JP2011207731A - フェライト粒子、及びその製造方法 - Google Patents

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智央 山内
Tsukasa Chikada
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Abstract

【課題】nmオーダの、十分に微細であるとともに均一であって、十分な磁気特性を有する、新規なフェライト粒子を提供する。
【解決手段】平均粒子径が5nm〜30nmであって、複素透磁率の虚部は周波数依存性を呈し、1GHz以上の周波数領域においてピークを示すようにして、フェライト粒子を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、電波吸収性フィラー、特にマイクロ波吸収フィラーとして有用な、フェライト粒子、及びその製造方法に関する。
従来、バルク状のフェライトは優れた磁気特性を有することから、高周波用インダクタ、トランスコア、磁気記録媒体、電波吸収体等の素子用途に供されてきた。一方、近年においては、電子機器の特性向上とともに、その小型化及び薄型化が要求されるようになってきており、これに伴って、電子機器を構成する素子の特性向上、小型化及び薄型化も要求されるようになってきている。
このような観点から、近年においては、上記素子を構成するバルク状フェライトに代わって粒子状のフェライトが用いられるようになってきている。このようなフェライト粒子は、その大きさ(粒径)が小さいほど、素子中に高密度かつ多量に含有させることができるので、素子におけるフェライト(粒子)の特性を十分に発揮することができるようになる。また、素子に対して柔軟性を付与したいような場合においても有用である。
しかしながら、フェライト粒子の大きさ(粒径)が小さくなると、その磁気特性が劣化し、例えば飽和磁化が減少してしまって、本来的な磁性材料として用いることができなくなってしまう。この結果、このようなフェライト粒子を上記磁気記録媒体や電波吸収体、特にマイクロ波吸収フィラー等として用いようとした場合において、要求される特性を十分に発揮することができない。したがって、微細かつ均一であって、十分な磁気特性を有するフェライト粒子の実現が望まれている。
従来、フェライト粒子は、例えば固相反応・粉砕法によって製造されてきたが、この方法では、原料粉末を1000℃前後の高温で加熱するため粒子が粗大化するうえ、粗大化した粒子を機械的に粉砕するため、微粒子化が困難であるとともに、得られたフェライト粒子の大きさも不均一であって粒径分布が大きくなり、均一な大きさのフェライト粒子を得ることができない。したがって、このような方法では、上述した要件を満足するフェライト粒子を得ることができない。
また、原料金属塩を含んだ水酸化物懸濁液を酸化性ガス等で酸化してフェライト粉末を得る方法、原料金属塩を含んだ水酸化物懸濁液を過剰アルカリのもと加熱して水熱反応によってフェライト粉末を得る方法がある。例えば、特許文献1では、2価の金属元素及び鉄の水溶性化合物の混合溶液に、過酸化水素の共存下でpHが9以上になるようにアルカリを加えて作製した複合水酸化物スラリーを、130〜250℃において飽和圧力下で水熱処理する磁性酸化物の製造方法が開示されている。かかる方法によれば粒径が20〜30nmのNi−Znスピネルフェライト粒子が得られる旨記載されている。
しかしながら、加熱方式に由来する温度の不均一性等の製造条件の微妙な変化により組成のばらつきが大きくなるなど、組成及び大きさの均一なフェライト粒子を安定に製造するうえで問題があった。したがって、このような方法においても、上述した要件を満足するようなフェライト粒子を得ることができないでいた。
さらに、特許文献2〜4には、マイクロ波を用いたフェライト粒子の水熱合成法が開示されている。マイクロ波による加熱は、外部からの加熱と異なり、マイクロ波の照射によって、分極を持つ誘電損失の大きい物質が内部から均一かつ急速に加熱されることを利用する。したがって、マイクロ波を用いた水熱合成法では、従来の外部から加熱する水熱法等に比べて反応時間が著しく短くなるとともに、組成等が均一なフェライト粒子を得ることができる。
