JP2935292B2 - 針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法 - Google Patents

針状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法

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JP2935292B2 JP3157830A JP15783091A JP2935292B2 JP 2935292 B2 JP2935292 B2 JP 2935292B2 JP 3157830 A JP3157830 A JP 3157830A JP 15783091 A JP15783091 A JP 15783091A JP 2935292 B2 JP2935292 B2 JP 2935292B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粒度が均斉であって樹
枝状粒子が混在しておらず、しかも、大きな軸比(長軸
径/短軸径)を有し、且つ、保磁力分布が優れている針
状磁性酸化鉄粒子粉末を提供することを目的とする。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録再生用機器の小型軽量化
が進むにつれて、磁気テープ、磁気ディスク等の記録媒
体に対する高性能化の必要性が益々生じてきている。即
ち、高記録密度、高感度特性及び高出力特性等が要求さ
れる。磁気記録媒体に対する上記のような要求を満足さ
せる為に要求される磁性材料粒子粉末の特性は、高い保
磁力と優れた分散性を有することである。
【0003】即ち、磁気記録媒体の高感度化及び高出力
化の為には磁性粒子粉末が出来るだけ高い保磁力を有す
ることが必要であり、この事実は、例えば、株式会社総
合技術センター発行「磁性材料の開発と磁粉の高分散化
技術」(1982年)の第310頁の「磁気テープ性能
の向上指向は、高感度化と高出力化‥‥にあったから、
針状γ−Fe2 3 粒子粉末の高保磁力化‥‥を重点と
するものであった。」なる記載の通りである。
【0004】また、磁気記録媒体の高記録密度の為に
は、前出「磁性材料の開発と磁粉の高分散化技術」第3
12頁の「塗布型テープにおける高密度記録のための条
件は、短波長信号に対して、低ノイズで高出力特性を保
持できることであるが、その為には保磁力Hcと残留磁
化Brが共に大きいことと塗布膜の厚みがより薄いこと
が必要である。」なる記載の通り、磁気記録媒体が高い
保磁力と大きな残留磁化Brを有することが必要であ
り、その為には磁性粒子粉末が高い保磁力を有し、ビー
クル中での分散性、塗膜中での配向性及び充填性が優れ
ていることが要求される。
【0005】また、磁気記録媒体の高出力化の為には、
特開昭63−26821号公報の「第1図は、上記した
磁気ディスクについて測定されたS.F.D.と記録再
生出力との関係を示す図である。‥‥S.F.D.と記
録再生出力の関係は、第1図から明らかな様に直線にな
り、これにより、S.F.D.の小さい強磁性粉末を使
うことで、記録再生出力が上ることがわかる。即ち、記
録再生出力を高出力化するためには、S.F.D.は小
さい方が望ましく、通常以上の出力を得るには、0.6
以下のS.F.D.が必要である。」なる記載の通り、
磁気記録媒体のS.F.D.(Switching F
ield Distribution)が小さいことが
必要であり、その為には、磁性粒子粉末の保磁力の分布
幅が小さいことが要求される。
【0006】周知のごとく、磁性粒子粉末の保磁力の大
きさは、形状異方性、結晶異方性、歪異方性及び交換異
方性のいずれか、若しくはそれらの相互作用に依存して
いる。
【0007】現在、磁気記録用磁性粒子粉末として使用
されている針状マグネタイト粒子粉末や針状マグヘマイ
ト粒子粉末等の磁性酸化鉄粒子粉末は、その形状に由来
する異方性を利用すること、即ち、軸比(長軸径/短軸
径)を大きくすることによって比較的高い保磁力を得て
いる。
【0008】これら既知の磁性粒子粉末は、出発原料で
あるゲータイト粒子又は該ゲータイト粒子を加熱処理し
て得られた針状ヘマタイト粒子を、水素等還元性ガス中
で還元してマグネタイト粒子又は鉄を主成分とする金属
粒子とすることにより、また、前記マグネタイト粒子
を、空気中で酸化してマグヘマイト粒子とすることによ
り得られている。
【0009】また、既知のCoで変成又はCoとFeと
で変成した針状磁性酸化鉄粒子粉末は、針状マグネタイ
ト粒子又は針状マグヘマイト粒子を前駆体粒子として用
い、該前駆体粒子のFeに対し0.5〜15.0原子%
