JP3003777B2 - 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法 - Google Patents

紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

Info

Publication number
JP3003777B2
JP3003777B2 JP9149973A JP14997397A JP3003777B2 JP 3003777 B2 JP3003777 B2 JP 3003777B2 JP 9149973 A JP9149973 A JP 9149973A JP 14997397 A JP14997397 A JP 14997397A JP 3003777 B2 JP3003777 B2 JP 3003777B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
spindle
axis diameter
shaped
aqueous solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9149973A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1064713A (ja
Inventor
篤 竹土井
守 谷原
俊治 原田
勝 礒合
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toda Kogyo Corp
Original Assignee
Toda Kogyo Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toda Kogyo Corp filed Critical Toda Kogyo Corp
Priority to JP9149973A priority Critical patent/JP3003777B2/ja
Publication of JPH1064713A publication Critical patent/JPH1064713A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3003777B2 publication Critical patent/JP3003777B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compounds Of Iron (AREA)
  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒度が均斉であって、
樹枝状粒子が混在しておらず、且つ、軸比(長軸径/短
軸径)が大きく、しかも転写特性が優れている紡錘形を
呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化
が進むにつれて、磁気テープ、磁気ディスク等の記録媒
体に対する高性能化の必要性が益々生じてきている。即
ち、高記録密度、高感度特性及び高出力特性等が要求さ
れる。
【0003】磁気記録媒体に対する上記のような要求を
満足させる為に要求される磁性酸化鉄粒子粉末の特性
は、高い保磁力と優れた分散性を有することである。
【0004】即ち、磁気記録媒体の高感度化及び高出力
化の為には、磁性酸化鉄粒子粉末が出来るだけ高い保磁
力を有することが必要であり、この事実は、例えば、株
式会社総合技術センター発行「磁性材料の開発と磁粉の
高分散化技術」(1982年) の第310 頁の「磁気テープ性
能の向上指向は、高感度化と高出力化‥‥にあったか
ら、針状γ-Fe2O3粒子粉末の高保磁力化‥‥を重点とす
るものであった。」なる記載から明らかである。
【0005】また、磁気記録媒体の高記録密度の為に
は、前出「磁性材料の開発と磁粉の高分散化技術」第31
2 頁の「塗布型テープにおける高密度記録のための条件
は、短波長信号に対して、低ノイズで高出力特性を保持
できることであるが、その為には保磁力Hcと残留磁化Br
が共に大きいことと塗布膜の厚みがより薄いことが必要
である。」なる記載の通り、磁気記録媒体が高い保磁力
と大きな残留磁化Brを有することが必要であり、その為
には磁性酸化鉄粒子粉末が高い保磁力を有し、ビークル
中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性が優れてい
ることが要求される。
【0006】磁気記録媒体の残留磁化Brは、磁性酸化鉄
粒子粉末のビークル中での分散性、塗膜中での配向性及
び充填性に依存しており、これら特性の向上の為には、
ビークル中に分散させる磁性酸化鉄粒子粉末ができるだ
け大きな軸比(長軸径/短軸径)を有し、しかも粒度が
均斉であって、樹枝状粒子が混在していないことが要求
される。
【0007】また周知のごとく、磁性酸化鉄粒子粉末の
保磁力の大きさは、形状異方性、結晶異方性、歪異方性
及び交換異方性のいずれか、若しくはそれらの相互作用
に依存している。
【0008】現在、磁気記録用磁性粒子粉末として使用
されている針状晶マグネタイト粒子粉末、又は、針状晶
マグヘマイト粒子粉末は、その形状に由来する異方性を
利用すること、即ち、軸比(長軸径/短軸径)を大きく
することによって比較的高い保磁力を得ている。
【0009】これら既知の針状晶マグネタイト粒子粉
末、又は、針状晶マグヘマイト粒子粉末は、出発原料で
あるゲータイト粒子を、水素等還元性ガス中 250〜 400
℃で還元してマグネタイト粒子とし、または次いでこれ
を、空気中 200〜 300℃で酸化してマグヘマイト粒子と
することにより得られている。
【0010】上述した通り、粒度が均斉であって、樹枝
状粒子が混在しておらず、しかも軸比(長軸径/短軸
径)が大きい磁性酸化鉄粒子粉末は、現在、最も要求さ
れているところであり、このような特性を備えた磁性酸
化鉄粒子粉末を得るためには、出発原料であるゲータイ
