JP6873722B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真,静電荷像を顕像化するための画像形成方法に使用されるトナーに関する。
一般的な電子写真法として、像担持体(感光体ドラム)上に潜像を形成し、該潜像にトナーを供給して可視像化し、紙などの転写材にトナー画像を転写した後に、熱/圧力により転写材上にトナー画像を定着して複写物を得る方法が知られている。その中でも、小型化、高速化、高安定化の要求から、高速な一成分現像方式を用いたプリンターが用いられている。一成分現像方式はキャリアを用いる二成分現像方式に比べてトナーと帯電部材との接触機会が少ないため、トナーには比較的高い応力をかけることで帯電量を得る必要があり、トナーに対してかけられる力の負荷は大きい事が知られている。
また、一成分現像方式に用いられるトナーとしては、シャープな粒度分布で球形のトナーは転写性や細線再現性に優れる等の特徴を有しており優れている。その一方で、トナーをクリーニングブレードにより感光体ドラムからクリーニングするシステムにおいては、円形度が大きいトナー程クリーニングが行いにくくなる。その理由としては、円形度が高いことでトナーの転がりが発生し、クリーニングブレードと感光体との当接ニップをトナーがすり抜け易くなるのが一因であると考えられている。
従来の球形トナーに対するクリーニング不良を防止するための対策手段としては、例えばブレード方式のクリーニング装置においてブレードのエッジ部にかかる線圧を上昇させて、球形トナーのすり抜けを防止する試みがなされている。しかし、この単なる線圧の上昇による対策手段では、ブレードエッジ部の欠けが促進されたり、ブレードのびびり振動による異音が発生したり、ブレードの当接による感光体の摩耗が促進される等の問題がある。そのため今後の高速化や長寿命化に対しては、線圧のみに依存せず、トナーでのクリーニング性向上を行う必要がある。
そこで、特許文献1では、トナー母粒子の表面に様々な機能を付与した樹脂粒子を固着させることにより、高機能化したトナーが提案されている。
また、特許文献2では、樹脂粒子の埋没率を特定の範囲内にすることでトナーの付着力を低減させたトナーが提案されている。
特開2012−208492号公報 特開2012−8555号公報
しかし、特許文献1の方法では、樹脂粒子が埋没しており、突起部が存在することによる感光体ドラムとの付着力低減効果が不十分であり、クリーニング性が不十分であった。特許文献2に関して、球形トナーのクリーニング性を向上させるためにはトナーの付着力を低減させるだけでは不十分であり、クリーニングブレードエッジ部に外添剤が溜まることによる層を形成させ、トナーをブロックすることも考慮に入れてトナーを設計する必要がある。
従来は、トナーのクリーニング性を向上させるためにクリーニングブレードの当接圧に依存していたが、長寿命化に伴いブレードの欠けや感光体ドラムの摩耗やブレードのびびり振動による異音が発生しやすくなる。その結果、クリーニング不良が発生してしまうと
いう課題がある。
本発明の目的は上記課題を解消したトナーを提供することにある。すなわち、長寿命のシステムで良好なクリーニング性を有し、帯電性が良好で、高精細な画像が得られるトナーを提供する。
本発明者らは、トナー粒子表面の形状を制御し、感光体ドラムへ付着する外添剤を制御することで、感光体ドラムからのトナーのかき取り易さを向上し、トナーをブロックする層を形成しやすくすることでクリーニング性を向上させることができることを見出した。またトナー粒子表面の形状を制御することで良好な帯電性や現像スジ等の画像不良が発生しにくい高精細な画像を得ることができることを見出した。
本発明は、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子を製造し、該トナー母粒子の表面に樹脂粒子を固着させて該樹脂粒子に由来する凸部を表面に有するトナー粒子を製造し、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される下記式(2)で示される稠密度の平均値が0.40以上0.80以下の形状を有する無機微粒子Aを含む外添剤を該トナー粒子に外添してトナーを製造するトナーの製造方法であって、
該トナーの該トナー粒子から該外添剤を取り除いて測定される、該凸部の長辺の平均長さ(D)が50nm以上300nm以下であり、凸部の平均高さ(H)が25nm以上250nm以下であり、該凸部の長辺の平均長さと平均高さの関係が下記式(1)を満たし
製造された該トナーは、ポリカーボネート薄膜付着測定法において、ポリカーボネート薄膜の面積を100%としたときに付着する、稠密度が0.40以上0.80以下の形状の無機微粒子Aの付着量が、0.1面積%以上5.0面積%以下である
ことを特徴とするトナーの製造方法
0.50D≦H≦0.80D 式(1)
稠密度=無機微粒子の面積/無機微粒子の包絡線により囲まれた領域の面積 式(2)
本発明によれば、長寿命のシステムで良好なクリーニング性を有し、帯電性が良好で、高精細な画像が得られるトナーを提供することができる。
ポリカーボネート薄膜付着測定方法を示す概略図 外添剤形状の定量化に用いる二値化画像の一例 トナー粒子の反射電子像において4つの領域を示す例
本発明において、数値範囲を表す「○○以上××以下」や「○○〜××」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明の詳細を以下に説明する。
一般に一成分現像システムにおいて多数枚の複写動作を行うと、現像剤担持体と現像剤規制ブレード間や、現像剤担持体と感光体ドラム間にかかる応力により、トナーが圧縮され、外添剤の埋め込みによる流動性の低下が生じる。トナーの劣化が進むと、トナーの付着力が高くなり、現像剤担持体と規制ブレード間でトナーの滞留が起こりやすくなる。その結果、トナー同士の摩擦熱やトナーと部材との摩擦熱によるトナー融着が発生し、画像スジなどの不具合が発生することが知られている。
本発明は、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子、並びに該トナー母粒子の表面に固着した樹脂粒子を含むトナー粒子と、無機微粒子Aと、を含有するトナーであって、該トナー母粒子の表面は、該樹脂粒子に由来する凸部を有することが必要である。
クリーニング部における解析を行った結果、トナー母粒子表面に樹脂粒子を固着させ、凸部(突起部)を本発明の状態に制御することで、クリーニング部へのトナーの突入速度を低下でき、その結果クリーニング性を向上することができるということがわかった。詳細は明らかではないが、以下のように考察している。
画像形成時には、感光体ドラム上に潜像を形成し、該潜像にトナーを供給して可視像化し、紙などの転写材にトナー画像を転写した後に転写されなかったトナーがクリーニングされる。トナーは、感光体ドラム上に静電的に付着した状態でクリーニングブレードによりかき取られて、感光体ドラムからクリーニングされる。その際にトナー粒子表面に突起部を有すると静電的な付着力を低くでき、感光体ドラム上をトナーが滑る作用が働く。
さらには、クリーニング部でトナーが圧密状態になった際に、トナー粒子表面に凸部(突起)を有することでトナー同士が引っ掛かり、トナーの転がりを抑制する作用がはたらく。上記2つの作用によりクリーニング部へのトナーの突入速度が低下すると考えている。その結果、クリーニングブレードからのトナーのすり抜けを抑制しクリーニング性が向上すると考えている。
この様な効果を得るために発明者らが鋭意検討を行った結果、トナー粒子表面の凸部(突起)の状態としては下記の様な樹脂粒子を固着して凸部を形成することが必要であることがわかった。クリーニング部でのトナーの滑る作用やトナー同士の引っ掛かり作用を考慮すれば凸部が大きい方が良いが、一成分現像システムにおいて、トナーは現像剤担持体と現像剤規制ブレード間を通過する必要がある。凸部が大き過ぎると、現像剤担持体と現像剤規制ブレード間を通過しづらくなり、凸部が小さ過ぎると滑り作用や引っ掛かり作用が低下してクリーニング性が低下してしまう。そのため凸部の状態としては下記の状態であることが必要である。
凸部の長辺の平均長さ(D)が50nm以上300nm以下で、凸部の平均高さ(H)が25nm以上250nm以下で、前記凸部の長辺の平均長さと平均高さの関係が下記式(1)を満たすことが必要である。
0.50D≦H≦0.80D 式(1)
トナー粒子表面の凸部を上記状態にすることで、現像時の帯電安定化とクリーニング性との両立ができる。凸部の長辺の平均長さ(D)が50nmより小さいと、突起部による感光体ドラムとトナーとの滑り効果が低下してトナーの付着力低減効果が低減しクリーニングに対する効果が少なくなる。凸部の長辺の平均長さ(D)が300nmより大きいと、感光体ドラムとトナーとの接触面積が大きくなり、トナーの付着力低減効果が低減しクリーニングに対する効果が少なくなる。
凸部の長辺の平均長さ(D)は、好ましくは50nm以上250nm以下であり、より好ましくは70nm以上200nm以下である。凸部の長辺の平均長さ(D)は、樹脂粒子の粒径や樹脂粒子の固着条件(温度、時間)により制御できる。
凸部の平均高さ(H)が25nmより小さいと、樹脂粒子が埋没し過ぎているため、トナーの付着力の低減効果が小さく、クリーニングに対する効果が少なくなる。また凸部の平均高さ(H)が250nmより大きいと、トナー同士の引っ掛かりが強すぎる。そのためトナーの流動性が低下し、画像不良が発生し易くなる。
凸部の平均高さ(H)は、好ましくは35nm以上200nm以下であり、より好ましくは35nm以上70nm以下である。凸部の平均高さ(H)は、樹脂粒子の粒径や樹脂粒子の固着条件(温度、時間)により制御できる。
また、トナーの付着力の低減効果とトナー同士の引っ掛かり効果を得るためには、凸部の平均高さ(H)を式(1)に示すような関係になるように凸部の長辺の平均長さ(D)をコントロールすることも重要である。Hが0.50Dより小さくなると、樹脂粒子が埋没し過ぎているため感光体ドラムとトナーとの接触面積が大きくなり、かつトナー同士の引っ掛かり作用が低減するためクリーニングに対する効果が少なくなる。一方でHが0.