例えば特許文献2では、尿素をアルカリ源として用い、この尿素と原料である所定の金属塩とからなる混合水溶液に対して、マイクロ波照射して急速に水熱反応を生ぜしめることによって、0.1〜0.5μmの粒径のフェライト粒子が生成できることが開示されている。また、特許文献3では、アルカリ源と原料である金属塩とからなる混合水溶液に対して媒体油及び界面活性剤を添加し、マイクロ波照射して急速に水熱反応を生ぜしめることによって、数十nmの粒径のフェライト粒子が生成できることが開示されている。
さらに、特許文献4では、アルカリ源と原料である金属塩とからなる混合水溶液に対して、沸点が150℃以上の水溶性溶媒を添加し、合成時の圧力上昇を抑制することにより、50nmの粒径の均一なフェライト粒子が製造できることが開示されている。
しかしながら、上述した従来のマイクロ波を用いた水熱合成法によってフェライト粒子を製造した場合においては、最も小さくても粒径が50nm程度のものしか得ることができず、また、飽和磁化等の磁化特性も十分なものではなかった。したがって、nmオーダの、十分に微細であるとともに均一であって、十分な磁気特性を有するフェライト粒子は未だ得られていないのが現状である。
特開平6−224020号 特開2002−173327号 特開2004−223355号 特開2006−27994号
本発明は、nmオーダの、十分に微細であるとともに均一であって、十分な磁気特性を有する、新規なフェライト粒子を提供することを目的とする。
上記目的を達成すべく、本発明は、
平均粒子径が5nm〜30nmであって、複素透磁率の虚部は周波数依存性を呈し、1GHz以上の周波数領域においてピークを示すことを特徴とする、フェライト粒子に関する。
本発明のフェライト粒子は、平均粒子径が5nm〜30nmと十分に小さいにも拘わらず、複素透磁率の虚部が周波数依存性を示し、1GHz以上の周波数領域においてピークを示す。一般に、磁性体の複素透磁率の虚部が周波数依存性を示すということは、その磁性体がある程度の磁性を有していることを意味する。一方、フェライト粒子は、電波吸収体として機能するので、その複素透磁率の虚部のピークが1GHz以上の高周波領域でピークを示すということは、そのフェライト粒子自体が十分に結晶化し、その本来的な磁性を維持していることを意味する。
したがって、本発明のフェライト粒子は、十分に微細であるとともに均一であって、十分な磁気特性を有することが分かる。このため、本発明のフェライト粒子は、種々の素子、例えば磁気記録媒体や電波吸収体、特にマイクロ波吸収体に対して適用することができ、また、マイクロ波吸収フィラーとして好適に用いることができる。
なお、本発明の一例において、フェライト粒子の飽和磁化が、バルク状フェライトの飽和磁化に対して80%〜100%の範囲にあることを特徴とする。このような要件を満足することにより、上記フェライト粒子は、バルク状フェライトに対して遜色のない磁気特性を有する。したがって、フェライト本来の磁気特性を有するnmオーダのフェライト粒子を得ることができる。
本発明における“バルク状フェライト”とは、μmオーダ以上の大きさ(粒径)を有するフェライト(粒子)を意味する。フェライト粒子の磁気特性は、その製造方法にも依存するが、一般には、その大きさ(粒径)に依存し、大きさ(粒径)の増大とともに飽和磁化等の磁気特性も増大する。しかしながら、ある特定の大きさにまで達すると、磁気特性も飽和する傾向にある。したがって、上記“バルク状フェライト”のμmオーダという単位は、このような特性を考慮して規定したものである。
上述したフェライト粒子の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、水熱法と加熱処理とを組み合わせることによって得ることができる。具体的には、以下に示すような製造方法によって得ることができる。