のCoを含むように、上記前駆体粒子を水酸化コバルト
を含むアルカリ懸濁液又は水酸化コバルトと水酸化第一
鉄を含むアルカリ懸濁液中に分散させ、該分散液を加熱
処理することにより得られる。
【0010】磁気記録媒体の残留磁化Brは、磁性粒子
粉末のビヒクル中での分散性、塗膜中での配向性及び充
填性に依存しており、これら特性の向上の為には、ビヒ
クル中に分散させる磁性粒子粉末が粒度が均斉であって
樹枝状粒子が混在しておらず、しかも、大きな軸比(長
軸径/短軸径)を有していることが要求される。
【0011】上述した通り、粒度が均斉であって樹枝状
粒子が混在しておらず、しかも、大きな軸比(長軸径/
短軸径)を有し、且つ、保磁力分布が優れている磁性粒
子粉末は、現在、最も要求されているところであり、こ
のような特性を備えた磁性粒子粉末を得るためには、出
発原料であるゲータイト粒子粉末が粒度が均斉であって
樹枝状粒子が混在しておらず、しかも、大きな軸比(長
軸径/短軸径)を有することが要求される。
【0012】従来、粒度が均斉であって樹枝状粒子が混
在していない針状ゲータイト粒子を得る為の試みは種々
行われており、特開平2−293330号公報には、第
一鉄塩水溶液と1.0当量以上のアルカリ水溶液とを反
応して得られた水酸化第一鉄を含む懸濁液に酸素含有ガ
スを通気して酸化することにより針状ゲータイト粒子を
製造する方法において、酸素含有ガスを通気する前にア
スコルビン酸又はその塩等を添加する技術が開示されて
いる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】粒度が均斉であって樹
枝状粒子が混在しておらず、しかも、大きな軸比(長軸
径/短軸径)を有し、且つ、保磁力分布が優れている針
状磁性酸化鉄粒子粉末は、現在最も要求されているとこ
ろであるが、前出特開平2−293330号公報に記載
の方法による場合には、粒度が均斉であって樹枝状粒子
が混在していない針状ゲータイト粒子は得られるが、そ
の軸比(長軸径/短軸径)は高々10〜11程度であ
り、大きな軸比(長軸径/短軸径)を有する粒子とは言
えない。また、同製造法においてアスコルビン酸又はそ
の塩等に加えて更にアルカリ土類金属化合物を添加する
ことも行なわれているが、この場合においても軸比(長
軸径/短軸径)は高々15程度である。そして、この針
状ゲータイト粒子粉末を出発原料粒子として得られた針
状磁性酸化鉄粒子粉末もまた粒度が均斉であって樹枝状
粒子が混在していないものではあるが、軸比(長軸径/
短軸径)は加熱工程を経ることによって前記軸比(長軸
径/短軸径)の1/2〜1/3程度に小さくなる。
【0014】そこで、本発明は、粒度が均斉であって樹
枝状粒子が混在しておらず、しかも、大きな軸比(長軸
径/短軸径)を有し、且つ、保磁力分布の優れている針
状磁性酸化鉄粒子粉末を得ることを技術的課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって達成できる。
【0016】即ち、本発明は、第一鉄塩水溶液と該第一
鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量未満の水酸化アルカリ
水溶液又は炭酸アルカリ水溶液若しくは水酸化アルカリ
・炭酸アルカリ水溶液とを反応して得られた水酸化第一
鉄コロイド又は鉄含有沈澱物コロイドを含む第一鉄塩反
応溶液に、酸素含有ガスを通気して前記水酸化第一鉄コ
ロイド又は鉄含有沈澱物コロイドを酸化することによ
り、グリーンラストを経由して針状ゲータイト粒子を生
成させるにあたり、前記針状ゲータイト粒子が生成する
以前の液中にアスコルビン酸又はその塩、必要により、
更に、亜鉛化合物を存在させておくことにより針状ゲー
タイト粒子を生成させ、又は、必要により、グリーンラ
ストを経由して生成される前記針状ゲータイト粒子を針
状ゲータイト核粒子として用い、該ゲータイト核粒子を
成長させることにより針状ゲータイト粒子を生成させる
にあたり、前記ゲータイト核粒子が生成する以前の液中
にアスコルビン酸又はその塩、必要により、更に、亜鉛
化合物を存在させておくことにより針状ゲータイト粒子
を生成させ、次いで、これら針状ゲータイト粒子又は該
粒子を300〜700℃で加熱処理して得られた針状ヘ
マタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元して針状マグネ
タイト粒子を得るか、必要により更に酸化して針状マグ
ヘマイト粒子を得るか、又は、必要により、前記針状マ
グネタイト粒子又は針状マグヘマイト粒子を前記体粒子
として用い、該前駆体粒子のFeに対し0.5〜15.
