卜ナー
技術分野
本発明は、 電子写真法、 静電記録法、 磁気記録法、 トナージェット法に用 いられるトナーに関する。
明 背景技術 書 従来、 電子写真法は、 種々の手段により感光体上に静電荷像を形成し、 次 いで、該静電荷像をトナーを用いて現像して感光体上にトナー画像を形成し、 必要に応じて紙の如き転写材にトナ一画像を転写する。その後、加熱、圧力、 加熱圧力、或いは溶剤蒸気等によりトナー画像を転写材に定着し、画像を得 るものである。
トナー画像を定着する工程としては、熱口一ラーによる圧着加熱法(以下、 熱ローラー定着法と称する)や、定着フィルムを介して加熱体に被定着シ一 トを密着させながら定着する加熱定着法 (以下、 フィルム定着法と称する) などが開発されている。
熱ローラ一定着法やフィルム定着法では、熱ローラー或いは定着フィルム の表面に被定着シート上のトナー画像を、当接する加圧部材により加圧下で 接触しながら通過せしめることにより定着を行うものである。該定着法では 熱ローラーや定着フィルムの表面と被定着シートのトナー画像とが加圧下 で接触するため、該シート上にトナー画像を融着する際の熱効率が極めて高 く、 迅速で良好な定着を行うことができる。 特にフィルム定着法は、 省エネ ルギー化に対する効果は大きく、 また、電子写真装置の電源を入れてから 1 枚目のプリントが完了するまでの所用時間が短いなどの効果も期待できる。
電子写真装置は、 高画質化、 小型軽量化、 高速高生産性化、 省エネルギー 化の如き様々の要請を受けており、その中でも特に定着工程においてはさら に一層の高速化、 省エネルギー化、 及び、 高信頼性化を達成できるシステム や材料の開発が重要な技術課題となっている。
しかし、熱ローラー定着法やフィルム定着法でこれらの課題を解決するた めには、 特にトナ一の定着性能を大幅に改善することが必須である。 即ち、 より低い温度で十分に被定着シートに定着できる性能(以下、低温定着性能 と称する) の向上と、加熱ローラ一やフィルム表面上に付着したトナー汚れ によって次の定着シートを汚す現象であるオフセットを防止できる性能(以 下、 耐オフセット性能と称する) の向上が必要である。 また、 低温定着性能 の向上とトレードオフの関係になりやすい性能として、長期保管中のトナー が凝集、 融着してしまう現象を抑制する性能 (以下、 耐ブロッキング性能と 称する) や、 多量の連続印字の際に、 画像不良が発生することを抑制する性 能 (以下、 現像安定性能と称する) が挙げられる。
また、 フルカラ一電子写真装置の普及に伴い、新たな画像品位の向上が求 められるようになってきている。即ち、定着工程においてトナーが紙に染み 込みすぎて画像色域が低下してしまうことを抑制する性能(以下、耐しみ込 み性能と称する) が要求されている。 この性能は、 定着工程の進行方向に対 し、前半部と後半部とで加熱ムラが生じることによる画像品位の低下、或い は、 出力速度 早くした場合において、 1枚目と 1 0枚目との加熱ムラによ る画像品位の低下として現れやすい。 また、 カラ一トナーにおいては、 画像 色域の広い画像 (以下、 色域性能と称する) が求められ、 画像濃度が同じ場 合においても、画像彩度のより大きい画像、画像明度のより大きい画像が求 められる。 かかるトナーの色域性能は、 (1 ) トナーに含有される着色剤が 有する発色性能、 (2 ) トナー中における該着色剤の存在状態、 (3 ) 結着 樹脂及びその他トナーに含有される成分の透明性、 (4 )転写材上に定着し
て形成されたトナー層の表面状態、 などと関係し、 その中でも、 転写材上に おいてトナー層の表面状態をより均一に形成することが重要となる。
加熱加圧定着に用いられるトナーにおいて、低温定着性能と耐ブロッキン グ性能との両立を目指したトナーとしては、カプセル構造を有するトナーが ある (特開平 6— 1 307 13号公報参照) 。 これらのトナーは、 ガラス転 移点 (Tg) の低い内核層を Tgの高い外殻層で被覆することにより、 トナ 一内部に含有される低 Tg材料のしみ出しを抑制し、低温定着性能と、耐ブ ロッキング性能或いは現像安定性能とを両立しょうとするものである。また、 トナー内核層の表面を被覆する外殻層を後から形成する方法として、内核層 及び外殻層の帯電性と逆の帯電性を有する中間層を設けたトナーが提案さ れている (特開 2003 - 91093号公報参照) 。 該トナ一は、 該中間層 に Tgの高い高分子量の樹脂粒子或いは無機粒子を導入し、外殻層の増量を 可能ならしめ、よって耐ブロッキング性能及び現像安定性能の向上を目指そ うとするものである。 しかし、 さらなる低温定着性能の向上、 及び、 高画質 化が求められている。
転写材上に形成されたトナー画像により他の転写材を汚染する現象を抑 制する目的で、 動的粘弹性試験における 30°Cの貯蔵弾性率 G' 、 及び、 6 0°Cの損失正接 t a n を制御したトナーが提案されている (特開 200 2— 287425号公報参照) 。 しかし、 これらのトナーは、 実質的には、 60°Cにおける t a n <5 の値は 0. 7以上、 30 における G' の値は 2 X 108P a以上であった。 また、 動的粘弾性試験における損失正接 t an δ 曲線において、 70°C以上 1 10で未満に極小値及び極大値を有し、 1 40°Cにおける損失弾性率 G" を制御したトナーが提案されている(特開 2 006- 2356 1 5号公報参照)。しかし、さらなる低温定着性能の向上、 及び、 高画質化が求められている。
低温定着性能と光沢むらとの両立を目指したトナ一としては、 60乃至 9
5 °Cの温度領域における損失弾性率 G" の変化率を制御したトナーがある (特開 2006 - 9 1 1 68号公報参照) 。 しかし、 該温度領域におけるト ナ一の粘性変化が大きいため、 耐しみ込み性能は十分でなかった。 発明の開示
本発明の目的は、前述の如き課題を解決し得るトナーを提供することにあ る。
即ち、 本発明の目的は、 優れた低温定着性能を有し、 更に、 良好な現像安 定性能を有し、 良好な耐しみ込み性能、 色域性能を有し、 高品位画像の形成 を可能とするトナーを提供するものである。
本発明は、結着樹脂と着色剤とワックスとを少なくとも含有するトナ一粒 子と無機微粉体とを有するトナーであって、
該トナ一の動的粘弾性試験による損失正接(t an <5) 曲線において、 t an は、 28. 0乃至 60. 0 °Cの温度領域に極大値 S aを示し、 該極 大値 <5 &が0. 50以上であり、 45. 0乃至85. 0°Cの温度領域に極 小値 δ bを示し、 該極小値 <5 bが 0. 60以下であり、 該極大値 δ aと該 極小値 との差 (S a— 5 b) が 0. 20以上であり、 該極大値 δ aを 与える温度を T a C ) 、 該極小値 を与える温度を Tb (°C) とした 時、 該 Taと該 Tbとの差 (Tb—T a) が 5. 0乃至45. 0°Cであり、 該トナ一は、前記動的粘弹性試験による貯蔵弾性率( G ' )曲線において、 前記 T aにおける貯蔵弾性率の値 G, aが 1. 00 X 106乃至 5. 00 X 107P aであることを特徴とするトナーに関する。
本発明によると、低温定着性能に優れ、且つ、良好な現像安定性能を有し、 良好な耐しみ込み性能、色域性能を有するトナーを得ることができ、高品位 画像を形成することが可能となる。
01
図面の簡単な説明
図 1は、本発明における動的粘弾性試験により、 T a、 T b、 T c、 δ a、 δ b, δ c , G' a、 G, b、 G' cを測定したチャートである。
図 2は、 D S Cによるガラス転移点 (T g) と融点 (Tm) とを測定した チャートである。
図 3は、 本発明で規定する A 0、 T l、 Τ 2の測定例を示す図である。 発明を実施するための最良の形態
本発明のトナーの動的粘弾性試験による損失正接( t a η δ = G" (損失 弾性率) /G, (貯蔵弾性率) ) 曲線において、 t a n S は、 4 5. 0乃 至 8 5. 0 °Cの温度領域に極小値 δ bを示し、 該極小値 δ bが 0. 6 0以 下である。 極小値 (S b) を有するということは、 該極小値 を与える 温度 Tb (°C) の近傍において、 貯蔵弾性率 G' の低下がにぶる弾性の保持 領域を有しているということを意味する。貯蔵弾性率 G' の低下がにぶるた め、損失弾性率 G" に対する G' の値が相対的に大きくなり、結果として t a d 曲線において極小値 (<5 b) として現れる。 損失弾性率 G" の低下 が急速に進むことにより t a n S が極小値を取るということも考えられる が、 トナー及びトナーに用いられる原材料について、一般的にはこのような 現象は考えられにくい。 また、 前記 0 13が0. 6 0を越える場合、 トナ一 の低温定着性能が十分に得られないか、比較的良好な低温定着性能を示すト ナ一においては、 トナーの耐しみ込み性能及び色域性能が低下する。
定着工程において、転写材上のトナーの加熱が開始されると、 トナーの温 度が Tb付近までは上昇する。定着システムにより、 トナーは Tb付近まで 加熱される場合もあり、 Tbを越えて加熱される場合もある。 トナーの温度 が Tb付近まで上昇した場合に、 t a n 3 曲線における極小値 (S b) を 有することで、 トナーの粘性は小さくなるが、弾性はある程度保持された状
態となる。 このため、 低温定着性能の向上を目指したトナ一においても、 ト ナ一の耐しみ込み性能が向上し、且つ、色域性能を良好に発現することが可 能となると考えられる。 また、 トナーの耐オフセット性能も同時に向上せし めることが可能となる。定着工程において、 トナーの温度が Tbを超えて加 熱される場合においても、 トナーの加熱が終了すると、該トナーは温度 Tb 以上に加熱された状態から冷却されるが、 トナーの温度が Tbに達した時点 からトナーの G' の値が格段に大きくなる。定着工程における定着画像の冷 却時に、従来のトナーよりも速く弾性が高い値に回復するため、 トナーの耐 しみ込み性能、 及び、 色域性能が良好に発現されるものと考えられる。
本発明のトナーの動的粘弹性試験による損失正接(t an 曲線におい て、 t a η δ は、 28. 0乃至 60. 0 °Cの温度領域に極大値 δ aを示し、 該極大値 δ aが 0. 50以上である。 本発明において、 該極大値 δ aを与 える Ta (°C) は、 トナーの結着樹脂成分のガラス転移点 (Tg) に大きく 依存するが、他にもワックスやその他トナーに含有される添加剤、製造工程 の影響も受ける。該 T aと前記 Tbとの差(Tb— T a)は 5. 0乃至45. 0°Cである。 これにより、定着工程においてトナーが T a以上の温度に加熱 されると、トナーの粒子 1個 1個は比較的軟らかくなり低温定着性能の向上 が見られるが、 Tb近傍の温度において弾性が保持されることで、耐しみ込 み性能、 色域性能、 及び、 耐オフセット性能の向上が可能となる。 即ち、 該 T aが小さいことで、定着工程の初期におけるトナーの溶融変形は促進され、 該(Tb— Ta) が適度に大きいことで、 トナーの耐しみ込み性能等が低下 することを抑制できる。
また、 本発明のトナーは、 貯蔵弾性率 (G' ) 曲線において、 前記 Taに おける貯蔵弾性率の値 G' a (P a) が 1. 00 X 106乃至 5. 00 X 1 07 P aである。 G' aが上記範囲にあることで、 定着工程において、 トナ 一が加熱されるに従いトナーの粘性が小さくなつた場合に、トナーの低温定
着性能を低下させることなく、 耐しみ込み性能、 色域性能、 及び、 耐オフセ ット性能の向上が可能となる。該 G' aが 1. 00 X 106 P a未満の場合、 定着工程において、加熱されたトナー層の保持力が小さくなり、 が前記 範囲にあっても、 トナーの耐しみ込み性能、 色域性能、 及び、 耐オフセット 性能が不十分となりやすい。該 G' aが 5. 00 X 1 07 P aを超える場合、 定着工程において、加熱されたトナー層の保持力が大きくなり、 5 bが前記 範囲にあっても低温定着性能が低下しやすい。 また、 トナーが溶融変形しに くくなるため、 トナーの色域性能が低下する場合がある。 尚、 該 G' aの値 は、 前記 (Tb—Ta) の値にも関係するが、 3. 00 X 1 06乃至 5. 0 0 X 107 P aにあることがより好ましく、 5. 00 X 1 06乃至 5. 00 X 107P aにあることがさらに好ましく、 1. 00 X 107乃至 4. 50 X 107P aにあることが特に好ましい。 該 G' aは、 トナーに含有される テトラヒドロフラン (THF) 可溶成分の重量平均分子量 (Mw) 及び分子 量分布、 ワックスやその他の添加剤、製造工程等により総合的に制御可能で ある。
前記(Tb— T a)の範囲は、 G' a (P a)の値の大小とも関係するが、 該(Tb— Ta) が 5. 0°C未満である場合は、 低温定着性能の向上の効果 が得られない、或いは、耐しみ込み性能、色域性能が低下する。一方、該(T b-T a) が 45. 0°Cを超える場合、 現像安定性能が低下する、 或いは、 低温定着性能が低下する。 尚、 該 (Tb— T a) は 5. 0乃至35. 0°Cで あることがより好ましく、 10. 0乃至 30. 0°Cであることがさらに好ま しく、 15. 0乃至 30. 0°Cであることが特に好ましい。
さらに、 トナーの動的粘弾性試験による損失正接 (t an S) 曲線におけ る極大値 δ aが 0. 50以上であり、 極小値 δ bが 0. 60以下であり、 その差 (<5 a— 6 b) が 0. 20以上である。 本発明のトナ一は、 貯蔵弾性 率と損失弾性率の挙動の違いを利用することを特徴とするため、該(<5 a—
δ b) が 0. 20未満であると、 本発明の効果が得られず、 低温定着性能の 向上を目指した場合には、 耐しみ込み性能、 色域性能が低下し、 耐しみ込み 性能の向上を目指した場合には、低温定着性能が低下する。また、 δ aが 0.
50未満であると、前記 G' aに対する前記 T aにおける損失弾性率 G" a (P a) が小さいため、 低温定着性能、 色域性能が低下する。 bが 0. 6
0を超える場合には、 前記 Tbにおける損失弾性率 G" b (P a) に対して G' bの値が小さく、本発明の効果である耐しみ込み性能、 色域性能が得ら れない。
前記 <5 aは、 現像安定性の観点からは 5. 00以下であることが好まし い。 該 6 aが 5. 00以下であれば、 現像器内においてトナーの割れが生 じにくく、 割れた破片により弊害が生じることも抑制される。 このため、 前 記 <5 aは、 0. 50乃至 5. 00であることが好ましい。 更には、 aは、 0. 60乃至 2. 00であることがより好ましく、 0. 70乃至1. 50で あることが更に好ましく、 0.80乃至 1.20であることが特に好ましい。 前記 5 bは、 現像安定性能の観点からは 0. 05以上であることが好ま しい。 該 (513が0. 05以上であれば、 現像器内においてトナーの割れが 生じにくく、 現像安定性能を良好に維持できる。 このため、 該 <5 bは、 0. 05乃至 0. 60であることが好ましい。更には、 δ bは、 0. 10乃至 0.
60であることがより好ましく、 0. 10乃至 0. 55であることが更に好 ましく、 0. 10乃至 0. 50であることが特に好ましい。
また、 前記 (5 b— <5 a) は、 現像安定性能の観点からは 5. 00以下で あることが好ましい。 5. 00以下であれば、 温度変化に対する物性変化が 十分に抑制され、現像安定性がより高まる。 このため、該( b— ά a)は、 0. 20乃至 5. 00であることが好ましい。更には、該( δ b— 3 a)は、 0. 20乃至 2. 00にあることがより好ましく、 0. 20乃至1. 00で あることが更に好ましく、 0.40乃至 0.90にあることが特に好ましい。
1
前記 Ta、 Tb、 δ a> 5 b、 及び、 G' aは、 トナ一に含有される TH F可溶成分のガラス転移点 (Tg) 、 重量平均分子量 (Mw) 及び分子量分 布、組成、並びに、ワックスの融点、 トナーの製造条件等により制御できる。 本発明においては、 前記 Ta、 Tb、 δ a. <5 b、 及び、 G' aを制御す る手段としては、 トナー粒子に弾性材を含有せしめることが好ましい。該弹 性材としては、 ビニル系樹脂、 ポリエステル、 ポリウレタン、 ポリウレア、 ポリアミド、 ポリイミド等の樹脂の他、 酸化チタン微粉末、 シリカ微粉末、 アルミナ微粉末を用いることができる。
前記弹性材をトナ一に含有せしめる方法としては、以下の方法が挙げられ る。
(1) 結着樹脂、 着色剤、 ワックス、 その他添加剤と前記弾性材とを共に溶 解又は分散した後にトナ一粒子を形成する方法。
(2) 結着樹脂、 着色剤、 ワックス、 その他添加剤を含有する着色粒子を形 成した後、 更に、 該着色粒子表面に弹性材の被覆層を形成する方法。
その中でも (2) の方法が好ましく、 更に、 該着色粒子表面に弾性材粒子 を付着させ、被覆層を形成する方法が特に好ましく、着色粒子表面に弾性材 粒子を付着させる工程を水系媒体中に行うことがより好ましい。 また、該着 色粒子は粒子表面近傍にポリエステルを含有することが好ましい。
前記弹性材としては、極性樹脂を用いることが特に好ましい。具体的には、 トナーの結着樹脂として、所望する温度 T a付近にガラス転移点を有するも のを用い、該弾性材として、所望する温度 Tb付近にガラス転移点を有する ものを用いる。伹し、弹性材のガラス転移点の温度と該 Tbの温度とが完全 に一致するわけではなく、該 T bはトナー中における該弾性材の存在状態等 による影響を受ける。 トナー中において、該結着樹脂と弾性材とが相分離し た状態で存在し、トナー全量に対する該弹性材の含有量が一定の範囲にあり、 且つ、トナーの粒子 1個 1個の弾性材の含有率が揃っていることが好ましい。
このような場合に、 前記 T a、 T b、 δ a , δ b , 及び、 G ' aを本発明の 規定する範囲内に制御しやすくなる。 さらに、 トナーの粒子 1個 1個を比較 した場合において、各トナーに含有される弹性材の存在状態が揃っているこ とが好ましい。各トナーに含有される弹性材の含有量及び存在状態が揃って いることで、該弾性材の含有量が少ない場合にも弹性材の特性が良好に発現 されると考えられる。 また、 トナーに含有される該弹性材の含有量を少なく できることにより、 前記動的粘弾性試験による損失正接(G" ) 曲線におい て、前記 T b近傍の温度領域における G " ( P a )の値の上昇が抑えられる。 これにより、 トナーの低温定着性能が低下することなく、 耐しみ込み性能、 色域性能及び耐オフセット性能が良好に発現されると考えられる。トナー全 量に対する該弹性材の含有量が好適な範囲にある場合であっても、 トナーの 粒子 1個 1個の弾性材の含有率や存在状態にばらつきが大きい場合には、前 記 0 13が0 . 6 0を超える値になりやすくなる。 この場合、 トナーの耐し み込み性能、 耐オフセット性能が低下しやすい。
本発明において、 前記弹性材は、 トナー全量に対し 1 . 0乃至2 5 . 0質 量%含有することが好ましい。 該弹性材の含有量が上記の範囲内であると、 δ bを良好に制御しやすく、耐しみ込み性能、耐オフセット性能をより高め ることができる。 また、 前記 G ' aの値の上昇を抑制でき、 トナーの低温定 着性能をより高めることができる。 尚、 該弾性材の含有量は、 トナー全量に 対し 2 . 0乃至 1 2 . 0質量%であることがより好ましく、 2 . 0乃至 9 . 0質量%であることが特に好ましい。
本発明のトナーが有するトナー粒子は、 上記したとおり、着色粒子の表面 が弾性材で被覆された構造であることが好ましい。このような構造にした場 合、 トナー粒子が有する該弹性材の含有量を制御するためには、弹性材によ る被覆層の厚さを制御すれば良く、トナー粒子間で均一に制御しやすくなる。 着色粒子に弾性材粒子を付着させて被覆層を形成する場合には、弹性材粒子
の粒径を制御することにより、被覆層の厚さを制御することができる。 これ により、 トナーが有する該弹性材の含有量が少ない場合にも、着色粒子の表 面に均一に被覆層を形成することが可能となり、 トナーの現像安定性能、耐 しみ込み性能、 色域性能及び耐オフセット性能が良好に発現される。 また、 トナーが含有する該弾性材の量を少なくできるために、トナーの低温定着性 能の低下を抑制できる。
前記弹性材は、ァニオン性の親水性官能基を有する極性樹脂であることが 好ましい。前記弹性材がァニオン性の親水性官能基を有することは、 トナー の低温定着性能、 耐ブロッキング性能、 現像安定性能、 耐オフセット性能、 及び、耐しみ込み性能を高める点で好ましい。ァニオン性の親水性官能基を 有することで、 トナー中において結着樹脂との親和性が良好となり、 トナー 粒子間の該弾性材の含有量が均一になりやすい。 また、本発明のトナーが有 するトナー粒子が、着色粒子の表面が弾性材で被覆された構造を有する場合 には、 ァニオン性の親水性官能基を有する弾性材を用いると、弾性材の添加 量が少量であっても、着色粒子に対する弾性材の被覆状態がより均一になり やすい。 前記弾性材が有する好ましいァニオン性の親水性官能基としては、 スルホン酸基、 カルボン酸基、 リン酸基、 及びこれらの金属塩、 或いは、 ァ ルキルエステルを用いることができる。金属塩としては、例えば、リチウム、 ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム等のアルカリ土類金 属が挙げられる。 中でも、 着色粒子と弹性材との接着性、 被覆状態の均一性 の観点から、 スルホン酸基、 スルホン酸基のアルカリ金属塩、 スルホン酸基 のアルキルエステルから選ばれるスルホン酸系の官能基を有することが好 ましい。 この場合、 弾性材の添加量が少量であっても、 着色粒子に対する弾 性材の被覆状態が特に均一になる。
前記弾性材が有するスルホン酸系の官能基の量は、該弹性材を 1 0 0 . 0 0質量%としたときスルホン酸系官能基を 0 . 1 0乃至 1 0 . 0 0質量%含
有することが好ましい。該スルホン酸系官能基の含有量が上記範囲であるこ とは、 トナーの低温定着性能、 耐ブロッキング性能、 現像安定性能、 耐オフ セット性能、 及び、 耐しみ込み性能の両立の点で好ましい。 該スルホン酸系 官能基の含有量が上記範囲にある場合に、弾性材の添加量が少量であつても、 着色粒子に対する弹性材の被覆状態が特に均一になりやすく、より良好な現 像安定性能が得られる。該スルホン酸系官能基の含有量は、 0. 10乃至 5.