80Dより大きくなると、トナー同士が引っ掛かりすぎるため、流動性が低下したり、感光体ドラムへの傷等が発生しクリーニング性が低下したりしてしまう。
トナー凸部の平均高さ(H)は、好ましくは0.54D以上0.75D以下であり、より好ましくは0.54D以上0.60D以下である。
この様に凸部が存在するトナー粒子に対する外添の検討を行った結果、従来の外添剤では、長寿命のシステムを用いた高温高湿環境でのカブリについて不十分であることがわかった。そこで本発明者らは外添剤の形状に着目して検討を行った所、外添剤の稠密度を特定の範囲にすることが重要であることがわかった。
稠密度とは下記式(2)で示される指標であり、無機微粒子の面積を無機微粒子の凸面積で除した値である。凸面積とは対象の外添剤の輪郭を基に作成される包絡線で囲われた部分の面積である。稠密度は0から1の間の値をとる量であり、値が小さいほど凹部が多い入り組んだ形状となる。本発明のトナーには、稠密度の平均値が0.40以上0.80以下の形状を有する無機微粒子Aを含有することが必要である。
稠密度=無機微粒子の面積/無機微粒子の包絡線により囲まれた領域の面積 式(2)
凸部が存在するトナー粒子に対して、上記の数値範囲となる無機微粒子Aを用いることで、高温高湿環境でのカブリとクリーニング性に対して改善効果があり、高精細な画像を安定して得ることができるようになった。
その理由を以下のように考察している。一成分現像システムにおいては、現像剤担持体と現像剤規制ブレード間を通過することでトナーは帯電付与される。その間隙を通過する際に、トナーを滞留させずに通過させることで、トナーに均一な帯電付与がなされる。凸部が存在するトナー粒子に、特定の稠密度の範囲になる無機微粒子Aを用いることで、トナー粒子の凸部に無機微粒子Aの凹部が引っ掛かりやすくなる。
それによって、現像部における、凸部が存在するトナー粒子同士の引っ掛かり性が緩和され、現像剤担持体と現像剤規制ブレード間をトナーが滞留することが少なくなる。その結果、多数枚の複写動作後においてもトナーの帯電量分布が均一に保たれることで、画像の白地部のかぶりが発生にくくなると考えている。
無機微粒子Aの稠密度の平均値が0.40未満の場合、微細な凹部が存在しすぎるためトナー粒子の凸部への引っ掛かりが不十分となる。また無機微粒子Aの稠密度の平均値が0.80より大きい場合、凹部が少なくトナー粒子の凸部への引っ掛かりが不十分となる。
さらにクリーニング性についても、特定の稠密度の範囲になる無機微粒子Aが効果を発揮する事もわかった。クリーニング性を安定維持させるためには、トナー粒子表面の凸部の形状を制御するだけでは不十分であり、クリーニングブレードエッジ部に外添剤が溜まることによる層を形成させ、トナーをブロックすることも考慮に入れてトナーを設計する必要がある。
特定の稠密度の範囲になる無機微粒子Aが効果を発揮する詳細は明らかではないが、以下のように考察している。凹部が多い形状だと、無機微粒子同士が引っ掛かりやすく転がりにくいためクリーニングニップ部に挟まっても回転しない。そのため、無機微粒子がニップ部に留まり易く、安定したトナーブロック層を形成しやすいと考えている。
この無機微粒子Aの効果を十分に得るためには、無機微粒子を凸部が存在するトナー粒子に用いることが必要である。トナー粒子表面に凸部が存在することで、その凸部に無機微粒子Aの凹部が引っ掛かってトナーの最表面に存在する。それにより、トナーが感光体ドラムに付着した際に、無機微粒子Aが感光体ドラムに移行し易い。そのために無機微粒子Aがトナーをブロックする層を形成し易く、クリーニング性に効果を発揮しやすいと考えている。
無機微粒子Aの稠密度の平均値としては、好ましくは0.50以上0.80以下、より
好ましくは、0.60以上0.75以下である。無機微粒子Aの稠密度は、無機微粒子の製造手法を変更することや製造手法の条件を変更すること等により制御することができる。
ちなみに、従来から外添剤の形状の指標として用いられているアスペクト比では上記効果を表現するには不十分であった。何故なら、アスペクト比は単純に形状の細長さを示す指標であり、細長い形状だと無機微粒子同士が引っ掛かり易いということにはつながらないためである。
この様な無機微粒子Aを、凸部が存在するトナー粒子に適用することで、クリーニングニップ部への無機微粒子Aの供給が効果的に行われることがわかった。クリーニングニップ部での無機微粒子同士の引っ掛かり効果を得るためには、凹部が多い形状の無機微粒子がトナーから感光体ドラム表面に付着することが必要である。その付着の程度を計測する方法として、本発明らが鋭意検討を行った結果、ポリカーボネート薄膜表面にトナーを堆積させ、トナーを吸引除去し、ポリカーボネート薄膜表面を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察する手法で測定できることがわかった。具体的な測定手法について以下に示す。
<ポリカーボネート薄膜付着測定法>
ポリカーボネート薄膜付着測定法の各過程を図1に示す。図1において、基板12にトナーTを配置する方法として、目開き75μmのステンレスメッシュのふるい11を用いている。基板としては感光体の表層を模擬するため、50μmの厚みのアルミシートにポリカーボネート(ユーピロンZ−400、三菱エンジニアリングプラスチックス(株)、粘度平均分子量(Mv)40,000)を積層した。まず、該ポリカーボネートをトルエンに10質量%となる様に溶解して塗工液とした。この塗工液を、50番手のマイヤーバーを用いて上記アルミシートに塗工し、100℃で10分間乾燥させることで、アルミシート上にポリカーボネートの膜厚が10μmのシートを作製した。このシートを基板ホルダ13で保持した。
基板は一辺が約3mmの正方形とした。ふるいにトナーを約10mg投入し、ふるいの直下20mmの距離に基板を配置した。ふるいから落下したトナーが効率よく基板に堆積されるように、ふるいの開口は直径10mmとしている。
ふるいを保持する枠体に、加速度5G相当となる、振幅1mm、デューティー比33%ののこぎり波形振動を5Hzでふるい面内方向に30秒印加し、基板にトナーを堆積させた。
・トナーを配置した基板に振動を印加する工程
次にトナーを堆積した基板に加速度0.5G相当となる、振幅1mm、デューティー比33%ののこぎり波形振動を3Hzで基板の面内方向に20秒印加し、基板とトナーの接触を促進させた。
・基板からトナーを除去する工程
振動印加後の基板に吸引手段14として、掃除機のノズル先端に接続した内径約5mmのエラストマー製の吸引口をトナー配置面と垂直となるように近づけ、基板に付着したトナーを除去する。トナーの残留程度を目視で確認しながら除去した。本実施の形態では吸引口端部と基板の距離を約1mm、吸引時間を約3秒とした。その時の吸引圧力を測定すると6kPaであった。
・基板に供給された無機微粒子の付着量を定量化する工程
トナー除去後に基板に残留する無機微粒子の量と形状を数値化する際には走査型電子顕微鏡による観察と画像計測を用いた。まず、トナー除去後の基板にPtを電流20mA、60秒間スパッタし、観察用試料とした。次に、走査型電子顕微鏡による観察においては、100nm前後の無機微粒子を観察できる観察倍率を任意に選択できる。走査型電子顕
微鏡としては、日立超高分解能電界放出走査電子顕微鏡S−4800((株)日立ハイテクノロジーズ)を用い、S−4800の反射電子像にて観察を行った。観察倍率としては、無機微粒子の粒径によるが、例えば100nm前後であれば20000倍、加速電圧10kV、作動距離3mmの条件にて観察できる。20000倍における観察領域は約30μm×20μmの領域である。
観察により得られた画像は無機微粒子が高輝度に、基板が低輝度に表されているので、二値化により、視野内の無機微粒子の量を定量化することができる。二値化の条件は観察装置やスパッタ条件により適切に選択することができる。ここでは二値化には画像解析ソフトウェアImage J(開発元Wayne Rasband)を用い、背景輝度分布をSubtract Backgroundメニューから平坦化半径40ピクセルで除去した後、輝度閾値50で二値化した。得られた二値化画像の一例を図2に示した。
得られた二値化画像から、画像解析ソフトウェアImage Jの粒子解析を用いて、無機微粒子の付着量を算出した。付着量としては、二値化画像の粒子から面積や形状を規定して算出した。
粒子の面積としては、観察視野中において高輝度の無機微粒子の内、0.005μm以上0.100μm以下で、稠密度が0.40以上、0.80以下の形状の粒子を画像解析ソフトウェアで規定して抽出した値である。ちなみに稠密度とは、無機微粒子の面積及び無機微粒子の包絡線により囲まれた領域の面積を算出し下記式(2)で示される値である。稠密度は、画像解析ソフトウェアImage JにてSolidityという名称で数値範囲の規定を行う事が可能である。
稠密度=無機微粒子の面積/無機微粒子の包絡線により囲まれた領域の面積 式(2)
二値化画像の粒子から面積や形状を規定して算出した粒子の面積を、観察領域のポリカーボネート薄膜の面積を100%とした時に、無機微粒子面積が視野全体に占める無機微粒子面積率を用いた。上記測定を二値化画像100枚について行い、その平均値を無機微粒子Aの付着量とした。
本発明のトナーは、ポリカーボネート薄膜付着測定法において、ポリカーボネート薄膜の面積を100%とした時に付着する、稠密度が0.40以上、0.80以下の形状の無機微粒子Aの付着量が、0.1面積%以上5.0面積%以下であることが必要である。
本発明のトナーは、トナー粒子表面に、樹脂粒子に由来する凸部が形成されている。この様なトナー粒子表面だと、凹部を有する形状の無機微粒子を効果的にクリーニング部へ供給し易いと本発明者らは考えている。凹部を有する形状の無機微粒子は、外添工程時にトナー粒子表面の凸部に引っ掛かった状態で付着する。そしてトナーが感光体ドラムに付着した際に、凹部を有する形状の無機微粒子が感光体ドラムに付着しやすいためである。
稠密度が0.40以上、0.80以下の形状の無機微粒子Aの付着量が0.1面積%より小さいと、無機微粒子のクリーニング部への供給が少ないため、クリーニングニップ部のトナーブロック層が安定せず、クリーニング性が低下する。また稠密度が0.40以上、0.80以下の形状の無機微粒子Aの付着量が5.0面積%より大きいと、無機微粒子のクリーニング部への供給が多すぎるため、帯電ローラー等の部材を汚染してしまい画像不良が発生してしまう。
稠密度が0.40以上、0.80以下の形状の無機微粒子Aの付着量は、好ましくは1.0面積%以上4.0面積%以下である。無機微粒子Aの付着量は、無機微粒子の種類や添加量により制御することができる。
無機微粒子Aの走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される平均最小フェレ径が50nm以上500nm以下であることが好ましい。
平均最小フェレ径が50nm以上であると、無機微粒子Aが感光体ドラムに付着しやすくなる。また平均最小フェレ径が500nm以下であると、トナーの流動性が良好になる
。より好ましくは、平均最小フェレ径が50nm以上300nm以下であり、さらに好ましくは50nm以上250nm以下である。最小フェレ径は、無機微粒子の製造条件を変更することにより制御することができる。例えば、無機微粒子に、四塩化ケイ素を投入しガス化させることで得られたシリカ微粒子を用いた場合に、最小フェレ径を変更する方法としては、シリカ濃度を高めたり滞留時間を長くする方法がある。
クリーニング部での、より効果的な、トナーの滑る作用やトナー同士の引っ掛かり作用を考慮すると、樹脂粒子の存在状態としては下記の様にすることが好ましい。
走査型電子顕微鏡を用いて撮影された前記トナー粒子の反射電子像における以下のように定義される4つの領域において、それぞれの領域に占める前記樹脂粒子の平均存在率が5面積%以上40面積%以下であり、下記式(3)で示される前記樹脂粒子の存在個数の変動係数が1.5以下であることが好ましい。1.5以下だと樹脂粒子がより分散して存在するために、樹脂粒子によるトナー同士の引っ掛かり作用が得られやすくなり、トナーの転がりを抑制できるため、クリーニング部へのトナーの突入速度を低下させやすく、クリーニング性が向上すると考えている。
