JP2704540B2 - 紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法 - Google Patents

紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録用として最適である紡錘形を呈し
た磁性酸化鉄粒子粉末の製造法に関するものであり、詳
しくは、高濃度の反応が可能で、且つ、紡錘形を呈した
ゲータイト粒子の生成にあたって使用する原料のうち最
も高価なアルカリ性水溶液の鉄に対する使用割合を少な
くすることが可能であり、しかも、熟成工程におけるエ
ネルギー量(時間と温度との関係で示される。)の節減
が可能であることに起因して生産性を高めることができ
る省資源、省エネルギーの反応によって、軸比(長軸径
/短軸径)が大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子を工
業的、経済的に有利に得ることによって、軸比(長軸径
/短軸径)が大きく、且つ、転写特性に優れている紡錘
形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末を工業的、経済的に有利
に提供することを目的とする。
〔従来の技術〕
近年、磁気記録再生用機器の小型計量化が進むにつれ
て、磁気テープ、磁気ディスク等の記録媒体に対する高
性能化の必要性が益々生じてきている。
即ち、高記録密度、高感度特性及び高出力特性等が要
求される。
磁気記録媒体に対する上記のような要求を満足させる
為に要求される磁性酸化鉄粒子粉末の特性は、高い保磁
力と優れた分散性を有することである。
即ち、磁気記録媒体の高感度化及び高出力化の為に
は、磁性酸化鉄粒子粉末が出来るだけ高い保持力を有す
ることが必要であり、この事実は、例えば、株式会社総
合技術センター発行「磁性材料の開発と磁粉の高分散化
技術」(1982年)の第310頁の「磁気テープ性能の向上
指向は、高感度化と高出力化‥‥にあったから、針状γ
−Fe2O3粒子粉末の高保磁力化‥‥を重点とするもので
あった。」なる記載から明らかである。
また、磁気記録媒体の高記録密度の為には、前出「磁
性材料の開発と磁粉の高分散化技術」第312頁の「塗布
型テープにおける高密度記録のための条件は、短波長信
号に対して、低ノイズで高出力特性を保持できることで
あるが、その為には保磁力Hcと残留磁化Brが共に大きい
ことと塗布膜の厚みがより薄いことが必要である。」な
る記載の通り、磁気記録媒体が高い保磁力と大きな残留
磁化Brを有することが必要であり、その為には磁性酸化
鉄粒子粉末が高い保磁力を有し、ビークル中での分散
性、塗膜中での配向性及び充填性が優れていることが要
求される。
磁気記録媒体の残留磁化Brは、磁性酸化鉄粒子粉末の
ビークル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性に
依存しており、これら特性の向上の為には、ビークル中
に分散させる磁性酸化鉄粒子粉末ができるだけ大きな軸
比(長軸径/短軸径)を有し、しかも粒度が均斉であっ
て、樹枝状粒子が混在していないことが要求される。
また周知のごとく、磁性酸化鉄粒子粉末の保磁力の大
きさは、形状異方性、結晶異方性、歪異方性及び交換異
方性のいずれか、若しくはそれらの相互作用に依存して
いる。
現在、磁気記録用磁性酸化鉄粒子粉末として使用され
ている針状晶マグネタイト粒子粉末、又は、針状晶マグ
ヘマイト粒子粉末は、その形状に由来する異方性を利用
すること、即ち、軸比(長軸径/短軸径)を大きくする
ことによって比較的高い保磁力を得ている。
これら既知の針状晶マグネタイト粒子粉末、又は、針
状晶マグヘマイト粒子粉末は、出発原料である針状晶ゲ
ータイト粒子を、水素等還元性ガス中250〜400℃で還元
してマグネタイト粒子とし、または次いでこれを、空気
中200〜300℃で酸化してマグヘマイト粒子とすることに
より得られている。
上述した通り、粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混
在しておらず、しかも軸比(長軸径/短軸径)が大きい
磁性酸化鉄粒子粉末は、現在、最も要求されているとこ
ろであり、このような特性を備えた磁性酸化鉄粒子粉末
を得るためには、出発原料であるゲータイト粒子粉末の
粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混在しておらず、し
かも、軸比(長軸径/短軸径)が大きいことが必要であ
る。
また、近時、磁性酸化鉄粒子粉末の特性向上に対する
要求はとどまるところがなく、上述した粒度が均斉であ
って、樹枝状粒子が混在しておらず、しかも、軸比(長
軸径/短軸径)が大きいことに加え、更に、対接する磁
性層に記録信号が転写される現象、所謂、転写特性の向
上が強く望まれている。
転写特性は、日刊工業新聞社発行「電子技術」(1968
年)第10号第51頁の「‥‥粒子サイズの微小化によるノ
イズレベルの低下につれて、転写効果が劣化するとい
う、好ましくない傾向があることが知られており‥‥」
なる記載の通り、磁性酸化鉄粒子粉末が微細化する程、
殊に、0.3μm以下になると劣化する傾向にある為、高
記録密度、高感度特性及び高出力特性の要求に伴って、
用いられる磁性酸化鉄粒子粉末が益々微細化する傾向に