00質量%であることがより好ましく、 0. 50乃至 3. 50質量%でぁる ことがさらに好ましく、 0. 50乃至 3. 00質量%であることが特に好ま しい。
前記弹性材は、 ゲルパ一ミッションクロマトグラフィー (GPC) による ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が 9000乃至 100000で あることが、 トナーの割れを良好に抑制できるために好ましい。 また、 トナ 一の低温定着性能、 耐ブロッキング性能、 現像安定性能、 色域性能、 耐オフ セット性能、 及び、 耐しみ込み性能を高めることが出来る。 尚、 該弹性材の 重量平均分子量は、 10000乃至 80000であることがより好ましく、
12000乃至 70000であることがさらに好ましい。
また、前記弹性材は、 GPCによるポリスチレン換算の個数平均分子量(M n)が 2000乃至 20000であることが、 トナーの割れを良好に抑制で きるために好ましい。 また、 トナーの低温定着性能、 耐ブロッキング性能、 現像安定性能、 色域性能、 耐オフセット性能、 及び、 耐しみ込み性能を高め ることが出来る。 尚、 該弹性材の個数平均分子量は、 2000乃至 1200 0であることがより好ましく、 3000乃至 10000であることがさらに 好ましい。
前記弹性材は、 前記 Mwと前記 Mnとの比 (MwZMn) が 1. 20乃至 20. 00であることが、 トナーの低温定着性能、 耐ブロッキング性能、 現 像安定性能、 色域性能、 耐オフセット性能、 及び、 耐しみ込み性能を高める
3801
13 ことができるため好ましい。 尚、 該弾性体の MwZMnは、 2. 00乃至 1 0. 00であることがより好ましく、 3. 00乃至 8. 00であることがさ らに好ましい。
粒状の弾性材を用いて着色粒子表面を被覆する場合には、前記弾性材とし ては、 酸価 A vpが 6. 0乃至 80. OmgKOHZgにあり、 体積平均粒 子径 D V pが 10乃至 200 nmにあり、該 A v pと D v pとの比(A v p XDvp)が 200乃至 6000であることが好ましい。弾性材の酸価が前 記範囲にあることで、 酸性基が前記着色粒子表面と相互作用しゃすくなる。 また、該弹性材の粒子径が前記範囲にあることで、 トナー全体に占める該弹 性材の添加量を抑制しつつ、トナーの粒子 1個 1個に含有される該弹性材の 量が、 トナー間において均一になりやすい。酸価と体積平均粒子径とを上記 の規定を満たすように調整した結果、 より良好な耐しみ込み性能、耐オフセ ット性能、 低温定着性能が得られやすい。 そして、 前記弾性材の A vpは、 10. 0乃至55. OmgKOHZgであることがより好ましく、 1 5. 0 乃至 45. OmgKOH/gであることが特に好ましい。 また、 前記 D V p としては、 10乃至 1 50 nmであることがより好ましく、 1 5乃至 7 O n mであることが特に好ましい。 さらに、 前記 (Av p XD V p) は、 200 乃至 3000であることがより好ましく、 200乃至 1600であることが 更に好ましく、 300乃至 1000であることが特に好ましい。
本発明においては、 結着樹脂、 着色剤、 ワックス、 その他添加剤を含有する 着色粒子を形成した後、 更に、 該着色粒子表面に弾性材粒子を付着させ、 被 覆層を形成する方法が特に好ましい。
この場合、 前記弹性材は、 体積分布の 10 %粒子径 (Dv1 Q) と前記 D V pとの比(D V pZD が 1. 0乃至 5. 0にあることが好ましい。 トナー全体に占める該弹性材の添加量を増大しなくても、トナーの粒子 1個 1個に含有される該弾性材の量が、 トナー間において均一になりやすい。 こ
の場合には、 良好な耐しみ込み性能、 耐オフセット性能が得られやすい。 ま た、 定着工程において、 該弾性材と結着樹脂とが相溶しやすくなり、 耐しみ 込み性能、 色域性能、 耐オフセット性能がより良好となる。 該 (Dv p/D v10) が 1. 0乃至 4. 0であることがより好ましく、 1. 0乃至 3. 0 であることが特に好ましい。
また、 前記弹性材は、 体積分布の 90 %粒子径 (Dv90) と前記 Dvp との比 (Dv9。ZDv p) が 1. 0乃至 5. 0にあることが好ましい。 該 (Dv^/Dv p) が上記の範囲内であれば、 前記弹性材が卜ナ一表面か ら遊離しにくいため、 良好な現像安定性能が得られやすい。 また、 耐しみ込 み性能、 耐オフセット性能についても良好な特性が得られる。 該 (Dv9。
/D V p) は 1. 0乃至 4. 0であることがより好ましく、 1. 0乃至 3.
0であることが特に好ましい。
上記弾性材の体積平均粒子径 (Dv p) 、 体積分布の 10%粒子径 (Dv
10) 、 90%粒子径 (Dv9。) は、 例えば、 M I CROTRAC UP A MODE L : 9232 (L e e d s and N o r t h r u p社製) で測 定することができる。 測定条件としては、 下記に示す条件とする。
P a r t i c l e Ma t e r i a l : L a t e x
T r an s p a r e n t P a r t i c l e s : Ye s
S ph e r i c a l P a r t i c l e s : Ye s
P a r t i c l e Re f r a c t i v e I nd e x : 1. 59
F l u i d : wa t e r
前記弾性材は、 ゼ一夕電位 (Z 1 p) がー 1 1 0. 0乃至一 35. OmV であることが好ましい。 該 Z 1 pは、 弹性材が有する酸性基の種類、 含有量 と、弾性材の微粒子の粒子径に由来すると考えられる。 Z 1 pが上記範囲に あることで、トナーが有する着色粒子と弹性材との密着性がより良好となり、 また、 前記着色粒子を被覆する弾性材の被覆状態がより均一になる。 また、
水中において、着色粒子の表面を弹性材で被覆してトナー粒子を形成する場 合においても、トナーから遊離した弾性材の生成や弹性材の凝集塊の生成を 抑制できる。 尚、 Z 1 pの範囲は、 一 90. 0乃至一 50. OmVであるこ とがより好ましく、 一 85. 0乃至一 60. OmVであることがさらに好ま しい。
前記弾性材は、レーザードップラー電気泳動式のゼ一夕電位測定による 1 0%ゼ一夕電位を Zp l。 (mV) とし、 90%ゼータ電位を Zp9。 (mV) としたとき、 該 Zpl。と前記 Z 1 pとの比 (Z l pZZpl 0) が 1. 00乃 至 3. 00であり、 該 Zp90と前記 Z 1 pとの比 (Ζρ 90ΖΖ 1 ρ) が 1. 00乃至 3. 00であることが好ましい。 該 Z 1 p/Zpl0及び該 Zp90/ Z 1 pが上記範囲であることにより、トナ一全体に占める弹性材の添加量を 抑制した場合においても、トナー粒子表面における弹性材の被覆状態がより 均一になる。 また、 トナ一一粒一粒に含有される弾性材の量が、 トナー間に おいて、 より均一になりやすい。 水中において、 着色粒子に弹性材を吸着さ せて弾性材による被覆層を形成する場合には、弹性材の被覆状態がより均一 になり、また、弹性材同士の凝集体の副生を抑制できるため、特に好ましい。 前記 Z 1 pZZpl。は 1. 00乃至 2. 50であることがより好ましく、 1. 00乃至 2. 00であることが特に好ましい。 また、 前記 Ζρ90/Ζ 1 ρは 1. 00乃至 2. 50であることがより好ましく、 1. 00乃至 2. 00で あることが特に好ましい。
前記弹性材は、 テトラヒドロフラン (THF) 可溶成分を 80. 0質量% 以上含有し、 メタノール不溶成分を 70. 0質量%以上含有することが、 ト ナ一の低温定着性能と現像安定性能の両立の点から好ましい。 また、上記の 規定を満たすことにより、結着樹脂と該弹性材との親和性が良好になり、 ト ナー粒子の一粒一粒に含有される該弹性材の含有量の均一性が増す。 特に、 着色粒子表面を弹性材にて被覆する構成とした場合、着色粒子を被覆する弾
性材の被覆層の膜厚が均一になり、トナーの低温定着性能と現像安定性能が より良好に発現される。 また、 トナーの耐ブロッキング性能、 耐しみ込み性 能、 及び色域性能についても良好となる。 尚、 上記 THF可溶成分の含有量 は 85. 0質量%以上であることがより好ましく、 87. 0質量%以上であ ることがさらに好ましい。該 THF可溶成分の含有量は、 87.0乃至 99. 0質量%であることが特に好ましい。また、メ夕ノ一ル不溶成分の含有量は、 75. 0質量%以上であることがより好ましく、 85. 0質量%以上である ことがさらに好ましい。 該メタノール不溶成分の含有量としては、 85. 0 乃至 99. 0質量%であることが特に好ましい。
前記弹性材が有するメタノール不溶成分の酸価 Av p 2 (mgKOH/ g) が、 3. 0乃至 30. 0mgK〇H/gであり、 該 Av p 2と前記 Av Pとの比 (A V pZA V p 2) が 1. 00乃至 5. 00であることが好まし レ^ この場合には、 トナー中における弹性材の層厚が均一に揃いやすく、 ト ナ一の現像安定性能、 耐しみ込み性能、 及び、 色域性能がより良好になる。 尚、 上記 Av p 2は、 5. 0乃至25. 0 m g KOH/ gであることがより 好ましく、 10. 0乃至23. OmgKOHZgであることがさらに好まし い。 また、 該 AvpZAv p 2は 1. 00乃至 3. 00であることがより好 ましく、 1. 10乃至 2. 00であることがさらに好ましい。
前記弹性材として用いることのできる樹脂としては、後述の結着樹脂に用 いることのできる樹脂として例示したものと同様の樹脂を用いることがで きる。
中でも、 2価のアルコール成分としてエーテル結合を有するアルコールを 有するポリエステルが弹性材として好ましく用いられる。エーテル結合を有 する 2価のアルコールとして、具体的には、ポリオキシプロピレン(2. 2) 一 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパン、 ポリオキシプロピレ ン (3. 3) - 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパン、 ポリオ
キシエチレン ( 2 . 0 ) - 2 , 2—ビス ( 4ーヒドロキシフエニル) プロパ ン、 ポリオキシプロピレン(2 . 0 ) 一ポリオキシエチレン(2 · 0 ) - 2, 2—ビス(4—ヒドロキシフエニル) プロパン、ポリオキシプロピレン(6 ) — 2, 2 _ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパン等のビスフエノール A のアルキレンォキシド付加物;ジエチレングリコール、 トリエチレングリコ —ル、 ジプロピレングリコール、 ポリエチレングリコ一ル、 ポリプロピレン グリコール、 ポリテトラメチレンダリコール、下記化 1で示されるビスフエ ノール誘導体;または下記化 2で示される化合物をあげることができる。
(式中、 Rはエタンジィル基またはプロパン— 1, 2—ジィル基を示し、 X, yはそれぞれ 1以上の整数を示し、 且つ x + yの平均値は 2乃至 1 0を示 す。 )
H-OR'-0-<( ))— O-R'O— H
(化 2 )
(式中、 R ' は炭素数が 2乃至 4の直鎖又は分岐アル力ンジィル基を示す。 ) 前記弾性材が、 2価のアルコール成分としてエーテル結合を有するアルコ ールを有するポリエステルを有することは、 トナーの低温定着性能、耐ブロ ッキング性能、 現像安定性能、 耐オフセット性能、 及び、 耐しみ込み性能の 両立の点で好ましい。主鎖にエーテル結合を多数有することで、着色粒子と 適度な親和性を有するため、弾性材の添加量が少量の場合にも、 トナー粒子 間における該弹性材の含有量が均一になりやすい。また、本発明のトナーが、 前記着色粒子と、該着色粒子を被覆する弹性材とを有する構造を有する場合、 前記着色粒子に対する弾性材の被覆状態がより均一になりやすい。
上記 2価アルコールと組み合わせて用いる多価カルボン酸成分としては、
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18 以下の化合物が挙げられる。 フ夕ル酸、イソフ夕ル酸及びテレフタル酸の如 き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、 アジピン酸、 セバシン酸 及びァゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数 6 〜1 2のアルキル基で置換された琥珀酸若しくはその無水物;フマル酸、マ レイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無水物; n 一ドデセエルコハク酸、 イソドデセニルコハク酸、 トリメリット酸。
本発明のトナ一に含有されるトナー粒子は、結着樹脂と着色剤とワックス とを含有する着色粒子が、難水溶性の無機分散剤を有する水系媒体中に分散 した分散液を形成する工程;該着色粒子の分散液に、弹性材を添加して複合 体の分散液を形成する工程;該複合体の分散液を加熱する工程;該複合体の 分散液において前記難水溶性の無機分散剤を溶解する工程;を経て形成され ることが好ましい。難水溶性の無機分散剤を有することにより、水系媒体中 において、 該無機分散剤で着色粒子の表面を均一に被覆することができる。 この状態を形成した後に、前記複合体の分散液を形成する工程において、弾 性材を添加することで、無機分散剤と弾性材との相互作用により吸着力が働 き、 無機分散剤を介して、 着色粒子の表面を弾性材が均一に、 且つ、 着色粒 子間において該弹性材の含有量が均一に被覆することが可能になる。着色粒 子に、無機分散剤及び前記弹性材が均一に吸着した状態を形成した後、前記 加熱する工程により、 着色粒子、 及び、 該弹性材を軟化せしめる。 さらに、 軟化状態を維持したまま、前記無機分散剤を溶解する工程で、無機分散剤を 溶解することにより、 着色粒子の表面に弹性材を均一に、 且つ、 着色粒子間 において該弾性材の量、 被覆状態が均一となるように被覆できる。
さらには、ポリエステル樹脂を含有する着色粒子を用いることが好ましレ^ 着色粒子がポリエステルを含有することで、該ポリエステルとの相互作用に より、 着色粒子表面に前記無機分散剤が均一に、 且つ、 着色粒子間において 該無機分散剤の吸着量が均一に吸着する。 さらに、該無機分散剤と前記弹性
材との相互作用により吸着力が働き、着色粒子表面に弹性材が均一に、且つ、 着色粒子間において該弹性材の含有量が均一に含有せしめることが可能に なる。
前記着色粒子の分散液を形成する工程において、着色粒子の重量平均粒子 径 D4 tが 3. 0乃至 8. 0 mであり、 着色粒子の個数平均粒子径 D 1 t と該 D 4 tとの比 (04 セ 01 1:) が1. 00乃至1. 30であることが 好ましい。着色粒子の D 4 tが上記の範囲内である場合、弹性材による被覆 層を形成する際に、 トナー粒子同士の凝集を良好に抑制できる。 また、 着色 粒子と弾性材との密着性が適度となり、 トナー粒子の表面からの弾性材の剥 離を良好に抑制できる。 同様に、 (D4 tZD l t) が上記の範囲内である 場合、弾性材による被覆層を形成する際に、 トナー粒子同士の凝集を良好に 抑制できる。 尚、 (D4 t/D 1 t) は粒子径の分布の程度を示す指標であ り、 完全に単分散である場合に 1. 00を示す。 該値が1. 00よりも大き いほど、粒子径の分布が大きいことを示す。尚、前記 D 4 tは 3. 0乃至 7. 0 xmであることがより好ましく、 4. 0乃至 6. 0 mであることがさら に好ましい。 また、 前記 (D4 tZD 1 t) は 1. 00乃至 1. 25である ことがより好ましく、 1. 00乃至 1. 20であることが更に好ましい。 前記着色粒子の分散液を形成する工程において、該着色粒子は表面に無機 分散剤を有し、該着色粒子と該無機分散剤とを有する分散質のゼ一夕電位 Z 2 t (mV) が、 — 1 5. OmV以下 (負に大) であり、 且つ、 Z 2 tと前 記 Z 1 pとの差 (Z 2 t— Z 1 p) が 5. 0乃至 50. OmVであることが 好ましい。 該 Z 2 tがー 1 5. OmV以下である場合、 弹性材による被覆層 を形成する際に、 トナー粒子同士が凝集するのを良好に抑えることができ、 より良好なトナーの現像安定性能を達成することができる。該(Z 2 t— Z 1 p)が上記の範囲内であれば、 トナ一粒子表面における弾性材の被覆状態 がより均一になる。 また、弾性材がトナー粒子の表面から剥がれるのを抑制
することができる。 さらに、 トナ一粒子の表面に弹性材の微粒子が良好に固 定化され、 遊離した弾性材の微粒子の発生を抑制できる。 Z 2 tは一 60. 0乃至一 1 5. OmVであることがより好ましく、 一 50. 0乃至一 35. OmVであることがさらに好ましく、 一 45. 0乃至一 35. OmVである ことが特に好ましい。 また、 該 (Z 2 t— Z 1 p) は 20. 0乃至 45. 0 mVであることがより好ましく、 25. 0乃至45. OmVであることがさ らに好ましく、 30. 0乃至45. OmVであることが特に好ましい。
前記着色粒子としては、 スチレン一アクリル樹脂を主成分(結着樹脂) と し、 さらに結着樹脂 100質量部に対し 2. 0乃至 20. 0質量部のポリェ ステルを含有することが好ましい。着色粒子がポリエステルを含有すること で、着色粒子の表面に前記無機分散剤が均一に吸着し、着色粒子間において も無機分散剤の吸着量が均一になる。 さらに、該無機分散剤と前記弹性材と の相互作用により吸着力が働くため、均一に並べられた該無機分散剤を介し て、 着色粒子の表面を弹性材が均一に被覆できる。 また、 着色粒子間におい て弾性材の含有量を均一に被覆せしめることが可能になる。 尚、上記ポリェ ステルの含有量は、 結着樹脂 1 00質量部に対し、 3. 0乃至 15. 0質量 部であることがより好ましく、 さらには、 4. 0乃至 10. 0質量部である ことが好ましい。
上記の固定処理工程において、トナー粒子同士が融着することを抑制する ために、界面活性剤や前述の難水溶性無機分散剤を添加することも好ましい。 その添加量は、 得られるトナー粒子 100質量部に対して 0. 0 1乃至 5. 00質量部とすることが好ましい。用いることができる界面活性剤としては、 以下のものが挙げられる。
ァニオン界面活性剤としては、 例えば、 アルキルベンゼンスルホン酸塩、 一才レフインスルホン酸塩、 リン酸エステル、 フルォロアルキル基を有す るものが挙げられる。該フルォロアルキル基を有するァニオン性界面活性剤
としては、例えば、炭素数 2〜10のフルォロアルキルカルボン酸又はその 金属塩、パーフルォロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、 3— [オメガ一フルォロアルキル (炭素数 6〜 1 1 )ォキシ ]— 1一アルキル (炭 素数 3〜4) スルホン酸ナトリウム、 3— [オメガ一フルォロアルカノィル (炭素数 6〜 8) —N—ェチルァミノ] 一 1—プロパンスルホン酸ナトリウ ム、 フルォロアルキル (炭素数 1 1〜20) カルボン酸又はその金属塩、 パ —フルォロアルキルカルボン酸(炭素数?〜 1 3) 又はその金属塩、 パーフ ルォロアルキル(炭素数 4〜12) スルホン酸又はその金属塩、 パーフルォ 口オクタンスルホン酸ジエタノールアミド、 N—プロピル— N— (2—ヒド 口キシェチル)パーフルォロオクタンスルホンアミド、パ一フルォ ΰアルキ ル (炭素数 6〜 10) スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニゥム塩、 パーフルォロアルキル (炭素数 6〜 10) 一 Ν—ェチルスルホニルダリシン 塩、 モノパーフルォロアルキル(炭素数 6〜16) ェチルリン酸エステル等 が挙げられる。該フルォロアルキル基を有する界面活性剤の市販品としては、 例えば、 サーフロン S— 1 1 1、 S— 1 12、 S— 1 13 (旭硝子株式会社 製) ;フローラド FC— 93、 FC— 95、 FC— 98、 FC— 129 (住 友 3 M株式会社製) ;ュニダイン DS— 1.01、 D S - 102 (ダイキンェ 業株式会社製) ;メガファック F— 1 1 0、 F— 120、 F— 1 1 3、 F— 1 9 1、 F— 812、 F- 833 (大日本インキ化学工業株式会社製) ;ェ クトップ EF— 102、 103、 104、 105、 1 12、 1 23 A、 12 3 B、 306 A、 501、 20 1、 204 (ト—ケムプロダクツ社製) ;フ 夕ージェント F— 100、 F 1 50 (ネオス社製) 等が挙げられる。
