JP2945460B2 - 粒状マグネタイト粒子粉末の製造法 - Google Patents

粒状マグネタイト粒子粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、高い保磁力と大きな残留磁化とを有し、し
かも、これら両特性を所望の値に制御することが出来る
粒状マグネタイト粒子粉末の製造法に関するものであ
る。
本発明に係る粒状マグネタイト粒子粉末の主な用途
は、磁性トナー用、磁気記録媒体用、磁性インク文字認
識Magnetic Ink Character Recorgnition(以下、MICR
という。)用材料粒子粉末である。
〔従来の技術〕
粒状マグネタイト粒子粉末は、黒色で優れた分散性を
有する強磁性粒子であることから、樹脂中に混合分散さ
せて5〜25μmの複合体粒子とすることにより静電複写
の為の磁性トナー用材料粒子粉末として使用されてい
る。
また、粒状マグネタイト粒子粉末は、磁気的に等方性
である粒子形態を備えていることから、ビヒクル中に混
合分散させて磁性塗料とし、該磁性塗料をソノシート状
のポリエステルベースの片面或いは両面に塗布して、磁
気記録媒体、特にフロッピーディスク用材料粒子粉末と
して使用されている。
更に、近時、小切手等に通常の文字による記載事項と
同時に暗号化した情報を高速レーザープリンタを用いて
印刷することが試みられているが、この印刷システムに
おいて粒状マグネタイト粒子を樹脂中に分散混合させて
得られる複合体粒子を印刷用磁性トナーとして用いる等
MICR用材料粒子粉末としての使用が期待されている。
上記いずれの分野においても高性能化、高品質化の為
の要求はとどまるところがなく、材料粒子粉末である粒
子マグネタイト粒子粉末についても保磁力及び残留磁化
の向上が重要視されているが、周辺機器や他材料、他特
性との重ね合いからの制約が伴い、高い保持力と大きな
残留磁化を有するとともに、用途目的に応じてこれらを
適当な値に制御できることが強く要求されている。
この事実は、磁性トナー用材料粒子粉末としての粒状
マグネタイト粒子粉末に関して言えば、特開昭61−6353
2号公報の「組成FeOx(ここで1.33≦x≦1.5)の磁性酸
化鉄顔料は静電写真複写方法のため‥‥‥の磁性トナー
の製造に対して使用される。約80〜130 Oeの保磁力(Co
ercive field Strengths)(IHc)を有する等軸磁性顔
料が、その目的に対する通常の方法において広く用いら
れている。しかしながら、最近の1成分トナーにおいて
は、これらの顔料に対してさらに大きな要求がなされて
いる。それ故、その保磁力は180〜250 Oe又はそれ以上
の範囲内でなければならない。」なる記載の通りであ
る。
また、磁気記録媒体、特にフロッピーディスク用材料
粒子粉末としての粒状マグネタイト粒子粉末に関して言
えば、特公昭61−31057号公報の「高記録密度特性、高
出力特性及び再生出力の安定性が要求されている。フロ
ッピーディスクに対する上記の要求を満足させるために
適した磁気記録用磁性粒子粉末の特性は、高い保磁力Hc
‥‥を有し‥‥」、「本発明によれば、高保磁力、殊に
130 Oe以上を有する磁気的に等方性の粒状マグネタイト
粒子粉末を得ることができるので、現在最も要求されて
いる‥‥磁気記録媒体、特にフロッピーディスク用磁性
粉末として使用することができる。」なる記載の通りで
ある。
更に、MICR用材料粒子粉末としての粒状マグネタイト
粒子粉末は、出力特性を考慮すれば、残留磁化が12〜20
emu/g、好ましくは14〜18emu/g程度であることが要求さ
れている。
従来、粒状マグネタイト粒子粉末の製造法としては、
Fe2+を含む水溶液中から合成する、所謂湿式法が知られ
ている。
即ち、粒状マグネタイト粒子は、硫酸第一鉄等の第一
鉄塩水溶液と水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等のア
ルカリ性水溶液とを混合して得られたFe(OH)又はFe
CO3等のFe含有沈澱物を含む水溶液に60〜100℃の温度範
囲において酸化性ガスを通気して黒色沈澱物を生成さ
せ、次いで、酸根等を水洗除去した後、変色させない様
に乾燥することにより製造される。
また、高い保磁力と大きな残留磁化を有する粒状マグ
ネタイト粒子を製造する為の方法として、上記湿式法に
より得られた粒状マグネタイト粒子を出発物粒子とし、
該出発物粒子を酸化性雰囲気中で加熱酸化して粒状ヘマ
タイト粒子とし、次いで還元性雰囲気中で加熱還元する
方法が知られている(前出特公昭61−31057号公報、特
公平1−36864号公報、前出特開昭61−63532号公報。
〔発明が解決しようとする課題〕
高い保磁力と大きな残留磁化を有するとともに用途目