ある今日においては、大きな問題となっている。
現在、使用されている磁性酸化鉄粒子粉末の転写特性
は、例えば、特公昭59−28965号公報に記載されている
通り、高々50dB程度である。
一方、近年、省資源、省エネルギー化の要請が益々強
まっており、磁性酸化鉄粒子粉末の生成にあたっても同
様であり、工業的、経済的に有利に磁性酸化鉄粒子を得
ることが強く要求されている。
従来、出発原料であるゲータイト粒子粉末を製造する
方法としては、第一鉄塩溶液に当量以上の水酸化アルカ
リ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄粒子を含む懸濁
液をpH11以上にて80℃以下の温度で酸素含有ガスを通気
して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト粒子を生
成させる方法(特公昭39−5610号公報)、及び、第一鉄
塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られた
FeCO3を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化反応
を行うことにより紡錘形を呈したゲータイト粒子を生成
させる方法(特開昭50−80999号公報)等が知られてい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混在しておらず、
且つ、軸比(長軸径/短軸径)が大きく、しかも、転写
特性の優れた磁性酸化鉄粒子粉末を工業的、経済的に有
利に得ることは、現在、最も要求されているところであ
るが、出発原料であるゲータイト粒子粉末を製造する前
述公知方法のうち前者の方法による場合には、軸比(長
軸径/短軸径)の大きな、殊に、10以上の針状晶ゲータ
イト粒子が生成するが、樹枝状粒子が混在しており、ま
た、粒度から言えば、均斉な粒度を有した粒子とは言い
難く、また、このゲータイト粒子を用いて得られた磁性
酸化鉄粒子粉末の転写特性を未だ満足できるものではな
い。
前述公知方法のうち後者の方法による場合には、粒度
が均斉であり、また、樹枝状粒子が混在していない紡錘
形を呈した粒子が生成するが、一方、軸比(長軸径/短
軸径)は高々7程度であり、軸比(長軸径/短軸径)の
大きな粒子が生成し難いという欠点があり、殊に、この
現象は生成粒子の長軸径が小さくなる程顕著になるとい
う傾向にある。また、このゲータイト粒子を用いて得ら
れた磁性酸化鉄粒子粉末の転写特性も未だ満足できるも
のではない。
従来、紡錘形を呈したゲータイト粒子の軸比(長軸径
/短軸径)を大きくする方法は種々試みられており、例
えば特開昭59−232922号公報に開示されている第一鉄塩
水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られたFe
CO3を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気するにあたり、
酸素含有ガスの通気速度を0.1〜2.0cm/sec程度に遅くす
るという方法がある。この方法によるときには、0.5μ
m程度の場合における軸比(長軸径/短軸径)は10程
度、長軸径0.3μm程度の場合における軸比(長軸径/
短軸径)は8程度であり、更に長軸径が小さくなって0.
05μm程度になると軸比(長軸径/短軸径)は5程度と
小さくなってしまい、未だ軸比(長軸径/短軸径)が十
分大きなものとは言い難い。
また、特開昭59−232922号公報の実施例において、軸
比(長軸径/短軸径)が10の紡錘形を呈したゲータイト
粒子が得られているが、これは、鉄濃度を0.2mol/程
度と薄くすることにより得られたものであり、工業的、
経済的とは言えず、また、未だ軸比(長軸径/短軸径)
が十分大きなものとは言い難い。
そこで、粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混在して
おらず、且つ、軸比(長軸径/短軸径)が大きく、しか
も、転写特性に優れている紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒
子粉末を得る為の技術手段の確立が強く要求されてい
る。
〔課題を解決する為の手段〕
本発明者は、粒度が均斉であって、樹枝状粒子が混在
しておらず、しかも、軸比(長軸径/短軸径)が大き
く、しかも紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末を工業
的、経済的に有利に得るべく種々検討を重ねた結果、本
発明に到達したのである。
即ち、本発明は、炭酸アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶
液とを反応させて得られたFeCO3を含む懸濁液を非酸化
性雰囲気下において熟成した後、該FeCO3を含む懸濁液
中に酸素含有ガスを通気して酸化することにより紡錘形
を呈したゲータイト粒子粉末を生成させるにあたり、前
記炭酸アルカリ水溶液、前記FeCO3を含む懸濁液及び酸
素含有ガスを通気して酸化する前の前記熟成を行わせて
いるFeCO3を含む懸濁液のいずれかの液中に前記炭酸ア
ルカリ水溶液に対し1〜50%の水酸化アルカリ水溶液を
添加することにより、炭酸アルカリ水溶液及び水酸化ア