前記カチオン界面活性剤としては、 例えば、 アミン塩型界面活性剤、 四級 アンモニゥム塩型の陽イオン界面活性剤等が挙げられる。前記アミン塩型界 面活性剤としては、 例えば、 アルキルアミン塩、 ァミノアルコール脂肪酸誘 導体、 ポリアミン脂肪酸誘導体、 イミダゾリン等が挙げられる。 前記四級ァ
ンモニゥム塩型のカチオン界面活性剤としては、例えば、 アルキルトリメチ ルアンモニム塩、 ジアルキルジメチルアンモニゥム塩、 アルキルジメチルべ ンジルアンモニゥム塩、 ピリジニゥム塩、 アルキルイソキノリニゥム塩、 塩 化べンゼトニゥム等が挙げられる。該カチオン界面活性剤の中でも、 フルォ 口アルキル基を有する脂肪族一級、二級又は三級アミン酸、パーフルォロア ルキル(炭素数 6〜1 0個)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニゥ ム塩等の脂肪族四級アンモニゥム塩、ベンザルコニゥム塩、塩化べンゼトニ ゥム、 ピリジニゥム塩、 イミダゾリニゥム塩、 などが挙げられる。 該カチォ ン界面活性剤の市販品としては、 例えば、 サーフロン S— 1 2 1 (旭硝子株 式会社製) ;フローラド F C— 1 3 5 (住友 3 M株式会社製) ;ュニダイン D S - 2 0 2 (ダイキン工業株式会社製) 、 メガファック F— 1 5 0、 F— 8 2 4 (大日本インキ化学工業株式会社製) ;ェクトップ E F— 1 3 2 (ト ーケムプロダクツ社製) ;フタージェント F— 3 0 0 (ネオス社製) 等が挙 げられる。
前記難水溶性の無機分散剤を溶解する工程において、着色粒子と弹性材と の間に存在する無機分散剤を溶解する方法としては、塩酸を添加することに より分散液の p Hを 5 . 0以下にする酸処理工程を有することが好ましい。 該酸処理工程により、難水溶性の無機塩の如き無機分散剤を溶解することで、 分散液内の全ての着色粒子に均一に弹性材の微粒子を固定化することがで きる。 トナーの現像安定性能がさらに良好になる。
上記酸処理工程において、 弹性材のガラス転移点 T s (°C) 以下の温度で あって、 且つ、 前記 T t (°C) と比較して 5 . 0乃至 5 0 . 0 °C高い温度で 加熱しながら酸処理工程を行うことが、トナーの現像安定性能の観点から好 ましい。上記の温度範囲であれば、 トナー粒子表面から弹性材が剥がれるの を良好に抑制でき、着色粒子表面に対して高い被覆効率を達成することがで きる。 それによつて、 良好なトナーの現像安定性能、 耐ブロッキング性能が
達成される。 尚、 該温度は 10. 0乃至 40. O であることがより好まし い。
前記着色粒子の分散液を形成する工程においては、水系媒体中に難水溶性 の無機分散剤を含有させることが好ましい。無機分散剤の例としては、 リン 酸三カルシウム、 リン酸マグネシウム、 リン酸アルミニウム、 リン酸亜鉛の 如きリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、 炭酸マグネシウムの如き炭酸塩; メタ硅酸カルシウム、 硫酸カルシウム、 硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化 カルシウム、 水酸化マグネシウム、 水酸化アルミニウム、 シリカ、 ベントナ ィト、アルミナの如き無機酸化物が挙げられる。 これらの無機分散剤の使用 量は、 着色粒子 100質量部に対して、 0. 2乃至 20質量部を単独で又は 2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。
前記着色粒子は 25. 0乃至 60. 0°Cにガラス転移点 (T t) 、 65. 0乃至95. 0°Cに融点 (Tw) を有し、 前記弹性材の微粒子は 40. 0乃 至 90. 0°Cにガラス転移点 (T s) を有し、 T tと Twとの差 (Tw— T t) は 10. 0乃至 50. 0°Cであり、 T tと T sとの差 (T s— T t) は 5. 0乃至 50. 0°Cであることが好ましい。
T t、 Tw及び T sはそれぞれ上記範囲内である場合、着色粒子同士の融 着の抑制と着色粒子表面への微粒子の固着とを良好に両立することができ、 また、 より良好な低温定着性能及び耐オフセット性能を得ることができる。 前記丁 1;は25. 0乃至48. 0°Cにあることがより好ましく、 30. 0乃 至 48. 0°Cにあることがさらに好ましく、 33. 0乃至45. 0°Cにある ことが特に好ましい。 前記 Twは、 65. 0乃至 90. 0°Cにあることがよ り好ましく、 70. 0乃至 90. 0°Cにあることがより好ましく、 70. 0 乃至 85. 0 にあることが特に好ましい。前記 T sは、 50. 0乃至 85. 0°Cにあることがより好ましく、 55. 0乃至 80. 0°Cにあることが更に 好ましく、 60. 0乃至78. Ot:にあることが特に好ましい。
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(Tw-T t) が上記の範囲内であれば、 前記加熱工程において前記着色 粒子の軟化の程度が適度であり、弾性材粒子が着色粒子の表面全体に行き渡 ることができ、その後に固定化されるため、 トナー粒子間で弾性材微粒子の 含有量がより均等になる。 また、 トナー表面からの弾性材微粒子の遊離も抑 制できる。その結果、 良好な現像安定性能を有するトナーを得ることができ る。 また、 (T s—T t) が上記の範囲内である場合にも、 同様の効果が得 られる。 尚、 (Tw— T t) は 1 5. 0乃至 50. 0°Cにあることがより好 ましく、 25. 0乃至45. 0°Cにあることがさらに好ましい。 また、 前記 (T s— T t) は、 1 0. 0乃至 40. 0°Cにあることがより好ましく、 1 5. 0乃至35. 0°Cにあることがさらに好ましい。
本発明によると、 前記 G' aと G' bとの比 (G' a/G' b) が 50. 0以下であることが好ましい。 本発明のトナーは、 前記 T aが 25. 0乃至 60. 0にあるが、 このようなトナーにおいて、 該 (G' a/G' b) が上 記範囲にあることで、 前記 δ bの値が良好に発現され、 耐しみ込み性能、 及び、色域性能がさらに良好になる。また、弹性保持能力が大きくなるため、 現像安定性能がさらに良好になる。 一方、 前記 (G' a/G' b) が小さく なりすぎると、 定着されたトナー層の表面状態が不均一になる傾向があり、 定着画像色域性能が低下する傾向にある。 この観点から考えると、 該(G' a/G' b) は 1. 0以上にあることが好ましい。 このため、 前記 (G' a /G' b) の好ましい範囲は 50. 0以下であり、 1. 0乃至 30. 0にあ ることがより好ましく、 1. 0乃至 20. 0にあることがさらに好ましく、 1. 0乃至 1 3. 0にあることが特に好ましい。
尚、 上記と同様の理由により、 前記 G' bは 1. 00 X 1 06乃至 1. 0 0 X 1 07P aであることが好ましく、 1. 5 0 X 1 06乃至 9. 00 X 1 06P aであることがより好ましい。
前記トナーは、 前記 t a n 5 曲線において、 前記 Tb (°C) を越える温
度に極大値 T c (°C)を有し、該 T cと前記 Tbとの差(T c一 Tb)が 5. 0乃至 80. 0°Cであり、 該 T cにおける t a n <5 の値 ( δ c ) が 10. 00以下にあることが好ましい。本発明のトナーは低温定着性能、耐しみ込 み性能、及び、耐オフセット性能を兼ね備えたトナーの性能向上を目指して いるが、 特に低温定着性能を伸ばそうとした場合、 トナ一の G" に対する G' の値が小さくなりすぎると、耐しみ込み性能、耐オフセット性能が低下 する場合がある。 このため、 該 5 cは 10. 00以下であることが好まし レ^ また、 トナーの G" に対して G' の値が大きくなりすぎると、 色域性能 が低下する場合がある。 この観点からは、 該 3 (:は0. 10乃至 10. 0 0であることが好ましい。 尚、 該 (5 cの好ましいとしては、 0. 20乃至 5. 00にあることがより好ましく、 0. 50乃至 3. 00にあることが更 に好ましく、 0. 50乃至 2. 00にあることが特に好ましい。
また、 前記 t an δ 曲線において、 前記 Tb (°C) を越える温度に極大 値 Tc (°C) を有し、 該 Tcと前記 Tbとの差 (丁じー丁13) が5. 0乃至 80. 0°Cであることで、 定着工程において、 トナーが T c以上に加熱され る場合においても、 低温定着性能、 耐しみ込み性能、 及び、 耐オフセット性 能が更に良好になる。 このため、 該 (Tc—Tb) は 5. 0乃至 40. 0°C にあることがより好ましく、 1 0. 0乃至 40. 0°Cにあることがさらに好 ましく、 10. 0乃至 30. 0°Cにあることが特に好ましい。
本発明のトナーは、 前記 T cにおける G' の値(G' c) と前記 G' aと の比 (G, a/G' c) が 1. 00 X 101乃至 1. 00 X 1 04にあるこ とが好ましい。 <5 bが本発明の範囲にある時に、 該(G' a/G' c) が上 記範囲にあることで、 低温定着性能、 耐しみ込み性能、 色域性能がさらに良 好になる。 このため、 該 (G' a/G' c) は、 1. 00 X 1 01乃至 1. 00 X 103にあることがより好ましく、 1. O O X 102乃至 1. 00 X 1 03にあることが特に好ましい。
前記 (G' a/G' b) 、 (T c一 T b) 、 δ c及び (G' a/G' c) は、 トナー中における前記弾性材の存在状態の均一性、 該弾性材の種類、 物 性及び含有量、並びに、 トナーに含有される THF可溶成分のガラス転移点 (Tg) 、 重量平均分子量 (Mw) 及び分子量分布、 組成、 並びに、 ヮック スの融点、 トナーの製造条件等により総合的に制御することができる。 本発明のトナーは、 前記動的粘弹性試験による貯蔵弾性率(G' ) を常用 対数 ( 1 o g 1 DG' ) に変換した場合において、 各温度における前記 1 o g 10G' の傾きを y軸とし、 そのときの温度を X軸とした温度一傾き曲線 において、 2 5. 0乃至 6 0. 0°Cに極小値 Tx (°C) を有し、 4 5. 0乃 至 8 0. 0°Cに極大値 Ty (°C) を有し、 6 0. 0乃至 1 0 0. 0°Cに極小 値 T z (°C) を有し、 前記 Ty (°C) は前記 Tx (°C) よりも大きく、 前記 T z ( ) は前記 Ty (°C) よりも大きいことが好ましい。
本発明において、前記温度一傾き曲線とは、以下の方法により求めること ができる。 前記動的粘弹性試験によるトナーの貯蔵弾性率 G' (P a) の値 を常用対数 ( 1 o g 1 QG' ) に変換する。 さらに、 各温度における前記 1 o g ^G' の傾きを求めるため、 以下の計算を行う。 前記 l o g i。G' の 値を用い、 低温側のデータから数えて n番目の温度 Tn (°C) における貯蔵 弾性率の常用対数の値を 1 o g 1 ()G' nとし、 n— 1番目の温度 (°C) にお ける貯蔵弾性率の常用対数の値を 1 o g 10G' n— iとしたとき、下記式(1) より温度 Tn (°C) における l o g 10G' nの傾き R' nを算出する。 但し、 n= 1の場合を除く。
R' n= ( 1 o 10G' n- 1 o g 10G' n— i ) / (Tn— Tn一 式(1) さらに、 温度 Tn (°C) における傾き R' nに対し、 n— 2番目の温度 Tn — 2 (°C) における傾きを R' n— 2とし、 n— 1番目の温度 Tn— i (°C) にお ける傾きを R' 。 とし、 n+ 1番目の温度 Tn + 1 (°C)における傾きを R' n +1とし、 n + 2番目の温度 Tn + 2 (°C) における傾きを R, n + 2としたと
09053801
27 き、 下記式 (2) によりスム一ジング処理を行って、 温度 Tn (°C) におけ る傾き Rnを算出する。 この傾き Rnを y軸とし、 前記温度 Tn (°C) を x軸 として、 nが 1〜 3及び最後の 2個の値を除いてプロットした曲線を、前記 温度一傾き曲線とする。
n= (Rn→ + Rn→ + Rn + Rn+ 1 + Rn + 2) Z5 式 (2) 前記温度一傾き曲線において、 極小値 Tx (°C) と極小値 T z CO との 間に極大値 Ty (°C) を有することは、 前記貯蔵弾性率 (G' ) 曲線におい て、 前記 Tx (°C) と前記 T z (DC) との間の温度領域に、 前記貯蔵弾性率 (G' ) 曲線が上に凸となる領域を有することを示す。 貯蔵弾性率 (G' ) 曲線が上に凸となる領域を有することにより、 前記 3 13が0. 6 0以下の 値となることが、 トナーの低温定着性能、色域性能及び現像安定性能の両立 の観点から好ましい。 尚前記 Tx (°C) は 2 9. 0乃至5 5. 0°Cであるこ とがより好ましく、 3 0. 0乃至 5 0. 0°Cであることが更に好ましい。 前 記 Ty (°C) は 5 0. 0乃至6 5. 0 °Cであることがより好ましい。 前記 T z (° は6 5. 0乃至9 5. 0°Cであることがより好ましく、 7 0. 0乃 至 9 0. 0°Cであることが更に好ましい。また、前記(T z— Tx)は 1 0. 0乃至 40. 0°Cであることがより好ましい。
また、 前記 Tx (°C) と前記 Ty (°C) との差は、 5. 0乃至3 5. 0 °C であることが好ましく、 1 0. 0乃至 3 0. 0°Cであることがより好ましい。 前記 Ty (°C) と前記 T z (°C) との差 (T z— Ty) は 5. 0乃至 3 5. 0°Cであることが好ましく、 7. 0乃至 3 0. 0°Cであることがより好まし い。
前記 Tx (°C) 、 前記 Ty (°C) 及び前記 T z (°C) は、 トナー中におけ る前記弾性材の存在状態の均一性、 該弾性材の種類、 物性及び含有量、 並び に、 トナーに含有される THF可溶成分のガラス転移点 (T g) 、 重量平均 分子量 (Mw) 及び分子量分布、 組成、 並びに、 ワックスの融点、 トナーの
製造条件等により総合的に制御することができる。
本発明のトナーは、 ソックスレ一抽出法によるテトラヒドロフラン(TH F) 可溶成分を 50. 0乃至93. 0質量%含有し、 THFに不溶であり且 つクロ口ホルムに可溶な成分を 5. 0乃至45. 0質量%含有することが好 ましい。 THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶の成分 (前記 (2) に 相当) は、 前述の弹性材の一部が、 若しくは、 該弹性材の一部と結着樹脂の 一部とが、共有結合その他の結合により比較的柔らかく架橋した成分と考え られる。一般に知られている THFに不溶である成分に併せ、 THFに不溶 であり且つクロ口ホルムに可溶である成分を含有することで、 前記 <5 a、 <5 b、及び、 G' aを良好な範囲に保ち、本発明の効果が良好に発現される。 一般に、 クロ口ホルムは THFよりもトナー構成材料 (主として結着樹脂) に対する溶解性が大きい。 このため、 本発明のトナーは、 (1) THF可溶 成分、 (2) THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶である成分、及び、 ( 3 ) T H F及びクロ口ホルムに不溶の成分により構成されていることが好 ましい。 尚、 本発明のトナーは、 THFに不溶であり且つクロ口ホルムに不 溶な成分を 3. 0乃至 1 5. 0質量%含有することが好ましい。
さらに、前記 THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分は、 フー リエ変換核磁気共鳴分光法(FT— NMR)により検出可能なポリエステル を含有することが好ましい。やわらかく架橋した成分がポリエステルを有す ることにより、 THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶といつた物性が 良好に発現され、低温定着性能を低下させることなく、 良好な耐しみ込み性 能、 色域性能が発現されるものと考えられる。 また、 上記ポリエステルは、 主鎖にエーテル結合を有することが好ましい。エーテル結合を挟んで主鎖が 自由に回転可能となり、 より良好に上記の物性が達成されると考えられる。 FT— NMR装置としては、 例えば J NM— EX400 (日本電子社製) を 用いることができる。測定用の溶媒としては、 内部基準物質としてテ卜ラメ
チルシラン (TMS) を含有する重水素化クロ口ホルムを用いる。
具体的な測定方法としては、 ェ11一 NMR及び13 C— NMRを用いて行うこ とができる。 測定条件としては、 以下の条件で測定できる。
測定周波数: 4 0 0MH z
パルス条件: 5. O S
データポイント : 3 2 7 6
遅延時間: 2 5 s e c
周波数範囲: 1 0 5 0 0H
積算回数 : 64
測定温度 : 40
試料 :溶媒として、 TMSを 0. 0 5質量%含有する重水素化ク ロロホルム(CDC 13) lm lに測定サンプル 2 Omgを入れ、温度 24. 0°C、 湿度 6 0. 0 %RHの環境下で 24時間静置して溶解させる。 これを Φ 5 mmのサンプルチューブに入れて測定する。
上記の THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分 (前記 (2) に 相当) と、 THF及びクロ口ホルムに不溶の成分 (前記 (3) に相当) との 物性の違いは、それぞれの架橋成分の組成と、架橋の密度の違いによるもの と考えられる。即ち、架橋の密度が大きいものは THFに不溶であり且つク ロロホルムに不溶な成分となる力 架橋の密度が十分に小さく、 ポリエステ ルを含有することで十分に柔軟性を有する場合に、 THF不溶であり且つク ロロホルムに可溶といつた物性が発現されるものと考えられる。
前記 THF可溶成分の含有量が上記した範囲内であれば、耐オフセット性 能と低温定着性能の良好な両立が達成できる。
前記 T H Fに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分の含有量が上記 範囲内であれば、 色域性能を良好に維持でき、 耐しみ込み性能、 耐オフセッ ト性能についてより良好な特性を得ることができる。 また、 前記 (<5 b— <5
a) を 0. 20以上に容易にコントロールしやすくなる。
前記 THF可溶成分の含有量は、 60. 0乃至 90. 0質量%にあること がより好ましく、 60. 0乃至85. 0質量%にあることが特に好ましレ^ また、 前記 THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分の含有量は、 10. 0乃至 40. 0質量%にあることがより好ましく、 10. 0乃至 35. 0質量%にあることが特に好ましい。
上記 THF不溶成分の含有量と、 THFに不溶であり且つクロ口ホルムに 可溶な成分の含有量は、結着樹脂及び架橋剤の種類や添加量、 トナーの製造 条件等によつて制御することが可能である。
前記 THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分は、酸価 A V (A vc l) が 5. 0乃至 50. 0mgKOH/gにあることが好ましい。 該成 分は、 前述の弾性材の一部、 若しくは、 該弹性材の一部と結着樹脂の一部と が共有結合したものが抽出されたと考えられる。該成分の酸価が前記範囲に ある場合、酸性基が前記着色粒子表面と相互作用しゃすく、 トナー全体に占 める該弾性材の添加量を抑制しつつ、トナー 1個 1個に含有される該弾性材 の量をトナー間において均一に揃えやすくなる。 また、 や G' aの値を よりコント口一ルしゃすくなる。前記弹性材の A vc lは、 5. 0乃至 40. OmgKOHZgであることがより好ましく、 5. 0乃至 30. OmgKO HZgであることさらに好ましく、 1 0. 0乃至 26. OmgKOHZgで あることが特に好ましい。