ト粒子粉末の粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混在し
ておらず、しかも、軸比(長軸径/短軸径)が大きいこ
とが必要である。
【0011】従来、出発原料であるゲータイト粒子粉末
を製造する方法としては、第一鉄塩溶液に当量以上のア
ルカリ溶液を加えて得られる水酸化第一鉄粒子を含む溶
液をpH11以上にて80℃以下の温度で酸素含有ガスを通気
して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト粒子を生
成させる方法 (特公昭39-5610 号公報) 、及び、第一鉄
塩水溶液と炭酸アルカリとを反応させて得られたFeCO3
を含む水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行う
ことにより紡錘形を呈したゲータイト粒子を生成させる
方法 (特開昭50-80999号公報) 等が知られている。
【0012】近時、磁性酸化鉄粒子粉末の特性向上に対
する要求はとどまるところがなく、上述した粒度が均斉
であって、樹枝状粒子が混在しておらず、しかも、軸比
(長軸径/短軸径)が大きいことに加えて、更に、対接
する磁性層に記録信号が転写される現象、所謂、転写特
性の向上が強く望まれている。
【0013】転写特性は、日刊工業新聞社発行「電子技
術」 (1968年) 第10号第51頁の「‥‥粒子サイズの微小
化によるノイズレベルの低下につれて、転写効果が劣化
するという、好ましくない傾向があることが知られてお
り‥‥」なる記載の通り、磁性酸化鉄粒子粉末が微細化
する程、殊に、 0.3μm以下になると劣化する傾向にあ
る為、高記録密度、高感度特性及び高出力特性の要求に
伴って、用いられる磁性酸化鉄粒子粉末が益々微細化す
る傾向にある今日においては、大きな問題となってい
る。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】粒度が均斉であって、
樹枝状粒子が混在しておらず、且つ、軸比(長軸径/短
軸径)が大きく、しかも、転写特性の優れた磁性酸化鉄
粒子粉末は、現在、最も要求されているところである
が、出発原料であるゲータイト粒子粉末を製造する前述
公知方法のうち前者の方法による場合には、軸比(長軸
径/短軸径)の大きな、殊に、10以上の針状晶ゲータイ
ト粒子が生成するが、樹枝状粒子が混在しており、粒度
から言えば、均斉な粒度を有した粒子とは言い難く、ま
た、このゲータイト粒子を用いて得られた磁性酸化鉄粒
子粉末の転写特性も未だ満足できるものではない。
【0015】前述公知方法のうち後者の方法による場合
には、粒度が均斉であり、また、樹枝状粒子が混在して
いない紡錘形を呈した粒子が生成するが、一方、軸比
(長軸径/短軸径)は高々7程度であり、軸比(長軸径
/短軸径)の大きな粒子が生成し難いという欠点があ
り、殊に、この現象は生成粒子の長軸径が小さくなる程
顕著になるという傾向にある。また、このゲータイト粒
子を用いて得られた磁性酸化鉄粒子粉末の転写特性も未
だ満足できるものではない。
【0016】従来、紡錘形を呈したゲータイト粒子の軸
比(長軸径/短軸径)を大きくする方法は種々試みられ
ており、例えば特開昭59-232922 号公報に開示されてい
る第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて
得られたFeCO3 を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気する
にあたり、酸素含有ガスの通気速度を 0.1〜2.0cm/sec
程度に遅くするという方法がある。この方法によるとき
には、 0.5μm程度の場合における軸比(長軸径/短軸
径)は10程度、長軸径 0.3μm程度の場合における軸比
(長軸径/短軸径)は8程度であり、更に長軸径が小さ
くなって0.05μm程度になると軸比(長軸径/短軸径)
は5程度と小さくなってしまい、未だ軸比(長軸径/短
軸径)が十分大きなものとは言い難い。
【0017】また、特開昭62-158801 号公報の実施例に
おいて、軸比(長軸径/短軸径)が10の紡錘形を呈した
ゲータイト粒子が得られているが、これは、鉄濃度を0.
2 mol/l程度と薄くすることにより得られたものであ
り、未だ軸比(長軸径/短軸径)が十分大きなものとは
言い難い。
【0018】そこで、粒度が均斉であって、樹枝状粒子
が混在しておらず、且つ、軸比(長軸径/短軸径)が大
きく、しかも、転写特性の優れた紡錘形を呈した磁性酸
化鉄粒子粉末を得る為の技術手段の確立が強く要求され
ている。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は、粒度が均斉
であって、樹枝状粒子が混在しておらず、且つ、軸比
(長軸径/短軸径)が大きく、しかも、転写特性の優れ
た紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末を得るべく種々検
討を重ねた結果、本発明に到達したのである。
【0020】即ち、本発明は、炭酸アルカリ水溶液と第
一鉄塩水溶液とを反応させて得られたFeCO3を含む水溶
液を非酸化性雰囲気下において熟成した後、該FeCO3
含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化することに
より紡錘形を呈したゲータイト粒子を生成させるにあた
り、前記炭酸アルカリ水溶液の量を前記第一鉄塩水溶液
中のFeに対し1.5〜3.5倍当量とするとともに、前記熟成
における熟成温度を40〜60℃、且つ、熟成時間を50〜10
0 分間とすることにより、長軸径が0.15〜0.45μmであ
って、軸比(長軸径/短軸径)が11以上である紡錘形を
呈したゲータイト粒子を生成させ、該ゲータイト粒子若
しくはこれを加熱焼成して得られた紡錘形を呈したヘマ
タイト粒子を還元性ガス中で加熱還元して長軸径が0.