ルカリ水溶液の総和量が前記第一鉄塩水溶液中のFe2+
対し1.1〜2.5倍当量とするとともに、前記熟成における
熟成温度を30〜60℃、且つ、熟成時間を10〜100分間と
することにより、紡錘形を呈したゲータイト粒子を生成
させ、該ゲータイト粒子若しくはこれを加熱焼成して得
られた紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還元性ガス中で
加熱還元して紡錘形を呈したマグネタイト粒子とする
か、必要により、更に、酸化して紡錘形を呈したマグヘ
マイト粒子とすることからなる紡錘形を呈した磁性酸化
鉄粒子粉末の製造法及び、 炭酸アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させて
得られたFeCO3を含む懸濁液を非酸化性雰囲気下におい
て熟成した後、該FeCO3を含む懸濁液中に酸素含有ガス
を通気して酸化することにより紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末を生成させるにあたり、前記炭酸アルカリ水
溶液、前記FeCO3を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通気
して酸化する前の前記熟成を行わせているFeCO3を含む
懸濁液のいずれかの液中に前記炭酸アルカリ水溶液に対
し1〜50%の水酸化アルカリ水溶液を添加することによ
り、炭酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ水溶液の総
和量が前記第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し1.1〜2.5倍当
量とするとともに、前記熟成における熟成温度を30〜60
℃、熟成時間を10〜100分間とし、且つ、前記炭酸アル
カリ水溶液、前記第一鉄塩水溶液、前記FeCO3を含む懸
濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化する前の前記熟成
を行わせているFeCO3を含む懸濁液のいずれかの液中
に、あらかじめ亜鉛化合物を存在させておくことによ
り、亜鉛を含有する紡錘形を呈したゲータイト粒子を生
成させ、該ゲータイト粒子若しくはこれを加熱焼成して
得られた亜鉛を含有する紡錘形を呈したヘマタイト粒子
を還元性ガス中で還元して亜鉛を含有している紡錘形を
呈したマグネタイト粒子とするか、必要により、更に、
酸化して亜鉛を含有する紡錘形を呈したマグヘマイト粒
子とすることをからなる紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子
粉末の製造法である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、炭酸アルカリ
水溶液と第一鉄塩水溶液とを反応させて得られたFeCO3
を含む懸濁液を非酸化性雰囲気下において熟成した後、
該FeCO3を含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気して酸化
することにより紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末を生
成させる方法において、前記炭酸アルカリ水溶液、前記
FeCO3を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化す
る前の前記熟成をおこなわせているFeCO3を含む懸濁液
のいずれかの液中に、前記炭酸アルカリ水溶液に対し1
〜50%の水酸化アルカリ水溶液を添加することにより、
炭酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ水溶液の総和量
が前記第一鉄塩水水溶液中のFe2+に対し1.1〜2.5倍量当
量とするとともに、前記熟成における熟成温度を40〜60
℃、熟成時間を50〜100分間とした場合には、長軸径0.1
5〜0.45μm、軸比(長軸径/短軸径)が11以上を有す
る紡錘形を呈したゲータイト粒子を得ることができ、該
紡錘形を呈したゲータイト粒子若しくはこれを加熱焼成
して得られた紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還元性ガ
ス中で加熱還元して得られた紡錘形を呈したマグネタイ
ト粒子、必要により、更に、酸化して得られた紡錘形を
呈したマグヘマイト粒子は、長軸径が0.1〜0.3μmであ
って、軸比(長軸径/短軸径)が7以上、殊に、8以上
であり、且つ、粒度が均斉であることに起因して、転写
特性が優れているという事実である。
また、上記紡錘形を呈したゲータイト粒子を生成させ
る反応において、炭酸アルカリ水溶液、第一鉄塩水溶
液、FeCO3を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸
化する前の熟成を行わせているFeCO3を含む懸濁液のい
ずれかに、あらかじめ亜鉛化合物を存在させた場合に
は、一層軸比(長軸径/短軸径)を向上させることが出
来るため、長軸径0.15〜0.45μm、軸比(長軸径/短軸
径)が15以上を有する亜鉛を含有する紡錘形を呈したゲ
ータイト粒子を得ることができ、該紡錘形を呈したゲー