的に応じてこれら両特性を適当な値に制御することがで
きる粒状マグネタイト粒子粉末は、現在最も要求されて
いるところであるが、前出湿式法により得られた粒状マ
グネタイト粒子粉末は、保磁力が50〜120 Oe程度と低
く、また、残留磁化が高々11〜12emu/g程度と小さいも
のであった。
また、前出特公昭61−31057号公報、特公平1−36864
号公報及び前出特開昭61−63532号公報に記載の方法に
よる場合には、130 Oe以上の高い保磁力と11〜12emu/g
以上の大きな残留磁化を有する粒状マグネタイト粒子粉
末が得られるが、用途目的に応じて所望の値に制御する
ことは困難であった。
そこで、本発明は、高い保磁力と大きな残留磁化を有
するとともに、用途目的に応じてこれら両特性が適当な
値に制御された粒状マグネタイト粒子粉末を得ることを
技術的課題とする。
〔課題を解決する為の手段〕
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成で
きる。
即ち、本発明は、Fe2+を含む水溶液中から合成された
Al又はSi若しくはAl及びSiを含有する粒状マグネタイト
粒子、Fe2+を含む水溶液中から合成された粒状マグネタ
イト粒子の粒子表面がAl化合物又はSi化合物若しくは当
該両化合物によって被覆されている粒子並びにFe2+を含
む水溶液中から合成されたAl又はSi若しくはAl及びSiを
含有する粒状マグネタイト粒子の粒子表面が前記化合物
によって被覆されている粒子のいずれかの粒子を酸化性
雰囲気中350℃以上700℃未満の温度範囲で加熱酸化する
か、又は必要により、当該加熱酸化に先立ってあらかじ
め200℃以上350℃未満の温度範囲で加熱酸化した後350
℃以上700℃未満の温度範囲で加熱酸化して前記Al又はS
i若しくはAl及びSiを含有する粒状マグヘマイト・ヘマ
タイト複合粒子、酸化された前記化合物が粒子表面に被
覆されている粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子又
は酸化された前記化合物が粒子表面に被覆されている前
記Al又はSi若しくはAl及びSiを含有する粒状マグヘマイ
ト・ヘマタイト複合粒子とし、次いで該粒状マグヘマイ
ト・ヘマタイト複合粒子を還元性雰囲気中250〜500℃の
温度範囲で加熱還元することからなる粒状マグネタイト
粒子粉末の製造法である。
次に、本発明実施にあたっての諸条件について述べ
る。
本発明における粒状マグネタイト粒子は、湿式法によ
り得られた平均粒子径が0.1〜0.5μmの六面体、八面
体、多面体、球状等各種形状を呈する粒状マグネタイト
粒子が用いられる。
尚、湿式法には、前述した方法の他に周知の所謂、共
沈法と言われる方法があり、この方法によって得られた
粒状マグネタイト粒子も同様に出発物粒子として用いる
ことができる。
共沈方法は、硫酸第一鉄等の第一鉄塩水溶液と硫酸第
二鉄等の第二鉄塩水溶液を用い、Fe2+:Fe3+が1:2となる
混合鉄水溶液を調整し、該混合鉄水溶液中にNaOH等のア
ルカリ性水溶液を1当量以上添加して50〜100℃の温度
範囲で加熱混合する方法である。
本発明におけるAl又はSi若しくはAl及びSiを含有する
粒状マグネタイト粒子は、前出湿式法において、第一鉄
塩水溶液、アルカリ性水溶液、酸化性ガスを通気する前
のFe(OH)又はFeCO3等のFe含有沈澱物を含む水溶
液、又は粒状マグネタイト粒子の生成反応中のいずれか
の水溶液中に、Al化合物又はSi化合物若しくは当該両化
合物を添加することにより得られる。
添加量は、生成するマグネタイト量子に対しAl2O3
はSiO2換算で0.1〜5.0重量%である。
0.1重量%未満の場合には、粒子の変形と粒子相互間
の焼結が生じ好ましくない。
5.0重量%を越える場合には、ヘマタイト化が生起し
にくく、粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子中のヘ
マタイト量の制御が困難となり、本発明の目的とする保
磁力及び残留磁化が適当な値に制御された粒状マグネタ
イト粒子粉末を得ることが困難となる。また、還元反応
の進行が生起しにくくなる。
Al化合物としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニ
ウム、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等が使
用できる。
Si化合物としては、水ガラス、ケイ酸カリウム、ケイ
酸ナトリウム、コロイダルシリカ等が使用できる。
本発明における粒状マグネタイト粒子の被覆は、Al又
はSi若しくはAl及びSiを含有するか又は含有しない粒状
マグネタイト粒子をAl化合物又はSi化合物若しくはAl化