0原子%のCoを含むように、前記前駆体粒子を水酸化
コバルトを含むアルカリ懸濁液又は水酸化コバルト・水
酸化第一鉄を含むアルカリ懸濁液中に分散させ、該分散
液を加熱処理することによりCoで変成又はCoとFe
2+とで変成された針状マグネタイト粒子又は針状マグヘ
マイト粒子を得ることからなる針状磁性酸化鉄粒子粉末
の製造法である。
【0017】次に、本発明方法実施にあたっての諸条件
について述べる。
【0018】本発明において使用される第一鉄塩水溶液
としては、硫酸第一鉄水溶液、塩化第一鉄水溶液等を使
用することができる。
【0019】本発明の針状ゲータイト粒子の生成反応に
おいて使用される水酸化アルカリ水溶液としては、水酸
化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液等を、炭酸
アルカリ水溶液としては、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸
カリウム水溶液、炭酸アンモニウム等を使用することが
できる。
【0020】水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水
溶液の使用量は、第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量
未満である。当量以上の場合には、大きな軸比(長軸径
/短軸径)を有する針状ゲータイト粒子が得られない。
【0021】本発明における針状ゲータイト核粒子の量
は、生成ゲータイト粒子に対し10mol%以上が好ま
しい。10mol%未満の場合には、生成した針状ゲー
タイト核粒子の形態を維持しながら成長反応が生起する
ことが困難となり、本発明の目的とする針状ゲータイト
粒子が得られない。
【0022】本発明におけるアスコルビン酸又はその塩
は、生成する針状ゲータイト粒子の粒度、樹枝状粒子の
有無や軸比(長軸径/短軸径)等の形態に影響するもの
であるから、針状ゲータイト粒子が生成する以前の液中
に存在させておくことが必要であり、第一鉄塩水溶液、
水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液、水酸化
第一鉄コロイド又は鉄含有沈澱物コロイドを含む第一鉄
塩反応溶液並びにグリーンラストの生成時の反応液のい
ずれの液中に添加してもよい。
【0023】アスコルビン酸の塩としては、アスコルビ
ン酸ナトリウム等を使用することができる。
【0024】アスコルビン酸又はその塩の添加量は、F
eに対し、アスコルビン酸として0.01〜5.0mo
l%である。0.01mol%未満の場合には、本発明
の目的とする粒度が均斉であって樹枝状粒子が混在して
おらず、しかも、大きな軸比(長軸径/短軸径)を有す
る針状ゲータイト粒子が得られない。5.0mol%を
越える場合には、生成する針状ゲータイト粒子の長軸径
が小さくなり、その結果、軸比(長軸径/短軸径)も小
さくなり、本発明の目的とする針状ゲータイト粒子が得
られない。
【0025】本発明においては、亜鉛化合物も、アスコ
ルビン酸又はその塩と同様に針状ゲータイト粒子又は針
状ゲータイト核粒子が生成する以前の液中に存在させて
おくことが必要であり、第一鉄塩水溶液、水酸化アルカ
リ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液若しくは水酸化アルカ
リ・炭酸アルカリ水溶液、水酸化第一鉄コロイド又は鉄
含有沈澱物コロイドを含む第一鉄塩反応溶液並びにグリ
ーンラストの生成時の反応液のいずれの液中に添加して
もよい。アスコルビン酸又はその塩と亜鉛化合物の添加
順序は、いずれが先でも又は同時でもよい。
【0026】亜鉛化合物としては、硫酸亜鉛、塩化亜
鉛、硝酸亜鉛等を使用することができる。亜鉛化合物の
添加量は、Feに対し0.1〜7.0mol%である。
0.1mol%未満の場合には、針状ゲータイト粒子の
軸比(長軸径/短軸径)をより大きくするという効果が
得られない。7.0mol%を越える場合にも、軸比
(長軸径/短軸径)がより大きい針状ゲータイト粒子が
得られるが、必要以上に添加する意味がない。
【0027】尚、本発明において、磁性粒子粉末の特性
向上等の為、ゲータイト粒子の生成反応中に通常添加さ
れるP、Al、Si等の1種又は2種以上を添加してお
いてもよく、この場合にも本発明の目的とする針状ゲー
タイト粒子粉末を得ることができる。
【0028】本発明における針状ゲータイト核粒子の成
長反応は、針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩反応溶
液に必要により、第一鉄塩を添加した後、pH3〜6に
維持しながら酸素含有ガスを通気する方法、前記針状ゲ
ータイト核粒子を含む第一鉄塩反応溶液に必要により、
第一鉄塩を添加した後、炭酸アルカリ水溶液又は炭酸ア
ルカリ・水酸化アルカリ水溶液を添加してpH8〜10
の範囲で酸素含有ガスを通気する方法並びに前記針状ゲ
ータイト核粒子を含む第一鉄塩反応溶液に必要により、
第一鉄塩を添加した後、水酸化アルカリ水溶液を添加し
てpH11以上で酸素含有ガスを通気する方法のいずれ
の方法でもよい。
【0029】針状ゲータイト核粒子をpH8〜10の範
囲で成長させる方法により得られた針状ゲータイト粒子
は、粒度がより均斉で樹枝状粒子が混在しておらず、軸
比(長軸径/短軸径)がより大きい粒子である。
【0030】本発明における酸化手段は、酸素含有ガス
(例えば空気)を液中に通気することにより行い、必要
により機械的操作等による攪拌を伴ってもよい。
【0031】本発明における反応温度は、通常、ゲータ
イト粒子が生成する80℃以下の温度で行えばよい。8