すなわち、フェライト粒子を構成する金属元素を含む金属塩の水溶液中にアルカリを添加し、前記金属元素の水酸化物が共沈してなるゲル状のフェライト前駆体を含むアルカリ性水溶液を調整する工程と、
前記アルカリ性水溶液に対して第1のマイクロ波を照射し、水熱法によって前記フェライト前駆体からフェライト粒子を製造する工程と、
前記フェライト粒子に200℃〜600℃の温度範囲において加熱処理を施す工程と、
を具えることを特徴とする、フェライト粒子の製造方法によって得ることができる。
なお、本発明におけるフェライト粒子とは、以下に説明する内容からも明らかなように、一般式MFe(M:2価の金属イオン)で表されるスピネル型のフェライト粒子を意味するものである。
また、本発明における”平均粒子径”は、TEM観察によって直接的に測定したものであり、”複素透磁率の虚部の周波数依存性”は、以下に示すように所定のネットワークアナライザーを用いて測定したものである。
以上説明したように、本発明によれば、nmオーダの、十分に微細であるとともに均一であって、十分な磁気特性を有する、新規なフェライト粒子を提供することができる。
実施例におけるニッケル亜鉛フェライト粒子のX線回折チャートである。 実施例におけるニッケルフェライト粒子のX線回折チャートである。 実施例における複素透磁率の虚部の周波数依存性のグラフを示す。 比較例における複素透磁率の虚部の周波数依存性のグラフを示す。
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について、実施の形態に基づいて説明する。
(フェライト粒子)
本発明におけるフェライト粒子は、その平均粒子径が5nm〜30nmであることが必要である。平均粒子径が30nmを超えると、電子機器を構成する素子、特に磁気記録媒体や電波吸収体などの小型化及び薄型化も要求される素子中に高密度かつ多量に含有させることができなくなり、素子におけるフェライト(粒子)の特性を十分に発揮することができなる。また、素子に対して柔軟性を付与することが困難となる。一方、平均粒子径が5nm未満であると、以下に示すような磁気特性を得ることが困難になり、フェライト本来の磁気特性を奏することができなくなる。
また、本発明におけるフェライト粒子は、複素透磁率の虚部が周波数依存性を示し、1GHz以上の周波数領域においてピークを示すことが必要である。一般に、磁性体の複素透磁率の虚部が周波数依存性を示すということは、その磁性体がある程度の磁性を有していることを意味する。一方、フェライト粒子は、電波吸収体として機能するので、その複素透磁率の虚部のピークが1GHz以上の高周波領域でピークを示すということは、そのフェライト粒子自体が十分に結晶化し、その本来的な磁性を維持していることを意味する。
したがって、本発明のフェライト粒子は、上述のように十分に微細であるとともに均一であって、十分な磁気特性を有し、種々の素子、例えば磁気記録媒体や電波吸収体、特にマイクロ波吸収体に対して適用することができ、また、マイクロ波吸収フィラーとして好適に用いることができる。
なお、フェライト粒子の飽和磁化が、バルク状フェライトの飽和磁化に対して80%〜100%の範囲にあることが好ましい。このような要件を満足することにより、上記フェライト粒子は、バルク状フェライトに対して遜色のない磁気特性を有するようになる。したがって、フェライト本来の磁気特性を有するnmオーダのフェライト粒子を得ることができる。結果として、本発明のフェライト粒子における、上述した複素透磁率の虚部が周波数依存性を示し、1GHz以上の周波数領域においてピークを示すという磁気特性を容易に満足することができるようになる。
“バルク状フェライト”とは、上述したように、磁気特性が飽和するμmオーダの単位のフェライト(粒子)を意味する。
また、本発明のフェライト粒子を、特にマイクロ波吸収フィラーとして用い、さらにはこのマイクロ波吸収フィラーを含有させてマイクロ波吸収体を得るような場合は、複素透磁率の虚部は2GHz以上の周波数領域でピークを示すことが好ましい。この場合、マイクロ波の周波数領域の広範囲において、複素透磁率の虚部は比較的高い値を示すことになるので、このようなフェライト粒子はマイクロ波をより吸収し、マイクロ波吸収フィラーとしてより有効に機能するようになり、このようなフェライト粒子を含むマイクロ波吸収体は、その機能をより効果的に発揮することができるようになる。