1〜0.29μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が
7以上である紡錘形を呈したマグネタイト粒子とする
か、又は、必要により、更に、酸化して長軸径が0.1
〜0.29μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が7
以上であるマグヘマイト粒子とすることからなる磁性酸
化鉄粒子粉末の製造法である。
【0021】また、本発明は、炭酸アルカリ水溶液と第
一鉄塩水溶液とを反応させて得られたFeCO3を含む水溶
液を非酸化性雰囲気下において熟成した後、該FeCO3
含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化することに
より紡錘形を呈したゲータイト粒子を生成させるにあた
り、前記炭酸アルカリ水溶液の量を前記第一鉄塩水溶液
中のFeに対し1.5〜3.5倍当量とするとともに、前記熟成
における熟成温度を40〜60℃、熟成時間を50〜100分間
とし、且つ、前記炭酸アルカリ水溶液、前記第一鉄塩水
溶液、前記FeCO3を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通気
して酸化する前の前記熟成を行わせているFeCO3を含む
懸濁液のいずれかに、あらかじめ亜鉛化合物を存在させ
ておくことにより、長軸径が0.15〜0.45μmであって、
軸比(長軸径/短軸径)が15以上である亜鉛を含有する
紡錘形を呈したゲータイト粒子を生成させ、該亜鉛を含
有するゲータイト粒子若しくはこれを加熱焼成して得ら
れた亜鉛を含有する紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還
元性ガス中で加熱還元して長軸径が0.1〜0.29μ
mであって、軸比(長軸径/短軸径)が8以上である
鉛を含有する紡錘形を呈したマグネタイト粒子とする
か、又は、必要により、更に、酸化して長軸径が0.1
〜0.29μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が8
以上である亜鉛を含有する紡錘形を呈したマグヘマイト
粒子とすることからなる磁性酸化鉄粒子粉末の製造法で
ある。
【0022】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、炭酸ア
ルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させて得られた
FeCO3 を含む懸濁液を非酸化性雰囲気下において熟成し
た後、該FeCO3 を含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気し
て酸化することにより紡錘形を呈したゲータイト粒子粉
末を生成させるにあたり、前記炭酸アルカリ水溶液の量
を前記第一鉄塩水溶液中のFeに対し 1.5〜 3.5倍当量と
するとともに、前記熟成における熟成温度を40〜60℃且
つ熟成時間を50〜100 分間とした場合には、長軸径0.15
〜0.45μmであって、樹枝状粒子が混在しておらず、且
つ、軸比(長軸径/短軸径)が大きく、殊に11以上を有
する紡錘形を呈したゲータイト粒子を得ることができ、
該紡錘形を呈したゲータイト粒子若しくはこれを加熱焼
成して得られた紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還元性
ガス中で加熱還元して得られた紡錘形を呈したマグネタ
イト粒子、必要により、更に、酸化して得られた紡錘形
を呈したマグヘマイト粒子は、長軸径が 0.1〜 0.29 μ
mであって、樹枝状粒子が混在しておらず、且つ、軸比
(長軸径/短軸径)が大きく、殊に7以上であり、且
つ、粒度が均斉であることに起因して、転写特性が優れ
ているという事実である。
【0023】また、上記紡錘形を呈したゲータイト粒子
を生成させる反応にあたり、炭酸アルカリ水溶液、第一
鉄塩水溶液、FeCO3 を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通
気して酸化する前の熟成を行わせているFeCO3 を含む懸
濁液のいずれかに、あらかじめ亜鉛化合物を存在させた
場合には、一層、軸比(長軸径/短軸径)を向上させる
ことが出来るため、長軸径 0.1〜0.45μmであって、樹
枝状粒子が混在しておらず、且つ、軸比(長軸径/短軸
径)が大きく、殊に15以上を有する紡錘形を呈したゲー
タイト粒子を得ることができ、該紡錘形を呈したゲータ
イト粒子若しくはこれを加熱焼成して得られた紡錘形を
呈したヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元して紡
錘形を呈したマグネタイト粒子、必要により、更に、酸
化して得られた紡錘形を呈したマグヘマイト粒子は、長
軸径が 0.1〜 0.29 μmであって、樹枝状粒子が混在し
ておらず、且つ、軸比(長軸径/短軸径)が大きく、殊
に8以上であり、且つ、粒度が均斉であることに起因し
て、転写特性が優れているという事実である。
【0024】本発明に係る製造法によれば、軸比(長軸
径/短軸径)7以上、好ましくは8以上、より好ましく
は9以上を有する紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末及
び軸比(長軸径/短軸径)8以上、好ましくは9以上、
より好ましくは10以上を有する亜鉛を含有する紡錘形を
呈した磁性酸化鉄粒子粉末を得ることができる。
【0025】本発明に係る製造法によれば、転写特性が
45dB以上を有する紡錘形を呈したマグネタイト粒子粉末
及び転写特性が53dB以上、殊に54dB以上を有する紡錘形
を呈したマグヘマイト粒子粉末を得ることができる。
【0026】今、本発明者が行った数多くの実験例から
その一部を抽出して説明すれば、以下の通りである。
【0027】図1は、マグヘマイト粒子粉末の長軸径と
転写特性の関係を示したものである。図1中、直線A、
直線B及び直線Cは、それぞれ本発明に係る紡錘形を呈
したマグヘマイト粒子粉末、前出特公昭39-5610 号公報
に記載の従来法によって得られた針状マグヘマイト粒子
粉末及び前出特開昭50-80999号公報に記載の従来法によ
り得られた紡錘形を呈したマグヘマイト粒子粉末の場合
である。図1に示される通り、本発明に係る紡錘形を呈