タイト粒子若しくはこれに加熱焼成して得られた亜鉛を
含有する紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還元性ガス中
で加熱還元して得られた亜鉛を含有する紡錘形を呈した
マグネタイト粒子、必要により、更に、酸化して得られ
た亜鉛を含有する紡錘形を呈したマグヘマイト粒子は、
長軸径が0.1〜0.3μmであって、軸比(長軸径/短軸
径)が8以上、殊に、9以上であり、且つ、粒度が均斉
であることに起因して、転写特性が優れているという事
実である。
また、本発明においては、反応濃度が1.0mol/程度
まで可能である。
本発明においては、炭酸アルカリ水溶液を単独で使用
する場合に比べ、熟成温度を10℃程度下げた場合にも、
また、熟成時間を40分間程度短縮した場合にも、軸比
(長軸径/短軸径)が大きい紡錘形を呈したゲータイト
粒子を得ることができる。
今、本発明者が行った数多くの実験例からその一部を
抽出して説明すれば、以下の通りである。
図1は、マグヘマイト粒子粉末の長軸径と転写特性の
関係を示したものである。図1中、直線A、直線B及び
直線Cは、それぞれ本発明に係る紡錘形を呈したマグヘ
マイト粒子粉末、前出特公昭39−5610号公報に記載の従
来法により得られた針状マグヘマイト粒子粉末及び前出
特開昭50−80999号公報に記載の従来法によって得られ
た紡錘形を呈したマグヘマイト粒子粉末の場合である。
図1に示される通り、本発明に係る紡錘形を呈したマグ
ヘマイト粒子粉末は、転写特性が優れたものである。
図2及び図3は、それぞれ硫酸亜鉛の存在量と紡錘形
を呈したゲータイト粒子の長軸及び軸比(長軸径/短軸
径)との関係を示したものである。
即ち、後出実施例4の反応条件下において、硫酸亜鉛
の存在量を0〜10.0重量%とした場合に得られた亜鉛を
含有する紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の長軸及び
軸比(長軸径/短軸径)を縦軸に、硫酸亜鉛の存在量を
横軸に示したものである。
図2及び図3に示されるように、生成する紡錘形を呈
したゲータイト粒子粉末の長軸は、硫酸亜鉛の存在によ
る影響が小さく、軸比(長軸径/短軸径)は、硫酸亜鉛
の存在量が増加する程大きくなる傾向にある。
このことから、亜鉛化合物は、生成する紡錘形を呈し
たゲータイト粒子の短軸方向の成長を抑制する作用を有
するものと考えられる。
尚、FeCO3を含む懸濁液を非酸化性雰囲気下で熟成す
るものとして、例えば、特公昭59−48768号公報に開示
されている方法があるが、この方法は、炭酸アルカリの
量をFeに対し1.06倍量として生成したFeCO3を含む水溶
液を非酸化性雰囲気下、室温において120〜240分間処理
することにより粒度の均斉な紡錘形を呈したゲータイト
粒子粉末を得るものであり、軸比(長軸径/短軸径)の
大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末を得るもので
はない。
因に、前出特公昭59−48768号公報に記載の方法によ
って得られる紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の軸比
(長軸径/短軸径)は、「実施例1」及び「実施例2」
の各実施例において、4程度である。
次に、本発明方法実施にあたっての諸条件について述
べる。
本発明において使用される第一鉄塩水溶液としては、
硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等がある。
本発明において使用される炭酸アルカリ水溶液として
は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム
等の水溶液を使用することができる。
本発明において使用される水酸化アルカリ水溶液とし
ては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を
使用することができる。
水酸化アルカリ水溶液の添加時期は、炭酸アルカリ水
溶液、FeCO3を含む懸濁液及び酸素ガスを通気して酸化
する前の熟成を行わせているFeCO3を含む懸濁液のいず
れの液中に添加してもよく、いずれの場合でも、省資
源、省エネルギーの反応が可能である。
水酸化アルカリの添加量は、炭酸アルカリに対し規定
換算で1〜50%である。
1%未満の場合には、省資源、省エネルギーの反応が
困難である。50%を越える場合には、紡錘形を呈したゲ
ータイト粒子中に粒状を呈したマグネタイト粒子が混在
してくる。
本発明において使用する炭酸アルカリ水溶液及び水酸
化アルカリ水溶液の総和量は、第一鉄塩水溶液中のFeに
対し1.1〜2.5倍当量であり、鉄に対するアルカリ性水溶
液の使用割合を少なくすることが可能である。1.1倍当
量未満の場合には、紡錘形を呈したゲータイト粒子中に
粒状を呈したマグネタイト粒子が混在してくる。2.5倍
当量を越える場合には、高価なアルカリの使用量が多く
なり、経済的ではない。
本発明における熟成は、N2ガス等の不活性ガスを液中
に通気することにより不活性雰囲気下において行い、ま
た、当該通気ガスや機械的操作等により撹拌しながら行
う。
本発明における熟成温度は30〜60℃である。30℃未満
の場合には、軸比(長軸径/短軸径)が小さくなり、軸