さらに、複素透磁率の虚部は、前記周波数領域で少なくとも2以上のピークを有することが好ましい。同様に、前記少なくとも2以上のピーク間において、前記複素透磁率の虚部の前記周波数依存性は略線形性を呈することが好ましい。これらの場合においても、マイクロ波の周波数領域の広範囲において、複素透磁率の虚部は比較的高い値を示すことになるので、このようなフェライト粒子はマイクロ波吸収フィラーとしてより有効に機能し、このようなフェライト粒子を含むマイクロ波吸収体は、その機能をより効果的に発揮することができるようになる。なお、本実施形態における“略線形性”とは、上述したピーク間において、虚部の周波数依存性が変曲点を有しないような場合を意味するものである。
なお、複素透磁率の虚部とマイクロ波吸収エネルギーとは、
Figure 2011207731
なる関係があるので(WO2008/136391号参照)、このような関係式からも、上述した作用効果、すなわち、マイクロ波の周波数領域の広範囲において複素透磁率の虚部が比較的高い値を示すことによって、マイクロ波の吸収効率が向上することは容易に関連付けることができる。
また、本発明のフェライト粒子は、一般式MFe(M:2価の金属イオン)で表されるスピネル型のフェライト粒子を意味するものであって、例えば、フェライト(マグネタイト)、亜鉛フェライト、マンガンフェライト、コバルトフェライト、ニッケルフェライト、ニッケル亜鉛フェライト、マンガン亜鉛フェライト、コバルト亜鉛フェライト等を例示することができる。
(フェライト粒子の製造方法)
次に、本発明のフェライト粒子の製造方法について説明する。なお、以下に説明する製造方法は、上記フェライト粒子を得るための製造方法の一例であって、上記フェライト粒子を得るための製造方法は以下の内容に限定されるものではない。
上記フェライト粒子は、以下に示すように水熱法及び加熱処理を組み合わせることによって得ることができる。
最初に、例えば、耐圧性マイクロ波反応容器中に、フェライト粒子を構成する金属元素を含む金属塩の水溶液を入れ、次いでこの水溶液中にアルカリを添加する。すると、前記金属元素の水酸化物が共沈してなるゲル状のフェライト前駆体を含むアルカリ性水溶液が得られる。なお、この段階では、未だ水熱反応を行わないので、上記アルカリ性水溶液はビーカー等のガラス容器中で調整することもできる。
前記金属塩は、前記金属元素の塩化物塩、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、酢酸塩等とすることができる。なお、このような金属塩は、上記フェライト粒子を構成する金属元素の種類に応じて適宜に選択する。例えば、ニッケルフェライトを得ようとする場合は、FeCl及びNiCl等を用いることができる。
また、アルカリは、金属塩水溶液に対してアルカリとして作用し、中和反応を進行させるためのものをいい、本来アルカリ性を呈するものの他、分解等の反応の結果アルカリ性を呈するものでもよい。具体的には、アンモニア、水酸化ナトリウムなどを例示することができる。
次いで、アルゴンなどの不活性ガスによる加圧下にマイクロ波出力を制御しながら加熱して急速昇温し、所定時間一定温度に保持して反応させる。初期圧力は数MPaから数十MPa程度が望ましいが、その範囲に限定されるものではない。反応温度は130℃から250℃であるが、原料金属の種類によって最適温度が異なり、Niフェライトの場合は160℃以上が必要であるが、Coフェライトの場合は130℃で結晶化が進行する。温度が高いほど結晶化が進行するが、200℃以上ではほぼ一定となり、最適温度は金属の種類によって130℃から250℃の範囲で選ばれるものである。但し、金属製の容器を用い、十分に耐圧性を有するものであれば、250℃以上の温度であってもよい。
なお、アルカリ性水溶液をガラス容器中で調整した場合においては、上記水熱反応を行うに際し、上述した耐圧性マイクロ波反応容器等にアルカリ性水溶液を移し替えておく必要がある。