前記 TH Fに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分は、蛍光 X線測定 により検出可能なスルホン酸基に由来する硫黄元素を含有することが好ま しい。 該成分は、 前述の弹性材の一部、 若しくは、 該弹性材の一部と結着樹 脂の一部とが共有結合したものが抽出されたと考えられる。該成分がスルホ ン酸基に由来する硫黄元素を有することで、トナー全体に占める該弹性材の 添加量を抑制しつつ、 トナー 1個 1個に含有される該弹性材の量が、 トナー
間において均一になりやすい。
上記スルホン酸基に由来する硫黄元素の含有量としては、 0. 010乃至 1. 000質量%であることが好ましい。 該硫黄元素の含有量が 0. 010 質量%未満であると、前記スルホン酸基を含有せしめた効果が得られにくレ^ 該硫黄元素の含有量が 1. 000質量%を越える場合、 スルホン酸基と他の 極性基との相互作用により、 トナ一の低温定着性能が低下する場合がある。 尚、 該硫黄元素の含有量は、 0. 010乃至0. 500質量%であることが より好ましく、 0.020乃至 0.300質量%であることが特に好ましい。 上記 THF可溶成分の含有量、及び、 THFに不溶であり且つクロ口ホル ムに可溶な成分の含有量とは、具体的には以下に示すソックスレ一抽出法に より測定される値をもって定義する。 また、本発明のトナーに含有される T HFに可溶な成分、 THFに不溶な成分、 及び、 該 THFに不溶であり且つ クロ口ホルムに可溶な成分とは、 以下のようにして回収された成分を示す。 円筒濾紙 (例えば、 東洋濾紙製 No. 86 Rを用いることができる) を、 40°Cで 24時間真空乾燥した後、 25°C60 % RHの温湿度に調整された 環境下に 3日間放置する。 トナーの真密度を p (gZcm3) としたとき、 トナー (1 X ιθ ) gを抨量し (Wl g) 、 この円筒濾紙に入れてソックスレ —抽出器にかけ、溶媒として THF 200m 1を用い、 90°Cのオイルバス で 24時間抽出する。その後、毎分 1°Cの冷却速度でソックスレ一抽出器を 冷却した後、円筒濾紙を静かに取り出して、 40°Cで 24時間真空乾燥する。 これを 25°C 60%RHの温湿度に調整された環境下に 3日間放置した後、 円筒濾紙に残存する固形分の量を抨量する (W2 g) 。 この固形分を、 トナ —に含有される THF不溶成分とする。
トナーの THF可溶成分の含有量は、 下記式から算出される。
トナーの THF可溶成分の含有量 (質量%) = { 1 - (W2/W1) } X 100
トナーに含有される THF可溶成分は、上記で得られた溶出成分を、定量 濾紙 (例えば、 ADVANTEC製定量濾紙 No. 5Aを用いることができ る) を用いて濾過する。 得られた溶液を、 40°Cに設定したエバポレー夕一 を用いて揮発分を留去した後、 40 で 24時間真空乾燥した固形分を、 T HFに可溶な成分と定義する。
THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分の含有量は、前記ソッ クスレー抽出法によって得られた THF不溶成分を有する円筒濾紙を、溶媒 としてクロ口ホルム 200m lを用い、 ソックスレー抽出器にかけ、 9 Ot: のオイルバスで 24時間抽出する。その後、毎分 1°Cの冷却速度でソックス レー抽出器を冷却した後、 円筒濾紙を静かに取り出して、 40でで24時間 真空乾燥する。これを 25°C60%RHの温湿度に調整された環境下に 3日 間放置した後、 円筒濾紙に残存する固形分の量を秤量する (W3 g) 。
THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分の含有量は、下記式か ら算出される。
トナーの THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分の含有量 (質 量%) = { 1一 (W3 ZW 2) } X 100
THFに不溶であり且つクロ口ホルムに可溶な成分の組成分析及び分子 量測定を行う場合は、 上記で得られた溶出成分を、 定量濾紙 (例えば、 AD VANTEC製定量濾紙 No. 5 Aを用いることができる)を用いて濾過し、 得られた溶液を、 40°Cに設定したエバポレー夕一を用いて揮発分を留去し た後、 40°Cで 24時間真空乾燥した固形分を用いる。
尚、 トナーの真密度は、例えば、乾式自動密度計アキュピック 1330 (島 津製作所 (株) 社製) により測定することができる。
前記トナーに含有される T H F可溶成分は、ゲルパーミッシヨンクロマト グラフィー (GPC) によるポリスチレン (S t) 換算の分子量分布におい て、 分子量 8000乃至 200000に極大値 (Mp) を有することが好ま
しい。該 THF可溶成分が上記範囲に Mpを有することで、 トナーのシヤー プメルト化と溶融時の粘性保持とのバランスが良好となり、 低温定着性能、 耐しみ込み性能、 色域性能、 及び、 耐オフセット性能が更に良好になる。 該 Mpが 8000未満の場合は、耐オフセット性能と耐しみ込み性能が低下す る場合がある。該 Mpが 200000を超える場合は、低温定着性能としみ 込み性能が低下する場合がある。 なお、 前記 Mpの範囲としては、 分子量 1 0000乃至 100000にあることがより好ましく、分子量 15000乃 至 35000にあることが特に好ましい。
また、 同様の理由により、前記 THF可溶成分は、重量平均分子量(Mw) が 10000乃至 500000にあることが好ましレ^該 Mwが 10000 未満の場合は、 耐オフセット性能と耐しみ込み性能が低下する場合がある。 該 Mwが 500000を超える場合は、低温定着性能としみ込み性能が低下 する場合がある。 なお、 前記 Mwの範囲としては、 30000乃至 2000 00にあることがより好ましく、 50000乃至 1 50000にあることが 特に好ましい。
前記 M p及び Mwを上記範囲に有するようにするためには、結着樹脂及び 架橋剤の種類や添加量、トナーの製造条件等を制御することにより可能とな る。
本発明のトナーは、 FP I A 3000による平均円形度が 0. 945乃至 0.995の範囲にあることが好ましい。より好ましくは 0.965乃至 0.
995であり、 0. 975乃至 0. 990にあることが特に好ましい。 該平 均円形度が上記の範囲内であると、 トナーの割れの発生が抑制され、 また、 トナーのトナー容器内における過密充填の発生も抑制できる。本発明のトナ 一の平均円形度は、後述する表面改質装置を用いることによつても調整する ことが可能である。
本発明のトナーは、 F P I A 3000による個数分布において、 1 m以
下の粒子の含有量が 20. 0個数%以下にあることが好ましい。該粒子の含 有量が 20個数%以下であれば、 1 m以下の粒子の蓄積が生じにくく、現 像安定性能をより良好にできる。 また、低濃度域における粒状性を良好にで き、 がさつき感の抑制された良好な画像を得ることができる。本発明のよう に弾性材を含有するトナーにおいては、トナー表面における弾性材の含有状 態が不均一であると、 該弾性材が 1 m以下の粒子として検出されやすく、 現像安定性能が低下しやすい。 前記粒子の含有量は、 1 5. 0個数%以下に あることがより好ましく、 1 0. 0個数%以下にあることが更に好ましく、 5. 0個数%以下にあることが特に好ましい。
本発明のトナ一は、 重量平均粒子径 (D4) が 3. 0乃至 7. O ^mにあ ることが好ましい。該 D 4が上記の範囲内であれば、がさつ器官の抑制され た良好な画像が得られることに加え、長期保存時においてもトナーの過密充 填を抑制できる。 また、 低濃度域における粒状性が悪く、 がさつき感のある 画像が得られる場合がある。前記 D4の好ましい範囲としては、 3. 5乃至 6. 5 mにあることがより好ましく、 4. 0乃至 6. Ο ΠΙにあることが 特に好ましい。
前記トナーは、 温度 23. 0°C湿度 60 %における凝集度を Α。 (%) と したとき、 該八。 ( ) が 70. 0 %以下であり、 トナーの凝集度が Α。十 1 0. 0%となる温度を丁ェ (°C) とし、 該凝集度が 98. 0%になる温度 を T2 (°C) としたとき、該1\ (°C) と動的粘弾性試験による前記 T a (°C) との差 (T\_Ta) (°C) が 2. 0乃至 40. 0°Cであり、 前記 1\ (°C) と前記 T2 (°C) における凝集度の変化率 ひ= { 9 8. 0— (A0+ 1 0. 0) } / (Τ2— 1 ) が 1 5. 0乃至 5 0. 0であることが好ましい。 上 記の物性は、トナ一一粒一粒の熱特性の分布を示す指標と考えられる。また、 2種類以上の異なる熱特性を有する材料を含有するトナーにおいては、 トナ —一粒一粒が含有する各材料の含有量や存在状態のばらつきを示す指標に
なると考えられる。 さらには、結着樹脂と着色剤とワックスとを少なくとも 含有する着色粒子と、該着色粒子を被覆する弹性材とを有するトナー粒子と、 無機微粉体とを有するトナーにおいて、該着色粒子の表面における前記弾性 材の被覆状態の均一性、及び、 トナー粒子間における前記弹性材の含有量の 均一性を示す指標になると考えられる。即ち、 トナーが上記範囲の物性を有 する場合に、 トナー全体に対する弹性材の含有量が少ない状態であって、且 つ、 トナ一一粒一粒の弾性材の含有量及び存在状態が均一と考えられる。 こ のような場合、 前記 δ bは特に小さい値になりやすく、 トナーの低温定着 性能、 耐オフセット性能、 耐ブロッキング性能、 現像安定性能、 耐しみ込み 性能、 及び、 色域性能の両立の観点から特に好ましい。
上記凝集度の測定方法は以下に示す。
トナーの真密度を p (g/cm3) とした場合、 トナ一を (2. 0 X p) g 秤量し、容量 50mlのポリ容器(高さ 76mm、底面積 1134 mm2 (外 径 38mm)ポリエチレン製円柱状容器、例えば、広口ポリ瓶 50ml; (株) サンブラテック社製を用いることができる) に入れる。 このとき、 ポリ容器 内でトナー層がほぼ水平になるようにする。これをポリ容器入りトナーと称 する。
温度 25. 0乃至95. 0°Cの範囲について、 温度 10. 0°C刻みで温度 を変化させた熱風循環式の恒温器(例えば、 コンパクト精密恒温器 "AWC -2" (株) アサヒ理化製作所製を用いることができる) を用意し、 上記ポ リ容器入りトナーを恒温器中の雰囲気温度が調整された各恒温器に入れて 静置する。 72時間後、 振動を加えないようにポリ容器を静かに取り出し、 温度 23.0°C、湿度 60 %RH環境下において 24時間静置する。次いで、 床に厚さ約 1 cmの鉄板(縦 30 cmx横 30 cm) を設置し、 高さ lmの 位置でポリ容器を垂直に保った状態から自然落下させる。落下させたポリ容 器を再度、 温度 23°C. 0、 湿度 60%RH環境下において 24時間静置す
る。 この様にして処理された卜ナ一を用いて、 後述の方法により、 各温度に おける凝集度 a (%) を求める。
また、 上記とは別に、 温度を変化させないポリ容器入りトナーを用意し、 温度 23. 、 湿度 60 %RH環境下において静置する。 72時間後、 上 記と同様にポリ容器入りのトナーを静かに取り出し、 温度 23. 0°C、 湿度 60 %RH環境下において 24時間静置する。次いで、床に厚さ 1 cmの鉄 板を設置し、高さ lmの位置でポリ容器を垂直に保った状態から自然落下さ せる。 落下させたポリ容器を再度、 温度 23. 0°C、 湿度 60 %RH環境下 において 24時間静置する。 このトナーを用いて、 後述の方法により、 温度 23. 0°C、 湿度 60 %RH環境下における凝集度 A。 (%) を求める。 上述の方法により測定した各温度における凝集度 a (%) と、 温度 23. 0 :、 湿度 60 %RH環境下における凝集度 A。 (%) との変化率 (変化率 = (a— A。) X l O OZAo) を比較して、 該変化率が 10. 0%以上と なる最も低い温度 t (°C) を求める。
この結果から、 変化率の更に詳細なデータを求めるため、 〔温度 t CO
- 10. 0 (°C)〕 の温度(°C) よりも小さい温度であり、且つ、 温度 25. 0乃至95. 0°Cの範囲について、 温度 10. 0°C刻みとしたときの最も大 きい温度 (°C) 乃至 95. 0°Cの範囲について、 恒温器中の雰囲気温度を温 度 2. 0°C刻みで変化させた恒温器を用意し、上記ポリ容器入りトナーを各 恒温器に入れて静置する。 以後は同様に、 72時間後、 ポリ容器を静かに取 り出し、温度 23.0°C、湿度 60%RH環境下において 24時間静置する。 次いで、同じく高さ 1 mの位置でポリ容器を垂直に保つた状態から自然落下 させる。 これを再度、 温度 23. 0°C、 湿度 60 %RH環境下において 24 時間静置する。 このトナーを用いて、 後述の方法により、 各温度 T O に おける凝集度 A (%) を求める。
この方法によって得られた値から、 X軸にポリ容器入りトナーを 72時間
静置した恒温器の温度 T (°C) 、 y軸にその時の上記凝集度の値 A (%) を プロットした T ( ) 一 A ( ) のグラフを作成する。 このグラフより、 各 値を読みとる。
即ち、 上記グラフの y軸において (AQ+ 10. 0) %の点を求め、 それ に対応する X軸の値を T\ (°C) とし、上記グラフの y軸において 98. 0 % の点を求め、 それに対応する X軸の値を T2 (°C) とする。
凝集度の測定装置としては、 例えば、 「パウダ一テスター」 (ホソカワミ ク口ン社製)の振動台側面部分に、デジタル表示式振動計「デジバイプロ M ODEL 1332 A」 (昭和測器社製) を接続したものを用いる。 下から 順に、 目開き 38 (400メッシュ) の篩、 目開き 75 urn (200メ ッシュ) の篩、 目開き 1 50 im (100メッシュ) の篩を重ね、 これを上 記装置の振動台にセットする。 測定は、 温度 23. 0°C、 湿度 60%RH環 境下で、 以下の様にして行う。
(1) デジタル表示式振動計の変位の値を 0. 60 mm (p e ak— t o— e ak) になるように振動台の振動幅を予め調整する。
(2)前述の方法によって調整したトナ一を、最上段の目開き 1 50 mの 篩上に静かにのせ、 そのトナーの質量を測定する。
(3)振動台を 90秒間振動させた後、各篩上に残ったトナーの質量を測定 し、 下式にもとづいて凝集度 A ( ) を算出する。
凝集度 A (%) = { (目開き 1 50 の篩上の試料質量 (g) ) /5 (g) } X 100
+ { (目開き 75 mの篩上の試料質量 (g) ) /5 (g) } X 10 0 X 0. 6
+ { (目開き 38 / mの篩上の試料質量 (g) ) Z5 (g) } X 10 0 X 0. 2
動的粘弾性試験による前記 T a (°C) はトナーが有する着色粒子のガラス
転移点 (T g ) に対応し、 上記 T\ (°C) 及び T 2 (°C) は弹性材の T g及 びトナー中における該弹性材の存在状態、含有量に対応した値と考えられる。 例えば、 低い T g (°C) を有する着色粒子と、 該着色粒子を被覆し高い T g (°C) を有する弾性材とを有するトナーの場合には、着色粒子に対し十分に 多量の弾性材で該着色粒子を被覆したトナーの場合、上記の方法で測定され る T\ (°C) は、 該弾性材の T g (°C) に近い値となりやすい。 トナーが弹 性材を多量に有するため、 前記 T 2 (°C) は高い値になりやすく、 前記 aが 小さい値になりやすい。 この場合、 前記 δ bは小さい値になりやすいが、 前記 G ' aが大きい値になりやすく、 トナーは低温定着性能、色域性能が低 下しやすい。
一方、着色粒子に対する弹性材の含有量を少なくすると、弹性材による着 色粒子の被覆状態が不均一となりやすい。即ち、トナー粒子の表面において、 着色粒子が露出している部分と、着色粒子が弹性材で被覆されている部分と が混在した状態になりやすい。 この場合、 前記 T\ (°C) は、 着色粒子の T g (°C) に近い値になりやすい。 しかし、前記 T 2 (°C)は弾性材の T g (°C) の影響を受けて高めの値を示すため、前記 は小さい値になる。この場合、 前記 δ bが大きい値になりやすく、 トナーの耐しみ込み性能、 色域性能、 耐オフセット性能が低下しやすい。
さらに、上記のようなトナー粒子表面の被覆状態を、 トナ一一粒一粒につ いて比較した場合に、トナー粒子表面に着色粒子が全く露出していないトナ —と、着色粒子の一部が露出しているトナーと、着色粒子が弹性材に全く被 覆されていないトナーとが混在している場合がある。 このような場合、前記 T x (°C) はより小さい値になりやすく、 前記 T 2 (°c) はより大きい値に なりやすく、 前記 α はより小さい値になりやすい。 この場合も、 前記 5 b が大きい値になりやすく、 トナーの耐しみ込み性能、現像安定性能が低下し やすい。
このため、着色粒子を被覆する弾性材の被覆層の厚みがある一定の薄さを 有し、且つ、該弹性材の被覆層の厚みがトナー粒子表面の全体に渡って均一 であることが好ましい。 さらに、そのような弹性材による着色粒子の被覆状 態の均一性が、トナ一一粒一粒について比較してもトナー全体に渡って均一 であることが好ましい。 このような場合、該弹性材の被覆層の厚みがある一 定の薄さを有することで前記 T2 (°C) は小さい値になりやすいが、 前記 T
! (°C) は小さい値になりにくい。 さらに、 該弾性材による被覆層の厚みが トナー粒子表面の全体に渡って均一であり、そのような弾性材の被覆状態の 均一性が、トナ一一粒一粒について比較してもトナー全体に渡って均一であ ることにより、 前記 Τ2 (V) は小さい値になりやすいが、 前記 T\ (°C) が小さい値になることは抑制できる。 このため前記 aが大きい値になりや すく、 このような場合に、 前記 G' a及び前記 5 bが良好な範囲になりや すく、 トナーの低温定着性能、 耐ブロッキング性能、 現像安定性能、 耐しみ 込み性能、 及び、 色域性能が特に良好になる。
本発明のトナーは、 前記 (1\一 T a) が 2. 0乃至 4 0. 0°Cであるこ とが、 トナーの低温定着性能、耐ブロッキング性能、耐しみ込み性能、及び、 色域性能の両立の点で好ましい。 該 (T\一 T a) が上記範囲内であれば、 着色粒子表面からの弹性材のはがれも良好に抑制でき、また被覆層厚さを適 度にすることができる。 (T\— T a) の範囲は温度 5. 0乃至 3 5. 0 °C あることが好ましく、温度 8. 0乃至 3 0. 0°Cにあることがより好ましい。 また、 前記 T\ (°C) としては、 4 0. 0乃至 8 0. 0°Cにあることが、 トナーの低温定着性能、 現像安定性能、 耐しみ込み性能、 及び、 色域性能の 両立の点で好ましい。
該1\ (°C) が上記の範囲内である場合、 トナーの耐しみ込み性能、 色域 性能をより良好にすることができる。 T\ (°C) の範囲としては、 4 5. 0 乃至 7 0. 0°Cであることがより好ましく、 5 0. 0乃至 7 0. 0°Cである
ことが特に好ましい。
該1\ (x ) は、 弹性材のガラス転移点 ( ) 、 及び、 トナー粒子表面に おける弹性材の被覆状態、 及び、 被覆量により制御できる。 このため、 弾性 材の添加量、 組成、 分子量、 酸価、 及び、 弾性材が有するその他の官能基の 種類と量、及び、着色粒子を弹性材で被覆する製造工程によって制御可能で ある。 また、 着色粒子の熱特性の影響も受けるため、 結着樹脂の組成と分子 量、 ワックスの種類、 分子量及び添加量、 その他添加剤により制御可能であ る。
また、 本発明のトナーは、 前記凝集度の変化率 αが 1 5 . 0乃至 5 0 . 0であることが、 トナーの低温定着性能、 現像安定性能、 色域性能、 及び、 耐しみ込み性能の両立の点で好ましい。 該 α が大きいほど、 僅かな温度環 境の変化に対してトナーの凝集度変化が大きいことを示している。該変化率 が上記の範囲内である場合、 弹性材による着色粒子の被覆状態が均一で あり、 また適度な被覆層厚さを有すると考えられる。 変化率 ひ は 1 6 . 0 乃至 4 5 . 0にあることが好ましく、 1 8 . 0乃至4 2 . 0であることがよ り好ましい。 さらには、 該変化率 は 1 7 . 0乃至 4 0 . 0であることが 特に好ましい。
前記変化率 ひ は、 トナー粒子表面における弾性材の被覆状態、 及び、 被 覆量に大きく影響を受ける。 このため、 弾性材の添加量、 組成、 分子量、 酸 価、 及び、 弹性材が有するその他の官能基の種類と量、 及び、 着色粒子を弾 性材で被覆する製造工程によって制御可能である。 また、着色粒子の熱特性 の影響も受けるため、 結着樹脂の組成と分子量、 ワックスの種類、 分子量及 び添加量、 その他添加剤により制御可能である。