領域の定義:トナー粒子の反射電子像において、最大長を与える弦を線分Aとし、該線分Aと平行であり、該線分Aと1.5μm離れた2本の直線を直線B及び直線Cとする。該線分Aの中点を通り、該線分Aと直交する直線を直線Dとし、該直線Dと平行であり、該直線Dと1.5μm離れた2本の直線を直線E及び直線Fとする。該線分A、及び直線B、C、D、E及びFで形成される辺の長さ1.5μmの正方形である4つの領域を該4つの領域とする。
変動係数=(粒子の存在個数の標準偏差/粒子の平均存在個数) 式(3)
前記樹脂粒子の平均存在率は10面積%以上30面積%以下であることがより好ましい。樹脂粒子の平均存在率は、樹脂粒子の添加量や固着条件により制御することができる。前記樹脂粒子の存在個数の変動係数が0.5以上1.5以下であることがより好ましい。樹脂粒子の存在個数の変動係数は、樹脂粒子の種類(組成や粒度分布)により制御することができる。
前記樹脂粒子の、レーザー散乱法による粒度分布測定によって求められたメジアン径(D50)は、50nm以上300nm以下であることが好ましい。より好ましくは80nm以上200nm以下である。
該樹脂粒子のメジアン径(D50)が50nm以上であると、トナー母粒子に樹脂粒子を固着する際に、樹脂粒子がトナー母粒子に適度に埋め込まれるため、制御しやすく好ましい。また、該樹脂粒子のメジアン径(D50)が300nm以下であると、十分な固着強度が得られる。なお、メジアン径とは、粒度分布の累積曲線の50%値(中央累積値)として定義される粒子径であり、例えば、堀場製作所社製のレーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(LA−920)を用いて測定することができる。
樹脂粒子のメジアン径(D50)は、樹脂粒子製造時の条件を変更することにより制御することができる。
さらに、上述の凸部を形成するためには、前記樹脂粒子の体積基準における10%積算径をD10とし、前記樹脂粒子の体積基準における90%積算径をD90とし、前記樹脂粒子のメジアン径をD50としたとき、下記式で定義されるスパン値Aが0.9以上2.0以下であることが好ましい。より好ましくは1.3以上1.7以下である。
スパン値A=(D90−D10)/D50 式(4)
スパン値Aを上記範囲にすることで、トナー粒子表面の凸部の形成を効果的に行えるため好ましい。スパン値Aが上記下限以上であると、トナー粒子表面の凸部の高さが適度にばらつくため、トナーと感光体ドラムと付着力が低下しやすく、感光体ドラム上をトナーが滑る作用が働きやすい。スパン値Aが上記上限以下であると、樹脂粒子によって形成さ
れる凸部の高さや変動係数にバラつきが発生しにくく、トナー同士の引っ掛かり作用が向上する。
本発明は、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子、並びに該トナー母粒子の表面に固着した樹脂粒子を有し、樹脂粒子による特定の凸部を有していればよく、特にトナー粒子については限定されない。
特定のpKa(酸解離定数)を有する樹脂粒子を用いると、本発明で規定する凹凸形状をトナー粒子表面に形成しやすい。具体的には、樹脂粒子はイオン性官能基を有し、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂を含有することが好ましい。
上記樹脂は水系媒体中において、容易にイオン性官能基の解離を制御することができる。樹脂中のイオン性官能基が解離することにより、樹脂粒子間で適度な反発力が生じるため、樹脂粒子が分散した状態でトナー母粒子表面に固着させることが可能となり好ましい。より好ましくはpKa(酸解離定数)が、7.0以上8.5以下であり、さらに好ましくは、7.0以上8.0以下である。
pKa(酸解離定数)が6.0以上であると、樹脂中のイオン性官能基の解離が起こり過ぎず、樹脂粒子同士の反発が高まり過ぎず、トナー母粒子表面に固着する際に偏りが生じにくい。一方、pKa(酸解離定数)が9.0以下であると、水系媒体中でイオン性官能基の解離が適度に起こるため、樹脂粒子が凝集しにくい。
pKa(酸解離定数)の求め方は後述するが、中和滴定結果から求めることができる。
イオン性官能基を有する樹脂としては、上記pKa(酸解離定数)を満たすものであればどのようなものでも構わない。
例えば、芳香環に結合した水酸基や、芳香環に結合したカルボキシル基を有する樹脂がpKa(酸解離定数)を上記範囲にしやすいため好ましい。
例えば、ビニルサリチル酸、フタル酸1ビニル、ビニル安息香酸、及び1‐ビニルナフタレン‐2‐カルボン酸を含む群から選択される1以上を含むモノマーの重合体が好ましい。
また、樹脂粒子が、下記式(4)で示される1価の基aを有する重合体Aを含有することがより好ましい。
Figure 0006873722
(式(4)中、Rは、それぞれ独立してヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、Rは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、gは1以上3以下の整数を表し、hは、0以上3以下の整数を表す。)
及びRにおけるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、アルコキシル基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
重合体Aの主鎖構造としては、特に制限はない。
例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエーテル系重合体などが挙げられる。また、これらが2種以上組み合わさったハイブリッド型の重合体も挙げられる。ここに挙げた中でも、トナー母粒子との密着性を考慮すると、ビニル系重合体であることが好ましい。
重合体Aは、例えば、式(4)で示される基の置換位置にビニル基などの重合性官能基を有する化合物をモノマーとして用いることで合成することができる。その場合、式(4)で示される部位は以下の式(4−2)で表される。
Figure 0006873722
[前記式(4−2)中、Rは、それぞれ独立して、炭素数1以上18以下(好ましくは1以上4以下)のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下(好ましくは1以上4以下)のアルコキシ基を表す。Rは、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下(好ましくは1以上4以下)のアルキル基、又は、炭素数1以上18以下(好ましくは1以上4以下)のアルコキシ基を表す。Rは水素原子又はメチル基を表し、iは1以上3以下の整数を表し、jは0以上3以下の整数を表す。]
トナー母粒子の表面に樹脂粒子を固着させる手法としては公知の方法があるが、水系媒体中では樹脂粒子は電荷を帯びた状態で分散するため、水系媒体のpHが、該樹脂粒子のpKa−2.0以上で固着させる方法が好ましい。上記方法を用いることで、樹脂粒子がトナー母粒子に均一かつ強固に固着するため、樹脂粒子の優れた帯電安定性を長期間保ち易く好ましい。
樹脂粒子のイオン性官能基の解離は水系媒体のpHに依存する。水系媒体のpHが低くイオン性官能基の解離が少ない場合、樹脂粒子の表面は電荷を帯びていない部分が多いと考えられ、樹脂粒子同士が容易に接触し凝集した状態でトナー母粒子表面に固着してしまう。そのため水系媒体のpHが、樹脂粒子のpKa−2.0以上の時、樹脂粒子の分散状態を維持したまま固着しやすいため好ましい。より好ましくは、水系媒体のpHが、樹脂粒子のpKa以上である。
水系媒体のpHを樹脂粒子のpKa−2.0以上にするため、pKa(酸解離定数)が3.0以下の酸及びpKb(塩基解離定数)が3.0以下の塩基からなる群より選択される少なくとも1種を含むpH調整剤で水系媒体のpHを調整するpH調整工程を有することが好ましい。
pKa(酸解離定数)が3.0以下の酸としては、塩酸、臭酸、ヨウ素酸、過臭素酸、メタ過ヨウ素酸、過マンガン酸、チオシアン酸、硫酸、硝酸、ホスホン酸、リン酸、二リン酸、ヘキサフルオロリン酸、テトラフルオロホウ酸、トリポリリン酸、アスパラギン酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、イソニコチン酸、オキサロ酢酸、クエン酸、2−グリセリンリン酸、グルタミン酸、シアノ酢酸、シュウ酸、トリクロロ酢酸、o−ニトロ安息香酸、ニトロ酢酸、ピクリン酸、ピコリン酸、ピルビン酸、フマル酸、フルオロ酢酸、ブロモ酢酸、o−ブロモ安息香酸、マレイン酸、マロン酸などがある。
上記の中でも、pHの調整をしやすいことから1価の酸が好ましい。中でも、塩酸、硝酸が特に好ましい。
pKb(塩基解離定数)が3.0以下の塩基としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジウム、水酸化セシウム、水酸化テトラメチルアンモニウム、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ユウロピウム、水酸化タリウム、グアニジン等がある。
上記の中でも、樹脂粒子のイオン性官能基を解離させやすいことから1価の塩基が好ましい。中でも、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが特に好ましい。
また、pHの調整に関係ない塩を添加したり、酸と塩基を併用してもよい。
本発明のトナーにおいて使用される結着樹脂としては特に制限はない。例えば以下のようなものを例示することができる。スチレン樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、また、それらの樹脂を任意に結合させたハイブリッド樹脂。中でも以下のものがトナー特性の上で望ましく用いられる。スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂又はスチレン−メタクリル樹脂とポリエステル樹脂とを結合させたハイブリッド樹脂。
上記ポリエステル樹脂としては、多価アルコールとカルボン酸(あるいはカルボン酸無水物やカルボン酸エステル)とを原料モノマーとして通常製造されるポリエステル樹脂を使用することができる。
本発明のトナーは、磁性トナーとして用いることも可能であり、その場合には、以下に挙げられる磁性体が用いられる。マグネタイト、マグヘマイト、フェライトのような酸化鉄、又は他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niのような金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Ca、Mn、Se、Tiのような金属との合金、及びこれらの混合物。四三酸化鉄(Fe)、三二酸化鉄(γ−Fe)、酸化鉄亜鉛(ZnFe)、酸化鉄銅(CuFe)、酸化鉄ネオジウム(NdFe)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe)、酸化鉄マンガン(MnFe)。上述した磁性材料を単独で又は2種類以上を組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
これらの磁性体は、平均粒径が0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることがより好ましい。795.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性は、抗磁力(Hc)が1.6kA/m以上12kA/m以下(20エルステッド以上150エルステッド以下)、飽和磁化(σs)が5Am/kg以上200Am/kg以下である。好ましくは50Am/kg以上100Am/kg以下である。残留磁化(σr)は、2Am/kg以上20Am/kg以下のものが好ましい。
結着樹脂100質量部に対して、磁性体を好ましくは10.0質量部以上200.0質量部以下、より好ましくは20.0質量部以上150.0質量部以下使用する。
一方、非磁性トナーとして用いる場合の着色剤としては、従来から知られている種々の染料や顔料等、公知の着色剤を用いることができる。
マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、8
3、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、185、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。かかる顔料を単独で使用しても、染料と顔料を併用してもよい。