したマグヘマイト粒子粉末は、転写特性がすぐれたもの
である。
【0028】図2及び図3は、それぞれ硫酸亜鉛の存在
量と紡錘形を呈したゲータイト粒子の長軸及び軸比(長
軸径/短軸径)との関係を示したものである。
【0029】即ち、後出実施例5の反応条件下におい
て、硫酸亜鉛の存在量を0〜10.0重量%とした場合に得
られた紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の長軸及び軸
比(長軸径/短軸径)を縦軸に、硫酸亜鉛の存在量を横
軸に示したものである。
【0030】図2及び図3に示されるように、生成する
紡錘形を呈したゲータイト粒子の長軸は、硫酸亜鉛の存
在による影響が小さく、軸比(長軸径/短軸径)は、硫
酸亜鉛の存在量が増加する程大きくなる傾向にある。
【0031】このことから、亜鉛化合物は、生成する紡
錘形を呈したゲータイト粒子の短軸方向の成長を抑制す
る作用を有するものと考えられる。
【0032】尚、FeCO3 を含む懸濁液を非酸化性雰囲気
下で熟成するものとして、例えば、特公昭59-48768号公
報に開示されている方法があるが、この方法は、炭酸ア
ルカリ水溶液の量をFeに対し1.06倍量として生成したFe
CO3 を含む懸濁液を非酸化性雰囲気下、室温において 1
20〜 240分間処理することにより粒度の均斉な紡錘状を
呈したゲータイト粒子粉末を得るものであり、軸比(長
軸径/短軸径)の大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子
粉末を得ることを目的とする本発明とは全く相違するも
のである。
【0033】因に、特公昭59-48768号公報に記載の方法
によって得られる紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の
軸比(長軸径/短軸径)は、「実施例1」及び「実施例
2」の各実施例において、4程度である。
【0034】次に、本発明方法実施にあたっての諸条件
について述べる。
【0035】本発明において使用される第一鉄塩水溶液
としては、硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等があ
る。
【0036】本発明において使用される炭酸アルカリ水
溶液としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ア
ンモニウム等の水溶液を使用することができる。
【0037】本発明において使用する炭酸アルカリ水溶
液の量は、第一鉄塩水溶液中のFeに対し 1.5〜 3.5倍当
量である。 1.5倍当量未満の場合には、得られる紡錘形
を呈したゲータイト粒子粉末の粒度が不均斉となり、ま
た、粒子相互がからみあって凝集粒子を構成し、分散性
の悪いものとなる。 3.5倍当量を越える場合には、添加
量の増加に伴って軸比(長軸径/短軸径)が小さくなる
傾向にあり、軸比(長軸径/短軸径)の大きい紡錘形を
呈したゲータイト粒子粉末が得られ難くなり、また、高
価な炭酸アルカリ水溶液の使用量が多くなり、経済的で
はない。
【0038】本発明における熟成は、N2ガス等の不活性
ガスを液中に通気することにより不活性雰囲気下におい
て行い、また、当該通気ガスや機械的操作等により撹拌
しながら行う。
【0039】本発明におけるFeCO3 を含む懸濁液の熟成
温度は40〜60℃である。40℃未満の場合には、軸比(長
軸径/短軸径)が小さくなり、軸比(長軸径/短軸径)
の大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末が得られな
い。60℃を越える場合でも、軸比(長軸径/短軸径)の
大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末を得ることが
できるが、必要以上に熟成温度を上げる意味がない。
【0040】本発明におけるFeCO3 を含む懸濁液の熟成
時間は、50〜100 分間である。50分未満の場合には、軸
比(長軸径/短軸径)の大きい紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末を得ることができない。100 分を越える場合
にも軸比(長軸径/短軸径)の大きい紡錘形を呈したゲ
ータイト粒子粉末を得ることができるが必要以上に長時
間とする意味がない。
【0041】本発明における亜鉛化合物は、硫酸亜鉛、
塩化亜鉛等を用いることができる。
【0042】亜鉛化合物の存在量は、第一鉄塩水溶液中
のFeに対しZn換算で 0.3〜10.0原子%である。 0.3原子
%未満である場合には、軸比(長軸径/短軸径)がより
大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子を得ることができ
ない。10.0原子%を越える場合にも、軸比(長軸径/短
軸径)がより大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子を得
ることができるが、このゲータイト粒子を加熱還元、又
は、必要により、更に、酸化して得られた磁性酸化鉄粒
子の磁化値が低下する。紡錘形を呈したゲータイト粒子
の軸比(長軸径/短軸径)を考慮した場合、 0.5〜 8.0
原子%が好ましい。
【0043】添加した亜鉛化合物は、後出実施例に示す
通り、ほぼ全量が生成する紡錘形を呈したゲータイト粒
子中に含有される。亜鉛化合物は、生成する紡錘形を呈
したゲータイト粒子の軸比(長軸径/短軸径)に関する
ものであるから、FeCO3 を含む懸濁液中に酸素含有ガス
を通気して酸化する前に存在させておくことが必要であ
り、従って、その添加時期は、炭酸アルカリ水溶液、第
一鉄塩水溶液、FeCO3を含む懸濁液及び酸素含有ガスを
通気する前の熟成を行わせているFeCO3 を含む懸濁液の
いずれかであり、熟成を行わせているFeCO3 を含む懸濁
液に添加するのが最も効果的である。
【0044】本発明の酸化時における反応温度は、40〜
70℃である。40℃未満である場合には、紡錘形を呈した
ゲータイト粒子粉末を得ることができない。70℃を越え
る場合には、紡錘形を呈したゲータイト粒子中に粒状ヘ
マタイト粒子粉末が混在してくる。
【0045】本発明におけるpHは7〜11である。7未満
又は11を越える場合には、紡錘形を呈したゲータイト粒
子を得ることができない。
【0046】本発明における酸化手段は、酸素含有ガス