0℃を越える場合には、針状ゲータイト粒子中に粒状マ
グネタイト粒子粉末が混在してくる。
【0032】尚、本発明において、ゲータイト核粒子の
生成反応と該ゲータイト核粒子の成長反応とを同一の反
応塔を用いて行うことができることはもちろん、別々の
反応塔を用いる場合でも本発明の目的とするゲータイト
粒子が得られる。
【0033】本発明においては、必要により、出発原料
粒子を、加熱還元処理に先立って周知の方法により、S
i、Al、P化合物等の焼結防止効果を有する物質によ
って、あらかじめ被覆しておいてもよい。この被覆処理
によって粒子及び粒子相互間の焼結が防止され、出発原
料粒子の粒子形状及び軸比(長軸径/短軸径)を保持継
承し、個々に独立した磁性酸化鉄粒子が得られやすくな
る。
【0034】本発明における酸化温度は、常法により2
00〜500℃で行うことができる。
【0035】本発明における磁性酸化鉄粒子粉末のCo
変成は、常法により行うことができ、例えば、特公昭5
2−24237号公報、特公昭52−24238号公
報、特公昭52−36751号公報及び特公昭52−3
6863号公報に記載されているように、前駆体粒子を
水酸化コバルト又は、水酸化コバルトと水酸化第一鉄を
含むアルカリ懸濁液中に分散させ、該分散液を加熱処理
することにより行われる。
【0036】本発明における水酸化コバルトは、硫酸コ
バルト、塩化コバルト等の水可溶性コバルト塩と水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ水溶液
を用いることにより得られる。
【0037】本発明における水酸化第一鉄は、硫酸第一
鉄、塩化第一鉄等の水可溶性第一鉄塩と水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ水溶液を用いる
ことにより得られる。
【0038】Co変成にあたり、加熱処理する時の条件
は、非酸化性雰囲気下で50〜100℃の温度範囲で行
なうことが好ましい。
【0039】Co変成の温度は、処理時間に関与するも
のであり、温度を50℃以下とすれば、Co又はCoと
Fe2+で変成されたマグネタイト粒子又はマグヘマイト
粒子が生成し難く、生成するとしても極めて長時間の処
理を必要とする。
【0040】Co変成を非酸化性雰囲気下で行うのは、
コバルト及び第一鉄が水酸化物の時初めて変成が生起す
るからであり、分散液中の水酸化コバルト及び水酸化第
一鉄の酸化を防止するためである。
【0041】本発明における水可溶性コバルト塩の変成
量は、Feに対しCo換算で0.5〜15.0原子%で
ある。0.5原子%未満である場合には、得られる針状
マグネタイト粒子又はマグヘマイト粒子の保磁力を向上
させるという効果を十分達成することができない。1
5.0原子%を越える場合には、得られる針状マグネタ
イト粒子又はマグヘマイト粒子の保磁力分布を小さくす
るという効果が十分ではない。
【0042】添加した水可溶性コバルト塩は、ほぼ全量
が磁性酸化鉄粒子の粒子表面における変成の為に利用さ
れる。
【0043】針状マグネタイト粒子又はマグヘマイト粒
子の保磁力及び保磁力分布を考慮した場合、2.0〜1
3.0原子%が好ましい。
【0044】
【作用】先ず、本発明において最も重要な点は、第一鉄
塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し当量未満
の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸アルカリ水溶液若しく
は水酸化アルカリ・炭酸アルカリ水溶液とを反応して得
られた水酸化第一鉄コロイド又は鉄含有沈澱物コロイド
を含む第一鉄塩反応溶液に、酸素含有ガスを通気して前
記水酸化第一鉄コロイド又は鉄含有沈澱物コロイドを酸
化することにより、グリーンラストを経由して針状ゲー
タイト粒子を生成させるにあたり、前記針状ゲータイト
粒子が生成する以前の液中にアスコルビン酸又はその
塩、必要により、更に、亜鉛化合物を存在させた場合、
必要により、グリーンラストを経由して生成される前記
針状ゲータイト粒子を針状ゲータイト核粒子として用
い、該ゲータイト核粒子を成長させることにより針状ゲ
ータイト粒子粉末を生成させるにあたり、前記針状ゲー
タイト粒子が生成する以前の液中にアスコルビン酸又は
その塩を存在させた場合には、粒度が均斉であって樹枝
状粒子が混在しておらず、しかも、大きな軸比(長軸径
/短軸径)を有する針状ゲータイト粒子が得られ、該針
状ゲータイト粒子を出発原料粒子として得られた針状磁
性酸化鉄粒子もまた、粒度が均斉であって樹枝状粒子が
混在しておらず、しかも大きな軸比(長軸径/短軸径)
を有する粒子が得られる。そしてこれら諸特性を有する
針状磁性酸化鉄粒子粉末は、保磁力分布が優れていると
いう事実である。
【0045】粒度が均斉であって樹枝状粒子が混在して
おらず、しかも大きな軸比(長軸径/短軸径)を有する
針状ゲータイト粒子が得られる理由について、本発明者
は、後出比較例に示す通り、針状ゲータイト粒子又は針
状ゲータイト核粒子の生成にあたり、針状ゲータイト粒
子又は針状ゲータイト核粒子が生成する以前のグリーン
ラスト生成時にアスコルビン酸又はその塩を存在させな
かった場合やアスコルビン酸又はその塩の存在下であっ
てもグリーンラストを経由しないゲータイト生成反応の
場合には、目的とする針状ゲータイト粒子を得ることが
できないことから、グリーンラスト生成時にアスコルビ
ン酸又はその塩が存在していることによるものと考えて
いる。
【0046】本発明者は、これら現象の相違についてグ
リーンラストを経由しないpH11以上のゲータイト生