合物及びSi化合物の水溶液に浸漬させる方法、又は、Al
又はSi若しくはAl及びSiを含有するか又は含有しない粒
状マグネタイト粒子をAl化合物又はSi化合物若しくはAl
化合物及びSi化合物の水溶液に浸漬させた後、酸性水溶
液又はアルカリ性水溶液を添加して、Alの水酸化物、酸
化水酸化物の形態又はSiの酸化物、水酸化物の形態で前
記粒状マグネタイト粒子の粒子表面に沈着させる方法の
いずれの方法でもよいが、後者が好ましい。
本発明における被覆化合物の添加量は、出発物粒子で
ある粒状マグネタイト粒子に対しAl2O3又はSiO2換算で
0.1〜2.0重量%である。
0.1重量%未満の場合には、粒子の変形と粒子相互間
の焼結が生じ好ましくない。
2.0重量%を越える場合には、ヘマタイト化が生起し
にくく、粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子中のヘ
マタイト量の制御が困難となり、本発明の目的とする保
磁力及び残留磁化が適当な値に制御された粒状マグネタ
イト粒子粉末を得ることが困難となる。また、還元反応
の進行が生起しにくくなる。
Al化合物及びSi化合物としては、前出と同様のAl化合
物及びSi化合物が使用できる。
本発明における加熱酸化温度は、350℃以上700℃未満
である。
350℃未満の場合には、粒状マグヘマイト・ヘマタイ
ト複合粒子中のヘマタイト量の生成が不十分となり、保
磁力及び残留磁化が低い粒状マグネタイト粒子が得られ
る。
700℃以上の場合には、粒状マグヘマイト・ヘマタイ
ト複合粒子が得られず、粒状ヘマタイト粒子が生成する
為、得られる粒状マグネタイト粒子の保磁力及び残留磁
化の制御が困難となる。
本発明においては、必要により350℃以上700℃未満の
加熱酸化に先立ってあらかじめ200℃以上350℃未満の温
度範囲で加熱酸化して粒状マグネタイト粒子の発熱を充
分生起させておくことにより粒状マグヘマイト・ヘマタ
イト粒子への変態時における温度調整が容易となり、粒
状マグヘマイト・ヘマタイト粒子中のヘマタイト量の制
御が容易となる。
200℃未満の場合には、粒状マグネタイト粒子の発熱
反応を生起させるのに長時間を要する。粒状マグネタイ
ト粒子の発熱は350℃未満で十分であり、これ以上の温
度にする意味がない。
本発明における加熱還元温度は250〜500℃である。
250℃未満の場合には、還元反応の進行が遅く、粒状
マグネタイト粒子の生成に長時間を要する。
500℃を越える場合には、還元反応が急激に進行して
粒子の変形と、粒子及び粒子相互間の焼結を引き起こし
てしまう。
〔作用〕
本発明において最も重要な点は、Fe2+を含む水溶液中
から合成されたAl又はSi若しくはAl及びSiを含有する粒
状マグネタイト粒子、Fe2+を含む水溶液中から合成され
た粒状マグネタイト粒子の粒子表面がAl化合物又はSi化
合物若しくは当該両化合物によって被覆されている粒子
並びにFe2+を含む水溶液中から合成されたAl又はSi若し
くはAl及びSiを含有する粒状マグネタイト粒子の粒子表
面が前記化合物によって被覆されている粒子のいずれか
の粒子を酸化性雰囲気中350℃以上700℃未満の温度範囲
で加熱酸化して前記Al又はSi若しくはAl及びSiを含有す
る粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子、酸化された
前記化合物が粒子表面に被覆されている粒状マグヘマイ
ト・ヘマタイト複合粒子又は酸化された前記化合物が粒
子表面に被覆されている前記Al又はSi若しくはAl及びSi
を含有する粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子と
し、次いで該粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子を
還元性雰囲気中250〜500℃の温度範囲で加熱還元した場
合には、前記粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子中
のヘマタイト量に対応した保磁力及び残留磁化を有する
粒状マグネタイト粒子が得られるという事実である。
今、本発明者が行った数多くの実験例からその一部を
抽出して説明すれば、以下の通りである。
図1及び図2は、それぞれ粒状マグヘマイト・ヘマタ
イト複合粒子中のヘマタイト量を種々変化させることに
より得られた粒状マグネタイト粒子の保磁力及び残留磁
化と粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子中のヘマタ
イト量との関係を示したものである。
尚、粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子中のヘマ