シアン用着色顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、チタンブラック及び上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
本発明のトナーは、離型剤を含有してもよい。離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスのような脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスのような脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスのような脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、ベヘニン酸モノグリセリドのような脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
離型剤の分子量分布としては、メインピークが分子量400以上2400以下の領域にあることが好ましく、430以上2000以下の領域にあることがより好ましい。これによって、トナーに好ましい熱特性を付与することができる。離型剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して総量で2.50質量部以上40.0質量部以下であることが好ましく、3.00質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子の製造方法は、トナー母粒子を水系媒体中に分散させてトナー母粒子の分散液を調製する分散液調製工程と、pH調整工程と、樹脂粒子を水系媒体中に添加する樹脂粒子添加工程と、固着工程と、をこの順で有する方法が好ましい。これにより樹脂粒子をトナー母粒子表面に均一に固着させることができる。
まず分散液調整工程について説明する。
トナー母粒子は、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、粉砕法等、従来公知の製法で製造することができる。その中でも特に懸濁重合法によってトナー母粒子を製造することが好ましい。懸濁重合法については後述する。水系媒体中でトナー母粒子を製造した場合はそのまま次の工程に用いてもよく、洗浄やろ過、乾燥を行った後、水系媒体中に再分散させてもよい。乾式でトナー母粒子を製造した場合は公知の方法によって水系媒体に分散させることができる。トナー母粒子を水系媒体中に分散させるために、水系媒体が分散安定剤を含有する事が好ましい。
分散安定剤としては、公知の無機及び有機の分散安定剤を用いることができる。
無機分散安定剤としては、以下のものが挙げられる。
リン酸カルシウム化合物、リン酸アルミニウム化合物、リン酸マグネシウム化合物、水酸化カルシウム化合物、水酸化アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム化合物、炭酸カルシウム化合物、炭酸アルミニウム化合物、炭酸マグネシウム化合物、メタケイ酸カルシウム化合物、硫酸カルシウム化合物、硫酸バリウム化合物、ベントナイト、シリカ、アルミナ。
一方、有機分散剤としては、以下のものが挙げられる。
ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン。
また、この他にも市販のノニオン型、アニオン型、カチオン型の界面活性剤の利用も可能である。このような界面活性剤としては、以下のものが挙げられる。
ドデシル硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸カルシウム。
上記分散安定剤の中でも、トナー粒子から除去が容易な無機分散安定剤が好ましい。分散安定剤として無機分散安定剤を用いることで、酸又は塩基で洗浄処理が容易になり、トナー粒子に残存する量を極めて少なくすることが可能である。
より好ましくは、無機分散安定剤がリン酸カルシウム化合物、リン酸アルミニウム化合物、リン酸マグネシウム化合物、水酸化カルシウム化合物、水酸化アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム化合物、炭酸カルシウム化合物、炭酸アルミニウム化合物、炭酸マグネシウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種である。
無機分散安定剤は市販の無機分散安定剤をそのまま用いてもよい。また、細かい均一な粒度を有する無機分散安定剤の粒子を得るために、水系媒体中で、高速撹拌下、上記無機分散安定剤を生成させてもよい。例えば、リン酸カルシウム化合物を分散剤として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合してリン酸カルシウム化合物の微粒子を形成することが挙げられる。
また、分散安定剤の使用量は、トナー母粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
次にpH調整工程について説明する。
pH調整工程は、樹脂粒子を水系媒体中に添加する樹脂粒子添加工程よりも前に行うことが好ましい。樹脂粒子を水系媒体中に添加する前に、水系媒体のpHを調整することで、樹脂粒子同士の凝集を防ぐことができる。
次に樹脂粒子添加工程ついて説明する。
樹脂粒子添加工程では、トナー母粒子の分散液を撹拌しながら、樹脂粒子を添加する。樹脂粒子添加工程において、水系媒体の温度が樹脂粒子のガラス転移温度よりも低いことが好ましい。上記温度であることで、樹脂粒子の添加時に樹脂粒子の凝集を抑えることができる。
次に固着工程について説明する。
樹脂粒子の固着方法は、水系媒体のpHを樹脂粒子のpKa−2.0以上に調整した状態で行うことが好ましい。例えばトナー母粒子の分散液に樹脂粒子を添加した後、機械的衝撃力により母粒子に埋め込ませてもよく、水系媒体を加熱して固着させてもよい。また、凝集剤を添加して固着させてもよく、上記手法を組み合わせてもよい。いれずれの場合においても水系媒体を撹拌することが好ましい。
より好ましくは、樹脂粒子を強固にトナー母粒子に固着させる観点から水系媒体をトナ
ー母粒子のガラス転移温度以上に加熱する手法である。水系媒体を上記温度にすることで、トナー母粒子が軟化し、樹脂粒子がトナー母粒子に接触した際に固定化される。
また固着工程において、トナー母粒子のゼータ電位が、樹脂粒子のゼータ電位よりも10mV以上大きいことが好ましい。トナー母粒子のゼータ電位が、樹脂粒子のゼータ電位よりも10mV以上大きい場合、樹脂粒子は静電的にトナー母粒子に固着するため、短時間で固着が可能であり、またトナー間のバラつきを抑えることができる。
トナー母粒子のゼータ電位は、上記分散安定剤を利用して制御することができる。具体的にはトナー母粒子の表面に付着する分散安定剤の種類及び量や付着の方法により制御することができる。
樹脂粒子をトナー母粒子表面に固着させた後は、公知の方法でろ過、洗浄、乾燥してトナー粒子を得る。無機分散安定剤を用いた場合は、酸又は塩基により溶解させた後除去することが好ましい。
樹脂粒子の製造方法は、如何なる方法でもよい。例えば、乳化重合法やソープフリー乳化重合法、転相乳化法、機械式乳化法のような公知の方法によって製造されたものを用いることができる。これらの製法の中でも、転相乳化法は、乳化剤や分散安定剤を必要とせず、より小粒径の樹脂粒子が容易に得られるため、好ましい。
転相乳化法では、自己分散性を有する樹脂、あるいは中和によって自己分散性を発現し得る樹脂を使用する。ここで、水系媒体中での自己分散性は、分子内に親水性基を有している樹脂において発揮される。具体的には、ポリエーテル基やイオン性官能基を有する樹脂において良好な自己分散性が発揮される。
樹脂粒子の製造には、中和によって自己乳化性を発現するイオン性官能基を有する樹脂を使用することが好ましい。具体的には、イオン性官能基を有しpKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂を用いることが好ましい。
上記樹脂中のイオン性官能基を中和することによって親水性が増大し、水系媒体中での自己分散しやすくなる。上記樹脂を有機溶剤に溶解し、中和剤を加え、撹拌しながら水系媒体と混合すると、上記樹脂の溶解液が転相乳化を起こして微小な粒子を生成する。有機溶剤は、転相乳化後に加熱、減圧のような方法を用いて除去する。このように、転相乳化法によれば、実質的に乳化剤や分散安定剤を用いることなく、安定した樹脂粒子の水系分散体を得ることができる。
樹脂粒子の含有量としては、トナー母粒子100質量部に対して0.10質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。0.10質量部以上とすることで、トナー粒子間での固着均一性による良好な帯電性と、十分な耐久性が発揮される。また、5.0質量部以下とすることで、良好な耐久性を確保しつつ、余剰な樹脂粒子に起因する画像弊害を抑制することができる。より好ましくは0.20質量部以上3.0質量部以下である。
以下に懸濁重合法によるトナー母粒子の製造方法について、詳細を説明する。
トナー母粒子の製造方法は、結着樹脂を構成する重合性単量体及び着色剤並びに必要に応じて離型剤などの添加剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成し、重合性単量体組成物の粒子に含まれる重合性単量体を重合させることによりトナー母粒子を得る方法が好ましい。
まず重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加えて、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を形成する。より具体的には、トナー母粒子の主構成材料となる重合性単量体に着色剤を加え、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機のような分散機を用いてこれらを均一に溶解又は分散させた重合性単量体組成物を調製する。このとき、重合性単量体組成物中には、必要に応じて多官能性単量体や連鎖移動剤、また、離型剤や荷電制御剤、可塑剤、さらに分散剤のような添加剤を適宜
加えることができる。
次いで、上記重合性単量体組成物を予め用意しておいた上記分散安定剤を含有する水系媒体中に投入し、高速撹拌機又は超音波分散機のような高速分散機を用いて懸濁させ、造粒を行う。重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合してもよく、水系媒体中に懸濁させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることもできる。
このようにして、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を形成する。
次に、重合性単量体組成物の粒子が分散した懸濁液を、好ましくは50℃以上90℃以下に加熱し、懸濁液中の重合性単量体組成物の粒子が粒子状態を維持し、且つ粒子の浮遊や沈降が生じることのないよう、撹拌しながら重合反応を行う。
上記重合開始剤は、加熱によって容易に分解し、遊離基(ラジカル)を生成する。生成したラジカルは重合性単量体の不飽和結合に付加し、付加体のラジカルを新たに生成する。そして、生成した付加体のラジカルはさらに重合性単量体の不飽和結合に付加する。このような付加反応を連鎖的に繰り返すことによって重合反応が進行し、上記重合性単量体を主構成材料とする重合体粒子(トナー母粒子)が形成され、重合体粒子(トナー母粒子)の分散液が得られる。
必要に応じて、この後蒸留工程を行い、残留している重合性単量体を除いてもよい。
懸濁重合法で用いられる重合性単量体としては、以下のものが挙げられる。