成反応の場合には、アスコルビン酸又はその塩が第一鉄
塩水溶液と水酸化アルカリ水溶液との反応により生成し
た水酸化第一鉄コロイドに作用するのに対し、本発明に
よる場合にはpH5〜7でグリーンラストに作用するこ
とによって、アスコルビン酸又はその塩のゲータイトの
晶癖形成過程に及ぼす影響が相違するものと考えてい
る。
【0047】本発明においては、アスコルビン酸又はそ
の塩の添加量が多くなる程、針状ゲータイト粒子の軸比
(長軸径/短軸径)が大きくなる傾向にある。
【0048】本発明において、アスコルビン酸又はその
塩と亜鉛化合物とを併用すると、その相乗効果によって
粒度がより均斉であって樹枝状粒子が混在しておらず、
軸比(長軸径/短軸径)がより大きい針状ゲータイト粒
子を得ることができる。
【0049】即ち、アスコルビン酸又はその塩を添加す
る場合には15以上、殊に、20以上の、アスコルビン
酸又はその塩と亜鉛化合物とを併用する場合には20以
上、殊に、25以上の軸比(長軸径/短軸径)を有する
針状ゲータイト粒子が得られる。
【0050】
【実施例】次に、実施例並びに比較例により、本発明を
説明する。尚、以下の実施例並びに比較例における粒子
の長軸径、軸比(長軸径/短軸径)は、いずれも電子顕
微鏡写真から測定した数値の平均値で示した。
【0051】粒子の粒度分布は、以下の方法により求め
た幾何標準偏差値(σg)で示した。即ち、12万倍の
電子顕微鏡写真に写っている粒子350個の長軸径を測
定し、その測定値から計算して求めた粒子の実際の長軸
径と個数から統計学的手法に従って対数正規確率紙上の
横軸に粒子の長軸径を、縦軸に等間隔にとった長軸径区
間のそれぞれに属する粒子の累積個数を百分率でプロッ
トする。そして、このグラフから粒子の個数が50%及
び84.13%のそれぞれに相当する長軸径の値を読み
とり、個数50%の時の長軸径(μm)を個数84.1
3%の時の長軸径(μm)で徐した値で示した。
【0052】磁性酸化鉄粒子粉末の磁気特性及び塗膜特
性は、「振動試料磁力計VSM−3S−15」(東英工
業(株)製)を使用し、針状マグネタイト粒子粉末及び
針状マグヘマイト粒子粉末は外部磁場5KOe、Co変
成磁性酸化鉄粒子粉末は外部磁場10KOeまでかけて
測定した。
【0053】塗膜の角型及びS.F.D.の測定は、後
出実施例52の方法により得られたシート試料片を用い
て行った。また、S.F.D.は、前記磁気測定器の微
分回路を使用して、磁気履歴曲線の減磁カーブの微分曲
線を得、この曲線の半値巾を測定し、この値を保磁力で
除することにより求めた。
【0054】<針状ゲータイト粒子粉末の製造法> 実施例1〜7、比較例1〜3; 実施例1 Fe2+ 1.50mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液4
64 lと2.7−NのNaOH水溶液228 l(硫
酸第一鉄水溶液中のFe2+に対し0.42当量に該当す
る。)とを混合し、pH6.8、温度40℃においてF
e(OH)2 を含む硫酸第一鉄水溶液の生成を行った。
【0055】上記Fe(OH)2 を含む硫酸第一鉄水溶
液に、アスコルビン酸23.8gを含む水溶液0.1
l(アスコルビン酸はFeに対し0.35mol%に該
当する。)を添加した後、温度40℃において毎分80
0 lの空気を6.8時間通気してゲータイト核粒子を
生成させた。反応溶液の一部を抜き取り、常法により、
濾過、水洗、乾燥して得られた粒子粉末の電子顕微鏡写
真(×30000)を図1に示す。
【0056】得られた針状ゲータイト粒子粉末は、図1
に示す通り、長軸0.214μm、軸比(長軸径/短軸
径)28の針状粒子であった。また、幾何標準偏差値が
0.829の粒度が均斉で樹枝状粒子が混在しないもの
であった。
【0057】上記ゲータイト粒子を針状ゲータイト核粒
子として用い、該針状ゲータイト核粒子を含む硫酸第一
鉄水溶液(ゲータイト核粒子の存在量は生成ゲータイト
粒子に対し42mol%に該当する。)に、7.0−N
のNa2 CO3 水溶液208l(残存硫酸第一鉄水溶液
中のFe2+に対し1.8当量に該当する。)を加え、p
H8.9、温度50℃において毎分800 lの空気を
2.0時間通気してゲータイト粒子粉末を生成した。
【0058】生成ゲータイト粒子は、常法により、濾
過、水洗、乾燥した。
【0059】得られたゲータイト粒子粉末は、図2の電
子顕微鏡写真(×30000)に示す通り、長軸0.2
67μm、軸比(長軸径/短軸径)28の針状粒子であ
った。また、幾何標準偏差値が0.817の粒度が均斉
であって樹枝状粒子が混在しないものであった。
【0060】実施例2〜7、比較例1〜3 針状ゲータイト粒子又は針状ゲータイト核粒子の生成時
における第一鉄塩水溶液の種類及び使用量、アルカリ水
溶液の種類、濃度及び使用量、アスコルビン酸又はその
塩の種類、量及び添加時期、異種金属の種類、量及び添
加時期、生成時の反応温度、針状ゲータイト核粒子の成
長反応時におけるゲータイト核粒子の存在量、アルカリ
水溶液の種類、濃度及び使用量、反応時のpH、反応温
度を種々変化させた以外は実施例1と同様にして針状ゲ
ータイト粒子を生成した。
【0061】この時の主要製造条件及び生成針状ゲータ
イト粒子の諸特性を表1及び表2に示す。尚、比較例2
及び3は、グリーンラストを経由して針状ゲータイト核
粒子を生成させることなく、pH11以上で酸素含有ガ
スを通気することにより、直接針状ゲータイト粒子を生
成させるものである。
【0062】図3及び図4は、それぞれ実施例3で得ら
れた針状ゲータイト核粒子、針状ゲータイト粒子の電子
顕微鏡写真(×30000)である。図5及び図6は、
それぞれ比較例1で得られた針状ゲータイト核粒子、針