(例えば空気) を液中に通気することにより行い、ま
た、当該通気ガスや機械的操作等により撹拌しながら行
う。
【0047】本発明においては、従来から磁性酸化鉄粒
子粉末の各種特性の向上の為に、ゲータイト粒子の生成
に際し、通常添加されるCo、Ni、Cr、Zn、Al、Mn等のFe
以外の異種金属を添加することができ、この場合にも、
軸比(長軸径/短軸径)の大きい紡錘形を呈したゲータ
イト粒子粉末を得ることができる。
【0048】本発明における出発原料粒子としては、生
成した紡錘形を呈したゲータイト粒子はもちろん、該ゲ
ータイト粒子を常法により加熱脱水して得られる紡錘形
を呈したヘマタイト粒子、前記ゲータイト粒子を常法に
より非還元性雰囲気中 250〜700℃の温度範囲で加熱処
理することによって得られた高密度化された紡錘形を呈
したヘマタイト粒子のいずれをも使用することができ
る。
【0049】本発明における還元性ガス中における加熱
還元処理及び酸化処理は常法により行うことができる。
【0050】また、出発原料粒子は、加熱還元処理に先
立って周知の方法により、Si、Al、P 化合物等の焼結防
止効果を有する物質によって、あらかじめ被覆処理して
粒子及び粒子相互間の焼結を防止することにより、出発
原料粒子の粒子形状及び軸比(長軸径/短軸径)を保持
継承することが容易となる。
【0051】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。
【0052】尚、以下の実施例並びに比較例における粒
子の長軸径、軸比(長軸径/短軸径)は、いずれも電子
顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。
【0053】また、亜鉛含有量は、蛍光X線分析により
測定した値で示した。
【0054】転写特性は、転写実測値と長軸径を前出図
1中の直線Aから求めた下記の式に挿入し、長軸径 0.2
μmに補正した値で示した。 Q=40×( 0.2−A)+B 尚、Q=補正転写値、A=長軸径(μm)、B=転写実
測値
【0055】実測値は、社団法人粉体粉末冶金協会発行
「粉体および粉末冶金」(1979年)第26巻第4号第 149
頁及び社団法人電子通信学会発行「電子通信学会技術研
究報告」MR77-27 第2頁に記載の方法に準じて行った。
即ち、直径6mm、高さ5mmの円筒形容器につめた磁性酸
化鉄粒子粉末を50 Oe の磁界中、60℃で80分間保持して
磁化した後、室温まで冷却して、残留磁化Irp を測定
し、次いで、この試料に直流磁界をかけ、飽和残留磁化
値Irs を求め、次式によって計算したものである。 転写実測値P.T.=−20 log Irp/Irs
【0056】<紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の製
造> 実施例1〜8、比較例1〜6;
【0057】実施例1 毎秒3.4cm の割合でN2ガスを流すことによって非酸化性
雰囲気に保持された反応容器中に、1.16mol/lのNa2CO3
水溶液 704lを添加した後、Fe2+1.35mol/lを含む硫酸
第一鉄水溶液 296lを添加、混合 (Na2CO3量は、Feに対
し 2.0倍当量に該当する。) し、温度47℃においてFeCO
3 の生成を行った。
【0058】上記FeCO3 を含む懸濁液中に、引き続きN2
ガスを毎秒3.4cm の割合で吹き込みながら、温度47℃で
70分間保持した後、当該FeCO3 を含む懸濁液中に、温度
47℃において毎秒2.8cm の空気を 5.0時間通気して黄褐
色沈澱粒子を生成させた。尚、空気通気中におけるpHは
8.5〜 9.5であった。
【0059】黄褐色沈澱粒子を含む懸濁液の一部を、常
法により、濾別、水洗、乾燥、粉砕した。
【0060】得られた黄褐色粒子粉末は、X線回折の結
果、ゲータイトであり、図4に示す電子顕微鏡写真(×
30000)から明らかな通り、平均値で長軸径0.30μm 、軸
比(長軸径/短軸径)12.6の紡錘形を呈した粒子からな
り、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであっ
た。
【0061】上記紡錘形を呈したゲータイト粒子を含む
懸濁液を濾別、水洗したペースト3000g(紡錘形を呈し
たゲータイト粒子約1000gに相当する。)を60lの水中
に懸濁させた。この時の懸濁液のpHは 9.7であった。
【0062】次いで、上記懸濁液にヘキサメタリン酸ナ
トリウム20gを含む水溶液 300ml(紡錘形を呈したゲー
タイト粒子に対し 2.0wt%に相当する。)を添加して30
分間攪拌した後、懸濁液のpHが 5.8となるように10%の
酢酸を添加した後、プレスフィルターにより紡錘形を呈
したゲータイト粒子を濾別、乾燥して P化合物で被覆さ
れた紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末を得た。
【0063】実施例2〜4、比較例1〜5 FeCO3 の生成反応におけるN2ガス流量、炭酸アルカリ水
溶液の種類、濃度、使用量及び混合割合、Fe2+水溶液の
種類、濃度及び使用量、温度、熟成工程におけるN2ガス
流量、温度及び時間、酸化工程における温度、空気流量
及び反応時間並びに被覆処理工程における種類及び量を
種々変化させた以外は、実施例1と同様にして P化合物
又はSi化合物若しくは当該両化合物で被覆されている紡
錘形を呈したゲータイト粒子粉末を得た。
【0064】この時の主要製造条件及び諸特性を表1及
び表2に示す。
【0065】実施例2〜4で得られた紡錘形を呈したゲ
ータイト粒子粉末は、いずれも粒度が均斉で樹枝状粒子
が混在しないものであった。
【0066】尚、実施例3においては、FeCO3 の生成反
応にあたり、NiSO4 をNi/Fe 換算で0.5 原子%添加する
ことにより紡錘形を呈したNi含有ゲータイト粒子粉末
(Ni含有量はNi/Fe 換算で0.49原子%) を生成させた。
【0067】また、比較例1で得られた紡錘形を呈した
ゲータイト粒子粉末は図6の電子顕微鏡写真(×30000)
に示される通り、粒度が不均斉であり、且つ、粒子相互
がからみあって凝集粒子を構成していた。
【0068】比較例5で得られた紡錘形を呈したゲータ
イト粒子粉末は、図7の電子顕微鏡写真(×30000)に示
される通り、軸比(長軸径/短軸径)が小さいものであ
った。
【0069】実施例5 毎秒3.4cm の割合でN2ガスを流すことによって非酸化性