比(長軸径/短軸径)の大きい紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末が得られない。60℃を越える場合でも、軸比
(長軸径/短軸径)の大きい紡錘形を呈したゲータイト
粒子粉末を得ることができるが、必要以上に熟成温度を
上げる意味がない。
本発明における熟成時間は、10〜100分間である。10
分未満の場合には、軸比(長軸径/短軸径)の大きい紡
錘形を呈したゲータイト粒子粉末を得ることができな
い。100分を越える場合にも軸比(長軸径/短軸径)の
大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末を得ることが
できるが必要以上に長時間とする意味がない。
本発明における亜鉛化合物は、硫酸亜鉛、塩化亜鉛等
を用いることができる。
亜鉛化合物の添加量は、第一鉄塩水溶液のFeに対しZn
換算で0.3〜10.0原子%である。0.3原子%未満である場
合には、軸比(長軸径/短軸径)が大きな紡錘形を呈し
たゲータイト粒子を得ることができない。10.0原子%を
越える場合にも、軸比(長軸径/短軸径)の大きな紡錘
形を呈したゲータイト粒子を得ることができるが、この
ゲータイト粒子を加熱還元、又は、必要により更に酸化
して得られた磁性酸化鉄粒子の磁化値が低下する。紡錘
形を呈したゲータイト粒子の軸比(長軸径/短軸径)を
考慮した場合、0.5〜8.0原子%が好ましい。
添加した亜鉛化合物は、後出実施例に示す通り、ほぼ
全量が生成する紡錘形を呈したゲータイト中に含有され
る。亜鉛化合物は、生成する紡錘形を呈したゲータイト
粒子の軸比(長軸形/短軸形)に関するものであるか
ら、Fe含有沈澱物を含む懸濁液中に酸素含有ガスを通気
して酸化する前に存在させておくことが必要であり、従
って、その添加時期は、炭酸アルカリ水溶液、第一鉄塩
水溶液、Fe含有沈澱物を含む懸濁液及び酸素含有ガスを
通気する前の熟成を行わせているFe含有沈澱物を含む懸
濁液のいずれかであり、熟成を行わせているFe含有沈澱
物を含む懸濁液に添加するのが最も効果的である。
本発明の酸化時における反応温度は、30〜70℃であ
る。30℃未満である場合には、軸比(長軸径/短軸径)
の大きい紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末を得ること
ができない。70℃を越える場合には、紡錘形を呈したゲ
ータイト粒子中に粒状ヘマタイト粒子粉末が混在してく
る。
本発明におけるpHは7〜11である。7未満、又は11を
越える場合には、紡錘形を呈したゲータイト粒子を得る
ことができない。
本発明における酸化手段は、酸素含有ガス(例えば空
気)を液中に通気することにより行い、また、当該通気
ガスや機械的操作等により撹拌しながら行う。
本発明においては、従来から磁性酸化鉄粒子粉末の各
種特性の向上の為に、ゲータイト粒子の生成に際し、通
常添加されるCo、Ni、Cr、Al、Mn等のFe以外の異種金属
を添加することができ、この場合にも、軸比(長軸径/
短軸径)の大きな紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末が
できる。
本発明における出発原料粒子としては、生成した紡錘
形を呈したゲータイト粒子はもちろん、該ゲータイト粒
子を常法により加熱脱水して得られた紡錘形を呈したヘ
マタイト粒子、前記ゲータイト粒子を常法により非還元
性雰囲気中250〜800℃の温度範囲で加熱処理することに
よって得られた高密度化された紡錘形を呈したヘマタイ
ト粒子のいずれをも使用することができる。
本発明における還元性ガス中における加熱還元処理及
び酸化処理は常法により行うことができる。
また、出発原料粒子は、加熱還元処理に先立って周知
の方法により、Si、Al、P化合物等の焼結防止効果を有
する物質によって、あらかじめ被覆処理して粒子及び粒
子相互間の集結を防止することにより、出発原料粒子の
粒子形状及び軸比(長軸径/短軸径)を保持継承するこ
とが容易となる。
〔実施例〕
次に、実施例並びに比較例により、本発明を説明す
る。
尚、以下の実施例並びに比較例における粒子の長軸
径、軸比(長軸径/短軸径)は、いずれも電子顕微鏡写
真から測定した数値の平均値で示した。また、亜鉛含有
量は、螢光X線分析により測定した値で示した。
転写特性は、転写実測値と長軸径を前出図1中の直線
Aから求めた下記式に挿入し、長軸径0.2μmに補正し
た値で示した。
実測値は、社団法人粉体粉末冶金協会発行「粉体およ
び粉末冶金」(1979年)第26巻第4号第149頁及び社団
法人電子通信学会発行「電子通信学会技術研究報告」MR
77−27第2頁に記載の方法に準じて行った。即ち、直径
6mm、高さ5mmの円筒形容器につめた磁性酸化鉄粒子粉末
を50 Oeの磁界中、60℃で80分間保持して磁化した後、
室温まで冷却して、残留磁化Irpを測定し、次いで、こ
の試料に直流磁界をかけ、飽和残留磁化量Irsを求め、
次式によって計算したものである。
転写値P.T.=−20log Irp/Irs <紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の製造> 実施例1〜8 比較例1〜6; 実施例1 毎秒3.4cmの割合でN2ガスを流すことによって非酸化