状ゲータイト粒子である。図7及び図8は、それぞれ比
較例2及び3で得られた針状ゲータイト粒子の電子顕微
鏡写真(×30000)である。
【0063】実施例2及び実施例4乃至7で得られた針
状ゲータイト粒子は電子顕微鏡観察の結果、いずれも粒
度が均斉で樹枝状粒子が混在しないものであり、軸比
(長軸径/短軸径)が大きいものであった。
【0064】比較例1及び3で得られた針状ゲータイト
粒子は、図6及び図8の電子顕微鏡写真に示す通り、い
ずれも粒度が不均斉で樹枝状粒子が混在していた。ま
た、比較例2で得られた針状ゲータイト粒子の軸比(長
軸径/短軸径)は小さいものであった。
【0065】<針状マグネタイト粒子粉末の製造> 実施例8〜16、比較例4〜6; 実施例8 実施例1で得られた濾別、水洗した針状ゲータイト粒子
のペースト16.7Kg(針状ゲータイト粒子約5.0
Kgに相当する。)を88 lの水中に懸濁させた。こ
の時のpHは7.5であった。次いで、上記懸濁液にヘ
キサメタリン酸ナトリウム75gを含む水溶液750m
l(針状ゲータイト粒子に対しPO3として1.15w
t%に相当する。)を添加して30分間攪拌した後、濾
別、乾燥してP化合物で被覆されている針状ゲータイト
粒子粉末を得た。上記粒子表面がP化合物で被覆されて
いる針状ゲータイト粒子粉末を、空気中320℃で加熱
処理してP化合物で被覆されている針状ヘマタイト粒子
粉末を得た。
【0066】上記粒子表面がP化合物で被覆されている
針状ヘマタイト粒子粉末1000gをレトルト還元容器
中に投入し、駆動回転させながらH2 ガスを毎分2 l
の割合で通気し、還元温度360℃で還元してP化合物
で被覆されている針状マグネタイト粒子粉末を得た。
【0067】得られたP化合物で被覆されている針状マ
グネタイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、平均値
で長軸0.18μm、軸比(長軸径/短軸径)7.9で
あり、幾何標準偏差値が0.66の粒度が均斉な粒子で
あって、樹枝状粒子が混在しないものであった。また、
磁気測定の結果、保磁力Hcは387 Oe、飽和磁化
σsは、83.8emu/gであった。
【0068】実施例9〜16、比較例4〜6 出発原料の種類、P化合物による被覆処理の有無、空気
中加熱処理の有無及び加熱温度を種々変化させた以外
は、実施例8と同様にして針状マグネタイト粒子粉末を
得た。この時の主要製造条件及び粒子粉末の特性を表3
に示す。実施例9〜16で得られた針状マグネタイト粒
子粉末はいずれも電子顕微鏡観察の結果、粒度が均斉で
あり、樹枝状粒子が混在しないものであった。
【0069】<針状マグヘマイト粒子粉末の製造> 実施例17〜25、比較例7〜9; 実施例17 実施例8で得られた粒子表面がP化合物で被覆されてい
る針状マグネタイト粒子粉末300gを空気中300℃
で60分間酸化して粒子表面がP化合物で被覆されてい
るマグヘマイト粒子粉末を得た。
【0070】得られた粒子表面がP化合物で被覆されて
いる針状マグヘマイト粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結
果、長軸0.17μm、軸比(長軸径/短軸径)7.8
であり、幾何標準偏差値が0.65の粒度が均斉な粒子
であって、樹枝状粒子が混在しないものであった。ま
た、磁気測定の結果、保磁力Hcは354 Oe、飽和
磁化σsは、73.6emu/gであった。
【0071】実施例18〜25、比較例7〜9 針状マグネタイト粒子粉末の種類を種々変化させた以外
は、実施例17と同様にして針状マグヘマイト粒子粉末
を得た。この時の主要製造条件及び粒子粉末の特性を表
4に示す。実施例18〜25で得られた針状マグヘマイ
ト粒子粉末はいずれも電子顕微鏡観察の結果、粒度が均
斉であって、樹枝状粒子が混在しないものであった。
【0072】<Coで変成された針状マグネタイト粒子
粉末の製造> 実施例26〜38、比較例10〜12; 実施例26 実施例14で得られた粒子表面がP化合物で被覆されて
いる針状マグネタイト粒子粉末100gを可及的に空気
の混入を防止しながら硫酸コバルトと硫酸第一鉄を用い
たコバルト0.085molと第一鉄0.179mol
が溶存している1.0 lの水中に投入し微細なスラリ
ーになるまで分散させ、次いで該分散液に18−NのN
aOH水溶液102mlを注加し、更に水を加えて全容
を1.3lとしてOH基濃度1.0mol/lの分散液
とした。該分散液の温度を100℃に昇温し、この温度
で攪拌しながら5時間後にスラリーを取り出し、水洗、
濾過し、60℃で乾燥して、Coで変成された針状マグ
ネタイト粒子粉末を得た。
【0073】得られた粒子は、電子顕微鏡観察の結果、
前駆体である粒子表面がP化合物で被覆されているマグ
ネタイト粒子の形状、粒度を継承しており、長軸0.2
8m、軸比(長軸径/短軸径)7.1であり、幾何標準
偏差値が0.56の粒度が均斉な粒子であった。また、
磁気測定の結果、保磁力Hcは803 Oe、飽和磁化
σsは83.1emu/gであった。
【0074】実施例27〜38、比較例10〜12 前駆体であるマグネタイト粒子の量を100g、処理液
全容量を1.3 lとして、前駆体の種類、コバルト添
加量、Fe2+添加量及びNaOHの添加量を種々変化さ
せた以外は、実施例26と同様にしてCo又はCoとF
2+で変成された針状マグネタイト粒子を得た。この時
の主要製造条件及び特性を表5に示す。
【0075】<Coで変成された針状マグヘマイト粒子
粉末の製造> 実施例39〜51、比較例13〜15; 実施例39 実施例23で得られた粒子表面がP化合物で被覆されて