反応時間、すなわち所定温度での保持時間は数分から1時間程度である。反応時の圧力は初期圧力を加えて加熱した平衡圧力条件である。
マイクロ波加熱に用いられる周波数は電波法に定められており、一般的に2.45GHzの周波数のマイクロ波が用いられている。マイクロ波を用いることによって、分子内の双極子モーメントの大きいものが配向運動によって摩擦熱を生じ、内部から加熱されるようになる。水は永久双極子材料であり、誘電損失係数が大きく、マイクロ波で加熱されやすい。また、水溶液中にイオンが存在すると極性が増し、加熱が促進される。さらに、共沈によって生成したゲル状のフェライト前駆体はマイクロ波吸収性が優れており、ある程度の大きさになるとマイクロ波を吸収して局所的に加熱され、結晶化などの反応が促進される。この結果、イオンの拡散速度に比べ、核生成・結晶化速度が大きく、溶液からのイオンの供給が不足するため、大量のナノサイズのフェライト粒子が生成するものである。
上記フェライト粒子の大きさ、すなわち粒径をより小さくするためには、アルカリ性水溶液からゲル状のフェライト前駆体を分離して水洗浄し、フェライト前駆体に付着したアルカリや塩を除去してフェライト前駆体を略中性とし、このようにして得た略中性のフェライト前駆体を再び脱イオン水等の水中に浸漬させ、これに対してマイクロ波を照射することにより実現できる。すなわち、フェライト前駆体を含む中性の水に対してマイクロ波照射を行うことにより、より狭小化されたナノサイズのフェライト粒子を得ることができる。
なお、フェライト前駆体を含む中性の水に対してマイクロ波を照射する再の反応温度、反応時間等は、上述したアルカリ性水溶液を用いた場合と同様である。
マイクロ波照射による反応のみでも、得られたフェライト粒子はある程度結晶化しているが、上述したような磁気特性を有するフェライト粒子を得るまでには十分に結晶化されていない。したがって、先に述べたように、マイクロ波照射によって得たフェライト粒子に対してさらに加熱処理を施す。
この加熱処理は、例えば200℃〜600℃の温度範囲で行うことができる。これによって、上記フェライト粒子は、平均粒子径が5nm〜30nmと十分に小さいにも拘わらず、複素透磁率の虚部が周波数依存性を示し、1GHz以上の周波数領域においてピークを示し、フェライト本来の磁性を有するように十分に結晶化させることができる。
加熱処理は、上述のようにして得たフェライト粒子を焼成炉中に入れ、大気中で行うことができる。但し、この場合は、加熱処理に数時間を要し、またフェライト粒子が肥大化する傾向にある。
また、上記加熱処理は、マイクロ波照射によって行うこともできる。マイクロ波を用いることによって、加熱処理時間を短縮化することができるとともに、フェライト粒子の肥大化を抑制することができる。
なお、マイクロ波照射によって加熱処理を行う場合、フェライト粒子を非極性有機溶媒中に分散した状態で行うことができる。この場合、フェライト粒子は若干肥大化するものの、短時間の処理において著しい結晶性の改善を図ることができる。
非極性有機溶媒としては、ジフェニルエーテル等の汎用の有機溶媒の他、シリコンオイル、水素化ターフェニルを挙げることができる。これらの中でも、沸点が高く、加熱処理の際に加圧状態となるのを抑制して、マイクロ波を用いた水熱法で得たフェライト粒子の平均粒子径の肥大化等に影響を与えることがないとの理由により、シリコンオイル、水素化ターフェニルが好ましく、特には水素化ターフェニルが好ましい。
加熱処理において用いるマイクロ波の周波数も、電波法に定められている2.45GHzの周波数のマイクロ波である。
(実施例1)
内容積100mlのガラスビーカーに脱イオン水20mlを入れ、塩化第二鉄(FeCl・6HO)、塩化ニッケル(NiCl・6HO)及び塩化亜鉛(ZnCl)をそれぞれ40mmol、10mmol及び10mmolの濃度となるように加えて溶解した後、これに25%濃度のアンモニア水20mlを添加して共沈物を得た。この状態で暫く静置すると共沈物がビーカー底に沈積したため、上澄み液を傾注、除去し、その後ビーカーに新たな脱イオン水50mlを添加して共沈物を洗浄した。この洗浄操作を計4回(洗浄用脱イオン水の総量200ml)繰り返して共沈物に同伴した過剰のアンモニアあるいは中和によって生成した塩化アンモニウムを除去した。