また、 前記凝集度 A。 (%) が 7 0 . 0 %以下であることが好ましい。 該 A。 (%) が 7 0 . 0 %以下であると、 トナーの現像安定性能の点で好まし レ^ 該八。 (% ) が 7 0 . 0 %を越える場合、 トナー担持体や帯電部材にト
ナ一が対流しやすく、 トナーの現像安定性能が低下する場合がある。現像器 内においてトナーが受けるストレスが大きくなりやすく、トナーが変形しや すいためと考えられる。 尚、 A。 (%) の範囲としては、 30. 0%以下に あることが好ましく、 1 5. 0 %以下にあることがより好ましい。
一方で、 該八。 (%) が小さすぎると、 トナーが紙の繊維に入り込みやす く、 トナーの色域性能が低下する場合がある。 また、 該八。 (%) を小さい 値にするために、トナーが無機又は樹脂の微粒子といった添加剤を多量に含 有する場合には、 トナーの低温定着性能が低下しやすくなる。 さらに、 該添 加剤がトナー担持体や帯電部材に堆積しやすく、トナ一の現像安定性能が低 下しやすくなる。 この観点からは、 該 。 (%) は 0. 3%以上であること が好ましく、 1. 0 %以上であることがより好ましい。以上より、該八。(%) は 0. 3乃至 70. 0 %であることが好ましく、 1. 0乃至 30. 0%であ ることがより好ましい。 さらには、 該八。 (%) は 1. 0乃至 15. 0%で あることが特に好ましい。
前記 A。 (%) は、 トナーの形状及び粒子径、 該トナーに含有される無機 微粉体の組成、 粒子径、 及び、 添加量により制御可能である。 また、 弹性材 による着色粒子の被覆状態によっても制御可能である。
次に、本発明のトナーに用いることができる材料及びその製造方法を説明 する。
本発明のトナーに用いることができる結着樹脂としては、従来電子写真用 の結着樹脂として知られる各種の榭脂を用いることができる。 その中でも (a) ポリエステル、 (b) ポリエステルとビニル系重合体とを有している ハイブリッド樹脂、 (c) ビニル系重合体、 及び、 これらの混合物から選択 される樹脂を主成分とすることが好ましい。該ポリエステルはウレタン結合、 ゥレア結合を有していることも好ましい。
本発明の結着樹脂に用いることができるモノマーとしては、 具体的には、
例えば以下の化合物を用いることができる。
二価アルコール成分としては、 ポリオキシプロピレン (2. 2) -2, 2 一ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパン、 ポリオキシプロピレン (3. 3) - 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) プロパン、 ポリオキシェチ レン (2. 0) — 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエニル) プロパン、 ポリ ォキシプロピレン (2. 0) 一ポリオキシエチレン (2. 0) - 2, 2—ビ ス(4ーヒドロキシフエニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)— 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパン等のビスフエノール Aのアル キレンォキシド付加物、 エチレングリコール、 ジエチレングリコール、 トリ エチレングリコール、 1, 2—プロピレングリコール、 1, 3—プロピレン グリコール、 1, 4一ブタンジオール、 ネオペンチルグリコール、 1, 4 - ブテンジオール、 1 , 5—ペンタンジオール、 1, 6—へキサンジオール、 1, 4ーシクロへキサンジメタノール、 ジプロピレングリコール、 ポリェチ レンダリコール、ポリプロピレングリコ一ル、ポリテトラメチレングリコ一 ル、 ビスフエノール A、 水素添加ビスフエノール A、 下記式 (V I I)
(式中、 Rはエタンジィル基またはプロパン— 1, 2—ジィル基を示し、 x, yはそれぞれ 1以上の整数を示し、 且つ x + yの平均値は 2乃至 1 0を示 す。 )
で示されるビスフエノール誘導体、 または下記式 (V I I I)
三価以上のアルコール成分としては、 例えばソルビトール、 1, 2 , 3 , 6—へキサンテトロール、 1, 4ーソルビタン、 ペンタエリスリトール、 ジ ペン夕エリスリト一ル、 トリペン夕エリスリトール、 1, 2 , 4—ブタント リオール、 1, 2 , 5—ペンタントリオール、 グリセロール、 2—メチルプ 口パントリオール、 2—メチルー 1 , 2 , 4—ブタントリオール、 トリメチ ロールェタン、 トリメチロールプロパン、 1, 3 , 5—トリヒドロキシメチ ルべンゼン等が挙げられる。
多価カルボン酸成分等としては、 フタル酸、イソフ夕ル酸及びテレフタル 酸の如き芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;琥珀酸、 アジピン酸、 セバ シン酸及びァゼライン酸の如きアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭 素数 6乃至 1 2のアルキル基で置換された琥珀酸若しくはその無水物;フマ ル酸、マレイン酸及びシトラコン酸の如き不飽和ジカルボン酸類又はその無 水物; n -ドデセエルコハク酸、 ィソドデセニルコハク酸、 トリメリット酸 等が挙げられる。
それらの中でも、 特に、 前記一般式 (V I I I ) で代表されるビスフエノ ール誘導体、及び、炭素数 2乃至 6のアルキルジオールをジオール成分とし、 二価のカルボン酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルとから なるカルボン酸成分 (例えば、 フマル酸、 マレイン酸、 マレイン酸、 フタル 酸、 テレフタル酸、 トリメリット酸、 ピロメリット酸、 炭素数 4乃至 1 0の アルキルジカルボン酸、及びこれらの化合物の酸無水物等)を酸成分として、 これらを縮重合したポリエステルが、 トナーとして、 良好な帯電特性を有す るので好ましい。
また、架橋部位を有するポリエステル樹脂を形成するための三価以上の多 価カルボン酸成分としては、例えば、 1 , 2 , 4—ベンゼントリカルボン酸、 1, 2, 5一ベンゼントリカルボン酸、 1 , 2 , 4一ナフ夕レントリカルポ
ン酸、 2, 5, 7—ナフタレントリカルポン酸、 1, 2, 4, 5—ベンゼン テトラカルボン酸および、 これらの無水物やエステル化合物が挙げられる。 三価以上の多価カルボン酸成分の使用量は、全モノマー基準で 0 . 1乃至 1 . 9 m o 1 %が好ましい。 さらに結着樹脂として、 主鎖中にエステル結合 を有し、多価アルコールと多塩基酸との重縮合体であるポリエステルュニッ トと、不飽和炭化水素基を有する重合体であるビニル系重合体ュニットを有 しているハイプリッド樹脂を用いる場合、 さらに良好なワックス分散性と、 低温定着性、耐オフセット性の向上が期待できる。本発明に用いられるハイ プリッド樹脂とは、ビニル系重合体ュニットとポリエステルュニットが化学 的に結合した樹脂を意味する。具体的には、ポリエステルユニットと(メタ) ァクリル酸エステルの如きカルボン酸エステル基を有するモノマ一を重合 したビニル系重合体ュニットとがエステル交換反応によって形成する樹脂 であり、好ましくはビエル系重合体を幹重合体、ポリエステルュニットを枝 重合体としたグラフト共重合体 (あるいはブロック共重合体) である。 ビエル系重合体を生成するためのビニル系モノマ一としては、例えばスチ レン; o —メチルスチレン、 m—メチルスチレン、 p—メチルスチレン、 ーメチルスチレン、 p _フエニルスチレン、 ーェチルスチレン、 2 , 4 - ジメチルスチレン、 ρ— n—プチルスチレン、 p— t e r t—ブチルスチレ ン、 p— n—へキシルスチレン、 p— n—ォクチルスチレン、 p— n—ノニ ルスチレン、 p— n—デシルスチレン、 p— n—ドデシルスチレン、 ρ—メ トキシスチレン、 ρ —クロルスチレン、 3, 4ージクロルスチレン、 m—二 トロスチレン、 o—ニトロスチレン、 p—二トロスチレンの如きスチレン及 びその誘導体;エチレン、 プロピレン、 ブチレン、 イソプチレンの如きスチ レン不飽和モノォレフィン類;ブタジエン、イソプレンの如き不飽和ポリエ ン類;塩化ビ;ル、 塩化ビニルデン、 臭化ビニル、 フッ化ビニルの如きハロ ゲン化ビニル類;酢酸ビニル、 プロピオン酸ビュル、 ベンゾェ酸ビエルの如
きビニルエステル類;メタクリル酸メチル、 メタクリル酸ェチル、 メタクリ ル酸プロピル、 メ夕クリル酸一 n—プチル、 メタクリル酸イソプチル、 メタ クリル酸— n—ォクチル、 メタクリル酸ドデシル、 メタクリル酸— 2—ェチ ルへキシル、 メタクリル酸ステアリル、 メタクリル酸フエニル、 メタクリル 酸ジメチルアミノエチル、 メタクリル酸ジェチルアミノエチルの如き α— メチレン脂肪族乇ノカルポン酸エステル類;アクリル酸メチル、ァクリル酸 エル、 アクリル酸プロピル、 アクリル酸一 η—ブチル、 アクリル酸イソプチ ル、 アクリル酸一 η—ォクチル、 アクリル酸ドデシル、 アクリル酸一 2—ェ チルへキシル、 アクリル酸ステアリル、 アクリル酸一 2—クロルェチル、 ァ クリル酸フエエルの如きアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、 ビ ニルェチルエーテル、 ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテル類; ビニルメチルケトン、 ビエルへキシルケトン、 メチルイソプロべ二ルケトン の如きピニルケトン類; Ν—ビニルビロール、 Ν—ビニルカルバゾ一ル、 Ν 一ビニルインドール、 Ν—ビニルピロリドンの如き Ν—ビニル化合物;ビニ ルナフタリン類;アクリロニトリル、 メタクリロニトリル、 アクリルアミド の如きアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体等が挙げられる。
さらに、 マレイン酸、 シトラコン酸、 ィタコン酸、 アルケニルコハク酸、 フマル酸、 メサコン酸の如き不飽和二塩基酸;マレイン酸無水物、 シトラコ ン酸無水物、ィタコン酸無水物、 ァルケエルコハク酸無水物の如き不飽和二 塩基酸無水物;マレイン酸メチルハーフエステル、 マレイン酸ェチルハーフ エステル、マレイン酸ブチルハ一フェステル、 シトラコン酸メチルハーフエ ステル、 シトラコン酸ェチルハーフエステル、 シトラコン酸ブチルハーフエ ステル、 ィタコン酸メチルハーフエステル、 アルケニルコハク酸メチルハー フェステル、 フマル酸メチルハーフエステル、 メサコン酸メチルハーフエス テルの如き不飽和二塩基酸のハ一フェステル;ジメチルマレイン酸、 ジメチ ルフマル酸の如き不飽和二塩基酸エステル;アクリル酸、 メタクリル酸、 ク
口トン酸、 ケィヒ酸の如き ひ, jS _不飽和酸;クロトン酸無水物、 ケィヒ 酸無水物の如き α, /3—不飽和酸無水物、 前記 ひ, jS—不飽和酸と低級脂 肪酸との無水物;アルケニルマロン酸、 ァルケニルダルタル酸、 アルケニル アジピン酸、これらの酸無水物及びこれらのモノエステルの如きカルボキシ ル基を有するモノマ一が挙げられる。
さらに、 2—ヒドロキシェチルァクリレート、 2—ヒドロキシェチルメ夕 クリレート、 2—ヒドロキシプロピルメタクリレ一トなどのァクリル酸又は メタクリル酸エステル類; 4一 ( 1ーヒドロキシ— 1—メチルブチル) スチ レン、 4— ( 1ーヒドロキシ— 1ーメチルへキシル) スチレンの如きヒドロ キシ基を有するモノマーが挙げられる。
本発明のトナーにおいて、結着樹脂のビニル系重合体ュニットは、 ビニル 基を二個以上有する架橋剤で架橋された架橋構造を有していてもよい。この 場合に用いられる架橋剤は、芳香族ジビニル化合物として例えば、 ジビエル ベンゼン、 ジビニルナフタレンが挙げられ;アルキル鎖で結ばれたジァクリ レート化合物類として例えば、 エチレングリコールジァクリレート、 1, 3 ーブチレングリコールジァクリレ一ト、 1, 4一ブタンジオールジァクリレ ート、 1, 5—ペンタンジオールジァクリレート、 1 , 6一へキサンジォー ルジァクリレート、ネオペンチルダリコールジァクリレート及び以上の化合 物のァクリレートをメタクリレートに代えたものが挙げられ;エーテル結合 を含むアルキル鎖で結ばれたジァクリレート化合物類としては、例えば、 ジ エチレングリコールジァクリレート、トリエチレンダリコールジァクリレー ト、テトラエチレンダリコールジァクリレート、ポリエチレンダリコ一ル# 4 0 0ジァクリレート、 ポリエチレングリコ一ル# 6 0 0ジァクリレー卜、 ジプロピレングリコールジァクリレ一ト及び以上の化合物のァクリレート をメタクリレートに代えたものが挙げられ;芳香族基及びエーテル結合を含 む鎖で結ばれたジァクリレート化合物類として例えば、ポリオキシエチレン
( 2 ) - 2 , 2—ビス(4ーヒドロキシフエニル)プロパンジァクリレート、 ポリオキシエチレン (4 ) - 2 , 2 —ビス (4ーヒドロキシフエニル) プロ パンジァクリレ一ト及び以上の化合物のァクリレートをメタクリレートに 代えたものが挙げられる。
多官能の架橋剤としては、ペン夕エリスリトールトリァクリレート、 トリ メチ口一ルェタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリァクリレ ート、テ卜ラメチロールメタンテトラァクリレー卜、オリゴエステルァクリ レー卜及び以上の化合物のァクリレ一トをメタクリレートに代えたもの;ト リアリルシアヌレ一ト、 トリアリルトリメリテートが挙げられる。
本発明に用いられるハイプリッド樹脂には、ビニル系重合体ュニット成分 及びポリエステルュニットの一方の中、又は両方の中に、両樹脂成分と反応 し得るモノマー成分を含むことが好ましい。ポリエステルュニットを構成す るモノマーのうちビニル系重合体ュニットと反応し得るものとしては、例え ば、 フ夕ル酸、 マレイン酸、 シトラコン酸、 ィタコン酸の如き不飽和ジカル ボン酸又はその無水物などが挙げられる。ビニル系重合体ュニットを構成す るモノマ一のうちポリエステルュニッ卜と反応し得るものとしては、カルボ キシル基又はヒドロキシ基を有するものや、ァクリル酸もしくはメタクリル 酸エステル類が挙げられる。
ビニル系重合体ュニットとポリエステルュニッ卜の反応生成物を得る方 法としては、それぞれのュニットと反応しうるモノマー成分を含むポリマ一 が存在しているところで、どちらか一方もしくは両方の樹脂の重合反応をさ せることにより得る方法が好ましい。
本発明のビニル系重合体を製造する場合に用いられる重合開始剤として は、 例えば、 2 , 2 ' ーァゾビスイソブチロニトリル、 2 , 2 ' ーァゾビス ( 4ーメトキシ— 2, 4ージメチルバレロニトリル) 、 2 , 2 ' ーァゾビス (一 2 , 4—ジメチルバレロニトリル) 、 2 , 2、 ーァゾビス (一 2メチル
プチロニトリル)、ジメチルー 2, 2 ' ーァゾビスイソプチレート、 1 , 1 ' —ァゾビス ( 1ーシクロへキサン力ルポ二トリル) 、 2— (カーバモイルァ ゾ) 一イソブチロニトリル、 2 , 2 ' ーァゾビス ( 2 , 4, 4一トリメチル ペンタン) 、 2—フエ二ルァゾ一 2, 4—ジメチルー 4ーメトキシバレロ二 トリル、 2, 2 ' ーァゾビス ( 2—メチル—プロパン) 、 メチルェチルケト ンパ一ォキサイド、 ァセチルァセトンパ一ォキサイド、 シクロへキサノンパ —オキサイドの如きケトンパーオキサイド類、 2, 2—ビス (t一プチルパ —ォキシ) ブタン、 t一ブチルハイドロパ一ォキサイド、 クメン八ィドロパ —オキサイド、 1 , 1, 3, 3—テトラメチルブチル八イド口パーォキサイ ド、 ジー t一ブチルパーォキサイド、 t 一ブチルクミルパ一ォキサイド、 ジ ークミルパーオキサイド、 , a ' —ビス ( t 一ブチルパーォキシイソプロ ピル)ベンゼン、イソブチルパーォキサイド、ォクタノィルパーォキサイド、 デカノィルパーオキサイド、 ラウロイルパ一オキサイド、 3 , 5 , 5—トリ メチルへキサノィルパ一ォキサイド、 ベンゾィルパ一ォキサイド、 m—トリ オイルパ一ォキサイド、 ジ—イソプロピルパ一ォキシジカーボネート、 ジー 2—ェチルへキシルパ一ォキシジ力一ポネ一卜、ジ— n—プロピルパーォキ シジ力一ポネート、 ジー 2—エトキシェチルバ一ォキシ力一ポネート、 ジー メトキシイソプロピルパーォキシジカーボネート、 ジ(3—メチルー 3—メ トキシブチル)パーォキシカーボネー卜、 ァセチルシクロへキシルスルホニ ルパーオキサイド、 t 一ブチルパーォキシアセテート、 t _ブチルパーォキ シイソブチレ一ト、 t一ブチルパーォキシネオデカノエイト、 t一プチルパ 一ォキシ 2—ェチルへキサノエート、 t一ブチルパーォキシラウレート、 t —プチルパーォキシベンゾエイト、 t 一プチルパーォキシイソプロピル力一 ボネート、 ジー t 一ブチルパーォキシイソフタレート、 t一ブチルパーォキ シァリルカーボネート、 tーァミルパーォキシ 2—ェチルへキサノエート、 ジー tーブチルパ一ォキシへキサハイドロテレフ夕レート、ジ— t一ブチル
パーォキシァゼレートが挙げられる。
前記ハイプリッド樹脂を調製する製造方法としては、例えば、以下の(1 ) 乃至 (5 ) に示す製造方法を挙げることができる。
( 1 ) ビニル系重合体とポリエステル樹脂を別々に製造後、 少量の有機溶 剤に溶解'膨潤させ、 エステル化触媒及びアルコールを添加し、 加熱するこ とによりエステル交換反応を行って製造する方法。
( 2 ) ビニル系重合体製造後に、 これの存在下にポリエステルユニット及 びハイプリッド樹脂成分を製造する方法である。 ハイプリッド樹脂成分は、 ビニル系重合体(必要に応じてビニル系モノマーも添加できる) とポリエス テルモノマー (アルコール、 カルボン酸) 及びポリエステルのいずれか一方 との反応、 又は両方との反応により製造される。 この場合も適宜、 有機溶剤 を使用することができる。
( 3 ) ポリエステルユニット製造後に、 これの存在下にビニル系重合体及 びハイプリッド榭脂成分を製造する方法である。八イブリッド榭脂成分はポ リエステルユニット (必要に応じてポリエステルモノマ一も添加できる) と ビニル系モノマ一とのいずれか一方又は両方との反応により製造される。
( 4 ) ビエル系重合体ユニット及びポリエステルユニット製造後に、 これ らの重合体ュニット存在下にビニル系モノマー及びポリエステルモノ.マー
(アルコール、 カルボン酸) のいずれか一方又は両方を添加することにより ハイプリッド樹脂成分を製造する。 この場合も適宜、有機溶剤を使用するこ とができる。
( 5 ) ビニル系モノマー及びポリエステルモノマー (アルコール、 力ルポ ン酸等)を混合して付加重合及び縮重合反応を連続して行うことによりビニ ル系重合体ュニット、ポリエステルュニット及びハイプリッド樹脂成分を製 造する。 この場合も、 適宜、 有機溶剤を使用することができる。
上記 (1 ) 乃至 (5 ) の製造方法において、 ビニル系重合体ユニット及び
ポリエステルュニッ卜には複数の異なる分子量、架橋度を有する重合体ュニ ットを使用することができる。
また、ハイブリツド樹脂成分を製造後、 ビニル系モノマー及びポリエステ ルモノマ一(アルコール、カルボン酸)のいずれか一方又は両方を添加して、 付加重合及ぴ縮重合反応の少なくともいずれか一方を行うことによりビニ ル系重合体ュニット及びポリエステルュニットを更に製造することもでき る。 この場合にも、 適宜、 有機溶剤を使用することができる。
なお、本発明のトナ一に含有される結着樹脂には、上記ポリエステル樹脂 とビエル系重合体との混合物、上記ハイブリッド樹脂とビエル系重合体との 混合物、上記ポリエステル樹脂と上記ハイプリッド樹脂に加えてビエル系重 合体の混合物を使用しても良い。
本発明のトナーは、 1種又は 2種以上のワックスを含有している。本発明 に用いることのできるワックスとしては、 例えば、 低分子量ポリエチレン、 低分子量ポリプロピレン、ォレフィン共重合体、マイクロクリスタリンヮッ クス、パラフィンワックス、 フィッシャ一トロプシュワックス等の脂肪族炭 化水素ワックス;酸化ポリエチレンヮックス等の脂肪族炭化水素ワックスの 酸化物;脂肪族炭化水素ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、 モンタン酸エステルワックス等の脂肪酸エステルを主成分とするヮック ス;及び脱酸カルナバワックス等の脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化 したもの等が挙げられる。 例えば、 エステルワックスとしては、 ベヘン酸べ へニル、 ステアリン酸ステアリル等が挙げられる。
