器中に準備されたFeに対し0.5モル%を含む
ようにクエン酸三ナトリウム二水和物1.99gを添加して
得られた0.58mol/のNa2CO3水溶液3.50に加え(CO3/
Fe=1.5当量に該当する。)、温度85℃においてFeCO3
生成を行った。この時の鉄濃度は、Fe換算で0.3mol/
であった。上記FeCO3を含む水溶液中に、温度85℃にお
いて毎分18の空気を2.5時間通気して粒子を生成し
た。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り、塩酸酸性に
調整した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応の
有無で判定した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。
この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平均径
0.20μmであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、板状比
(板面径と厚みとの比)3:1の板状形態を呈した粒子
からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存在していない
ものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、9.8m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが84Oe、飽和磁化σsが88.2emu/
g、角型比(σr/σs)が0.106であった。
この粒子粉末は、X線回折の結果、マグネタイトを示す
ピークのみからなり、マグネタイトのみからなってい
た。
実施例4 Feに対し0.5モル%を含むようにクエン酸三ナトリウム
二水和物1.19gを添加して得られた硫酸第一鉄1.35mol/
水溶液0.60を、N2ガス流下において、反応器中に準
備された0.73mol/のNa2CO3水溶液3.90に加え(CO3/
Fe=3.5当量に該当する。)、温度85℃においてFeCO3
生成を行った。この時の鉄濃度は、Fe換算で0.18mol/
であった。上記FeCO3を含む水溶液中に引き続きN2ガス
を毎分15の割合で吹き込みながら85℃で30分間熟成処
理した後、温度85℃において毎分18の空気を2.0時間
通気して粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り、塩酸酸性に
調整した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応の
有無で判定した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。
この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平均径
0.15μmであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、板状比
(板面径と厚みとの比)6:1の板状形態を呈した粒子
からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存在していない
ものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、12.9m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが113Oe、飽和磁化σsが87.5emu
/g、角型比(σr/σs)が0.152であった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示すピ
ークのみからなり、マグネタイトのみからなっていた。
実施例5 硫酸第一鉄1.35mol/水溶液1.33を、N2ガス流下にお
いて、反応器中に準備されたFeに対し0.2モル%を含む
ようにクエン酸三ナトリウム二水和物1.06gを添加して
得られた0.71mol/のNa2CO3水溶液3.17に加え(CO3/
Fe=1.25当量に該当する。)、温度60℃においてFeCO3
の生成を行った。この時の鉄濃度は、Fe換算で0.40mol/
であった。上記FeCO3を含む水溶液中に引き続きN2
スを毎分15の割合で吹き込みながら90℃で30分間熟成
処理した後、温度90℃において毎分18の空気を3.5時
間通気して粒子を生成した。
酸化反応終点は、反応液の一部を抜き取り、塩酸酸性に
調整した後、赤血塩溶液を用いてFe2+の青色呈色反応の
有無で判定した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。
この粒子粉末は、透過型電子顕微鏡観察の結果、平均径
0.22μmであり、走査型電子顕微鏡観察の結果、板状比
(板面径と厚みとの比)4:1の板状形態を呈した粒子
からなり、粒子表面並びに内部に空孔が存在していない
ものであった。
また、この粒子粉末のBET比表面積は、10.3m2/gであ
り、磁性は、保磁力Hcが98Oe、飽和磁化σsが87.0emu/
g、角型比(σr/σs)が0.141であった。
この粒子粉末はX線回折の結果、マグネタイトを示すピ
ークのみからなり、マグネタイトのみからなっていた。
比較例1 硫酸第一鉄を、クエン酸三ナトリウム二水和物を含む1.