その後共沈物を含む総量が50mlになるようにガラスビーカーに脱イオン水を添加した後、このビーカー内原料をフッ素樹脂製の耐圧反応容器に充填した。次いでこの反応容器を周波数2.45GHzのマイクロ波照射装置にセットし、2.45GHz、1.5kWのマイクロ波を照射することによって、230℃、30分間加熱処理を行った。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、平均粒子径17.6nmのニッケル亜鉛フェライト粒子が生成していることが判明した。
次いで、このニッケル亜鉛フェライトの乾燥粉末をガラス製の反応容器中で非極性溶媒の水素化ターフェニル(沸点350℃)67g中に分散させ、この反応容器を周波数2.45GHzのマイクロ波照射装置にセットし、2.45GHz、1.5kWのマイクロ波を照射することによって、315℃、20分間加熱処理を行った。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、平均粒子径17.7nmの粒子径が維持されたニッケル亜鉛フェライト粒子であることが判明した。
(実施例2)
内容積100mlのガラスビーカーに脱イオン水30mlを入れ、塩化第二鉄(FeCl・6HO)及び塩化ニッケル(NiCl・6HO)をそれぞれ10mmol及び12.5mmolの濃度となるように加えて溶解した後、これに25%濃度のアンモニア水20mlを添加して共沈物を得た。この状態で暫く静置すると共沈物がビーカー底に沈積したため、上澄み液を傾注、除去し、その後ビーカーに新たな脱イオン水50mlを添加して共沈物を洗浄した。この洗浄操作を計4回(洗浄用脱イオン水の総量200ml)繰り返して共沈物に同伴した過剰のアンモニアあるいは中和によって生成した塩化アンモニウムを除去した。
その後共沈物を含む総量が50mlになるようにガラスビーカーに脱イオン水を添加した後、このビーカー内原料をフッ素樹脂製の耐圧反応容器に充填した。次いでこの反応容器を周波数2.45GHzのマイクロ波照射装置にセットし、2.45GHz、1.5kWのマイクロ波を照射することによって、180℃、30分間加熱処理を行った。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、平均粒子径10.4nmのニッケルフェライト粒子が生成していることが判明した。
次いで、このニッケルフェライトをガラス製の反応容器中で非極性溶媒の水素化ターフェニル(沸点350℃)67g中に分散させ、この反応容器を周波数2.45GHzのマイクロ波照射装置にセットし、2.45GHz、1.5kWのマイクロ波を照射することによって、290℃、20分間加熱処理を行った。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、平均粒子径14nmのニッケルフェライト粒子が生成していることが判明した。
(実施例3)
実施例2と同様にしてマイクロ波を用いた水熱法によって平均粒子径10.4nmのニッケルフェライト粒子を得た後、このニッケルフェライト粒子をアルミナからなるるつぼに入れ、このるつぼを焼成炉中に入れて、大気中、450℃、1時間の加熱処理を実施した。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、平均粒子径12.3nmのニッケルフェライト粒子が生成していることが判明した。
(実施例4)
実施例2と同様にしてマイクロ波を用いた水熱法によって平均粒子径10.4nmのニッケルフェライト粒子を得た後、このニッケルフェライト粒子をアルミナからなる坩堝に入れ、このるつぼに対して2.45GHz、1.5kWのマイクロ波を照射することによって、大気中、400℃、30分間の加熱処理を実施した。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、平均粒子径11.3nmのニッケルフェライト粒子が生成していることが判明した。