そして、ベへニン酸モノグリセリド等の脂肪酸と多価アルコールの部分ェ ステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシル 基を有するメチルエステル化合物等が挙げられる。
ワックスの分子量分布では、メインピークが分子量 3 5 0乃至 2 4 0 0の 領域にあることが好ましく、分子量 4 0 0乃至 2 0 0 0の領域にあることが
より好ましい。このような分子量分布を持たせることによりトナーに好まし い熱特性を付与することができる。
また、上記ワックスの含有量としては、結着樹脂 1 0 0質量部に対し 3乃 至 3 0質量部含有することが好ましい。本発明のトナーは、 トナーに含有さ れるワックスの一部を、トナー製造時に結着樹脂と相溶させ可塑剤として用 いる。 さらに、 定着工程において、 トナ一に含有されるワックスの一部を結 着樹脂と相溶させ可塑剤として用いる。 このため、 トナーに含有せしめたヮ ックスの全てが離型剤として作用しないため、通常よりも多くのワックスを 含有させることが好ましい。 ワックスの含有量が上記の範囲内であれば、低 温定着性能と耐オフセット性能の両立を良好に達成できる。結着樹脂 1 0 0 質量部に対するワックスの含有量としては、 5乃至 2 0質量部であることが より好ましく、 6乃至 1 4質量部であることが特に好ましい。
上記の如き物性を求めるにあたって、ワックスのトナーからの抽出を必要 とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が可 能である。
一例を挙げると、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得 られたトルェン可溶分から溶剤を除去した後、 クロ口ホルム不溶分を得る。 その後、 I R法などにより同定分析をする。
また、 定量に関しては、 D S Cにより定量分析を行う。
これらのワックスとしては、示差走査熱量計により測定される D S C曲線 において、 6 0乃至 1 4 0 °Cの領域に最大吸熱ピークを有するものが好まし く、 6 0乃至 9 0 °Cの領域に最大吸熱ピークを有するものがさらに好ましい。 上記の温度領域に最大吸熱ピークを有することにより、低温定着に大きく貢 献しつつ、 離型性をも効果的に発現することができる。 さらに、 水系媒体中 で重合を行う重合方法により直接トナーを得る場合においては、多量にヮッ クスを添加しても造粒中のワックスの析出を抑制できる。
本発明のトナーは、 荷電制御剤を使用しても良い。
トナーを負荷電性に制御する荷電制御剤としては、例えば、有機金属化合 物、 キレート化合物、 モノァゾ金属化合物、 ァセチルアセトン金属化合物、 尿素誘導体、 含金属サリチル酸系化合物、 含金属ナフトェ酸系化合物、 4級 アンモニゥム塩、 カリックスァレーン、 ゲイ素化合物、 ノンメタルカルボン 酸系化合物及びその誘導体が挙げられる。
また、 トナーを正荷電性に制御する荷電制御剤としては、 例えば、 ニグ口 シン及び脂肪酸金属塩による変性物、トリブチルベンジルアンモニゥム— 1 —ヒドロキシー 4—ナフトスルホン酸塩、テトラプチルアンモニゥムテトラ フルォロポレート等の 4級アンモニゥム塩、及びこれらの類似体であるホス ホニゥム塩等のォニゥム塩及びこれらのレーキ顔料、トリフエニルメタン染 料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、 リンタングステン酸、 リ ンモリブデン酸、リンタングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、 没食子酸、 フェリシアン化物、フエロシアン化物等)、高級脂肪酸の金属塩; ジブチルスズォキサイド、 ジォクチルスズォキサイド、 ジシクロへキシルス ズォキサイド等のジオルガノスズォキサイド;ジブチルスズポレー卜、 ジォ クチルスズポレート、ジシクロへキシルスズポレ一ト等のジオルガノスズポ レート類;が挙げられ、 これらを単独或いは 2種類以上組み合わせて用いる ことができる。 これらの中でも、 ニグ口シン系、 4級アンモニゥム塩の如き 荷電制御剤が特に好ましく用いられる。
上記荷電制御剤は、 トナー中の結着樹脂 1 0 0質量部当り、 0 . 0 1乃至 2 0質量部、 より好ましくは 0 . 5乃至 1 0質量部となる様に含有させるの が良い。
本発明のトナーは、 着色剤を含有している。 黒色着色剤としては、 カーボ ンブラック、磁性体、又は以下に示すイエロ一/マゼン夕/シアン着色剤を 用い黒色に調色されたものが利用される。
シアントナー、 マゼン夕トナー、 イェロートナー用の着色剤として、 例え ば、 以下に示す着色剤を用いることができる。
イエロ一着色剤としては、 顔料系としては、 モノァゾ化合物、 ジスァゾ化 合物、 縮合ァゾ化合物、 イソインドリノン化合物、 アンスラキノン化合物、 ァゾ金属錯体メチン化合物、ァリルアミド化合物に代表される化合物が用い られる。 具体的には、 以下の顔料が好適に用いられる。
C. I . ビグメン卜イェロー 3、 7、 10、 12〜1 5、 1 7、 23、 24、 60、 62、 73、 74、 75、 83、 93〜95、 99、 100、 101、 104、 108〜 1 1 1、 1 17、 120、 123、 128、 129、 13 8、 139、 147、 148、 1 50、 151、 1 54、 1 55、 1 66、 168〜 177、 179、 180、 18 1、 183、 185、 191 : 1、 191、 192、 1 93、 199、 214。
染料系としては、 例えば、 C. 1. ソルベントイェロー 33、 56、 79、 82、 93、 1 12、 162、 163; C. I . デイスパースィエロ一 42、 64、 201、 2 1 1が挙げられる。
マゼン夕着色剤としては、 モノァゾ化合物、 縮合ァゾ化合物、 ジケ卜ピロ 口ピロ一ル化合物、 アントラキノン、 キナクリドン化合物、 塩基染料レーキ 化合物、 ナフトール化合物、 ベンズイミダゾロン化合物、 チオインジゴ化合 物、ペリレン化合物が用いられる。具体的には、以下の着色剤が挙げられる。 C. I . ピグメントレッド 2、 3、 5〜7、 23、 48 : 2、 48 : 3、 4 8 : 4、 57 : 1、 81 : 1、 122、 144、 146、 1 50、 166、 169、 177、 184、 185、 202、 206、 220、 221、 23 8、 254、 269、 C. I . ピグメントバイオレツド 19等が例示できる。 シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、 アン卜 ラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物が利用できる。具体的には、 C. I . ビグメントブルー 1、 7、 1 5、 15 : 1、 1 5 : 2、 1 5 : 3、 1 5 : 4、
60、 62、 66が挙げられる。
これらの着色剤は、単独または混合しさらには固溶体の状態で用いること ができる。本発明の着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、 OHP透明性、 トナー中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は結着樹脂 10 0質量部に対し 0. 4乃至 20質量部となる様に添加して用いられる。 さらに本発明のトナ一は磁性体を含有させ磁性トナーとしても使用しう る。 この場合、 磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。 本発明におい て、 該磁性体としては、 マグネタイト、 へマタイト、 フェライトの如き酸化 鉄;鉄、 コバルト、 ニッケルの如き金属、 或いはこれらの金属とアルミニゥ ム、 コバルト、 銅、 鉛、 マグネシウム、 スズ、 亜鉛、 アンチモン、 ベリリウ ム、 ビスマス、 カドミウム、 カルシウム、 マンガン、 セレン、 チタン、 タン ダステン、 バナジウムの如き金属との合金及びその混合物が挙げられる。 これらの磁性体は個数平均粒子径が 2 .m以下、好ましくは 0. 1乃至 0. 5 m程度のものが好ましい。トナー中に含有させる量としては結着樹脂 1 00質量部に対し 20乃至 200質量部、特に好ましくは 40乃至 150質 量部となる様に含有させるのが良い。
上記磁性体は、 796 k A/m (10 kェルステツド) 印加での磁気特性 が保磁力 (He) 1. 59乃至 23. 9 k A/m ( 20乃至 300エルステ ッド) 、 飽和磁化 (σ s) 50乃至 200 AmVk g, 残留磁化 (σ r) 2乃至 20 Am2Zk gの磁性体が好ましい。
また、 本発明のトナーには、 流動性向上剤として、 無機微粉体又は疎水性 無機微粉体がトナー粒子に外部添加されて混合されることが好ましい。例え ば、酸化チタン微粉末、 シリカ微粉末、 アルミナ微粉末を添加して用いるこ とが好ましく、 特にシリカ微粉末を用いることが好ましい。
本発明のトナーに用いられる無機微粉体は、 B ET法で測定した窒素吸着 による比表面積が 30m2Zg以上のもの、 特には 50乃至 400m2/g
の範囲のものが良好な結果を与えることができるため好ましい。
さらに、本発明のトナーは、必要に応じて流動性向上剤以外の外部添加剤 をトナー粒子に混合されて有していてもよい。
例えば、 クリーニング性を向上させる等の目的で、一次粒径が 3 0 n mを 超える (好ましくは比表面積が 5 0 m2Z g未満) 微粒子、 より好ましくは 一次粒径が 5 0 n m以上 (好ましくは比表面積が 3 0 m 2Z g未満) で球状 に近い形状を有する無機微粉体又は有機微粒子をさらにトナー粒子に添加 することも好ましい形態の一つである。例えば球状のシリカ粒子、球状のポ リメチルシルセスキォキサン粒子、 球状の樹脂粒子を用いるのが好ましい。 さらに他の添加剤、 例えばフッ素樹脂粉末、 ステアリン酸亜鉛粉末、 ポリ フッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;又は酸化セリゥム粉末、炭化硅素粉 末、 チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;ケ一キング防止剤;又は例 えばカーポンプラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与 剤;また、 逆極性の有機微粒子、 および無機微粉体を現像性向上剤として少 量加えることもできる。 これらの添加剤も、その表面を疎水化処理して用い ることも可能である。
上述の如き外添剤は、 トナ一粒子 1 0 0質量部に対して 0 . 1乃至 5質量 部 (好ましくは 0 . 1乃至 3質量部) 使用するのが良い。
次に、本発明のトナーの製造方法について述べる。本発明で規定する物性 を満たすトナーを製造することのできる方法であれば特に制限されず、公知 の方法が用いることができる。
例えば、結着樹脂、 ワックス等のトナ一として必要な成分及びその他の添 加剤等をヘンシェルミキサー、 ポールミル等の混合器中で十分混合した後、 加熱ロール、ニーダー、ェクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混 練して、樹脂類をお互いに相熔させる。その中に必要に応じて他のトナー材 料を分散又は溶解させ、 冷却固化、 粉砕後に、 分級する。 さらに必要に応じ
て樹脂粒子等で表面処理するという多段階の工程によってトナー粒子を得 る。得られたトナー粒子に必要に応じて微粉体等を添加して混合することに よってトナ一を得ることが出来る。分級および表面処理の順序はどちらが先 でもよい。分級工程においては生産効率の点からは、多分割分級機を用いる ことが好ましい。
粉碎工程は、機械衝撃式、 ジエツト式等の公知の粉砕装置を用いて行うこ とができる。 本発明に係わる特定の円形度を有する現像剤を得るためには、 さらに熱をかけて粉碎したり、又は補助的に機械的衝撃を加える処理をする ことが好ましい。 また、 微粉碎 (必要に応じて分級) されたトナー粒子を熱 水中に分散させる湯浴法、 熱気流中を通過させる方法などを用いてもよい。 機械的衝撃力を加える方法としては、例えば川崎重工社製のクリブトロン システムやターボ工業社製の夕一ポミル等の機械衝撃式粉砕機を用いる方 法がある。 また、 ホソカワミクロン社製のメカノフ一ジョンシステムゃ奈良 機械製作所製のハイブリダィゼーションシステム等の装置のように、高速回 転する羽根によりトナーをケ一シングの内側に遠心力により押しつけ、圧縮 力、摩擦力等の力によりトナーに機械的衝撃力を加える方法を用いてもよい。 機械的衝撃を加える処理をする場合には、処理時の雰囲気温度をトナーの ガラス転移点 T g付近の温度(すなわち、 ガラス転移点 T gに対し土 3 0 °C の範囲温度) とすることが、 凝集防止と生産性の観点から好ましい。 さらに 好ましくは、 トナーのガラス転移点 T gに対し ± 2 0 °Cの範囲温度で処理を 行うことが、 転写効率を向上させるのに特に有効である。
さらにまた、本発明のトナーは、ディスク又は多流体ノズルを用いて溶融 混合物を空気中に霧化し球状トナーを得る方法や、単量体には可溶で得られ る重合体が不溶な水系有機溶剤を用いて直接トナーを生成する分散重合方 法、又は水溶性の極性重合開始剤の存在下で直接重合させてトナーを生成す るソープフリー重合方法に代表される乳化重合方法等を用いてトナーを製
造する方法、 溶解懸濁法、 乳化凝集法などでも製造が可能である。
特に好ましい製法として、水系媒体中において、重合性単量体を直接重合 して得られる懸濁重合法が挙げられる。
懸濁重合法によるトナーの製造では、 一般に、 重合性単量体、 着色剤、 ヮ ックス、 荷電制御剤、 架橋剤などを、 ホモジナイザ一、 ボールミル、 コロイ ドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解又は分散させる。 こう して得られた単量体組成物を、無機分散剤を含有する水系媒体中に懸濁する。 この時、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用して一 気に所望のトナー粒子のサイズとするほうが、得られるトナー粒子の粒度分 布がシャープになる。重合開始剤添加の時期としては、予め単量体組成物に 加えても良いし、水系媒体中に単量体組成物を懸濁した後に添加しても良い。 懸濁後は、 通常の撹拌機を用いて、 粒子状態が維持されかつ粒子の浮遊 ' 沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。 なお、 本発明においては、 前記 懸濁する際に、 p Hが 4乃至 1 0 . 5であることが好ましい。 p Hが 4未満 であると、 粒度分布の広いトナーとなる場合がある。 また p Hが 1 0 . 5を 超えると、 トナーの帯電性能が低下する場合がある。
懸濁重合法においては、無機分散剤として公知の界面活性剤や有機 ·無機 分散剤が使用できる。その中でも、無機分散剤は反応温度を変化させても安 定性が崩れ難くいため、好ましく使用できる。 こうした無機分散剤の例とし ては、 リン酸三カルシウム、 リン酸マグネシウム、 リン酸アルミニウム、 リ ン酸亜鉛の如きリン酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如 き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、 硫酸カルシウム、 硫酸バリウムの如き無機 塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、 ベントナイ卜、 アルミナの如き無機酸化物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、 重合性単量体 1 0 0質量部に対して、 0 . 2乃至 2 0質量部を単独で又は 2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。
平均粒径が 5 ti m以下であるような、より微粒化されたトナ一を目的とする 場合には、 0 . 0 0 1乃至0 . 1質量部の界面活性剤を併用しても良い。 界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデ シル硫酸ナトリウム、ペン夕デシル硫酸ナトリウム、ォクチル硫酸ナトリウ ム、 ォレイン酸ナトリウム、 ラウリル酸ナトリウム、 ステアリン酸ナトリウ ム、 ステアリン酸カリウムが挙げられる。
これらの無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、 より 細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散剤を生成させることが好 ましい。 具体的には例えば、 リン酸三カルシウムの場合、 高速撹拌下、 リン 酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、難水溶性のリン 酸三カルシウムを生成させることができ、より均一で細かな分散が可能とな る。 無機分散剤は、 重合終了後酸あるいはアルカリで溶解して、 ほぼ完全に 取り除くことができる。
前記重合工程においては、 重合温度は 4 0 °C以上、 一般には 5 0乃至 9 0 °Cの温度に設定して重合を行う。 この温度範囲で重合を行うと、重合の進 行と共に結着樹脂とワックスが相分離し、ワックスが内包化されたトナ一が 得られる。重合反応終期において、反応温度を 9 0乃至 1 5 0 °Cにまで上げ ることも好ましい。
本発明の卜ナ一は、一成分系現像剤用のトナーとして使用することも可能 であり、キャリアを有する二成分系現像剤用のトナーとしても使用可能であ る。
二成分系現像剤として用いる場合には、本発明のトナーとキャリアとを混 合した現像剤として使用する。 該キャリアは、 鉄、 銅、 亜鉛、 ニッケル、 コ バルト、 マンガン、 及び、 クロム元素から選ばれる元素単独または複合のフ ェライトで構成される。 該キャリアの形状としては、 球状、 扁平または不定 形があり、 そのいずれのものも用いることができる。 また、 キャリア表面の
微細構造 (たとえば表面凹凸性) をコントロールすることが好ましい。 該キャリアの製造方法は、 上記フェライトを焼成、 造粒することにより、 あらかじめ、キャリアコアを生成した後、その表面を樹脂で被覆する方法が 挙げられる。キヤリァのトナーへの負荷を軽減する意味合いから、 フェライ トと樹脂を混練後、 粉碎、 分級して低密度分散キャリアを得る方法や、 さら には、直接フェライトとモノマーとの混練物を水系媒体中にて懸濁重合せし め真球状のキャリアを得る方法も利用することが可能である。
上記キャリアコアの表面を樹脂で被覆した被覆キャリアは、特に好ましく 用いられる。その製造方法としては、樹脂を溶剤中に溶解もしくは懸濁せし めて、該溶液または懸濁液をキヤリアに塗布し付着せしめる方法、単に樹脂 粉体とキャリア着色とを混合して付着させる方法が挙げられる。
上記キヤリアコアの表面を被覆する物質としてはトナーの材料によって も異なるが、例えばポリテトラフルォロエチレン、 モノクロ口トリフルォロ エチレン重合体、 ポリフッ化ビニリデン、 シリコーン樹脂、 ポリエステル樹 脂、スチレン系樹脂、ァクリル系樹脂、ポリアミド、ポリビニルプチラール、 アミノアクリレート樹脂が挙げられる。 これらは、単独或は複数で用いるこ とができる。
上記キャリアの磁性特性としては、磁気的に飽和させた後の 79. 6 k A Zm (1 kェルステツド) における磁化の強さ (σ 1 000) が 30乃至 3 00 emuZcm3であることが好ましい。 さらに高画質化を達成するため に、 100乃至 250 emu/cm3であることがより好ましい。 上記磁化 の強さが 300 emuZcm3より大きい場合には、 高画質なトナー画像が 得られにくくなる。 逆に、 30 emu/cm3未満であると、 磁気的な拘束 力も減少するためにキヤリア付着を生じやすい。
キヤリアの形状は、丸さの度合いを示す S F— 1が 180以下、 凹凸の度 合いを示す S F— 2が 250以下であることが好ましい。 SF— 1、 SF—
2は以下の式にて定義され、二レコ社製の Lu z e x I I Iにて測定される。 (数 1)
_ (キャリアの最大長)2
SF一 1— キャリアの投影面積 χ^Λ ΐ 0 0 c r - (キャリアの周辺長)2 1 1 0 Ω
一 キャリアの投影面積 4TT X 1 U (J