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンのようなスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのようなエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルのようなビニルエステル酸;アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルのようなアクリル酸エステル類;上記アクリル酸エステル類のアクリルをメタクリルに変えたメタクリル酸エステル類;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなメタクリル酸アミノエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトンのようなビニルケトン類;N−ビニルピロールのようなN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸又はメタクリル酸誘導体、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。なお、重合性単量体は、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いてもよい。
懸濁重合法で用いられる重合開始剤としては、以下のものが挙げられる。
2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルのようなアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチル−パーオキシピバレートのような過酸化物系重合開始剤。
これらの重合開始剤の使用量は、目的とする重合度により変化するが、一般的には、上記重合性単量体100.0質量部に対して、3.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、10時間半減期温度を参考に選定され、単独又は混合して使用される。
本発明のトナーは、平均円形度としては、0.960以上であることが好ましい。平均
円形度が0.960以上であると、クリーニング性が良好となり細線再現性も向上する。より好ましくはトナーの平均円形度が0.970以上である。
また、トナーの円形度で0.990以上の含有率(真球含有率)が10%以上の場合に本発明はより効果を発揮しやすい。真球含有率とは、トナーに含まれる円形度0.990以上の含有率であり、真球含有率が多いと細線再現性がより良好である。
本発明に用いられる無機微粒子Aとしては、沈降法、ゾルゲル法等の湿式シリカ、爆燃法、ヒュームド法等の乾式シリカがあるが、本発明の特徴の一つである凹部が多い形状制御のしやすさから、シリカが好ましく、乾式シリカであることがより好ましい。
乾式シリカは、ケイ素ハロゲン化合物等を原料としている。
ケイ素ハロゲン化合物としては、四塩化ケイ素が用いられるが、メチルトリクロロシラン、トリクロロシランなどのシラン類単独、又は四塩化ケイ素とシラン類との混合状態でも原料として使用可能である。
原料は気化した後、酸水素炎中で中間体として生じる水と反応する、いわゆる、火炎加水分解反応によって目的のシリカを得る。
例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素、水素中における熱分解酸化反応を利用するもので、反応式は次の様なものである。
SiCl+2H+O→SiO+4HCl
以下に、本発明に好適に用いられる乾式非球状シリカの製造方法を説明する。
酸素ガスをバーナーに供給し、着火用バーナーに点火した後、水素ガスをバーナーに供給して火炎を形成し、これに原料である四塩化ケイ素を投入しガス化させる。
平均粒径及び形状は、四塩化ケイ素流量、酸素ガス供給流量、水素ガス供給流量、シリカの火炎中滞留時間を適宜変えることによって、凹部が多い無機微粒子の形状を作成するために任意に調整可能である。
凹部が多い形状を制御する手段として、得られたシリカ粉末を電気炉に移し、薄層状に敷きつめた後、加熱処理を施し焼結させてもよい。焼結させることで、無機微粒子の合一強度が高まり、クリーニング部での引っ掛かり効果がより向上し易く好ましい。
さらに、本発明に用いられる無機微粒子Aは、疎水化処理、シリコーンオイル処理等の表面処理を行ってもよい。
疎水化方法としては、シリカと反応又は物理吸着する有機ケイ素化合物で化学的に処理することによって付与される。好ましい方法としては、ケイ素ハロゲン化合物の蒸気相酸化により生成されたシリカを有機ケイ素化合物で処理する。
そのような有機ケイ素化合物としては、以下のものが挙げられる。
ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン。
さらには、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレートが挙げられる。
さらには、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、1−ヘキサメチルジシロキサンが挙げられる。
さらには、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン及び1分子当り2〜12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位のSiに水酸基を一つずつ有するジメチルポリシロキサンが例示できる。
これらは1種又は2種以上の混合物で用いられる。
また、シリコーンオイル処理シリカにおいて、好ましいシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が30mm/s以上1000mm/s以下のものが用いられる。例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルがある。
シリコーンオイル処理の方法としては、以下の方法が挙げられる。
シランカップリング剤で処理されたシリカとシリコーンオイルとをFMミキサのような混合機を用いて直接混合する方法。
ベースとなるシリカにシリコーンオイルを噴霧する方法。あるいは適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散せしめた後、シリカを加え混合し溶剤を除去する方法。
シリコーンオイル処理シリカは、シリコーンオイルの処理後にシリカを不活性ガス中で温度200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し表面のコートを安定化させることがより好ましい。
好ましいシランカップリング剤としては、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
これら無機微粒子Aの添加量としては、所望の特性が得られれば特に限定させることはないが、トナー粒子100.0質量部に対して、0.2質量部以上3.0質量部以下であることがより好ましい。
また本発明のトナーにおいては、第二の外添剤を添加してもよい。第二の外添剤としては、シリカ微粒子やチタニア微粒子に疎水化処理を施したものであることが好ましい。個数平均粒径としては5nm以上40nm以下であることが好ましい。上記疎水化処理の方法としては、有機ケイ素化合物、シリコーンオイル、長鎖脂肪酸等で処理する方法が挙げられる。
上記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、トリメチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン等が挙げられる。これらは一種又は二種以上の混合物で用いられる。
上記シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイル等が挙げられる。
また本発明のトナーにおいては、第二の外添剤として、トナー粒子表面への流動性付与能が高い、個数基準での粒度分布における1次粒子の個数平均粒径(D1)が5nm以上30nm以下の無機微粒子を用いることが好ましい。
例えば、市販のシリカとしては、AEROSIL(日本アエロジル社)130、200、300、380、MOX170、MOX80、COK84、Ca−O−SiL(CABOT Co.社)M−5、MS−7、MS−75、HS−5、EH−5、Wacker HDK N 20(WACKER−CHEMIE GMBH社)V15、N20E、T30、T40、D−C Fine Silica(ダウコーニングCo.社)、Fransol(Fransil社)の商品名で市販されているものがあり、本発明ではこれらも好適に用いることができる。
第二の外添剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上2.0質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上1.0質量部以下であることがより好ましい。
トナー粒子に外添剤を外添する方法する混合機としては、FMミキサ(日本コークス工
業株式会社製)、スーパーミキサー(カワタ社製)、ノビルタ(ホソカワミクロン社製)、ハイブリダイザー(奈良機械社製)が挙げられる。
また、外添後に粗粒子をふるい分けるために用いられる篩い装置としては、以下のものが挙げられる。ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(フロイント・ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製)を用いて行う。
以下に本発明で用いられる測定方法について示す。
<樹脂粒子の体積基準のメジアン径(D50)及びスパン値>
レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(堀場製作所社製)を用い、当該製品取扱説明書に記載の測定方法に準じて測定する。
測定条件の設定及び測定データの解析は、LA−920に付属の専用ソフト「HORIBALA−920 for Windows WET(LA−920) Ver.2.02」を用いる。また、測定溶媒としては、予め不純固形物などを除去したイオン交換水を用いる。
測定手順は、以下の通りである。
(1)バッチ式セルホルダーをLA−920に取り付ける。
(2)所定量のイオン交換水をバッチ式セルに入れ、バッチ式セルをバッチ式セルホルダーにセットする。
(3)専用のスターラーチップを用いて、バッチ式セル内を撹拌する。
(4)「表示条件設定」画面の「屈折率」ボタンを押し、ファイル「120A000I」(相対屈折率1.20)を選択する。
(5)「表示条件設定」画面において、粒子径基準を体積基準とする。
(6)1時間以上の暖気運転を行った後、光軸の調整、光軸の微調整、ブランク測定を行う。
(7)樹脂粒子を、固形分濃度が0.05質量%になるようにイオン交換水で調整した分散液を準備する。ガラス製の100ml平底ビーカーに前記分散液20mlを入れる。
(8)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「UltrasonicDispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加する。
(9)前記(7)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(10)前記(9)のビーカー内の水溶液に60秒間超音波分散処理を行う。超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(11)前記(10)で調製した樹脂粒子が分散した水溶液を、気泡が入らないように注意しながら直ちにバッチ式セルに少量ずつ添加して、タングステンランプの透過率が90%〜95%となるように調整する。そして、粒度分布の測定を行う。得られた体積基準の粒度分布のデータを元に、メジアン径(D50)を求め、10%積算径及び90%積算径を算出しスパン値Aを求める。
スパン値A=(D90−D10)/D50
<ガラス転移温度(Tg)>
トナー母粒子及び樹脂粒子のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC)M−DSC(商品名:Q2000、TA−インストルメンツ社製)を用いて、下記手順にて測定する。測定する試料3mgを精秤する。これをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定温度範囲20〜200℃の間で、昇温速度1℃/分、常温常湿下で測定を行う。このときのモジュレーション振幅±0.5℃、周波数1/min
で測定する。得られるリバーシングヒートフロー曲線からガラス転移温度(Tg:℃)を計算する。Tgは、吸熱前後のベースラインと吸熱による曲線の接線との交点の中心値をTg(℃)として求めたものである。