性雰囲気に保持された反応容器中に、1.32mol/のNa2C
O3水溶液580及び13.5mol/のNaOH水溶液20.0(Na2
CO3に対し17.6%に該当する。)を添加(Na2CO3及びNaO
Hの総和量は、Feに対し1.5倍当量に該当する。)した
後、Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液400を添
加、混合(Fe2+濃度は0.60mol/を該当する。)し、温
度45℃においてFe含有沈澱物を生成した。
上記Fe含有沈澱物を含む懸濁液中に、引き続きN2ガス
を毎秒3.4cmの割合で吹き込みながら、温度45℃で50分
間保持した後、当該Fe含有沈澱物からなる懸濁液中に、
温度47℃において毎秒4.5cmの空気を5.5時間通気して黄
褐色沈澱粒子を生成させた。尚、空気通気中におけるpH
は8.5〜10.0であった。
黄褐色沈澱粒子を含む懸濁液の一部を、常法により、
別、水洗、乾燥、粉砕した。
得られた黄褐色粒子粉末は、X線回折の結果、ゲータ
イトであり、図4に示す電子顕微鏡写真(×30000)か
ら明らかな通り、平均値で長軸径0.29μm、軸比(長軸
径/短軸径)12.0の紡錘形を呈した粒子からなり、粒度
が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであった。
上記紡錘形を呈したゲータイト粒子を含む懸濁液を
別、水洗したペースト3000g(紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子約1000gに相当する。)を60の水中に懸濁させ
た。この時の懸濁液のpHは9.7であった。
次いで、上記懸濁液にヘキサメタリン酸ナトリウム15
gを含む水溶液300ml(紡錘形を呈したゲータイト粒子に
対し1.5wt%に相当する。)を添加して30分間撹拌し
た。次いで、上記懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号ガラ
ス)10g(紡錘形を呈したゲータイト粒子に対し1.0wt%
に相当する。)を添加し60分間撹拌した後、懸濁液のpH
が5.8となるように10%の酢酸を添加した後、プレスフ
ィルターにより紡錘形を呈したゲータイト粒子を別、
乾燥してP化合物及びSi化合物で被覆された紡錘形を呈
したゲータイト粒子粉末を得た。
実施例2〜3、比較例1、2、5 Fe含有沈澱物又はFeCO3の生成反応における炭酸アル
カリ水溶液の種類、濃度及び使用量、水酸化アルカリ水
溶液の種類、濃度、使用量、混合割合及び添加時期、Fe
2+水溶液の種類、濃度及び使用量、反応(Fe2+)濃度、
混合時温度、熟成工程における温度及び時間、酸化工程
における温度、空気流量及び反応時間並びに被覆処理工
程における種類及び量を種々変化させた以外は、実施例
1と同様にして黄褐色粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び諸特性を表1及び表2に示
す。
実施例2〜3で得られた紡錘形を呈したゲータイト粒
子粉末は、いずれも粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しな
いものであった。
また、比較例1及び比較例2で得られた粒子粉末はそ
れぞれ図6及び図7に示す電子顕微鏡写真(×30000)
及びX線回折の結果、いずれも紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子中に粒状を呈したマグネタイト粒子が混在してい
た。
実施例4 毎秒3.4cmの割合でN2ガスを流すことによって非酸化
性雰囲気に保持された反応容器中に、0.968mol/のNa2
CO3の水溶液558及び6.5mol/のNaOH水溶液42.0(N
a2CO3に対し25.3%に該当する。)を添加(Na2CO3及びN
aOHの総和量は、Feに対し1.5倍当量に該当する。)した
後、Fe2+1.5mol/を含む硫酸第一鉄水溶液300を添
加、混合(Fe2+濃度は0.50mol/該当する。)し、温度
50℃においてFe含有沈澱物を生成した。
上記Fe含有沈澱物を含む懸濁液中に、引き続きN2ガス
を毎秒3.4cmの割合で吹き込みながら、温度50℃で70分
間保持し、次いで、Feに対しZn3.0原子%を含むように
硫酸亜鉛水溶液を添加した後、更に10分間保持した。熟
成後のFe含有沈澱物を含む懸濁液中に、温度50℃におい
て毎秒4.0cm/秒の空気を6.7時間通気して黄褐色沈澱粒
子を生成させた。尚、空気通気中におけるpHは8.7〜9.8
であった。
黄褐色沈澱粒子を含む懸濁液の一部を、常法により、
別、水洗、乾燥、粉砕した。
得られた黄褐色粒子粉末は、X線回折の結果、ゲータ
イトであり、図5に示す電子顕微鏡写真(×30000)か
ら明らかな通り、平均値で長軸径0.29μm、軸比(長軸
径/短軸径)17.6の紡錘形を呈した粒子からなり、粒度
が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであった。また、
亜鉛含有量は、Fe対しZnで3.0原子%であった。
上記紡錘形を呈したゲータイト粒子を含む懸濁液を
別、水洗したペースト3000g(紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子約1000gに相当する。)を60の水中に懸濁させ