タイト量は、粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子の
飽和磁化の測定値を用いて表した。飽和磁化が小さくな
る程、非磁性のヘマタイト量が増加していることを意味
している。
図1及び図2中、線A乃至Cは、後出表1に示す出発
物粒子のうち、線Aは粒状マグネタイト粒子(I)、線
Bは粒状マグネタイト粒子(II)、線Cは粒状マグネタ
イト粒子(III)を用いて、それぞれ、400〜650℃の各
種温度で加熱酸化した以外は後出実施例1、実施例2及
び実施例3と同様にして得られた各種粒状マグネタイト
粒子の保磁力値及び残留磁化値と粒状マグヘマイト・ヘ
マタイト複合粒子の飽和磁化値との関係を示したもので
ある。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
尚、前出実施例、以下の実施例並びに比較例における
粒子の形状は電子顕微鏡によって観察したものである。
粒子粉末の磁気特性は、「振動試料型磁力型VSM−3S
−15」(東英工業(株)製)を用いて外部磁場10KOeの
下で測定した値である。
<出発物粒子の種類> Fe2+を含む水溶液を用いて酸化反応をする湿式法によ
り製造した粒状マグネタイト粒子粉末の諸特性を表1に
示した。
<粒状マグネタイト粒子の製造> 実施例1 粒状マグネタイト粒子粉末(I)1kgを10の水に添
加混合して得られた懸濁液に水酸化ナトリウムを添加し
てpH11とした後、3号水ガラス(徳山曹達(株)製、Si
量はSiO2換算で29重量%に該当する。)17.2g(出発物
粒子に対しSiO2換算で0.5重量%に該当する。)を添加
し、次いで撹拌、混合した後、硫酸を添加してpH9に調
整し、前記粒状マグネタイト粒子の表面にSi化合物を析
出させた黒色沈澱粒子を得た。
上記黒色沈澱粒子を含む懸濁液を常法により過、水
洗、乾燥した。
得られた黒色粒子表面に存在しているSi化合物の量
は、蛍光X線分析の結果、SiO2換算で0.25重量%であっ
た。
上記粒子表面がSi化合物で被覆されている粒状マグネ
タイト粒子粉末1kgを3の一端開放型レトルト容器中
に投入し、駆動回転させながら空気を毎分5の割合で
通気し、520℃で90分間加熱酸化して粒状マグヘマイト
・ヘマタイト複合粒子粉末とした。
上記粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子粉末の一
部を取り出し、飽和磁化を測定した結果、7.4emu/gであ
った。
次に、レトルト内をN2ガスで置換した後、通気ガスを
毎分2のH2ガスに切換え、350℃の温度で180分間加熱
還元して粒状マグネタイト粒子粉末を得た。
得られた粒状マグネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観
察の結果、平均径0.35μmであり、出発物粒子であるマ
グネタイト粒子の粒子形態を継承し、粒子一個一個バラ
バラに独立したものであった。
また、磁気測定の結果、保磁力Hcは221 Oe、残留磁化
σγは18.0emu/gであった。
実施例2 粒状マグネタイト粒子粉末(II)1kgを10の水に添
加混合して得られた懸濁液に水酸化ナトリウムを添加し
てpH9とした後、3号水ガラス17.2g(出発物粒子に対し
SiO2換算で0.5重量%に該当する。)及び硫酸アルミニ
ウム(米山薬品工業(株)製)、Al量はAl2O3換算で30
重量%に該当する。)16.7g(出発物粒子に対しAl2O3
算で0.5重量%に該当する。)を添加し、次いで、撹
拌、混合した後、硫酸を添加してpH7に調整し、前記粒
状マグネタイト粒子の表面にSi化合物とAl化合物を析出
させた黒色沈澱粒子を得た。
上記黒色沈澱粒子を含む懸濁液を、常法により過、
水洗、乾燥した。
得られた黒色粒子表面に存在しているSi量及びAl量
は、蛍光X線分析の結果、SiO2換算で0.54重量%、Al2O
3換算で0.34重量%であった。
上記粒子表面がSi化合物及びAl化合物で被覆されてい
る粒状マグネタイ粒子粉末1kgを3の一端開放型レト
ルト容器中に投入し、駆動回転させながら空気を毎分5
の割合で通気し、530℃で60分間加熱酸化して粒状マ
グヘマイト・ヘマタイト複合粒子粉末とした。
上記粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子粉末の一
部を取り出し、飽和磁化を測定した結果、28.3emu/gで
あった。
次に、レトルト内をN2ガスで置換した後、通気ガスを
毎分5のH2ガスに切換え、350℃の温度で180分間加熱
還元して粒状マグネタイト粒子粉末を得た。
得られた粒状マグネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観