<酸価>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/l塩酸100mlを250mlトールビーカーに取り、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。上記0.100モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20ml
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーター
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1ml
本試験;
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mlを加え、1時間かけて溶解する。上記電位差滴定装置を用い、上記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
<酸価、pKa>
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、THF150ml
を加え、30分かけて溶解する。この溶液にpH電極を入れ、サンプルのTHF溶液のpHを読み取る。その後、0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を10μlずつ添加し、その都度pHを読み取り滴定を行う。pHが10以上となり、30μl添加してもpHの変化がなくなるまで0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液を加える。得られた結果から0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液添加量に対するpHをプロットし、滴定曲線を得る。得られた滴定曲線からpH変化の傾きが一番大きいところを中和点とし、添加した水酸化カリウム量から酸価(mgKOH/g)を算出する。pKaは中和点までに必要とした0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液量の半分量でのpHと同じ値であるため、滴定曲線から半分量でのpHを読み取る。
<微粒子の個数平均粒径の測定方法>
外添剤の個数平均粒径(D1)の測定は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いて行う。外添剤が外添されたトナーを観察して、最大20万倍に拡大した視野において、ランダムに100個の外添剤の一次粒子の長径を測定して個数平均粒径(D1)を求める。観察倍率は、外添剤の大きさによって適宜調整する。
<トナーの平均円形度の測定方法>
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FPIA−3000」(シスメックス社製)によって、校正作業時の測定及び解析条件で測定する。
具体的な測定方法は、以下の通りである。まず、ガラス製の容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水約20mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.2mL加える。更に測定試料を約0.02g加え、超音波分散器を用いて2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、分散液の温度が10℃以上40℃以下となる様に適宜冷却する。超音波分散器としては、発振周波数50kHz、電気的出力150Wの卓上型の超音波洗浄器分散器(例えば「VS−150」(ヴェルヴォクリーア社製))を用い、水槽内には所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
測定には、対物レンズとして「UPlanApro」(倍率10倍、開口数0.40)を搭載した前記フロー式粒子像分析装置を用い、シース液にはパーティクルシース「PSE−900A」(シスメックス社製)を使用した。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式粒子像分析装置に導入し、HPF測定モードで、トータルカウントモードにて3000個のトナー粒子を計測する。そして、粒子解析時の2値化閾値を85%とし、解析粒子径を円相当径1.985μm以上39.69μm未満に限定し、トナーの平均円形度を求める。
測定にあたっては、測定開始前に標準ラテックス粒子(例えば、Duke Scientific社製の「RESEARCH AND TEST PARTICLES Latex Microsphere Suspensions 5200A」をイオン交換水で希釈)を用いて自動焦点調整を行う。その後、測定開始から2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。
なお、本願実施例では、シスメックス社による校正作業が行われた、シスメックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロー式粒子像分析装置を使用した。解析粒子径を円相当径1.985μm以上、39.69μm未満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行った。
<重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンタ
ー Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行い、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに前記電解水溶液約30mLを入れ、この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2mL添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)電解水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、グラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<無機微粒子Aの稠密度の平均値及び平均最小フェレ径の測定方法>
走査型電子顕微鏡で無機微粒子Aを観察し、その画像を解析することで求めることができる。走査型電子顕微鏡としては、日立超高分解能電界放出走査電子顕微鏡S−4800
((株)日立ハイテクノロジーズ)を用いることができる。
観察条件としては、無機微粒子の大きさによって倍率を10万倍〜20万倍に適宜調整する。また、無機微粒子の画像処理を行うために、観察時の加速電圧は高めに調整(例えば10kV)し、反射電子像で観察することで、無機微粒子が高輝度に表わされるため好ましい。
画像処理は、画像解析ソフトウェアImage J(開発元Wayne Rasband)で行い、高輝度に表わされた無機微粒子と、背景とを二値化することで、無機微粒子毎の面積及び無機微粒子の包絡線により囲まれた領域の面積を算出し下記式(2)で稠密度の平均値を測定した。二値化の条件は観察装置やスパッタ条件により適切に選択することができる。また画像解析ソフトウェアImage Jにて、無機微粒子毎の稠密度はSolidityで得ることが可能である。
稠密度=無機微粒子の面積/無機微粒子の包絡線により囲まれた領域の面積 式(2)
具体的な測定方法は以下の通りである。
画像解析
得られたSEM観察像から、画像処理ソフトImageJ(開発元 Wayne Rashand)を用いて、平均稠密度を算出する。算出の手順を以下に示す。
1)[Analyze]−[Set Scale]にて、スケールの設定を行う。
2)[Image]−[Adjust]−[Threshold]で閾値を設定する。
(ノイズが残らず、測定対象である無機微粒子が残る値に設定)
3)[Image]−[Crop]で、測定した無機微粒子の画像部分を選択する。
4)粒子が重なっているものは画像編集により消去する。
5)[Edit]−[Invert]で白黒の画像を反転させる。
6)[Analyze]−[Set Measurements]で[Area]、[Shape Descriptors]、[Perimeter]、[Fit Ellipse]、[Ferets Diameter]をチェックする。また、[Redirect to]を[None]、[Decimal Place(0−9)]を3に設定する。
7)[Analyze]−[Analyze Particle]で、粒子の面積を0.005μm以上に指定し、実行する。
8)上記7)で指定された各粒子のSolidity及び最小フェレ径の値を得る。
9)観察した画像100枚について測定を行い、得られたSolidityの相加平均値を算出し、稠密度の平均値とする。同様に、得られた最小フェレ径の相加平均値を算出し、平均最小フェレ径の値とする。
<トナー粒子表面の凸部の長辺の平均長さ(D)及び平均高さ(H)の測定方法>
トナー粒子に複数の外添剤が外添されているトナーにおいて、トナー粒子表面の凸部の長辺の平均長さ(D)及び平均高さ(H)を測定する場合、トナー粒子から外添剤を取り除く必要がある。トナー粒子から外添剤を取り除く具体的な方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
(1)トナー5gをサンプル瓶に入れ、メタノールを200mL加える。
(2)超音波洗浄機で5分間試料を分散させて外添剤を分離させる。
(3)吸引ろ過(10μmメンブランフィルター)してトナー粒子と外添剤を分離する。(4)上記(2)、(3)を計3回行う。
上記操作により、トナーから外添された外添剤を除去したトナー粒子を得ることができる。
得られたトナー粒子から、日本電子(株)製のクロスセクションポリッシャー(商品名:SM‐09010)を用いて、トナー粒子の断面を作製した。具体的な方法としては、シリコンウエハー上にカーボン両面粘着シート切片(日新EM社製SEM用カーボン両面
テープ)を貼り、Moメッシュ(径:3mm/厚み:30μm)を固定し、その上にトナーを1層程度(トナー粒子1粒程度の厚さ)付着させる。これに白金を蒸着させた後、クロスセクションポリッシャーを用いて、加速電圧4kV、加工時間3時間の条件でトナー粒子の断面を形成した。
得られたトナー粒子の断面から、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所製)を用いてトナー粒子表面に存在する凸部の観察を行った。
凸部が樹脂粒子に由来するかどうかは、SEMにて観察する際の輝度(コントラスト)の違いにより判断した。
観察する際には凸部の形が判別し易い様に、視野や観察倍率は適宜調整する。そして、凸部の両端部の立ち上がっている部分を直線で結び、その直線から凸部の頂点までの長さを高さとし、その直線に平行で凸部の長さが最も長くなる部分を長辺とした。ランダムに100個の凸部について高さと長辺を観察し、それぞれの相加平均値を凸部の平均高さ(H)と長辺の平均長さ(D)とした。
<トナー粒子表面の樹脂粒子の存在状態の測定方法>
上記トナー粒子表面の凸部の長辺の平均長さ(D)及び平均高さ(H)の測定方法と同様の操作を行って外添剤を除去し、トナー粒子の表面を走査型電子顕微鏡「S−4800」で観察した。
走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所)により、倍率2万倍で1つのトナー粒子の反射電子像を観察する。そのトナー粒子の反射電子像において、図3に示す様に、トナー粒子の弦の最大長を線分Aとし、線分Aと平行であって線分Aと1.5μm離れた2本の直線を直線B及び直線Cとする。また線分Aの中点を通り、線分Aと直交する直線を直線Dとし、直線Dと平行であって直線Dと1.5μm離れた2本の直線を直線E及び直線Fとする。線分A、及び直線B、C、D、E及びFで形成される、それぞれ一辺の長さが1.5μmの正方形である4つの領域を定める。
4つの領域のそれぞれにおいて樹脂粒子が占める面積を画像処理ソフト「Image−Pro Plus5.1J」(商品名、MediaCybernetics社製)を使用して算出した。4つの領域のそれぞれについて、算出した面積の、当該領域の面積に対する割合(算出した面積÷2.25μm)を、各領域における存在率とした。