た。この時の懸濁液のpHは9.8であった。
次いで、上記懸濁液にケイ酸ナトリウム(3号ガラ
ス)20g(紡錘形を呈したゲータイト粒子に対し2.0wt%
に相当する。)を添加し60分間撹拌した後、懸濁液のpH
が5.8となるように10%の酢酸を添加した後、プレスフ
ィルターにより紡錘形を呈したゲータイト粒子を別、
乾燥してSi化合物で被覆された紡錘形を呈したゲータイ
ト粒子粉末を得た。
実施例5〜8、比較例3、4、6 Fe含有沈澱物又はFeCO3の生成反応における炭酸アル
カリ水溶液の種類、濃度及び使用量、水酸化アルカリ水
溶液の種類、濃度、使用量、混合割合及び添加時期、Fe
2+水溶液の種類、濃度及び使用量、反応(Fe2+)濃度、
混合時温度、熟成工程における温度及び時間、亜鉛化合
物の添加の有無、種類、添加量及び添加時期、酸化工程
における温度、空気流量及び反応時間並びに被覆処理工
程における種類及び量を種々変化させた以外は、実施例
4と同様にして黄褐色粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び諸特性を表1及び表2に示
す。
実施例5〜8で得られた紡錘形を呈したゲータイト粒
子粉末は、いずれも粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しな
いものであった。
比較例3及び比較例4で得られた粒子粉末は、それぞ
れ図8及び図9に示す電子顕微鏡写真(30,000)及びX
線回折の結果、いずれも紡錘形を呈したゲータイト粒子
中に粒状を呈したマグネタイト粒子が混在していた。
<焼結防止剤で被覆された紡錘形を呈したヘマタイト粒
子粉末の製造> 実施例9〜16 比較例7〜12; 実施例9 実施例1で得られたP化合物とSi化合物で被覆された
紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末800gを空気中600℃
で加熱処理して、P化合物とSi化合物で被覆された紡錘
形を呈したヘマタイト粒子粉末を得た。
この粒子は、電子顕微鏡観察の結果、平均値で長軸0.
22μm、軸比(長軸径/短軸径)8.4であった。
実施例10〜16、比較例7〜12 紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の種類、及び加熱
処理温度を種々変化させた以外は、実施例9と同様にし
て紡錘形を呈したヘマタイト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件および特性を表3に示す。
<紡錘形を呈したマグネタイト粒子粉末の製造> 実施例17〜24 比較例13〜18; 実施例17 実施例で得られた紡錘形を呈したヘマタイト粒子粉末
600gを1.0のレトルト還元容器中に投入し、駆動回転
させなががらH2ガスを毎分0.2の割合で通気し、還元
温度330℃で還元して紡錘形を呈したマグネタイト粒子
粉末を得た。
得られた紡錘形を呈したマグネタイト粒子粉末は、図
10に示す電子顕微鏡写真(×30,000)に示す通り、平均
値で長軸径0.20μm、軸比(長軸径/短軸径)7.2の紡
錘形を呈した粒子からなり、粒度が均斉で、樹枝状粒子
のないものであった。
実施例18〜24、比較例13〜18 ヘマタイト粒子粉末の種類、還元温度を種々変化させ
た以外は、実施例17と同様にして紡錘形を呈したマグネ
タイト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び粒子粉末の特性を表4に示
す。
実施例20で得られた紡錘形を呈したマグネタイト粒子
粉末の電子顕微鏡写真(×30,000)を図11に示す。
<紡錘形を呈したマグヘマイト粒子粉末の製造> 実施例25〜32 比較例19〜24; 実施例25 実施例17で得られた紡錘形を呈したマグネタイト粒子
粉末600gを空気中270℃で30分間酸化して紡錘形を呈し
たマグヘマイト粒子粉末を得た。
得られた紡錘形を呈したマグヘマイト粒子粉末は、図
12に示す電子顕微鏡写真(×30,000)に示す通り、平均
値で長軸径0.20μm、軸比(長軸径/短軸径)7.1の紡
錘形を呈した粒子からなり、粒度が均斉で樹枝状粒子の
混在しないものであった。
実施例26〜32、比較例19〜24 紡錘形を呈したマグネタイト粒子粉末の種類を種々変
化させた以外は、実施例25と同様にして紡錘形を呈した
マグヘマイト粒子粉末を得た。
この時の主要製造条件及び粒子粉末の特性を表5に示
す。
実施例28及び比較例23で得られた紡錘形を呈したマグ
ヘマイト粒子粉末の電子顕微鏡写真(×30,000)をそれ
ぞれ図13、図14に示す。
〔発明の効果〕 本発明に係る紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒子粉末の製
造法によれば、前出実施例に示した通り、高濃度の反応
が可能で、且つ、アルカリ性水溶液の鉄に対する使用割
合を少なくすることが可能であり、しかも熟成工程にお
けるエネルギー量の節減が可能であることに起因して生
産性を高めることができる省資源、省エネルギーの反応
によって軸比(長軸径/短軸径)が大きく、且つ、転写
特性に優れた紡錘形を呈した磁性酸化粒子を工業的、経