(比較例1)
実施例1において、マイクロ波を用いた加熱処理を行わない以外は、実施例1と同様にしてマイクロ波を用いた水熱法を実施し、平均粒子径17.6nmのニッケル亜鉛フェライト粒子を生成した。
(比較例2)
実施例2において、マイクロ波を用いた加熱処理を行わない以外は、実施例1と同様にしてマイクロ波を用いた水熱法を実施し、平均粒子径10.4nmのニッケルフェライト粒子を生成した。
(比較例3)
酸化ニッケル(NiO)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化鉄(Fe)粉末を1:1:2(mol比)で混合した後、得られた混合粉末をアルミナからなるるつぼ内で1200℃、4時間焼成し、ニッケル亜鉛フェライト粒子を得た。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、1μm以上にまで粒子径が粗大化していることが判明した。
(比較例4)
酸化ニッケル(NiO)及び酸化鉄(Fe)粉末を1:1(mol比)で混合した後、得られた混合粉末をアルミナからなるるつぼ内で1200℃、4時間焼成し、ニッケルフェライト粒子を得た。TEM観察によって平均粒子径を調べたところ、1μm以上にまで粒子径が粗大化していることが判明した。
次いで、上述のようにして得た各フェライト粒子のSQUID磁化率を、SQUID磁化率測定装置(カンタムデザイン社製、MPMS−5S)を用い、温度300Kにおいて、−3T〜3Tの磁場を印加し、そのときの質量磁化(emu/g)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 2011207731
表1から明らかなように、実施例1、比較例1及び3に関するニッケル亜鉛フェライト、並びに実施例2〜4、比較例2及び4に関するニッケルフェライトのいずれの場合においても、本発明に従って、マイクロ波を用いた水熱法でフェライト粒子を作製した後、このフェライト粒子に対して加熱処理を施したものは、加熱処理前後において平均粒子径の増大はほとんど見られず、飽和磁化が増大していることが分かる。但し、バルク状のフェライトと比較した場合において、飽和磁化は最大で10%程度低下しているが、保持力及び残留磁化は同等であり、バルク状フェライトと同等の磁気特性を有していることが分かる。すなわち、上記加熱処理によって各フェライト粒子が十分に結晶化し、バルク状フェライトと同等の磁気特性を有することが分かる。
一方、加熱処理の中でも、水素化ターフェニル中でマイクロ波照射を行って加熱処置を実施して得たフェライト粒子(実施例2)は、焼成炉中で加熱処理を実施した場合(実施例3)及びるつぼ中でマイクロ波照射して加熱処理を実施した場合(実施例4)に比較して、バルク状フェライトに対する飽和磁化の低下が数%であり、バルク状フェライトと同様の磁気特性を有することが判明した。すなわち、水素化ターフェニル中でマイクロ波照射を行って加熱処置を行うことにより、最も結晶化が促進され、バルク状フェライトと同様の磁気特性を有することが分かる。
図1は、実施例1で得られたニッケル亜鉛フェライト粒子及び比較例1で得られたニッケル亜鉛フェライト粒子のX線回折のチャートであり、図2は、実施例2で得られたニッケルフェライト粒子及び比較例2で得られたニッケルフェライト粒子のX線回折のチャートである。図1及び図2から明らかなように、マイクロ波を用いた水熱法によって得たフェライト粒子は、その後の水素化ターフェニル中でのマイクロ波照射を行うことによって、約36°近傍のピークが増大しており、結晶性が向上していることが分かる。
次に、実施例1,2及び比較例1,2で得たフェライト粒子に対して、その複素透磁率の虚部について調べた。
最初に、ビスF型エポキシ樹脂(YDF−170:東都化成)に対して1質量%のイミダゾール(2エチル4メチルイミダゾール:四国化成)を添加してなるエポキシ樹脂組成物の1.5gに、上述のようにして得た各フェライト粒子1.0gを混連した後、加熱硬化して得た樹脂体を測定試料とし、ネットワークアナライザー(アドバンテスト社製)によるSパラメーター法によって、その複素透磁率を測定した。図3及び図4に、選られた複素透磁率の虚部の周波数依存性のグラフを示す。