この作業を50個のトナー粒子に対して行い、その平均値を樹脂粒子の平均存在率とした。
また、樹脂粒子の変動係数の測定方法は、走査型電子顕微鏡「S−4800」(商品名;日立製作所)により、倍率2万倍でトナー粒子の反射電子像を観察する。そのトナー粒子の反射電子像において、前述の線分A、及び直線B、C、D、E及びFで形成される、それぞれ一辺の長さが1.5μmの正方形である4つの領域を定める。
それぞれの領域における樹脂粒子の存在個数を算出し、それぞれの領域における存在個数を足し合わせることで、1個のトナー粒子表面の樹脂粒子の存在個数を算出する。この作業を50個のトナー粒子に対して行い、トナー粒子表面の樹脂粒子の存在個数の標準偏差を算出して式(3)を用いて変動係数を算出した。
変動係数=(粒子の存在個数の標準偏差/粒子の平均存在個数) 式(3)
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、「部」は「質量部」を意味する。
<重合性単量体M−1の合成例>
(工程1)
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100gと80%硫酸1441gとを50℃に加熱混合した。この分散液にtert−ブチルアルコール144gを加えて50℃で30分間撹拌した。その後、この分散液にtert−ブチルアルコール144gを加え30分間撹拌す
る操作を3回行った。反応液を室温まで冷却し、氷水1kgにゆっくり注いだ。析出物を濾過、水洗し、その後、ヘキサン洗浄した。この析出物をメタノール200mLに溶解させ、水3.6Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて乾燥することで下記構造式(5)に示すサリチル酸中間体74.9gを得た。
Figure 0006873722
(工程2)
得られたサリチル酸中間体25.0gをメタノール150mLに溶解させ、炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLの混合液を滴下し、65℃にて3時間反応させた。反応液を冷却後、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶することで精製し、下記構造式(6)に示す重合性単量体M−1を20.1g得た。
Figure 0006873722
<重合体1の合成例>
構造式(6)に示す重合性単量体M−1(9.2g)、スチレン(60.8g)をDMF42.0mlに溶解させ、窒素バブリングをしながら1時間撹拌した後、110℃まで加熱した。この反応液に、開始剤としてtert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルI)2.1gとトルエン45mlの混合液を滴下した。更に100℃にて5時間反応した。その後、冷却しメタノール1Lに滴下し、析出物を得た。得られた析出物をTHF120mlに溶解後、メタノール1.80Lに滴下し、白色析出物を析出させ、濾過し、減圧下100℃にて乾燥させることで、重合体1を得た。
<重合体2の合成例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200質量部を仕込み、窒素気流下で還流した。単量体として、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 6.0質量部
スチレン 72.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 18.0質量部
を混合し、上記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し重合体2を得た。
<重合体3の合成例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200部を仕込み、窒素気流下で還流した。
次に、
5−ビニルサリチル酸 9.0質量部
スチレン 75.0質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 16.0質量部
ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0質量部
を混合し、上記反応容器に撹拌しながら滴下し11時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下45℃で乾燥し重合体3を得た。
<重合体4の合成例>
重合体3の合成例のうち、下記変更以外は同様に合成を行った。
5−ビニルサリチル酸 9.0質量部をフタル酸1ビニル 5.3質量部に変更し、重合体4を得た。
<重合体5の合成例>
重合体3の合成例のうち、下記変更以外は同様に合成を行った。
5−ビニルサリチル酸 9.0質量部を1−ビニルナフタレン−2−カルボン酸 10.9質量部に変更し、重合体5を得た。
<重合体6の合成例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を取り付けた反応容器に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 500質量部
テレフタル酸 154質量部
フマル酸 45質量部
オクチル酸スズ 2質量部
を投入し、温度230℃で8時間の重縮合反応を行い、さらに、8kPaで1時間にわたって重縮合反応を継続した後、160℃に冷却することにより、ポリエステル樹脂を形成し、次いで、温度160℃の状態でアクリル酸10質量部を投入し、混合させて15分間保持した後、
スチレン 142質量部
n−ブチルアクリレート 35質量部
重合開始剤(ジ−t−ブチルペルオキサイド) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した後、温度160℃を維持した状態で1時間にわたって付加重合反応を行った後、200℃に昇温させ、10kPaで1時間保持することにより、重合体6を得た。
得られた重合体1〜6の物性を表1に記載する。
Figure 0006873722
<樹脂粒子1の水分散体の製造例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、メチルエチルケトン200.0質量部を仕込み、重合体1を100.0質量部加えて溶解した。
次いで、1.0モル/リットル水酸化カリウム水溶液28.6部をゆっくり加え、10分間撹拌を行った後、イオン交換水500.0質量部をゆっくり滴下し、乳化させた。
得られた乳化物を減圧蒸留して脱溶剤し、イオン交換水を加えて樹脂濃度が20%になるように調製することで、樹脂粒子1の水分散体を得た。
得られた樹脂粒子の水分散体の物性値を表2に示す。
<樹脂粒子2〜11の水分散体の製造例>
重合体1、1.0モル/リットル水酸化カリウム水溶液の量、及び溶媒を表2に示すように変更した以外は、樹脂粒子1の製造例と同様にして樹脂粒子2〜11の水分散体を得た。
得られた樹脂粒子2〜11の水分散体の物性値を表2に示す。
Figure 0006873722
<無機微粒子A−1の製造例>
酸素ガスをバーナーに供給し、着火用バーナーに点火した後、水素ガスをバーナーに供給して火炎を形成し、これに原料である四塩化ケイ素を投入しガス化させることでシリカ微粒子を得た。具体的な方法としては、特開2002−3213の記載を参考に作製した
。すなわち、原料の四塩化珪素ガス量は150kg/hr、水素ガス50Nm/hrおよび酸素ガスの量30Nm/hr、火炎中のシリカ濃度0.50kg/Nmと滞留時間0.020secとした。
得られたシリカ微粒子100質量部に対して、表面処理剤としてヘキサメチルジシラザン10質量部を添加することで、疎水化処理を施した。無機微粒子の物性は表3に示す。
<無機微粒子A−2の製造例>
無機微粒子A−1の製造例でシリカ微粒子を回収した後、得られたシリカ微粒子を電気炉に移し、薄層状に敷きつめた後、900℃で加熱処理を施し焼結,凝集させた。その後無機微粒子A−1と同様に表面処理を行い無機微粒子A−2を得た。無機微粒子の物性は表3に示す。
<無機微粒子A−3〜A−5の製造例>
特開2002−3213に記載を参考に、四塩化ケイ素量、酸素ガス量、水素ガス量、シリカ濃度、滞留時間を調整し無機微粒子A−3〜A−5を得た。
無機微粒子A−3〜A−5の物性は表3の通りである。
<無機微粒子A−6の製造例>
酸化ケイ素微粉末SO−E1(粒子形状:球形、アドマテックス社製)を電気炉に移し、薄層状に敷きつめた後、900℃で加熱処理を施し焼結,凝集させて無機微粒子A−6を得た。無機微粒子A−6の物性は表3の通りである。
<無機微粒子A−7の製造例>
特開2002−3213に記載を参考に、四塩化ケイ素量、酸素ガス量、水素ガス量、シリカ濃度、滞留時間を調整し無機微粒子A−7を得た。無機微粒子A−7の物性は表3の通りである。
<無機微粒子A−8の製造例>
酸化ケイ素微粉末SO−E1(粒子形状:球形、アドマテックス社製)を用いた。無機微粒子A−8の物性は表3の通りである。
<無機微粒子A−9の製造例>
酸化チタンTTO−D2(粒子形状:針状、石原産業社製)を用いた。無機微粒子A−9の物性は表3の通りである。
Figure 0006873722
〔トナー粒子1の製造例〕
(分散液調製工程)
高速撹拌装置クレアミックス(エム・テクニック社製)を備えた容器中に0.1mol/L−NaPO水溶液850.0質量部を添加し、回転数を15000s−1に調整し、60℃に加温した。ここに1.0mol/L−CaCl水溶液68.0質量部を添加し、リン酸カルシウムを含む水系媒体を調製し、30分間撹拌した後、1.0mol/LのHCl水溶液を添加し、水系媒体のpHを6.0した。
また、下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて100s−1で撹拌しながら溶解して溶解
液を調製した。
・スチレン 72.0質量部
・n−ブチルアクリレート 28.0質量部
・飽和ポリエステル樹脂 4.0質量部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価13mgKOH/g、Mw14500)
次に上記溶解液に下記の材料を添加した。
・C.I.ピグメントブルー15:3 6.5質量部
・エステルワックス 10.0質量部
(主成分C2143COOC2245、融点72.5℃)
その後、混合液を温度60℃に加温した後にFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)にて、9000s−1にて攪拌し、溶解、分散した。
これに重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10.0質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、温度60℃にてクレアミックスを15000s−1で回転させながら15分間造粒した。
その後、還流管、温度計及び窒素導入管を備えたプロペラ式攪拌装置に移して100s−1で攪拌しつつ、温度70℃で5時間反応させた後、温度80℃まで昇温し、更に5時間反応を行った。
次に、イオン交換水を200.0質量部添加して、還流管を取り外し、蒸留装置を取り付けた。容器内の温度が100℃の蒸留を5時間行った。蒸留留分は700.0質量部であった。30℃まで冷却し、重合体スラリーを得た。イオン交換水を加えて分散液中の重合体粒子濃度が20%になるように調整し、トナー母粒子の分散液を得た。
得られたトナー母粒子の分散液を少量抜き取り、10%塩酸を加えpHを1.0に調整して2時間撹拌した後、ろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥を行い、ガラス転移温度Tgを測定した。Tgは52.5℃であった。
(pH調整工程)
還流冷却管、撹拌機、温度計を備えた反応容器に上記トナー母粒子の分散液500.0質量部(固形分100.0質量部)を入れ、加熱用オイルバスを用いて温度を80℃(pH調整温度)に昇温した。上記分散液を撹拌しながら、1.0モル/リットル−水酸化カリウム水溶液(pH調整剤)を加え、pHを9.0に調整した。pH調整後にトナー母粒子の分散液を少量抜き取り、ゼータ電位を測定した。ゼータ電位は−18.5mVであった。
(樹脂粒子添加工程)