いる針状マグヘマイト粒子粉末100gを可及的に空気
の混入を防止しながら硫酸コバルトと硫酸第一鉄を用い
たコバルト0.085molと第一鉄0.179mol
が溶存している1.0 lの水中に投入し、微細なスラ
リーになるまで分散させ、次いで該分散液に18−Nの
NaOH溶液102mlを注加し、更に水を加えて全容
を1.3lとしてOH基濃度1.0mol/lの分散液
とした。該分散液の温度を100℃に昇温し、この温度
で攪拌しながら5時間後にスラリーを取り出し、水洗、
濾別し、60℃で乾燥してCoで変成された針状マグヘ
マイト粒子を得た。
【0076】得られた粒子は、電子顕微鏡観察の結果、
前駆体である粒子表面がP化合物で被覆されている針状
マグヘマイト粒子の形状、粒度を継承しており、長軸
0.27μm、軸比(長軸径/短軸径)7.0であり、
幾何標準偏差値が0.56の粒度が均斉な粒子であっ
た。また、磁気測定の結果、保磁力Hcは779 O
e、飽和磁化σsは76.3emu/gであった。
【0077】実施例40〜51、比較例13〜15 前駆体である針状マグヘマイト粒子の量を100g、処
理液全容量を1.3lとして、前駆体の種類、Co添加
量、Fe2+添加量、NaOH水溶液の添加量、温度、時
間を種々変化させた以外は、実施例39と同様にしてC
o又はCoとFe2+で変成された針状マグヘマイト粒子
を得た。この時の主要製造条件及び特性を表6に示す。
【0078】<磁気テープの製造> 実施例52〜95、比較例16〜27; 実施例52 140ccのガラスビンに実施例8で得られた粒子表面
がP化合物で被覆されている針状マグネタイト粒子粉
末、樹脂及び溶剤を下記の割合で入れた後、ペイントコ
ンディショナーで2時間混合分散を行うことにより調整
した磁性塗料を厚さ25μmのポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上にアプリケーターを用いて40μmの厚
さに塗布し、次いで、1450Gaussの磁場中で配
向させた後乾燥させることにより得た。
【0079】 1.5mmφガラスビーズ 100g 針状マグネタイト粒子粉末 15g トルエン 5.6g リン酸エステル(GAFACRE−610 東邦化学(製)) 0.6g レシチン 0.6g 塩ビ酢ビ共重合体樹脂(ビニライトVAGH ユニオンカーバイト社(製)) 3.75g ブタジエンアクリロニトリルゴム(Hycar 1432J 日本ゼオン社 (製)) 0.75g メチルイソブチルケトン:メチルエチルケトン:トルエン=3:1:1の 混合溶液 40.5g
【0080】この磁気テープのS.F.D.は0.5
0、保磁力Hcは355 Oe、残留磁束密度Brは1
660Gauss、角型Br/Bmは0.81であっ
た。
【0081】実施例53〜95、比較例16〜27 磁性粒子粉末の種類を種々変化した以外は、実施例52
と同様にして磁気テープを製造した。尚、針状マグヘマ
イト粒子粉末は1450Gauss、Co変成磁性酸化
鉄粒子粉末は1900Gaussの磁場中で配向させ
た。磁気テープの諸特性を表7〜10に示す。
【0082】
【表1】
【0083】
【表2】
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】
【表5】
【0087】
【表6】
【0088】
【表7】
【0089】
【表8】
【0090】
【表9】
【0091】
【表10】
【0092】
【発明の効果】本発明に係る針状磁性酸化鉄粒子粉末の
製造法によれば、前出実施例に示した通り、粒度が均斉
であって樹枝状粒子が混在しておらず、しかも、大きな
軸比(長軸径/短軸径)を有し、且つ、保磁力分布が優
れている針状磁性酸化鉄粒子粉末を得ることが出来るの
で、高記録密度、高感度、高出力用磁性粒子粉末として
好適である。
【0093】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた針状ゲータイト核粒子の粒
子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)である。
【図2】実施例1で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図3】実施例3で得られた針状ゲータイト核粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図4】実施例3で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図5】比較例1で得られた針状ゲータイト核粒子粉末
の粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図6】比較例1で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図7】比較例2で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
【図8】比較例3で得られた針状ゲータイト粒子粉末の
粒子構造を示す電子顕微鏡写真(×30000)であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高間 和志 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 軸原 成泰 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 審査官 平田 和男 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C01G 49/08 C01G 49/00 C01G 49/06