察の結果、平均径0.28μmであり、出発物粒子であるマ
グネタイト粒子の粒子形態を継承し、粒子一個一個バラ
バラに独立したものであった。
また、磁気測定の結果、保磁力Hcは178 Oe、残留磁化
σγは13.4emu/gであった。
実施例3 実施例2と同様にして得られた粒子表面がAl化合物で
被覆されている粒状マグネタイト粒子粉末(III)1kgを
3の一端開放型レトルト容器中に投入し、駆動回転さ
せながら空気を毎分5の割合で通気し、530℃で90分
間加熱酸化して粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子
粉末とした。
上記粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子粉末の一
部を取り出し、飽和磁化を測定した結果、25.0emu/gで
あった。
次に、レトルト内をN2ガスで置換した後、通気ガスを
毎分2のH2ガスに切換え、350℃の温度で120分間加熱
還元して粒状マグネタイト粒子粉末を得た。
得られた粒状マグネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観
察の結果、平均径0.30μmであり、出発物粒子であるマ
グネタイト粒子の粒子形態を継承し、粒子一個一個バラ
バラに独立したものであった。
また、磁気測定の結果、保磁力Hcは215 Oe、残留磁化
σγは17.6emu/gであった。
実施例4〜10、比較例1〜8 粒状マグネタイト粒子の種類、被覆物質の種類及び
量、加熱酸化処理の酸化温度及び酸化時間、前段加熱の
有無並びに粒状マグネタイト粒子の製造時における還元
温度及び還元時間を種々変化させた以外は、実施例1と
同様にして粒状マグネタイト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び諸特性を表2に示す。
〔発明の効果〕 本発明における粒状マグネタイト粒子粉末の製造法に
よれば、前出実施例に示した通り、高い保磁力と大きな
残留磁化を有し、粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒
子中のヘマタイト量に対応した所望の保磁力値及び残留
磁化値を有する粒状マグネタイト粒子を得ることができ
るので、磁気トナー用材料粒子粉末、磁気記録媒体用材
料粒子粉末及びMICR用材料粒子粉末として好適である。
【図面の簡単な説明】
図1及び図2は、それぞれ粒状マグヘマイト・ヘマタイ
ト複合粒子中のヘマタイト量を種々変化させることによ
り得られた粒状マグネタイト粒子の保磁力及び残留磁化
と粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒子中のヘマタイ
ト量との関係を示したものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 49/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Fe2+を含む水溶液中から合成されたAl又は
    Si若しくはAl及びSiを含有する粒状マグネタイト粒子、
    Fe2+を含む水溶液中から合成された粒状マグネタイト粒
    子の粒子表面がAl化合物又はSi化合物若しくは当該両化
    合物によって被覆されている粒状並びにFe2+を含む水溶
    液中から合成されたAl又はSi若しくはAl及びSiを含有す
    る粒状マグネタイト粒子の粒子表面が前記化合物によっ
    て被覆されている粒子のいずれかの粒子を酸化性雰囲気
    中350℃以上700℃未満の温度範囲で加熱酸化して前記Al
    又はSi若しくはAl及びSiを含有する粒状マグヘマイト・
    ヘマタイト複合粒子、酸化された前記化合物が粒子表面
    に被覆されている粒状マグヘマイト・ヘマタイト複合粒
    子又は酸化された前記化合物が粒子表面に被覆されてい
    るAl又はSi若しくはAl及びSiを含有する粒状マグヘマイ
    ト・ヘマタイト複合粒子とし、次いで該粒状マグヘマイ
    ト・ヘマタイト複合粒子を還元性雰囲気中250〜500℃の
    温度範囲で加熱還元することを特徴とする粒状マグネタ
    イト粒子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】350℃以上700℃未満の加熱酸化に先立って
    あらかじめ200℃以上350℃未満の温度範囲で加熱酸化し
    ておくことを特徴とする請求項1記載の粒状マグネタイ
    ト粒子粉末の製造法。
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