本発明のトナーと上記キヤリアとを混合して二成分系現像剤を調製する 場合、その混合比率は現像剤中のトナー濃度として、 2乃至 1 5質量%が好 ましく、 4乃至 13質量%がより好ましい。
<動的粘弾性試験による損失正接 (t an δ) 曲線、 貯蔵弾性率 (G' ) 曲 線の測定 >
本発明において、 動的粘弹性試験による貯蔵弾性率(G' ) の測定方法につ いて説明する。
測定装置としては、 例えば ARES (レオメトリック ·サイェンティフィ ック .エフ ·ィ一株式会社製) を用いることができる。 下記の条件で、 25 乃至 200°Cの温度範囲における貯蔵弾性率の測定を行う。
•測定冶具:直径 8 mmの円形パラレルプレートを使用する。
'測定試料: トナーの真密度を p としたとき、 トナー (0. 12 X p) g を秤量し、 20 kNの荷重を 2分間かけて、 直径 8mm、 厚さ約 lmmの円 盤状に成型し測定試料とする。
•測定周波数: 6. 28ラジアン 秒
'測定歪の設定:初期値を 0. 1 %に設定した後、 自動測定モードにて測定 を行う。
•試料の伸長補正: 自動測定モードにて調整する。
,測定温度: 20乃至 200°Cまで 1 //分の昇温速度で 30秒毎に弾性率 の測定を行う。
<トナーの真密度測定 >
トナーの真密度は、気体置換型ピクノメータを用いる方法により測定する ことができる。 測定原理は、 一定体積の試料室 (体積 と比較室 (体積 V2) との間に遮断弁を設け、 予め質量 (M。 (g) ) を測定した後、 サン プルを試料室に入れる。試料室及び比較室内をヘリウムの如き不活性ガスで 充満し、 そのときの圧力を! とする。 遮断弁を閉じ、 試料室のみ不活性ガ スを加える。 そのときの圧力を P2とする。 遮断弁を開き、 試料室と比較室 とを接続したときの系内の圧力を P 3とする。 下記式 Aにより、 サンプルの 体積 (VQ (cm3) ) を求めることができる。 下記式 Bにより、 トナーの 真密度 PT (g/cm3) を求めることができる。
V。 = Vi - [V2Z { (P2— P ) / (Ρ3-Ρι) 一 1 } ] (式 A) iO T = M0/V0 (式 B)
例えば、 乾式自動密度計アキュピック 1330 (島津製作所 (株) 社製) により測定することができる。 この際、 10 cm3の試料容器を用い、 試料 前処理としてはヘリウムガスパージを最高圧 19. 5 p s i g (134. 4 kP a) で 10回行う。 この後、 容器内圧力が平衡に達したか否かの圧力平 衡判定値として、試料室内の圧力の振れが 0. 0050 p s i g/m i nを 目安とし、 この値以下であれば平衡状態とみなして測定を開始し、真密度を 自動測定する。 測定は 5回行い、 その平均値を求めて真密度 (g/cm3) とする。
<トナー及びその他材料のガラス転移点 (Tg) 、 融点 (Tm) の測定 > 本発明において、 ガラス転移点 (Tg) 、 融点 (Tm) の測定は、 示差走 查熱量計 (DSC) を用いて測定する。 DSCとして、 具体的に、 Q 100 0 (TAインストルメンッ社製) を使用する。 測定方法は、 アルミパンに試 料 4mgを精秤し、 リファレンスパンとして空のアルミパンを用い、窒素雰 囲気下、 モジュレーション振幅 0. 5 °C、 周波数 1/分で測定する。 測定温 度は、 1 0°Cで 10分間保持した後、 昇温速度 1°C/分で 1 0°Cから 1 8
0 °Cまで走査して得られたリパーシングヒートフロー曲線を D S C曲線と し、 これを用いて中点法により T gを求める。 なお、 中点法によって求めら れたガラス転移点とは、昇温時の D S C曲線において吸熱ピーク前の基線と 吸熱ピーク後の基線の中線と、立ち上がり曲線での交点をもってガラス転移 点とするものである (図 1参照) 。
トナーの最大吸熱ピークの温度 (融点) 、 吸熱量の測定は、 上記と同様に 測定して得られたリバ一シングヒ一トフ口一曲線において、吸熱ピーク前の ベースラインの外揷線から該吸熱ピークが離脱する点と、吸熱ピーク終了後 のベースラインの外揷線と該吸熱ピークが接する点とを結んだ直線と吸熱 ピークとで囲まれる領域において、該吸熱ピークの極大値となる温度を、最 大吸熱ピークの温度とする。 該ピークに極大値が 2つ以上存在する場合は、 前記囲まれる領域において、前記結んだ直線と極大値との長さが長い極大値 における温度を、 最大吸熱ピークの温度 (融点) とする。 前記囲まれる領域 が独立して 2つ以上存在する場合にも、前記と同様にして結んだ直線と極大 値との長さが長い極大値における温度を、 最大吸熱ピークの温度 (融点) と する。
吸熱量は、 上記測定で得られたリパーシングヒートフロー曲線において、 吸熱ピーク前のベ一スラインの外揷線から該吸熱ピークが離脱する点と、吸 熱ピーク終了後のベースラインの外揷線と該吸熱ピークが接する点とを結 んだ直線と吸熱ピークとで囲まれる領域の面積(融解ピークの積分値) より 吸熱量 (J Z g ) を求める。 前記囲まれる領域が独立して 2つ以上存在する 場合には、 それらを合計して吸熱量とする。
その他の材料のガラス転移点 (T g ) 、 融点 (Tm) の測定も上記と同様 にして測定する。
く G P Cによる分子量測定 >
本発明においてゲルパーミッションクロマトグラフィー(G P C ) によるポ
リスチレン (P S t) 換算の分子量測定の方法について説明する。
40°Cのヒ一トチャンバ中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラ ムに、溶媒として THF (テトラヒドロフラン)を毎分 lm 1の流速で流し、 THF試料溶液を 100 1注入して測定する。試料の分子量測定にあたつ ては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料によ り作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作 成用の標準ポリスチレン試料としては、 分子量が 102乃至 107程度のも のを用い、少なくとも 10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当 である。 具体的には、 例えば、 P o 1 yme r L a b o r a t o r i e s 社製 標準ポリスチレン E a s i c a 1 P S— 1 (分子量 7500000、 841700、 148000、 28500、 2930の混合物、 及び、 分子 量 2560000、 320000、 59500、 9920、 580の混合物) 及び PS— 2 (分子量 377400、 96000、 1 9720、 4490、 1 180の混合物、 及び、 分子量 188700、 46500、 9920、 2 360、 580の混合物) を組み合わせて用いることができる。検出器には R I (屈折率) 検出器を用いる。 カラムとしては、 市販のポリスチレンジェ ルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製の s h o d e x GPC KF— 801、 802、 803、 804、 805、 806、 8 07, 800 Pの組み合わせや、東ソ一社製の TS Kg e 1 G 1000 H(H XL) 、 G2000H (HXL) 、 G3000H (HXL) 、 G4000H (HXL) 、 G 500 OH (HXL) 、 G6000H (HXL) 、 G 700 OH(HXL),TSKgu a r d c o 1 umnの組み合わせが挙げられる。 本発明のトナ一が有する T H F可溶成分が有する分子量分布の極大値(M P) 、 及び、 重量平均分子量 (Mw) は、 上記測定で得られた分子量分布よ り求める。
G PC装置に用いる試料は以下のようにして作製する。
測定するサンプルを THF中に入れて十分に混合し、 18時間静置する。 その後、 サンプル処理フィルタ一 (ポアサイズ 0. 45乃至 0. 5 m、 例 えば、マイショリディスク H— 25 - 5 東ソ一社製、ェキクロディスク 2 5 CR ゲルマン ·サイエンス ·ジャパン社製などが利用できる) を通過さ せたものを、 GP Cの試料とする。測定するサンプルの THFに対する濃度 は 5mgZm 1とする。
本発明に用いるワックスその他樹脂の重量平均分子量 (Mw) 、 数平均分 子量 (Mn) なども、 上記方法と同様にして測定することができる。
<樹脂の酸価測定 >
榭脂の酸価は以下のように求められる。基本操作は、 J I S— K0070に 準ずる。
試料 1 g中に含有されている遊離脂肪酸、樹脂酸などを中和するのに要す る水酸化カリウムの mg数を酸価といい、 以下の方法によって測定される。
(1) 試薬
(a) 溶剤の調製
試料の溶剤としては、ェチルエーテル一エチルアルコール混液(1 + 1また は 2 + 1) またはベンゼン一エチルアルコール混液 (1 + 1または 2 + 1) を用いる。これらの溶液は使用直前にフエノールフタレインを指示薬として 0. 1モル Zリツトルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で中和してお <。
(b) フエノールフタレイン溶液の調製
フエノールフタレイン 1 gをエチルアルコール (95 v/v%) 100m l に溶かす。
(c) 0. 1モル Zリットルの水酸化カリウム一エチルアルコール溶液の調 製
水酸化力リウム 7. 0 gをできるだけ少量の水に溶かしエチルアルコール
(95 v/v%) を加えて 1リットルとし、 2乃至 3日放置後ろ過する。標 定は J I SK 8006 (試薬の含量試験中滴定に関する基本事項) に準じ て行う。
(2) 操作
試料 1乃至 20 gを正しくはかりとり、これに溶剤 100m l及び指示薬と してフエノ一ルフ夕レイン溶液数滴を加え、試料が完全に溶けるまで十分に 振る。 固体試料の場合は水浴上で加温して溶かす。 冷却後これを 0. 1モル Zリットルの水酸化カリウム一エチルアルコール溶液で滴定し、指示薬の微 紅色が 30秒間続いたときを中和の終点とする。
(3) 計算式
次の式によって酸価を算出する。
A = B X f X 5. 6 1 1/S
A:酸価 (mgKOH/g)
B: 0. 1モル/リツトルー水酸化カリウムエチルアルコール溶液の使用量 (ml)
f : 0. 1モル zリツトル—水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファク 夕一
S :試料 (g)
<トナーの平均円形度の測定 >
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像分析装置「FP I A— 3000」 (シ スメックス社製) によって測定することができる。
具体的な測定方法は、 以下の通りである。 まず、 ガラス製の容器中に予め 不純固形物などを除去したイオン交換水約 20m lを入れる。この中に分散 剤として 「コンタミノン N」 (非イオン界面活性剤、 陰イオン界面活性剤、 有機ビルダーからなる PH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の 10質量%水 溶液、和光純薬工業社製) をイオン交換水で約 3質量倍に希釈した希釈液を
約 0. 2m 1加える。 更に測定試料を約 0. 02 g加え、 超音波分散器を用 いて 2分間分散処理を行い、 測定用の分散液とする。 その際、 分散液の温度 が 10°C以上 40°C以下となる様に適宜冷却する。 超音波分散器としては、 発振周波数 50 k H z、電気的出力 150 Wの卓上型の超音波洗浄器分散器 (例えば「VS— 1 50」 (ヴエルヴォクリーア社製) ) を用い、 水槽内に は所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノン Nを約 2 m 1添加する。
測定には、 標準対物レンズ(10倍) を搭載した前記フロー式粒子像分析 装置を用い、 シース液にはパーティクルシース 「PSE— 900 A」 (シス メックス社製)を使用する。前記手順に従い調整した分散液を前記フロー式 粒子像分析装置に導入し、 HP F測定モードで、 トータルカウントモードに て 3000個のトナ一粒子を計測する。そして、粒子解析時の 2値化閾値を 85 %とし、 解析粒子径を円相当径 1. 985 m以上、 39. 69 m未 満に限定し、 トナー粒子の平均円形度を求める。
測定にあたっては、 測定開始前に標準ラテックス粒子 (例えば、 Duk e S c i e n t i f i c社製の「RE S EARCH AND TEST PA RT I CLES L a t e x M i c r o s p h e r e S u s p e n s i on s 5200 A」 をイオン交換水で希釈) を用いて自動焦点調整を行 う。 その後、 測定開始から 2時間毎に焦点調整を実施することが好ましい。 なお、 本願実施例では、 シスメックス社による校正作業が行われた、 シス メックス社が発行する校正証明書の発行を受けたフロ一式粒子像分析装置 を使用した。 解析粒子径を円相当径 1. 985 m以上、 39. 69 /xm未 満に限定した以外は、校正証明を受けた時の測定及び解析条件で測定を行つ た。
フロー式粒子像分析装置 「FP I A— 3000」 (シスメックス社製) の 測定原理は、流れている粒子を静止画像として撮像し、画像解析を行うとい
うものである。試料チャンパ一へ加えられた試料は、試料吸引シリンジによ つて、 フラットシ一スフローセルに送り込まれる。 フラットシ一スフローに 送り込まれた試料は、 シ一ス液に挟まれて扁平な流れを形成する。 フラット シ一スフローセル内を通過する試料に対しては、 1/6 0秒間隔でストロボ 光が照射されており、流れている粒子を静止画像として撮影することが可能 である。 また、 扁平な流れであるため、 焦点の合った状態で撮像される。 粒 子像は CCDカメラで撮像され、撮像された画像は 5 1 2 X 5 1 2の画像処 理解像度 (一画素あたり 0. 3 7 X 0. 37 m) で画像処理され、 各粒子 像の輪郭抽出を行い、 粒子像の投影面積 Sや周囲長 L等が計測される。 次に、上記面積 Sと周囲長 Lを用いて円相当径と円形度を求める。 円相当 径とは、粒子像の投影面積と同じ面積を持つ円の直径のことであり、 円形度 Cは、円相当径から求めた円の周囲長を粒子投影像の周囲長で割った値とし て定義され、 次式で算出される。
円形度 C= (2 X (TTX S) 1/2) ZL
粒子像が円形の時に円形度は 1になり、粒子像の外周の凹凸の程度が大き くなればなるほど円形度は小さい値になる。各粒子の円形度を算出後、 円形 度 0. 2 0 0〜1. 0 0 0の範囲を 8 0 0分割し、 得られた円形度の相加平 均値を算出し、 その値を平均円形度とする。
<トナー及び着色粒子の重量平均粒子径 (D 4) 、 04/01の測定> トナー及び着色粒子の重量平均粒子径 (D 4) 、 D 4ZD 1の値は、 具体的 には以下の方法により測定することができる。
測定装置としては、 コール夕一カウンターのマルチサイザ一 I I (コール 夕一社製) を用いる。 電解液は、 1級塩化ナトリウムを用いて、 約 1 %Na C 1水溶液を調製する。 例えば、 I S OT ON R— I I (コール夕一サイ ェンティフィックジャパン社製) が使用できる。 測定方法としては、 前記電 解水溶液 100乃至 1 50m 1中に分散剤として界面活性剤(好ましくはァ
ルキルベンゼンスルホン酸塩) を 0. 1乃至 5m l加え、 更に測定試料を 2 乃至 2 Omg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約 1乃至 3 分間分散処理を行い、前記測定装置により、 アパーチャ一として 1 00 m アパーチャ一を用いて、 粒径 2. 00乃至 40. 30 / mの粒子について、 体積及び個数のチャンネルごとに測定し、トナーの体積分布と個数分布とを 算出する。 それから、 トナー粒子の重量平均粒径 (D 4) (各チャンネルの 中央値をチャンネル毎の代表値とする)、個数平均粒子径(D 1)を求める。 チャンネルとしては、 2. 0 0乃至 2. 52 m; 2. 52乃至 3. 1 7 m; 3. 1 7乃至 4. 00 nm; 4. 00乃至 5. 04 urn; 5. 04乃至 6. 3 5 nm; 6. 3 5乃至 8. 0 0 am; 8. 0 0乃至 1 0. 08 m; 1 0. 08乃至 12. 70 m; 1 2. 7 0乃至 1 6. 00 ; 1 6. 0 0乃至 20. 20 βπι ; 20. 20乃至 25. 40 ; 2 5. 40乃至 3 2. 00 ; 32. 00乃至 40. 30 mの 1 3チャンネルを用いる。 (D4ZD 1) は D 4を D 1で割った値である。
(蛍光 X線によるスルホン酸基に由来する硫黄元素、弹性材が有するスル ホン酸基の含有量の測定)
波長分散型蛍光 X線「Ax i o s a d v an c e d」 (PANa l y t i c a 1 (パナリティカル) 社製) を用いて測定した。 測定に用いるサンプル 約 3 gを、 27 mm測定用の塩化ビニル製リングに入れ、 20 0 kNでプレ スし、試料を成型した。使用したサンプルの質量と成形後の試料の厚みを測 定し、含有量算出のための入力値として、サンプル中に含有されるスルホン 酸基に由来する硫黄元素の含有量を求めた。分析条件及び解析条件は下記に 示す。
分析条件
·定量方法:ファンダメンタルパラメータ法
•分析元素:周期表におけるホウ素 B〜ウラン Uまでの各元素について測定
•測定雰囲気:真空
•測定サンプル:固体
.コリメーターマスク径: 27 mm
•測定条件:各元素に最適な励起条件にあらかじめ設定された自動プロダラ ムを用いた。
•測定時間:約 20分
•その他は装置の推奨する一般値を用いた。
解析
•解析プログラム: Un i Qu a n t 5
·解析条件:酸化物形態
•バランス成分: CH2
•その他は装置の推奨する一般値を用いた。
(着色粒子及び弾性材のゼ一夕電位の測定)
着色粒子及び弾性材のゼ一夕電位は、レーザードッブラー電気泳動式のゼ —タ電位測定器を用いて測定することができる。具体的には、 Z e t a s i z e r Nan o Z S (モデル: Z E N 3600、 M a 1 v e r n I n s t r ume n t s L t d製) を用いて測定することができる。
着色粒子又は弹性材を、 固形分濃度が 0. 05質量%になるようにイオン交 換水で調整する。 pHは 7. 0になるように、 塩酸又は水酸化ナトリウムで 調整する。 この分散液 20m lを超音波洗浄器(BRANSON I C 351 0、 BR AN SON社製) を用いて 3分間分散処理する。 これを用い、 以下 の条件にする以外は取り扱い説明書の推奨する方法で測定して得られる Z e t a P o t e n t i a l (m V) の値を、 着色粒子は Z 21 (mV) と し、 弹性材は Zlp (mV) とした。
- Ce l 1 : DTS 1 060 C-C l e a r d i s p o s a b l e z e t a c e l l
• D i s p e r s an t : wa t e r
• Me a s u r eme n t du r a t i on : Au t oma t i c • Mo d e l : Smo l u c h ows k i
• Temp e r a t u r e : 25. 0 °C
' Re s u l t C a l c u l a t i on : Ge n e r a l Pu r p o s e
また、 上記測定で得られるゼ一タ電位の分布曲線 [ (Z e t a P o t e n t i a 1 (mV) (x軸) — I n t e n s i t y (k c p s ) (y軸) 曲 線) ] の積分曲線を求め、 この y軸を百分率に変換した Z e t a P o t e n t i a 1 (mV) (x軸) 一積分値の百分率 (%) (y軸) 曲線を作成す る。 この曲線より、 y軸の値が 10. 0 %のときの X軸の値を読みとつてこ れを Zpl。 (mV) とし、 y軸の値が 90. 0 %のときの x軸の値を読みと つてこれを Zp9。 (mV) とする。
(実施例)
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、 これらは本 発明をなんら限定するものではない。
(弾性材の製造例 1)
冷却管、 撹拌機、 窒素導入管を備えた反応容器に、 下記原料を入れ、 常圧 下、 260°Cで 8時間反応させた後、 240°Cに冷却し、 1時間かけて lm mHgに減圧した。さらに 3時間反応させてスルホン酸基を有するポリエス テルを得た。