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の
    Fe2+に対し当量未満の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸
    アルカリ水溶液若しくは水酸化アルカリ・炭酸アルカリ
    水溶液とを反応して得られた水酸化第一鉄コロイド又は
    鉄含有沈澱物コロイドを含む第一鉄塩反応溶液に、酸素
    含有ガスを通気して前記水酸化第一鉄コロイド又は鉄含
    有沈澱物コロイドを酸化することにより、グリーンラス
    トを経由して針状ゲータイト粒子粉末を生成させるにあ
    たり、前記針状ゲータイト粒子が生成する以前の液中に
    アスコルビン酸又はその塩を存在させておくことにより
    針状ゲータイト粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータ
    イト粒子又は該粒子を300〜700℃で加熱処理して
    得られた針状ヘマタイト粒子を還元性ガス中で加熱還元
    して針状マグネタイト粒子を得るか、必要により更に酸
    化して針状マグヘマイト粒子を得ることを特徴とする針
    状磁性酸化鉄粒子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 針状ゲータイト粒子が生成する以前の液
    中にアスコルビン酸又はその塩と亜鉛化合物を添加して
    おくことを特徴とする請求項1記載の針状磁性酸化鉄粒
    子粉末の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2記載の方法により得
    られた針状マグネタイト粒子又は針状マグマイト粒子を
    前駆体粒子として用い、該前駆体粒子のFeに対し0.
    5〜15.0原子%のCoを含むように、前記前駆体粒
    子を水酸化コバルトを含むアルカリ懸濁液又は水酸化コ
    バルト・水酸化第一鉄を含むアルカリ懸濁液中に分散さ
    せ、該分散液を加熱処理することによりCoで変成又は
    CoとFe2+とで変成された針状マグネタイト粒子又は
    針状マグヘマイト粒子を得ることを特徴とする針状磁性
    酸化鉄粒子粉末の製造法。
  4. 【請求項4】 第一鉄塩水溶液と該第一鉄塩水溶液中の
    Fe2+に対し当量未満の水酸化アルカリ水溶液又は炭酸
    アルカリ水溶液若しくは水酸化アルカリ・炭酸アルカリ
    水溶液とを反応して得られた水酸化第一鉄コロイド又は
    鉄含有沈澱物コロイドを含む第一鉄塩反応溶液に、酸素
    含有ガスを通気して前記水酸化第一鉄コロイド又は鉄含
    有沈澱物コロイドを酸化することにより、グリーンラス
    トを経由して針状ゲータイト核粒子を生成させ、次い
    で、該ゲータイト核粒子を成長させることにより針状ゲ
    ータイト粒子粉末を生成させるにあたり、前記針状ゲー
    タイト核粒子が生成する以前の液中にアスコルビン酸又
    はその塩を存在させておくことにより針状ゲータイト粒
    子を生成させ、次いで、該針状ゲータイト粒子又は該粒
    子を300〜700℃で加熱処理して得られた針状ヘマ
    タイト粒子を還元性ガス中で加熱還元して針状マグネタ
    イト粒子を得るか、必要により更に酸化して針状マグヘ
    マイト粒子を得ることを特徴とする針状磁性酸化鉄粒子
    粉末の製造法。
  5. 【請求項5】 針状ゲータイト核粒子が生成する以前の
    液中にアスコルビン酸又はその塩と亜鉛化合物を添加し
    ておくことを特徴とする請求項4記載の針状磁性酸化鉄
    粒子粉末の製造法。
  6. 【請求項6】請求項4又は請求項5記載の方法により得
    られた針状マグネタイト粒子又は針状マグマイト粒子を
    前駆体粒子として用い、該前駆体粒子のFeに対し0.
    5〜15.0原子%のCoを含むように、前記前駆体粒
    子を水酸化コバルトを含むアルカリ懸濁液又は水酸化コ
    バルト・水酸化第一鉄を含むアルカリ懸濁液中に分散さ
    せ、該分散液を加熱処理することによりCoで変成又は
    CoとFe2+とで変成された針状マグネタイト粒子又は
    針状マグヘマイト粒子を得ることを特徴とする針状磁性
    酸化鉄粒子粉末の製造法。
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EP91306772A EP0515748B1 (en) 1991-05-31 1991-07-25 Process for producing acicular goethite particles and acicular magnetic iron oxide particles
US08/022,847 US5378380A (en) 1991-05-31 1993-02-25 Process for producing acicular geothite particles and acicular magnetic iron oxide particles
US08/309,743 US5480571A (en) 1991-05-31 1994-09-21 Process for producing acicular goethite particles and acicular magnetic iron oxide particles

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