図3及び図4から明らかなように、実施例1,2及び比較例1,2で得たフェライト粒子のいずれも複素透磁率の虚部が周波数依存性を示すことが分かる。したがって、これらのグラフからも、実施例1,2及び比較例1,2で得たフェライト粒子がある程度の磁性を有していることを意味する。
しかしながら、比較例1,2で得たニッケル亜鉛フェライト粒子及びニッケルフェライト粒子の場合は、1GHz未満の周波数領域においてピークを示すのに対し、実施例1,2で得たニッケル亜鉛フェライト粒子及びニッケルフェライト粒子の場合は、1GHz以上の高周波領域でピークを示している。したがって、このことからも、実施例1、2で得られた上記フェライト粒子は、比較例1,2で得られた上記フェライト粒子に比較して、十分に結晶化し、その本来的な磁性を維持していることが分かる。
特に、実施例1におけるニッケル亜鉛フェライト粒子の場合は、1GHz以上の周波数領域において2つのピークを有し、実施例2におけるニッケルフェライトの場合は、1GHz以上の周波数領域において2つのピークを有するとともに、このピーク間において、複素透磁率の虚部の周波数依存性が略線形性を呈している。したがって、マイクロ波の周波数領域の広範囲において、複素透磁率の虚部は比較的高い値を示すことになるので、このようなフェライト粒子はマイクロ波吸収フィラーとしてより有効に機能し、このようなフェライト粒子を含むマイクロ波吸収体は、その機能をより効果的に発揮することができるようになる。
以上、本発明を上記具体例に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。

Claims (10)

  1. 平均粒子径が5nm〜30nmであって、複素透磁率の虚部は周波数依存性を呈し、1GHz以上の周波数領域においてピークを示すことを特徴とする、フェライト粒子。
  2. 前記複素透磁率の虚部は2GHz以上の周波数領域でピークを示すことを特徴とする、請求項1に記載のフェライト粒子。
  3. 前記複素透磁率の虚部は、前記周波数領域で少なくとも2以上のピークを有することを特徴とする、請求項1又は2に記載のフェライト粒子。
  4. 前記少なくとも2以上のピーク間において、前記複素透磁率の虚部の前記周波数依存性は略線形性を呈することを特徴とする、請求項3に記載のフェライト粒子。
  5. 前記フェライト粒子の飽和磁化が、バルク状フェライトの飽和磁化に対して80%〜100%の範囲にあることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一に記載のフェライト粒子。
  6. フェライト粒子を構成する金属元素を含む金属塩の水溶液中にアルカリを添加し、前記金属元素の水酸化物が共沈してなるゲル状のフェライト前駆体を含むアルカリ性水溶液を調整する工程と、
    前記アルカリ性水溶液に対して第1のマイクロ波を照射し、水熱法によって前記フェライト前駆体からフェライト粒子を製造する工程と、
    前記フェライト粒子に200℃〜600℃の温度範囲において加熱処理を施す工程と、
    を具えることを特徴とする、フェライト粒子の製造方法。
  7. 前記加熱処理は、前記フェライト粒子を非極性有機溶媒中に分散した状態で行うことを特徴とする、請求項6に記載のフェライト粒子の製造方法。
  8. 前記加熱処理は、第2のマイクロ波照射によって実施することを特徴とする、請求項6又は7に記載のフェライト粒子の製造方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか一に記載のフェライト粒子からなるマイクロ波吸収フィラー。
  10. 請求項9に記載のマイクロ波吸収フィラーを含むことを特徴とする、マイクロ波吸収体。
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