雰囲気に保持された反応容器中に、1.35mol/lのNa2CO3
水溶液 600lを添加した後、Fe2+1.35mol/lを含む硫酸
第一鉄水溶液 300lを添加、混合 (Na2CO3量は、Feに対
し 2.0倍当量に該当する。) し、温度47℃においてFeCO
3 の生成を行った。
【0070】上記FeCO3 を含む懸濁液中に、引き続きN2
ガスを毎秒3.4cm の割合で吹き込みながら、温度47℃で
60分間保持し、次いで、Feに対しZn 3.0原子%を含むよ
うに硫酸亜鉛水溶液 5.0lを添加した後、更に10分間保
持した。熟成後のFeCO3 を含む懸濁液中に、温度47℃に
おいて毎秒2.8cm の空気を 6.0時間通気して黄褐色沈澱
粒子を生成させた。尚、空気通気中におけるpHは 8.5〜
9.5であった。
【0071】黄褐色沈澱粒子を含む懸濁液の一部を、常
法により、濾別、水洗、乾燥、粉砕した。
【0072】得られた黄褐色粒子粉末は、X線回折の結
果、ゲータイトであり、図5に示す電子顕微鏡写真(×
30000)から明らかな通り、平均値で長軸径0.29μm 、軸
比(長軸径/短軸径)17.0の紡錘形を呈した粒子からな
り、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであっ
た。また、亜鉛含有量は、Feに対しZn 3.0原子%であっ
た。
【0073】上記紡錘形を呈したゲータイト粒子を含む
懸濁液を濾別、水洗したペースト3000g(紡錘形を呈し
たゲータイト粒子約1000gに相当する。)を60lの水中
に懸濁させた。この時のpHは 9.8であった。
【0074】この懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号水ガ
ラス)20g(紡錘形を呈したゲータイト粒子に対し 2.0
wt%に相当する。)を添加し60分間攪拌した後、懸濁液
のpHが 5.8となるように10%の酢酸を添加した後、プレ
スフィルターにより紡錘形を呈したゲータイト粒子を濾
別、乾燥してSi化合物で被覆された紡錘形を呈した粒子
粉末を得た。
【0075】得られた紡錘形を呈したゲータイト粒子粉
末の諸特性を表1及び表2に示す。
【0076】実施例6〜8、比較例6、 FeCO3 の生成反応における炭酸アルカリ水溶液の種類、
濃度、使用量、Fe2+水溶液の種類、濃度及び使用量、温
度、熟成工程における温度及び時間、Zn化合物の種類、
添加量及び添加時期、酸化工程における温度、空気流量
及び反応時間並びに被覆処理工程における種類及び量を
種々変化させた以外は、実施例5と同様にして紡錘形を
呈したゲータイト粒子粉末を得た。
【0077】この時の主要製造条件及び諸特性を表1及
び表2に示す。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】
【0080】実施例6〜8で得られた紡錘形を呈したゲ
ータイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、いずれも
粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであった。
【0081】比較例6で得られた紡錘形を呈したゲータ
イト粒子粉末は、図8の電子顕微鏡写真(×30000)に示
される通り、軸比(長軸径/短軸径)が小さいものであ
った。
【0082】<紡錘形を呈したヘマタイト粒子粉末の製
造> 実施例9〜16、比較例7〜12;
【0083】実施例9 実施例1で得られた P化合物で被覆された紡錘形を呈し
たゲータイト粒子粉末800gを空気中 600℃で加熱処理
して、 P化合物で被覆された紡錘形を呈したヘマタイト
粒子粉末を得た。
【0084】この粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均
値で長軸0.24μm、軸比(長軸径/短軸径)11.1であっ
た。
【0085】実施例10〜16、比較例7〜12 P化合物又はSi化合物若しくは当該両化合物で被覆され
た紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の種類、加熱処理
温度を種々変化させた以外は、実施例9と同様にして紡
錘形を呈したヘマタイト粒子粉末を得た。
【0086】この時の主要製造条件及び特性を表3に示
す。
【0087】
【表3】
【0088】<紡錘形を呈したマグネタイト粒子粉末の
製造> 実施例17〜24、比較例13〜18;
【0089】実施例17 実施例9で得られた紡錘形を呈したヘマタイト粒子粉末
1000gを13lのレトルト還元容器中に投入し、駆動回転
させながらH2ガスを毎分 1.0lの割合で通気し、還元温
度 300℃で、3時間還元して紡錘形を呈したマグネタイ
ト粒子粉末を得た。
【0090】得られた紡錘形を呈したマグネタイト粒子
粉末は、図9に示す電子顕微鏡写真(×30,000)に示す
通り、平均値で長軸0.23μm、軸比(長軸径/短軸径)
10.2の紡錘形を呈した粒子からなり、粒度が均斉で、樹
枝状粒子が混在しないものであった。
【0091】実施例18〜24、比較例13〜18 ヘマタイト粒子粉末の種類、還元温度を種々変化させた
以外は、実施例17と同様にして紡錘形を呈したマグネタ
イト粒子粉末を得た。
【0092】この時の主要製造条件及び粒子粉末の特性
を表4に示す。
【0093】
【表4】
【0094】実施例18〜24で得られた紡錘形を呈したマ
グネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、いずれ
も粒度が均斉で、樹枝状粒子の混在しないものであっ
た。
【0095】実施例21で得られた紡錘形を呈したマグネ
タイト粒子粉末の電子顕微鏡写真 (×30,000) を図10に
示す。
【0096】<紡錘形を呈したマグヘマイト粒子粉末の
製造> 実施例25〜32、比較例19〜24;
【0097】実施例17で得られた紡錘形を呈したマグネ
タイト粒子粉末 600gを空気中 270℃で30分間酸化して
紡錘形を呈したマグヘマイト粒子粉末を得た。
【0098】得られた紡錘形を呈したマグヘマイト粒子
粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平均値で長軸0.23μ
m、軸比(長軸径/短軸径)10.2の紡錘形を呈した粒子