(アルコールモノマー)
•ポリオキシプロピレン (2. 2) 一 2, 2一ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) プロパン (BPA—PO) : 4 Orno 1 % (138質量部)
'ポリオキシエチレン (2. 2) — 2, 2—ビス (4—ヒドロキシフエニル) プロパン (BP A— EO) : 5mo 1 % ( 16質量部)
•エチレングリコール: Ί Omo 1 % (43質量部)
(酸モノマー)
•テレフタル酸: 9 5 mo 1 % (1 5 8質量部)
• トリメリット酸: 5 m 0 1 % ( 1 0質量部)
· 5—ナトリウムスルホイソフタル酸: 4. 8mo 1 % (9. 7質量部) (触媒)
•テトラブチルチタネート : 0. lmo l % (0. 28質量部)
冷却管、 撹拌機、 窒素導入管を備えた反応容器に、 上記ポリエステル: 1 00質量部、 メチルェチルケトン: 50質量部、 テトラヒドロフラン: 50 質量部を入れ、撹拌しつつ 7 5 °Cに加熱した。 これに 7 5°Cの水 3 00質量 部を添加し、 1時間撹拌した。 9 5°Cに加熱して 3時間撹拌し、 30°Cに冷 却して弹性材の分散液 1を得た。 物性を表 1及び表 1一 2に示す。
(弹性材の製造例 2乃至 5)
表 2に示す以外は、弹性材の製造例 1と同様にして、弹性材 2乃至 5を得 た。 物性を表 1及び表 1一 2に示す。
(非晶性ポリエステルの製造例)
冷却管、 撹拌機、 窒素導入管を備えた反応容器に、 下記原料を入れ、 常圧 下、 260°Cで 8時間反応させた後、 240°Cに冷却し、 1時間かけて lm mH gに減圧した。 さらに 3時間反応させて非晶性ポリエステルを得た。
(アルコールモノマ一)
'ポリオキシプロピレン (2. 2) — 2, 2—ビス (4ーヒドロキシフエ二 ル) プロパン (B P A— PO) : 2 5mo 1 % (86質量部)
•エチレンダリコール: 1 0 5mo 1 % (6 5質量部)
(酸モノマー)
·テレフタル酸: 8 5mo 1 % (14 1質量部)
• トリメリット酸: 1 5mo 1 % (2 9質量部)
(触媒)
•テトラブチルチタネート : 0. lmo l % (0. 28質量部)
上記非晶性ポリエステルは、重量平均分子量が 18900、数平均分子量が 1 1200、 ガラス転移点が 72。C、 酸価が 10. 6mgK〇HZgであつ た。
<実施例 1 >
5 9質量部
•n—ブチルァクリレ一ト
•ピグメントブルー 1 5: 3
'サリチル酸アルミニウム化合物
(ポントロン E— 88 :オリエント化学社製)
•ジビニルベンゼン 0. 01 5質量部 •上記非晶性ポリエステル 2. 4質量部 'カルナバワックス 12質量部 からなる単量体の混合物を調製した。これに 1 5 mmのセラミックビーズを 入れ、 アトライターを用いて 2時間分散して、 単量体組成物を得た。
高速撹拌装置 TK—ホモミキサー (特殊機化工業製) を備えた容器に、 ィ オン交換水 800質量部とリン酸三カルシウム 3. 5質量部を添加し、 回転 数を 12000回転 Z分に調整し、 70°Cに加温して分散媒系とした。 上記単量体組成物に重合開始剤である t一プチルパ一ォキシ一 2—ェチ ルへキサノエート (TBEH) 4質量部を添加し、 これを上記分散系に投入 した。前記高速撹拌装置にて 12000回転 Z分を維持しつつ 3分間の造粒 工程を行った。その後、高速撹拌装置からプロペラ撹拌羽根に撹拌機を代え、 1 50回転 Z分で 10時間重合を行った。 50°Cに冷却して、着色粒子分散 液を得た。
着色粒子分散液の一部を 20°Cまで冷却して回収し、分散液としての物性
01
を測定した。 また、 その一部を乾燥して DSC測定用のサンプルとした。 着 色粒子の物性を表 3 -2に示す。
予め 50°Cに加熱した前記弹性材 1 : 16. 8質量部 (固形分: 4. 2質 量部) を前記着色粒子分散液に添加した。 このまま 1時間撹拌した後、 希塩 酸を加え、 2時間かけて反応系の pHを 1. 8にした。 次いで、 加熱処理と して 66.0°Cに加熱して 2時間撹拌を続けた後、 20°Cまで冷却し、ろ過、 洗浄、 乾燥してトナ一粒子を得た。
•上記トナ一粒子 1 : 100質量部
• n— C4H9S i (OCH3) 3で処理した疎水性酸化チタン (BET比表 面積: 12 OmVg) : 1質量部
した後シリコーンオイルで処理した疎水性シ リカ (BET比表面積が 160m
2Zg) : 1質量部
からなる混合物をヘンシェルミキサーで混合し、 トナー 1を得た。
上記トナー 1を用い、 下記評価を行った。 トナー 1の物性を表 4、 表 5、 表 5 _ 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<実施例 2乃至 1 1 >
モノマーの使用量、 並びに、 pHを 1. 8にした後の加熱処理の温度と時 間を表 3に示す条件に変更した以外は、実施例 1と同様にして、 トナー 2乃 至 1 1を得た。 また、該トナ一2乃至 1 1は実施例 1と同様の方法で評価を 行った。着色粒子分散液の一部を 20°Cまで冷却して回収し、分散液として の物性を測定した。着色粒子の物性を表 3— 2に示し、各トナーの物性を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<比較例 1〉
実施例 1において、弹性材 1の分散液を添加しなかった以外は、実施例 1 と同様にしてトナー 12を得た。該トナ一12を、実施例 1と同様の方法で 評価を行った。 また、 実施例 1における着色粒子の物性測定と同様にして、
トナ一粒子の物性を測定した。 トナ一粒子の物性を表 3— 2に示す。 トナ一 の物性を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<比較例 2 >
実施例 1において、 弹性材 1の分散液を乾燥し、 該乾燥物: 4 . 2質量部 を単量体組成物に添加し、予め溶解した以外は、実施例 1と同様にしてトナ 一 1 3を得た。 該トナ一1 3を、 実施例 1と同様の方法で評価を行った。 ま た、実施例 1における着色粒子の物性測定と同様にして、 トナー粒子の物性 を測定した。 トナー粒子の物性を表 3— 2に示す。 トナーの物性を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<比較例 3 >
比較例 2において、 前記乾燥物の添加量を 8 . 4質量部にした以外は、 比 較例 1と同様にしてトナー 1 4を得た。該トナー 1 4を、実施例 1と同様の 方法で評価を行った。 また、実施例 1における着色粒子の物性測定と同様に して、 トナー粒子の物性を測定した。 トナー粒子の物性を表 3— 2に示す。 トナーの物性を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<比較例 4 >
実施例 1において、前記弹性材 1を前記着色粒子分散液に添加し、 1時間 撹拌した後、 希塩酸を加え、 2時間かけて反応系の p Hを 1 . 8にした工程 を、 希塩酸を加え、 2時間かけて反応系の p Hを 1 . 8にした後、 5 0 °Cに 加熱した前記弹性材 1を前記着色粒子分散液に添加し、 3 0分間撹拌した以 外は、 実施例 1と同様にしてトナー 1 5を得た。 該トナー 1 5を、 実施例 1 と同様の方法で評価を行った。 また、 実施例 1と同様にして、 着色粒子の物 性を測定した。着色粒子の物性を表 3— 2に示し、該トナー 1 5の物性を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<比較例 5 >
比較例 4において、前記弾性材 1の添加量を、 固形分換算の添加量として
8 . 4質量部にした以外は、 比較例 4と同様にしてトナー 1 6を得た。該ト ナ一 1 6を、 実施例 1と同様の方法で評価を行った。 また、 実施例 1と同様 (こして、 着色粒子の物性を測定した。 着色粒子の物性を表 3— 2に示し、 該 トナー 1 6の物性を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<比較例 6 >
実施例 1において、弹性材 1の分散液を弹性材 5の分散液に変更した以外 は、 実施例 1と同様にしてトナー 1 7を得た。 該トナ一1 7を、 実施例 1と 同様の方法で評価を行った。 また、 実施例 1と同様にして、 着色粒子の物性 を測定した。着色粒子の物性を表 3— 2に示し、該トナー 1 7の物性を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<比較例 7 >
実施例 1において、非晶性ポリエステルを添加せず、 リン酸三カルシウム の代わりに、 鹼化度 8 6 . 5乃至 8 9 m o 1 %のポリビニルアルコール(重 合度 5 0 0 ) を 4 . 2質量部用いた以外は実施例 1と同様にして着色粒子分 散液を得た。
上記着色粒子分散液を 8 0 °Cに加熱し、 これにリン酸三カルシウム 3 . 5 質量部を添加した。 さらに、 前記弹性材 1の 1 6 . 8質量部 (固形分: 4 . 2質量部) を前記着色粒子分散液に添加して 3 0分間撹拌した。 さらに 3時 間撹拌を続けた後、 2 0 °Cまで冷却し、 ろ過、 洗浄、 乾燥してトナー粒子を 得た。
次いで、 実施例 1と同様にしてトナ一 1 8を得た。 該トナー 1 8を、 実施 例 1と同様の方法で評価を行った。 また、 実施例 1と同様にして、 着色粒子 の物性を測定した。着色粒子の物性を表 3 _ 2に示し、該トナー 1 8の物性 を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を表 6に示す。
<比較例 8〉
比較例 1と同様にしてトナー粒子を得た。ヘンシェルミキサーを用い、該
トナー粒子と、 前記弹性材 1の乾燥物: 4. 2質量部とを 2000回転で 3 分間混合した後、 ハイブリダィザー I型 (奈良機械製作所製) に投入し、 6
000 r pmで 3分間処理して、 表面処理トナ一粒子を得た。
•上記表面処理トナー粒子 1 : 100質量部
· η— C4H9S i (OCH3) 3で処理した疎水性酸化チタン (BET比表 面積: 12 OmVg) : 1質量部
'へキサメチルジシラザン処理した後シリコーンオイルで処理した疎水性シ リカ (BET比表面積が 160m2/g) : 1質量部
からなる混合物をヘンシェルミキサ一で混合し、 トナー 1 9を得た。該トナ 一 19を、実施例 1と同様の方法で評価を行った。着色粒子の物性を表 3— 2に示し、 該トナー 1 9の物性を表 4、 表 5、 表 5— 2に示し、 評価結果を 表 6に示す。
<耐ブロッキング性能の評価方法 >
トナー 5 gを 100m lのポリカップに計りとり、 50°Cに調整した温風 乾燥器と 25°Cに調整した室内に入れ 1週間静置した。ポリカップを静かに 取り出し、 ゆっくりと回転させたときのトナーの流動性を、 50°Cで静置し たトナーと 25°Cで静置したトナーとで比較し、 目視により評価した。 A: 25 °Cで静置したトナーと比較して、 50°Cで静置したトナーの流動性 が同等である。
B: 25°Cで静置したトナーと比較して、 50°Cで静置したトナーの流動性 がやや劣るが、 ポリカツプの回転に伴い徐々に流動性が回復する。
C : 50°Cで静置したトナーは、 凝集し融着した塊状物が見られる。
D : 50°Cで静置したトナーが流動しない。
<低温定着性能、 耐オフセット性能、 耐しみ込み性能、 及び、 色域性能の 評価方法 >
市販のカラーレーザ一プリンター (L BP— 5500、 キャノン製) を使用
し、シアン力一トリッジのトナーを取り出して、これにトナー 1を充填した。 該カートリッジをシアンステ一シヨンに装着し、受像紙(キャノン製オフィ スプランナー 64 gZm2) 上に、 縦 2. O cm横 15. O cmの未定着 のトナー画像 (0. 6mgZcm2) を、 通紙方向に対し上端部から 2. 0 cmの部分と下端部から 2. 0 cmの部分に形成した。 次いで、 市販のカラ —レーザープリンター (L BP— 5 5 0 0, キャノン製) から取り外した定 着ュニットを定着温度とプロセススピードが調節できるように改造し、これ を用いて未定着画像の定着試験を行つた。常温常湿下(23°CZ60%RH)、 プロセススピードを 24 OmmZ秒に設定し、 120°C乃至 240°Cの範囲 で設定温度を 1 o°cおきに変化させながら、各温度で上記トナー画像の定着 を行った。 下記評価基準に従って、 低温定着性能、 耐オフセット性能、 耐し み込み性能、 色域性能を評価した。
<低温定着性能 >
A: 120°C以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥 がれない。
B: 130°C以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥 がれない。
C: 140°C以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥 がれない。
D: 1 50°C以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥 がれない。
E: 160°C以上で低温オフセットが発生せず、指でこすってもトナーが剥 がれない。
<耐オフセット性能 >
A:低温定着性能の評価基準となった温度 + 70°C以上の温度領域で高温ォ フセットが発生しない。
B:低温定着性能の評価基準となった温度 + 60°C以上の温度領域で高温ォ フセットが発生しない。
C:低温定着性能の評価基準となった温度 + 5 O :以上の温度領域で高温ォ フセットが発生しない。
D:低温定着性能の評価基準となった温度 +40°C以上の温度領域で高温ォ フセットが発生しない。
E:低温定着性能の評価基準となった温度 + 30°C以上の温度領域で高温ォ フセッ卜が発生しない。
<耐しみ込み性能 >
A:下端部の光沢度が最大となる定着温度の画像について、上端部と下端部 との光沢度の差が 2. 0未満である。
B:下端部の光沢度が最大となる定着温度の画像について、上端部と下端部 との光沢度の差が 2. 0以上 4. 0未満である。
C:下端部の光沢度が最大となる定着温度の画像について、上端部と下端部 との光沢度の差が 4. 0以上 6. 0未満である。
D:下端部の光沢度が最大となる定着温度の画像について、上端部と下端部 との光沢度の差が 6. 0以上 8. 0未満である。
E:下端部の光沢度が最大となる定着温度の画像について、上端部と下端部 との光沢度の差が 8. 0以上である。
<色域性能 >
A: c*が 55以上の温度領域が 50°C以上である。
B : c*が 55以上の温度領域が 40 以上である。
C : c*が 55以上の温度領域が 30°C以上である。
D : c*が 55以上の温度領域が 20°C以上である。
E : c*が 55以上の温度領域が 10°C以上である。
<現像安定性能 >
市販 m mmmのカラ一レーザープリンタ一 (L B P— 5 9 0 0, キヤノン製) を使用 し、 シアン力一トリッジのトナ一を取り出して、 これにトナーを 1 5 0 g充 填した。該カ一トリッジをプリンターのシアンステーションに装着し、常温 常湿下、受像紙(キャノン製オフィスプランナー 6 4 g /m2 )を用いて、 印字率 2 %チャートの連続印字を行った。画像不良が発生せずにトナー残量 が 5 0 gになった場合、 トナー 5 0 gを追加して更に連続印字を行った。 さ らに、画像不良が発生せずにトナー残量が 5 0 gになった場合、再度トナー 5 0 gを追加して連続印字する作業を繰り返した。 下記評価基準に従って、 現像安定性能を評価した。
A: トナーを追加した量が合計 2 0 0 g以上のときに画像不良が発生。
B : トナーを追加した量が合計 1 5 0 gのときに画像不良が発生。
C : トナーを追加した量が合計 1 0 0 gのときに画像不良が発生。
D: トナーを追加した量が合計 5 0 gのときに画像不良が発生。
E : トナーを追加することなく画像不良が発生。
(表 1 )
酸 ίΗΑνΡ Av。x
) Mw Mn
(m) (nrn) ¾ ¾ (mgKOH/g) Dvp
68 §5700 4600 22.4 12 41 1.8 1 .8 26. S 589
56 67100 9800 58.6 27 141 2.2 2.4 15. S 887
78 1§80Q 4200 17.8 6 S3 2.8 2.2 §4.7 ei s
弾 ί生材 si n eoo 4100 122.7 S8 417 3.2 S .4 12.2 1487
Φ製适例 4
96 8800 2S00 212.4 S8 1104 5.6 5.2 48.3 i
(表 1— 2 )
(表 2)
ヌ ノ
ΒΡή-FO BPA-E0 無水 '通
弾性材 40 70 % 5 - 4,8 弾性材 40 90 85 15 一 の製造刺 2 - 弾性材 50 一
製造 - 55 98 7
弾性材
製雇 20 - 85 99 1 一 i.e 弾性材 5 - 115 20
Φ製 - 80 0.7
¾) (3
(表 3— 2)
(表 4)
THF不溶且つクロ口ホルム可滅分
THF不; 且つクロ
D4 1 m以母下' THF可溶成分 クロ口本ルム不
平均 の物性
ロ本ルム可滅分 THFHT溶成分曹可溶成
実施例 トナ ( m) の含有量 ίき成分の含有
円形度 (個数0 の含有量 の Mw の Mp ポリエステル 硫黄元索の含 ■%〉 量 (賤。 /。〉
(黄量0/。) <mgKOH/g) の有無 有量 (黄量0/。) 実施例 1 トナ 1 4.3 0.989 1.8 68.6 25.5 5.9 114800 26800 18.4 有り 0.186 実施例 2 トナ 4.3 0.988 2.9 72.3 22.0 5.7 106700 24400 16.3 有り 0.117 実施例 3 トナ 3 4.4 0.984 4.1 75.7 18.4 5.9 92600 23700 15.2 有し J 0.051 実施例 4 卜ナ 4 4.6 0.989 2.1 69.9 24.4 5.7 58300 16200 12.4 有り 0.067 実施例 5 トナ 5 4.7 0.979 4.6 79.6 14.7 5.7 91800 23300 11.5 有り 0.038 実施例 6 トナ^ 6 5.2 0.978 4.8 79.7 14.6 5.7 91700 23100 11.3 有り 0.033 実施例 7 トナー 7 5.6 0.981 4.2 66.2 27.7 6.1 126100 32200 14.4 有り 0.071 実施例 S トナ^ 5.6 0.987 3.4 63.9 30.0 6.1 134600 33900 21.7 有し」 0.224 実删 9 トナ 9 5.8 0.976 5.6 61.2 32.7 6.1 136400 32700 24.6 有り 0.305 実施例 10トナ 10 5.8 0.979 4.1 58.4 35.5 6.1 147200 34500 28.3 有り 0.381 実施例"! 1トナ 1 6.3 0.976 6.4 83.2 11.0 5.8 168300 41300 8.3 有り 0.016 比較例 1 トナ^ 12 4.2 0.989 1.8 87.9 0.8 5.3 85300 20600 0.4 無し 0 比較例 2トナ 3 4.2 0.973 14.8 85.8 7.6 6.6 90600 23100 2.8 有り 0 比較例 3トナ 4 4.1 0.972 21.1 84.7 8.6 6.7 92700 23600 3.5 有り 0 比較例 4トナー 15 6.6 0.971 11.2 86.7 7.7 5.6 85700 20700 1.6 無し 0 比較例 5トナ 16 6.3 0.968 16.3 85.9 8.2 5.9 85800 20700 2.2 無し 0 比較例 6トナー 17 4.3 0.973 12.8 84.2 9.2 6.6 94300 23300 41.3 有り 0 比較例 7トナ^ 18 4.4 0.972 10.5 87.3 7.4 5.3 85800 20800 0.7 無し 0 比較例8卜ナ 9 5.5 0.948 13.1 87.5 7.2 5.3 85400 20600 1.2 無し 0
(表 5— 2 )
(表 6)
この出願は 20 0 8年 2月 2 5日に出願された日本国特許出願番号第 2 008 - 042 9 6 9からの優先権を主張するものであり、その内容を引用 してこの出願の一部とするものである。