済的に有利に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
図1は、マグヘマイト粒子粉末の長軸径と転写特性の関
係を示したものである。 図2及び図3は、それぞれ硫酸亜鉛の存在量と紡錘形を
呈したゲータイト粒子の長軸及び軸比(長軸径/短軸
径)との関係を示したものである。 図4及び図5は、それぞれ、実施例1及び実施例4で得
られた紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末の粒子構造を
示す電子顕微鏡写真(×30000)である。 図6乃至図9は、それぞれ比較例1乃至比較例4で得ら
れた紡錘形を呈したゲータイト粒子粉末と粒状を呈した
マグネタイト粒子粉末との混合粒子粉末の粒子構造を示
す電子顕微鏡写真(×30000)である。 図10及び図11は、それぞれ実施例17及び実施例20で得ら
れた紡錘形を呈したマグネタイト粒子粉末の粒子構造を
示す電子顕微鏡写真(×30,000)である。 図12乃至図14は、それぞれ実施例25、実施例28及び比較
例23で得られた紡錘形を呈したマグヘマイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30,000)である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G11B 5/714 G11B 5/714 H01F 1/11 H01F 1/11 P (56)参考文献 特開 平1−115827(JP,A) 特開 平2−51429(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを
    反応させて得られたFeCO3を含む懸濁液を非酸化性雰囲
    気下において熟成した後、該FeCO3を含む懸濁液中に酸
    素含有ガスを通気して酸化することにより紡錘形を呈し
    たゲータイト粒子粉末を生成させるにあたり、前記炭酸
    アルカリ水溶液、前記FeCO3を含む懸濁液及び酸素含有
    ガスを通気して酸化する前の前記熟成を行わせているFe
    CO3を含む懸濁液のいずれかの液中に前記炭酸アルカリ
    水溶液に対し1〜50%の水酸化アルカリ水溶液を添加す
    ることにより、炭酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ
    水溶液の総和量が前記第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し1.
    1〜2.5倍当量とするとともに、前記熟成における熟成温
    度を30〜60℃、且つ、熟成時間を10〜100分間とするこ
    とにより、紡錘形を呈したゲータイト粒子を生成させ、
    該ゲータイト粒子若しくはこれを加熱焼成して得られた
    紡錘形を呈したヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還
    元して紡錘形を呈したマグネタイト粒子とするか、必要
    により、更に、酸化して紡錘形を呈したマグヘマイト粒
    子とすることを特徴とする紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒
    子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】炭酸アルカリ水溶液と第一鉄塩水溶液とを
    反応させて得られたFeCO3を含む懸濁液を非酸化性雰囲
    気下において熟成した後、該FeCO3を含む懸濁液中に酸
    素含有ガスを通気して酸化することにより紡錘形を呈し
    たゲータイト粒子粉末を生成させるにあたり、前記炭酸
    アルカリ水溶液、前記FeCO3を含む懸濁液及び酸素含有
    ガスを通気して酸化する前の前記熟成を行わせているFe
    CO3を含む懸濁液のいずれかの液中に前記炭酸アルカリ
    水溶液に対し1〜50%の水酸化アルカリ水溶液を添加す
    ることにより、炭酸アルカリ水溶液及び水酸化アルカリ
    水溶液の総和量が前記第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し1.
    1〜2.5倍当量とするとともに、前記熟成における熟成温
    度を30〜60℃、熟成時間を10〜100分間とし、且つ、前
    記炭酸アルカリ水溶液、前記第一鉄塩水溶液、前記FeCO
    3を含む懸濁液及び酸素含有ガスを通気して酸化する前
    の前記熟成を行わせているFeCO3を含む懸濁液のいずれ
    かに、あらかじめ亜鉛化合物を存在させておくことによ
    り、亜鉛を含有する紡錘形を呈したゲータイト粒子を生
    成させ、該ゲータイト粒子若しくはこれを加熱焼成して
    得られた亜鉛を含有する紡錘形を呈したヘマタイト粒子
    を還元性ガス中で加熱還元して亜鉛を含有する紡錘形を
    呈したマグネタイト粒子とするか、必要により、更に、
    酸化して亜鉛を含有する紡錘形を呈したマグヘマイト粒
    子とすることを特徴とする紡錘形を呈した磁性酸化鉄粒
    子粉末の製造法。
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