からなり、粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないもので
あった。
【0099】実施例26〜32、比較例19〜24 紡錘形を呈したマグネタイト粒子粉末の種類を種々変化
させた以外は、実施例25と同様にして紡錘形を呈したマ
グヘマイト粒子粉末を得た。
【0100】この時の主要製造条件及び粒子粉末の特性
を表5に示す。
【0101】
【表5】
【0102】実施例26〜32で得られた紡錘形を呈したマ
グヘマイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、いずれ
も粒度が均斉で、樹枝状粒子が混在しないものであっ
た。
【0103】実施例25、実施例29及び比較例23で得られ
た紡錘形を呈したマグヘマイト粒子粉末の電子顕微鏡写
真(×30000 )をそれぞれ図11、図12及び図13に示す。
【0104】
【発明の効果】本発明に係る紡錘形を呈した磁性酸化鉄
粒子粉末の製造法によれば、前出実施例に示した通り、
粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混在しておらず、且
つ、軸比(長軸径/短軸径)が大きく、しかも、転写特
性が優れている紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末であ
るので、現在、最も要求されている高記録密度、高感度
及び高出力用磁性材料粒子粉末として好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 マグヘマイト粒子粉末の長軸径と転写特性の
関係を示したものである。
【図2】 硫酸亜鉛の存在量と紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子の長軸径との関係を示したものである。
【図3】 硫酸亜鉛の存在量と紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子の軸比(長軸径/短軸径)との関係を示したもの
である。
【図4】 実施例1で得られた紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30,00
0)である。
【図5】 実施例5で得られた紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30,00
0)である。
【図6】 比較例1で得られた紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30,00
0)である。
【図7】 比較例5で得られた紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30,00
0)である。
【図8】 比較例6で得られた紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30,00
0)である。
【図9】 実施例17で得られた紡錘形を呈したマグネタ
イト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30,0
00)である。
【図10】 実施例21で得られた紡錘形を呈したマグネ
タイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×3
0,000)である。
【図11】 実施例25で得られた紡錘形を呈したマグヘ
マイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×3
0,000)である。
【図12】 実施例29で得られた紡錘形を呈したマグヘ
マイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×3
0,000)である。
【図13】 比較例23で得られた紡錘形を呈したマグヘ
マイト粒子粉末の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×3
0,000)である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−232922(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01F 1/11 C01G 49/06 C01G 49/08 G11B 5/706

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭酸アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液と
    を反応させて得られたFeCO3を含む水溶液を非酸化性雰
    囲気下において熟成した後、該FeCO3を含む懸濁液中に
    酸素含有ガスを通気して酸化することにより紡錘形を呈
    したゲータイト粒子を生成させるにあたり、前記炭酸ア
    ルカリ水溶液の量を前記第一鉄塩水溶液中のFeに対し1.
    5〜3.5倍当量とするとともに、前記熟成における熟成温
    度を40〜60℃、且つ、熟成時間を50〜100分間とするこ
    とにより、長軸径が0.15〜0.45μmであって、軸比(長
    軸径/短軸径)が11以上である紡錘形を呈したゲータイ
    ト粒子を生成させ、該ゲータイト粒子若しくはこれを加
    熱焼成して得られた紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還
    元性ガス中で加熱還元して長軸径が0.1〜0.29μ
    mであって、軸比(長軸径/短軸径)が7以上である
    錘形を呈したマグネタイト粒子とすることを特徴とする
    紡錘形を呈したマグネタイト粒子からなる磁性酸化鉄粒
    子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 炭酸アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液と
    を反応させて得られたFeCO3を含む懸濁液を非酸化性雰
    囲気下において熟成した後、該FeCO3を含む懸濁液中に
    酸素含有ガスを通気して酸化することにより紡錘形を呈
    したゲータイト粒子を生成させるにあたり、前記炭酸ア
    ルカリ水溶液の量を前記第一鉄塩水溶液中のFeに対し1.