08mol/のNa2CO3水溶液3.67に加え(CO3/Fe=3.5当
量)た以外は実施例1と同様にして水溶液中から粒子を
生成させた。生成粒子は、常法により別、水洗、乾
燥、粉砕した。この粒子粉末は、図4に示す透過型電子
顕微鏡写真(×30,000)から明らかな通り、板状粒子と
紡錘状粒子とが混在したものであった。また、図5のX
線回折図に示される通り、マグネタイトとヘマタイトと
のピークを示していた。
図7中、ピークAはマグネタイト、ピークBはヘマタイ
トである。
比較例2 クエン三ナトリウム二水和物を添加しなかった以外は、
実施例1と同様にして水溶液中から粒子を生成させた。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。
この粒子粉末は、図6に示す透過型電子顕微鏡写真(×
30,000)から明らかな通り、板状粒子、粒状粒子及び針
状粒子が混在したものであった。
また、図7のX線回折図に示される通り、マグネタイ
ト、ヘマタイト及びゲータイトのピークを示していた。
図7中、ピークAはマグネタイト、ピークBはヘマタイ
ト、ピークCはゲータイトである。
比較例3 クエン酸三ナトリウム二水和物の添加量を9.9g(Feに
対し3.0モル%に該当する。)とした以外は、実施例1
と同様にして水溶液中から粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。
この粒子粉末の磁性は、保磁力Hcが110Oe、飽和磁化σ
sが72.2emu/g、角型比(σr/σs)が0.140であった。
比較例4 熟成温度と酸化温度を70℃とした以外は、実施例1と同
様にして水溶液中から粒子を生成した。
生成粒子は、常法により別、水洗、乾燥、粉砕した。
透過型電子顕微鏡観察の結果、板状粒子、粒状粒子及び
針状粒子が混在したものであった。また、X線回折の結
果、マグネタイト、ヘマタイト及びゲータイトのピーク
を示していた。
〔効果〕
本発明に係るマグネタイト粒子粉末は、前出実施例に示
した通り、板状形態を呈した微細な、殊に、0.5μm以
下の粒子であって、且つ、水溶液中から直接生成させた
ものであることに起因して、無孔且つ無焼結であるか
ら、ビヒクル中又は樹脂中への充填密度が高く、分散
性、配向性に優れ、粒子相互間における接触率が高いも
のであり、電磁波吸収、シールド材用材料粉末、磁気記
録用磁性材料粉末、塗料用黒色顔料粉末及びゴム・プラ
スチック用着色剤として好適である。
【図面の簡単な説明】
図1、図3、図4及び図6は、いずれも電子顕微鏡写真
である。図1及び図3は、それぞれ実施例1、実施例2
で得られた板状マグネタイト粒子粉末、図4は、比較例
1で得られた板状マグネタイト粒子と紡錘状ヘマタイト
粒子との混合粉末、図6は、比較例2で得られた板状マ
グネタイト粒子、粒状ヘマタイト粒子及び針状ゲータイ
ト粒子の混合粉末である。 図2、図5及び図7は、いずれもX線回折図であり、図
2、図5及び図7は、それぞれ実施例1、比較例1及び
比較例2で得られた粒子粉末である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均径が0.03〜0.5μmであって比表面積
    が7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板状マグネタイト
    粒子からなる板状マグネタイト粒子粉末。
  2. 【請求項2】第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを
    反応させて得られたFeCO3を含む水溶液に酸素含有ガス
    を通気して酸化するにあたり、前記第一鉄塩水溶液と該
    第一鉄塩水溶液中の第一鉄塩に対する炭酸アルカリの当
    量比が1当量以上であって、一般式 で表される値以下である量の前記炭酸アルカリ水溶液と
    を反応させ、且つ、あらかじめ前記第一鉄塩水溶液、前
    記炭酸アルカリ水溶液及び酸素含有ガスを通気して酸化
    する前の前記FeCO3を含む水溶液のいずれかにFeに対し
    0.01〜2.0モル%のクエン酸又はその塩を添加し、次い
    で、75〜100℃の温度範囲で酸素含有ガスを通気して酸
    化することにより水溶液中から板状マグネタイト粒子を
    生成させることを特徴とする平均径が0.03〜0.5μmで
    あって比表面積が7〜30m2/gである無孔且つ無焼結の板
    状マグネタイト粒子粉末の製造法。
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