続いて、上記pHを調整したトナー母粒子の分散液を80℃(添加温度)に保持したまま、200s−1で撹拌しながら、樹脂粒子1の水分散体2.5質量部(固形分0.5質量部)を緩やかに添加した。また、樹脂粒子1の水分散体を別途用意し、樹脂粒子1の水分散体のpHを、上記pH調整工程で調整したトナー母粒子の分散液のpH(pH 9.0)にした後、ゼータ電位を測定した。ゼータ電位は−79.5mVであった。
(樹脂粒子の固着)
次いで、樹脂粒子を添加したトナー母粒子の分散液を80℃(固着温度)で1時間撹拌を続けた。その後分散液を20℃まで冷却した後、10%塩酸を加えてpHを1.0に調整して2時間撹拌し、ろ過した。さらに、イオン交換水で十分に洗浄した後、乾燥及び分級してトナー粒子1を得た。
〔トナー粒子2〜21の製造例〕
トナー粒子1の製造において、各工程の条件を表4のようにしてトナー粒子2〜21を
得た。なお、トナー粒子16では、pH調整工程以降を行わなかった。
Figure 0006873722
<実施例1>
得られたトナー粒子1(100部)に対して、表5に示される無機微粒子Aを添加し、さらに一次粒子の個数平均粒子径(D1)が10nm、BET比表面積が125m/gのシリカ微粉体にヘキサメチルジシラザンとシリコーンオイルで表面処理を行った外添剤を0.5部添加した。それらの材料をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で3600s−1の条件で5分間混合してトナー1を得た。トナー1における処方、諸物性は表5に記載したとおりである。
Figure 0006873722
<評価試験>
1.評価方法1
キヤノン(株)製レーザービームプリンタLBP−5050を用い、クリーニングブレードの当接線圧を0.6N/cm、当接角度を23度に改造したものを評価に用いた。評価紙としては、A4サイズの普通紙Xerox4200(ゼロックス社製、75g/m紙)を用いた。従来の球形トナーだと、当接線圧が1.0N/cm以上の設定であり、クリーニング性に対して厳しい条件で検討を行った。
クリーニング性の評価は、クリーニングブレードの硬度が高くなることで感光体ドラムへの追従性が低下するため、低温低湿環境にて評価を行った。かぶりや画像濃度安定性は、トナーは熱や湿度の影響で劣化し易いため、高温高湿環境にて評価を行った。
<トナークリーニング性>
低温低湿環境下(10℃/14%Rh)で、印字比率5%の罫線画像を5000枚連続出力する耐久試験を行い、クリーニング性能の評価を行った。クリーニング性能は、クリーニング不良による紙上及び感光体ドラム上での縦スジ等の有無を1000枚毎に目視にて確認した。A〜Cランクが合格レベルである。
A:紙上及び感光体ドラム上で観察されるクリーニング不良なし。
B:紙上で観察されるクリーニング不良ないが、4000枚以降に感光体ドラム上クリーニング不良が発生。
C:紙上で観察されるクリーニング不良ないが、2000枚以降に感光体ドラム上クリーニング不良が発生。
D:紙上でのクリーニング不良が発生。
<画像濃度の評価>
高温高湿(温度30℃、湿度85%RH)の環境下にて、カートリッジを挿入した現像装置を24時間放置した後評価を行った。画像としては、全面ベタ画像を1枚出力し、画
像の濃度を測定した。画像濃度は、カラー反射濃度計(X−RITE 404 X−Rite社製)で測定した。
初期状態の画像を出力し、その画像濃度を初期画像濃度とした。その後、印字比率5%の罫線画像を5000枚連続出力する耐久試験を行った後、全面ベタ画像を1枚出力し、同様に画像の濃度を測定して評価を行った。その際に初期画像濃度との濃度差の評価を下記の様にランクを付けた。A〜Cランクが合格レベルである。
A:画像濃度差が0.10未満である。
B:画像濃度差が0.10以上、0.20未満である。
C:画像濃度差が0.20以上、0.30未満である。
D:画像濃度差が0.30以上である。
<高温高湿環境のかぶりの評価>
画像濃度評価と同様のやり方で耐久評価を行い、印字比率5%の罫線画像を5000枚連続出力する耐久試験を行った後、全面白画像を出力し初期と5000枚後の紙上のかぶり濃度を測定した。
初期と耐久試験後に出力した全面白画像の反射率(%)を「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS」(東京電色社製)で3点測定して、その平均値を算出した。得られた反射率の平均値を、同様にして測定した未使用の用紙(標準紙)の反射率(%)から差し引いた数値(%)を用いて評価した。かぶりの評価結果は、下記の様にランクを付けた。A〜Cランクが合格レベルである。
A:かぶり濃度が1.0%未満である。
B:かぶり濃度が1.0%以上、2.0%未満である。
C:かぶり濃度が2.0%以上、3.0%未満である。
D:かぶり濃度が3.0%以上である。
上記評価方法にてトナー1を評価した。評価結果を表6に示す。
<実施例2〜22>
表5に記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー2〜22を得た。トナーの諸物性については表5に示した通りである。
また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。
<比較例1>
表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー23を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。トナー母粒子の表面に樹脂粒子がないためクリーニング性が低下傾向であった。
<比較例2>
表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー24を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。トナー母粒子の表面の樹脂粒子由来の凸部の高さと長辺の長さとの比が小さいためクリーニング性が低下傾向であった。
<比較例3>
表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー25を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。トナー母粒子の表面の樹脂粒子由来の凸部の高さと長辺の長さとの比が大きすぎるためクリーニング性が低下傾向であった。
<比較例4>
表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー26を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。トナー母粒子の表面の樹脂粒子の粒径が大きいためクリーニング性が低下傾向であった。
<比較例5>
表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー27を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。トナー母粒子の表面の樹脂粒子の粒径が小さいためクリーニング性が低下傾向であった。
<比較例6>
得られたトナー粒子21を100質量部をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)に入れ、回転数を4000s−1に設定し、処理時間30分間処理を行うことで、トナー母粒子の表面の樹脂粒子を圧延した。そして、表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー28を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。トナー母粒子の表面の樹脂粒子を圧延しているため、樹脂粒子の粒径は大きいにもかかわらず凸部の高さが小さく、ポリカーボネート薄膜付着測定による特定の形状の外添剤の移行量が大きいためクリーニング性が低下傾向であった。
<比較例7>
表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー29を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。トナー母粒子の表面の樹脂粒子由来の凸部の高さに比べ、外添剤のフェレ径が小さく、ポリカーボネート薄膜付着測定による特定の形状の外添剤の移行量が小さいためクリーニング性が低下傾向であった。
<比較例8>
表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー30を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。無機微粒子Aの稠密度が大きく、ポリカーボネート薄膜付着測定による特定の形状の外添剤の移行量が小さすぎるためクリーニング性が低下傾向であった。
<比較例9>
表5記載の処方とした以外は、実施例1と同様にして、トナー31を得た。また、実施例1と同様にして評価を行った結果を表6に示す。無機微粒子Aの稠密度が小さく、ポリカーボネート薄膜付着測定による特定の形状の外添剤の移行量が大きすぎるためクリーニング性が低下傾向であった。
Figure 0006873722
クリーニング(CLN)性の評価において、括弧内は感光体ドラム上にクリーニング不良が発生した枚数を示す。
T・・・トナー、A・・・外添剤、11・・・ふるい、12・・・基板、13・・・基板ホルダ、14・・・吸引手段

Claims (5)

  1. 結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子を製造し、該トナー母粒子の表面に樹脂粒子を固着させて該樹脂粒子に由来する凸部を表面に有するトナー粒子を製造し、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される下記式(2)で示される稠密度の平均値が0.40以上0.80以下の形状を有する無機微粒子Aを含む外添剤を該トナー粒子に外添してトナーを製造するトナーの製造方法であって、
    該トナーの該トナー粒子から該外添剤を取り除いて測定される、該凸部の長辺の平均長さ(D)が50nm以上300nm以下であり、凸部の平均高さ(H)が25nm以上250nm以下であり、該凸部の長辺の平均長さと平均高さの関係が下記式(1)を満たし
    製造された該トナーは、ポリカーボネート薄膜付着測定法において、ポリカーボネート薄膜の面積を100%としたときに付着する、稠密度が0.40以上0.80以下の形状の無機微粒子Aの付着量が、0.1面積%以上5.0面積%以下である
    ことを特徴とするトナーの製造方法
    0.50D≦H≦0.80D 式(1)
    稠密度=無機微粒子の面積/無機微粒子の包絡線により囲まれた領域の面積 式(2)
  2. 前記トナー母粒子の表面に固着させる前記樹脂粒子のレーザー散乱法による粒度分布測定によって求められたメジアン径(D50)が、50nm以上300nm以下である請求項1に記載のトナーの製造方法
  3. 前記トナー粒子に外添する前記無機微粒子Aの走査型電子顕微鏡(SEM)により観察される平均最小フェレ径が、50nm以上500nm以下である請求項1又は2に記載のトナーの製造方法
  4. 製造された前記トナーは、走査型電子顕微鏡を用いて撮影された前記トナー粒子の反射電子像における以下のように定義される4つの領域において、それぞれの領域に占める前記樹脂粒子の平均存在率が5面積%以上40面積%以下であり、下記式(3)で示される前記樹脂粒子の存在個数の変動係数が1.5以下である請求項1〜3のいずれか項に記載のトナーの製造方法
    領域の定義:トナー粒子の反射電子像において、最大長を与える弦を線分Aとし、該線
    分Aと平行であり、該線分Aと1.5μm離れた2本の直線を直線B及び直線Cとする。該線分Aの中点を通り、該線分Aと直交する直線を直線Dとし、該直線Dと平行であり、該直線Dと1.5μm離れた2本の直線を直線E及び直線Fとする。該線分A、及び直線B、C、D、E及びFで形成される辺の長さ1.5μmの正方形である4つの領域を該4つの領域とする。
    変動係数=(粒子の存在個数の標準偏差/粒子の平均存在個数) 式(3)
  5. 前記トナー母粒子の表面に固着させる前記樹脂粒子が、イオン性官能基を有し、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂を含有する請求項1〜4のいずれか項に記載のトナーの製造方法
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