    5〜3.5倍当量とするとともに、前記熟成における熟成温
    度を40〜60℃、熟成時間を50〜100分間とし、且つ、前
    記炭酸アルカリ水溶液、前記第一鉄塩水溶液、前記FeCO
    3を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化する前
    の前記熟成を行わせているFeCO3を含む懸濁液のいずれ
    かに、あらかじめ亜鉛化合物を存在させておくことによ
    り、長軸径が0.15〜0.45μmであって、軸比(長軸径/
    短軸径)が15以上である亜鉛を含有する紡錘形を呈した
    ゲータイト粒子を生成させ、該亜鉛を含有するゲータイ
    ト粒子若しくはこれを加熱焼成して得られた亜鉛を含有
    する紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還元性ガス中で加
    熱還元して長軸径が0.1〜0.29μmであって、軸
    比(長軸径/短軸径)が8以上である紡錘形を呈したマ
    グネタイト粒子とすることを特徴とする紡錘形を呈した
    マグネタイト粒子からなる磁性酸化鉄粒子粉末の製造
    法。
  3. 【請求項3】 炭酸アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液と
    を反応させて得られたFeCO3を含む懸濁液を非酸化性雰
    囲気下において熟成した後、該FeCO3を含む懸濁液中に
    酸素含有ガスを通気して酸化することにより紡錘形を呈
    したゲータイト粒子を生成させるにあたり、前記炭酸ア
    ルカリ水溶液の量を前記第一鉄塩水溶液中のFeに対し
    1.5〜 3.5倍当量とするとともに、前記熟成における熟
    成温度を40〜60℃、且つ、熟成時間を50〜100分間とす
    ることにより、長軸径が0.15〜0.45μmであって、軸比
    (長軸径/短軸径)が11以上である紡錘形を呈したゲー
    タイト粒子を生成させ、該ゲータイト粒子若しくはこれ
    を加熱焼成して得られた紡錘形を呈したヘマタイト粒子
    を還元性ガス中で加熱還元した後、更に、酸化して長軸
    径が0.1〜0.29μmであって、軸比(長軸径/短
    軸径)が7以上である紡錘形を呈したマグヘマイト粒子
    とすることを特徴とする紡錘形を呈したマグヘマイト粒
    子からなる磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
  4. 【請求項4】 炭酸アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液と
    を反応させて得られたFeCO3を含む懸濁液を非酸化性雰
    囲気下において熟成した後、該FeCO3を含む懸濁液中に
    酸素含有ガスを通気して酸化することにより紡錘形を呈
    したゲータイト粒子を生成させるにあたり、前記炭酸ア
    ルカリ水溶液の量を前記第一鉄塩水溶液中のFeに対し1.
    5〜3.5倍当量とするとともに、前記熟成における熟成温
    度を40〜60℃、熟成時間を50〜100分間とし、且つ、前
    記炭酸アルカリ水溶液、前記第一鉄塩水溶液、前記FeCO
    3を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化する前
    の前記熟成を行わせているFeCO3を含む懸濁液のいずれ
    かに、あらかじめ亜鉛化合物を存在させておくことによ
    り、長軸径が0.15〜0.45μmであって、軸比(長軸径/
    短軸径)が15以上である亜鉛を含有する紡錘形を呈した
    ゲータイト粒子を生成させ、該亜鉛を含有するゲータイ
    ト粒子若しくはこれを加熱焼成して得られた亜鉛を含有
    する紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還元性ガス中で加
    熱還元した後、更に、酸化して長軸径が0.1〜0.2
    9μmであって、軸比(長軸径/短軸径)が8以上であ
    亜鉛を含有する紡錘形を呈したマグヘマイト粒子とす
    ることを特徴とする紡錘形を呈したマグヘマイト粒子か
    らなる磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
JP9149973A 1997-05-23 1997-05-23 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法 Expired - Fee Related JP3003777B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9149973A JP3003777B2 (ja) 1997-05-23 1997-05-23 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9149973A JP3003777B2 (ja) 1997-05-23 1997-05-23 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63333108A Division JP2925561B2 (ja) 1988-12-29 1988-12-29 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1064713A JPH1064713A (ja) 1998-03-06
JP3003777B2 true JP3003777B2 (ja) 2000-01-31

Family

ID=15486682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9149973A Expired - Fee Related JP3003777B2 (ja) 1997-05-23 1997-05-23 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3003777B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1064713A (ja) 1998-03-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0377933B1 (en) Magnetic iron oxide particles and method of producing the same
JP3003777B2 (ja) 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP2640817B2 (ja) 紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末及びその製造法
JP2925561B2 (ja) 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末
JP2704525B2 (ja) 紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の製造法
JP2885253B2 (ja) 紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末の製造法
JP2743000B2 (ja) 紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末及びその製造法
JP2743007B2 (ja) 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末及びその製造法
JP2704540B2 (ja) 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP2704544B2 (ja) 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP3087778B2 (ja) 針状ゲータイト粒子粉末の製造法
JP2704537B2 (ja) 紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の製造法
JP3087808B2 (ja) 磁気記録用磁性粒子粉末の製造法
JP2704539B2 (ja) 紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の製造法
JP3011221B2 (ja) 針状ゲータイト粒子粉末の製造法
JP3092649B2 (ja) 鉄を主成分とする紡錘状金属磁性粒子粉末の製造法
JP3095042B2 (ja) 鉄を主成分とする針状金属磁性粒子粉末の製造法
JP2935291B2 (ja) 針状ゲータイト粒子粉末の製造法
JP3141907B2 (ja) 紡錘状を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の製造法
JP3087777B2 (ja) 針状ゲータイト粒子粉末の製造法
JP2970699B2 (ja) 針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法
JP2883962B2 (ja) 針状ゲータイト粒子粉末の製造法
JP2852459B2 (ja) 紡錘形を呈した鉄を主成分とする金属磁性粒子粉末の製造法
JP3171223B2 (ja) 針状磁性粒子粉末の製造法
JP3166780B2 (ja) 紡錘状を呈したゲータイト粒子粉末の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees